説明

無線周波数識別システムのアプリケーション

【課題】図書館において、RFIDタグを有する対象品目用のRFIDシステムの使用に関し、そのような品目に関する位置、順序及び他の情報を判定するのに格別の応用性を有するRFID装置を提供する。
【解決手段】品目に対応付けられたRFID素子から情報を得る呼掛け源と、品目が属する資料の分類及びその品目用の所望の位置の一方又は両方に関する情報を表示する表示器を備えたRFID装置であって、品目のデータベースを設けてこの品目を選択すべき順序を規定し、選択すべきリスト上に次の品目の表示を与えることができる手持ち式RFID装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(公知文献の引用)
この特許出願は、同一名称で1998年8月14日に出願された米国出願第09/134,688号から優先権を主張し、本発明の譲受人に譲渡されており、その内容は本明細書中に引用されている。
【0002】
(技術分野)
本発明は、無線周波数識別(RFID)システムの用途に関し、特に図書館におけるこのようなシステムの使用に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景技術)
電子物品監視(“EAS”)システムは、物品の上や内部に置かれた、又は関係者により所持された小さい電子装置の存在を検出しており、窃盗又は他の許可されていない物品移動を阻止するのに小売店や図書館の環境で用いられることが多い。タグやマーカとして一般に知られているこれらの装置は、品目の存在に関する情報のみを従来収容している。この情報は、断続的に又は連続的に前記タグを電子的に呼掛けることにより得られる場合もある。この呼掛けの実行方法(磁気的、磁気機械的、無線周波数(RF)、及びマイクロ波)に基づいて、少なくとも4つの異なるタイプのEASシステムが長年にわたって開発されている。これらの4つのうち磁気システムでは、ほとんどの用途で最高レベルのセキュリティが確保されている。磁気タグは、(遮蔽、曲げ及び圧力の影響を受け難いので、)資料(material)の内部や上に容易に隠され、検出が困難であり、不活性化及び再活性化し易く、よって、高いセキュリティ及びタグを付けた物品の状態に関する情報の一部を確保できる。
【0004】
EASシステムの多くのユーザは、タグを付けた資料があるか否かだけ以上のことを知りたいと望んでいる。また、ユーザは、例えばタグを付けたいずれの資料があるかを知りたい。製造日、在庫状態、及び所有者などの資料の特性に関する詳細な情報は、一般に、光学バーコードを介して自動ハンドリング及び制御システムに通信されている。安価で有効である一方、光学バーコードには多少の制限がある。配置可能な位置を制限するバーコードは、見える必要があり、バーコードは、偶然に又は故意に容易に覆い隠すこともできる。また、検出器がバーコードを検知できる範囲は、比較的小さい。バーコードを、検出のために適切に位置決めしなければならない場合もある。また、検出を可能とするのにバーコードをさらすことが多いので、バーコードは、検出失敗に終わることもある損傷を受け易い。最後に、多数の品目を同時に処理する必要がある。バーコードシステムのこれらの制約により、マーキング図書館媒体などの用途の一部では望ましくない又は役に立たないものとなる。
【0005】
更に最近では、電子識別(無線周波数識別すなわちRFIDとしても知られている)技法が、光学バーコードの制約に対処するのに開発されている。RFIDシステムは、資料の識別及び追跡を行うのに成功しているが、タグを容易に無効にする周波数範囲(約1MHz以上)でほとんどのRFIDシステムが動作するので資料のセキュリティを確保するのに不十分である。無線周波数タグに伴うセキュリティ不足は、例えばタグを手やアルミニウム箔で覆うことにより、又はタグを本の中にまでも入れることによりタグが「遮蔽される」場合があるために生じる。バッテリー駆動式無線周波数タグでさえも、その範囲が高くて阻止が一層困難であるにも拘わらず、阻止される場合がある。よって、RFIDタグを付けた資料は、不注意で又は故意に検出を免れる場合がある。これにより、セキュリティ装置としての有効性が大幅に低下する。また、RFIDマーカは、「スマートカード」と関係がある。接触式及び非接触式の両方のスマートカードが、商用で出回っている。スマートカードは、タグを付けた資料とではなく特定の者に対応付けられる傾向がある。スマートカード(又はそれを所持する者)のセキュリティ及び追跡に関する問題は、RFIDマーカの場合の上記問題と同様である。
【0006】
RFIDマーカに伴うセキュリティ問題は、高周波及びマイクロ波式のEASタグの当業者が熟知している問題と同様である。高周波及びマイクロ波式のEASタグの欠点を直そうとして、かなりの努力が費やされている。しかし、セキュリティタグとしての性能を十分に向上させた者は誰もいない。「不活性化コイル付きデュアル周波数EASタグ」と称する米国特許第5,517,195号(Narlowその他)には、ダイオードを有するアンテナ回路と不活性化回路とを含むデュアル周波数マイクロ波EASタグが記載されている。不活性化回路は、ダイオード及びアンテナを無効にするようにアンテナ回路のダイオードに電圧を誘導することにより低エネルギー交番磁界に応答し、これにより、タグを不活性化する。一部の用途では有用であるが、Narlowその他に開示されたコンデンサ式タグでは、時間と共に電荷が漏れることがあり、タグが知らずに活性化する可能性がある。
【0007】
米国特許第4,745,401号(Monteanその他)に開示されたタイプの無線周波数EASタグは、磁気素子を含む。磁気素子は、タグが付属装置により適当に磁化されている場合にタグのチューニングを変え、これにより、タグの無線周波数応答を阻止する。これらのタグはある程度の有用性を有しているが、タグはセキュリティ及び識別の向上の問題にまだ対処していない。
【0008】
高周波識別技法は、Motorola/Indala(米国特許第5,378,880号及び第5,565,846号を参照)、Texas Instruments(米国特許第5,347,280号及び第5,541,604号を参照)、Mikron/Philips Semiconductors,Single Chip Systems(米国特許第4,442,507号、第4,796,074号、第5,095,362号、第5,296,722号及び第5,407,851号を参照)、CSIR(欧州文献第0 494 114 A2号、第0 585 132 A1号、第0 598 624 A1号及び第0 615 285 A2号を参照)、IBM(米国特許第5,528,222号、第5,550,547号、第5,521,601号及び第5,682,143号を参照)、及びSensormatic Electronics(米国特許第5,625,341号を参照)を含む多数の会社により開発されている。これらのタグはすべて、バッテリーを必要とすることなく遠隔識別を提供しようと試みている。タグは、125KHzから2.45GHzの範囲にわたる周波数で動作する。低周波数タグ(約125KHz)は、遮蔽に対して適度に強いが、帯域幅の制約のために限定された無線周波数特性のみを有する。特に、これらのマーカに基づくシステムは通常、単一のタグが同時に呼掛けゾーンにある場合にのみ確実に動作する。また、システムは、比較的大きくて製造費用の高い傾向がある。より高い周波数(通常、13.56MHz、915MHz及び2.45GHz)では、利用可能な追加帯域幅が、短時間で呼掛けゾーン内の多数のタグを確実に処理できるシステムの開発を可能にしている。これは、多くの製品用途にとって大いに望ましい。更に、一部のタグ設計では、製造費用が割安になる見込みを有し、従って、顧客にとって一層魅力的なものとなる。しかし、これらの高周波数装置は、程度の差こそあれ前述した遮蔽の影響の受け易さを共にする。よって、この装置は、図書館などのある特定の用途で要求される高いセキュリティを確保できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述の説明から、タグを付けた品目の認識が重要である種々の環境でRFIDに関する多数の用途があるということが明らかである。例えば、1999年2月4日に発行され、Checkpoint Systems,Inc.,に譲渡されたPCT公報WO 99/05660には、RFIDタグ付きの物品を用いた在庫システムが記載されている。そこに記載された好ましい実施形態では、図書館の資料にRFIDタグを使用することを考えており、RFIDタグを呼掛けて資料の認識を判断することにより資料をその後自動的に貸し出すことができる。しかし、’660公報に記載又は示唆されていない多数の重要な又は望ましい図書館又はその他の在庫の機能が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の概要)
本発明は、手持ち式RFID装置を含むRFID装置、及びこのような装置の用途に関する。この装置及び用途は、RFIDタグに対応付けられた品目及びオプションとして磁気セキュリティ素子と共に使用してもよい。この装置及び用途は、本、定期刊行物、及び磁気及び光学媒体などの図書館資料を具体的に参照して説明されている。本発明の他の用途も、想定されている。
【0011】
本発明を、数枚の図面を通じて同一番号は同一構造を示す添付図面を参照して更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】無線周波数識別タグの概略図である。
【図1B】無線周波数識別タグの概略図である。
【図2】無線周波数識別タグの第2の実施形態の概略図である。
【図3】組合せタグの概略的な平面図である。
【図4】RFIDタグと相互に作用するRFID呼掛けシステムのブロック図である。
【図5】本発明による組合せタグの説明図である。
【図6】本発明による組合せタグの説明図である。
【図7】本発明による組合せタグの説明図である。
【図8】本発明による組合せタグの説明図である。
【図9】本発明の各種実施形態の説明図である。
【図10】本発明の各種実施形態の説明図である。
【図11】本発明の各種実施形態の説明図である。
