説明

無線デジタルデータ通信システム

【課題】音楽データ等の一定頻度での継続的な再生が要求されるデータを無線により低消費電力かつ簡単な構成で伝送可能とする。
【解決手段】それぞれ送受信機を有する第1の通信ユニットおよび第2の通信ユニットの間で無線でデジタルデータを伝送する無線通信システムである。第2の通信ユニットは第1の通信ユニットから受信したデータを蓄積するバッファを備える。このバッファにおけるデータの蓄積度に応じて第1の通信ユニットから第2の通信ユニットに送信されるデータの通信速度を変化させる。あるいは、バッファに所定数以上のパケットが蓄積されると第1の通信ユニットはパケットの送信を一時停止し、前記バッファに蓄積されたパケット数が所定値以下になると再びパケットを送信する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線デジタルデータ通信システムに関し、例えば音楽データ等の、その転送に実時間性を要求されるデータの転送を簡単な構成で行なうことができるようにした技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、例えば携帯用音響機器としてCDプレーヤ、MDプレーヤ等が市販されている。図3R>3は、これらの従来例の携帯用音響機器の一例としてMDプレーヤの概略の構成を示す。図3のMDプレーヤは、音響データの記録媒体としてのMD(ミニディスク)を再生するMD再生部2と、該MD再生部2からの読出しデータを一時的に蓄積し、MDプレーヤの物理的振動等による音飛び対策を行なうガードメモリ4を備えている。さらに、図3のMDプレーヤは、ガードメモリ4から読み出されたデータをデコードするATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)デコーダ6と、該ATRACデコーダ6の出力をアナログ信号に変換するD/A変換器8を備えている。
【0003】
図3に示される装置においては、MD再生部2においてMDから音楽データ等が再生される。MDには実際には圧縮された音楽データが蓄積されており、この圧縮によって必要とされるMDからの出力データの転送速度は132Kbpsである。但し、MDからの読出しは実際には1.4Mbpsで行ない、MDの物理的振動等による音飛び対策のため、読出し不能時間を考慮して十分な余裕を持った転送速度とされている。したがって、MD再生部2から1.4Mbpsの転送速度で音楽データが出力され、ガードメモリ4に順次記憶される。
【0004】
なお、上述のようにMD再生部2から出力されるデータの転送速度は、1.4Mbpsとされており、これによってCD(コンパクトディスク)との互換性を保つことができる。また、転送速度を十分大きな余裕を持った値とすることにより、MD再生部2における物理的振動等による音飛びによってデータの読出し不能時間が生じた場合にも、再読出しを行なって、音楽データのような一定頻度での継続的な再生が要求されるデータの場合にも、データの欠落等を生じることがなくなり、安定した再生が可能になる。
【0005】
このようにして記憶された音楽データはガードメモリ4から順次読み出されATRACデコーダ6に入力される。ガードメモリ4からATRACデコーダ6までの伝送経路は圧縮された音楽データを伝送するのに必要最小限の伝送容量があればよく、通常132Kbpsとされる。ATRACデコーダ6は、ガードメモリ4から入力された圧縮データを解凍し例えば1.4Mbpsの解凍されたデータを生成し、このデータはD/A変換器8においてアナログ信号に変換される。このアナログ信号は、図示しない増幅器によって所定の電力レベルに増幅され、図示しないケーブルを介してヘッドホンへと導かれる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図3に示されるMD再生装置は、ヘッドホンと再生装置とをケーブルで接続しており、このケーブルがMD再生装置を使用する上で煩わしく感じることも多々ある。無線を用いることで、このケーブルを排除できれば使い勝手が向上する。
【0007】
従来、無線により比較的近距離の機器同士で通信を行なう通信システムとして、ブルーツース(Bluetooth)(登録商標)方式が知られている。しかしながら、この方式は、1つの装置と多数の装置との間の通信も可能となるよう構成されており、システム構成が複雑になると共に、消費電力も大きくなるという不都合があった。ブルーツース方式に関しては、例えば、Specification of the Bluetooth System:Core v1.0BおよびProfiles v1.0B等を参照。
【0008】
