説明

無線通信システムおよびそれに用いられる無線装置

【課題】優先順位の低いセルにおけるデータ伝送のスループットを向上可能な無線通信システムを提供する。
【解決手段】アクセスポイント1は、自己が使用を予定しているデータチャネルと、アクセスポイント2が使用を予定しているデータチャネルとのうち、重複するデータチャネルの中から開放要求データチャネルを決定し、その決定した開放要求データチャネルをアクセスポイント2へ送信する。アクセスポイント2は、開放要求データチャネルと自己が使用を予定しているデータチャネルとから、開放するデータチャネルを決定し、その決定したデータチャネルをアクセスポイント1へ送信する。アクセスポイント1は、開放されたデータチャネルをセルC1内の移動端末11と共有し、その共有したデータチャネルを用いて移動端末11との間でデータフレームを送受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線通信システムおよびそれに用いられる無線装置に関し、特に、無線資源を有効に利用可能な無線通信システムおよびそれに用いられる無線装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、他の無線システムへの干渉を回避しながらチャネル選択情報を効率的に共有する無線通信システムが知られている(非特許文献1)。
【0003】
この無線通信システムは、アクセスポイントと、移動端末とを備える。アクセスポイントは、2402〜2481MHzの帯域中に存在する16個の共通制御チャネルから制御情報の送受信に用いる共通制御チャネルを周波数ホッピング方式によって定期的に選択し、その選択した共通制御チャネルが未使用である場合に、データ通信用に用いるデータチャネルを選択するためのデータチャネル選択情報を移動端末へ定期的に送信する。
【0004】
そして、アクセスポイントは、移動端末がデータチャネル選択情報を用いて決定したデータチャネルを移動端末から定期的に受信してデータチャネルを共有する。
【0005】
その後、アクセスポイントおよび移動端末は、そのデータチャネルを用いて時分割でデータフレームを送受信する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】矢野 一人、鄭 吉秀、鈴木 康夫、塚本 悟司、太郎丸 真、上羽 正純,“ISMバンドにおける高効率周波数共用に向けたダイナミックスペクトラムアクセスシステムの物理チャネル構成に関する検討,”IEICE Technical Report SR2008−98(2009−03).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来の無線通信システムにおいては、複数のアクセスポイントが近接して配置された場合、各セルのチャネル選択情報は、ほぼ同一の内容となってしまうため、優先順位の低いセルのデータ伝送のスループットが低下するという問題がある。
【0008】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、優先順位の低いセルにおけるデータ伝送のスループットを向上可能な無線通信システムを提供することである。
【0009】
また、この発明の別の目的は、優先順位の低いセルにおけるデータ伝送のスループットを向上可能な無線通信システムに用いられる無線装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明によれば、無線通信システムは、各々が一つの基地局によって管理される複数のセルが存在するとともに、異なる複数の無線システムが混在した無線通信環境において無線通信を行なう無線通信システムであって、第1および第2の無線装置を備える。第1の無線装置は、複数の無線システムが使用している周波数帯域から周波数ホッピング方式によって第1の共通制御チャネルを定期的に選択し、その選択した第1の共通制御チャネル上でキャリアセンスを行ない、選択した第1の共通制御チャネルが未使用である場合に、選択した第1の共通制御チャネルを用いてデータ通信用に用いられるデータチャネルを選択するための第1のデータチャネル選択情報を定期的に送信する。第2の無線装置は、第1の無線装置が管理する第1のセルに隣接する第2のセルを管理するとともに、複数の無線システムが使用している周波数帯域から周波数ホッピング方式によって第2の共通制御チャネルを定期的に選択し、その選択した第2の共通制御チャネル上でキャリアセンスを行ない、選択した第2の共通制御チャネルが未使用である場合に、選択した第2の共通制御チャネルを用いてデータ通信用に用いられるデータチャネルを選択するための第2のデータチャネル選択情報を定期的に送信する。そして、第1の無線装置は、第2の無線装置から第2の共通制御チャネルを用いて第2のデータチャネル選択情報を必要に応じて受信するとともに、その受信した第2のデータチャネル選択情報と第1のデータチャネル選択情報とに基づいて、重複するデータチャネルを決定し、重複するデータチャネルの中から第2の無線装置に対して開放を要求する開放要求データチャネルを決定し、その決定した開放要求データチャネルを第2の共通制御チャネルを用いて第2の無線装置へ送信する。
【0011】
好ましくは、第2の無線装置は、開放要求データチャネルを第2の共通制御チャネルを用いて第1の無線装置から受信すると、第2のデータチャネル選択情報に基づいて第1の無線装置に対して開放するデータチャネルを決定するとともに、第2のデータチャネル選択情報から開放するデータチャネルを削除し、開放するデータチャネルを第2の共通制御チャネルを用いて第1の無線装置へ送信する。
【0012】
好ましくは、第1の無線装置は、開放されたデータチャネルを第2の無線装置から第2の共通制御チャネルを用いて受信すると、第2の無線装置が使用を予定しているデータチャネルを第1のデータチャネル選択情報から削除するとともに開放されたデータチャネルを第1のデータチャネルに加える。
【0013】
また、この発明によれば、無線装置は、各々が一つの基地局によって管理される複数のセルが存在するとともに、異なる複数の無線システムが混在した無線通信環境において無線通信を行なう無線通信システムに用いられる無線装置であって、選択手段と、送信手段と、受信手段と、チャネル決定手段とを備える。選択手段は、複数の無線システムが使用している周波数帯域から周波数ホッピング方式によって共通制御チャネルを定期的に選択する。送信手段は、周波数帯域における受信信号強度情報に基づいて、選択手段によって選択された第1の共通制御チャネル上でキャリアセンスを行ない、選択された第1の共通制御チャネルが未使用である場合に第1の共通制御チャネルを用いてデータ通信用に用いられるデータチャネルを選択するための第1のデータチャネル選択情報を定期的に送信する。受信手段は、周波数帯域における受信信号強度を測定して第1の共通制御チャネルに関する受信信号強度情報を生成し、その生成した受信信号強度情報を送信手段へ出力するとともに、当該無線装置が管理する第1のセルに隣接する第2のセルを管理する他の無線装置がデータ通信用に用いる第2のデータチャネル選択情報を第2の共通制御チャネルを用いて必要に応じて他の無線装置から受信する。チャネル決定手段は、第1および第2のデータチャネル選択情報に基づいて、重複するデータチャネルを決定するとともに、重複するデータチャネルの中から他の無線装置に対して開放を要求する開放要求データチャネルを決定する。そして、送信手段は、更に、決定された開放要求データチャネルを第2の共通制御チャネルを用いて他の無線装置へ送信する。
【0014】
好ましくは、チャネル決定手段は、開放要求データチャネルを受信手段が第1の共通制御チャネルを用いて他の無線装置から受信すると、第1のデータチャネル選択情報に基づいて他の無線装置に対して開放するデータチャネルを決定するとともに、第1のデータチャネル選択情報から開放するデータチャネルを削除し、開放するデータチャネルを第1の共通制御チャネルを用いて他の無線装置へ送信する。
【0015】
好ましくは、送信手段は、開放されたデータチャネルを受信手段が他の無線装置から第2の共通制御チャネルを用いて受信すると、他の無線装置が使用を予定しているデータチャネルを第1のデータチャネル選択情報から削除するとともに開放されたデータチャネルを第1のデータチャネル選択情報に加える。
【発明の効果】
【0016】
この発明の実施の形態による無線通信システムにおいては、第1の無線装置は、第2の無線装置よりも遅れてオンされる等の原因によって、優先順位が低い場合、第2の無線装置の移動端末として開放要求データチャネルを第2の無線装置へ送信し、第2の無線装置は、自己が使用を予定しているチャネルの一部を第1の無線装置が使用できるように調整する。
【0017】
従って、第1の無線装置がデータチャネルを使用できるようになり、第1の無線装置が管理するセル内におけるデータ伝送のスループットを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の実施の形態による無線通信システムの概略図である。
【図2】図1に示すアクセスポイントの構成図である。
【図3】図1に示す移動端末の構成図である。
【図4】この発明の実施の形態におけるチャネルの構成図である。
【図5】共通制御チャネルのタイムフレームの構成図である。
【図6】制御情報フレームの構成図である。
【図7】共通制御チャネルのホッピングパターンを示す図である。
【図8】アクセスポイントと移動端末との間でデータフレームの通信用に用いるデータチャネルを共有する方法を説明するための図である。
【図9】データチャネル選択情報の例を示す図である。
【図10】無線通信システムの1つのセルに属するアクセスポイントおよび移動端末の動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】アクセスポイント間におけるデータチャネルの決定を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0020】
図1は、この発明の実施の形態による無線通信システムの概略図である。この発明の実施の形態による無線通信システム100は、アクセスポイント(AP:Access Point)1〜i(iは、2以上の整数)と、移動端末(MS:Mobile Station)11〜1iとを備える。
