説明

無線端末、情報処理装置、情報処理プログラム及び情報処理方法

【課題】 リンク制御部からハンドオーバ制御部へのメッセージの削減、ハンドオーバの誤判定の抑制を図ることを可能とする無線端末、情報処理装置、情報処理プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】 無線端末10は、第1ネットワークから第2ネットワークへの移動性を管理するMIHユーザ14と、第1ネットワークから第2ネットワークへのハンドオーバを制御するMIH機能部13とを備える。MIH機能部13は、第2ネットワークと無線リンクの設定を開始する条件である第1判定用論理式及び第1ネットワークから第2ネットワークへのハンドオーバを実行する条件である第2判定用論理式を含む条件設定要求をリンク制御部12に通知する。第1判定用論理式及び第2判定用論理式は、第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ネットワークから前記第1ネットワークと無線通信方式が異なる第2ネットワークへハンドオーバを行う無線端末、情報処理装置、情報処理プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線通信方式が異なる複数のネットワーク(例えば、CDMA2000に準拠する「1xEV−DO」、IEEE802.16eに準拠する「WiMAX」など)に接続可能な無線端末が知られている。
【0003】
このような無線端末は、複数のネットワーク間における移動性を管理する移動性管理部(MIHユーザ;Media Independent Handover User)と、自端末と各ネットワークとの間に設定される無線リンクをそれぞれ制御する複数のリンク制御部とを有する。また、移動性管理部と複数のリンク制御部との間に、複数のネットワーク間におけるハンドオーバを制御するハンドオーバ制御部(MIHF;Media Independent Handover Function)を設けることが提案されている(例えば、非特許文献1)。
【0004】
具体的には、移動性管理部は、複数の無線パラメータの種類(例えば、SINR、RSSI、DRC、Tx_Power、DRC_Lock)と各無線パラメータに設定された複数の閾値とを示す情報(MIH_Configure.request)をハンドオーバ制御部に通知する。なお、閾値は、ハンドオーバの準備(Initiation Action)を行うか否かを判定するための第1閾値(Initiate Action Threshold)と、ハンドオーバの実行(Execute Action)を行うか否かを判定するための第2閾値(Execute Action Threshold)と、ハンドオーバの準備の解除(Rollback Action)を行うか否かを判定するための第3閾値(Rollback Action Threshold)とを含む。
【0005】
ハンドオーバ制御部は、複数の無線パラメータの種類と各無線パラメータに設定された複数の閾値とを示す情報(Link_Configure_Threshold.request)を、既に設定されている無線リンクを制御するリンク制御部に通知する。
【0006】
リンク制御部は、無線パラメータ値が第1閾値よりも悪化した場合に、無線パラメータ値を示す情報(Link_Parameters_Report.indication)をハンドオーバ制御部に通知する。ハンドオーバ制御部は、無線パラメータ値を示す情報(MIH_Link_Parameters_Report.indication)を移動性管理部に通知する。
【0007】
これによって、移動性管理部は、ハンドオーバの準備、すなわち、未だ設定されていない無線リンクの設定を指示する。
【0008】
続いて、リンク制御部は、無線パラメータ値が第2閾値(第1閾値よりも無線環境が悪化した際における値)よりも悪化した場合に、無線パラメータ値を示す情報(Link_Parameters_Report.indication)をハンドオーバ制御部に通知する。ハンドオーバ制御部は、各無線パラメータ値を示す情報(MIH_Link_Parameters_Report.indication)を移動性管理部に通知する。
【0009】
これによって、移動性管理部は、ハンドオーバの実行、すなわち、無線端末が接続するネットワークの切り替えを指示する。
【0010】
一方で、リンク制御部は、無線パラメータ値が第3閾値よりも改善した場合に、無線パラメータ値を示す情報(Link_Parameters_Report.indication)をハンドオーバ制御部に通知する。ハンドオーバ制御部は、ハンドオーバの準備(Initiation Action)の取り消しを指示する。
【0011】
このように、リンク制御部は閾値判定を行うだけでよいため、リンク制御部の処理負荷が軽減される。
【非特許文献1】IEEE802.21 Draft Standard (P802.21/DO4.00)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上述した背景技術では、リンク制御部は、単に、無線パラメータ値が閾値(第1閾値及び第2閾値)よりも悪化すると、無線パラメータ値を示す情報(Link_Parameters_Report.indication)を無線パラメータ毎に個別にハンドオーバ制御部に通知する。
【0013】
従って、ハンドオーバの準備(Initiation Action)を行ってから、ハンドオーバの実行(Execute Action)が行われるまでに、無線パラメータ値(無線環境)が変化する場合には、無線パラメータ値を示す情報(Link_Parameters_Report.indication)が頻繁にハンドオーバ制御部に通知される。すなわち、ハンドオーバ制御部の処理負荷が増大してしまう。
