無線周波数識別タグ位置測定方法及び装置
【課題】無線周波数識別RFIDタグ位置測定方法及び装置を提供する。
【解決手段】方法は、コンピュータが、RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取り、各対象タグについて指定発射電力毎のアンテナによる読取が成功した回数を記録し、各対象タグについてのアンテナによる読取成功回数の合計を算出し、各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより各対象タグのアンテナに対する配列順序を特定し、各対象タグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率を算出し、各対象タグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定することを特徴とする。
【解決手段】方法は、コンピュータが、RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取り、各対象タグについて指定発射電力毎のアンテナによる読取が成功した回数を記録し、各対象タグについてのアンテナによる読取成功回数の合計を算出し、各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより各対象タグのアンテナに対する配列順序を特定し、各対象タグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率を算出し、各対象タグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数識別の分野、特に無線周波数識別タグ位置測定方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)タグの位置測定により目標物体の位置を測定する方法は、物流や生産ラインの分野において益々重要になっている。また、RFIDタグを測定する方法によりRFIDリーダを備えた移動物体の位置及び方位を特定する方法もロボット制御分野において広く応用されている。UHF帯(超高周波数)のRFIDによりタグを遠隔で識別し、読み取ることが可能となり、当該周波数範囲により、距離が10m程のパッシブタグを識別することができる。その性能によってRFIDタグの物流及び生産ラインにおける応用の可能性が大幅に高まる。UHF帯のRFID技術が広く応用されるにつれて、一つのRFIDリーダはその読取領域内の複数のタグを同時に識別し、読み取ることが可能になる。しかしながら、これに伴ってそのうちの一つの指定されたタグを検索することが非常に困難になるという問題が発生する。
【0003】
今まで、多種の位置測定方法、例えばRSS(receiving signal strength:受信信号の強度)、AOA(angle of arrival:信号の到着角度)、TOA(time of arrival:信号の到着の時間)、TDOA(time difference of arrival:信号の到着時間の差分)等の信号特性を利用して位置測定を実現する方法が開発されている。しかしながら、これら方法の何れも高コストであるという欠点を伴う。RSS方法では、位置測定の精度が低く、誤差が数メートルにさえなる。
【0004】
特開2009−080133号公報(特許文献1)には、リーダにより発射された異なる周波数の電磁波がRFIDタグから反射された後に、リーダが受信した発射波の位相差分によりタグとリーダとの距離を測定する方法が提案されている。当該方法は、特定のリーダを用いて実施される必要があり、且つタグとリーダとの相対的な方位を識別できず、タグとリーダとの距離しか識別できない。
【0005】
米国特許出願公開第2009/0167495(A1)号明細書(特許文献2)には、指定されたタグを測定する装置が提案されている。RFIDタグにLED装置を附設し、指定されたタグを探索しようとするときに、リーダが当該タグに信号を送信し、当該タグは、LEDを点灯して、自身がリーダの探索しようとするタグであることを表明する。
【0006】
特許文献2は、指定タグの探索にとって確かに非常に良い方法であるが、タグにLED装置を附設する必要がある。LED装置の附設により、タグの製造コストが高くなると共に、タグの環境に対する適応力が低下する。したがって、LEDに不適な作業環境、例えば湿っぽく、衝撃の受けやすい環境において、当該タグが適用できなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−080133号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0167495(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の従来技術における事情を鑑みてなされたものであり、従来の汎用RFIDリーダを利用して比較的正確なタグの位置測定を行える無線周波数識別タグ位置測定方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に、本発明の幾つかの態様についての基本的な理解のために、本発明についての概要を記述する。この概要は、本発明についての包括的な概述ではないことを理解すべきである。これは、本発明のキー又は重要な部分を確定することを意図せず、また、本発明の範囲を限定することを意図しないことを理解すべきである。その目的は、単に、簡単化された形態でいくらかの概念を与えることにある。これを、後述のより詳しい記述の前書きとする。
【0010】
本発明による一態様は、無線周波数識別RFIDタグ位置測定方法であって、コンピュータが、RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取り、各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定し、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出し、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定することを特徴とする無線周波数識別RFIDタグ位置測定方法が提供される。
【0011】
本発明による別の態様は、無線周波数識別RFIDタグ位置測定装置であって、RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取るよう配置されるタグ読取部と、各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出するよう配置されるタグ読取情報記録部と、各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定するよう配置されるタグソート部と、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定するよう配置されるタグ位置特定部とを備える無線周波数識別RFIDタグ位置測定装置が提供される。
【0012】
以下に図面に基づいて本発明に係る最適な実施例を詳細に説明することにより、本発明の上記及びその他の利点がより明らかになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、従来の汎用RFIDリーダを利用して比較的正確なタグの位置測定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定方法のフローチャートを示している。
【図2】本発明による実施例の読取確率マップ作成のフローチャートを示している。
【図3】シングルアンテナの読取範囲の模式図を示している。
【図4】本発明による実施例のシングルアンテナの場合のタグ配列の例示図を示している。
【図5】本発明による別の実施例の読取確率マップ作成のフローチャートを示している。
【図6】本発明による実施例のシングルアンテナの場合の指定タグの位置取得の例示的なフローチャートを示している。
【図7】マルチアンテナの読取範囲の模式図を示している。
【図8】本発明による実施例のマルチアンテナの場合のタグ配列の例示図を示している。
【図9】本発明による実施例のマルチアンテナの場合のタグの配列順序の特定のフローチャートを示している。
【図10】本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定装置の模式的なブロック図を示している。
【図11】本発明による実施例の方法及び装置を実施するために用いられるコンピュータの模式的なブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づく本発明に係る実施例に対する説明を参照することで、本発明の上記及びその他の目的、特徴及び利点をより容易に理解することができる。図面における部品は本発明の原理を示すためのものに過ぎない。図面において、同一又は類似の技術的特徴又は部品は、同一又は類似の参照符号で示される。
【0016】
また、必要以上に詳述することによって本発明が不明瞭になるのを防ぐために、図面には、本発明による方法及び装置に密接な関係がある装置構成及び/または処理ステップだけを示しており、本発明にあまり関係のないその他の詳細は省略されていることに留意されたい。
【0017】
以下に、本発明の例となる実施例を図面に基づいて記述する。明瞭さ及び簡便のため、明細書には実際の実施形態の全ての特徴が記述されているわけではない。しかし、以下のことが理解されるべきであり、即ち、このような実際の実施例を開発する過程において、開発者の具体的な目標を実現するためには、実施形態に特定される多くのことを決定しなければならないことである。例えば、システムと業務とに関連する様々な制限条件を満たすことであり、これらの制限条件は相違する実施形態によって変化する可能性がある。なお、開発の仕事は非常に複雑であり、時間を費やす可能性があるのだが、ここに開示している内容を利用する当業者には、このような開発の仕事は日常業務にすぎない。
【0018】
現在利用されているUHF帯RFIDタグは、遠隔読取可能であり、パッシブRFIDタグの読取距離が10mとなることが可能であるという特徴と、RFIDリーダ及びタグの規格の種類が多いという特徴と、RFIDリーダの読取可能領域内で読み取られる確率がタグとRFIDリーダとの相対的な距離に関連するという特徴と、一回で複数のタグを読み取れるという特徴とを具備する。ところが、既存のRFIDタグ位置測定システムは、RFIDリーダのハードウェア構成を変更することなしにタグの位置分布を正確に特定することができない。
【0019】
本発明は、RFIDタグの読取確率が距離によって変化するという前記特徴を考慮したうえで、線形配列となる各対象タグ毎のRFIDリーダアンテナに対する正規化の読取確率に基づいて読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定する。ここで、読取確率マップには、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が記録される。したがって、従来の汎用RFIDリーダで、比較正確にタグの位置測定を実現することができる。
【0020】
以下に、図1〜図10を参照して本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定方法及び装置を説明する。
【0021】
図1は、本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定方法のフローチャートを示している。同図に示したように、ステップS110において、無線周波数識別タグ位置測定装置(図10)のタグ読み取り部1010が、RFIDリーダアンテナを利用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取る。ここで、「対象タグ」は、位置測定待ちのタグを指す。仮に、前記の所定回数はN回、複数の指定発射電力はPW1、PW2、・・・、PWk(kは1より大きい正整数)とする。発射電力毎に対象タグをN回読み取る。UHF帯RFIDタグは、RFIDリーダの読取可能領域内で読取られる確率がタグとRFIDリーダとの相対的な角度に関連するという特徴を有することを考慮したうえで、対象タグを線形に配列する。線形配列は、ある程度角度によるタグの読取確率への影響を軽減することができる。この点についての詳細は後述の実施例において説明する。
【0022】
その後に、ステップS120において、無線周波数識別タグ位置測定装置のタグ読取情報記録部1020が、各対象タグについて、指定発射電力毎にアンテナによる読取が成功した回数を記録する。対象タグjについて、発射電力PWk(1≦k≦K)におけるアンテナiによる読取成功回数はXijkとする。
【0023】
次に、ステップS130において、タグ読取情報記録部1020が、各対象タグについてのアンテナによる読取成功回数の合計を算出する。対象タグjについて、同一アンテナiによる読取成功回数の合計は、Xijとし、Xij=Xij1+Xij2+・・・+XijKである。
【0024】
次に、ステップS150において、タグ読取情報記録部1020が、各対象タグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率を算出する。対象タグjについて、アンテナiに対する正規化の読取確率はPRijとしPRij=Xij/(NK)である。
【0025】
その後に、ステップS160において、無線周波数識別タグ位置測定装置のタグ位置特定部1040が、各対象タグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率に基づいて読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎のアンテナに対する距離を特定する。ここで、読取確率マップには、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が記録される。
【0026】
また、本実施例において、タグのアンテナに対する配列順序を特定するステップを含んでも良い。ステップS130において各対象タグについてのアンテナによる読取成功回数の合計を算出した後に、ステップS140において、無線周波数識別タグ位置測定装置のタグソート部1030が、各対象タグについてのアンテナによる読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグのアンテナに対する配列順序を特定する。例えば、各タグ毎の読取成功回数の合計Xijを大きい順で配列すれば、タグのアンテナに対して近い順の配列順序を取得することができる。逆にしても同様である。