【図12】本発明の各種実施形態の説明図である。
【図13】本発明の各種実施形態の説明図である。
【図14】本発明の各種実施形態の説明図である。
【図15】本発明の各種実施形態の説明図である。
【図16】本発明の各種実施形態の説明図である。
【図17】本発明の各種実施形態の説明図である。
【図18A】本発明の各種実施形態の説明図である。
【図18B】本発明の各種実施形態の説明図である。
【図19A】本発明の各種実施形態の説明図である。
【図19B】本発明の各種実施形態の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
ここに記載された本発明の実施形態は、RFIDタグ、好ましくは組合せRFID/磁気セキュリティタグを利用している。この種のタグは、本発明の譲受人に譲渡され、本出願が優先権を主張する米国出願へ参照により取り入れられた「セキュリティを向上させた識別タグ」と称する1998年6月8日に出願された米国出願第09/093,120号に記載されていた。本発明の実施形態と共に用いられる磁気、RFID及び組合せタグの詳細な説明は、以下に第I節で行い、本発明の実施形態は、その後、以下に第II節で詳しく述べる。
【0014】
I.本発明の実施形態用のタグ及び素子
以下に第II節で記載される本発明の実施形態で用いられるタグは、単一装置に資料の識別及び有効なセキュリティの両方を組み込むことができる。この実施形態は、磁気呼掛け信号に応答する素子と無線周波数呼掛け信号に応答する素子とを含むことが好ましい。一実施形態では、磁気応答素子も、無線周波数応答素子用のアンテナを設けている。用語「応答」は、本発明の文脈において、適当な呼掛け磁界の支配下におかれた場合にこの素子がわかりやすい情報を与えることを意味する。個々の素子について、まず以下に説明してから、組合せタグの説明を行う。明らかになるように、第II節で記載される本発明の実施形態は、RFID素子のみ、又はRFID素子と磁気セキュリティ素子の組合せを含んでもよい。
【0015】
A.磁気応答素子
磁気応答素子は、名称「TATTLE−TAPE(登録商標)」のブランド片でミネソタ州セントポールのMinnesota Mining and Manufacturing Company(3M)により販売されている細片で用いられる材料などの低保磁力で高透磁率の強磁性体から成ることが好ましい。これらの細片又はマーカ組立体は、米国特許第5,331,313号(Koning)及び第3,747,086号(Peterson)を含む3Mに譲渡された幾つかの特許に記載されている。典型的な低保磁力、高透磁率の強磁性体は、パーマロイ(ニッケル/鉄の合金)及び高性能アモルファス金属を含み、例えば名称Metglas2705M及びMetglas2714Aでニューヨーク、モーリスタウンのAlliedSignal Company of Morristown,NYから入手できる。
【0016】
磁気応答素子は、素子を対応付ける物品の性質によって単一状態又は二重状態であってもよい。例えば、図書館内の特定の参照図書は、図書館から移動されるべきではなく、よって、このような本が呼掛けゾーン内で通過したか否かを単一状態(非不活性化)のマーカは常に示すことになる。公共図書館の資料や商品などの他の物品は、二重状態のマーカ組立体を要求することもできるので、物品が適切に処理されている場合、マーカを適当に不活性化して呼掛け源による検出を妨げることもできる。二重状態の機能性は、後で及び上で参照したPeterson特許に説明するように、低保磁力磁性体の近傍で高保磁力磁性体の部分を追加することにより一般に設けられている。
【0017】
ある特定の磁気応答素子は、低周波交番磁界(例えば、50Hz〜100KHz)の中を通過させた時に迅速に磁性方向を切り替えて、検出器の受信コイルにより検出可能な所定の特性応答を生成することができる。マーカ組立体の切替機能は、高保磁力素子又は「保磁素子」の磁化状態により制御される。これらの保磁素子が磁化されると、呼掛けゾーンの交番磁界内で前後に磁気的に切り替えるマーカの性能が変わり、マーカは通常検出されない。保磁素子が消磁されると、マーカは切替機能を再び果たすことができ、呼掛け源がマーカの存在を検出することができる。保磁素子は、当業界で知られているように異なる方法で設けることができる。
【0018】
また、マーカ組立体は、その片側又は両側に接着剤を含んでもよく、マーカを本や他の物品に接着することができる。接着剤の層を着脱可能な裏当てにより被覆して、意図する表面に塗布する前に意図しない表面にマーカが接着するのを防止することもできる。マーカ組立体のこれら及び他の特徴は、米国特許第3,790,945号(Fearon)、第5,083,112号(Piotrowski)、及び第5,331,313号(Koning)、上で参照された全文献に記載されている。
【0019】
この種の低周波数磁気素子は、検出からの遮蔽が困難であるため、セキュリティが重要である場合に様々な品目で効果的に使用することができる。更に、磁気素子は、他のEAS技術を用いたマーカよりも便利で完全に繰り返して不活性化及び再活性化することもでき、この特性が大いに望ましい特定の用途の使用に一層適するようにすることもできる。
【0020】
B.無線周波数応答素子
RFIDタグは、能動的又は受動的であってもよい。能動タグは、バッテリなどの追加エネルギー源をタグ構成に組み込む。このエネルギー源により、能動RFIDタグは、呼掛け無線周波数磁界が弱い範囲でも強い応答信号を生成して伝送することができ、よって、能動RFIDタグをより高範囲で検出することができる。しかし、バッテリの寿命が比較的短いので、タグの有効寿命が制限される。更に、バッテリにより、タグのサイズ及びコストが増加する。受動タグは、そのタグに電力を供給するのに必要なエネルギーを呼掛け無線周波数磁界から得て、そのエネルギーを用いてインピーダンスを変調することにより応答コードを伝送し、アンテナが呼掛け磁界に向いて、これにより、リーダアンテナに戻って反射された信号を変調する。従って、それらの範囲は一層制限される。受動タグは多くの用途にとって好ましいので、説明の残りはこの種のタグに限定する。しかし、これらの2種類のタグが多くの特徴を共有し、両方ともこの発明で使用可能であることが当業者はわかるであろう。
【0021】
図1に示すように、受動無線周波数応答素子10は通常、2つの構成要素:集積回路12及びアンテナ14を含む。集積回路は、主要な識別機能を果たす。それは、タグ識別及び他の望ましい情報を永続的に格納し、呼掛けハードウェアから受信された指令を解釈及び処理し、呼掛け器による情報要求に応答し、同時に呼掛けに応答する多数のタグから生じる衝突を解決するのにハードウェアを支援するソフトウェア及び回路を含む。オプションとして、集積回路は、情報をただ読出す(読取専用)のに対してそのメモリ(読取/書込)に格納された情報を更新するのに設けることもできる。RFIDマーカの使用に適した集積回路には、とりわけTexas Instruments(TIRIS又はTag−itの製品系列)、Philips(I−Code、Mifare及びHitagの製品系列)、Motorola/Indala、及びSingle Chip Systemsから入手できるものがある。
【0022】
アンテナの形状及び性質は、前記タグのRFID部分の望ましい動作周波数によって決まる。例えば、2.45GHz(又は同様)のRFIDタグは通常、図1Aに示す直線ダイポールアンテナ4aや図1Bの無線周波数応答素子10aに取り付けられて示した折返しダイポールアンテナ14aなどのダイポールアンテナを含む。13.56MHz(又は同様)のRFIDタグは、図2の無線周波数応答素子10bに取り付けられて示すような螺旋又はコイルアンテナ14bを用いる。何れの場合でも、アンテナ14は、呼掛け源により放射された高周波エネルギーを傍受する。この信号エネルギーは、タグへの電力と指令の両方を運ぶ。アンテナにより、ICチップに電力を供給するのに十分なエネルギーを無線周波数応答素子が吸収可能であり、これにより、検出すべき応答を与えることができる。従って、アンテナの特性は、組み込まれるシステムに合致させる必要がある。高いMHz〜GHzの範囲で動作するタグの場合、最も重要な特性は、アンテナの長さである。一般に、ダイポールアンテナの有効長さは、呼掛け信号の半波長又は半波長の倍数に近くなるよう選択される。半波長のアンテナがサイズ制限のために実行できないような低〜中のMHzの範囲(例えば、13.56MHz)で動作するタグの場合、重要な特性は、アンテナのインダクタンス及びアンテナコイルの巻数である。両方のアンテナの種類の場合、優れた導電率を必要とする。一般に、銅やアルミニウムなどの金属を使用するが、パーマロイなどの磁性金属を含む他の導体でも許容でき、この発明の目的には実際に好ましい。また、選択されたICチップの入力インピーダンスが最大エネルギー伝達用のアンテナのインピーダンスに一致することも重要である。アンテナに関する追加情報は、例えば、J.D.Kraus,アンテナ(第2版、1988年,McGraw−Hill,Inc.,New York)などの参照文献から当業者に知られている。
【0023】
コンデンサ16は、図2に示すように、マーカの性能を増大させるのに組み込まれることが多い。コンデンサ16は、存在する場合、タグの動作周波数を特定の値に同調させる。これは、最大動作範囲を得て規定との合致を確保するのに望ましい。コンデンサは、個別部品又は後述のようにアンテナと一体化してもよい。あるタグ設計、特に超高周波数(例えば、2.45GHz)で動作するように設計されたタグでは、同調コンデンサを必要としない。このコンデンサは、アンテナにより与えられたインダクタンスに結合される場合、次式で与えられる複合構造の共振周波数がRFIDシステムの望ましい動作周波数にぴったりと一致するように選択される。
【数1】

ここで、
C=静電容量(ファラッド)
L=インダクタンス(ヘンリー)
また、コンデンサは、3Mに譲渡された米国特許第4,598,276号(Taitその他)、第4,578,654号(Taitその他)に記載のような分布コンデンサでもよい。分布コンデンサは、タグのサイズ、特に厚さを減少させ、手動組立体を最小化するのに望ましい。
