説明

無線タグの位置を確認するためのネットワーク

無線タグの位置を確認するためのネットワークが、複数の無線ノードを有する。そのノードは有線ネットワークによって共に接続される状態にはない。各ノードは、建物の内部に設置されるフロアタイルに含まれ、少なくとも1つの他のノードに対して無線接続可能であるように構成される。フロアタイルが設置されるとき、複数のノードは、メッシュ又はグリッドを形成し、メッシュを参照することによりそのタグの位置を確認するための重複する無線範囲を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグの位置を確認するためのネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
建物内部の人々及び/又はアイテムを追跡するために用いられることのできる、多数の種々の位置決めシステム(positioning system)が知られている。
【0003】
非特許文献1は、位置決めシステムの概要を与え、多数のセル(cell)を有するシステムを詳細に説明している。各セルは、同軸ケーブルで複数のアンテナに接続されるセルコントローラを有し、そのシステムは、信号を送信するタグの位置を確認するのに使用されることができる。3つ以上のアンテナが信号を受信するなら、そのときはタグの位置が確認されることができる。
【0004】
非特許文献2も、よく知られた全地球測位システム(GPS)を含む位置確認システムの概観を与える。あるシステムは、中央サーバに接続される複数の赤外線探知器を有し、赤外線信号を発するいわゆる「アクティブバッジ(active badge)」を位置決めするのに使用されることができる。別のシステムは、天井に取り付けられ、かつコントローラに接続される複数の超音波センサを有し、いわゆる「バット(bat)」の位置を確認するのに使用されることができる。コントローラは、センサをリセットし、次々に超音波信号を送信するバットにより受信される短距離無線信号(short-range radio signal)を送信する。センサは、リセットと、超音波信号の到着時間との間の時間を測定し、これをバットの位置を決定するコントローラへ報告する。
【非特許文献1】”Designing a positioning system for finding people and things indoors”, Jay Werb and Colin Lanzl, IEEE Spectrum, volume 35, issue 7, pages 71 to 78 (1998)
【非特許文献2】”Location Systems for Ubiquitous Computing”, Jeffrey Hightower and Gaetano Borriello, IEEE Computer, volume 34, issue 8, pages 57 to 66 (1998)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの位置決めシステムはそれぞれ、探知器又はアンテナを中央コントローラへと接続するためにケーブル(cabling)を使用するという欠点に苦しんでいる。そこで、これらのシステムは、設置に時間と費用とが掛かる。
【0006】
可能なソリューションは、チップがフロアタイルに埋め込まれている、いわゆる「インテリジェント・フロア・カバー(intelligent floor covering)」を用いることである。フロアタイルが配置される(laid)とき、各チップは、フロアタイルの電気的に導電性のあるスレッド(thread)によって近接するチップに接続される。
【0007】
しかしながら、このシステムでさえ、設置が困難である。なぜなら、タイルは、システムが動作するよう適切に接合されなければならないからである。それは、タイルが設置されることができる場所に関する制限も課す。
【0008】
本発明の目的は、無線タグの位置を確認するための改善されたネットワークを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の側面によれば、無線タグの位置を確認するためのネットワークが提供される。そのネットワークは、複数の独立した無線ノードを有し、各ノードは、建物の内部に設置されるレイヤ(layer)又はそれぞれのレイヤユニット(layer unit)に含まれ、以下の態様で、少なくとも1つの他のノードに無線接続可能であるように構成される。つまり、レイヤ又はレイヤユニットが設置されるとき、その複数のノードが、確定可能な(determinable)空間配置を持ち、かつタグの位置を確認するための重複する無線範囲をその空間配置を参照して与えるような態様である。
【0010】
「独立した」とは、ここでは「有線ネットワークによって、互いに接続されていることもなければ、共通ノードに接続されていることもない」ことを意味する。
【0011】
こうして、各ノードが、近接するノード又は中央ノードのいずれに対しても、有線ネットワークにより接続される必要がないため、ネットワークが容易に設置されることができる。
【0012】
レイヤは、例えば、カーペット又はカーペット下地材(underlay)のようなフロアカバー(floor covering)を有する場合がある。レイヤユニットは、フロア又は天井を覆うタイルを含んでいてよい。空間配置は、規則的なパターンのノード(regular pattern of node)を有する場合がある。各無線ノードは、無線信号を受信する手段と無線信号を送信する手段とを含むことができる。各無線ノードは、例えば、受信信号の到着時間を決定する手段及び/又は受信信号の信号強度の値を決定する手段のような、近接する無線ノードとの範囲を決定する(determining)手段を含むことができる。
【0013】
