説明

無線給電システム、位置検出装置

【課題】面状伝搬媒体上の物体に対して、所望する電力を最適に給電する。
【解決手段】本発明に係る無線給電システムは、送電電力の位相および振幅と、面状伝搬媒体内の電磁界分布との対応関係を記述した分布データをあらかじめ保持しておく。制御部は、指定された電力が面状伝搬媒体上の物体に供給されるような電磁界分布とそのときの送電電力の位相および振幅を、分布データにしたがって特定し、その位相および振幅で面状伝搬媒体に電力を送電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次元的に電磁波を伝搬させる面状伝搬媒体を用いた無線給電システムおよび位置検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、社会インフラのあらゆる分野で電子機器のネットワーク化が進み、そのために接続するコードの数が増加する傾向にある。データ伝送においては、無線LAN(Local Area Network)をはじめワイヤレス化が進んでいるが、電力供給に関してもワイヤレス化のニーズが年々高まっている。しかし、無線給電技術が商用化されているのは、ほぼ接触状態の極近距離で伝送するIHクッキングヒータ、シェーバー、コードレス電話等のみである。距離数m/数W以上の3次元伝送に関しては、電波拡散による伝送効率低下が大きな課題となり、無線給電技術の採用が進んでいないのが現状である。また、無線給電が商用化されている電子機器についても、位置ずれによる特性劣化が大きいため、設置箇所が指定されており設置自由度が乏しい。
【0003】
下記特許文献1では、これらの課題を解決する技術として、2枚の面状導体で面状誘電体を挟み、その間で電磁波を伝達可能にするとともに、面状導体の一方をメッシュ状にして、その近傍に滲み出るエバネッセント波を介して、近傍に電力伝送装置のインターフェースを配置するだけで、電力の出入を可能とする面状伝搬媒体が記載されている。同文献に記載されている技術では、表面波と呼ばれる誘電体内を伝搬する電磁波を面状伝搬媒体内に閉じ込め、面状伝搬媒体に沿って2次元的に電力を伝送させる。そのため、3次元伝送に比べ高効率化が可能となる。また、面状伝搬媒体上に送電対象物を設置しさえすれば電力伝送が成立するので、設置自由度が高い。
【0004】
下記特許文献2では、無線給電技術の重要課題である給電効率向上を実現する技術として、給電対象機器に面状伝搬媒体内の電力を集中させることが記載されている。同文献に記載されている技術では、給電対象物体から送電側に測定波を送信し、複数インターフェースで受信した測定波の位相・振幅情報を計測し、その情報により、給電対象物体での受電値が最大となるように各インターフェースの送電振幅・位相を制御する。さらに、給電対象物体が複数であっても測定波を順番に送信し、給電も時系列で行なうことが開示されている。
【0005】
下記特許文献3では、面状伝搬媒体上の給電対象機器の位置を検知する技術が記載されている。同文献では、面状伝搬媒体上の物品に備えられたRFIDと、面状伝搬媒体を介して通信し、要求を送ってから応答が帰るまでの時間差によって、面状伝搬媒体の長手方向におけるRFIDの1次元座標を推定することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−082178号公報
【特許文献2】特開2010−056994号公報
【特許文献3】特開2009−105600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数電子機器へ時分割で給電する場合、少量のバッテリしか持たない、もしくはバッテリを全く持たない電子機器に対しては、電力供給量が不足し、機器の動作が停止してしまう可能性がある。また、面状伝搬媒体上に載っている非給電対象物である人体や金属缶を過熱してしまう可能性がある。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、面状伝搬媒体上の物体に対して、所望する電力を最適に給電することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る無線給電システムは、送電電力の位相および振幅と、面状伝搬媒体内の電磁界分布との対応関係を記述した分布データをあらかじめ保持しておく。制御部は、指定された電力が面状伝搬媒体上の物体に供給されるような電磁界分布とそのときの送電電力の位相および振幅を、分布データにしたがって特定し、その位相および振幅で面状伝搬媒体に電力を送電する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る無線給電システムによれば、面状伝搬媒体内の電磁界分布を所望の状態に制御することができる。面状伝搬媒体上の物体に対して供給される電力は、面状伝搬媒体内の電磁界分布により定まるので、電磁界分布を制御することにより、面状伝搬媒体上の物体に対して供給する電力を制御することができる。これにより、面状伝搬媒体上の物体に対する電力供給を最適化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1に係る無線給電システム100の構成図である。
【図2】面状伝搬媒体110の斜視図である。
【図3】実施形態2に係る無線給電システム100の構成図である。
【図4】実施形態4に係る無線給電システム100の構成図である。