【0024】
運転中、図4に示すように、無線周波数応答タグ110は、タグを監視すべき地点の近傍に通常位置するEASセキュリティシステム100により呼掛けられる。呼掛けゾーンは、タグを付けた物品が監視すべきコンベヤ搬送品目などの近傍に位置する場所から出口を横切って間隔を空けた検出パネルを配置することにより確立してもよい。また、手持ち式検出装置を使用してもよい。呼掛け源102(駆動発振器及び増幅器を通常含む)は、呼掛けゾーンで交番無線周波数磁界又は呼掛け信号を伝送するアンテナ104(界磁コイルと呼ぶこともある)に連結されている。また、システム100は、信号を受信するアンテナ(アンテナ104で示し、受信コイルと呼ぶこともある)及び呼掛けゾーンでタグにより生成された信号を処理する検出器106も含む。
【0025】
呼掛け源102は、ある既知の周波数帯の範囲内で選択可能な呼掛け信号200を伝送し、周波数帯は、それらが他の用途を妨げず、該当する政府の規制を遵守するので好ましい。無線周波数応答素子は、呼掛け信号を受信すると、アンテナ104により受信され検出器106に伝送されるそれ自身の応答コード信号202を伝送する。検出器は、応答を復号し、(コンピュータ又は他のメモリ装置108に格納された情報に通常基づいて)タグを識別し、検出されたコード信号に基づいて動作する。例えば、図示された1本のアンテナ104の代わりに呼掛け源102及び検出器106用の分離アンテナを使用することを含む図示システムの様々な変更は、当業者に知られている。
【0026】
また、現代のRFIDタグは、かなりの数のユーザアクセス可能メモリを時には読取専用メモリ又は追記型メモリの形で設けているが、距離を隔ててその内容を書き直すことによりメモリを繰り返し更新する性能をユーザに与えることが好ましい。設けられるメモリ量は、変えることができ、RFIDタグの集積回路部分のサイズ及びコストに影響を及ぼす。一般に、128ビットから512ビットの間の総メモリを経済的に設けることができる。例えば、名称「Tag−it」でテキサス州ダラスのTexas Instrumentsから入手できるRFIDタグは、ユニークタグ連続番号、バージョン及び製造情報などの品目用に確保された128ビットのメモリに加えて256ビットのユーザプログラマブルメモリを設けている。同様に、名称「I−Code」でオランダ、EindhovenのPhilips Semiconductorsから入手できるRFIDタグは、前述の種類の情報用に確保された追加の128ビットに加えて384ビットのユーザメモリを設けている。
【0027】
このユーザアクセス可能メモリは、例えば図書館の環境で配置された品目識別システムの性能を向上させるのに活用してもよい。現在、図書館では、光学バーコードを走査することにより品目を識別している。このバーコードに含まれるユニーク識別子は、品目に関するより広範囲の情報を永続的に維持する図書館自動化ベンダ(LAVソフトウェア)により提供されたソフトウェアを含む循環データベースをアクセスするのに使用される。このシステムは、多くの用途で大いに発揮されて非常にうまく作動しているが、2つの欠点を有する。第一に、循環データベースとの接続を確立して情報をアクセスする必要がある。これは、品目がこのデータベースとの接続から遠い位置にある場合に情報の入手可能性を制限する。第二に、循環データベースからの情報の検索に、特に頻繁な使用の期間中に容認できないほど長い時間を要することがある。特定の重要な品目の情報をRFIDタグ上に格納することにより、これらの制限の両方を克服することもできる。
【0028】
RFIDタグ自体上に存在する場合、図書館識別システムの性能を向上可能な情報の一例は、図書館識別番号である。次に、データベースをアクセスすることなく、品目の「ホーム」図書館は、RFIDラベルを単に走査することにより迅速かつ便利に判定できる。RFIDタグ自体上に存在することが好ましい情報の別の例は、品目が本、ビデオテープ、オーディオテープ、CD又は何か他の品目であったか否かを示すコードである。このコードは、例えば、本発明の譲受人から入手できる3M Standard Interchange Protocolに指定された媒体型コードから構成することもできる。媒体型を直ちに知ることにより、図書館の資料管理システムは、遠い循環データベースを調べる遅れ及び不便を蒙ることなく品目が適切に処理されていたことを保証することができる。RFIDラベルへの組込みに適した情報の他の例は、当業者に明らかである。
【0029】
RFIDシステムがバーコード式システムと比べて利点をもたらす別の分野は、多数の品目の識別にある。精巧なソフトウェアアルゴリズムを使用することにより、RFIDリーダ及びマーカは、リーダの呼掛けゾーンの全品目がオペレータによる介入なしでうまく識別されることを共同して保証する。この性能により、バーコード式識別システムを用いて実現不可能で困難であった在庫制御、品目追跡、及び分類の分野において多数の有用な用途の開発が可能となる。
【0030】
C.組合せタグ
図3及び図5〜図8に示すように、組合せタグ20は、磁気応答素子と無線周波数応答素子を組み合わせて両方の利点を供する。よって、2つの素子を同時に対象品目に適用して、これにより、コストを削減できる。組合せタグには、着脱可能な裏当てにより覆われた感圧接着剤を設けることもでき、裏当てを取り外したときに組合せタグを物品の表面に接着することができる。別の実施形態において、タグは、磁気応答素子を無線周波数応答素子用のアンテナとして使用する。磁気応答素子は、アンテナとして使用される場合、無線周波数応答素子に電気的に結合されるが、無線周波数応答素子に物理的に結合されても結合されなくてもよい。
【0031】
本発明に従って構成された組合せタグは、2つの方法で呼掛けることもできる。第一に、RFID呼掛け源は、無線周波数信号を用いてコードを集積回路から要求して受信する。この情報は、例えば、タグを対応付けた物品の識別、及び物品が適切に処理されていたか否かを示す。第二に、磁気呼掛け磁界は、タグを呼掛けてマーカ組立体の磁気部分が活性であったか否かを判定する。マーカ組立体が活性であった場合、呼掛け源は、マークを付けた物品が適切に処理されていなかったという通知などの応答を生成する。磁気呼掛けは、高周波呼掛けよりも遮蔽に強いので、組合せタグの磁気部分はセキュリティを向上させる。よって、磁気及びRFIDタグの両方の特徴が、1つの組合せタグに組み合わせられる。
【0032】
好ましい実施形態において、組合せタグは、無線周波数応答素子の回路でアンテナとしての機能も果たす磁気応答素子を含む。両方の機能を満たすために、アンテナの材質は、(有効なセキュリティ素子としての機能を果たすのに)低保磁力と超高透磁率を示し、(有効なアンテナとしての機能を果たすのに)高い導電率をやわらげる必要がある。更に、アンテナの形状は、両方の機能に適合する必要がある。この実施形態において、アンテナは、例えばパーマロイ、ニッケルと鉄の合金から製造可能である。
【0033】
一実施形態では、3M「Tattle−Tape(登録商標)」のブランドセキュリティ細片又は他の同等の磁気素子を、2.45GHz又は同様な高周波数で動作する線形ダイポールアンテナとして使用することもできる。この細片の長さ、幅及び厚さは、使用されるRFIDチップの特定の動作周波数及び他の特性に合致するように選択される。一般に、細片は、(商品名「HyMu80」でCarpenter Specialty Alloys,Reading,PAを含む多数の供給元から入手できる)パーマロイ、又は例えば名称2705Mでニューヨーク、モーリスタウンのAlliedSignal Companyから入手できるアモルファス合金から成り、その長さは、6.35から16.5cm(2.5から6.5in.)の間である。集積回路の端子は、セキュリティ細片の端部に物理的に接続される。インピーダンス及びパワーゲインの電気的測定値は、そのようなチップで通常使用される銅又はアルミニウムのダイポールアンテナと同一の基本的な電気的特性をそのような磁気細片が与えることを立証しており、従って、十分に両方の機能を果たすことが予期される。
【0034】
磁気応答素子を無線周波数応答素子用のアンテナの少なくとも一部で使用する場合、2つの素子は互いに電気的に結合される。電気結合は、(図5に示すように)多数の素子間の物理的接続のために生じることがあり、また物理的接続が無い場合は、(図6、図7及び図8に示すように)非接触電磁結合による。非接触結合は、無給電結合、容量結合又は誘導結合を含み、無給電アンテナ素子、反射器及び導波器アンテナ、Yagi−Udaアンテナ又は他の適当なアンテナ形態のようなアンテナ構成要素を使用できる。
【0035】
図3に示す組合せタグは、磁性体から成るコイル巻きを含む。タグは、例えば、磁束収集器をコーナーに設けてタグの磁気作用を向上させるような参照符号14cのアンテナ構造を有する13.56MHzのタグでもよい。他の種類の磁束収集器を設けることもできる。
【0036】
図5に示す組合せタグ20は、磁気応答資料から成るアンテナ22と集積回路12との間の物理的接続を含む。また、磁気応答資料を選択的に活性化及び不活性化して二重状態タグを設けることができるように、1つ以上の保磁素子又は上述のタイプを磁気応答資料に適用することもできる。しかし、図6に示すアンテナ22aは、集積回路12又はダイポールアンテナ23と物理的に接続されていないが、それにもかかわらず、無給電ダイポール結合によりダイポールアンテナと電気的に結合されて組合せタグ20aを設けている。ダイポールアンテナ23は、磁気応答資料又は非磁気応答資料から構成してもよい。
【0037】
図7及び図8は、複数本のアンテナ22を設けてアンテナ23b及び23cとそれぞれ電気的に結合する実施形態を示す。図7に示す組合せタグ20bにおいて、集積回路12は、アンテナ22bと無給電的に結合されたダイポールアンテナ23bを含む。アンテナ22bは磁気応答資料から構成され、アンテナ23bは磁気応答資料から構成してもよい。図8に示す組合せタグ20cにおいて、図2に示すタイプの無線周波数応答素子は、アンテナ22cと無給電的で電気的に結合されている。アンテナ22cは磁気応答資料から構成され、アンテナ23cは磁気応答資料から構成してもよい。これらの実施形態の他の変更は、容易に設計される。