【0021】
アクセスポイント1および移動端末11は、セルC1内に配置される。アクセスポイント2および移動端末12は、セルC2内に配置される。以下、同様にして、アクセスポイントiおよび移動端末1iは、セルCi内に配置される。
【0022】
そして、図1においては、図示されていないが、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)方式によって無線通信を行なうアクセスポイントおよび移動端末が存在し、FH−SS(Frequency−Hopping Spread Spectrum)方式によって無線通信を行なうアクセスポイントおよび移動端末も存在する。
【0023】
従って、アクセスポイント1〜iおよび移動端末11〜1iは、CSMA/CA系の無線システムおよびFH−SS系の無線システム等の複数の無線システムが混在および共存する無線通信環境において、後述する方法によって、時間と共に変化する周波数資源の利用状況を精度良く把握し、適切な送信周波数(周波数チャネル)を選択してデータを各セルC1〜Ci内で伝送する。即ち、アクセスポイント1〜iおよび移動端末11〜1iは、DSA(Dynamic Spectrum Access)システムによってデータを各セルC1〜Ci内で伝送する。
【0024】
また、アクセスポイント1〜iの各々は、自己が管理するセルC1〜Ciに隣接するセルを管理する隣接アクセスポイントよりも遅れてオンされる等の原因によって、隣接アクセスポイントよりも優先順位が低くなった場合、後述する方法によって、自己がデータ通信用に用いるデータチャネルを決定する。
【0025】
なお、図1においては、各セルC1〜Ci内には、1個のアクセスポイントと1個の移動端末のみが図示されているが、実際には、各セルC1〜Ci内には、複数の移動端末が存在する。
【0026】
図2は、図1に示すアクセスポイント1の構成図である。アクセスポイント1は、アンテナ101と、送信手段102と、受信手段103と、チャネル決定手段104と、選択手段105と、ホッピングテーブル106と、同期確立手段107とを含む。
【0027】
アンテナ101は、セルC1に隣接するセルC2,C3のアクセスポイント2,3または移動端末11から制御情報フレームまたはデータフレームを受信し、その受信した制御情報フレームまたはデータフレームを受信手段103へ出力する。また、アンテナ101は、送信手段102から制御情報フレームまたはデータフレームを受け、その受けた制御情報フレームまたはデータフレームをアクセスポイント2,3または移動端末11へ送信する。
【0028】
送信手段102は、同期確立手段107から受けるクロックに同期して動作する。そして、送信手段102は、アクセスポイント1の電源がオンされると、後述する80個のチャネルCH1〜CH80の各々に関して受信手段103から受信信号強度情報を受け、その受けた受信信号強度情報に基づきキャリアセンスを行ない、そのキャリアセンスの結果を保持するとともに選択手段105へ出力する。その後、送信手段102は、常時、受信手段103から受信信号強度情報を受け、その受けた受信信号強度情報に基づきチャネルCH1〜CH80の各々におけるキャリアセンスを行ない、各チャネルCH1〜CH80の使用状況を検知して保持する。
【0029】
また、送信手段102は、後述するタイムフレーム単位で、制御情報フレームの送信に用いる共通制御チャネルを選択手段105から受ける。この制御情報フレームは、アクセスポイント2,3または移動端末11がデータの通信用に用いるデータチャネルを示すデータチャネル選択情報を含むフレームである。そして、送信手段102は、受信手段103から受けた受信信号強度情報に基づいて共通制御チャネルでキャリアセンスし、その共通制御チャネルが他のアクセスポイントまたは移動端末によって使用されていない場合、データチャネル選択情報を含む制御情報フレームを生成し、その生成した制御情報フレームを、そのタイムフレーム内で時分割方式によってアクセスポイント2,3および移動端末11へ送信する。即ち、送信手段102は、CSMA/CA方式およびTDMA(Time Division Multiple Access)方式によって制御情報フレームをアクセスポイント2,3および移動端末11へ送信する。そして、送信手段102は、データチャネル選択情報をチャネル決定手段104へ出力する。
【0030】
一方、送信手段102は、その共通制御チャネルが他のアクセスポイントまたは移動端末によって使用されている場合、制御情報フレームのアクセスポイント2,3および移動端末11への送信を停止し、次のタイムフレーム内で制御情報フレームのアクセスポイント2,3および移動端末11への送信を試行する。
【0031】
更に、送信手段102は、移動端末11がデータ通信用に使用予定であるデータチャネルを受信手段103から受ける。そして、送信手段102は、データフレームを生成するとともに、受信手段103から受けた受信信号強度情報に基づいて、受信手段103から受けたデータチャネルでキャリアセンスし、未使用であるデータチャネルを用いてデータフレームを時分割方式で移動端末11へ送信する。
【0032】
更に、送信手段102は、開放を要求する開放要求データチャネルをチャネル決定手段104から受けると、その受けた開放要求データチャネルを含む制御情報フレームを生成し、その生成した制御情報フレームをアンテナ101を介して送信する。
【0033】
更に、送信手段102は、開放されたデータチャネルをチャネル決定手段104から受けると、その受けたデータチャネルを含む制御情報フレームをアンテナ101を介して送信する。
【0034】
受信手段103は、アンテナ101を介して80個のチャネルCH1〜CH80の各々に関する受信信号強度情報を常時測定し、その受信信号強度情報を送信手段102へ出力する。また、受信手段103は、アンテナ101から制御情報フレームまたはデータフレームを受ける。そして、受信手段103は、アクセスポイント2,3または移動端末11がデータ通信用に使用予定であるデータチャネルを制御情報フレームから取り出し、その取り出したデータチャネルを送信手段102およびチャネル決定手段104へ出力する。
【0035】
また、受信手段103は、データフレームをアンテナ101を介して移動端末11から受信し、その受信したデータフレームを送信手段102へ出力する。
【0036】
チャネル決定手段104は、同期確立手段107から受けるクロックに同期して動作する。そして、チャネル決定手段104は、アクセスポイント1がデータ通信用に用いるデータチャネルを選択するためのデータチャネル選択情報DCSI1(=チャネルCH1〜CH80の使用状況を示すマップ)を送信手段102から受け、他のアクセスポイント2,3がデータ通信用に用いるデータチャネルを選択するためのデータチャネル選択情報DCSI2(=チャネルCH1〜CH80の使用状況を示すマップ)を受信手段103から受ける。
【0037】
その後、チャネル決定手段104は、2つのデータチャネル選択情報DCSI1,DCSI2に基づいて、重複するデータチャネルを決定し、その決定した重複するデータチャネルの中から他のアクセスポイント2,3に対して開放を要求する開放要求データチャネルを決定し、その決定した開放要求データチャネルを送信手段102へ出力する。
【0038】
また、チャネル決定手段104は、開放要求データチャネルを受信手段103から受けると、開放要求データチャネルと、データチャネル選択情報DCSI1とに基づいて、開放するデータチャネルを決定し、その決定した開放するデータチャネルを送信手段102へ出力する。そして、チャネル決定手段104は、その開放したデータチャネルをデータチャネル選択情報DCSI1から削除する。
【0039】
更に、チャネル決定手段104は、開放されたデータチャネルを受信手段103から受けると、他のアクセスポイント2,3が使用を予定しているデータチャネルをデータチャネル選択情報DCSI1から削除するとともに、開放されたデータチャネルをデータチャネル選択情報DCSI1に追加する。
【0040】
選択手段105は、同期確立手段107から受けるクロックに同期して動作する。そして、選択手段105は、チャネルCH1〜CH80の各々におけるキャリアセンスの結果を送信手段102から受け、その受けたキャリアセンスの結果に基づいて、他のアクセスポイントが使用している割合が高い共通制御チャネルのグループを選択し、その選択したグループに含まれる任意の1つの共通制御チャネルを初期の共通制御チャネルとして選択する。
【0041】
その後、選択手段105は、タイムフレーム単位で、ホッピングテーブル106を参照して、初期の共通制御チャネルをホッピングさせ、そのホッピングさせた共通制御チャネルを送信手段102へ出力する。
【0042】
更に、その後、選択手段105は、次のタイムフレームにおいて、ホッピングテーブル106を参照して、共通制御チャネルをホッピングさせ、そのホッピングさせた共通制御チャネルを送信手段102へ出力する。
【0043】
ホッピングテーブル106は、共通制御チャネルのホッピングパターンを格納する。同期確立手段107は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星(図示せず)からGPS信号を受信し、その受信したGPS信号に基づいてクロックを生成する。そして、同期確立手段107は、その生成したクロックを送信手段102、チャネル決定手段104および選択手段105へ出力する。
【0044】
なお、図1に示すアクセスポイント2〜iの各々も、図2に示すアクセスポイント1と同じ構成からなる。
【0045】
図3は、図1に示す移動端末11の構成図である。移動端末11は、アンテナ111と、送信手段112と、受信手段113と、チャネル決定手段114と、同期確立手段115とを含む。
【0046】
アンテナ111は、アクセスポイント1およびアクセスポイント1以外のアクセスポイントからデータチャネル選択情報を含む制御情報フレームを受信し、その受信した制御情報フレームを受信手段113へ出力する。また、アンテナ111は、制御情報フレームまたはデータフレームを送信手段112から受け、その受けた制御情報フレームまたはデータフレームをアクセスポイント1へ送信する。
【0047】
