説明

無線通信システム及び無線通信方法

電子棚札管理システムが、サーバとそれぞれ電子棚札(ESL)のグループと関連した複数の基地局とを含む。各基地局は、全てその基地局の作用領域内にあるそのグループのESLと無線で通信する。好ましくは、サーバは異なる基地局と重複しない期間に繰り返し通信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の遠隔の情報装置を無線で管理するシステム及びそれに使用する方法に関する。より詳しくは、この発明は、スーパーマーケットやデパートで一般に使用されるタイプの電子棚札(ESL)システムを管理することに適用できる。
【背景技術】
【0002】
電子棚札(ESL)は、物品販売の店舗や倉庫において、価格や他の情報を表示し、在庫を管理するために使用される。例えば、スーパーマーケットにおいてESLは異なる商品ごとに棚に見えるように取り付けられる。商品価格を変更する際に、新価格を「即座」に表示することができる。一般に、ESLはグループ化されていて、各グループはそれぞれの基地局から無線でサービスを受け、その基地局はESLサーバに接続している。基地局は、例えば無線でESLと通信する。
【0003】
多くの要因がそのようなシステムにおけるESLの確実な操作と管理を妨げている。
例えば、店舗の物理的構造やレイアウトによっては基地局とESLとの間の送受信に困難が生じることがある。これらは、建物の物理的構造やESLの配置に起因している。例えば、定在波が物理的な位置に生じて、送受信のデッドスポットを作り出すことが知られている。さらに、ESLはそれぞれの基地局から種々の距離にあり、遠いもの程作用が弱くなる。また、なるべく早くESLの不十分な動作や不動作を検出できることも重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、広くは無線遠隔情報装置を管理するための既存のシステム及び方法の欠点を解決し除去することを目的とする。それは、特に物理的構造やサイトのレイアウトによる通信障害を最小化しあるいは無くすことである。
この発明の目的は、このようなシステムにおいて、特定の搬送周波数で定在波が発生する傾向があるサイトで、データ通信の信頼性を高めることである。
この発明の他の目的は、グループで基地局から最も遠いか、または異なる基地局の領域と重複するESLユニットでのデータ通信の信頼性を高めることにある。
【0005】
この発明のさらなる目的は、ESLの信頼性と不十分な動作や不動作の検出速度を高めることである。
この発明の目的はまた、使用にあたり信頼性があり且つ便利で、比較的安価な改良された無線遠隔通信システム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明によれば、電子棚札管理システムのような遠隔の情報装置用の無線通信システムが、サーバと、それぞれ電子棚札のような情報装置のグループと連携する複数の基地局とを含む。各基地局は、全てがその基地局の作用領内にあるそのグループ内のESLと無線通信する。サーバは、重複しない期間に、異なる基地局と繰り返し通信するのが好ましい。
【0007】
この発明によれば、その情報装置は基地局と双方向通信を行なう。情報装置が情報を正確に受信すると確認信号で応答する。データが正確に受信されないと、基地局はその情報が正確に受信されるか、あるいは所定回数だけ不正確に受信されるまで、更に送信を試みる。各回の情報は異なる搬送周波数でESLに再送信されるのが好ましい。ESLから基地局への通信は、失敗した場合は、受信に成功するかまたは所定回数の送信がなされるまで送れるのが好ましい。基地局からサーバへの一つの信号で、1個又は複数のESLへの全ての試行の結果を含めることができる。好ましくは、基地局は、2.41GHz、2.45GHz、および2.49GHzの各搬送周波数でESLに3回送信を試みるのがよい。サーバは、ESLへのある搬送周波数の有効又は無効に関する過去のデータに基づいて、基地局による特定のESLに適用される搬送周波数を制御するであろう。
【0008】
この発明の他の特徴によれば、複数の基地局の領域にあるESLは、基地局ごとに識別子(ID)が与えられる。サーバの制御下で、一つの基地局がデータ通信に失敗するか限界的な場合には、別の基地局が試みるとよい。
これは通信の信頼性を向上させるだけではなく、適応制御による最も良い通信状態の維持を可能にする。この特徴に関連して、基地局のインテリジェントなパワー制御が距離の問題があるESLに有用であると考えらる。サーバは、成功の履歴と遠距離のESLを持つ種々の基地局へのパワーレベルの履歴を持ち、基地局間でESLを切り換えることに加えて、基地局からそれらのESLに与える信号のパワーを制御するであろう。
【0009】