【図5】RFIDタグ280からの応答信号が複数経路を経由して送電インターフェース120に戻ってくる様子を示す図である。
【図6】実施形態5に係る無線給電システム100の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線給電システム100の構成図である。無線給電システム100は、受電装置200に対して電力を供給するシステムであり、面状伝搬媒体110、送電インターフェース120、送電装置130を備える。
【0013】
面状伝搬媒体110は、2次元的に電磁波を伝搬させることにより電力を伝送する。図1では、面状伝搬媒体110の側断面図を模式的に示した。面状伝搬媒体110は、面状導体111、面状誘電体112、面状メッシュ導体113、保護膜114(第2面状誘電体)を順に重ねて構成され、電力もしくは通信信号を表面波モードとして伝搬させる。面状伝搬媒体110は、面状メッシュ導体113近傍に滲み出るエバネッセント波を介して、電力もしくは通信信号を送受信する。
【0014】
保護膜114の内部には、RFIDタグ115が面に沿って2次元的に配置される。RFIDタグ115は、面状伝搬媒体110上の自身の2次元座標を保持する。
【0015】
送電インターフェース120は、送電装置130と面状伝搬媒体110を接続するインターフェースである。送電インターフェース120は、送電装置130と面状伝搬媒体110の間で、電力もしくは通信信号を送受信する。
【0016】
送電装置130は、送電インターフェース120および面状伝搬媒体110を介して受電装置200に電力を送信する装置であり、振幅制御部131、位相制御部132、テーブル記憶部133、信号処理回路134、スイッチ135、電力生成部136を備える。
【0017】
振幅制御部131と位相制御部132は、それぞれ、送電装置130が供給する電力の振幅と位相を制御する。具体的には、送電インターフェース120を介して面状伝搬媒体110に供給する電圧または電流の振幅と位相を制御する。
【0018】
テーブル記憶部133は、面状伝搬媒体110の上に何も配置されていない理想状態において、送電装置130が面状伝搬媒体110に供給する電力の振幅および位相と、そのときの面状伝搬媒体110内の電磁界分布との対応関係を記述した分布テーブルデータを格納する。この分布テーブルデータは、上記対応関係の複数のパターンを記述する。分布テーブルデータを参照することにより、面状伝搬媒体110内の電磁界分布を所望の状態に制御するためには、送電装置130が送信する電力の振幅および位相をどのような値に制御すればよいかが分かる。面状伝搬媒体110内の電磁界分布によって、受電装置200が受け取る電力が定まるので、面状伝搬媒体110内の電磁界分布を制御することにより、受電装置200に供給する電力を最適化することができる。
【0019】
信号処理回路134は、振幅制御部131と位相制御部132を制御する。また、送電装置130と面状伝搬媒体110の間で送受信する通信信号を受け取って処理する。
【0020】
スイッチ135は、送電インターフェース120と信号処理回路134の間の接続をON/OFFする。送電インターフェース120が複数ある場合、送電インターフェース120毎にスイッチ135を設けてもよい。
【0021】
電力生成部136は、面状伝搬媒体110に供給する電力を生成する。振幅制御部131と位相制御部132は、信号処理回路134からの指示にしたがって、電力生成部136が生成した電力の振幅と位相を制御する。
【0022】
受電装置200は、送電装置130が送電インターフェース120と面状伝搬媒体110を介して供給する電力を受電する装置であり、受電インターフェース210、リーダインターフェース220、通信インターフェース230、RFIDリーダ240、出力制御部250、無線通信部260、整流回路270を備える。
【0023】
受電インターフェース210は、面状伝搬媒体110から電力を受け取るためのインターフェースである。リーダインターフェース220は、RFIDタグ115が保持する情報を読み取るためのインターフェースである。通信インターフェース230は、送電装置130に対して情報を送信するためのインターフェースである。
【0024】
RFIDリーダ240は、リーダインターフェース220を介して、RFIDタグ115が保持している2次元座標情報を読み取る。出力制御部250は、RFIDリーダ240の出力を制御する。無線通信部260は、通信インターフェース230を介して、送電装置130との間で情報を送受信する。整流回路270は、受電インターフェース210を介して受電した電力を直流に整流する。
【0025】
以上、本実施形態1に係る無線給電システム100の構成を説明した。次に、RFID115の役割について補足する。
【0026】
受電装置200に対して最適な給電を提供するためには、面状伝搬媒体110上における受電装置200の位置を正確に特定する必要がある。この課題は、非給電物に対して電力を供給しないようにして安全を確保する際にも同様である。
【0027】
しかし、面状伝搬媒体110内の定在波の影響により、位置検出精度が劣化する可能性がある。面状伝搬媒体110の大きさは有限であるため、面状伝搬媒体110の端部構造が開放構造であろうと短絡構造であろうと端部で電磁波反射が起き、面状伝搬媒体内に定在波を生じさせる。この定在波により、位置計測用の信号レベルが不安定となる。特に、定在波の節となる点で信号レベルが低下することにより、位置検出精度が劣化し、正確な位置検出が難しくなる。以下では、受電装置200の位置を正確に検出するため、面状伝搬媒体110内にRFIDタグ115を配置した構成について説明する。
