説明

無線端末装置、コンテンツ送受信システム、サーバ装置及びプログラム

【課題】コンテンツをダウンロードする無線端末装置及びプログラムと、コンテンツを送信するコンテンツ送受信システム及びサーバ装置とを提供する。
【解決手段】携帯電話機3は、携帯電話基地局Wとの間で無線波を送受信することにより、携帯電話回線網N2を介して中継サーバ装置2に接続する。そして携帯電話機3は、中継サーバ装置2を介してコンテンツを記憶したWebサーバ装置1との間でデータ通信接続を確立する。携帯電話機3は、Webサーバ装置1へコンテンツの部分データを順次要求する。携帯電話機3は、要求に応じてWebサーバ装置1から順次送られてきた部分データ夫々を受信する都度、当該部分データを受信済みの部分データに結合する。携帯電話機3は、結合して得たコンテンツを記録媒体に記録することで、Webサーバ装置1からコンテンツをダウンロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツをダウンロードする無線端末装置及びプログラムと、コンテンツを送信するコンテンツ送受信システム及びサーバ装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信を用いて例えばインターネット網等のデータ通信網に接続されたサーバ装置にアクセスし、映像、音楽及びアプリケーション等の各種コンテンツをダウンロードする無線端末装置が使われている。無線端末装置としては、例えばデータ通信機能を備えたラップトップ型のPC( Personal Computer )、PDA( Personal Digital Assistant )及び携帯電話機等がある。例えばインターネット網に接続されたサーバ装置からコンテンツをダウンロードする場合、無線端末装置は、無線通信を用いてインターネット網にアクセスし、インターネット網を介してサーバ装置に接続する。
【0003】
また、例えば無線端末装置が携帯電話機である場合、インターネット網に接続された中継装置との間で無線接続を確立し、中継装置を介してインターネット網にアクセスすることがある。このような携帯電話機は、中継装置及びインターネット網を介してサーバ装置に接続し、コンテンツを要求する。要求に応じてサーバ装置から送信されてきたコンテンツは、中継装置に一旦記憶される。中継装置は、記憶したコンテンツを携帯電話機に対応したデータ形式に変換して携帯電話機に送信する。携帯電話機は、中継装置から送られてきたコンテンツを受信する。
【0004】
インターネット網に直接アクセスする無線端末装置の場合、サーバ装置との間の通信速度等に基づいて、無線端末装置がサーバ装置から一度に受信可能なコンテンツのデータ容量に制限が設けられていることがある。また、中継装置を介してインターネット網にアクセスする無線端末装置の場合、中継装置の記憶容量及び中継装置との間の通信速度等に基づいて、中継装置がサーバ装置から一度に受信可能なコンテンツのデータ容量に制限容量が設けられていることがある。このような場合、携帯電話機を含む無線端末装置は、制限容量を超えるデータ容量を有するコンテンツをサーバ装置から受信することできない。そこで、例えば特許文献1には、動画のコンテンツを分割し、得られた部分データを端末装置に送信する分割サーバ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−136044号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、携帯キャリア等が管理する中継装置に対して前述の制限容量が設定された場合、携帯電話機が1回の接続要求で受信できるデータ容量が制限される。制限容量を越えるデータ容量を有する動画等のコンテンツを携帯電話機にダウンロード配信する場合、サーバ装置を管理するコンテンツ配信者等がコンテンツを分割してサーバ装置にアップロードする必要があった。そして、分割された複数のデータを携帯電話機から要求して受信する手順を繰返す手間が生じ、更に再生する際に利便性が低かった。
【0007】
本願は、斯かる事情に鑑みてなされたものである。その目的は、コンテンツの部分データを順次要求する順次要求部を備えることにより、部分データ夫々の受信操作を行う手間を省くことが可能となる無線端末装置、コンテンツ送受信システム、サーバ装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願に係る無線端末装置は、コンテンツを記憶したサーバ装置との間で無線接続を確立し、前記コンテンツを受信する無線端末装置において、前記サーバ装置へコンテンツの部分データを順次要求する順次要求部と、該順次要求部により順次要求した部分データ夫々を受信する受信部と、前記受信部により部分データを受信する都度、該部分データを受信済みの部分データに結合する結合部と、該結合部により結合して得たコンテンツを記憶する記憶部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
当該装置の一観点によれば、コンテンツの部分データを順次要求する順次要求部を備えることにより、部分データ夫々の受信操作を行う手間を省くことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】コンテンツ送受信システムの例を示す説明図である。
【図2】携帯電話機の内部ハードウェアの例を示すブロック図である。
【図3】Webサーバ装置の内部ハードウェアの例を示すブロック図である。
【図4】データ容量表のレコードレイアウトの例を示す図表である。
【図5】実施の形態1に係るプログラムの要求画面及びダウンロード画面の例を示す模式図である。
【図6】実施の形態1に係るコンテンツの要求画面及びダウンロード画面の例を示す模式図である。
【図7】再生画面及び選択画面の例を示す模式図である。
【図8】実施の形態1に係るコンテンツのダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】コンテンツ要求処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】データ範囲決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1に係る部分ダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態1に係る部分ダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態2に係るコンテンツの要求画面及び時間帯設定画面の例を示す模式図である。
【図14】実施の形態2に係るコンテンツのダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態2に係るコンテンツのダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】実施の形態3に係るコンテンツのダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。
【図17】実施の形態3に係る部分ダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。
【図18】実施の形態3に係る部分ダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。
【図19】実施の形態4に係るWebサーバ装置の内部ハードウェアの例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1
以下、実施の形態を図面を参照して具体的に説明する。本願に係るコンテンツ送受信システムは、データ通信網に接続されたサーバ装置と、サーバ装置が記憶するコンテンツを中継装置を介して受信する無線端末装置とを含む。サーバ装置は、映像、音声及びアプリケーション等のコンテンツを記憶しており、中継装置を介して無線端末装置から要求されたコンテンツを送信する。サーバ装置は、例えばインターネット網に接続され、コンテンツのダウンロードサービスに関するWWW( World Wide Web )を提供するWebサーバ装置及びコンテンツを配信する配信サーバ装置等である。無線端末装置は、例えばデータ通信機能を有するPC、PDA及び携帯電話機等である。ここでは、サーバ装置及び無線端末装置としてWebサーバ装置及び携帯電話機を例に挙げ、本実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、コンテンツ送受信システムの例を示す説明図である。コンテンツ送受信システムは、インターネット網N1に接続されたWebサーバ装置(サーバ装置)1と、中継サーバ装置(中継装置)2と、Webサーバ装置1からコンテンツを受信する携帯電話機(無線端末装置)3とを含む。中継サーバ装置2は、インターネット網N1及び携帯電話回線網N2に接続され、Webサーバ装置1及び携帯電話基地局W間に介挿されている。携帯電話機3は、携帯電話基地局Wとの間で無線波を送受信することにより、携帯電話回線網N2を介したデータ通信を行う。
【0013】
