説明

無線ネットワークにおいて干渉配置のためにアダプティブ・オプチュニスティック・クラスタリングを行うための無線ネットワークおよび方法

中央スケジューラの実施形態、および、アダプティブ・クラスタリングする方法が概してここに記載される。一部の実施形態では、複数のトランスミッタ−レシーバ対の各々についての直接チャネル情報の最小特異値に基づいて、トランスミッタ−レシーバ対のクラスタを選択して、選択されたクラスタのトランスミッタ−レシーバ対に対して、チャネル状態情報を利用する干渉配置法を実行するように指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線ネットワークに係る。一部の実施形態は、中枢部でスケジュールされた通信リソースを利用する無線ネットワークに係る。一部の実施形態は、多入力多出力(MIMO)通信ネットワークに係る。
【背景技術】
【0002】
無線ネットワークの課題の1つに、ユーザ間の干渉がある。従来の干渉管理法としては、弱い干渉をノイズとして捉え、強い干渉をデコードする試みを行う、というものがある。他の従来の干渉管理法には、複数のユーザに対してそれぞれ異なる周波数チャネルまたはタイムスロットを割り当てて直交チャネルアクセスとすることで、干渉を軽減させようとするものもある。一部の技法では、余剰アンテナの利用により、意図しないレシーバに対してヌルを生成することで、干渉の軽減を試みるものもある。これら従来の干渉管理法はいずれも、ネットワーク全容量またはスループットが低減してしまうという欠点を抱えている。
【0003】
このように、ネットワーク全容量またはスループットを増加させることのできる、干渉軽減のための無線ネットワークおよび方法の提供が、一般的なニーズとして存在している。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】一部の実施形態における、分散型の無線ネットワークを示す。
【0005】
【図2】一部の実施形態における、集中型の無線ネットワークを示す。
【0006】
【図3】一部の実施形態における様々なシステムエレメントの機能図である。
【0007】
【図4】一部の実施形態における、干渉の配置のためのアダプティブ・クラスタリング手順のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の記載および図面は、当業者が発明を実施するのに足る特定の実施形態を示す。他の実施形態では、構造上、論理上、電気的なプロセスおよびその他の変更が含まれてもよい。請求項に述べられる実施形態は、請求項の全ての均等物を含む。
【0009】
図1は、一部の実施形態における、分散型の無線ネットワークを示す。図1に示されている分散型の無線ネットワークは、複数のトランスミッタ(TX)102、複数のレシーバ(RX)104、および中央スケジューラ106を含む。トランスミッタ102およびレシーバ104は、所定の通信法に従って互いに直接通信するトランスミッタ‐レシーバ対103を形成してよい。
【0010】
トランスミッタ102およびレシーバ104は、送受信機能を両方とも備えてよい任意の種類の無線通信デバイスを表していてよい。中央スケジューラ106は、無線によりトランスミッタ102およびレシーバ104と通信するよう構成された独立型の無線通信デバイスであっても、トランスミッタ102またはレシーバ104のいずれかの内部に備えられていてもよい。
【0011】
実施形態においては、トランスミッタ‐レシーバ対103のクラスタまたはグループは、中央スケジューラ106によって、直接チャネル情報から計算された最小特異値の閾値に基づいて、選択される。対象スループットレートを干渉配置法の実行により得ることができる場合には、選択されたクラスタのトランスミッタ‐レシーバ対103に対して、干渉配置法を実行するように指示する。対象スループットレートを干渉配置法の実行により得ることができない場合には、検索を行って、干渉配置法を行ったときにより高いスループットを得ることができるトランスミッタ‐レシーバ対103のクラスタを特定することができる。これら実施形態について詳述する。
【0012】
これら実施形態では、干渉配置法によって、他のトランスミッタ‐レシーバ対から、より小さい信号スペースに干渉信号を限定することにより、所望の信号のデコード性能を向上させる。干渉配置法を利用することで、複数のストリームを、2以上のトランスミッタ‐レシーバ対103間で同時に通信することができるようになる。干渉配置法には同期および全チャネル状態情報が必要となるので、効率的なスケジュール法が必要となる。従ってここで記載する一部の実施形態では、特に、干渉配置技術のための効率的なスケジュールプロセスが提供される。
【0013】
図1に示す分散型のネットワークは、暫定的またはメッシュのネットワークを含む、殆ど全ての分散型のネットワークであってよいが、実施形態の範囲とはこれに限定はされない。一部の実施形態では、トランスミッタ102およびレシーバ104が、1を越える数のアンテナを利用して、多入力多出力(MIMO)法に従って通信することができるが、実施形態の範囲はこれに限定はされない。
【0014】
