説明

無線通信システム、無線基地局および携帯端末装置

【課題】ユーザに対して情報をより確実に伝える。また、無線基地局の演算負荷を軽減する。
【解決手段】ハンドオーバが発生すると、無線基地局3から新たに無線接続した携帯電話機4に対して提供情報が送信され、通話の終了後に当該携帯電話機4から出力される。これにより、通話が終了した後という携帯電話機4に対して向けられるユーザの注意が高い状況下で提供情報が出力されるため、この提供情報をより確実にユーザに伝えることができる。また、無線基地局3は、ハンドオーバという位置登録と比較して少ない割合で発生するタイミングで提供情報を提供するので、演算負荷を軽減させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末装置と無線基地局とを有する無線通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザが着信に応答できない場合、相手先からのメッセージを交換局に記憶しておき、そのユーザの携帯電話機が交換局に位置登録を行ったときに、そのメッセージを携帯電話機に送信するシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これにより、携帯電話機のユーザは、不在時などの着信に応答できなくても、位置登録が行われたときにメッセージを取得することができる。
【0003】
【特許文献1】特開平7−322348号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、単なる位置登録時のみならず、通話中に新たに位置登録が行われたときにも基地局から情報を送信することが望まれている。これにより、基地局は、独自の情報を携帯電話機に提供することが可能となると考えられる。
【0005】
そこで、本願発明は、基地局独自の情報を提供することができる無線通信装置、無線基地局および携帯端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述したような課題を解決するために、本発明に係る無線通信システムは、複数の無線基地局と、これらの無線基地局のうち少なくとも1つと無線接続による通信を行う携帯端末装置とを備えた無線通信システムにおいて、無線基地局のうち少なくとも1つは、携帯端末装置に提供する情報を記憶する記憶手段と、通信中の携帯端末装置の無線接続先が他の無線基地局から当該無線基地局に変更されると、当該携帯端末装置に対して情報を送信する送信手段とを備え、携帯端末装置は、無線基地局より受信した情報を出力する出力手段を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る無線基地局は、携帯端末装置と無線接続により通信を行う無線基地局であって、携帯端末装置に提供する情報を記憶する記憶手段と、通信中の携帯端末装置の無線接続先が他の無線基地局から当該無線基地局に変更されると、当該携帯端末装置に対して情報を送信する送信手段とを備えることを特徴とする。ここで、送信手段は、通信中の音声データと共に情報を送信するようにしてもよい。
【0008】
また、本発明に係る携帯端末装置は、複数の無線基地局のうち少なくとも1つと無線接続による通信を行う携帯端末装置であって、通信中に無線接続先が変更された無線基地局より受信した情報を出力する出力手段を備えることを特徴とする。ここで、出力手段は、通信中に前記情報を有することを表す所有情報を受信すると、通信の終了後、無線基地局に対して、前記情報の送信を要求するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通信中の携帯端末装置の無線接続先が他の無線基地局から当該無線基地局に変更されると、当該無線基地局から当該携帯端末装置に情報が送信され、この情報が当該携帯端末装置から出力される。これにより、通信中という状態においても、携帯端末装置に情報が送信することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施の形態について詳細に説明する。
【0011】
<携帯電話システム>
図1に示すように、本実施の形態に係る携帯電話システムは、移動通信交換局1と、この移動通信交換局1に接続された少なくとも1つの無線回線制御局2と、この無線回線制御局2に接続された無線基地局3A,3B,3Xと、これらの無線基地局に無線接続される携帯電話機4A,4Bを有する。便宜上、以下において、場合により無線基地局3A,3B,3Xを無線基地局3、携帯電話機4A,4Bを携帯電話機4という。
【0012】
移動通信交換局1は、公衆電話網(PSTN:Public Switched Telephone Network)、ISDN(Integrated Service Digital Network)、IP(Internet Protocol)電話網などの電話網5に接続され、ロケーションレジスタ6に登録されている携帯電話機4の位置情報に基づいて、携帯電話機4A,4Bの各種呼制御を行う装置である。
【0013】