【0028】
図2は、面状伝搬媒体110の斜視図である。図1で説明した保護膜114は、ここでは省略している。面状メッシュ導体113は碁盤目状になって広がっており、メッシュのピッチによって、電磁界が外界へ滲み出す量を制御することができる。面状誘電体112は、電力効率を考慮すると低誘電率かつ低誘電正接である材料が望ましい。
【0029】
図2では面状伝搬媒体110の端部は開放構造となっているが、端部を金属膜等で覆い短絡構造とした場合でも、端部で電磁波反射が生じる。電磁波反射が生じると面状伝搬媒体110内に定在波が生じ、面状伝搬媒体110内の電気特性の位置依存性が非常に大きくなり、安定した電磁波伝搬動作が困難となる。
【0030】
そこで本実施形態1では、面状伝搬媒体110内の定在波の影響を受けない保護膜114内に、座標計測用のRFIDタグ115を配置している。これにより、面状伝搬媒体110上に置かれた物体の座標を高精度に計測することができる。
【0031】
以上、面状伝搬媒体110の構造とRFIDタグ115の役割について説明した。次に、無線給電システム100の動作を説明する。
(ステップ1:受電装置200の位置を取得する)
ユーザは、受電装置200に電力を供給するため、面状伝搬媒体110の上に受電装置200を載置する。出力制御部250は、RFIDリーダ240の出力を低出力から高出力に向かって徐々に増加させ、RFIDリーダ240の通信距離を、短い距離から長い距離に向かって次第に伸ばす。RFIDリーダ240は、リーダインターフェース220を介して、最も近くにあるRFIDタグ115から2次元座標情報を読み取る。この2次元座標情報により、面状伝搬媒体110上における受電装置200の位置を特定することができる。
【0032】
(ステップ2:2次元座標情報を送信する)
無線通信部260は、RFIDリーダ240が読み取った2次元座標情報を、送電装置130に送信する。2次元座標情報は、通信インターフェース230、面状伝搬媒体110、送電インターフェース120、スイッチ135を介して、信号処理回路134に到達する。
【0033】
(ステップ3:送電電力の振幅と位相を決定する)
信号処理回路134は、ステップ2で受信した2次元座標において、所望の電力が受電装置200に供給されるような電磁界分布を、テーブル記憶部133が保持している分布テーブルデータから取得する。受電装置200が所望する電力の値は、あらかじめその指定値をテーブル記憶部133などに格納しておいてもよいし、2次元座標に対応する何らかの計算式などを用いて指定値を算出してもよい。信号処理回路134は、分布テーブルデータの記述にしたがって、受電装置200が所望の電力を得ることができるような、送電電力の振幅と位相を決定する。
【0034】
(ステップ3:送電電力の振幅と位相を決定する:補足)
ステップ2において、無線通信部260から送電装置130へ2次元座標情報を送信する際に、受電装置200が所望する電力の値を特定することができる情報を、電力需要情報として併せて送信してもよい。例えば、受電装置200のバッテリ残量を送信することが考えられる。
【0035】
(ステップ4:送電電力を調整する)
信号処理回路134は、ステップ3で決定した送電電力の振幅と位相を出力するように振幅制御部131と位相制御部132へ指示する。振幅制御部131と位相制御部132は、その指示にしたがって、送電電力の振幅と位相を制御する。
【0036】
(ステップ5:送電する)
送電装置130は、ステップ4で調整した振幅と位相を用いて、受電装置200へ送電する。
【0037】
(ステップ5:送電する:補足)
分布テーブルデータは、面状伝搬媒体110上に何も置かれていない状態の電磁界分布を記述するデータであるため、受電装置200を載置した状態では、面状伝搬媒体110内の電磁界分布が、何も置かれていない状態のときとは若干異なる可能性がある。この場合は、下記ステップ6で説明するように、受電装置200から送電装置130へ受電電力の値をフィードバックし、電力供給が最適となるような送電振幅と送電位相を、分布テーブルデータが記述している値の近傍で探索するようにしてもよい。
【0038】
(ステップ6:以上の繰り返し)
送電装置130と受電装置200は、以上のステップ1〜5を、例えば所定時間間隔で繰り返し実行するようにしてもよい。この場合、受電装置200の位置が移動しても、常に最適な給電を提供することができる。また、以上のステップを繰り返す過程において、受電装置200が受電した電力の振幅や位相を、電力需要情報として無線送電装置260から送電装置130に通知し、送電電力の振幅と位相を再調整することもできる。
【0039】
<実施の形態1:まとめ>
以上のように、本実施形態1に係る無線給電システム100は、送電電力の振幅および位相と、面状伝搬媒体110内の電磁界分布との対応関係をあらかじめ分布テーブルデータとして保持しておく。これにより、面状伝搬媒体110内の電磁界分布を所望の状態に制御することができる。すなわち、面状伝搬媒体110上の特定位置における給電状態が最適となるように、電磁界分布を制御することができる。
【0040】
また、本実施形態1によれば、受電装置200が複数置かれている場合であっても、各設置位置における給電状態が最適となるように、面状伝搬媒体110内の電磁界分布を制御することにより、各受電装置200に対する給電を個別に最適化することができる。
