説明

無線通信システム、移動局装置、基地局装置、無線通信方法および集積回路

【課題】複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と基地局装置が通信する無線通信システムにおいて、PUSCHの再送信の制御を効率的に行なう。
【解決手段】ステップS100において、移動局装置は、PHICHを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがアクティベートされていない判定した場合は、PHICHを受信せず、HARQフィードバックとしてACKをセットする(ステップS102)。下りリンクコンポーネントキャリアがアクティベートされているキャリア中にない場合は、移動局装置は、ステップS102でACKをセットした後に、ステップS103において上りリンクグラントを検出しなかったと判定し、ステップS105においてHARQフィードバックにACKがセットされていると判定し、ステップS107において、PUSCHの送信を行なわず、HARQプロセスに対応するHARQバッファの内容を保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、移動局装置、基地局装置、無線通信方法および集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー移動通信の無線アクセス方式および無線ネットワークの進化(以下、「Long Term Evolution (LTE)」、または、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access (EUTRA)」と称する。)が、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project: 3GPP)において検討されている。LTEでは、基地局装置から移動局装置への無線通信(下りリンク)の通信方式として、マルチキャリア送信である直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing: OFDM)方式が用いられる。また、移動局装置から基地局装置への無線通信(上りリンク)の通信方式として、シングルキャリア送信であるSC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)方式が用いられる。
【0003】
LTEでは、基地局装置は、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)で送信される下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)を用いて上りリンクデータ(トランスポートブロック、Transport block)送信用のチャネルであるPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)の初期送信または再送信を移動局装置に指示する。また、基地局装置は、移動局装置が送信するPUSCHを受信し、PUSCHの復号の成否を示すHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)インディケータをPHICH(Physical HARQIndicator Channel)で送信する。
【0004】
HARQインディケータは、ACKまたはNACKを示す。基地局装置がPUSCHの復号に成功した場合は、HARQインディケータはACK(ACKnowledgement)を示し、基地局装置がPUSCHの復号に失敗した場合は、HARQインディケータはNACK(Negative ACKnowledgement)を示す。
【0005】
移動局装置は、まずPHICHで信号の検出を行なう。移動局装置は、PHICHで信号を検出した場合、PHICHで受信したHARQインディケータが示すACKまたはNACKをHARQフィードバックに対してセットする。移動局装置は、PHICHで信号を検出しなかった場合、HARQフィードバックに対して何もセットしない(HARQフィードバックの状態を保持する)。
【0006】
次に移動局装置は、下りリンク制御情報の検出を行なう。移動局装置はPUSCHの初期送信を指示する下りリンク制御情報を受信した場合、PUSCHで送信する上りリンクデータを決定し、この上りリンクデータをHARQバッファに記憶し、下りリンク制御情報に従ってPUSCHの初期送信を行ない、HARQフィードバックとしてNACKをセットする。移動局装置はPUSCHの再送信を指示する下りリンク制御情報を受信した場合、下りリンク制御情報に従ってHARQバッファに記憶されている上りリンクデータの再送信をPUSCHで行い、HARQフィードバックとしてNACKをセットする。尚、移動局装置は、PUSCHの初期送信または再送信を指示する下りリンク制御情報を検出した場合、PHICHで受信したHARQインディケータ(つまり、HARQフィードバックとしてセットされているACKまたはNACK)に基づいて動作を行なわない。
【0007】
移動局装置はPUSCHに対する下りリンク制御情報を受信しなかった場合は、セットされているHARQフィードバックに基づきPUSCHの送信を行なう。移動局装置は、HARQフィードバックに対してNACKがセットされている場合はPUSCHの再送信を行ない、HARQフィードバックに対してACKがセットされている場合はPUSCHの送信を行わず、HARQバッファに記憶されているデータを保持する。移動局装置は、HARQフィードバックに対してNACKがセットされている場合は、PHICHでACKを示すHARQインディケータを受信するまで、または新たにPDCCHでPUSCHに対する下りリンク制御情報を受信するまで、最後に受信した下りリンク制御情報に基づいてPUSCHの再送信を行なう。例えば、移動局装置は、HARQフィードバックに対してNACKがセットされている状態においてPHICHで信号を検出しなかった場合はPUSCHの再送信を行う。
【0008】
3GPPでは、LTEより広帯域な周波数帯域を利用して、さらに高速なデータの通信を実現する無線アクセス方式および無線ネットワーク(以下、「Long Term Evolution-Advanced (LTE-A)」、または、「Advanced Evolved Universal Terrestrial Radio Access (A-EUTRA)」と称する。)が検討されている。LTE−Aでは、LTEとの後方互換性(backward compatibility)を持つこと、つまり、LTE−Aの基地局装置が、LTE−AおよびLTE両方の移動局装置と同時に無線通信を行うこと、およびLTE−Aの移動局装置が、LTE−AおよびLTE両方の基地局装置と無線通信を行えるようにすることが求められており、LTE−AはLTEと同一のチャネル構造を用いることが検討されている。
【0009】
LTE−Aでは、LTEと同一のチャネル構造の周波数帯域(以下、「コンポーネントキャリア(Component Carrier; CC)」と称する。)を集約して、1つの周波数帯域(広帯域な周波数帯域)として使用する技術(周波数帯域集約;Spectrum aggregation、Carrier aggregation、Frequency aggregation等とも称される。)が検討されている。具体的には、周波数帯域集約を用いた通信では、下りリンクコンポーネントキャリア毎に、下りリンクのチャネルが送信され、上りリンクコンポーネントキャリア毎に上りリンクのチャネルが送信される。つまり、周波数帯域集約は、上りリンクと下りリンクにおいて、基地局装置と複数の移動局装置が複数のチャネルを、複数のコンポーネントキャリアを用いて、複数のデータや複数の制御情報を同時に送受信する技術である。
【0010】
周波数帯域集約を用いた通信では、基地局装置が、移動局装置に通信に用いる下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリアをRRCシグナル(Radio Resource Control signal)などを用いて設定し、この設定した下りリンクコンポーネントキャリアの中から下りリンクの通信に用いる下りリンクコンポーネントキャリアを示すアクティベーションコマンド(activation command)を、PDCCHまたはMAC(Medium Access Control)CE(Control Element)などを用いて通知することが提案されている。(非特許文献1)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】"Open issues on component carrier activation and deactivation", 3GPP TSG RAN WG2 Meeting #69, R2-101082, February 22-26, 2010.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来の技術では、移動局装置において上りリンクで送信したPUSCHに関連するHARQフィードバックにNACKがセットされている状態で、このPUSCHに対するHARQインディケータを含むPHICHを受信する下りリンクコンポーネントキャリアが、下りリンクの通信に用いる下りリンクコンポーネントキャリアから除かれ、移動局装置においてPHICHで信号の検出が行なえなくなると、移動局装置は、基地局装置のPUSCHの復号の成否に係らず、PUSCHの再送信を繰り返し行なってしまうという問題があった。
【0013】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と基地局装置が通信する無線通信システムにおいて、PUSCHの再送信の制御を効率的に行なうことができる無線通信システム、移動局装置、基地局装置、無線通信方法および集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の無線通信システムは、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と基地局装置が通信をする無線通信システムであり、前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置は、前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットし、前記基地局装置は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットしたと判断することを特徴としている。
【0015】
(2)また、本発明の無線通信システムは、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と基地局装置が通信をする無線通信システムであり、前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置は、前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去し、前記基地局装置は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去したと判断することを特徴としている。
【0016】
(3)また、本発明の移動局装置は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置と通信をする移動局装置であり、前記移動局装置は、前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットすることを特徴としている。
【0017】
(4)また、本発明の移動局装置は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置と通信をする移動局装置であり、前記移動局装置は、前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去することを特徴としている。
【0018】
(5)また、本発明の基地局装置は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と通信をする基地局装置であり、前記基地局装置は、前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットしたと判断することを特徴としている。
【0019】
(6)また、本発明の基地局装置は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と通信をする基地局装置であり、前記基地局装置は、前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去したと判断することを特徴としている。
【0020】
(7)また、本発明の無線通信方法は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置と通信をする移動局装置に用いられる無線通信方法であり、前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットする手段を有することを特徴としている。