【0014】
一方で、ハンドオーバの準備(Initiation Action)の取り消しが頻発することを防ぐために、第3閾値を第1閾値と同じ値にすることは好ましくない。従って、ヒステリシスを持たせるために、第3閾値として第1閾値よりも無線環境が改善した際における値が設定されることが一般的である。
【0015】
従って、無線パラメータ値が実際には第1閾値よりも改善していても、無線パラメータ値を示す情報(Link_Parameters_Report.indication)の送信タイミングによっては、ハンドオーバの準備(Initiation Action)が取り消されない場合がある。すなわち、無線パラメータ値が実際には改善していても、ハンドオーバの実行(Execute Action)が行われるという誤判定が生じる場合がある。
【0016】
そこで、本発明は、リンク制御部からハンドオーバ制御部へのメッセージの削減、ハンドオーバの誤判定の抑制を図ることを可能とする無線端末、情報処理装置、情報処理プログラム及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の一の特徴では、第1ネットワークから前記第1ネットワークと無線通信方式が異なる第2ネットワークへハンドオーバを行う無線端末は、前記第1ネットワークと無線リンクを設定する第1リンク制御部(例えば、リンク制御部12A)と、前記第2ネットワークと無線リンクを設定する第2リンク制御部(例えば、リンク制御部12B)と、前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへの移動性を管理する移動性管理部(MIHユーザ14)と、前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを制御するハンドオーバ制御部(MIH機能部13)とを備え、前記移動性管理部は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて監視すべき無線パラメータの閾値の設定を要求する閾値設定要求を前記ハンドオーバ制御部に通知し、前記ハンドオーバ制御部は、前記閾値設定要求に応じて、前記第2ネットワークと無線リンクの設定を開始する条件である第1条件及び前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを実行する条件である第2条件を含む条件設定要求を前記第1リンク制御部に通知し、前記第1条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示しており、前記第2条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示している。
【0018】
かかる特徴によれば、ハンドオーバ制御部は、複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示す第1条件及び第2条件を第1リンク制御部に通知する。
【0019】
従って、無線パラメータのそれぞれが閾値を超える度に、無線パラメータ値を示す情報を第1リンク制御部が個別にハンドオーバ制御部に通知する必要がなくなり、第1リンク制御部からハンドオーバ制御部へのメッセージが削減される。
【0020】
また、複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを第1リンク制御部が把握しているため、無線パラメータ値を示す情報の送信タイミングに依存せずに、ハンドオーバ動作を適切に行うことができ、ハンドオーバの誤判定が抑制される。
【0021】
本発明の上述した特徴において、前記条件設定要求は、前記第1条件が満たされているか否かを判定する周期、及び、前記第2条件が満たされているか否かを判定する周期を含むことが好ましい。
【0022】
本発明の一の特徴では、情報処理装置は、第1ネットワークから前記第1ネットワークと無線通信方式が異なる第2ネットワークへの移動性を管理する移動性管理部と、前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを制御するハンドオーバ制御部とを備え、前記移動性管理部は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて監視すべき無線パラメータの閾値の設定を要求する閾値設定要求を前記ハンドオーバ制御部に通知し、前記ハンドオーバ制御部は、前記閾値設定要求に応じて、前記第2ネットワークと無線リンクの設定を開始する条件である第1条件及び前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを実行する条件である第2条件を含む条件設定要求を、前記第1ネットワークと無線リンクを設定する第1リンク制御部に通知し、前記第1条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示しており、前記第2条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示している。
【0023】