本発明の第2の側面によれば、無線タグの位置を確認するためのネットワークが提供される。そのネットワークは、建物の内部に設置されるレイヤと、そのレイヤに含まれる複数の独立した無線ノードとを有し、各ノードは、少なくとも1つの他のノードに無線接続可能であるように構成される。
【0014】
本発明の第3の側面によれば、無線タグの位置を確認するためのネットワークの一部を形成するネットワークエレメント(network element)が提供される。そのネットワークエレメントは、建物の内部に設置されるレイヤユニットと、そのレイヤユニットに含まれ、かつ少なくとも1つの他のノードに無線接続可能であるように構成される独立した無線ノードとを有する。
【0015】
そのネットワーク又はネットワークエレメントは、更に、圧電性結晶のような、無線ノードに対する電力を生成する手段を有することができる。そのネットワーク又はネットワークエレメントは、更に、好ましくは、ループ(loop:閉回路)又はコイルのような誘導手段(inductive means)の形式で、無線ノードに対する電力を外部ソースから受信する手段を有することができる。
【0016】
本発明の第4の側面によれば、複数の独立した無線ノードを有するネットワークを用いて無線タグの位置を確認する方法が提供される。各ノードは、建物の内部に設置されるレイヤ又はそれぞれのレイヤユニットに含まれ、かつ少なくとも1つの他のノードに無線接続可能であるように構成され、その方法は、無線ノードの空間配置を決定し、その空間配置を参照して無線タグの位置を決定することを有する。
【0017】
無線ノードの空間配置を決定することは、第1のノードから、その第1のノードを識別する第1のメッセージを送信し、第2のノードにおける第1のメッセージの到着時間を記録し、第2のノードから、第1及び第2のノードと第1のメッセージの到着時間と第2のメッセージの送信時間とを識別する第2のメッセージを送信することを有することができる。その方法は、更に、第2のノードから、空間配置内での第2のノードの位置を識別するメッセージを送信することを有することができる。
【0018】
本発明の第5の側面によれば、建物の内部に設置されるレイヤ又はそれぞれのレイヤユニットに含まれ、少なくとも1つの他のノードに無線接続可能であるように構成される無線ノードを動作させる方法が提供される。その方法は、無線ノードの空間配置に含まれるその無線ノードの位置を決定するためその少なくとも1つの他のノードと共働し、無線ノードの空間配置を参照して、無線タグの位置を決定するため前記無線タグと共働することを有する。
【0019】
本発明の第6の側面によれば、データ処理装置で実行されるとき、該データ処理装置が上述の方法を行うことをもたらす指示を有するコンピュータプログラムが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施形態が、対応する図面を参照して、例を介して以下に説明されるであろう。
【0021】
[ネットワーク5]
図1を参照すれば、本発明の実施形態が使用される建物2のフロア1の平面図が示される。この例において、建物はオフィスである。しかしながら、建物2は、家、一棟のアパート、倉庫、工場、駅舎、バス停、空港、劇場、映画館、病院又は庁舎などの、いかなるタイプの家庭的な、商業用途の、工業用途の又は公共の建物であってもよい。
【0022】
この例では、フロアタイル3の形式をとる複数のレイヤユニットが、建物2のフロア1に配置される。各フロアタイル3は、無線ノード4を含む。無線ノード4は、タイル3の中又はその下に配置されることができる。好ましくは、フロアタイル3は、四角形であり、規則的なパターンで配置される。しかしながら、他の形状のフロアタイル3が使用されてもよく、すべてのタイルが同じ形状である必要はない。更に、フロアタイル3は、規則的に配置される必要はない。もう1つ言えば、従来のフロアタイル(図示省略)、即ち、無線ノード無しのフロアタイルが、規則的又は不規則のいずれかの態様で含まれることができる。こうして、フロアタイル3は、まばらに(sparsely)使用されることができる。追加的に又は選択的に、レイヤが使用されることができる。それは、レイヤに対して、即ちxy平面において分散配置される無線ノードを含む、例えばカーペット(図示省略)又はカーペット下地材(図示省略)の形式で使用されることができる。レイヤユニットは、天井タイルの形式を取ることができる。
【0023】
本発明によれば、無線ノード4は、無線タグ6、6の位置を確認するためのネットワーク5を提供する。第1の例において、第1の無線タグ6は、プリンタ7に付けられ、又は埋め込まれる。詳細は後述されるが、位置確認ネットワーク5は、プリンタ7がその位置を確かめることを可能にするために使用されることができる。プリンタ7は、会社の資産を追跡することに責任を負う幹部職又はITマネージャのようなユーザ10がプリンタ7の位置を追跡することを可能にするコンピュータ9に、ローカルエリアネットワーク8を介して、この情報を送信することができる。第2の例においては、第2の無線タグ6がキーホルダ(key ring)11に組み込まれる。詳細は後述されるが、位置確認ネットワーク5は、キーホルダ11の位置を確認するために使用されることができる。こうして、ユーザ10が、例えばコンピュータ9又は携帯端末(personal digital assistant)12を用いて自分たちの鍵を探すのに、そのネットワークが役に立つ。
【0024】
図2又は図3を参照すれば、無線ノード4は信号13を送信する。その信号強度Sは、無線ノード4からの半径距離rに依存する。例えば、無線信号の場合、信号強度は、距離rの二乗に反比例してよく、すなわち:
【数1】

で表される。ここで、kは定数である。
【0025】
こうして、所与の検出閾値Sに対して、無線ノード4の送信範囲Rは、
【数2】

で表されるよう規定されることができる。但し、
【数3】

