無線通信システム、通信装置、および無線通信方法
【課題】複数のアンテナにおいて品質測定用リファレンス信号を送信するシステムにおいて、待機アンテナ数が増えることによる通信品質の劣化を抑制すること
【解決手段】3つまたはそれを超える数のアンテナを備える第1の通信装置と、第1の通信装置が送信したデータを受信する第2の通信装置とを備える無線通信システムにおいて、第1の通信装置は、伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を、アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信し、第2の通信装置は、送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、第1の通信装置がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する送信アンテナ決定部を具備することを特徴とする無線通信システム。
【解決手段】3つまたはそれを超える数のアンテナを備える第1の通信装置と、第1の通信装置が送信したデータを受信する第2の通信装置とを備える無線通信システムにおいて、第1の通信装置は、伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を、アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信し、第2の通信装置は、送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、第1の通信装置がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する送信アンテナ決定部を具備することを特徴とする無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、通信装置、および無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基地局装置からの送信信号を移動通信装置において受信する下りリンクの場合は、基地局装置と移動通信装置との相対位置の変動により、レイリーフェージングが発生する。このレイリーフェージングの発生により、受信信号の位相や振幅が大きく変動する。そして、移動通信装置は、このような変動を伴う受信において信号振幅が大きく落ちた場合、受信信号の特性が大幅に劣化し、復調処理を行うことが困難となってしまうという問題を生じる。このような現象は、逆方向のリンク、即ち移動通信装置から送信された信号を基地局装置において受信する上りリンクの場合にも同様に生じ得る。
【0003】
このようなレイリーフェージングへの対策として、従来から各種手法が提案されている。上りリンクの場合の一つの例として、移動通信装置側で、複数のアンテナを使用することによって、空間ダイバーシティ効果を得る手法がある。空間ダイバーシティとは、空間的に離れた複数のアンテナを用いて信号を送信又は受信することにより、ダイバーシティ効果を得る技術である。空間ダイバーシティを導入することにより、例えば、一方のアンテナから送信された受信信号の振幅が大きく落ち込んだ場合に、他方のアンテナを利用して送信を行うことが可能となる。空間ダイバーシティは、アンテナ間の空間的相関が低くなると、それらのアンテナから送信された信号それぞれに対する受信側での受信電界強度が独立に変動する、という特性を利用する。
【0004】
複数のアンテナの利用方法として、いずれか一つを選択して送信する手法と、それぞれについて何らかの重み付けを施した後に双方から同時送信することで、受信側で最適な受信ができるよう指向性を制御する手法とが考えられる。また複数アンテナの他の利用方法として、電波環境が良好な場合には、双方のアンテナより異なるデータ列を並列で送信する空間多重(MIMO:Multiple Input Multiple Output、多入力/多出力)方法もある。いずれか一つを選択して送信する方法を用いると、PA(Power Amplifier;電力増幅器)を含めた送信にかかわる装置が複数個必要ないため移動通信装置のコスト面で有利となる。
【0005】
複数の移動通信装置と通信する基地局装置において、移動通信装置の複数のアンテナから一つのアンテナを選択する処理を実行するためには、以下のような処理が必要となる。まず、移動通信装置は、各アンテナから、制御信号である伝搬路の品質測定用リファレンス信号(SRS:Sounding Reference Signal)を送信する。そして、基地局装置は、移動通信装置の各アンテナから送信された品質測定用リファレンス信号を受信し、それぞれの品質測定用リファレンス信号について例えば、受信SINR(Signal to Interference Noise Ratio;信号対干渉雑音比)を測定して、品質評価を行い、それぞれの品質指標を得る。そして、基地局装置は、その品質指標に基づいて、いずれのアンテナによって通信を行うべきか選択する。
【0006】
このように、複数のアンテナから一つのアンテナを選択して送信するシステムでは、データ送信を行なっているアンテナに限らず、移動通信装置が備える他のアンテナからも品質測定用リファレンス信号を送信する必要がある。そのため、時折アンテナを切り替えて品質測定用リファレンス信号を送信する必要が生じる。
【0007】
以下、図面を参照して、移動通信装置が第一アンテナと第二アンテナという二つのアンテナを有する場合における、基地局装置が品質測定用リファレンス信号に基づいて実行するアンテナの切替処理について説明する。図11と図12は、上述した品質測定用リファレンス信号送信の動作を示す図であり、移動通信装置から基地局装置への通信、すなわち上りリンクの状況を表している。図12は図11と同じ意味を表す図である。図12のほうが簡単な図であるが、図11のほうがデータ通信の詳細がわかりやすいため、本説明ではまず図11を用いて説明する。
【0008】
図11において、移動通信装置は第一アンテナ及び第二アンテナという2つのアンテナを備える。図11は、上から順にそれぞれ第一アンテナ及び第二アンテナが送信する上りリンクの信号の状況を示しており、縦軸は周波数、横軸は時間を表している。また、図11において、ハッチングされた矩形(SRS400〜SRS407)は、品質測定用リファレンス信号を表し、白色の矩形(D300〜D307)はデータ信号を示している。また、破線で区切った領域は無線フレームであり、各々の無線フレームには早い時間のものから順に#0、#1、・・・#7というように番号を振る。図11に示すように、この例では、品質測定用リファレンス信号は、無線フレーム各々の末尾に、送信可能な周波数帯域全体に渡って配置され、データ信号は送信可能な周波数帯域の一部(サブキャリア)に配置される。
【0009】
移動通信装置は、図11に示すように、定期的に(ここでは各無線フレームの末尾)品質測定用リファレンス信号を第一アンテナと第二アンテナから交互に送信する。基地局装置は、第一アンテナ及び第二アンテナから送信された品質測定用リファレンス信号を受信して、各アンテナから送信される信号の品質を測定することで伝搬路品質を測定する。この測定結果に基づき、基地局装置は、データ送信に割り当てるリソースブロック(送信の単位)や、その後の変調方式、符号化方式などを、この品質に基づいて最適であるものに決定し、移動通信装置に指示する。
【0010】
図11に示されるように、たとえ第一アンテナによるデータ信号の送信が行われている間(例えば、無線フレーム#0〜#4)であるとしても、第一アンテナおよび第二アンテナから品質測定用リファレンス信号が交互に送信される。なぜなら、基地局装置において第二アンテナから送信された信号の方が良い品質であると判断して、使用されるアンテナを第二アンテナに切り替えられるようにするためである。このような切り替えが行われる可能性があるため、第二アンテナからも品質測定用リファレンス信号の送信が行われる必要がある。以下、データ信号の送信を行っているアンテナを「送信アンテナ」と称し、データ信号の送信を行っていないアンテナを「待機アンテナ」と称する。
【0011】
基地局装置は送信アンテナから送信した品質測定用リファレンス信号と待機アンテナから送信した品質測定用リファレンス信号の品質を比較し、送信アンテナを切り替える操作を行う。図11では、待機アンテナからの品質測定用リファレンス信号SRS403を基地局装置が受信した際に、送信アンテナからの品質測定用リファレンス信号SRS402と比較して品質が良いと判断した時の動作である。この場合、基地局装置は、移動通信装置に対し、無線フレーム#4の区間で、データ送信に割り当てるリソースブロック、変調方式、符号化方式に加え、アンテナ切替指示を送信することによって、送信アンテナを切り替える指示を行う。
【0012】
この指示を受信した移動通信装置は、指示に従ってデータ送信に割り当てるリソースブロック、変調方式、符号化方式を設定するともに、無線フレーム#5の区間から、送信アンテナを第二アンテナに切り替える。このような動作によって、常に最適なアンテナによる安定した通信を行なうことが可能となる。また、品質測定用リファレンス信号は、基地局装置におけるアンテナ切り替えの判断のみに用いられるわけではなく、例えば、現在検討されているLTE(Long Term Evolution:3GPP(3rd Generation Partnership Project、第三世代パートナシップ・プロジェクト)の発展系)においては、リソースの割り当てや、適応変調符号化(AMC;Adaptive Modulation and Coding)方式などの判定を行うために品質測定用リファレンス信号が利用されることが検討されている(非特許文献1参照)。
【0013】
この方式では、待機アンテナが品質測定用リファレンス信号を送信するタイミングでは、送信アンテナによる品質測定用リファレンス信号の送信が実行されない(図11における品質測定用リファレンス信号SRS401を送信するタイミング)。この場合、送信アンテナについて、品質測定用リファレンス信号SRS401を送信するタイミングにおける品質評価は、基地局装置において実行されないことになる。そのため、次の無線フレーム#2の区間における送信アンテナについて、リソースブロック割り当てや適応変調符号化方式の制御を、基地局装置が最適に実行することが難しくなる。そして、このような問題に対処するため、マージンを考慮し、直前に測定した送信アンテナの信号品質(ここでは品質測定用リファレンス信号SRS400のタイミングの品質)に基づいて、若干劣化することを想定した適応変調符号化方式の設定を行う必要が生じる。
【0014】
その結果、送信アンテナの最新の信号品質に対応した制御を行うことができず、スループットが低下し、システムとしての特性劣化を招いてしまうという問題がある。すなわち、最適なリソース割り当てや適応変調符号化方式を実現することができず、通信品質が劣化するという問題がある。
しかしながら、そのような問題を考慮しても第一のアンテナのみを使用して通信を行うよりも第一のアンテナと第二のアンテナのアンテナ切替を行ったほうが良い特性が得られることが知られている。
【0015】
次に図12の説明を行う。本発明では図11における白色の矩形であるデータ信号の無線フレーム内における配置を詳しく示すことはそれほど重要ではないため、ここで図12の形式を記載し、今後は本形式を用いて説明を行う。図12では、ハッチングされた矩形は、その時間領域内に品質測定用リファレンス信号SRSを送信することを表す。また、送信アンテナの行に記載した数字はその時間(無線フレーム)における送信アンテナが第一送信アンテナであるか(「1」)、第二送信アンテナであるか(「2」)を示す。送信アンテナの行に記載されていない数字のアンテナは待機アンテナとなる。
【0016】
即ち、図12では無線フレーム#0から#4の時間では第一アンテナが送信アンテナで第二アンテナが待機アンテナ、無線フレーム#5から#7の時間では第二アンテナが送信アンテナで第一アンテナが待機アンテナとなる。このように無線フレーム#5から送信アンテナを切り替えるのは、基地局装置が無線フレーム#3の時間の品質測定用リファレンス信号を受信した結果第二アンテナの特性が良いと判断し、無線フレーム#4の時間にアンテナを切り替える通知を行うことにより実現される。
【非特許文献1】“Closed Loop antenna Switching in E-UTR Uplink”、[online]、3GPP TSG RN WG1 Meeting #48、[平成20年1月18日検索]、インターネット<URL:ftp://ftp.3gpp.org/tsg_rn/WG1_RL1/TSGR1_48/Docs/R1-070860.zip>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
空間ダイバーシィティあるいは空間多重方法を用いる場合、アンテナ数が多いほど品質が良好なアンテナが存在する可能性が高くなるため、スループットが増加することが期待できる。しかしながら、待機アンテナ数を増加させると待機アンテナから送信する品質測定用リファレンス信号の数も増加するため、データを送信する送信アンテナにおいて、品質測定用リファレンス信号を送信する頻度が低下し、最新の信号品質に対応した制御(スケジューリングなど)を行うことができずに、通信品質の劣化がより多く引き起こされる可能性があるという問題がある。
【0018】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数のアンテナにおいて品質測定用リファレンス信号を送信するシステムにおいて、待機アンテナ数が増えることによる通信品質の劣化を抑制することができる無線通信システム、通信装置、および無線通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(1)この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の無線通信システムは、3つまたはそれを超える数のアンテナを備える第1の通信装置と、前記第1の通信装置が送信したデータを受信する第2の通信装置とを備える無線通信システムにおいて、前記第1の通信装置は、伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信し、前記第2の通信装置は、前記送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、前記一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、前記第1の通信装置がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する送信アンテナ決定部を具備することを特徴とする。
【0020】
(2)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記第1の通信装置および前記第2の通信装置は、予め設定された同一の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更することを特徴とする。
【0021】
(3)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記第2の通信装置は、予め設定された規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更し、該変更を表す情報を前記第1の通信装置に送信し、前記第1の通信装置は、前記変更を表す情報を受信し、該情報に従い、前記一部の待機アンテナを変更することを特徴とする。
【0022】
(4)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記第2の通信装置は、予め設定された第1の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更するタイミングを決定し、該タイミングを表す情報を前記第1の通信装置に送信し、前記決定したタイミングに、予め設定された第2の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更し、前記第1の通信装置は、前記タイミングを表す情報を受信し、該情報が表すタイミングに、前記予め設定された第2の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更することを特徴とする。
【0023】
(5)また、本発明の通信装置は、3つまたはそれを超える数のアンテナを備える通信装置において、伝搬路の品質測定用のリファレンス信号であって、当該通信装置によるデータの送信に用いるアンテナを決めるためのリファレンス信号を、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信することを特徴とする。
【0024】
(6)また、本発明の通信装置は、3つまたはそれを超える数のアンテナを備える通信相手が、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信した伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を受信する通信装置において、前記送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、前記一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、前記通信相手がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する送信アンテナ決定部を具備することを特徴とする。
【0025】
