無線通信システム、無線基地局、無線端末、ネットワーク側装置及び通信特性監視方法
【課題】ノード間の通信特性を測定可能とする。
【解決手段】eNB1及びUE2は、eNB1とUE2との間に、RRCレイヤにおける第1ベアラ11を確立し、eNB1及びMME3は、eNB1とMME3との間に、S1APレイヤにおける第2ベアラ12を確立する。更に、OAM4は、第1ベアラ11を伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を測定し、第2ベアラ12を伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。
【解決手段】eNB1及びUE2は、eNB1とUE2との間に、RRCレイヤにおける第1ベアラ11を確立し、eNB1及びMME3は、eNB1とMME3との間に、S1APレイヤにおける第2ベアラ12を確立する。更に、OAM4は、第1ベアラ11を伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を測定し、第2ベアラ12を伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク側装置と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局と、前記無線基地局に接続される無線端末と、ネットワークを監視する監視装置とを有する無線通信システムと、当該無線通信システムにおける無線基地局、無線端末及びネットワーク側装置と、前記無線通信システムにおける通信特性監視方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)におけるLTE(Long Term Evolution)は、現在普及しているW−CDMAやCDMA2000といった第3世代携帯電話(3G)の通信方式と将来登場する第4世代携帯電話(4G)の通信方式との間の技術であり、第3.9世代携帯電話(3.9G)の通信方式とも呼ばれる。LTEを採用する無線通信システムでは、ノード間の接続試験を行うためのテスト仕様が考えられている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS 36.300 V9.2.0,2009年12月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無線基地局(eNB)と無線端末(UE)との間のパケットの転送時間を測定する際に、仮にUEがeNBのIPアドレスを知っていて、ICMP(Internet Control Message Protocol)のパケット(ICMPパケット)をeNBへ送信しても、通常、当該ICMPパケットは、無線区間のパスを通過するだけではなく、コアネットワークを経由してしまう。このため、ICMPパケットの転送では、UE、eNB及びMME(Mobility Management Entity)の規格の制約上、eNBとUEとの間のパケットの直接の転送時間(TTL)を測定することができない。また、従来は、UEとMMEとの間のパケットの転送時間(TTL)を測定することもできない。
【0005】
上記問題点に鑑み、本発明は、ノード間の通信特性を測定可能な無線通信システム、無線基地局、無線端末、ネットワーク側装置及び通信特性監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、ネットワーク側装置(MME3)と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局(eNB1)と、前記無線基地局に接続される無線端末(UE2)とを有する無線通信システム(無線通信システム100)であって、前記無線端末及び前記無線基地局は、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤ(RRCレイヤ)における第1の論理通信路(第1ベアラ)を確立し、前記無線基地局及び前記ネットワーク側装置は、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤ(S1APレイヤ)における第2の論理通信路(第2ベアラ)を確立し、前記無線端末は、前記第1の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性を測定し、前記第2の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性を測定することを要旨とする。
【0007】
このような無線通信システムは、無線端末と前記無線基地局との間に、第1の論理通信路を確立し、無線基地局とネットワーク側装置との間に、第1の論理通信路と同位のレイヤの第2の論理通信路を確立する。更に、これら第1の論理通信路及び第2の論理通信路に、パケットが伝送されることによって、無線端末は、パケットの伝送状態に基づいて、無線端末と無線基地局との間の通信特性と、無線基地局とネットワーク側装置との間の通信特性を測定することができる。
【0008】
本発明の第2の特徴は、前記無線端末は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第1の論理通信路の確立のための情報を付加して前記無線基地局へ送信する第1の送信部(無線通信部206)を備え、前記無線基地局は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第1の論理通信路の確立のための情報を付加して前記無線端末へ送信する第2の送信部(無線通信部106)を備えることを要旨とする。
【0009】
本発明の第3の特徴は、前記無線基地局は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第2の論理通信路の確立のための情報を付加して前記ネットワーク側装置へ送信する第3の送信部(有線通信部104)を備え、前記ネットワーク側装置は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第2の論理通信路の確立のための情報を付加して前記無線基地局へ送信する第4の送信部(有線通信部304)を備えることを要旨とする。
【0010】
本発明の第4の特徴は、前記無線端末は、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第5の送信部(無線通信部206)と、前記第1のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信する第6の送信部(無線通信部206)とを備え、前記無線基地局は、前記無線端末からの前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する第1の受信部(無線通信部106)と、前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第7の送信部(無線通信部106)とを備え、前記無線端末は、前記無線基地局からの前記第1のパケットを前記第1の論理通信路を介して受信する第2の受信部(無線通信部206)と、前記第1のパケットの受信時刻を、ネットワークを監視する監視装置へ送信する第8の送信部(無線通信部206)とを備えることを要旨とする。
【0011】
本発明の第5の特徴は、前記無線端末は、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第9の送信部(無線通信部206)と、前記第2のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信する第10の送信部(無線通信部206)とを備え、前記無線基地局は、前記無線端末からの前記第2のパケットを前記第1の論理通信路を介して受信する第3の受信部(無線通信部106)と、前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信する第11の送信部(有線通信部104)とを備え、前記ネットワーク側装置は、前記無線基地局からの前記第2のパケットを前記第2の論理通信路を介して受信する第4の受信部(有線通信部304)と、前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第12の送信部(有線通信部304)とを備え、前記無線基地局は、前記ネットワーク側装置からの前記第2のパケットを前記第2の論理通信路を介して受信する第5の受信部(有線通信部104)と、前記第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第13の送信部(無線通信部106)とを備え、前記無線端末は、前記無線基地局からの前記第2のパケットを前記第1の論理通信路を介して受信する第6の受信部(無線通信部206)と、前記第2のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第14の送信部(無線通信部206)とを備えることを要旨とする。
【0012】
本発明の第6の特徴は、前記無線端末は、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第3のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第15の送信部(無線通信部206)を備え、前記無線基地局は、前記無線端末からの前記第3のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する第7の受信部(無線通信部106)と、前記第3のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信する第16の送信部(有線通信部104)とを備え、前記ネットワーク側装置は、前記無線基地局からの前記第3のパケットを、前記第2の論理通信路を介して受信する第8の受信部(有線通信部304)と、前記第3のパケットの受信時刻を、ネットワークを監視する監視装置へ送信する第17の送信部(有線通信部304)とを備えることを要旨とする。
【0013】
本発明の第7の特徴は、前記所定のレイヤは、前記無線端末と前記無線基地局との間がRRC(Radio Resource Control)のレイヤであり、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間がS1APのレイヤであることを要旨とする。
【0014】
本発明の第8の特徴は、ネットワーク側装置(MME3)と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局(eNB1)と、前記無線基地局に接続される無線端末(UE2)とを有する無線通信システム(無線通信システム100)であって、前記無線端末及び前記無線基地局は、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤ(RRCレイヤ)における第1の論理通信路(第1ベアラ)を確立し、前記無線端末は、前記論理通信路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記論理通信路の通信特性を測定することを要旨とする。
【0015】
本発明の第9の特徴は、ネットワークを監視する監視装置を含む無線通信システムにおいて、ネットワーク側装置の配下となるとともに、無線端末を接続する無線基地局であって、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立するとともに、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立する論理通信路確立部(論理通信路確立部151)と、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第1のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第2のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第3のパケットとの少なくとも何れかを、前記第1の論理通信路を介して受信する第1の受信部(無線通信部106)と、前記第1の受信部により前記第1のパケットが受信された場合に、前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第1の送信部(無線通信部106)と、前記第1の受信部により前記第2のパケットが受信された場合に、前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信し、前記第3のパケットが受信された場合に、前記第3のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信する第2の送信部(有線通信部104)と、前記第1の受信部により前記第3の受信パケットが受信された場合に、前記第3のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第3の送信部(有線通信部104)と、前記第2の送信部により前記第2のパケットが送信された後に、前記ネットワーク側装置からの前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して受信する第2の受信部(有線通信部104)と、前記第2の受信部により前記第2のパケットが受信された場合に、前記第3のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第4の送信部(無線通信部106)とを備えることを要旨とする。
【0016】
本発明の第10の特徴は、ネットワークを監視する監視装置を含む無線通信システムにおいて、ネットワーク側装置の配下となる無線基地局に接続される無線端末であって、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立するとともに、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立する論理通信路確立部(論理通信路確立部251)と、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第1のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第2のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第3のパケットとの少なくとも何れかを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第1の送信部(無線通信部206)と、前記第1の送信部により前記第1のパケットが送信された場合に、前記第1のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信し、前記第1の送信部により前記第2のパケットが送信された場合に、前記第2のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信する第2の送信部(無線通信部206)と、前記第1の送信部により前記第1のパケットが送信された後に、前記無線基地局からの前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信し、前記第1の送信部により前記第2のパケットが送信された後に、前記無線基地局からの前記第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する受信部(無線通信部206)と、前記受信部により前記第1のパケットが受信された場合に、前記第1のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信し、前記受信部により前記第2のパケットが受信された場合に、前記第2のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第3の送信部(無線通信部206)とを備えることを要旨とする。
【0017】
本発明の第11の特徴は、ネットワークを監視する監視装置を含む無線通信システムにおいて、無線端末を接続する無線基地局を配下とするネットワーク側装置であって、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に確立される、所定のレイヤにおける論理通信路を介して、前記無線基地局からの前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加されたパケットを受信する受信部(有線通信部304)と、前記受信部により前記パケットが受信された場合に、前記パケットを、前記論理通信路を介して前記無線基地局へ送信することと、前記受信部により前記パケットが受信された場合に、前記パケットの受信時刻を前記監視装置へ送信することとの少なくとも何れかを行う送信部(有線通信部304)とを備えることを要旨とする。
【0018】
本発明の第12の特徴は、ネットワーク側装置と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局と、前記無線基地局に接続される無線端末とを有する無線通信システムにおける通信特性監視方法であって、前記無線端末及び前記無線基地局が、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立するステップと、前記無線基地局及び前記ネットワーク側装置が、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立するステップと、前記無線端末が、前記第1の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性を測定し、前記第2の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性を測定するステップとを備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ノード間のパケットの転送時間を測定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に無線通信システムのプロトコルスタックを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るeNBの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る第1ベアラ確立のための情報を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る第2ベアラ確立のための情報を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る転送時間測定のための情報を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るUEの構成を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るMMEの構成を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るOAMの構成を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る無線通信システムのベアラ確立の動作を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の実施形態に係る無線通信システムのパケット転送時間測定の第1の動作を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の実施形態に係る無線通信システムのパケット転送時間測定の第2の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)無線通信システムの構成、(2)無線通信システムの動作、(3)作用・効果、(4)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0022】