図4のフローチャートにおいて、基地局は全てのESLをアドレスした後、サーバに報告するように示されている。当業者には、個々のESLについてリアルタイムで報告することも可能なことが分かるであろう。その場合、報告はブロック110とブロック116の各々の後で、ブロック112に戻る前にサーバへ送られ、ブロック112から直接ブロック122に進むであろう。
【0010】
この発明の前述した簡単な説明及びさらなる目的や特徴並びに利点は、添付図面を参照したこの発明の好ましい実施例の説明によってより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明を実施したシステムSの機能ブロック図である。
【図2】この発明の一実施形態によりNグループの情報装置がどのように通信するかを示すタイミングチャートである。
【図3】この発明の他の実施形態により基地局とそのESLがどのように知的に通信するかを示すタイミングチャートである。
【図4】この発明による好ましい通信手順をより詳細に説明するためのフローチャートである。
【図5】この発明の他の実施形態によって周辺のESLによるデータ受信を向上させるための方法を示す模式図である。
【図6】この発明を実施したシステムを含むサイトにおける定在波の発生に対処するための好ましい方法を模式的に示す図である。
【図7】この発明によるシステムの他の実施形態の動作を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面において、図1はこの発明を実施したシステムSの機能ブロック図である。そのシステムは、サーバ10と、それぞれ電子棚札(ESL)のグループ(グループ1…N)を管轄する基地局BS1〜BSNとで構成される。各基地局は複数のESLと無線で通信する。例えば、基地局1はESL1−1から1−mに供し、基地局2はESL2−1から2−nに供し、基地局NはESLN−1からN−pに供す。一般的に、各ESLは、棚上又はESLのサービス域内にある各商品に関連している。
【0013】
基地局は、計画上管轄する作用領域R…Rを有する。それを見ると分かるように、ESL1−mは領域Rの端にあり、領域Rにもわずかにオーバラップしている。
【0014】
この発明の一実施形態によれば、異なるグループ間では、それらの間の干渉を避けるために、割り当てられた重複しない期間に繰り返し通信する。図2は、このように通信するNグループを示すタイミングチャートである。当業者は、2つのグループのESLが非常に離れていて、その2つのグループにおける信号間にどのような干渉も起こり得ないところでは、同時に送信できることが分かるであろう。図2においてグループ1のデータ送信が終わるまで、グループ2のデータ送信は開始しないことが分かる。一般的には連続したグループ送信の間の時間遅れはほぼ1秒程度であり、多数のグループが存在しても、Nグループすべてへの送信の一巡はわずか数秒で完了するであろう。
【0015】
この発明の他の実施形態によれば、ESLは新しいデータの受信を確認する。これは、図3のタイミングチャートに示されており、3個のESL24、26及び28を含む基地局22のためのデータ更新を示している。最初に、サーバ10はそれぞれESL24、26及び28のための新しい情報を含む3セットのデータ、D_l、D_2及びD_3を送信する。そのデータは基地局22によって受信され、それは各ESLにそのデータを転送する。ESL24、26及び28はそのデータを連続したタイミングで受信している。21、23及び25として、ESL24、26及び28は、それぞれ新しいデータを受信した(そのデータを正確に受信したと仮定して)ことを示すACK(確認)信号を基地局22に送信し、基地局22はその確認信号をESLサーバ10に送り、そこで、それは適切な記憶装置27に格納される。ACK信号が送信される前にESLで実行されるエラー検知技術は、この技術分野において周知である。
【0016】
図4は、上述した送信手順をより詳細に説明するためのフローチャートである。その手順はブロック100で始まり、ブロック102でサーバから各基地局へデータが送信される。以後のステップは各基地局の動作を示すが、すべての基地局が同様に作動すると仮定できる。ブロック104で基地局は第1のESLにアドレスし、ブロック106でそのESLにデータを送る。そのESLは、そのデータを正しく受信すると確認信号(ACK)を基地局へ返信する。
【0017】
ブロック108で、基地局はそのESLからACK信号を受信したかどうか判断する。受信したと判断したらブロック110でそのESLへの成功を記録し、制御はブロック112へ移行する。
【0018】