また、携帯電話機3は、携帯電話基地局Wとの間で無線波を送受信することにより、携帯電話回線網N2に接続された他の携帯電話機3及び固定電話機等との間で通話信号を通信して通話可能にしてある。携帯電話機3は、携帯電話回線網N2を介して中継サーバ装置2に接続し、中継サーバ装置2及びインターネット網N1を介してWebサーバ装置1に接続する。中継サーバ装置2は、Webサーバ装置1から受信したデータを携帯電話機3に対応したデータ形式に変換して携帯電話機3に送信する。
【0014】
また、中継サーバ装置2は、携帯電話機3から受信したデータをWebサーバ装置1又はインターネット網N1に対応したデータ形式に変換してWebサーバ装置1に送信する。これにより、携帯電話機3は、中継サーバ装置2を介してWebサーバ装置1との間で無線接続を確立する。中継サーバ装置2には、携帯電話機3の無線通信又は携帯電話回線網N2の通信速度及び通信量等に基づいて、携帯電話機3に送信可能なデータ容量の最大値が予め設定されている。これにより、携帯電話機3がWebサーバ装置1から受信可能な1回当たりのデータ容量は、中継サーバ装置2に設定されている最大値に制限される。
【0015】
図2は、携帯電話機3の内部ハードウェアの例を示すブロック図である。携帯電話機3は、バス30aを介して内部ハードウェア各部を制御するCPU( Central Processing Unit )30と、ROM( Read-Only Memory )31と、RAM( Random-Access Memory )32と、フラッシュメモリ33と、操作部34(操作受付部)と、時計部35と、記録再生部(記憶部)41とを備える。ROM31には、CPU30で実行されるOS( Operating System )及びプログラム等が記憶してある。
【0016】
CPU30は、ROM31からRAM32にプログラムを読み出して実行する。RAM32は、CPU30のプログラム実行中に生じる変数及びデータ等を記憶する。フラッシュメモリ33は、携帯電話機3がダウンロードした後述のアプリケーション及びコンテンツの部分データ等を記憶する。フラッシュメモリ33には、部分データの記憶に割り当てられる記憶容量が予め設定されている。また、フラッシュメモリ33には、携帯電話機3を識別するために割り当てられた端末ID330と、携帯電話機3の機種を示す機種情報331とが予め記憶されている。
【0017】
操作部34は、複数のキー等であり、押圧されたキーの識別信号をバス30aを介してCPU30に出力し、ユーザから操作を受付ける。時計部35は、CPU30からの要求に応じて現在時刻を示す時刻情報をバス30aを介してCPU30に出力する。記録再生部41には、メモリカード等の記録媒体41aが挿入され、携帯電話機3がダウンロードしたコンテンツを記録媒体41aに記録する。また、記録再生部41は、記録媒体41aに記録してあるコンテンツを再生し、バス30aを介して再生データをCPU30に出力する。
【0018】
また、携帯電話機3は、携帯電話基地局Wとの間で無線通信を行う無線通信部(受信部)36と、携帯電話基地局Wに対して無線波を送受信するアンテナ36aと、音声を出力する音声出力部38と、音声が入力される音声入力部39と、通話を制御する通話制御部(通話部)37と、表示部40とを備える。音声入力部39は、携帯電話機3を用いて通話するユーザの音声等が入力されるマイクロフォン等であり、入力された音声を音声信号に変換して通話制御部37に与える。表示部40は、液晶ディスプレイ等であり、CPU30から与えられた映像信号を映像に変換して表示する。これにより、表示部40は、携帯電話機3をユーザが操作するための操作画面及びWebサーバ装置1からダウンロードしたコンテンツの映像等を表示する。
【0019】
音声出力部38は、アンプ等を内蔵するスピーカであり、CPU30又は通話制御部37から与えられた音声信号を音声に変換して放音する。これにより、音声出力部38は、Webサーバ装置1からダウンロードしたコンテンツの音声及び通話先の音声等を放音する。無線通信部36は、携帯電話回線網N2及び中継サーバ装置2を介してインターネット網N1にアクセスし、インターネット網N1に接続されたWebサーバ装置1との間でデータ通信可能にしてある。通話制御部37は、他の携帯電話機等へ発呼を送出する発呼操作を操作部34によりユーザから受付けた場合、無線通信部36により携帯電話回線網N2を介して通話先の電話番号に発呼を行う。
【0020】
そして、通話制御部37は、通話先に通話接続した場合、音声入力部39から与えられる音声信号を通話先に送信すると共に、通話先から受信した音声信号を音声出力部38に出力することで通話を開始する。また、通話制御部37は、無線通信部36により携帯電話回線網N2を介して通話先から着呼を受付けた場合、着呼音に対応した音声信号を音声出力部38へ出力して、音声出力部38から着呼音を放音する。通話制御部37は、着呼音に応じて着呼を受付ける着呼操作を操作部34によりユーザから受付けた場合、通話を開始する。通話制御部37は、操作部34によりユーザから通話の終了操作を受付けた場合、無線通信部36により通話先との通話接続を切断して通話を終了する。
【0021】
通話制御部37は、Webサーバ装置1との間でデータ通信を確立している状態で無線通信部36により着呼を受付けた場合、又は発呼を送出する場合、無線通信部36にデータ通信の切断を指示する。無線通信部36は、通話制御部37からデータ通信の切断が指示された場合、Webサーバ装置1との間で確立したデータ通信を切断し、CPU30に切断を通知する。また、無線通信部36は、通信障害等により、データ通信が切断された場合にもCPU30に切断を通知する。これにより無線通信部36は、中継サーバ装置2を介してWebサーバ装置1との間で確立した通信接続の切断を検出する切断検出部として機能する。また、無線通信部36は、CPU30からの要求に応じて通信速度を取得してCPU30に出力する。
【0022】
図3は、Webサーバ装置1の内部ハードウェアの例を示すブロック図である。Webサーバ装置1は、バス10aを介して内部ハードウェア各部を制御するCPU10と、ROM11と、RAM12と、HD( Hard Disk )13と、通信部14とを備える。ROM11は、CPU10で実行するためのBIOS( Basic Input/Output System )等が記憶してある。HD13は、ハードディスク等であり、CPU10で実行される図示しないプログラムと、携帯電話機3に送信するアプリケーションとしてのプログラム130及びデータ容量表131とを記憶している。
【0023】
プログラム130は、例えばJava(登録商標)プログラミング言語によりプログラムされたJavaアプリケーションである。携帯電話機3で実行されるJavaアプリケーションは、通信キャリアが携帯電話回線網N2を介して提供する特定のサービスにのみ対応したJavaアプリケーションであってもよい。このような特定のサービスにのみ対応したJavaアプリケーションとして、iアプリ(登録商標)、EZアプリ(登録商標)、S!アプリ(登録商標)等があるが、これに限るものでない。
【0024】
CPU10は、ROM11からRAM12に図示しないプログラムを読み出して実行する。RAM12は、CPU10のプログラム実行中に生じる変数及びデータ等を記憶する。通信部14は、インターネット網N1及び携帯電話回線網N2に接続してデータ通信を行う。Webサーバ装置1は、後述の如く携帯電話機3から要求されたプログラム130及びデータ容量表131を携帯電話機3へ送信する。送信したプログラム130は、携帯電話機3のCPU30で実行される。
【0025】
図4は、データ容量表131のレコードレイアウトの例を示す図表である。データ容量表131には、機種情報331が示す携帯電話機3の各機種及び通信速度に関連付けられて複数のデータ容量が記憶されている。通信速度は、携帯電話機3及び中継サーバ装置2間で確立された無線接続の通信速度である。図4中のVは、通信速度を示す。データ容量は、Webサーバ装置1が中継サーバ装置2を介して携帯電話機3に送信する後述の部分データのデータ容量であり、通信速度が速くなるに従って大きなデータ容量が設定されている。
【0026】
携帯電話機3が処理速度の速いCPU30を備える機種である場合、当該機種に対応して、大きなデータ容量がデータ容量表131に設定される。また、データ容量表131には、中継サーバ装置2に設定されているデータ容量の最大値以下となるデータ容量が設定される。図4は、中継サーバ装置2に最大値150KByteが設定されている場合の例に対応しており、データ容量表131には、150KByte以下のデータ容量が設定されている。また、図4に示す機種「ABC−001」の例では、1.0Mbps以下の低速の通信速度から5.0Mbpsより大きな高速の通信速度へ速くなるに従って、設定されるデータ容量が10KByteから100KByteへ増大している。
【0027】
図4に示す機種「ABC−001」よりも処理速度の速いCPU30を備える機種「XYZ−003」の例では、通信速度が5.0Mbpsより大きい場合、機種「ABC−001」に設定されるデータ容量100KByteよりも大きな150KByteのデータ容量が設定されている。次にWebサーバ装置1から携帯電話機3へ、コンテンツをダウンロードするために用いるプログラム130をデータ容量表131と共に送信する動作を説明する。
【0028】
