説明

無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法

【課題】3Gルータとして使用できない無線通信装置が、3Gルータとして使用できる無線通信装置を利用してネットワークに接続する際に、3Gルータとして使用できる無線通信装置が3G公衆網の圏内にあるか否かを、当該無線通信装置を3Gルータとして起動させることなく認識することができる無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法を提供する。
【解決手段】スマートフォン20は、スマートパッド10に対し、自身の3G通信部208が3G基地局400と通信可能か否かの通知を、WLANより省電力な赤外線通信を使用して通知する。一方、スマートパッド10は、スマートフォン20に対し、データ転送部214の転送開始の指示を、WLANを介して、又は、赤外線通信を介して通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話としての通信機能の他に、WLAN(無線LAN)、赤外線通信、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などの無線通信機能を有する無線通信装置を備えた無線通信システム、該無線通信システムを構成する無線通信装置及び前記無線通信システムに関する無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話としての無線通信機能の他に、WLAN、赤外線通信、ブルートゥースなどの無線通信機能を有する無線通信装置が普及してきており、その1つとして携帯電話とPDA(Personal Digital Assistant)を融合させたスマートフォンと呼ばれるものや、スマートフォンより大型のスマートパッドと呼ばれるものがある。スマートフォンは、携帯電話機能の他にWLAN、赤外線通信、ブルートゥースなどの無線通信機能、スケジュール機能及び個人情報管理機能などの多種多様な機能を有するものである。携帯電話機能としては、主に、セルラーの無線通信方式に準拠する無線通信に対応させたものが殆どである。また、スマートフォンには、セルラーの無線通信方式に準拠する無線通信に対応するルータ(以下、“3Gルータ”と呼ぶ)として動作可能なものもある。他方、スマートパッドは、第3世代移動通信に対応させた携帯電話機能を有するものもあるが、一般的には、WLAN、赤外線通信、ブルートゥースなどの無線通信機能のみ有するものである。
【0003】
上述したWLAN、赤外線通信、ブルートゥースなどの無線通信機能を有する無線通信装置や無線通信システムとして、例えば特許文献1〜3に記載されているものがある。特許文献1に記載されている端末は、WLAN、携帯電話など複数の通信インタフェースを持ち、WLANのアクセスポイントの圏外に移動した際に、WLAN−携帯電話ネットワークのルータとして機能する。また、特許文献2に記載されている端末は、広域無線・局所無線のデュアル通信方式を持つ端末において、局所無線方式の圏外時に広域無線に切り替える手段を有している。また、特許文献3に記載されている無線通信システムは、近接無線通信を用いて無線通信の受信状態を提示し、データの送受信を行う前に、予め送受信状態を確認する機能を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−363700号公報
【特許文献2】特開2004−297121号公報
【特許文献3】特開2007−180852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、3Gルータとして使用できない無線通信装置が、3Gルータとして使用できる無線通信装置を利用してネットワークに接続する際、3Gルータとして使用できる無線通信装置が3G公衆網の圏外にあれば、当該無線通信装置を3Gルータとして起動させてもネットワークに接続することができず、却って、3Gルータとして起動させたことによる電力の無駄が生じてしまう。
【0006】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、3Gルータとして使用できない無線通信装置が、3Gルータとして使用できる無線通信装置を利用してネットワークに接続する際に、3Gルータとして使用できる無線通信装置が3G公衆網の圏内にあるか否かを、当該無線通信装置を3Gルータとして起動させることなく認識することができる無線通信システム、無線通信装置及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の無線通信システムは、第1無線通信方式に準拠する第1無線通信部と、前記第1無線通信方式より省電力な第2無線通信方式に準拠する第2無線通信部と、を備える第1無線通信装置と、前記第1無線通信方式に準拠する第3無線通信部と、前記第2無線通信方式に準拠する第4無線通信部と、第3無線通信方式に準拠し、外部の無線通信装置に接続する第5無線通信部と、前記第5無線通信部と少なくとも前記第3無線通信部との間でデータ転送が可能なデータ転送部と、を備える第2無線通信装置と、を有する無線通信システムであって、前記第2無線通信装置は、前記第5無線通信部が前記外部の無線通信装置と通信可能か否か、前記第4無線通信部と前記第2無線通信部を介して前記第1無線通信装置へ通知し、前記第1無線通信装置は、外部より前記データ転送部の転送開始の指示を受け、かつ、前記通知される通信可否が通信否の場合、前記転送開始の指示を前記第2無線通信装置へ通知せず、外部より前記データ転送部の転送開始の指示を受け、かつ、前記通知される通信可否が通信可の場合、前記第1無線通信部と前記第3無線通信部又は/及び前記第2無線通信部と前記第4無線通信部を介して、前記転送開始の指示を前記第2無線通信装置へ通知し、前記第2無線通信装置は、前記第1無線通信装置より前記転送開始の指示を受けた場合、前記データ転送部において前記データ転送を開始する。
【0008】
上記構成によれば、第2無線通信装置は、自身の第5無線通信部が外部の無線通信装置と通信可能か否かの通知を、第1無線通信方式より省電力な第2無線通信方式を用いて第1無線通信装置に対して行うので、当該通知の通信における省電力化が図れる。