本発明の一の特徴では、第1ネットワークから前記第1ネットワークと無線通信方式が異なる第2ネットワークへの移動性を管理する移動性管理部と、前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを制御するハンドオーバ制御部とを備えた情報処理装置に適用される情報処理プログラムは、前記移動性管理部が、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて監視すべき無線パラメータの閾値の設定を要求する閾値設定要求を前記ハンドオーバ制御部に通知するステップと、前記ハンドオーバ制御部が、前記閾値設定要求に応じて、前記第2ネットワークと無線リンクの設定を開始する条件である第1条件及び前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを実行する条件である第2条件を含む条件設定要求を、前記第1ネットワークと無線リンクを設定する第1リンク制御部に通知するステップとをコンピュータに実行させ、前記第1条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示しており、前記第2条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示している。
【0024】
本発明の一の特徴では、第1ネットワークから前記第1ネットワークと無線通信方式が異なる第2ネットワークへの移動性を管理するMIHユーザと、前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを制御するMIH機能部とを備えた情報処理装置で用いられる情報処理方法は、前記MIHユーザが、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて監視すべき無線パラメータの閾値の設定を要求するMIH_Configure.requestを前記MIH機能部に通知するステップと、前記MIH機能部が、前記MIH_Configure.requestに応じて、前記第2ネットワークと無線リンクの設定を開始する条件である第1条件及び前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを実行する条件である第2条件を含むLink_Configure_Threshold.requestを、前記第1ネットワークと無線リンクを設定する第1リンク制御部に通知するステップとを含み、前記第1条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示しており、前記第2条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示している。
【発明の効果】
【0025】
本発明の特徴によれば、リンク制御部からハンドオーバ制御部へのメッセージの削減、ハンドオーバの誤判定の抑制を図ることを可能とする無線端末、情報処理装置、情報処理プログラム及び情報処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下において、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0027】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0028】
[第1実施形態]
(通信システムの構成)
以下において、第1実施形態に係る通信システムの構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【0029】
図1に示すように、通信システムは、無線端末10と、複数のネットワーク(第1ネットワーク100〜第3ネットワーク300)とによって構成されている。
【0030】
無線端末10は、複数のネットワークと無線通信を行うことが可能に構成された端末である。なお、無線端末10の詳細については後述する。
【0031】
複数のネットワークは、無線通信方式(物理レイヤやリンクレイヤの構成)が異なるネットワークである。例えば、第1ネットワーク100は、CDMA2000に準拠する「1xEV−DO」が採用されたネットワークである。第2ネットワーク200は、IEEE802.16eに準拠する「WiMAX」が採用されたネットワークである。第3ネットワーク300は、IEEE802.11に準拠する「WLAN」が採用されたネットワークである。
(無線端末の構成)
以下において、第1実施形態に係る無線端末10の構成について、図面を参照しながら説明する。図2は、第1実施形態に係る無線端末10の構成を示すブロック図である。
【0032】
図2に示すように、無線端末10は、複数の無線通信部11(無線通信部11A〜無線通信部11C)と、複数のリンク制御部12(リンク制御部12A〜リンク制御部12C)と、MIH機能部13と、MIHユーザ14と、アプリケーション処理部15とを有する。
【0033】
無線通信部11は、上位レイヤ(例えば、アプリケーション処理部15)からの指示に応じて、物理レイヤにおける物理的な無線接続を各ネットワークと設定する。
【0034】
具体的には、無線通信部11Aは、「1xEV−DO」に対応する物理的な無線接続を第1ネットワーク100と設定する。無線通信部11Bは、「WiMAX」に対応する物理的な無線接続を第2ネットワーク200と設定する。無線通信部11Cは、「WLAN」に対応する物理的な無線接続を第3ネットワーク300と設定する。
【0035】
リンク制御部12は、上位レイヤ(例えば、アプリケーション処理部15)からの指示に応じて、リンクレイヤにおける無線リンクを各ネットワークと設定する。リンク制御部12は、各ネットワークと設定された無線リンクにおいて、各種無線パラメータ(Link Parameter)を監視する。
【0036】
具体的には、リンク制御部12Aは、無線通信部11Aとのインターフェース(デバイスドライバ)機能を有しており、「1xEV−DO」に対応する無線リンクを第1ネットワーク100と設定する。リンク制御部12Bは、無線通信部11Bとのインターフェース(デバイスドライバ)機能を有しており、「WiMAX」に対応する無線リンクを第2ネットワーク200と設定する。リンク制御部12Cは、無線通信部11Cとのインターフェース(デバイスドライバ)機能を有しており、「WLAN」に対応する無線リンクを第3ネットワーク300と設定する。
