説明

無線ネットワーク中のステーションのための待ち受け時間の改良

【課題】無線ネットワーク中のステーションの待ち受け時間を改善する。
【解決手段】アクセスポイントは、そのアクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔および/またはアソシエーションタイムアウトを広告もしくは伝達する。ステーションはパワーセーブモードで作動し、ステーション用のビーコンおよび任意の潜在的トラフィックを受信するために、すべてのリスン間隔でウェイクアップする。ステーションは、最大のリスン間隔に基づいて、適切なリスン間隔を選択する。ステーションはリスン間隔より長い期間ドーマントで、アクセスポイントとのアソシエーションを生かし続けるために、すべてのアソシエーションタイムアウト中で少なくとも一度、アクティブとなる。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は「STANDBY TIME IMPROVEMENTS FOR WLAN」と題して2006年3月3日に出願された米国仮出願第60/779,235号、および、「STANDBY TIME IMPROVEMENTS FOR WLAN」と題して2006年3月7日に出願された米国仮出願第60/779,824号への優先権を主張する。両仮出願は本願と同じ譲受人に譲渡され、参照によってここに組込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般には通信に関し、より具体的には無線ネットワーク中のステーションの待ち受け時間の改善技術に関する。
【背景技術】
【0003】
無線ネットワークは音声、映像、パケットデータ、ブロードキャスト、メッセージングなどのような様々な通信サービスを提供するために広く展開されている。これらの無線ネットワークは、利用可能なネットワーク資源の共有によって、複数ユーザーのための通信をサポートすることができる。そのようなネットワークの例は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、無線都市内ネットワーク(WMAN)、無線広域ネットワーク(WWAN)および無線パーソナルネットワーク(WPAN)を含む。「ネットワーク」、「システム」という用語はしばしば交換可能に使用される。
【0004】
無線ネットワークは、任意の数のアクセスポイント(AP)、および、任意の数のステーション(STA)を含む。アクセスポイントはステーションとの通信のためのコーディネーターとして働く。ステーションは積極的にアクセスポイントと通信し、あるいは使用されず、あるいは、ステーションのデータ要求に依存して、任意の所定の時間、電源が落とされてもよい。
【0005】
待ち受け時間はバッテリー電源の携帯機器にとって重要なセールスポイントである。現在のWLAN携帯機器は、携帯電話と比較すると貧弱な待受け時間性能を持つ傾向がある。例えば、現在利用可能なWLANボイスオーバーIP(VoIP)電話の待ち受け時間は、典型的には携帯電話で使用されるものと同様のバッテリーで40から80時間の範囲である。それに比べて、携帯電話は、同様のバッテリーで400時間の待ち受け時間を達成できる。
【0006】
IEEE 802.11は、WLANのために電気電子学会(IEEE)によって開発された標準のファミリーである。IEEE 802.11は、ステーションがスリープし、その結果、電力を節約する方法を定義している。しかしながら、この方法の効率は、アクセスポイントおよび/またはステーションによる限定的なサポートに加えて標準におけるシグナリング制限のために、非常に低い電力消費を望むステーション用に制限される。
【0007】
したがって、無線ネットワーク中のステーションの待ち受け時間を改善するべき技術が必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
無線ネットワーク中のステーションの待ち受け時間を改善する様々な技術がここに記述される。一つの態様では、アクセスポイントは、例えばビーコンあるいはユニキャストフレームを介してそのアクセスポイントによってサポートされた最大のリスン間隔を伝える。与えられたアクセスポイント用の最大リスン間隔は、与えられたステーションがそのアクセスポイントに関連づけられたときにスリープできる最大の時間間隔を示す。与えられたステーション用のリスン間隔は、ビーコンと潜在的トラフィックを受け取るためにそのステーションがどれくらい頻繁にウェイクアップするかを示す。ステーションはパワーセーブモードで動作し、ステーション用のビーコンおよび任意の潜在的トラフィックを受け取るために周期的にウェイクアップする。ステーションはアクセスポイントから最大リスン間隔を受け取り、アクセスポイントに繰り返し異なるリスン間隔をネゴシエーションする必要なく、アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔に基づいて、そのステーション用の適切なリスン間隔を効率的に選択する。下記に述べられるように、ステーションはまた別の方法で最大のリスン間隔を発見することができる。
【0009】
別の態様では、アクセスポイントはそのアソシエーションタイムアウトをそのカバー範囲内のステーションへ伝える。アソシエーションタイムアウトは、ステーションがこの時間期間にアクティビティを呈さない場合であってもアクセスポイントがステーションのためにアソシエーションを維持する時間期間である。ステーションは、バッテリー寿命を延長するために、そのリスン間隔よりも長い期間、ドーマント状態である。ステーションはアクセスポイントのアソシエーションタイムアウトを獲得し、アクセスポイントとのアソシエーションを生かし続けるために、アソシエーションタイムアウトごとに少なくとも一度、アクティブであることを確認する。
【0010】
また別の態様では、アクセスポイントは、パワーセーブモードのステーション(PSステーション)に、これらのステーションが改善された電力セーブを達成するように興味あるかもしれないブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを送る。そのようなブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックは、ネットワーク接続性の管理、ネットワークモニタリングなどに関連するトラフィックを含むことができる。アクセスポイントは、(i)アクセスポイントよって送信されている正規(regular)のブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを表示するためのデリバリートラフィック表示メッセージ(a Delivery Traffic Indication Message)(DTIM)および(ii)PSステーションに潜在的に興味のあるブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを示すための遅いDTIM(a slow DTIM)を送信する。遅いDTIMはDTIMより遅い速さで送られる。PSステーションは遅いDTIMをリスンし、DTIMの間はスリープする。
【0011】
開示の種々の態様および特徴は、以下に一層詳細に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、アクセスポイントおよび多数のステーションを備えた無線ネットワークを示す。
【図2】図2は、アクセスポイントの送信スケジュール例を示す。
【図3】図3は、ビーコンフレームのデザインを示す。
【図4】図4は、リスン間隔をネゴシエートするためのプロセスを示す。
【図5】図5は、リスン間隔をネゴシエートするための装置を示す。
【図6】図6は、実行中にリスン間隔を再ネゴシエートするためのプロセスを示す。
【図7】図7は、実行中にリスン間隔を再ネゴシエートするための装置を示す。
【図8】図8は、アソシエーションタイムアウトを回避するためのプロセスを示す。
【図9】図9は、アソシエーションタイムアウトを回避するための装置を示す。
【図10】図10は、パワーセーブモードでブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを受け取るためのプロセスを示す。
【図11】図11は、パワーセーブモードでブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを受け取るための装置を示す。
【図12】図12は、アクセスポイントとステーションのブロック図を示す。
【発明の詳細な説明】
【0013】
ここに記述された省電力技術は、WLAN、WMAN、WWAN、WPANなどのような様々な無線ネットワークに使用される。WLANは、IEEE 802.11、Hiperlanなどによって定義された任意のもののような無線技術をインプリメントする。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、単一キャリアのFDMA(SC-FDMA)ネットワークなどのようなセルラーネットワークである。WMANは、802.16e(それは一般にWiMAXと呼ばれる)のようなIEEE 802.16 あるいはIEEE 802.20によって定義された任意のもののような無線技術をインプリメントする。WPANは、Bluetooth(登録商標)のような無線技術をインプリメントする。分かり易くするために、技術はIEEE 802.11 WLANについて下記に述べられる。