【0021】
(8)また、本発明の無線通信方法は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置と通信をする移動局装置に用いられる無線通信方法であり、前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去する手段を有することを特徴としている。
【0022】
(9)また、本発明の無線通信方法は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と通信をする基地局装置に用いられる無線通信方法であり、前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットしたと判断する手段を有することを特徴としている。
【0023】
(10)また、本発明の無線通信方法は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と通信をする基地局装置に用いられる無線通信方法であり、前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去したと判断する手段を有することを特徴としている。
【0024】
(11)また、本発明の集積回路は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置と通信をする移動局装置に用いられる集積回路であり、前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットする手段を有することを特徴としている。
【0025】
(12)また、本発明の集積回路は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置と通信をする移動局装置に用いられる集積回路であり、前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去する手段を有することを特徴としている。
【0026】
(13)また、本発明の集積回路は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と通信をする基地局装置に用いられる集積回路であり、前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットしたと判断する手段を有することを特徴としている。
【0027】
(14)また、本発明の集積回路は、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と通信をする基地局装置に用いられる集積回路であり、前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去したと判断する手段を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
この発明によれば、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と基地局装置が通信する無線通信システムにおいて、移動局装置がPUSCHの再送信を効率的に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの概念図である。
【図2】本発明の周波数帯域集約処理の一例を示す図である。
【図3】本発明の下りリンクの無線フレームの構成の一例を示す概略図である。
【図4】本発明の上りリンクの無線フレームの構成の一例を示す概略図である。
【図5】本発明の上りリンクのHARQプロセスを説明するための概略図である。
【図6】本発明の移動局装置1の動作の一例を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の移動局装置1の構成を示す概略ブロック図である。
【図8】本発明の基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の移動局装置1の動作の一例を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信システムの概念図である。図1において、無線通信システムは、移動局装置1A〜1C、および基地局装置3を具備する。図1は、基地局装置3から移動局装置1A〜1Cへの無線通信(下りリンク)では、同期シグナル(Synchronization signal: SS)、下りリンク参照信号(Downlink Reference Signal: DL RS)、物理報知チャネル(Physical Broadcast Channel: PBCH)、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel: PDCCH)、物理下りリンク共用チャネル(Physical Downlink Shared Channel: PDSCH)、物理マルチキャストチャネル(Physical Multicast Channel: PMCH)、物理制御フォーマットインディケータチャネル(Physical Control Format Indicator Channel: PCFICH)、物理HARQインディケータチャネル(Physical Hybrid ARQ Indicator Channel: PHICH)が割り当てられることを示す。
【0032】
また、図1は、移動局装置1A〜1Cから基地局装置3への無線通信(上りリンク)では、上りリンク参照信号(Uplink Reference Signal: UL RS)、物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel: PUCCH)、物理上りリンク共用チャネル(Physical Uplink Shared Channel: PUSCH)、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel: PRACH)が割り当てられることを示す。以下、移動局装置1A〜1Cを移動局装置1という。
【0033】
図2は、本発明の周波数帯域集約処理の一例を示す図である。図2において、横軸は周波数領域、縦軸は時間領域を示す。図2に示すように、下りリンクのサブフレームD1は、20MHzの帯域幅を持った4つの下りリンクコンポーネントキャリア(DL CC-1; Downlink Component Carrier-1、DL CC-2、DL CC-3、DL CC-4)のサブフレームによって構成されている。この下りリンクコンポーネントキャリアのサブフレーム各々には、格子状の線でハッチングがされた領域が示すPHICHが配置される領域と、斜線でハッチングがされた領域が示すPDCCHが配置される領域と、ハッチングがされない領域が示すPDSCHが配置される領域がある。PHICHが配置される領域とPDCCHが配置される領域は、周波数多重および/または時間多重される。PHICHとPDCCHが周波数多重および/または時間多重される領域と、PDSCHが配置される領域は時間多重される。
【0034】
一方、上りリンクのサブフレームU1は、20MHzの帯域幅を持った3つの上りリンクコンポーネントキャリア(UL CC-1; Uplink Component Carrier-1、UL CC-2、UL CC-3)によって構成されている。この上りリンクコンポーネントキャリアのサブフレーム各々には、灰色でハッチングがされた領域が示すPUCCHが配置される領域と、横線でハッチングがされた領域が示すPUSCHが配置される領域とが周波数多重される。
【0035】
まず、移動局装置1は、いずれか1組の下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置3との初期アクセスを行なう。基地局装置3は、移動局装置1が初期アクセスを行なった下りリンクコンポーネントキャリアのPDSCHを用いて送信するRRCシグナル(Radio Resource Control signal)で、移動局装置1に対して設定した下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリア(以下、「設定されたコンポーネントキャリア(configured component carrier)」と称する。)を通知する。
【0036】
基地局装置3は、設定された下りリンクコンポーネントキャリアの中から下りリンクの通信に用いる下りリンクコンポーネントキャリアを示すアクティベーションコマンド(activation command)を、PDCCHまたはMAC(Medium Access Control)CE(Control Element)などを用いて通知する。例えば、アクティベーションコマンドはビットマップで構成され、下りリンクコンポーネントキャリアそれぞれに対応するビットの値が“1”の場合は、その下りリンクコンポーネントキャリアを下りリンクの通信に用いることを示し、ビットの値が“0”の場合は、その下りリンクコンポーネントキャリアを下りリンクの通信に用いないことを示す。アクティベーションコマンドは、アクティベーションコマンドを受信してから所定の時間後(例えば、1サブフレーム後や4サブフレーム後など)に適用する。なお、MAC CEはPDSCHを用いて送信される。
【0037】
基地局装置3が移動局装置1に、アクティベーションコマンドで下りリンクコンポーネントキャリアを下りリンクの通信に用いると通知することを、下りリンクコンポーネントキャリアをアクティベートする(activate)と称する。基地局装置3が移動局装置1に、アクティベーションコマンドで下りリンクコンポーネントキャリアを下りリンクの通信に用いないと通知することを、下りリンクコンポーネントキャリアをデアクティベートする(deactivate)と称する。
【0038】
アクティベートされている下りリンクコンポーネントキャリアを、アクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリア(activated downlink component carrier)または設定されてアクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリア(configured and activated downlink component carrier)と称し、デアクティベートされているコンポーネントキャリアを、デアクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリア(deactivated downlink component carrier)または設定されてデアクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリア(configured and deactivated downlink component carrier)と称する。
【0039】
移動局装置1はアクティベーションコマンドで下りリンクの通信に用いないと通知された下りリンクコンポーネントキャリアをデアクティベートする方法とは異なる方法で下りリンクコンポーネントキャリアをデアクティベートしてもよい。例えば、移動局装置1は、アクティベーションコマンドで下りリンクコンポーネントキャリアがアクティベートされてから所定の時間が経過した場合に、下りリンクコンポーネントキャリアをデアクティベートしてもよいし、アクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリアで最後にPDCCHまたはPDSCHを受信してから所定の時間が経過した場合に、下りリンクコンポーネントキャリアをデアクティベートしてもよい。つまり、移動局装置1自身の判断で下りリンクコンポーネントキャリアをデアクティベートしてもよい。尚、基地局装置3は、上記所定の時間を設定し、この設定を含む情報をRRCシグナルで移動局装置1に通知してもよい。
【0040】
移動局装置1は、デアクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリアの信号を受信しない。基地局装置3は、デアクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリアの信号を移動局装置1が受信しないと判断する。例えば、基地局装置3は、下りリンクのサブフレームにおいて、アクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリアのうち1つまたは複数の下りリンクコンポーネントキャリアに信号(PDSCH、PDCCH、PHICHなど)を配置して、移動局装置1へ送信する。移動局装置1は、アクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリアの信号(PDSCH、PDCCH、PHICHなど)のみ監視および受信処理を行なう。
【0041】