また、上記構成によれば、第1無線通信装置は、外部よりデータ転送部の転送開始の指示を受け、かつ、第2無線通信装置から通知される通信可否が通信可の場合、転送開始の指示を、第1無線通信方式より省電力な第2無線通信方式を用いて第2無線通信装置に対して行うので、当該通知の通信における省電力化が図れる。
【0009】
上記構成において、前記データ転送を開始した後に、前記第1無線通信装置は、前記第1無線通信部と前記第3無線通信部と前記第5無線通信部又は/及び前記第2無線通信部と前記第4無線通信部と前記第5無線通信部を介して前記外部の無線通信装置と通信を行う。
【0010】
上記構成によれば、第1無線通信装置は、データ転送を開始した後に、自身の第1無線通信部(WLAN)と第2無線通信装置の第3無線通信部(WLAN)と第2無線通信装置の第5無線通信部(3G)を介して、又は/及び、自身の第2無線通信部(赤外線)と第2無線通信装置の第4無線通信部(赤外線)と第2無線通信装置の第5無線通信部(3G)を介して、外部の無線通信装置と通信を行うので、当該通信における省電力化が図れる。
【0011】
上記構成において、前記外部の無線通信装置は、インターネットに接続可能である。
【0012】
上記構成において、前記第1無線通信方式は、無線LANである。
【0013】
上記構成において、前記第2無線通信方式は、赤外線通信である。
【0014】
上記構成において、前記第2無線通信方式は、Bluetooth(登録商標)である。
【0015】
上記構成において、前記第3無線通信方式は、セルラーである。
【0016】
本発明の第1無線通信装置は、本発明の無線通信システムにおける無線通信装置である。
【0017】
本発明の第2無線通信装置は、本発明の無線通信システムにおける無線通信装置である。
【0018】
本発明の無線通信方法は、第1無線通信方式に準拠する第1無線通信部と、前記第1無線通信方式より省電力な第2無線通信方式に準拠する第2無線通信部と、を備える第1無線通信装置と、記第1無線通信方式に準拠する第3無線通信部と、前記第2無線通信方式に準拠する第4無線通信部と、第3無線通信方式に準拠し、外部の無線通信装置に接続する第5無線通信部と、前記第5無線通信部と少なくとも前記第3無線通信部との間でデータ転送が可能なデータ転送部と、を備える第2無線通信装置と、を有する無線通信システムにおける無線通信方法であって、前記第2無線通信装置が、前記第5無線通信部が前記外部の無線通信装置と通信可能か否か、前記第4無線通信部と前記第2無線通信部を介して前記第1無線通信装置へ通知する通信可否通知ステップと、前記第1無線通信装置が、外部より前記データ転送部の転送開始の指示を受け、かつ、前記通知される通信可否が通信否の場合、前記転送開始の指示を前記第2無線通信装置へ通知せず、外部より前記データ転送部の転送開始の指示を受け、かつ、前記通知される通信可否が通信可の場合、前記第1無線通信部と前記第3無線通信部又は/及び前記第2無線通信部と前記第4無線通信部を介して、前記転送開始の指示を前記第2無線通信装置へ通知するデータ転送起動ステップと、前記第2無線通信装置は、前記第1無線通信装置より前記転送開始の指示を受けた場合、前記データ転送部において前記データ転送を開始するデータ転送開始ステップと、を備える。
【0019】
上記方法によれば、第2無線通信装置は、自身の第5無線通信部が外部の無線通信装置と通信可能か否かの通知を、第1無線通信方式より省電力な第2無線通信方式を用いて第1無線通信装置に対して行うので、当該通知の通信における省電力化が図れる。
また、上記方法によれば、第1無線通信装置は、外部よりデータ転送部の転送開始の指示を受け、かつ、第2無線通信装置から通知される通信可否が通信可の場合、転送開始の指示を、第1無線通信方式より省電力な第2無線通信方式を用いて第2無線通信装置に対して行うので、当該通知の通信における省電力化が図れる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、3Gルータとして使用できない無線通信装置が、3Gルータとして使用できる無線通信装置を利用してネットワークに接続する際に、3Gルータとして使用できる無線通信装置が3G公衆網の圏内にあるか否かを、当該無線通信装置を3Gルータとして起動させることなく認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態に係る無線通信システムの使用形態の一例を説明するための図
【図2】図1の無線通信システムのスマートパッドの概略構成を示すブロック図
【図3】図1の無線通信システムのスマートフォンの概略構成を示すブロック図
【図4】図1の無線通信システムにおいて、スマートフォンが3G公衆網の圏外にあって、通信可否の確認をユーザ起動操作に先駆けて行う場合の動作を説明するためのシーケンス図
【図5】図1の無線通信システムにおいて、スマートフォンが3G公衆網の圏内にあって、通信可否の確認をユーザ起動操作に先駆けて行う場合の動作を説明するためのシーケンス図
【図6】図1の無線通信システムにおいて、スマートフォンが3G公衆網の圏外にあって、ユーザ起動操作を行った後に通信可否の確認を行う場合の動作を説明するためのシーケンス図
【図7】図1の無線通信システムにおいて、スマートフォンが3G公衆網の圏内にあって、ユーザ起動操作を行った後に通信可否の確認を行う場合の動作を説明するためのシーケンス図
【図8】図1の無線通信システムにおいて、スマートパッドとスマートフォンとの赤外線通信接続処理を説明するためのフローチャート
【図9】図1の無線通信システムにおいて、スマートパッドのスマートフォン通信可否通知時の処理を説明するためのフローチャート
【図10】図1の無線通信システムにおいて、スマートパッドの3Gルータ起動時の処理を説明するためのフローチャート
【図11】図1の無線通信システムにおいて、スマートパッドの3Gルータ起動時の処理を説明するためのフローチャート
【図12】図1の無線通信システムにおいて、スマートパッドのスマートフォン通信可否通知時の処理を説明するためのフローチャート