(1)無線通信システムの構成
まず、本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成について、(1.1)無線通信システムの全体概略構成、(1.2)無線基地局(eNB)の構成、(1.3)無線端末(UE)の構成、(1.4)MMEの構成、(1.5)OAMの構成の順に説明する。
【0023】
(1.1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システム100の全体概略構成図である。
【0024】
図1に示す無線通信システム100は、LTEの無線通信システムである。この無線通信システム100は、無線基地局としてのLTE基地局(eNB)1と、無線端末(UE)2と、ネットワーク側装置としてのMME3と、監視装置としてのOAM(Operation Administration and Maintenance)とを含む。
【0025】
図1において、eNB1とUE2との間には、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間の測定用の論理通信路である第1ベアラ11が確立される。eNB1とMME3との間には、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間の測定用の論理通信路である第2ベアラ12が確立される。
【0026】
図2は、無線通信システム100のプロトコルスタックを示す図である。図2に示すように、第1ベアラ11は、eNB1とUE2との間におけるRRC(Radio Resource Control)のレイヤの論理通信路である。また、第2ベアラ12は、eNB1とMME3との間におけるS1APのレイヤの論理通信路である。RRCのレイヤとS1APのレイヤは同位である。従って、第1ベアラ11及び第2ベアラ12は、同位のレイヤにおいて確立される。
【0027】
また、RRCのレイヤとS1APのレイヤは、トンネリングのために途中のeNB1が関与できないNAS(Non Access Stratum)のレイヤよりも下位であって、且つ、ネットワークレイヤであるレイヤ3よりも上位のレイヤである。
【0028】
(1.2)eNB1の構成
図3は、eNB1の構成図である。図3に示すeNB1は、制御部102、記憶部103、有線通信部104、無線通信部106及びアンテナ108を含む。
【0029】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)によって構成され、eNB1が具備する各種機能を制御する。記憶部103は、例えばメモリによって構成され、eNB1における制御などに用いられる各種情報を記憶する。
【0030】
有線通信部104は、MME3及びOAM4との間で、データの送信及び受信を行う。無線通信部106は、RF回路、ベースバンド回路等を含み、変調及び復調、符号化及び復号等を行い、アンテナ108を介して、UE2との間で、無線信号の送信及び受信を行う。
【0031】
制御部102は、論理通信路確立部151、パケット伝送処理部152及び伝送時刻測定部153を含む。
【0032】
論理通信路確立部151は、eNB1とUE2との間に第1ベアラ11を確立するための処理を行うとともに、eNB1とMME3との間に第2ベアラ12を確立するための処理を行う。
【0033】
具体的には、以下のようにして第1ベアラ11が確立される(図10のステップS101乃至ステップS103に対応)。すなわち、無線通信部106は、アンテナ108を介して、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットをUE2から受信する。RRC Connection Setupメッセージは、C−Planeの制御メッセージであり、UE2がeNB1に対して、eNB1とUE2との間のRRCコネクションの確立を要求するためのメッセージである。
【0034】
図4(a)に示すように、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットには、最後部に第1ベアラ11の確立のための情報である第1ベアラ確立制御情報が付加されている。第1ベアラ確立制御情報は、受信側が第1ベアラ11の確立が必要であることを認識できる情報であれば、特に限定されない。
【0035】
無線通信部106は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットを制御部102へ出力する。
【0036】
論理通信路確立部151は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットが入力されると、当該パケットに第1ベアラ確立情報が付加されていることを認識する。その後、制御部102によってRRCコネクションが確立されると、論理通信路確立部151は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを生成する。RRC Connection Setup Completeメッセージは、C−Planeの制御メッセージであり、eNB1とUE2との間のRRCコネクションの確立の完了を示すメッセージである。
【0037】
図4(b)に示すように、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットには、最後部に第1ベアラ11の確立のための情報である第1ベアラ確立制御情報が付加されている。
【0038】
論理通信路確立部151は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを生成し、無線通信部106へ出力する。無線通信部106は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを、アンテナ108を介してUE2へ送信する。
【0039】
上述したように、eNB1とUE2との間で、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットと、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットとの送信及び受信が行われることにより、第1ベアラ11が確立される。
【0040】
また、具体的には、以下のようにして第2ベアラ12が確立される(図10のステップS104乃至ステップS107に対応)。すなわち、論理通信路確立部151は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットを生成し、有線通信部104へ出力する。S1AP Initial UEメッセージは、C−Planeの制御メッセージである。
【0041】
図5(a)に示すように、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットには、最後部に第2ベアラ12の確立のための情報である第2ベアラ確立制御情報が付加されている。第2ベアラ確立制御情報は、受信側が第2ベアラ12の確立が必要であることを認識できる情報であれば、特に限定されない。
【0042】
有線通信部104は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットをMME3へ送信する。
【0043】
第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットを受信したMME3は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットを送信する。S1AP Initial Context Setup Requestメッセージは、C−Planeの制御メッセージである。
【0044】
図5(b)に示すように、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットには、最後部に第2ベアラ12の確立のための情報である第2ベアラ確立制御情報が付加されている。
【0045】
有線通信部104は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットを受信し、制御部102へ出力する。
【0046】
論理通信路確立部151は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットが入力されると、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットを生成する。S1AP Initial Context Setup Responseメッセージは、C−Planeの制御メッセージである。
【0047】
図5(c)に示すように、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットには、最後部に第2ベアラ12の確立のための情報である第2ベアラ確立制御情報が付加されている。論理通信路確立部151は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットを、有線通信部104へ出力する。有線通信部104は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットを、MME3へ送信する。
【0048】
上述したように、eNB1とMME3との間で、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットと、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットと、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットとの送信及び受信が行われることにより、第2ベアラ12が確立される。
【0049】
第1ベアラ11及び第2ベアラ12が確立された後、パケットの転送時間測定に関する以下の第1の処理及び第2の処理の何れかが行われる。
【0050】
(第1の処理)
(以下、図11のステップS201、ステップS203に対応)
UE2は、第1ベアラ11を介して、転送時間測定用のパケットである、eNB−UE間測定指定情報が付加されたパケット(eNB−UE間測定指定情報付パケット)を送信する。図6(a)に示すように、eNB−UE間測定指定情報付パケットは、最後部にPrivate Extensionと称されるフィールドが付加され、当該Private Extensionと称されるフィールドに、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間の測定用のパケットであることを示すeNB−UE間測定指定情報(例えば1ビットのフラグ)が付加されている。
【0051】
無線通信部106は、第1ベアラ11及びアンテナ108を介して、eNB−UE間測定指定情報付パケットを受信する。更に、無線通信部106は、eNB−UE間測定指定情報付パケットを制御部102へ出力する。
【0052】
パケット伝送処理部152は、eNB−UE間測定指定情報付パケットが入力されると、eNB−UE間測定指定情報により、eNB1とUE2との間のパケット転送時間の測定が必要であることを認識する。更に、パケット伝送処理部152は、eNB−UE間測定指定情報付パケットを無線通信部106へ出力する。無線通信部106は、アンテナ108及び第1ベアラ11を介して、UE2へeNB−UE間測定指定情報付パケットを送信する。
【0053】
(以下、図11のステップS207、ステップS208、ステップS210、ステップS211に対応)
また、UE2は、第1ベアラ11を介して、転送時間測定用のパケットである、eNB−MME間測定指定情報が付加されたパケット(eNB−MME間測定指定情報付パケット)を送信する。図6(b)に示すように、eNB−MME間測定指定情報付パケットは、最後部にPrivate Extensionと称されるフィールドが付加され、当該Private Extensionと称されるフィールドに、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間の測定用のパケットであることを示すeNB−MME間測定指定情報(例えば1ビットのフラグ)が付加されている。
【0054】
無線通信部106は、第1ベアラ11及びアンテナ108を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。更に、無線通信部106は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを制御部102へ出力する。
【0055】
パケット伝送処理部152は、eNB−MME間測定指定情報付パケットが入力されると、eNB−MME間測定指定情報により、eNB1とMME3との間のパケット転送時間の測定が必要であることを認識する。更に、パケット伝送処理部152は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを有線通信部104へ出力する。有線通信部104は、第2ベアラ12を介して、MME3へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0056】
eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信したMME3は、当該eNB−MME間測定指定情報付パケットをeNB1へ送り返す。
【0057】
有線通信部104は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信し、制御部102へ出力する。
【0058】
パケット伝送処理部152は、eNB−MME間測定指定情報付パケットが入力されると、eNB−MME間測定指定情報により、eNB1とMME3との間のパケット転送時間の測定が必要であることを認識する。更に、パケット伝送処理部152は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを無線通信部106へ出力する。無線通信部106は、アンテナ108及び第1ベアラ11を介して、UE2へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0059】
(第2の処理)
(以下、図12のステップS301、ステップS302、ステップS305に対応)
UE2は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0060】
無線通信部106は、第1ベアラ11及びアンテナ108を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。更に、無線通信部106は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを制御部102へ出力する。
【0061】
パケット伝送処理部152は、eNB−MME間測定指定情報付パケットが入力されると、eNB−MME間測定指定情報により、eNB1とMME3との間のパケット転送時間の測定が必要であることを認識する。更に、パケット伝送処理部152は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを有線通信部104へ出力する。有線通信部104は、第2ベアラ12を介して、MME3へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0062】
伝送時刻測定部153は、無線通信部106によってeNB−MME間測定指定情報付パケットが受信された時刻(eNB受信時刻)を測定する。更に、伝送時刻測定部153は、eNB受信時刻の情報を有線通信部104へ出力する。有線通信部104は、OAM4へeNB受信時刻の情報を送信する。
【0063】
(1.3)UE2の構成
図7は、UE2の構成図である。図7に示すUE2は、制御部202、記憶部203、無線通信部206及びアンテナ208を含む。
【0064】
制御部202は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)によって構成され、UE2が具備する各種機能を制御する。記憶部203は、例えばメモリによって構成され、UE2における制御などに用いられる各種情報を記憶する。
【0065】
無線通信部206は、RF回路、ベースバンド回路等を含み、変調及び復調、符号化及び復号等を行い、アンテナ208を介して、eNB1との間で、無線信号の送信及び受信を行う。
【0066】
制御部202は、論理通信路確立部251、パケット伝送処理部252及び伝送時刻測定部253を含む。
【0067】
論理通信路確立部251は、eNB1とUE2との間に第1ベアラ11を確立するための処理を行う。
【0068】
具体的には、以下のようにして第1ベアラ11が確立される。すなわち、論理通信路確立部251は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットを生成し、無線通信部206へ出力する。無線通信部206は、アンテナ208を介して、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットを送信する。
【0069】
第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットを受信したeNB1は、上述したように、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを送信する。
【0070】
無線通信部206は、アンテナ208を介して、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを受信し、制御部102へ出力する。
【0071】