(7)また、本発明の無線通信方法は、3つまたはそれを超える数のアンテナを備える第1の通信装置と、前記第1の通信装置が送信したデータを受信する第2の通信装置とを備える無線通信システムにおける無線通信方法において、前記第1の通信装置が、伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信する第1の過程と、前記第2の通信装置が、前記送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、前記一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、前記第1の通信装置がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する第2の過程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、複数のアンテナにおいて品質測定用リファレンス信号を送信するシステムにおいて、データを送信していないアンテナである待機アンテナの数が増えることによる通信品質の劣化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態における移動通信システム全体のネットワーク概略構成を示すブロック図である。本実施形態における無線通信システムである移動通信システム10は、複数のアンテナを備えた複数の移動通信装置100(第1の通信装置とも称する)と、基地局装置200(第2の通信装置とも称する)とを備える。基地局装置200は、移動通信網300に接続される。
【0028】
移動通信装置100は、基地局装置200と、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access;直交周波数分割多元接続)、あるいは、DFT−S−OFDM(Discrete Fourier Transform Spread Orthogonal Frequency Division Multiplexing;離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access;シングルキャリア周波数分割多元接続)とも称される)方式など、帯域を分割した複数のサブキャリアに信号を割当てて送信する無線通信を行う。移動通信装置100と基地局装置200とは、該無線通信により、データを送受信し、移動通信装置100は、基地局装置200を介することにより、または基地局装置200および移動通信網300を介することにより、他の通信装置と、データの送受信を行う。
【0029】
移動通信装置100は、第一アンテナ110、第二アンテナ120、第三アンテナ130、第四アンテナ140を備え、これらの複数のアンテナにより、基地局装置200に対し、データおよび品質測定用リファレンス信号を送信する。なお、本発明は、3つまたはそれを超える数のアンテナを有していなければならないが、本実施形態では、アンテナの本数を4つとする。これらのアンテナのうち、データの送信に用いられているアンテナを送信アンテナ、それ以外のアンテナを待機アンテナという。なお、待機アンテナを用いて送信される品質測定用リファレンス信号は、移動通信装置100のアンテナ各々と、基地局装置200のアンテナ210との間の伝搬路の品質測定用のリファレンス信号であり、移動通信装置100と無線通信を行う上で、移動通信装置100のどのアンテナを用いることが適切であるかを、基地局装置200が判断するために送信される。
【0030】
移動通信装置100は、第一アンテナ110、第一受信部111、第二アンテナ120、第二受信部121、第三アンテナ130、第三受信部131、第四アンテナ140、第四受信部141、送信部150、スイッチ151、スイッチ制御部152及びベースバンド処理部160を備える。第一アンテナ110、第二アンテナ120、第三アンテナ130及び第四アンテナ140は、公知の無線通信用アンテナを用いて構成することができる。基地局装置200は、アンテナ210、受信部211、送信部212、ベースベースバンド処理部213、送信アンテナ決定部214を備える。
【0031】
第一アンテナ110は、アンテナ番号が「1」のアンテナであり、受信した信号を第一受信部111へ受け渡す。第二アンテナ120は、アンテナ番号が「2」のアンテナであり、受信した信号を第二受信部121へ受け渡す。第三アンテナ130は、アンテナ番号が「3」のアンテナであり、受信した信号を第三受信部131へ受け渡す。第四アンテナ140は、アンテナ番号が「4」のアンテナであり、受信した信号を第四受信部141へ受け渡す。また、スイッチ151は、送信部150から出力される信号を、第一アンテナ110、第二アンテナ120、第三アンテナ130および第四アンテナ140の何れかに送出する。第一アンテナ110、第二アンテナ120、第三アンテナ130および第四アンテナ140は、スイッチ151から出力信号を受けると、これを基地局装置200へ無線送信する。スイッチ制御部152は、スイッチ151が送信部150の出力信号を何れのアンテナに出力するかを制御する。この制御の詳細については、後述する。
【0032】
第一受信部111は、第一アンテナ110によって受信した信号を、無線周波数からベースバンド周波数にダウンコンバートして、ベースバンド信号に変換した後アナログデジタル変換して復調し、デジタルベースバンド信号を出力する。第二受信部121は、第二アンテナ120によって受信した信号を、第一受信部111と同様にして、ベースバンド信号に変換した後、アナログデジタル変換して復調し、デジタルベースバンド信号を出力する。第三受信部131は、第三アンテナ130によって受信した信号を、第一受信部111と同様にして、ベースバンド信号に変換した後、アナログデジタル変換して復調し、デジタルベースバンド信号を出力する。第四受信部141は、第四アンテナ140によって受信した信号を、第一受信部111と同様にして、ベースバンド信号に変換した後、アナログデジタル変換して復調し、デジタルベースバンド信号を出力する。
【0033】
ベースバンド処理部160は、第一受信部111、第二受信部121、第三受信部131及び第四受信部141から出力されるデジタルベースバンド信号を、ダイバーシティ合成して復号し、受信データを検出する。また、ベースバンド処理部160は、送信データを伝送路符号化および変調してデジタルベースバンドデータ列を生成し、送信部150に対してベースバンドデータ列を受け渡す。また、ベースバンド処理部160は、基地局装置200から送信される送信アンテナを指定する情報(送信アンテナ変更の通知)を、スイッチ制御部152に通知する。品質測定用リファレンス信号の送信に係る制御については後述する。送信部150は、ベースバンド処理部160から出力される、送信すべきベースバンドデータ列について、デジタルアナログ変換、無線周波数へのアップコンバートのなどの送信処理を行なう。
【0034】
アンテナ210は、受信した信号を受信部211へ受け渡す。また、アンテナ210は、送信部212の出力信号を移動通信装置100へ無線送信する。受信部211は、アンテナ210によって受信した信号を、無線周波数からベースバンド周波数にダウンコンバートして、ベースバンド信号に変換した後アナログデジタル変換して復調し、デジタルベースバンド信号をベースバンド処理部213に出力する。送信部212は、ベースバンド処理部213から出力される、送信すべきベースバンドデータ列について、デジタルアナログ変換、無線周波数へのアップコンバートのなどの送信処理を行ない、アンテナ210に出力する。ベースバンド処理部213は、受信部211から出力されるデジタルベースバンド信号を復号し、受信データを検出し、移動通信網300に出力する。
【0035】
また、ベースバンド処理部213は、移動通信網300からの送信データを伝送路符号化および変調してデジタルベースバンドデータ列を生成し、送信部212に対してベースバンドデータ列を受け渡す。また、ベースバンド処理部213は、受信部211から出力されるデジタルベースバンド信号のうち、品質測定用リファレンス信号については、送信アンテナ決定部214に出力する。送信アンテナ決定部214は、ベースバンド処理部213から受けた品質測定用リファレンス信号と、予め記憶している既知の品質測定用リファレンス信号とを比較して、受信SNIRなどの伝搬路品質を表す値を算出し、この伝搬路品質を表す値に基づき、移動通信装置100が品質測定用リファレンス信号を送信するアンテナの選択、すなわち優先待機アンテナの選択、送信アンテナの選択などを行なう。なお、送信アンテナ決定部214の詳細については後述する。
【0036】
次に、第1の実施形態における品質測定用リファレンス信号送信の動作について、図2を参照して説明する。図2は、移動通信装置100が送信する信号を説明する図である。図2において、横軸は時間であり、一番上の段は、各無線フレームにおける送信アンテナの番号を表す。二番目から五番目の段は、それぞれ、第一アンテナ110から第四アンテナ140が品質測定用リファレンス信号を送信しているか否かを表す。ハッチングされているときは、その無線フレームの末尾において、該アンテナから品質測定用リファレンス信号が送信されることを表す。ハッチングされていないときは、品質測定用リファレンス信号が送信されないことを表す。また、六番目の段は、時間順に付された無線フレームの番号を表す。
【0037】
図2においては、第一アンテナ110が送信アンテナであり、第二アンテナ120、第三アンテナ130および第四アンテナ140が待機アンテナである。送信アンテナの決定方法は、通信開始時点に移動通信装置100が第一アンテナ110から第四アンテナ140まで順番に一回ずつ品質測定用リファレンス信号を送信し、これらの中から最も品質のよいアンテナを基地局装置200の送信アンテナ決定部214が決定し、移動通信装置100に通知してもよいし、最初は第一アンテナ110を送信アンテナとすると予め決定しておいてもよいし、前回最後に使用した送信アンテナをそのまま送信アンテナにしてもよい。
【0038】
移動通信装置100は、品質測定用リファレンス信号を、第一アンテナ110〜第四アンテナ140のうち、データの送信に用いている送信アンテナと、送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとして選択した優先待機アンテナとから送信する。また、基地局装置200の送信アンテナ決定部214は、送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、優先待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、移動通信装置100がデータを送信する際に用いるアンテナ、すなわち送信アンテナを決定する。
【0039】
第1の実施形態では無線フレーム#0の時点において、品質測定用リファレンス信号の送信元として、すなわち送信アンテナと優先待機アンテナとして、第一アンテナ110と第二アンテナ120を選択する。なお、優先待機アンテナの決定方法は、通信開始時点に移動通信装置100が第一アンテナ110から第四アンテナ140まで順番に一回ずつ品質測定用リファレンス信号を送信し、これらの中から送信アンテナを除いて最も品質のよいアンテナを基地局装置200の送信アンテナ決定部214が決定し、移動通信装置100に通知してもよいし、最初は送信アンテナを除いたアンテナの中で、最もアンテナ番号の小さいものとするといった予め設定された規則に基づき、移動通信装置100と基地局装置200との各々で決定してもよいし、前回最後に使用した優先待機アンテナをそのまま優先待機アンテナにしてもよい。
【0040】
そして、スイッチ制御部152の制御に従いスイッチ151が切り替わるので、移動通信装置100は、この2つのアンテナから、交互に品質測定用リファレンス信号を送信する。なお、第一アンテナ110と第二アンテナ120から交互に品質測定用リファレンス信号を送信する回数の最大値は予め設定しておく。本実施形態では規定の回数として各アンテナからそれぞれ4回品質測定用リファレンス信号を送信することとする(図2の無線フレーム#0から#7までに該当する)。予め決めておく手段は基地局装置200が報知情報により、移動通信装置100に通知する方法でもよいし、通信を開始する時のメッセージに基地局装置200が埋め込んでおくようにしてもよい。
【0041】
移動通信装置100のスイッチ制御部152と基地局装置200の送信アンテナ決定部214は、予め設定された同一の規則に従い、優先待機アンテナを変更する。すなわち、本実施形態では、予め決めておいた回数の品質測定用リファレンス信号送信を行った結果、アンテナ切替が発生しない場合、優先待機アンテナを、予め決められた順番に従い切り替える。ここでは、この順番は、送信アンテナと優先待機アンテナとを除いたアンテナの番号の順であるので、優先待機アンテナを、第二アンテナ120から第三アンテナ130に切り替える。優先待機アンテナが、第三アンテナ130になったので、移動通信装置100のスイッチ制御部152は、第一アンテナ110と第三アンテナ130から交互に品質測定用リファレンス信号を送信するようにスイッチ151を制御する(無線フレーム#8から#15)。
【0042】
同様にして、第一アンテナ110と第三アンテナ130から交互に4回ずつ品質測定用リファレンス信号送信を行った結果アンテナ切替が発生しない場合、優先待機アンテナを第三アンテナ130から第四アンテナ140に切り替え、第一アンテナ110と第四アンテナ140から交互に品質測定用リファレンス信号を送信する(無線フレーム#16から#23)。さらに、第一アンテナ110と第四アンテナ140から交互に4回ずつ品質測定用リファレンス信号送信を行った結果アンテナ切替が発生しない場合、優先待機アンテナを第四アンテナ140から第二アンテナ120に切り替える。
【0043】
図3は、本実施形態における送信アンテナ決定部214の動作を説明するフローチャートである。送信アンテナ決定部214は、送信アンテナのアンテナ番号と、優先待機アンテナのアンテナ番号とを、予め記憶している。まず、送信アンテナ決定部214は、動作を開始すると、ベースバンド処理部213から送信アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けて、予め記憶している既知の品質測定用リファレンス信号と比較し、伝搬路品質を測定する(Sa1)。次に、送信アンテナ決定部214は、ベースバンド処理部213から優先待機アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けて、予め記憶している既知の品質測定用リファレンス信号と比較し、伝搬路品質を測定する(Sa2)。送信アンテナ決定部214は、ステップSa1で測定した送信アンテナの伝搬路品質と、ステップSa2で測定した優先待機アンテナの伝搬路品質とを比較し、優先待機アンテナの伝搬路品質が、送信アンテナの伝搬路品質よりも大きい(良い)か否かを判定する(Sa3)。
【0044】
ステップSa3にて大きくないと判定したときは(Sa3−No)、ステップSa9に遷移して、送信アンテナ決定部214は、品質測定用リファレンス信号を受信した回数を表す回数nを、インクリメントして、1増やす。次に、送信アンテナ決定部214は、この回数nが、予め設定された回数nの最大値より大きいか否かを判定する(Sa10)。大きいと判定したときは(Sa10−Yes)、ステップSa11に遷移して、送信アンテナ決定部214は、品質測定用リファレンス信号を受信した回数を表す回数nを、クリアして「0」とする。次に、送信アンテナ決定部214は、予め設定された順番に従い、優先待機アンテナを変更する(Sa12)。ここで、予め設定された順番は、本実施形態では、送信アンテナを除くアンテナの番号順なので、例えば、先に優先待機アンテナだったのが第二アンテナ120であれば、次の第三アンテナ130が優先待機アンテナとなる。ステップSa12の後、ステップSa1に戻って処理を繰り返す。また、ステップSa10の判定にて、小さいと判定したときは(Sa10−No)、ステップSa1に戻って処理を繰り返す。
【0045】
一方、ステップSa3にて大きいと判定したときは(Sa3−Yes)、ステップSa4に遷移して、送信アンテナ決定部214は、このとき優先待機アンテナとなっているアンテナを送信アンテナに設定する。さらに、送信アンテナ決定部214は、該アンテナを送信アンテナに設定したことを示す送信アンテナ変更通知を、移動通信装置100に送信するように、ベースバンド処理部213に出力する(Sa5)。この送信アンテナ変更通知は、ベースバンド処理部213、送信部212、アンテナ210を介して、移動通信装置100に送信される。次に、送信アンテナ決定部214は、品質測定用リファレンス信号を受信した回数を表す回数nを、クリアして「0」とする(Sa6)。次に、送信アンテナ決定部214は、予め設定された順番に従い、優先待機アンテナを変更する(Sa7)。予め設定された順番は、本実施形態では、送信アンテナを除くアンテナの番号順なので、例えば、先に優先待機アンテナだったのが第三アンテナ130であれば、次の第四アンテナ140が優先待機アンテナとなる。
【0046】
次に、送信アンテナ決定部214は、ベースバンド処理部213から先の送信アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けて、既知の品質測定用リファレンス信号と比較し、伝搬路品質を測定したのち(Sa8)、ステップSa1に戻って処理を繰り返す。ここで、先の送信アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けるのは、ステップSa5にて通知した送信アンテナ変更が、移動通信装置100に反映される前の無線フレームを、基地局装置200が受信しているためである。
【0047】
図4は、本実施形態におけるスイッチ制御部152の動作を説明するフローチャートである。スイッチ制御部152は、送信アンテナのアンテナ番号と、優先待機アンテナのアンテナ番号とを、予め記憶している。まず、スイッチ制御部152は、スイッチ151を制御して、送信アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させる(Sb1)。次に、スイッチ制御部152は、1無線フレームの時間待ちをする(Sb2)。この間に、第一アンテナ110から第四アンテナ140のうち、送信アンテナに設定されているアンテナから、1無線フレームの送信部150の出力信号が送信される。なお、この1無線フレームの送信部150の出力信号の末尾には、品質測定用リファレンス信号が含まれている。
【0048】