【0038】
組合せタグの全厚は、タグを資料の上又は内部に目立たないように配置できるように、できるだけ小さくすべきである。例えば、タグは、本の頁の間に接着剤で貼ることもでき、本の端の注視による容易な検出を防ぐのにタグを十分に薄くすることは望ましい。従来のICの厚さは約0.5mm(0.02in.)であり、タグの全厚は0.635mm(0.025in.)未満であることが好ましい。
【0039】
この発明の組合せタグは、個々のタグを物品に自動逐次貼付が可能となるように、ロールの形で設けることもできる。この汎用システムは、例えばPCT公報第WO97/36270号(DeValeその他)に記載されている。1つ以上の表面を接着剤(例えば、感圧接着剤)で被覆可能な個々の組合せタグは、ロールから取り外して本の縁取り近傍で本の2枚の頁の間に貼ることもできる。頁のスプレッダを設けて、組合せタグの挿入を容易にすることもでき、また、システムの各種構成要素の位置を検出するセンサなどの他のオプションを設けることもできる。
【0040】
組合せタグは、図書館の資料の処理において独占的ではないが特別な用途を有すると考えられている。この種のRFIDタグを有する図書館の資料は、恐らく人の手助けなしでより容易に受け入れ及び貸し出し可能である。即ち、資料は、利用者が適当な検出ゾーンの中を通過すると、(自分の図書館カードに対応付けられたRFIDタグを持つ)特定の利用者に自動的に貸し出され、利用者が資料を持って図書館に再度入ると、チェックバックされる。また、本発明のタグは、図書館の管理者が資料を即座に絶えず追跡できることにより、在庫管理及び分析の手助けにもなる。本発明のこれら及び他の特徴は、商店、倉庫その他における資料取り扱いなどの他の用途にも当然効果がある。
【0041】
別の実施形態において、組合せタグは、(タグの磁気特徴が活性化又は不活性化されていたか否かを示す)磁気応答及び(品目が適切に処理されていたことをデータベース又はRFIDチップ自体上のメモリが示したか否かを適当なソフトウェアに使用により示す)無線周波数応答の両方による二重状態マーカ情報を与えることもできる。
【0042】
次の実施例は、以下に第II節で説明される本発明の実施形態で使用されるタグに関する更なる情報を与える。
【0043】
第1実施例
組合せタグは、本発明に従って構成された。名称「HyMu80」でペンシルバニア州リーディングのCarpenter Technology Corporationから入手できる合金から製造されたパーマロイ細片は、カリフォルニア州サンディエゴのSingle Chip Systems(SCS)製の試験固定具に取り付けられた。細片は、幅が約1.6mm(0.625in.)、厚さが0.0254mm(0.001in.)、長さが10.16cm(4in.)であった。試験固定具は、LEDダイオードに接続された標準SCS2.45GHzのアンテナから構成した。装置は、通常のSCSのRFIDタグに電力を供給するのに十分強い2.45GHz磁界への暴露の際にLEDが光って装置の電力受信部分の適正動作の即時可視確認を与えるように設計された。標準SCSアンテナを試作品のパーマロイアンテナと取り替える際に、LEDは、ほぼ同一の磁界強度で明るくなり、試作品の正常動作を確認した。
【0044】
第2実施例
図3は、13.56MHzのRFID設計で役立つと考えられているアンテナの別の実施形態を示す。この周波数で、コイル型アンテナ形状は好ましい。コイルを含む螺旋巻きは、エッチング(物理的又は化学的)、打抜き、又はマスクによる蒸着の何れかにより、パーマロイなどの磁気合金から形成されている。コイルの直線「アーム」部分は、この設計で磁気応答素子としての機能も果たす。しかし、この形状でこれらの金属素子の減少した長さにより、装置の磁気セキュリティ部分の有効性が制限される。図3に示す実施形態では、コーナーに設けられた磁束収集素子がアンテナコイルに追加されていて、この制限を克服している。図3に示す構成は、アンテナの動作周波数を規定の呼掛け周波数に同調させる前述のようなコンデンサを含むことが好ましい。
【0045】
この実施例で記載のアンテナの特性は、無線周波数集積回路用の既知のアンテナの特性と比較され、それらの特性は同様であったので、この実施例のアンテナはこのような用途で十分に機能すると考えられる。
【0046】
後述される本発明の実施形態では、RFID素子のみを有するタグ又は組合せタグを使用することができ、両方とも上述されている。
【0047】
II.RFIDシステムの用途
図書館では、図書館資料を用いて完了した利用者により返却される大量の図書館資料を絶えず受け取る。その後の利用者が資料を再度捜し出して貸し出しできるために、資料を正確かつ迅速に分類して棚に載せる必要があり、一旦資料が元の場所に戻されていると、資料を検出するのに利用者を手伝う必要が多い。ここに記載のRFID関連発明の各種実施形態は、この処理に直接関しており、望み通りに一緒又は別個に使用してもよい。
【0048】
ここに記載のシステムの構成要素は、次のようなタイプの携帯式(好ましくは手持ち式)又は据え置き式のRFID装置である。RFID装置は、利用者カード、本、又は他の資料などの品目上のRFIDタグから情報を読取るのに装備されている。RFIDタグから読取られた情報は、品目の適切な以後の処理を確保するのに使用できる媒体型(例えば、磁気、印刷又は光学)の名称を含むことが好ましい。また、RFID装置には、品目タグのセキュリティ素子部分の活性化及び不活性化を可能とするように設計されたコイルなどの装置が装備されている。RFID装置がRFIDタグを読取った後、装置は、図書館オートメーションベンダ又はLAVにより提供されたソフトウェアを有するコンピュータに品目識別情報を伝送する。約50の中で、現行のLAVソフトウェアシステムは、ユタ州プロボのAmeritech Library Servicesから入手できる「Dynix」、コロラド州デンバーのCARL Corporationから入手できる「Carl ILS」、及びミズーリ州セントルイスのDRAから入手できる「DRA」である。
【0049】
RFIDタグから得られた情報をLAVシステムに伝送する方法は数多くある。一つの方法は、3M Standard Interchange Protocol(SIP)で実施される指令の使用を含む。別の方法は、あたかも情報が従来のバーコードスキャナから発生したかのように情報を伝送する「ウェッジ」として知られている電子装置の使用を含む。これら及び他の技法は、当業者に周知である。このようにして、RFID装置のRFID構成要素は、装置で使用され続けることができるあるいはできない、光学バーコードスキャナにより以前に実行された機能を実行する。従って、図書館では、RFID技術により提供された追加機能性及び特徴を享受しながら、図書館の既存のLAVソフトウェアシステムのインタフェース及び端子を使用し続けることもできる。RFID装置は、既存のLAVソフトウェアシステムのディスプレイと共同してオペレータへのフィードバックを与える場合、ディスプレイを含む必要がない。オプションとして、ディスプレイ及び他のフィードバック機構を、統合パッケージとしてRFID装置に含めてもよい。
【0050】
多数の用途に関して、携帯式、好ましくは手持ち式RFID装置を設けることが望ましい。手持ち式RFID装置は、棚、ビン、パイル及び図書館のカートの中で探索可能である。この装置は、それを品目に十分近くに置くことができる場所ならどこでも基本的に探索可能である。装置の範囲内にある多数の品目を識別することができる。これら及び他の特徴により、進歩的な携帯式RFID装置は貴重な図書館ツールとなる。簡単化するために、携帯式RFID装置を、それらの構成要素及び動作に関してまず説明し、種々の有用な機能又はこのような装置の使用方法に関して次に説明する。ここに記載の機能又は方法が非携帯式RFID装置にも同じく適用できること、及び非携帯式RFID装置に関する上記機能又は方法が携帯式RFID装置にも同様に適用できることに留意することが重要である。異なる機能及び方法は、その機能又は方法を実行するのにより多用されるRFID装置のタイプと共に単に分類されている。
【0051】
本発明の手持ち式RFID装置は、ここに記載の種類の各種機能を可能にするRFIDリーダ及びライタ、メモリ、電源、ならびにソフトウェアを含むことが好ましい。RFIDリーダ/ライタは、テキサス州ダラスのTexas Instruments製のCommander320の13.56MHzのRFIDリーダから構成することができる。メモリは、好ましくはコンピュータの形で、例えばPalm Pilotという名称でカリフォルニア州サンタクララの3Com Companyから入手できる「パームトップ」又は手持ち式コンピュータにより設けることもできる。手持ち式コンピュータは、オペレーティングシステム、タッチスクリーンディスプレイ、ユーザインタフェースを開発する数個のボタン、再充電端末、装置と別のコンピュータとの間でデータを伝送するドッキング端末、手持ち式装置(例えば、RFIDリーダ)に周辺機器を接続する1つ以上のポート、及びバッテリ電源を含むこともできる。また、あるユニットは、バーコードスキャナなどの組込み周辺機器を含むこともできる。また、ライト、オーディオ及びディスプレイを含む種々のフィードバックシステムを含むこともできる。
【0052】
上述のように、手持ち式装置と別の処理端末との間でデータを転送する多数のオプションがある。ドッキング端末の方法を用いて、データをアップロード又はダウンロードすることができる。この方法は、例えば、探索を実行して特定の品目を見付ける前に品目識別情報をアップロードするのに使用可能である。別の例では、図書館内で使用されている品目の収集に続くデータをダウンロードすることがある。リンクは、(図示のように)ドッキング端末として、無線又は有線ダウンロード及び/又はアップロードとして、手持ち式装置と別のプロセッサとの間の無線又は有線リアルタイムリンクとして、又はこのようなデータを転送するのに適した他の方法で実施可能である。このような例の一つは、ニューヨーク、ホルツビレのSymbol TechnologiesからのSpectrum24無線LANシステムである。Spectrum24のようなシステムにより、モバイルユーザがモバイル装置とローカルエリアネットワークとの間で無線通信できる。この動作の場合、モバイルユニットは通常、SymbolのLA2400 Wireless LAN PC Cardなどの無線通信を支援する通信構成要素を含む。