上述したように、eNB1とUE2との間で、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットと、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットとの送信及び受信が行われることにより、第1ベアラ11が確立される。
【0072】
第1ベアラ11が確立された後、パケットの転送時間測定に関する以下の第3の処理及び第4の処理の何れかが行われる。
【0073】
(第3の処理)
(以下、図11のステップS201、ステップS202、ステップS203、ステップS204、ステップS205、ステップS207、ステップS209、ステップS211、ステップS212、ステップS213に対応)
パケット伝送処理部252は、eNB−UE間測定指定情報が付加されたパケット(eNB−UE間測定指定情報付パケット)を生成し、無線通信部206へ出力する。無線通信部206は、アンテナ208及び第1ベアラ11を介して、eNB1へeNB−UE間測定指定情報付パケットを送信する。
【0074】
伝送時刻測定部253は、無線通信部206によりeNB−UE間測定指定情報付パケットが送信された時刻(eNB−UE間送信時刻)を測定する。
【0075】
eNB−UE間測定指定情報付パケットを受信したeNB1は、UE2へ当該eNB−UE間測定指定情報付パケットを送り返す。
【0076】
無線通信部206は、第1ベアラ11及びアンテナ208を介して、eNB1からのeNB−UE間測定指定情報付パケットを受信し、制御部202へ出力する。
【0077】
伝送時刻測定部253は、無線通信部206によってeNB−UE間測定指定情報付パケットが受信された時刻(eNB−UE間受信時刻)を測定する。更に、伝送時刻測定部253は、eNB−UE間送信時刻の情報とeNB−UE間受信時刻の情報とを無線通信部206へ出力する。
【0078】
無線通信部206は、アンテナ208、第1ベアラ11、eNB1を介して、OAM4へeNB−UE間送信時刻の情報とeNB−UE間受信時刻の情報とを送信する。
【0079】
また、パケット伝送処理部252は、eNB−MME間測定指定情報が付加されたパケット(eNB−MME間測定指定情報付パケット)を生成し、無線通信部206へ出力する。無線通信部206は、アンテナ208及び第1ベアラ11を介して、eNB1へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0080】
伝送時刻測定部253は、無線通信部206によってeNB−MME間測定指定情報付パケットが送信された時刻(eNB−MME間送信時刻)を測定する。
【0081】
eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信したeNB1は、MME3へ当該eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信したMME3は、eNB1へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送り返す。eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信したeNB1は、UE2へ当該eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0082】
無線通信部206は、第1ベアラ11及びアンテナ208を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信し、制御部202へ出力する。
【0083】
伝送時刻測定部253は、無線通信部206によってeNB−MME間測定指定情報付パケットが受信された時刻(eNB−MME間受信時刻)を測定する。更に、伝送時刻測定部253は、eNB−MME間送信時刻の情報とeNB−MME間受信時刻の情報とを無線通信部206へ出力する。
【0084】
無線通信部206は、アンテナ208、第1ベアラ11、eNB1を介して、OAM4へeNB−MME間送信時刻の情報とeNB−MME間受信時刻の情報とを送信する。
【0085】
(第4の処理)
(以下、図12のステップS301に対応)
パケット伝送処理部252は、eNB−MME間測定指定情報が付加されたパケット(eNB−MME間測定指定情報付パケット)を生成し、無線通信部206へ出力する。無線通信部206は、アンテナ208及び第1ベアラ11を介して、eNB1へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0086】
(1.4)MME3の構成
図8は、MME3の構成図である。図8に示すMME3は、制御部302、記憶部303及び有線通信部304を含む。
【0087】
制御部302は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)によって構成され、MME3が具備する各種機能を制御する。記憶部303は、例えばメモリによって構成され、MME3における制御などに用いられる各種情報を記憶する。
【0088】
有線通信部304は、eNB1及びOAM4との間で、データの送信及び受信を行う。
【0089】
制御部302は、論理通信路確立部351、パケット伝送処理部352及び伝送時刻測定部353を含む。
【0090】
論理通信路確立部351は、eNB1とMME3との間に第2ベアラ12を確立するための処理を行う。
【0091】
具体的には、以下のようにして第2ベアラ12が確立される。すなわち、有線通信部304は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットをeNB1から受信し、制御部302へ出力する。
【0092】
論理通信路確立部351は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットが入力されると、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットを生成する。更に、論理通信路確立部351は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットを有線通信部304へ出力する。
【0093】
有線通信部304は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットをeNB1へ送信する。
【0094】
また、有線通信部304は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットをeNB1から受信し、制御部302へ出力する。
【0095】
上述したように、eNB1とMME3との間で、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットと、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットと、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットとの送信及び受信が行われることにより、第2ベアラ12が確立される。
【0096】
第2ベアラ12が確立された後、パケットの転送時間測定に関する以下の第5の処理及び第6の処理の何れかが行われる。
【0097】
(第5の処理)
(以下、図11のステップS208、ステップS210に対応)
有線通信部304は、第2ベアラ12を介して、eNB1からのeNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。更に、有線通信部304は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを制御部302へ出力する。
【0098】
パケット伝送処理部352は、eNB−MME間測定指定情報付パケットが入力されると、eNB−MME間測定指定情報により、eNB1とMME3との間のパケット転送時間の測定が必要であることを認識する。更に、パケット伝送処理部352は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを有線通信部304へ出力する。有線通信部304は、第2ベアラ12を介して、eNB1へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0099】
(第6の処理)
(以下、図12のステップS302、ステップS304、ステップS306に対応)
有線通信部304は、第2ベアラ12を介して、eNB1からのeNB−MME間測定指定情報付パケットを受信し、制御部302へ出力する。
【0100】
伝送時刻測定部353は、有線通信部304によってeNB−MME間測定指定情報付パケットが受信された時刻(MME受信時刻)を測定する。更に、伝送時刻測定部353は、MME受信時刻の情報を有線通信部304へ出力する。有線通信部304は、OAM4へMME受信時刻の情報を送信する。
【0101】
(1.5)OAM4の構成
図9は、OAM4の構成図である。図9に示すOAM4は、制御部402、記憶部403及び有線通信部404を含む。
【0102】
制御部402は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)によって構成され、OAM4が具備する各種機能を制御する。記憶部403は、例えばメモリによって構成され、OAM4における制御などに用いられる各種情報を記憶する。
【0103】
有線通信部404は、eNB1及びMME3との間で、データの送信及び受信を行う。
【0104】
制御部402は、転送時間測定部451を含む。転送時間測定部451は、パケットの転送時間測定に関する以下の第7の処理及び第8の処理の何れかが行われる。
【0105】
(第7の処理)
(以下、図11のステップS205、ステップS206、ステップS213、ステップS214に対応)
有線通信部404は、UE2からのeNB−UE間送信時刻情報と、eNB−UE間受信時刻情報とを受信する。更に、有線通信部404は、eNB−UE間送信時刻情報と、eNB−UE間受信時刻情報とを制御部402へ出力する。
【0106】
転送時間測定部451は、eNB−UE間送信時刻情報と、eNB−UE間受信時刻情報とが入力されると、eNB−UE間受信時刻情報によって示される時刻からeNB−UE間送信時刻情報によって示される時刻を差し引くことにより、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を測定する。
【0107】
また、有線通信部404は、UE2からのeNB−MME間送信時刻情報と、eNB−MME間受信時刻情報とを受信する。更に、有線通信部404は、eNB−MME間送信時刻情報と、eNB−MME間受信時刻情報とを制御部402へ出力する。
【0108】
転送時間測定部451は、eNB−MME間送信時刻情報と、eNB−MME間受信時刻情報とが入力されると、eNB−MME間受信時刻情報によって示される時刻からeNB−MME間送信時刻情報によって示される時刻を差し引くことにより、UE2とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。更に、転送時間測定部451は、UE2とMME3との間のパケットの転送時間から、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を差し引くことにより、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。
【0109】
(第8の処理)
(以下、図12のステップS305、ステップS306、ステップS307に対応)
有線通信部404は、eNB1からのeNB受信時刻情報と、MME3からのMME受信時刻情報とを受信する。更に、有線通信部404は、eNB受信時刻情報と、MME受信時刻情報とを制御部402へ出力する。
【0110】
転送時間測定部451は、eNB受信時刻情報と、MME受信時刻情報とが入力されると、MME受信時刻情報によって示される時刻からeNB受信時刻情報によって示される時刻を差し引くことにより、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。
【0111】
(2)無線通信システムの動作
次に、eNB1の動作を説明する。図10は、無線通信システム100の第1ベアラ11及び第2ベアラ12の確立の動作を示すシーケンス図である。
【0112】
ステップS101において、UE2は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットを送信する。eNB1は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットを受信する。
【0113】
ステップS102において、eNB1は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを送信する。UE2は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを受信する。
【0114】
ステップS101及びステップS102における送受信を経て、ステップS103において、eNB1とUE2との間に第1ベアラ11が確立される。
【0115】
ステップS104において、eNB1は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットを送信する。MME3は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットを受信する。
【0116】
ステップS105において、MME3は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットを送信する。UE2は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットを受信する。
【0117】
ステップS106において、eNB1は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットを送信する。MME3は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットを受信する。
【0118】
ステップS104乃至ステップS106における送受信を経て、ステップS107において、eNB1とMME3との間に第2ベアラ12が確立される。
【0119】
図11は、無線通信システム100のパケット転送時間測定の第1の動作を示すシーケンス図である。図11に示す動作は、上述したeNB1における第1の処理、UE2における第3の処理、MME3における第5の処理、OAM4における第7の処理に対応する。
【0120】
ステップS201において、UE2は、第1ベアラ11を介して、eNB−UE間測定指定情報付パケットを送信する。eNB1は、第1ベアラ11を介して、eNB−UE間測定指定情報付パケットを受信する。ステップS202において、UE2は、eNB−UE間送信時刻を測定する。
【0121】
ステップS203において、eNB1は、第1ベアラ11を介して、eNB−UE間測定指定情報付パケットを送信する。UE2は、第1ベアラ11を介して、eNB−UE間測定指定情報付パケットを受信する。ステップS204において、UE2は、eNB−UE間受信時刻を測定する。
【0122】
ステップS205において、UE2は、eNB−UE間送信時刻の情報とeNB−UE間受信時刻の情報とをOAM4へ送信する。OAM4は、eNB−UE間送信時刻の情報とeNB−UE間受信時刻の情報とを受信する。
【0123】
ステップS206において、OAM4は、eNB−UE間受信時刻情報によって示される時刻からeNB−UE間送信時刻情報によって示される時刻を差し引くことにより、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間(TTL)を測定する。
【0124】
ステップS207において、UE2は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。eNB1は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。ステップS208において、eNB1は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。MME3は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。
【0125】
ステップS209において、UE2は、eNB−MME間送信時刻を測定する。
【0126】
ステップS210において、MME3は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。eNB1は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。ステップS211において、eNB1は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。UE2は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。
【0127】
ステップS212において、UE2は、eNB−MME間送信時刻を測定する。
【0128】
ステップS213において、UE2は、eNB−MME間受信時刻情報とeNB−MME間送信時刻とをOAM4へ送信する。OAM4は、eNB−MME間受信時刻情報とeNB−MME間送信時刻とを受信する。
【0129】
ステップS214において、OAM4は、eNB−MME間受信時刻情報によって示される時刻からeNB−MME間送信時刻情報によって示される時刻を差し引くことにより、UE2とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。更に、OAM4は、UE2とMME3との間のパケットの転送時間から、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を差し引くことにより、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間(TTL)を測定する。
【0130】
図12は、無線通信システム100のパケット転送時間測定の第2の動作を示すシーケンス図である。図12に示す動作は、上述したeNB1における第2の処理、UE2における第4の処理、MME3における第6の処理、OAM4における第8の処理に対応する。
【0131】
ステップS301において、UE2は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。eNB1は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。ステップS302において、eNB1は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。eNB1は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。