次に、スイッチ制御部152は、1無線フレームから1リファレンス信号を引いた時間の時間待ちをする(Sb3)。この間に、第一アンテナ110から第四アンテナ140のうち、送信アンテナに設定されているアンテナから、1無線フレームから1リファレンス信号を引いた時間の送信部150の出力信号が送信される。なお、この1無線フレームから1リファレンス信号を引いた時間の送信部150の出力信号の末尾には、品質測定用リファレンス信号の直前の信号までが含まれている。次に、スイッチ制御部152は、スイッチ151を制御して、優先待機アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させたのち(Sb4)、1リファレンス信号の時間待ちをする(Sb5)。この間に、第一アンテナ110から第四アンテナ140のうち、優先待機アンテナに設定されているアンテナから、1リファレンス信号分の送信部150の出力信号、すなわち品質測定用リファレンス信号が送信される。
【0049】
次に、スイッチ制御部152は、スイッチ151を制御して、送信アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させる(Sb6)。次に、スイッチ制御部152は、1無線フレームの時間待ちをする(Sb7)。次に、スイッチ制御部152は、ベースバンド処理部160に問い合わせて、ここまでの処理の間に、基地局装置200から送信アンテナ変更の通知が有ったか否かを判定する(Sb8)。
【0050】
この判定の結果、送信アンテナ変更の通知が有ったときは(Sb8−Yes)、ステップSb11に遷移して、スイッチ制御部152は、該通知にて指定されたアンテナを、送信アンテナに設定する(Sb11)。次に、スイッチ制御部152は、スイッチ151を制御して、送信アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させる(Sb12)。次に、スイッチ制御部152は、1無線フレームの時間待ちをする(Sb13)。これにより、送信アンテナ変更の通知にて指定されたアンテナからデータおよび品質測定用リファレンス信号を送信する。
【0051】
次に、スイッチ制御部152は、送信アンテナを変更せずに品質測定用リファレンス信号を送信した回数を表す回数nをクリアして「0」にする(Sb14)。次に、スイッチ制御部152は、予め設定された順番に従い、優先待機アンテナを変更し(Sb15)、ステップSb3に戻って処理を繰り返す。ここで、予め設定された順番は、送信アンテナ決定部214のステップSa7と同じ順番であって、本実施形態では、送信アンテナを除くアンテナの番号順なので、例えば、先に優先待機アンテナだったのが第三アンテナ130であれば、次の第四アンテナ140が優先待機アンテナとなる。
【0052】
一方、ステップSb8の判定の結果、送信アンテナ変更の通知が無かったときは(Sb8−No)、ステップSb9に遷移して、スイッチ制御部152は、送信アンテナを変更せずに品質測定用リファレンス信号を送信した回数を表す回数nをインクリメントして、1増やす(Sb9)。次に、スイッチ制御部152は、この回数nが、予め設定された回数nの最大値より大きいか否かを判定する(Sb10)。この最大値は、送信アンテナ決定部214のステップSa10にて用いた最大値と同じ値である。大きいと判定したときは(Sb10−Yes)、前述のステップSb14に遷移して、以降の処理を行う。一方、ステップSb10の判定にて大きくないと判定したときは(Sb10−No)、ステップSb3に戻って、以降の処理を繰り返す。
【0053】
図2および図3で示したように、移動通信装置100のスイッチ制御部152と基地局装置200の送信アンテナ決定部214とは、予め設定された同一の規則に従い、優先待機アンテナを変更する。なお、本実施形態では、予め設定された同一の規則として、予め設定された最大値を、移動通信装置100が品質測定用リファレンス信号を送信した回数nが超えたときに(ステップSa10、Sb10)、予め設定された順番(送信アンテナを除くアンテナの番号順)に従い優先待機アンテナを変更する(ステップSa12、Sb15)という規則を用いている。
【0054】
本実施形態により、アンテナを切り替える回数の最大値を予め通知する必要はあるが、2アンテナにおけるアンテナ切替手順から最小限の変更により3アンテナ以上のアンテナ切替を実施することができる。アンテナ切替は、送信アンテナがレイリーフェージング等により特性が劣化した場合に、他のアンテナで通信を行うように切り替えることにより特性を維持することを目的としている。しかし、移動通信装置は、例えばアンテナ部分を手で覆うなど、使用方法により特定のアンテナの特性が劣化してしまいアンテナ切替の効果が十分に発揮できないことが考えられる。本実施形態では2つのアンテナの切替がある一定期間発生しない場合に、待機アンテナを変更することによってアンテナ切替をうまく行うことができる状態を維持することができる。
【0055】
[第2の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、第2の実施形態における移動通信システム全体のネットワーク概略構成を示すブロック図である。同図において図1の各部に対応する部分には同一の符号(110〜151、160、210〜213、300)を付け、その説明を省略する。移動通信システム10aは、移動通信装置100a(第1の通信装置とも称する)と、移動通信網300に接続された基地局装置200a(第2の通信装置とも称する)とを備える。移動通信装置100aは、スイッチ制御部152に替えて、スイッチ制御部152aを備える点を除いて、図1の移動通信装置100と同一である。基地局装置200aは、送信アンテナ決定部214に替えて、送信アンテナ決定部214aを備える点を除いて、図1の基地局装置200と同一である。
【0056】
第2の実施形態における品質測定用リファレンス信号送信の動作について、図6を参照して説明する。図6は、移動通信装置100aが送信する信号を説明する図である。図6において、横軸は時間であり、一番上の段は、各無線フレームにおける送信アンテナの番号を表す。二番目から五番目の段は、それぞれ、第一アンテナ110から第四アンテナ140が品質測定用リファレンス信号を送信しているか否かを表す。ハッチングされているときは、その無線フレームの末尾において、該アンテナから品質測定用リファレンス信号が送信されることを表す。ハッチングされていないときは、品質測定用リファレンス信号が送信されないことを表す。また、六番目の段は、時間順に付された無線フレームの番号を表す。
【0057】
図6の最初、すなわち無線フレーム#0においては、第一アンテナ110が送信アンテナであり、その他の第二アンテナ120、第三アンテナ130および第四アンテナ140が待機アンテナである、さらに、第二アンテナ120が、優先待機アンテナである。移動通信装置100aは、この第二アンテナ120と送信アンテナである第一アンテナ110とから、交互に品質測定用リファレンス信号を送信している。無線フレーム#1の時刻に第二アンテナ120から送信された品質測定用リファレンス信号SRS500から算出した伝搬路品質が、無線フレーム#0の時刻に第一アンテナ110から送信された品質測定用リファレンス信号から算出した伝搬路品質よりも品質が良いと判定したため、基地局装置200は、伝搬路品質の良い第二アンテナ120に、送信アンテナを変更し、元の送信アンテナである第一アンテナ110に、優先待機アンテナを変更するように指示する優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知を、移動通信装置100aに無線フレーム#2の時刻に送信する。
【0058】
次に、無線フレーム#4の時刻に第一アンテナ110から送信された品質測定用リファレンス信号SRS501から算出した伝搬路品質が、無線フレーム#3の時刻に第二アンテナ120から送信された品質測定用リファレンス信号から算出した伝搬路品質よりも品質が良いと判定したため、基地局装置200aは、第二アンテナ120を優先待機アンテナに、第一アンテナ110を送信アンテナに変更するように指示する優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知を、移動通信装置100aに無線フレーム#5の時刻に送信する。
【0059】
次に、無線フレーム#11の時刻に品質測定用リファレンス信号SRS502を受信した基地局装置200aは、第一アンテナ110と第二アンテナ120とから3回ずつ品質測定用リファレンス信号を受信したもののアンテナ切替が発生しなかったため、第一アンテナ110と第三アンテナ130とから交互に品質測定用リファレンス信号の送信を行うように、優先待機アンテナを第三アンテナ130に変更する優先待機アンテナ変更の通知を無線フレーム#12の時刻に、移動通信装置100aに送信する。
【0060】
次に、無線フレーム#17の時刻に品質測定用リファレンス信号SRS503を受信した基地局装置200aは、第一アンテナ110と第三アンテナ130とから3回ずつ品質測定用リファレンス信号を受信したもののアンテナ切替が発生しなかったため、第一アンテナ110と第四アンテナ140とから交互に品質測定用リファレンス信号の送信を行うように、優先待機アンテナを第三アンテナ130に変更する優先待機アンテナ変更の通知を無線フレーム#18の時刻に、移動通信装置100aに送信する。
【0061】
次に、無線フレーム#19の時刻に第四アンテナ140から送信された品質測定用リファレンス信号SRS504から算出した伝搬路品質が、第一アンテナ110から無線フレーム#18の時刻に送信された品質測定用リファレンス信号から算出した伝搬路品質よりも品質が良いため、優先待機アンテナを第一アンテナ110に、送信アンテナを第四アンテナ140に変更するよう優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知を、無線フレーム#20の時刻に移動通信装置100aに通知する。
【0062】
次に、無線フレーム#21から#26は送信アンテナが変わらなかったとする。品質測定用リファレンス信号SRS505を受信した基地局装置200aは第四アンテナ140と第一アンテナ110とから3回ずつ品質測定用リファレンス信号を受信したもののアンテナ切替が発生しなかったため、第四アンテナ140と第二アンテナ120から交互に品質測定用リファレンス信号の送信を行うように、優先待機アンテナを第二アンテナ120に変更する優先待機アンテナ変更の通知を無線フレーム#27の時刻に要求する。なお、図6では基地局装置200aがそれぞれのアンテナから品質測定用リファレンス信号を3回受信してアンテナの切替を行うよう通知をしたが、この3回、すなわち最大回数は他の値であってもよい、また、アンテナ切替が行われなかった回数ではなく、送信アンテナと優先待機アンテナの伝搬路品質の差や比と、予め設定され閾値とを比較して、アンテナ切替の判定を行う、例えば、差が閾値より大きいときにアンテナ切替を行うと判定するなどしてもよい。
【0063】
図7は、本実施形態における送信アンテナ決定部214aの動作を説明するフローチャートである。送信アンテナ決定部214aは、送信アンテナのアンテナ番号と、優先待機アンテナのアンテナ番号とを、予め記憶している。まず、送信アンテナ決定部214aは、動作を開始すると、ベースバンド処理部213から送信アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けて、予め記憶している既知の品質測定用リファレンス信号と比較し、伝搬路品質を測定する(Sc1)。次に、送信アンテナ決定部214aは、ベースバンド処理部213から優先待機アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けて、予め記憶している既知の品質測定用リファレンス信号と比較し、伝搬路品質を測定する(Sc2)。送信アンテナ決定部214aは、ステップSc1で測定した送信アンテナの伝搬路品質と、ステップSc2で測定した優先待機アンテナの伝搬路品質とを比較し、優先待機アンテナの伝搬路品質が、送信アンテナの伝搬路品質よりも大きい(良い)か否かを判定する(Sc3)。
【0064】
ステップSc3にて大きくないと判定したときは(Sc3−No)、ステップSc9に遷移して、送信アンテナ決定部214aは、品質測定用リファレンス信号を受信した回数を表す回数nを、インクリメントして、1増やす。次に、送信アンテナ決定部214aは、この回数nが、予め設定された回数nの最大値より大きいか否かを判定する(Sc10)。大きいと判定したときは(Sc10−Yes)、ステップSc11に遷移して、送信アンテナ決定部214aは、予め設定された順番に従い、優先待機アンテナを変更する。ここで、本実施形態では、予め設定された順番は、送信アンテナを除くアンテナの番号順なので、例えば、先に優先待機アンテナだったのが第二アンテナ120であれば、次の第三アンテナ130が優先待機アンテナとなる。
【0065】
次に、送信アンテナ決定部214aは、ステップSc11で決定したアンテナを、優先待機アンテナに設定したことを示す優先待機アンテナ変更の通知を、ベースバンド処理部213に出力し、送信部212、アンテナ210を介して移動通信装置100aに送信する(Sc12)。次に、送信アンテナ決定部214aは、品質測定用リファレンス信号を受信した回数を表す回数nを、クリアして「0」とする(Sc13)。次に、ステップSc1に戻って処理を繰り返す。また、ステップSc10の判定にて、小さいと判定したときは(Sc10−No)、ステップSc1に戻って処理を繰り返す。
【0066】
一方、ステップSc3にて大きいと判定したときは(Sc3−Yes)、ステップSc4に遷移して、送信アンテナ決定部214aは、このとき優先待機アンテナとなっているアンテナを送信アンテナに設定する。次に、送信アンテナ決定部214aは、予め設定された規則に従い選択したアンテナに、優先待機アンテナを変更する(Sc5)。ここで、本実施形態では、予め設定された規則は、ステップSc4の前に送信アンテナであったアンテナを選択することなので、例えば、先に送信アンテナだったのが第四アンテナ140で、優先待機アンテナだったのが第三アンテナ130であれば、第四アンテナ140を優先待機アンテナに設定する。さらに、送信アンテナ決定部214aは、ステップSc5で選択したアンテナを優先待機アンテナに設定したことと、ステップSc4で優先待機アンテナだったアンテナを送信アンテナに設定したことを示す優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知を、移動通信装置100aに送信するように、ベースバンド処理部213に出力する(Sc6)。この優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知は、ベースバンド処理部213、送信部212、アンテナ210を介して、移動通信装置100aに送信される。次に、送信アンテナ決定部214aは、品質測定用リファレンス信号を受信した回数を表す回数nを、クリアして「0」とする(Sc7)。
【0067】
次に、送信アンテナ決定部214aは、ベースバンド処理部213から先の送信アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けて、既知の品質測定用リファレンス信号と比較し、伝搬路品質を測定したのち(Sc8)、ステップSc1に戻って処理を繰り返す。ここで、先の送信アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けるのは、ステップSc6にて通知した優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更が、移動通信装置100aに反映される前の無線フレームを、基地局装置200aが受信しているためである。
【0068】
図8は、本実施形態におけるスイッチ制御部152aの動作を説明するフローチャートである。スイッチ制御部152aは、送信アンテナのアンテナ番号と、優先待機アンテナのアンテナ番号とを、予め記憶している。まず、スイッチ制御部152aは、スイッチ151を制御して、送信アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させる(Sd1)。次に、スイッチ制御部152aは、1無線フレームの時間待ちをする(Sd2)。この間に、第一アンテナ110から第四アンテナ140のうち、送信アンテナに設定されているアンテナから、1無線フレームの送信部150の出力信号が送信される。なお、この1無線フレームの送信部150の出力信号の末尾には、品質測定用リファレンス信号が含まれている。
【0069】
次に、スイッチ制御部152aは、1無線フレームから1リファレンス信号を引いた時間の時間待ちをする(Sd3)。この間に、第一アンテナ110から第四アンテナ140のうち、送信アンテナに設定されているアンテナから、1無線フレームから1リファレンス信号を引いた時間の送信部150の出力信号が送信される。なお、この1無線フレームから1リファレンス信号を引いた時間の送信部150の出力信号の末尾には、品質測定用リファレンス信号の直前の信号までが含まれている。次に、スイッチ制御部152aは、スイッチ151を制御して、優先待機アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させたのち(Sd4)、1リファレンス信号の時間待ちをする(Sd5)。この間に、第一アンテナ110から第四アンテナ140のうち、優先待機アンテナに設定されているアンテナから、1リファレンス信号分の送信部150の出力信号、すなわち品質測定用リファレンス信号が送信される。
【0070】
次に、スイッチ制御部152aは、スイッチ151を制御して、送信アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させる(Sd6)。次に、スイッチ制御部152aは、1無線フレームの時間待ちをする(Sd7)。次に、スイッチ制御部152aは、ベースバンド処理部160に問い合わせて、ここまでの処理の間に、基地局装置200aから優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知が有ったか否かを判定する(Sd8)。