基地局は、ブロック108でESLからACK信号を受信しなかったと判断すると、ブロック114でそのESLにデータをi回送信(システムはiとして適宜な値、例えば3を選択する)したかどうかを判断することを実行する。ブロック114でデータがi回送信されたと判断した場合は、ブロック116でそのESLへの失敗を記録し、制御はブロック112へ移行する。ブロック114でデータがi回送信されていなかったと判断したら、制御はブロック106へ移行し、基地局はESLに次回のデータ送信をする。
【0019】
ブロック112ですべてのESLにアドレスしたかどうかの判断を実行する。そして、してなければ基地局が次のESLにアドレスするブロック118へ移行し、その後、新しいESLへデータを送信するブロック106へ移行する。
ブロック112ですべてのESLにアドレスしたと判断した場合は、各ESLにデータが送られて、その成功又は失敗が記録されたことを意味する。その場合はブロック120へ移行し、基地局が報告を準備してそれをサーバに送信する。この手順はブロック122で終了する。
【0020】
図4に示した手順によって、各基地局はサーバからデータを受信し、それをその基地局の各ESLに転送した。その基地局は、ESLが実際にデータを受信したかどうか判断し、もし受信されなかった場合には、失敗を宣言する前に、そのデータをESLに所定回数再送信した。その手順の結果はサーバに報告された。この発明によれば、データの受信に失敗したESLによっても受信が達成されるように、種々のステップがとられる。
【0021】
図1を参照して、ESL1−mはグループ1の領域Rの周縁にあるが、それはグループ2の領域R内でグループ2の周縁でもあることが分かるであろう。図5の模式図は、ESL1−mのような周縁のESLによるデータの受信を向上させる方法を示す。基本的に、ESLは各グループの識別子(ID)、例えばグループ1ではID40、グループ2ではID42が付与されて登録される。第1のグループでのデータ送信が失敗したら、第2グループで再び送信を試みるであろう。当業者には、一つのESLが近接した幾つかのグループのIDを持てることが分かるあろう。それは、2つのグループに限定されることはない。ESLが追加のグループにアドレスされる都度、データが正しく受信される見込みが増加する。
【0022】
一つのESLを複数の異なる基地局に登録することに関連して、サーバによる基地局の送信パワーのインテリジェントな制御が、同時に有用である考えられる。例えば、ESLへの信送がある基地局から他の基地局に切り替えられるとき、累積的な履歴に基づいて送信パワーレベルの調整がなされる。そのため、上述した例ではグループ1とグループ2の基地局を、それが2つのグループ間で切り替えられるとき、サーバはESLに最適な送信パワーを用いるようにその基地局を制御する。
【0023】
この発明の他の実施形態においては、「デッドスポット」にあるESLによってもデータの受信が行えるように特別なステップが取られる。そのようなデッドスポットが発生する一つの理由は、店舗の構造に起因して特定の周波数での送信が定在波を生じることによる。もし定在波がESLのある位置に生じると、そのESLによる受信は低下するか又は不可能になる。図6はこの問題をに対処するための方法を示す模式図である。
基地局30がESL32へのデータ送信を試みている。上述したこの発明の実施形態によれば、基地局30はESLからACK信号を受信しない場合は、送信をi回(例えば3回)試みる。
【0024】
この発明の他の実施形態によれば、基地局30がデータをESL32に再送信する各回は、それぞれ異なる搬送周波数で行う。例えば、最初の送信の周波数はf1であるとする。基地局30がACK信号を受信できなかったら、データの再送信は周波数f2で行い、更なる再送信は周波数はf3で行うなどである。デッドスポットの発生は主に周波数の現象なので、搬送周波数を変えることによって排除し得る。その3つの周波数は2.41GHz、2.45GHz、および2.49GHzが好ましい。
【0025】
図6の技術が利用され、基地局30がESL32に1回以上送信した場合、各周波数で応答の受信に成功または失敗する。基地局がサーバに報告を返すとき、各周波数ごとに応答の成功または失敗を示す信号を単独又は結合して送るのが好ましい。
【0026】
当業者には、もしESL32近くの装置からの干渉によってデータの受信に失敗している場合は、送信周波数を変更することによりその干渉を低減又は排除できる可能性があることも分かるであろう。言い換えると、この技術は、データ送信の失敗が周波数の現象に基づくときはいつでもそれを向上させることができる。また、当業者は、あるESLが特定の周波数で一貫して受信の信頼性を向上したならば、各基地局は、一貫して最もうまくいく搬送周波数でそのESLに送信するように適応制御され得ることが分かるであろう。同様に、ESLが制御され、効果のない周波数で送信されないようにすることができる。一般に、サーバは基地局を制御するような情報の記録があるであろう。
【0027】
