説明

無線タグシステム

【課題】無線タグシステムにおいて、無線タグの通信動作をより適切な時期に行うことができ、且つその通信動作前の待機時において無線タグの消費電力を効果的に抑制し得る構成を提供する。
【解決手段】無線タグシステム1は、無線タグリーダ2と無線タグ50とを備え、無線タグリーダ2には、LF帯アンテナ22を介して第1周波数帯のトリガ電波を送信するLF帯送信回路21と、第2周波数帯の電波を媒介として無線タグ50と無線通信を行うリーダ側通信手段(UHF帯アンテナ34及びUHF帯送受信部31)とが設けられている。一方、無線タグ50は、無線タグリーダ2に対する当該無線タグ50の配置方向を検出する配置方向検出手段と、配置方向検出手段によって検出された当該無線タグ50の配置方向に基づき、各受信回路61,62,63を有効化する時間を制御する有効化制御手段と備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線タグシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
無線タグリーダによって無線タグの読み取りや書き込みを行う無線タグシステムでは、無線タグでの電力消費を抑えることが求められている。特に、アクティブタグを用いるアクティブタグシステムでは、内蔵電池の消耗を抑え、電池交換や充電のサイクルを極力少なくすることが大きな課題とされており、このような課題に関連する例としては、例えば特許文献1のような技術が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−321853公報
【特許文献2】特開2006−306161公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなアクティブタグシステムでは、アクティブタグの省電力化を図るべく、アクティブタグから無線タグリーダへの電波送信や受信を適切な時期に行うことが求められている。例えば、アクティブタグが無線タグリーダの通信可能範囲に存在しない時期などにアクティブタグから電波が発信されても、無線タグリーダとの間で無線通信は行われず、アクティブタグ内で無駄な電力消費が発生してしまうことになる。従って、このような電波送信は極力抑制されるべきであり、アクティブタグが無線タグリーダの通信可能範囲内に存在する適切な位置関係で電波の送受信が行われることが望ましい。
【0005】
一方、アクティブタグシステムとは異なるが、車両用電子キーシステムの分野では、特許文献2のような技術が提供されている。この特許文献2に係る車両用電子キーシステムでは、携帯機(12)内に、XYZの3軸用の受信アンテナ(36)とLF信号復調増幅回路(38)とを備えた受信回路(26)が設けられており、送信ユニット(46)からのリクエスト信号(Sr)を受信回路(26)が受信したときに、携帯機(12)のCPU(24)が起動し、その後、UHF送信回路(28)によってデータ通信が行われるようになっている。この構成によれば、携帯機(12)が送信ユニット(46)と通信可能となるまでCPU(24)等を非動作状態とすることができるため、効果的に携帯機(12)の省電力化を図ることができ、携帯機(12)と送信ユニット(46)とが通信可能となる適切な時期に携帯機(12)のCPU(24)等を動作させることができる。
【0006】
しかしながら、特許文献2の構成では、リクエスト信号(Sr)がXYZ軸3軸用の受信アンテナ(36)のいずれからでも受信できるように、常にLF信号復調増幅回路(38)を全体的に動作させていると考えられ、この場合、受信回路(26)では、送信ユニット(46)からの電波(LF帯の電波)が受信されにくい位置にいずれかの受信アンテナが配置されていたとしても、当該受信アンテナに対応する回路部分が、他の回路部分(電波(LF帯の電波)が受信されやすい位置の受信アンテナに対応する回路部分)と同様に駆動され、無駄な消費電力が生じる懸念があった。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、無線タグと無線タグリーダとを備えた無線タグシステムにおいて、無線タグの通信動作をより適切な時期に行うことができ、且つその通信動作前の待機時において無線タグの消費電力を効果的に抑制し得る構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、無線タグと、この無線タグと通信可能な無線タグリーダとを備えた無線タグシステムに係るものであり、
前記無線タグリーダは、リーダ側アンテナと、前記リーダ側アンテナを介して第1周波数帯のトリガ電波を送信するトリガ電波送信手段と、前記第1周波数帯と異なる第2周波数帯の電波を媒介として前記無線タグと無線通信を行うリーダ側通信手段と、を備えている。
更に、前記無線タグが、前記トリガ信号送信手段によって送信された前記第1周波数帯の前記トリガ電波を受信可能な複数の受信アンテナを備えると共に、それら各受信アンテナに対応する受信回路をそれぞれ備えたトリガ電波受信手段と、前記トリガ電波受信手段によって前記トリガ電波が受信されたときに、前記第2周波数帯の電波を媒介として前記無線タグリーダと無線通信を行うタグ側通信手段と、前記無線タグリーダに対する当該無線タグの配置方向を検出する配置方向検出手段と、前記配置方向検出手段によって検出された当該無線タグの前記配置方向に基づき、前記トリガ電波受信手段の各受信回路を有効化する時間を制御する有効化制御手段と、備えたことを特徴としている。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の無線タグシステムにおいて、前記無線タグが、当該無線タグの移動加速度を検出可能な移動加速度検出手段を備え、前記有効化制御手段が、前記配置方向検出手段によって検出された前記配置方向と、前記移動加速度検出手段によって検出された前記移動加速度とに基づいて各受信回路を有効化する時間を制御することを特徴としている。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の無線タグシステムにおいて、前記有効化制御手段が、前記配置方向検出手段によって検出された前記配置方向に基づいて、複数の前記受信回路の中から有効化させる対象回路を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前記対象回路の有効化時間を、前記移動加速度検出手段によって検出された前記移動加速度に応じた長さに設定する有効化時間設定手段と、を有することを特徴としている。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載の無線タグシステムにおいて、前記有効化制御手段が、前記移動加速度検出手段によって検出される前記移動加速度が所定閾値未満であるか否かを判断する判断手段を備え、前記判断手段によって前記移動加速度が前記所定閾値未満であると判断される状態が一定時間継続した場合に、前記トリガ電波受信手段における全ての前記受信回路の受信状態を無効化することを特徴としている。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の無線タグシステムにおいて、前記配置方向検出手段が、前記無線タグにおける1又は複数の所定方向の加速度を検出可能な加速度センサと、前記加速度センサによって検出された前記加速度に基づいて、鉛直方向に対する前記無線タグの姿勢を検出する姿勢検出手段と、前記無線タグリーダにおける前記リーダ側アンテナの配置の向きを特定可能な配置情報を記憶する記憶手段と、を備え、前記記憶手段に記憶された前記配置情報と、前記姿勢検出手段によって検出された前記無線タグの姿勢とに基づいて、前記無線タグリーダに対する前記無線タグの前記配置方向を検出することを特徴としている。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の無線タグシステムにおいて、前記トリガ電波受信手段が、前記無線タグにおける所定の第1方向の前記トリガ電波を受信可能な第1アンテナと、前記第1方向と直交する所定の第2方向の前記トリガ電波を受信可能な第2アンテナと、前記第1方向及び前記第2方向と直交する所定の第3方向の前記トリガ電波を受信可能な第3アンテナと、前記第1アンテナに対応して接続された第1受信回路と、前記第2アンテナに対応して接続された第2受信回路と、前記第3アンテナに対応して接続された第3受信回路と、備えており、