【0053】
装置用ユーザインタフェースは、探索状態の通信及びユーザのデータ入力の両方を行えるように設計されている。入力データは、種々の探索モード及びタスクに特有の入力データ(例えば、品目を貸し出すこと、又は品目を待機すること)の中で装置の切り替えることを含んでもよい。ユーザへのフィードバックは、音、光及びディスプレイの組合せにより与えることが好ましい。ディスプレイは、ユニットと一体化又は分離してもよい。分離の場合、ディスプレイは、ユーザにより容易に閲覧可能な「着用できる」ディスプレイを含む種々の方法で設計可能である。
【0054】
手持ち式RFID装置の特に有用な実施形態は、次の通りである。RFIDリーダ、ユーザインタフェース、電源、アンテナ、プロセッサ及びソフトウェアを1つの集積ユニットにすべて設けた手持ち式RFID装置が設けられている。上述のPalm Pilotなどの手持ち式コンピュータを用いることにより、RFID装置が個別のコンピュータ、データベース、ソフトウェアシステム等と対話しなければならないシステムと比べて、後述する多種類のリアルタイム機能を達成可能である。ソフトウェアは、望み通りに、ここに記載の種類の機能を支援する制限された又は全域の性能を与えることもできる。また、手持ち式RFID装置は、ユーザのウエストの周りに着用可能なタイプの大型電源につながれることもあるが、一体型電源を含むことが好ましい。一体型電源の場合、電源は、プロセッサに電力を供給してもしなくてもよく、ドッキング端末への接続時に再充電してもよい。手持ち式コンピュータを用いる場合、コンピュータはそれ自体の電源を含んでもよく、情報をアップロード及び/又はダウンロードするドッキング端末への接続時に再充電してもよい。
【0055】
手持ち式RFID装置は、RFIDタグを付けた品目を、品目の範囲内で活性化されている時はいつでも呼掛けて識別することができる。RFID装置に必要とされる電力の経過時間が最小となるように、間欠的な活性化を、例えば装置に対応付けられたトリガーにより与えることもできる。読取り距離は、多くの要因の関数であるが、現行の技術及びシステムが動作する予想周波数で仮定すると、15から45cm(6から18in.)の間であると予想される。ある用途では、装置がより近い範囲で品目対応付けられたRFIDタグを単に呼掛けるように、装置の動作範囲を制限することが望ましい場合もある。他の場合には、動作の最長利用可能範囲が望ましい。他の用途では、バッテリパックから長時間連続動作を可能とするのに出力電力(即ち、読取り範囲)を制限することが好ましい場合もある。また、読取り範囲は、アンテナに対するRFIDタグの向きに加えてアンテナの設計により影響を受ける。読取り範囲、バッテリ重量、及びバッテリ再充電又は交換の間の寿命は、互いに左右されることが多いことを認識すべきである。装置用の特定の用途に基づいて、種々の妥協が予想可能である。
【0056】
運転中、手持ち式装置の特に有用な特徴は、装置により走査されている品目に関するリアルタイム情報を得ることである。即ち、手持ち式装置は、RFIDタグから情報を得て、その情報を直ちに表示するか、又はタグ付き品目に関連がある手持ち式装置内に格納された情報を直ちに表示する。これは、その情報をユーザに対して表示できる前に情報の分離データベースとドッキングさせる、又は通信する必要がある装置と対照的である。また、本発明の手持ち式装置は、このような特徴を求める場合、分離データベースとドッキングさせる、又は通信することもできる。
【0057】
A.RFID装置を用いた図書館の資料の分類
本発明の一実施形態では、上述のタイプのRFID装置を用いて、図書館の職員が図書館に返却された品目を分類している際に職員に分類の援助を与える。分類作業は、既に返却が記録されている品目及び再感度化された関連磁気セキュリティ素子に関して実行できる。代わりに、分類作業は、単一処理で返却記録及び再感度化作業を組み合わせて実行することもできる。簡単にするために、本発明は両方の作業に関するけれども、第1の作業をここで説明する。
【0058】
各々の図書館では、例えば、大人のノンフィクション、児童のフィクション、所有されている資料、及び別の図書館部門へILL(図書館内貸付け)であった又は貸付け予定である資料などを含むそれら自体の分類カテゴリを指定する。オペレータが分類作業を開始すると、彼又は彼女は、図9に示すように、RFID装置を用いて、資料に対応付けられたRFID素子を走査し、例えば資料が属するカテゴリ、及びそのカテゴリ内の資料を収容するカート又はコンテナの視覚又は可聴信号を受信することができる。例えば、オペレータは、本を走査し、その本が児童フィクションのカテゴリであることを学習し、その本がカート番号123上にあることを学習することもできる。資料の識別、カテゴリ、及び品目の一時的(最初)又は永続的(最終)な位置は、RFID素子、LAVソフトウェア、分離式分類データベース、別の出所、又は前述の組合せから得られた情報に応じて発生することもできる。分離式分類データベースは、性能及び汎用性の潜在的な利点を与える。
【0059】
種々のRFID装置は、分類作業中に使用してもよい。1つの好ましい装置は、手を使わない操作の利点を与える図10に示すタイプの携帯式の着用できるリーダである。手を使わない別のオプションは、図11に示すように、品目の陳列所の近くにリーダを位置決めしてから、処理されるようにリーダにより各品目を通過させることである。他のオプションは、当業者に明らかであるように、図12に示すような手持ち式リーダや固定装置を含む。
【0060】
種々の手順を用いて、分類作業を処理してもよい。1つのオプションは、図書館用分類カテゴリのデータベース、棚数及び各カートに対する各棚の容量を含むカート情報のデータベース、及び分類プロセッサを含む。分類プロセッサは、各カートの状態、残容量、及びカートに割当てられた現在のカテゴリを追跡する。品目が処理されると、品目の識別が分類プロセッサに送信される。プロセッサは、カート状態及び分類カテゴリに関する情報を用いて、次の品目を配置する場所を判定する。次に、プロセッサは、ユーザに分類命令を表示してカートデータベースを更新する。
【0061】
図9は、分類情報の表示の例を示す。この場合、フィクションの分類及び特定の図書館カート位置の両方が、装置に取り付けられたディスプレイ上に表示されている。同一のディスプレイは、装置と独立でもよく、上述の他の識別オプションでフィードバック用に使用してもよい。また、他の表示方法を使用してもよい。LEDは、各カート上の各棚に取り付けてもよい。分類プロセッサは、信号を適当な棚に送信して、LEDを点灯させることもできる。また、音声信号を使用してもよい。オプションとして、カート上の品目の配置を確認するカートに取り付けられたRFIDリーダがあってもよい。これは、品目が適切に配置されたことを保証し、追跡作業に役立つ。
【0062】
この分類環境で使用されるRFID装置は、追加機能を含んでもよい。装置は、例えば、特定のカートが満杯であり、特定のカートを資料(例えば、フィクションや傷ついた資料など)の一定のカテゴリに対応付けるべきであるという情報(指令)を受け取ってもよい。また、装置は、RFID素子を有するタグを自動的に分配する、又は要望に応じてタグを分配するRFIDタグプリンタを組み込んでもよい。
【0063】
RFIDタグプリンタの一実施形態において、バーコードスキャナは、RFIDリーダ/ライタとRFIDタグのロールを保持するディスペンサとを含む装置に取り付けられる。タグは、品目に配置できるように片側に接着剤を有する。接着剤は、品目のタイプによって一時的又は永続的であってもよい。装置は、オプションとしてLAVソフトウェアシステムに接続されている。品目をバーコードスキャナの下に置くと、スキャナは品目用のバーコードを読取る。オプションとして、装置は、品目IDをLAVソフトウェアに送信して、品目が図書館に属すること、及び品目がRFIDタグを有するべきであることを確認し、品目型などの品目に関する追加情報を場合によっては抽出する。次に、RFIDライタは、適当な情報を次の利用可能なRFIDタグに書込む。オプションとして、ユーザは、ボタンやキーボードを介してタグ上に置くべき追加情報を入力することもできる。例えば、ユーザは、品目型を示すことを望む場合もある。すべての情報が入力されている場合、ユーザは、新しいタグを印刷してプリンタがタグを分配することを指示する。ユーザは、タグを品目に入れる。これは、RFID素子を現在何も有しない、又は傷ついたRFID素子を有する品目に役立つ。別のオプションは、図書館の資料に容易に貼付及び同資料から取り外し可能な一時的なRFIDタグを分配することである。これは、すべて又は特定の非RFID品目に対して行うこともできる(恐らく適用できる)。次に、その品目は、タグを容易に取り外して再使用さえできる時点で分類地点から最終棚載せを介してRFIDにより追跡することもできる。
【0064】
RFID式分類システムの利益には、分類作業後に各品目の特定の位置を知ること、及び所与の初期位置で全品目のリスト(例えば、カート123上の全品目)を生成できることがある。また、RFID式分類は、より正確な分類を確保でき、大量の職員訓練を必要とすることなく図書館により迅速に実施することもできる。
【0065】
B.携帯式RFID装置を組み込んだカート
図書館の資料が上述のように分類された後、資料は通常、携帯式カートに載せられて図書館内のそれらの適当な位置に運搬される。この種の図書館カートは、フレーム、車輪及び棚のみを従来含んでいるが、本発明の図書館カートは、図書館にとって非常に重要な幾つかの特徴を含むこともできる。携帯式RFID装置を組み込んだ図書館カートを、便宜上ここでは「スマートカート」と単に呼ぶものとする。
【0066】