基地局装置3は、設定された下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリアの中から下りリンクプライマリーコンポーネントキャリア(downlink primary component carrier: DL PCC)と上りリンクコンポーネントキャリアuplink primary component carrier: UL PCC)を移動局装置1毎に設定し、この設定に関する情報を含むRRCシグナルを移動局装置1に通知する。移動局装置1は、下りリンクプライマリーコンポーネントキャリアと上りリンクプライマリーコンポーネントキャリアの設定をされるまでは、初期アクセスに用いた下りリンクコンポーネントキャリアおよび上りリンクコンポーネントキャリアを、下りリンクプライマリーコンポーネントキャリアおよび上りリンクプライマリーコンポーネントキャリアとして設定する。
【0042】
基地局装置3は、下りリンクプライマリーコンポーネントキャリアはデアクティベートすることができない、つまり下りリンクプライマリーコンポーネントキャリアは必ずアクティベートされている。上りリンクプライマリーコンポーネントキャリアは、上りリンク制御情報を送信するのに用いられる。
【0043】
基地局装置3は、上りリンクのサブフレームにおいて、設定された上りリンクコンポーネントキャリアのうち1つまたは複数の上りリンクコンポーネントキャリアのPUSCHの無線リソースを割り当て、このPUSCHに対する無線リソースの割り当てを示す下りリンク制御情報(Downlink Control Information: DCI)をアクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリアのPDCCHで送信する。移動局装置1は、PUSCHの無線リソースの割り当てを示す下りリンク制御情報に従って、設定された上りリンクコンポーネントキャリアのうち1つまたは複数の上りリンクコンポーネントキャリアのPUSCHに信号を配置して、基地局装置3へ送信する。
【0044】
尚、下りリンクのサブフレームにおいて、下りリンクコンポーネントキャリアのPDSCH、上りリンクコンポーネントキャリアのPUSCHに対する下りリンク制御情報は、設定されてアクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリアの中で、いずれか1つの下りリンクコンポーネントキャリアのPDCCHを用いて移動局装置1に送信される。下りリンクコンポーネントキャリアのPDSCHに対するPDCCH、および上りリンクコンポーネントキャリアのPUSCHに対するPDCCHは、サブフレーム毎に異なる下りリンクコンポーネントキャリアに配置されてもよい。
【0045】
つまり、下りリンクコンポーネントキャリアの1個のPDSCH、または上りリンクコンポーネントキャリアの1個のPUSCHに対して、複数のPDCCHが1個の下りリンクコンポーネントキャリアでも、複数の下りリンクコンポーネントキャリアでも同時に送信されることはない。例えば、図2において、下りリンクのサブフレームにおいて、UL CC−1のPUSCHに対するPDCCHは、DL CC−1からDL CC−4のうち、1つの下りリンクコンポーネントキャリア(DL CC−1、またはDL CC−2、またはDL CC−3、またはDL CC−4)のPDCCHで送信される。
【0046】
尚、下りリンクコンポーネントキャリアのPDSCH、または上りリンクコンポーネントキャリアのPUSCHに対するPDCCHが送信されることができる下りリンクコンポーネントキャリアは制限されてもよい。例えば、図2において、UL CC−1のPUSCHに対するPDCCHを、サブフレーム毎にDL−CC1とDL CC2のうち、1つの下りリンクコンポーネントキャリアでのみ送信されるように制限されてもよい。また、UL CC−1のPUSCHに対するPDCCHを、サブフレーム毎にDL CC−1でのみ送信されるように制限されてもよい。
【0047】
上りリンクコンポーネントキャリアで移動局装置1が送信したPUSCHの復号の成否を示すHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)インディケータは、このPUSCHに対するPDCCHが最後に送信された下りリンクコンポーネントキャリアのPHICHで送信される。例えば、図2において、移動局装置1がDL CC−1でUL CC−1のPUSCHに対するPDCCHを最後に受信し、UL CC−1でPUSCHを送信した場合、このPUSCHに対するHARQインディケータはDL CC−1のPHICHで送信される。基地局装置3がPUSCHの復号に成功した場合は、HARQインディケータはACK(ACKnowledgement)を示し、基地局装置がPUSCHの復号に失敗した場合は、HARQインディケータはNACK(Negative ACKnowledgement)を示す。
【0048】
図3は、本発明の下りリンクの無線フレームの構成の一例を示す概略図である。図3は、下りリンクコンポーネントキャリアにおける無線フレームの構成を示す。図3において、横軸は時間領域、縦軸は周波数領域である。図3に示すように、下りリンクコンポーネントキャリアの無線フレームは、複数の下りリンクの物理リソースブロック(Physical Resource Block; PRB)ペア(例えば、図3の破線で囲まれた領域)から構成されている。この下りリンクの物理リソースブロックペアは、無線リソースの割り当てなどの単位であり、予め決められた幅の周波数帯(PRB帯域幅;180kHz)および時間帯(2個のスロット=1個のサブフレーム;1ms)からなる。
【0049】
1個の下りリンクの物理リソースブロックペアは、時間領域で連続する2個の下りリンクの物理リソースブロック(PRB帯域幅×スロット)から構成される。1個の下りリンクの物理リソースブロック(図3において、太線で囲まれている単位)は、周波数領域において12個のサブキャリア(15kHz)から構成され、時間領域において7個のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル(71μs)から構成される。
【0050】
時間領域においては、7個のOFDMシンボル(71μs)から構成されるスロット(0.5ms)、2個のスロットから構成されるサブフレーム(1ms)、10個のサブフレームから構成される無線フレーム(10ms)がある。サブフレームと同じ時間間隔である1msのことを、送信時間間隔(Transmit Time Interval: TTI)とも称する。周波数領域においては、下りリンクコンポーネントキャリアの帯域幅に応じて複数の下りリンクの物理リソースブロックが配置される。尚、1個のサブキャリアと1個のOFDMシンボルから構成されるユニットを下りリンクリソースエレメントと称する。
【0051】
以下、下りリンクコンポーネントキャリア内に割り当てられるチャネルについて説明をする。下りリンクの各サブフレームでは、例えば、PDCCH、PHICH、PDSCH、および下りリンク参照信号が割り当てられる。まず、PDCCHについて説明をする。PDCCHはサブフレームの先頭のOFDMシンボルから(図3において、左斜線でハッチングされた領域)配置される。尚、PDCCHが配置されるOFDMシンボルの数は1から3であり、サブフレーム毎に異なる。PDCCHには、下りリンクアサインメント(downlink assignment、またはdownlink grantとも称する。)、上りリンクグラント(Uplink grant)などの情報フォーマットで構成される、通信の制御に用いられる情報である下りリンク制御情報の信号が配置される。また、各サブフレームでは、各下りリンクコンポーネントキャリアにおいて複数のPDCCHが周波数多重および時間多重される。
【0052】
下りリンクアサインメントは、PDSCHに対する変調方式および符号化に関する情報、無線リソースの割り当てを示す情報、初期送信または再送信などを示すHARQに関する情報、TPCコマンドなどから構成される。また、上りリンクグラントは、PUSCHに対する変調方式および符号化に関する情報、無線リソースの割り当てを示す情報、初期送信または再送信などを示すHARQに関する情報、TPCコマンドなどから構成される。尚、HARQとは、例えば、移動局装置1(基地局装置3)がデータの復号の成否を示すHARQフィードバックを基地局装置3(移動局装置1)に送信し、移動局装置1(基地局装置3)が誤りによりデータを復号できない(NACK)場合に基地局装置3(移動局装置1)が信号を再送し、移動局装置1(基地局装置3)が再度受信した信号と既に受信した信号との合成信号に対して復号処理を行なう技術である。
【0053】
下りリンクアサインメントと上りリンクグラントを構成するHARQに関する情報には、NDI(New Data Indicator)が含まれる。移動局装置1は、下りリンクアサインメントまたは上りリンクグラントを受信した場合は、受信した下りリンクアサインメントまたは上りリンクグラントに含まれるNDIを記憶する。このとき、移動局装置1が既にNDIを記憶している場合は、NDIがトグル(toggle)されているか判定してから、新しいNDIに上書きする。
【0054】
移動局装置1は、NDIがトグルされている場合は、下りリンクアサインメントまたは上りリンクグラントが初期送信を示していると判定し、NDIがトグルされていない場合は、下りリンクアサインメントまたは上りリンクグラントが初期送信を示していると判定する。NDIがトグルされているとは、既に記憶しているNDIと受信したNDIの値が異なることであり、NDIがトグルされていないとは、既に記憶しているNDIと受信したNDIの値が同じであることである。以下、下りリンクアサインメントまたは上りリンクグラントに含まれるNDIがトグルされていることを、下りリンクアサインメントまたは上りリンクグラントが初期送信を指示していると称し、NDIがトグルされていないことを、下りリンクアサインメントまたは上りリンクグラントが再送信を指示していると称する。
【0055】
下りリンク制御情報の符号化方法について説明する。まず基地局装置3は、下りリンク制御情報を基に生成した巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check: CRC)符号をRNTI(Radio Network Temporary Identifier)でスクランブル(scramble)した系列を下りリンク制御情報に付加する。移動局装置1は、巡回冗長検査符号がいずれのRNTIでスクランブルされているかによって下りリンク制御情報の解釈を変更する。例えば、移動局装置1は、自装置が基地局装置3から割り当てられたC−RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identity)で巡回冗長検査符号がスクランブルされていた場合、下りリンク制御情報が自装置宛の無線リソースを示していると判断する。以下、下りリンク制御情報にRNTIでスクランブルされた巡回冗長検査符号が付加されていることを、単に下りリンク制御情報にRNTIが含まれている、またはPDCCHにRNTIが含まれていると表現する。
【0056】
移動局装置1は、PDCCHをデコード処理し、RNTIでスクランブルされた巡回冗長検査符号に相当する系列を自装置が記憶するRNTIでデスクランブル(descramble)し、デスクランブルした巡回冗長検査符号に基づき誤りがないことを検出した場合にPDCCHの取得に成功したと判断する。この処理をブラインドデコーディング(blind decoding)と呼ぶ。
【0057】
次に、PHICHについて説明をする。各サブフレームにおいて、PHICHとPDCCHは同一OFDMシンボル内で周波数多重(図3において、格子状の線でハッチングがされた領域)される。PHICHは、サブフレームの先頭のOFDMシンボルのみに配置されてもよいし、複数のOFDMシンボルに分散して配置されてもよい。PHICHには、PUSCHの復号の成否(ACK/NACK)を示すHARQインディケータが配置される。また、各サブフレームでは、各下りリンクコンポーネントキャリアにおいて複数のPHICHが周波数多重および符号多重される。
【0058】
上りリンクコンポーネントキャリアで移動局装置1が送信したPUSCHの復号の成否を示すHARQインディケータは、このPUSCHに対する上りリンクグラントが最後に送信されたのと同じ下りリンクコンポーネントキャリアのPHICHで送信される。また、PUSCHに対するHARQインディケータが下りリンクコンポーネントキャリア内のいずれのPHICHに配置されるかは、このPUSCHに割り当てられた物理リソースブロックのうち、最も番号の小さい(最も低い周波数領域の)物理リソースブロックの番号および、上りリンクグラントに含まれる、PUSCHと時間多重される上りリンク参照信号のサイクリックシフトに関する情報から決定される。
【0059】
移動局装置1は、PUSCHを送信してから所定の時間後(例えば、4ms後、4サブフレーム後、4TTI後)の下りリンクのサブフレームのPHICHで、このPUSCHに対するHARQフィードバックを受信する。上りリンク参照信号では、符号多重が用いられ、複数の異なる符号が用いられる。例えば、複数の異なる符号は予め決められた基礎系列を周期的にシフト(サイクリックシフトと称す)することにより生成され、異なるシフト量のサイクリックシフトにより異なる符号が生成される。
【0060】