【0027】
ここで、使用するRFIDリーダに対して、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が記録された読取確率マップを予め作成しておいても良い。タグのアンテナに対する距離が測定により取得可能である以外、読取確率マップの作成の過程は、本発明の上記実施例による無線周波数識別タグ位置測定方法の過程と同様である。図2は、例示として本発明による実施例の読取確率マップの作成のフローチャートを示している。図2に記載の処理は、無線周波数識別タグ位置測定装置(図10)の読取確率マップ作成部1050によって行われる。
【0028】
図2に示したように、ステップS210において、アンテナを用いて複数の指定発射電力毎に線形配列となる複数のサンプルタグを所定回数読み取る。複数のサンプルタグは、アンテナの最大読取範囲内に均等に配置される。ここで、「サンプルタグ」は、読取確率マップにおけるタグのアンテナに対する距離サンプルを生成するために用いられるタグを指し、実際に位置測定する必要がある対象タグと区別するようにする。サンプルタグをアンテナの最大読取範囲内に均等に配置するのは、タグのアンテナに対する距離サンプルをできるだけ多く取得するためである。また、理想的な場合においては、以下のステップで正規化の読取確率をできるだけ正確に取得するように、アンテナを用いて使用可能な発射電力毎にサンプルタグを読み取る。ところが、システムの実現上の複雑性及び取得性能の向上の費用対効果比を考慮したうえで、一般的に部分的な発射電力のみを選択して読取を行う。最大発射電力範囲内に発射電力を均等に選択すると、取得された正規化の読取確率の正確度の向上に寄与することができる。
【0029】
その後に、ステップS220において、各サンプルタグについて、指定発射電力毎にアンテナによる読取が成功した回数を記録する。次に、ステップS230で各サンプルタグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率を算出し、ステップS240で各サンプルタグ毎のアンテナに対する距離を測定する。その後に、ステップS250において、各サンプルタグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率と当該サンプルタグのアンテナに対する距離とを記録して読取確率マップを作成する。
【0030】
以下に、RFIDリーダが一個のアンテナを備える場合及び複数のアンテナを備える場合の夫々に対して、本発明による実施例の方法の適用例を説明する。
【0031】
図3はシングルアンテナの読取範囲の模式図を示している。ここで、点線で示した楕円形はリーダアンテナの異なる発射電力での読取範囲を示し、実線の横棒はRFIDタグを示す。同図からわかるように、アンテナに近いタグであるほど、タグが含まれ得る発射電力読取範囲は多くなり、即ち、より多くの発射電力で読取可能となる。
【0032】
図4は本発明による実施例のシングルアンテナの場合のタグ配列の模式図を示している。タグは線形方式で配列される。説明を容易にするために、タグの配列方式をアンテナの中心から射線状に配列する方式とする。実際に位置測定しようとするタグの配列がこの方向に沿う配列ではない場合には、アンテナの位置と角度とを調整することによりこのような配列を実現することができる。タグの配列した射線とアンテナの垂直中心線との夾角はαである。このように、射線における各タグとアンテナの垂直中心線との夾角が等しくなり、角度によるタグの読取確率への影響を解消することができる。
【0033】
一般的に、簡単にするために、タグの配列した射線がアンテナの垂直中心線にあるように指定しても良い。即ち、夾角α=0°とする。
【0034】
図5は本発明による別の実施例の読取確率マップの作成のフローチャートを示している。タグが配列される射線とアンテナの垂直中心線との夾角αが0°ではない場合に、図5に示したフローチャートに従ってシングルアンテナRFIDリーダに対して読取確率マップを作成することができる。
【0035】
ステップS510において、無線周波数識別タグ位置測定装置の読取確率マップ作成部1050が、サンプルタグを所定の間隔でアンテナの最大読取範囲内において射線状に配列し、各射線とアンテナの垂直中心線との夾角αを記録する。次に、ステップS520において、読取確率マップ作成部1050が、各サンプルタグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率を取得し、その詳細について上記の本発明による実施例に説明した内容を参照することができる。その後に、ステップS530において、無線周波数識別タグ位置測定装置のタグ距離測定部1060が、アンテナの読取確率分布を利用して読取確率マップを作成する。作成された読取確率マップにおいて、タグとアンテナの中心との間の連結線とアンテナの垂直中心線との各夾角での、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が更に記録される。表1はこのような読取確率マップの例を示した。ここで、原点はアンテナの中心位置を指す。
【表1】
【0036】
表1において、簡単にするために、α=0°とα=30°の場合のみが示された。無論、表1は、その他の角度(例えば60°、90°等)のαでのタグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離とを含んでも良い。
【0037】
図6は本発明による実施例のシングルアンテナの場合の指定タグの位置取得の例示的なフローチャートを示している。当該実施例において、更にタグの配列方向とアンテナの垂直中心線との夾角を考慮する。同図に示したように、ステップS610において、射線状に配列された対象タグシーケンスを読み取る。ここで、対象タグの配列方向とアンテナの垂直中心線との夾角はαである。ステップS620において、指定された対象タグのアンテナに対する正規化の読取確率を取得する。当該ステップの詳細については、上記の図1におけるステップS110、S120、S130及びS150の説明を参照でき、ここでは詳しく説明しない。次に、ステップS630において、記録した夾角αと取得した正規化の読取確率とに基づいて読取確率マップを検索して、指定された対象タグとアンテナの中心との距離を特定する。ここで、図5の実施例により作成された読取確率マップを使用することができる。最後に、ステップS640において、特定された距離と夾角とを、指定されたタグの位置として出力することができる。
【0038】
また、当該実施例において、一種の応用として、各対象タグ毎のアンテナに対する距離に基づいて対象タグ間の距離を特定することもできる。例えば、タグ間の距離が急に大きくなることにより、整然と配列された物体のうち個別の物体の紛失を検知することができる。
【0039】
図7はマルチアンテナの読取範囲の模式図を示している。図3と同様に、点線で示した楕円形はリーダアンテナの異なる発射電力での読取範囲を示し、実線の横棒はRFIDタグを示す。
【0040】
図8は本発明による実施例のマルチアンテナの場合のタグ配列の例示図を示している。同様に、タグは線形方式で配列される。図8の例示において、対象タグが配列された線は、複数のアンテナからなるアンテナ平面と平行する。また、例示として、アンテナの夫々がその隣接するアンテナの最大読取範囲の中間位置における対象タグを読み取れるように、複数のアンテナの間の間隔を設置する。図8に示したように、リーダアンテナ2はリーダアンテナ1の最大読取範囲の中間位置におけるタグa3を読み取ることができる。
【0041】
図9は本発明による実施例のマルチアンテナの場合のタグの配列順序の特定の例示的なフローチャートを示している。当該実施例において、RFIDリーダの複数のアンテナは、図8に示した方式に従って配列される。ステップS910において、線形配列となるタグシーケンスを読み取る。ここで、タグシーケンスはアンテナ平面と平行する。ステップS920において、アンテナが隣接するアンテナの最大読取範囲の中間位置を読み取れるようにアンテナの間隔を設置する。
【0042】
ステップS930において、奇偶の順でアンテナをオンして各タグの読取回数を取得する。この処理を行う前に、RFIDリーダのアンテナがオフされている。当該ステップにおいて、まず奇数番目のアンテナの全てをオンし、前記複数のアンテナのうちの奇数番目のアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に対象タグを所定回数読み取り、各タグ毎の奇数番目のアンテナの夫々による読取が成功した回数の合計を取得する。次に、奇数番目のアンテナをオフし、偶数番目のアンテナをオンし、前記複数のアンテナのうちの偶数番目のアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取り、各タグ毎の偶数番目のアンテナの夫々による読取が成功した回数の合計を取得する。勿論、奇数番目及び偶数番目の夫々のアンテナをオンする順序を逆にして、最初に偶数番目のアンテナをオンし、次に奇数番目のアンテナをオンしても良い。
【0043】
ステップS940において、読取回数を配列してタグの配列順序を取得する。当該ステップにおいて、各対象タグの、各アンテナによる読取成功回数の合計を、ソートすることにより、各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序を特定することができる。
【0044】
マルチアンテナRFIDリーダを使用してタグの位置測定を行うときに、以上のように、各対象タグ毎の対応するアンテナに対する正規化の読取確率に基づいて読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の対応するアンテナに対する距離を特定することができる。
【0045】
タグの対応するアンテナに対する距離と各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序とに基づいてタグの位置を特定することができる。
【0046】
マルチアンテナRFIDリーダの読取確率マップにおいて、表1における「原点との距離」と「正規化の読取確率」の二列のほか、アンテナの番号を含んで、タグの異なるアンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記異なるアンテナに対する距離との対応関係を指示する。
【0047】
また、好ましくは、同一の対象タグが当該対象タグの読取に成功した現在アンテナに隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたか否か、及び現在アンテナのどちら側に隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたかに基づいて、前記対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかを特定することができる。一つのタグが隣接する二つのアンテナにより読み取られた場合に、当該タグはこれら二つのアンテナの間に位置する。ステップS940で特定された各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序、各対象タグが前記現在アンテナのどちら側に位置するか、及び前記複数のアンテナの配列順序に基づいて、全ての対象タグの全体的な配列順序を特定する。
【0048】
また、マルチアンテナRFIDリーダを使用してタグ位置測定を行うときに、隣接するアンテナ間の距離が既知で、且つタグが配列された線とアンテナ平面との間の距離が既知であるため、各対象タグ毎の、現在アンテナに対する距離と当該対象を成功裏に読み取れる隣接するアンテナに対する距離とに基づいて、当該対象タグと現在アンテナの中心との間の連結線と、現在アンテナの垂直中心線との夾角を特定することができる。更に、各対象タグ毎の前記夾角と、各対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかとに基づいて、対象タグ間の距離を特定する。
【0049】
図10は本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定装置の模式的なブロック図を示している。同図に示したように、無線周波数識別タグ位置測定装置1000は、RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取るために用いられるタグ読取部1010と、各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出するために用いられるタグ読取情報記録部1020と、各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることによって各対象タグのアンテナに対する配列順序を特定するために用いられるタグソート部1030と、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて読取確率マップを検索することによって各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定するために用いられるタグ位置特定部1040とを備える。なお、読取確率マップには、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係が記録される。
【0050】
本発明による一実施例において、タグ読取部1010は更に、RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる複数のサンプルタグを所定回数読み取るために用いられることができる。前記複数のサンプルタグは前記アンテナの最大読取範囲内に均等に配置される。タグ読取情報記録部1020は更に、各サンプルタグについて指定発射電力毎のアンテナによる読取が成功した回数を記録し、各サンプルタグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率を算出するために用いられることができる。無線周波数識別タグ位置測定装置1000は更に、各サンプルタグ毎のアンテナに対する距離を測定するために用いられるタグ距離測定部1060と、各サンプルタグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率と当該サンプルタグのアンテナに対する距離とを記録して読取確率マップを作成するために用いられる読取確率マップ作成部1050とを備えても良い。