本発明の目的は、従来の近距離用データ通信システムにおける問題点に鑑み、装置構成を複雑にすることなくかつ消費電力を増大させることなく、音楽データのような一定頻度での継続的な再生が要求されるデータを無線により高品質で伝送できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様によれば、第1の通信ユニットと第2の通信ユニットとの間で無線によりデジタルデータを伝送する無線デジタルデータ通信システムが提供され、該通信システムは、前記第1の通信ユニットは送信すべきデータをパケット化して無線により前記第2の通信ユニットに送信しかつ前記第2の通信ユニットから通信制御信号を無線により受信する送受信機を備え、前記第2の通信ユニットは第1の通信ユニットから前記パケット化されたデータを無線により受信しかつ前記第1の通信ユニットに対し通信制御信号を無線により送信する送受信機、および受信した前記データを蓄積するバッファを備え、前記第1の通信ユニットから前記第2の通信ユニットに無線によりデータを送信するためのデータ通信伝送容量が該データを有線で送信する場合に必要とされる通信伝送容量よりも大きく、かつ前記第1の通信ユニットから前記第2の通信ユニットに送信されるデータの通信速度が前記第2の通信ユニットの前記バッファにおけるデータの蓄積度に応じて可変であることを特徴とする。
【0010】
この場合、前記デジタルデータは一定頻度での継続的な再生が要求されるデータとされる。
【0011】
例えば、前記デジタルデータは音楽データまたはビデオデータである。
【0012】
また、前記第1の通信ユニットは送信すべきデータをパケット化して順次前記第2の通信ユニットに送信し、前記第2の通信ユニットは受信した前記データを前記バッファに蓄積するとともに前記バッファに所定数以上のパケットのデータが蓄積されるとパケットフルを示す通信制御信号を前記第1の通信ユニットに送信し、前記第1の通信ユニットは前記パケットフルを示す通信制御信号を受信するとパケットの送信を一時停止し、前記第2の通信ユニットは前記バッファの蓄積状態を監視し、蓄積パケット数が所定値以下になると前記第1の通信ユニットに送信要求を示す通信制御信号を送り、前記第1の通信ユニットは前記送信要求を示す通信制御信号を受信すると前記第2の通信ユニットに再びパケットの送信を行うと好都合である。
【0013】
さらに、前記第1の通信ユニットはパケットの送信を一時停止している間にも定期的に問合せおよび同期信号を送り、前記第2の通信ユニットは該問合せおよび同期信号を受信するとアクノレッジメント信号と前記バッファの状態に応じて前記パケットフルを示す通信制御信号または前記送信要求を示す通信制御信号を送信すると好都合である。
【0014】
【発明の実施形態】
本発明の好ましい実施形態につき説明するに先立ち、MD再生装置のような装置を無線化する上での各条件等につき考察する。
【0015】
このような無線化を行なう場合には次のような条件を満たすのが好都合であると考えられる。
1.無線化に伴う構成の複雑化、大型化による装置のコストアップを最低限に抑えること。
2.無線化した部分の信号の到達範囲は5メートル程度でよい。
3.無線化による消費電力の増大を最小限に抑えること。
4.必ずしも他の装置と通信しなくてもよい。
5.有線の場合と同等の伝送品質を維持できること。
【0016】
無線を導入する場合、上記各条件に関して、装置の消費電力と信号の到達範囲は相反するパラメータであるが、応用を限定することにより、2〜4の条件を満たせばよいものとすることができる。この場合、通信プロトコルを従来のものに限定されず最適なものを使用することが可能になる。
【0017】
上記条件に加えて、MD再生装置等に無線を導入する場合に、無線を用いるが故の問題として次のような点も新たに考慮すべきである。
a.無線信号のマルチパス妨害によるデータの欠落。
b.他のシステムからの信号の干渉によるデータの欠落。
c.MD再生装置の動作制御等の制御系が分離されること。
【0018】
上述において、aにおけるマルチパス妨害は、電磁波の多角的な反射により、ある周波数においてはある特定の物理的な位置において信号が受信不能となる現象である。また、bに関しては、例えばMD再生装置の場合、自分の周りで聞いているのが自分一人とは限らない。また、無線通信システムとしては免許のいらないISMバンドが多用されるので、他のISMバンド製品からの信号との干渉も考えられる。このような他システムからの干渉による悪影響を防止するために、周波数ホッピングを使用することもできる。
【0019】
図4は、周波数ホッピングによる送受信の一例を示す。同図に示すように、周波数ホッピングは、ある通信ユニット、例えばMD再生部、の送信側(Tx)から送信される通信データの周波数をある一定の時間毎に、例えばf0,f2,f4,・・・のように次々と変える。したがって、この送信側(Tx)の通信データを受信する相手の通信ユニットの受信機は受信周波数を同様に一定の時間毎に切り換えることになる。また、前記ある通信ユニットの受信側(Rx)に送信される通信データは、例えばf1,f3,・・・のように次々と切り換えていく。したがって、受信側(Rx)も、このような周波数の変化に対応して受信周波数を変える。