【図13】図1の無線通信システムにおいて、スマートパッドの3Gルータ起動時の処理を説明するためのフローチャート
【図14】図1の無線通信システムにおいて、3G圏外の場合のスマートパッド及びスマートフォンの表示例を示す図
【図15】図1の無線通信システムにおいて、3G圏内で利用可能の場合のスマートパッド及びスマートフォンの表示例を示す図
【図16】図1の無線通信システムにおいて、3G圏外で利用不可の場合のスマートパッド及びスマートフォンの表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の一実施の形態に係る無線通信システムの使用形態の一例を説明するための図である。図1において、本実施の形態の無線通信システム1は、WLAN(ワイファイ(WiFi:Wireless Fidelity)とも呼ばれる)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標)、以下、BTと呼ぶ)、赤外線通信等の複数の無線通信方式で双方向通信が可能なスマートパッド(第1無線通信装置)10及びスマートフォン(第2無線通信装置)20を備える。スマートフォン20は、上述したWLAN、BT、赤外線通信等の無線通信の他に、セルラーの無線通信方式に準拠する無線通信を行うことができる。また、スマートフォン20は、セルラーの無線通信においてルータ(“3Gルータ”と呼ぶ)としても動作する。
【0024】
スマートパッド10は、ルータ151と、該ルータ151に接続されたアクセスポイント152とで構成される家庭内WLAN(Wireless LAN)150経由でインターネット250に接続し、Webサーバ300にアクセスすることができる。スマートパッド10の家庭内WLAN150によるインターネット250への接続は、家庭内WLAN150のアクセスポイント152の圏内でのみ可能であり、当該圏内から出た場合は当然ながら家庭内WLAN150によるインターネット250への接続は不可となる。スマートパッド10が家庭内WLAN150の圏外へ出た場合でもスマートフォン20を3Gルータとして使用することで、インターネット250に接続することができる。勿論、この場合、スマートフォン20が3G基地局400の3G公衆網401の圏内に入っている必要がある。スマートフォン20が3G基地局400の3G公衆網401の圏内に入っていれば、スマートパッド10は、スマートフォン20を介してインターネット250に接続することができる。
【0025】
ところで、スマートフォン20が3G公衆網401の圏外にあれば、スマートフォン20を3Gルータとして起動させても、スマートパッド10はインターネット250に接続することができない。また、インターネット250に接続できないにも関わらずスマートフォン20を3Gルータとして起動させた分だけ電力を無駄に消費することになる。スマートフォン20が3G公衆網401の圏外にあるときに、3Gルータとして起動させることによる電力の無駄を避けるためには、スマートフォン20が3G公衆網401の圏内にあるか否かを示す情報を赤外線通信などの省電力な通信方式を利用して認識するようにすればよい。このようにすることで、スマートフォン20が3G公衆網401の圏外にあるときに、スマートフォン20を3Gルータとして起動させなくて済む。本発明は、スマートフォン20が3G公衆網401の圏内にあるか否かを示す情報の送受信に赤外線通信等の省電力な通信方式を用いて省電力化を図るようにしている。以下、スマートパッド10及びスマートフォン20それぞれの構成及び動作を詳細に説明する。
【0026】
(スマートパッド10の概略構成)
図2は、スマートパッド10の概略構成を示すブロック図である。図2において、スマートパッド10は、制御部101、記憶部102、入力部103、音声出力部104、表示部105、電源部106、電源制御部107、WLAN(WiFi)通信部109、アンテナ110及び赤外線通信部111を有している。アンテナ110及び電源部106を除く残りの各部101,102,103,104,105,107,109及び111は内部バス113で接続されている。なお、WLAN通信部109は、第1無線通信方式に準拠する第1無線通信部に対応し、赤外線通信部111は、第2無線通信方式に準拠する第2無線通信部に対応する。第2無線通信方式は、第1無線通信方式より省電力である。第2無線通信方式は、BTであっても良い。
【0027】
制御部101は、装置各部を制御するものであり、記憶部102に記憶された制御プログラムに従って動作する。記憶部102は、制御部101を動作させる制御プログラムの記憶の他、本装置10で扱う各種データを記憶する。入力部103は、タッチパネルであり、表示部105の表示面の直上に配置され、ユーザの手指がタッチした位置に対応する座標を座標情報として出力する。入力部103から出力された座標情報は制御部101に取り込まれる。なお、タッチパネルの方式としては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、電磁誘導方式、静電容量方式等があり、スマートパッド等の携帯端末では主に静電容量方式が採用されている。静電容量方式は、手指と導電膜との間における静電容量の変化を捉えて位置を検出する方式である。
【0028】
音声出力部104は、音声の出力を行うものであり、図示せぬスピーカを有している。音声出力部104は、ミュージック等の音声ファイルの再生時に、音声ファイルから音声信号を生成してスピーカより出力する。表示部105は、液晶あるいは有機EL(Organic Electro-Luminescence)の表示パネルを有し、制御部101からの表示に関する指示に従って情報を表示する。電源部106は、電池(充電可能なものも含む)であり、装置各部に電力を供給する。電源制御部107は、電源部106の電池残量の監視や省電力制御を行う。WLAN通信部109は、IEEE802.11の無線通信方式に準拠する無線通信を行う。アンテナ110は、WLAN通信部109の無線通信に用いられるアンテナである。赤外線通信部111は、近距離赤外線通信規格IrDAに準拠する赤外線通信を行う。なお、赤外線通信の代りにBT(ブルートゥース)を用いても良いし、追加しても良い。BT通信は、IEEE802.15.1の無線通信方式に準拠し、2.45GHz帯の電波を利用して最高24Mbpsの速度で短距離無線通信を行うものである。