【0014】
図1は、アクセスポイント(AP)110および多数のステーション(STA)120を備えた無線ネットワーク100を示す。一般に、無線ネットワークは、任意の数のアクセスポイント、および任意の数のステーションを含む。ステーションは無線媒体を介して別のステーションと通信することができる装置である。「無線媒体」と「チャンネル」という用語はしばしば交換可能に使用される。ステーションは、アクセスポイントと通信し、あるいは別のステーションとピア・ツー・ピア通信する。ステーションはターミナル、移動局、ユーザー設備、加入者ユニットなどと呼ばれ、それらが有する機能性のいくつかあるいは全てを含む。ステーションは携帯電話、ハンドヘルドデバイス、無線デバイス、携帯情報端末(PDA)、ラップトップコンピュータ、無線モデム、コードレス電話機などである。アクセスポイントは無線媒体を介してそのアクセスポイントに関連するステーションに配送サービスへのアクセスを提供するステーションである。アクセスポイントは基地局、無線基地局(BTS)、ノードB、発展ノードB(eNode B) などと呼ばれ、それらの機能性のうちのいくつかあるいは全てを含む。
【0015】
集中型ネットワークについては、ネットワークコントローラ130はアクセスポイントと結合して、これらのアクセスポイントに調整と制御を供給する。ネットワークコントローラ130は、単一のネットワーク実体あるいはネットワーク実体の集合である。分散ネットワークについては、アクセスポイントは、ネットワークコントローラ130の使用なしで、必要に応じて互いに通信する。
【0016】
無線ネットワーク100は、標準のIEEE 802.11ファミリーをインプリメントする。例えば、無線ネットワーク100は、存在しているIEEE 802.11標準であるIEEE 802.11、802.11a、802.11b、802.11eおよび/または802.11gをインプリメントする。無線ネットワーク100はさらに製作中のIEEE 802.11標準であるIEEE 802.11nおよび/または802.11をインプリメントしてもよい。IEEE 802.11、802.11a、802.11b、802.11gおよび802.11nは、異なる無線技術をカバーし、異なる能力を持つ。IEEE 802.11eは、メディアアクセス制御(MAC)層のためのサービス品質(QoS)拡張をカバーする。IEEE 802.11eでは、QoS設備をサポートするステーションはQSTAと呼ばれ、また、QoS設備をサポートするアクセスポイントはQAPと呼ばれる。QoS設備は、パラメータ化され優先化されたQoSを提供するために使用されるメカニズムを指す。
【0017】
ステーションは、1つ以上のフローでアクセスポイントと通信する。フローは、リンクを介して送られる高次層のデータストリームである。フローは、トランスポート層で、転送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)あるいは他のいくつかのプロトコルを利用する。フローはまた、データストリーム、トラフィックストリームなどと呼ばれる。フローは、音声、映像、パケットデータなどのような任意のタイプのデータを運ぶ。フローは、特別のトラフィッククラス向けで、データレート、待ち時間(latency)あるいは遅れについて、ある要求を持つ。フローは、例えば、送るべきデータがある場合は常に、(a)周期的で規則的な間隔で送られ、もしくは、(b)非周期的で散発的に送られる。周期的なフローはデータが規則的な間隔で送られるフローである。例えばVoIPのためのフローは、10あるいは20ミリ秒(ms)ごとにデータフレームを送る。ここで使用されるように、フレームは送信の1ユニットで、データフレーム、ヌルフレーム、コントロールフレームあるいは他のいくつかのタイプのフレームである。フレームはまた、パケット、データブロック、データユニット、プロトコルデータユニット(PDU)、サービスデータユニット(SDU)、MAC PDU(MPDU)などと呼ばれる。ステーション向けのコールは、1つ以上のフローもしくは1つ以上のトラフィックタイプを有する。
【0018】
図2は、無線ネットワーク100におけるアクセスポイント110用の送信スケジュール200の例を示す。一般に、無線ネットワーク中の各アクセスポイントは、そのアクセスポイントによってカバーされる全ての送信用の個別のスケジュールを維持する。アクセスポイント110用の送信スケジュールを以下に説明する。アクセスポイント110は、ダウンリンク上で周期的にビーコンを送信する。このビーコンは、ステーションがアクセスポイントを検知し識別することを可能にするプリアンブルおよびアクセスポイント識別子(AP ID)を運ぶ。連続する2つのビーコンのスタート間の時間間隔は、目標ビーコン送信時間(TBTT)あるいはビーコン間隔と呼ばれる。ビーコン間隔は固定もしくは可変であり、適切な期間、例えば100ミリ秒、にセットされる。
【0019】
各ビーコン間隔は、任意の数のステーションのための任意の数のサービス期間を含む。サービス期間は、その間にアクセスポイントがステーションに1つ以上のダウンリンクフレームを送信し、および/または、同じステーションへ1回以上の送信機会(TXOP)を与えるところの、継続した時間期間である。TXOPはリンク上の送信のための時間割付けである。サービス期間は、スケジュールされ、もしくはされない。与えられたステーションは、与えられたビーコン間隔内に任意の数のサービス期間を有する。
【0020】
ステーションは、典型的には、ステーションに電力が最初に供給されるか、ステーションが新しいWLANのカバー領域に移動するときに、アクセスポイントと関連するためにアソシエーション手続きを実行する。アソシエーションは、ステーションのアクセスポイントへのマッピングを指し、それは、ステーションが配送サービスを受けることを可能にする。アソシエーションは、配送サービスがステーションのためにどのアクセスポイントとコンタクトするかを知ることを可能にする。ステーションは、それがネットワークを離れる場合は常に関連を分離(disassociate)しようとする。ステーションは、現在のアソシエーションをあるアクセスポイントから別のアクセスポイントに「移動する」再アソシエーション手続きを実行する。アソシエーション、分離および再アソシエーション手続きはIEEE 802.11ドキュメントに記述されている。
【0021】
ステーションは、典型的には、セキュリティ、インターネット・プロトコル(IP)アドレス、QoS、フロー、パワーマネージメントなどのような様々な特徴あるいは属性について、アクセスポイントとネゴシエートする。そのネゴシエーションは、典型的には、ステーションとアクセスポイントの間で適切なパラメータ値が合意されるまで、ステーションとアクセスポイントの間で要求および応答フレームを交換することを要する。その後、ステーションは、アクセスポイントとネゴシエートされたパラメータによって決定された状態(states)あるいはコンテキストに従って動作する。
【0022】
IEEE 802.11は、バッテリー電源の節約を望むステーションのための電力節約(power-save)(PS)モードを定義する。パワーセーブモードで動作することを望むステーションは、アクセスポイントに送られる送信のMACヘッダ中で「PSモード」ビットを1にセットすることにより、この意図をアクセスポイントに表示する。パワーセーブモードにあるステーションはPSステーションと呼ばれる。これを受けて、アクセスポイントは、ステーションがスリープし、合意された時点だけにトラフィックを受け取るためにウェイクアップするであろうことを認識する。その後、アクセスポイントは、ステーション用の全ての入力トラフィックデータをバッファリングし、ステーションがアウェイクしているときにそのデータをステーションに送信する。
【0023】
パワーセーブモードにあるステーションは、トラフィック表示マップ( Traffic Indication Map)(TIM)および/またはデリバリートラフィック表示メッセージ(Delivery Traffic Indication Message)(DTIM)を受け取るためにウェイクアップすることを選択する。TIMは、アクセスポイントによって送信されたすべてのビーコン中に存在するビットマップである。与えられたビーコン中のTIMは、来たるビーコン間隔中にそのステーションのための未決のユニキャストトラフィックがあるかどうかをステーションに示す。アソシエーション時に、ステーションとアクセスポイントは、ステーションがビーコンを聞くためにどれくらいの頻繁でウェイクアップしてTIMを受け取るかを示すリスン間隔をネゴシエートする。リスン間隔は、図2に示されるように、典型的には、ビーコン間隔の複数倍である。例えば、ステーションが5つのリスン間隔を持っている場合、ステーションは、TIMをデコードし、またそのステーション用の潜在トラフィックを受け取るために、5つ目のビーコンごとにウェイクアップする。