【0071】
この判定の結果、優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知が有ったときは(Sd8−Yes)、ステップSd10に遷移して、スイッチ制御部152aは、該通知にて送信アンテナに指定されたアンテナを、送信アンテナに設定する。次に、スイッチ制御部152aは、スイッチ151を制御して、送信アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させる(Sd11)。次に、スイッチ制御部152aは、1無線フレームの時間待ちをする(Sd12)。これにより、優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知にて、送信アンテナに指定されたアンテナからデータおよび品質測定用リファレンス信号を送信する。次に、スイッチ制御部152aは、優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知にて優先待機アンテナに指定されたアンテナを、優先待機アンテナに設定したのち(Sd13)、ステップSd3に戻って処理を繰り返す。
【0072】
一方、ステップSd8の判定の結果、優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知が無かったときは(Sd8−No)、ステップSd9に遷移して、スイッチ制御部152aは、ベースバンド処理部160に問い合わせて、ここまでの処理の間に、基地局装置200aから優先待機アンテナの通知が有ったか否かを判定する(Sd10)。この判定の結果、優先待機アンテナ変更の通知が有ったときは(Sd9−Yes)、ステップSd13に遷移して、優先待機アンテナ変更の通知にて優先待機アンテナに指定されたアンテナを、優先待機アンテナに設定したのち(Sd13)、ステップSd3に戻って以降の処理を繰り返す。一方、このステップSd10の判定の結果、優先待機アンテナ変更の通知が無かったときは(Sd9−No)、ステップSd3に戻って以降の処理を繰り返す。
【0073】
図7および図8で示したように、基地局装置200aは、予め設定された規則に従い、優先待機アンテナを変更し(ステップSc10、Sc11)、該変更を表す情報を移動通信装置100aに送信し(ステップSc12)、移動通信装置100aは、この変更を表す情報を受信し(ステップSd9)、該情報に従い、優先待機アンテナを変更する(ステップSd13)
【0074】
本実施形態では予め品質測定用リファレンス信号を送信する回数を決める代わりに基地局装置からの通知(例えばL3(Layer3)メッセージ)を用いて送信アンテナを切り替える。
なお、基地局装置200aが優先待機アンテナを変更して通知を行う予め設定された規則としては、上述の実施形態と同様に基地局装置200aにてある一定回数の品質測定用リファレンス信号を送信するアンテナの切替が発生しない場合に、優先待機アンテナを変更する通知を行うこととしても良いし、その他の規則でも良い。その他の規則としては、例えば2つのアンテナから算出した伝搬路品質差あるいは比が予め設定された閾値以上になった場合に、当面アンテナ切替が起こらない可能性が高いとして優先待機アンテナを変更する通知を行うとすることがある。
【0075】
本実施形態によれば、基地局装置200aだけの判断により適応的に優先待機アンテナの変更を通知する基準を設定するので、基地局装置200aで算出した伝搬路品質に基づき、優先待機アンテナの変更を決定することができる。
【0076】
[第3の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。装置の構成は第1の実施形態と同一である。図9は、第3の実施形態における移動通信システム全体のネットワーク概略構成を示すブロック図である。同図において図1の各部に対応する部分には同一の符号(110〜151、160、210〜213、300)を付け、その説明を省略する。移動通信システム10bは、移動通信装置100bと、移動通信網300に接続された基地局装置200bとを備える。移動通信装置100bは、スイッチ制御部152に替えて、スイッチ制御部152bを備える点を除いて、図1の移動通信装置100と同一である。基地局装置200bは、送信アンテナ決定部214に替えて、送信アンテナ決定部214bを備える点を除いて、図1の基地局装置200と同一である。
【0077】
第3の実施形態における品質測定用リファレンス信号送信の動作について、図10を参照して説明する。図10は、移動通信装置100bが送信する信号を説明する図である。図10において、横軸は時間であり、一番上の段は、各無線フレームにおける送信アンテナの番号を表す。二番目から五番目の段は、それぞれ、第一アンテナ110から第四アンテナ140が品質測定用リファレンス信号を送信しているか否かを表す。ハッチングされているときは、その無線フレームの末尾において、該アンテナから品質測定用リファレンス信号が送信されることを表す。ハッチングされていないときは、品質測定用リファレンス信号が送信されないことを表す。また、六番目の段は、時間順に付された無線フレームの番号を表す。
【0078】
無線フレーム#0〜#7、#12〜#19では、送信アンテナである第一アンテナ110と優先待機アンテナである第二アンテナ120から交互に品質測定用リファレンス信号を送信するように、スイッチ制御部152bはスイッチ151を制御する。本実施形態では、基地局装置200bが、予め設定された第1の規則に従い、優先待機アンテナを変更するタイミングを決定し、このタイミングを表す情報である待機アンテナ巡回の要求を送信する。そして、基地局装置200bは、この決定したタイミングに、予め設定された第2の規則に従い、優先待機アンテナを変更する。さらに、移動通信装置100bは、この待機アンテナ巡回の要求を受信し、該要求が表すタイミングに、第2の規則に従い、優先待機アンテナを変更する。
【0079】
本実施形態では、この予め設定された第1の規則は、送信アンテナの変更無しに、連続して6回の品質測定用リファレンス信号を送信されたときに、その次の優先待機アンテナを変更することであり、予め設定された第2の規則は、そのときの優先待機アンテナを除く、待機アンテナをアンテナ番号順に、優先待機アンテナに変更することである。
【0080】
基地局装置200bが、予め設定された第1の規則に従い、送信アンテナの変更無しに、連続して6回の品質測定用リファレンス信号を送信されたときに、待機アンテナ巡回の要求を無線フレーム#8及び#20の時刻に送信する。移動通信装置100bは、この待機アンテナ巡回の要求を、無線フレーム#8及び#20の時刻に受信すると、該要求をベースバンド処理部160から受けた移動通信装置100bのスイッチ制御部152は、第二アンテナ120から品質測定用リファレンス信号を送信する代わりに待機アンテナである第三アンテナ130および第四アンテナ140をアンテナ番号順に1回ずつ優先待機アンテナとし、そのときの優先待機アンテナから1回ずつ送信アンテナと交互に品質測定用リファレンス信号を送信するようにスイッチ151を制御して、待機アンテナ巡回を行なう。
【0081】
基地局装置200bの送信アンテナ決定部214bは、第三アンテナ130が第一アンテナ110より伝搬路品質が良ければ第三アンテナ130を送信アンテナに設定し、第一アンテナ110を優先待機アンテナに設定し、第二アンテナ120は通常の待機アンテナに設定する。第四アンテナ140が第一アンテナ110より伝搬路品質が良ければ、送信アンテナ決定部214bは、第四アンテナ140を送信アンテナに設定し、第一アンテナ110を優先待機アンテナ、第二アンテナ120を通常の待機アンテナに設定する。
【0082】
このとき、送信アンテナ決定部214bは、少なくとも、送信アンテナとしたアンテナを示す送信アンテナ変更の通知を、ベースバンド処理部213、送信部212、アンテナ210を介して移動通信装置100bに送信する。なお、送信アンテナを変更したときの優先待機アンテナについては、送信アンテナ決定部214bが、優先待機アンテナとしたアンテナを示す優先待機アンテナ変更の通知も、送信アンテナ変更の通知と同様にして送信するようにしてもよいし、基地局装置200bの送信アンテナ決定部214bおよび移動通信装置100bのスイッチ制御部152bとで、予め設定された同一の規則を用いて、同じアンテナを優先待機アンテナに選択するようにしてもよい。
【0083】
なお、図10では無線フレーム#23の時刻に第四アンテナ140から送信した品質測定用リファレンス信号SRS600が、無線フレーム#22の時刻に第一アンテナ110から送信した品質測定用リファレンス信号よりも伝搬路品質が良いと判定しており、この判定結果に従い、基地局装置200bの送信アンテナ決定部は、無線フレーム#24の時刻に送信アンテナを第四アンテナ140に切り替える送信アンテナ変更の通知を、移動通信装置100bに送信する。移動通信装置100bは、その送信アンテナ変更の通知を受けた後は、送信アンテナである第四アンテナ140と優先待機アンテナである第一アンテナ110とから交互に品質測定用リファレンス信号を送信する。
【0084】
なお、待機アンテナ巡回を行った際に、基地局装置200bの送信アンテナ決定部214bが、通常の待機アンテナが送信アンテナよりは伝搬路品質が悪いものの、優先待機アンテナより伝搬路品質が良いと判定したときに、送信アンテナ決定部214bが、伝搬路品質の良い通常の待機アンテナを、優先待機アンテナとする優先待機アンテナ変更の通知を、ベースバンド処理部213、送信部212、アンテナ210を介して送信するようにしてもよい。
【0085】
また、基地局装置200bからの待機アンテナ巡回の要求を受けると、予め設定された第2の規則として、移動通信装置100bのスイッチ制御部152bは、全ての通常の待機アンテナを順に優先待機アンテナとし、各アンテナが優先待機アンテナになったときに品質測定用リファレンス信号を送信するのではなく、一部だけを優先待機アンテナとし、送信するようにしてもよい。例えば、図10では無線フレーム#8、#20の時刻の要求において、第三アンテナ130と第四アンテナ140との両方から品質測定用リファレンス信号を送信する要求を行っているが、例えば無線フレーム#8の時刻では次に第三アンテナ130から、無線フレーム#20の時刻では次に第四アンテナ140から品質測定用リファレンス信号を要求するのでもよい。また、2回ずつ送信するなど回数の指定を加えてもよい。また、基地局装置からの要求でなくても、予め通常待機アンテナから品質測定用リファレンス信号を送信する周期を決めておいてもよい。
【0086】
本実施形態によれば、第二アンテナ120の伝搬路品質よりも、第三アンテナ130の伝搬路品質が良いときには、第一アンテナ110と第三アンテナから交互に品質測定用リファレンス信号の送信を行うようになるため、アンテナ切替が発生しにくくなる可能性を防止することができる。
【0087】
なお、上述の第1から第3の実施形態では、送信アンテナが1本であるとして説明したが、送信アンテナが2本またはそれ以上であってもよく、待機アンテナが2本またはそれ以上あれば、それらの一部を優先待機アンテナとすることで効果が得られる。このとき、品質測定用リファレンス信号を、2本の送信アンテナから同時に送信するようにしてもよい。
また、上述の第1から第3の実施形態では、優先待機アンテナが1本であるとして説明したが、全ての待機アンテナが優先待機アンテナとなるのでなければ、優先待機アンテナが2本またはそれ以上であってもよい。
【0088】
また、図1におけるスイッチ制御部152、ベースバンド処理部160、213、送信アンテナ決定部214、および図5におけるスイッチ制御部152a、ベースバンド処理部160、213、送信アンテナ決定部214a、および図9におけるスイッチ制御部152b、ベースバンド処理部160、213、送信アンテナ決定部214bの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、これらの処理を行ってもよいし、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0089】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0090】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、携帯電話装置を移動通信装置とする移動通信システムに用いて好適であるが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】この発明の第1の実施形態における移動通信システム全体のネットワーク概略構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における移動通信装置100が送信する信号を説明する図である。
【図3】同実施形態における送信アンテナ決定部214の動作を説明するフローチャートである。
【図4】同実施形態におけるスイッチ制御部152の動作を説明するフローチャートである。
【図5】この発明の第2の実施形態における移動通信システム全体のネットワーク概略構成を示すブロック図である。
【図6】同実施形態における移動通信装置100aが送信する信号を説明する図である。
【図7】同実施形態における送信アンテナ決定部214aの動作を説明するフローチャートである。
【図8】同実施形態におけるスイッチ制御部152aの動作を説明するフローチャートである。
【図9】この発明の第3の実施形態における移動通信システム全体のネットワーク概略構成を示すブロック図である。
【図10】同実施形態における移動通信装置100bが送信する信号を説明する図である。
【図11】従来の移動通信装置が送信する信号を詳細に説明する図である。
【図12】従来の移動通信装置が送信する信号を説明する図である。
【符号の説明】
【0093】
10、10a、10b…移動通信システム
100、100a、100b…移動通信装置
110…第一アンテナ
111…第一受信部
120…第二アンテナ
121…第二受信部
130…第三アンテナ
131…第三受信部
140…第四アンテナ
141…第四受信部
150…送信部
151…スイッチ
152、152a、152b…スイッチ制御部
160…ベースバンド処理部
200、200a、200b…基地局装置
210…アンテナ
211…受信部
212…送信部
213…ベースバンド処理部
214、214a、214b…送信アンテナ決定部
300…移動通信網
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システム、通信装置、および無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基地局装置からの送信信号を移動通信装置において受信する下りリンクの場合は、基地局装置と移動通信装置との相対位置の変動により、レイリーフェージングが発生する。このレイリーフェージングの発生により、受信信号の位相や振幅が大きく変動する。そして、移動通信装置は、このような変動を伴う受信において信号振幅が大きく落ちた場合、受信信号の特性が大幅に劣化し、復調処理を行うことが困難となってしまうという問題を生じる。このような現象は、逆方向のリンク、即ち移動通信装置から送信された信号を基地局装置において受信する上りリンクの場合にも同様に生じ得る。
【0003】
このようなレイリーフェージングへの対策として、従来から各種手法が提案されている。上りリンクの場合の一つの例として、移動通信装置側で、複数のアンテナを使用することによって、空間ダイバーシティ効果を得る手法がある。空間ダイバーシティとは、空間的に離れた複数のアンテナを用いて信号を送信又は受信することにより、ダイバーシティ効果を得る技術である。空間ダイバーシティを導入することにより、例えば、一方のアンテナから送信された受信信号の振幅が大きく落ち込んだ場合に、他方のアンテナを利用して送信を行うことが可能となる。空間ダイバーシティは、アンテナ間の空間的相関が低くなると、それらのアンテナから送信された信号それぞれに対する受信側での受信電界強度が独立に変動する、という特性を利用する。
【0004】
複数のアンテナの利用方法として、いずれか一つを選択して送信する手法と、それぞれについて何らかの重み付けを施した後に双方から同時送信することで、受信側で最適な受信ができるよう指向性を制御する手法とが考えられる。また複数アンテナの他の利用方法として、電波環境が良好な場合には、双方のアンテナより異なるデータ列を並列で送信する空間多重(MIMO:Multiple Input Multiple Output、多入力/多出力)方法もある。いずれか一つを選択して送信する方法を用いると、PA(Power Amplifier;電力増幅器)を含めた送信にかかわる装置が複数個必要ないため移動通信装置のコスト面で有利となる。
【0005】
複数の移動通信装置と通信する基地局装置において、移動通信装置の複数のアンテナから一つのアンテナを選択する処理を実行するためには、以下のような処理が必要となる。まず、移動通信装置は、各アンテナから、制御信号である伝搬路の品質測定用リファレンス信号(SRS:Sounding Reference Signal)を送信する。そして、基地局装置は、移動通信装置の各アンテナから送信された品質測定用リファレンス信号を受信し、それぞれの品質測定用リファレンス信号について例えば、受信SINR(Signal to Interference Noise Ratio;信号対干渉雑音比)を測定して、品質評価を行い、それぞれの品質指標を得る。そして、基地局装置は、その品質指標に基づいて、いずれのアンテナによって通信を行うべきか選択する。
【0006】
このように、複数のアンテナから一つのアンテナを選択して送信するシステムでは、データ送信を行なっているアンテナに限らず、移動通信装置が備える他のアンテナからも品質測定用リファレンス信号を送信する必要がある。そのため、時折アンテナを切り替えて品質測定用リファレンス信号を送信する必要が生じる。
【0007】