【0041】
また、本実施形態1によれば、面状伝搬媒体110内で定在波が発生する場合でも、その定在波の影響を加味した分布テーブルデータをあらかじめ保持しているので、定在波の発生による給電効率の低下などの影響を緩和することができる。
【0042】
また、本実施形態1に係る無線給電システム100は、2次元座標情報を保持したRFIDタグ115を面状伝搬媒体110内に配置し、受電装置200が備えるRFIDリーダ240でその2次元座標情報を読み取る。これにより、受電装置200の位置を精度よく検出することができる。
【0043】
また、本実施形態1によれば、保護膜114内にRFIDタグ115を配置しているので、RFIDタグ115とRFIDリーダ240の間の通信距離を小さくすることができる。これにより、廉価なRFIDタグ115とRFIDリーダ240で無線給電システム100を構成することができる。さらには、RFIDリーダ240の出力を小さくできるので、面状伝搬媒体110内に生じる定在波の影響を軽減できる。
【0044】
また、本実施形態1では、面状伝搬媒体110内の定在波の影響を受けない保護膜114内に、RFIDタグ115を配置している。これにより、面状伝搬媒体110上に置かれた受電装置200の位置を精度よく検出することができる。
【0045】
<実施の形態2>
図3は、本発明の実施形態2に係る無線給電システム100の構成図である。本実施形態2では、受電装置200が無線通信機能を持たない低機能デバイスであることを想定した構成を説明する。
【0046】
本実施形態2において、受電装置200は、実施形態1で説明した無線通信装置260と通信インターフェース230を備えていない。これに代えて、送電装置130が新たにRFIDリーダ137を備えている。
【0047】
また本実施形態2において、RFIDタグ115は、面状誘電体112の内部に配置されていることが望ましい。この理由については後述する。
【0048】
以上、本実施形態2に係る無線給電システム100の構成について説明した。次に、無線給電システム100の動作を説明する。
(ステップ1:RFIDタグ115に対して読取要求を発信する)
ユーザは、受電装置200に電力を供給するため、面状伝搬媒体110の上に受電装置200を載置する。出力制御部250は、RFIDリーダ240の出力を低出力から高出力に向かって徐々に増加させ、RFIDリーダ240の通信距離を、短い距離から長い距離に向かって次第に伸ばす。これにより、リーダインターフェース220に最も近いRFIDタグ115に対して、読取要求が発信されることになる。
【0049】
(ステップ2:RFIDタグ115からの応答を受信する)
本実施形態2において、RFIDリーダ240からRFIDタグ115に読取要求が到達すると、RFIDタグ115は応答信号を発信する。この応答信号は、面状伝搬媒体110内を伝搬する。本実施形態2では、RFIDタグ115が実施形態1よりも深い位置に配置されているので、応答信号は実施形態1と比較して面内方向に伝搬しやすい。そのため、送電装置130が備えるRFIDリーダ137も、RFIDタグ115が発信する応答信号を受信することができる。すなわち、受電装置200から送電装置130に対して2次元座標情報を送信しなくとも、送電装置130が自ら2次元座標情報を取得することができるので、受電装置200は無線送信機能を備えていなくともよい。
【0050】
(ステップ2:RFIDタグ115からの応答を受信する:補足)
RFIDタグ115の深さ方向の位置は、面状誘電体112の内部でなくともよい。深さ方向の位置がいずれの場合であっても、RFIDタグ115が発信する応答信号は面内方向に伝搬するので、RFIDリーダ137はその応答信号を受信することができる。ただし、応答信号の強度の観点からは、深さ方向で中心部分に近い位置にRFIDタグ115が配置されていたほうが望ましい。
【0051】
(ステップ3〜ステップ6:実施形態1と共通)
信号処理回路134は、RFIDリーダ137が受信した応答信号から、RFIDタグ115の2次元座標を取得する。以後の処理は、実施形態1と共通である。
【0052】
<実施の形態2:まとめ>
以上のように、本実施形態2によれば、送電装置130は、RFIDタグ115が発信する応答信号を受信するRFIDリーダ137を備えるので、受電装置200はRFIDタグ115が保持する情報を送信する機能を備えていなくともよい。これにより、受電装置200が無線通信機能を備えていない低機能なデバイスである場合でも、実施形態1と同様の効果を発揮することができる。
【0053】
<実施の形態3>
以上の実施形態1〜2において、面状伝搬媒体110内に定在波が存在する場合、定在波の節の部分にRFIDタグ115の位置が重なると、RFIDタグ115が保持している情報を読み取る際の妨げになり、受電装置200の位置を検出する精度が低下する。
【0054】
そこで、RFIDタグ115の配置間隔を、面状伝搬媒体110内を伝搬する電磁波の実効波長の1/2よりも短くし、定在波の影響を緩和することが考えられる。この場合、RFIDタグ115が全て定在波の節に位置することがなくなるので、定在波の影響を緩和し、受電装置200の位置を精度よく検出することができる。
【0055】
<実施の形態4>
本発明の実施形態4では、受電装置200が無線通信機能を備えていない場合において面状伝搬媒体110上の受電装置200の位置を検出する別手法を説明する。
【0056】