【0024】
DTIMは、ブロードキャストおよびマルチキャストのトラフィックが、来たるビーコン間隔中に配送されているかどうか示すビットマップである。DTIMは、アクセスポイントによって選択された間隔で送られる。DTIM間隔は、典型的には、ビーコン間隔の複数倍であり、また基本サービスセット(BSS)のために固定される。BSSはアクセスポイントと関連するステーションのネットワークである。ブロードキャストあるいはマルチキャストトラフィックの受け取りを望むステーションは、そのステーション用のリスン間隔とは無関係にDTIMをデコードするであろう。
【0025】
アクセスポイントは、待ち時間(latency)、バッファサイズ要求および省電力の3者間のトレードオフに基づいてDTIM間隔を選択する。同様に、パワーセーブモードにあるステーションは、待ち時間、バッファサイズ要求および省電力の間のトレードオフに基づいて、DTIMのためにウェイクアップするか否かに加えて、リスン間隔を選択する。
【0026】
一般に、より長いリスン間隔はパワーセーブモードのステーションにより多くの省電力を提供するが、より多くの遅れをもたらし、それはいくつかのタイプのトラフィックに対しては許容できる。従って、ステーションが省電力を好む場合、ステーションは、アクセスポイントとのアソシエーション時に大きなリスン間隔を要求する。しかしながら、より大きなリスン間隔は、アクセスポイントがそのアクセスポイントでサポートされた全てのステーションの潜在的な入力トラフィックを格納するために、より大きなバッファサイズ要求をもたらす。大きなリスン間隔をサポートすることは、潜在的な入力トラフィックの格納のために使用されるバッファーのサイズがアクセスポイントによってサポートされる全てのステーションのリスン間隔中に受け取られるかもしれないデータ量によって決定されるべきであるため、アクセスポイントにとっては制約となる。
【0027】
IEEE 802.11は、アクセスポイントがサポートする必要のある最大のリスン間隔に関しては要求を課していない。アクセスポイントは、例えば、ビーコン間隔の1から20倍、あるいは、場合によってはそれ以上の特別の範囲内でリスン間隔をサポートする。サポートされるリスン間隔範囲は、アクセスポイントの能力、アクセスポイントによってサービスされているステーションの数、パワーセーブモードのステーションの数などのような様々なファクターに依存する。異なるベンダーからの異なるアクセスポイントは、異なる範囲のリスン間隔をサポートする。更に、与えられたアクセスポイントよってサポートされる最大リスン間隔は、例えば、そのアクセスポイントを備えたパワーセーブモードにあるステーションの数に依存して、時間とともに変化してもよい。慣例的に、ステーションはアクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を知る容易な方法を持たない。
【0028】
1つの態様では、アクセスポイントは、そのアクセスポイントによってサポートされる最大リスン間隔を伝え、ステーションは、適切なリスン間隔をより効率的に選択するためにこの情報を使用する。1つの設計では、アクセスポイントは、ビーコン中で最大リスン間隔を広告する。ビーコンフレームは、様々なタイプの情報を伝える種々の情報要素を含む。情報要素は最大リスン間隔のために定義され、アクセスポイントによって送られたビーコンフレーム中に含まれる。
【0029】
図3はアクセスポイントによって送信されるビーコンフレーム300のデザインを示す。ビーコンフレーム300は、アクセスポイントのタイミングを示すタイムスタンプフィールド(Timestamp field)、ビーコン間の時間期間を示すビーコン間隔フィールド(Beacon Interval field)、要求された、あるいは広告されたアクセスポイントの能力を示す能力情報フィールド(Capability Information field)、WLANのための識別子を運ぶサービスセット同一性(SSID)フィールド(Service Set Identity (SSID) field)、および、IEEE 802.11によって定義された他の情報要素を含む。図3に示される設計では、ビーコンフレーム300は最大リスン間隔情報要素310を含む。情報要素310は、情報要素310に割り当てられたユニークな値にセットされた要素IDフィールド312、次に続くフィールド316の長さを示す長さフィールド314、および、アクセスポイントによってサポートされる最大リスン間隔を運ぶフィールド316を含む。
【0030】
ステーションは、パワーアップし、あるいは新たなWLANカバー領域に移動することで、ビーコンフレームをリスンする。その後、ステーションは、アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を決定する。ステーションがその省電力を最大にすることを望む場合、ステーションはアクセスポイントによって広告された最大リスン間隔を選択することができる。ステーションは、また、そのトラフィック要求に基づいて、より短いリスン間隔を選択してもよい。いかなる場合も、ステーションは、アクセスポイントに送られた最初のアソシエーション要求で適切なリスン間隔を選択し、含めることができる。
【0031】
別の設計では、アクセスポイントは、ステーションへ送られるユニキャストフレーム中でそれがサポートする最大リスン間隔を伝える。情報要素は最大リスン間隔のために定義され、アクセスポイントによってステーションへ送られるフレーム中に含まれる。1つのスキームでは、最大リスン間隔はシステムアクセス中に伝えられる。ステーションはアクセスポイントへプローブ要求を送ってもよい。アクセスポイントは、例えば、「PSモード」ビットが1にセットされる場合、そのアクセスポイントによってサポートされる最大リスン間隔を、ステーションに送られるプローブ応答中に含んでもよい。別のスキームでは、最大リスン間隔はアソシエーション中に伝えられる。ステーションは、ステーションによって望まれるリスン間隔を選択し、選択されたリスン間隔を、アクセスポイントへ送られた最初のアソシエーション要求中に含んでもよい。もし、選択されたサービス間隔がアクセスポイントによってサポートされない場合は、アクセスポイントはアクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を含んでいるアソシエーション応答を送ってもよい。その後、ステーションは、適切なリスン間隔を選択し、次のアソシエーション要求中にそれを含む。
【0032】
アクセスポイントは、そのアクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を、さらに他の方法で伝えてもよい。ステーションは、ビーコン、プローブ応答、アソシエーション応答、あるいはいくつかの他の送信に基づいて、最大リスン間隔を決定する。その後、ステーションは、推量無しで、あるいはわずかの推量を伴って適切なリスン間隔を選択し、アソシエーション手続きにおいて電力を節約する。
【0033】
図4は、リスン間隔をネゴシエートするためのプロセス400を示す。ステーションは、最初に、アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を決定する(ブロック412)。ステーションは、ビーコン、プローブ応答やアソシエーション応答で送られた制御フレーム、あるいはアクセスポイントによって送られた他のいくつかの送信から最大リスン間隔を得る。その後、ステーションは、最大リスン間隔に基づいてリスン間隔を選択する(ブロック414)。例えば、選択されたリスン間隔は、もしステーションが最大の省電力を希望し、そのトラフィックが遅れを許容できる場合は、最大リスン間隔と等しくすることができる。その後、ステーションは、選択されたリスン間隔をアクセスポイントに送る(ブロック416)。
【0034】
図5は、リスン間隔をネゴシエートするための装置500の設計を示す。装置500は、アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を決定するための手段(モジュール512)、最大リスン間隔に基づいてリスン間隔を選択するための手段(モジュール514)、および選択されたリスン間隔をアクセスポイントに送信するための手段(モジュール516)を含む。モジュール512〜516は、プロセッサ、エレクトロニクス装置、ハードウェアデバイス、エレクトロニクス・コンポーネント、論理回路、メモリなど、あるいはそれら任意の組合せを含むことができる。
【0035】