送信手段112は、同期確立手段115から受けたクロックに同期して動作する。そして、送信手段112は、受信手段113から受信信号強度情報を受け、その受けた受信信号強度に基づいてチャネルCH1〜CH80の各々でキャリアセンスし、そのキャリアセンスの結果を保持するとともにチャネル決定手段114へ出力する。
【0048】
また、送信手段112は、移動端末11がデータ通信用に用いるデータチャネルをチャネル決定手段114から受け、アクセスポイント1が制御情報フレームの送信に用いている共通制御チャネルを受信手段113から受ける。
【0049】
そうすると、送信手段112は、その受けたデータチャネルを示すデータチャネル選択情報を含む制御情報フレームを生成し、その生成した制御情報フレームを共通制御チャネルでアクセスポイント1へ送信する。
【0050】
更に、送信手段112は、データフレームを生成する。そして、送信手段112は、受信手段113から受けた受信信号強度情報に基づいてデータの通信用に使用予定であるデータチャネルでキャリアセンスし、未使用のデータチャネルを用いて、その生成したデータフレームを時分割方式でアクセスポイント1へ送信する。
【0051】
受信手段113は、アンテナ111を介して80個のチャネルCH1〜CH80の各々に関する受信信号強度情報を常時測定し、その受信信号強度情報を送信手段112へ出力する。
【0052】
また、受信手段113は、移動端末11が同時に受信可能なチャネル数(即ち、移動端末11の受信帯域幅)でアンテナ111を介してフレームの到来検出を行ない、アクセスポイント1またはアクセスポイント1以外のアクセスポイントからデータチャネル選択情報を含む制御情報フレームを受信し、その制御情報フレームを受信したときのチャネルを共通制御チャネルとして検出する。そして、受信手段113は、その検出した共通制御チャネルを送信手段112へ出力するとともに、その受信した制御情報フレームをチャネル決定手段114へ出力する。
【0053】
更に、受信手段113は、移動端末11の受信帯域幅でフレームの到来検出を行ない、データフレームを受信し、その受信したデータフレームを送信手段112へ出力する。
【0054】
チャネル決定手段114は、同期確立手段115から受けたクロックに同期して動作する。そして、チャネル決定手段114は、データチャネル選択情報を含む制御情報フレームを受信手段113から受け、各チャネルCH1〜CH80におけるキャリアセンスの結果を送信手段112から受ける。そうすると、チャネル決定手段114は、データチャネル選択情報および各チャネルCH1〜CH80におけるキャリアセンスの結果に基づいて、移動端末11がデータ通信用に用いるデータチャネルを決定し、その決定したデータチャネルを送信手段112へ出力する。
【0055】
同期確立手段115は、上述した同期確立手段107と同じ方法によってクロックを生成し、その生成したクロックを送信手段112およびチャネル決定手段114へ出力する。
【0056】
なお、図1に示す移動端末12〜1iの各々も、図3に示す移動端末11と同じ構成からなる。
【0057】
図4は、この発明の実施の形態におけるチャネルの構成図である。この発明の実施の形態においては、2402MHz〜2481MHzの周波数帯域が用いられる。そして、チャネルCH1〜CH80は、それぞれ、2402MHz〜2481MHzの中心周波数からなり、1MHzの信号帯域幅を有する。
【0058】
また、共通制御チャネルCCH1〜CCH16は、チャネル番号の末尾が“1”または“6”となる16個のチャネルからなる。なお、これらの周波数は、当該周波数帯において運用されるIEEE802.11の無線LAN(Local Area Network)が使用する送信周波数と同一である(但し、共通制御チャネルCCH1,CCH2,CCH16の周波数を除く)。
【0059】
80個のチャネルCH1〜CH80のうち、16個の共通制御チャネルCCH1〜CCH16は、制御情報フレームの送信に優先的に用いられ、残りの64個のチャネルは、データフレームの送信に用いられる。
【0060】
なお、制御情報フレームの送信に用いられていない共通制御チャネルは、一時的にデータフレームの送信に利用可能である。
【0061】
図5は、共通制御チャネルのタイムフレームの構成図である。タイムフレームは、5msの長さを有する。そして、タイムフレームは、センシング期間と、4個のダウンリンクDL1〜DL4と、4個のアップリンクUL1〜UL4とからなる。
【0062】
4個のダウンリンクDL1〜DL4および4個のアップリンクUL1〜UL4の各々は、スロットを構成する。
【0063】
センシング期間は、200μsの長さを有し、4個のダウンリンクDL1〜DL4および4個のアップリンクUL1〜UL4の各々は、600μsの長さを有する。
【0064】
センシング期間の長さが200μsに設定されるのは、次の理由による。IEEE802.11aまたはIEEE802.11gのERP−OFDMにおいて、初回のデータフレームの送信を開始するために必要な最大待機時間(DIFS+コンテンションスロットの長さ×CWmin)である169μsよりもセンシング期間の長さを長くすることによって、DSAシステムと同一周波数帯域を共用する無線LANの送信機会を可能な限り奪わないようにするためである。
【0065】
センシング期間は、各周波数チャネルCH1〜CH80における利用状況の観測に用いられる。
【0066】
また、4個のダウンリンクDL1〜DL4および4個のアップリンクUL1〜UL4の各々は、制御情報の伝送に用いられる。
【0067】
より具体的には、3個のアップリンクUL1〜UL3および3個のダウンリンクDL1〜DL3は、次のタイムフレームにおけるデータ送信ノードおよび受信ノードの指定と、その際に使用される周波数チャネルの選択情報の交換に用いられる。
【0068】
この場合、各セルC1〜Ciは、アップリンクおよびダウンリンクの両方において同一の共通制御チャネル上の同一番号のスロットをそれぞれ選択して使用する。従って、最大で、48セル(=16×3)が近傍で同時に運用可能である。
【0069】
また、セルC1〜Ciの各々は、タイムフレームごとに使用する共通制御チャネルを後述するホッピングパターンに従って変更し、同時に使用するスロット番号をインクリメントする。これは、被干渉発生確率を周波数方向および時間方向において平均化することによって、一部の周波数チャネルが他の無線システムによって占有されている場合においても、セル間で制御情報の送信機会の公平性を確保するためである。
【0070】
アップリンクの第4スロットであるUL4は、データを伝送するために選択されたチャネルを示すチャネル選択情報以外の制御情報(例えば、移動端末からアクセスポイントへの位置登録要求およびコネクション確立要求等)の伝送に用いられる。
【0071】
この場合の多元接続は、同一の共通制御チャネルを使用する各セルC1〜Ci内におけるランダムアクセスとする。
【0072】
また、ダウンリンクの第4スロットであるDL4は、複数個(20〜30個程度)のタイムフレームによってスーパータイムフレームを構成し、報知チャネル、位置登録確認、ページングおよびコネクション確立確認等の伝送に用いられる。その際、同一の共通制御チャネルを用いるセル間の多元接続は、タイムフレームを単位とするTDMAによって実行される。
【0073】
図6は、制御情報フレームの構成図である。制御情報フレームCTLFは、544μsの長さを有し、プリアンブルと、物理ヘッダと、データとからなる。
【0074】
プリアンブルは、204.8μsの長さを有し、制御情報フレームCTLFの先頭に設定される。物理ヘッダは、41.6μsの長さを有し、プリアンブルに続いて設定される。データは、297.6μsの長さを有し、物理ヘッダに続いて制御情報フレームCTLFの最後部に設定される。
【0075】
ガードタイム1は、24μsの長さを有し、制御情報フレームCTLFの前に設定される。ガードタイム2は、32μsの長さを有し、制御情報フレームCTLFの後に設定される。
【0076】
そして、ガードタイム1,2および制御情報フレームCTLFの全長は、1個のスロットの長さに等しい600μsに設定されている。
【0077】
プリアンブルは、8個のショートプリアンブルSP(Short Preamble)と、2個のロングプリアンブル(Long Preamble)とからなる。
【0078】
8個のショートプリアンブルSPの各々は、8シンボルの長さを有し、2個のロングプリアンブルの各々は、32シンボルの長さを有する。その結果、プリアンブルは、128シンボル(=204.8μs)の長さを有する。
【0079】
ショートプリアンブルSPは、自動利得制御AGC(Auto Gain Control)の調整および周波数オフセットの補償に用いられる。なお、本フォーマットにおける最大許容周波数オフセットは、7.8ppmに設定される。
【0080】
ロングプリアンブルは、残留周波数オフセットの補償、受信タイミング同期、および伝搬路の推定に用いられる。
【0081】
物理ヘッダは、レートと、予約と、長さと、パリティと、テイルとからなる。レートは、6ビットの長さを有し、予約は、1ビットの長さを有し、長さは、12ビットの長さを有し、パリティは、1ビットの長さを有し、テイルは、6ビットの長さを有する。その結果、物理ヘッダは、26シンボル(=41.6μs)の長さを有する。
【0082】
レートは、変調方式、符号化率および送信アンテナ数を示す。長さは、シンボル長(=1.6μs)を単位としてデータ部の長さを示す。テイルは、既知のビットである“0”が設定される。
【0083】
なお、長さが12ビットの長さを有するのは、12ビットの長さがタイムフレームの長さ(=5ms)の表現に必要な最小ビット数であるからである。
【0084】
データは、サービスと、タイプと、サブタイプと、AP−IDと、Tx−IDと、Rx−IDと、Tx−BWと、Rx−BWと、マップと、CRCと、テイルとからなる。
【0085】
サービスは、16ビットの長さを有し、タイプは、8ビットの長さを有し、サブタイプは、8ビットの長さを有し、AP−IDは、16ビットの長さを有する。
【0086】
Tx−IDおよびRx−IDの各々は、8ビットの長さを有する。Tx−BWおよびRx−BWの各々は、2ビットの長さを有する。マップは、80ビットの長さを有し、CRCは、32ビットの長さを有し、テイルは、6ビットの長さを有する。
【0087】