【0020】
また、図4において、各周波数f0,・・・,f4,・・・等は連続した周波数ではなく、通常ISMバンドを例えば約80等分した中で、ランダムに選択される。但し、信号の送受信を行なっている送信機と受信機同士、は、周波数を切り換えるためのPN系列の生成式と初期値等の情報は共有している必要がある。
【0021】
このような周波数ホッピングを用いることにより、前記マルチパス妨害によるデータの欠落と他システムからの干渉によるデータの欠落は回避できる。
【0022】
また、前記cの条件である制御系、例えばMDプレーヤの再生および停止等の各種動作の制御のための操作部分、の分離に関しては、ヘッドホン側にも制御機能を設けることができる。この制御機能は簡易なものでもよく、制御に関する信号も無線で送ることができる。
【0023】
図5は、以上の条件を考慮して、MD再生装置を無線化する1つの構成例を示す。図5の装置は、MD再生部2とガードメモリ4を主として含む再生部10と、ATRACデコーダ6およびD/A変換器8を主として含む復調部20との間を無線化したものである。これは、再生部10と復調部20との間の通信速度が最低の132Kbpsであるためであり、この部分を無線で接続するのが望ましいからである。再生部10および復調部20にはそれぞれ送受信機12および14が設けられ、この無線伝送路16を介して通信を行なう。
【0024】
図5に示される構成は、既存のMD再生装置の一部の線路を無線伝送路に置き換えたものに相当する構成であるため、装置構成は簡略化できるが、前に述べたような無線化によって生じ得る干渉によるデータの欠落等に対する備えがないという問題を含んでいる。
【0025】
図1は、このような問題を解決した構成を示す。図1の構成は、既存のシステムの一部の線路を無線に置き換えた場合に生じ得る干渉への対策を行ない、かつ消費電力の点でも最適化されたシステムを提供する。
【0026】
図1のMD再生装置は、再生部100と、この再生部100側に設けられた送受信機112と、復調部200と、この復調部200側に設けられた送受信機114とを備え、無線伝送路または無線信号116によって再生部100側と復調部200側とを無線で接続したものである。
【0027】
再生部100は、従来と同様のMD再生部102およびガードメモリ104を主として備えている。再生部100における、MD再生部102およびガードメモリ104は、それぞれ図3または図4に示される従来のMD再生装置のMD再生部2およびガードメモリ4と同様のものと考えることができる。但し、再生部100側には、送受信機112内に設けることもできるが、後に詳細に説明するように必要な通信プロトコルを実現するための図示しない通信制御部が設けられている。
【0028】
また、復調部200は、例えばヘッドホンと一体化され、従来のMD再生装置におけるATRACデコーダ6およびD/A変換器8とぞれぞれ同様のATRACデコーダ106および108を含んでいる。さらに、復調部200は、送受信機114からの受信データを一時的に記憶するバッファメモリ118と、再生部100との間の各種通信制御を行なうAck制御部120を備えている。
【0029】
図1の構成では、送受信機112と114との間の無線によるデータ通信速度は、有線で必要とされる通信速度よりも大きくなっている。本実施形態では、有線で必要とされる速度の2倍以上としている。また、データの主な受信側、すなわち復調部200に小規模なバッファメモリ118を設けている。このバッファメモリ118の容量は、通信速度の冗長度によるが、20転送単位(20パケット)程度でよいものと考えられる。
【0030】
図1の装置においては、再生部100において、MD再生部102でMDから再生されたデータは、ガードメモリ104に一旦記憶される。ガードメモリ104から読み出された音楽データ等のデータは送受信機112によって無線により復調部200側の送受信機114に送信される。復調部200においては、送受信機114で受信されたデータは一旦バッファメモリ118に順次蓄積される。なお、音楽データ等のデータはパケット化されて送信される。バッファメモリ118に蓄積されたデータは読み出されてATRACデコーダ106に供給され、所定の手順でデコードされて1.4Mbpsの転送速度でD/A変換器108に供給される。D/A変換器108はこのデータをアナログ信号に変換しかつ必要な増幅を行なって図示しないヘッドホンに供給する。
【0031】