【0132】
ステップS303において、eNB1は、eNB受信時刻を測定する。ステップS304において、MME3は、MME受信時刻を測定する。
【0133】
ステップS305において、eNB1は、eNB受信時刻の情報を送信する。OAM4は、eNB受信時刻の情報を受信する。ステップS306において、MME3は、MME受信時刻の情報を送信する。OAM4は、MME受信時刻の情報を受信する。
【0134】
ステップS307において、OAM4は、MME受信時刻情報によって示される時刻からeNB受信時刻情報によって示される時刻を差し引くことにより、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。
【0135】
(3)作用・効果
本発明の実施形態に係る無線通信システム100において、eNB1及びUE2は、eNB1とUE2との間に、RRCレイヤにおける第1ベアラ11を確立し、eNB1及びMME3は、eNB1とMME3との間に、S1APレイヤにおける第2ベアラ12を確立する。更に、OAM4は、第1ベアラ11を伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を測定し、第2ベアラ12を伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。
【0136】
このように、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を測定するために、第1ベアラ11が確立され、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定するために、第2ベアラ12が確立され、これら第1ベアラ11及び第2ベアラ12に、パケットが伝送されることによって、OAM4は、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間と、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定することができる。
【0137】
レイヤ3におけるICMPのパケットを測定用に用いる場合には、当該ICMPパケットは、無線区間のパスを通過するだけではなく、コアネットワーク上のパスをも通過してしまうため、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を測定することができない。また、UE2とMME3との間で伝送されるNASのレイヤのパケットを測定用に用いる場合には、トンネリングのために、途中のeNB1は、NASのレイヤの処理に関与しないため、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間と、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間とを測定することができない。
【0138】
これに対して、本実施形態では、NASのレイヤよりも下位であって、レイヤ3よりも上位であるRRCレイヤにおいて第1ベアラ11が確立され、当該RRSレイヤと同位のレイヤであるS1APのレイヤにおいて第2ベアラ12が確立される。従って、eNB1及びUE2は、RRSレイヤの処理に関与でき、eNB1及びMME3は、S1APレイヤの処理に関与できる。このため、第1ベアラ11及び第2ベアラ12に、パケットが伝送されることによって、eNB1、UE2及びMME3は、当該パケットの処理を行うことができ、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間と、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間との測定が可能となる。
【0139】
(4)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0140】
上述した実施形態では、eNB1、UE2、MME3は、パケットの送信時刻や受信時刻を測定して、OAM4へ送信したが、パケットの転送時間を測定可能な他の情報をOAM4へ送信してもよい。
【0141】
上述した実施形態では、OAM4がパケットの転送時間を測定したが、eNB1、UE2、MME3の何れかが転送時間測定部451と同様の機能を備え、当該機能によりパケットの転送時間を測定するようにしてもよい。
【0142】
上述した実施形態では、eNB1とUE2との間の通信特性が、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間であり、eNB1とMME3との間の通信特性が、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間である場合について説明したが、通信特性がジッタやパケットのロス率等である場合にも同様に本発明を適用できる、
この場合、第1ベアラ11にパケットが伝送されると、eNB1及びUE2の少なくとも何れかは、ジッタやパケットのロス率等を測定して、測定結果の情報をOAM4へ送信する。また、第2ベアラ12にパケットが伝送されると、eNB1及びMME3の少なくとも何れかは、ジッタやパケットのロス率等を測定して、測定結果の情報をOAM4へ送信する。OAM4は、測定結果の情報を受信する。
【0143】
上述した実施形態では、LTEシステムについて説明したが、WiMAX(IEEE 802.16)に基づく無線通信システム等、他の無線通信システムに対して本発明を適用してもよい。
【0144】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0145】
1…eNB、2…UE、3…MME、4…OAM、11…第1ベアラ、12…第2ベアラ、100…無線通信システム、102、202、302、402…制御部、103、203、303、403…記憶部、104、304、404…有線通信部、106、206…無線通信部、108、208…アンテナ、151、251、351…論理通信路確立部、152、252、352…パケット伝送処理部、153、253、353…伝送時刻測定部、451…転送時間測定部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク側装置と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局と、前記無線基地局に接続される無線端末と、ネットワークを監視する監視装置とを有する無線通信システムと、当該無線通信システムにおける無線基地局、無線端末及びネットワーク側装置と、前記無線通信システムにおける通信特性監視方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)におけるLTE(Long Term Evolution)は、現在普及しているW−CDMAやCDMA2000といった第3世代携帯電話(3G)の通信方式と将来登場する第4世代携帯電話(4G)の通信方式との間の技術であり、第3.9世代携帯電話(3.9G)の通信方式とも呼ばれる。LTEを採用する無線通信システムでは、ノード間の接続試験を行うためのテスト仕様が考えられている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS 36.300 V9.2.0,2009年12月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無線基地局(eNB)と無線端末(UE)との間のパケットの転送時間を測定する際に、仮にUEがeNBのIPアドレスを知っていて、ICMP(Internet Control Message Protocol)のパケット(ICMPパケット)をeNBへ送信しても、通常、当該ICMPパケットは、無線区間のパスを通過するだけではなく、コアネットワークを経由してしまう。このため、ICMPパケットの転送では、UE、eNB及びMME(Mobility Management Entity)の規格の制約上、eNBとUEとの間のパケットの直接の転送時間(TTL)を測定することができない。また、従来は、UEとMMEとの間のパケットの転送時間(TTL)を測定することもできない。
【0005】
上記問題点に鑑み、本発明は、ノード間の通信特性を測定可能な無線通信システム、無線基地局、無線端末、ネットワーク側装置及び通信特性監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、ネットワーク側装置(MME3)と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局(eNB1)と、前記無線基地局に接続される無線端末(UE2)とを有する無線通信システム(無線通信システム100)であって、前記無線端末及び前記無線基地局は、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤ(RRCレイヤ)における第1の論理通信路(第1ベアラ)を確立し、前記無線基地局及び前記ネットワーク側装置は、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤ(S1APレイヤ)における第2の論理通信路(第2ベアラ)を確立し、前記無線端末は、前記第1の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性を測定し、前記第2の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性を測定することを要旨とする。
【0007】
このような無線通信システムは、無線端末と前記無線基地局との間に、第1の論理通信路を確立し、無線基地局とネットワーク側装置との間に、第1の論理通信路と同位のレイヤの第2の論理通信路を確立する。更に、これら第1の論理通信路及び第2の論理通信路に、パケットが伝送されることによって、無線端末は、パケットの伝送状態に基づいて、無線端末と無線基地局との間の通信特性と、無線基地局とネットワーク側装置との間の通信特性を測定することができる。
【0008】
本発明の第2の特徴は、前記無線端末は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第1の論理通信路の確立のための情報を付加して前記無線基地局へ送信する第1の送信部(無線通信部206)を備え、前記無線基地局は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第1の論理通信路の確立のための情報を付加して前記無線端末へ送信する第2の送信部(無線通信部106)を備えることを要旨とする。
【0009】
本発明の第3の特徴は、前記無線基地局は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第2の論理通信路の確立のための情報を付加して前記ネットワーク側装置へ送信する第3の送信部(有線通信部104)を備え、前記ネットワーク側装置は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第2の論理通信路の確立のための情報を付加して前記無線基地局へ送信する第4の送信部(有線通信部304)を備えることを要旨とする。
【0010】
本発明の第4の特徴は、前記無線端末は、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第5の送信部(無線通信部206)と、前記第1のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信する第6の送信部(無線通信部206)とを備え、前記無線基地局は、前記無線端末からの前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する第1の受信部(無線通信部106)と、前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第7の送信部(無線通信部106)とを備え、前記無線端末は、前記無線基地局からの前記第1のパケットを前記第1の論理通信路を介して受信する第2の受信部(無線通信部206)と、前記第1のパケットの受信時刻を、ネットワークを監視する監視装置へ送信する第8の送信部(無線通信部206)とを備えることを要旨とする。
【0011】
本発明の第5の特徴は、前記無線端末は、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第9の送信部(無線通信部206)と、前記第2のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信する第10の送信部(無線通信部206)とを備え、前記無線基地局は、前記無線端末からの前記第2のパケットを前記第1の論理通信路を介して受信する第3の受信部(無線通信部106)と、前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信する第11の送信部(有線通信部104)とを備え、前記ネットワーク側装置は、前記無線基地局からの前記第2のパケットを前記第2の論理通信路を介して受信する第4の受信部(有線通信部304)と、前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第12の送信部(有線通信部304)とを備え、前記無線基地局は、前記ネットワーク側装置からの前記第2のパケットを前記第2の論理通信路を介して受信する第5の受信部(有線通信部104)と、前記第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第13の送信部(無線通信部106)とを備え、前記無線端末は、前記無線基地局からの前記第2のパケットを前記第1の論理通信路を介して受信する第6の受信部(無線通信部206)と、前記第2のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第14の送信部(無線通信部206)とを備えることを要旨とする。
【0012】
本発明の第6の特徴は、前記無線端末は、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第3のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第15の送信部(無線通信部206)を備え、前記無線基地局は、前記無線端末からの前記第3のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する第7の受信部(無線通信部106)と、前記第3のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信する第16の送信部(有線通信部104)とを備え、前記ネットワーク側装置は、前記無線基地局からの前記第3のパケットを、前記第2の論理通信路を介して受信する第8の受信部(有線通信部304)と、前記第3のパケットの受信時刻を、ネットワークを監視する監視装置へ送信する第17の送信部(有線通信部304)とを備えることを要旨とする。
【0013】
本発明の第7の特徴は、前記所定のレイヤは、前記無線端末と前記無線基地局との間がRRC(Radio Resource Control)のレイヤであり、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間がS1APのレイヤであることを要旨とする。
【0014】
本発明の第8の特徴は、ネットワーク側装置(MME3)と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局(eNB1)と、前記無線基地局に接続される無線端末(UE2)とを有する無線通信システム(無線通信システム100)であって、前記無線端末及び前記無線基地局は、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤ(RRCレイヤ)における第1の論理通信路(第1ベアラ)を確立し、前記無線端末は、前記論理通信路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記論理通信路の通信特性を測定することを要旨とする。
【0015】
本発明の第9の特徴は、ネットワークを監視する監視装置を含む無線通信システムにおいて、ネットワーク側装置の配下となるとともに、無線端末を接続する無線基地局であって、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立するとともに、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立する論理通信路確立部(論理通信路確立部151)と、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第1のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第2のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第3のパケットとの少なくとも何れかを、前記第1の論理通信路を介して受信する第1の受信部(無線通信部106)と、前記第1の受信部により前記第1のパケットが受信された場合に、前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第1の送信部(無線通信部106)と、前記第1の受信部により前記第2のパケットが受信された場合に、前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信し、前記第3のパケットが受信された場合に、前記第3のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信する第2の送信部(有線通信部104)と、前記第1の受信部により前記第3の受信パケットが受信された場合に、前記第3のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第3の送信部(有線通信部104)と、前記第2の送信部により前記第2のパケットが送信された後に、前記ネットワーク側装置からの前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して受信する第2の受信部(有線通信部104)と、前記第2の受信部により前記第2のパケットが受信された場合に、前記第3のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第4の送信部(無線通信部106)とを備えることを要旨とする。
【0016】