【0029】
(スマートフォン20の概略構成)
図3は、スマートフォン20の概略構成を示すブロック図である。図3において、スマートフォン20は、制御部201、記憶部202、入力部203、音声入出力部204、表示部205、電源部206、電源制御部207、3G通信部208、アンテナ209、データ転送部214、WLAN(WiFi)通信部210、アンテナ211及び赤外線通信部212を有している。アンテナ209,211及び電源部206を除く残りの各部201,202,203,204,205,207,208,214,210及び212は内部バス215で接続されている。なお、WLAN通信部210は、第1無線通信方式に準拠する第3無線通信部に対応し、赤外線通信部212は、第2の無線通信方式に準拠する第4無線通信部に対応し、3G通信部208は、第3無線通信方式に準拠する第5無線通信部に対応する。第2無線通信方式は、BTであっても良い。
【0030】
制御部201は、装置各部を制御するものであり、記憶部202に記憶された制御プログラムに従って動作する。記憶部202は、制御部201を動作させる制御プログラムの記憶の他、本装置20で扱う各種データを記憶する。入力部203は、タッチパネルであり、表示部205の表示面の直上に配置され、ユーザの手指がタッチした位置に対応する座標を座標情報として出力する。入力部203から出力された座標情報は制御部201に取り込まれる。なお、タッチパネルの方式としては、上述したように、抵抗膜方式、表面弾性波方式、電磁誘導方式、静電容量方式等があり、スマートフォン等の携帯端末では主に静電容量方式が採用されている。また、静電容量方式は、手指と導電膜との間における静電容量の変化を捉えて位置を検出する方式である。
【0031】
音声入出力部204は、3G無線通信時の音声の入出力を行うものであり、図示せぬスピーカ及びマイクを有し、受信した通信相手の音声をスピーカから出力し、第2無線通信装置20のユーザの音声をマイクより入力する。また、音声入出力部204は、音声録音時には、マイクより入力された音声信号をデジタル信号に変換して出力し、ミュージック等の音声ファイルの再生時には、音声ファイルから音声信号を生成してスピーカより出力する。
【0032】
表示部205は、液晶あるいは有機ELの表示パネルを有し、制御部201からの表示に関する指示に従って情報を表示する。電源部206は、電池(充電可能なものも含む)であり、装置各部に電力を供給する。電源制御部207は、電源部206の電池残量の監視や省電力制御を行う。3G通信部208は、IMT−2000規格に準拠した第3世代移動通信に対応した無線通信を行う。また、3G通信部208は、第3世代移動通信に対応するルータとして動作する3Gルータ部208Aを有している。アンテナ209は、3G通信部208の無線通信に用いられるアンテナである。WLAN通信部210は、IEEE802.11の無線通信方式に準拠する無線通信を行う。アンテナ211は、WLAN通信部210の無線通信に用いられるアンテナである。赤外線通信部212は、近距離赤外線通信規格IrDAに準拠する赤外線通信を行う。なお、赤外線通信の代りにBT(ブルートゥース)でも良いし、追加しても良い。BT通信は、IEEE802.15.1の無線通信方式に準拠し、2.45GHz帯の電波を利用して最高24Mbpsの速度で短距離無線通信を行うものである。データ転送部214は、内部バス215を経由して、3G通信部208とWLAN通信部210との間でデータ転送を行う。なお、3G通信部208と赤外線通信部212との間でデータ転送を行うようにしても良い。
【0033】
スマートパッド10とスマートフォン20はペアリングできるようになっている。ペアリングするときは、スマートパッド10の表示部105に表示されているペアリング用アイコン(図示略)と、スマートフォン20の表示部205に表示されているペアリング用アイコン(図示略)を略同時に押すことで、それぞれの装置でペアリング処理が実行される。ペアリング処理が実行されると、スマートパッド10のWLAN通信部109とスマートフォン20のWLAN通信部210との間でWLANによる通信が可能となる。また、スマートパッド10とスマートフォン20とが赤外線通信の代わりにBT(ブルートゥース)で通信を行う場合は、ペアリング処理が実行されることによりスマートパッド10とスマートフォン20との間でBT(ブルートゥース)通信が可能となる。
【0034】
次に、本実施の形態の無線通信システム1の動作について図面を参照しながら説明する。
図4〜図7は、本実施の形態の無線通信システム1の動作を説明するためのシーケンス図であり、図4は、スマートフォン20が3G公衆網401の圏外にある場合で、スマートパッド10に対するユーザ起動操作に先駆けて赤外線通信を行ってスマートフォン20の3Gルータ部208Aによる通信可否の確認を行う場合のシーケンス図、図5は、スマートフォン20が3G公衆網401の圏内にある場合で、スマートパッド10に対するユーザ起動操作に先駆けて赤外線通信を行ってスマートフォン20の3Gルータ部208Aによる通信可否の確認を行う場合のシーケンス図、図6は、スマートフォン20が3G公衆網401の圏外にある場合で、スマートパッド10に対するユーザ起動操作を行った後に、赤外線通信を行ってスマートフォン20の3Gルータ部208Aによる通信可否の確認を行う場合のシーケンス図、図7は、スマートフォン20が3G公衆網401の圏内にある場合で、スマートパッド10に対するユーザ起動操作を行った後に、赤外線通信を行ってスマートフォン20の3Gルータ部208Aによる通信可否の確認を行う場合のシーケンス図である。なお、ここでのユーザ起動操作とは、スマートフォン20のデータ転送部214の転送開始の指示のことである。以下、通信可否の確認をユーザ起動操作に先駆けて行う場合と、ユーザ起動操作を行った後に通信可否の確認を行う場合とに分けて説明する。
【0035】
(通信可否の確認をユーザ起動操作に先駆けて行う場合)