図5は、実施の形態1に係るプログラム130の要求画面及びダウンロード画面の例を示す模式図である。図5A及び図5B夫々は、プログラム130の要求画面及びダウンロード画面夫々の例を示している。携帯電話機3は、Webサーバ装置1にコンテンツを要求する場合、プログラム130を要求する要求画面を表示部40に表示する。携帯電話機3は、プログラム130の要求画面を表示することにより、コンテンツをWebサーバ装置1からダウンロードするためにプログラム130及び記録媒体41aが必要である旨をユーザに報知する。
【0029】
図5Aに示す例では、アプリケーションとしてのプログラム130及び記録媒体41aとしてのメモリカードを必要とする旨を報知するメッセージが表示されている。また、プログラム130の要求画面には、プログラム130のダウンロードを許可するか否かの選択をユーザに促すためのメッセージ「ダウンロードしますか?」が表示されている。ユーザは、操作部34を操作して、プログラム130の要求画面が備えるソフトウェアボタン「はい」又は「いいえ」を選択することにより、プログラム130のダウンロードを許可するか否かを選択する。
【0030】
携帯電話機3は、プログラム130の要求画面でソフトウェアボタン「いいえ」が選択された場合、Webサーバ装置1からコンテンツをダウンロードする動作を終了し、コンテンツのダウンロードを実行しない。携帯電話機3は、プログラム130の要求画面でソフトウェアボタン「はい」が選択された場合、Webサーバ装置1にプログラム130の送信を要求し、要求に応じてデータ容量表131と共に送られてきたプログラム130を無線通信部36により受信開始する。そして、携帯電話機3は、プログラム130及びデータ容量表131をフラッシュメモリ33に記憶することで、プログラム130のダウンロードを開始する。これにより、コンテンツのダウンロードに用いられるプログラム130が携帯電話機3にインストールされる。
【0031】
また、携帯電話機3は、表示部40にプログラム130のダウンロードの進捗状況を示すダウンロード画面を表示する。図5Bに示す例では、アプリケーションとしてのプログラム130をダウンロード中である旨を報知するメッセージ「アプリケーションをダウンロード中」が表示されている。プログラム130のダウンロード画面は、ダウンロードを中止するためのソフトウェアボタン「キャンセル」を備え、ダウンロードの進捗状況を示すプログレスバーが表示されている。
【0032】
携帯電話機3は、ダウンロード画面のソフトウェアボタン「キャンセル」が選択された場合、プログラム130のダウンロードを中止する。この場合、携帯電話機3は、Webサーバ装置1からコンテンツをダウンロードしない。携帯電話機3は、プログラム130のダウンロードを完了した場合、当該プログラム130をCPU30により実行する。
【0033】
図6は、実施の形態1に係るコンテンツの要求画面及びダウンロード画面の例を示す模式図である。図6A及び図6B夫々は、コンテンツの要求画面及びダウンロード画面夫々の例を示している。携帯電話機3は、CPU30により実行されるプログラム130に従ってコンテンツの要求画面を表示部40に表示する。携帯電話機3は、コンテンツの要求画面を表示することにより、携帯電話回線網N2を介して中継サーバ装置2との間で大量の通信が行われる旨をユーザに報知する。
【0034】
図6Aに示す例では、メッセージ「大量の通信を行います。」が表示されると共に、ユーザに携帯電話キャリア等が提供する大容量通信サービス等への加入を促すメッセージが表示されている。また、携帯電話機3がWebサーバ装置1に要求するコンテンツの種類及びタイトル名を示す「動画タイトル:XYZ」が表示されている。更にコンテンツの要求画面には、タイトル名「XYZ」を有し、動画であるコンテンツのダウンロードを許可するか否かの選択をユーザから受け付けるためのメッセージ「以下の動画をダウンロードしますか?」が表示されている。
【0035】
ユーザは、操作部34を操作して、コンテンツの要求画面が備えるソフトウェアボタン「はい」及び「いいえ」のいずれかを選択することにより、コンテンツのダウンロードの許可の可否を選択する。携帯電話機3は、要求画面でソフトウェアボタン「いいえ」が選択された場合、Webサーバ装置1からコンテンツのダウンロードを実行しない。ユーザによりコンテンツのダウンロードが許可された場合、携帯電話機3は、プログラム130に従ってWebサーバ装置1にコンテンツの送信を要求する。
【0036】
携帯電話機3は、要求に応じて送られてきた後述の部分データ夫々を無線通信部36により受信し、フラッシュメモリ33に記憶する。また、携帯電話機3は、部分データを受信する都度、フラッシュメモリ33に記憶してある部分データに、新たに受信した部分データを結合することで、コンテンツのダウンロードを開始する。携帯電話機3は、表示部40にコンテンツのダウンロードの進捗状況を示すダウンロード画面を表示する。
【0037】
図6Bに示す例では、コンテンツをダウンロード中である旨をユーザに報知するメッセージ「動画タイトル:XYZをダウンロード中」が表示されている。コンテンツのダウンロード画面は、ダウンロードを中断するためのソフトウェアボタン「キャンセル」を備え、ダウンロードの進捗状況を示すプログレスバーが表示されている。また、コンテンツのダウンロード画面には、コンテンツ容量と、受信済みのデータ容量とが表示される。図6のダウンロード画面の例は、中継サーバ装置2にデータ容量の最大値150KByteが設定されており、当該最大値を超えるコンテンツ容量200MByteのコンテンツをダウンロード中である場合を示している。
【0038】
また、コンテンツ容量200MByteのうち、26MByteまでコンテンツの一部を受信済みであることが表示されている。携帯電話機3は、コンテンツのダウンロード画面のソフトウェアボタン「キャンセル」が選択された場合、ダウンロードを中断してプログラム130の実行を終了する。また、携帯電話機3は、コンテンツのダウンロードを完了した場合、プログラム130の実行を終了する。そして、携帯電話機3は、ダウンロードしたコンテンツを記録再生部41に挿入された記録媒体41aに記録する。次に携帯電話機3がダウンロードしたコンテンツを再生する動作を説明する。
【0039】
図7は、再生画面及び選択画面の例を示す模式図である。図7A及び図7B夫々は、再生画面及び選択画面夫々の例を示している。携帯電話機3は、コンテンツのダウンロードを中止又は完了した場合、再生画面を表示部40に表示する。図7Aに示す例では、再生したコンテンツの映像を表示する表示領域と、再生の停止、一時停止、戻り、再生開始及び早送り夫々を指示するための複数のソフトウェアボタンとを再生画面が備えている。また、再生画面は、他のコンテンツを選択するためのソフトウェアボタン「コンテンツ選択」を備える。
【0040】
携帯電話機3は、操作部34によりユーザから再生開始を受け付けた場合、コンテンツを再生して再生画面の表示領域に映像を表示すると共に、音声出力部38からコンテンツに含まれる音声を放音する。再生画面は、ダウンロードしたコンテンツが動画を含まない音声又は音楽である場合、表示領域を備えていなくてもよい。携帯電話機3は、操作部34によりソフトウェアボタン「コンテンツ選択」の選択をユーザから受け付けた場合、選択画面を表示部40に表示する。
【0041】
選択画面は、コンテンツを選択するためのリストボックスと、コンテンツを削除するためのソフトウェアボタンとを備える。また、選択画面には、選択されたコンテンツがダウンロードを中断したコンテンツである場合、ダウンロードを再開するためのソフトウェアボタンが表示される。図7Bに示す例では、ユーザにコンテンツの選択を促すメッセージ「コンテンツを選択してください」と、記録媒体41aに記録されているコンテンツのうち、一つのコンテンツが選択されたリストボックスとが表示されている。
【0042】
携帯電話機3は、操作部34がリストボックスの選択操作をユーザから受付けた場合、記録媒体41aに記憶されているコンテンツのタイトル一覧を記録再生部41により読み出してポップアップ表示する。携帯電話機3は、操作部34がポップアップ表示されたタイトル一覧から一つのタイトルを選択する操作をユーザから受け付けることにより、コンテンツを選択する。選択画面には、選択されたコンテンツがダウンロードを中断したコンテンツである場合、ダウンロードを再開するためのソフトウェアボタンが表示される。
【0043】
図7に示す例では、ダウンロードを中断したコンテンツ「タイトル:XYZ」が選択されており、ダウンロードを再開するためのソフトウェアボタン「続きをダウンロード」が表示されている。また、コンテンツの選択画面は、選択されたコンテンツを記録媒体41aから削除するためのソフトウェアボタン「削除」及び選択画面を終了するためのソフトウェアボタン「終了」を備えている。次にCPU30がプログラム130に従って実行する処理を説明する。
【0044】
図8は、実施の形態1に係るコンテンツのダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。ダウンロード処理は、携帯電話機3にダウンロードされたプログラム130に従って、CPU30により実行される。ここで、ダウンロードするコンテンツの一部のデータを部分データと呼び、コンテンツに含まれる部分データを、携帯電話機3からWebサーバ装置1に順々に要求することを順次要求すると呼ぶ。また、Webサーバ装置1が携帯電話機3から順次要求された部分データを順々に携帯電話機3に送信することを順次送信すると呼ぶ。携帯電話機3がWebサーバ装置1から送られてきた部分データを受信し、受信済みの部分データに連結して一つにすることを部分データを結合すると呼ぶ。CPU30は、コンテンツの選択画面により選択されたコンテンツをWebサーバ装置1に要求する後述のコンテンツ要求処理を実行する(ステップS11)。CPU30は、コンテンツ要求処理に従ってWebサーバ装置1が携帯電話機3からの要求を認証することにより、要求したコンテンツのコンテンツ容量をWebサーバ装置1から受信したか否かを判定する(ステップS12)。