更に、前記有効化制御手段が、前記配置方向検出手段によって検出された前記配置方向に基づいて、前記第1受信回路、前記第2受信回路、及び前記第3受信回路を有効化する時間を制御することを特徴としている。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の無線タグシステムにおいて、
前記無線タグが、前記配置方向検出手段によって検出された前記配置方向を記憶する配置方向記憶手段を備え、
前記配置方向検出手段が、前記無線タグリーダに対する前記無線タグの前記配置方向を定期的に検出し、前記配置方向記憶手段は、前記配置方向検出手段によって前記無線タグの前記配置方向が検出される毎に、その検出された前記配置方向を記憶しており、
前記有効化制御手段は、前記配置方向検出手段によって前記無線タグの前記配置方向が検出されたとき、その検出された現在の配置方向が、前記配置方向記憶手段に記憶された前記無線タグの前回の配置方向に対して所定の変化をしているときに、各受信回路を有効化する時間の制御内容を更新する構成をなしている。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の無線タグシステムにおいて、前記無線タグが、内蔵電池を備えたアクティブタグであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明では、無線タグリーダにおいて、リーダ側アンテナを介して第1周波数帯のトリガ電波を送信するトリガ電波送信手段と、第1周波数帯と異なる第2周波数帯の電波を媒介として無線タグと無線通信を行うリーダ側通信手段とが設けられている。
一方、無線タグには、トリガ信号送信手段によって送信された第1周波数帯のトリガ電波を受信可能な複数の受信アンテナが設けられ、それら各受信アンテナに対応する受信回路をそれぞれ備えたトリガ電波受信手段と、トリガ電波受信手段によってトリガ電波が受信されたときに、第2周波数帯の電波を媒介として無線タグリーダと無線通信を行うタグ側通信手段と、無線タグリーダに対する当該無線タグの配置方向を検出する配置方向検出手段と、配置方向検出手段によって検出された当該無線タグの配置方向に基づき、トリガ電波受信手段の各受信回路を有効化する時間を制御する有効化制御手段とが設けられている。
この構成では、無線タグ側においてトリガ電波を受信可能な受信アンテナが複数設けられているため、単一の受信アンテナのみで構成する場合と比較して検出の自由度が大きくなり、無線タグを良好に検出して通信動作をより適切な時期に行いやすくなる。更に、無線タグ側において、無線タグリーダに対する当該無線タグの配置方向を把握することができ、その配置方向に基づいて、各受信回路を有効化する時間を制御することができるため、全ての受信回路を常に有効化する構成と比較すると、通信動作前の待機時において無線タグの消費電力を効果的に抑制することができる。
【0017】
請求項2の発明では、無線タグが、当該無線タグの移動加速度を検出可能な移動加速度検出手段を備えている。更に、有効化制御手段が、配置方向検出手段によって検出された配置方向と、移動加速度検出手段によって検出された移動加速度とに基づいて各受信回路を有効化する時間を制御している。
この構成によれば、無線タグリーダに対する無線タグの配置方向のみならず、無線タグ自体の移動加速度をも加味して各受信回路を有効化する時間を制御することができるため、無線タグの配置方向及び移動加速度を反映したより適切な制御が可能となる。
【0018】
請求項3の発明では、有効化制御手段が、配置方向検出手段によって検出された配置方向に基づいて、複数の受信回路の中から有効化させる対象回路を選択する選択手段と、選択手段によって選択された対象回路の有効化時間を、移動加速度検出手段によって検出された移動加速度に応じた長さに設定する有効化時間設定手段とを有している。
この構成によれば、配置方向に応じて必要な受信回路のみを有効化することができるため、不要な受信回路による消費電力をより確実に低減できる。また、有効化する受信回路についても、無線タグの移動加速度に応じた長さで有効化時間を設定しているため、移動加速度との兼ね合いで必要以上に有効化時間を長く設定しにくくなり、より一層効果的に省電力化を図ることができる。
【0019】
請求項4の発明では、移動加速度検出手段によって検出される移動加速度が所定閾値未満であるか否かを判断する判断手段が設けられている。そして、判断手段によって移動加速度が所定閾値未満であると判断される状態が一定時間継続した場合に、トリガ電波受信手段における全ての受信回路の受信状態を無効化している。
このようにすると、無線タグが人に所持された状態で移動しているとは考えにくく通信が行われない蓋然性が高い場合に、全ての受信回路の受信状態を無効化して一層の省電力化を図ることができる。
【0020】
請求項5の発明では、配置方向検出手段が、無線タグにおける1又は複数の所定方向の加速度を検出可能な加速度センサと、加速度センサによって検出された加速度に基づいて、鉛直方向に対する無線タグの姿勢を検出する姿勢検出手段と、無線タグリーダにおけるリーダ側アンテナの配置の向きを特定可能な配置情報を記憶する記憶手段と、を備え、記憶手段に記憶された配置情報と、姿勢検出手段によって検出された無線タグの姿勢とに基づいて、無線タグリーダに対する無線タグの配置方向を検出している。
このようにすれば、鉛直方向に対する無線タグの姿勢をより正確に検出することができ、この検出された姿勢と、記憶手段に記憶される配置情報とを反映すれば、無線タグリーダに対する無線タグの配置方向をより正確に把握することができる。
【0021】
請求項6の発明では、トリガ電波受信手段が、無線タグにおける所定の第1方向のトリガ電波を受信可能な第1アンテナと、第1方向と直交する所定の第2方向のトリガ電波を受信可能な第2アンテナと、第1方向及び第2方向と直交する所定の第3方向のトリガ電波を受信可能な第3アンテナと、第1アンテナに対応して接続された第1受信回路と、第2アンテナに対応して接続された第2受信回路と、第3アンテナに対応して接続された第3受信回路と、備えている。このようにすれば、無線タグの姿勢がどのような方向であっても、第1アンテナ、第2アンテナ、第3アンテナの少なくともいずれかによって検出しやすくなる。また、有効化制御手段が、配置方向検出手段によって検出された配置方向に基づいて、第1受信回路、第2受信回路、及び第3受信回路を有効化する時間を制御しているため、配置方向に適したアンテナに対応する受信回路が選択・有効化されやすくなる。
【0022】
請求項7の発明では、無線タグに設けられた配置方向検出手段が、無線タグリーダに対する無線タグの配置方向を定期的に検出し、配置方向記憶手段は、配置方向検出手段によって無線タグの配置方向が検出される毎に、その検出された配置方向を記憶している。このようにすると、無線タグの配置方向を定期的に把握することができ、最新の配置方向が得られやすくなる。