【0037】
MIH機能部13は、MIH機能部13よりも上位レイヤとして機能するMIHユーザ14からの指示に応じて、ネットワーク間のハンドオーバを制御するハンドオーバ制御部である。MIH機能部13は、物理レイヤの構成に依存しないメディア非依存ハンドオーバ機能(Media Independent Hadover Function)であり、IEEE802.21において規定されている。
【0038】
ここで、MIH機能部13は、図3に示すように、自端末が接続しているネットワークにおいてハンドオーバを行う各種条件を管理している。具体的には、MIH機能部13は、無線パラメータの種類、第1閾値(Initiate Action Threshold)と、第2閾値(Execute Action Threshold)と、第1判定用論理式と、第2判定用論理式とをネットワーク毎に管理している。
【0039】
無線パラメータの種類は、自端末が接続しているネットワークと設定する無線リンクにおいて監視すべき無線パラメータを示している。
【0040】
例えば、自端末が接続しているネットワークが第1ネットワーク100である場合には、第1ネットワーク100と設定する無線リンクにおいて、以下に示す無線パラメータがリンク制御部12Aによって監視される。
【0041】
(a)信号対干渉波雑音費(SINR)
(b)受信電界強度(RSSI)
(c)DRC(Data Rate Control)
(d)送信電力(Tx_Power)
(e)無線基地局が無線端末から送信されたDRCを正常に受信する割合(DRC_Lock)
自端末が接続しているネットワークが第2ネットワーク200である場合には、第2ネットワーク200と設定する無線リンクにおいて、以下に示す無線パラメータがリンク制御部12Bによって監視される。
【0042】
(a)信号対干渉波雑音費(SINR)
(b)受信電界強度(RSSI)
(c)DL−MAP受信成功率(Successful Ratio of DL−MAP Receive)
(d)伝送レート(Rate)
(e)上り変調クラス(Uplink Modulation Class)
(f)送信電力(Tx_Power)
自端末が接続しているネットワークが第3ネットワーク300である場合には、第3ネットワーク300と設定する無線リンクにおいて、以下に示す無線パラメータがリンク制御部12Cによって監視される。
【0043】
(a)搬送波対干渉波比(CIR)
(b)受信電界強度(RSSI)
(c)パケットエラーレート(PER)
(d)伝送レート(Rate)
第1閾値(Initiate Action Threshold)は、ハンドオーバの準備(Initiation Action)を行うか否かを判定するために、各無線パラメータに設定された閾値である。ここで、ハンドオーバの準備(Initiation Action)とは、一のネットワークと無線リンクを設定しているケースにおいて、他のネットワークと無線リンクを設定する動作である。
【0044】
例えば、自端末が接続しているネットワークが第1ネットワーク100である場合には、信号対干渉波雑音費(SINR)に設定された閾値は“0dB”である。他の無線パラメータについても同様に、“−80dBm”、“6”、“15dBm”、“0.8”が設定されている。
【0045】
自端末が接続しているネットワークが第2ネットワーク200である場合には、信号対干渉波雑音費(SINR)に設定された閾値は“3dB”である。他の無線パラメータについても同様に、“−70dBm”、“0.9”、“500kbps”、“QPSK 3/4”、“15dBm”が設定されている。
【0046】
自端末が接続しているネットワークが第3ネットワーク300である場合には、搬送波対干渉波比(CIR)に設定された閾値は“3dB”である。他の無線パラメータについても同様に、“−75dBm”、“0.1”、“500kbps”が設定されている。
【0047】
第2閾値(Execute Action Threshold)は、ハンドオーバの実行(Execute Action)を行うか否かを判定するために、各無線パラメータに設定された閾値である。ここで、ハンドオーバの実行(Execute Action)とは、一のネットワーク及び他のネットワークと無線リンクを設定しているケースにおいて、自端末が接続するネットワークを切り替える動作である。なお、第2閾値(Execute Action Threshold)としては、第1閾値(Initiate Action Threshold)よりも無線環境が悪化した際における値が設定される。
【0048】
例えば、自端末が接続しているネットワークが第1ネットワーク100である場合には、信号対干渉波雑音費(SINR)に設定された閾値は“−5dB”である。他の無線パラメータについても同様に、“−90dBm”、“4”、“23dBm”、“0.8”が設定されている。
【0049】
自端末が接続しているネットワークが第2ネットワーク200である場合には、信号対干渉波雑音費(SINR)に設定された閾値は“−2dB”である。他の無線パラメータについても同様に、“−80dBm”、“0.8”、“200kbps”、“QPSK 1/2”、“23dBm”が設定されている。
【0050】
自端末が接続しているネットワークが第3ネットワーク300である場合には、搬送波対干渉波比(CIR)に設定された閾値は“0dB”である。他の無線パラメータについても同様に、“−85dBm”、“0.1”、“500kbps”が設定されている。
【0051】
第1判定用論理式は、ハンドオーバの準備(Initiation Action)を行う条件(第1条件)である。具体的には、第1判定用論理式は、自端末が接続しているネットワークと設定する無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示している。