【0045】
CPU30は、コンテンツ容量を受信していないと判定した場合(ステップS12でNO)、ダウンロード処理を終了する。これにより、Webサーバ装置1が携帯電話機3からの要求を認証しなかった場合、コンテンツが携帯電話機3にダウンロードされない。CPU30は、コンテンツ容量を受信したと判定した場合(ステップS12でYES)、コンテンツ容量に基づいて要求するコンテンツのデータ範囲を決定する後述のデータ範囲決定処理を実行し(ステップS13)、決定したデータ範囲からなる部分データをWebサーバ装置1からダウンロードする後述の部分ダウンロード処理を実行する(ステップS14)。
【0046】
CPU30は、部分ダウンロード処理の実行により、部分データを受信済みであるか否かを判定する(ステップS15)。CPU30は、フラッシュメモリ33に結合していない部分データがある場合に受信済みであると判定するとよい。CPU30は、部分データを受信済みでないと判定した場合(ステップS15でNO)、フラッシュメモリ33に記憶されている結合データがあるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、結合データとは、複数の部分データが結合されたデータである。CPU30は、結合データがあると判定した場合(ステップS20でYES)、結合データをダウンロードが中断されたコンテンツとして記録再生部41により記録媒体41aに記録し(ステップS19)、ダウンロード処理を終了する。
【0047】
CPU30は、結合データがないと判定した場合(ステップS20でNO)、ダウンロード処理を終了する。CPU30は、ステップS15で部分データを受信済みであると判定した場合(ステップS15でYES)、部分データを結合する(ステップS16)。部分データの結合は、フラッシュメモリ33に結合データが既に記憶されている場合、新たに受信した部分データを既に記憶されている結合データに結合することで実行する。また、フラッシュメモリ33に結合データが記憶されていない場合、受信した部分データをフラッシュメモリ33に結合データとして記憶する。
【0048】
CPU30は、フラッシュメモリ33に記憶してある結合データの容量を取得し(ステップS17)、Webサーバ装置1から受信したコンテンツ容量と一致するか否かを判定する(ステップS18)。CPU30は、一致しないと判定した場合(ステップS18でNO)、ステップS13に処理を戻して、次に要求するコンテンツのデータ範囲を決定することで、コンテンツの部分データを順次要求する。CPU30は、一致したと判定した場合(ステップS18でYES)、フラッシュメモリ33に記憶してある結合データをダウンロードが完了したコンテンツとして記録再生部41により記録媒体41aに記録し(ステップS19)、ダウンロード処理を終了する。CPU30は、プログラム130に従ってダウンロード処理を実行することで、コンテンツの部分データをWebサーバ装置1に順次要求する順次要求部として機能する。
【0049】
図9は、コンテンツ要求処理の手順を示すフローチャートである。コンテンツ要求処理は、図8に示したダウンロード処理のステップS11で、携帯電話機3のCPU30及びWebサーバ装置1のCPU10により実行される。携帯電話機3のCPU30は、コンテンツの選択画面に応じて選択されたコンテンツを示すコンテンツIDと、フラッシュメモリ33から読み出した端末ID330とを取得する(ステップS31)。コンテンツIDは、コンテンツの選択画面を表示部40に表示する際に、携帯電話機3がWebサーバ装置1から受信してRAM32又はフラッシュメモリ33に記憶しておくとよい。CPU30は、コンテンツID及び端末ID330を含むコンテンツ要求をWebサーバ装置1へ送信する(ステップS32)。
【0050】
Webサーバ装置1のCPU10は、携帯電話機3から送られてきたコンテンツ要求を受信し(ステップS33)、コンテンツ要求に含まれる端末ID330を認証する(ステップS34)。ここで、Webサーバ装置1のHD13には、要求されたコンテンツの送信を許可する端末IDの一覧を予め記憶しておくとよい。そして、CPU10は、端末ID330が端末IDの一覧に含まれる場合に、許可する端末IDとして認証するとよい。CPU10は、認証結果を携帯電話機3へ送信する(ステップS35)。CPU10は、認証結果に基づいてコンテンツのダウンロードを許可する携帯電話機として認証したか否かを判定する(ステップS39)。
【0051】
CPU10は、認証していないと判定した場合(ステップS39でNO)、コンテンツ要求処理を終了する。CPU10は、認証したと判定した場合(ステップS39でYES)、コンテンツ要求に含まれるコンテンツIDに対応するコンテンツのコンテンツ容量を取得する(ステップS40)。CPU10は、コンテンツ容量を携帯電話機3へ送信する(ステップS41)。携帯電話機3のCPU30は、Webサーバ装置1から送られてきた認証結果を受信し(ステップS36)、携帯電話機3がWebサーバ装置1により認証されたか否かを判定する(ステップS37)。
【0052】
CPU30は、認証されていないと判定した場合(ステップS37でNO)、コンテンツ要求処理を終了する。CPU30は、認証されたと判定した場合(ステップS37でYES)、Webサーバ装置1から送られてきたコンテンツ容量を受信して(ステップS38)、コンテンツ要求処理を終了する。
【0053】
図10は、データ範囲決定処理の手順を示すフローチャートである。データ範囲決定処理は、図8に示したダウンロード処理のステップS13で携帯電話機3のCPU30により実行される。CPU30は、フラッシュメモリ33から機種情報331を読み出し(ステップS51)、無線通信部36により通信速度を取得する(ステップS52)。CPU30は、機種情報331が示す機種及び通信速度に関連付けられたデータ容量をデータ容量表131から読み出す(ステップS53)。CPU30は、フラッシュメモリ33の記憶容量のうち、部分データの記憶に割り当てられた記憶容量を取得する(ステップS54)。CPU30は、読み出したデータ容量が取得した記憶容量以下であるか否かを判定する(ステップS55)。
【0054】
CPU30は、記憶容量以下であると判定した場合(ステップS55でYES)、フラッシュメモリ33に記憶している結合データの終端位置を取得する(ステップS57)。CPU30は、結合データの終端位置の次の位置を、要求する部分データのデータ範囲の先頭位置として決定する(ステップS58)。CPU30は、データ範囲の先頭位置及びデータ容量に基づいて、データ範囲の終端位置を決定し(ステップS59)、データ範囲決定処理を終了する。また、CPU30は、ステップS55でデータ容量が記憶容量以下でないと判定した場合(ステップS55でNO)、取得した記憶容量をデータ容量に設定して(ステップS56)、ステップS57に処理を移す。
【0055】
CPU30は、プログラム130に従ってデータ範囲決定処理を実行することで、通信速度と、部分データの記憶に割り当てられた記憶容量とに基づいて、部分データのデータ容量を決定する決定部として機能する。また、データ範囲決定処理では、携帯電話機3が処理速度の遅い機種である場合、例えば受信した部分データの結合に長い時間を要するため、小さなデータ容量が設定される。これにより、CPU30は、部分データの結合に要する時間に基づいて部分データの容量を決定する決定部としても機能する。
【0056】
実施の形態1に係る図11及び図12は、部分ダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。部分ダウンロード処理は、図8で示したダウンロード処理のステップS14で、携帯電話機3のCPU30により実行される。CPU30は、要求回数をインクリメントし(ステップS71)、コンテンツの部分データを要求する部分要求を無線通信部36によりWebサーバ装置1に送信する(ステップS72)。部分要求は、データ範囲決定処理により決定したデータ範囲を含む。Webサーバ装置1のCPU10は、携帯電話機3から送られてきた部分要求を通信部14により受信する(ステップS73)。
【0057】
CPU10は、要求されたデータ範囲のコンテンツの一部をHD13から読み出すことで部分データを読み出す(ステップS74)。CPU10は、読み出した部分データのハッシュ値を取得し(ステップS75)、当該ハッシュ値を付加して部分データを通信部14により携帯電話機3へ送信開始する(ステップS76)。携帯電話機3のCPU30は、Webサーバ装置1から送られてきた部分データを無線通信部36により受信開始する(ステップS77)。CPU30は、ユーザによる操作を操作部34により受け付けて(ステップS78)、受け付けた操作がコンテンツのダウンロードを中断する中断操作であるか否かを判定する(ステップS79)。