である。SとSとの値は、無線ノード4が少なくとも1つの近接する無線ノード4、4、4、4、4、4、4、4に対して及びそれ(ら)から直接的に信号を送受信することができるよう選択される。好ましくは、SとSとの値は、無線ノード4がn個の近接する無線ノードに対してのみ及びそれ(ら)からのみ直接的に信号を送受信することだけができるように選択される。例えば、図3に示されるように、無線ノード4は、最も近い及び次に近い無線ノード(即ちn=2)に対して及びそれらから直接的に信号を送受信することだけができる。従って、放射パターンは半球形である。にもかかわらず、種々の放射パターンを生み出すアンテナが使用されることができる。
【0026】
無線ノード4は、独立している。「独立して」とは、ノード4が有線ネットワークにより、お互いに又は中央ノードに接続されていないことを意味する。従って、タイル3は、容易に設置され、移動され、又は除去されることができる。
【0027】
[無線ノード4]
図4を参照すれば、無線ノード4は、無線信号を送受信する手段14と、信号を処理する手段15と、データを格納する手段16と、時間を記録(keep)する手段17と、電力を格納する手段18とを有する。
【0028】
無線送受信手段14は、好ましくは、一体化されるアンテナを伴う短距離無線トランシーバ回路の形式である。しかしながら、セパレートアンテナ(separate antenna)(図示省略)が与えられてもよい。タイル3の1つ又は複数の繊維がアンテナを形成することができる。処理手段15は、好ましくは、マイクロコントローラの形式である。格納手段16は、好ましくは、不揮発性メモリの形式であり、無線ノード4の動作を制御するコンピュータプログラム19、及び、ノード識別子と対応する位置データとのリストを有するテーブル20を格納する。電力格納手段18は、好ましくはバッテリの形式である。
【0029】
好ましくは、無線ノード4は、Zigbee(登録商標)標準規格に準拠している。しかしながら、無線ノード4は、Bluetooth(登録商標)やIEEE 802.11xといった他の標準規格に準拠することもできる。
【0030】
Zigbee(登録商標)標準規格によれば、255のデバイスがネットワークを形成するために無線で接続されることができる。しかも複数のZigbee(登録商標)ネットワークを用いれば、より多数のデバイスが無線で接続されることができる。デバイスは、2.4 GHz、915 MHz及び/又は868 MHzの無線周波数帯域で動作することができ、それぞれ毎秒250キロビット(kbps)、40 kbps、20 kbpsの生の(raw)データ転送率をサポートし、通常は10メートルから75メートルまでの通信範囲を持つ。好ましくは、各デバイスは、2から5メートルの間の通信範囲を持つ。Zigbee(登録商標)標準規格の概要は、ワールドワイドウェブ www.zigbee.org又はZigbee(登録商標)アライアンス、Bishop Ranch、 22694 Bishop Drive、Suite 275、 San Ramon、CA 94583、USAより得られる。
【0031】
[無線ノード4の位置確認]
再度図1を参照して、無線ノード4は、「メッシュ」又は「グリッド」として知られる空間配置を形成する。各ノード4は、それ自身の位置を確認することができるか、又は信号を交換し、ノード4と各近接するノード4との距離を決定し、GPSで用いられるのと同様の三辺測量を用いることにより、近接するノード4に対する位置が確認されることができる。こうして、ノード4の空間配置が決定されることができる。
【0032】
距離を決定する(determining)好ましい方法は、ノード4間の信号の飛行時間を測定する(determining)ことを有する。しかしながら、追加的に又は選択的に、例えば、受信信号強度インジケーション(RSSI)を測定するといった他の方法が使用されてもよい。
【0033】
位置情報がネットワーク5を流れるプロセス及びノード4の空間配置が決定されることができるプロセスが、以下説明されるであろう:
【0034】
図5、図6及び図7を参照すれば、第1の無線ノード4がネットワーク・コーディネータ(network coordinator)として動作する。第1の無線ノード4は、第1のエントリ22を有するメッセージ21を準備する。各エントリは、ノードを識別するフィールド23と、以前に受信した信号の到着時間(time of arrival)(TOA)を与えるフィールド24と、今送信した信号の出発時間(time of departure)(TOD)を与えるフィールド25とを有する。TODは、発信時間(time of transmission)と呼ばれることもできる。この場合、第1の識別フィールド23は、値「A」を有する。第1のTOAフィールド24は、ブランクのままにされるか又はダミー値で満たされる。第1のTODフィールド25は、値tを有する。第1のTODフィールド25における値は、クロック17(図4)を用いて測定され、メッセージ22を準備し送信するのに必要な時間を考慮した固定遅延を追加することにより調整されることができる。メッセージ21は、範囲R内含まれる近接するノード4、4、4に送信される。
【0035】
どのようにノード4が動作するかの例示として第2のノード4を用いるとすると、第2のノード4は、メッセージ21の到着を待ち(listen)(ステップS1)、メッセージ21、この場合、メッセージ21を受信し(ステップS2)、その到着時間を記録し(ステップS3)、メッセージ21をテーブル19(図4)に格納する(ステップS4)。オプションで、十分な範囲測定(range measurement)を持つ場合、ノード4は、三辺測量を用いてその位置を計算することができる。
【0036】
