説明

無線通信システム

【課題】アプリケ−ションサービスを提供するネットワークを適切に形成できる無線通信システムを提供する。
【解決手段】無線通信システム6では、パケット信号を交換して通信を行うマスター端末(親局)60およびスレーブ端末(子局)61によりネットワーク6Aが構築されている。ここで、通信状態でない通信端末62が通信可能な通信モードに設定された場合には、パケット信号を検出し、その情報に応じて通信端末62を、ネットワーク6Aと異なるネットワークのマスター端末、またはネットワーク6Aを継承するネットワークのスレーブ端末に設定する。これにより、通信可能な状態となった通信端末62をマスター端末またはスレーブ端末のいずれかとして適切に機能させることが可能であるため、アプリケ−ションサービスを提供するネットワークを適切に形成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムでは、ユーザが使用する携帯端末、PHS等のスレーブ端末(子局)が、移動により、無線基地局であるマスター端末(親局)の通信可能な範囲を外れる場合、すなわち、ネットワークから離脱する場合がある。この場合、移動するスレーブ端末の近傍に他の無線基地局が存在すれば、この基地局がマスター端末となり、上記スレーブ端末との新たなネットワークを形成することで、ネットワークで提供している通話(アプリケーションサービス)を引き継ぎ、通話サービスを維持している。
【0003】
また、スレーブ端末として携帯端末、PHS等が使用される無線通信システムでは、無線基地局であるマスター端末と複数のユーザが使用するスレーブ端末とは、1対多通信となるアプリケーションサービス(通話)を提供するネットワークを形成している(例えば特許文献1参照)。ここでは、異なるネットワークの識別、分離については、それぞれの端末が別々のチャンネルを使用する1対1通信(TDMA、FDMA、CDMA)により行っている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−196446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、マスター端末が小型化して可搬性が向上すると、マスター端末の移動、周辺ノイズによる妨害、電源(バッテリー)切れ等により、このマスター端末がネットワークから離脱することが少なからず起こることが想定される。このように、マスター端末がネットワークから離脱すると、ネットワークの同期形成などのネットワークを統括的に制御する端末が存在しなくなり、適切なネットワークが形成できなくなる。すなわち、ネットワークに残ったスレーブ端末を使用するユーザにアプリケーションサービスを滞りなく提供することが不可能となってしまう。
【0006】
また、同一規格(同一チャンネル)のスレーブ端末を持つユーザが増えると、これらのスレーブ端末により形成されるネットワークでは、別々のアプリケーションサービスを実行する複数のネットワークが空間的、時間的に無作為に隣接し形成されることとなる。ここでは、ネットワークの適切な構築が困難となるとともに、ユーザが所望するアプリケーションサービスを提供するネットワークへのスレーブ端末のエントリーを迅速に行うことが困難となる。つまり、適切なネットワークが形成できないため、ユーザに品質の良い環境が提供できなくなってしまう。
【0007】
さらに、通信状態でない通信端末が通信モード(通信可能な状態)に設定された場合に、周辺の通信可能なネットワークに対して、この通信端末をマスター端末またはスレーブ端末のいずれかとして機能させなければ、この通信端末を含む適切なネットワークが形成できない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、アプリケ−ションサービスを提供するネットワークを適切に形成できる無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、所定のパケット信号を交換して通信を行う通信装置を有し、前記通信装置により所定のネットワークが構築される無線通信システムであって、前記通信装置は、前記所定のパケット信号を検出し、その情報を読み取る読取手段と、前記所定のパケット信号の情報に応じて、前記通信装置を前記所定のネットワークにおける親局または子局に設定する設定手段とを備える。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る無線通信システムにおいて、前記設定手段は、前記所定のパケット信号が検出されない場合に、前記通信装置を前記親局に設定する。
【0011】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る無線通信システムにおいて、前記設定手段は、前記所定のパケット信号の情報が、前記通信装置の通信可能な範囲内にあるネットワークに加入不可能な状態であることを示すものである場合に、前記通信装置を前記親局に設定する。