本発明によるスマートカートは、それら自体の内容を呼掛けてそのカート上に積載された資料を判定することもでき、何れの棚の上に各品目があるかを含むカート上の品目の順序を判定することもできる。スマートカートの主要な利益は、スマートカートが棚載せ作業で図書館の職員を援助できること、及び品目が再度棚に載せられる前でも品目を特定のカート位置に追跡できることである。ここで最も詳しく説明した実施形態は、カート、特に図書館内のカートに関連しているが、例えばビン、パイル、棚及び部屋における他の品目の収集に対して本発明が等しく適用できることを当業者は分かるであろう。
【0067】
一実施形態において、スマートカートは、図12に示す上述のタイプの手持ち式RFID装置との併用で使用することもできる。オペレータは、手持ち式RFID装置を用いてその装置を特定の順序(例えば、左から右、及び上から下)でカートの近くで通過させることもできる。RFID装置が品目の近くで通過すると、この装置は、RFIDタグを有する品目を読取り、カート上のそれらの位置を記録して格納する。RFIDリーダは、カート上のタグを読取ることにより、又はカート識別情報を手持ち式ユニットに入力することにより、カートを識別する。ユーザが、カート上にあるがそのカート上の正確な品目位置でない品目を記録する必要があるだけの場合、ユーザは、任意の順序で品目の近くで装置を通過させることができる。積載後に全カートを読取ることができるので、積載作業を遅らせることはなく、カート在庫はより正確になる。代わりに、RFID装置をカートに固定してもよく、品目をリーダの近くで通過させて棚に載せてもよく、その後、職員がカート上の品目の棚位置を入力することもできる。
【0068】
あらゆる前述の実施形態に関して、リーダが品目のタグを識別できない場合、非RFID品目を迅速に判定することができる。それらの品目は、ユーザの随意で、バーコードリーダを用いて別々に処理し、識別したり、又はRFIDシステムへの変換用のRFIDタグを受信するのに指定することもできる。
【0069】
また、スマートカートの内容及びそれらの位置は、便利な幾つかの方法で判定することもでき、図書館職員による介入をほとんど又は全く必要としない。一つの方法は、各カート棚の長さに及ぶアンテナを有するスマートカートを使用することである。アンテナは、適当なRFID装置に接続され、カートが品目の在庫及びそれらの位置を把握することができる。また、カートは既存のLAVソフトウェアシステムに接続してもよく、カートの全内容及びカートの認識は、LAVソフトウェアシステムにダウンロードしてもよい。代わりに、情報は、分離データベースに保管することもできる。両方の場合、この「プラグ接続式」カートにより、図書館資料の認識及び特定位置に関する正確なデータを迅速かつ直ちに転送できる。プラグ接続式カートは、図13に示してある。
【0070】
スマートカートシステムの一実施形態は、次の通りである。ユーザは、キーボード又はボタンの対話を介して「カート読取り操作」を開始する。カートは、そのカートに対応付けられたRFIDタグをオプションとして有する。タグが使用可能である場合、ソフトウェアは、RFID呼掛けを開始してカートの認識を確立する。代わりに、カート読取り操作を開始するユーザは、手作業でRFID装置にカート識別情報を入力することもできる。ソフトウェアは、カートIDを位置データベースに送信してから、各棚を呼掛ける。棚上の各品目の識別は、その後情報を位置データベースに送信するソフトウェアに送信される。呼掛け完了後、ソフトウェアは、オプションとして、情報を位置データベースからLAVソフトウェアに送信してその後更新することもできる。
【0071】
図書館の資料及びそれらのカート上の正確な位置を識別する別の方法は、図14及び図15にそれぞれ示すように、カートをRFIDトンネルの中に、又はRFID「反トンネル(anti−tunnel)」の上に通過させることである。カートがトンネルの下又は反トンネルの上で移動すると、各々のRFIDリーダは、カートの両側上の全品目の認識及び概略位置を判定することができる。トンネルの利益の一つは、非金属カートはRFIDシステムを妨げないように金属カートに対して好ましい場合もあるが、カートをトンネルの下で押し進めることができる限りは特別なカートを必要としないことである。反トンネルの方法は、カートの中央の下で適合するように設計されたリーダの上で押し進めることができる特別なカートを必要とする。
【0072】
カート上の品目を識別して検出する更なる方法の一つには、図16に示すタイプの「剣リーダ」の使用がある。この「剣」は、RFID読取り性能を有し、カートの適当な位置に挿入されると、そのカート上の品目の内容及び位置を判定することができる。
【0073】
C.RFID装置を用いた棚載せ援助
一旦図書館資料がカート又は他の初期位置上に配列されると、上述のようなスマートカートにより得られた情報のデータベースに入れられた情報を用いて棚載せ時に援助を与えることが望ましいこともある。よって、本発明の別の実施形態は、好ましくは資料を棚に載せるべき順序で資料のリストを含む資料の棚載せの援助に関する。リストは、カートに関する特定の位置情報を含むこともでき、また対話式援助を与えることもできる。
【0074】
第1のステップは、棚載せに関する所望の順序及び処理を確立することである。図書館では、図書館の資料を棚に載せる独自の方法を確立することが多い。図書館の各課では、異なる順序付け方式を含むこともある。例えば、大人フィクションを、著者の姓、次にその著者内の名称により棚に載せるのに対して、大人ノンフィクションを、Dewey Decimalシステムにより分類することもできる。また、図書館では、再棚載せ作業中に図書館を移動する好ましい経路を指定することもできる(例えば、大人ノンフィクションにおいて棚1の棚載せを開始し、次に棚4に行く)。方法及び順序を確立する仕方の一つは、棚卸しをすると自動的に情報を棚に載せるデータベースを作成することである。一実施形態において、棚載せデータベースは、ユーザにより決定された順序を用いて全棚上の全品目を通り越してユーザがRFID装置を払うとユーザにより作成される。各品目を読取ると、その品目は棚載せプロセッサに送信される。棚載せプロセッサは、品目が入力された順序を維持しながら、棚載せデータベースに情報を入れる。また、棚載せプロセッサは、タグ、分離データベース又はLAVソフトウェアから収集された追加情報を用いて棚載せ順序を分析することもできる。例えば、本棚の完了後、棚載せプロセッサは、LAVソフトウェアからの情報を用いて、棚には大人フィクションがあったこと、及び著者の姓を用いて棚順序が確立されたことを判定することもできる。このようにして、データベースは、適切な棚順序を「教示」することもでき、その後、他の図書館作業と共に使用することもできる。
【0075】
「スマートカート」のデータベースと共に上述の図書館又は在庫処理により確立された配置情報を用いて、棚順序をカートに対して確立することができる。一実施形態では、棚順序リストをユーザに対して印刷することができる。所与のカートに対する棚順序リストは、例えば、第1の品目、呼出番号913.47A、題名の最初の部分が「Join me at my home...」と書いてあるものはカート棚3上に位置すること、及びそれがその棚の5番目の本であることを示すこともできる。棚に載せられるべき第2の品目は、例えば、呼出番号916.8、題名の最初の部分が「Another reason...」と書いてあるものであり、その棚順序リストは、その本がカート棚2上に位置し、その棚の9番目の本であることを示す。棚に載せられるべき第3の品目は、例えば、呼出番号916.912、題名の最初の部分が「The life and time...」であり、その棚順序リストは、その本がカート棚1上に位置し、その棚の4番目の本であることなどを示す。また、棚順序リストは、複数台のカートに対して作成することもでき、その場合、リストは、本が位置するカートを示す追加欄を含む。
【0076】
システムのこの実施形態は、特定の分類内の図書館資料を適当なカート上にランダムに置くことができるうえに、更に分類することなく直接棚に載せることができるので、有益である。代わりに、分類されていないカートを分類することもでき、品目を棚に載せるための適当な順番を理解するのに苦労している新米の棚載せ者にとって特に役立つ場合がある。最後に、RFID棚順番システムは、品目を再度棚に載せる時に図書館の中を通る経路を最適化することもでき、その結果、図書館職員にとって時間をかなり節約できる。
【0077】
別の実施形態では、紙のコピーの代わりに、棚順序情報を与えるのにディスプレイを有する携帯式RFID装置を使用することもできる。ディスプレイは、図17に示すようにカート上に取り付けられたり、ユーザにより着用されたり、又はユーザの手に持つこともできる。その図に示すように、RFID装置は、棚載せすべき次の品目、カート上のその位置、及び棚上のその位置をユーザに知らせることもできる。棚順序情報をユーザに与え、ユーザから入力を受け取る携帯式RFID装置を設けることが好ましい場合もある。入力は、品目をスクロールする、品目が再度棚に載せられている、又は載せられていない時を示す、特定の品目に関する情報を更に求める、又はカートの内容の要約リストを表示する性能を含むこともできる。
【0078】
別の実施形態では、携帯式RFID装置は、品目に付けられたRFIDタグを用いて棚載せすべき次の品目をオペレータが見付けるのを援助する。オペレータは、特定のカート上の資料を棚に載せるべきであることを示すメッセージを棚載せプロセッサに送信する。棚載せプロセッサは、位置データベース及び棚載せデータベースからの情報を用いて何れの品目を最初に棚に載せるべきであるを判定する。オペレータは、手持ち式RFIDリーダで棚を走査する。各品目IDは、棚載せプロセッサに送信される。IDが棚載せすべき品目のIDに一致すると、棚載せプロセッサは、メッセージをオペレータに送信する。メッセージは、RFID手持ち式装置上の点滅LED、棚上のLED、又はブザー音などの視覚的又は聴覚的合図でもよい。次に、オペレータは、品目をカートから取り出し、正しい品目が取り出されたことを確認しその品目の現在位置を「棚の上」に更新するRFIDリーダの近くで品目を通過させる。処理は、全品目が棚に載せられるまで続ける。また、携帯式RFID装置は、品目に付けられたRFIDタグを用いて特定の品目がカートの上にあるか否かを突き止めることもできる。