図7は、この発明による他の実施形態を示すタイミングチャートである。これは図3のタイミングチャートと比較され、システムの動作は、以下に説明する点を除いて同様である。この場合、データの送受信が必要でないときには、基地局とESLが「スリープ」モードで動作し得ることにより、システムのパワー効率が一層よい動作が得られる。
【0028】
これは、サーバ20から基地局22へ送信される他のいかなる情報より先行してビーコン信号を使用することにより達成される。図4に示したような通信手順が完了した後、基地局及びそのESLがタイムアウトしてスリープモードになる。サーバ20がビーコン信号29を送信すると、基地局が起動し、中継ビーコン信号がESL24、26、28にそれぞれ送られる。その基地局と各ESLはそのとき待機モードになり、その後サーバ20が新しいデータを送るとき、図3のタイミングチャートによって前述したように動作する。ビーコン信号を使用することにより、データ更新が必要な稀な場合を除いて基地局とESLはスリープモードになるので、大幅な省エネルギーを達成することが分かるであろう。そのビーコン信号は、GPSから送られるような正確な基準クロックと関連して制御される時間基準で構成されるのが好ましい。
【0029】
ビーコン信号は、単なるにスタート信号より多くのものを包括できると考えられる。例えば、図6に示したように、データの再送信が異なる周波数でなされる場合、ACK信号記憶装置27には、各ESLに対してどの送信周波数が最適であるかの履歴があるであろう。ビーコン信号はまた、インテリジェントなパワー制御に関する基地局からの情報を含むることもできる。サーバは、ある基地局に対するビーコン信号を発生させる前に、各ESLへの送信にどの周波数を最初に使用し、それに続く再送信にどの周波数を使用するかに関する基地局に対する指令を準備できる。これらの指令はビーコン信号に組み込まれ、それによって基地局は、新しいデータを受信したとき各ESLに送信する最適な周波数がプリセットされる。
【0030】
図7(及び図3)において、ESLへの複数の送信が受信の信頼性を向上するために利用される事例において、各ESLがACK信号を報告するように示されており、例えば、図6に示すように、ESLは実際に送信周波数の1つ以上で失敗(NACK信号)を報告していると理解できるであろう。動作の効率上から、基地局は特定のESLに送信した周波数のすべてに関する情報(ACK又はNACK)を組み合わせた一つの信号を送ることができる。
【0031】
この発明の好ましい実施例を添付図面を用いて記載したが、当業者には、多くの追加や変形又は置き換えが、特許請求の範囲によって規定される開示された発明から逸脱することなく可能であることが分かるであろう。例えば、ESL装置に伝達される実際の価格データは、サーバにセットされるか、あるいは必要に応じて基地局でセットされる。ESL装置と基地局及びサーバ間の通信は、どのようなプロトコルを使用してもよいし、そのシステムは1つあるいはそれ以上のサーバを使用して作動することができる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイトにある遠隔の情報装置との無線通信及び制御のためのシステムであって、
サーバとなるコンピュータ装置と、
前記サーバに制御される複数の基地局であって、それぞれ無線通信領域を有し、無線で情報を送受信するように構成され、それぞれ重複しない期間に前記サーバと繰り返し通信する重複した領域を有するグループの基地局と、
複数の遠隔の情報装置であって、それぞれ少なくとも一つの前記基地局の前記領域内で前記基地局と双方向無線通信するように構成され、前記サイト内の物理的な位置に基づいて各基地局が通信するグループに配属された情報装置と
を備えたシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記情報装置は電子棚札であり、前記通信により価格表示の変更を容易にするシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記情報装置は、前記基地局から送信された情報の受信に成功したか失敗したかに関して前記基地局へ信号を送るように構成され、前記基地局は、前記情報装置が受信に失敗したときは所定回数まで該情報装置に前記情報を再送信するように構成されているシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のシステムにおいて、
前記基地局は、該基地局のグループ内にある前記情報装置への送信に成功したか失敗したかに関して前記サーバに報告し、前記情装置への複数回の送信に関する報告を単独又は結合した信号で行なうように構成されているシステム。
【請求項5】
請求項3に記載のシステムにおいて、
前記基地局は割り当てられた周波数で前記情報装置に情報を送信し、