【0051】
本発明による別の実施例において、無線周波数識別タグ位置測定装置1000は更に、前記読取確率マップを記憶するために用いられる読取確率マップデータベース1070を備えても良い。
【0052】
本発明による別の実施例において、RFIDリーダのアンテナは一つのアンテナを備えても良い。前記対象タグは前記アンテナの中心から射線状に配列される。
【0053】
本発明による別の実施例において、RFIDリーダがシングルアンテナリーダの場合に、読取確率マップ作成部1050は更に、タグとアンテナの中心との間の連結線とアンテナの垂直中心線との各夾角での、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係を読取確率マップに記録することができる。そして、タグ位置特定部1040は更に、各対象タグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率及び各対象タグの配列した射線とアンテナの垂直中心線との間の夾角に基づいて読取確率マップを検索することによって各対象タグ毎のアンテナに対する距離を特定するために用いられることができる。
【0054】
本発明による別の実施例において、タグ位置特定部1040は更に、各対象タグ毎のアンテナに対する距離に基づいて対象タグ間の距離を特定するために用いられることができる。
【0055】
本発明による別の実施例において、RFIDリーダのアンテナは複数のアンテナを備えても良い。対象タグが配列される線は、前記複数のアンテナからなるアンテナ平面と平行する。
【0056】
本発明による別の実施例において、RFIDリーダがマルチアンテナリーダの場合に、各アンテナがその隣接するアンテナの最大読取範囲の中間位置における対象タグを読み取れるように前記複数のアンテナの間の間隔を設置することができる。タグ読取部1010は更に、前記複数のアンテナのうちの奇数番目のアンテナ及び偶数番目のアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取るために用いられることができる。タグ位置特定部1040は更に、各対象タグについての各アンテナによる読取成功回数の合計に対してソートすることによって各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序を特定するために用いられることができる。
【0057】
本発明による別の実施例において、タグ位置特定部1040は更に、同一の対象タグが当該対象タグの読取に成功した現在アンテナに隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたか否か、及び現在アンテナのどちら側に隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたかに基づいて前記対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかを特定するために用いられることができる。そして、タグソート部1030は更に、対象タグのアンテナ毎に対する配列順序、各対象タグが前記現在アンテナのどちら側に位置するか、及び前記複数のアンテナの配列順序に基づいて、対象タグの全体的な配列順序を特定するために用いられることができる。
【0058】
本発明による別の実施例において、タグ位置特定部1040は更に、各対象タグ毎の、現在アンテナに対する距離と当該対象を成功裏に読み取れる隣接するアンテナに対する距離とに基づいて、当該対象タグと現在アンテナの中心との間の連結線と現在アンテナの垂直中心線との夾角を特定し、各対象タグ毎の前記夾角及び各対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかに基づいて対象タグ間の距離を特定することができる。
【0059】
本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定装置の動作の更なる詳細については、上で述べた方法の各実施例を参照することができ、ここでは詳しく説明しない。
【0060】
また、この装置における各構成モジュール及び手段は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア或いはそれらの組み合わせによって配置されることができる。配置に使用可能な具体的な手法又は方式は当業者に熟知されているものであり、ここでは説明しない。ソフトウェア又はファームウェアにより実現される場合には、記憶媒体又はネットワークから専用のハードウェア構成を持つコンピュータに対して当該ソフトウェアを構成するプログラムをインストールし、各種プログラムがインストールされると、当該コンピュータは各種機能等を実行することができる。
【0061】
本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定装置は、RFIDリーダから独立な装置であっても良く、異なるメーカーによるRFIDリーダに適用可能である。
【0062】
図11は本発明による実施例の方法及び装置を実施できるコンピュータを示す模式的なブロック図である。図11においては、中央処理装置(CPU)1101が、読取専用メモリ(ROM)1102に記憶されたプログラム又はメモリ部1108からランダムアクセスメモリ(RAM)1103にアップロードされたプログラムに従って、各種の処理を実行する。RAM1103においても、必要に応じてCPU1101が各種の処理を実行するとき等に必要なデータが記憶されている。CPU1101、ROM1102及びRAM1103は互いにバス1104を介して接続されている。入力/出力インタフェース1105もバス1104に接続されている。
【0063】
入力部1106(キーボード、マウス等を含む)と、出力部1107(ディスプレイ、例えばブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等、及びスピーカ等を含む)と、メモリ部1108(ハードディスク等を含む)と、通信部1109(ネットワークインターフェースカード、例えばLANカード、モデム等を含む)とは、入力/出力インタフェース1105に接続されている。通信部1109がネットワーク、例えばインターネットを経由して通信処理を実行する。必要に応じて、入力/出力インタフェース1105にはドライバ1110も接続されている。例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等のような取り外し可能な媒体1111は、必要に応じてドライブ1110に取り付けられており、その中から読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じてメモリ部1108にインストールされる。
【0064】
ソフトウェアで前記の一連の処理を実現する場合、ネットワーク(例えば、インターネット)、又は記憶媒体(例えば、取り外し可能な媒体1111)からソフトウェアを構成するプログラムをインストールする。
【0065】
このような記憶媒体は、図11に示したような、その中にプログラムが記憶されているものであって、デバイスから離れて提供されることでユーザにプログラムを提供する取り外し可能な媒体1111には限定されないことを、当業者は理解すべきである。取り外し可能な媒体1111の例として、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク含む)、光ディスク(コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)やディジタルヴァーサタイルディスク(DVD)を含む)、光磁気ディスク(ミニディスク(登録商標)含む)及び半導体メモリがある。または、記憶媒体はROM1102、メモリ部1108に含まれるハードディスクなどでも良い。その中にプログラムが記憶されており、且つこれらを含むデバイスと一緒にユーザに提供される。
【0066】
本発明は更に、機器で読取可能な命令コードが記憶されたプログラム製品を提供する。前記の命令コードが機器で読取られて実行されると、前記の本発明による実施例の方法を実行することができる。
【0067】
それに対して、前記の機器で読み取り可能な命令コードが記憶されたプログラム製品を搭載する記憶媒体も本発明の開示に含まれる。前記の記憶媒体は、フロッピーディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリカード、メモリスティック等を含むが、これらに限定されない。
【0068】
以上の本発明の具体的な実施例の記述においては、一種の実施形態について記述し及び/又は示した特徴は、同一又は類似の形態で一つ又は複数の他の実施形態で使用されたり、他の実施形態における特徴と組み合わせたり、或は他の実施形態における特徴の代替とすることができる。
【0069】
ここで、説明する必要があるのは、語“含む/有する”が本文で使用される場合には、特徴、要素、ステップ又はコンポーネントの存在を意味するが、一つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ又はコンポーネントの存在又は付加を排除しない。
【0070】
また、本発明の方法は明細書において記述した時間順序に実行することには限られず、その他の時間順序に従って、並行に或は個別に実行されてもよい。従って、本明細書で記述した方法の実行順序は本発明の技術的範囲への限定を構成しない。
【0071】
本発明による実施例の前記方法及び装置は、物体の位置及び方位を監視する必要がある応用分野、特に物流及び生産ラインの管理分野に適用可能である。ユーザからの位置及び方位の識別要求に応じて対応するサービスを提供することができる。本発明による実施例の方法及び装置を更に容易に理解させるために、以下に幾つかの本発明による実施例の方法及び装置の適用シーンを説明する。理解すべきは、これら適用シーンは、説明のためのものに過ぎず、本発明を制限するわけではない点である。
【0072】
(適用シーン1)
現在殆どの物流においてタグが可視性を有しないため、整然と配列された物品の山から指定タグ付けの製品を探すことは非常に困難である。
【0073】
ここで、説明を容易にするために、タグの配列方式をアンテナの中心から射線方向に沿って配列するように指定する。当該方向に沿った配列ではない場合に、アンテナの位置と角度とを調整することによって所望の目的を実現することができる。一つのアンテナの範囲が全てのタグをカバーできない場合に、複数のアンテナを使用しても良い。
【0074】
本発明による実施例の方法及び装置を利用することは、まず位置測定計算に必要なアンテナの最大発射電力及び最小発射電力を設計する。その後に、アンテナの発射電力を予め設定される最大値に調整し、各タグ毎に、指定発射電力毎のアンテナによる読取が成功した回数を記録する。その後に、予め設計された最小出力電力に至るまでアンテナの発射電力をレベル順に小さく調整し、各レベル毎に各タグ毎の読取成功回数を取得する。次に、各タグに対応する成功読取回数を加算して、タグがアンテナにより成功裏に読み取られた回数の合計を取得する。各タグの成功読取回数の合計をソートすることによって各タグのアンテナに対する距離の配列順序を特定する。
【0075】
ユーザにより探したいタグID番号が入力されると、前記装置は、最終的に当該ID番号のタグがアンテナから近い順又は遠い順で配列された何番目のタグであるかという旨を返送する。ユーザは、目視で当該タグのタグ付き物体シーケンスにおける位置を直接に発見することができる。
【0076】
(適用シーン2)
倉庫のドア又は流通過程におけるあるドアを通過する物品を識別する必要がある場合に、本発明による実施例の方法及び装置を利用することにより、物品におけるRFIDタグの位置配列を算出して当該ドアを通過するときの各物品の積み上げの順序を速やかに発見することができる。
【0077】
また、マルチアンテナの結合により、縦方向に配列されたタグの配列順序の算出を実現することができる。
【0078】
(適用シーン3)
本発明による実施例の方法及び装置を利用することにより、歩行しているロボットが自身の速度と位置測定タグとに基づいて自身の位置、方位及び歩行方向を特定することができる。
【0079】
タグの位置測定と逆に、アンテナの位置測定を実現することもできる。アンテナに対する位置測定によってロボットの歩行方向と位置とに対する有効な測定を実現する。
【0080】
上記に本発明の具体的実施例を記述することにより本発明を開示したが、前述の実施例及び例示はいずれも例示的なものであり、限定的なものではないことを理解すべきである。当業者は添付の特許請求の範囲の技術的範囲内において、本発明に対する各種の修正、改良又は均等物を設計することができる。これらの修正、改良又は均等物は本発明の保護範囲内に含まれるものであると考えられるべきである。
【0081】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
コンピュータが、
RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取り、
各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、
各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、
各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定し、
各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出し、
各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定する
ことを特徴とする無線周波数識別RFIDタグ位置測定方法。
(付記2)
前記コンピュータが、更に、
前記アンテナを使用して前記複数の指定発射電力毎に線形配列となる、前記アンテナの最大読取範囲内に均等に配置される複数のサンプルタグを所定回数読み取り、
各サンプルタグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出し、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する距離を測定し、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率と当該サンプルタグの前記アンテナに対する距離とを記録して前記読取確率マップを作成する、
ことを特徴とする付記1に記載の方法。
(付記3)
前記アンテナは一つのアンテナを備え、前記対象タグは前記アンテナの中心から射線状に配列される、付記1又は2に記載の方法。
(付記4)
前記読取確率マップには、タグと前記アンテナの中心との間の連結線と、前記アンテナの垂直中心線との各夾角での、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係が更に記録され、
前記コンピュータが、更に、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率、及び前記射線と前記アンテナの垂直中心線との間の夾角に基づいて前記読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定する、
ことを特徴とする付記3に記載の方法。
(付記5)
前記コンピュータが、更に、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離に基づいて前記対象タグ間の距離を特定する
ことを特徴とする付記3に記載の方法。
(付記6)
前記アンテナは複数のアンテナを含み、前記対象タグが配列される線は前記複数のアンテナからなるアンテナ平面と平行する、付記1又は2に記載の方法。
(付記7)
前記複数のアンテナの間の間隔は、各アンテナがその隣接するアンテナの最大読取範囲の中間位置における対象タグを読み取れるように設置され、
前記読取は、前記複数のアンテナのうちの奇数番目のアンテナ及び偶数番目のアンテナを使用して前記複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取ることを更に含み、及び
前記の各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定することは、各対象タグについての各アンテナによる読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序を特定することを更に含む、付記6に記載の方法。
(付記8)
前記コンピュータが、更に、
同一の対象タグが当該対象タグの読取に成功した現在アンテナに隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたか否か、及び現在アンテナのどちら側に隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたかに基づいて、前記対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかを特定し、
対象タグのアンテナ毎に対する配列順序、各対象タグが前記現在アンテナのどちら側に位置するか、及び前記複数のアンテナの配列順序に基づいて、前記対象タグの全体配列順序を特定する、
ことを特徴とする付記7に記載の方法。
(付記9)
前記コンピュータが、更に、
各対象タグ毎の、現在アンテナに対する距離と当該対象を成功裏に読み取れる隣接するアンテナに対する距離とに基づいて、当該対象タグと現在アンテナの中心との間の連結線と現在アンテナの垂直中心線との夾角を特定し、
各対象タグ毎の前記夾角と、各対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかとに基づいて、対象タグ間の距離を特定する、
ことを特徴とする付記7に記載の方法。
(付記10)
RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取るよう配置されるタグ読取部と、
各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出するよう配置されるタグ読取情報記録部と、
各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定するよう配置されるタグソート部と、
各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定するよう配置されるタグ位置特定部と、
を備える無線周波数識別RFIDタグ位置測定装置。
(付記11)
前記タグ読取部は更に、前記アンテナを使用して前記複数の指定発射電力毎に線形配列となる複数のサンプルタグを所定回数読み取るよう配置され、前記複数のサンプルタグは前記アンテナの最大読取範囲内に均等に配置され、
前記タグ読取情報記録部は更に、各サンプルタグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出するよう配置され、
前記装置は、更に、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する距離を測定するよう配置されるタグ距離測定部と、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率と当該サンプルタグの前記アンテナに対する距離とを記録して前記読取確率マップを作成するよう配置される読取確率マップ作成部と、
を備える、付記10に記載の装置。
(付記12)
前記アンテナは一つのアンテナを備え、前記対象タグは前記アンテナの中心から射線状に配列される、付記10又は11に記載の装置。
(付記13)
前記読取確率マップ作成部は、更に、タグと前記アンテナの中心との間の連結線と、前記アンテナの垂直中心線との各夾角での、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係とを前記読取確率マップに記録し、
前記タグ位置特定部は更に、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率、及び前記射線と前記アンテナの垂直中心線との間の夾角に基づいて前記読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定するよう配置される、付記12に記載の装置。
(付記14)
前記タグ位置特定部は更に、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離に基づいて前記対象タグ間の距離を特定するよう配置される、付記12に記載の装置。
(付記15)
前記アンテナは複数のアンテナを含み、前記対象タグが配列される線は前記複数のアンテナからなるアンテナ平面と平行する、付記10又は11に記載の装置。
(付記16)
前記複数のアンテナの間の間隔は、各アンテナがその隣接するアンテナの最大読取範囲の中間位置における対象タグを読み取れるように設置され、
前記タグ読取部は更に、前記複数のアンテナのうちの奇数番目のアンテナ及び偶数番目のアンテナを使用して前記複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取るよう配置され、
前記タグ位置特定部は更に、各対象タグについての各アンテナによる読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序を特定するよう配置される、付記15に記載の装置。
(付記17)
前記タグ位置特定部は更に、同一の対象タグが当該対象タグの読取に成功した現在アンテナに隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたか否か、及び現在アンテナのどちら側に隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたかに基づいて、前記対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかを特定するよう配置され、
前記タグソート部は更に、対象タグのアンテナ毎に対する配列順序、各対象タグが前記現在アンテナのどちら側に位置するか、及び前記複数のアンテナの配列順序に基づいて、前記対象タグの全体配列順序を特定するよう配置される、付記16に記載の装置。
(付記18)
更に、前記読取確率マップを記憶するデータベースを備える、付記10に記載の装置。
【符号の説明】
【0082】
1000 無線周波数識別タグ位置測定装置
1010 タグ読取部
1020 タグ読取情報記録部
1030 タグソート部
1040 タグ位置特定部
1050 読取確率マップ作成部
1060 タグ距離測定部
1070 読取確率マップデータベース
a1〜a8 タグ
α 夾角
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線周波数識別の分野、特に無線周波数識別タグ位置測定方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、RFID(Radio Frequency Identification:無線周波数識別)タグの位置測定により目標物体の位置を測定する方法は、物流や生産ラインの分野において益々重要になっている。また、RFIDタグを測定する方法によりRFIDリーダを備えた移動物体の位置及び方位を特定する方法もロボット制御分野において広く応用されている。UHF帯(超高周波数)のRFIDによりタグを遠隔で識別し、読み取ることが可能となり、当該周波数範囲により、距離が10m程のパッシブタグを識別することができる。その性能によってRFIDタグの物流及び生産ラインにおける応用の可能性が大幅に高まる。UHF帯のRFID技術が広く応用されるにつれて、一つのRFIDリーダはその読取領域内の複数のタグを同時に識別し、読み取ることが可能になる。しかしながら、これに伴ってそのうちの一つの指定されたタグを検索することが非常に困難になるという問題が発生する。
【0003】
今まで、多種の位置測定方法、例えばRSS(receiving signal strength:受信信号の強度)、AOA(angle of arrival:信号の到着角度)、TOA(time of arrival:信号の到着の時間)、TDOA(time difference of arrival:信号の到着時間の差分)等の信号特性を利用して位置測定を実現する方法が開発されている。しかしながら、これら方法の何れも高コストであるという欠点を伴う。RSS方法では、位置測定の精度が低く、誤差が数メートルにさえなる。
【0004】
特開2009−080133号公報(特許文献1)には、リーダにより発射された異なる周波数の電磁波がRFIDタグから反射された後に、リーダが受信した発射波の位相差分によりタグとリーダとの距離を測定する方法が提案されている。当該方法は、特定のリーダを用いて実施される必要があり、且つタグとリーダとの相対的な方位を識別できず、タグとリーダとの距離しか識別できない。
【0005】
米国特許出願公開第2009/0167495(A1)号明細書(特許文献2)には、指定されたタグを測定する装置が提案されている。RFIDタグにLED装置を附設し、指定されたタグを探索しようとするときに、リーダが当該タグに信号を送信し、当該タグは、LEDを点灯して、自身がリーダの探索しようとするタグであることを表明する。
【0006】
特許文献2は、指定タグの探索にとって確かに非常に良い方法であるが、タグにLED装置を附設する必要がある。LED装置の附設により、タグの製造コストが高くなると共に、タグの環境に対する適応力が低下する。したがって、LEDに不適な作業環境、例えば湿っぽく、衝撃の受けやすい環境において、当該タグが適用できなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−080133号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2009/0167495(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、以上の従来技術における事情を鑑みてなされたものであり、従来の汎用RFIDリーダを利用して比較的正確なタグの位置測定を行える無線周波数識別タグ位置測定方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に、本発明の幾つかの態様についての基本的な理解のために、本発明についての概要を記述する。この概要は、本発明についての包括的な概述ではないことを理解すべきである。これは、本発明のキー又は重要な部分を確定することを意図せず、また、本発明の範囲を限定することを意図しないことを理解すべきである。その目的は、単に、簡単化された形態でいくらかの概念を与えることにある。これを、後述のより詳しい記述の前書きとする。
【0010】
本発明による一態様は、無線周波数識別RFIDタグ位置測定方法であって、コンピュータが、RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取り、各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定し、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出し、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定することを特徴とする無線周波数識別RFIDタグ位置測定方法が提供される。
【0011】
本発明による別の態様は、無線周波数識別RFIDタグ位置測定装置であって、RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取るよう配置されるタグ読取部と、各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出するよう配置されるタグ読取情報記録部と、各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定するよう配置されるタグソート部と、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定するよう配置されるタグ位置特定部とを備える無線周波数識別RFIDタグ位置測定装置が提供される。