無線回線制御局2は、移動通信交換局1と、接続された複数の無線基地局3との間の各種データのやり取りを中継する装置である。
【0014】
無線基地局3は、無線電波Wを放射し、この無線電波Wが届く領域に位置する携帯電話機4と無線電波Wを介してデータ通信を行う装置である。
【0015】
携帯電話機4は、無線電波Wを用いて無線基地局3と無線接続される端末装置であり、無線接続された無線基地局3、無線回線制御局2および移動通信交換局1を介して相手先と通話パスを接続することにより、相手先との通話を実現する装置である。
【0016】
<無線基地局>
図2に示すように、本実施の形態に係る携帯電話システムで用いられる無線基地局3は、無線送受信部31と、I/F部32と、記憶部33と、制御部34とを備えている。
【0017】
無線送受信部31は、アンテナATを介して無線電波Wを送受信する回路部であり、携帯電話機4とこの携帯電話機4と通話を行う相手先との間で各種データをやり取りする。
【0018】
I/F部32は、LANなど介して無線回線制御局2と各種データをやり取りする。
【0019】
記憶部33は、メモリやハードディスクなどの記憶装置からなり、管理情報33Aと、提供情報33Bと、プログラム33Pとを格納する。管理情報33Aと提供情報33Bがある。管理情報33Aは、当該無線基地局3に無線接続されている携帯電話機4を制御するのに用いる情報である。提供情報33Bは、当該無線基地局3に新たに無線接続された携帯電話機4に送信する情報である。プログラム33Pは、無線基地局3の動作プログラムであり、無線送受信部31やI/F部32などの入出力インターフェース部を介して外部装置や記録媒体から読み取られ予め記憶部33へ格納される。
【0020】
制御部34は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路からなり、記憶部33からプログラム33Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム33Pとを協働させることにより、転送制御手段34A、接続手段34B、送信手段34Cを実現する。
【0021】
転送制御手段34Aは、LANなどを介してI/F部32に接続された無線回線制御局2と無線電波Wを介して無線送受信部31に接続された携帯電話機4との間でデータを転送する。また、無線送受信部31によりアンテナATを介して周期的に無線基地局3の識別情報を含む無線電波Wを送信する。
【0022】
接続手段34Bは、アンテナATから放射する無線電波Wが届く範囲に移動してきた携帯電話機4をハンドオーバさせ、新たに当該無線基地局3と無線接続を行う。
【0023】
送信手段34Cは、新たに当該無線基地局3と無線接続した携帯電話機4に提供情報33Bを送信する。
【0024】
<携帯電話機>
図3に示すように、本実施の形態に係る携帯電話システムで用いられる携帯電話機4は、無線送受信部41と、音声処理部42と、操作入力部43と、表示部44と、記憶部45と、制御部46とを備えている。
【0025】
無線送受信部41は、アンテナATを介して無線電波Wを送受信することにより、無線基地局3との間で各種データをやり取りする。
【0026】
音声処理部42は、無線送受信部41を介して受信した音声データから生成信号や予め設定されている各種報知音をスピーカ(図示せず)から出力する。
【0027】
操作入力部43は、ダイヤルキーや機能キーなどの各種操作キーやフックスイッチからなり、ユーザの操作を検出して制御部46へ出力する。
【0028】
表示部44は、LED(Light Emitting Diode)やLCD(Liquid Crystal Device)などの表示器からなり、制御部46の指示に応じて各種可視表示を行う。
【0029】
記憶部45は、メモリなどの記憶装置からなり、制御情報45A、提供情報45Bおよびプログラム45Pなどを格納する。制御情報45Aは、制御部46での当該携帯電話機4の制御に用いる情報である。また、提供情報45Bは、ハンドオーバが発生したときに無線基地局3から受信する情報である。プログラム45Pは、携帯電話機4の制御プログラムであり、製造時に予め記憶部45に格納される。
【0030】
制御部46は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路からなり、記憶部45からプログラム45Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム45Pとを協働させて、呼制御手段46A、接続手段46Bおよび出力手段46Cを実現させる。
【0031】
呼制御手段46Aは、無線回線制御局2、無線基地局3および無線電波Wを介して受信した移動通信交換局1からの指示に基づいて当該携帯電話機4を制御する。
接続手段46Bは、無線基地局3から受信する無線電波Wの強度に基づいてハンドオーバを行い、無線接続を行う無線基地局3を選択する。
出力手段46Cは、無線基地局3から受信し記憶部45に記憶された提供情報45Bをスピーカや表示部44から出力させる。