また、有効化制御手段は、配置方向検出手段によって無線タグの配置方向が検出されたとき、その検出された現在の配置方向が、配置方向記憶手段に記憶された無線タグの前回の配置方向に対して所定の変化をしているときに、各受信回路を有効化する時間の制御内容を更新している。このようにすると、配置方向があまり変化していないときに不要な更新処理を省略し、処理の効率化を図ることができる。
【0023】
請求項8の発明は、無線タグが、内蔵電池を備えたアクティブタグとして構成されている。この構成によれば、より広い範囲で通信を行いやすい構成を実現しつつ、その一方で、無線タグに内蔵される電池の交換頻度や劣化を効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係る無線タグシステムを概念的に説明する説明図である。
【図2】図2は、図1の無線タグシステムで用いられる無線タグリーダの電気的構成を例示するブロック図である。
【図3】図3は、図1の無線タグシステムで用いられる無線タグの電気的構成を例示するブロック図である。
【図4】図4は、無線タグで行われる通信処理の流れを例示するフローチャートである。
【図5】図5(A)は、無線タグの加速度が大きいときの無線タグリーダ側のLF帯アンテナと無線タグとの位置関係を概念的に例示する説明図である。図5(B)は、図5(A)のときの各受信回路の動作タイミングを概略的に示すタイミングチャートである。
【図6】図6(A)は、無線タグの加速度が中程度のときの無線タグリーダ側のLF帯アンテナと無線タグとの位置関係を概念的に例示する説明図である。図6(B)は、図6(A)のときの各受信回路の動作タイミングを概略的に示すタイミングチャートである。
【図7】図7(A)は、無線タグの加速度が小さいときの無線タグリーダ側のLF帯アンテナと無線タグとの位置関係を概念的に例示する説明図である。図7(B)は、図7(A)のときの各受信回路の動作タイミングを概略的に示すタイミングチャートである。
【図8】図8(A)は、本発明の変形例において無線タグリーダ側のLF帯アンテナと無線タグとが、ある位置関係となった様子を概念的に例示する説明図である。図8(B)は、図8(A)のときの各受信回路の動作タイミングを概略的に示すタイミングチャートである。
【図9】図9(A)は、本発明の変形例において無線タグリーダ側のLF帯アンテナと無線タグとが図8(A)とは異なった位置関係となった様子を概念的に例示する説明図である。図9(B)は、図9(A)のときの各受信回路の動作タイミングを概略的に示すタイミングチャートである。
【図10】図10(A)は、本発明の変形例において無線タグリーダ側のLF帯アンテナと無線タグとが図8(A)、図9(A)とは異なった位置関係となった様子を概念的に例示する説明図である。図10(B)は、図10(A)のときの各受信回路の動作タイミングを概略的に示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
[第1実施形態]
以下、本発明の無線タグシステムを具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、図1〜図3を参照して、無線タグシステムのハードウェア構成等について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る無線タグシステムを概念的に説明する説明図である。図2は、図1の無線タグシステムで用いられる無線タグリーダの電気的構成を例示するブロック図である。図3は、図1の無線タグシステムで用いられる無線タグの電気的構成を例示するブロック図である。
【0026】
(無線タグシステムの概要)
図1に示すように、無線タグシステム1は、無線タグ50と、この無線タグ50と通信可能な無線タグリーダ2とを備えた構成をなしており、無線タグリーダ2は、使用者によって所持される無線タグ50を読み取る構成をなしている。
【0027】
(無線タグリーダの構成)
無線タグリーダ2は、図2に示すように、全体的制御を司る制御部10を備え、制御部10には、LF帯アンテナ22を介してLF(Low Frequency)帯の信号を送信するLF帯送信回路21と、UHF帯アンテナ34を介してUHF帯の信号を送受信するUHF帯送受信部31とが接続されている。
【0028】
制御部10は、例えばマイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース、メモリ12、タイマ14などを備え、情報処理装置として機能している。
【0029】
LF帯送信回路21は、LF帯の信号を送信し得る公知の信号発生回路からなり、例えば、30kHz〜300kHzの周波数のトリガ信号を発生させ、LF帯アンテナ22を介してこのトリガ信号を出力している。LF帯アンテナ22は、LF帯の電波を出力可能な構成であればよく、例えば並列共振回路によって構成され、図5のように、アンテナでの磁束方向(矢印F1参照)が鉛直方向と平行になるように配置されている。
なお、LF帯アンテナ22は「リーダ側アンテナ」の一例に相当する。また、制御部10及びLF帯送信回路21は、「トリガ電波送信手段」の一例に相当し、LF帯アンテナ22(リーダ側アンテナ)を介して第1周波数帯のトリガ電波を送信するように機能する。
【0030】
UHF帯送受信部31は、UHF帯アンテナ34及び制御部10と協働して無線タグ50との間で電磁波(UHF帯電波)による通信を行ない、無線タグ50に記憶されるデータの読取り、或いは無線タグ50へのデータの書込みを行なうように機能する。
なお、制御部10、UHF帯送受信部31、UHF帯アンテナ34は、「リーダ側通信手段」の一例に相当し、第1周波数帯(LF帯)と異なる第2周波数帯(UHF帯)の電波を媒介として無線タグ50と無線通信を行うように機能する。
【0031】
UHF帯送受信部31は、公知の電波方式で伝送を行う回路として構成されており、図2に示すように、UHF帯送信回路32、UHF帯受信回路33などを有している。
UHF帯送信回路32は、キャリア発振器、符号化部、増幅器、送信部フィルタ、変調部などによって構成されており、キャリア発振器から例えば周波数953MHzのキャリア(搬送波)が出力される構成をなしている。また、符号化部は、制御部10に接続されており、当該制御部10より出力される送信データを符号化して変調部に出力する構成をなしている。変調部は、キャリア発振器からのキャリア(搬送波)、及び符号化部からの送信データが入力されるものであり、キャリア発振器より出力されるキャリア(搬送波)に対し、通信対象へのコマンド送信時に符号化部より出力される符号化された送信符号(変調信号)によってASK(Amplitude Shift Keying)変調された被変調信号を生成し、増幅器に出力している。増幅器は、入力信号(変調部によって変調された被変調信号)を所定のゲインで増幅し、その増幅信号を送信部フィルタに出力しており、送信部フィルタは、増幅器からの増幅信号をフィルタリングした送信信号を整合回路を介してUHF帯アンテナ34に出力している。このようにしてUHF帯アンテナ34に送信信号が出力されると、その送信信号が電磁波として当該UHF帯アンテナ34より外部に放射される。
【0032】