図2は、一部の実施形態における、集中型の無線ネットワークを示す。図2に示す集中型の無線ネットワークは、複数の基地局(BS)202、複数の移動局(MS)204、および中央スケジューラ206を含む。基地局202および移動局204は、送受信機能を両方とも備えてよく、ここではトランスミッタまたはレシーバとして称される場合がある。基地局202および移動局204は、所定の通信法に従って通信するトランスミッタ‐レシーバ対を含んでよい。この集中型のネットワークの実施形態では、1つの基地局202が、1を超える数の移動局204と対になって機能してよい。中央スケジューラ206は、基地局202のいずれかの内部に設けられても、または、バックボーンネットワーク経由で基地局202と通信するアクセスサービスネットワーク(ASN)の内部に設けられてもよい(別途に図示は行わない)。
【0015】
実施形態においては、トランスミッタ‐レシーバ対103のクラスタまたはグループが、中央スケジューラ206によって、直接チャネル情報から計算された最小の特異値の閾値に基づいて、選択される。対象スループットレートを干渉配置法の実行により得ることができる場合には、選択されたクラスタのトランスミッタ‐レシーバ対に対して、干渉配置法を実行するように指示する。対象スループットレートを干渉配置法の実行により得ることができない場合には、検索を行って、干渉配置法を行ったときにより高いスループットを得ることができるトランスミッタ‐レシーバ対のクラスタを特定することができる。これら実施形態では、トランスミッタ‐レシーバ対が、単一の基地局202および1を越える数の移動局204を含んでよいが、これは必須要件ではない。これらの実施形態について詳述する。
【0016】
図2に示す集権型のネットワークは、セルラーネットワークを含む、トランシーバ基地局またはアクセスポイントが無線通信デバイスとの通信に利用される殆ど全ての無線通信ネットワークであってよい。一部の実施形態では、基地局202および移動局204は、1を超える数のアンテナを利用して、MIMO技術に従って通信することができるが、実施形態の範囲はこれに限定はされない。
【0017】
図3は、一部の実施形態における様々なシステムエレメントの機能図である。様々なシステムエレメントには、トランスミッタ302、レシーバ304、および、中央スケジューラ306が含まれる。分散型のネットワークの実施形態では、トランスミッタ302が、1以上のトランスミッタ102(図1)として利用されるのに適しており、レシーバ304が、1以上のレシーバ104(図1)として利用されるのに適しており、中央スケジューラ306が、中央スケジューラ106(図1)として利用されるのに適していてよい。集中型のネットワークの実施形態では、トランスミッタ302が、1以上の基地局202(図2)として利用されるのに適しており、レシーバ304が、1以上の移動局204(図2)として利用されるのに適しており、中央スケジューラ306が、中央スケジューラ206(図1)として利用されるのに適していてよい。
【0018】
トランスミッタ302は、トランスミッタ‐レシーバ対の関連するレシーバ(レシーバ304等)に対して送信するために、信号321を干渉配置法に従ってプレコードするプレコーダ322を含んでよい。プレコーダ322は、信号321を、チャネル状態情報(CSI)305に基づいてプレコードすることができる。レシーバ304は、トランスミッタ−レシーバ対のトランスミッタ302から受信した、プレコードされている信号をデコードして、デコードされた信号341を生成するよう構成されたデコーダ342を含んでよい。中央スケジューラ306は、トランスミッタ‐レシーバ対のクラスタを選択して、それらの間の通信用に干渉配置法を実施するよう、選択されたクラスタの対に指示するクラスタ選択エレメント364を含んでよい。通信のためにトランスミッタ302は1以上のアンテナ308を利用してよく、レシーバ304は1以上のアンテナ310を利用してよい。
【0019】
実施形態においては、トランスミッタ302のプレコーダ322によるプレコードにより、レシーバ304のデコーダ342は、選択されたクラスタの他のトランスミッタの送信に関する干渉を軽減させ、および/または、除去することができる。これら実施形態を説明する。チャネル状態情報305は、トランスミッタ‐レシーバ対のトランスミッタ302およびレシーバ304間の無線チャネルを表していてよい。一部の実施形態では、デコーダ342は、最小平均二乗誤差(MMSE)デコードを行うよう構成されていてよく、他の実施形態では、デコーダ342は、チャネル状態情報305を用いてゼロフォーシング(ZF)デコードを行うよう構成されていてよい。干渉配置された、プレコードされている信号をデコードする技術としては、他のデコード技術の利用も可能である。
【0020】
マルチキャリアの実施形態では、トランスミッタ302は、送信に備えて周波数領域のサブキャリア信号を時間領域に変換する逆高速フーリエ変換(IFFT)回路324を含んでよい。レシーバ304は、受信したマルチキャリア信号を周波数領域に変換する高速フーリエ変換(FFT)回路344を含んでよい。一部の実施形態では、レシーバ304は、チャネル応答を推定するチャネル推定を含んでよく(別途に図示は行わない)、トランスミッタ302は、プレコード前にチャネル応答を補償するチャネル補償回路を含んでよい(別途に図示は行わない)。
【0021】
一部の実施形態では、中央スケジューラ306は、トランスミッタ‐レシーバ対それぞれに対する直接チャネル情報(DCI)307に基づいて、トランスミッタ‐レシーバ対のクラスタを選択することができる。一部の実施形態では、中央スケジューラ306は、トランスミッタ‐レシーバ対それぞれに対する直接チャネル情報(DCI)307の最小特異値(MSV)を計算する最小特異値計算エレメント362を含んでよく、これら最小特異値に基づいてトランスミッタ‐レシーバ対のクラスタを選択することができる。一部の実施形態では、特異値は、チャネルマトリクスの特異値分解(SVD)を行うことで得られてもよい。