図5を参照しつつ、図8及び図9も参照すれば、第2のノード4は、第1のエントリ22の後に第2のエントリ22を追加することにより第2のメッセージ21を準備する。第2のエントリ22は、値「B」を有する第2の識別フィールド23と、値t’を有する第2のTOAフィールド24と、値t’を有する第2のTODフィールド25とを含む(ステップS6)。第1のTODフィールド25の値は、クロック17(図4)を用いて測定される。メッセージ21は、近接するノード4、4、4、4、4に送信される(ステップS7)。実質的に同時に第4のノード4により送信されるメッセージ21と、すぐ後に第5のノード4により送信されるメッセージ21とが、破線として示される。
【0037】
各ノード4は、メッセージ21を受信するときはいつでもこのプロセスを行い、繰り返す。ノード4は、メッセージ21を受信する度に、それをメモリ16に格納する。それにより範囲測定の数が増加する。
【0038】
2つのノード4がメッセージ21を交換する場合、クロック17(図4)の1つにおけるクロックドリフトが訂正されることができる。第1及び第2のノード4、4を例にとれば、いったん第1のノード4が第2のメッセージ21を受信すると、クロックドリフトを訂正するのに十分な情報を持つ。その情報は、第1のメッセージ21の第1のノード4からの出発時間であるtと、第2のノード4でのその第1のメッセージ21の到着時間であるt’と、第2のメッセージ21の第2のノード4からの出発時間であるt’と、第1のノード4での第2のメッセージ21の到着時間であるtとを有する。第2のノード4のクロック17が第1のノード4のクロック17に対して固定量x分ドリフトしている(adrift)、つまりt’= t + x である場合、第1のノード4はそのドリフトを補うことができる。
【0039】
第1及び第2のノード4、4間の飛行時間ΔtABは:
【数4】

である。
【0040】
項xは、最終行には現れないことに留意されたい。
【0041】
ドリフトは、次式を用いて明示的に算出されることができる:
【数5】

【0042】
通常、第1のノード4のクロック17は、全体のネットワーク5が同期させられるクロックである。いかなるノードも、連続する連関したメッセージ(series of linked message)を(他のノード4を介して)第1のノード4又はドリフトが訂正されたクロック17(図4)を持つことが知られているノード4と交換することにより、自身のクロックのドリフトを確かめる及びオプションで訂正することができる。これは、一旦十分なメッセージ21がネットワーク5を介して行ったり来たり通過すれば起こりうることは理解されるであろう。別の方法としては、ノード4は、第1のノード4にそのクロックドリフトを通知することを要求することができる。
【0043】
第1のノード4は、ネットワーク5を介して広められた複数のメッセージ21を集める。例えば、第1のノード4は、第1のメッセージ21を第2のノード4に送信する。第2のノード4は、第2のメッセージを第3のノード4に送信する。第3のノード4は、第4のメッセージを近接するノード4に送信する、と続く。メッセージ21が送信される度、メッセージ21は、第1のノード4から離れる向きにネットワーク5の奥へ広まるだけでなく、第1のノード4に向かって戻ってもくる。更に、メッセージ21は、迂回する経路により広まる可能性もある。このようにして、第1のノード4は、最終的には複数のメッセージ21を受信することができる。それぞれのメッセージは、ノード4を通過し、第1のノード4に異なる経路を介して戻ってくる。三辺測量を用いることで、第1のノード4は、ネットワークにおけるすべてのノード4の位置を算出することができる。好ましくは、速度
【数6】

を用いて範囲時間が範囲距離に変換され、位置がデカルト(Cartesian)座標(x,y)で表現される。少なくとも1つのネットワークノード4での絶対位置又はあるノードが起源(origin)であると考えられるかどうかを示す指示(indication)がそれに与えられることができる。
【0044】
実際、各ノード4は、同様にしてメッセージ4を集め、三辺測量を用いて、ネットワークにおけるすべてのノード4の位置を算出することができる。
【0045】
第1のメッセージ21は、追加的なメッセージ21の殺到(avalanche)を引き起こす場合がある。そこで、各ノード4は、メッセージの送信を制限することができる。例えば、各ノードは、新しいエントリを追加し、そして古いエントリを削除することにより、メッセージ21におけるエントリ22、22の数を制限することができる。追加的に又は選択的に、各ノードがメッセージ22を送信し終えた状態である場合、各ノードは、近接するノード4から受信される次のメッセージ22を無視することができる。ノードは、その時々において、選択的にメッセージの送信を制限することができる。例えば、各ノード4は、最初に所与の数のメッセージを送信し、その後、メッセージの送信を制限することができる。
【0046】
こうして、メッセージ21を交換することにより、第1のノード4又は各ノード4は、ネットワーク5に含まれるノード4の位置を決定することができ、従って、ノード4の空間配置を決定することができる。
【0047】
ノード4の空間配置は、タグ6、6に対し及び/又はそれらから信号を送信及び/又は受信することにより、タグ6、6の位置を確認するのに使用されることができる。
【0048】
[プリンタ7の位置確認]
前述したように、第1の無線タグ6は、プリンタ7に付けられるか、又は埋め込まれる。無線タグ6は、無線ノード4とプリンタ7へのデータインタフェース(図示省略)とを有する。
【0049】
図10、図11及び図12を参照すれば、無線タグ6は、多数のノード410、411、412、413、414、415、416、417、418の範囲内にある。無線タグ6は、周期的に「起動し(wake up)」、位置情報に関するリクエスト26をブロードキャストする(ステップS8)。
【0050】