一方、UHF帯アンテナ34によって受信された電波信号は、UHF帯受信回路33に入力される。このUHF帯受信回路33は、受信部フィルタ、増幅器、復調部、二値化処理部、復号化部などによって構成されており、UHF帯アンテナ34を介して受信された信号を受信部フィルタによってフィルタリングした後、増幅器によって増幅し、その増幅信号を復調部によって復調する。そして、その復調された信号波形を二値化処理部によって二値化し、復号化部にて復号化した後、その復号化された信号を受信データとして制御部10に出力している。
【0033】
(無線タグの構成)
次に、無線タグ50について説明する。
図3に示す無線タグ50は、制御部51、UHF帯送受信部52、UHF帯アンテナ、内蔵電源82によって、公知のアクティブ方式のRFIDタグ(アクティブタグ)として構成され、内蔵電源82によって駆動する構成をなしており、更に、加速度センサ80及びトリガ電波受信部60が設けられている。なお、内蔵電源82は、例えばリチウムコイン電池などによって構成されている。
【0034】
UHF帯送受信部52は、UHF帯受信回路53と、UHF帯送信回路54とによって構成されている。UHF帯受信回路53は、UHF帯アンテナ55を介して受信した受信信号(キャリア信号)に重畳されているデータを復調して制御部51出力している。UHF帯送信回路54は、制御部51にて生成された送信データをUHF帯アンテナ55を介して送信するように構成されており、例えば制御部51から送信される送信データに基づいてキャリア信号を負荷変調し、この信号を、UHF帯アンテナ55を介してUHF帯の電波として送信している。
【0035】
メモリ58は、各種半導体メモリによって構成されており、制御プログラムや無線タグ50を識別するためのタグ識別情報(タグID)、或いは後述する各種データ(無線タグリーダのアンテナの配置方向のデータ等)などが記憶されている。
【0036】
タイマ59は、公知のタイマ回路によって構成されており、後述する通信制御に用いる時間など、様々な時間を計測可能に構成されている。
【0037】
トリガ電波受信部60は、「トリガ電波受信手段」の一例に相当するものであり、上述の「トリガ信号送信手段」によって送信されたLF帯(第1周波数帯)のトリガ電波を受信可能な複数の受信アンテナを備えると共に、それら各受信アンテナに対応する受信回路をそれぞれ備えている。具体的には、無線タグ50における所定の第1方向のトリガ電波を受信可能な第1アンテナ66と、この第1方向と直交する所定の第2方向のトリガ電波を受信可能な第2アンテナ67と、第1方向及び第2方向と直交する所定の第3方向のトリガ電波を受信可能な第3アンテナ68とを備え、三軸のアンテナとして構成されている。図5の例では、板状且つ長手状に構成される無線タグ50の短手方向に沿って第1アンテナ66が配置されており、この第1アンテナ66と直交するように無線タグ50の長手方向に沿って第2アンテナ67が配置されている。また、これら第1アンテナ66及び第2アンテナ67と直交するように、無線タグ50の厚さ方向に沿って第3アンテナ68が配置されている。
【0038】
本実施形態では、第1アンテナ66の延びる方向(無線タグ50の短手方向)を無線タグ50のX軸方向とし、第2アンテナ67の延びる方向(無線タグ50の長手方向)をY軸方向とし、第3アンテナ68の配置方向(無線タグ50の厚さ方向)をZ軸方向としている。第1アンテナ66は、当該第1アンテナ66を通る磁束線の方向(矢印Fx)がX軸方向(無線タグ50の短手方向)となっており、第2アンテナ67は、当該第2アンテナ67を通る磁束線の方向(矢印Fy)がY軸方向(無線タグ50の長手方向)となっている。更に、第3アンテナ68は、当該第3アンテナ68を通る磁束線の方向(矢印Fz)がZ軸方向(無線タグ50の厚さ方向)となっている。この位置関係では、無線タグ50がLF帯アンテナ22に近づいた場合、第1アンテナ66の延びる方向(磁束線Fxの方向)がLF帯アンテナ22の延びる方向(鉛直方向)と平行に近いほど第1アンテナ66とLF帯アンテナ22の通信状態が良くなる。また、第2アンテナ67の延びる方向(磁束線Fyの方向)がLF帯アンテナ22の延びる方向(鉛直方向)と平行に近いほど第2アンテナ67とLF帯アンテナ22の通信状態が良くなる。同様に、第3アンテナ68の延びる方向(磁束線Fzの方向)がLF帯アンテナ22の延びる方向(鉛直方向)と平行に近いほど第1アンテナ66とLF帯アンテナ22の通信状態が良くなる。
【0039】
また、図3に示すように、トリガ電波受信部60には、第1アンテナ66に対応して接続された第1受信回路61と、第2アンテナ67に対応して接続された第2受信回路62と、第3アンテナ68に対応して接続された第3受信回路63とが設けられている。第1受信回路61は、第1アンテナ66で受信されたLF帯のトリガ信号を復調且つ増幅し、制御部51に出力している。また、第2受信回路62は、第2アンテナ67で受信されたLF帯のトリガ信号を復調且つ増幅し、制御部51に出力している。同様に、第3受信回路63は、第3アンテナ68で受信されたLF帯のトリガ信号を復調且つ増幅し、制御部51に出力している。
【0040】
また、無線タグ50には、加速度センサが設けられている。この加速度センサ80は、例えば、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の加速度をそれぞれ検出可能な3軸加速度センサを備えており、制御部51は、加速度センサ80による検出値に基づき、公知の方法で、鉛直方向の向きと、無線タグ50が進行している進行方向の向きとを特定可能とされている。なお、三軸の加速度センサによって進行方向及び鉛直方向を特定する技術は公知技術であるので詳細は省略するが、例えば特開2003−302419公報、特開2007−325722公報などに示される方法のほか、公知の様々な方法を用いることができる。
本実施形態では、少なくとも鉛直方向とX軸とのなす角度θx1と、鉛直方向とY軸とのなす角度θy1と、鉛直方向とZ軸とのなす角度θz1とを検出可能とされている。また、無線タグ50の移動方向とX軸とのなす角度θx2、移動方向とY軸とのなす角度θy2、移動方向とZ軸とのなす角度θz2についても検出可能とされており、移動方向における加速度の値(移動加速度)についても検出可能とされている。
なお、加速度センサ80は、無線タグ50の移動加速度を検出可能な「移動加速度検出手段」の一例に相当する。
【0041】
(無線タグにおける通信制御)
次に、無線タグにおける通信制御について説明する。
図4は、無線タグで行われる通信処理の流れを例示するフローチャートである。図5(A)は、無線タグの加速度が大きいときの無線タグリーダ側のLF帯アンテナと無線タグとの位置関係を概念的に例示する説明図である。図5(B)は、図5(A)のときの各受信回路の動作タイミングを概略的に示すタイミングチャートである。図6(A)は、無線タグの加速度が中程度のときの無線タグリーダ側のLF帯アンテナと無線タグとの位置関係を概念的に例示する説明図である。図6(B)は、図6(A)のときの各受信回路の動作タイミングを概略的に示すタイミングチャートである。図7(A)は、無線タグの加速度が小さいときの無線タグリーダ側のLF帯アンテナと無線タグとの位置関係を概念的に例示する説明図である。図7(B)は、図7(A)のときの各受信回路の動作タイミングを概略的に示すタイミングチャートである。
【0042】
図4の処理は、例えば電源投入や無線タグ50における所定操作などによって開始されるものであり、まず無線タグリーダ2のアンテナ設置方向を取得する(S1)。本実施形態では、無線タグリーダ2におけるLF帯アンテナ22のアンテナ設置方向が、鉛直方向に対して0°となっており、具体的には、LF帯アンテナ22を通る磁束線の方向(図5の矢印F1参照)が鉛直方向と平行となっている。LF帯アンテナ22の配置方向(磁束線方向F1)と鉛直方向とのなす角度θ1(例えば「0°」という値)は、予め初期設定により無線タグ50のメモリ58に記憶されており、S1では、メモリ58からθ1の値を読み出して取得する。