以下、図面を参照して、移動通信装置が第一アンテナと第二アンテナという二つのアンテナを有する場合における、基地局装置が品質測定用リファレンス信号に基づいて実行するアンテナの切替処理について説明する。図11と図12は、上述した品質測定用リファレンス信号送信の動作を示す図であり、移動通信装置から基地局装置への通信、すなわち上りリンクの状況を表している。図12は図11と同じ意味を表す図である。図12のほうが簡単な図であるが、図11のほうがデータ通信の詳細がわかりやすいため、本説明ではまず図11を用いて説明する。
【0008】
図11において、移動通信装置は第一アンテナ及び第二アンテナという2つのアンテナを備える。図11は、上から順にそれぞれ第一アンテナ及び第二アンテナが送信する上りリンクの信号の状況を示しており、縦軸は周波数、横軸は時間を表している。また、図11において、ハッチングされた矩形(SRS400〜SRS407)は、品質測定用リファレンス信号を表し、白色の矩形(D300〜D307)はデータ信号を示している。また、破線で区切った領域は無線フレームであり、各々の無線フレームには早い時間のものから順に#0、#1、・・・#7というように番号を振る。図11に示すように、この例では、品質測定用リファレンス信号は、無線フレーム各々の末尾に、送信可能な周波数帯域全体に渡って配置され、データ信号は送信可能な周波数帯域の一部(サブキャリア)に配置される。
【0009】
移動通信装置は、図11に示すように、定期的に(ここでは各無線フレームの末尾)品質測定用リファレンス信号を第一アンテナと第二アンテナから交互に送信する。基地局装置は、第一アンテナ及び第二アンテナから送信された品質測定用リファレンス信号を受信して、各アンテナから送信される信号の品質を測定することで伝搬路品質を測定する。この測定結果に基づき、基地局装置は、データ送信に割り当てるリソースブロック(送信の単位)や、その後の変調方式、符号化方式などを、この品質に基づいて最適であるものに決定し、移動通信装置に指示する。
【0010】
図11に示されるように、たとえ第一アンテナによるデータ信号の送信が行われている間(例えば、無線フレーム#0〜#4)であるとしても、第一アンテナおよび第二アンテナから品質測定用リファレンス信号が交互に送信される。なぜなら、基地局装置において第二アンテナから送信された信号の方が良い品質であると判断して、使用されるアンテナを第二アンテナに切り替えられるようにするためである。このような切り替えが行われる可能性があるため、第二アンテナからも品質測定用リファレンス信号の送信が行われる必要がある。以下、データ信号の送信を行っているアンテナを「送信アンテナ」と称し、データ信号の送信を行っていないアンテナを「待機アンテナ」と称する。
【0011】
基地局装置は送信アンテナから送信した品質測定用リファレンス信号と待機アンテナから送信した品質測定用リファレンス信号の品質を比較し、送信アンテナを切り替える操作を行う。図11では、待機アンテナからの品質測定用リファレンス信号SRS403を基地局装置が受信した際に、送信アンテナからの品質測定用リファレンス信号SRS402と比較して品質が良いと判断した時の動作である。この場合、基地局装置は、移動通信装置に対し、無線フレーム#4の区間で、データ送信に割り当てるリソースブロック、変調方式、符号化方式に加え、アンテナ切替指示を送信することによって、送信アンテナを切り替える指示を行う。
【0012】
この指示を受信した移動通信装置は、指示に従ってデータ送信に割り当てるリソースブロック、変調方式、符号化方式を設定するともに、無線フレーム#5の区間から、送信アンテナを第二アンテナに切り替える。このような動作によって、常に最適なアンテナによる安定した通信を行なうことが可能となる。また、品質測定用リファレンス信号は、基地局装置におけるアンテナ切り替えの判断のみに用いられるわけではなく、例えば、現在検討されているLTE(Long Term Evolution:3GPP(3rd Generation Partnership Project、第三世代パートナシップ・プロジェクト)の発展系)においては、リソースの割り当てや、適応変調符号化(AMC;Adaptive Modulation and Coding)方式などの判定を行うために品質測定用リファレンス信号が利用されることが検討されている(非特許文献1参照)。
【0013】
この方式では、待機アンテナが品質測定用リファレンス信号を送信するタイミングでは、送信アンテナによる品質測定用リファレンス信号の送信が実行されない(図11における品質測定用リファレンス信号SRS401を送信するタイミング)。この場合、送信アンテナについて、品質測定用リファレンス信号SRS401を送信するタイミングにおける品質評価は、基地局装置において実行されないことになる。そのため、次の無線フレーム#2の区間における送信アンテナについて、リソースブロック割り当てや適応変調符号化方式の制御を、基地局装置が最適に実行することが難しくなる。そして、このような問題に対処するため、マージンを考慮し、直前に測定した送信アンテナの信号品質(ここでは品質測定用リファレンス信号SRS400のタイミングの品質)に基づいて、若干劣化することを想定した適応変調符号化方式の設定を行う必要が生じる。
【0014】
その結果、送信アンテナの最新の信号品質に対応した制御を行うことができず、スループットが低下し、システムとしての特性劣化を招いてしまうという問題がある。すなわち、最適なリソース割り当てや適応変調符号化方式を実現することができず、通信品質が劣化するという問題がある。
しかしながら、そのような問題を考慮しても第一のアンテナのみを使用して通信を行うよりも第一のアンテナと第二のアンテナのアンテナ切替を行ったほうが良い特性が得られることが知られている。
【0015】
次に図12の説明を行う。本発明では図11における白色の矩形であるデータ信号の無線フレーム内における配置を詳しく示すことはそれほど重要ではないため、ここで図12の形式を記載し、今後は本形式を用いて説明を行う。図12では、ハッチングされた矩形は、その時間領域内に品質測定用リファレンス信号SRSを送信することを表す。また、送信アンテナの行に記載した数字はその時間(無線フレーム)における送信アンテナが第一送信アンテナであるか(「1」)、第二送信アンテナであるか(「2」)を示す。送信アンテナの行に記載されていない数字のアンテナは待機アンテナとなる。
【0016】
即ち、図12では無線フレーム#0から#4の時間では第一アンテナが送信アンテナで第二アンテナが待機アンテナ、無線フレーム#5から#7の時間では第二アンテナが送信アンテナで第一アンテナが待機アンテナとなる。このように無線フレーム#5から送信アンテナを切り替えるのは、基地局装置が無線フレーム#3の時間の品質測定用リファレンス信号を受信した結果第二アンテナの特性が良いと判断し、無線フレーム#4の時間にアンテナを切り替える通知を行うことにより実現される。
【非特許文献1】“Closed Loop antenna Switching in E-UTR Uplink”、[online]、3GPP TSG RN WG1 Meeting #48、[平成20年1月18日検索]、インターネット<URL:ftp://ftp.3gpp.org/tsg_rn/WG1_RL1/TSGR1_48/Docs/R1-070860.zip>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
空間ダイバーシィティあるいは空間多重方法を用いる場合、アンテナ数が多いほど品質が良好なアンテナが存在する可能性が高くなるため、スループットが増加することが期待できる。しかしながら、待機アンテナ数を増加させると待機アンテナから送信する品質測定用リファレンス信号の数も増加するため、データを送信する送信アンテナにおいて、品質測定用リファレンス信号を送信する頻度が低下し、最新の信号品質に対応した制御(スケジューリングなど)を行うことができずに、通信品質の劣化がより多く引き起こされる可能性があるという問題がある。
【0018】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、複数のアンテナにおいて品質測定用リファレンス信号を送信するシステムにおいて、待機アンテナ数が増えることによる通信品質の劣化を抑制することができる無線通信システム、通信装置、および無線通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(1)この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の無線通信システムは、3つまたはそれを超える数のアンテナを備える第1の通信装置と、前記第1の通信装置が送信したデータを受信する第2の通信装置とを備える無線通信システムにおいて、前記第1の通信装置は、伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信し、前記第2の通信装置は、前記送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、前記一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、前記第1の通信装置がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する送信アンテナ決定部を具備することを特徴とする。
【0020】
(2)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記第1の通信装置および前記第2の通信装置は、予め設定された同一の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更することを特徴とする。
【0021】
(3)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記第2の通信装置は、予め設定された規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更し、該変更を表す情報を前記第1の通信装置に送信し、前記第1の通信装置は、前記変更を表す情報を受信し、該情報に従い、前記一部の待機アンテナを変更することを特徴とする。
【0022】
(4)また、本発明の無線通信システムは、上述の無線通信システムであって、前記第2の通信装置は、予め設定された第1の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更するタイミングを決定し、該タイミングを表す情報を前記第1の通信装置に送信し、前記決定したタイミングに、予め設定された第2の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更し、前記第1の通信装置は、前記タイミングを表す情報を受信し、該情報が表すタイミングに、前記予め設定された第2の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更することを特徴とする。
【0023】
(5)また、本発明の通信装置は、3つまたはそれを超える数のアンテナを備える通信装置において、伝搬路の品質測定用のリファレンス信号であって、当該通信装置によるデータの送信に用いるアンテナを決めるためのリファレンス信号を、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信することを特徴とする。
【0024】
(6)また、本発明の通信装置は、3つまたはそれを超える数のアンテナを備える通信相手が、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信した伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を受信する通信装置において、前記送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、前記一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、前記通信相手がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する送信アンテナ決定部を具備することを特徴とする。
【0025】
(7)また、本発明の無線通信方法は、3つまたはそれを超える数のアンテナを備える第1の通信装置と、前記第1の通信装置が送信したデータを受信する第2の通信装置とを備える無線通信システムにおける無線通信方法において、前記第1の通信装置が、伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信する第1の過程と、前記第2の通信装置が、前記送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、前記一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、前記第1の通信装置がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する第2の過程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、複数のアンテナにおいて品質測定用リファレンス信号を送信するシステムにおいて、データを送信していないアンテナである待機アンテナの数が増えることによる通信品質の劣化を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態における移動通信システム全体のネットワーク概略構成を示すブロック図である。本実施形態における無線通信システムである移動通信システム10は、複数のアンテナを備えた複数の移動通信装置100(第1の通信装置とも称する)と、基地局装置200(第2の通信装置とも称する)とを備える。基地局装置200は、移動通信網300に接続される。
【0028】
移動通信装置100は、基地局装置200と、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access;直交周波数分割多元接続)、あるいは、DFT−S−OFDM(Discrete Fourier Transform Spread Orthogonal Frequency Division Multiplexing;離散フーリエ変換拡散直交周波数分割多重、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access;シングルキャリア周波数分割多元接続)とも称される)方式など、帯域を分割した複数のサブキャリアに信号を割当てて送信する無線通信を行う。移動通信装置100と基地局装置200とは、該無線通信により、データを送受信し、移動通信装置100は、基地局装置200を介することにより、または基地局装置200および移動通信網300を介することにより、他の通信装置と、データの送受信を行う。
【0029】
移動通信装置100は、第一アンテナ110、第二アンテナ120、第三アンテナ130、第四アンテナ140を備え、これらの複数のアンテナにより、基地局装置200に対し、データおよび品質測定用リファレンス信号を送信する。なお、本発明は、3つまたはそれを超える数のアンテナを有していなければならないが、本実施形態では、アンテナの本数を4つとする。これらのアンテナのうち、データの送信に用いられているアンテナを送信アンテナ、それ以外のアンテナを待機アンテナという。なお、待機アンテナを用いて送信される品質測定用リファレンス信号は、移動通信装置100のアンテナ各々と、基地局装置200のアンテナ210との間の伝搬路の品質測定用のリファレンス信号であり、移動通信装置100と無線通信を行う上で、移動通信装置100のどのアンテナを用いることが適切であるかを、基地局装置200が判断するために送信される。
【0030】
移動通信装置100は、第一アンテナ110、第一受信部111、第二アンテナ120、第二受信部121、第三アンテナ130、第三受信部131、第四アンテナ140、第四受信部141、送信部150、スイッチ151、スイッチ制御部152及びベースバンド処理部160を備える。第一アンテナ110、第二アンテナ120、第三アンテナ130及び第四アンテナ140は、公知の無線通信用アンテナを用いて構成することができる。基地局装置200は、アンテナ210、受信部211、送信部212、ベースベースバンド処理部213、送信アンテナ決定部214を備える。
【0031】
第一アンテナ110は、アンテナ番号が「1」のアンテナであり、受信した信号を第一受信部111へ受け渡す。第二アンテナ120は、アンテナ番号が「2」のアンテナであり、受信した信号を第二受信部121へ受け渡す。第三アンテナ130は、アンテナ番号が「3」のアンテナであり、受信した信号を第三受信部131へ受け渡す。第四アンテナ140は、アンテナ番号が「4」のアンテナであり、受信した信号を第四受信部141へ受け渡す。また、スイッチ151は、送信部150から出力される信号を、第一アンテナ110、第二アンテナ120、第三アンテナ130および第四アンテナ140の何れかに送出する。第一アンテナ110、第二アンテナ120、第三アンテナ130および第四アンテナ140は、スイッチ151から出力信号を受けると、これを基地局装置200へ無線送信する。スイッチ制御部152は、スイッチ151が送信部150の出力信号を何れのアンテナに出力するかを制御する。この制御の詳細については、後述する。
【0032】
第一受信部111は、第一アンテナ110によって受信した信号を、無線周波数からベースバンド周波数にダウンコンバートして、ベースバンド信号に変換した後アナログデジタル変換して復調し、デジタルベースバンド信号を出力する。第二受信部121は、第二アンテナ120によって受信した信号を、第一受信部111と同様にして、ベースバンド信号に変換した後、アナログデジタル変換して復調し、デジタルベースバンド信号を出力する。第三受信部131は、第三アンテナ130によって受信した信号を、第一受信部111と同様にして、ベースバンド信号に変換した後、アナログデジタル変換して復調し、デジタルベースバンド信号を出力する。第四受信部141は、第四アンテナ140によって受信した信号を、第一受信部111と同様にして、ベースバンド信号に変換した後、アナログデジタル変換して復調し、デジタルベースバンド信号を出力する。
【0033】