【0032】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図4を参照して、本実施の形態に係る携帯電話システムの動作について説明する。ここでは、携帯電話機4Aが携帯電話機4Bと通話中に、無線基地局3Bによって、携帯電話機4Aの無線接続を無線基地局3Aから無線基地局3Bにハンドオーバする場合を例に説明する。
【0033】
無線基地局3Aに無線接続された携帯電話機4Aは、移動通信交換局1、無線回線制御局2および無線基地局3Xを介して、携帯電話機4Bと通話を行っている(ステップS1)。このとき、例えば、携帯電話機4Aのユーザが移動することにより、携帯電話機4AのアンテナATにより無線送受信部41が無線基地局3Bからの無線電波Wを受信すると(ステップS2)、携帯電話機4Aの制御部46の呼制御手段46Aは、その無線電波Wに応答して、無線送受信部41により位置登録情報を無線基地局3Bに送信する(ステップS3)。この位置登録情報としては、携帯電話機4Aの識別情報などが含まれる。
【0034】
位置登録情報を受信すると、無線基地局3Bの制御部34の転送制御手段34Aは、その位置登録情報を移動通信交換局1に転送する(ステップS4)。移動通信交換局1は、受信した位置登録情報をロケーションレジスタ6に登録する。
【0035】
また、無線基地局3Bの接続手段34Bは、携帯電話機4Aから受信する無線電波Wの強度に基づいて、携帯電話機4Aの無線接続先を無線基地局3Aから無線基地局3Bに切り替えるいわゆるハンドオーバを行う(ステップS5)。これにより、携帯電話機4Aは、無線基地局3B、移動通信交換局1、無線回線制御局2および無線基地局3Xを介して、携帯電話機4Bとの通話が行われる(ステップS6)。なお、上記ハンドオーバを行うタイミングとしては、携帯電話機4Aから受信する無線電波Wの強度が所定の閾値を超えるなどが挙げられる。
【0036】
ハンドオーバが行われると、無線基地局3Bの送信手段34Cは、携帯電話機4Aに提供情報33Bを送信する(ステップS7)。この提供情報33Bは、無線基地局3B特有の情報であり、例えば、無線基地局3B近辺の店舗の広告や地理情報など、携帯電話機4Aのユーザに対して無線基地局3B等の所有者やスポンサーが提供したい情報からなる。このような提供情報33Bは、音声、画像、音声および映像、文字等の形態の情報からなり、通話中に、音声信号に重畳されたり、通話による音声信号とは異なる別個の情報として送信されたり、電子メールとして送信されたりする。
【0037】
提供情報33Bを受信すると、携帯電話機4Aは、その提供情報33Bを記憶部45に提供情報45Bとして記憶する(ステップS8)。
【0038】
携帯電話機4Bとの通話が終了すると(ステップS9)、携帯電話機4Aの制御部46の出力手段46Cは、記憶部45に格納された提供情報45Bを出力する(ステップS10)。提供情報45Bは、情報の形態によって、例えば、表示部44により画像として出力されたり、スピーカから音声として出力されたり、電子メールとして表示されたりする。出力された提供情報45Bは、記憶部45から消去される。
【0039】
このような携帯電話システムは、例えば、デパートなどに適用することができる。この場合、例えばユーザがフロアを移動することによってハンドオーバが発生すると、携帯電話機4と新たに無線接続を行った無線基地局3は、そのフロアにおける特売に関する情報などからなる提供情報33Bを携帯電話機4に送信する。これにより、表示部44に特売の情報が表示されたり、スピーカから特売の情報が出力されるので、携帯電話機4のユーザの購買意欲を高めることが可能となり、売り上げの増加や集客効果を期待することができる。
【0040】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ハンドオーバが発生すると、無線基地局3から新たに無線接続した携帯電話機4に対して提供情報33Bが送信され、通話の終了後に当該携帯電話機4から出力される。これにより、通話が終了した後という携帯電話機4に対して向けられるユーザの注意が高い状況下で提供情報45Bが出力されるため、提供情報45Bをより確実にユーザに伝えることができる。また、無線基地局3は、ハンドオーバという位置登録と比較して少ない割合で発生するタイミングで提供情報33Bを提供するので、演算負荷を軽減させることができる。
【0041】
なお、本実施の形態において、提供情報45Bは、ハンドオーバが行われた携帯電話機4Aに送信するようにしたが、携帯電話機4Aの通話相手の携帯電話機4Bにも送信するようにしてもよい。これにより、上述したデパートに適用した場合には、さらなる集客効果等を期待することができる。
【0042】
また、本実施の形態において、ステップS7により携帯電話機4Aが提供情報を受信すると、通話中にその提供情報を出力するようにしてもよい。例えば、提供情報がテキストなどの文字情報から構成される場合、携帯電話機4Aの表示部44に文字情報をテロップとして表示するようにしてもよい。また、提供情報が音声情報から構成される場合、通話中の相手からの音声にその音声情報に基づく音声を重畳してスピーカから出力するようにしてもよい。これにより、ユーザは、提供情報を即座に確認することができる。したがって、タイムセールの情報や締めきり時間を有する情報など時間的制約を有する提供情報であっても、ユーザに確実に提供することができる。