まず、図4において、スマートパッド10では、制御部101の制御により、赤外線通信部111、入力部103及び表示部105が動作する。また、スマートフォン20では、制御部201の制御により、赤外線通信部212が動作する。スマートパッド10の制御部101は赤外線通信部111を使用し、スマートフォン20の制御部201は赤外線通信部212を使用し、互いに赤外線通信の接続を行う。スマートパッド10とスマートフォン20との間で赤外線通信の接続が完了すると、スマートフォン20の制御部201は、3G通信部208の出力より、自身が3G公衆網401の圏外かどうか判断し、圏外であれば、3Gルータ通信否とした3Gルータ通信可否通知を赤外線通信部212からスマートパッド10の赤外線通信部111へ送信する。ここで、3Gルータ通信可否通知のタイミングは、(1)3Gルータ通信可から否になったとき、(2)所定のタイミング、(1)と(2)の組み合わせのいずれかを使用すると良い。スマートパッド10の制御部101は、赤外線通信部111より、スマートフォン20の赤外線通信部212からの3Gルータ通信否の通知を受けると、表示部105に3Gルータが圏外である旨の表示(「3Gルータ圏外」)を行い、また記憶部102に記憶する。その後、ユーザが、スマートパッド10にて起動操作を行うと、スマートパッド10の制御部101は、スマートフォン20が圏外にある旨を表示部105に表示する。例えば「3GルータONできません(圏外)」とポップアップ表示する。これにより、ユーザは、スマートパッド10を、スマートフォン20を介してインターネット250に接続することができないことを認識できる。
【0036】
次に、図5において、スマートパッド10では、制御部101の制御により、赤外線通信部111、入力部103及び表示部105が動作する。また、スマートフォン20では、制御部201の制御により、赤外線通信部212、3G通信部208及びデータ転送部214が動作する。スマートパッド10の制御部101は赤外線通信部111を使用し、スマートフォン20の制御部201は赤外線通信部212を使用し、互いに赤外線通信の接続を行う。スマートパッド10とスマートフォン20との間で赤外線通信の接続が完了すると、スマートフォン20の制御部201は、3G通信部208の出力より、自身が3G公衆網401の圏外かどうか判断し、圏外でなければ、3Gルータ通信可とした3G通信可否通知を赤外線通信部212からスマートパッド10の赤外線通信部111へ送信する。ここで、3Gルータ通信可否通知のタイミングは、(1)3Gルータ通信否から可になったとき、(2)所定のタイミング、(1)と(2)の組み合わせのいずれかを使用すると良い。スマートパッド10の制御部101は、赤外線通信部111より、スマートフォン20の赤外線通信部212からの3Gルータ通信可の通知を受けると、表示部105に3Gルータが圏内である旨の表示(「3Gルータ圏内」)を行い、また記憶部102に記憶する。
【0037】
その後、ユーザが、スマートパッド10にて起動操作を行うと、スマートパッド10の制御部101は、WLAN通信部109の出力よりWLANが圏外かどうか判断し、WLANが圏外であれば、赤外線通信部111からスマートフォン20の赤外線通信部212へ3Gルータの起動を要求する。スマートフォン20の制御部201は、赤外線通信部212より3Gルータ起動要求を受けると、3G通信部208に対し、3Gルータ部208Aを起動させる。3Gルータ部208Aが起動すると、スマートフォン20の制御部201は、赤外線通信部212からスマートパッド10の赤外線通信部111へ3Gルータ起動完了通知を送信する。スマートパッド10の制御部101は、赤外線通信部111にて3Gルータ起動完了通知を受けることでWLAN通信部109を動作させて、スマートフォン20のWLAN通信部210と接続する処理を行う。スマートフォン20の制御部201は、WLAN通信部210を動作させて、スマートパッド10のWLAN通信部109と接続する処理を行う。これらの処理が完了すると、スマートパッド10がスマートフォン20を介してインターネット250への接続が可能となり、インターネット250に接続されているWebサーバ300にアクセスすることが可能となる。
【0038】
図8は、スマートパッド10とスマートフォン20との赤外線通信接続処理を説明するためのフローチャートである。図8において、まずスマートフォン20の制御部201とスマートパッド10の制御部101とが赤外線通信で接続されているかどうか判定し(ステップS1)、接続されていれば本処理を終了し、接続されていなければ、互いに赤外線通信部212,111を使用して赤外線通信で接続を行う(ステップS2)。スマートフォン20とスマートパッド10との間を赤外線通信で接続した後、本処理を終える。
【0039】
図9は、スマートパッド10のスマートフォン通信可否通知時の処理を説明するためのフローチャートである。図9において、スマートパッド10の制御部101は、赤外線通信部111にて、スマートフォン20の3G通信可否(圏内・圏外)通知を受信する(ステップS10)。次いで、受信した通信可否情報を記憶部102に記憶するとともに、表示部105にピクト表示する(ステップS11)。この処理後、本処理を終える。
【0040】
図10は、スマートパッド10の3Gルータ起動時の処理を説明するためのフローチャートである。図10において、入力部103にてユーザ起動操作が行われると(ステップS20)、制御部101は、WLAN通信部109の出力より、WLAN圏外か否かを判定し(ステップS21)、WLAN圏内と判断した場合(即ち、ステップS21の判定で「NO」と判断した場合)、3Gルータ部208Aの起動を中止し(ステップS22)、本処理を終える。これに対して、WLAN圏外と判断した場合(即ち、ステップS21の判定で「YES」と判断した場合)、スマートフォン20との赤外線通信の結果から、スマートフォン20が3G通信可(圏内)であるか否かを判定する(ステップS23)。3G通信可と判断した場合(即ち、ステップS23の判定で「YES」と判断した場合)、スマートフォン20に対し、赤外線通信で3Gルータ起動要求を送信する(ステップS24)。3Gルータ起動要求を送信後、スマートフォン20からの、3Gルータ起動完了通知を受信する(ステップS25)。制御部101は、3Gルータ起動完了通知を受信すると、スマートフォン20の3Gルータ部208AにWLAN接続する(ステップS26)。3Gルータ部208AにWLAN接続した後、本処理を終える。一方、上記ステップS23の判定で、3G通信否と判断した場合(即ち、ステップS23の判定で「NO」と判断した場合)、表示部105に3Gルータ起動不可を通知する表示を行い(ステップS27)、本処理を終える。