本発明の第10の特徴は、ネットワークを監視する監視装置を含む無線通信システムにおいて、ネットワーク側装置の配下となる無線基地局に接続される無線端末であって、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立するとともに、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立する論理通信路確立部(論理通信路確立部251)と、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第1のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第2のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第3のパケットとの少なくとも何れかを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第1の送信部(無線通信部206)と、前記第1の送信部により前記第1のパケットが送信された場合に、前記第1のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信し、前記第1の送信部により前記第2のパケットが送信された場合に、前記第2のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信する第2の送信部(無線通信部206)と、前記第1の送信部により前記第1のパケットが送信された後に、前記無線基地局からの前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信し、前記第1の送信部により前記第2のパケットが送信された後に、前記無線基地局からの前記第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する受信部(無線通信部206)と、前記受信部により前記第1のパケットが受信された場合に、前記第1のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信し、前記受信部により前記第2のパケットが受信された場合に、前記第2のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第3の送信部(無線通信部206)とを備えることを要旨とする。
【0017】
本発明の第11の特徴は、ネットワークを監視する監視装置を含む無線通信システムにおいて、無線端末を接続する無線基地局を配下とするネットワーク側装置であって、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に確立される、所定のレイヤにおける論理通信路を介して、前記無線基地局からの前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加されたパケットを受信する受信部(有線通信部304)と、前記受信部により前記パケットが受信された場合に、前記パケットを、前記論理通信路を介して前記無線基地局へ送信することと、前記受信部により前記パケットが受信された場合に、前記パケットの受信時刻を前記監視装置へ送信することとの少なくとも何れかを行う送信部(有線通信部304)とを備えることを要旨とする。
【0018】
本発明の第12の特徴は、ネットワーク側装置と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局と、前記無線基地局に接続される無線端末とを有する無線通信システムにおける通信特性監視方法であって、前記無線端末及び前記無線基地局が、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立するステップと、前記無線基地局及び前記ネットワーク側装置が、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立するステップと、前記無線端末が、前記第1の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性を測定し、前記第2の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性を測定するステップとを備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ノード間のパケットの転送時間を測定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態に無線通信システムのプロトコルスタックを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るeNBの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る第1ベアラ確立のための情報を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る第2ベアラ確立のための情報を示す図である。
【図6】本発明の実施形態に係る転送時間測定のための情報を示す図である。
【図7】本発明の実施形態に係るUEの構成を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係るMMEの構成を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係るOAMの構成を示す図である。
【図10】本発明の実施形態に係る無線通信システムのベアラ確立の動作を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の実施形態に係る無線通信システムのパケット転送時間測定の第1の動作を示すシーケンス図である。
【図12】本発明の実施形態に係る無線通信システムのパケット転送時間測定の第2の動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。具体的には、(1)無線通信システムの構成、(2)無線通信システムの動作、(3)作用・効果、(4)その他の実施形態について説明する。以下の実施形態における図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0022】
(1)無線通信システムの構成
まず、本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成について、(1.1)無線通信システムの全体概略構成、(1.2)無線基地局(eNB)の構成、(1.3)無線端末(UE)の構成、(1.4)MMEの構成、(1.5)OAMの構成の順に説明する。
【0023】
(1.1)無線通信システムの全体概略構成
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信システム100の全体概略構成図である。
【0024】
図1に示す無線通信システム100は、LTEの無線通信システムである。この無線通信システム100は、無線基地局としてのLTE基地局(eNB)1と、無線端末(UE)2と、ネットワーク側装置としてのMME3と、監視装置としてのOAM(Operation Administration and Maintenance)とを含む。
【0025】
図1において、eNB1とUE2との間には、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間の測定用の論理通信路である第1ベアラ11が確立される。eNB1とMME3との間には、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間の測定用の論理通信路である第2ベアラ12が確立される。
【0026】
図2は、無線通信システム100のプロトコルスタックを示す図である。図2に示すように、第1ベアラ11は、eNB1とUE2との間におけるRRC(Radio Resource Control)のレイヤの論理通信路である。また、第2ベアラ12は、eNB1とMME3との間におけるS1APのレイヤの論理通信路である。RRCのレイヤとS1APのレイヤは同位である。従って、第1ベアラ11及び第2ベアラ12は、同位のレイヤにおいて確立される。
【0027】
また、RRCのレイヤとS1APのレイヤは、トンネリングのために途中のeNB1が関与できないNAS(Non Access Stratum)のレイヤよりも下位であって、且つ、ネットワークレイヤであるレイヤ3よりも上位のレイヤである。
【0028】
(1.2)eNB1の構成
図3は、eNB1の構成図である。図3に示すeNB1は、制御部102、記憶部103、有線通信部104、無線通信部106及びアンテナ108を含む。
【0029】
制御部102は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)によって構成され、eNB1が具備する各種機能を制御する。記憶部103は、例えばメモリによって構成され、eNB1における制御などに用いられる各種情報を記憶する。
【0030】
有線通信部104は、MME3及びOAM4との間で、データの送信及び受信を行う。無線通信部106は、RF回路、ベースバンド回路等を含み、変調及び復調、符号化及び復号等を行い、アンテナ108を介して、UE2との間で、無線信号の送信及び受信を行う。
【0031】
制御部102は、論理通信路確立部151、パケット伝送処理部152及び伝送時刻測定部153を含む。
【0032】
論理通信路確立部151は、eNB1とUE2との間に第1ベアラ11を確立するための処理を行うとともに、eNB1とMME3との間に第2ベアラ12を確立するための処理を行う。
【0033】
具体的には、以下のようにして第1ベアラ11が確立される(図10のステップS101乃至ステップS103に対応)。すなわち、無線通信部106は、アンテナ108を介して、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットをUE2から受信する。RRC Connection Setupメッセージは、C−Planeの制御メッセージであり、UE2がeNB1に対して、eNB1とUE2との間のRRCコネクションの確立を要求するためのメッセージである。
【0034】
図4(a)に示すように、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットには、最後部に第1ベアラ11の確立のための情報である第1ベアラ確立制御情報が付加されている。第1ベアラ確立制御情報は、受信側が第1ベアラ11の確立が必要であることを認識できる情報であれば、特に限定されない。
【0035】
無線通信部106は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットを制御部102へ出力する。
【0036】
論理通信路確立部151は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットが入力されると、当該パケットに第1ベアラ確立情報が付加されていることを認識する。その後、制御部102によってRRCコネクションが確立されると、論理通信路確立部151は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを生成する。RRC Connection Setup Completeメッセージは、C−Planeの制御メッセージであり、eNB1とUE2との間のRRCコネクションの確立の完了を示すメッセージである。
【0037】
図4(b)に示すように、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットには、最後部に第1ベアラ11の確立のための情報である第1ベアラ確立制御情報が付加されている。
【0038】
論理通信路確立部151は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを生成し、無線通信部106へ出力する。無線通信部106は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを、アンテナ108を介してUE2へ送信する。
【0039】
上述したように、eNB1とUE2との間で、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットと、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットとの送信及び受信が行われることにより、第1ベアラ11が確立される。
【0040】
また、具体的には、以下のようにして第2ベアラ12が確立される(図10のステップS104乃至ステップS107に対応)。すなわち、論理通信路確立部151は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットを生成し、有線通信部104へ出力する。S1AP Initial UEメッセージは、C−Planeの制御メッセージである。
【0041】
図5(a)に示すように、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットには、最後部に第2ベアラ12の確立のための情報である第2ベアラ確立制御情報が付加されている。第2ベアラ確立制御情報は、受信側が第2ベアラ12の確立が必要であることを認識できる情報であれば、特に限定されない。
【0042】
有線通信部104は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットをMME3へ送信する。
【0043】
第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットを受信したMME3は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットを送信する。S1AP Initial Context Setup Requestメッセージは、C−Planeの制御メッセージである。
【0044】
図5(b)に示すように、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットには、最後部に第2ベアラ12の確立のための情報である第2ベアラ確立制御情報が付加されている。
【0045】
有線通信部104は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットを受信し、制御部102へ出力する。
【0046】
論理通信路確立部151は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットが入力されると、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットを生成する。S1AP Initial Context Setup Responseメッセージは、C−Planeの制御メッセージである。
【0047】
図5(c)に示すように、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットには、最後部に第2ベアラ12の確立のための情報である第2ベアラ確立制御情報が付加されている。論理通信路確立部151は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットを、有線通信部104へ出力する。有線通信部104は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットを、MME3へ送信する。
【0048】
上述したように、eNB1とMME3との間で、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットと、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットと、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットとの送信及び受信が行われることにより、第2ベアラ12が確立される。
【0049】
第1ベアラ11及び第2ベアラ12が確立された後、パケットの転送時間測定に関する以下の第1の処理及び第2の処理の何れかが行われる。
【0050】
(第1の処理)
(以下、図11のステップS201、ステップS203に対応)
UE2は、第1ベアラ11を介して、転送時間測定用のパケットである、eNB−UE間測定指定情報が付加されたパケット(eNB−UE間測定指定情報付パケット)を送信する。図6(a)に示すように、eNB−UE間測定指定情報付パケットは、最後部にPrivate Extensionと称されるフィールドが付加され、当該Private Extensionと称されるフィールドに、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間の測定用のパケットであることを示すeNB−UE間測定指定情報(例えば1ビットのフラグ)が付加されている。
【0051】
無線通信部106は、第1ベアラ11及びアンテナ108を介して、eNB−UE間測定指定情報付パケットを受信する。更に、無線通信部106は、eNB−UE間測定指定情報付パケットを制御部102へ出力する。
【0052】
パケット伝送処理部152は、eNB−UE間測定指定情報付パケットが入力されると、eNB−UE間測定指定情報により、eNB1とUE2との間のパケット転送時間の測定が必要であることを認識する。更に、パケット伝送処理部152は、eNB−UE間測定指定情報付パケットを無線通信部106へ出力する。無線通信部106は、アンテナ108及び第1ベアラ11を介して、UE2へeNB−UE間測定指定情報付パケットを送信する。
【0053】
(以下、図11のステップS207、ステップS208、ステップS210、ステップS211に対応)
また、UE2は、第1ベアラ11を介して、転送時間測定用のパケットである、eNB−MME間測定指定情報が付加されたパケット(eNB−MME間測定指定情報付パケット)を送信する。図6(b)に示すように、eNB−MME間測定指定情報付パケットは、最後部にPrivate Extensionと称されるフィールドが付加され、当該Private Extensionと称されるフィールドに、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間の測定用のパケットであることを示すeNB−MME間測定指定情報(例えば1ビットのフラグ)が付加されている。
【0054】
無線通信部106は、第1ベアラ11及びアンテナ108を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。更に、無線通信部106は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを制御部102へ出力する。
【0055】
パケット伝送処理部152は、eNB−MME間測定指定情報付パケットが入力されると、eNB−MME間測定指定情報により、eNB1とMME3との間のパケット転送時間の測定が必要であることを認識する。更に、パケット伝送処理部152は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを有線通信部104へ出力する。有線通信部104は、第2ベアラ12を介して、MME3へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0056】
eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信したMME3は、当該eNB−MME間測定指定情報付パケットをeNB1へ送り返す。
【0057】
有線通信部104は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信し、制御部102へ出力する。
【0058】
パケット伝送処理部152は、eNB−MME間測定指定情報付パケットが入力されると、eNB−MME間測定指定情報により、eNB1とMME3との間のパケット転送時間の測定が必要であることを認識する。更に、パケット伝送処理部152は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを無線通信部106へ出力する。無線通信部106は、アンテナ108及び第1ベアラ11を介して、UE2へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0059】
(第2の処理)
(以下、図12のステップS301、ステップS302、ステップS305に対応)
UE2は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0060】
無線通信部106は、第1ベアラ11及びアンテナ108を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。更に、無線通信部106は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを制御部102へ出力する。
【0061】
パケット伝送処理部152は、eNB−MME間測定指定情報付パケットが入力されると、eNB−MME間測定指定情報により、eNB1とMME3との間のパケット転送時間の測定が必要であることを認識する。更に、パケット伝送処理部152は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを有線通信部104へ出力する。有線通信部104は、第2ベアラ12を介して、MME3へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0062】
伝送時刻測定部153は、無線通信部106によってeNB−MME間測定指定情報付パケットが受信された時刻(eNB受信時刻)を測定する。更に、伝送時刻測定部153は、eNB受信時刻の情報を有線通信部104へ出力する。有線通信部104は、OAM4へeNB受信時刻の情報を送信する。
【0063】
(1.3)UE2の構成
図7は、UE2の構成図である。図7に示すUE2は、制御部202、記憶部203、無線通信部206及びアンテナ208を含む。
【0064】
制御部202は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)によって構成され、UE2が具備する各種機能を制御する。記憶部203は、例えばメモリによって構成され、UE2における制御などに用いられる各種情報を記憶する。
【0065】
無線通信部206は、RF回路、ベースバンド回路等を含み、変調及び復調、符号化及び復号等を行い、アンテナ208を介して、eNB1との間で、無線信号の送信及び受信を行う。
【0066】
制御部202は、論理通信路確立部251、パケット伝送処理部252及び伝送時刻測定部253を含む。
【0067】
論理通信路確立部251は、eNB1とUE2との間に第1ベアラ11を確立するための処理を行う。
【0068】
具体的には、以下のようにして第1ベアラ11が確立される。すなわち、論理通信路確立部251は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットを生成し、無線通信部206へ出力する。無線通信部206は、アンテナ208を介して、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットを送信する。
【0069】
第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットを受信したeNB1は、上述したように、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを送信する。
【0070】
無線通信部206は、アンテナ208を介して、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを受信し、制御部102へ出力する。
【0071】
上述したように、eNB1とUE2との間で、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットと、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットとの送信及び受信が行われることにより、第1ベアラ11が確立される。
【0072】
第1ベアラ11が確立された後、パケットの転送時間測定に関する以下の第3の処理及び第4の処理の何れかが行われる。
【0073】
(第3の処理)
(以下、図11のステップS201、ステップS202、ステップS203、ステップS204、ステップS205、ステップS207、ステップS209、ステップS211、ステップS212、ステップS213に対応)
パケット伝送処理部252は、eNB−UE間測定指定情報が付加されたパケット(eNB−UE間測定指定情報付パケット)を生成し、無線通信部206へ出力する。無線通信部206は、アンテナ208及び第1ベアラ11を介して、eNB1へeNB−UE間測定指定情報付パケットを送信する。
【0074】
伝送時刻測定部253は、無線通信部206によりeNB−UE間測定指定情報付パケットが送信された時刻(eNB−UE間送信時刻)を測定する。
【0075】
eNB−UE間測定指定情報付パケットを受信したeNB1は、UE2へ当該eNB−UE間測定指定情報付パケットを送り返す。
【0076】
無線通信部206は、第1ベアラ11及びアンテナ208を介して、eNB1からのeNB−UE間測定指定情報付パケットを受信し、制御部202へ出力する。
【0077】
伝送時刻測定部253は、無線通信部206によってeNB−UE間測定指定情報付パケットが受信された時刻(eNB−UE間受信時刻)を測定する。更に、伝送時刻測定部253は、eNB−UE間送信時刻の情報とeNB−UE間受信時刻の情報とを無線通信部206へ出力する。
【0078】
無線通信部206は、アンテナ208、第1ベアラ11、eNB1を介して、OAM4へeNB−UE間送信時刻の情報とeNB−UE間受信時刻の情報とを送信する。
【0079】
また、パケット伝送処理部252は、eNB−MME間測定指定情報が付加されたパケット(eNB−MME間測定指定情報付パケット)を生成し、無線通信部206へ出力する。無線通信部206は、アンテナ208及び第1ベアラ11を介して、eNB1へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0080】
伝送時刻測定部253は、無線通信部206によってeNB−MME間測定指定情報付パケットが送信された時刻(eNB−MME間送信時刻)を測定する。
【0081】
eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信したeNB1は、MME3へ当該eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信したMME3は、eNB1へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送り返す。eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信したeNB1は、UE2へ当該eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0082】
無線通信部206は、第1ベアラ11及びアンテナ208を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信し、制御部202へ出力する。
【0083】
伝送時刻測定部253は、無線通信部206によってeNB−MME間測定指定情報付パケットが受信された時刻(eNB−MME間受信時刻)を測定する。更に、伝送時刻測定部253は、eNB−MME間送信時刻の情報とeNB−MME間受信時刻の情報とを無線通信部206へ出力する。
【0084】
無線通信部206は、アンテナ208、第1ベアラ11、eNB1を介して、OAM4へeNB−MME間送信時刻の情報とeNB−MME間受信時刻の情報とを送信する。
【0085】
(第4の処理)
(以下、図12のステップS301に対応)
パケット伝送処理部252は、eNB−MME間測定指定情報が付加されたパケット(eNB−MME間測定指定情報付パケット)を生成し、無線通信部206へ出力する。無線通信部206は、アンテナ208及び第1ベアラ11を介して、eNB1へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0086】
(1.4)MME3の構成
図8は、MME3の構成図である。図8に示すMME3は、制御部302、記憶部303及び有線通信部304を含む。
【0087】
制御部302は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)によって構成され、MME3が具備する各種機能を制御する。記憶部303は、例えばメモリによって構成され、MME3における制御などに用いられる各種情報を記憶する。
【0088】
有線通信部304は、eNB1及びOAM4との間で、データの送信及び受信を行う。
【0089】
制御部302は、論理通信路確立部351、パケット伝送処理部352及び伝送時刻測定部353を含む。
【0090】
論理通信路確立部351は、eNB1とMME3との間に第2ベアラ12を確立するための処理を行う。
【0091】
具体的には、以下のようにして第2ベアラ12が確立される。すなわち、有線通信部304は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットをeNB1から受信し、制御部302へ出力する。
【0092】
論理通信路確立部351は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットが入力されると、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットを生成する。更に、論理通信路確立部351は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットを有線通信部304へ出力する。
【0093】
有線通信部304は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットをeNB1へ送信する。
【0094】
また、有線通信部304は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットをeNB1から受信し、制御部302へ出力する。
【0095】
上述したように、eNB1とMME3との間で、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットと、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットと、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットとの送信及び受信が行われることにより、第2ベアラ12が確立される。
【0096】
第2ベアラ12が確立された後、パケットの転送時間測定に関する以下の第5の処理及び第6の処理の何れかが行われる。
【0097】
(第5の処理)
(以下、図11のステップS208、ステップS210に対応)
有線通信部304は、第2ベアラ12を介して、eNB1からのeNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。更に、有線通信部304は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを制御部302へ出力する。
【0098】
パケット伝送処理部352は、eNB−MME間測定指定情報付パケットが入力されると、eNB−MME間測定指定情報により、eNB1とMME3との間のパケット転送時間の測定が必要であることを認識する。更に、パケット伝送処理部352は、eNB−MME間測定指定情報付パケットを有線通信部304へ出力する。有線通信部304は、第2ベアラ12を介して、eNB1へeNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。
【0099】
(第6の処理)
(以下、図12のステップS302、ステップS304、ステップS306に対応)
有線通信部304は、第2ベアラ12を介して、eNB1からのeNB−MME間測定指定情報付パケットを受信し、制御部302へ出力する。
【0100】
伝送時刻測定部353は、有線通信部304によってeNB−MME間測定指定情報付パケットが受信された時刻(MME受信時刻)を測定する。更に、伝送時刻測定部353は、MME受信時刻の情報を有線通信部304へ出力する。有線通信部304は、OAM4へMME受信時刻の情報を送信する。
【0101】
(1.5)OAM4の構成
図9は、OAM4の構成図である。図9に示すOAM4は、制御部402、記憶部403及び有線通信部404を含む。
【0102】
制御部402は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)によって構成され、OAM4が具備する各種機能を制御する。記憶部403は、例えばメモリによって構成され、OAM4における制御などに用いられる各種情報を記憶する。
【0103】
有線通信部404は、eNB1及びMME3との間で、データの送信及び受信を行う。
【0104】
制御部402は、転送時間測定部451を含む。転送時間測定部451は、パケットの転送時間測定に関する以下の第7の処理及び第8の処理の何れかが行われる。
【0105】
(第7の処理)
(以下、図11のステップS205、ステップS206、ステップS213、ステップS214に対応)
有線通信部404は、UE2からのeNB−UE間送信時刻情報と、eNB−UE間受信時刻情報とを受信する。更に、有線通信部404は、eNB−UE間送信時刻情報と、eNB−UE間受信時刻情報とを制御部402へ出力する。
【0106】
転送時間測定部451は、eNB−UE間送信時刻情報と、eNB−UE間受信時刻情報とが入力されると、eNB−UE間受信時刻情報によって示される時刻からeNB−UE間送信時刻情報によって示される時刻を差し引くことにより、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を測定する。
【0107】
また、有線通信部404は、UE2からのeNB−MME間送信時刻情報と、eNB−MME間受信時刻情報とを受信する。更に、有線通信部404は、eNB−MME間送信時刻情報と、eNB−MME間受信時刻情報とを制御部402へ出力する。
【0108】
転送時間測定部451は、eNB−MME間送信時刻情報と、eNB−MME間受信時刻情報とが入力されると、eNB−MME間受信時刻情報によって示される時刻からeNB−MME間送信時刻情報によって示される時刻を差し引くことにより、UE2とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。更に、転送時間測定部451は、UE2とMME3との間のパケットの転送時間から、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を差し引くことにより、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。
【0109】
(第8の処理)
(以下、図12のステップS305、ステップS306、ステップS307に対応)
有線通信部404は、eNB1からのeNB受信時刻情報と、MME3からのMME受信時刻情報とを受信する。更に、有線通信部404は、eNB受信時刻情報と、MME受信時刻情報とを制御部402へ出力する。
【0110】
転送時間測定部451は、eNB受信時刻情報と、MME受信時刻情報とが入力されると、MME受信時刻情報によって示される時刻からeNB受信時刻情報によって示される時刻を差し引くことにより、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。
【0111】
(2)無線通信システムの動作
次に、eNB1の動作を説明する。図10は、無線通信システム100の第1ベアラ11及び第2ベアラ12の確立の動作を示すシーケンス図である。
【0112】
ステップS101において、UE2は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットを送信する。eNB1は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setupメッセージを含んだパケットを受信する。
【0113】
ステップS102において、eNB1は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを送信する。UE2は、第1ベアラ確立制御情報が付加され、RRC Connection Setup Completeメッセージを含んだパケットを受信する。
【0114】
ステップS101及びステップS102における送受信を経て、ステップS103において、eNB1とUE2との間に第1ベアラ11が確立される。
【0115】
ステップS104において、eNB1は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットを送信する。MME3は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial UEメッセージを含んだパケットを受信する。
【0116】
ステップS105において、MME3は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットを送信する。UE2は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Requestメッセージを含んだパケットを受信する。
【0117】