ステーションは、また、アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を、他の方法によって決定してもよい。ステーションは、アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を決定するために、1つ以上の要求を送ってもよい。もし、大きなリスン間隔が望まれる場合は、アクセスポイントがリスン間隔の1つを受理するまで、ステーションはアソシエーション時間で1つ以上のリスン間隔を試みてもよい。ステーションは、アクセスポイントに送られた最初のアソシエーション要求で、最大リスン間隔を要求してもよい。もし、要求されたリスン間隔が大きすぎる場合は、アクセスポイントは、単にアソシエーション応答中のエラーステータスコード(例えば「リスン間隔が大きすぎるためアソシエーションは否定された」を示すステータスコード51)で答えてもよい。応答中のステータスコードは、アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔をステーションへ伝えない。従って、その後、ステーションは、アクセスポイントへ送られる次のアソシエーション要求で、より小さなリスン間隔を要求する。ステーションは、要求されたリスン間隔がアクセスポイントによってサポートされた範囲内になるまで、次第により小さなリスン間隔を要求する。
【0036】
ステーションは、また、リスン間隔の要求を別のオーダーで送ってもよい。例えば、ステーションはN個のリスン間隔のための要求を送ってもよい。そのリスン間隔がサポートされると、ステーションは次により大きなリスン間隔(例えばN+1)の要求を送る。そうでなければ、ステーションはより小さなリスン間隔(例えばN-1)の要求を送る。ステーションは、最大のリスン間隔が発見されるまで要求の送信を繰り返し、そして、その後、それを使用する。
【0037】
一般に、ステーションは、ヒューリスティックな方法で、アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を決定する。ステーションは、ステーションが要求のうちの1つを受理する応答、および要求のうちの他の1つを否定する別の応答を受け取るまで、多数のリスン間隔値について要求を送ることができる。ステーションは、一度に1つのリスン間隔値について1つの要求を送る。ステーションは、要求のうちの1つを受理する応答が受け取られるまで、最大のリスン間隔値の要求で始まり、最小のリスン間隔値の要求で締めくくることができる。ステーションは、さらに、要求のうちの1つを否定する応答が受け取られるまで、最小のリスン間隔値の要求で始まり、最大のリスン間隔値の要求で締めくくる。ステーションは、さらに、中間のリスン間隔値の要求で始め、それを受理する応答を受け取ったならばよりよい大きいリスン間隔値の要求を送り、それを拒否する応答を受け取ったならばより小さいリスン間隔値を送ることもできる。ステーションは、さらに他のオーダーで要求を送ってもよい。ステーションは、受信応答に基づいて使用にふさわしいリスン間隔を決定する。
【0038】
ステーションは、典型的には、それがアクセスポイントと関連するときに適切なリスン間隔をネゴシエートする。ステーションは、その後、アクセスポイントとのアソシエーションの全期間に亘って、ネゴシエートされたリスン間隔を使用する。ネゴシエートされたリスン間隔は、様々な理由で不適切かもしれず、また不適当かもしれない。そして、ステーションは、より適切なリスン間隔の選択を望む。この場合、ステーションはアクセスポイントとの関連から離れ、そして次に、同じアクセスポイントと再び関連する。ステーションは、アクセスポイントとの再アソシエーション中に、より適切なリスン間隔をネゴシエートする。現在のIEEE 802.11標準は、ステーションがアクセスポイントと関連している間にリスン間隔を更新するための機構を提供していない。
【0039】
別の態様では、ステーションは、アクセスポイントとの関連を分離することなく、実行中にリスン間隔を再ネゴシエートし、そして、アクセスポイントと再び関連する。下記に述べられるように、この能力はある利点を備える。
【0040】
図6は、ステーションが実行中にリスン間隔を再ネゴシエートするためのプロセス600を示す。ステーションは、最初に、アクセスポイントとのアソシエーションを確立する(ブロック612)。ステーションは第1のリスン間隔をネゴシエートし、アソシエーション確立中の状態あるいはコンテキスト(例えば、セキュリティ、IPアドレス、QoS、パワーマネージメントなどのための)を確立する(ブロック614)。ステーションは、その後、第1のリスン間隔と確立された状態に基づいてデータを受信する(ブロック616)。
【0041】
ステーションは、その後、第1のリスン間隔が何らかの理由により不十分であることを決定する。その後、ステーションは、アクセスポイントとの関連を分離せずに、第2のリスン間隔のためにアクセスポイントと再ネゴシエートする(ブロック618)。第2のリスン間隔は第1のリスン間隔よりも短いかもしれないし、あるいは長いかもしれない。それはステーションの要求に依存する。ステーションは、アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔の知識を持って、あるいは持たずに、第2のリスン間隔を選択する。再ネゴシエーションについては、ステーションは、第2のリスン間隔を備えた制御フレームをアクセスポイントに送る。アクセスポイントは、ステーションによる要求を許可しても否定してもよい。要求が許可される場合、アクセスポイントは要求が許可されたことを示す応答(例えばACK)を送る。ステーションは応答を受け取り、その後、第2のリスン間隔に基づいて受信データを受け取る(ブロック620)。もし、アクセスポイントが第2のリスン間隔を否定する場合、ステーションおよびアクセスポイントは、適切なリスン間隔が選択され、受理されるまで、ネゴシエーションを継続する。
【0042】
1つの設計では、状態もしくはコンテキスト(例えばセキュリティ、IPアドレス、QoS、パワーマネージメントなどのための)はステーションのために保存され、そして、リスン間隔だけが再ネゴシエーションで変更される。この設計では、ステーションは、その後アソシエーション確立中、先に確立された状態/コンテキストに基づいてアクセスポイントと通信する(ブロック622)。別の設計では、1つ以上のパラメータもまた再ネゴシエートされ、ステーションによって送られた第2のリスン間隔を運ぶ制御フレーム、あるいは、それに続く1つ以上のフレームのいずれかにおいて変更されてもよい。
【0043】
図7は、実行中にリスン間隔を再ネゴシエートする装置700の設計を示す。装置700は、アクセスポイントとのアソシエーションを確立するための手段(モジュール712)、第1のリスン間隔をネゴシエートし、アソシエーション確立中の状態もしくはコンテキストを確立するための手段(モジュール714)、第1のリスン間隔と確立された状態に基づいてデータを受信するための手段(モジュール716)、アクセスポイントとのディスアソシエーション無しに、アクセスポイントと第2のリスン間隔を再ネゴシエートするための手段(モジュール718)、第2のリスン間隔に基づいてデータを受信するための手段(モジュール720)、および、アソシエーションの確立中、先に確立された状態/コンテキストに基づいてアクセスポイントと通信するための手段(モジュール722)を含む。モジュール712〜722は、プロセッサ、エレクトロニクス装置、ハードウェアデバイス、エレクトロニクスコンポーネント、論理回路、メモリなど、あるいはそれらの任意の組合せを備えることができる。
【0044】
1つの設計では、新しいリスン間隔のための要求とこの要求に対する応答を送信するための、現在IEEE 802.11にはない新しいフレームが定義され、使用される。別の設計では、新しいリスン間隔を要求し、その要求に答えるために新しい情報要素が定義され、既存のフレームに含められる。
【0045】
ステーションは、アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔よりも長い拡張期間に亘ってドーマントであるかもしれない。この場合は、ネットワーク中の層2の上部で動作する実体は、ステーションのためのトラフィックをバッファーし、ページバッファリング機能(PBF)からステーションへの配達を同期させる。トラフィックバッファリングは、このように、アクセスポイントの上流で生じる。PBFはステーションと同期し、ステーションが次のリスン間隔の開始でウェイクアップしてビーコン中のTIMをデコードする少し前に、トラフィックがステーションに到達するようにトラフィックを送信する。アクセスポイントは、ステーションによる拡張されたドーマンシーに気づいている必要はない。アクセスポイントは、あたかもステーションがTIMをデコードするためにリスン間隔ごとにウェイクアップしているかのように、通常の方法で動作する。しかしながら、ステーションは、PBFと同期するリスン間隔の倍数でウェイクアップする。より長い実際のリスン間隔は、ステーションがより多くの電力の節約を可能とする。PBFは、ステーションがそれを受け取るためにアウェイクしているときにトラフィックが送られることを保証する。
【0046】
ステーションがリスン間隔よりも頻繁でない割合でウェイクアップし、アクセスポイントがこのことを知らない場合、もしアクセスポイントが長期間の間ステーションからのアクティビティを検知しないときにアクセスポイントがステーションを分離するという危険がある。もし、アクセスポイントがステーションを分離する場合、ステーションのための状態/コンテキストは失われる。ステーションは、状態/コンテキストを再確立するためにアクセスポイントとの再アソシエーション手続きを実行する必要がある。再アソシエーション手続きは時間と電力を消費するため、これは望ましくない。