【0043】
なお、本実施形態ではメモリ58が「記憶手段」の一例に相当し、無線タグリーダ2におけるLF帯アンテナ22(リーダ側アンテナ)の配置の向きを特定可能な配置情報(即ち、LF帯アンテナ22の配置方向(磁束線方向F1)と鉛直方向とのなす角度θ1)を記憶するように機能する。また、制御部51は、「姿勢検出手段」の一例に相当し、加速度センサ80によって検出された加速度に基づいて、鉛直方向に対する無線タグ50の姿勢を検出するように機能する。更に、S1の処理を行う制御部51及び加速度センサ80は、「配置方向検出手段」の一例に相当し、無線タグリーダ2に対する当該無線タグ50の配置方向を検出するように機能しており、具体的にはメモリ58(記憶手段)に記憶された配置情報と、上記「姿勢検出手段」によって検出された無線タグ50の姿勢とに基づいて、無線タグリーダ2に対する無線タグ50の配置方向を検出するように機能する。
【0044】
S1の後、設定の初期化を行う(S2)。S2の処理では、第1アンテナ66、第2アンテナ67、第3アンテナ68の中で、初期動作させるものを選択し、更にデューティー比の初期値を取得する。本実施形態では、例えばメモリ58に、初期動作させるアンテナの情報と、デューティ比の初期値の情報とが記憶されており、S2ではこれら情報を取得して、初期化を行う。例えば、メモリ58において、第1アンテナ66、第2アンテナ67、第3アンテナ68を指定する指定情報が記憶されている場合、S2でこの指定情報を読み出し、第1アンテナ66、第2アンテナ67、第3アンテナ68にそれぞれ対応する第1受信回路61、第2受信回路62、第3受信回路63を動作させる。この動作は、メモリ58に記憶されるデューティ比の初期値に従って行われ、例えば、デューティー比の初期値が1(100%)である場合には、指定されたアンテナの受信回路を連続的に動作させる。
【0045】
なお、上記の例では、全てのアンテナを動作させるように初期設定を行っていたが、いずれかのアンテナのみを指定する指定情報が記憶されていてもよい。この場合、S2では、指定されたアンテナに対応する受信回路のみが駆動される。或いは、いずれのアンテナも指定しない情報が記憶されていてもよい。この場合には、いずれのアンテナの受信回路も駆動されないことになる。また、デューティ比の初期値は上記のような1(100%)以外の値でもよく、例えば0.5(50%)程度であってもよく、0(0%)であってもよい。
【0046】
S2の後には、無線タグ50の方向を取得する(S3)。具体的には、上述の加速度センサ80により、無線タグ50のX軸方向、Y軸方向、Z軸方向のそれぞれと、鉛直方向とのなす角度θx1、θy1、θz1を取得する。そして、S3で取得した角度θx1、θy1、θz1が前回のS3の処理で取得した角度θx1、θy1、θz1に対して所定の変化が生じているか否かを判断する。本実施形態では、S10でNoに進む毎に、或いはS17の処理が終了する毎に、S3において上記角度θx1、θy1、θz1を取得し、メモリ58に記憶しており、S3の処理が行われる毎に、メモリ58の記憶内容を更新している。そして、S4では、前回のS3の処理で記憶された角度θx1、θy1、θz1のそれぞれと、今回のS3の処理で取得された角度θx1、θy1、θz1のそれぞれとを比較し、いずれかの角度が所定の閾値(例えば1°)以上変化しているか否かを判断する。S3で取得された角度θx1、θy1、θz1のいずれもが、前回の角度と比較して所定閾値以上変化していない場合にはS4にてNoに進む。
【0047】
本実施形態では、メモリ58が「配置方向記憶手段」の一例に相当し、「配置方向検出手段」によって検出された配置方向を記憶するように機能する。また、「配置方向検出手段」に相当する加速度センサ80及び制御部51は、無線タグリーダ2に対する無線タグ50の配置方向を定期的に検出し、メモリ58(配置方向記憶手段)は、この「配置方向検出手段」によって無線タグ50の配置方向が検出される毎に、その検出された配置方向を記憶するように機能している。また、S5の処理を実行する制御部51(有効化制御手段)は、上記「配置方向検出手段」によって無線タグ50の配置方向が検出されたとき、その検出された現在の配置方向が、メモリ58(配置方向記憶手段)に記憶された無線タグの前回の配置方向に対して所定の変化をしているときに、各受信回路を有効化する時間の制御内容を更新する構成をなしている(S3、S4、S5参照)
【0048】
一方、S3で取得された角度θx1、θy1、θz1の少なくともいずれかが、前回の角度と比較して所定閾値以上変化している場合には、無線タグ50の方向に変化があったものとしてS4にてYesに進み、S3で得られた角度θx1、θy1、θz1に基づいていずれかのアンテナ及び受信回路を有効化する(S5)。
【0049】
本実施形態では、第1アンテナ66、第2アンテナ67、第3アンテナ68の内、鉛直方向とのなす角度θx1、θy1、θz1が閾値角度(例えば50°)以下となっているアンテナ(即ち、鉛直方向とのなす角度がより小さいアンテナ)を選択し、その選択されたアンテナ及び受信回路のみを有効化し、他のアンテナ及び受信回路を無効化するように設定する。例えば、図5(A)のような例では、θy1がほぼ0°となり、θx1、θz1がほぼ90°となるため、第2アンテナ67及び第2受信回路62のみが有効化されることになる。また、図9(A)と同様の配置のときには、θx1がほぼ0°となり、θy1、θz1がほぼ90°となるため、第1アンテナ66及び第1受信回路61のみが有効化されることになる。また、図10(A)と同様の配置のときには、θx1が45°となり、θy1が45°となり、θz1がほぼ90°となるため、第1アンテナ66及び第1受信回路61が有効化され、更に、第2アンテナ67及び第2受信回路62が有効化されることになる。
【0050】
本実施形態では、有効化すべきアンテナ及び受信回路として選択されたものについては、有効化期間の間は、受信回路に対して電力を供給(例えば、受信回路の増幅器や復調器などに電力を供給)し、当該受信回路に対応付けて接続されたアンテナを介した電波の受信を可能とする。一方、無効化すべきアンテナ及び受信回路とされたものについては、受信回路に対する電力供給(例えば、受信回路の増幅器や復調器に対する電力供給)を停止させ、当該受信回路に対応付けて接続されたアンテナを介した電波の受信を不能とする。
【0051】
なお、本実施形態では、S5の処理を行う制御部51が「選択手段」の一例に相当し、「配置方向検出手段」によって検出された配置方向に基づいて、複数の受信回路(第1受信回路61、第2受信回路62、第3受信回路63)の中から有効化させる対象回路を選択するように機能する。
【0052】
S5にて有効化すべきアンテナ及び受信回路を選択した後には、無線タグの加速度を取得する処理を行う(S6)。具体的には、加速度センサ80の検出値に基づいて上述の方法により無線タグ50の移動方向を特定し、この移動方向の加速度を検出する。そして、S6で検出された加速度に対応するデューティを設定する。
【0053】