【0022】
中央スケジューラ306は、一対の選択されたクラスタに対して命令309を送って、該一対の選択されたクラスタに対して、干渉配置法を実行するよう指示することができる。中央スケジューラ306からの、干渉配置法を実行せよとの命令を受けると、選択されたクラスタのトランスミッタ‐レシーバ対それぞれのトランスミッタは、チャネル状態情報305を用いて、各トランスミッタ‐レシーバ対の関連するレシーバへの送信のために、干渉配置法に従って、ベースバンド信号321をプレコードする。
【0023】
一部の実施形態では、中央スケジューラ306は、トランスミッタ‐レシーバ対に対して、直接チャネル情報307を送信してほしい旨、要求をしてよく、および/または、トランスミッタ‐レシーバ対が、自身の直接チャネル情報307を中央スケジューラ306に送信するよう構成されていてもよい。チャネル状態情報305は、トランスミッタ‐レシーバ対間のチャネルについての直接チャネル利得推定およびクロスチャネル利得推定の両方を含んでよい。直接チャネル情報307は、関連するレシーバ‐トランスミッタ対間のチャネルの直接チャネル利得推定を含む。
【0024】
これら実施形態では、直接チャネル情報307は、中央スケジューラ306により、クラスタする対を選択するために利用される直接チャネルの最小特異値を得るために利用される。チャネル状態情報305は、各選択されたトランスミッタ‐レシーバ対のトランスミッタおよびレシーバにより、送受信された信号をプレコードおよびデコードするために利用される。これら実施形態では、中央スケジューラ306は、クラスタする対を選択するためにクロスチャネル情報(つまり、クロスチャネル利得推定)を利用する必要はない。クラスタされる対には、会議中のユーザ、または部屋またはビル等の限られたスペースに押し込められているユーザが含まれてよい。干渉配置法を利用することで、ユーザは、自身のデータレートまたはサービス品質(QoS)を上げることができ、干渉が制限された環境下で利用された場合には、システムスループットまたはQoSを向上させることができる。
【0025】
一部の実施形態では、中央スケジューラ306は、所定の閾値(T)を超える最小特異値が最大であるトランスミッタ‐レシーバ対を、クラスタするために選択することができる。これらの実施形態では、中央スケジューラ306は、この、最大の最小特異値を有するトランスミッタ−レシーバ対を、所定の閾値を越える最小特異値を有するトランスミッタ−レシーバ対のセットから選択することもできる。所定の閾値を超える最小特異値を有するトランスミッタ−レシーバ対の数が不十分な場合には、中央スケジューラ306は、最小特異値に基づくクラスタ用の対の選択を行わなくてよい。
【0026】
これらの実施形態では、所定の数(k)のトランスミッタ−レシーバ対を、そのクラスタサイズについて選択してもよい。一部の実施形態では、kが3であってよいが、実施形態の範囲はこの点に限られず、kは、2であっても、10以上であっても構わない。システム要件よび干渉配置法の複雑性を利用してkを決定することもできる。これら実施形態では、kは、あまり複雑性を増させずに、干渉配置法を実行するのに適したトランスミッタ−レシーバ対の数とすることができる。
【0027】
クラスタリングするために選択される各トランスミッタ−レシーバ対は、コンカレントな通信用に非直交チャネルリソースを割り当てられてよい。非直交チャネルリソースは、干渉する、または重複するチャネル(例えば、同じタイムスロット、および、同じサブキャリアのセット)を含んでよいが、実施形態の範囲はこの点に限定はされない。送信前に信号をプレコードすることで、選択されたクラスタのトランスミッタ−レシーバ対により非直交チャネルリソースの利用が可能となる。
【0028】
一部の実施形態では、選択されたクラスタにおける各対に対して干渉配置法の実施を指示する前に、中央スケジューラ306が、選択されたクラスタの各トランスミッタ−レシーバ対の合計レートを計算してよい。中央スケジューラ306は、合計レートが対象スループットレート(R)と等しいとき、またはこれを超えるときに、選択されたクラスタの対に対して、干渉配置法の実施を指示することができる。合計レートは、選択されたクラスタの全ての対が干渉配置法を実行した場合に達成可能なレートであってよい。合計レートは、選択されたクラスタのトランスミッタ−レシーバ対各々のスループットを合計することで計算されてよい。
【0029】
一部の実施形態では、干渉配置法は、干渉中心の干渉配置法または最大の信号対干渉雑音比(SINR)干渉配置法であってよい。干渉中心の干渉配置法は、干渉除去を目指すプレコード方向を計算してよい。干渉中心の干渉配置法は、干渉を低減させる方向に送信させるために、信号321をプレコードすることを含んでよい。
【0030】
最大SINR干渉配置法は、より良い方向への送信で、干渉を除去する機能がトレードオフされるプレコード方向を計算することができる。最大SINR干渉配置法には、向上した受信で、干渉を除去する機能をトレードオフするよう選択される方向へ送信するための信号321のプレコードを含んでよい。一部の実施形態では、信号の指向性送信が、ビーム形成法により実行されてよいが、これは必須要件ではない。
【0031】