【0012】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの発明に係る無線通信システムにおいて、前記設定手段は、前記所定のパケット信号の情報が、前記通信装置の加入要求するネットワークに関連しないことを示すものである場合に、前記通信装置を前記親局に設定する。
【0013】
また、請求項5の発明は、請求項1の発明に係る無線通信システムにおいて、前記設定手段は、前記所定のパケット信号の情報が、前記通信装置の通信可能な範囲内にある1のネットワークに加入可能な状態であり、かつ前記通信装置の加入要求するネットワークに関連することを示すものである場合に、前記通信装置を、前記1のネットワークを継承する前記所定のネットワークにおける前記子局として設定可能とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、所定のパケット信号の情報に応じて、通信装置を所定のネットワークにおける親局または子局に設定するため、この通信装置を含むネットワークが適切に形成できる。
【0015】
また、請求項2の発明によれば、所定のパケット信号が検出されない場合に、通信装置を親局に設定するため、通信装置を適切に親局に設定できる。
【0016】
また、請求項3の発明によれば、所定のパケット信号の情報が、通信装置の通信可能な範囲内にあるネットワークに加入不可能な状態であることを示すものである場合に、通信装置を親局に設定するため、通信装置を適切に親局に設定できる。
【0017】
また、請求項4の発明によれば、所定のパケット信号の情報が、通信装置の加入要求するネットワークに関連しないことを示すものである場合に、通信装置を親局に設定するため、通信装置を適切に親局に設定できる。
【0018】
また、請求項5の発明によれば、所定のパケット信号の情報が、通信装置の通信可能な範囲内にある1のネットワークに加入可能な状態であり、かつ通信装置の加入要求するネットワークに関連することを示すものである場合に、通信装置を、所定のネットワークにおける前記子局として設定可能とする。その結果、通信装置を適切に子局に設定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
<第1実施形態>
<構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る無線通信システム(ネットワーク)1の概略構成を示す図である。ここで、図1(a)は、ネットワーク1の正規な状態を示している。
【0020】
ネットワーク1は、無線基地局(親局)としてのマスター端末10と、3つの子局としてのスレーブ端末11、12、13とで構成されている。そして、マスター端末10およびスレーブ端末11、12、13は、無線回線Kを介して1対多通信を行っている。
【0021】
マスター端末10は、ネットワーク通信の同期形成や、スレーブ端末11、12、13のネットワーク1へのエントリーの認証を行う機能を有している。
【0022】
また、ネットワーク1を形成している各端末10、11、12、13は、パケット通信、つまりパケットを一定のタイミングで送出し、受信することで相互の通信を行っている。
【0023】
図2は、上記のパケットPの構成の例を示す図である。また、図3は、ネットワーク1での通信単位となるフレームFの構成の例を示す図である。
【0024】
パケットPは、同期コードD、識別コードS、ユーザデータU、および誤り検出コードAで構成されている。
【0025】
同期コードDは、主にプリアンプルビットとIDビットとで構成されている。プリアンプルビットは、受信した信号からクロック再生を行い各端末の同期合わせのための固定パターンの情報である。IDビットは、パケットの先頭を検出するための固定パターンの情報である。このような構成の同期コードDにより、各端末は、識別コードS、ユーザデータU、および誤り検出コードAの情報を適切に受信できることとなる。
【0026】
識別コードSは、パケットの種類(エントリーのための要求/認証パケット、ユーザデータ転送のためのパケット、再送パケット等)、通信端末の通信状態(ユーザデータ数、ネットワークへのエントリー可能/不可能状態の通知、エントリーへの要求/認証確認の通知、再送要求の通知等)等の情報を表示するものである。
【0027】
ユーザデータUは、音声、画像、制御信号等の各端末で処理されるデータ情報である。
【0028】
誤り検出コードAは、CRC、パリティビット等によるパケット転送誤りを検出するための情報である。そして、転送誤りが検出された場合は、再送要求等が行われる。
【0029】
フレームFは、図3(a)のように、ネットワーク1を形成する各端末10、11、12、13の情報を表すパケット10p、11p、12p、13pからなる配列の構成となっている。ここでは、マスター端末10に対応するパケット10pを先頭として、スレーブ端末11、12、13に対応するパケット11p、12p、13pが時系列的に続く順番となっている。
【0030】
<動作>