【0012】
以下に図面に基づいて本発明に係る最適な実施例を詳細に説明することにより、本発明の上記及びその他の利点がより明らかになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態によれば、従来の汎用RFIDリーダを利用して比較的正確なタグの位置測定を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定方法のフローチャートを示している。
【図2】本発明による実施例の読取確率マップ作成のフローチャートを示している。
【図3】シングルアンテナの読取範囲の模式図を示している。
【図4】本発明による実施例のシングルアンテナの場合のタグ配列の例示図を示している。
【図5】本発明による別の実施例の読取確率マップ作成のフローチャートを示している。
【図6】本発明による実施例のシングルアンテナの場合の指定タグの位置取得の例示的なフローチャートを示している。
【図7】マルチアンテナの読取範囲の模式図を示している。
【図8】本発明による実施例のマルチアンテナの場合のタグ配列の例示図を示している。
【図9】本発明による実施例のマルチアンテナの場合のタグの配列順序の特定のフローチャートを示している。
【図10】本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定装置の模式的なブロック図を示している。
【図11】本発明による実施例の方法及び装置を実施するために用いられるコンピュータの模式的なブロック図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づく本発明に係る実施例に対する説明を参照することで、本発明の上記及びその他の目的、特徴及び利点をより容易に理解することができる。図面における部品は本発明の原理を示すためのものに過ぎない。図面において、同一又は類似の技術的特徴又は部品は、同一又は類似の参照符号で示される。
【0016】
また、必要以上に詳述することによって本発明が不明瞭になるのを防ぐために、図面には、本発明による方法及び装置に密接な関係がある装置構成及び/または処理ステップだけを示しており、本発明にあまり関係のないその他の詳細は省略されていることに留意されたい。
【0017】
以下に、本発明の例となる実施例を図面に基づいて記述する。明瞭さ及び簡便のため、明細書には実際の実施形態の全ての特徴が記述されているわけではない。しかし、以下のことが理解されるべきであり、即ち、このような実際の実施例を開発する過程において、開発者の具体的な目標を実現するためには、実施形態に特定される多くのことを決定しなければならないことである。例えば、システムと業務とに関連する様々な制限条件を満たすことであり、これらの制限条件は相違する実施形態によって変化する可能性がある。なお、開発の仕事は非常に複雑であり、時間を費やす可能性があるのだが、ここに開示している内容を利用する当業者には、このような開発の仕事は日常業務にすぎない。
【0018】
現在利用されているUHF帯RFIDタグは、遠隔読取可能であり、パッシブRFIDタグの読取距離が10mとなることが可能であるという特徴と、RFIDリーダ及びタグの規格の種類が多いという特徴と、RFIDリーダの読取可能領域内で読み取られる確率がタグとRFIDリーダとの相対的な距離に関連するという特徴と、一回で複数のタグを読み取れるという特徴とを具備する。ところが、既存のRFIDタグ位置測定システムは、RFIDリーダのハードウェア構成を変更することなしにタグの位置分布を正確に特定することができない。
【0019】
本発明は、RFIDタグの読取確率が距離によって変化するという前記特徴を考慮したうえで、線形配列となる各対象タグ毎のRFIDリーダアンテナに対する正規化の読取確率に基づいて読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定する。ここで、読取確率マップには、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が記録される。したがって、従来の汎用RFIDリーダで、比較正確にタグの位置測定を実現することができる。
【0020】
以下に、図1〜図10を参照して本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定方法及び装置を説明する。
【0021】
図1は、本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定方法のフローチャートを示している。同図に示したように、ステップS110において、無線周波数識別タグ位置測定装置(図10)のタグ読み取り部1010が、RFIDリーダアンテナを利用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取る。ここで、「対象タグ」は、位置測定待ちのタグを指す。仮に、前記の所定回数はN回、複数の指定発射電力はPW1、PW2、・・・、PWk(kは1より大きい正整数)とする。発射電力毎に対象タグをN回読み取る。UHF帯RFIDタグは、RFIDリーダの読取可能領域内で読取られる確率がタグとRFIDリーダとの相対的な角度に関連するという特徴を有することを考慮したうえで、対象タグを線形に配列する。線形配列は、ある程度角度によるタグの読取確率への影響を軽減することができる。この点についての詳細は後述の実施例において説明する。
【0022】
その後に、ステップS120において、無線周波数識別タグ位置測定装置のタグ読取情報記録部1020が、各対象タグについて、指定発射電力毎にアンテナによる読取が成功した回数を記録する。対象タグjについて、発射電力PWk(1≦k≦K)におけるアンテナiによる読取成功回数はXijkとする。
【0023】
次に、ステップS130において、タグ読取情報記録部1020が、各対象タグについてのアンテナによる読取成功回数の合計を算出する。対象タグjについて、同一アンテナiによる読取成功回数の合計は、Xijとし、Xij=Xij1+Xij2+・・・+XijKである。
【0024】
次に、ステップS150において、タグ読取情報記録部1020が、各対象タグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率を算出する。対象タグjについて、アンテナiに対する正規化の読取確率はPRijとしPRij=Xij/(NK)である。
【0025】
その後に、ステップS160において、無線周波数識別タグ位置測定装置のタグ位置特定部1040が、各対象タグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率に基づいて読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎のアンテナに対する距離を特定する。ここで、読取確率マップには、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が記録される。
【0026】
また、本実施例において、タグのアンテナに対する配列順序を特定するステップを含んでも良い。ステップS130において各対象タグについてのアンテナによる読取成功回数の合計を算出した後に、ステップS140において、無線周波数識別タグ位置測定装置のタグソート部1030が、各対象タグについてのアンテナによる読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグのアンテナに対する配列順序を特定する。例えば、各タグ毎の読取成功回数の合計Xijを大きい順で配列すれば、タグのアンテナに対して近い順の配列順序を取得することができる。逆にしても同様である。
【0027】
ここで、使用するRFIDリーダに対して、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が記録された読取確率マップを予め作成しておいても良い。タグのアンテナに対する距離が測定により取得可能である以外、読取確率マップの作成の過程は、本発明の上記実施例による無線周波数識別タグ位置測定方法の過程と同様である。図2は、例示として本発明による実施例の読取確率マップの作成のフローチャートを示している。図2に記載の処理は、無線周波数識別タグ位置測定装置(図10)の読取確率マップ作成部1050によって行われる。
【0028】
図2に示したように、ステップS210において、アンテナを用いて複数の指定発射電力毎に線形配列となる複数のサンプルタグを所定回数読み取る。複数のサンプルタグは、アンテナの最大読取範囲内に均等に配置される。ここで、「サンプルタグ」は、読取確率マップにおけるタグのアンテナに対する距離サンプルを生成するために用いられるタグを指し、実際に位置測定する必要がある対象タグと区別するようにする。サンプルタグをアンテナの最大読取範囲内に均等に配置するのは、タグのアンテナに対する距離サンプルをできるだけ多く取得するためである。また、理想的な場合においては、以下のステップで正規化の読取確率をできるだけ正確に取得するように、アンテナを用いて使用可能な発射電力毎にサンプルタグを読み取る。ところが、システムの実現上の複雑性及び取得性能の向上の費用対効果比を考慮したうえで、一般的に部分的な発射電力のみを選択して読取を行う。最大発射電力範囲内に発射電力を均等に選択すると、取得された正規化の読取確率の正確度の向上に寄与することができる。
【0029】
その後に、ステップS220において、各サンプルタグについて、指定発射電力毎にアンテナによる読取が成功した回数を記録する。次に、ステップS230で各サンプルタグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率を算出し、ステップS240で各サンプルタグ毎のアンテナに対する距離を測定する。その後に、ステップS250において、各サンプルタグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率と当該サンプルタグのアンテナに対する距離とを記録して読取確率マップを作成する。
【0030】
以下に、RFIDリーダが一個のアンテナを備える場合及び複数のアンテナを備える場合の夫々に対して、本発明による実施例の方法の適用例を説明する。
【0031】
図3はシングルアンテナの読取範囲の模式図を示している。ここで、点線で示した楕円形はリーダアンテナの異なる発射電力での読取範囲を示し、実線の横棒はRFIDタグを示す。同図からわかるように、アンテナに近いタグであるほど、タグが含まれ得る発射電力読取範囲は多くなり、即ち、より多くの発射電力で読取可能となる。
【0032】
図4は本発明による実施例のシングルアンテナの場合のタグ配列の模式図を示している。タグは線形方式で配列される。説明を容易にするために、タグの配列方式をアンテナの中心から射線状に配列する方式とする。実際に位置測定しようとするタグの配列がこの方向に沿う配列ではない場合には、アンテナの位置と角度とを調整することによりこのような配列を実現することができる。タグの配列した射線とアンテナの垂直中心線との夾角はαである。このように、射線における各タグとアンテナの垂直中心線との夾角が等しくなり、角度によるタグの読取確率への影響を解消することができる。
【0033】
一般的に、簡単にするために、タグの配列した射線がアンテナの垂直中心線にあるように指定しても良い。即ち、夾角α=0°とする。
【0034】
図5は本発明による別の実施例の読取確率マップの作成のフローチャートを示している。タグが配列される射線とアンテナの垂直中心線との夾角αが0°ではない場合に、図5に示したフローチャートに従ってシングルアンテナRFIDリーダに対して読取確率マップを作成することができる。
【0035】
ステップS510において、無線周波数識別タグ位置測定装置の読取確率マップ作成部1050が、サンプルタグを所定の間隔でアンテナの最大読取範囲内において射線状に配列し、各射線とアンテナの垂直中心線との夾角αを記録する。次に、ステップS520において、読取確率マップ作成部1050が、各サンプルタグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率を取得し、その詳細について上記の本発明による実施例に説明した内容を参照することができる。その後に、ステップS530において、無線周波数識別タグ位置測定装置のタグ距離測定部1060が、アンテナの読取確率分布を利用して読取確率マップを作成する。作成された読取確率マップにおいて、タグとアンテナの中心との間の連結線とアンテナの垂直中心線との各夾角での、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係が更に記録される。表1はこのような読取確率マップの例を示した。ここで、原点はアンテナの中心位置を指す。
【表1】
【0036】
表1において、簡単にするために、α=0°とα=30°の場合のみが示された。無論、表1は、その他の角度(例えば60°、90°等)のαでのタグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離とを含んでも良い。
【0037】
図6は本発明による実施例のシングルアンテナの場合の指定タグの位置取得の例示的なフローチャートを示している。当該実施例において、更にタグの配列方向とアンテナの垂直中心線との夾角を考慮する。同図に示したように、ステップS610において、射線状に配列された対象タグシーケンスを読み取る。ここで、対象タグの配列方向とアンテナの垂直中心線との夾角はαである。ステップS620において、指定された対象タグのアンテナに対する正規化の読取確率を取得する。当該ステップの詳細については、上記の図1におけるステップS110、S120、S130及びS150の説明を参照でき、ここでは詳しく説明しない。次に、ステップS630において、記録した夾角αと取得した正規化の読取確率とに基づいて読取確率マップを検索して、指定された対象タグとアンテナの中心との距離を特定する。ここで、図5の実施例により作成された読取確率マップを使用することができる。最後に、ステップS640において、特定された距離と夾角とを、指定されたタグの位置として出力することができる。
【0038】
また、当該実施例において、一種の応用として、各対象タグ毎のアンテナに対する距離に基づいて対象タグ間の距離を特定することもできる。例えば、タグ間の距離が急に大きくなることにより、整然と配列された物体のうち個別の物体の紛失を検知することができる。