一部の実施形態では、干渉配置法は、複数の干渉を、各レシーバの共通のサブスペース(例えばより小さな信号スペース)に、送信前に信号をプレコードすることにより配置することができる。「Interference Alignment and Degrees of Freedom of the K-user Interference Channel:Kユーザの干渉チャネルの干渉配置および自由度(仮訳)」、情報理論のIEEEトランザクション、2008年8月、54巻、8号、3425−34441ページ、V.R.CadambeおよびS.A.Jafar著の論文に干渉配置法についての記載があり、これを干渉中心の干渉配置法として利用することが好ましいと思われるが、実施形態の範囲はこの点に限定はされず、他の干渉配置法も利用可能である。「Approaching the Capacity of Wireless Networks Through Distributed Interference Alignment:分散型の干渉配置による無線ネットワークの容量への到達(仮訳)」、コーネル大学、arXiv:0803.3816vl「cs.IT」、2008年3月26日、K.Gomadam、V.R.CadambeおよびS.A.Jafar著の論文に記載されている干渉配置法が、SINR干渉配置法として利用されるのに適していると思われるが、実施形態の範囲はこの点に限定はされず、他の干渉配置法も利用可能である。これらの実施形態において、SINR干渉配置法は、チャネル補償後のチャネルが逆数である場合に、利用することができる。
【0032】
実施形態においては、合計レートが対象スループットレート(R)と等しいとき、またはこれを超えるときに(つまり、上述した最小特異値の閾値が特定するクラスタのなかで、対象値を越えるスループットを提供することができるものがない場合)、サブセット検索プロセスを開始して、干渉配置法を実行するクラスタを特定する。これらの実施形態では、中央スケジューラ306は、複数のうちからランダムに、(k+c)個のトランスミッタ−レシーバ対のセットを選択して、選択されたトランスミッタ−レシーバ対それぞれの全チャネル情報を要求することができる。選択される対の数はkより大きくてよい。選択される対の数は、k+cで表してよく、cはさらなる数の対である。
【0033】
サブセット検索プロセスの一部として、中央スケジューラ306は、各選択されたトランスミッタ−レシーバ対の全チャネル情報を要求して、選択されたセット((k+c!)(k!c!)の可能なクラスタが存在する)の中のk個の対の各可能なクラスタについて達成可能な合計レートを計算することができる。中央スケジューラ306は、最高の達成可能な合計レートを有するk個の対のクラスタを選択して、選択されたクラスタのk個の対に対して、干渉配置法を実行するよう指示することができる。これらの実施形態では、達成可能な合計レートを計算するために、中央スケジューラ306は、直接チャネル情報およびクロスチャネル情報の両方を含む全チャネル情報を利用することができる。達成可能な合計レートは、選択されたクラスタのトランスミッタ−レシーバ対の全てが干渉配置法を実行する場合に、トランスミッタ−レシーバ対のそれぞれのスループットを合計することにより、計算することができる。これら実施形態では、ランダムに選択されたセットのさらなるトランスミッタ−レシーバ対の数(つまりc)は、少なくとも1であってよい。
【0034】
サブセット検索プロセスの一環として、中央スケジューラ306は、k+c個のトランスミッタ−レシーバ対をランダムに選択して、k個からなる対の各クラスタの排他的検索を実行して、達成可能な合計レートが最高であるk個からなる対のクラスタを特定する。cが1という小さな値であったとしても、性能面で顕著な向上が達成される。これらの実施形態では、中央スケジューラ306は、対を最小特異値に基づいて選択する場合であっても、上述したように直接チャネル情報のみではなくて、全チャネル情報を利用してよい。
【0035】
MIMOの実施形態では、プレコーダ322は、信号321をプレコードして、送信信号を、干渉を軽減させるような方向に方向付けることができる。これら実施形態の一部においては、プレコードは、信号の送受信のためのビーム形成による方向選択を含んでよい。干渉はプレコードにより配置されるので、トランスミッタ302は、信号を、SINRが最大となる方向に投影することができる。プレコードにより、トランスミッタ302は、異なる信号方向に沿って送信を行い、デコーダ342が信号を微分(differentiate)することができる。これら実施形態では、プレコードおよびビーム形成には、アンテナ308およびアンテナ310の重み付け分布(weight distribution)および/または電力分布(power distribution)が含まれてよい。
【0036】
アンテナ308およびアンテナ310は、指向性または無指向性のアンテナを含んでよく、例えばダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、パッチアンテナ、ループアンテナ、マイクロストリップアンテナ、その他の、RF信号の送信に適した種類のアンテナ等であってよい。一部の実施形態では、2以上のアンテナの代わりに、多数のアパーチャを含む単一のアンテナを利用してもよい。この実施形態では、各アパーチャを、それぞれ別個のアンテナとして捉えることができる。MIMOの実施形態では、アンテナは、トランスミッタ302およびレシーバ304間に生じうる空間ダイバーシティおよび様々なチャネル特性を活用することができるよう効果的に分割することができる。一部のMIMOの実施形態では、アンテナは、1波長の1/10以上までに分割することができるが、これは必須要件ではない。一部の実施形態では、ビームフォーミング法を、プレコードの一環として利用することができる。
【0037】