【0047】
また別の態様では、アクセスポイントはそのアソシエーションタイムアウトをステーションに伝え、そして、ステーションは、アクセスポイントによってタイムアウトされないようにこの情報を使用する。1つの設計では、アクセスポイントは、ビーコン中でそのアソシエーションタイムアウトを広告する。図3に示される設計を参照して、ビーコンフレーム300は、アクセスポイント用のアソシエーションタイムアウトを含むアソシエーションタイムアウト情報要素320を含んでいる。アクセスポイントは、アクセスポイントによって使用されるアソシエーションタイムアウトの現在値にこの情報要素をセットする。別の設計では、アクセスポイントは、ユニキャストフレーム中で(例えば、プローブ応答あるいはアソシエーション応答として)アソシエーションタイムアウトを伝える。
【0048】
アクセスポイントとネゴシエートされたリスン間隔よりも長い期間ドーマントなステーションは、アクセスポイントのアソシエーションタイムアウトを得る。ステーションは、その後、アクセスポイントとのアソシエーションを生かし続けるために、全てのアソシエーションタイムアウトごとに少なくとも一度アクティブとなることを保証する。対応して、アクセスポイントは、ステーションがアクティビティを呈していない時であっても、少なくとも広告されたアソシエーションタイムアウト期間の間はステーションを関連させ続けるよう保証する。
【0049】
図8は、ステーションが例えば長時間のドーマンシーによるアソシエーションタイムアウトを回避するためのプロセス800を示す。ステーションは、最初にアクセスポイントとのアソシエーションを確立する(ブロック812)。ステーションは、アクセスポイントのアソシエーションタイムアウトを、例えばアクセスポイントによって送られたビーコンまたはフレームに基づいて決定する(ブロック814)。ステーションはアソシエーションの確立中にリスン間隔のためにアクセスポイントとネゴシエートする。ステーションは、恐らくアクセスポイントに通知せずに、リスン間隔よりも長い期間、スリープする(ブロック816)。アクセスポイントとのアソシエーションを生かし続けるために、ステーションは、すべてのアソシエーションタイムアウトごとに少なくとも一度アクティブになる(ブロック818)。
【0050】
図9は、アソシエーションタイムアウトを回避する装置900の設計を示す。装置900は、アクセスポイントとのアソシエーションを確立するための手段(モジュール912)、例えば、アクセスポイントによって送られたビーコンまたはフレームに基づいてアクセスポイントのアソシエーションタイムアウトを決定するための手段(モジュール914)、恐らくアクセスポイントに通知せずに、アソシエーションの確立中にネゴシエートされたリスン間隔よりも長い期間スリープするための手段(モジュール916)、そして、アクセスポイントとのアソシエーションを生かし続けるために、すべてのアソシエーションタイムアウトごとに少なくとも一度アクティブになるための手段(モジュール918)を含む。モジュール912〜918は、プロセッサ、エレクトロニクス装置、ハードウェアデバイス、エレクトロニクスコンポーネント、論理回路、メモリなど、あるいはそれらの任意の組合せを備えることができる。
【0051】
上述したように、アクセスポイントは、最大リスン間隔および/またはそのアクセスポイントによってサポートされたアソシエーションタイムアウトをビーコン中で広告する。最大リスン間隔および/またはアソシエーションタイムアウトは、アクセスポイントのカバレッジ内の全てのステーションによって受信され、また全てのステーションに送信される。アクセスポイントは、また、最大リスン間隔および/またはアソシエーションタイムアウトを、特定のステーションへ送られるユニキャストフレーム中で伝えてもよい。
【0052】
アクセスポイントは、異なるステーション、異なるアクセスカテゴリーなどのために、異なる最大リスン間隔および/または異なるアソシエーションタイムアウトを使用してもよい。例えば、より長いリスン間隔および/またはより長いアソシエーションタイムアウトは、より高いプライオリティを備えたステーションのために使用されてもよい。反対に、より短いリスン間隔および/またはより短いアソシエーションタイムアウトは、より低いプライオリティを備えたステーションのために使用されてもよい。特定のステーション用の個々のリスン間隔および/またはアソシエーションタイムアウトは、ビーコンあるいはユニキャストフレーム中で伝えられてもよい。
【0053】
現在のIEEE 802.11標準はステーションの電力セーブをサポートし、トラフィックを2つのカテゴリーに分類している:
(1)DTIMによって表示されたブロードキャストおよびマルチキャストトラフィック
(2)すべてのリスン間隔ごとにトラフィックの存在がビーコンのTIM中で示された後、ステーションに向けられたフレーム中で送られたユニキャストトラフィック。
【0054】
ステーションは、アプリケーション層からブロードキャストあるいはマルチキャストトラフィック(例えばオーディオ、ストリームビデオなど)を受け取ることを望んでもよい。その後、ステーションはこれらのトラフィックストリームを受け取るために、十分な時間、ウェイクアップする。ステーションは、DTIMが頻繁に送られる(例えばすべてのビーコンごとに)ため、深い睡眠用および顕著な電力セーブ用の候補ではないであろう。
【0055】
慣例通りに、DTIMによって示されたブロードキャストとマルチキャストのトラフィックは、(1)アプリケーション層からのブロードキャストおよびマルチキャストトラフィック(ここでは「アプリケーション」ブロードキャストおよびマルチキャストと称する)および、(2)ネットワーク接続性の管理、ネットワークモニタリングなどに関連するブロードキャストおよびマルチキャストトラフィック(ここでは「ネットワーク」ブロードキャストおよびマルチキャストと称する)を含む。ネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックのいくつかの例は、アドレス・レゾルーション・プロトコル(ARP)トラフィック、ダイナミック・ホスト・コンフィギュレーション・プロトコル(DHCP)トラフィック、トポロジー・アップデートおよび他のそのようなタイプのトラフィックを含む。ARPはIPアドレスにMACアドレスをマッピングするために使用される。DHCPはダイナミックIP構成に使用される。ステーションは、ステーションが使用されないつもりで、深いスリープで動作している場合であっても、ネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを受け取ることを望んでもよい。
【0056】
慣例通りに、アプリケーションおよびネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックの両方は一緒に含まれ、そして、DTIM機構を使って送られる。電力の節約を望むアイドル状態のステーションは、恐らくアプリケーションブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを受け取ることに興味を持たない。そうでなければ、ステーションはそのディスプレイ、キーパッド、またプロセッサをターンオンさせ、したがって、とにかく電力をそれほど節約しない。しかしながら、アイドル状態の端末は、層2およびその上での接続性が使用可能であることの保証を望んでもよい。例えば、ステーションは、ARPの要求、可能なDHCPメッセージなどへの応答を望んでもよい。これらのメッセージもまた、ブロードキャストトラフィックであり、従って、DTIMを使用して送られる。
【0057】
DTIMは、(a)層2以上の接続性を維持するために使用されるネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィック、および(b)アプリケーションブロードキャストおよびマルチキャストトラフィック、の両方を表示する。従って、単にネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを受け取ることに興味を持つステーションは、潜在的なネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを受け取るために、各DTIMのためにウェイクアップする必要がある。DTIMは、典型的には、アプリケーションブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックの遅れを少なくするためにすべてのビーコン中で(あるいは少数のビーコンおきに)送られる。この場合、ステーションは、DTIMのために各ビーコンでウェイクアップする必要があり、それは電力セーブの性能に厳しく影響する。
【0058】