【0041】
上述したように、本実施の形態の無線通信システム1において、スマートフォン20は3G基地局と通信可能か否かの通知をユーザ起動操作に先駆けて行う。これにより、スマートパッド10はユーザ起動操作が行われてから3Gルータを起動するかどうかを短時間で判断できる。したがって、ユーザが起動操作を行ってから3Gルータが起動するまで(もしくは3Gルータが起動できない状態であることがユーザに通知されるまで)の待ち時間が短い。このため、ユーザは快適に無線通信を利用することができる。
また、本実施の形態の無線通信システム1において、スマートパッド10はユーザ起動操作に先駆けてスマートフォン20が3G基地局と通信可能か否かを表示する。これにより、ユーザは3Gルータが起動できるかどうかを起動操作前に知ることができ、起動操作をすべきかどうかを事前に判断することもできる。
【0042】
(ユーザ起動操作を行った後に通信可否の確認を行う場合)
次に、図6において、まずユーザがスマートパッド10にて起動操作を行う。ユーザ起動操作に伴い、スマートパッド10の制御部101は、WLAN通信部109の出力よりWLANが圏外かどうか判断し、WLAN圏外であれば、赤外線通信部111を使用してスマートフォン20の赤外線通信部212との間で赤外線通信の接続を行う。スマートパッド10とスマートフォン20との間で赤外線通信の接続が完了すると、スマートパッド10の制御部101は、赤外線通信部111よりスマートフォン20に対して3Gルータ通信可否の問い合わせを行う。スマートフォン20の制御部201は、赤外線通信部212にて3Gルータ通信可否の問い合わせを受けると、3G通信部208の出力より、3G公衆網401の圏外かどうか判断し、圏外であれば、3Gルータ通信否とした3Gルータ通信可否通知を赤外線通信部212からスマートパッド10の赤外線通信部111へ送信する。スマートパッド10の制御部101は、赤外線通信部111より、スマートフォン20の赤外線通信部212からの3Gルータ通信否の通知を受けると、表示部105に3Gルータが圏外である旨の表示(「3Gルータ圏外」)を行い、また記憶部102に記憶する。スマートパッド10の制御部101は、更に、「3GルータONできません(圏外)」とポップアップ表示する。これにより、ユーザは、スマートパッド10を、スマートフォン20を介してインターネット250に接続することができないことを認識できる。
【0043】
次に、図7において、まずユーザがスマートパッド10にて起動操作を行う。ユーザ起動操作に伴い、スマートパッド10の制御部101は、WLAN通信部109の出力よりWLANが圏外かどうか判断し、WLAN圏外であれば、赤外線通信部111を使用してスマートフォン20の赤外線通信部212との間で赤外線通信の接続を行う。スマートパッド10とスマートフォン20との間で赤外線通信の接続が完了すると、スマートパッド10の制御部101は、赤外線通信部111よりスマートフォン20に対して3Gルータ通信可否の問い合わせを行う。スマートフォン20の制御部201は、赤外線通信部212にて3Gルータ通信可否の問い合わせを受けると、3G通信部208の出力より、3G公衆網401の圏内かどうか判断し、圏内であれば、3Gルータ通信可とした3Gルータ通信可否通知を赤外線通信部212からスマートパッド10の赤外線通信部111へ送信する。スマートパッド10の制御部101は、赤外線通信部111より、スマートフォン20の赤外線通信部212からの3Gルータ通信可の通知を受けると、表示部105に3Gルータが圏内である旨の表示(「3Gルータ圏内」)を行い、また記憶部102に記憶する。
【0044】
次いで、スマートパッド10の制御部101は、赤外線通信部111からスマートフォン20の赤外線通信部212へ3Gルータ部208Aの起動を要求する。スマートフォン20の制御部201は、赤外線通信部212より、3Gルータ起動要求を受けると、3G通信部208に対し、3Gルータ部208Aを起動させる。3Gルータ部208Aが起動すると、スマートフォン20の制御部201は、赤外線通信部212からスマートパッド10の赤外線通信部111へ3Gルータ起動完了通知を送信する。スマートパッド10の制御部101は、赤外線通信部111にて3Gルータ起動完了通知を受けると、WLAN通信部109を動作させて、スマートフォン20のWLAN通信部210と接続する処理を行う。スマートフォン20の制御部201は、WLAN通信部210を動作させて、スマートパッド10のWLAN通信部109と接続する処理を行う。これらの処理が完了すると、スマートパッド10がスマートフォン20を介してインターネット250への接続が可能となり、インターネット250に接続されているWebサーバ300にアクセスすることが可能となる。
【0045】
図11は、スマートパッド10の3Gルータ起動時の処理を説明するためのフローチャートである。図11において、入力部103にてユーザ起動操作が行われると(ステップS30)、制御部101は、WLAN通信部109の出力より、WLAN圏外か否かを判定し(ステップS31)、WLAN圏内と判断した場合(即ち、ステップS31の判定で「NO」と判断した場合)、3Gルータ部208Aの起動を中止し(ステップS32)、本処理を終える。これに対して、WLAN圏外と判断した場合(即ち、ステップS31の判定で「YES」と判断した場合)、何も処理をせず本処理を終える。
【0046】
図12は、スマートパッド10のスマートフォン通信可否通知時の処理を説明するためのフローチャートである。図12において、スマートパッド10の制御部101は、赤外線通信部111にて、スマートフォン20の3G通信可否問い合わせを送信する(ステップS40)。次いで、スマートフォン20の3G通信可否(圏内・圏外)通知を受信する(ステップS41)。次いで、受信した通信可否情報を記憶部102に記憶するとともに、表示部105にピクト表示する(ステップS42)。この処理後、本処理を終える。