トランスミッタ302、レシーバ304、および中央スケジューラ306は、幾つかの別個の機能エレメントを有するものとして図示されているが、これら機能エレメントの1以上を組み合わせたり、ソフトウェア構成されたエレメントの組み合わせとして実装したりすることができる(例えば、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/またはその他のハードウェアエレメントを含む処理エレメント等)。例えば、一部のエレメントは、1以上のマイクロプロセッサ、DSP、特定用途向け集積回路(ASIC)、無線周波数集積回路(RFIC)、および、ここに記載する機能を少なくとも実行するための様々なハードウェアおよび論理回路の組み合わせを含んでよい。一部の実施形態では、機能エレメントは、1以上の処理エレメント上で実行される1以上の処理のことであってよい。
【0038】
一部の実施形態では、中央スケジューラ306は、複数のトランスミッタ−レシーバ対のそれぞれの直接チャネル情報から、最小特異値を計算する回路、各対について計算された最小特異値に基づいてトランスミッタ−レシーバ対のクラスタを選択する回路、および、選択されたクラスタの対に対して、対象スループットレート(R)を得ることができるときに、干渉配置法を実行するよう指示する回路を含んでよい。中央スケジューラ306は、さらに、選択されたクラスタのトランスミッタ−レシーバ対の合計レートを計算する回路を含んでもよい。指示する回路は、選択されたクラスタの対に対して、合計レートが対象スループットレートと等しいとき、またはこれを超えるときに、選択されたクラスタの対に対して、干渉配置法を実行するよう指示するものであってよい。合計レートは、全ての対が干渉配置法を実行する場合に、選択されたクラスタのトランスミッタ−レシーバ対のそれぞれのスループットを合計することにより計算されてよい。
【0039】
これらの実施形態では、クラスタを選択する回路は、最小特異値が、そのクラスタについて所定の閾値(T)を超える最大のものであるトランスミッタ−レシーバ対を選択するよう構成されてよい。合計レートが対象スループットレート未満である場合、クラスタを選択する回路は、k+c個のトランスミッタ−レシーバ対のセットを複数の中からランダムに選択して、選択されたセットにおけるk個の対からなる各々可能なクラスタについて達成可能な合計レートを計算して、干渉配置法を実行するために、可能な複数のクラスタのなかから、最大の達成可能な合計レートを有するクラスタを選択するよう構成されてよい。ランダムに選択されるセットは、所定の数(k+c)個のトランスミッタ−レシーバ対を含んでよく、各クラスタは、ランダムに選択されるセットより少ない数のトランスミッタ−レシーバ対(つまりk個の対)を有するサブセットを含んでよい。
【0040】
一部の実施形態では、トランスミッタ302およびレシーバ304は、マルチキャリア通信チャネル上で、直交周波数分割多重(OFDM)通信信号を通信するよう構成されてよい。OFDM信号は、複数の直交サブキャリアを含んでよい。これらマルチキャリアの実施形態の一部においては、トランスミッタ302は、アクセスポイント(AP)であってよく、レシーバ304は無線フィデリティ(WiFi)デバイスであってよい。一部のブロードバンドマルチキャリアの実施形態では、トランスミッタ302は、ブロードバンド無線アクセス(BWA)ネットワーク通信ステーション(例えばWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)通信ステーション)の一部であってよいが、実施形態の範囲はこれに限定はされない。これらのブロードバンドマルチキャリアの実施形態では、トランスミッタ302およびレシーバ304は、直交周波数分割多重接続(OFDMA)法に基づいて通信するよう構成されてもよい。
【0041】
一部の実施形態では、トランスミッタ302およびレシーバ304は、特定の通信規格(例えば、IEEE(アイトリプルイー)802.11−2007および/または802.11(n)規格等のIEEE規格、および/または、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)で提案されている仕様)に従って通信するよう構成されてよいが、実施形態の範囲はこの点に限定はされず、他の技術および規格に従って通信を送信および/または受信するのに適したものであってもよい。一部の実施形態では、トランスミッタ302およびレシーバ304は、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN)のIEEE802.16−2004およびIEEE802.16(e)規格、並びに様々な変形例および進化形に従って通信するよう構成されてよいが、実施形態の範囲はこの点に限定はされず、他の方法および規格に従って通信を送信および/または受信するのに適したものであってもよい。IEEE802.11およびIEEE802.16規格に関する詳細な情報に関しては、「IEEE Standards for Information Technology - Telecommunications and Information Exchange between Systems:情報技術のIEEE規格――システム間の電気通信および情報交換(仮訳)」−ローカルエリアネットワーク−パート11「Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY), ISO/IEC 8802-11 : 1999:無線LAN媒体アクセス制御(MAC)および物理層(PHY)、ISO/IEC8802−11:1999(仮訳)」およびメトロポリタンネットワーク−具体要件−パート16:「固定ブロードバンド無線アクセスシステムのための空気インタフェース」、2005年5月および関連する修正/バージョン、および様々な変形例および進化形を参照されたい。