また別の態様では、アクセスポイントは、パワーセーブモードのステーションの省電力改善の方法で、ネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを送信する。新しいサービスアクセスポイント(SAP)が、パワーセーブモードのステーションに関連する新しいブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックのクラス用に利用可能となる。このトラフィッククラスは電力セーブ(PS)ブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックと呼ばれ、ネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィック、および/またはパワーセーブモードのステーションに興味深いであろう他のブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを含む。
【0059】
新しいDTIMも利用可能となり、SlowDTIMあるいは遅いDTIMと呼ばれる。PSブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックはSlowDTIMを使用して送信される。SlowDTIMは、すべてのSlowDTIM間隔で送られ、それは予め設定されたビーコン間隔の回数である。SlowDTIM間隔はDTIM間隔より大きく、省電力とメッセージング遅れとの間のトレードオフに基づいて選択される。例えば、SlowDTIMは、DTIMの2、3、4倍、あるいは他のある倍数ごとに送られる。
【0060】
層2以上の接続性維持に関連するトラフィックおよび/または他のタイプのPSブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックは、SlowDTIMを使って送られる。また、PSブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックは、SlowDTIMを受信しないステーションがさらにこのトラフィックを受信できるように、DTIMを使用してコピーされ、送られてもよい。アプリケーションブロードキャストおよびマルチキャストのトラフィックはSlowDTIMを使って送信されず、むしろ、DTIMを使って送信される。
【0061】
パワーセーブモードのステーションは、SlowDTIMを聞き、ネットワーク接続性を維持するために使われたネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを受信することにより、層2以上の接続性を維持する。ステーションはDTIM中ずっとスリープしてもよく、DTIMはより短い間隔あるいはより速いレートで送られてもよい。SlowDTIMは、そのステーションの省電力を改善する。
【0062】
1つの設計では、SlowDTIMはN DTIMごとに送られる。ここで、Nは1より大きい任意の整数である。この設計では、パワーセーブモードのステーションは各SlowDTIMのためだけでなく、各リスン間隔でもウェイクアップする。別の設計では、SlowDTIMは、パワーセーブモードのステーションがウェイクアップする必要のある回数を縮小する方法で送られる。例えば、SlowDTIMは、1つのステーションもしくは同じリスン間隔を有するステーションのグループに対して、各リスン間隔で送信される。そして、ステーションは、各リスン間隔の同じビーコンからSlowDTIMとTIMを受け取る。
【0063】
ステーションは、深いスリープを望み、また、SlowDTIM間隔よりもはるかに長いリスン間隔を選択することができる。1つの設計では、ステーションに各SlowDTIM間隔でウェイクアップするよう要求することを避けるために、ネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックは、ユニキャストフレーム中でステーションに直接送られてもよい。その後、ステーションは、ステーションがそのリスン間隔のためにウェイクアップしているときに、ネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを受け取る。ステーションとアクセスポイントは、例えばパワーセーブモードのための構成セットアップ中に、このトラフィック配達モードを構成してもよい。このトラフィック配達モードは、深いスリープを望むステーションに選択的に適用され、また、ネットワークブロードキャストおよびマルチキャストのトラフィックがアプリケーションブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックから分離されている場合、アクセスポイントによって容易にサポートされる。
【0064】
図10は、パワーセーブモードのステーションがブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを受け取るためのプロセス1000を示す。ステーションは、正規のDTIMよりも遅い速度で送られた遅いDTIMを受け取る。正規のDTIMは第1のブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを示し、遅いDTIMは第2のブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを示す(ブロック1012)。第1のブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックは、ネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィック、アプリケーションブロードキャストおよびマルチキャストトラフィック、および/または、WLANのための他のブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを含む。
【0065】
第2のブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックは、ネットワークブロードキャストおよびマルチキャストトラフィック、および/または、パワーセーブモードのステーションに興味があるであろう他のブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを含む。ステーションは、遅いDTIMによって表示されるような第2のブロードキャストおよびマルチキャストトラフィック(例えば、ネットワーク接続性の維持のために使用された)を受け取る(ブロック1014)。遅いDTIMは、ステーションのためのすべてのリスン間隔で、N個の正規のDTIMごとに送られる。ステーションは正規のDTIM中、スリープする(ブロック1016)。
【0066】
図11は、パワーセーブモードでブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを受信する装置1100の設計を示す。装置1100は、正規のDTIMよりも遅い速度で送られた遅いDTIMを受け取るための手段、ここで、正規のDTIMは第1のブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを示し、遅いDTIMは第2のブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックを示す(モジュール1112)、遅いDTIMで表示されるような第2のブロードキャストおよびマルチキャストトラフィック(例えば、ネットワーク接続性の維持のために使用された)を受信するための手段(モジュール1114)、および、正規のDTIM中、スリープするための手段(モジュール1116)を含む。モジュール1112〜1116は、プロセッサ、エレクトロニクス装置、ハードウェアデバイス、エレクトロニクスコンポーネント、論理回路、メモリなど、あるいはそれらの任意の組合せを備えることができる。
【0067】
図12は、アクセスポイント110および図1中のステーションの1つであるステーション120のブロック図を示す。ダウンリンクにおいて、アクセスポイント110では、送信(TX)データプロセッサ1212は、ステーションのための送信予定のトラフィックデータをデータソース1210から受け取り、制御データ(例えば、最大リスン間隔、アソシエーションタイムアウト、応答フレームなど)をコントローラ/プロセッサ1220から受け取り、また、スケジューリング情報(例えば、TIM、DTIM、遅いDTIMなど)をコントローラ/プロセッサ1220を介してスケジューラ1224から受け取る。TXデータプロセッサ1212は、そのステーション用に選定されたレートに基づいて各ステーションのトラフィックデータを処理(例えば、エンコード、インターリーブ、変調、スクランブル)し、制御データとスケジューリング情報を処理し、また、データチップを生成する。送信器(TMTR)1214は、データチップを処理(例えば、アナログに変換、増幅、フィルタリング、アップコンバータト)し、そして、アンテナ1216を介してステーションに送信されるダウンリンク信号を生成する。
【0068】