図4は、本実施形態4に係る無線給電システム100の構成図である。本実施形態4において、受電装置200は、RFIDタグ280を備える。RFIDタグ280は、受電装置200と面状伝搬媒体110が対面する部分に配置されている。面状伝搬媒体110、送電インターフェース120の構成は、実施形態1〜2と同様である。送電装置130の構成は、実施形態2と同様である。
【0057】
以上、本実施形態4に係る無線給電システム100の構成について説明した。次に、無線給電システム100の動作を説明する。
(ステップ1:RFIDタグ280に対して読取要求を発信する)
ユーザは、受電装置200に電力を供給するため、面状伝搬媒体110の上に載置する。RFIDリーダ137は、スイッチ135、送電インターフェース120、面状伝搬媒体110を介して、RFIDタグ280に対し、読取要求を送信する。読取要求を受けたRFIDタグ280は、自身のIDと併せて応答信号を同じルートで返す。RFIDリーダ137は、RFIDタグ280からの応答信号を受信する。
【0058】
(ステップ2:RFIDタグ280までの距離を推定する)
信号処理回路134は、RFIDリーダ137が読取要求を送信し、その応答信号を受信するまでの経過時間に基づき、送電インターフェース120とRFIDタグ280の間の距離を推定し、その距離に基づきRFIDタグ280の2次元座標を推定する。複数の送電インターフェース120を用いる場合は、各送電インターフェース120とRFIDタグ280の間の距離を同様に推定し、三角測量の原理を用いてRFIDタグ280の2次元座標を推定することができる。送電インターフェース120の数が増えるほど、RFIDタグ280の2次元座標をより正確に推定することができる。
【0059】
(ステップ3〜ステップ6:実施形態1と共通)
信号処理回路134は、ステップ2で推定したRFIDタグ280の位置に受電装置200が存在するものと仮定する。以後は、実施形態1と同様の手順により、ステップ3〜ステップ6を実施する。
【0060】
図5は、RFIDタグ280からの応答信号が複数経路を経由して送電インターフェース120に戻ってくる様子を示す図である。面状伝搬媒体110の端部では電磁波反射が生じるため、送電インターフェース120に戻ってくる応答信号の経路が複数生じる場合がある。以下では、その中から適切な応答信号を用いて、RFIDタグ280までの距離を推定する手法を説明する。
【0061】
図5(a)において、RFIDタグ280を載置した面状伝搬媒体110に送電インターフェース120a、120b、120c、120dが接続されている。ここでは、説明の簡易のため、複数回の反射は考慮せず、1回反射までを対象とする。この場合、図5(a)に示すP1、P2、P3、P4が、RFIDタグ280から送電インターフェース120aまでの経路の候補となる。
【0062】
図5(b)は、図5(a)に示す経路P1〜P4に対応する経路長D1、D2、D3、D4と、それぞれの経路に対応する信号強度S1、S2、S3、S4を、グラフ化したものである。面状伝搬媒体110の端部で1回反射するS2、S3、S4と比べ、反射がなく送電インターフェース120aに直接到達するS1は、応答信号の強度が強い。すなわち、最も信号強度の強い応答信号を用いて、送電インターフェース120からRFIDタグ280までの距離を推定すべきであることが分かる。
【0063】
同様に、RFIDタグ280から送電インターフェース120aに向かって直接進む応答信号は、読取要求を発信してからの経過時間が最も短いと思われる。そこで、読取要求を発信してから最初に到達した応答信号を用いて、送電インターフェース120からRFID280までの距離を推定してもよい。
【0064】
<実施の形態4:まとめ>
以上のように、本実施形態4によれば、信号処理回路134は、受電装置200が備えるRFIDタグ280と送電インターフェース120の間の距離を推定し、これに基づきRFIDタグ280の位置を特定する。これにより、受電装置200が無線通信機能を備えていない低機能なデバイスである場合でも、実施形態1と同様の効果を発揮することができる。
【0065】
<実施の形態5>
本発明の実施形態5では、面状伝搬媒体110上に非給電対象物300が載置された際に、その位置を検出する手法を説明する。非給電対象物300の例として、例えば人体(人が手を面状伝搬媒体110の上に置いた場合)などが挙げられる。
【0066】
非給電対象物300は電力の供給を受けることを想定していないので、RFIDリーダ240やRFIDタグ280のように、位置を検出するための構成を備えていない。そこで本実施形態5では、送電装置130から送信する電磁波をレーダのようにして用い、非給電対象物300の位置を検出する。
【0067】
図6は、本実施形態5に係る無線給電システム100の構成図である。送電装置130は、実施形態1〜4で説明した構成に加え、ミキサ138を備える。図6では、実施形態1で説明した構成に加えてミキサ138を設けた構成を例示したが、その他の実施形態における構成の下でミキサ138を設けることもできる。
【0068】
ミキサ138は、送電インターフェース120が受信した反射波と、電力生成部136が出力する変調信号とを受け取り、IF(Intermediate Frequency)周波数信号を信号処理回路134に出力する。
【0069】
以上、本実施形態5に係る無線給電システム100の構成について説明した。次に、無線給電システム100の動作を説明する。