ベースバンド処理部160は、第一受信部111、第二受信部121、第三受信部131及び第四受信部141から出力されるデジタルベースバンド信号を、ダイバーシティ合成して復号し、受信データを検出する。また、ベースバンド処理部160は、送信データを伝送路符号化および変調してデジタルベースバンドデータ列を生成し、送信部150に対してベースバンドデータ列を受け渡す。また、ベースバンド処理部160は、基地局装置200から送信される送信アンテナを指定する情報(送信アンテナ変更の通知)を、スイッチ制御部152に通知する。品質測定用リファレンス信号の送信に係る制御については後述する。送信部150は、ベースバンド処理部160から出力される、送信すべきベースバンドデータ列について、デジタルアナログ変換、無線周波数へのアップコンバートのなどの送信処理を行なう。
【0034】
アンテナ210は、受信した信号を受信部211へ受け渡す。また、アンテナ210は、送信部212の出力信号を移動通信装置100へ無線送信する。受信部211は、アンテナ210によって受信した信号を、無線周波数からベースバンド周波数にダウンコンバートして、ベースバンド信号に変換した後アナログデジタル変換して復調し、デジタルベースバンド信号をベースバンド処理部213に出力する。送信部212は、ベースバンド処理部213から出力される、送信すべきベースバンドデータ列について、デジタルアナログ変換、無線周波数へのアップコンバートのなどの送信処理を行ない、アンテナ210に出力する。ベースバンド処理部213は、受信部211から出力されるデジタルベースバンド信号を復号し、受信データを検出し、移動通信網300に出力する。
【0035】
また、ベースバンド処理部213は、移動通信網300からの送信データを伝送路符号化および変調してデジタルベースバンドデータ列を生成し、送信部212に対してベースバンドデータ列を受け渡す。また、ベースバンド処理部213は、受信部211から出力されるデジタルベースバンド信号のうち、品質測定用リファレンス信号については、送信アンテナ決定部214に出力する。送信アンテナ決定部214は、ベースバンド処理部213から受けた品質測定用リファレンス信号と、予め記憶している既知の品質測定用リファレンス信号とを比較して、受信SNIRなどの伝搬路品質を表す値を算出し、この伝搬路品質を表す値に基づき、移動通信装置100が品質測定用リファレンス信号を送信するアンテナの選択、すなわち優先待機アンテナの選択、送信アンテナの選択などを行なう。なお、送信アンテナ決定部214の詳細については後述する。
【0036】
次に、第1の実施形態における品質測定用リファレンス信号送信の動作について、図2を参照して説明する。図2は、移動通信装置100が送信する信号を説明する図である。図2において、横軸は時間であり、一番上の段は、各無線フレームにおける送信アンテナの番号を表す。二番目から五番目の段は、それぞれ、第一アンテナ110から第四アンテナ140が品質測定用リファレンス信号を送信しているか否かを表す。ハッチングされているときは、その無線フレームの末尾において、該アンテナから品質測定用リファレンス信号が送信されることを表す。ハッチングされていないときは、品質測定用リファレンス信号が送信されないことを表す。また、六番目の段は、時間順に付された無線フレームの番号を表す。
【0037】
図2においては、第一アンテナ110が送信アンテナであり、第二アンテナ120、第三アンテナ130および第四アンテナ140が待機アンテナである。送信アンテナの決定方法は、通信開始時点に移動通信装置100が第一アンテナ110から第四アンテナ140まで順番に一回ずつ品質測定用リファレンス信号を送信し、これらの中から最も品質のよいアンテナを基地局装置200の送信アンテナ決定部214が決定し、移動通信装置100に通知してもよいし、最初は第一アンテナ110を送信アンテナとすると予め決定しておいてもよいし、前回最後に使用した送信アンテナをそのまま送信アンテナにしてもよい。
【0038】
移動通信装置100は、品質測定用リファレンス信号を、第一アンテナ110〜第四アンテナ140のうち、データの送信に用いている送信アンテナと、送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとして選択した優先待機アンテナとから送信する。また、基地局装置200の送信アンテナ決定部214は、送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、優先待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、移動通信装置100がデータを送信する際に用いるアンテナ、すなわち送信アンテナを決定する。
【0039】
第1の実施形態では無線フレーム#0の時点において、品質測定用リファレンス信号の送信元として、すなわち送信アンテナと優先待機アンテナとして、第一アンテナ110と第二アンテナ120を選択する。なお、優先待機アンテナの決定方法は、通信開始時点に移動通信装置100が第一アンテナ110から第四アンテナ140まで順番に一回ずつ品質測定用リファレンス信号を送信し、これらの中から送信アンテナを除いて最も品質のよいアンテナを基地局装置200の送信アンテナ決定部214が決定し、移動通信装置100に通知してもよいし、最初は送信アンテナを除いたアンテナの中で、最もアンテナ番号の小さいものとするといった予め設定された規則に基づき、移動通信装置100と基地局装置200との各々で決定してもよいし、前回最後に使用した優先待機アンテナをそのまま優先待機アンテナにしてもよい。
【0040】
そして、スイッチ制御部152の制御に従いスイッチ151が切り替わるので、移動通信装置100は、この2つのアンテナから、交互に品質測定用リファレンス信号を送信する。なお、第一アンテナ110と第二アンテナ120から交互に品質測定用リファレンス信号を送信する回数の最大値は予め設定しておく。本実施形態では規定の回数として各アンテナからそれぞれ4回品質測定用リファレンス信号を送信することとする(図2の無線フレーム#0から#7までに該当する)。予め決めておく手段は基地局装置200が報知情報により、移動通信装置100に通知する方法でもよいし、通信を開始する時のメッセージに基地局装置200が埋め込んでおくようにしてもよい。
【0041】
移動通信装置100のスイッチ制御部152と基地局装置200の送信アンテナ決定部214は、予め設定された同一の規則に従い、優先待機アンテナを変更する。すなわち、本実施形態では、予め決めておいた回数の品質測定用リファレンス信号送信を行った結果、アンテナ切替が発生しない場合、優先待機アンテナを、予め決められた順番に従い切り替える。ここでは、この順番は、送信アンテナと優先待機アンテナとを除いたアンテナの番号の順であるので、優先待機アンテナを、第二アンテナ120から第三アンテナ130に切り替える。優先待機アンテナが、第三アンテナ130になったので、移動通信装置100のスイッチ制御部152は、第一アンテナ110と第三アンテナ130から交互に品質測定用リファレンス信号を送信するようにスイッチ151を制御する(無線フレーム#8から#15)。
【0042】
同様にして、第一アンテナ110と第三アンテナ130から交互に4回ずつ品質測定用リファレンス信号送信を行った結果アンテナ切替が発生しない場合、優先待機アンテナを第三アンテナ130から第四アンテナ140に切り替え、第一アンテナ110と第四アンテナ140から交互に品質測定用リファレンス信号を送信する(無線フレーム#16から#23)。さらに、第一アンテナ110と第四アンテナ140から交互に4回ずつ品質測定用リファレンス信号送信を行った結果アンテナ切替が発生しない場合、優先待機アンテナを第四アンテナ140から第二アンテナ120に切り替える。
【0043】
図3は、本実施形態における送信アンテナ決定部214の動作を説明するフローチャートである。送信アンテナ決定部214は、送信アンテナのアンテナ番号と、優先待機アンテナのアンテナ番号とを、予め記憶している。まず、送信アンテナ決定部214は、動作を開始すると、ベースバンド処理部213から送信アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けて、予め記憶している既知の品質測定用リファレンス信号と比較し、伝搬路品質を測定する(Sa1)。次に、送信アンテナ決定部214は、ベースバンド処理部213から優先待機アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けて、予め記憶している既知の品質測定用リファレンス信号と比較し、伝搬路品質を測定する(Sa2)。送信アンテナ決定部214は、ステップSa1で測定した送信アンテナの伝搬路品質と、ステップSa2で測定した優先待機アンテナの伝搬路品質とを比較し、優先待機アンテナの伝搬路品質が、送信アンテナの伝搬路品質よりも大きい(良い)か否かを判定する(Sa3)。
【0044】
ステップSa3にて大きくないと判定したときは(Sa3−No)、ステップSa9に遷移して、送信アンテナ決定部214は、品質測定用リファレンス信号を受信した回数を表す回数nを、インクリメントして、1増やす。次に、送信アンテナ決定部214は、この回数nが、予め設定された回数nの最大値より大きいか否かを判定する(Sa10)。大きいと判定したときは(Sa10−Yes)、ステップSa11に遷移して、送信アンテナ決定部214は、品質測定用リファレンス信号を受信した回数を表す回数nを、クリアして「0」とする。次に、送信アンテナ決定部214は、予め設定された順番に従い、優先待機アンテナを変更する(Sa12)。ここで、予め設定された順番は、本実施形態では、送信アンテナを除くアンテナの番号順なので、例えば、先に優先待機アンテナだったのが第二アンテナ120であれば、次の第三アンテナ130が優先待機アンテナとなる。ステップSa12の後、ステップSa1に戻って処理を繰り返す。また、ステップSa10の判定にて、小さいと判定したときは(Sa10−No)、ステップSa1に戻って処理を繰り返す。
【0045】
一方、ステップSa3にて大きいと判定したときは(Sa3−Yes)、ステップSa4に遷移して、送信アンテナ決定部214は、このとき優先待機アンテナとなっているアンテナを送信アンテナに設定する。さらに、送信アンテナ決定部214は、該アンテナを送信アンテナに設定したことを示す送信アンテナ変更通知を、移動通信装置100に送信するように、ベースバンド処理部213に出力する(Sa5)。この送信アンテナ変更通知は、ベースバンド処理部213、送信部212、アンテナ210を介して、移動通信装置100に送信される。次に、送信アンテナ決定部214は、品質測定用リファレンス信号を受信した回数を表す回数nを、クリアして「0」とする(Sa6)。次に、送信アンテナ決定部214は、予め設定された順番に従い、優先待機アンテナを変更する(Sa7)。予め設定された順番は、本実施形態では、送信アンテナを除くアンテナの番号順なので、例えば、先に優先待機アンテナだったのが第三アンテナ130であれば、次の第四アンテナ140が優先待機アンテナとなる。
【0046】
次に、送信アンテナ決定部214は、ベースバンド処理部213から先の送信アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けて、既知の品質測定用リファレンス信号と比較し、伝搬路品質を測定したのち(Sa8)、ステップSa1に戻って処理を繰り返す。ここで、先の送信アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けるのは、ステップSa5にて通知した送信アンテナ変更が、移動通信装置100に反映される前の無線フレームを、基地局装置200が受信しているためである。
【0047】
図4は、本実施形態におけるスイッチ制御部152の動作を説明するフローチャートである。スイッチ制御部152は、送信アンテナのアンテナ番号と、優先待機アンテナのアンテナ番号とを、予め記憶している。まず、スイッチ制御部152は、スイッチ151を制御して、送信アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させる(Sb1)。次に、スイッチ制御部152は、1無線フレームの時間待ちをする(Sb2)。この間に、第一アンテナ110から第四アンテナ140のうち、送信アンテナに設定されているアンテナから、1無線フレームの送信部150の出力信号が送信される。なお、この1無線フレームの送信部150の出力信号の末尾には、品質測定用リファレンス信号が含まれている。
【0048】
次に、スイッチ制御部152は、1無線フレームから1リファレンス信号を引いた時間の時間待ちをする(Sb3)。この間に、第一アンテナ110から第四アンテナ140のうち、送信アンテナに設定されているアンテナから、1無線フレームから1リファレンス信号を引いた時間の送信部150の出力信号が送信される。なお、この1無線フレームから1リファレンス信号を引いた時間の送信部150の出力信号の末尾には、品質測定用リファレンス信号の直前の信号までが含まれている。次に、スイッチ制御部152は、スイッチ151を制御して、優先待機アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させたのち(Sb4)、1リファレンス信号の時間待ちをする(Sb5)。この間に、第一アンテナ110から第四アンテナ140のうち、優先待機アンテナに設定されているアンテナから、1リファレンス信号分の送信部150の出力信号、すなわち品質測定用リファレンス信号が送信される。
【0049】
次に、スイッチ制御部152は、スイッチ151を制御して、送信アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させる(Sb6)。次に、スイッチ制御部152は、1無線フレームの時間待ちをする(Sb7)。次に、スイッチ制御部152は、ベースバンド処理部160に問い合わせて、ここまでの処理の間に、基地局装置200から送信アンテナ変更の通知が有ったか否かを判定する(Sb8)。
【0050】
この判定の結果、送信アンテナ変更の通知が有ったときは(Sb8−Yes)、ステップSb11に遷移して、スイッチ制御部152は、該通知にて指定されたアンテナを、送信アンテナに設定する(Sb11)。次に、スイッチ制御部152は、スイッチ151を制御して、送信アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させる(Sb12)。次に、スイッチ制御部152は、1無線フレームの時間待ちをする(Sb13)。これにより、送信アンテナ変更の通知にて指定されたアンテナからデータおよび品質測定用リファレンス信号を送信する。
【0051】
次に、スイッチ制御部152は、送信アンテナを変更せずに品質測定用リファレンス信号を送信した回数を表す回数nをクリアして「0」にする(Sb14)。次に、スイッチ制御部152は、予め設定された順番に従い、優先待機アンテナを変更し(Sb15)、ステップSb3に戻って処理を繰り返す。ここで、予め設定された順番は、送信アンテナ決定部214のステップSa7と同じ順番であって、本実施形態では、送信アンテナを除くアンテナの番号順なので、例えば、先に優先待機アンテナだったのが第三アンテナ130であれば、次の第四アンテナ140が優先待機アンテナとなる。
【0052】
一方、ステップSb8の判定の結果、送信アンテナ変更の通知が無かったときは(Sb8−No)、ステップSb9に遷移して、スイッチ制御部152は、送信アンテナを変更せずに品質測定用リファレンス信号を送信した回数を表す回数nをインクリメントして、1増やす(Sb9)。次に、スイッチ制御部152は、この回数nが、予め設定された回数nの最大値より大きいか否かを判定する(Sb10)。この最大値は、送信アンテナ決定部214のステップSa10にて用いた最大値と同じ値である。大きいと判定したときは(Sb10−Yes)、前述のステップSb14に遷移して、以降の処理を行う。一方、ステップSb10の判定にて大きくないと判定したときは(Sb10−No)、ステップSb3に戻って、以降の処理を繰り返す。
【0053】
図2および図3で示したように、移動通信装置100のスイッチ制御部152と基地局装置200の送信アンテナ決定部214とは、予め設定された同一の規則に従い、優先待機アンテナを変更する。なお、本実施形態では、予め設定された同一の規則として、予め設定された最大値を、移動通信装置100が品質測定用リファレンス信号を送信した回数nが超えたときに(ステップSa10、Sb10)、予め設定された順番(送信アンテナを除くアンテナの番号順)に従い優先待機アンテナを変更する(ステップSa12、Sb15)という規則を用いている。
【0054】
本実施形態により、アンテナを切り替える回数の最大値を予め通知する必要はあるが、2アンテナにおけるアンテナ切替手順から最小限の変更により3アンテナ以上のアンテナ切替を実施することができる。アンテナ切替は、送信アンテナがレイリーフェージング等により特性が劣化した場合に、他のアンテナで通信を行うように切り替えることにより特性を維持することを目的としている。しかし、移動通信装置は、例えばアンテナ部分を手で覆うなど、使用方法により特定のアンテナの特性が劣化してしまいアンテナ切替の効果が十分に発揮できないことが考えられる。本実施形態では2つのアンテナの切替がある一定期間発生しない場合に、待機アンテナを変更することによってアンテナ切替をうまく行うことができる状態を維持することができる。
【0055】
[第2の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、第2の実施形態における移動通信システム全体のネットワーク概略構成を示すブロック図である。同図において図1の各部に対応する部分には同一の符号(110〜151、160、210〜213、300)を付け、その説明を省略する。移動通信システム10aは、移動通信装置100a(第1の通信装置とも称する)と、移動通信網300に接続された基地局装置200a(第2の通信装置とも称する)とを備える。移動通信装置100aは、スイッチ制御部152に替えて、スイッチ制御部152aを備える点を除いて、図1の移動通信装置100と同一である。基地局装置200aは、送信アンテナ決定部214に替えて、送信アンテナ決定部214aを備える点を除いて、図1の基地局装置200と同一である。