【0047】
図13は、スマートパッド10の3Gルータ起動時の処理を説明するためのフローチャートである。図13において、制御部101は、赤外線通信部111の出力より、スマートフォン20が3G通信可(圏内)か否かを判定し(ステップS50)、3G通信可と判断した場合(即ち、ステップS50の判定で「YES」と判断した場合)、スマートフォン20に対し、赤外線通信で3Gルータ起動要求を送信する(ステップS51)。3Gルータ起動要求を送信後、スマートフォン20からの、3Gルータ起動完了通知を受信する(ステップS52)。制御部101は、3Gルータ起動完了通知を受信すると、スマートフォン20の3Gルータ部208AにWLAN接続する(ステップS53)。3Gルータ部208AにWLAN接続した後、本処理を終える。一方、上記ステップS50の判定で、3G通信否と判断した場合(即ち、ステップS50の判定で「NO」と判断した場合)、表示部105に3Gルータ起動不可を通知する表示を行い(ステップS54)、本処理を終える。
【0048】
上述したように、本実施の形態の無線通信システム1において、スマートフォン20はユーザ起動操作が行われた後に3G基地局と通信可能か否かの確認を行っている。これにより、スマートパッド10はスマートフォン20が通信可能か否かの直近の状態に基づいて3Gルータを起動するかどうかを判断できる。このため、スマートフォン20の3Gルータが起動する直前にスマートフォン20が3G圏外となってしまい3G通信が失敗する不具合が発生しにくくなり、ユーザは安心して無線通信を利用することができる。また、3Gルータによる通信ができないにもかかわらず3Gルータを無駄に起動する頻度がより少なくなるため、さらなる省電力化が図れる。
【0049】
図14は、3G圏外の場合のスマートパッド10及びスマートフォン20の表示例を示す図である。図14において、3G圏外の場合、スマートフォン20の表示部205には圏外ピクト500が表示される。スマートパッド10の表示部105にも圏外ピクト510が表示される。特に、スマートパッド10における圏外ピクト510の表示は、ユーザ起動操作の前に赤外線通信の接続が行われる場合はユーザ起動操作前から表示され、ユーザ起動操作後に赤外線通信の接続が行われる場合はユーザ起動操作時に表示される。
【0050】
図15は、3G圏内で利用可能の場合のスマートパッド10及びスマートフォン20の表示例を示す図である。図15において、3G圏内で利用可能の場合、スマートフォン20の表示部205にはアンテナピクト520が表示される。スマートパッド10の表示部105にもアンテナピクト521が表示される。
【0051】
図16は、3G圏外で利用不可の場合のスマートパッド10及びスマートフォン20の表示例を示す図である。図16において、3G圏外で利用不可の場合、スマートフォン20の表示部205には圏外ピクト500が表示される。スマートパッド10の表示部105には圏外ピクト510が表示されるとともに、インターネット250に接続するアプリケーションが起動したタイミングで“3GルータONできません”というポップアップのダイアログ530が表示される。
【0052】
なお、スマートパッド10及びスマートフォン20における3G圏内/圏外の表示のバリエーションを上記の場合を含めて列記する。
1)形で表示するピクト(アンテナピクト:圏内、圏外ピクト:圏外)、図14及び図15の表示が該当する。
2)色の違いで表示するピクト(緑:圏内、赤:圏外)
3)筐体ランプ(色、明るさ、点滅パターン)による圏外通知
4)圏外移行時に鳴動し、その後は鳴動しない警報音、または圏外中は鳴動し続ける警報音
5)圏外移行時に振動(バイブレーション)し、その後は、振動しない警報通知、または圏外中は振動し続ける警報通知
6)圏外警告のポップアップのダイアログ表示、図16のスマートパッド10における表示が該当する。
7)圏外警告のポップアップの警告アイコン
8)圏外時に使用不可になるアプリケーションのアイコンを(×付き)変更
【0053】
このように本実施の形態の無線通信システム1によれば、スマートフォン20は、3G通信部208(第5無線通信部)が3G基地局(外部の無線通信装置)と通信可能か否かの通知を、赤外線通信(第2無線通信方式)を用いてスマートパッド10に対して行うの
で、当該通知の通信における省電力化が図れる。
【0054】
なお、本実施の形態において第1無線通信方式、第2無線通信方式はそれぞれWLAN、赤外線通信(またはBluetooth(登録商標))として説明したが、これに限ることはない。第2無線通信方式が第1無線通信方式よりも省電力の無線通信方式であればよく、第1無線通信方式/第2無線通信方式の組合せがたとえば、WLAN/PHS(自営)、WLAN/ZigBee、WLAN/UWB、WLAN/WiFi Direct、UWB/PHS(自営)、UWB/Bluetooth、UWB/ZigBee、Bluetooth/PHS(自営)、Bluetooth/ZigBee、Bluetooth/Bluetooth Low Energyであってもよい。また、第1無線通信方式、第2無線通信方式として同一の無線通信方式の異なるモードまたはクラスを利用してもよい。たとえばBlutetooth V2.0/V4.0、Bluetooth Class2/Class3、PHSトランシーバー/自営がこれに相当する。
また、本実施の形態において第3無線通信方式はセルラーであるものとして説明したが、これに限ることはなく、たとえば、公衆WLAN、PHS公衆であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、3Gルータとして使用できない無線通信装置が、3Gルータとして使用できる無線通信装置を利用してネットワークに接続する際に、3Gルータとして使用できる無線通信装置が3G公衆網の圏内にあるか否かを、当該無線通信装置を3Gルータとして起動させることなく認識することができるといった効果を有し、スマートフォンやスマートパッドと呼ばれる無線通信装置及びこれらの無線通信装置を備えた無線通信システムへの適用が可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 無線通信システム