次に、PDSCHについて説明をする。PDSCHは、サブフレームのPDCCHおよび/またはPHICHが配置されるOFDMシンボル以外のOFDMシンボル(図3において、ハッチングがされない領域)に配置される。PDSCHには、下りリンクデータ(または「トランスポートブロック(Transport Block)」と称する。)の信号が配置される。PDSCHの無線リソースは、下りリンクアサインメントを用いて割り当てられる。PDSCHの無線リソースは、時間領域において、このPDSCHの割り当てに用いられた下りリンクアサインメントを含むPDCCHと同一の下りリンクのサブフレームに配置され、周波数領域において、このPDSCHの割り当てに用いられた下りリンクアサインメントを含むPDCCHと同じ下りリンクコンポーネントキャリア、または異なる下りリンクコンポーネントキャリアに配置される。
【0061】
下りリンクアサインメントには、この下りリンクアサインメントが、いずれの下りリンクコンポーネントキャリアのPDSCHに対するものかを示す情報(以下、「下りリンクキャリアインディケータ(downlink carrier indicator)」と称する。)が含められる。下りリンクアサインメントに下りリンクキャリアインディケータが含まれていない場合、下りリンクキャリアインディケータを含まない下りリンクアサインメントと、この下りリンクアサインメントが対応するPDSCHは同じ下りリンクコンポーネントキャリアで送信される。各サブフレームでは、各下りリンクコンポーネントキャリアにおいて複数のPDSCHが周波数多重および空間多重される。下りリンク参照信号については、説明の簡略化のため図3において図示を省略するが、下りリンク参照信号は周波数領域と時間領域において分散して配置される。
【0062】
図4は、本発明の上りリンクの無線フレームの構成の一例を示す概略図である。図4は、上りリンクコンポーネントキャリアにおける無線フレームの構成を示す。図4において、横軸は時間領域、縦軸は周波数領域である。図4に示すように、上りリンクの無線フレームは、複数の上りリンクの物理リソースブロックペア(例えば、図4の破線で囲まれた領域)から構成されている。この上りリンクの物理リソースブロックペアは、無線リソースの割り当てなどの単位であり、予め決められた幅の周波数帯(PRB帯域幅;180kHz)および時間帯(2個のスロット=1個のサブフレーム;1ms)からなる。
【0063】
1個の上りリンクの物理リソースブロックペアは、時間領域で連続する2個の上りリンクの物理リソースブロック(PRB帯域幅×スロット)から構成される。1個の上りリンクの物理リソースブロック(図4において、太線で囲まれている単位)は、周波数領域において12個のサブキャリア(15kHz)から構成され、時間領域において7個のSC−FDMAシンボル(71μs)から構成される。
【0064】
時間領域においては、7個のSC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル(71μs)から構成されるスロット(0.5ms)、2個のスロットから構成されるサブフレーム(1ms)、10個のサブフレームから構成される無線フレーム(10ms)がある。サブフレームと同じ時間間隔である1msのことを、送信時間間隔(Transmit Time Interval: TTI)とも称する。周波数領域においては、上りリンクコンポーネントキャリアの帯域幅に応じて複数の上りリンクの物理リソースブロックが配置される。尚、1個のサブキャリアと1個のSC−FDMAシンボルから構成されるユニットを上りリンクリソースエレメントと称する。
【0065】
以下、上りリンクの無線フレーム内に割り当てられるチャネルについて説明をする。上りリンクの各サブフレームでは、例えば、PUCCH、PUSCH、および上りリンク参照信号が割り当てられる。まず、PUCCHについて説明をする。PUCCHは、上りリンクコンポーネントキャリアの帯域の両端の上りリンクの物理リソースブロックペア(左斜線でハッチングがされた領域)に割り当てられる。PUCCHには、下りリンクのチャネル品質を示すチャネル品質情報(Channel Quality Information)、上りリンクの無線リソースの割り当ての要求を示すスケジューリング要求(Scheduling Request: SR)、PDSCHに対するACK/NACKなど、通信の制御に用いられる情報である上りリンク制御情報(Uplink Control Information: UCI)の信号が配置される。各サブフレームでは、各上りリンクコンポーネントキャリアにおいて複数のPUCCHが周波数多重および符号多重される。
【0066】
次に、PUSCHについて説明をする。PUSCHは、PUCCHが配置される上りリンクの物理リソースブロック以外の上りリンクの物理リソースブロックペア(ハッチングされない領域)に割り当てられる。PUSCHには、上りリンク制御情報、および上りリンク制御情報以外の情報である上りリンクデータ(トランスポートブロック; Transport Block)の信号が配置される。PUSCHの無線リソースは、上りリンクグラントを用いて割り当てられ、この上りリンクグラントを含むPDCCHが配置された下りリンクのサブフレームから所定の時間後(例えば、4ms後、4サブフレーム後、4TTI後)の上りリンクのサブフレームに配置される。
【0067】
上りリンクグラントには、この上りリンクグラントが、いずれの上りリンクコンポーネントキャリアのPUSCHに対するものかを示す情報(以下、「上りリンクキャリアインディケータ(uplink carrier indicator)」と称する。)が含められる。また、上りリンクグラントに上りリンクキャリアインディケータが含まれていない場合は、上りリンクキャリアインディケータを含まない上りリンクグラントは、この上りリンクグラントが対応する上りリンクコンポーネントキャリアと予め対応付けられた下りリンクコンポーネントキャリアで送信される。各サブフレームでは、各上りリンクコンポーネントキャリアにおいて複数のPUSCHが周波数多重および空間多重される。上りリンク参照信号は、PUCCHやPUSCHと時間多重されるが、説明の簡略化のため詳細な説明は省略する。
【0068】
図5は、本発明の上りリンクのHARQプロセスを説明するための概略図である。図5において、横軸は時間領域であり、格子状の線でハッチングがされた四角はPHICHを示し、右斜線でハッチングがされた四角はPDCCH(上りリンクグラント)を示し、横線でハッチングがされた四角はPUSCHを示し、PHICHおよびPDCCHおよびPUSCHに付された番号は、各チャネルが対応するHARQプロセスの番号を示している。本発明では、上りリンクコンポーネントキャリア毎に複数(8つ)のHARQプロセスが独立して同時に動作する。
【0069】
PUSCHが対応するHARQプロセスの番号は上りリンクのサブフレームの番号と対応付けられる。例えば、サブフレームの番号を上りリンクコンポーネントキャリア内で同時に動作するHARQプロセスの数で割った余りの値を、そのサブフレームに対応する上りリンクコンポーネントキャリア内のHARQプロセスの番号とする。PHICHおよびPDCCH(上りリンクグラント)が対応するHARQプロセスの番号は下りリンクのサブフレームの番号と対応付けられる。上りリンクと下りリンクでは対応するHARQプロセスの番号が4つシフトされている。
【0070】
異なる上りリンクコンポーネントキャリアに関連するHARQプロセスは、同一のサブフレームで同時に実行することができる。例えば、図2のように3つの上りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置1と基地局装置3が通信を行なう場合、8×3=24のHARQプロセスが独立して同時に動作することになる。説明の簡略化のため、図5では1つの上りリンクコンポーネントキャリアのPUSCHのみ示す。
【0071】
HARQプロセスそれぞれは、1つのHARQバッファに関連している。移動局装置1は、PUSCHで送信する上りリンクデータ(トランスポートブロック)を、そのPUSCHと対応するHARQプロセスのHARQバッファに保存し、対応するPDCCHで最後に受信した上りリンクグラントを保存し、HARQフィードバックとしてセットしたACKまたはNACKを記憶する。基地局装置3は、PUSCHで受信し、復号した上りリンクデータをそのPUSCHと対応するHARQプロセスのHARQバッファに保存し、対応するPDCCHで最後に送信した上りリンクグラントを保存する。
【0072】
尚、移動局装置1がMIMO(Multiple Input Multiple Output)SM(Spatial Multiplexing)を用いて、1つのPUSCHで複数の上りリンクデータ(トランスポートブロック)を送信できる場合は、HARQプロセスそれぞれは、1つのPUSCHで送信される上りリンクデータ(トランスポートブロック)の数と同じ数のHARQバッファに関連付けられる必要がある。
【0073】
ある上りリンクコンポーネントキャリアのHARQプロセスに対するPDCCH(上りリンクグラント)は、HARQプロセスのタイミング毎に異なる下りリンクコンポーネントキャリアで送信されてもよいし、上りリンクコンポーネントキャリア毎に対応させた下りリンクコンポーネントキャリアでのみ送信されてもよい。ある上りリンクコンポーネントキャリアのHARQプロセスに対するPHICHは、そのHARQプロセスに関するPDCCH(上りリンクグラント)が最後に送信された下りリンクコンポーネントキャリアで送信される。
【0074】
例えば、図5において、移動局装置1は、n番目の下りリンクのサブフレームで0番のHARQプロセスに関する初期送信を指示するPDCCH(上りリンクグラント)を受信し、n+4番目の上りリンクのサブフレームで、このPDCCH(上りリンクグラント)に従って0番のHARQプロセスに関するPUSCHの初期送信を行なう。移動局装置1は、n+8番目の下りリンクのサブフレームで0番のHARQプロセスに関するPHICHとPDCCH(上りリンクグラント)を受信し、n+12番目の上りリンクのサブフレームで、このPHICH、またはPDCCH(上りリンクグラント)に従って0番のHARQプロセスに関するPUSCHの初期送信または再送信を行なう。
【0075】
このように、同じHARQプロセスに対応する下りリンクのサブフレームと上りリンクのサブフレームは4ms(4サブフレーム、4TTI)ずれている。また、同じHARQプロセスに対するPHICHおよびPDCCH(上りリンクグラント)およびPUSCHは8ms(8サブフレーム、8TTI)間隔で送信される。
【0076】
本発明の上りリンクのHARQプロセスにおいて、移動局装置1は、まずPHICHで受信したHARQインディケータが示すACKまたはNACKをHARQフィードバックとしてセットする。移動局装置1は、PUSCHの初期送信を指示する上りリンクグラントをPDCCHで受信した場合は、HARQフィードバックとしてセットされているACKまたはNACKに依存せず、PUSCHで送信する新しい上りリンクデータを決定し、この上りリンクデータをHARQバッファに記憶し、受信した上りリンクグラントを記憶し、記憶されている上りリンクグラントに従ってPUSCHの初期送信を行ない、HARQフィードバックとしてNACKをセットする。
【0077】
移動局装置1は、PUSCHの再送信を指示する上りリンクグラントをPDCCHで受信した場合は、HARQフィードバックとしてセットされているACKまたはNACKに依存せず、記憶している上りリンクグラントを受信した上りリンクグラントに上書きし、上書きされた上りリンクグラントに従ってHARQバッファに記憶されている上りリンクデータをPUSCHで再送信し、HARQフィードバックとしてNACKをセットする。移動局装置1は、HARQバッファが空の場合は、上りリンクグラントが初期送信を指示しているか、再送信を指示しているかに依存せず、PUSCHで送信する上りリンクデータを決定し、この上りリンクデータをHARQバッファに記憶し、受信した上りリンクグラントを記憶し、記憶されている上りリンクグラントに従ってPUSCHの初期送信を行ない、HARQフィードバックとしてNACKをセットする。
【0078】
移動局装置1は、PUSCHに対する上りリンクグラントを受信せず、HARQフィードバックとしてNACKがセットされている場合は、記憶されている上りリンクグラントに従ってHARQバッファに記憶されている上りリンクデータをPUSCHで再送信する。移動局装置1は、PUSCHに対する上りリンクグラントを受信せず、HARQフィードバックとしてACKがセットされている場合は、PUSCHの送信を行なわず、そのHARQプロセスが管理するHARQバッファに記憶されている上りリンクデータを保持する。
【0079】
移動局装置1は、図5においてDL CC−1のn番目のサブフレームにおいてUL CC−1のPUSCHに対する上りリンクグラントを受信すると、受信した上りリンクグラントに従ってUL CC−1のn+4番目のサブフレームにおいてPUSCHを送信し、HARQフィードバックとしてNACKをセットする。移動局装置1が、このPUSCHに対するPHICHをDL CC−1で受信するn+8番目のサブフレームの前にDL CC−1がデアクティベートされた場合に、移動局装置1はn+8番目のサブフレームにおいてDL CC−1でPHICHを受信できない。このとき移動局装置1は、HARQフィードバックとしてNACKをセットしたままだと、0番目のHARQプロセスに対応する上りリンクのサブフレーム((n+4+8×i)番目のサブフレーム:iは整数)で、n番目のDL CC−1のサブフレームにおいて受信した上りリンクグラントに従ってPUSCHの再送信を続けることになる。