その結果、データは、186シンボル(=297.6μs)の長さを有する。
【0088】
サービスは、デスクランブル用系列および予備ビットからなる。タイプおよびサブタイプは、フレームの種類を指定する。AP−IDは、基地局(セル)の番号を示す。Tx−IDは、送信ノードのセル内IDを示す。Rx−IDは、受信ノードのセル内IDを示す。
【0089】
Tx−BWは、送信ノードの受信帯域幅を示す。Rx−BWは、受信ノードの受信帯域幅を示す。マップは、使用周波数チャネルの選択状況を示す。CRCは、CRC−32パリティビットからなる。テイルは、チャネル復号器のトレリス終結用系列からなる。
【0090】
マップは、チャネルCH1〜CH80に対応付けて“1”または“0”を格納した構造からなる。そして、“1”は、対応するチャネルが使用されていることを表し、“0”は、対応するチャネルが未使用であることを表す。
【0091】
図7は、共通制御チャネルのホッピングパターンを示す図である。無線通信システム100においては、セルC1〜Ci間で同期が保持されている。従って、共通制御チャネルの全ホッピングパターンは、互いに衝突が発生しないように設計される。
【0092】
また、DSAシステムを用いる無線通信システム100においては、データ伝送に際して複数のセル内において同時に動的チャネル選択が行なわれる。従って、近傍に位置するセル内で用いられる共通制御チャネルは、セル間で情報を共有する観点から周波数軸上で近接していることが望ましい。
【0093】
そこで、無線通信システム100における共通制御チャネルのホッピングパターンfhop(n,j)(nおよびjは正の整数)は、次式によって表される。
【0094】
【数1】

【0095】
式(1)において、[x]は、xを超えない最大の整数を表す。
【0096】
式(1)によって表されるホッピングパターンを図示したものが図7に示すホッピングパターンである。
【0097】
ホッピングパターンの種類および周期は、共通制御チャネルの個数と同じ“16”であり、各ホッピングパターンは、全ての共通制御チャネルを一周期内に一度ずつ使用する。
【0098】
16個の共通制御チャネルは、2個の周波数ブロック1,2に分割される。また、周波数ブロック1は、2個の周波数サブブロック1,2に分割され、周波数ブロック2は、2個の周波数サブブロック3,4に分割される。
【0099】
ホッピングパターンに基づき使用する共通制御チャネルをホッピングさせると、2個の周波数ブロック1,2が交互に使用され、2個の周波数サブブロック1,2が交互に使用され、2個の周波数サブブロック3,4が交互に使用される。
【0100】
例えば、第1ホッピングパターンfhop(1,j)を用いた場合を例にすると、選択される共通制御チャネルCCHは、第1ホップ(j=1)において、周波数ブロック1の周波数サブブロック1に属している。そして、第2ホップ目で選択される共通制御チャネルCCHは、周波数ブロック2の周波数サブブロック3に属しており、第3ホップ目では周波数ブロック1の周波数サブブロック2に、第4ホップ目では周波数ブロック2の周波数サブブロック4にそれぞれ属している。
【0101】
その結果、使用する共通制御チャネルCCHとしては、周波数ブロック1,2が交互に選択され、かつ、周波数ブロック1内では周波数サブブロック1,2が交互に選択され、周波数ブロック2内では周波数サブブロック3,4が交互に選択されるようにホッピングが行なわれる。
【0102】
他のホッピングパターンfhop(2,j)〜fhop(16,j)を用いた場合についても同じである。
【0103】
式(1)において、右辺第1項は、周波数ブロック1,2の選択を表し、右辺第2項は、周波数サブブロック1,2および周波数サブブロック3,4の選択を表し、右辺第3項は、周波数サブブロック1〜4内の位置を表す。
【0104】
第1ホッピングパターンfhop(1,j)に基づき使用する共通制御チャネルCCHを選択する場合、第1ホップ目では共通制御チャネルCCH1を選択する。この共通制御チャネルCCH1は、周波数ブロック1の周波数サブブロック1内の1番目の位置に存在する。そして、第2ホップ目では、周波数ブロック2の周波数サブブロック3内の1番目の位置を選択する。この周波数サブブロック3内の1番目の位置は、共通制御チャネルCCH9の位置であるので、使用する共通制御チャネルCCHは、第2ホップ目で共通制御チャネルCCH9へホッピングしたことになる。
【0105】
以下、同様にして、使用する共通制御チャネルCCHは、第3ホップ目で共通制御チャネルCCH5へホッピングし、第4ホップ目で共通制御チャネルCCH13へホッピングし、第5ホップ目で共通制御チャネルCCH2へホッピングし、第6ホップ目で共通制御チャネルCCH10へホッピングし、第7ホップ目で共通制御チャネルCCH6へホッピングし、第8ホップ目で共通制御チャネルCCH14へホッピングし、第9ホップ目で共通制御チャネルCCH3へホッピングし、第10ホップ目で共通制御チャネルCCH11へホッピングし、第11ホップ目で共通制御チャネルCCH7へホッピングし、第12ホップ目で共通制御チャネルCCH15へホッピングし、第13ホップ目で共通制御チャネルCCH4へホッピングし、第14ホップ目で共通制御チャネルCCH12へホッピングし、第15ホップ目で共通制御チャネルCCH8へホッピングし、第16ホップ目で共通制御チャネルCCH16へホッピングする。
【0106】
その後、上述した第1ホップ目から第16ホップ目が繰返し実行される。
【0107】
その結果、使用する共通制御チャネルCCHは、一周期(第1ホップ目から第16ホップ目)で16個の共通制御チャネルCCH1〜CCH16の全てにホッピングされる。
【0108】
他のホッピングパターンfhop(2,j)〜fhop(16,j)を用いた場合についても同様である。
【0109】
また、ホッピングパターンは、4個の共通制御チャネルが番号順にグループ化され、各グループは、各時間において単一の周波数サブブロックを使用する。
【0110】
更に、ホッピングパターンは、時間方向にも、4ブロックに分割され、各時間ブロックは、互いに周波数サブブロック内で巡回シフトを行なったものに相当する。即ち、同一グループに属する各ホッピングパターンは、互いに巡回シフトの関係にある。
【0111】
更に、周波数サブブロック1〜4の各々に属する共通制御チャネルの個数は、アクセスポイント1〜iおよび移動端末11〜1iが有する受信帯域幅のうち、最も狭い受信帯域幅に従って決定される。また、周波数ブロック1,2の各々に属する共通制御チャネルの個数は、アクセスポイント1〜iおよび移動端末11〜1iが有する受信帯域幅のうち、第2番目に狭い受信帯域幅に従って決定される。そして、周波数ブロック1,2の各々に属する共通制御チャネルの個数は、周波数サブブロック1〜4の各々に属する共通制御チャネルの個数の整数倍であり、周波数ブロック1,2の全体に属する共通制御チャネルの個数は、周波数ブロック1,2の各々に属する共通制御チャネルの個数の整数倍である。
【0112】
図7に示すホッピングパターンにおいては、周波数サブブロック1〜4の各々に属する共通制御チャネルの個数は、20MHzの受信帯域幅に従って4個と決定され、周波数ブロック1,2の各々に属する共通制御チャネルの個数は、40MHzの受信帯域幅に従って8個と決定されている。そして、周波数ブロック1,2の各々に属する共通制御チャネルの個数(=8個)は、周波数サブブロック1〜4の各々に属する共通制御チャネルの個数(=4個)の2倍であり、周波数ブロック1,2の全体に属する共通制御チャネルの個数(=16個)は、周波数ブロック1,2の各々に属する共通制御チャネルの個数(=8個)の2倍である。
【0113】
上述したホッピングパターンの特徴から、同一グループに属するホッピングパターンを使用するセルの制御情報は、受信帯域幅が20MHz以上の無線装置を用いれば全て同時に受信可能である。1つのグループに属する4個の共通制御チャネルが存在する周波数帯幅は、20MHzであるからである。
【0114】
従って、近接セルのホッピングパターンが同一グループに属するように設定すれば、異なるセル間における制御情報の共有が比較的に容易に行なえる。また、近接に位置する他の無線システムのバックオフ処理の阻害も軽減され、これらのシステムのスループットの低下を抑制できる。
【0115】
無線通信システム100においては、アクセスポイント1〜iおよび移動端末11〜1iは、相互に異なる受信帯域幅を有しているが、少なくとも20MHzの受信帯域幅を有する。そして、図1において、近接するセルC1〜C3およびセルCi−1,Ci等は、ホッピングパターンが同一のグループに属する共通制御チャネルが設定される。
【0116】
アクセスポイント1〜iの各々において、ホッピングテーブル106は、図7に示すホッピングパターンを保持している。従って、アクセスポイント1〜iの各々において、選択手段105は、図7に示すホッピングパターンを参照して、各タイムフレームにおいて使用する共通制御チャネルを選択する。
【0117】
[アクセスポイントおよび移動端末間におけるデータチャネルの共有]
図8は、アクセスポイント1〜iと移動端末11〜1iとの間でデータフレームの通信用に用いるデータチャネルを共有する方法を説明するための図である。なお、図8においては、セルC1に属するアクセスポイント1と移動端末11との間でデータフレームの通信用に用いるデータチャネルを共有する方法について説明する。
【0118】
アクセスポイント1の選択手段105は、チャネルCH1〜CH80の各々におけるキャリアセンスの結果を送信手段102から受け、その受けたキャリアセンスの結果に基づいて、上述した方法によって、他のアクセスポイント2,3が使用している割合が高いグループとして周波数サブブロック1を選択する。
【0119】
そして、アクセスポイント1の選択手段105は、その選択した周波数サブブロック1に属する共通制御チャネルCCH1をアクセスポイント1が使用する初期の共通制御チャネルCCH_iniとして選択する。即ち、アクセスポイント1の選択手段105は、第1ホップ目において共通制御チャネルCCH1を選択する。
【0120】
アクセスポイント1の送信手段102は、選択手段105から共通制御チャネルCCH1を受け、センシング期間1において、受信手段103から受けた受信信号強度情報に基づいて共通制御チャネルCCH1上でキャリアセンスを行なう。