上述した正規の状態のネットワーク1(図1(a))から、マスター端末10が、移動、周辺ノイズによる妨害、電源(バッテリー)切れ等によって、ネットワーク1から離脱する場合についての動作を以下で説明する。
【0031】
図1(b)は、マスター端末10が、ネットワーク1から離脱する場合を示す図である。
【0032】
マスター端末10が離脱する場合には、マスター端末10の情報を表すパケット10pが、フレームFから欠落し、検出されなくなる。なお、この離脱は、スレーブ端末に設けられたフレームを監視する離脱検出手段により検出されることとなる。
【0033】
マスター端末10の離脱が検出された後、スレーブ端末11、12、13は、所定の時間、例えば数フレームの間、それぞれの内部タイマにてネットワークの同期タイミングを維持し、マスター端末10のパケット10pの再検出を行う。これは、外部ノイズなどによってマスター端末10が一時的にネットワーク1から離脱する場合には、マスター端末10の早期の復帰を期待できるためである。
【0034】
スレーブ端末11、12、13は、フレームFにおいてマスター端末10のパケット10pを再検出できれば、図1(c)に示すように、マスター端末10のネットワーク1への復帰となる。そして、ネットワーク1の正規な状態に戻ることとなる。
【0035】
フレームFにおいてマスター端末10に対応するパケット10pが再検出できないときは、各スレーブ端末11、12、13のうち、図3(a)に示すフレームFの配列でマスター端末10の次にくるスレーブ端末11を、マスター端末として機能させるようにする(マスター交代)。なお、このマスター交代は、スレーブ端末11に設けられた制御手段により行われる。また、スレーブ端末11は、当然にマスター端末に必要な機能(同期形成など)を兼ね備えている。
【0036】
マスター交代後のネットワークは、図1(d)に示すようなネットワーク1Aの構成となる。また、このネットワーク1Aで通信に使用されるフレームFの構成は、図3(b)に示すようになる。
【0037】
ネットワーク1Aでは、図1(a)においてマスター端末でなかったスレーブ端末11が、マスター端末11Aとして機能し、他のスレーブ端末12、13との通信が行われる。
【0038】
フレームFの構成については、マスター端末に対応するパケット10pが脱落したために、交代したマスター端末11Aに対応するパケット11rがマスター端末のパケットとなる(図3(b))。このようなフレームFの構成によって、ネットワーク1で提供していたアプリケーションサービスが続行できることとなる。
【0039】
以上の構成および動作により、マスター端末がネットワークから離脱しても、ネットワークに残ったスレーブ端末を使用するユーザにアプリケーションサービスを滞りなく提供できる。その結果、アプリケ−ションサービスを提供するネットワークを適切に形成することが可能となる。
【0040】
<第2実施形態>
<構成>
図4は、本発明の第2実施形態に係る無線通信システム2の概略構成を示す図である。
【0041】
無線通信システム2は、隣接する2つのネットワーク3、4、および通信端末51を備えている。ネットワーク3、4は、異なるアプリケーションを提供し、また通信端末51は、ネットワーク3、4と通信を行っていない状態となっている。
【0042】
ネットワーク3は、無線基地局(親局)としてのマスター端末30、および3つの子局としてのスレーブ端末31で構成されている。そして、マスター端末30およびスレーブ端末31は、無線回線Kを介して1対多通信を行っている。
【0043】
ネットワーク4も、ネットワーク3と同様に、無線基地局(親局)としてのマスター端末40、および4つの子局としてのスレーブ端末41で構成されている。そして、マスター端末40およびスレーブ端末41は、無線回線Kを介して1対多通信を行っている。
【0044】
マスター端末30、40は、ネットワーク通信の同期形成や、スレーブ端末31、41のネットワーク3、4へのエントリーの認証を行う機能を有している。
【0045】
また、各端末30、31、40、41は、パケット通信、つまりパケットを一定のタイミングで送出し、受信することで相互の通信を行っている。この通信に使われるパケットは、図2に示す第1実施形態のパケットPと同様の構成となっている。
【0046】
<動作>
上述した構成のネットワーク3,4を識別、分離して、通信端末51がネットワークにエントリーする動作を以下で説明する。
【0047】
図5は、ネットワークの識別、分離動作を説明するフローチャートである。この動作は、通信端末51における制御部(CPU等)により行われる。以下、同図を参照して、その動作を説明する。
【0048】
ステップS1では、パケット信号の受信レベルを比較して、信号強度の強いネットワークの順にパケットを選択する。つまり、受信可能なパケット信号の受信レベルを通信端末51におけるRF(Radio Frequency)回路により検出し、信号強度が高い順にネットワークのパケットを選択する。
【0049】