【0052】
例えば、自端末が接続しているネットワークが第1ネットワーク100である場合には、下記条件のいずれかが満たされた場合に、ハンドオーバの準備(Initiation Action)が行われる。
【0053】
(a)SINR、RSSI及びDRCの全てが上述した第1閾値よりも悪化する
(b)Tx_Power及びDRC_Lockの全てが上述した第1閾値よりも悪化する
自端末が接続しているネットワークが第2ネットワーク200である場合には、下記条件のいずれかが満たされた場合に、ハンドオーバの準備(Initiation Action)が行われる。
【0054】
(a)SINR、RSSI及びSuccessful ratio of DL−MAP Receiveの全てが上述した第1閾値よりも悪化する
(b)Tx_Power及び上り変調クラスの全てが上述した第1閾値よりも悪化(低下)する
自端末が接続しているネットワークが第3ネットワーク300である場合には、下記条件のいずれかが満たされた場合に、ハンドオーバの準備(Initiation Action)が行われる。
【0055】
(a)CIR及びPERの全てが上述した第1閾値よりも悪化する
(b)RSSIが上述した第1閾値よりも悪化する
第2判定用論理式は、ハンドオーバの実行(Execute Action)を行う条件(第2条件)である。具体的には、第2判定用論理式は、自端末が接続しているネットワークと設定する無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示している。
【0056】
なお、第1実施形態では、無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせは、第1判定用論理式と第2判定用論理式とで同じであるが、これに限定されるものではない。すなわち、無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせは、第1判定用論理式と第2判定用論理式とで異なっていてもよい。
【0057】
MIHユーザ14は、MIHユーザ14よりも上位レイヤとして機能するアプリケーション処理部15からの指示に応じて、ネットワーク間における移動性を管理する移動性管理部である。MIHユーザ14は、MIH機能部13よりも上位レイヤとして機能する。
【0058】
アプリケーション処理部15は、MIHユーザ14よりも上位レイヤとして機能し、各種アプリケーションなどを処理する。
【0059】
(通信システムの動作)
以下において、第1実施形態に係る通信システムの動作について、図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る通信システムの動作を示すシーケンス図である。なお、図4では、第1ネットワーク100から第2ネットワーク200へのハンドオーバ動作を例に挙げて説明することに留意すべきである。
【0060】
図4に示すように、ステップ10において、アプリケーション処理部15は、新たなアプリケーションに要求されるサービス品質(QoS Requirement)をMIHユーザ14に通知する。
【0061】
ステップ11において、MIHユーザ14は、第1ネットワーク100と設定された無線リンクにおいて監視すべき無線パラメータの閾値の設定を要求する閾値設定要求(MIH_Configure.request)をMIH機能部13に通知する。
【0062】
ステップ12において、MIH機能部13は、閾値設定要求(MIH_Configure.request)に応じて、第1ネットワーク100から第2ネットワーク200へのハンドオーバに係る条件の設定を要求する条件設定要求(Link_Configure_Threshold.request)をリンク制御部12Aに通知する。
【0063】
条件設定要求(Link_Configure_Threshold.request)は、ハンドオーバの準備(Initiation Action)を行う条件(第1条件)と、ハンドオーバの実行(Execute Action)を行う条件(第2条件)とを少なくとも含む。
【0064】
具体的には、条件設定要求(Link_Configure_Threshold.request)は、図5に示すように、無線パラメータの種類、第1閾値(Initiate Action Threshold)、第2閾値(Execute Action Threshold)、第1判定用論理式(Initiation Action)、第2判定用論理式(Execute Action)及び判定周期(Intreval for judgement)を少なくとも含む。
【0065】
判定周期(Intreval for judgement)とは、第1判定用論理式(Initiation Action)が満たされているか否かを判定する周期、第2判定用論理式(Execute Action)が満たされているか否かを判定する周期を指定する情報である。
【0066】
なお、第1判定用論理式が満たされているか否かを判定する周期と第2判定用論理式が満たされているか否かを判定する周期とは異なっていてもよい。すなわち、判定周期(Intreval for judgement)は、第1判定用論理式が満たされているか否かを判定する周期と第2判定用論理式が満たされているか否かを判定する周期とを個別に指定してもよい。
【0067】
また、条件設定要求(Link_Configure_Threshold.request)は、第3閾値(Rollback Action Threshold)を含んでいてもよい。第3閾値(Rollback Action Threshold)は、ハンドオーバの準備(Initiation Action)を解除するか否かを判定するための閾値である。なお、第3閾値(Rollback Action Threshold)としては、ヒステリシスを持たせるために、第1閾値(Initiate Action Threshold)よりも無線環境が改善した際における値が設定されることが好ましい。