10 スマートパッド
20 スマートフォン
101,201 制御部
102,202 記憶部
103,203 入力部
104 音声出力部
204 音声入出力部
105,205 表示部
106,206 電源部
107,207 電源制御部
109,210 WLAN通信部
110,209,211 アンテナ
111,212 赤外線通信部
113,215 内部バス
150 家庭内WLAN
151 ルータ
152 アクセスポイント
208 3G通信部
208A 3Gルータ部
214 データ転送部
250 インターネット
300 Webサーバ
400 3G基地局
401 3G公衆網
500,510 圏外ピクト
520,521 アンテナピクト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1無線通信方式に準拠する第1無線通信部と、前記第1無線通信方式より省電力な第2無線通信方式に準拠する第2無線通信部と、を備える第1無線通信装置と、
前記第1無線通信方式に準拠する第3無線通信部と、前記第2無線通信方式に準拠する第4無線通信部と、第3無線通信方式に準拠し、外部の無線通信装置に接続する第5無線通信部と、前記第5無線通信部と少なくとも前記第3無線通信部との間でデータ転送が可能なデータ転送部と、を備える第2無線通信装置と、を有する無線通信システムであって、
前記第2無線通信装置は、前記第5無線通信部が前記外部の無線通信装置と通信可能か否か、前記第4無線通信部と前記第2無線通信部を介して前記第1無線通信装置へ通知し、
前記第1無線通信装置は、外部より前記データ転送部の転送開始の指示を受け、かつ、前記通知される通信可否が通信否の場合、前記転送開始の指示を前記第2無線通信装置へ通知せず、
外部より前記データ転送部の転送開始の指示を受け、かつ、前記通知される通信可否が通信可の場合、前記第1無線通信部と前記第3無線通信部又は/及び前記第2無線通信部と前記第4無線通信部を介して、前記転送開始の指示を前記第2無線通信装置へ通知し、
前記第2無線通信装置は、前記第1無線通信装置より前記転送開始の指示を受けた場合、前記データ転送部において前記データ転送を開始する無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムであって、
前記データ転送を開始した後に、前記第1無線通信装置は、前記第1無線通信部と前記第3無線通信部と前記第5無線通信部又は/及び前記第2無線通信部と前記第4無線通信部と前記第5無線通信部を介して前記外部の無線通信装置と通信を行う無線通信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の無線通信システムであって、
前記外部の無線通信装置はインターネットに接続可能な無線通信システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の無線通信システムであって、前記第1無線通信方式は、無線LANである無線通信システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線通信システムであって、前記第2無線通信方式は、赤外線通信である無線通信システム。
【請求項6】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線通信システムであって、前記第2無線通信方式は、Bluetoothである無線通信システム。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の無線通信システムであって、前記第3無線通信方式は、セルラーである無線通信システム。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の無線通信システムにおける第1無線通信装置。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の無線通信システムにおける第2無線通信装置。
【請求項10】
第1無線通信方式に準拠する第1無線通信部と、前記第1無線通信方式より省電力な第2無線通信方式に準拠する第2無線通信部と、を備える第1無線通信装置と、
前記第1無線通信方式に準拠する第3無線通信部と、前記第2無線通信方式に準拠する第4無線通信部と、第3無線通信方式に準拠し、外部の無線通信装置に接続する第5無線通信部と、前記第5無線通信部と少なくとも前記第3無線通信部との間でデータ転送が可能なデータ転送部と、を備える第2無線通信装置と、を有する無線通信システムにおける無線通信方法であって、
前記第2無線通信装置が、前記第5無線通信部が前記外部の無線通信装置と通信可能か否か、前記第4無線通信部と前記第2無線通信部を介して前記第1無線通信装置へ通知する通信可否通知ステップと、
前記第1無線通信装置が、外部より前記データ転送部の転送開始の指示を受け、かつ、前記通知される通信可否が通信否の場合、前記転送開始の指示を前記第2無線通信装置へ通知せず、
外部より前記データ転送部の転送開始の指示を受け、かつ、前記通知される通信可否が通信可の場合、前記第1無線通信部と前記第3無線通信部又は/及び前記第2無線通信部と前記第4無線通信部を介して、前記転送開始の指示を前記第2無線通信装置へ通知するデータ転送起動ステップと、
前記第2無線通信装置は、前記第1無線通信装置より前記転送開始の指示を受けた場合、前記データ転送部において前記データ転送を開始するデータ転送開始ステップと、
を備える無線通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−175288(P2012−175288A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33859(P2011−33859)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】