【0121】
アクセスポイント1の送信手段102は、キャリアセンスの結果、共通制御チャネルCCH1が未使用であれば、チャネルCH1〜CH80に対する使用状況を“1”または“0”で示したマップ(=データチャネル選択情報)を含む制御情報フレームCTLF1を生成し、その生成した制御情報フレームCTLF1を共通制御チャネルCCH1を用いてタイムフレームTF1のスロット(=DL1)で移動端末11へ送信する。
【0122】
そして、移動端末11の受信手段113は、アンテナ111を介して共通制御チャネルCCH1〜CCH16の周波数帯域(=2402〜2481MHz)でフレームの到来検出を行ない、制御情報フレームCTLF1を共通制御チャネルCCH1で受信し、その受信した制御情報フレームCTLF1をチャネル決定手段114へ出力するとともに、制御情報フレームCTLF1を受信した共通制御チャネルCCH1を送信手段112へ出力する。
【0123】
その後、移動端末11のチャネル決定手段114は、受信手段113から制御情報フレームCTLF1を受け、その受けた制御情報フレームCTLF1のマップを参照して、アクセスポイント1が観測したチャネルCH1〜CH80の使用状況を取得する。また、移動端末11のチャネル決定手段114は、送信手段112が観測したチャネルCH1〜CH80の使用状況を送信手段112から受ける。
【0124】
そうすると、移動端末11のチャネル決定手段114は、アクセスポイント1から受信したチャネルCH1〜CH80の使用状況と、送信手段112から受けたチャネルCH1〜CH80の使用状況とに基づいて、チャネルCH1〜CH80から共通制御チャネルCCH1〜CCH16を除いた64個のチャネルのうちの未使用なチャネルを移動端末11がデータフレームの通信用に用いるデータチャネルDCH_1として決定する。そして、移動端末11のチャネル決定手段114は、その決定したデータチャネルDCH_1を送信手段112へ出力する。
【0125】
その後、移動端末11の送信手段112は、データチャネルDCH_1をチャネル決定手段114から受け、共通制御チャネルCCH1を受信手段113から受ける。そして、移動端末11の送信手段112は、データチャネルDCH_1を含む制御情報フレームCTLF2を生成し、その生成した制御情報フレームCTLF2を共通制御チャネルCCH1を用いてタイムフレームTF1のスロット(=UL1)でアクセスポイント1へ送信する。
【0126】
アクセスポイント1の受信手段103は、アンテナ101を介してフレームの到来検出を行ない、共通制御チャネルCCH1で制御情報フレームCTLF2を受信し、その受信した制御情報フレームCTLF2を送信手段102へ出力する。
【0127】
そして、アクセスポイント1の送信手段102は、受信手段103から受けた制御情報フレームCTLF2に含まれるデータチャネルDCH_1を検出し、移動端末11がデータフレームの通信用に用いるデータチャネルがデータチャネルDCH_1であることを検知する。
【0128】
これによって、データチャネルDCH_1がアクセスポイント1および移動端末11間で共有される。
【0129】
その後、アクセスポイント1および移動端末11は、キャリアセンスによってデータチャネルDCH_1のうち、データフレームの送信時に未使用なチャネルを選択し、その選択したチャネルを用いてデータフレームDTF1を時分割で相互に送受信する。
【0130】
なお、移動端末11の受信手段113は、アンテナ111を介して共通制御チャネルCCH1〜CCH16の周波数帯域(=2402〜2481MHz)でフレームの到来検出を行なった結果、制御情報フレームCTLF1のみならず、他のセルC2に属するアクセスポイント2からの制御情報フレームCTLF3を受信した場合、制御情報フレームCTLF1および制御情報フレームCTLF3をチャネル決定手段114へ出力する。
【0131】
そして、移動端末11のチャネル決定手段114は、制御情報フレームCTLF1に含まれるチャネルCH1〜CH80の使用状況と、制御情報フレームCTLF3に含まれるチャネルCH1〜CH80の使用状況と、送信手段112から受けたチャネルCH1〜CH80の使用状況とに基づいて、上述した方法によってデータチャネルDCH_1を決定する。
【0132】
これによって、セルC1に隣接するセルC2内で未使用なチャネルからデータチャネルDCH_1を決定でき、セルC1,C2間で干渉を回避できる。
【0133】
一方、アクセスポイント1の送信手段102は、センシング期間1における共通制御チャネルCCH1でのキャリアセンスの結果、共通制御チャネルCCH1が使用中であれば、タイムフレームTF1における制御情報フレームCTLFの送信を停止する。
【0134】
タイムフレームTF1の終了後、アクセスポイント1の選択手段105は、同期確立手段107からのクロックに同期してタイムフレームTF2を検知すると、ホッピングテーブル106に格納されたホッピングパターン(図7参照)を参照して、タイムフレームTF2において使用する共通制御チャネルとして共通制御チャネルCCH9を選択する。即ち、使用する共通制御チャネルは、共通制御チャネルCCH1から共通制御チャネルCCH9へホッピングする。そして、アクセスポイント1の選択手段105は、その選択した共通制御チャネルCCH9を送信手段102へ出力する。
【0135】
この場合、アクセスポイント1の選択手段105は、送信手段102がタイムフレームTF1において制御情報フレームCTLFを移動端末11へ送信していない場合も、同様にして共通制御チャネルCCH9を選択して送信手段102へ出力する。
【0136】
アクセスポイント1の送信手段102は、共通制御チャネルCCH9を選択手段105から受け、センシング期間2において、受信手段103から受けた受信信号強度情報に基づいて共通制御チャネルCCH9でキャリアセンスする。そして、アクセスポイント1の送信手段102は、共通制御チャネルCCH9が未使用であれば、チャネルCH1〜CH80に対する使用状況を“1”または“0”で示したマップ(=データチャネル選択情報)を含む制御情報フレームCTLF4を生成し、その生成した制御情報フレームCTLF4を共通制御チャネルCCH9を用いてタイムフレームTF2のスロット(=DL2)で移動端末11へ送信する。
【0137】
そして、移動端末11の受信手段113は、アンテナ111を介して共通制御チャネルCCH1〜CCH16の周波数帯域(=2402〜2481MHz)でフレームの到来検出を行ない、制御情報フレームCTLF4を共通制御チャネルCCH9で受信し、その受信した制御情報フレームCTLF4をチャネル決定手段114へ出力するとともに、制御情報フレームCTLF4を受信した共通制御チャネルCCH9を送信手段112へ出力する。
【0138】
その後、移動端末11のチャネル決定手段114は、受信手段113から制御情報フレームCTLF4を受け、その受けた制御情報フレームCTLF4のマップを参照して、アクセスポイント1が観測したチャネルCH1〜CH80の使用状況を取得する。また、移動端末11のチャネル決定手段114は、送信手段112が観測したチャネルCH1〜CH80の使用状況を送信手段112から受ける。
【0139】
そうすると、移動端末11のチャネル決定手段114は、アクセスポイント1から受信したチャネルCH1〜CH80の使用状況と、送信手段112から受けたチャネルCH1〜CH80の使用状況とに基づいて、チャネルCH1〜CH80から共通制御チャネルCCH1〜CCH16を除いた64個のチャネルのうちの未使用なチャネルを移動端末11がデータフレームの通信用に用いるデータチャネルDCH_2として決定する。そして、移動端末11のチャネル決定手段114は、その決定したデータチャネルDCH_2を送信手段112へ出力する。
【0140】
その後、移動端末11の送信手段112は、データチャネルDCH_2をチャネル決定手段114から受け、共通制御チャネルCCH9を受信手段113から受ける。そして、移動端末11の送信手段112は、データチャネルDCH_2を含む制御情報フレームCTLF5を生成し、その生成した制御情報フレームCTLF5を共通制御チャネルCCH9を用いてタイムフレームTF2のスロット(=UL2)でアクセスポイント1へ送信する。
【0141】
アクセスポイント1の受信手段103は、アンテナ101を介してフレームの到来検出を行ない、共通制御チャネルCCH9で制御情報フレームCTLF5を受信し、その受信した制御情報フレームCTLF5を送信手段102へ出力する。
【0142】
そして、アクセスポイント1の送信手段102は、受信手段103から受けた制御情報フレームCTLF5に含まれるデータチャネルDCH_2を検出し、移動端末11がデータフレームの通信用に用いるデータチャネルがデータチャネルDCH_2であることを検知する。
【0143】
これによって、データチャネルDCH_2がアクセスポイント1および移動端末11間で共有される。
【0144】
その後、アクセスポイント1および移動端末11は、キャリアセンスによってデータチャネルDCH_2のうち、データフレームの送信時に未使用なチャネルを選択し、その選択したチャネルを用いてデータフレームDTF2を時分割で相互に送受信する。
【0145】
なお、タイムフレームTF2においても、移動端末11の受信手段113は、アンテナ111を介して共通制御チャネルCCH1〜CCH16の周波数帯域(=2402〜2481MHz)でフレームの到来検出を行なった結果、制御情報フレームCTLF5のみならず、他のセルC2に属するアクセスポイント2からの制御情報フレームCTLF6を受信した場合、制御情報フレームCTLF5および制御情報フレームCTLF6をチャネル決定手段114へ出力する。
【0146】
そして、移動端末11のチャネル決定手段114は、制御情報フレームCTLF5に含まれるチャネルCH1〜CH80の使用状況と、制御情報フレームCTLF6に含まれるチャネルCH1〜CH80の使用状況と、送信手段112から受けたチャネルCH1〜CH80の使用状況とに基づいて、上述した方法によってデータチャネルDCH_2を決定する。
【0147】
これによって、セルC1に隣接するセルC2内で未使用なチャネルからデータチャネルDCH_2を決定でき、タイムフレームTF2においてもセルC1,C2間で干渉を回避できる。
【0148】