【0042】
一部のブロードバンドの実施形態では、トランスミッタ302およびレシーバ304は、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)または、LTE(Long-Term-Evolution)通信規格に従って通信するよう構成されてよい。UTRAN、LTE規格に関する詳細な情報に関しては、UTRAN−LTEについての第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)規格、リリース8版、2008年3月、および様々な変形例および進化形を参照のこと。LTEの実施形態においては、モバイルステーションは、関連する基地局に対してシングルキャリアのアップリンクを利用して送信することができ、基地局は、マルチキャリアダウンリンクを利用して移動局と通信することができ、選択された対の移動局は、シングルキャリアアップリンクを介して関連する基地局に対して送信を行うときに、干渉配置法を実行することができ、選択された対の基地局は、マルチキャリアダウンリンクを介して関連する移動局に対して送信を行うときに、干渉配置法を実行することができる。
【0043】
一部の実施形態では、レシーバ304は、情報携帯端末(PDA)、無線通信機能を有するラップトップ型コンピュータまたは可搬型のコンピュータ、ウェブタブレット、無線電話、無線ヘッドセット、ページャ、インスタントメッセージデバイス、デジタルカメラ、アクセスポイント、テレビ受像機、医療機器(例えば心拍数モニタ、血圧モニタ等)等の可搬型無線通信デバイス、または無線を利用して情報を受信および/または送信することのできるその他のデバイスを含んでよい。
【0044】
図4は、一部の実施形態における、干渉の配置のためのアダプティブ・クラスタリング手順のフローチャートである。アダプティブ・クラスタリング手順400は、中央スケジューラ106(図1)、中央スケジューラ206(図2)、中央スケジューラ306(図3)等の中央スケジューラにより実行されてよい。アダプティブ・クラスタリング手順400により、直接チャネル情報から計算される最小特異値の閾値に基づいてトランスミッタ−レシーバ対のクラスタまたはグループを選択する。選択されたクラスタのトランスミッタ−レシーバ対は、対象スループットレートが達成できるときに、干渉配置法を実行するように指示される。対象スループットレートを、干渉配置法を実行することにより得ることができない場合には、サブセット検索プロセスを実行して、干渉配置法を実行するときにより高いスループットを得ることのできるトランスミッタ−レシーバ対のクラスタを特定する。
【0045】
処理402で、干渉配置法を実行する際に、対象スループットレート(R)およびクラスタサイズ(k)を特定する。
【0046】
処理404で、自身の直接チャネルの最小特異値が所定の閾値(T)を超えるトランシーバ−レシーバ対を特定する。
【0047】
処理406で、クラスタリングするために最小特異値が最大であるトランスミッタ−レシーバ対を選択する。k個のトランスミッタ−レシーバ対のクラスタをそのクラスタ用に選択する。
【0048】
処理408で、クラスタの選択されたトランスミッタ−レシーバ対について、合計レートを計算してよい。
【0049】
処理410で、選択されたトランスミッタ−レシーバ対の合計レートが、対象スループットレートを超えるかを判断する。選択されたトランスミッタ−レシーバ対の合計レートが対象スループットレートを超える場合には、処理406で最小の特異値閾値に基づいて選択されたクラスタが、干渉配置法を実行するのに適しており、処理420を実行する。選択されたトランスミッタ−レシーバ対の合計レートが対象スループットレートを超えない場合には、処理406で最小の特異値閾値に基づいて選択されたクラスタは、干渉配置法を実行するのに適しておらず、処理412−418を実行して、サブセット検索プロセスに基づいて新たなクラスタを選択する。
【0050】
処理412で、k+c個のトランスミッタ−レシーバの対のセットをランダムに選択する。
【0051】
処理414で、直接チャネル情報を、ランダムに選択した対のセットに対して取得する。
【0052】
処理416で、達成可能な合計レートを、処理412で選択されたセットの、k個のトランスミッタ−レシーバ対の各可能なクラスタに対して計算する。各可能なクラスタに対して計算された合計レートは、干渉配置法の適用に基づいたものであってよい。合計レートは、干渉配置法の適用により達成可能な増加した全スループットを示してよい。
【0053】
処理418で、達成可能な合計レートが最大であるクラスタを選択してよい。
【0054】
処理420で、処理406または418で選択されたクラスタのトランスミッタ−レシーバ対が、干渉配置法を実行するよう指示される。
【0055】
処理422は、処理402から420を次の期間(例えば次のフレーム)について繰り返すことを含む。
【0056】