ノード410、411、412、413、414、415、416、417、418は、それぞれ、例えば図11及び図12に示されるような無線タグ6により受信されるリプライ27、27、27、27、27、27、27、27、27をそれぞれ送信する(ステップS9)。各リプライ27、27、27、27、27、27、27、27、27は、リプライを送信する無線ノード410、411、412、413、414、415、416、417、418の識別子(identity)、位置及び出発時間を含む。無線タグ6は、リプライ27、27、27、27、27、27、27、27、27を受信し、その到着時間を記録する(ステップS10)。図10は、説明的なものであり、必ずしもリプライ27、27、27、27、27、27、27、27、27が無線タグ6で受信される順序を示すものではない。しかしながら、図11及び図12は、タグ6とそれぞれのノード410、411、412、413、414、415、416、417、418との距離が違っており、従って、それが飛行時間Δtに反映されるであろうことを示す。
【0051】
すべてのノード410、411、412、413、414、415、416、417、418のクロック17(図4)が同期している、つまり、ドリフトが補償されており、かつ「ネットワーク時間」を示すものであることを仮定すれば、無線タグ6は、三辺測量を用いてその位置を決定することができる(ステップS11)。
【0052】
しかしながら、ノード410、411、412、413、414、415、416、417、418のクロック17(図4)が同期していないと、無線タグ6は、出発時間を含む第2のリクエスト(図示省略)を送信し、第2のセットのリプライ(図示省略)を受信し、前述されたプロセスを用いて、各ノード410、411、412、413、414、415、416、417、418のそれぞれのクロック17(図4)のドリフトを訂正することができる。
【0053】
無線タグ6は、プリンタ7にその位置を与え(ステップS12)、それは、メモリ(図示省略)に格納されることができる。プリンタ7は、ローカルエリアネットワーク8を介してコンピュータ9にその位置を、リクエストに応じて又は自発的に、例えば、周期的に若しくは位置に関する変化が検出するときはいつでも送信する。こうして、プリンタ7の位置はユーザ10により追跡されることができる。
【0054】
別の態様として、無線タグ6は、ネットワーク5における無線ノード4であるかのように振舞い、ネットワーク5が確立(establish)されるとき、前述されたような態様でそれ自身の位置を確認することもできる。プリンタ7が移動されることにより位置に変化が生じるときはいつでも、無線タグ6は、位置更新を行うことができる。
【0055】
無線タグ6は、近接するノード410、411、412、413、414、415、416、417、418の3つ程度のみからのメッセージを受信し、又はその3つ程度のみを用いることによりその位置を決定することができることを理解されたい。
【0056】
[キーホルダ11の位置確認]
前述されたように、第2の無線タグ6(図1)はキーホルダ11に付けられる。
【0057】
図1を参照すると、ユーザ10が鍵を見つけたいと願えば、無線タグ6を自身で持つコンピュータ9又はPDA12を介して無線タグ6の位置を確認するよう、ネットワーク5に指示を出すことができる。無線タグ6は、無線ノード4と、コンピュータ9又はPDA12に対するデータインタフェース(図示省略)とを有する。無線タグ6は、必ずしもコンピュータ9又はPDA12の位置を決定するためのタグとして動作しないが、ネットワーク5と通信する便利な手段として動作することを理解されたい。
【0058】
図13及び図14を参照すれば、無線タグ6は、キーホルダ11に付けられる無線タグ6の識別子、例えば、ID = Zのようなものを特定する、問い合わせメッセージ28を送信し(ステップS13)、リプライ29(図18)の到着を待つことを始める(listen)(ステップS14)。無線タグ6は、リプライ29(図16)を受信したかどうかをチェックし(ステップS15)、「タイムアウト」したか、つまり所定の時間が経過したかをチェックする(ステップS16)。リプライ29(図18)を受信すれば、位置を算出し、この情報をコンピュータ9又はPDA12に送信する(ステップS17)。
【0059】
図15を参照すれば、各無線ノード4は、問い合わせメッセージ28(図14)の到着を待つ(ステップS18)。このような問い合わせメッセージ28を受信する場合(ステップS19)、無線ノード4は、問い合わせメッセージ28を再送信し(ステップS20)、リプライ29(図18)の到着を待ち始める(ステップS21)。無線ノード22は、リプライ29(図18)を受信したかをチェックし(ステップS22)、「タイムアウト」したか、つまり所定の時間が経過したかをチェックする(ステップS23)。
【0060】
無線タグ6は、周期的に「起動し」、問い合わせメッセージ28(図14)の到着を待つ。無線タグ6は、問い合わせメッセージ28を受信し、IDを調査することによりその問い合わせメッセージ28が自身に関連することを記録する。
【0061】
図16及び図17を参照すれば、無線タグ6は、第1のエントリ30を有するリプライ29を送信する。各エントリは、ノードを識別するフィールド31と、以前に受信した信号の到着時間(TOA)を与えるフィールド32と、現在送信した信号の出発時間(TOD)を与えるフィールド33とを有する。この場合、第1の識別フィールド31は、値「Z」を有し、第1のTOAフィールド32は、ブランクのままにされるか又はダミー値で満たされ、第1のTODフィールド33は、値tを有する。
【0062】
無線タグ6は、その時々において問い合わせメッセージ28のコピーを、異なるノードから及び/又は異なる経路を介して受信することができる。リプライの増殖を防ぐために、無線タグ6は、問い合わせメッセージ28の2番目及びそれ以降のコピーを無視することができる。
【0063】
リプライ29は、近接するノード419、420、421、422、423、424、425、426、427に送信される。
【0064】