一方、アクセスポイント1の送信手段102は、センシング期間2における共通制御チャネルCCH9でのキャリアセンスの結果、共通制御チャネルCCH9が使用中であれば、タイムフレームTF2における制御情報フレームCTLFの送信を停止する。
【0149】
それ以後、アクセスポイント1は、上述した動作を繰返し実行して各タイムフレームTFごとに共通制御チャネルCCHをホッピングパターン(図7参照)に従って変更し、その変更した共通制御チャネルCCHを用いてチャネルCH1〜CH80の使用状況を含む制御情報フレームCTLFを移動端末11へ時分割で送信する。そして、移動端末11は、各タイムフレームTFごとに、上述した方法によってデータチャネルDCHを決定してアクセスポイント1へ送信する。これによって、アクセスポイント1および移動端末11は、各タイムフレームTFごとにデータチャネルDCHを共有する。
【0150】
なお、アクセスポイント2〜iおよび移動端末12〜1iも、アクセスポイント1および移動端末11と同じ方法によってデータチャネルDCHを共有する。
【0151】
上述した方法によれば、データフレームの送信に先立って使用する周波数チャネルを各セルC1〜Ciにおいて自律分散的に決定し、その情報が共通制御チャネル上で送受信ノード(アクセスポイント1〜iおよび移動端末11〜1i)間で交換される。
【0152】
[隣接するアクセスポイント間におけるデータチャネルの決定]
セルC1は、セルC2,C3と隣接している。この場合、セルC1を管理するアクセスポイント1は、セルC2を管理するアクセスポイント2よりも遅くオンされることがある。
【0153】
このような場合、アクセスポイント2は、上述した方法によって、移動端末12との間でデータチャネルを共有し、その共有したデータチャネルを用いて移動端末12との間でデータフレームを送受信している。
【0154】
その結果、アクセスポイント1は、アクセスポイント2がデータフレームの送受信に用いているデータチャネルとの衝突を回避してデータチャネルを選択することが困難である。
【0155】
そこで、他のアクセスポイント2に遅れてオンされたアクセスポイント1がデータチャネルを決定する方法について説明する。
【0156】
アクセスポイント1は、上述した方法によって、共通制御チャネルを定期的に選択し、その選択した共通制御チャネルを用いてデータチャネル選択情報を含む制御情報フレームを定期的に送信する。
【0157】
また、アクセスポイント2も、上述した方法によって、共通制御チャネルを定期的に選択し、その選択した共通制御チャネルを用いてデータチャネル選択情報を含む制御フレームを定期的に送信する。
【0158】
そして、アクセスポイント1は、例えば、タイムフレームTF1において共通制御チャネルCCH1を用いてデータチャネル選択情報DCSI1を含む制御情報フレームCTLF7を送信する。また、アクセスポイント2は、例えば、タイムフレームTF1において共通制御チャネルCCH2を用いてデータチャネル選択情報DCSI2を含む制御情報フレームCTLF8を送信する。
【0159】
図9は、データチャネル選択情報の例を示す図である。なお、図9においては、チャネルCH7〜CH80は、全て使用中であるものとする。
【0160】
図9を参照して、アクセスポイント1は、データチャネル選択情報DCSI1−1(データチャネル選択情報DCSI1の一種)を含む制御情報フレームCTLF7を共通制御チャネルCCH1を用いて送信し、アクセスポイント2は、データチャネル選択情報DCSI2−1(データチャネル選択情報DCSI2の一種)を含む制御情報フレームCTLF8を共通制御チャネルCCH2を用いて送信する。
【0161】
そして、アクセスポイント1の受信手段103は、アンテナ101を介してチャネルCH1〜CH80でフレームの到来検出を行い、共通制御チャネルCCH2で制御情報フレームCTLF8を受信する。その後、アクセスポイント1の受信手段103は、その受信した制御情報フレームCTLF8をチャネル決定手段104へ出力し、制御情報フレームCTLF8および共通制御チャネルCCH2を送信手段102へ出力する。
【0162】
アクセスポイント1のチャネル決定手段104は、制御情報フレームCTLF8を受け、その受けた制御情報フレームCTLF8に含まれるデータチャネル選択情報DCSI2−1(図9の(b)参照)を取り出す。
【0163】
また、アクセスポイント1のチャネル決定手段104は、送信手段102からデータチャネル選択情報DCSI1−1(図9の(a)参照)を受ける。
【0164】
そうすると、アクセスポイント1のチャネル決定手段104は、データチャネル選択情報DCSI1−1,DCSI2−1に基づいて、未使用中のチャネルCH2,CH4,CH5を重複するデータチャネルDDCとして決定する。
【0165】
そして、アクセスポイント1のチャネル決定手段104は、重複するデータチャネルDDCの中から開放を要求する開放要求データチャネルRDDC(=例えば、CH5)を決定する。その後、アクセスポイント1のチャネル決定手段104は、その決定した開放要求データチャネルRDDC(=CH5)を送信手段102へ出力する。
【0166】
このように、アクセスポイント1は、アクセスポイント1,2が共に使用を予定しているチャネルCH2,CH4,CH5を重複するデータチャネルDDCとして決定し、その決定した重複するデータチャネルDDC(=CH2,CH4,CH5)の中から開放要求データチャネルRDDC(=CH5)を決定することによって、アクセスポイント1,2がデータ通信用に用いるデータチャネルを相互に異なったチャネルに設定でき、セルC1,C2間における衝突を回避できる。
【0167】
アクセスポイント1の送信手段102は、共通制御チャネルCCH2を受信手段103から受け、開放要求データチャネルRDDC(=CH5)をチャネル決定手段104から受ける。
【0168】
そして、アクセスポイント1の送信手段102は、開放要求データチャネルRDDC(=CH5)を含む制御情報フレームCTLF9を生成し、その生成した制御情報フレームCTLF9を共通制御チャネルCCH2を用いてアクセスポイント2へ送信する。つまり、アクセスポイント1は、アクセスポイント2の移動端末として制御情報フレームCTLF9をアクセスポイント2へ送信する。
【0169】
アクセスポイント2の受信手段103は、アンテナ101を介してチャネルCH1〜CH80でフレームの到来検出を行い、共通制御チャネルCCH2で制御情報フレームCTLF9を受信する。そして、アクセスポイント2の受信手段103は、その受信した制御情報フレームCTLF9をチャネル決定手段104へ出力する。
【0170】
アクセスポイント2のチャネル決定手段104は、制御情報フレームCTLF9を受け、その受けた制御情報フレームCTLF9に含まれる開放要求データチャネルRDDC(=CH5)を取り出す。
【0171】
そして、アクセスポイント2のチャネル決定手段104は、送信手段102から受けたデータチャネル選択情報DCSI2−1に基づいて、開放するデータチャネルを決定する。より具体的には、アクセスポイント2のチャネル決定手段104は、開放要求データチャネルRDDC(=CH5)がデータチャネル選択情報DCSI2−1において未使用中であるチャネルCH2,CH4,CH5に含まれることを確認し、開放するデータチャネルとしてチャネルCH5を決定する。
【0172】
その後、アクセスポイント2のチャネル決定手段104は、データチャネル選択情報DCSI2−1からチャネルCH5を削除してデータチャネル選択情報DCSI2−2(図9の(c)参照)を作成するとともに、チャネルCH5を送信手段102へ出力する。
【0173】
このように、データチャネル選択情報DCSI2−1からチャネルCH5を削除することによって、アクセスポイント1,2がデータ通信用に用いるデータチャネルを相互に異なるチャネルに設定することを確実に行なうことができる。アクセスポイント2は、チャネルCH5が削除されたデータチャネル選択情報DCSI2−2に基づいて、移動端末12との間でデータフレームの送受信に用いるデータチャネルを決定するからである。
【0174】
アクセスポイント2の送信手段102は、開放するデータチャネルRDC(=CH5)をチャネル決定手段104から受ける。そして、アクセスポイント2の送信手段102は、その受けた開放するデータチャネルRDC(=CH5)を含む制御情報フレームCTLF10を生成し、その生成した制御情報フレームCTLF10を共通制御チャネルCCH2を用いてアクセスポイント1へ送信する。
【0175】
アクセスポイント1の受信手段103は、アンテナ101を介してチャネルCH1〜CH80でフレームの到来検出を行い、共通制御チャネルCCH2で制御情報フレームCTLF10を受信する。そして、アクセスポイント1の受信手段103は、制御情報フレームCTLF10を送信手段102へ出力する。つまり、アクセスポイント1は、アクセスポイント2の移動端末として制御情報フレームCTLF10をアクセスポイント2から受信する。
【0176】
アクセスポイント1の送信手段102は、制御情報フレームCTLF10を受け、その受けた制御情報フレームCTLF10から、開放されたデータチャネルRDC(=CH5)を取り出す。また、アクセスポイント1の送信手段102は、制御情報フレームCTLF8からデータチャネル選択情報DCSI2−1を取り出す。
【0177】
そして、アクセスポイント1の送信手段102は、データチャネル選択情報DCSI2−1に基づいて、アクセスポイント2が使用を予定しているチャネルCH2,CH4,CH5を検出し、その検出したチャネルCH2,CH4,CH5をデータチャネル選択情報DCSI1−1から削除する。その後、アクセスポイント1の送信手段102は、開放されたデータチャネルRDC(=CH5)をデータチャネル選択情報DCSI1−1に追加してデータチャネル選択情報DCSI1−2(図9の(d)参照)を作成する。この場合、アクセスポイント1の送信手段102は、開放されたデータチャネルRDC(=CH5)を使用中のチャネルとしてデータチャネル選択情報DCSI1−1に追加する。
【0178】