本実施形態では、例えば、加速度の範囲とデューティとが対応付けられた形で予めメモリ58に記憶されている。具体的には例えば加速度がα2未満のとき(加速度小のとき)にはデューティは0.2(20%)、加速度がα2以上α3未満の(加速度中のとき)ときにはデューティは0.5(50%)、加速度がα3以上α4未満のとき(加速度大のとき)にはデューティは0.8(80%)、加速度がα4を超えるとき(加速度最大のとき)にはデューティは1(100%)といった具合に、加速度の範囲とデューティとが対応付けられて記憶されている。なお、α2、α3、α4は、使用状況を考慮して様々な値に設定することができる。S7では、このような記憶内容を参照し、S5で有効化対象回路とされた受信回路の駆動時間のデューティを、S6で取得した移動方向の加速度(移動加速度)に対応したデューティに設定する。
【0054】
例えば、図5(A)のように無線タグ50の水平方向の加速度がα3以上α4未満のとき(即ち、加速度大のとき)には、上記記憶内容により、デューティが0.8(80%)と設定されるため、図5(B)のように、選択された第2受信回路62(Y軸受信回路)の駆動時間のデューティを0.8(80%)に設定する。なお、本実施形態では、有効化対象となる受信回路の有効化時間(駆動時間)を間欠的に設定しており、有効化時間(駆動時間)の周期が予め定められたTとなっている。また、各有効化時間は、T1(T×0.8)となっている。
【0055】
また、図6(A)のように、無線タグ50の水平方向の加速度がα2以上α3未満のとき(即ち、加速度中のとき)には、上記記憶内容により、デューティが0.5(50%)と設定されるため、図6(B)のように、選択された第2受信回路62(Y軸受信回路)の駆動時間のデューティを0.5(50%)に設定する。この場合も、有効化時間(駆動時間)の周期はTとなっており、各有効化時間は、T2(T×0.5)となっている。
【0056】
また、図7(A)のように、無線タグ50の水平方向の加速度がα2未満のとき(即ち、加速度小のとき)には、上記記憶内容により、デューティが0.2(20%)と設定されるため、図7(B)のように、選択された第2受信回路62(Y軸受信回路)の駆動時間のデューティを0.2(20%)に設定する。この場合も、有効化時間(駆動時間)の周期はTとなっており、各有効化時間は、T3(T×0.2)となっている。
【0057】
なお、本実施形態では、S7の処理を行う制御部51が「有効化時間設定手段」の一例に相当し、上記「選択手段」によって選択された対象回路の有効化時間を、「移動加速度検出手段」によって検出された移動加速度に応じた長さに設定するように機能する。上述したように、図5〜図7の例では、有効化時間の開始周期Tが予め定められており、S7で設定されたデューティにこの開始周期Tを乗じることで有効化時間が決まるようになっている。
【0058】
なお、S6、S7では、無線タグの加速度を取得し、加速度に応じたデューティを設定する例を示しているが、無線タグの移動速度を取得し、移動速度に応じたデューティを設定する構成であってもよい。
【0059】
S7の後には、無線タグ50が所定の静止状態か否かを判断する。具体的には、S6で検出された移動加速度が所定閾値α1未満であるか否かを判断し、α1未満の場合には、無線タグ50が静止状態にあるものとしてS8にてYesに進む。一方、S6で検出された移動加速度が閾値α1以上である場合には、無線タグ50が静止状態ではないとして、S8にてNoに進む。
なお、本実施形態では、S8の処理を実行する制御部51が「判断手段」の一例に相当し、「移動加速度検出手段」によって検出される移動加速度が所定閾値α1未満であるか否かを判断するように機能する。
【0060】
S8にてNoに進む場合には、後述するタイマ59による計時をストップし(S9)、これまでにLF帯のトリガ信号(ウェイクアップ信号)の受信があったか否かを判断する。LF帯のトリガ信号(ウェイクアップ信号)が受信されない場合にはS10にてNoに進み、S3以降の処理を繰り返す。一方、LF帯のトリガ信号(ウェイクアップ信号)が受信された場合には、S10にてYesに進み、UHF帯の電波を媒介として無線タグリーダ2と通信する処理を行う(S19)。このS19では、公知の様々な非接触通信処理を行うことができ、例えば、無線タグリーダ2から所定の読取コマンドが送信されたときにメモリ58に記憶される情報(タグID等)を無線タグリーダ2に対して応答したり、或いは無線タグリーダ2から所定の書き込みコマンドが送信されたときにメモリ58に情報を書き込むといった処理などが挙げられる。
【0061】
なお、本実施形態では、制御部51、UHF帯送受信部52、UHF帯アンテナ55は、「タグ側通信手段」の一例に相当し、「トリガ電波受信手段」によってトリガ電波が受信されたときに、UHF帯(第2周波数帯)の電波を媒介として無線タグリーダ2と無線通信を行うように機能する。
【0062】
S8にてYesに進む場合には、無線タグ50のタイマ59が動作しているか否かを判断する(S11)。このタイマ59は、S18で計時が開始されてから、S9で計時が停止するまでの時間(加速度がα1未満となる静止状態の時間)を計測しており、S11で動作が開始していないと判断される場合には、S11でNoに進み、タイマ59による計時を開始する。一方、S11において既にタイマ動作中と判断される場合には、S11でYesに進み、静止状態が所定の長時間となったか否かを判断する(S12)。S12では、タイマ59による計測時間が所定の閾値時間を経過したか否かを判断しており、経過していない場合なNoに進み、S3以降の処理を繰り返す。一方、タイマ59による計測時間が所定の閾値時間を経過している場合には、S12にてYesに進み、現在有効化されているLF帯アンテナ及び受信回路の情報を記憶する(S13)。そして、S13の後には、全てのLF帯アンテナ(第1アンテナ66、第2アンテナ67、第3アンテナ68)及び受信回路(第1受信回路61、第2受信回路62、第3受信回路63)を無効化する。
【0063】
S14で全ての全てのLF帯アンテナ(第1アンテナ66、第2アンテナ67、第3アンテナ68)及び受信回路(第1受信回路61、第2受信回路62、第3受信回路63)を無効化した後には、移動方向における無線タグの加速度を取得する。このS15の処理は、S6と同様に行われる。そして、S15で取得した移動加速度が所定閾値α1未満であるか否かを判断し、移動加速度が所定閾値α1未満である場合には、無線タグ50の静止状態が継続しているものとしてS16にてYesに進み、S15の処理を繰り返す。S15の処理で得られた移動加速度が所定閾値α以上である場合には、無線タグ50が静止状態から脱したものとしてS16にてNoに進む。この場合、S13で記憶していた情報に基づき、S14の直前まで有効化されていた受信回路及びLF帯アンテナを有効化する。なお、S17で有効化する場合、デューティは、S14の直前までのデューティであってもよく、S16でNoとなる直線のS15で得られた移動加速度に基づいてS7と同様の方法で設定してもよい。
【0064】
本実施形態では、制御部51が「有効化制御手段」の一例に相当し、上記「配置方向検出手段」によって検出された当該無線タグの配置方向に基づき、トリガ電波受信部60の各受信回路(第1受信回路61、第2受信回路62、第3受信回路63)を有効化する時間を制御するように機能しており、より詳しくは、上記「配置方向検出手段」によって検出された配置方向と、上記「移動加速度検出手段」によって検出された移動加速度とに基づいて各受信回路を有効化する時間を制御するように機能している。更に、「有効化制御手段」に相当する制御部10は、上記「判断手段」によって移動加速度が所定閾値α1未満であると判断される状態が一定時間継続した場合に、トリガ電波受信部60における全ての受信回路の受信状態を無効化するように機能している。
【0065】
(第1実施形態の主な効果)