(ステップ1:変調信号を送信する)
信号処理回路134および電力生成部136は、まず始めに、給電時のような大電力ではなくミリワット級の小さい電力の変調信号を生成する。変調信号は、送電インターフェース120を介して、面状伝搬媒体110に入力される。本ステップで送電装置130が送信する変調信号は、いわゆるレーダ変調信号である。レーダ変調信号として用いる信号は、2周波CW(Continuous Wave)、FMCW(Frequency Modulation Continuous Wave)が一般的である。
【0070】
(ステップ2:反射波を受信する)
面状伝搬媒体110内では、非給電対象物300が載置されたことによりインピーダンス不整合が生じ、反射波が生じる。反射波は、送電インターフェース120、スイッチ135を介してミキサ138へ到達する。ミキサ138は、電力生成部136が出力する変調信号も受け取る。ミキサ138は、IF周波数信号を信号処理回路134に出力する。
【0071】
(ステップ3:2次元座標を計算する)
信号処理回路134は、変調信号の反射波の位相を観測することにより、非給電対象物300の距離を算出することができる。さらには、2つ以上の送電インターフェース120を用い、各反射波の位相差を観測することにより、非給電対象物300が存在する方向を得ることもできる。これにより、非給電対象物300の2次元座標を取得することができる。
【0072】
(ステップ4:変調信号の振幅と位相を調整する)
非給電対象物300からの反射波が、面状伝搬媒体110内の定在波の影響で観測されないケースがある。この場合、信号処理回路134は、反射波が受信できるように、変調信号の振幅と位相を変化させるようにそれぞれ振幅制御部131と位相制御部132へ指示し、ステップ1〜ステップ3を改めて実施する。
【0073】
(ステップ5:送電する)
信号処理回路134は、非給電対象物300の位置が電力ヌル点となるように、面状伝搬媒体110内の電磁界分布を調整する。面状伝搬媒体110上に受電装置200も同時に載置されている場合には、上記に加え、受電装置200の位置で所望の電力が供給されるように、面状伝搬媒体110内の電磁界分布を調整する。電磁界分布を調整する手法は、実施形態1〜4と同様である。
【0074】
<実施の形態5:まとめ>
以上のように、本実施形態5に係る無線給電システム100は、非給電対象物300に対して変調信号を送信し、その反射波を復調する。これにより、いわゆるレーダの原理を用いて、送電インターフェース120から非給電対象物300までの距離を計測することができる。また、複数の送電インターフェース120における反射波の位相差を用いて、非給電対象物300が存在する方向を特定することもできる。これら機能により、位置を検出するための構成を備えていない非給電対象物300の位置を特定することができる。
【0075】
なお、本実施形態5において、スイッチ135をサーキュレータや方向性結合器で置き換えることができる。さらに、送電インターフェース120は、面状伝搬媒体110の一つの辺に配置しているが、複数の辺にそれぞれ配置することもできる。これにより、給電性能、位置検出性能を向上させることができる。他の実施形態でも同様である。
【0076】
また、本実施形態5では、変調信号の反射波の位相を比較することにより、非給電対象物300の2次元座標を取得することとしたが、変調信号を用いず、面状伝搬媒体110内の電磁界分布が最大強度点となるエリアを走査し、その反射波の振幅を観測することによっても、非給電対象物300の2次元座標を得ることができる。
【0077】
また、本実施形態5では、位置検出のための構成を備えていない非給電対象物300の位置を検出する手法を説明したが、同様の手法を用いて受電装置200の位置を検出することもできる。ただし、RFIDタグ115または280などの構成を用いたほうが、より精度よく位置を検出することができるであろう。
【0078】
<実施の形態6>
以上説明した実施形態1〜5では、1枚の面状伝搬媒体110を用いているが、複数の面状伝搬媒体110を並べて配置し、各面状伝搬媒体110に送電インターフェース120を接続した構成を採用することもできる。
【0079】
この場合、信号処理回路134は、まずいずれの面状伝搬媒体110の上に受電装置200または非給電対象物300が載置されているかを特定する。その後、特定した面状伝搬媒体110上における受電装置200または非給電対象物300の位置を、実施形態1〜5で説明した手法によって特定する。これにより、受電装置200または非給電対象物300の位置を、精度よく検出することができる。
【0080】
<実施の形態7>
以上の実施形態1〜6では、送電インターフェース120が電力または通信信号を送受信することとしたが、例えば干渉回避のため、送電周波数と通信周波数が異なるように設定したような場合には、通信インターフェースを別途設けてもよい。
【0081】
以上の実施形態1〜6において、送電インターフェース120を複数設ける場合、スイッチ135を介して各送電インターフェース120と信号処理回路134を接続する配線は、送電インターフェース120の個数分だけ設けてもよいし、各送電インターフェース120間で配線を共有してもよい。ただし、送電インターフェース120および配線が複数あれば、空間ダイバーシティの効果が期待できるため、より安定的に通信することができる。
【0082】