再送信を行なう場合には、前記サーバ又は基地局の制御により前記周波数が変更されるシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、
前記基地局は、2.41GHz、2.45GHzおよび2.49GHzの各周波数で、3回まで前記情報装置へに送信するシステム。
【請求項7】
請求項5に記載のシステムにおいて、
前記基地局は、該基地局のグループ内にある前記情報装置への送信に成功したか失敗したかに関して前記サーバに報告し、前記情報装置への複数回の送信に関する報告を単独又は結合した信号で行なうように構成されており、前記サーバは、種々の周波数による成否の情報を保存するように構成されたシステム。
【請求項8】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記基地局の一つのサブグループの領域内にある前記情報装置の一つは、該サブグループ内の前記各基地局に認識されるように登録されており、
前記サーバは、前記一つの情報装置が前記サブグループの前記基地局間で切り替えられ、通信の信頼性を向上させるために一方からもう一方へと選択的に移動するように前記サブグループを制御するように構成されているシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムにおいて、
前記サブグループ内の基地局は、前記サーバによって制御される送信パワーを有するように構成されたシステム。
【請求項10】
請求項1に記載のシステムにおいて、
前記基地局及びデータ装置の少なくとも幾つかは、通常はスリープ又はパワーダウン状態にあり、前記サーバは、前記情報装置との通信が必要になったときに前記基地局へビーコン信号を送るビーコン信号発生器を含み、前記基地局は、起動によってそのビーコン信号に応答して中継ビーコン信号をそのグループ内の情報装置に送信し、該情報装置は前記中継ビーコン信号を受信すると起動して通信のための待機状態になるシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムにおいて、
前記情報装置は、前記基地局から送信された情報の受信に成功したか失敗したかに関して前記基地局へ信号を送るように構成され、前記基地局は、前記情報装置が受信に失敗した場合は、所定回数まで前記情報を該情報装置へ再送信するように構成されているシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムにおいて、
前記基地局は割り当てられた周波数で前記情報装置に情報を送信し、再送信を行なう場合には、前記サーバ又は基地局の制御により前記周波数が変更されるシステム。
【請求項13】
請求項10に記載のシステムにおいて、
前記基地局の一つのサブグループの領域内にある前記データ装置の一つは、該サブグループ内の前記各基地局に認識されるように登録されており、
前記サーバは、前記一つの情報装置が前記サブグループの前記基地局間で切り替えられ、通信の信頼性を向上させるために一方からもう一方へと選択的に移動するように前記サブグループを制御するように構成されているシステム。
【請求項14】
サイトにある遠隔の情報装置との無線通信及び制御のための方法であって、
少なくとも一つのサーバとなるコンピュータ装置と、前記サーバに制御され、それぞれ無線通信領域を有し、無線で情報を送受信するように構成された複数の基地局と、それぞれ少なくとも一つの前記基地局の前記領域内で前記基地局と双方向無線通信するように構成された複数の遠隔の情報装置とを備えたシステムを使用し、
オーバラップする領域を有する前記基地局のグループを、重複しない複数の期間に前記サーバと繰り返し通信するように動作させる手順と、
前記グループのうちの一つと通信するように各基地局を制御する手順と、
前記情報装置をサイト内の物理的な位置に基づいて特定の基地局と通信するグループに割り当てる手順とを有する方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、
電子棚札が前記情報装置として使用され、前記通信が物品の価格の更新に関して配信される価格データに関している方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、
さらに、前記基地局から送信された情報の受信に成功したか失敗したかに関して前記基地局へ信号を送るように前記情報装置を動作させる手順と、
該情報装置が受信に失敗したときには所定回数まで該情報装置に前記情報を再送信するように前記基地局を動作させる手順とを有する方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