【0080】
このような不必要なPUSCHの再送信を避けるため、本発明では以下の手段を講じる。図6は、本発明の移動局装置1の動作の一例を示すフローチャート図である。移動局装置1は、HARQプロセス毎に図6の処理を行なう。移動局装置1は、HARQプロセスの処理が開始されると、HARQプロセスに対するPHICHを受信する下りリンクコンポーネントキャリア(つまり、HARQプロセスに対する上りリンクグラントを最後に受信した下りリンクコンポーネントキャリア)がアクティベートされているか否かを判定する(ステップS100)。
【0081】
移動局装置1は、HARQプロセスに対するPHICHを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがアクティベートされていると判定した場合は、PHICHを受信し、受信したPHICHに含まれるHARQインディケータが示すACKまたはNACKをHARQフィードバックとしてセットする(ステップS101)。次に移動局装置1は、自装置宛ての上りリンクグラントを検出したか否かを判定する(ステップS103)。移動局装置1は、上りリンクグラントを検出したと判定した場合は、検出した上りリンクグラントを記憶し、HARQフィードバックとしてNACKをセットし(ステップS104)、記憶した上りリンクグラントに従ってPUSCHの初期送信または再送信を行なう(ステップS106)。
【0082】
移動局装置1は、ステップS103において上りリンクグラントを検出しなかったと判定した場合は、HARQフィードバックとしてACKとNACKのどちらがセットされているかを判定する(ステップS105)。移動局装置1は、ステップS105においてHARQフィードバックとしてNACKがセットされていると判定した場合は、記憶されている上りリンクグラントに従ってPUSCHの再送信を行なう(ステップS106)。移動局装置1は、ステップS105においてHARQフィードバックとしてACKがセットされていると判定した場合は、PUSCHの送信を行なわず、HARQプロセスに対応するHARQバッファの内容を保持する(ステップS107)。
【0083】
移動局装置1は、ステップS106およびステップS107の後に、このHARQプロセスに対応する次の下りリンクのサブフレームにおいてステップS100に戻り(ステップS108)、HARQプロセスに対するPHICHを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがアクティベートされているか否かを判定する。
【0084】
ステップS100において、移動局装置1は、PHICHを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがアクティベートされていない、つまりデアクティベートされていると判定した場合は、PHICHを受信せず、HARQフィードバックとしてACKをセットする(ステップS102)。この上りリンクコンポーネントキャリアのHARQプロセスに対する上りリンクグラントが送信されることが可能な下りリンクコンポーネントキャリアがアクティベートされている下りリンクコンポーネントキャリアの中にない場合は、移動局装置1は、ステップS102でACKをセットした後に、ステップS103において上りリンクグラントを検出しなかったと判定し、ステップS105においてHARQフィードバックにACKがセットされていると判定し、ステップS107において、PUSCHの送信を行なわず、HARQプロセスに対応するHARQバッファの内容を保持する。
【0085】
この上りリンクコンポーネントキャリアのHARQプロセスに対する上りリンクグラントが送信されることが可能な下りリンクコンポーネントキャリアがアクティベートされている下りリンクコンポーネントキャリアの中にある場合は、基地局装置3が上りリンクグラントが送信されることが可能なアクティベートされている下りリンクコンポーネントキャリアで上りリンクグラントを送信することで、移動局装置1は、ステップS102でACKをセットした後に、ステップS103において上りリンクグラントを検出したと判定し、ステップS106において、受信および検出した上りリンクグラントに従ってPUSCHの初期送信または再送信を行なうことができる。
【0086】
尚、HARQプロセスに関連するHARQバッファが空の場合や、移動局装置1の電源を入れてからHARQプロセスが一度も基地局装置との通信に用いられていない場合や、HARQフィードバックとしてACKがセットされている場合などは、ステップS101において移動局装置1は、このHARQプロセスに対応するPHICHを受信しなくてもよい。尚、ステップS107でHARQバッファの内容を保持した後に、再送信を指示する上りリンクグラントを受信した場合は、そのHARQバッファの内容をPUSCHで再送信することができる。例えば、基地局装置3は、アクティベートされている下りリンクコンポーネントキャリアで上りリンクグラントを送信して、上りリンクグラントの送信に用いた下りリンクコンポーネントキャリアをデアクティベートし、デアクティベートした下りリンクコンポーネントキャリアを再度アクティベートし、前回アクティベートされた状態で送信されたPUSCHの再送を移動局装置1に指示することができる。
【0087】
図7は、本発明の移動局装置1の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、移動局装置1は、上位層処理部101、制御部103、受信部105、送信部107および、送受信アンテナ109を含んで構成される。また、上位層処理部101は、無線リソース制御部1011、HARQ制御部1013とHARQ記憶部1015を含んで構成される。また、受信部105は、復号化部1051、復調部1053、多重分離部1055、無線受信部1057とチャネル測定部1059を含んで構成される。また、送信部107は、符号化部1071、変調部1073、多重部1075、無線送信部1077と上りリンク参照信号生成部1079を含んで構成される。
【0088】
上位層処理部101は、ユーザの操作等により生成された上りリンクデータやRRCシグナルやMAC CEを、送信部207に出力する。また、上位層処理部101は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行う。また、上位層処理部101はPDCCHで受信された下りリンク制御情報などに基づき、受信部105、および送信部107の制御を行うために制御情報を生成し、制御部103に出力する。上位層処理部101が備える無線リソース制御部1011は、自装置の各種設定情報の管理を行なう。例えば、無線リソース制御部1011は、C−RNTIなどのRNTIの管理を行なう。また、無線リソース制御部1011は、上りリンクの各チャネルに配置される情報を生成し、送信部107に出力する。
【0089】
無線リソース制御部1011は、基地局装置3から通知されたRRCシグナルで設定された下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリア、およびアクティベーションコマンドなどでアクティベートまたはデアクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリアの管理を行なう。無線リソース制御部1011は、設定された下りリンクコンポーネントキャリアに対する下りリンクアサインメントおよび設定された上りリンクコンポーネントキャリアに対する上りリンクグラントが配置される下りリンクコンポーネントキャリアを管理する。
【0090】
上位層処理部101が備えるHARQ制御部1013は、上りリンクのHARQプロセスの管理を行なう。上位層処理部101が備えるHARQ記憶部1015は、HARQ制御部1013が管理する上りリンクのHARQプロセスそれぞれに関連するHARQバッファを有する。HARQ記憶部1015は、HARQプロセスそれぞれに関連する上りリンクグラントやHARQフィードバック(ACKまたはNACK)を記憶する。尚、下りリンクのHARQプロセスは、本発明と関連がないため説明を省略する。
【0091】
HARQ制御部1013は、HARQプロセス毎に以下の動作をする。HARQ制御部1013は、PUSCHで送信される上りリンクデータ(トランスポートブロック)をHARQバッファに入力し、受信部105から入力されるPHICHで受信されたHARQインディケータが示すACKまたはNACKと、PDCCHで受信された上りリンクグラントをHARQ記憶部1015に記憶させる。HARQ制御部1013は、HARQ記憶部1015に記憶させたACKまたはNACK、および上りリンクグラントに基づき、図6のフローチャート図に従ってHARQの制御を行なう。
【0092】
HARQ制御部1013は、PUSCHが送信される上りリンクコンポーネントキャリアおよびサブフレームの番号(タイミング)と、HARQプロセスを対応付ける。HARQ制御部1013は、上りリンクグラントが最後に受信された下りリンクコンポーネントキャリア内の複数のPHICHのうち、PUSCHの物理リソースブロックの割り当てと、PUSCHと時間多重される上りリンク参照信号のサイクリックシフトに関する上りリンクグラントに含まれる情報から、このHARQプロセスに対応するPHICHを決定する。
【0093】
HARQ制御部1013は、上りリンクグラントに含まれる上りリンクキャリアインディケータと、この上りリンクグラントが受信されたサブフレームの番号(タイミング)から、受信された上りリンクグラントが対応するHARQプロセスを決定する。HARQ制御部1013は、上りリンクグラントに上りリンクキャリアインディケータが含まれない場合は、この上りリンクグラントが受信された下りリンクコンポーネントキャリアとサブフレームの番号(タイミング)から、受信された上りリンクグラントが対応するHARQプロセスを決定する。
【0094】
制御部103は、上位層処理部101からの制御情報に基づいて、受信部105、および送信部107の制御を行う制御信号を生成する。制御部103は、生成した制御信号を受信部105、および送信部107に出力して受信部105、および送信部107の制御を行う。受信部105は、制御部103から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ109を介して基地局装置3から受信した受信信号を、分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部101に出力する。
【0095】
無線受信部1057は、送受信アンテナ109を介して受信した下りリンクの信号を、中間周波数に変換し(ダウンコンバート: down covert)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部1057は、変換したディジタル信号からガードインターバル(Guard Interval: GI)に相当する部分を除去し、ガードインターバルを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出する。
【0096】
多重分離部1055は、抽出した信号をPHICH、PDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号に、それぞれ分離する。尚、この分離は、下りリンクアサインメントで通知された無線リソースの割り当て情報などに基づいて行われる。また、多重分離部1055は、チャネル測定部1059から入力された伝搬路の推定値から、PHICHとPDCCHとPDSCHの伝搬路の補償を行なう。また、多重分離部1055は、分離した下りリンク参照信号をチャネル測定部1059に出力する。
【0097】
復調部1053は、PHICHに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)変調方式の復調を行ない、復号化部1051へ出力する。復号化部1051は、自装置宛てのPHICHを復号し、復号したHARQインディケータを上位層処理部101に出力する。復調部1053は、PDCCHに対して、QPSK変調方式の復調を行ない、復号化部1051へ出力する。復号化部1051は、PDCCHのブラインドデコーディングを試み、ブラインドデコーディングに成功した場合、復号した下りリンク制御情報と下りリンク制御情報に含まれていたRNTIを上位層処理部101に出力する。
【0098】
復調部1053は、PDSCHに対して、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM等の下りリンクアサインメントで通知された変調方式の復調を行ない、復号化部1051へ出力する。復号化部1051は、下りリンク制御情報で通知された符号化率に関する情報に基づいて復号を行い、復号した下りリンクデータ(トランスポートブロック)を上位層処理部101へ出力する。
【0099】