【0058】
CPU30は、中断操作であると判定した場合(ステップS79でYES)、受信済みのデータをフラッシュメモリ33から削除する(ステップS83)。CPU30は、要求回数をリセットして(ステップS86)、部分ダウンロード処理を終了する。CPU30は、ステップS79で中断操作でないと判定した場合(ステップS79でNO)、部分データの受信を完了したか否かを判定する(ステップS80)。CPU30は、部分データの受信を完了していないと判定した場合(ステップS80でNO)、無線通信部36からの切断の通知の有無に基づいて接続が切断された否かを判定する(ステップS81)。これにより、CPU30は、着呼の受付け、発呼の送出及び通信障害等により、無線通信部36によるデータ通信接続が切断されたか否かを判定する。
【0059】
CPU30は、接続が切断されていないと判定した場合(ステップS81でNO)、ステップS80に処理を戻す。CPU30は、接続が切断されたと判定した場合(ステップS81でYES)、要求回数が所定回数に達したか否かを判定する(ステップS82)。所定回数は、ユーザが許容可能な回数等に基づいてプログラム130に予め設定しておくとよい。CPU30は、所定回数に達したと判定した場合(ステップS82でYES)、受信が中断された受信済みのデータをフラッシュメモリ33から削除(ステップS83)する。そして、CPU30は、要求回数をリセットして(ステップS86)部分ダウンロード処理を終了する。
【0060】
CPU30は、所定回数に達していないと判定した場合(ステップS82でNO)、ステップS71に処理を戻して要求回数をインクリメントし、接続が切断されて受信が中断した部分データの部分要求を、無線通信部36によりWebサーバ装置1に送信することで(ステップS72)、切断された接続を試行する。CPU30は、ステップS80で部分データの受信を完了したと判定した場合(ステップS80でYES)、受信を完了した部分データのハッシュ値を取得する(ステップS84)。
【0061】
CPU30は、取得したハッシュ値が、Webサーバ装置1から受信した部分データに付加されているハッシュ値と一致するか否かを判定する(ステップS85)。これにより、CPU30は、部分データに含まれるエラーを検出するエラー検出部として機能する。CPU30は、一致しないと判定した場合(ステップS85でNO)、フラッシュメモリ33に記憶した受信済みの部分データを削除する(ステップS87)。そして、CPU30は、ステップS71に処理を戻して要求回数をインクリメントし、ハッシュ値が一致しなかった部分データの部分要求を無線通信部36によりWebサーバ装置1に再送する(ステップS72)。
【0062】
CPU30は、ステップS85で一致したと判定した場合(ステップS85でYES)、要求回数をリセットして(ステップS86)部分ダウンロード処理を終了する。CPU30は、プログラム130に従って部分ダウンロード処理を実行することにより、携帯電話機3が中断操作を受付けた場合、又はWebサーバ装置1との間で確立した接続が切断された場合に部分データの順次要求を中断する中断部として機能する。また、CPU30は、切断された接続を試行する試行部及びエラーを検出した部分データの再送を要求する再送要求部として機能する。
【0063】
コンテンツの選択画面が備えるダウンロードを再開するソフトウェアボタンの選択操作を操作部34によりユーザから受付けた場合にも、CPU30は、プログラム130に従ってダウンロード処理を実行する。この場合、図10に示したデータ範囲決定処理のステップS57において、結合データの終端位置の代わりに、ダウンロードが中断されたコンテンツの終端位置を、記録再生部41により記録媒体41aから読み出して取得する。CPU30は、プログラム130に従ってダウンロード処理を実行することにより、中断した部分データの順次要求を再開する再開部として機能する。
【0064】
本実施の形態1では、部分データを受信する都度、ハッシュ値が一致するか否かを判定する場合を示したが、これに限るものではない。Webサーバ装置1から順次送られてきた部分データを結合して得たコンテンツに含まれるエラーの有無を判定してもよい。例えば、結合して得たコンテンツを複数のデータ範囲に区切って、各データ範囲のハッシュ値を取得し、Webサーバ装置1に要求して送られてきた各データ範囲のハッシュ値と一致するか否かを判定する。そして、ハッシュ値が一致しないデータ範囲の部分データに関する部分要求をWebサーバ装置1に送信する。この場合、CPU30は、コンテンツに含まれるエラーを検出するコンテンツエラー検出部及びエラーを検出した部分データの再送を要求する再送要求部として機能する。
【0065】
Webサーバ装置1から携帯電話機3にダウンロードするコンテンツは、映像、音声及びアプリケーション等のコンテンツ単体で再生されるものを示したが、これに限るものではない。ダウンロード済みのコンテンツに追加されるコンテンツをダウンロードしてもよい。追加されるコンテンツは、例えば、ダウンロード済みのコンテンツに含まれる音声に対応する字幕データ等でもよい。この場合、携帯電話機3は、ダウンロードを完了したコンテンツを再生して映像音声を表示及び放音すると共に、新たにダウンロードした追加コンテンツに基づいて音声に対応する字幕を表示部40に表示する。
【0066】
データ容量表131は、機種情報を含む場合を示したが、これに限るものではない。例えば、CPU30の種類及び動作周波数等の携帯電話機3の処理速度に関連する情報を機種情報の代わりにデータ容量表131に設定してもよい。フラッシュメモリ33の記憶容量のうち、部分データの記憶に割り当てられる記憶容量が予め設定されている場合を示したが、これに限るものはない。例えば、部分データの記憶には、フラッシュメモリ33の空き容量を随時割り当ててもよい。この場合、図10に示したデータ範囲決定処理のステップS54で、部分データの記憶に割り当てられる記憶容量の代わりにフラッシュメモリ33の空き容量を取得する。
【0067】
そして、ステップS55でデータ容量が空き容量以下であるか否かを判定する。また、ステップS56では、部分データの記憶に割り当てられる記憶容量の代わりに空き容量をデータ容量に設定する。携帯電話機3は、Webサーバ装置1に部分データを要求する都度、部分データのデータ容量を決定する場合を示したが、これに限るものではない。例えば、部分データを最初に要求する場合に部分データのデータ容量を決定し、当該データ容量を用いて部分データを順次要求してもよい。また、携帯電話機3は、コンテンツをダウンロードしている状態で通信速度の変動分が所定量を超えた場合に、新たにデータ容量を決定してもよい。
【0068】
本実施の形態1の携帯電話機3は、コンテンツの部分データをWebサーバ装置1に要求し、送られてきた部分データを受信する都度、受信済みの部分データに新たに受信した部分データを結合することで、部分データ夫々の受信操作をユーザが行う手間を省略することが可能となる。携帯電話機3は、部分データの受信を中断した場合、又はWebサーバ装置1との間で接続が切断された場合であっても、結合データをコンテンツの一部として記憶することにより、受信したコンテンツの一部を再生することが可能となる。
【0069】
携帯電話機3は、通信障害、着呼の受付及び発呼の送出等により、Webサーバ装置1との間で通信接続が切断された場合であっても、Webサーバ装置1に部分要求を再送することで接続操作をユーザが行う手間を省略することが可能となる。携帯電話機3は、中断操作を受付けた場合、部分データの受信を中断することにより、ユーザがコンテンツのダウンロードを中断することが可能となる。携帯電話機3は、ハッシュ値が一致しない部分データの再送をWebサーバ装置1に要求することにより、エラーを含まないコンテンツをダウンロードすることが可能となる。
【0070】
携帯電話機3は、処理速度の異なる機種及び通信速度に応じて部分データのデータ容量を決定することにより、効率良くコンテンツのダウンロードを行うことが可能となる。携帯電話機3は、フラッシュメモリ33の記憶容量又は空き容量に応じて部分データのデータ容量を決定することにより、受信した部分データが記憶できない場合を防止することが可能となる。また、携帯電話機3は、部分データのデータ容量を中継サーバ装置2に設定されているデータ容量の最大値以下となるよう決定することにより、当該最大値を超えるコンテンツを中継サーバ装置2を介してWebサーバ装置1からダウンロードすることが可能となる。
【0071】
実施の形態2
本実施の形態2は、実施の形態1がコンテンツのダウンロードをユーザが選択した場合、直ちにダウンロードを開始するのに対して、予約した時間帯にダウンロードを開始するようにしてある。図13は、実施の形態2に係るコンテンツの要求画面及び時間帯設定画面の例を示す模式図である。図13A及び図13B夫々は、コンテンツの要求画面及び時間帯設定画面の例を示している。携帯電話機3は、プログラム130に従ってコンテンツの要求画面を表示部40に表示する。
【0072】