【0079】
また、本発明は、図書館の指定領域内の全品目のリスト(例えば、ノンフィクション200−300用の棚)を与えて、次に受け入れられているがまだ棚に載せられていなくてその領域に属する全品目の棚順序リストを与えるRFID装置にも適用される。リストは、各品目を見付ける場所を含む。ハードコピーのリストを生成する代案は、図書館の特定の区域に属する品目を捜すように各装置が「プログラム」されている携帯式装置を設けることである。
【0080】
前述の発明の変形例は、分類されていない又は大雑把に分類されている本棚などのあらゆる収集を通して読取ること、及び棚順序で一定の基準(例えば、ノンフィクション100−200)を満たす品目を引き出すことをユーザが可能にすることである。この実施形態は、品目が既に初期分類領域上にあって棚載せの準備ができており、初期分類領域から棚順序付けされたカートを生成するのにユーザを援助する場合に特に有用である。あらゆる収集を読取ることができるので、これは、図書館資料の前分類された棚に限定されない。棚載せを必要とするあらゆる領域の品目は、この方法で処理可能である。
【0081】
最後の実施形態では、ユーザが、携帯式(好ましくは、手持ち式)RFID装置を用いて所与の品目に関する棚上の正しい場所を検出することができる。ユーザは、棚に載せる品目を識別してから、棚上の品目列を横切って手持ち式装置を通過させる。新しい品目を棚に載せるための正しい位置を検出すると、ユーザにフィードバックされる。フィードバックは、手持ち式装置上の音声フィードバック及び/又はライト(LED)と共にディスプレイ上を含む方法を組み合わせて与えることもできる。
【0082】
この機能は、図書館で最も一般的である「自由棚載せ」を支援することができ、品目が続いて棚順序で正しい品目により先行される限りは品目を任意の棚上に置くこともできる。より窮屈な棚載せシステムでは、品目を棚上の特定の位置に置く必要がある。自由棚載せは、一層一般的であり、品目に対する正しい棚位置を生成する処理を一層必要とする。窮屈な棚載せを使用する場合、LEDを棚位置に直接追加することができ、このLEDを、品目を置くべき場所を示すのに点灯させることができる。自由棚載せの状況でも、LEDは棚に追加可能であるが、点灯する棚LEDが何れであるかを判定することは、何がその時に棚の上にあるかに基づくダイナミックな決定である。また、この機能の基礎となるのは、適切な棚順序の理解である。各図書館では、(例えば、Dewey Decimal番号又は著者の姓により)棚に載せる品目を望む方法を要する。これらの棚載せ方式は、図書館内の種々の区域にわたって変えることができる。また、この機能は、品目を基本的にランダムな順序で棚に載せる全体として窮屈でない棚載せを支援することもできる。これは、所有される資料の棚に関して一般に行われ、他の状況でも適用できる。この状況では、RFIDリーダを用いて分類されていない棚から品目を見付けることができる。
【0083】
この実施形態の利益には、このシステムは棚載せ者が品目を棚に載せる場所を識別するのに役立つことが含まれる。これは、棚載せ作業を迅速化できる新米の棚載せ者にとって特に役立ち得る。棚載せ者がその位置に接近するやいなや、装置は、正確な棚位置に素早く狙いを定めることができる。この節で記載した実施形態の更なる特徴は、ある実施形態において、情報のダウンロードやプリントアウトを必要とするのとは対照的に、ユーザがリアルタイムで情報を得る性能である。
【0084】
D.RFID装置及び構成要素を用いた利用者ナビゲーション
多くの利用者は、図書館内をナビゲートするのに苦労する。この苦労には、所望の建物、図書館の所望の階を見付けること、所望の区域に到着すること、所望の棚を見付けること、及び最後に対象資料を突き止めることが含まれる。利用者の中には、題名などの特定の品目を覚えている人もいるのに対して、Revolutionary War Historyなどの主題に一層関心がある人もいる。この節で記載した本発明の実施形態では、ナビゲーションを用いて図書館の利用者を援助し、視覚的で関心をひきおそらく更におもしろい案内を与える。
【0085】
図18A及び図18Bは、RFID素子を有するカードが図18Aに示すような1つ以上の対象品目でロードされ又はプログラムされている本発明の一実施形態を示す。ロードは、利用者アクセス可能端末で行うことができる。この実施形態において、ロードプロセッサは、LAVデータベースと直接又は探索プロセッサを介して対話して、現在使用可能なカテゴリ及び品目を判定することができる。その情報は、利用者に表示される。利用者は、キーボード又はマウス入力装置と対話してカテゴリ又は品目のセットを選択する。この例では、利用者は、2冊の本、The life of Mark Twain及びTom Sawyerを選択する。この情報は、情報をRFIDロケータカードに入れるロードプロセッサに送信される。
【0086】
代替例としては、職員が利用者用カードを、例えば参照デスクでロードすることである。また、利用者が図書館で捜し出して使用できる対象主題により「事前印刷された」カードでもよい。カードにロードされたデータは、特定の題名又は対象主題分野でもよい。専用RFIDカードを使用する代わりに、利用者の実際の図書館カードを使用してもよく、又は特殊な図書館内カードをこの目的用に設計してもよい。図書館内使用カードの場合、利用者は、立ち去る時にカードを図書館に置いていく。図書館内使用カードは、カードの窃盗を防止するためにカードに付けられた本発明の譲受人から入手できるタイプのTATTLETAPE(登録商標)磁気セキュリティマーカを有することもできる。
【0087】
一旦カードが所望の情報でロードされると、利用者は、そのカードを用いて、図18Bに示すように図書館内をナビゲートすることができる。RFID装置は、図書館全体にわたって戦略的に配置することもでき、RFIDカードをこれらのリーダの一つに差し出すと、リーダの位置に対して対象品目を見付けることができる場所を利用者に示す。装置は、品目を見付けるための地図及び図形指図、又は品目が装置に最も近い通路のわきにあることを通知するのに点灯し、又は品目を見付けることができる図書館地図の一部を点灯するおそらく単なる一連のLED灯が付いているディスプレイを含んでもよい。与えられる情報は、利用者は目標品目にどれだけ近いかによって決まる。例えば、(目標から遠い場合)図書館の別の階に行く、又は利用者が対象品目に近い場合に特定の棚へ通路を途中で下がるように示すこともある。
【0088】
別の実施形態では、品目又は対象主題を、その後図書館を回って品目を検出することができる手持ち式RFID装置にロードすることもできる。データは、上述のように多くの方法でロードすることもできる。RFID装置を棚に向けると、品目を含む棚は、活性化され、又はある種の信号を与える。次に、利用者は、灯をたどって図書館資料の概略位置を見付けることができる。そこで一度、ユニットは、品目ロケータモードに移動して利用者が特定の品目を見付けるのを援助できる。このモードでは、装置は、目標品目が捜し出されている場合、個々の品目を読取り、装置上のフィードバックを介して示すことができる。また、ユニットは、小型図書館地図を示して、図書館の周囲の道を利用者が見付けるのを更に援助することもできる。この実施形態の変更は、視力が悪い図書館利用者にとって特に役立つこともある。
【0089】
本発明の関連態様は、図書館資料の受け入れ又は貸し出しのためだけでなく図書館の中の利用者の移動をも追跡するためのRFID図書館カードの使用である。利用者アクセスの数を追跡してから統計的に分析して、使用情報を得ることができる。例えば、システムは、図書館の特定の位置に入る利用者数、図書館内の種々の場所で利用者が費やす時間の長さ、コンピュータ及びコピーなどの特定の図書館機器の使用数を数えることもできる。
【0090】
また、RFID図書館カードは、アクセス制御用に使用することもできる。この実施形態において、RFID図書館カードは、何れの利用者又は職員が何れの設備を使用できるかを制御する。設備は部屋でもよく、この場合、そのドアロックが制御される。アクセスは、特定の機器又は他の図書館設備を使用するために制御することもできる。制御は、例えば子供を特定の資料又は電子インターネットサイトにアクセス禁止とするように、何れのコンピュータ操作をユーザにより実行許可とするかを更に判定することもできる。実施は、リーダをこれらの特別制御地点に置くことにより、又は利用者が前記リーダを所持して位置タグを読取りアクセスを可能とすることにより行うことができる。
【0091】
最後に、RFID図書館カードは、図書館で実行される特定の会計機能と共に使用することもできる。RFID図書館カードは、図書館で徴収される一般料金及び罰金に関する情報と統合してもよい。これらの料金は、期限過ぎの料金、特定の機器の使用料金、コピー料金などを含む。カードは、デビット又はクレジットカードとしての機能を果たすこともできる。データ(会計)は、カード(時間ごとにチップを更新)上又は分離データベースに保管することもできる。利用者及び図書館にとって主要な利点は、種々の料金及び罰金を処理する方法を統一して単純化することにある。今日、多くのこれらの機能は、手作業で処理され、職員と利用者との間に多少の不愉快な気持ちをいだくことが多い。このシステムは、これらの問題を処理するほとんど自動化された方法を可能にして、緊張を緩和し職員の生産性を向上させてより重要な問題に対処する。別のオプションは、利用者が、自分のクレジットカードを示して自分のRFID図書館カードに対応付けられ料金を請求されることである。従って、図書館カードは、料金を支払うのに差し出されるが、直接対応付けられた金を持たない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)品目に対応付けられたRFID素子から情報を得る呼掛け源と、
(b)(i)前記品目が属する資料の分類、及び(ii)その品目用の所望の位置の一方又は両方に関する情報を表示する表示器と、