ステーション120では、アンテナ1252は、アクセスポイント110からダウンリンク信号を受信し、受信信号を提供する。受信機(RCVR)1254は受信信号を処理し、サンプルを提供する。受信(RX)データプロセッサ1256は、サンプルを処理(例えば、解読、復調、デインターリーブ、デコード)し、ステーション120用の復号データをデータシンク1258に供給し、また、制御データとスケジューリング情報をコントローラ/プロセッサ1260に供給する。
【0069】
アップリンクにおいては、ステーション120では、TXデータプロセッサ1272がデータソース1270からトラフィックデータを受け取り、コントローラ/プロセッサ1260から制御データ(例えばリスン間隔、フレーム要求など)を受け取る。TXデータプロセッサ1272は、ステーション用に選定されたレートに基づいてトラフィックおよび制御データを処理し、データチップを生成する。送信機1274はデータチップを処理し、アップリンク信号を生成する。アップリンク信号はアンテナ1252を介してアクセスポイント110に送信される。
【0070】
アクセスポイント110では、アンテナ1216はステーション120および他のステーションからアップリンク信号を受け取る。受信機1230は、アンテナ1216からの受信信号を処理し、サンプルを提供する。RXデータプロセッサ1232は、サンプルを処理し、各ステーション用の復号データをデータシンク1234に供給し、また、コントローラ/プロセッサ1220に制御データを供給する。
【0071】
コントローラ/プロセッサ1220および1260は、それぞれ、アクセスポイント110およびステーション120でのオペレーションを指揮する。スケジューラ1224は、ステーションのためのスケジューリングを行ない、さらに、DTIMおよび遅いDTIMを使用して送られるブロードキャストおよびマルチキャストトラフィックのためのスケジューリングを実行する。スケジューラ1224は、図12に示すようにアクセスポイント110にあってもよく、あるいは別のネットワークエンティティにあってもよい。
【0072】
ここに記述された省電力技術は、様々な手段によってインプリメントすることができる。例えば、これらの技術は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアあるいはそれらの組合せでインプリメントすることができる。ハードウェア・インプリメンテーションについては、ステーションで技術を実行するために使用される処理ユニットは、1つ以上の特定用途向けIC(ASIC)、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ディジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、ここに記述した機能を実行するために設計されたその他の電子ユニット、もしくはそれらの組み合わせの内でインプリメントすることができる。アクセスポイントで技術を実行するために使用される処理ユニットは、1つ以上のASIC、DSP、プロセッサなどの内でインプリメントすることができる。
【0073】
ファームウェアおよび/またはソフトウェア・インプリメンテーションについては、省電力技術は、ここに記述された機能を実行するモジュール(例えば手続き、機能など)でインプリメントすることができる。ファームウェアおよび/またはソフトウェアコードは、メモリ(例えば、図12のメモリ1222あるいは1262)に格納され、プロセッサ(例えば、プロセッサ1220あるいは1260)によって実行される。メモリはプロセッサ内にインプリメントされるか、あるいはプロセッサの外部に設けられる。
【0074】
以上の開示の記述は、いかなる当業者もこの開示を製造もしくは使用することを可能にするために提供される。開示に対する様々な変更は当業者にとって容易に明白であり、また、ここで定義された包括的な本質は、開示の趣旨あるいは範囲から外れることなく、他の変更に適用することができる。したがって、開示は、ここに記述された例に制限されるように意図されるものではなく、ここに示された本質ならびに新規な特徴と矛盾しない最も広い範囲が与えられるべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を決定し、前記最大リスン間隔に基づいてリスン間隔を選択し、選択された前記リスン間隔を前記アクセスポイントに送信するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと結合されたメモリと、
を備えた装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記アクセスポイントによって送信されたビーコンを受信し、前記ビーコンから前記最大リスン間隔を得るように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記アクセスポイントにプローブ要求を送信し、前記アクセスポイントから前記最大リスン間隔を持ったプローブ応答を受信するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、最初のリスン間隔を選択し、前記最初のリスン間隔を持ったアソシエーション要求を前記アクセスポイントに送信し、前記アクセスポイントから前記最大リスン間隔を持ったアソシエーション応答を受信するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記選択されたリスン間隔に基づいて決定されたタイムインスタンスで前記アクセスポイントからデータを受信し、前記タイムインスタンス間でスリープするように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記選択されたリスン間隔は、前記最大リスン間隔と等しい、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を決定することと、
前記最大リスン間隔に基づいてリスン間隔を選択することと、
選択された前記リスン間隔を前記アクセスポイントに送信することと、
を備えた方法。
【請求項8】
前記最大リスン間隔を決定することは、前記アクセスポイントによって送信されるビーコンを受信することと、前記ビーコンから前記最大リスン間隔を得ることとを備える、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記選択されたリスン間隔に基づいて決定されたタイムインスタンスで、前記アクセスポイントからデータを受信することと、前記タイムインスタンス間でスリープすることとをさらに備えた、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を決定するための手段と、
前記最大リスン間隔に基づいてリスン間隔を選択するための手段と、
前記選択されたリスン間隔を前記アクセスポイントに送信するための手段と、
を備えた装置。
【請求項11】
命令が格納されたプロセッサ可読媒体であって、
前記媒体は、
アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を決定するための第1の命令セットと、
前記最大リスン間隔に基づいてリスン間隔を選択するための第2の命令セットと、
選択された前記リスン間隔を前記アクセスポイントに送信するための第3の命令セットと、
を備える。
【請求項12】
複数のリスン間隔値のための複数の要求を送信し、前記複数の要求のうちの1つを受理する応答を受信し、前記複数の要求のうちの他の1つを否定する別の応答を受信し、前記受信応答に基づいて使用のためのリスン間隔を決定するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えた装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記複数の要求のうちの1つを受理する応答と前記複数の要求のうちの他の1つを否定する応答の両方が受信されるまで、一度に1つのリスン間隔値のための1つの要求を送るように構成された、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、最大リスン間隔値の要求から始めて最小リスン間隔値の要求で終わる順序で、前記複数の要求のうちの1つを受理する応答が受信されるまで、一度に1つのリスン間隔値のための1つの要求を送るように構成された、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、最小リスン間隔値の要求から始めて最大リスン間隔値の要求で終わる順序で、前記複数の要求のうちの他の1つを否定する応答が受信されるまで、一度に1つのリスン間隔値のための1つの要求を送るように構成された、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