【0039】
図7はマルチアンテナの読取範囲の模式図を示している。図3と同様に、点線で示した楕円形はリーダアンテナの異なる発射電力での読取範囲を示し、実線の横棒はRFIDタグを示す。
【0040】
図8は本発明による実施例のマルチアンテナの場合のタグ配列の例示図を示している。同様に、タグは線形方式で配列される。図8の例示において、対象タグが配列された線は、複数のアンテナからなるアンテナ平面と平行する。また、例示として、アンテナの夫々がその隣接するアンテナの最大読取範囲の中間位置における対象タグを読み取れるように、複数のアンテナの間の間隔を設置する。図8に示したように、リーダアンテナ2はリーダアンテナ1の最大読取範囲の中間位置におけるタグa3を読み取ることができる。
【0041】
図9は本発明による実施例のマルチアンテナの場合のタグの配列順序の特定の例示的なフローチャートを示している。当該実施例において、RFIDリーダの複数のアンテナは、図8に示した方式に従って配列される。ステップS910において、線形配列となるタグシーケンスを読み取る。ここで、タグシーケンスはアンテナ平面と平行する。ステップS920において、アンテナが隣接するアンテナの最大読取範囲の中間位置を読み取れるようにアンテナの間隔を設置する。
【0042】
ステップS930において、奇偶の順でアンテナをオンして各タグの読取回数を取得する。この処理を行う前に、RFIDリーダのアンテナがオフされている。当該ステップにおいて、まず奇数番目のアンテナの全てをオンし、前記複数のアンテナのうちの奇数番目のアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に対象タグを所定回数読み取り、各タグ毎の奇数番目のアンテナの夫々による読取が成功した回数の合計を取得する。次に、奇数番目のアンテナをオフし、偶数番目のアンテナをオンし、前記複数のアンテナのうちの偶数番目のアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取り、各タグ毎の偶数番目のアンテナの夫々による読取が成功した回数の合計を取得する。勿論、奇数番目及び偶数番目の夫々のアンテナをオンする順序を逆にして、最初に偶数番目のアンテナをオンし、次に奇数番目のアンテナをオンしても良い。
【0043】
ステップS940において、読取回数を配列してタグの配列順序を取得する。当該ステップにおいて、各対象タグの、各アンテナによる読取成功回数の合計を、ソートすることにより、各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序を特定することができる。
【0044】
マルチアンテナRFIDリーダを使用してタグの位置測定を行うときに、以上のように、各対象タグ毎の対応するアンテナに対する正規化の読取確率に基づいて読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の対応するアンテナに対する距離を特定することができる。
【0045】
タグの対応するアンテナに対する距離と各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序とに基づいてタグの位置を特定することができる。
【0046】
マルチアンテナRFIDリーダの読取確率マップにおいて、表1における「原点との距離」と「正規化の読取確率」の二列のほか、アンテナの番号を含んで、タグの異なるアンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記異なるアンテナに対する距離との対応関係を指示する。
【0047】
また、好ましくは、同一の対象タグが当該対象タグの読取に成功した現在アンテナに隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたか否か、及び現在アンテナのどちら側に隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたかに基づいて、前記対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかを特定することができる。一つのタグが隣接する二つのアンテナにより読み取られた場合に、当該タグはこれら二つのアンテナの間に位置する。ステップS940で特定された各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序、各対象タグが前記現在アンテナのどちら側に位置するか、及び前記複数のアンテナの配列順序に基づいて、全ての対象タグの全体的な配列順序を特定する。
【0048】
また、マルチアンテナRFIDリーダを使用してタグ位置測定を行うときに、隣接するアンテナ間の距離が既知で、且つタグが配列された線とアンテナ平面との間の距離が既知であるため、各対象タグ毎の、現在アンテナに対する距離と当該対象を成功裏に読み取れる隣接するアンテナに対する距離とに基づいて、当該対象タグと現在アンテナの中心との間の連結線と、現在アンテナの垂直中心線との夾角を特定することができる。更に、各対象タグ毎の前記夾角と、各対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかとに基づいて、対象タグ間の距離を特定する。
【0049】
図10は本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定装置の模式的なブロック図を示している。同図に示したように、無線周波数識別タグ位置測定装置1000は、RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取るために用いられるタグ読取部1010と、各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出するために用いられるタグ読取情報記録部1020と、各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることによって各対象タグのアンテナに対する配列順序を特定するために用いられるタグソート部1030と、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて読取確率マップを検索することによって各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定するために用いられるタグ位置特定部1040とを備える。なお、読取確率マップには、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係が記録される。
【0050】
本発明による一実施例において、タグ読取部1010は更に、RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる複数のサンプルタグを所定回数読み取るために用いられることができる。前記複数のサンプルタグは前記アンテナの最大読取範囲内に均等に配置される。タグ読取情報記録部1020は更に、各サンプルタグについて指定発射電力毎のアンテナによる読取が成功した回数を記録し、各サンプルタグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率を算出するために用いられることができる。無線周波数識別タグ位置測定装置1000は更に、各サンプルタグ毎のアンテナに対する距離を測定するために用いられるタグ距離測定部1060と、各サンプルタグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率と当該サンプルタグのアンテナに対する距離とを記録して読取確率マップを作成するために用いられる読取確率マップ作成部1050とを備えても良い。
【0051】
本発明による別の実施例において、無線周波数識別タグ位置測定装置1000は更に、前記読取確率マップを記憶するために用いられる読取確率マップデータベース1070を備えても良い。
【0052】
本発明による別の実施例において、RFIDリーダのアンテナは一つのアンテナを備えても良い。前記対象タグは前記アンテナの中心から射線状に配列される。
【0053】
本発明による別の実施例において、RFIDリーダがシングルアンテナリーダの場合に、読取確率マップ作成部1050は更に、タグとアンテナの中心との間の連結線とアンテナの垂直中心線との各夾角での、タグのアンテナに対する正規化の読取確率とタグのアンテナに対する距離との対応関係を読取確率マップに記録することができる。そして、タグ位置特定部1040は更に、各対象タグ毎のアンテナに対する正規化の読取確率及び各対象タグの配列した射線とアンテナの垂直中心線との間の夾角に基づいて読取確率マップを検索することによって各対象タグ毎のアンテナに対する距離を特定するために用いられることができる。
【0054】
本発明による別の実施例において、タグ位置特定部1040は更に、各対象タグ毎のアンテナに対する距離に基づいて対象タグ間の距離を特定するために用いられることができる。
【0055】
本発明による別の実施例において、RFIDリーダのアンテナは複数のアンテナを備えても良い。対象タグが配列される線は、前記複数のアンテナからなるアンテナ平面と平行する。
【0056】
本発明による別の実施例において、RFIDリーダがマルチアンテナリーダの場合に、各アンテナがその隣接するアンテナの最大読取範囲の中間位置における対象タグを読み取れるように前記複数のアンテナの間の間隔を設置することができる。タグ読取部1010は更に、前記複数のアンテナのうちの奇数番目のアンテナ及び偶数番目のアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取るために用いられることができる。タグ位置特定部1040は更に、各対象タグについての各アンテナによる読取成功回数の合計に対してソートすることによって各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序を特定するために用いられることができる。
【0057】
本発明による別の実施例において、タグ位置特定部1040は更に、同一の対象タグが当該対象タグの読取に成功した現在アンテナに隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたか否か、及び現在アンテナのどちら側に隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたかに基づいて前記対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかを特定するために用いられることができる。そして、タグソート部1030は更に、対象タグのアンテナ毎に対する配列順序、各対象タグが前記現在アンテナのどちら側に位置するか、及び前記複数のアンテナの配列順序に基づいて、対象タグの全体的な配列順序を特定するために用いられることができる。
【0058】
本発明による別の実施例において、タグ位置特定部1040は更に、各対象タグ毎の、現在アンテナに対する距離と当該対象を成功裏に読み取れる隣接するアンテナに対する距離とに基づいて、当該対象タグと現在アンテナの中心との間の連結線と現在アンテナの垂直中心線との夾角を特定し、各対象タグ毎の前記夾角及び各対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかに基づいて対象タグ間の距離を特定することができる。
【0059】
本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定装置の動作の更なる詳細については、上で述べた方法の各実施例を参照することができ、ここでは詳しく説明しない。
【0060】
また、この装置における各構成モジュール及び手段は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア或いはそれらの組み合わせによって配置されることができる。配置に使用可能な具体的な手法又は方式は当業者に熟知されているものであり、ここでは説明しない。ソフトウェア又はファームウェアにより実現される場合には、記憶媒体又はネットワークから専用のハードウェア構成を持つコンピュータに対して当該ソフトウェアを構成するプログラムをインストールし、各種プログラムがインストールされると、当該コンピュータは各種機能等を実行することができる。
【0061】
本発明による実施例の無線周波数識別タグ位置測定装置は、RFIDリーダから独立な装置であっても良く、異なるメーカーによるRFIDリーダに適用可能である。
【0062】
図11は本発明による実施例の方法及び装置を実施できるコンピュータを示す模式的なブロック図である。図11においては、中央処理装置(CPU)1101が、読取専用メモリ(ROM)1102に記憶されたプログラム又はメモリ部1108からランダムアクセスメモリ(RAM)1103にアップロードされたプログラムに従って、各種の処理を実行する。RAM1103においても、必要に応じてCPU1101が各種の処理を実行するとき等に必要なデータが記憶されている。CPU1101、ROM1102及びRAM1103は互いにバス1104を介して接続されている。入力/出力インタフェース1105もバス1104に接続されている。
【0063】
入力部1106(キーボード、マウス等を含む)と、出力部1107(ディスプレイ、例えばブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等、及びスピーカ等を含む)と、メモリ部1108(ハードディスク等を含む)と、通信部1109(ネットワークインターフェースカード、例えばLANカード、モデム等を含む)とは、入力/出力インタフェース1105に接続されている。通信部1109がネットワーク、例えばインターネットを経由して通信処理を実行する。必要に応じて、入力/出力インタフェース1105にはドライバ1110も接続されている。例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等のような取り外し可能な媒体1111は、必要に応じてドライブ1110に取り付けられており、その中から読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じてメモリ部1108にインストールされる。
【0064】