チャネル測定部1059は、多重分離部1055から入力された下りリンク参照信号から下りリンクのパスロスやチャネルの状態を測定し、測定したパスロスやチャネルの状態を上位層処理部101へ出力する。また、チャネル測定部1059は、下りリンク参照信号から下りリンクの伝搬路の推定値を算出し、多重分離部1055へ出力する。
【0100】
送信部107は、制御部103から入力された制御信号に従って、上りリンク参照信号を生成し、上位層処理部101から入力された上りリンクデータ(トランスポートブロック)を符号化および変調し、PUCCH、PUSCH、および生成した上りリンク参照信号を多重し、送受信アンテナ109を介して基地局装置3に送信する。符号化部1071は、上位層処理部101から入力された上りリンク制御情報を畳込み符号化、ブロック符号化等の符号化を行い、上りリンクデータを上りリンクグラントで通知された符号化率に関する情報に基づいてターボ符号化を行なう。変調部1073は、符号化部1071から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM等の下りリンク制御情報で通知された変調方式または、チャネル毎に予め定められた変調方式で変調する。
【0101】
上りリンク参照信号生成部1079は、基地局装置3を識別するための物理セル識別子(physical cell identity: PCI、Cell IDなどと称する。)、上りリンク参照信号を配置する帯域幅、上りリンクグラントで通知されたサイクリックシフトなどを基に予め定められた規則で求まる、基地局装置3が既知の系列を生成する。多重部1075は、制御部103から入力された制御信号に従って、PUSCHの変調シンボルを並列に並び替えてから離散フーリエ変換(Discrete Fourier Transform: DFT)し、PUCCHとPUSCHの信号と生成した上りリンク参照信号を多重する。
【0102】
無線送信部1077は、多重された信号を逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)して、SC−FDMA方式の変調を行い、SC−FDMA変調されたSC−FDMAシンボルにガードインターバルを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号から中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去し、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート: up convert)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送受信アンテナ109に出力して送信する。
【0103】
図8は、本発明の基地局装置3の構成を示す概略ブロック図である。図示するように、基地局装置3は、上位層処理部301、制御部303、受信部305、送信部307、および、送受信アンテナ309、を含んで構成される。また、上位層処理部301は、無線リソース制御部3011、HARQ制御部3013とHARQ記憶部3015を含んで構成される。また、受信部305は、復号化部3051、復調部3053、多重分離部3055、無線受信部3057とチャネル測定部3059を含んで構成される。また、送信部307は、符号化部3071、変調部3073、多重部3075、無線送信部3077と下りリンク参照信号生成部3079を含んで構成される。
【0104】
上位層処理部301は、媒体アクセス制御(MAC: Medium Access Control)層、パケットデータ統合プロトコル(Packet Data Convergence Protocol: PDCP)層、無線リンク制御(Radio Link Control: RLC)層、無線リソース制御(Radio Resource Control: RRC)層の処理を行う。また、上位層処理部301は、受信部305、および送信部307の制御を行うために制御情報を生成し、制御部303に出力する。上位層処理部301が備える無線リソース制御部3011は、下りリンクのPDSCHに配置される下りリンクデータ(トランスポートブロック)、RRCシグナル、MAC CEを生成し、又は上位ノードから取得し、送信部307に出力する。また、無線リソース制御部3011は、移動局装置1各々の各種設定情報の管理をする。例えば、無線リソース制御部3011は、移動局装置1にC−RNTIを割り当てるなどRNTIの管理を行なう。
【0105】
無線リソース制御部3011は、移動局装置1それぞれに設定される下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリア、およびアクティベートまたはデアクティベートした下りリンクコンポーネントキャリアの管理を行なう。無線リソース制御部3011は、移動局装置1それぞれに、通信に用いる下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリアを設定し、RRCシグナルでこの設定に関する情報を通知するよう、制御部303を介して、送信部307を制御する。
【0106】
無線リソース制御部3011は、移動局装置1それぞれに、通信に用いる下りリンクコンポーネントキャリアと上りリンクコンポーネントキャリアに対するPDCCHが配置される下りリンクコンポーネントキャリアを設定し、RRCシグナルでこの設定に関する情報を通知するよう、制御部303を介して、送信部307を制御する。無線リソース制御部3011は、移動局装置1それぞれに、PDCCHまたはMAC CEでアクティベーションコマンドを通知するよう、制御部303を介して、送信部307を制御する。
【0107】
上位層処理部301が備えるHARQ制御部3013は、移動局装置1それぞれの上りリンクのHARQプロセスの管理を行なう。上位層処理部301が備えるHARQ記憶部3015は、HARQ制御部3013が管理する上りリンクのHARQプロセスそれぞれに対応する複数のHARQバッファを有する。尚、下りリンクのHARQプロセスは、本発明と関連がないため説明を省略する。HARQ制御部3013、受信処理部305から入力されたPUSCHで受信された上りリンクデータ(トランスポートブロック)をHARQバッファに入力し、上りリンクデータに付加された誤り検出符号(巡回冗長検査符号)を用いて上りリンクデータの復号に成功したか否かを判定する。
【0108】
HARQ制御部3013は、上りリンクデータの復号に成功したと判定した場合は、ACKを示すHARQインディケータを生成し、上りリンクデータの復号に失敗したと判定した場合は、NACKを示すHARQインディケータを生成し、送信部307に出力する。HARQ制御部3013は、上りリンクデータの復号に失敗したと判定した場合は、無線リソース割当や変調方式および符号化率に関する情報を変更し、変更した情報を含む再送信を指示する上りリンクグラントを送信するよう、制御部303を介して、送信部307を制御してもよい。
【0109】
HARQ制御部3013は、移動局装置1において再送信された上りリンクデータが受信部305から入力された場合は、既にHARQバッファに保存している上りリンクデータと再送信された上りリンクデータを合成し、上りリンクデータの復号に成功したか否かを判定する。HARQ制御部3013は、移動局装置1がPUSCHを送信する上りリンクコンポーネントキャリアおよびサブフレームの番号(タイミング)と、HARQプロセスの番号を対応付ける。
【0110】
HARQ制御部3013は、あるHARQプロセスに対して上りリンクグラントが最後に送信された下りリンクコンポーネントキャリア内の複数のPHICHのうち、PUSCHの物理リソースブロックの割り当てと、PUSCHと時間多重される上りリンク参照信号のサイクリックシフトに関する上りリンクグラントに含まれる情報から、このHARQプロセスに対応するACK/NACKを送信するのに用いるPHICHを決定する。
【0111】
制御部303は、上位層処理部301からの制御情報に基づいて、受信部305、および送信部307の制御を行う制御信号を生成する。制御部303は、生成した制御信号を受信部305、および送信部307に出力して受信部305、および送信部307の制御を行う。
【0112】
受信部305は、制御部303から入力された制御信号に従って、送受信アンテナ309を介して移動局装置1から受信した受信信号を分離、復調、復号し、復号した情報を上位層処理部301に出力する。無線受信部3057は、送受信アンテナ309を介して受信した上りリンクの信号を、中間周波数に変換し(ダウンコンバート: down covert)、不要な周波数成分を除去し、信号レベルが適切に維持されるように増幅レベルを制御し、受信した信号の同相成分および直交成分に基づいて、直交復調し、直交復調されたアナログ信号をディジタル信号に変換する。無線受信部3057は、変換したディジタル信号からガードインターバル(Guard Interval: GI)に相当する部分を除去する。無線受信部3057は、ガードインターバルを除去した信号に対して高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform: FFT)を行い、周波数領域の信号を抽出し多重分離部3055に出力する。
【0113】
多重分離部1055は、無線受信部3057から入力された信号をPUCCH、PUSCH、上りリンク参照信号などの信号に分離する。尚、この分離は、予め基地局装置3が無線リソース制御部3011で決定し、各移動局装置1に通知した上りリンクグラントに含まれる無線リソースの割り当て情報に基づいて行われる。また、多重分離部3055は、チャネル測定部3059から入力された伝搬路の推定値から、PUCCHとPUSCHの伝搬路の補償を行なう。また、多重分離部3055は、分離した上りリンク参照信号をチャネル測定部3059に出力する。
【0114】
復調部3053は、PUSCHを逆離散フーリエ変換(Inverse Discrete Fourier Transform: IDFT)し、変調シンボルを取得し、PUCCHとPUSCHの変調シンボルそれぞれに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK、16QAM、64QAM等の予め定められた、または自装置が移動局装置1各々に上りリンクグラントで予め通知した変調方式を用いて受信信号の復調を行なう。
【0115】
復号化部3051は、復調したPUCCHとPUSCHの符号化ビットを、予め定められた符号化方式の、予め定められた、又は自装置が移動局装置1に上りリンクグラントで予め通知した符号化率で復号を行ない、復号した上りリンクデータと、上りリンク制御情報を上位層処理部101へ出力する。PUSCHが再送信の場合は、復号化部3051は、上位層処理部301から入力されるHARQバッファに保持している符号化ビットと、受信した符号化ビットを用いて復号を行なう。チャネル測定部309は、多重分離部3055から入力された上りリンク参照信号から伝搬路の推定値、チャネルの品質などを測定し、多重分離部3055および上位層処理部301に出力する。
【0116】
送信部307は、制御部303から入力された制御信号に従って、下りリンク参照信号を生成し、上位層処理部301から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、下りリンクデータを符号化、および変調し、PHICH、PDCCH、PDSCH、および下りリンク参照信号を多重して、送受信アンテナ309を介して移動局装置1に信号を送信する。
【0117】
符号化部3071は、上位層処理部301から入力されたHARQインディケータ、下りリンク制御情報、および下りリンクデータを、ブロック符号化、畳込み符号化、ターボ符号化等の予め定められた符号化方式を用いて符号化を行なう、または無線リソース制御部3011が決定した符号化方式を用いて符号化を行う。変調部3073は、符号化部3071から入力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM等の予め定められた、または無線リソース制御部3011が決定した変調方式で変調する。下りリンク参照信号生成部3079は、基地局装置3を識別するための物理セル識別子(PCI)などを基に予め定められた規則で求まる、移動局装置1が既知の系列を下りリンク参照信号として生成する。多重部3075は、変調された各チャネルと生成された下りリンク参照信号を多重する。
【0118】
無線送信部3077は、多重された変調シンボルを逆高速フーリエ変換(Inverse Fast Fourier Transform: IFFT)して、OFDM方式の変調を行い、OFDM変調されたOFDMシンボルにガードインターバルを付加し、ベースバンドのディジタル信号を生成し、ベースバンドのディジタル信号をアナログ信号に変換し、アナログ信号から中間周波数の同相成分および直交成分を生成し、中間周波数帯域に対する余分な周波数成分を除去し、中間周波数の信号を高周波数の信号に変換(アップコンバート: up convert)し、余分な周波数成分を除去し、電力増幅し、送受信アンテナ309に出力して送信する。
【0119】