アクセスポイントによってサポートされた最大リスン間隔を送信し、前記最大リスン間隔に基づいて選択されたリスン間隔をステーションから受信し、前記リスン間隔に基づいて前記ステーションのデータを送信するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えた装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記最大リスン間隔をビーコンもしくはフレーム中で前記ステーションに送信する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
アクセスポイントとのアソシエーションを確立し、前記アソシエーションの確立中に、前記アクセスポイントとネゴシエートされた第1のリスン間隔に基づいてデータを受信し、前記アクセスポイントとのアソシエーションを分離することなく、第2のリスン間隔のために前記アクセスポイントと再ネゴシエーションし、前記再ネゴシエーション後に前記第2のリスン間隔に基づいてデータを受信するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えた装置。
【請求項19】
前記プロセッサは、前記アソシエーションの確立中、状態を確立し、前記第2のリスン間隔のための前記再ネゴシエーションの間、前記状態を保持するように構成された、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記プロセッサは、前記第2のリスン間隔を持った制御フレーム前記アクセスポイントに送信し、前記アクセスポイントから前記第2のリスン間隔の受理の表示を受信するように構成された、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記プロセッサは、前記第1もしくは第2のリスン間隔によって決定されたビーコンフレームを求めてウェイクアップし、前記装置に送信されるデータが無いときは前記ビーコン間でスリープするように構成された、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
アクセスポイントとのアソシエーションを確立することと、
前記アソシエーションの確立の間、前記アクセスポイントとネゴシエートされた第1のリスン間隔に基づいてデータを受信することと、
前記アクセスポイントとのアソシエーションを分離することなく、第2のリスン間隔のために前記アクセスポイントと再ネゴシエーションすることと、
前記再ネゴシエーションの後に、前記第2のリスン間隔に基づいてデータを受信することと、
を備えた方法。
【請求項23】
前記アソシエーションの確立中に状態を確立することと、
前記状態を前記第2のリスン間隔のための前記再ネゴシエーション中、保持することと、
をさらに備えた、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
アクセスポイントとのアソシエーションを確立するための手段と、
前記アソシエーションの確立の間、前記アクセスポイントとネゴシエートされた第1のリスン間隔に基づいてデータを受信するための手段と、
前記アクセスポイントとのアソシエーションを分離することなく、第2のリスン間隔のために前記アクセスポイントと再ネゴシエーションするための手段と、
前記再ネゴシエーションの後に、前記第2のリスン間隔に基づいてデータを受信するための手段と、
を備えた装置。
【請求項25】
命令が格納されたプロセッサ可読媒体であって、
前記媒体は、
アクセスポイントとのアソシエーションを確立するための第1の命令セットと、
前記アソシエーションの確立の間、前記アクセスポイントとネゴシエートされた第1のリスン間隔に基づいてデータを受信する第2の命令セットと、
前記アクセスポイントとのアソシエーションを分離することなく、第2のリスン間隔のために前記アクセスポイントと再ネゴシエーションするための第3の命令セットと、
前記再ネゴシエーションの後、前記第2のリスン間隔に基づいてデータを受信するための第4の命令セットと、
を備える。
【請求項26】
ステーションとのアソシエーションを確立し、前記アソシエーションの確立中に、前記ステーションとネゴシエートされた第1のリスン間隔に基づいてデータを送信し、前記ステーションとのアソシエーションを分離することなく第2のリスン間隔のために前記ステーションと再ネゴシエーションし、前記再ネゴシエーション後に前記第2のリスン間隔に基づいてデータを送信するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えた装置。
【請求項27】
前記プロセッサは、前記アソシエーションの確立中、前記ステーションのための状態を確立し、前記第2のリスン間隔のための前記再ネゴシエーションの間、前記ステーションのための状態を保持するように構成された、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
アクセスポイントとのアソシエーションを確立し、前記アクセスポイントのためのアソシエーションタイムアウトを決定し、前記アクセスポイントとの前記アソシエーションを生かし続けるために、前記アソシエーションタイムアウトごとに少なくとも1回アクティブになるように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えた装置。
【請求項29】
前記プロセッサは、前記アクセスポイントによって送信されたビーコンを受信し、前記ビーコンから前記アソシエーションタイムアウトを得るように構成された、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記プロセッサは、前記アクセスポイントからフレームを受信し、受信した前記フレームから前記アソシエーションタイムアウトを得るように構成された、請求項28に記載の装置。
【請求項31】
前記プロセッサは、前記アソシエーションの確立中、リスン間隔のために前記アクセスポイントとネゴシエートし、前記リスン間隔より長い期間スリープするように構成された、請求項28に記載の装置。
【請求項32】
前記プロセッサは、前記アソシエーションの確立中、リスン間隔のために前記アクセスポイントとネゴシエートし、前記アクセスポイントに通知することなく、前記リスン間隔より長い期間スリープするように構成された、請求項28に記載の装置。
【請求項33】
アクセスポイントとのアソシエーションを確立することと、
前記アクセスポイントのためのアソシエーションタイムアウトを決定することと、
前記アクセスポイントとの前記アソシエーションを生かし続けるために、前記アソシエーションタイムアウトごとに少なくとも1回アクティブになることと、
を備えた方法。
【請求項34】
前記アソシエーションタイムアウトを決定することは、前記アクセスポイントによって送信されたビーコンを受信することと、前記ビーコンから前記アソシエーションタイムアウトを得ることとを備えた、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記アソシエーションの確立中にリスン間隔のために前記アクセスポイントとネゴシエートすることと、
前記リスン間隔よりも長い期間スリープすることと、
をさらに備えた、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
アクセスポイントとのアソシエーションを確立するための手段と、
前記アクセスポイントのためのアソシエーションタイムアウトを決定するための手段と、
前記アクセスポイントとの前記アソシエーションを生かし続けるために、前記アソシエーションタイムアウトごとに少なくとも1回アクティブになるための手段と、
を備えた装置。
【請求項37】
命令が格納されたプロセッサ可読媒体であって、
前記媒体は、
アクセスポイントとのアソシエーションを確立するための第1の命令セットと、
前記アクセスポイントのためのアソシエーションタイムアウトを決定するための第2の命令セットと、
前記アクセスポイントとの前記アソシエーションを生かし続けるために、前記アソシエーションタイムアウトごとに少なくとも1回アクティブになるための第3の命令セットと、
を備える。
【請求項38】
ステーションとのアソシエーションを確立し、アクセスポイントによってサポートされたアソシエーションタイムアウトを送信し、前記アソシエーションを保持するために、前記ステーションから前記アソシエーションタイムアウトごとに少なくとも1つの送信を受信するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えた装置。
【請求項39】
前記プロセッサは、前記アソシエーションタイムアウトをビーコンまたはフレーム中で前記ステーションに送信するように構成された、請求項38に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−59076(P2013−59076A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−236762(P2012−236762)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【分割の表示】特願2008−558477(P2008−558477)の分割
【原出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】