実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアのいずれか、または組み合わせで実行されてよい。実施形態は、ここに記載される処理を実行する少なくとも1つのプロセッサにより読み取られ実行されうるコンピュータ可読媒体に格納されてよい命令として実装されてもよい。コンピュータ可読媒体は、機械(コンピュータ)が読み取ることのできる形態で情報を格納する任意のメカニズムを含んでよい。例えばコンピュータ可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク格納媒体、光格納媒体、フラッシュメモリデバイス、その他の格納デバイスおよび媒体を含んでよい。
【0057】
要約は、読み手に技術的開示の性質および本質を知らせるものとして要約を規定している米国特許法施行規則37C.F.R.セクション1.72(b)に従って提供されている。要約は、請求項の範囲および意味の限定または解釈には利用されないとの理解に基づいて提供されている。以下の請求項を、詳細な記載に組み込み、各請求項はそれ自身が別個の実施形態である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のトランスミッタ−レシーバ対のための通信をスケジュールする中央スケジューラを備える基地局であって、
前記中央スケジューラは、前記対の各々についての直接チャネル情報の最小特異値に基づいて、トランスミッタ−レシーバ対のクラスタを選択して、前記選択されたクラスタの対に対して、チャネル状態情報を利用する干渉配置法を実行するように指示する
基地局。
【請求項2】
前記中央スケジューラからの指示を受けて、前記選択されたクラスタの各トランスミッタ−レシーバ対のトランスミッタは、前記チャネル状態情報を利用して、各トランスミッタ−レシーバ対の関連するレシーバに対して送信するために、前記干渉配置法に従ってベースバンド信号をプレコードする請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記チャネル状態情報は、直接チャネル利得推定とクロスチャネル利得推定とを両方とも含み、
前記直接チャネル情報は前記直接チャネル利得推定を含み、
前記干渉配置法は、干渉信号を、所望の信号のデコード性能を向上させるための、より小さな信号スペースに限定することを含み、
各トランスミッタ−レシーバ対には、コンカレントな通信用に非直交チャネルリソースが割り当てられる請求項2に記載の基地局。
【請求項4】
前記中央スケジューラは、前記複数の中から、閾値を超える最小特異値が最大であるトランスミッタ−レシーバ対を、クラスタリングするために選択する請求項2に記載の基地局。
【請求項5】
前記選択されたクラスタの対に対して前記干渉配置法を実行するよう指示する前に、前記中央スケジューラは、
前記選択されたクラスタの前記トランスミッタ−レシーバ対の合計レートを計算して、前記合計レートが対象スループットレート以上である場合に、前記選択されたクラスタの対に対して、前記干渉配置法を実行するよう指示して、
前記合計レートは、前記選択されたクラスタの前記トランスミッタ−レシーバ対のそれぞれが前記干渉配置法を実行する場合に、当該対のスループットを合計することにより計算される請求項4に記載の基地局。
【請求項6】
前記干渉配置法は、干渉中心の干渉配置法または最大の信号対干渉雑音比干渉配置法である請求項5に記載の基地局。
【請求項7】
前記合計レートが前記対象スループットレート未満である場合に、前記中央スケジューラはさらに、前記複数の中から、トランスミッタ−レシーバの対のセットをランダムに選択して、前記選択されたセット内の各可能性のある対のクラスタに対して、達成可能な合計レートを計算して、前記達成可能な合計レートが最大であるクラスタを選択して、前記選択されたクラスタの対に対して、前記干渉配置法を実行するよう命令して、
前記ランダムに選択されたセットは、所定の数のトランスミッタ−レシーバ対を含み、
各クラスタは、前記ランダムに選択されたセットよりも少ない数のトランスミッタ−レシーバ対を有するサブセットを含む請求項5に記載の基地局。
【請求項8】
前記複数の中から前記トランスミッタ−レシーバ対のセットをランダムに選択した後で、前記中央スケジューラは、前記選択されたセットの各トランスミッタ−レシーバ対に関する全チャネル情報を要求して、
前記達成可能な合計レートを計算するべく、前記中央スケジューラは、前記直接チャネル情報とクロスチャネル情報を両方とも含む全チャネル情報を利用して、
前記達成可能な合計レートは、前記選択されたクラスタの前記トランスミッタ−レシーバ対のそれぞれが前記干渉配置法を実行する場合に、当該対のスループットを合計することにより計算される請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
前記トランスミッタ−レシーバ対のそれぞれの前記トランスミッタは、各トランスミッタ−レシーバ対の関連するレシーバに対して送信するために、前記干渉配置法に従って信号をプレコードするプレコーダを含み、
前記プレコーダは、介在しているチャネルの前記チャネル状態情報に基づいて前記信号をプレコードして、
各関連するレシーバは、前記対の前記トランスミッタから受信した前記プレコードされた信号をデコードするデコーダを含み、
前記プレコードによって、前記デコーダは、前記クラスタの他のトランスミッタの送信に関する干渉を除去する請求項3に記載の基地局。
【請求項10】
前記基地局は、分散型ネットワークの一部であり、
前記複数のトランスミッタ−レシーバ対が直接通信する請求項1に記載の基地局。
【請求項11】
前記基地局は集中型ネットワークの一部であり、
前記複数のトランスミッタ−レシーバ対は、基地局と移動局とを含む請求項1に記載の基地局。
【請求項12】