復調部200においては、送受信機114から入力される受信パケットデータは一旦バッファメモリ118に順次記憶され、所定の時間間隔で読み出されてATRACデコーダ106に供給される。この場合、バッファメモリ118に所定数以上のパケットが蓄積されると、Ack制御部120は送受信機114によって再生部100側にAck(アクノレッジメント:肯定応答)信号と共にデータフルを示す信号(Ack & Full)を送る。これに応じて、再生部100は復調部200へのパケット送信を一時停止し、または送信レートを低減する。復調部200において、バッファメモリ118内の蓄積パケットの数が所定数より少なくなると、Ack制御部120は送受信機114によって再生部100に対しAck信号と共にバッファの空き(empty)を示す信号(Ack & Empty)を送信する。再生部100は、このデータの受信に応じて、再び音楽データ等のパケットの送信を開始し、または送信レートを高める。
【0032】
以上の動作につき図2をも参照してさらに詳細に説明する。
図2は、図1の装置におけるデータ転送の一例を示す。図2においては、本体側、すなわち再生部100、側から復調部200に送信されるデータを記号Txで示す。また、記号Rxは、再生部100において受信されるデータを示し、従って復調部200またはヘッドホン側から再生部100に送信されるデータを示す。
【0033】
図2に示されるように、再生部100(本体側)から復調部200(ヘッドホン側)へのデータ送信量は、復調部200から再生部100に送信するデータ量より多くなるので、両方向のパケットサイズに差分が生じる。図2では、このパケットサイズを四角形の波形の幅の大きさで示している。送信側からある一定量の送信(Tx)データが送信されると、ヘッドホン側からペアとなるAck信号が返送される。例えば、図2のp27で示されるように、パケットのバースト送信が、例えば392Kbpsで送られ、これに応じてヘッドホン側からAck信号が返される。そして、p28で示されるデータが転送された際にAckが返送されない場合には、送信側はデータが未達と判断し、前回と同じデータを再送する。図2の記号RTの部分はこのように、パケットデータp28がAckが返送されるまで繰り返されることを示している。但し、最大再送数は予め定めておくのがよい。最大再送数のデータを送信してもAckが受信されない場合は、同一データを繰り返し送信する等の手順を決めておけばよい。
【0034】
このようにして、データ転送は図2に示すように、有線で必要とされるデータ転送速度以上の、例えば392Kbpsで復調部200すなわちヘッドホン側のバッファメモリ118が埋まるまで継続される。図2ではパケットデータp29を送ることによってバッファメモリ118が埋まっている。一旦、バッファメモリ118が埋まると、復調部200側はアックアンドフル(Ack & Full)信号を再生部100側に返送する。バッファメモリ118に所定数以上のパケットが蓄積されている間は、同期維持とバッファメモリの空き具合を再生部100側に通知するために、送受信自体は継続するが、先に音楽データを送信したようなトップスピードで行なう必要はなく、消費電力を抑えるために低速に切り換えて送受信を行なう。すなわち、この場合、再生部100側は、問い合わせおよび同期(Query & Sync:Q & S)信号を低速で復調部200側に送信する。
【0035】
復調部200側は、このような問い合わせおよび同期信号を受信すると、バッファメモリ118の状態を調べ、蓄積されたパケットの数が所定数以下になると、アックアンドエンプティ(Ack & Empty)信号を再生部100側に送信する。この信号の受信に応じて、再生部100は再び音楽データなどのパケットデータの送信を再び開始する。
【0036】
なお、復調部200側には、MDプレーヤの動作を制御するための操作ボタンその他の操作部が設けられる。この操作部の操作が行なわれると、その操作に応じた制御信号がAck信号と共に再生部100に送られ、MD再生部102の動作の制御その他必要な制御が行なわれる。
【0037】
また、上述のような再生部100および復調部200の間の無線通信において、前述の周波数ホッピングを使用することも可能であるが、一対の再生部100および復調部200の間の送信とこれに対応する受信とはそれぞれ同じ周波数で行なうことも可能である。また、無線通信範囲を例えば5メートル程度と狭い範囲に限定すれば、チャネル数も数十程度に削減しても実害はないと考えられる。また、上記構成を予め定められた通信ユニット間、例えばペアで販売されるMDプレーヤと付随する無線ヘッドホン、の間でのみの通信に、識別番号等の手段により限定すれば、不特定多数の者に聞かれることはなく著作権等の問題も生じない。この場合、識別番号は個々のシステム、例えばペアで販売されるMDプレーヤと付随する無線ヘッドホンからなるシステム、ごとにユニークな番号とし、出荷時に各システムの不揮発性メモリに記録しておけばよい。この番号はパケットのヘッダ情報に含めて送信され、受信側は自分に記録された番号と比較し、一致すればそのパケットデータを有効として処理し、一致しなければ棄却するよう構成することができる。
【0038】