ステップS106において、eNB1は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットを送信する。MME3は、第2ベアラ確立制御情報が付加され、S1AP Initial Context Setup Responseメッセージを含んだパケットを受信する。
【0118】
ステップS104乃至ステップS106における送受信を経て、ステップS107において、eNB1とMME3との間に第2ベアラ12が確立される。
【0119】
図11は、無線通信システム100のパケット転送時間測定の第1の動作を示すシーケンス図である。図11に示す動作は、上述したeNB1における第1の処理、UE2における第3の処理、MME3における第5の処理、OAM4における第7の処理に対応する。
【0120】
ステップS201において、UE2は、第1ベアラ11を介して、eNB−UE間測定指定情報付パケットを送信する。eNB1は、第1ベアラ11を介して、eNB−UE間測定指定情報付パケットを受信する。ステップS202において、UE2は、eNB−UE間送信時刻を測定する。
【0121】
ステップS203において、eNB1は、第1ベアラ11を介して、eNB−UE間測定指定情報付パケットを送信する。UE2は、第1ベアラ11を介して、eNB−UE間測定指定情報付パケットを受信する。ステップS204において、UE2は、eNB−UE間受信時刻を測定する。
【0122】
ステップS205において、UE2は、eNB−UE間送信時刻の情報とeNB−UE間受信時刻の情報とをOAM4へ送信する。OAM4は、eNB−UE間送信時刻の情報とeNB−UE間受信時刻の情報とを受信する。
【0123】
ステップS206において、OAM4は、eNB−UE間受信時刻情報によって示される時刻からeNB−UE間送信時刻情報によって示される時刻を差し引くことにより、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間(TTL)を測定する。
【0124】
ステップS207において、UE2は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。eNB1は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。ステップS208において、eNB1は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。MME3は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。
【0125】
ステップS209において、UE2は、eNB−MME間送信時刻を測定する。
【0126】
ステップS210において、MME3は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。eNB1は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。ステップS211において、eNB1は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。UE2は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。
【0127】
ステップS212において、UE2は、eNB−MME間送信時刻を測定する。
【0128】
ステップS213において、UE2は、eNB−MME間受信時刻情報とeNB−MME間送信時刻とをOAM4へ送信する。OAM4は、eNB−MME間受信時刻情報とeNB−MME間送信時刻とを受信する。
【0129】
ステップS214において、OAM4は、eNB−MME間受信時刻情報によって示される時刻からeNB−MME間送信時刻情報によって示される時刻を差し引くことにより、UE2とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。更に、OAM4は、UE2とMME3との間のパケットの転送時間から、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を差し引くことにより、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間(TTL)を測定する。
【0130】
図12は、無線通信システム100のパケット転送時間測定の第2の動作を示すシーケンス図である。図12に示す動作は、上述したeNB1における第2の処理、UE2における第4の処理、MME3における第6の処理、OAM4における第8の処理に対応する。
【0131】
ステップS301において、UE2は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。eNB1は、第1ベアラ11を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。ステップS302において、eNB1は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを送信する。eNB1は、第2ベアラ12を介して、eNB−MME間測定指定情報付パケットを受信する。
【0132】
ステップS303において、eNB1は、eNB受信時刻を測定する。ステップS304において、MME3は、MME受信時刻を測定する。
【0133】
ステップS305において、eNB1は、eNB受信時刻の情報を送信する。OAM4は、eNB受信時刻の情報を受信する。ステップS306において、MME3は、MME受信時刻の情報を送信する。OAM4は、MME受信時刻の情報を受信する。
【0134】
ステップS307において、OAM4は、MME受信時刻情報によって示される時刻からeNB受信時刻情報によって示される時刻を差し引くことにより、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。
【0135】
(3)作用・効果
本発明の実施形態に係る無線通信システム100において、eNB1及びUE2は、eNB1とUE2との間に、RRCレイヤにおける第1ベアラ11を確立し、eNB1及びMME3は、eNB1とMME3との間に、S1APレイヤにおける第2ベアラ12を確立する。更に、OAM4は、第1ベアラ11を伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を測定し、第2ベアラ12を伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定する。
【0136】
このように、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を測定するために、第1ベアラ11が確立され、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定するために、第2ベアラ12が確立され、これら第1ベアラ11及び第2ベアラ12に、パケットが伝送されることによって、OAM4は、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間と、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間を測定することができる。
【0137】
レイヤ3におけるICMPのパケットを測定用に用いる場合には、当該ICMPパケットは、無線区間のパスを通過するだけではなく、コアネットワーク上のパスをも通過してしまうため、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間を測定することができない。また、UE2とMME3との間で伝送されるNASのレイヤのパケットを測定用に用いる場合には、トンネリングのために、途中のeNB1は、NASのレイヤの処理に関与しないため、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間と、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間とを測定することができない。
【0138】
これに対して、本実施形態では、NASのレイヤよりも下位であって、レイヤ3よりも上位であるRRCレイヤにおいて第1ベアラ11が確立され、当該RRSレイヤと同位のレイヤであるS1APのレイヤにおいて第2ベアラ12が確立される。従って、eNB1及びUE2は、RRSレイヤの処理に関与でき、eNB1及びMME3は、S1APレイヤの処理に関与できる。このため、第1ベアラ11及び第2ベアラ12に、パケットが伝送されることによって、eNB1、UE2及びMME3は、当該パケットの処理を行うことができ、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間と、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間との測定が可能となる。
【0139】
(4)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0140】
上述した実施形態では、eNB1、UE2、MME3は、パケットの送信時刻や受信時刻を測定して、OAM4へ送信したが、パケットの転送時間を測定可能な他の情報をOAM4へ送信してもよい。
【0141】
上述した実施形態では、OAM4がパケットの転送時間を測定したが、eNB1、UE2、MME3の何れかが転送時間測定部451と同様の機能を備え、当該機能によりパケットの転送時間を測定するようにしてもよい。
【0142】
上述した実施形態では、eNB1とUE2との間の通信特性が、eNB1とUE2との間のパケットの転送時間であり、eNB1とMME3との間の通信特性が、eNB1とMME3との間のパケットの転送時間である場合について説明したが、通信特性がジッタやパケットのロス率等である場合にも同様に本発明を適用できる、
この場合、第1ベアラ11にパケットが伝送されると、eNB1及びUE2の少なくとも何れかは、ジッタやパケットのロス率等を測定して、測定結果の情報をOAM4へ送信する。また、第2ベアラ12にパケットが伝送されると、eNB1及びMME3の少なくとも何れかは、ジッタやパケットのロス率等を測定して、測定結果の情報をOAM4へ送信する。OAM4は、測定結果の情報を受信する。
【0143】
上述した実施形態では、LTEシステムについて説明したが、WiMAX(IEEE 802.16)に基づく無線通信システム等、他の無線通信システムに対して本発明を適用してもよい。
【0144】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0145】
1…eNB、2…UE、3…MME、4…OAM、11…第1ベアラ、12…第2ベアラ、100…無線通信システム、102、202、302、402…制御部、103、203、303、403…記憶部、104、304、404…有線通信部、106、206…無線通信部、108、208…アンテナ、151、251、351…論理通信路確立部、152、252、352…パケット伝送処理部、153、253、353…伝送時刻測定部、451…転送時間測定部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク側装置と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局と、前記無線基地局に接続される無線端末とを有する無線通信システムであって、
前記無線端末及び前記無線基地局は、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立し、
前記無線基地局及び前記ネットワーク側装置は、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立し、
前記無線端末は、前記第1の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性を測定し、前記第2の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性を測定する無線通信システム。
【請求項2】
前記無線端末は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第1の論理通信路の確立のための情報を付加して前記無線基地局へ送信する第1の送信部を備え、
前記無線基地局は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第1の論理通信路の確立のための情報を付加して前記無線端末へ送信する第2の送信部を備える請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記無線基地局は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第2の論理通信路の確立のための情報を付加して前記ネットワーク側装置へ送信する第3の送信部を備え、
前記ネットワーク側装置は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第2の論理通信路の確立のための情報を付加して前記無線基地局へ送信する第4の送信部を備える請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記無線端末は、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第5の送信部と、前記第1のパケットの送信時刻を、ネットワークを監視する監視装置へ送信する第6の送信部とを備え、
前記無線基地局は、前記無線端末からの前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する第1の受信部と、前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第7の送信部とを備え、
前記無線端末は、前記無線基地局からの前記第1のパケットを前記第1の論理通信路を介して受信する第2の受信部と、前記第1のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第8の送信部とを備える請求項1乃至3の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記無線端末は、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第9の送信部と、前記第2のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信する第10の送信部とを備え、
前記無線基地局は、前記無線端末からの前記第2のパケットを前記第1の論理通信路を介して受信する第3の受信部と、前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信する第11の送信部とを備え、
前記ネットワーク側装置は、前記無線基地局からの前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して受信する第4の受信部と、前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第12の送信部とを備え、
前記無線基地局は、前記ネットワーク側装置からの前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して受信する第5の受信部と、前記第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第13の送信部とを備え、
前記無線端末は、前記無線基地局からの前記第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する第6の受信部と、前記第2のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第14の送信部とを備える請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記無線端末は、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第3のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第15の送信部を備え、
前記無線基地局は、前記無線端末からの前記第3のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する第7の受信部と、前記第3のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信する第16の送信部とを備え、
前記ネットワーク側装置は、前記無線基地局からの前記第3のパケットを、前記第2の論理通信路を介して受信する第8の受信部と、前記第3のパケットの受信時刻を、ネットワークを監視する監視装置へ送信する第17の送信部とを備える請求項1乃至4の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記所定のレイヤは、前記無線端末と前記無線基地局との間がRRC(Radio Resource Control)のレイヤであり、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間がS1APのレイヤである請求項1乃至6の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項8】
ネットワーク側装置と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局と、前記無線基地局に接続される無線端末とを有する無線通信システムであって、
前記無線端末及び前記無線基地局は、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の論理通信路を確立し、
前記無線端末は、前記論理通信路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記論理通信路の通信特性を測定する無線通信システム。
【請求項9】
ネットワークを監視する監視装置を含む無線通信システムにおいて、ネットワーク側装置の配下となるとともに、無線端末を接続する無線基地局であって、
前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立するとともに、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立する論理通信路確立部と、
前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第1のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第2のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第3のパケットとの少なくとも何れかを、前記第1の論理通信路を介して受信する第1の受信部と、