本実施形態に係る無線タグシステム1では、無線タグリーダ2において、LF帯アンテナ22(リーダ側アンテナ)を介してLF帯(第1周波数帯)のトリガ電波を送信する「トリガ電波送信手段」と、LF帯(第1周波数帯)と異なるUHF帯(第2周波数帯)の電波を媒介として無線タグ50と無線通信を行う「リーダ側通信手段」とが設けられている。
一方、無線タグ50には、「トリガ信号送信手段」によって送信されたLF帯のトリガ電波を受信可能な複数の受信アンテナ(第1アンテナ66、第2アンテナ67、第3アンテナ68)が設けられ、それら各受信アンテナに対応する受信回路(第1受信回路61、第2受信回路62、第3受信回路63)をそれぞれ備えたトリガ電波受信部60と、トリガ電波受信部60によってトリガ電波が受信されたときに、UHF帯の電波を媒介として無線タグリーダ2と無線通信を行う「タグ側通信手段」と、無線タグリーダ2に対する無線タグ50の配置方向を検出する「配置方向検出手段」と、検出された無線タグ50の配置方向に基づき、トリガ電波受信部60の各受信回路を有効化する時間を制御する「有効化制御手段」とが設けられている。
この構成では、無線タグ50側においてトリガ電波を受信可能な受信アンテナが複数設けられているため、単一の受信アンテナのみで構成する場合と比較して検出の自由度が大きくなり、無線タグ50を良好に検出して通信動作をより適切な時期に行いやすくなる。更に、無線タグ50側において、無線タグリーダ2に対する当該無線タグ50の配置方向を把握することができ、その配置方向に基づいて、各受信回路を有効化する時間を制御することができるため、全ての受信回路を常に有効化する構成と比較すると、通信動作前の待機時において無線タグの消費電力を効果的に抑制することができる。
【0066】
また、本実施形態では、無線タグ50が、当該無線タグ50の移動加速度を検出可能な「移動加速度検出手段」を備えている。更に、「有効化制御手段」が、「配置方向検出手段」によって検出された配置方向と、「移動加速度検出手段」によって検出された移動加速度とに基づいて各受信回路(第1受信回路61、第2受信回路62、第3受信回路63)を有効化する時間を制御している。
この構成によれば、無線タグリーダ2に対する無線タグ50の配置方向のみならず、無線タグ50自体の移動加速度をも加味して各受信回路(第1受信回路61、第2受信回路62、第3受信回路63)を有効化する時間を制御することができるため、無線タグ50の配置方向及び移動加速度を反映したより適切な制御が可能となる。
【0067】
また、本実施形態では、「有効化制御手段」が、「配置方向検出手段」によって検出された配置方向に基づいて、複数の受信回路(第1受信回路61、第2受信回路62、第3受信回路63)の中から有効化させる対象回路を選択する「選択手段」と、「選択手段」によって選択された対象回路の有効化時間を、「移動加速度検出手段」によって検出された移動加速度に応じた長さに設定する「有効化時間設定手段」とを有している。
この構成によれば、配置方向に応じて必要な受信回路のみを有効化することができるため、不要な受信回路による消費電力をより確実に低減できる。また、有効化する受信回路についても、無線タグ50の移動加速度に応じた長さで有効化時間を設定しているため、移動加速度との兼ね合いで必要以上に有効化時間を長く設定しにくくなり、より一層効果的に省電力化を図ることができる。
【0068】
また、本実施形態では、「移動加速度検出手段」によって検出される移動加速度が所定閾値α1未満であるか否かを判断する「判断手段」が設けられている。そして、「判断手段」によって移動加速度が所定閾値α1未満であると判断される状態が一定時間継続した場合に、トリガ電波受信部60における全ての受信回路の受信状態を無効化している。
このようにすると、無線タグ50が人に所持された状態で移動しているとは考えにくく通信が行われない蓋然性が高い場合に、全ての受信回路の受信状態を無効化して一層の省電力化を図ることができる。
【0069】
また、本実施形態では、「配置方向検出手段」が、無線タグ50における1又は複数の所定方向の加速度を検出可能な加速度センサ80と、加速度センサ80によって検出された加速度に基づいて、鉛直方向に対する無線タグ50の姿勢を検出する「姿勢検出手段」と、LF帯アンテナ22(リーダ側アンテナ)の配置の向きを特定可能な配置情報を記憶するメモリ58(記憶手段)とを備え、メモリ58に記憶された配置情報と、「姿勢検出手段」によって検出された無線タグ50の姿勢とに基づいて、無線タグリーダ2に対する無線タグ50の配置方向を検出している。
このようにすれば、鉛直方向に対する無線タグ50の姿勢をより正確に検出することができ、この検出された姿勢と、メモリ58に記憶される配置情報とを反映すれば、無線タグリーダ2に対する無線タグ50の配置方向をより正確に把握することができる。
【0070】
また、本実施形態では、トリガ電波受信部60(トリガ電波受信手段)が、無線タグ50における所定の第1方向(X軸方向)のトリガ電波を受信可能な第1アンテナ66と、第1方向と直交する所定の第2方向(Y軸方向)のトリガ電波を受信可能な第2アンテナ67と、第1方向及び第2方向と直交する所定の第3方向(Z軸方向)のトリガ電波を受信可能な第3アンテナ68と、第1アンテナ66に対応して接続された第1受信回路61と、第2アンテナ67に対応して接続された第2受信回路62と、第3アンテナ68に対応して接続された第3受信回路63と備えている。このようにすれば、無線タグの姿勢がどのような方向であっても、第1アンテナ66、第2アンテナ67、第3アンテナ68の少なくともいずれかによって検出しやすくなる。また、「有効化制御手段」は、「配置方向検出手段」によって検出された配置方向に基づいて、第1受信回路61、第2受信回路62、及び第3受信回路63を有効化する時間を制御しているため、配置方向に適したアンテナに対応する受信回路が選択・有効化されやすくなる。
【0071】
また、本実施形態では、無線タグ50に設けられた「配置方向検出手段」が、無線タグリーダ2に対する無線タグ50の配置方向を定期的に検出し、「配置方向記憶手段」は、「配置方向検出手段」によって無線タグ50の配置方向が検出される毎に、その検出された配置方向を記憶している。このようにすると、無線タグ50の配置方向を定期的に把握することができ、最新の配置方向が得られやすくなる。
また、「有効化制御手段」は、「配置方向検出手段」によって無線タグ50の配置方向が検出されたとき、その検出された現在の配置方向が、メモリ58(配置方向記憶手段)に記憶された無線タグ50の前回の配置方向に対して所定の変化をしているときに、各受信回路を有効化する時間の制御内容を更新している。このようにすると、配置方向があまり変化していないときに不要な更新処理を省略し、処理の効率化を図ることができる。
【0072】
また、本実施形態では、無線タグ50が、内蔵電池を備えたアクティブタグとして構成されている。この構成によれば、より広い範囲で通信を行いやすい構成を実現しつつ、その一方で、無線タグ50に内蔵される電池の交換頻度や劣化を効果的に低減することができる。
【0073】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0074】