以上の実施形態1〜6において、分布テーブルデータは、面状伝搬媒体110内の電磁界分布を電磁界プローブ等によって実測することによって作成してもよいし、例えば電磁界シミュレーションにより作成してもよい。また、面状伝搬媒体110内に生じる電磁界分布の強度最大点となる振幅および座標のみを分布テーブルデータ内に保持しておいてもよい。
【0083】
ただし、受電装置200が複数個存在する場合は、複数の座標において電力が効率良く受電できるように、複数の極大値を持つ電磁界分布を得ることが望ましい。また、非給電対象物300の他、満充電状態で給電すべきでない受電装置200が面状伝搬媒体110上に載置されている場合は、その位置に電力ヌル点が位置するようにすることが望ましい。したがって、できる限り多数の電磁界分布パターンを保持する分布テーブルデータを準備しておくことが望ましい。
【0084】
以上の実施形態1〜6で説明した構成を適宜組み合わせることもできる。例えば、実施形態5で説明した非給電対象物300の位置を検出する構成と、その他の実施形態で説明した構成を、組み合わせて採用することができる。
【0085】
<実施の形態8>
以上の実施形態1〜7で説明した無線給電システム100は、面状伝搬媒体110上における受電装置200または非給電対象物300などの物体位置を特定する位置検出装置として用いることもできる。
【符号の説明】
【0086】
100:無線給電システム、110:面状伝搬媒体、111:面状導体、112:面状誘電体、113:面状メッシュ導体、114:保護膜、115:RFIDタグ、120:送電インターフェース、130:送電装置、131:振幅制御部、132:位相制御部、133:テーブル記憶部、134:信号処理回路、135:スイッチ、136:電力生成部、137:RFIDリーダ、138:ミキサ、200:受電装置、210:受電インターフェース、220:リーダインターフェース、230:通信インターフェース、240:RFIDリーダ、250:出力制御部、260:無線通信装置、270:整流回路、280:RFIDタグ、300:非給電対象物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面状導体と面状誘電体を重ね合わせて構成され、電磁波を2次元的に伝搬させる面状伝搬媒体と、
前記面状伝搬媒体に接続されたインターフェースと、
前記インターフェースを介して前記面状伝搬媒体に電力を供給する送電装置と、
前記送電装置が供給する送電電力の位相と振幅を制御する制御部と、
前記送電装置が供給する送電電力の位相および振幅と、その位相および振幅で前記面状伝搬媒体に電力を供給したときの前記面状伝搬媒体内の電磁界分布との対応関係を記述した分布データと、
前記面状伝搬媒体上に存在する物体の位置を特定する位置検出部と、
を備え、
前記制御部は、
前記物体に供給すべき電力の指定値を取得し、
前記位置検出部が特定した前記面状伝搬媒体上における前記物体の位置において、前記指定値に対応する前記電磁界分布が得られる前記送電電力の位相および振幅を、前記分布データの記述にしたがって特定し、
その特定した位相および振幅にしたがって、前記送電装置が前記面状伝搬媒体に供給する電力を制御する
ことを特徴とする無線給電システム。
【請求項2】
前記面状伝搬媒体は、
前記面状伝搬媒体上の2次元座標を保持する複数のRFIDタグを備え、
前記位置検出部は、
前記RFIDタグが保持している前記2次元座標に基づき前記物体の位置を特定する
ことを特徴とする請求項1記載の無線給電システム。
【請求項3】
前記物体は、
前記RFIDタグが保持する座標情報を読み取るRFIDリーダと、
前記RFIDリーダが読み取った座標情報を送信する通信部と、
を備えており、
前記位置検出部は、
前記通信部が送信する前記座標情報に基づき前記物体の位置を特定する
ことを特徴とする請求項2記載の無線給電システム。
【請求項4】
前記物体は、
前記面状伝搬媒体を介して前記送電装置が供給する電力を受電する受電部を備え、
前記通信部は、
前記物体に供給すべき電力を示す電力需要情報を送信し、
前記制御部は、
前記通信部が送信する前記電力需要情報にしたがって前記指定値を確定する
ことを特徴とする請求項3記載の無線給電システム。
【請求項5】
前記面状伝搬媒体は、面状導体、面状誘電体、面状メッシュ導体、第2面状誘電体を順に重ねて構成されており、前記RFIDタグを前記第2面状誘電体の内部に配置した
ことを特徴とする請求項3記載の無線給電システム。
【請求項6】
前記物体は、
前記RFIDタグが保持する座標情報に対して読取要求を送信する送信部を備えており、
前記送電装置は、
前記読取要求に対する応答として前記RFIDタグが送信する応答信号を読み取るRFIDリーダを備え、
前記位置検出部は、
前記RFIDリーダが受信した前記応答信号に含まれている前記座標情報に基づき前記物体の位置を特定する
ことを特徴とする請求項2記載の無線給電システム。
【請求項7】
前記面状伝搬媒体は、面状導体、面状誘電体、面状メッシュ導体を順に重ねて構成されており、前記RFIDタグを前記面状誘電体の内部に配置した
ことを特徴とする請求項6記載の無線給電システム。
【請求項8】
前記面状伝搬媒体内を伝搬する電磁波の実効波長の1/2よりも短い間隔で前記RFIDタグを配置した
ことを特徴とする請求項2記載の無線給電システム。
【請求項9】
前記RFIDタグが保持する座標情報を読み取るRFIDリーダを備え、
前記RFIDリーダは、出力を変化させる出力制御部を備え、
前記出力制御部は、