さらに、前記基地局を、そのグループ内にある前記情報装置への送信に成功したか失敗したか関して前記サーバに報告し、前記情報装置への複数回の送信に関する単独又は結合した信号を生成するように動作させる手順を有する方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
さらに、割り当てられた周波数で前記情報装置に情報を送信し、再送信を行なう場合には前記サーバの制御により前記周波数を変更するように前記基地局を動作させる手順を有する方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、
前記基地局が前記再送信を行う場合は、2.41GHz、2.45GHz及び2.49GHzの各周波数で、3回まで前記情報装置に送信する方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、
さらに、前記基地局を、該基地局のグループ内にある前記情報装置への送信に成功したか失敗したかに関して前記サーバに報告し、前記情報装置への複数回の送信に関する報告を単独又は結合した信号で行なうように動作させる手順と、種々の周波数による成功又は失敗に関する情報を前記サーバに保存させる手順とを有する方法。
【請求項21】
請求項14に記載の方法において、
前記基地局の一つのサブグループの領域内にある前記情報装置の一つを、前記サブグループ内の前記各基地局に認識されるように登録する手順と、
前記一つの情報装置が前記サブグループの前記基地局間で切り替えられ、通信の信頼性を向上させるために一方からもう一方へと選択的に移動するように、前記サブグループを制御するように前記サーバを動作させる手順とを有する方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、
前記サブグループ内の基地局を、前記サーバによって制御される送信パワーを有するように制御する手順を有する方法。
【請求項23】
請求項14に記載の方法において、
前記基地局及びデータ装置の少なくとも幾つかを、通常はスリープ又はパワーダウン状態にしておき、
さらに、前記情報装置との通信が必要になったときに前記サーバで前記基地局へのビーコン信号を発生する手順と、
そのビーコン信号に応答して前記基地局が起動し、中継ビーコン信号をそのグループ内の情報装置に送信する手順と、
前記情報装置が前記中継ビーコン信号を受信して起動し、通信のための待機状態になる手順とを有する方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
前記基地局から送信された情報の受信に成功したか失敗したかに関して前記基地局へ信号を送るように前記情報装置を動作させる手順と、
前記情報装置が受信に失敗した場合は、前記基地局に所定回数まで前記情報を前記情報装置へ再送信するように動作させる手順とを有する方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法において、
さらに、割り当てられた周波数で前記情報装置に情報を送信し、再送信を行なう場合には、前記ビーコン信号の制御により前記周波数を変更するように、前記基地局を動作させる手順を有する方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法において、
前記基地局が前記情報装置に、2.41GHz、2.45GHz、および2.49GHzの各周波数で3回まで送信する方法。
【請求項27】
請求項23に記載の方法において、
前記ビーコン信号は基準クロック信号に関連する時間基準で作る方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、
前記基準クロック信号をGPSによって提供する方法。
【請求項29】
請求項10に記載のシステムにおいて、
前記ビーコン信号が基準クロック信号に関連した時間基準で作られているシステム。
【請求項30】
請求項29に記載のシステムにおいて、
前記基準クロック信号がGPSによって提供されるシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−510596(P2011−510596A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−544286(P2010−544286)
【出願日】平成20年1月25日(2008.1.25)
【国際出願番号】PCT/US2008/052024
【国際公開番号】WO2009/094033
【国際公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【出願人】(391062872)株式会社オプトエレクトロニクス (70)
【出願人】(504133110)国立大学法人電気通信大学 (383)
【出願人】(592252968)オプチコン インコーポレイテッド (31)
【Fターム(参考)】