ソフトウェアで前記の一連の処理を実現する場合、ネットワーク(例えば、インターネット)、又は記憶媒体(例えば、取り外し可能な媒体1111)からソフトウェアを構成するプログラムをインストールする。
【0065】
このような記憶媒体は、図11に示したような、その中にプログラムが記憶されているものであって、デバイスから離れて提供されることでユーザにプログラムを提供する取り外し可能な媒体1111には限定されないことを、当業者は理解すべきである。取り外し可能な媒体1111の例として、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク含む)、光ディスク(コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)やディジタルヴァーサタイルディスク(DVD)を含む)、光磁気ディスク(ミニディスク(登録商標)含む)及び半導体メモリがある。または、記憶媒体はROM1102、メモリ部1108に含まれるハードディスクなどでも良い。その中にプログラムが記憶されており、且つこれらを含むデバイスと一緒にユーザに提供される。
【0066】
本発明は更に、機器で読取可能な命令コードが記憶されたプログラム製品を提供する。前記の命令コードが機器で読取られて実行されると、前記の本発明による実施例の方法を実行することができる。
【0067】
それに対して、前記の機器で読み取り可能な命令コードが記憶されたプログラム製品を搭載する記憶媒体も本発明の開示に含まれる。前記の記憶媒体は、フロッピーディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリカード、メモリスティック等を含むが、これらに限定されない。
【0068】
以上の本発明の具体的な実施例の記述においては、一種の実施形態について記述し及び/又は示した特徴は、同一又は類似の形態で一つ又は複数の他の実施形態で使用されたり、他の実施形態における特徴と組み合わせたり、或は他の実施形態における特徴の代替とすることができる。
【0069】
ここで、説明する必要があるのは、語“含む/有する”が本文で使用される場合には、特徴、要素、ステップ又はコンポーネントの存在を意味するが、一つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ又はコンポーネントの存在又は付加を排除しない。
【0070】
また、本発明の方法は明細書において記述した時間順序に実行することには限られず、その他の時間順序に従って、並行に或は個別に実行されてもよい。従って、本明細書で記述した方法の実行順序は本発明の技術的範囲への限定を構成しない。
【0071】
本発明による実施例の前記方法及び装置は、物体の位置及び方位を監視する必要がある応用分野、特に物流及び生産ラインの管理分野に適用可能である。ユーザからの位置及び方位の識別要求に応じて対応するサービスを提供することができる。本発明による実施例の方法及び装置を更に容易に理解させるために、以下に幾つかの本発明による実施例の方法及び装置の適用シーンを説明する。理解すべきは、これら適用シーンは、説明のためのものに過ぎず、本発明を制限するわけではない点である。
【0072】
(適用シーン1)
現在殆どの物流においてタグが可視性を有しないため、整然と配列された物品の山から指定タグ付けの製品を探すことは非常に困難である。
【0073】
ここで、説明を容易にするために、タグの配列方式をアンテナの中心から射線方向に沿って配列するように指定する。当該方向に沿った配列ではない場合に、アンテナの位置と角度とを調整することによって所望の目的を実現することができる。一つのアンテナの範囲が全てのタグをカバーできない場合に、複数のアンテナを使用しても良い。
【0074】
本発明による実施例の方法及び装置を利用することは、まず位置測定計算に必要なアンテナの最大発射電力及び最小発射電力を設計する。その後に、アンテナの発射電力を予め設定される最大値に調整し、各タグ毎に、指定発射電力毎のアンテナによる読取が成功した回数を記録する。その後に、予め設計された最小出力電力に至るまでアンテナの発射電力をレベル順に小さく調整し、各レベル毎に各タグ毎の読取成功回数を取得する。次に、各タグに対応する成功読取回数を加算して、タグがアンテナにより成功裏に読み取られた回数の合計を取得する。各タグの成功読取回数の合計をソートすることによって各タグのアンテナに対する距離の配列順序を特定する。
【0075】
ユーザにより探したいタグID番号が入力されると、前記装置は、最終的に当該ID番号のタグがアンテナから近い順又は遠い順で配列された何番目のタグであるかという旨を返送する。ユーザは、目視で当該タグのタグ付き物体シーケンスにおける位置を直接に発見することができる。
【0076】
(適用シーン2)
倉庫のドア又は流通過程におけるあるドアを通過する物品を識別する必要がある場合に、本発明による実施例の方法及び装置を利用することにより、物品におけるRFIDタグの位置配列を算出して当該ドアを通過するときの各物品の積み上げの順序を速やかに発見することができる。
【0077】
また、マルチアンテナの結合により、縦方向に配列されたタグの配列順序の算出を実現することができる。
【0078】
(適用シーン3)
本発明による実施例の方法及び装置を利用することにより、歩行しているロボットが自身の速度と位置測定タグとに基づいて自身の位置、方位及び歩行方向を特定することができる。
【0079】
タグの位置測定と逆に、アンテナの位置測定を実現することもできる。アンテナに対する位置測定によってロボットの歩行方向と位置とに対する有効な測定を実現する。
【0080】
上記に本発明の具体的実施例を記述することにより本発明を開示したが、前述の実施例及び例示はいずれも例示的なものであり、限定的なものではないことを理解すべきである。当業者は添付の特許請求の範囲の技術的範囲内において、本発明に対する各種の修正、改良又は均等物を設計することができる。これらの修正、改良又は均等物は本発明の保護範囲内に含まれるものであると考えられるべきである。
【0081】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
コンピュータが、
RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取り、
各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、
各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、
各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定し、
各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出し、
各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定する
ことを特徴とする無線周波数識別RFIDタグ位置測定方法。
(付記2)
前記コンピュータが、更に、
前記アンテナを使用して前記複数の指定発射電力毎に線形配列となる、前記アンテナの最大読取範囲内に均等に配置される複数のサンプルタグを所定回数読み取り、
各サンプルタグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出し、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する距離を測定し、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率と当該サンプルタグの前記アンテナに対する距離とを記録して前記読取確率マップを作成する、
ことを特徴とする付記1に記載の方法。
(付記3)
前記アンテナは一つのアンテナを備え、前記対象タグは前記アンテナの中心から射線状に配列される、付記1又は2に記載の方法。
(付記4)
前記読取確率マップには、タグと前記アンテナの中心との間の連結線と、前記アンテナの垂直中心線との各夾角での、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係が更に記録され、
前記コンピュータが、更に、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率、及び前記射線と前記アンテナの垂直中心線との間の夾角に基づいて前記読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定する、
ことを特徴とする付記3に記載の方法。
(付記5)
前記コンピュータが、更に、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離に基づいて前記対象タグ間の距離を特定する
ことを特徴とする付記3に記載の方法。
(付記6)
前記アンテナは複数のアンテナを含み、前記対象タグが配列される線は前記複数のアンテナからなるアンテナ平面と平行する、付記1又は2に記載の方法。
(付記7)
前記複数のアンテナの間の間隔は、各アンテナがその隣接するアンテナの最大読取範囲の中間位置における対象タグを読み取れるように設置され、
前記読取は、前記複数のアンテナのうちの奇数番目のアンテナ及び偶数番目のアンテナを使用して前記複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取ることを更に含み、及び
前記の各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定することは、各対象タグについての各アンテナによる読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序を特定することを更に含む、付記6に記載の方法。
(付記8)
前記コンピュータが、更に、
同一の対象タグが当該対象タグの読取に成功した現在アンテナに隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたか否か、及び現在アンテナのどちら側に隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたかに基づいて、前記対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかを特定し、
対象タグのアンテナ毎に対する配列順序、各対象タグが前記現在アンテナのどちら側に位置するか、及び前記複数のアンテナの配列順序に基づいて、前記対象タグの全体配列順序を特定する、
ことを特徴とする付記7に記載の方法。
(付記9)
前記コンピュータが、更に、
各対象タグ毎の、現在アンテナに対する距離と当該対象を成功裏に読み取れる隣接するアンテナに対する距離とに基づいて、当該対象タグと現在アンテナの中心との間の連結線と現在アンテナの垂直中心線との夾角を特定し、
各対象タグ毎の前記夾角と、各対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかとに基づいて、対象タグ間の距離を特定する、
ことを特徴とする付記7に記載の方法。
(付記10)
RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取るよう配置されるタグ読取部と、
各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出するよう配置されるタグ読取情報記録部と、
各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定するよう配置されるタグソート部と、
各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定するよう配置されるタグ位置特定部と、
を備える無線周波数識別RFIDタグ位置測定装置。
(付記11)
前記タグ読取部は更に、前記アンテナを使用して前記複数の指定発射電力毎に線形配列となる複数のサンプルタグを所定回数読み取るよう配置され、前記複数のサンプルタグは前記アンテナの最大読取範囲内に均等に配置され、
前記タグ読取情報記録部は更に、各サンプルタグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出するよう配置され、
前記装置は、更に、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する距離を測定するよう配置されるタグ距離測定部と、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率と当該サンプルタグの前記アンテナに対する距離とを記録して前記読取確率マップを作成するよう配置される読取確率マップ作成部と、
を備える、付記10に記載の装置。
(付記12)
前記アンテナは一つのアンテナを備え、前記対象タグは前記アンテナの中心から射線状に配列される、付記10又は11に記載の装置。
(付記13)
前記読取確率マップ作成部は、更に、タグと前記アンテナの中心との間の連結線と、前記アンテナの垂直中心線との各夾角での、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係とを前記読取確率マップに記録し、
前記タグ位置特定部は更に、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率、及び前記射線と前記アンテナの垂直中心線との間の夾角に基づいて前記読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定するよう配置される、付記12に記載の装置。
(付記14)
前記タグ位置特定部は更に、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離に基づいて前記対象タグ間の距離を特定するよう配置される、付記12に記載の装置。
(付記15)
前記アンテナは複数のアンテナを含み、前記対象タグが配列される線は前記複数のアンテナからなるアンテナ平面と平行する、付記10又は11に記載の装置。
(付記16)
前記複数のアンテナの間の間隔は、各アンテナがその隣接するアンテナの最大読取範囲の中間位置における対象タグを読み取れるように設置され、
前記タグ読取部は更に、前記複数のアンテナのうちの奇数番目のアンテナ及び偶数番目のアンテナを使用して前記複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取るよう配置され、