トランスミッタ−レシーバの複数の対をアダプティブ・クラスタリングする方法であって、
直接チャネル情報の最小特異値に基づいて、トランスミッタ−レシーバ対のクラスタを選択する段階と、
対象スループットレートを達成できる場合に、前記選択されたクラスタの対に対して、干渉配置法を実行するよう指示する段階と
を備え、
前記干渉配置法の実行により、前記選択されたクラスタの対について達成可能なスループット全体が向上する方法。
【請求項13】
前記選択する段階は、前記複数の中から、閾値を超える最小特異値が最大であるトランスミッタ−レシーバ対を選択する段階をさらに有し、
前記指示を受けて、前記選択されたクラスタの各トランスミッタ−レシーバ対のトランスミッタは、チャネル状態情報を利用して各トランスミッタ−レシーバ対の関連するレシーバに対して送信するために、前記干渉配置法に従ってベースバンド信号をプレコードする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記チャネル状態情報は、直接チャネル利得推定とクロスチャネル利得推定とを両方とも含み、
前記直接チャネル情報は前記直接チャネル利得推定を含み、
前記干渉配置法は、干渉信号を、所望の信号のデコード性能を向上させるための、より小さな信号スペースに限定することを含み、
各トランスミッタ−レシーバ対には、コンカレントな通信用に非直交チャネルリソースが割り当てられる請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記指示をする段階の前に、前記方法は、
前記選択されたクラスタの対の合計レートを計算する段階と、
前記合計レートが対象スループットレート以上である場合に、前記選択されたクラスタの対に対して、前記干渉配置法を実行するよう指示する段階と
を備え、
前記合計レートは、前記選択されたクラスタの前記トランスミッタ−レシーバ対のそれぞれが前記干渉配置法を実行する場合に、当該対のスループットを合計することにより計算される請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記合計レートが前記対象スループットレート未満である場合に、前記方法はさらに、
前記複数の中から、トランスミッタ−レシーバの対のセットをランダムに選択する段階と、
前記選択されたセット内の各可能性のある対のクラスタに対して、達成可能な合計レートを計算する段階と、
前記達成可能な合計レートが最大であるクラスタを選択する段階と、
前記選択されたクラスタの対に対して、前記干渉配置法を実行するよう命令する段階と
をさらに備え、
前記ランダムに選択されたセットは、所定の数のトランスミッタ−レシーバ対を含み、
各クラスタは、前記ランダムに選択されたセットよりも少ない数のトランスミッタ−レシーバ対を有するサブセットを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
無線ネットワークのための中央スケジューラであって、
複数のトランスミッタ−レシーバ対の各々の直接チャネル情報から最小特異値を計算する回路と、
前記対の各々について計算した前記最小特異値に基づいて、トランスミッタ−レシーバ対のクラスタを選択する回路と、
対象スループットレートを達成できる場合に、前記選択されたクラスタの対に対して、干渉配置法を実行するよう指示する回路と
を備える中央スケジューラ。
【請求項18】
前記選択されたクラスタの前記トランスミッタ−レシーバ対の合計レートを計算する回路をさらに備え、
前記指示する回路は、前記合計レートが前記対象スループットレート以上である場合に、前記選択されたクラスタの対に対して、前記干渉配置法を実行するよう指示して、
前記合計レートは、前記選択されたクラスタの前記トランスミッタ−レシーバ対のそれぞれが前記干渉配置法を実行する場合に、当該対のスループットを合計する請求項17に記載の中央スケジューラ。
【請求項19】
前記クラスタを選択する回路は、前記クラスタの閾値を超える最小特異値が最大であるトランスミッタ−レシーバ対を選択し、
前記合計レートが前記対象スループットレート未満である場合に、前記クラスタを選択する回路は、さらに、前記複数の中から、トランスミッタ−レシーバの対のセットをランダムに選択して、前記選択されたセット内の各可能性のある対のクラスタに対して、達成可能な合計レートを計算して、前記可能性のある対のクラスタから前記達成可能な合計レートが最大であるクラスタを選択して、前記選択されたクラスタの対に対して、前記干渉配置法を実行するよう命令する請求項18に記載の中央スケジューラ。
【請求項20】
前記ランダムに選択されたセットは、所定の数のトランスミッタ−レシーバ対を含み、
各クラスタは、前記ランダムに選択されたセットよりも少ない数のトランスミッタ−レシーバ対を有するサブセットを含む請求項19に記載の中央スケジューラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−524497(P2012−524497A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507249(P2012−507249)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/030481
【国際公開番号】WO2010/123700
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(591003943)インテル・コーポレーション (1,101)
【Fターム(参考)】