図15を再度参照しつつ、図18もまた参照すれば、無線ノード4がリプライ29を受信する場合、識別子31、TOA32及びTOD33を含む別のエントリ30を追加することにより、新しいリプライ29を準備(ステップS24)し、無線タグ6(図1)に届くまでその新しいリプライ29を近接するノード4に送信する(ステップS25)。
【0065】
無線タグ6(図1)は、複数のリプライを、種々の近接するノード419、420、421、422、423、424、425、426、427を介して受信し、三辺測量を用いて無線タグ6の位置を決定することができる。
【0066】
無線タグ6は、近接するノード419、420、421、422、423、424、425、426、427の3つ程度のみを介して受信するリプライを用いて、無線タグ6の位置を決定することができることを理解されたい。
【0067】
本発明の実施形態は、複数の利点を持つ。タイルはメンテナンスのために移動されることができる。一旦交換されると、再測定の必要がない。タイルは、階段又は斜面において使用されることができる。カーペット又はタイルは、家に配置されることもできる。更なるタイルが追加される場合、それらは簡単に検出されることができ、ネットワークに組み込まれることができる。フィンガープリンティング(fingerprinting)、つまり信号強度が建物のあちこちで測定され、記録されることは必要とされない。位置決めネットワークに関して何ら技術的な知識を持たず、特別のトレーニングを受けていないカーペットフィッター(carpet fitter)でも、カーペット又はタイルを配置することができる。
【0068】
[規則的な構成における無線ノード4の位置確認]
前述された、位置情報がネットワーク5を流れ、かつノード4の空間配置が決定されることができるプロセスは、大量のデータの転送を含む場合がある。しかしながら、ノード4の空間配置に関する仮定がなされる場合、より単純なプロセスが採用されることができる。特に、タイル3が四角形又は六角形で、規則的なパターンで配置され、かつ、無線ノード4がこれらの事実を知らされる場合、無線ノード4は自分の周囲に関する情報をより素早く集めることができる。
【0069】
図2及び図19を参照すれば、無線ノード4は、2つのモードで動作することができる。即ち、イニシエータモード又はスレーブモードである。
【0070】
イニシエータモードにおいて、無線ノード4、例えば、第5の無線ノード4は、範囲内に含まれる任意のノード4により受信されるメッセージ34を送信する(ステップS26)。メッセージ34は、TODの値が省略されてもよいことを除いて、図6に示されるメッセージ21と同様のものである。にもかかわらず、無線ノード4は、TODの記録をする。無線ノード4は、それからリプライ35、35、35を待つ。無線ノード4は、周期的に、ランダムに、又はリクエストに応じて、メッセージの送信を開始することができる。
【0071】
スレーブモードにおいて、無線ノード4、例えば、無線ノード4、4、4、4、4、4、4、4はそれぞれ、1つ又は複数のマスターノード4からのメッセージ34を待ち、TOAを記録し(ステップS27)、リプライ35、35、35を送信する(ステップS28)。リプライ35、35、35は、イニシエータからのTODの値が省略されることを除いて、図8に示されるものと同様である。言い換えると、リプライ35、35、35は、無線ノード4の識別子と、リプライを送信する無線ノード4の識別子とを含み、無線ノード4からのTODもまた特定される。
【0072】
無線ノード4は、リプライ35、35、35を受信し、そのTOAを記録し(ステップS29)、クロックドリフトを訂正し、「聞く(hear)」ことのできるノードのリストを、範囲値と共に、好ましくは、距離としてメモリ16(図4)に格納する(ステップS30)。
【0073】
各無線ノード4は、交代でイニシエータモードで動作する。こうして、ステップS26、S29及びS30が、無線ノード4、4、4、4、4、4、4、4により行われることができる。逆に、各無線ノード4は、スレーブモードで動作することができる。無線ノード4は、周期的に、ランダムに、又は予め手配されるタイムテーブルに基づき「スリープ状態になる(go to sleep)」ことも「起動する(wake up)」こともできること、及びイニシエータモード又はスレーブモードになれる(enter into)ことを理解されたい。
【0074】
図2及び図20を参照すれば、無線ノード4は、2つの別のモードで動作することもできる。即ち、レポート送信機モード(report sender mode)及びレポート受信機モード(report receiving mode)である。
【0075】
レポート送信機モードにおいて、無線ノード4、例えば、無線ノード4は、周期的に、ランダムに、又はリクエストに応じて、その無線ノード又は別のノードが「聞く」ことのできる近接するノードのリスト36と、それぞれの範囲と、もし分かればそのノード又は他のノードの知られている位置とを送信する(ステップS31)。レポート受信機モードにおいて、無線ノード4は、別のノードが「聞く」ことができる近接するノードのリストを、もし所与であればそれぞれの範囲と共に、そしてもし既知であれば知られた位置と共に受信し、格納する(ステップS32)。これらのリスト及び配置に関する追加的な情報を用いて、各無線ノードは、自身の及び他のノードの位置を決定することができる。
【0076】
図2を再度参照して、第5の無線ノード4は、第1、第2、第3、第4、第6、第7、第8及び第9の無線ノード4、4、4、4、4、4、4、4を聞くことができる。もし、第5の無線ノード4は、第1の無線ノード4が第3のノード4を聞くことができないこと、及び第3のノード4が、第1の無線ノード4を聞くことができないことを知っている場合、第1及び第3の無線ノード4、4が互いに隣にないと推定することができる。もし、第5の無線ノード4は、第2の無線ノード4が第1及び第3のノード4、4を聞くことができることを知っている場合、第2のノード4が第1及び第3の無線ノード4、4の間にあると推定することができる。もし、第5の無線ノード4は、パターンが四角形に基づいていることも知っている場合、第1及び第3の無線ノードが四角の角に位置していることを仮定することができ、可能なx、y座標を割り当てることができる。リストを介して続けることで、第5の無線ノード4は、その近接者がどこに位置しているかを決定することができる。