【0043】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態は、携帯電話機4によってハンドオーバを行うものであり、その他の構成については第1の実施の形態と同等である。したがって、第1の実施の形態と同等の構成要素およびステップについては、同じ名称および符号を付し、適宜説明を省略する。
【0044】
[第2の実施の形態の動作]
図5を参照して、本実施の形態に係る電話システムの動作について説明する。ここでは、携帯電話機4Aが携帯電話機4Bと通話中に、携帯電話機4Aによって、携帯電話機4Aの無線接続を無線基地局3Aから無線基地局3Bにハンドオーバする場合を例に説明する。
【0045】
無線基地局3Aに無線接続された携帯電話機4Aは、移動通信交換局1、無線回線制御局2および無線基地局3Xを介して、携帯電話機4Bと通話を行っている(ステップS1)。このとき、例えば、携帯電話機4Aのユーザが移動するなどにより、携帯電話機4AのアンテナATにより無線送受信部41が無線基地局3Bからの無線電波Wを受信すると(ステップS2)、携帯電話機4Aの制御部46の呼制御手段46Aは、その無線電波Wに応答して、無線送受信部41により位置登録情報を無線基地局3Bに送信する(ステップS3)無線基地局3Bの転送制御手段34Aは、受信した位置登録情報を移動通信交換局1に転送する(ステップS4)。移動通信交換局1は、受信した位置登録情報をロケーションレジスタ6に登録する。
【0046】
また、無線基地局3Bからの無線電波Wを受信すると、携帯電話機4Aの制御部46の接続手段46Bは、その無線電波Wの強度に基づいて、無線接続先を無線基地局3Aから無線基地局3Bに切り替えるいわゆるハンドオーバを行う(ステップS11)。これにより、携帯電話機4Aは、無線基地局3B、移動通信交換局1、無線回線制御局2および無線基地局3Xを介して、携帯電話機4Bとの通話が行われる(ステップS6)。なお、上記ハンドオーバを行うタイミングとしては、無線基地局3Bから受信する無線電波Wの強度が所定の閾値を超えるなどが挙げられる。
【0047】
ハンドオーバが行われると、無線基地局3Bの送信手段34Cは、携帯電話機4Aに提供情報33Bを有していることを示す所有情報を送信する(ステップS12)。この所有情報は、提供情報33Bに含まれていたり、記憶部33に提供情報33Bとは別に記憶するようにしてもよい。また、送信手段34Cにより、記憶部33に提供情報33Bが存在することが確認されると、送信手段34Cが所有情報を生成して送信するようにしてもよい。
【0048】
所有情報を受信すると、携帯電話機4Aの制御部46は、出力手段46Cにより提供情報が存在することを示すアラーム音をスピーカから出力させる(ステップS13)。なお、アラーム音の代わりにテロップを表示部44に表示させたり、アラーム音とともにテロップを表示するようにしてもよい。これらにより、携帯電話機4Aのユーザは、提供情報が存在することを認識することができる。
【0049】
携帯電話機4Bとの通話が終了すると(ステップS9)、携帯電話機4Aの制御部46は、出力手段46Cにより提供情報の送信を無線基地局3Bに要求する(ステップS14)。なお、この要求は、ユーザによる操作入力に基づいて行うようにしてもよい。例えば、通話の終了後、出力手段46Cは、表示部44に提供情報の出力を望むか否かユーザの意思を確認するための表示を出力させ、この表示に対してユーザが提供情報の出力を望むことを意味する操作入力を操作入力部43が検出した場合には、無線基地局3Bに対して提供情報の送信を要求するようにしてもよい。これにより、ユーザの意思に応じて、提供情報を出力することができる。
【0050】
携帯電話機4Aから提供情報の送信が要求されると、無線基地局3Bは、提供情報33Bを携帯電話機4Aに送信する(ステップS7)。
【0051】
提供情報33Bを受信すると、携帯電話機4Aの制御部46は、出力手段46よりその提供情報33Bを出力する(ステップS10)。この提供情報33Bは、情報の形態によって、例えば、表示部44により画像として出力されたり、スピーカから音声として出力されたりする。
【0052】
このようにしても、第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
【0053】
なお、第1および第2の実施の形態において、例えば、ステップS7において提供情報を送信後、ハンドオーバを繰り返し、再度他の無線基地局3から無線基地局3Bにハンドオーバを行った場合、無線基地局3Bの送信手段34Cは、提供情報33Bを送信しないようにしてもよい。この場合、送信手段34Cは、提供情報33Bを送信した携帯電話機4を記憶部33に記憶しておき、所定の時間以内に再度ハンドオーバが行われた場合には、その携帯電話機4に提供情報を送信しない。これにより、提供情報を重複して送信するのを防ぐことができる。
【0054】