【0056】
第2の実施形態における品質測定用リファレンス信号送信の動作について、図6を参照して説明する。図6は、移動通信装置100aが送信する信号を説明する図である。図6において、横軸は時間であり、一番上の段は、各無線フレームにおける送信アンテナの番号を表す。二番目から五番目の段は、それぞれ、第一アンテナ110から第四アンテナ140が品質測定用リファレンス信号を送信しているか否かを表す。ハッチングされているときは、その無線フレームの末尾において、該アンテナから品質測定用リファレンス信号が送信されることを表す。ハッチングされていないときは、品質測定用リファレンス信号が送信されないことを表す。また、六番目の段は、時間順に付された無線フレームの番号を表す。
【0057】
図6の最初、すなわち無線フレーム#0においては、第一アンテナ110が送信アンテナであり、その他の第二アンテナ120、第三アンテナ130および第四アンテナ140が待機アンテナである、さらに、第二アンテナ120が、優先待機アンテナである。移動通信装置100aは、この第二アンテナ120と送信アンテナである第一アンテナ110とから、交互に品質測定用リファレンス信号を送信している。無線フレーム#1の時刻に第二アンテナ120から送信された品質測定用リファレンス信号SRS500から算出した伝搬路品質が、無線フレーム#0の時刻に第一アンテナ110から送信された品質測定用リファレンス信号から算出した伝搬路品質よりも品質が良いと判定したため、基地局装置200は、伝搬路品質の良い第二アンテナ120に、送信アンテナを変更し、元の送信アンテナである第一アンテナ110に、優先待機アンテナを変更するように指示する優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知を、移動通信装置100aに無線フレーム#2の時刻に送信する。
【0058】
次に、無線フレーム#4の時刻に第一アンテナ110から送信された品質測定用リファレンス信号SRS501から算出した伝搬路品質が、無線フレーム#3の時刻に第二アンテナ120から送信された品質測定用リファレンス信号から算出した伝搬路品質よりも品質が良いと判定したため、基地局装置200aは、第二アンテナ120を優先待機アンテナに、第一アンテナ110を送信アンテナに変更するように指示する優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知を、移動通信装置100aに無線フレーム#5の時刻に送信する。
【0059】
次に、無線フレーム#11の時刻に品質測定用リファレンス信号SRS502を受信した基地局装置200aは、第一アンテナ110と第二アンテナ120とから3回ずつ品質測定用リファレンス信号を受信したもののアンテナ切替が発生しなかったため、第一アンテナ110と第三アンテナ130とから交互に品質測定用リファレンス信号の送信を行うように、優先待機アンテナを第三アンテナ130に変更する優先待機アンテナ変更の通知を無線フレーム#12の時刻に、移動通信装置100aに送信する。
【0060】
次に、無線フレーム#17の時刻に品質測定用リファレンス信号SRS503を受信した基地局装置200aは、第一アンテナ110と第三アンテナ130とから3回ずつ品質測定用リファレンス信号を受信したもののアンテナ切替が発生しなかったため、第一アンテナ110と第四アンテナ140とから交互に品質測定用リファレンス信号の送信を行うように、優先待機アンテナを第三アンテナ130に変更する優先待機アンテナ変更の通知を無線フレーム#18の時刻に、移動通信装置100aに送信する。
【0061】
次に、無線フレーム#19の時刻に第四アンテナ140から送信された品質測定用リファレンス信号SRS504から算出した伝搬路品質が、第一アンテナ110から無線フレーム#18の時刻に送信された品質測定用リファレンス信号から算出した伝搬路品質よりも品質が良いため、優先待機アンテナを第一アンテナ110に、送信アンテナを第四アンテナ140に変更するよう優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知を、無線フレーム#20の時刻に移動通信装置100aに通知する。
【0062】
次に、無線フレーム#21から#26は送信アンテナが変わらなかったとする。品質測定用リファレンス信号SRS505を受信した基地局装置200aは第四アンテナ140と第一アンテナ110とから3回ずつ品質測定用リファレンス信号を受信したもののアンテナ切替が発生しなかったため、第四アンテナ140と第二アンテナ120から交互に品質測定用リファレンス信号の送信を行うように、優先待機アンテナを第二アンテナ120に変更する優先待機アンテナ変更の通知を無線フレーム#27の時刻に要求する。なお、図6では基地局装置200aがそれぞれのアンテナから品質測定用リファレンス信号を3回受信してアンテナの切替を行うよう通知をしたが、この3回、すなわち最大回数は他の値であってもよい、また、アンテナ切替が行われなかった回数ではなく、送信アンテナと優先待機アンテナの伝搬路品質の差や比と、予め設定され閾値とを比較して、アンテナ切替の判定を行う、例えば、差が閾値より大きいときにアンテナ切替を行うと判定するなどしてもよい。
【0063】
図7は、本実施形態における送信アンテナ決定部214aの動作を説明するフローチャートである。送信アンテナ決定部214aは、送信アンテナのアンテナ番号と、優先待機アンテナのアンテナ番号とを、予め記憶している。まず、送信アンテナ決定部214aは、動作を開始すると、ベースバンド処理部213から送信アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けて、予め記憶している既知の品質測定用リファレンス信号と比較し、伝搬路品質を測定する(Sc1)。次に、送信アンテナ決定部214aは、ベースバンド処理部213から優先待機アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けて、予め記憶している既知の品質測定用リファレンス信号と比較し、伝搬路品質を測定する(Sc2)。送信アンテナ決定部214aは、ステップSc1で測定した送信アンテナの伝搬路品質と、ステップSc2で測定した優先待機アンテナの伝搬路品質とを比較し、優先待機アンテナの伝搬路品質が、送信アンテナの伝搬路品質よりも大きい(良い)か否かを判定する(Sc3)。
【0064】
ステップSc3にて大きくないと判定したときは(Sc3−No)、ステップSc9に遷移して、送信アンテナ決定部214aは、品質測定用リファレンス信号を受信した回数を表す回数nを、インクリメントして、1増やす。次に、送信アンテナ決定部214aは、この回数nが、予め設定された回数nの最大値より大きいか否かを判定する(Sc10)。大きいと判定したときは(Sc10−Yes)、ステップSc11に遷移して、送信アンテナ決定部214aは、予め設定された順番に従い、優先待機アンテナを変更する。ここで、本実施形態では、予め設定された順番は、送信アンテナを除くアンテナの番号順なので、例えば、先に優先待機アンテナだったのが第二アンテナ120であれば、次の第三アンテナ130が優先待機アンテナとなる。
【0065】
次に、送信アンテナ決定部214aは、ステップSc11で決定したアンテナを、優先待機アンテナに設定したことを示す優先待機アンテナ変更の通知を、ベースバンド処理部213に出力し、送信部212、アンテナ210を介して移動通信装置100aに送信する(Sc12)。次に、送信アンテナ決定部214aは、品質測定用リファレンス信号を受信した回数を表す回数nを、クリアして「0」とする(Sc13)。次に、ステップSc1に戻って処理を繰り返す。また、ステップSc10の判定にて、小さいと判定したときは(Sc10−No)、ステップSc1に戻って処理を繰り返す。
【0066】
一方、ステップSc3にて大きいと判定したときは(Sc3−Yes)、ステップSc4に遷移して、送信アンテナ決定部214aは、このとき優先待機アンテナとなっているアンテナを送信アンテナに設定する。次に、送信アンテナ決定部214aは、予め設定された規則に従い選択したアンテナに、優先待機アンテナを変更する(Sc5)。ここで、本実施形態では、予め設定された規則は、ステップSc4の前に送信アンテナであったアンテナを選択することなので、例えば、先に送信アンテナだったのが第四アンテナ140で、優先待機アンテナだったのが第三アンテナ130であれば、第四アンテナ140を優先待機アンテナに設定する。さらに、送信アンテナ決定部214aは、ステップSc5で選択したアンテナを優先待機アンテナに設定したことと、ステップSc4で優先待機アンテナだったアンテナを送信アンテナに設定したことを示す優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知を、移動通信装置100aに送信するように、ベースバンド処理部213に出力する(Sc6)。この優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知は、ベースバンド処理部213、送信部212、アンテナ210を介して、移動通信装置100aに送信される。次に、送信アンテナ決定部214aは、品質測定用リファレンス信号を受信した回数を表す回数nを、クリアして「0」とする(Sc7)。
【0067】
次に、送信アンテナ決定部214aは、ベースバンド処理部213から先の送信アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けて、既知の品質測定用リファレンス信号と比較し、伝搬路品質を測定したのち(Sc8)、ステップSc1に戻って処理を繰り返す。ここで、先の送信アンテナの品質測定用リファレンス信号を受けるのは、ステップSc6にて通知した優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更が、移動通信装置100aに反映される前の無線フレームを、基地局装置200aが受信しているためである。
【0068】
図8は、本実施形態におけるスイッチ制御部152aの動作を説明するフローチャートである。スイッチ制御部152aは、送信アンテナのアンテナ番号と、優先待機アンテナのアンテナ番号とを、予め記憶している。まず、スイッチ制御部152aは、スイッチ151を制御して、送信アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させる(Sd1)。次に、スイッチ制御部152aは、1無線フレームの時間待ちをする(Sd2)。この間に、第一アンテナ110から第四アンテナ140のうち、送信アンテナに設定されているアンテナから、1無線フレームの送信部150の出力信号が送信される。なお、この1無線フレームの送信部150の出力信号の末尾には、品質測定用リファレンス信号が含まれている。
【0069】
次に、スイッチ制御部152aは、1無線フレームから1リファレンス信号を引いた時間の時間待ちをする(Sd3)。この間に、第一アンテナ110から第四アンテナ140のうち、送信アンテナに設定されているアンテナから、1無線フレームから1リファレンス信号を引いた時間の送信部150の出力信号が送信される。なお、この1無線フレームから1リファレンス信号を引いた時間の送信部150の出力信号の末尾には、品質測定用リファレンス信号の直前の信号までが含まれている。次に、スイッチ制御部152aは、スイッチ151を制御して、優先待機アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させたのち(Sd4)、1リファレンス信号の時間待ちをする(Sd5)。この間に、第一アンテナ110から第四アンテナ140のうち、優先待機アンテナに設定されているアンテナから、1リファレンス信号分の送信部150の出力信号、すなわち品質測定用リファレンス信号が送信される。
【0070】
次に、スイッチ制御部152aは、スイッチ151を制御して、送信アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させる(Sd6)。次に、スイッチ制御部152aは、1無線フレームの時間待ちをする(Sd7)。次に、スイッチ制御部152aは、ベースバンド処理部160に問い合わせて、ここまでの処理の間に、基地局装置200aから優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知が有ったか否かを判定する(Sd8)。
【0071】
この判定の結果、優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知が有ったときは(Sd8−Yes)、ステップSd10に遷移して、スイッチ制御部152aは、該通知にて送信アンテナに指定されたアンテナを、送信アンテナに設定する。次に、スイッチ制御部152aは、スイッチ151を制御して、送信アンテナに設定されているアンテナに送信部150の出力信号を出力させる(Sd11)。次に、スイッチ制御部152aは、1無線フレームの時間待ちをする(Sd12)。これにより、優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知にて、送信アンテナに指定されたアンテナからデータおよび品質測定用リファレンス信号を送信する。次に、スイッチ制御部152aは、優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知にて優先待機アンテナに指定されたアンテナを、優先待機アンテナに設定したのち(Sd13)、ステップSd3に戻って処理を繰り返す。
【0072】
一方、ステップSd8の判定の結果、優先待機アンテナおよび送信アンテナ変更の通知が無かったときは(Sd8−No)、ステップSd9に遷移して、スイッチ制御部152aは、ベースバンド処理部160に問い合わせて、ここまでの処理の間に、基地局装置200aから優先待機アンテナの通知が有ったか否かを判定する(Sd10)。この判定の結果、優先待機アンテナ変更の通知が有ったときは(Sd9−Yes)、ステップSd13に遷移して、優先待機アンテナ変更の通知にて優先待機アンテナに指定されたアンテナを、優先待機アンテナに設定したのち(Sd13)、ステップSd3に戻って以降の処理を繰り返す。一方、このステップSd10の判定の結果、優先待機アンテナ変更の通知が無かったときは(Sd9−No)、ステップSd3に戻って以降の処理を繰り返す。
【0073】
図7および図8で示したように、基地局装置200aは、予め設定された規則に従い、優先待機アンテナを変更し(ステップSc10、Sc11)、該変更を表す情報を移動通信装置100aに送信し(ステップSc12)、移動通信装置100aは、この変更を表す情報を受信し(ステップSd9)、該情報に従い、優先待機アンテナを変更する(ステップSd13)
【0074】
本実施形態では予め品質測定用リファレンス信号を送信する回数を決める代わりに基地局装置からの通知(例えばL3(Layer3)メッセージ)を用いて送信アンテナを切り替える。
なお、基地局装置200aが優先待機アンテナを変更して通知を行う予め設定された規則としては、上述の実施形態と同様に基地局装置200aにてある一定回数の品質測定用リファレンス信号を送信するアンテナの切替が発生しない場合に、優先待機アンテナを変更する通知を行うこととしても良いし、その他の規則でも良い。その他の規則としては、例えば2つのアンテナから算出した伝搬路品質差あるいは比が予め設定された閾値以上になった場合に、当面アンテナ切替が起こらない可能性が高いとして優先待機アンテナを変更する通知を行うとすることがある。
【0075】
本実施形態によれば、基地局装置200aだけの判断により適応的に優先待機アンテナの変更を通知する基準を設定するので、基地局装置200aで算出した伝搬路品質に基づき、優先待機アンテナの変更を決定することができる。
【0076】
[第3の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。装置の構成は第1の実施形態と同一である。図9は、第3の実施形態における移動通信システム全体のネットワーク概略構成を示すブロック図である。同図において図1の各部に対応する部分には同一の符号(110〜151、160、210〜213、300)を付け、その説明を省略する。移動通信システム10bは、移動通信装置100bと、移動通信網300に接続された基地局装置200bとを備える。移動通信装置100bは、スイッチ制御部152に替えて、スイッチ制御部152bを備える点を除いて、図1の移動通信装置100と同一である。基地局装置200bは、送信アンテナ決定部214に替えて、送信アンテナ決定部214bを備える点を除いて、図1の基地局装置200と同一である。
【0077】
第3の実施形態における品質測定用リファレンス信号送信の動作について、図10を参照して説明する。図10は、移動通信装置100bが送信する信号を説明する図である。図10において、横軸は時間であり、一番上の段は、各無線フレームにおける送信アンテナの番号を表す。二番目から五番目の段は、それぞれ、第一アンテナ110から第四アンテナ140が品質測定用リファレンス信号を送信しているか否かを表す。ハッチングされているときは、その無線フレームの末尾において、該アンテナから品質測定用リファレンス信号が送信されることを表す。ハッチングされていないときは、品質測定用リファレンス信号が送信されないことを表す。また、六番目の段は、時間順に付された無線フレームの番号を表す。
【0078】
無線フレーム#0〜#7、#12〜#19では、送信アンテナである第一アンテナ110と優先待機アンテナである第二アンテナ120から交互に品質測定用リファレンス信号を送信するように、スイッチ制御部152bはスイッチ151を制御する。本実施形態では、基地局装置200bが、予め設定された第1の規則に従い、優先待機アンテナを変更するタイミングを決定し、このタイミングを表す情報である待機アンテナ巡回の要求を送信する。そして、基地局装置200bは、この決定したタイミングに、予め設定された第2の規則に従い、優先待機アンテナを変更する。さらに、移動通信装置100bは、この待機アンテナ巡回の要求を受信し、該要求が表すタイミングに、第2の規則に従い、優先待機アンテナを変更する。