前記第1の受信部により前記第1のパケットが受信された場合に、前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第1の送信部と、
前記第1の受信部により前記第2のパケットが受信された場合に、前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信し、前記第3のパケットが受信された場合に、前記第3のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信する第2の送信部と、
前記第1の受信部により前記第3の受信パケットが受信された場合に、前記第3のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第3の送信部と、
前記第2の送信部により前記第2のパケットが送信された後に、前記ネットワーク側装置からの前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して受信する第2の受信部と、
前記第2の受信部により前記第2のパケットが受信された場合に、前記第3のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第4の送信部と
を備える無線基地局。
【請求項10】
ネットワークを監視する監視装置を含む無線通信システムにおいて、ネットワーク側装置の配下となる無線基地局に接続される無線端末であって、
前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立するとともに、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立する論理通信路確立部と、
前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第1のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第2のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第3のパケットとの少なくとも何れかを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第1の送信部と、
前記第1の送信部により前記第1のパケットが送信された場合に、前記第1のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信し、前記第1の送信部により前記第2のパケットが送信された場合に、前記第2のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信する第2の送信部と、
前記第1の送信部により前記第1のパケットが送信された後に、前記無線基地局からの前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信し、前記第1の送信部により前記第2のパケットが送信された後に、前記無線基地局からの前記第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する受信部と、
前記受信部により前記第1のパケットが受信された場合に、前記第1のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信し、前記受信部により前記第2のパケットが受信された場合に、前記第2のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第3の送信部と
を備える無線端末。
【請求項11】
ネットワークを監視する監視装置を含む無線通信システムにおいて、無線端末を接続する無線基地局を配下とするネットワーク側装置であって、
前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に確立される、所定のレイヤにおける論理通信路を介して、前記無線基地局からの前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加されたパケットを受信する受信部と、
前記受信部により前記パケットが受信された場合に、前記パケットを、前記論理通信路を介して前記無線基地局へ送信することと、前記受信部により前記パケットが受信された場合に、前記パケットの受信時刻を前記監視装置へ送信することとの少なくとも何れかを行う送信部と
を備えるネットワーク側装置。
【請求項12】
ネットワーク側装置と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局と、前記無線基地局に接続される無線端末とを有する無線通信システムにおける通信特性監視方法であって、
前記無線端末及び前記無線基地局が、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立するステップと、
前記無線基地局及び前記ネットワーク側装置が、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立するステップと、
前記無線端末が、前記第1の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性を測定し、前記第2の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性を測定するステップと
を備える通信特性監視方法。
【請求項1】
ネットワーク側装置と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局と、前記無線基地局に接続される無線端末とを有する無線通信システムであって、
前記無線端末及び前記無線基地局は、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立し、
前記無線基地局及び前記ネットワーク側装置は、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立し、
前記無線端末は、前記第1の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性を測定し、前記第2の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性を測定する無線通信システム。
【請求項2】
前記無線端末は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第1の論理通信路の確立のための情報を付加して前記無線基地局へ送信する第1の送信部を備え、
前記無線基地局は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第1の論理通信路の確立のための情報を付加して前記無線端末へ送信する第2の送信部を備える請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記無線基地局は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第2の論理通信路の確立のための情報を付加して前記ネットワーク側装置へ送信する第3の送信部を備え、
前記ネットワーク側装置は、C−Planeの制御メッセージを含んだパケットに、前記第2の論理通信路の確立のための情報を付加して前記無線基地局へ送信する第4の送信部を備える請求項1又は2に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記無線端末は、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第5の送信部と、前記第1のパケットの送信時刻を、ネットワークを監視する監視装置へ送信する第6の送信部とを備え、
前記無線基地局は、前記無線端末からの前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する第1の受信部と、前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第7の送信部とを備え、
前記無線端末は、前記無線基地局からの前記第1のパケットを前記第1の論理通信路を介して受信する第2の受信部と、前記第1のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第8の送信部とを備える請求項1乃至3の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記無線端末は、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第9の送信部と、前記第2のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信する第10の送信部とを備え、
前記無線基地局は、前記無線端末からの前記第2のパケットを前記第1の論理通信路を介して受信する第3の受信部と、前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信する第11の送信部とを備え、
前記ネットワーク側装置は、前記無線基地局からの前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して受信する第4の受信部と、前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第12の送信部とを備え、
前記無線基地局は、前記ネットワーク側装置からの前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して受信する第5の受信部と、前記第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第13の送信部とを備え、
前記無線端末は、前記無線基地局からの前記第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する第6の受信部と、前記第2のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第14の送信部とを備える請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記無線端末は、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第3のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第15の送信部を備え、
前記無線基地局は、前記無線端末からの前記第3のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する第7の受信部と、前記第3のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信する第16の送信部とを備え、
前記ネットワーク側装置は、前記無線基地局からの前記第3のパケットを、前記第2の論理通信路を介して受信する第8の受信部と、前記第3のパケットの受信時刻を、ネットワークを監視する監視装置へ送信する第17の送信部とを備える請求項1乃至4の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記所定のレイヤは、前記無線端末と前記無線基地局との間がRRC(Radio Resource Control)のレイヤであり、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間がS1APのレイヤである請求項1乃至6の何れかに記載の無線通信システム。
【請求項8】
ネットワーク側装置と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局と、前記無線基地局に接続される無線端末とを有する無線通信システムであって、
前記無線端末及び前記無線基地局は、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の論理通信路を確立し、
前記無線端末は、前記論理通信路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記論理通信路の通信特性を測定する無線通信システム。
【請求項9】
ネットワークを監視する監視装置を含む無線通信システムにおいて、ネットワーク側装置の配下となるとともに、無線端末を接続する無線基地局であって、
前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立するとともに、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立する論理通信路確立部と、
前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第1のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第2のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第3のパケットとの少なくとも何れかを、前記第1の論理通信路を介して受信する第1の受信部と、
前記第1の受信部により前記第1のパケットが受信された場合に、前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第1の送信部と、
前記第1の受信部により前記第2のパケットが受信された場合に、前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信し、前記第3のパケットが受信された場合に、前記第3のパケットを、前記第2の論理通信路を介して前記ネットワーク側装置へ送信する第2の送信部と、
前記第1の受信部により前記第3の受信パケットが受信された場合に、前記第3のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第3の送信部と、
前記第2の送信部により前記第2のパケットが送信された後に、前記ネットワーク側装置からの前記第2のパケットを、前記第2の論理通信路を介して受信する第2の受信部と、
前記第2の受信部により前記第2のパケットが受信された場合に、前記第3のパケットを、前記第1の論理通信路を介して前記無線端末へ送信する第4の送信部と
を備える無線基地局。
【請求項10】
ネットワークを監視する監視装置を含む無線通信システムにおいて、ネットワーク側装置の配下となる無線基地局に接続される無線端末であって、
前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立するとともに、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立する論理通信路確立部と、
前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第1のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第2のパケットと、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加された第3のパケットとの少なくとも何れかを、前記第1の論理通信路を介して前記無線基地局へ送信する第1の送信部と、
前記第1の送信部により前記第1のパケットが送信された場合に、前記第1のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信し、前記第1の送信部により前記第2のパケットが送信された場合に、前記第2のパケットの送信時刻を前記監視装置へ送信する第2の送信部と、
前記第1の送信部により前記第1のパケットが送信された後に、前記無線基地局からの前記第1のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信し、前記第1の送信部により前記第2のパケットが送信された後に、前記無線基地局からの前記第2のパケットを、前記第1の論理通信路を介して受信する受信部と、
前記受信部により前記第1のパケットが受信された場合に、前記第1のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信し、前記受信部により前記第2のパケットが受信された場合に、前記第2のパケットの受信時刻を前記監視装置へ送信する第3の送信部と
を備える無線端末。
【請求項11】
ネットワークを監視する監視装置を含む無線通信システムにおいて、無線端末を接続する無線基地局を配下とするネットワーク側装置であって、
前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に確立される、所定のレイヤにおける論理通信路を介して、前記無線基地局からの前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性の測定用であることを示す情報が付加されたパケットを受信する受信部と、
前記受信部により前記パケットが受信された場合に、前記パケットを、前記論理通信路を介して前記無線基地局へ送信することと、前記受信部により前記パケットが受信された場合に、前記パケットの受信時刻を前記監視装置へ送信することとの少なくとも何れかを行う送信部と
を備えるネットワーク側装置。
【請求項12】
ネットワーク側装置と、前記ネットワーク側装置の配下となる無線基地局と、前記無線基地局に接続される無線端末とを有する無線通信システムにおける通信特性監視方法であって、
前記無線端末及び前記無線基地局が、前記無線端末と前記無線基地局との間に、所定のレイヤにおける通信特性測定用の第1の論理通信路を確立するステップと、
前記無線基地局及び前記ネットワーク側装置が、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間に、前記所定のレイヤにおける通信特性測定用の第2の論理通信路を確立するステップと、
前記無線端末が、前記第1の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線端末と前記無線基地局との間の通信特性を測定し、前記第2の論理伝送路で伝送されるパケットの伝送状態に基づいて、前記無線基地局と前記ネットワーク側装置との間の通信特性を測定するステップと
を備える通信特性監視方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−39269(P2012−39269A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175805(P2010−175805)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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