また、第1および第2の実施の形態において、上述したようにハンドオーバを繰り返すなどにより、携帯電話機4が同じ提供情報を受信した場合、携帯電話機4の出力手段46Cは、今回受信した提供情報または過去に取得した提供情報を消去するようにしてもよい。これにより、提供情報を重複して出力するのを防ぐことができる。
【0055】
また、第1および第2の実施の形態において、携帯電話機4が記憶した提供情報45Bは、携帯電話機4が上述したデパート等の所定のエリアから離れたり、所定時間が経過したりすると、記憶部45から消去するようにしてもよい。これは、例えば、無線基地局3から送信される提供情報33Bに所定の無線基地局3からの無線電波Wを受信しているときのみその提供情報を有効とするデータを埋め込んでおいたり、携帯電話機4に提供除法33Bを受信してからの経過時間を計測するタイマを設けることにより実現することができる。これにより、古い提供情報を出力するのを防ぐことができる。
【0056】
また、第1および第2の実施の形態において、提供情報45Bは、終話後に出力されるようにしたが、通話中に出力されるようにしてもよい。この場合、提供情報は、表示部44に表示させたり、スピーカから通話の音声と重畳して出力したりことにより、出力される。これにより、携帯電話機4のユーザに対して、情報をより確実に伝えることができる。
【0057】
上述したシステムは、携帯電話システムのみならず、例えばPHS(Personal Hnady-phome System)やFMC(Fixed Mobile Convergence)など複数の無線基地局を有するシステムに適用することができる。特に、FMCに適用した場合、例えばデパート等に配設された無線基地局に無線接続した携帯端末装置の通信費をデパート側が負担することにより、さらなる集客効果を期待することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、複数の無線基地局を有する通信システムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の携帯電話システムの構成を模式的に示す図である。
【図2】無線基地局の構成を示すブロック図である。
【図3】携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図4】第1の実施の形態における携帯電話システムの動作を示すタイミングチャートである。
【図5】第2の実施の形態における携帯電話システムの動作を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0060】
1…移動通信交換局、2…無線回線制御局、3,3A,3B,3X…無線基地局、4,4A,4B…携帯電話機、5…電話網、6…ロケーションレジスタ、31…無線送受信部、32…I/F部、33…記憶部、33A…管理情報、33B…提供情報、33P…プログラム、34…制御部、34A…転送制御手段、34B…接続手段、34C…送信手段、41…無線送受信部、42…音声処理部、43…操作入力部、44…表示部、45…記憶部、45A…制御情報、45B…提供情報、45P…プログラム、46…制御部、46A…呼制御手段、46B…接続手段、46C…出力手段。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線基地局と、
これらの無線基地局のうち少なくとも1つと無線接続による通信を行う携帯端末装置と
を備えた無線通信システムにおいて、
前記無線基地局のうち少なくとも1つは、
前記携帯端末装置に提供する情報を記憶する記憶手段と、
通信中の前記携帯端末装置の無線接続先が他の無線基地局から当該無線基地局に変更されると、当該携帯端末装置に対して前記情報を送信する送信手段と
を備え、
前記携帯端末装置は、
前記無線基地局より受信した前記情報を出力する出力手段を備える
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
携帯端末装置と無線接続により通信を行う無線基地局であって、
前記携帯端末装置に提供する情報を記憶する記憶手段と、
通信中の前記携帯端末装置の無線接続先が他の無線基地局から当該無線基地局に変更されると、当該携帯端末装置に対して前記情報を送信する送信手段と
を備えることを特徴とする無線基地局。
【請求項3】
前記送信手段は、前記通信中の音声データと共に前記情報を送信する
ことを特徴とする請求項2記載の無線基地局。
【請求項4】
複数の無線基地局のうち少なくとも1つと無線接続による通信を行う携帯端末装置であって、
通信中に無線接続先が変更された無線基地局より受信した情報を出力する出力手段を備える
ことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項5】
前記出力手段は、前記通信が終了すると前記無線基地局から前記情報を受信する
ことを特徴とする請求項4記載の携帯端末装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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