【0068】
ここで、第1判定用論理式(Initiation Action)、第2判定用論理式(Execute Action)及び判定周期(Intreval for judgement)は、背景技術ではLink_Configure_Threshold.requestに含まれていないことに留意すべきである。
【0069】
ステップ13において、リンク制御部12Aは、条件の設定が完了したことを示すLink_Configure_Threshold.confirmをMIH機能部13に通知する。
【0070】
ステップ14において、MIH機能部13は、閾値の設定が完了したことを示すMIH_Configure.confirmをMIHユーザ14に通知する。
【0071】
ステップ15において、リンク制御部12Aは、第1ネットワーク100と設定された無線リンクにおける無線パラメータ値がMIH機能部13によって指定された第1閾値よりも悪化しているか否かを監視する。続いて、リンク制御部12Aは、各無線パラメータ値が第1判定用論理式を満したか否かを判定する。ここでは、第1判定用論理式が満たされたものとして説明を続ける。
【0072】
ステップ16において、リンク制御部12Aは、第1ネットワーク100と設定された無線リンクにおける無線パラメータ値を示すLink_Parameters_Report.indicationをMIH機能部13に通知する。
【0073】
具体的には、Link_Parameters_Report.indicationは、図6に示すように、旧無線パラメータ値、新無線パラメータ値、動作の種類及び判定用論理式を含む。
【0074】
旧無線パラメータ値は、MIH機能部13に前回通知した値であり、新無線パラメータ値は、MIH機能部13に今回通知する値である。動作の種類は、ハンドオーバの準備(Initiation Action)又はハンドオーバの実行(Execute Action)を示す情報である。判定用論理式は、第1判定用論理式(Initiation Action)又は第2判定用論理式(Execute Action)を示す情報である。
【0075】
ここで、動作の種類及び判定用論理式は、背景技術ではLink_Parameters_Report.indicationに含まれていない情報であることに留意すべきである。
【0076】
なお、ステップ16では、動作の種類には、ハンドオーバの準備(Initiation Action)が設定されており、判定用論理式には、第1判定用論理式(Initiation Action)が設定されている。
【0077】
ステップ17において、MIH機能部13は、第1ネットワーク100と設定された無線リンクにおける無線パラメータ値を示すMIH_Link_Parameters_Report.indicationをMIHユーザ14に通知する。
【0078】
ステップ18において、MIHユーザ14は、ハンドオーバの準備(Initiation Action)を要求するMIH_Handover_Prepare.requestをMIH機能部13に通知する。
【0079】
ステップ19において、MIH機能部13は、第2ネットワーク200と無線リンクを設定することを要求するLink_Up.requestをリンク制御部12Bに通知する。
【0080】
ステップ20において、リンク制御部12Bは、第2ネットワーク200と無線リンクを設定する。なお、無線リンクの設定に先立って、第2ネットワーク200と物理的な無線接続を無線通信部11Bが設定することは勿論である。
【0081】
ステップ21において、リンク制御部12Bは、第2ネットワーク200と無線リンクが設定されたことを示すLink_Up.indicationをMIH機能部13に通知する。
【0082】
ステップ22において、MIH機能部13は、ハンドオーバの準備(Initiation Action)が完了したことを示すMIH_Handover_Prepare.confirmをMIHユーザ14に通知する。
【0083】
ステップ23において、リンク制御部12Aは、第1ネットワーク100と設定された無線リンクにおける無線パラメータ値がMIH機能部13によって指定された第2閾値よりも悪化しているか否かを監視する。続いて、リンク制御部12Aは、各無線パラメータ値が第2判定用論理式を満たすか否かを判定する。ここでは、第2判定用論理式が満たされたものとして説明を続ける。
【0084】
ステップ24において、リンク制御部12Aは、第1ネットワーク100と設定された無線リンクにおける無線パラメータ値を示すLink_Parameters_Report.indicationをMIH機能部13に通知する。ここで、Link_Parameters_Report.indicationは、上述したステップ16で送信される情報と同様である。
【0085】
なお、ステップ24では、動作の種類には、ハンドオーバの実行(Execute Action)が設定されており、判定用論理式には、第2判定用論理式(Execute Action)が設定されている。
【0086】
ステップ25において、MIH機能部13は、第1ネットワーク100と設定された無線リンクにおける無線パラメータ値を示すMIH_Link_Parameters_Report.indicationをMIHユーザ14に通知する。
【0087】
ステップ26において、MIHユーザ14は、自端末が接続するネットワークの切り替えを指示するMIH_SwichをMIH機能部13に通知する。
【0088】
ステップ27において、MIH機能部13は、自端末が接続するネットワークを第1ネットワーク100から第2ネットワーク200へ切り替える。