このように、本発明によれば、複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置1と基地局装置3が通信をする無線通信システムにおいて、移動局装置1が基地局装置3に送信した上りリンクデータ(トランスポートブロック)に対するHARQインディケータが配置されるPHICHを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、移動局装置1は、PHICHでHARQインディケータを受信せずに、対応するHARQプロセスにおいてHARQフィードバックとしてACKをセットし、基地局装置3は、移動局装置1がPHICHに配置されるHARQインディケータを受信せずに、対応するHARQプロセスにおいてHARQフィードバックとしてACKをセットしたと判断する。
【0120】
尚、本発明は、PHICHが受信される下りリンクコンポーネントキャリアが、RRCシグナルを用いて通信に用いる下りリンクコンポーネントキャリアの設定から除かれた場合にも同様の効果を得ることができる。つまり、PHICHが受信される下りリンクコンポーネントキャリアが通信に用いる下りリンクコンポーネントキャリアから除かれた場合に、移動局装置1は、対応するHARQプロセスにACKをセットする。
【0121】
尚、図6のステップS100およびS102において、移動局装置1がPHICHを受信するタイミングで下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合に、移動局装置1はACKをセットするが、図6のステップS106で移動局装置1がPUSCHを送信した時点で、このPUSCHに対するPHICHを受信するまでにPHICHを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされることがわかっている場合には、ステップS106の後に移動局装置1はACKをセットしてもよい。これにより、移動局装置1は、PHICHを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートをされている場合に、基地局装置3の制御を離れ、不必要なPUSCHの再送信をすることを避け、PUSCHの再送信の制御を効率的に行なうことができる。
【0122】
尚、本発明を、ある上りリンクコンポーネントキャリアに対するPHICHが受信される下りリンクコンポーネントキャリアが、その上りリンクコンポーネントキャリアに対する上りリンクグラントが配置される下りリンクコンポーネントキャリアではないとRRCシグナルを用いて設定された場合に適用してもよい。つまり、PHICHが受信される下りリンクコンポーネントキャリアが、上りリンクグラントが配置される下りリンクコンポーネントキャリアから除かれた場合に、移動局装置1は、対応するHARQプロセスにACKをセットする。
【0123】
例えば、図2において、UL CC−1に対する上りリンクグラントが送信される下りリンクコンポーネントキャリアがDL CC−1と設定されていた場合は、移動局装置1は、UL CC−1に対する上りリンクグラントおよびPHICHをDL CC−1で受信する。移動局装置1がDL CC−1でPHICHを受信する前に、基地局装置3がUL CC−1に対する上りリンクグラントを送信する下りリンクコンポーネントキャリアをDL CC−2に再設定し、移動局装置1がこの設定を適用した場合は、移動局装置1は、DL CC−1でUL CC−1に対するPHICHを受信し、DL CC−2でUL CC−1に対する上りリンクグラントを監視することになり、移動局装置1の受信処理の負荷が増大する。
【0124】
そこで、本発明を適用することで、移動局装置1がDL CC−1でPHICHを受信する前に、基地局装置3がUL CC−1に対する上りリンクグラントを送信する下りリンクコンポーネントキャリアをDL CC−2に再設定し、移動局装置1がこの設定を適用した場合は、移動局装置1は、UL CC−1のHARQプロセスにACKをセットし、DL CC−1のPHICHの受信処理をせずに、DL CC−2の上りリンクグラントのみ監視するため、移動局装置1の受信処理の負荷を低減することができる。
【0125】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。
【0126】
本発明の第2の実施形態では、移動局装置1は、上りリンクコンポーネントキャリアに対するPHICH(HARQインディケータ)およびPDCCH(上りリンクグラント)が配置される下りリンクコンポーネントキャリア全てがデアクティベートされた場合に、この上りリンクコンポーネントキャリアに関連するHARQバッファの内容を消去(フラッシュ)し、基地局装置3は、移動局装置1に対して上りリンクコンポーネントキャリアに対するPHICH(HARQインディケータ)およびPDCCH(上りリンクグラント)が配置される下りリンクコンポーネントキャリア全てをデアクティベートした場合に、移動局装置1が、この上りリンクコンポーネントキャリアに関連するHARQバッファの内容を消去(フラッシュ)すると判断する。
【0127】
尚、ある上りリンクコンポーネントキャリアに対する上りリンクグラントが配置される下りリンクコンポーネントキャリアが1つに限定されている場合は、上りリンクコンポーネントキャリアに対するHARQインディケータが配置される下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされた場合に、この上りリンクコンポーネントキャリアに関連するHARQバッファの内容を消去(フラッシュ)すると表現することもできる。
【0128】
例えば、図2において、移動局装置1は、UL CC−1に対する上りリンクグラントはDL CC−1のみに配置されると設定されている場合は、DL CC−1がデアクティベートされるとUL CC−1に関連する全てのHARQバッファの内容を消去する。例えば、図2において、移動局装置1に対してUL CC−1に対する上りリンクグラントはDL CC−1とDL CC−2とDL CC−3に配置されると設定されている場合は、移動局装置1は、DL CC−1とDL CC−2とDL CC−3全てがデアクティベートされるとUL CC−1に関連する全てのHARQバッファの内容を消去する。
【0129】
このように、移動局装置1は、対応するPHICH(HARQインディケータ)およびPDCCH(上りリンクグラント)を受信することができないHARQプロセスに関連するHARQバッファの内容を消去することで、HARQプロセスのHARQフィードバックとしてNACKがセットされていてもPUSCHの再送信を行なわない。
【0130】
尚、上りリンクコンポーネントキャリアに対するHARQインディケータおよび上りリンクグラントが配置される可能性のある下りリンクコンポーネントキャリア全てがデアクティベートされても、HARQプロセスにおいてPUSCHの送信が決定されたが、まだPUSCHの送信を行なっていない場合(ペンディング(pending)しているPUSCHの送信がある場合)は、このPUSCHを送信してからHARQバッファの内容を消去してもよい。
【0131】
例えば、移動局装置1は、上りリンクグラントを受信してから、受信した上りリンクグラントに基づいてPUSCHを送信するまでの間(4ms、4サブフレーム、4TTI)に、上りリンクグラントを受信した下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされた場合、PUSCHを一度送信してからHARQバッファの内容を消去してもよい。このように、PHICH(HARQインディケータ)またはPDCCH(上りリンクグラント)を受信してから、4サブフレーム後に実際に送信される前のPUSCHのことをペンディングしているPUSCHと称す。
【0132】
図9は、本発明の第2の実施形態の移動局装置1の動作の一例を示すフローチャート図である。移動局装置1は、HARQプロセス毎に図9の処理を行なう。処理が開始されると、移動局装置1は、ある上りリンクコンポーネントキャリアに関連するHARQプロセスに対するPHICH(HARQインディケータ)およびPDCCH(上りリンクグラント)が配置される下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされているか判定する(ステップS200)。
【0133】
移動局装置1は、ステップS200において、ある上りリンクコンポーネントキャリアに関連するHARQプロセスに対するPHICH(HARQインディケータ)およびPDCCH(上りリンクグラント)が配置される下りリンクコンポーネントキャリア全てがデアクティベートされていると判定した場合は、ペンディングしているPUSCHの送信があるか判定する(ステップS201)。
【0134】
移動局装置1は、ステップS201においてペンディングしているPUSCHの送信があると判定した場合は、ペンディングしているPUSCHの送信を行った後に(ステップS202)、この上りリンクコンポーネントキャリアに関連するHARQバッファの内容を消去する(ステップS203)。移動局装置1は、ステップS201においてペンディングしているPUSCHの送信がないと判定した場合は、ステップS203に進み、この上りリンクコンポーネントキャリアに関連するHARQバッファの内容を消去する。
【0135】
尚、移動局装置1はステップS200において、ある上りリンクコンポーネントキャリアに関連するHARQプロセスに対するPHICH(HARQインディケータ)およびPDCCH(上りリンクグラント)が配置される下りリンクコンポーネントキャリア全てがデアクティベートされたと判定したら、ステップS201とステップS202を行なわずに、以降のサブフレームでその上りリンクコンポーネントキャリアのPUSCHの送信をキャンセルし、HARQバッファの内容を消去するようにしてもよい(ステップS203)。ステップS203の後に、移動局装置1は処理を終了する。移動局装置1は、ステップS200において上りリンクコンポーネントキャリアに関連するHARQプロセスに対するPHICH(HARQインディケータ)およびPDCCH(上りリンクグラント)が配置される下りリンクコンポーネントキャリアのうちデアクティベートされていないものが少なくとも1つあると判定した場合は、処理を終了する。
【0136】
第2の実施形態に係る無線通信システムと第1の実施形態に係る無線通信システムとを比較すると、移動局装置1の上位層処理部101が異なる。しかし、他の構成要素が持つ構成および機能は、第1の実施形態と同じであるので、第1の実施形態と同じ機能についての説明は省略する。
【0137】
第2の実施形態の移動局装置1の上位層処理部101のHARQ制御部1013は、上りリンクコンポーネントキャリアに対するPHICH(HARQインディケータ)が配置される下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされた場合に、HARQプロセスにHARQフィードバックとしてACKをセットしない。そして、HARQ制御部1013は、上りリンクコンポーネントキャリアに対するPHICH(HARQインディケータ)およびPDCCH(上りリンクグラント)が配置される下りリンクコンポーネントキャリア全てがデアクティベートされた場合に、HARQ記憶部1015が有する、この上りリンクコンポーネントキャリアに関連するHARQバッファの内容を消去する。
【0138】
尚、移動局装置1は、下りリンクコンポーネントキャリアを、どのようにデアクティベートしたかに応じてHARQバッファの内容を消去するタイミングを変更してもよい。移動局装置1は、アクティベーションコマンドで下りリンクの通信に用いないと通知された下りリンクコンポーネントキャリアを、アクティベーションコマンドを受信してから所定の時間後に(例えば、4ms、4サブフレーム、4TTI)にデアクティベートする方法(以下、Explicit deactivationと称す。)、アクティベーションコマンドで下りリンクコンポーネントキャリアがアクティベートされてから所定の時間(例えば、100ms、100サブフレーム、100TTI)が経過した場合に、下りリンクコンポーネントキャリアをデアクティベートする方法、アクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリアで最後にPDCCHまたはPDSCHを受信してから所定の時間(例えば、10ms、10サブフレーム、10TTI)が経過した場合に、下りリンクコンポーネントキャリアをデアクティベートする方法(以下、アクティベーションコマンドを受信してから所定の時間後にデアクティベートが行なわれる方法以外の方法をImplicit deactivationと称す。)を用いる。
【0139】