【0079】
本実施形態では、この予め設定された第1の規則は、送信アンテナの変更無しに、連続して6回の品質測定用リファレンス信号を送信されたときに、その次の優先待機アンテナを変更することであり、予め設定された第2の規則は、そのときの優先待機アンテナを除く、待機アンテナをアンテナ番号順に、優先待機アンテナに変更することである。
【0080】
基地局装置200bが、予め設定された第1の規則に従い、送信アンテナの変更無しに、連続して6回の品質測定用リファレンス信号を送信されたときに、待機アンテナ巡回の要求を無線フレーム#8及び#20の時刻に送信する。移動通信装置100bは、この待機アンテナ巡回の要求を、無線フレーム#8及び#20の時刻に受信すると、該要求をベースバンド処理部160から受けた移動通信装置100bのスイッチ制御部152は、第二アンテナ120から品質測定用リファレンス信号を送信する代わりに待機アンテナである第三アンテナ130および第四アンテナ140をアンテナ番号順に1回ずつ優先待機アンテナとし、そのときの優先待機アンテナから1回ずつ送信アンテナと交互に品質測定用リファレンス信号を送信するようにスイッチ151を制御して、待機アンテナ巡回を行なう。
【0081】
基地局装置200bの送信アンテナ決定部214bは、第三アンテナ130が第一アンテナ110より伝搬路品質が良ければ第三アンテナ130を送信アンテナに設定し、第一アンテナ110を優先待機アンテナに設定し、第二アンテナ120は通常の待機アンテナに設定する。第四アンテナ140が第一アンテナ110より伝搬路品質が良ければ、送信アンテナ決定部214bは、第四アンテナ140を送信アンテナに設定し、第一アンテナ110を優先待機アンテナ、第二アンテナ120を通常の待機アンテナに設定する。
【0082】
このとき、送信アンテナ決定部214bは、少なくとも、送信アンテナとしたアンテナを示す送信アンテナ変更の通知を、ベースバンド処理部213、送信部212、アンテナ210を介して移動通信装置100bに送信する。なお、送信アンテナを変更したときの優先待機アンテナについては、送信アンテナ決定部214bが、優先待機アンテナとしたアンテナを示す優先待機アンテナ変更の通知も、送信アンテナ変更の通知と同様にして送信するようにしてもよいし、基地局装置200bの送信アンテナ決定部214bおよび移動通信装置100bのスイッチ制御部152bとで、予め設定された同一の規則を用いて、同じアンテナを優先待機アンテナに選択するようにしてもよい。
【0083】
なお、図10では無線フレーム#23の時刻に第四アンテナ140から送信した品質測定用リファレンス信号SRS600が、無線フレーム#22の時刻に第一アンテナ110から送信した品質測定用リファレンス信号よりも伝搬路品質が良いと判定しており、この判定結果に従い、基地局装置200bの送信アンテナ決定部は、無線フレーム#24の時刻に送信アンテナを第四アンテナ140に切り替える送信アンテナ変更の通知を、移動通信装置100bに送信する。移動通信装置100bは、その送信アンテナ変更の通知を受けた後は、送信アンテナである第四アンテナ140と優先待機アンテナである第一アンテナ110とから交互に品質測定用リファレンス信号を送信する。
【0084】
なお、待機アンテナ巡回を行った際に、基地局装置200bの送信アンテナ決定部214bが、通常の待機アンテナが送信アンテナよりは伝搬路品質が悪いものの、優先待機アンテナより伝搬路品質が良いと判定したときに、送信アンテナ決定部214bが、伝搬路品質の良い通常の待機アンテナを、優先待機アンテナとする優先待機アンテナ変更の通知を、ベースバンド処理部213、送信部212、アンテナ210を介して送信するようにしてもよい。
【0085】
また、基地局装置200bからの待機アンテナ巡回の要求を受けると、予め設定された第2の規則として、移動通信装置100bのスイッチ制御部152bは、全ての通常の待機アンテナを順に優先待機アンテナとし、各アンテナが優先待機アンテナになったときに品質測定用リファレンス信号を送信するのではなく、一部だけを優先待機アンテナとし、送信するようにしてもよい。例えば、図10では無線フレーム#8、#20の時刻の要求において、第三アンテナ130と第四アンテナ140との両方から品質測定用リファレンス信号を送信する要求を行っているが、例えば無線フレーム#8の時刻では次に第三アンテナ130から、無線フレーム#20の時刻では次に第四アンテナ140から品質測定用リファレンス信号を要求するのでもよい。また、2回ずつ送信するなど回数の指定を加えてもよい。また、基地局装置からの要求でなくても、予め通常待機アンテナから品質測定用リファレンス信号を送信する周期を決めておいてもよい。
【0086】
本実施形態によれば、第二アンテナ120の伝搬路品質よりも、第三アンテナ130の伝搬路品質が良いときには、第一アンテナ110と第三アンテナから交互に品質測定用リファレンス信号の送信を行うようになるため、アンテナ切替が発生しにくくなる可能性を防止することができる。
【0087】
なお、上述の第1から第3の実施形態では、送信アンテナが1本であるとして説明したが、送信アンテナが2本またはそれ以上であってもよく、待機アンテナが2本またはそれ以上あれば、それらの一部を優先待機アンテナとすることで効果が得られる。このとき、品質測定用リファレンス信号を、2本の送信アンテナから同時に送信するようにしてもよい。
また、上述の第1から第3の実施形態では、優先待機アンテナが1本であるとして説明したが、全ての待機アンテナが優先待機アンテナとなるのでなければ、優先待機アンテナが2本またはそれ以上であってもよい。
【0088】
また、図1におけるスイッチ制御部152、ベースバンド処理部160、213、送信アンテナ決定部214、および図5におけるスイッチ制御部152a、ベースバンド処理部160、213、送信アンテナ決定部214a、および図9におけるスイッチ制御部152b、ベースバンド処理部160、213、送信アンテナ決定部214bの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、これらの処理を行ってもよいし、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0089】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0090】
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、携帯電話装置を移動通信装置とする移動通信システムに用いて好適であるが、これに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】この発明の第1の実施形態における移動通信システム全体のネットワーク概略構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態における移動通信装置100が送信する信号を説明する図である。
【図3】同実施形態における送信アンテナ決定部214の動作を説明するフローチャートである。
【図4】同実施形態におけるスイッチ制御部152の動作を説明するフローチャートである。
【図5】この発明の第2の実施形態における移動通信システム全体のネットワーク概略構成を示すブロック図である。
【図6】同実施形態における移動通信装置100aが送信する信号を説明する図である。
【図7】同実施形態における送信アンテナ決定部214aの動作を説明するフローチャートである。
【図8】同実施形態におけるスイッチ制御部152aの動作を説明するフローチャートである。
【図9】この発明の第3の実施形態における移動通信システム全体のネットワーク概略構成を示すブロック図である。
【図10】同実施形態における移動通信装置100bが送信する信号を説明する図である。
【図11】従来の移動通信装置が送信する信号を詳細に説明する図である。
【図12】従来の移動通信装置が送信する信号を説明する図である。
【符号の説明】
【0093】
10、10a、10b…移動通信システム
100、100a、100b…移動通信装置
110…第一アンテナ
111…第一受信部
120…第二アンテナ
121…第二受信部
130…第三アンテナ
131…第三受信部
140…第四アンテナ
141…第四受信部
150…送信部
151…スイッチ
152、152a、152b…スイッチ制御部
160…ベースバンド処理部
200、200a、200b…基地局装置
210…アンテナ
211…受信部
212…送信部
213…ベースバンド処理部
214、214a、214b…送信アンテナ決定部
300…移動通信網
【特許請求の範囲】
【請求項1】
3つまたはそれを超える数のアンテナを備える第1の通信装置と、前記第1の通信装置が送信したデータを受信する第2の通信装置とを備える無線通信システムにおいて、
前記第1の通信装置は、
伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信し、
前記第2の通信装置は、
前記送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、前記一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、前記第1の通信装置がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する送信アンテナ決定部を具備すること
を特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記第1の通信装置および前記第2の通信装置は、予め設定された同一の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記第2の通信装置は、予め設定された規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更し、該変更を表す情報を前記第1の通信装置に送信し、
前記第1の通信装置は、前記変更を表す情報を受信し、該情報に従い、前記一部の待機アンテナを変更することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記第2の通信装置は、予め設定された第1の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更するタイミングを決定し、該タイミングを表す情報を前記第1の通信装置に送信し、前記決定したタイミングに、予め設定された第2の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更し、
前記第1の通信装置は、前記タイミングを表す情報を受信し、該情報が表すタイミングに、前記予め設定された第2の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更すること
を特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項5】
3つまたはそれを超える数のアンテナを備える通信装置において、
伝搬路の品質測定用のリファレンス信号であって、当該通信装置によるデータの送信に用いるアンテナを決めるためのリファレンス信号を、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信すること
を特徴とする通信装置。
【請求項6】
3つまたはそれを超える数のアンテナを備える通信相手が、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信した伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を受信する通信装置において、
前記送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、前記一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、前記通信相手がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する送信アンテナ決定部を具備すること
を特徴とする通信装置。
【請求項7】
3つまたはそれを超える数のアンテナを備える第1の通信装置と、前記第1の通信装置が送信したデータを受信する第2の通信装置とを備える無線通信システムにおける無線通信方法において、
前記第1の通信装置が、伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信する第1の過程と、
前記第2の通信装置が、前記送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、前記一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、前記第1の通信装置がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する第2の過程と
を有することを特徴とする無線通信方法。
【請求項1】
3つまたはそれを超える数のアンテナを備える第1の通信装置と、前記第1の通信装置が送信したデータを受信する第2の通信装置とを備える無線通信システムにおいて、
前記第1の通信装置は、
伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信し、
前記第2の通信装置は、
前記送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、前記一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、前記第1の通信装置がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する送信アンテナ決定部を具備すること
を特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
前記第1の通信装置および前記第2の通信装置は、予め設定された同一の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記第2の通信装置は、予め設定された規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更し、該変更を表す情報を前記第1の通信装置に送信し、
前記第1の通信装置は、前記変更を表す情報を受信し、該情報に従い、前記一部の待機アンテナを変更することを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記第2の通信装置は、予め設定された第1の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更するタイミングを決定し、該タイミングを表す情報を前記第1の通信装置に送信し、前記決定したタイミングに、予め設定された第2の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更し、
前記第1の通信装置は、前記タイミングを表す情報を受信し、該情報が表すタイミングに、前記予め設定された第2の規則に従い、前記一部の待機アンテナを変更すること
を特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項5】
3つまたはそれを超える数のアンテナを備える通信装置において、
伝搬路の品質測定用のリファレンス信号であって、当該通信装置によるデータの送信に用いるアンテナを決めるためのリファレンス信号を、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信すること
を特徴とする通信装置。
【請求項6】
3つまたはそれを超える数のアンテナを備える通信相手が、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信した伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を受信する通信装置において、
前記送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、前記一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、前記通信相手がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する送信アンテナ決定部を具備すること
を特徴とする通信装置。
【請求項7】
3つまたはそれを超える数のアンテナを備える第1の通信装置と、前記第1の通信装置が送信したデータを受信する第2の通信装置とを備える無線通信システムにおける無線通信方法において、
前記第1の通信装置が、伝搬路の品質測定用のリファレンス信号を、前記アンテナのうち、データの送信に用いている送信アンテナと、前記送信アンテナ以外のうちの一部の待機アンテナとから送信する第1の過程と、
前記第2の通信装置が、前記送信アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質と、前記一部の待機アンテナから送信されたリファレンス信号から算出した伝搬路の品質とから、前記第1の通信装置がデータを送信する際に用いるアンテナを決定する第2の過程と
を有することを特徴とする無線通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−118738(P2010−118738A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−288703(P2008−288703)
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月11日(2008.11.11)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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