前記RFIDリーダの出力を漸増させることによって前記RFIDリーダの通信距離を短い距離から長い距離に向かって次第に伸ばす
ことを特徴とする請求項2記載の無線給電システム。
【請求項10】
前記物体は、RFIDタグを備えており、
前記送電装置は、
前記RFIDタグに対して読取要求を送信し、その応答信号を受信するRFIDリーダを備え、
前記位置検出部は、
前記RFIDリーダが前記読取要求を送信してからその応答信号を受信するまでの時間、または前記応答信号の強度を用いて、前記インターフェースから前記物体までの距離を推定し、その距離に基づき前記物体の位置を特定する
ことを特徴とする請求項1記載の無線給電システム。
【請求項11】
前記送電装置は、
前記インターフェースを介して前記面状伝搬媒体へ変調信号を送信し、前記インターフェースを介して前記物体からの前記変調信号の反射波を受信し、
前記位置検出部は、
前記反射波を用いて前記インターフェースから前記物体までの距離を推定し、その距離に基づき前記物体の位置を特定する
ことを特徴とする請求項1記載の無線給電システム。
【請求項12】
前記面状伝搬媒体には複数の前記インターフェースが接続されており、
前記位置検出部は、
複数の前記インターフェースがそれぞれ受信した前記反射波の位相を用いて、前記インターフェースから見た前記物体の方向を特定する
ことを特徴とする請求項11記載の無線給電システム。
【請求項13】
前記制御部は、
前記変調信号の位相と振幅を前記分布データの記述にしたがって変化させることによって前記反射波の強度を変化させ、
前記位置検出部は、
強度を変化させた各前記反射波とその反射波に対応する前記分布データの記述を用いて、前記インターフェースから前記物体までの距離を推定する
ことを特徴とする請求項11記載の無線給電システム。
【請求項14】
複数の前記面状伝搬媒体を所定位置に並べて配置し、
各前記面状伝搬媒体には少なくとも1つの前記インターフェースが接続されており、
前記位置検出部は、
いずれの前記面状伝搬媒体上に前記物体が存在しているかを特定し、
その特定された前記面状伝搬媒体上における前記物体の位置を特定する
ことを特徴とする請求項1記載の無線給電システム。
【請求項15】
前記インターフェースを、前記面状伝搬媒体の複数個所において、前記面状伝搬媒体に対してそれぞれ異なる方向に向けて接続した
ことを特徴とする請求項1記載の無線給電システム。
【請求項16】
面状導体と面状誘電体を重ね合わせて構成され、電磁波を2次元的に伝搬させる面状伝搬媒体と、
前記面状伝搬媒体に接続されたインターフェースと、
前記インターフェースを介して前記面状伝搬媒体に電力を供給する送電装置と、
前記面状伝搬媒体上に存在する物体の位置を特定する位置検出部と、
を備え、
前記送電装置は、
前記インターフェースを介して前記面状伝搬媒体へ変調信号を送信し、前記インターフェースを介して前記物体からの前記変調信号の反射波を受信し、
前記位置検出部は、
前記反射波を用いて前記インターフェースから前記物体までの距離を推定し、その距離に基づき前記物体の位置を特定する
ことを特徴とする位置検出装置。
【請求項17】
前記面状伝搬媒体は、
前記面状伝搬媒体上の2次元座標を保持する複数のRFIDタグを備え、
前記物体は、
前記RFIDタグが保持する座標情報を読み取るRFIDリーダと、
前記RFIDリーダが読み取った座標情報を送信する通信部と、
を備えており、
前記位置検出部は、
前記通信部が送信する前記座標情報に基づき前記物体の位置を特定する
ことを特徴とする請求項16記載の位置検出装置。
【請求項18】
前記面状伝搬媒体は、
前記面状伝搬媒体上の2次元座標を保持する複数のRFIDタグを備え、
前記物体は、
前記RFIDタグが保持する座標情報に対して読取要求を送信する送信部を備えており、
前記送電装置は、
前記読取要求に対する応答として前記RFIDタグが送信する応答信号を読み取るRFIDリーダを備え、
前記位置検出部は、
前記RFIDリーダが受信した前記応答信号に含まれている前記座標情報に基づき前記物体の位置を特定する
ことを特徴とする請求項16記載の位置検出装置。
【請求項19】
前記送電装置が供給する送電電力の位相および振幅と、その位相および振幅で前記面状伝搬媒体に電力を供給したときの前記面状伝搬媒体内の電磁界分布との対応関係を記述した分布データを備え、
前記制御部は、
前記変調信号の位相と振幅を前記分布データの記述にしたがって変化させることによって前記反射波の強度を変化させ、
前記位置検出部は、
強度を変化させた各前記反射波とその反射波に対応する前記分布データの記述を用いて、前記インターフェースから前記物体までの距離を推定する
ことを特徴とする請求項16記載の位置検出装置。
【請求項20】
複数の前記面状伝搬媒体を所定位置に並べて配置し、
各前記面状伝搬媒体には少なくとも1つの前記インターフェースが接続されており、
前記位置検出部は、
いずれの前記面状伝搬媒体上に前記物体が存在しているかを特定し、
その特定された前記面状伝搬媒体上における前記物体の位置を特定する
ことを特徴とする請求項16記載の位置検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−55146(P2012−55146A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198109(P2010−198109)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】