基地局装置3は、Implicit deactivationにより所定の時間後にデアクティベートされる下りリンクコンポーネントキャリアをアクティベートの状態に維持し続けたい場合、アクティベーションコマンドを移動局装置1に通知するか、アクティベートの状態に維持し続けたい下りリンクコンポーネントキャリアでPDCCHまたはPDSCHを移動局装置1に送信する。移動局装置1は、アクティベーションコマンドで下りリンクコンポーネントキャリアがアクティベートされてからの時間の経過を計測するタイマー、アクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリアで最後にPDCCHまたはPDSCHを受信してからの時間の経過を計測するタイマーを備えており、アクティベーションコマンドを通知された場合、またはPDCCHまたはPDSCHを受信した場合、対応する下りリンクコンポーネントキャリアに対するそれらのタイマーをリセットする。例えば、移動局装置1は、Explicit deactivationの場合は、下りリンクコンポーネントキャリアをデアクティベートしたときにHARQバッファの内容を消去し、Implicit deactivationの場合は、下りリンクコンポーネントキャリアをデアクティベートしてから所定の時間が経過してからHARQバッファの内容を消去してもよい。
【0140】
これにより、基地局装置3が上りリンクの通信(PUSCHの再送信)を続けたいにもかかわらず、アクティベーションコマンドを移動局装置1に誤り無く通知することができずに、またはPDCCH、PDSCHを移動局装置1に適切に送信することができずに、移動局装置1がImplicit deactivationにより下りリンクコンポーネントキャリアをデアクティベートしてしまった時にも、移動局装置1が所定の時間の間はHARQバッファの内容を保持しているため、基地局装置3は、アクティベーションコマンドを用いてデアクティベートされた下りリンクコンポーネントキャリアをアクティベートし、再送信を指示する上りリンクグラントをアクティベートした下りリンクコンポーネントキャリアで送信することで、移動局装置1にPUSCHの再送信を即座に実行させることができる。
【0141】
これにより、移動局装置1は、PHICH(HARQインディケータ)およびPDCCH(上りリンクグラント)を受信する下りリンクコンポーネントキャリア全てがデアクティベートをされている場合に、基地局装置3の制御を離れ、不必要なPUSCHの再送信をすることを避け、PUSCHの再送信の制御を効率的に行なうことができる。
【0142】
尚、本発明は、PHICH(HARQインディケータ)およびPDCCH(上りリンクグラント)が受信される下りリンクコンポーネントキャリア全てが、RRCシグナルを用いて通信に用いる下りリンクコンポーネントキャリアの設定から除かれた場合にも適用することで同様の効果を得ることができる。つまり、PHICH(HARQインディケータ)およびPDCCH(上りリンクグラント)が受信される下りリンクコンポーネントキャリア全てが設定から除かれた場合に、移動局装置1は、この上りリンクコンポーネントキャリアに関連するHARQバッファの内容を消去する。
【0143】
尚、本発明を、ある上りリンクコンポーネントキャリアに対するPHICHが受信される下りリンクコンポーネントキャリアが、その上りリンクコンポーネントキャリアに対する上りリンクグラントが配置される下りリンクコンポーネントキャリアではないとRRCシグナルを用いて設定された場合に適用してもよい。つまり、PHICHが受信される下りリンクコンポーネントキャリアが、上りリンクグラントが配置される下りリンクコンポーネントキャリアから除かれた場合に、移動局装置1は、対応するHARQプロセスにACKをセットする。
【0144】
例えば、図2において、UL CC−1に対する上りリンクグラントが送信される下りリンクコンポーネントキャリアがDL CC−1と設定されていた場合は、移動局装置1は、UL CC−1に対する上りリンクグラントおよびPHICHをDL CC−1で受信する。移動局装置1がDL CC−1でPHICHを受信する前に、基地局装置3がUL CC−1に対する上りリンクグラントを送信する下りリンクコンポーネントキャリアをDL CC−2に再設定し、移動局装置1がこの設定を適用した場合は、移動局装置1は、DL CC−1でUL CC−1に対するPHICHを受信し、DL CC−2でUL CC−1に対する上りリンクグラントをモニタすることになり、移動局装置1の受信処理の負荷が増大する。
【0145】
そこで、本発明を適用することで、移動局装置1がDL CC−1でPHICHを受信する前に、基地局装置3がUL CC−1に対する上りリンクグラントを送信する下りリンクコンポーネントキャリアをDL CC−2に再設定し、移動局装置1がこの設定を適用した場合は、移動局装置1は、UL CC−1のHARQプロセスに関連するHARQバッファの内容を消去し、DL CC−1のPHICHの受信処理をせずに、DL CC−2の上りリンクグラントのみ監視するため、移動局装置1の受信処理の負荷を低減することができる。
【0146】
本発明に関わる基地局装置3、および移動局装置1で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU(Central Processing Unit)等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)であっても良い。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAM(Random Access Memory)に蓄積され、その後、Flash ROM(Read Only Memory)などの各種ROMやHDD(Hard Disk Drive)に格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行われる。
【0147】
尚、上述した実施形態における移動局装置1、基地局装置3の一部、をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、移動局装置1、又は基地局装置3に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0148】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0149】
また、上述した実施形態における移動局装置1、基地局装置3の一部、又は全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。移動局装置1、基地局装置3の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、又は全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、又は汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0150】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0151】
1(1A、1B、1C) 移動局装置
3 基地局装置
101 上位層処理部
103 制御部
105 受信部
107 送信部
301 上位層処理部
303 制御部
305 受信部
307 送信部
1011 無線リソース制御部
1013 HARQ制御部
1015 HARQ記憶部
3011 無線リソース制御部
3013 HARQ制御部
3015 HARQ記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と基地局装置が通信をする無線通信システムにおいて、
前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、
前記移動局装置は、前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットし、
前記基地局装置は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットしたと判断することを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と基地局装置が通信をする無線通信システムにおいて、
前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、
前記移動局装置は、前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去し、
前記基地局装置は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去したと判断することを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置と通信をする移動局装置において、
前記移動局装置は、
前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットすることを特徴とする移動局装置。
【請求項4】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置と通信をする移動局装置において、
前記移動局装置は、
前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去することを特徴とする移動局装置。
【請求項5】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と通信をする基地局装置において、
前記基地局装置は、
前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットしたと判断することを特徴とする基地局装置。
【請求項6】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と通信をする基地局装置において、
前記基地局装置は、
前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去したと判断することを特徴とする基地局装置。
【請求項7】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置と通信をする移動局装置に用いられる無線通信方法において、
前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットする手段を有することを特徴とする無線通信方法。
【請求項8】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置と通信をする移動局装置に用いられる無線通信方法において、
前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去する手段を有することを特徴とする無線通信方法。
【請求項9】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と通信をする基地局装置に用いられる無線通信方法において、
前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットしたと判断する手段を有することを特徴とする無線通信方法。
【請求項10】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と通信をする基地局装置に用いられる無線通信方法において、
前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去したと判断する手段を有することを特徴とする無線通信方法。
【請求項11】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置と通信をする移動局装置に用いられる集積回路において、
前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットする手段を有することを特徴とする集積回路。
【請求項12】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて基地局装置と通信をする移動局装置に用いられる集積回路において、
前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去する手段を有することを特徴とする集積回路。
【請求項13】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と通信をする基地局装置に用いられる集積回路において、
前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、ACKをセットしたと判断する手段を有することを特徴とする集積回路。
【請求項14】
複数の下りリンクコンポーネントキャリアを用いて移動局装置と通信をする基地局装置に用いられる集積回路において、
前記移動局装置が前記基地局装置に送信した上りリンクデータに対するHARQインディケータを受信する下りリンクコンポーネントキャリアがデアクティベートされている場合は、前記移動局装置が前記HARQインディケータを受信せずに、前記上りリンクデータに対するバッファの内容を消去したと判断する手段を有することを特徴とする集積回路。

【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−211494(P2011−211494A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77447(P2010−77447)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】