ステップS2では、ステップS1で選択されたネットワークのパケットに、通信端末51にとって確認するべきパケットが有るかを判定する。つまり、選択されたパケットの情報に基づき、通信端末51にとってエントリーしたいネットワークであるかを判定する。確認するパケットが有る場合には、ステップS3に進み、確認するパケットがない場合にはエントリー未了となる。
【0050】
ステップS3では、ネットワークのエントリー可能期間であるかを判定する。つまり、マスター端末は、そのネットワークへのエントリーが可能である場合に、エントリー可能な状態である信号(加入可能信号)をパケットPの識別コードS(図2)に記録し、通信端末51がこの識別コードSを読み取ることにより、ネットワークへのエントリー可能な期間(状態)であるかを判定する。これにより、適切なタイミングでネットワークへのエントリーが可能となる。ここで、エントリー可能期間である場合には、ステップS4に進み、エントリー可能期間でない場合には、ステップS2に戻る。
【0051】
ステップS4では、ネットワークに関するパスワードが同じであるかを判定する。つまり、通信端末51が、パケットPの識別コードSに所定のパスワード(例えば『ABC』)を記入し、この所定のパスワードと、ネットワーク固有のパスワードとが同一であるか、すなわち、マスター端末が、この所定のパスワードを受け付けるかを判定する。なお、この所定のパスワードは、例えば、ユーザが、ネットワークの使用契約の際などに任意に設定できるものである。これにより、ユーザは、パスワードが同じである場合に限って、ネットワークへのエントリーが可能で、ネットワークで提供されるアプリケーションサービスを受けられることとなる。例えば、ネットワーク3とネットワーク4とで違ったパスワードが設定されている場合には、通信端末51がネットワーク3固有のパスワードを識別コードSに書き込むと、ネットワーク3にエントリーが可能となるが、ネットワーク4にはエントリーが不可能となり、ネットワークの識別、分離が適切に行われることとなる。
【0052】
ステップS4において、パスワードが同一の場合には、エントリーを終了し、パスワードが同一でない場合には、ステップS2に戻る。なお、通信端末51のネットワークへのエントリーが終了すると、通信単位であるフレームのパケット配列にエントリーした通信端末51のパケットが追加されることとなる。
【0053】
以上の構成および動作により、周辺に存在する異なるネットワークの識別、分離を容易に行うことができ、目的のアプリケーションサービスを提供するネットワークへのエントリーを迅速に行える。その結果、アプリケ−ションサービスを提供するネットワークを適切に形成でき、端末を使用するユーザに品質の良い環境を提供できる。
【0054】
<第3実施形態>
<構成>
図6は、本発明の第3実施形態に係る無線通信システム(ネットワーク)を説明するための図である。
【0055】
無線通信システム6は、ネットワーク6Aと、通信状態でない通信端末62とを備えている。
【0056】
ネットワーク6Aは、無線基地局(親局)としてのマスター端末60、および3つの子局としてのスレーブ端末61で構成されている。そして、マスター端末60およびスレーブ端末61は、無線回線Kを介して1対多通信を行っている。また、ネットワーク6Aは、通信端末62の通信可能な範囲内に位置している。
【0057】
ネットワーク6Aを形成している各端末60、61は、パケット通信、つまりパケットを一定のタイミングで送出し、受信することで相互の通信を行っている。この通信に使われるパケットは、図2に示す第1実施形態のパケットPと同様の構成となっている。
【0058】
<動作>
通信状態でない通信端末62が、通信可能な通信モードに設定された場合についての動作を以下で説明する。この動作は、主に、通信端末62がマスター端末、またはスレーブ端末に設定されるかの動作となる。
【0059】
図7は、マスター端末/スレーブ端末に設定する動作を説明するフローチャートである。この動作は、通信端末62における制御部(CPU等)により行われる。以下、同図を参照して、その動作を説明する。
【0060】
ステップS11は、通信で用いられるパケットPが検出されるかを判定する。つまり、通信端末62が、通信モードに設定された場合、エントリーしたいネットワークが周囲に存在するかを確認するため、通信帯域のパケット信号の検出が行われる。そして、パケットが検出された場合にはステップS12に進み、検出されなかった場合にはステップS15に進む。
【0061】
ステップS12では、通信可能な範囲内のネットワーク6Aがエントリー可能な状態であるかを判定する。つまり、パケットPの識別コードSに、ネットワーク6Aへエントリー可能な状態であることが表示されているかを判定する。エントリー可能な状態である場合には、ステップS13に進み、エントリー不可能な状態である場合には、ステップS15に進む。
【0062】
ステップS13では、通信端末62がエントリー要求するネットワークであるかを判定する。つまり、パケットPの識別コードSに、エントリー要求するネットワークに関連する情報が表示されているかを判定する。ネットワーク6Aがエントリー要求するネットワークである場合には、ステップS14に進み、エントリー要求するネットワークでない場合には、ステップS15に進む。