【0077】
もし、位置が分かっている無線ノード4が、「種蒔きされた(seeded)」状態にあるならば、近接するノード4は、位置の分かっている1つ又は複数の無線ノード4に対する自分自身の位置を確認することができ、それにより、自分自身の位置を知ることができる。このプロセスは、そうしてネットワークを介して広まることができる。こうして、もし第1、第2及び第4の無線ノード4、4、4がそれぞれ位置(570、30)、(570、90)、及び(510、30)(センチメートルによる表現)にあることが分かっている場合、第5の無線ノード4は、これらの無線ノード4、4、4から信号を受信すること及び四角形のパターンが使用されていることが分かっていることのおかげで、その位置が(510、90)であると決定することができる。位置が分かっている無線ノード4を用いることは、別の方法(otherwise)で明らかな範囲(apparent range)を増大することができる内部処理によりもたらされる遅延を考慮して範囲測定が測定されることができるという利点も持つ。
【0078】
位置を表す他の表現、例えば、第1及び第2のノード4、4それぞれに対して、(1、1)、(1、2)といった形式の配列でタイル位置を規定するものが使用されてもよい。
【0079】
[規則的な構成の無線ノード4を用いるプリンタ7の位置確認]
ネットワーク5のあちこちにある無線ノード4は、第1のプロセス又は以下に説明される第2の、より単純なプロセスのいずれかを用いて、その位置を見つけることができる。どちらの場合においても、もし無線ノード4が、その位置を知る場合、その分かった位置を含むリスト36を送信することができる(ステップS31)。こうして、図10に示されるプロセスを用いて、もしそれぞれ近くにあるノード410、411、412、413、414、415、416、417、418がその分かっている位置を含むメッセージを送信する場合、無線タグ6は、その位置を決定することができる。
【0080】
[代替の電源]
図21を参照すれば、電力を生成する手段37、好ましくは圧電性結晶の形式のものと共に、タイル3’が与えられる。人がタイル3’の上に踏み出すと、圧電性結晶37は変形され、それに対して電圧が生じる。電圧は、バッテリ17を再チャージするのに使用されることができる。
【0081】
図22を参照すれば、電力を受信する手段38、好ましくは閉回路(loop)又はコイルの形式のものと共に、タイル3”が与えられる。閉回路又はコイル(どちらも図示省略)は、例えば、下地材(underlay)のような、すそ板(skirting board)又は追加的なレイヤで与えられる。電流は、その閉回路又はコイルを通過される。電流は、タイル3”の閉回路又はコイル38で誘導される。これは、バッテリ17を再チャージするのに使用されることができる。
【0082】
本発明の開示を読めば、他の変形及び修正が当業者には明らかであろう。斯かる変形及び修正は、携帯ユニットの位置を確認するシステム及びその構成部品のデザイン、製造及び使用において既に知られているのと均等な特徴及び他の特徴を含むことができ、本書に既に述べられた特徴の代わりに又はそれに加えて用いられることができる。
【0083】
本出願において請求項は特徴の特定の組み合わせに対して記載されているが、本発明の開示の範囲は、いずれかの請求項において現在記載されているのと同一の発明に関するものであるかどうか、及び本発明が解決するのと同一の技術的な課題のいずれか又はすべてを解決するかどうかに関わらず、本書において明示的に又は暗示的にのいずれかの態様で開示されたいずれかの新規な特徴又は特徴のいかなる新規な組み合わせ、又はそのいかなる一般化をも含むことができることを理解されたい。本出願及び該出願から派生するいずれかの追加的な出願の審査の間に、斯かる特徴及び/又は斯かる特徴の組み合わせに対して新たな請求項が記載される場合があることを、出願人は付記しておく。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明によるネットワークの実施形態が使用される建物のフロアの平面図である。
【図2】図1に示される平面図の部分の拡大図である。
【図3】図2に示される平面図の部分を、線A−Aに沿って切った断面図である。
【図4】無線ノードの概略図である。
【図5】無線ノードの空間配置を決定する方法のプロセスフロー図である。
【図6】第1のメッセージの内容を示す図である。
【図7】近接するノードへの図6に示される第1のメッセージの送信を説明する図である。
【図8】第2のメッセージの内容を示す図である。
【図9】近接するノードへの第2のセットのメッセージの転送を説明する図である。
【図10】無線タグによるリクエストの送信と無線ノードからのリプライの受信とに関するプロセス図である。
【図11】図1に示される平面図の部分の拡大図であり、多数の無線ノードに対してプリンタに関連付けられる無線タグの位置が確認される図である。
【図12】図11に示される平面図の部分を、線B−Bに沿って切った断面図である。
【図13】開始無線ノード(initiating wireless node)により行われるタグの位置を確認する方法のプロセスフロー図である。
【図14】開始無線ノードにより送信されるリクエストを説明する図である。
【図15】無線ノードにより行われるタグの位置を確認する方法のプロセスフロー図である。
【図16】図1に示される平面図の部分の拡大図であり、多数の無線ノードに対してキーホルダに関連付けられる無線タグの位置が確認される図である。
【図17】無線タグにより送信されるリプライを説明する図である。