前記タグ位置特定部は更に、各対象タグについての各アンテナによる読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序を特定するよう配置される、付記15に記載の装置。
(付記17)
前記タグ位置特定部は更に、同一の対象タグが当該対象タグの読取に成功した現在アンテナに隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたか否か、及び現在アンテナのどちら側に隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたかに基づいて、前記対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかを特定するよう配置され、
前記タグソート部は更に、対象タグのアンテナ毎に対する配列順序、各対象タグが前記現在アンテナのどちら側に位置するか、及び前記複数のアンテナの配列順序に基づいて、前記対象タグの全体配列順序を特定するよう配置される、付記16に記載の装置。
(付記18)
更に、前記読取確率マップを記憶するデータベースを備える、付記10に記載の装置。
【符号の説明】
【0082】
1000 無線周波数識別タグ位置測定装置
1010 タグ読取部
1020 タグ読取情報記録部
1030 タグソート部
1040 タグ位置特定部
1050 読取確率マップ作成部
1060 タグ距離測定部
1070 読取確率マップデータベース
a1〜a8 タグ
α 夾角
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、
RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取り、
各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、
各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、
各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定し、
各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出し、
各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定する
ことを特徴とする無線周波数識別RFIDタグ位置測定方法。
【請求項2】
前記コンピュータが、更に、
前記アンテナを使用して前記複数の指定発射電力毎に線形配列となる、前記アンテナの最大読取範囲内に均等に配置される複数のサンプルタグを所定回数読み取り、
各サンプルタグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出し、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する距離を測定し、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率と当該サンプルタグの前記アンテナに対する距離とを記録して前記読取確率マップを作成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アンテナは一つのアンテナを備え、前記対象タグは前記アンテナの中心から射線状に配列される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記読取確率マップには、タグと前記アンテナの中心との間の連結線と、前記アンテナの垂直中心線との各夾角での、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係とが更に記録され、
前記コンピュータが、更に、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率、及び前記射線と前記アンテナの垂直中心線との間の夾角に基づいて前記読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記コンピュータが、更に、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離に基づいて前記対象タグ間の距離を特定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記アンテナは複数のアンテナを含み、前記対象タグが配列される線は前記複数のアンテナからなるアンテナ平面と平行する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のアンテナの間の間隔は、各アンテナがその隣接するアンテナの最大読取範囲の中間位置における対象タグを読み取れるように設置され、
前記読取は、前記複数のアンテナのうちの奇数番目のアンテナ及び偶数番目アンテナを使用して前記複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取ることを更に含み、及び
前記の各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定することは、各対象タグについての各アンテナによる読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序を特定することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピュータが、更に、
同一の対象タグが当該対象タグの読取に成功した現在アンテナに隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたか否か、及び現在アンテナのどちら側に隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたかに基づいて、前記対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかを特定し、
対象タグのアンテナ毎に対する配列順序、各対象タグが前記現在アンテナのどちら側に位置するか、及び前記複数のアンテナの配列順序に基づいて、前記対象タグの全体配列順序を特定する、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コンピュータが、更に、
各対象タグ毎の、現在アンテナに対する距離と当該対象を成功裏に読み取れる隣接するアンテナに対する距離とに基づいて、当該対象タグと現在アンテナの中心との間の連結線と現在アンテナの垂直中心線との夾角を特定し、
各対象タグ毎の前記夾角と、各対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかとに基づいて、対象タグ間の距離を特定する、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取るよう配置されるタグ読取部と、
各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出するよう配置されるタグ読取情報記録部と、
各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定するよう配置されるタグソート部と、
各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定するよう配置されるタグ位置特定部と、
を備える無線周波数識別RFIDタグ位置測定装置。
【請求項1】
コンピュータが、
RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取り、
各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、
各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、
各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定し、
各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出し、
各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定する
ことを特徴とする無線周波数識別RFIDタグ位置測定方法。
【請求項2】
前記コンピュータが、更に、
前記アンテナを使用して前記複数の指定発射電力毎に線形配列となる、前記アンテナの最大読取範囲内に均等に配置される複数のサンプルタグを所定回数読み取り、
各サンプルタグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出し、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する距離を測定し、
各サンプルタグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率と当該サンプルタグの前記アンテナに対する距離とを記録して前記読取確率マップを作成する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アンテナは一つのアンテナを備え、前記対象タグは前記アンテナの中心から射線状に配列される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記読取確率マップには、タグと前記アンテナの中心との間の連結線と、前記アンテナの垂直中心線との各夾角での、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係とが更に記録され、
前記コンピュータが、更に、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率、及び前記射線と前記アンテナの垂直中心線との間の夾角に基づいて前記読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記コンピュータが、更に、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離に基づいて前記対象タグ間の距離を特定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記アンテナは複数のアンテナを含み、前記対象タグが配列される線は前記複数のアンテナからなるアンテナ平面と平行する、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記複数のアンテナの間の間隔は、各アンテナがその隣接するアンテナの最大読取範囲の中間位置における対象タグを読み取れるように設置され、
前記読取は、前記複数のアンテナのうちの奇数番目のアンテナ及び偶数番目アンテナを使用して前記複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取ることを更に含み、及び
前記の各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定することは、各対象タグについての各アンテナによる読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグのアンテナ毎に対する配列順序を特定することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コンピュータが、更に、
同一の対象タグが当該対象タグの読取に成功した現在アンテナに隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたか否か、及び現在アンテナのどちら側に隣接するアンテナにより成功裏に読み取られたかに基づいて、前記対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかを特定し、
対象タグのアンテナ毎に対する配列順序、各対象タグが前記現在アンテナのどちら側に位置するか、及び前記複数のアンテナの配列順序に基づいて、前記対象タグの全体配列順序を特定する、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記コンピュータが、更に、
各対象タグ毎の、現在アンテナに対する距離と当該対象を成功裏に読み取れる隣接するアンテナに対する距離とに基づいて、当該対象タグと現在アンテナの中心との間の連結線と現在アンテナの垂直中心線との夾角を特定し、
各対象タグ毎の前記夾角と、各対象タグが現在アンテナのどちら側に位置するかとに基づいて、対象タグ間の距離を特定する、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
RFIDリーダのアンテナを使用して複数の指定発射電力毎に線形配列となる対象タグを所定回数読み取るよう配置されるタグ読取部と、
各対象タグについて指定発射電力毎の前記アンテナによる読取が成功した回数を記録し、各対象タグについての前記アンテナによる読取成功回数の合計を算出し、各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率を算出するよう配置されるタグ読取情報記録部と、
各対象タグ毎の読取成功回数の合計に対してソートすることにより、各対象タグの前記アンテナに対する配列順序を特定するよう配置されるタグソート部と、
各対象タグ毎の前記アンテナに対する正規化の読取確率に基づいて、タグの前記アンテナに対する正規化の読取確率とタグの前記アンテナに対する距離との対応関係が記録される読取確率マップを検索することにより、各対象タグ毎の前記アンテナに対する距離を特定するよう配置されるタグ位置特定部と、
を備える無線周波数識別RFIDタグ位置測定装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−73245(P2012−73245A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190600(P2011−190600)
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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