要求画面には、メッセージ、コンテンツの種類及びタイトル名、並びにダウンロードの許可の可否を選択するためのソフトウェアボタンと共に、ダウンロードを予約するためのソフトウェアボタンが表示される。図13に示す例では、ソフトウェアボタン「ダウンロード予約」が表示されている。携帯電話機3は、ダウンロードの予約を選択する操作をユーザから操作部34により受付けた場合、時間帯設定画面を表示部40に表示する。時間帯設定画面は、ダウンロードの開始時刻及び終了時刻を入力するテキストボックスと、時間帯を設定するためのソフトウェアボタンと、時間帯設定画面を終了するためのソフトウェアボタンとを備える。
【0073】
図13Bに示す例では、時間帯の設定をユーザに促すメッセージと、コンテンツの種類及びタイトルと、開始時刻及び終了時刻夫々の時分を受付けるためのテキストボックスとが表示されている。また、テキストボックスに入力された開始時刻及び終了時刻をダウンロードを実行する時間帯として設定するためのソフトウェアボタン「予約設定」と、時間帯設定画面を終了するためのソフトウェアボタン「終了」とを備えている。図13Bに示す例では、開始時刻及び終了時刻夫々に23時30分及び6時00分が入力されており、ソフトウェアボタン「予約設定」が選択された場合、23時30分から6時00分までの時間帯にダウンロードが実行される。操作部34は、表示部40に表示した時間帯設定画面に応じた操作をユーザから受付けることで、時間帯受付部として機能する。
【0074】
図14及び図15は、実施の形態2に係るコンテンツのダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。ダウンロード処理は、時計部35が出力する時刻が、時間帯設定画面により設定したダウンロードの開始時刻となった場合、携帯電話機3のCPU30により実行される。CPU30は、フラッシュメモリ33に記憶されている予約リストに、ダウンロードを予約したコンテンツのコンテンツIDがあるか否かを判定する(ステップS101)。CPU30は、コンテンツIDがないと判定した場合(ステップS101でNO)、ダウンロード処理を終了する。CPU30は、コンテンツIDがあると判定した場合(ステップS101でYES)、コンテンツ要求処理を実行する(ステップS102)。
【0075】
コンテンツ要求処理は、図9で示した手順と同様であるので説明を省略する。CPU30は、コンテンツ要求処理の実行により、要求したコンテンツのコンテンツ容量をWebサーバ装置1から受信したか否かを判定する(ステップS103)。CPU30は、コンテンツ容量を受信していないと判定した場合(ステップS103でNO)、ダウンロード処理を終了する。CPU30は、コンテンツ容量を受信したと判定した場合(ステップS103でYES)、データ範囲決定処理を実行し(ステップS104)、続いて部分ダウンロード処理を実行する(ステップS105)。データ範囲決定処理及び部分ダウンロード処理夫々は、図10と、図11及び図12で示した手順と同様であるので説明を省略する。
【0076】
CPU30は、部分データを受信済みであるか否かを判定する(ステップS106)。CPU30は、部分データを受信済みでないと判定した場合(ステップS106でNO)、フラッシュメモリ33に記憶されている結合データがあるか否かを判定する(ステップS113)。CPU30は、結合データがあると判定した場合(ステップS113でYES)、ダウンロードが中断されたコンテンツとして結合データを記録媒体41aに記録して(ステップS114)、ダウンロード処理を終了する。
【0077】
CPU30は、結合データがないと判定した場合(ステップS113でNO)、ダウンロード処理を終了する。CPU30は、ステップS106で部分データを受信済みであると判定した場合(ステップS106でYES)、部分データを結合する(ステップS107)。CPU30は、結合データの容量を取得し(ステップS108)、Webサーバ装置1から受信済みのコンテンツ容量と一致するか否かを判定する(ステップS109)。CPU30は、一致しないと判定した場合(ステップS109でNO)、時計部35が出力する時刻を取得する(ステップS110)。
【0078】
CPU30は、取得した時刻が設定された終了時刻を過ぎたか否かを判定する(ステップS111)。CPU30は、終了時刻を過ぎていないと判定した場合(ステップS111でNO)、ステップS104に処理を戻す。CPU30は、終了時刻を過ぎたと判定した場合(ステップS111でYES)、ダウンロードが中断されたコンテンツとして結合データを記録媒体41aに記録して(ステップS114)、ダウンロード処理を終了する。CPU30は、ステップS109で一致すると判定した場合(ステップS109でYES)、フラッシュメモリ33に記憶されている予約リストからダウンロードを完了したコンテンツのコンテンツIDを削除する(ステップS112)。そして、CPU30は、ダウンロードが完了したコンテンツとして結合データを記録媒体41aに記録して(ステップS114)、ダウンロード処理を終了する。これにより、CPU30は、ダウンロードが中断されて予約リストにコンテンツIDが残っている場合に、ダウンロードの開始時刻にダウンロード処理を実行することで当該コンテンツのダウンロードが再開される。
【0079】
CPU30は、プログラム130に従ってダウンロード処理を実行することにより、受付けた時間帯に基づいて部分データを順次要求する順次要求部として機能する。本実施の形態2では、予約した時間帯にコンテンツの部分データを受信することにより、Webサーバ装置1との通信接続が切断される虞の少ない、例えばユーザが就寝している時間帯にコンテンツのダウンロードを行うことが可能となる。また、携帯電話機3は、ダウンロードを中断した場合であっても、毎日、開始時刻にダウンロード処理を実行することにより、ダウンロードの再開操作をユーザが行う手間を省略することが可能となる。
【0080】
本実施の形態2は以上の如きであり、その他は実施の形態1と同様であるので対応する部分には同一の符号及び処理名を付してその詳細な説明を省略する。
【0081】
実施の形態3
本実施の形態3は、実施の形態1が部分データのデータ容量を携帯電話機3が決定するのに対して、Webサーバ装置1が決定する。図16は、実施の形態3に係るコンテンツのダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。ダウンロード処理は、携帯電話機3にダウンロードされたプログラム130に従って、CPU30により実行される。CPU30は、コンテンツ要求処理を実行する(ステップS121)。コンテンツ要求処理は、図9で示したコンテンツ要求処理のステップS31からステップS36までと同様の処理を実行することにより、Webサーバ装置1による認証と、携帯電話機3による認証結果の受信とを行うとよい。
【0082】
CPU30は、コンテンツ要求処理により受信した認証結果に基づいて、Webサーバ装置1により認証されたか否かを判定する(ステップS122)。CPU30は、認証されていないと判定した場合(ステップS122でNO)、ダウンロード処理を終了する。CPU30は、認証されたと判定した場合(ステップS122でYES)、フラッシュメモリ33から機種情報331を読み出す(ステップS123)。CPU30は、通信速度を取得し(ステップS124)、フラッシュメモリ33の空き容量を取得して(ステップS125)、後述の部分ダウンロード処理を実行する(ステップS126)。
【0083】
CPU30は、部分ダウンロード処理の実行により部分データを受信済みであるか否かを判定する(ステップS127)。CPU30は、部分データを受信済みでないと判定した場合(ステップS127でNO)、フラッシュメモリ33に記憶されている結合データがあるか否かを判定する(ステップS128)。CPU30は、結合データがあると判定した場合(ステップS128でYES)、結合データをダウンロードを途中で中断したコンテンツとして記録再生部41により記録媒体41aに記録して(ステップS131)、ダウンロード処理を終了する。
【0084】
CPU30は、結合データがないと判定した場合(ステップS128でNO)、ダウンロード処理を終了する。CPU30は、ステップS127で部分データを受信済みであると判定した場合(ステップS127でYES)、部分データを結合する(ステップS129)。CPU30は、部分ダウンード処理により受信した部分データに付加された後述の完了通知の有無に基づいて、コンテンツのダウンロードを完了したか否かを判定する(ステップS130)。
【0085】
CPU30は、完了していないと判定した場合(ステップS130でNO)、ステップS124に処理を戻して、コンテンツの部分データを順次要求する。CPU30は、完了したと判定した場合(ステップS130でYES)、フラッシュメモリ33に記憶してある結合データを、ダウンロードを完了したコンテンツとして記録再生部41により記録媒体41aに記録して(ステップS131)、ダウンロード処理を終了する。
【0086】
図17及び図18は、実施の形態3に係る部分ダウンロード処理の手順を示すフローチャートである。部分ダウンロード処理は、図16で示したダウンロード処理のフローチャートのステップS126で携帯電話機3のCPU30により実行される。CPU30は、コンテンツの部分データを要求する部分要求をWebサーバ装置1に送信する(ステップS141)。部分要求は、機種情報331、通信速度及びフラッシュメモリ33の空き容量が含まれる。これにより、CPU10は、コンテンツの要求を携帯電話機3から受信するコンテンツ要求受信部として機能する。
【0087】