上記実施形態では、無線タグ50の移動加速度に応じて有効化する受信回路のデューティを制御していたが、このような方法を用いずに、有効化対象として選択された受信回路を連続的に駆動するように構成してもよい。この場合、第1実施形態の無線タグシステム1から通信処理(図4)の一部及び有効化方法のみを変更し、S5で選択された受信回路を100%デューティで継続的に駆動するようにすればよい。例えば、図8(A)のように、θy1がほぼ0°となり、θx1、θz1がほぼ90°となる場合、第1実施形態と同様に第2アンテナ67及び第2受信回路62のみが有効化されることになるが、この場合、図8(B)のように、第2受信回路62(Y軸受信回路)のみが連続的に駆動される。また、図9(A)のように、θx1がほぼ0°となり、θy1、θz1がほぼ90°となる場合、第1アンテナ66及び第1受信回路61のみが有効化されることになるが、この場合、図9(B)のように、第2受信回路62(Y軸受信回路)のみが連続的に駆動される。また、図10(A)のように、θx1が45°となり、θy1が45°となり、θz1がほぼ90°となる場合、第1アンテナ66及び第1受信回路61が有効化され、更に、第2アンテナ67及び第2受信回路62が有効化されることになるが、この場合、、図9(B)のように、第1受信回路61(X軸受信回路)、第2受信回路62(Y軸受信回路)が連続的に駆動される。なお、この場合、図4の通信処理においてS7を省略すれば、上記有効化制御を好適に実現できる。
【符号の説明】
【0075】
1…無線タグシステム
2…無線タグリーダ
10…制御部(トリガ電波送信手段、リーダ側通信手段)
21…LF帯送信回路(トリガ電波送信手段)
22…LF帯アンテナ(リーダ側アンテナ)
31…UHF帯送受信部(リーダ側通信手段)
34…UHF帯アンテナ(リーダ側通信手段)
50…無線タグ
51…制御部(タグ側通信手段、配置方向検出手段、有効化制御手段、選択手段、有効化時間設定手段、判断手段、姿勢検出手段)
52…UHF帯送受信部(タグ側通信手段)
55…UHF帯アンテナ(タグ側通信手段)
58…メモリ(記憶手段、配置方向記憶手段)
60…トリガ電波受信部(トリガ電波受信手段)
61…第1受信回路(受信回路)
62…第2受信回路(受信回路)
63…第3受信回路(受信回路)
66…第1アンテナ(受信アンテナ)
67…第2アンテナ(受信アンテナ)
68…第3アンテナ(受信アンテナ)
80…加速度センサ(配置方向検出手段、移動加速度検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線タグと、この無線タグと通信可能な無線タグリーダとを備えた無線タグシステムであって、
前記無線タグリーダは、
リーダ側アンテナと、
前記リーダ側アンテナを介して第1周波数帯のトリガ電波を送信するトリガ電波送信手段と、
前記第1周波数帯と異なる第2周波数帯の電波を媒介として前記無線タグと無線通信を行うリーダ側通信手段と、
を備え、
前記無線タグは、
前記トリガ信号送信手段によって送信された前記第1周波数帯の前記トリガ電波を受信可能な複数の受信アンテナを備えると共に、それら各受信アンテナに対応する受信回路をそれぞれ備えたトリガ電波受信手段と、
前記トリガ電波受信手段によって前記トリガ電波が受信されたときに、前記第2周波数帯の電波を媒介として前記無線タグリーダと無線通信を行うタグ側通信手段と、
前記無線タグリーダに対する当該無線タグの配置方向を検出する配置方向検出手段と、
前記配置方向検出手段によって検出された当該無線タグの前記配置方向に基づき、前記トリガ電波受信手段の各受信回路を有効化する時間を制御する有効化制御手段と、
を備えたことを特徴とする無線タグシステム。
【請求項2】
前記無線タグは、当該無線タグの移動加速度を検出可能な移動加速度検出手段を備え、
前記有効化制御手段は、前記配置方向検出手段によって検出された前記配置方向と、前記移動加速度検出手段によって検出された前記移動加速度とに基づいて各受信回路を有効化する時間を制御することを特徴とする請求項1に記載の無線タグシステム。
【請求項3】
前記有効化制御手段は、
前記配置方向検出手段によって検出された前記配置方向に基づいて、複数の前記受信回路の中から有効化させる対象回路を選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記対象回路の有効化時間を、前記移動加速度検出手段によって検出された前記移動加速度に応じた長さに設定する有効化時間設定手段と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の無線タグシステム。
【請求項4】
前記有効化制御手段は、
前記移動加速度検出手段によって検出される前記移動加速度が所定閾値未満であるか否かを判断する判断手段を備え、
前記判断手段によって前記移動加速度が前記所定閾値未満であると判断される状態が一定時間継続した場合に、前記トリガ電波受信手段における全ての前記受信回路の受信状態を無効化することを特徴とする請求項3に記載の無線タグシステム。
【請求項5】
前記配置方向検出手段は、
前記無線タグにおける1又は複数の所定方向の加速度を検出可能な加速度センサと、
前記加速度センサによって検出された前記加速度に基づいて、鉛直方向に対する前記無線タグの姿勢を検出する姿勢検出手段と、
前記無線タグリーダにおける前記リーダ側アンテナの配置の向きを特定可能な配置情報を記憶する記憶手段と、
を備え、
前記記憶手段に記憶された前記配置情報と、前記姿勢検出手段によって検出された前記無線タグの姿勢とに基づいて、前記無線タグリーダに対する前記無線タグの前記配置方向を検出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の無線タグシステム。
【請求項6】
前記トリガ電波受信手段は、
前記無線タグにおける所定の第1方向の前記トリガ電波を受信可能な第1アンテナと、
前記第1方向と直交する所定の第2方向の前記トリガ電波を受信可能な第2アンテナと、
前記第1方向及び前記第2方向と直交する所定の第3方向の前記トリガ電波を受信可能な第3アンテナと、
前記第1アンテナに対応して接続された第1受信回路と、
前記第2アンテナに対応して接続された第2受信回路と、
前記第3アンテナに対応して接続された第3受信回路と、
を備え、
前記有効化制御手段は、前記配置方向検出手段によって検出された前記配置方向に基づいて、前記第1受信回路、前記第2受信回路、及び前記第3受信回路を有効化する時間を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の無線タグシステム。
【請求項7】
前記無線タグは、前記配置方向検出手段によって検出された前記配置方向を記憶する配置方向記憶手段を備え、
前記配置方向検出手段は、前記無線タグリーダに対する前記無線タグの前記配置方向を定期的に検出し、
前記配置方向記憶手段は、前記配置方向検出手段によって前記無線タグの前記配置方向が検出される毎に、その検出された前記配置方向を記憶しており、
前記有効化制御手段は、前記配置方向検出手段によって前記無線タグの前記配置方向が検出されたとき、その検出された現在の配置方向が、前記配置方向記憶手段に記憶された前記無線タグの前回の配置方向に対して所定の変化をしているときに、各受信回路を有効化する時間の制御内容を更新することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の無線タグシステム。
【請求項8】
前記無線タグは、内蔵電池を備えたアクティブタグであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の無線タグシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−54888(P2012−54888A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197903(P2010−197903)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】