【0089】
ステップ28において、MIH機能部13は、ハンドオーバを完了してもよいかを確認するMIH_Commit.requestをMIHユーザ14に通知する。
【0090】
ステップ29において、MIHユーザ14は、ハンドオーバの完了を要求するMIH_Handover_Complete.requestをMIH機能部13に通知する。
【0091】
ステップ30において、MIH機能部13は、第1ネットワーク100と設定された無線リンクの解放を要求するLink_Teardown.Requestをリンク制御部12Aに通知する。
【0092】
ステップ31において、リンク制御部12Aは、第1ネットワーク100と設定された無線リンクを解放する。
【0093】
ステップ32において、リンク制御部12Aは、第1ネットワーク100と設定された無線リンクの解放が完了したことを示すLink_Parameters_Report.indicationをMIH機能部13に通知する。
【0094】
ステップ33において、MIH機能部13は、ハンドオーバが完了したことを示すMIH_Handover_Complete.responseをMIHユーザ14に通知する。
【0095】
(作用及び効果)
第1実施形態によれば、MIH機能部13は、複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示す第1判定用論理式及び第2判定用論理式を含むLink_Configure_Threshold.requestをリンク制御部12に通知する。
【0096】
従って、無線パラメータのそれぞれが閾値を超える度に、無線パラメータ値を示す情報をリンク制御部が個別にMIH機能部に通知する必要がなくなり、リンク制御部12からMIH機能部13へのメッセージが削減される。
【0097】
また、複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせをリンク制御部12が把握しているため、無線パラメータ値を示す情報の送信タイミングに依存せずに、ハンドオーバ動作を適切に行うことができ、ハンドオーバの誤判定が抑制される。
【0098】
また、閾値と判定用論理式とによって判定を行っている理由としては、無線通信システムでは、上り/下り方向で通信方式が異なる場合に、送信側の能力(無線基地局からの送信又は無線端末からの送信)が異なるため、1つの無線パラメータ及び1つの閾値のみで全てを判定することが好ましいと言えないからである。本実施形態のように、複数の無線パラメータの閾値と判定用論理式とを組み合わせて判定することによって、適切な判定を精度よく行うことができる。
【0099】
[その他の実施形態]
上述したように、本発明の一実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態が明らかとなろう。
【0100】
上述した実施形態では特に触れていないが、無線通信部11の全て又は一部は、無線端末10から着脱可能に構成されていてもよい。同様に、リンク制御部12の全て又は一部は、無線通信部11とともに無線端末10から着脱可能に構成されていてもよい。
【0101】
なお、無線端末10から無線通信部11が除かれた構成を有する装置を情報処理装置と称する。同様に、無線端末10から無線通信部11及びリンク制御部12が除かれた構成を有する装置を情報処理装置と称する。
【0102】
無線端末10(又は、情報処理装置)の動作は、コンピュータにおいて実行可能なプログラムとしても提供することができる。
【0103】
上述した実施形態では、第1ネットワーク100から第2ネットワーク200へのハンドオーバ動作を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。本発明は、無線通信方式が異なる複数のネットワーク間におけるハンドオーバ動作に適用可能である。
【0104】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】第1実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る無線端末10の構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係るMIH機能部13で管理される情報を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図5】第1実施形態に係るLink_Configure_Threshold.requestの一例を示す図である。
【図6】第1実施形態に係るLink_Parameters_Report.indicationの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0106】
10・・・無線端末、11・・・無線通信部、12・・・リンク制御部、13・・・MIH機能部、14・・・MIHユーザ、15・・・アプリケーション処理部、100・・・第1ネットワーク、200・・・第2ネットワーク、300・・・第3ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ネットワークから前記第1ネットワークと無線通信方式が異なる第2ネットワークへハンドオーバを行う無線端末であって、
前記第1ネットワークと無線リンクを設定する第1リンク制御部と、
前記第2ネットワークと無線リンクを設定する第2リンク制御部と、
前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへの移動性を管理する移動性管理部と、
前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを制御するハンドオーバ制御部とを備え、