Webサーバ装置1のCPU10は、携帯電話機3から送られてきた部分要求を通信部14により受信して(ステップS142)、データ範囲決定処理を実行する(ステップS143)。データ範囲決定処理は、図10のフローチャートで示した処理と同様な処理をCPU10で実行するので詳細な説明を省略する。CPU10は、データ範囲決定処理を実行することにより、携帯電話機3へ順次送信する部分データ夫々の容量を決定する容量決定部として機能する。CPU10は、要求回数をインクリメントして(ステップS144)、要求回数が所定回数に達したか否かを判定する(ステップS145)。
【0088】
CPU10は、所定回数に達したと判定した場合(ステップS145でYES)、エラー通知を携帯電話機3へ送信する(ステップS146)。携帯電話機3のCPU30は、Webサーバ装置1から送られてきた通知を受信して(ステップS147)、エラー通知を受信したか否かを判定する(ステップS148)。CPU30は、エラー通知を受信したと判定した場合(ステップS148でYES)、部分ダウンロード処理を終了する。
【0089】
CPU30は、エラー通知を受信していないと判定した場合(ステップS148でNO)、操作部34によりユーザからの操作を受付ける(ステップS149)。CPU30は、中断操作を受付けたか否かを判定する(ステップS156)。CPU30は、中断操作を受付けたと判定した場合(ステップS156でYES)、受信済みデータをフラッシュメモリ33から削除して(ステップS160)、部分ダウンロード処理を終了する。
【0090】
Webサーバ装置1のCPU10は、ステップS145で所定回数に達していないと判定した場合(ステップS145でNO)、データ範囲決定処理により決定したデータ範囲の部分データをHD13から読み出す(ステップS150)。CPU10は、読み出した部分データがコンテンツの終端範囲であるか否かを判定する(ステップS151)。CPU10は、終端範囲であると判定した場合(ステップS151でYES)、コンテンツの送信完了を通知する完了通知を部分データに付加する(ステップS152)。
【0091】
CPU10は、部分データのハッシュ値を取得する(ステップS153)。CPU10は、ステップS151で終端範囲でないと判定した場合(ステップS151でNO)、完了通知を部分データに付加することなくステップS153に処理を移す。CPU10は、ハッシュ値を部分データに付加して通信部14により携帯電話機3へ送信開始し(ステップS154)、再開回数をリセットして(ステップ164)、処理を終了する。これにより、CPU10は、コンテンツの部分データを携帯電話機3に順次送信する順次送信部として機能する。携帯電話機3のCPU30は、ステップS156で中断操作でないと判定した場合(ステップS156でNO)、Webサーバ装置1から送られてきた部分データを無線通信部36により受信開始する(ステップS157)。
【0092】
CPU30は、部分データの受信を完了したか否かを判定する(ステップS158)。CPU30は、部分データの受信を完了していないと判定した場合(ステップS158でNO)、接続が切断されたか否かを判定する(ステップS159)。CPU30は、接続が切断されていないと判定した場合(ステップS159でNO)、ステップS158に処理を戻す。CPU30は、接続が切断されたと判定した場合(ステップS159でYES)、受信済みデータをフラッシュメモリ33から削除して(ステップS160)、部分ダウンロード処理を終了する。
【0093】
CPU30は、ステップS158で受信を完了したと判定した場合(ステップS158でYES)、受信を完了した部分データのハッシュ値を取得する(ステップS161)。 CPU30は、取得したハッシュ値がWebサーバ装置1から部分データに付加されて送られてきたハッシュ値と一致するか否かを判定する(ステップS162)。CPU30は、一致しないと判定した場合(ステップS162でNO)、フラッシュメモリ33に記憶した受信済みの部分データを削除する(ステップS163)。そして、CPU30は、ステップS141に処理を戻して部分要求をWebサーバ装置1に再送する。CPU30は、ステップS162で一致したと判定した場合(ステップS162でYES)、部分ダウンロード処理を終了する。
【0094】
本実施の形態3のWebサーバ装置1は、通信速度及び携帯電話機3の機種に応じて部分データのデータ容量を決定することにより、効率良くコンテンツを携帯電話機3へ送信することが可能となる。Webサーバ装置1は、携帯電話機3のフラッシュメモリ33の空き容量に応じて部分データのデータ容量を決定することにより、携帯電話機3が受信した部分データを記憶できない場合を防止することが可能となる。また、Webサーバ装置1は、部分データのデータ容量を中継サーバ装置2に設定されているデータ容量の最大値以下となるよう決定することにより、当該最大値を超えるコンテンツを中継サーバ装置2を介して携帯電話機3へ送信することが可能となる。
【0095】
本実施の形態は以上の如きであり、その他は実施の形態1及び実施の形態2と同様であるので対応する部分には同一の符号及び処理名を付してその詳細な説明を省略する。
【0096】
実施の形態4
本実施の形態4は、実施の形態1が携帯電話機3に送信するプログラム130及びデータ容量表131をWebサーバ装置1のHD13に記憶してあるのに対して、記録媒体から読み出して記憶する。Webサーバ装置7は、記録媒体8が挿入される記録媒体読込部75を備える。図19は、実施の形態4に係るWebサーバ装置7の内部ハードウェアの例を示すブロック図である。記録媒体8は、CD( Compact Disk )−ROM及びDVD( Digital Versatile Disk )−ROM等であり、データ容量表81を含むプログラム80が記録されている。Webサーバ装置7は、記録媒体読込部75により記録媒体8からプログラム80を読み出してHD73に記憶する。Webサーバ装置7の他の内部ハードウェアは、実施の形態1と同様であるので、符号の相違を説明するに留め、詳細な説明を省略する。
【0097】
Webサーバ装置7は、CPU70と、バス70aを介してCPU70に接続されたROM71と、RAM72と、HD73と、通信部74とを備える。HD73に記憶されたプログラム80は、携帯電話機3によりダウンロードされて、携帯電話機3のCPU30により実行される。CPU30は、プログラム80に従ってコンテンツの部分データをWebサーバ装置7に順次要求し(順次要求ステップ)、Webサーバ装置7から順次送られてきた部分データを受信する(順次受信ステップ)。CPU30は、部分データを受信する都度、当該部分データを受信済みの部分データに結合する(結合ステップ)。
【0098】
以上の実施の形態1乃至4を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0099】
(付記1)
コンテンツを記憶したサーバ装置との間で無線接続を確立し、前記コンテンツを受信する無線端末装置において、
前記サーバ装置へコンテンツの部分データを順次要求する順次要求部と、
該順次要求部により順次要求した部分データ夫々を受信する受信部と、
該受信部により部分データを受信する都度、該部分データを受信済みの部分データに結合する結合部と、
該結合部により結合して得たコンテンツを記憶する記憶部と
を備えることを特徴とする無線端末装置。
【0100】
(付記2)
前記受信部により部分データを受信している期間に前記無線接続の切断を検出する切断検出部と、
該切断検出部により切断を検出した場合、前記順次要求部による順次要求を中断する中断部と
を備え、
前記記憶部は、前記結合部により結合した部分データを記憶するようにしてある
ことを特徴とする付記1に記載の無線端末装置。
【0101】
(付記3)
前記中断部により前記順次要求を中断した場合、無線接続を試行する試行部と、
該試行部により無線接続を確立した場合、前記順次要求部による順次要求を再開する再開部と
を備えることを特徴とする付記2に記載の無線端末装置。
【0102】
(付記4)
電話回線との間で無線接続を確立して通話する通話部を備え、
前記中断部は、前記通話部により通話する場合、前記順次要求部による順次要求を中断するようにしてあり、
前記再開部は、前記通話部による通話を終了した場合、前記順次要求を再開するようにしてある
ことを特徴とする付記2又は付記3に記載の無線端末装置。
【0103】
(付記5)
前記通話部は、前記電話回線を介して着呼を受付けるようにしてあり、
前記中断部は、前記通話部が着呼を受付けた場合、前記順次要求部による順次要求を中断するようにしてある
ことを特徴とする付記4に記載の無線端末装置。
【0104】
(付記6)
前記通話部は、前記電話回線を介して発呼を送出するようにしてあり、
前記中断部は、前記通話部により発呼を送出した場合、前記順次要求部による順次要求を中断するようにしてある
ことを特徴とする付記4又は付記5に記載の無線端末装置。
【0105】
(付記7)
中断操作を受付ける操作受付部を備え、
前記中断部は、前記操作受付部により中断操作を受付けた場合、中断するようにしてある
ことを特徴とする付記2から付記6までのいずれか一つに記載の無線端末装置。
【0106】
(付記8)
前記受信部により部分データを受信する都度、該部分データに含まれるエラーを検出するエラー検出部と、