なお、アクセスポイント1がアクセスポイント2が使用を予定しているチャネルCH2,CH4,CH5をデータチャネル選択情報DCSI1−1から削除することによって、アクセスポイント1,2がデータ通信用に用いるデータチャネルを相互に異なるチャネルに設定することを確保できる。アクセスポイント1は、データチャネル選択情報DCSI1−2に基づいて、移動端末11との間でデータフレームを送受信するためのデータチャネルを決定し、データチャネル選択情報DCSI1−2においては、チャネルCH2,CH4が削除されており、データチャネル選択情報DCSI2−2においては、チャネルCH5が削除されているからである。
【0179】
このように、アクセスポイント1は、アクセスポイント2よりも遅れてオンされる等の原因によって、優先順位が低い場合、アクセスポイント2の移動端末として開放要求データチャネルRDDCをアクセスポイント2へ送信し、アクセスポイント2は、自己が使用を予定しているチャネルCH2,CH4,CH5の一部をアクセスポイント1が使用できるように調整する。
【0180】
従って、アクセスポイント1がデータチャネルを使用できるようになり、セルC1内におけるデータ伝送のスループットを向上できる。
【0181】
なお、アクセスポイント1以外のアクセスポイント2〜iも、優先順位が他のアクセスポイントよりも低い場合、上述した方法によって、データ通信用に用いるデータチャネルを取得する。
【0182】
図10は、無線通信システム100の1つのセルに属するアクセスポイントおよび移動端末の動作を説明するためのフローチャートである。
【0183】
なお、図10においては、セルC1に属するアクセスポイント1および移動端末11の動作を説明する。
【0184】
一連の動作が開始されると、アクセスポイント1の選択手段105は、上述した方法によって、初期の共通制御チャネルCCH_iniを選択し、その選択した共通制御チャネルCCH_iniを共通制御チャネルCCHと設定する(ステップS1)。
【0185】
そして、アクセスポイント1は、m=1を設定し(ステップS2)、共通制御チャネルCCHを送信手段102へ出力する。その後、アクセスポイント1の送信手段102は、タイムフレームTF(m)のセンシング期間において、受信手段103から受けた受信信号強度情報に基づいて共通制御チャネルCCHでキャリアセンスし(ステップS3)、共通制御チャネルCCHが使用中であるか否かを判定する(ステップS4)。
【0186】
ステップS4において、共通制御チャネルCCHが使用中でないと判定されたとき、アクセスポイント1の送信手段102は、タイムフレームTF(m)の3個のスロット(=DL1,UL1;DL2,UL2;DL3,UL3)の中から任意の1個のスロットを選択する(ステップS5)。
【0187】
その後、アクセスポイント1の送信手段102は、チャネルCH1〜CH80でのキャリアセンス結果に基づいて、上述した方法によって、チャネルCH1〜CH80の使用状況を示すマップを含む制御情報フレームCTLF1を生成する(ステップS6)。
【0188】
そして、アクセスポイント1の送信手段102は、タイムフレームTF(m)において、選択したスロットで共通制御チャネルCCHを用いて制御情報フレームCTLF1を移動端末11へ送信する(ステップS7)。
【0189】
そうすると、移動端末11の受信手段113は、チャネルCH1〜CH80でフレームの到来検出を行い、共通制御チャネルCCHで制御情報フレームCTLF1を受信する(ステップS8)。
【0190】
そして、移動端末11の受信手段113は、制御情報フレームCTLF1をチャネル決定手段114へ出力するとともに、制御情報フレームCTLF1を受信したときの共通制御チャネルCCHを送信手段112へ出力する。
【0191】
その後、移動端末11のチャネル決定手段114は、制御情報フレームCTLF1から取り出したチャネルCH1〜CH80の使用状況と、送信手段112が観測したチャネルCH1〜CH80の使用状況とに基づいて、データチャネルDCHを決定し(ステップS9)、その決定したデータチャネルDCHを送信手段112へ出力する。
【0192】
移動端末11の送信手段112は、データチャネルDCHをチャネル決定手段114から受け、共通制御チャネルCCHを受信手段113から受ける。そして、移動端末11の送信手段112は、データチャネルDCHを含む制御情報フレームCTLF2を生成し(ステップS10)、アクセスポイント1と同じ番号のスロットを選択する(ステップS11)。例えば、アクセスポイント1がDL1からなるスロットを選択したのであれば、移動端末11の送信手段112は、UL1からなるスロットを選択する。なお、アクセスポイント1〜iおよび移動端末11〜1i間では同期が取れているので、移動端末11の送信手段112は、受信手段113が制御情報フレームCTLF1を受信したタイミング(即ち、共通制御チャネルCCHを受信手段113から受けるタイミング)によって、アクセスポイント1が選択したスロットを検知できる。
【0193】
ステップS11の後、移動端末11の送信手段112は、選択したスロットで共通制御チャネルCCHを用いて制御情報フレームCTLF2をアクセスポイント1へ送信する(ステップS12)。
【0194】
そして、アクセスポイント1の受信手段103は、チャネルCH1〜CH80でフレームの到来検出を行ない、共通制御チャネルCCHで制御情報フレームCTLF2を受信し(ステップS13)、その受信した制御情報フレームCTLF2を送信手段102へ出力する。
【0195】
その後、アクセスポイント1の送信手段102は、受信手段103から制御情報フレームCTLF2を受け、その受けた制御情報フレームCTLF2からデータチャネルDCHを検出する(ステップS14)。これによって、データチャネルDCHがアクセスポイント1および移動端末11間で共有される。
【0196】
そして、アクセスポイント1および移動端末11は、データチャネルDCHでキャリアセンスを行ない、データチャネルDCHのうちに未使用なチャネルがあれば、データフレームを生成し、未使用なチャネルを用いてデータフレームを時分割で相互に送受信する(ステップS15)。
【0197】
なお、データチャネルDCHの全てが使用中であれば、アクセスポイント1および移動端末11は、データフレームの送信を停止する。
【0198】
一方、ステップS4において、共通制御チャネルCCHが使用中であると判定されたとき、アクセスポイント1の送信手段102は、制御情報フレームCTLFの送信を停止する(ステップS16)。
【0199】
そして、ステップS15またはステップS16の後、アクセスポイント1は、m=m+1を設定し(ステップS17)、タイムフレームTF(m)においてホッピングパターンに従って共通制御チャネルを変更し、変更後の共通制御チャネルCCH_hopを共通制御チャネルCCHに設定する(ステップS18)。
【0200】
以後、一連の動作は、ステップS3へ戻り、上述したステップS3〜ステップS18が繰返し実行される。
【0201】
そして、ステップS5が2回目以降に実行される場合、アクセスポイント1の送信手段102は、前回選択したスロットの番号を1つインクリメントしてスロットを選択し、DL3からなるスロットを選択した後にスロットを選択するときは、DL1からなるスロットを選択する。
【0202】
このように、3個のスロットから1個のスロットを選択して制御情報フレームCTLFを送信することによって、同じ共通制御チャネルCCHを使用するアクセスポイントは、時分割で制御情報フレームCTLFを送信できる。
【0203】
上述したように、この発明の実施の形態においては、タイムフレーム単位で共通制御チャネルCCHをホッピングパターンに従って変更し、時分割で制御情報フレームCTLFを送受信するので、最大で48セル間で衝突を回避してデータフレームの通信用に用いるデータチャネルを示すデータチャネル選択情報を交換し、アクセスポイント1および移動端末11間でデータチャネル選択情報を共有できる。
【0204】
また、チャネルCH1〜CH80の全ての使用状況を示すマップは、タイムフレーム単位(5msごと)で制御情報フレームCTLFに含まれてアクセスポイントから移動端末へ送信されるので、周波数方向および時間方向の両方に随時変化する空いている周波数資源を有効に利用できる。
【0205】
なお、セルC2〜Ciに含まれるアクセスポイント2〜iおよび移動端末12〜1iの動作も、図10に示すフローチャートに従って実行される。
【0206】
図11は、アクセスポイント間におけるデータチャネルの決定を説明するためのフローチャートである。なお、図11において、アクセスポイント1,2間におけるデータチャネルの決定について説明する。
【0207】
図11を参照して、一連の動作が開始されると、アクセスポイント1は、共通制御チャネルCCH1を選択し、その選択した共通制御チャネルCCH1を用いてデータチャネル選択情報DCSI1を含む制御情報フレームCTLF7を送信する(ステップS21)。
【0208】
そして、アクセスポイント2は、アンテナ101を介してチャネルCH1〜CH80でフレームの到来検出を行い、共通制御チャネルCCH1用いて制御情報フレームCTLF7を受信する(ステップS22)。
【0209】
その後、アクセスポイント2は、共通制御チャネルCCH2を選択し、その選択した共通制御チャネルCCH2を用いてデータチャネル選択情報DCSI2を含む制御情報フレームCTLF8を送信する(ステップS23)。
【0210】
そして、アクセスポイント1は、アンテナ101を介してチャネルCH1〜CH80でフレームの到来検出を行い、共通制御チャネルCCH2で制御情報フレームCTLF8を受信する(ステップS24)。その後、アクセスポイント1は、その受信した制御情報フレームCTLF8からデータチャネル選択情報DCSI2を取り出し、データチャネル選択情報DCSI1,DCSI2に基づいて、重複するデータチャネルDDCを決定する(ステップS25)。
【0211】
引き続いて、アクセスポイント1は、重複するデータチャネルDDCの中から開放を要求する開放要求データチャネルRDDCを決定する(ステップS26)。そして、アクセスポイント1は、開放要求データチャネルRDDCを含む制御情報フレームCTLF9を生成し、その生成した制御情報フレームCTLF9を共通制御チャネルCCH2を用いてアクセスポイント2へ送信する(ステップS27)。つまり、アクセスポイント1は、アクセスポイント2の移動端末として制御情報フレームCTLF9をアクセスポイント2へ送信する。
【0212】