なお、上述の説明においては、本発明をMDプレーヤに適用した場合につき説明したが、本発明はCDプレーヤ、カセットテープ用プレーヤ、DVDプレーヤ、その他任意の音響機器、および映像機器に適用できる。また、これら以外の機器でも、転送終了の時間猶予が厳しい性質のデータ、例えば音楽データ、ビデオデータ、その他の一定頻度での継続的な再生が要求されるデータを扱う機器であればどのような機器でも本発明を適用することができる。
【0039】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明によれば、音楽データ等の一定頻度での継続的な再生が要求されるデータを無線に特有な問題を回避しつつ、低消費電力かつ簡単な構成で伝送することが可能になる。また、有線の場合と同等の品質で音楽データなどを伝送することができ、装置構成の簡略化、および消費電力の低減と相俟ってより小型の無線化機器を提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる無線デジタルデータ通信システムの概略の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の通信システムの動作を説明するための概略的信号波形図である。
【図3】従来の音響機器の一例として、MDプレーヤの概略の構成を示すブロック図である。
【図4】周波数ホッピング方式の動作を説明するための概略的波形図である。
【図5】図3の音響機器を無線化する方法の一例を示す概略的ブロック図である。
【符号の説明】
100,10 再生部
102,2 MD再生部
104,4 ガードメモリ
106,6 ATRACデコーダ
108,8 D/A変換器
112,12,114,14 送受信機
116,16 無線伝送路または無線信号
118 バッファメモリ
120 Ack制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信ユニットと第2の通信ユニットとの間で無線によりデジタルデータを伝送する無線デジタルデータ通信システムであって、
前記第1の通信ユニットは送信すべきデータをパケット化して無線により前記第2の通信ユニットに送信しかつ前記第2の通信ユニットから通信制御信号を無線により受信する送受信機を備え、
前記第2の通信ユニットは第1の通信ユニットから前記パケット化されたデータを無線により受信しかつ前記第1の通信ユニットに対し通信制御信号を無線により送信する送受信機、および受信した前記データを蓄積するバッファを備え、
前記第1の通信ユニットから前記第2の通信ユニットに無線によりデータを送信するためのデータ通信伝送容量が該データを有線で送信する場合に必要とされる通信伝送容量よりも大きく、かつ前記第1の通信ユニットから前記第2の通信ユニットに送信されるデータの通信速度が前記第2の通信ユニットの前記バッファにおけるデータの蓄積度に応じて可変であることを特徴とする無線デジタルデータ通信システム。
【請求項2】
前記デジタルデータは一定頻度での継続的な再生が要求されるデータであることを特徴とする請求項1に記載の無線デジタルデータ通信システム。
【請求項3】
前記デジタルデータは音楽データまたはビデオデータであることを特徴とする請求項2に記載の無線デジタルデータ通信システム。
【請求項4】
前記第1の通信ユニットは送信すべきデータをパケット化して順次前記第2の通信ユニットに送信し、前記第2の通信ユニットは受信した前記データを前記バッファに蓄積するとともに前記バッファに所定数以上のパケットのデータが蓄積されるとパケットフルを示す通信制御信号を前記第1の通信ユニットに送信し、前記第1の通信ユニットは前記パケットフルを示す通信制御信号を受信するとパケットの送信を一時停止し、前記第2の通信ユニットは前記バッファの蓄積状態を監視し、蓄積パケット数が所定値以下になると前記第1の通信ユニットに送信要求を示す通信制御信号を送り、前記第1の通信ユニットは前記送信要求を示す通信制御信号を受信すると前記第2の通信ユニットに再びパケットの送信を行うことを特徴とする請求項1に記載の無線デジタルデータ通信システム。
【請求項5】
前記第1の通信ユニットはパケットの送信を一時停止している間にも定期的に問合せおよび同期信号を送り、前記第2の通信ユニットは該問合せおよび同期信号を受信するとアクノレッジメント信号と前記バッファの状態に応じて前記パケットフルを示す通信制御信号または前記送信要求を示す通信制御信号を送信することを特徴とする請求項4に記載の無線デジタルデータ通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2004−146977(P2004−146977A)
【公開日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−307904(P2002−307904)
【出願日】平成14年10月23日(2002.10.23)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATRED
【Fターム(参考)】