【0063】
ステップS14では、通信端末62は、ネットワーク6Aを継承するネットワークにおけるスレーブ端末として設定が可能となる。すなわち、ネットワーク6Aにエントリーする場合に、エントリーを要求するパケットを送出することにより、マスター端末に通知して、通信端末62はスレーブ端末に設定される。なお、通信端末62がスレーブ端末に設定されると、通信単位であるフレームのパケット配列に、スレーブ端末に設定された通信端末62のパケットが追加され、通信端末62とネットワーク6Aとで形成されるネットワークが構築される。
【0064】
ステップS15では、通信端末62はマスター端末に設定される。そして、マスター端末に設定されると、他の通信端末にエントリー可能であることを示すためパケットが送出され、ネットワーク6Aと異なるネットワークの構築が行われる。
【0065】
以上の構成および動作により、通信端末が通信可能な状態となった場合に、この通信端末をマスター端末またはスレーブ端末のいずれかとして適切に機能させることが可能であるため、アプリケーションサービスを提供するネットワークを適切に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1実施形態に係る無線通信システム1の概略構成を示す図である。
【図2】パケットPの構成の例を示す図である。
【図3】フレームFの構成の例を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る無線通信システム2の概略構成を示す図である。
【図5】ネットワークの識別、分離動作を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の第3実施形態に係る無線通信システム6を説明するための図である。
【図7】マスター端末/スレーブ端末に設定する動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1、2、6 無線通信システム
1、2、3、4、6A ネットワーク
10、30、40、60 マスター端末(親局)
11、12、13、31、41、61 スレーブ端末(子局)
51、62 通信端末
F フレーム
P パケット
S 識別コード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のパケット信号を交換して通信を行う通信装置を有し、前記通信装置により所定のネットワークが構築される無線通信システムであって、
前記通信装置は、
前記所定のパケット信号を検出し、その情報を読み取る読取手段と、
前記所定のパケット信号の情報に応じて、前記通信装置を前記所定のネットワークにおける親局または子局に設定する設定手段と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記設定手段は、前記所定のパケット信号が検出されない場合に、前記通信装置を前記親局に設定することを特徴とする無線通信システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の無線通信システムにおいて、
前記設定手段は、前記所定のパケット信号の情報が、前記通信装置の通信可能な範囲内にあるネットワークに加入不可能な状態であることを示すものである場合に、前記通信装置を前記親局に設定することを特徴とする無線通信システム。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の無線通信システムにおいて、
前記設定手段は、前記所定のパケット信号の情報が、前記通信装置の加入要求するネットワークに関連しないことを示すものである場合に、前記通信装置を前記親局に設定することを特徴とする無線通信システム。
【請求項5】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記設定手段は、前記所定のパケット信号の情報が、前記通信装置の通信可能な範囲内にある1のネットワークに加入可能な状態であり、かつ前記通信装置の加入要求するネットワークに関連することを示すものである場合に、前記通信装置を、前記1のネットワークを継承する前記所定のネットワークにおける前記子局として設定可能とすることを特徴とする無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−95050(P2009−95050A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−314197(P2008−314197)
【出願日】平成20年12月10日(2008.12.10)
【分割の表示】特願平11−316577の分割
【原出願日】平成11年11月8日(1999.11.8)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】