アクセスポイント2は、アンテナ101を介してチャネルCH1〜CH80でフレームの到来検出を行い、共通制御チャネルCCH2で制御情報フレームCTLF9を受信する(ステップS28)。そして、アクセスポイント2は、その受信した制御情報フレームCTLF9に含まれる開放要求データチャネルRDDCと、データチャネル選択情報DCSI2とに基づいて、上述した方法によって、開放するデータチャネルRDCを決定する(ステップS29)。
【0213】
その後、アクセスポイント2は、データチャネル選択情報DCSI2から、開放するデータチャネルRDCを削除する(ステップS30)。
【0214】
引き続いて、アクセスポイント2は、開放するデータチャネルRDCを含む制御情報フレームCTLF10を生成し、その生成した制御情報フレームCTLF10を共通制御チャネルCCH2を用いてアクセスポイント1へ送信する(ステップS31)。
【0215】
アクセスポイント1は、アンテナ101を介してチャネルCH1〜CH80でフレームの到来検出を行い、共通制御チャネルCCH2で制御情報フレームCTLF10を受信する(ステップS32)。つまり、アクセスポイント1は、アクセスポイント2の移動端末として制御情報フレームCTLF10をアクセスポイント2から受信する。そして、アクセスポイント1は、データチャネル選択情報DCSI2に基づいて、アクセスポイント2が使用を予定しているチャネルを検出し、その検出したチャネルをデータチャネル選択情報DCSI1から削除する。その後、アクセスポイント1は、開放されたデータチャネルRDCをデータチャネル選択情報DCSI1−1に追加する(ステップS33)。これによって、一連の動作は、終了する。
【0216】
アクセスポイント1は、データ通信用に用いるデータチャネルを取得すると、図10に示すフローチャートに従って移動端末11との間でデータチャネルを共有し、移動端末11との間でデータフレームを送受信する。
【0217】
なお、アクセスポイント1以外のアクセスポイント2〜iが隣接するアクセスポイントとの間でデータチャネルを決定する場合も、アクセスポイント2〜iは、図11に示すフローチャートに従ってデータチャネルを決定する。
【0218】
このように、アクセスポイント1は、アクセスポイント2よりも遅れてオンされる等の原因によって、優先順位が低い場合、アクセスポイント2の移動端末として開放要求データチャネルRDDCをアクセスポイント2へ送信し、アクセスポイント2は、自己が使用を予定しているチャネルの一部をアクセスポイント1が使用できるように調整する。
【0219】
従って、アクセスポイント1がデータチャネルを使用できるようになり、セルC1内におけるデータ伝送のスループットを向上できる。
【0220】
なお、この発明の実施の形態においては、アクセスポイント1は、「無線装置」または「第1の無線装置」を構成し、アクセスポイント2は、「第2の無線装置」または「他の無線装置」を構成する。
【0221】
また、この発明の実施の形態においては、共通制御チャネルCCH1は、「第1の共通制御チャネル」を構成し、共通制御チャネルCCH2は、「第2の共通制御チャネル」を構成する。
【0222】
更に、データチャネル選択情報DCSI1は、「第1のデータチャネル選択情報」を構成し、データチャネル選択情報DCSI2は、「第2のデータチャネル選択情報」を構成する。
【0223】
更に、アクセスポイント1〜iがタイムフレーム単位で制御情報フレームを送受信することは、アクセスポイント1〜iが制御情報フレームを定期的に送受信することに相当する。
【0224】
更に、移動端末11〜1iがタイムフレーム単位で制御情報フレームを送受信することは、移動端末11〜1iが制御情報フレームを定期的に送受信することに相当する。
【0225】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0226】
この発明は、セル内においてスループットを向上する無線装置に適用される。また、この発明は、セル内においてスループットを向上する無線装置を備えた無線通信システムに適用される。
【符号の説明】
【0227】
1〜i アクセスポイント、11〜1i 移動端末、100 無線通信システム、101,111 アンテナ、102,112 送信手段、103,113 受信手段、104,114 チャネル決定手段、105 選択手段、106 ホッピングテーブル、107,115 同期確立手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が一つの基地局によって管理される複数のセルが存在するとともに、異なる複数の無線システムが混在した無線通信環境において無線通信を行なう無線通信システムであって、
前記複数の無線システムが使用している周波数帯域から周波数ホッピング方式によって第1の共通制御チャネルを定期的に選択し、その選択した第1の共通制御チャネル上でキャリアセンスを行ない、前記選択した第1の共通制御チャネルが未使用である場合に前記選択した第1の共通制御チャネルを用いてデータ通信用に用いられるデータチャネルを選択するための第1のデータチャネル選択情報を定期的に送信する第1の無線装置と、
前記第1の無線装置が管理する第1のセルに隣接する第2のセルを管理するとともに、前記複数の無線システムが使用している周波数帯域から周波数ホッピング方式によって第2の共通制御チャネルを定期的に選択し、その選択した第2の共通制御チャネル上でキャリアセンスを行ない、前記選択した第2の共通制御チャネルが未使用である場合に前記選択した第2の共通制御チャネルを用いてデータ通信用に用いられるデータチャネルを選択するための第2のデータチャネル選択情報を定期的に送信する第2の無線装置とを備え、
前記第1の無線装置は、前記第2の無線装置から前記第2の共通制御チャネルを用いて前記第2のデータチャネル選択情報を必要に応じて受信するとともに、その受信した第2のデータチャネル選択情報と前記第1のデータチャネル選択情報とに基づいて、重複するデータチャネルを決定し、前記重複するデータチャネルの中から前記第2の無線装置に対して開放を要求する開放要求データチャネルを決定し、その決定した開放要求データチャネルを前記第2の共通制御チャネルを用いて前記第2の無線装置へ送信する、無線通信システム。
【請求項2】
前記第2の無線装置は、前記開放要求データチャネルを前記第2の共通制御チャネルを用いて前記第1の無線装置から受信すると、前記第2のデータチャネル選択情報に基づいて前記第1の無線装置に対して開放するデータチャネルを決定するとともに、前記第2のデータチャネル選択情報から前記開放するデータチャネルを削除し、前記開放するデータチャネルを前記第2の共通制御チャネルを用いて前記第1の無線装置へ送信する、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記第1の無線装置は、開放されたデータチャネルを前記第2の無線装置から前記第2の共通制御チャネルを用いて受信すると、前記第2の無線装置が使用を予定しているデータチャネルを前記第1のデータチャネル選択情報から削除するとともに前記開放されたデータチャネルを前記第1のデータチャネルに加える、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項4】
各々が一つの基地局によって管理される複数のセルが存在するとともに、異なる複数の無線システムが混在した無線通信環境において無線通信を行なう無線通信システムに用いられる無線装置であって、
前記複数の無線システムが使用している周波数帯域から周波数ホッピング方式によって共通制御チャネルを定期的に選択する選択手段と、
前記周波数帯域における受信信号強度情報に基づいて、前記選択手段によって選択された第1の共通制御チャネル上でキャリアセンスを行ない、前記選択された第1の共通制御チャネルが未使用である場合に前記第1の共通制御チャネルを用いてデータ通信用に用いられるデータチャネルを選択するための第1のデータチャネル選択情報を定期的に送信する送信手段と、
前記周波数帯域における受信信号強度を測定して前記第1の共通制御チャネルに関する受信信号強度情報を生成し、その生成した受信信号強度情報を前記送信手段へ出力するとともに、当該無線装置が管理する第1のセルに隣接する第2のセルを管理する他の無線装置がデータ通信用に用いる第2のデータチャネル選択情報を第2の共通制御チャネルを用いて必要に応じて前記他の無線装置から受信する受信手段と、
前記第1および第2のデータチャネル選択情報に基づいて、重複するデータチャネルを決定するとともに、前記重複するデータチャネルの中から前記他の無線装置に対して開放を要求する開放要求データチャネルを決定するチャネル決定手段とを備え、
前記送信手段は、更に、前記決定された開放要求データチャネルを前記第2の共通制御チャネルを用いて前記他の無線装置へ送信する、無線装置。
【請求項5】
前記チャネル決定手段は、前記開放要求データチャネルを前記受信手段が前記第1の共通制御チャネルを用いて前記他の無線装置から受信すると、前記第1のデータチャネル選択情報に基づいて前記他の無線装置に対して開放するデータチャネルを決定するとともに、前記第1のデータチャネル選択情報から前記開放するデータチャネルを削除し、前記開放するデータチャネルを前記第1の共通制御チャネルを用いて前記他の無線装置へ送信する、請求項4に記載の無線装置。
【請求項6】
前記送信手段は、開放されたデータチャネルを前記受信手段が前記他の無線装置から前記第2の共通制御チャネルを用いて受信すると、前記他の無線装置が使用を予定しているデータチャネルを前記第1のデータチャネル選択情報から削除するとともに前記開放されたデータチャネルを前記第1のデータチャネル選択情報に加える、請求項4に記載の無線装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−205575(P2011−205575A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73255(P2010−73255)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「同一周波数帯における複数無線システム間無線リソース制御技術の研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】