【図18】無線ノードにより送信されるリプライを説明する図である。
【図19】無線ノードによるリクエストの送信と近接する無線ノードからのリプライの受信とに関するプロセス図である。
【図20】無線ノードによるリストの送信に関するプロセス図である。
【図21】無線ノードとその無線ノードに対する電力を生成する圧電性結晶とを含むタイルの断面図である。
【図22】無線ノードと電力を受信するループとを含むタイルの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグの位置を確認するためのネットワークであって、該ネットワークが、複数の独立した無線ノードを有し、各ノードは、建物内部に設置されるレイヤ又はそれぞれのレイヤユニットに含まれ、前記レイヤ又はレイヤユニットが設置されるとき前記複数のノードが確定可能な空間配置を持つよう、かつ前記空間配置を参照して前記タグの位置を確認するための重複する無線範囲を提供するよう、少なくとも1つの他のノードに無線接続可能であるように構成されるネットワーク。
【請求項2】
前記レイヤが、フロアカバーを有する、請求項1に記載のネットワーク。
【請求項3】
前記レイヤが、カーペット下地材を有する、請求項1又は2に記載のネットワーク。
【請求項4】
レイヤユニットが、フロアをカバーするタイルを含む、請求項1に記載のネットワーク。
【請求項5】
前記レイヤユニットが、天井をカバーするタイルを含む、請求項1又は4に記載のネットワーク。
【請求項6】
前記空間配置は、規則的なパターンのノードを有する、請求項1乃至5に記載のネットワーク。
【請求項7】
各無線ノードが、無線信号を受信する手段と無線信号を送信する手段とを有する、請求項1乃至6に記載のネットワーク。
【請求項8】
各無線ノードが、近接する無線ノードとの範囲を決定する手段を有する、請求項1乃至7に記載のネットワーク。
【請求項9】
範囲を決定する前記手段が、受信信号の到着時間を決定する手段を有する、請求項8に記載のネットワーク。
【請求項10】
範囲を決定する前記手段が、前記受信信号の信号強度の値を決定する手段を有する、請求項8又は9に記載のネットワーク。
【請求項11】
無線タグの位置を確認するためのネットワークであって、該ネットワークが、
建物の内部に設置されるレイヤと、
前記レイヤに含まれる複数の独立した無線ノードとを有し、各ノードは、少なくとも1つの他のノードと無線接続可能であるように構成される、ネットワーク。
【請求項12】
無線タグの位置を確認するためのネットワークの一部を形成するネットワークエレメントであって、該ネットワークエレメントが、
建物の内部に設置されるレイヤユニットと、
前記レイヤユニットに含まれ、少なくとも1つの他のノードと無線接続可能であるように構成される独立した無線ノードとを有するネットワークエレメント。
【請求項13】
更に、無線ノードに対する電力を生成する手段を有する請求項11に記載のネットワーク又は請求項12に記載のネットワークエレメント。
【請求項14】
電力を生成する前記手段が、圧電性結晶を有する、請求項13に記載のネットワーク又はネットワークエレメント。
【請求項15】
更に、外部ソースから無線ノードに対する電力を受信する手段を有する請求項11に記載のネットワーク又は請求項12に記載のネットワークエレメント。
【請求項16】
電力を受信する前記手段が、誘導手段を有する、請求項15に記載のネットワーク又はネットワークエレメント。
【請求項17】
複数の独立した無線ノードを有するネットワークを用いて無線タグの位置を確認する方法において、各ノードが、建物の内部に設置されるレイヤ又はそれぞれのレイヤユニットに含まれ、かつ少なくとも1つの他のノードと無線接続可能であるように構成され、該方法は、
前記無線ノードの空間配置を決定し、
前記空間配置を参照して前記無線タグの位置を決定することを有する方法。
【請求項18】
前記無線ノードの前記空間配置を決定することが、
第1のノードから、該第1のノードを識別する第1のメッセージを送信し、
第2のノードにおける前記第1のメッセージの到着時間を記録し、
前記第2のノードから、第2のメッセージを送信することを有し、該第2のメッセージは、前記第1及び第2のノードと、前記第1のメッセージの前記到着時間と、前記第2のメッセージの発信時間とを識別する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
更に、前記第1のノードから、前記空間配置内での前記第1のノードの前記位置を識別するメッセージを送信することを有する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
建物の内部に設置されるレイヤ又はそれぞれのレイヤユニットに含まれ、かつ少なくとも1つの他のノードに無線接続可能であるように構成される無線ノードを動作させる方法において、該方法は、
無線ノードの空間配置内での前記無線ノードの位置を決定するよう前記少なくとも1つの他のノードと共働し、
無線ノードの前記空間配置を参照して、前記無線タグの位置を決定するよう無線タグと共働することを有する方法。
【請求項21】
データ処理装置で実行されるとき、該データ処理装置が請求項20に記載の方法を行うことをもたらす指示を有するコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2007−506963(P2007−506963A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527554(P2006−527554)
【出願日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【国際出願番号】PCT/IB2004/051841
【国際公開番号】WO2005/031383
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】