前記移動性管理部は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて監視すべき無線パラメータの閾値の設定を要求する閾値設定要求を前記ハンドオーバ制御部に通知し、
前記ハンドオーバ制御部は、前記閾値設定要求に応じて、前記第2ネットワークと無線リンクの設定を開始する条件である第1条件及び前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを実行する条件である第2条件を含む条件設定要求を前記第1リンク制御部に通知し、
前記第1条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示しており、
前記第2条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示していることを特徴とする無線端末。
【請求項2】
前記条件設定要求は、前記第1条件が満たされているか否かを判定する周期、及び、前記第2条件が満たされているか否かを判定する周期を含むことを特徴とする請求項1に記載の無線端末。
【請求項3】
第1ネットワークから前記第1ネットワークと無線通信方式が異なる第2ネットワークへの移動性を管理する移動性管理部と、
前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを制御するハンドオーバ制御部とを備え、
前記移動性管理部は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて監視すべき無線パラメータの閾値の設定を要求する閾値設定要求を前記ハンドオーバ制御部に通知し、
前記ハンドオーバ制御部は、前記閾値設定要求に応じて、前記第2ネットワークと無線リンクの設定を開始する条件である第1条件及び前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを実行する条件である第2条件を含む条件設定要求を、前記第1ネットワークと無線リンクを設定する第1リンク制御部に通知し、
前記第1条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示しており、
前記第2条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示していることを特徴とする情報処理装置。
【請求項4】
第1ネットワークから前記第1ネットワークと無線通信方式が異なる第2ネットワークへの移動性を管理する移動性管理部と、前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを制御するハンドオーバ制御部とを備えた情報処理装置に適用される情報処理プログラムであって、コンピュータに、
前記移動性管理部が、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて監視すべき無線パラメータの閾値の設定を要求する閾値設定要求を前記ハンドオーバ制御部に通知するステップと、
前記ハンドオーバ制御部が、前記閾値設定要求に応じて、前記第2ネットワークと無線リンクの設定を開始する条件である第1条件及び前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを実行する条件である第2条件を含む条件設定要求を、前記第1ネットワークと無線リンクを設定する第1リンク制御部に通知するステップとを実行させ、
前記第1条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示しており、
前記第2条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示していることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項5】
第1ネットワークから前記第1ネットワークと無線通信方式が異なる第2ネットワークへの移動性を管理するMIHユーザと、前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを制御するMIH機能部とを備えた情報処理装置で用いられる情報処理方法であって、
前記MIHユーザが、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて監視すべき無線パラメータの閾値の設定を要求するMIH_Configure.requestを前記MIH機能部に通知するステップと、
前記MIH機能部が、前記MIH_Configure.requestに応じて、前記第2ネットワークと無線リンクの設定を開始する条件である第1条件及び前記第1ネットワークから前記第2ネットワークへのハンドオーバを実行する条件である第2条件を含むLink_Configure_Threshold.requestを、前記第1ネットワークと無線リンクを設定する第1リンク制御部に通知するステップとを含み、
前記第1条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示しており、
前記第2条件は、前記第1ネットワークと設定された無線リンクにおいて複数の無線パラメータが満たすべき閾値の組み合わせを示していることを特徴とする情報処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−10766(P2009−10766A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171068(P2007−171068)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】