該エラー検出部によりエラーを検出した場合、該エラーに係る部分データの再送を要求する再送要求部とを備える
ことを特徴とする付記1から付記7までのいずれか一項に記載の無線端末装置。
【0107】
(付記9)
前記結合部により結合して得たコンテンツに含まれるエラーを検出するコンテンツエラー検出部と、
該コンテンツエラー検出部によりエラーを検出した場合、該エラーに係る部分データの再送を要求する再送要求部とを備える
ことを特徴とする付記1から付記7までのいずれか一項に記載の無線端末装置。
【0108】
(付記10)
前記サーバ装置との間の無線接続の通信速度に基づいて前記順次要求部により順次要求する部分データの容量を決定する決定部を備えることを特徴とする付記1から付記9までのいずれか一つに記載の無線端末装置。
【0109】
(付記11)
前記部分データ記憶部の記憶容量に基づいて前記順次要求部により順次要求する部分データの容量を決定する決定部を備えることを特徴とする付記1から付記9までのいずれか一つに記載の無線端末装置。
【0110】
(付記12)
前記結合部が結合に要する時間に基づいて前記順次要求部により順次要求する部分データの容量を決定する決定部を備えることを特徴とする付記1から付記9までのいずれか一つに記載の無線端末装置。
【0111】
(付記13)
前記順次要求部により順次要求する時間帯を受付ける時間帯受付部を備え、
前記順次要求部は、該時間帯受付部により受付けた時間帯に基づいて順次要求するようにしてある
ことを特徴とする付記1から付記12までのいずれか一つに記載の無線端末装置。
【0112】
(付記14)
コンテンツを記憶したサーバ装置と、該サーバ装置に接続する中継装置と、該中継装置との間で無線接続を確立する無線端末装置とを備え、前記サーバ装置から前記中継装置を介して前記無線端末装置へ前記コンテンツを送信するコンテンツ送受信システムにおいて、
前記無線端末装置は、前記サーバ装置へコンテンツの部分データを順次要求する順次要求部を備え、
前記サーバ装置は、前記順次要求部により順次要求した部分データを順次送信する順次送信部を備え、
更に前記無線端末装置は、
前記順次送信部により順次送信した部分データ夫々を受信する受信部と、
該受信部により受信した部分データを記憶する部分データ記憶部と、
前記受信部により部分データを受信する都度、該部分データを受信済みの部分データに結合する結合部と、
該結合部により結合して得たコンテンツを記憶する記憶部と
を備えることを特徴とするコンテンツ送受信システム。
【0113】
(付記15)
記憶してあるコンテンツを送信するサーバ装置において、
コンテンツの要求を受信するコンテンツ要求受信部と、
該コンテンツ要求受信部により受信した要求に係るコンテンツの部分データ夫々を該コンテンツの要求元へ順次送信する順次送信部と、
前記要求元との間の通信速度に基づいて前記順次送信部により順次送信する部分データ夫々の容量を決定する容量決定部と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【0114】
(付記16)
無線端末装置が備えるコンピュータに、サーバ装置からコンテンツを受信させるプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記サーバ装置へコンテンツの部分データを順次要求する順次要求ステップと、
該順次要求ステップにより順次要求した部分データ夫々を受信する受信ステップと、
該受信ステップにより受信した部分データを記憶する部分データ記憶ステップと、
前記受信ステップにより部分データを受信する都度、該部分データを受信済みの部分データに結合する結合ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0115】
1、7 Webサーバ装置(サーバ装置)
2 中継サーバ装置(中継装置)
3 携帯電話機(無線端末装置)
N1 インターネット網
N2 携帯電話回線網
10 CPU (コンテンツ要求受信部、順次送信部、容量決定部)
30、70 CPU(順次要求部、中断部、再開部、決定部、エラー検出部、再送要求部)
14 通信部
13、73 HD
33 フラッシュメモリ
34 操作部(操作受付部)
36 無線通信部(受信部、切断検出部)
37 通話制御部(通話部)
41 記録再生部(記憶部)
41a、8 記録媒体
75 記録媒体読込部
130、80 プログラム
131、81 データ容量表
330 端末ID
331 機種情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを記憶したサーバ装置との間で無線接続を確立し、前記コンテンツを受信する無線端末装置において、
前記サーバ装置へコンテンツの部分データを順次要求する順次要求部と、
該順次要求部により順次要求した部分データ夫々を受信する受信部と、
該受信部により部分データを受信する都度、該部分データを受信済みの部分データに結合する結合部と、
該結合部により結合して得たコンテンツを記憶する記憶部と
を備えることを特徴とする無線端末装置。
【請求項2】
前記受信部により部分データを受信している期間に前記無線接続の切断を検出する切断検出部と、
該切断検出部により切断を検出した場合、前記順次要求部による順次要求を中断する中断部と
を備え、
前記記憶部は、前記結合部により結合した部分データを記憶するようにしてある
ことを特徴とする請求項1に記載の無線端末装置。
【請求項3】
前記中断部により前記順次要求を中断した場合、無線接続を試行する試行部と、
該試行部により無線接続を確立した場合、前記順次要求部による順次要求を再開する再開部と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の無線端末装置。
【請求項4】
電話回線との間で無線接続を確立して通話する通話部を備え、
前記中断部は、前記通話部により通話する場合、前記順次要求部による順次要求を中断するようにしてあり、
前記再開部は、前記通話部による通話を終了した場合、前記順次要求を再開するようにしてある
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の無線端末装置。
【請求項5】
前記受信部により部分データを受信する都度、該部分データに含まれるエラーを検出するエラー検出部と、
該エラー検出部によりエラーを検出した場合、該エラーに係る部分データの再送を要求する再送要求部とを備える
ことを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の無線端末装置。
【請求項6】
前記サーバ装置との間の無線接続の通信速度に基づいて前記順次要求部により順次要求する部分データの容量を決定する決定部を備えることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載の無線端末装置。
【請求項7】
コンテンツを記憶したサーバ装置と、該サーバ装置に接続する中継装置と、該中継装置との間で無線接続を確立する無線端末装置とを備え、前記サーバ装置から前記中継装置を介して前記無線端末装置へ前記コンテンツを送信するコンテンツ送受信システムにおいて、
前記無線端末装置は、前記サーバ装置へコンテンツの部分データを順次要求する順次要求部を備え、
前記サーバ装置は、前記順次要求部により順次要求した部分データを順次送信する順次送信部を備え、
更に前記無線端末装置は、
前記順次送信部により順次送信した部分データ夫々を受信する受信部と、
該受信部により受信した部分データを記憶する部分データ記憶部と、
前記受信部により部分データを受信する都度、該部分データを受信済みの部分データに結合する結合部と、
該結合部により結合して得たコンテンツを記憶する記憶部と
を備えることを特徴とするコンテンツ送受信システム。
【請求項8】
記憶してあるコンテンツを送信するサーバ装置において、
コンテンツの要求を受信するコンテンツ要求受信部と、
該コンテンツ要求受信部により受信した要求に係るコンテンツの部分データ夫々を該コンテンツの要求元へ順次送信する順次送信部と、
前記要求元との間の通信速度に基づいて前記順次送信部により順次送信する部分データ夫々の容量を決定する容量決定部と
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【請求項9】
無線端末装置が備えるコンピュータに、サーバ装置からコンテンツを受信させるプログラムにおいて、
前記コンピュータに、
前記サーバ装置へコンテンツの部分データを順次要求する順次要求ステップと、
該順次要求ステップにより順次要求した部分データ夫々を受信する受信ステップと、
該受信ステップにより受信した部分データを記憶する部分データ記憶ステップと、
前記受信ステップにより部分データを受信する都度、該部分データを受信済みの部分データに結合する結合ステップと
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−130363(P2011−130363A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289490(P2009−289490)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(304044047)株式会社 アールティーブイ (2)
【Fターム(参考)】