を含む、RFID装置。
【請求項2】
前記表示器が少なくとも1つの可聴及び視覚表示を与える、請求項1記載のRFID装置。
【請求項3】
前記装置が、携帯式であり、人により運搬及び手を使わずに使用できるようにしてある、請求項1記載のRFID装置。
【請求項4】
ステップ(b)の前記情報が前記RFID装置内のメモリから得られる、請求項1記載のRFID装置。
【請求項5】
ステップ(b)の前記情報がアップロードにより前記RFID装置から離れたメモリから得られる、請求項1記載のRFID装置。
【請求項6】
ステップ(b)の前記情報が前記品目のタグから得られる、請求項1記載のRFID装置。
【請求項7】
(a)品目に対応付けられた光学バーコードを呼掛けてその品目に関する情報を得るステップと、
(b)その情報をRFID素子上に格納して前記品目用のタグを作成するステップと、
を含む、RFID装置を使用する方法。
【請求項8】
前記タグ上に接着剤を塗布するステップを更に含む、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記接着剤が位置変え可能な接着剤である、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、(c)前記品目に関する追加情報を得てその情報を前記RFID素子上に格納するステップを更に含む、請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記追加情報を、前記品目に関する情報を含むデータベースを有するLAVソフトウェアから得る、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記追加情報を、前記品目から視覚的に得て前記RFID装置に手で入力する、請求項10記載の方法。
【請求項13】
(a)品目群を呼掛けてそれらの識別に関する情報を判定するステップと、
(b)前記識別情報を所定の順序に編成するステップと、
(c)その順序を示す出力を行うステップと、
を含む、品目群に対応付けられたRFID素子を有する品目群から情報を得る方法。
【請求項14】
前記出力が対話式視覚又は聴覚ディスプレイである、請求項13記載の方法。
【請求項15】
オペレータが、制御するために前記ディスプレイに入力できる、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記出力が紙のリストである、請求項13記載の方法。
【請求項17】
(a)特定の品目を識別する情報をRFID呼掛け装置に与えるステップと、
(b)より大きい品目群を呼掛けるステップと、
(c)前記RFID装置が前記特定の品目に対応付けられたRFIDタグを呼掛ける場合に信号を与えるステップと、
を含む、品目群に対応付けられたRFID素子をも有するさらに大きい品目群の中から、特定の品目に対応付けられたRFID素子を有する特定の品目を識別する方法。
【請求項18】
ステップ(a)で与えられた前記情報が、品目の分類を識別する情報であり、ステップ(c)が、その分類内の特定の品目に対応付けられたRFIDタグを前記RFID装置が呼掛ける場合に信号を与えるステップを含む、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記品目の分類が図書館の同一区域に属する品目である、請求項18記載の方法。
【請求項20】
(a)品目に対応付けられたRFID素子を有する品目を呼掛けるステップと、
(b)前記装置に情報を入力して位置を記述するステップと、
(c)呼掛けられた前記品目が前記位置にあるか否かを判定するステップと、
(d)適当な信号を与えるステップと、
を含む、RFID装置を使用する方法。
【請求項21】
前記位置には別個のRFID素子があり、ステップ(b)がその位置に対応付けられた前記RFID素子を走査するステップを含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
前記品目が図書館の資料であり、前記位置が図書館の格納位置である、請求項20記載の方法。
【請求項23】
手持ち式RFID装置を品目群の上に通過させるステップと、前記品目群の範囲内で所望の品目を置くべき場所を検出するステップと、その位置のユーザに表示を与えるステップとを含む、RFID素子から情報を読取る手持ち式RFID装置を使用する方法。
【請求項24】
(a)品目のデータベースを設けるステップと、
(b)この品目を選択すべき順序を規定するステップと、
(c)選択すべきリスト上に次の品目の表示を与えるステップと、
(d)RFID装置を用いてステップ(c)で表示された前記品目に対応付けられたRFID素子を呼掛けるステップと、
(e)選択すべきリスト上に次の品目の表示を与えるステップと、
を含む、RFID装置を使用する方法。
【請求項25】
ステップ(b)で規定された前記順序が、図書館で品目を棚に載せるべき順序のリストである、請求項24記載の方法。
【請求項26】
(a)位置を識別する前記RFID装置に情報を与えるステップと、
(b)前記RFID装置を用いて品目を呼掛けて前記品目の識別を判定するステップと、
(c)前記品目を前記位置に対応付けるステップと、
を含む、品目に対応付けられたRFID素子を有する品目を識別して検出するRFID装置を使用する方法。
【請求項27】
ステップ(a)が、位置に対応付けられたRFID素子を呼掛けるステップを含む、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記方法が、前記RFID装置が他の品目に対するある品目の位置を判定できるように連続して前記品目を配列して呼び掛けるステップを更に含む、請求項26記載の方法。
【請求項29】
前記品目が図書館の資料である、請求項26記載の方法。
【請求項30】
前記位置がカートである、請求項26記載の方法。
【請求項31】
ステップ(b)が、前記カートをトンネルの中を通過させるステップを含む、請求項30記載の方法。
【請求項32】
ステップ(c)が、前記RFID装置を前記カートの内部へ向かわせる又は中を通過させるステップを含む、請求項30記載の方法。
【請求項33】
前記位置が、棚に対応付けられたアンテナを有する棚を含む、請求項26記載の方法。
【請求項34】
(d)前記品目及びそれらのそれぞれの位置を表示するステップ、
を更に含む、請求項26記載の方法。
【請求項35】
(d)ステップ(c)の前記情報をコンピュータにダウンロードするステップ、
を更に含む、請求項26記載の方法。
【請求項36】
(a)RFID装置を用いて3つの対象品目に対応付けられたRFIDタグを呼掛けるステップと、
(b)他の2つの品目の間に位置する前記対象品目が他の2つの品目の間にあるか否かを得られた情報から判定するステップと、
(c)適当な信号を与えるステップと、
を含む、各々の資料に対応付けられたRFIDタグを含む自由棚載せシステムにおいて対象品目の順序を確認する方法。
【請求項37】
得られた前記情報が、前記RFIDタグ自体により与えられる、請求項36記載の方法。
【請求項38】
得られた前記情報が、前記RFIDタグから離れたデータベースにより与えられる、請求項36記載の方法。
【請求項39】
前記データベースが前記RFID装置から離れている、請求項36記載の方法。
【請求項40】
(a)RFID素子を有するカードを設けるステップと、
(b)前記カードに情報を伝送してその情報を前記RFID素子に格納するステップと、
(c)対象品目の近傍位置にRFIDカードリーダを位置決めするステップと、
(d)前記RFIDカードリーダを用いて前記RFIDカードを呼掛けるステップと、
(e)前記RFIDカードリーダの位置に対する前記対象品目の位置の表示を与えるステップと、
を含む、RFID素子に対応付けられた各々のさらに大きい品目群の中から、RFID素子に対応付けられた対象品目を検出する方法。
【請求項41】
ステップ(e)が、前記対象品目の位置の視覚表示を与えるステップを含む、請求項40記載の方法。
【請求項42】
前記視覚表示が、前記対象品目を含む領域の地図を含む、請求項41記載の方法。
【請求項43】
前記対象品目が図書館の資料であり、より大きい前記品目群が他の図書館の資料を含む、請求項40記載の方法。
【請求項44】
(a)携帯式RFID装置を設けるステップと、
(b)対象品目を識別する前記RFID装置に情報を与えるステップと、
(c)前記RFID装置を用いて前記対象品目を検出することができる種々の位置を呼掛けるステップと、
(d)前記対象品目の前記位置に関するそれらの位置から情報を得るステップと、
を含む、RFID素子に対応付けられた各々のより大きい品目群の中でRFID素子に対応付けられた対象品目を検出する方法。
【請求項45】
前記方法が、(e)前記対象品目の前記位置に関する情報を表示するステップ、
を更に含む、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記情報が、その情報を有するRFID素子を読取ることによりステップ(b)で前記RFID装置に与えられる、請求項44記載の方法。
【請求項47】
前記情報が、手動キーパッドにより前記RFID装置に与えられる、請求項44記載の方法。
【請求項48】
(a)潜在ユーザにRFIDカードを与えるステップと、
(b)対象領域近傍の1つ以上の位置にRFIDリーダを設けるステップと、
を含む、対象領域の使用を監視する方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【公開番号】特開2010−250853(P2010−250853A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−142963(P2010−142963)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【分割の表示】特願2000−565496(P2000−565496)の分割
【原出願日】平成11年8月5日(1999.8.5)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】