説明

無線通信システム

【課題】重複する周波数を用いた他の無線通信装置が近隣に存在し干渉信号が生じている無線通信システムにおいて、無線通信の効率を向上させる。
【解決手段】集中制御局と、集中制御局に接続された複数の基地局装置とを備え、基地局装置において干渉信号が受信される環境で無線通信を行う無線通信システムの基地局装置は、干渉信号に関する情報である干渉関係情報を推定し、推定された干渉関係情報を集中制御局に通知し、端末装置との無線通信に用いるチャネルを、集中制御局から通知されたチャネルに変更する。集中制御局は、基地局装置毎に、周波数帯域が異なる複数のチャネルを含むチャネル候補の中から、2つ以上のチャネル候補のスループット指標を計算し、計算されたスループット指標に基づいて基地局装置のチャネルを決定し、決定されたチャネルを、基地局装置に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信におけるチャネルの切り替え技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、2.4GHz帯又は5GHz帯を用いた高速無線アクセスシステムとして、IEEE802.11g規格、IEEE802.11a規格などに基づいた基地局装置(AP:Access point)が広く普及している。これらの規格に基づいたシステムでは、マルチパスフェージング環境での特性を安定化させるための技術である直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調方式を用い、最大で54Mbpsの伝送速度を実現している。
【0003】
ただし、上述した伝送速度は物理レイヤ上での伝送速度であり、ユーザにとって有効なデータのスループットではない。実際には、MAC(Medium Access Control)レイヤでの伝送効率が50〜70%程度であるために、スループットは30Mbps程度が上限値となっている。
【0004】
一方、有線LANの通信速度もFTTH(Fiber to the home)の普及から、上昇の一途をたどっている。そのため、今後無線LANにおいても更なる伝送速度の高速化が求められることが想定される。無線区間のスループット増大のために、MIMOやマルチユーザMIMOなど様々な空間信号処理技術が検討されているが、他の方法として通信周波数帯域の拡大も行なわれている。IEEE802.11aでは、各チャネル20MHzの周波数帯域が用いられていたが、IEEE802.11nでは、40MHzの周波数帯域が用いられている。さらに、IEEE802.11acでは、オプションを含めると160MHzまで検討されている。このように、チャネルの帯域拡大が進んでいる。
【0005】
このように、チャネルの周波数帯域はIEEE802.11aから11acまでで、8倍に拡大している。しかし、無線LANに用いることのできる周波数帯域全体については、大きな拡張が認められていない。よって、無線端末の普及に伴い、周波数資源は十分でなくなりつつある。例えば、複数の基地局装置が同じ周波数帯域を用いる環境が増加している。このため、基地局装置が選択したチャネルによっては、通信セルが互いにオーバーラップする他の基地局装置からのパケット信号の影響によって、スループットが低下したり、システム全体のスループット効率が低下したりするという問題があった。更に、各基地局装置が選択しうるチャネルの帯域幅も多様化している。そのため、集中制御局(AC)を用いて基地局装置の周波数チャネルを管理する場合、どの周波数を用いるかだけでなく、どの周波数帯域を用いるかも集中制御局において判断する必要がある。
【0006】
複数の基地局装置を集中制御局に接続し、各基地局装置にチャネルを割り当てる方法については特許文献1に記載されている。特許文献1では、基地局装置におけるスループットなどの通信状態を入力情報として用い、システムスループットを最大化するようにチャネルを選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−74097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1の方法は、制御可能な基地局装置の近隣に存在する制御できない基地局装置が様々な周波数帯域のチャネルを用いて通信している場合に、どのようにチャネルを選択するべきかについては考慮していない。無線LANの例では、近隣に20〜160MHzのチャネルを用いる基地局装置が存在する中で、集中制御局がどのようなチャネルを用い、それらをどのように接続された基地局装置に割り当てるかが明らかでない。
【0009】
上記事情に鑑み、本発明は、重複する周波数を用いた他の無線通信装置が近隣に存在し干渉信号が生じている無線通信システムにおいて、無線通信の効率を向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、集中制御局と、前記集中制御局に接続された複数の基地局装置とを備え、前記基地局装置において干渉信号が受信される環境で無線通信を行う無線通信システムであって、前記基地局装置は、前記干渉信号に関する情報である干渉関係情報を推定する干渉推定手段と、推定された干渉関係情報を前記集中制御局に通知する干渉関係情報通知手段と、端末装置との無線通信に用いるチャネルを、前記集中制御局から通知されたチャネルに変更するチャネル設定手段と、を備え、前記集中制御局は、前記基地局装置毎に、周波数帯域が異なる複数のチャネルを含むチャネル候補の中から、2つ以上のチャネル候補のスループット指標を計算し、計算されたスループット指標に基づいて前記基地局装置のチャネルを決定するチャネル決定手段と、決定されたチャネルを、前記基地局装置に通知するチャネル通知手段と、を備える無線通信システムである。
【0011】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記チャネル決定手段は、接続されている基地局装置のチャネル候補の周波数帯域の範囲内で通信している他の装置であって当該基地局装置と無線通信している前記端末装置以外の装置の数または通信頻度と、前記チャネル候補の周波数帯域幅またはデータサブキャリア数と、に基づいて前記スループット指標を計算する。
【0012】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記基地局装置は、自装置と通信している前記端末装置の数と、前記端末装置との通信に用いている周波数帯域幅またはデータサブキャリア数と、前記端末装置の通信頻度情報、のうち少なくとも一つを含む端末情報を、前記集中制御局に通知する端末情報通知手段をさらに備え、前記集中制御局の前記チャネル決定手段は、前記端末情報にさらに基づいて前記スループット指標を計算する。
【0013】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記基地局装置の前記干渉推定手段は、自装置において通信停止中に受信されるビーコンで通知される情報又は通信パケットの送信元アドレス、通信パケットの送信先アドレス、所属する基地局装置のアドレス、通信パケットの時間占有率、のうち少なくとも一つを干渉関係情報として取得する。
【0014】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記集中制御局は、前記基地局装置に一定時間通信を行わず、干渉関係情報を収集するように通知する通信停止手段を更に備え、前記基地局装置の干渉推定手段は、前記集中制御局から通信の停止を指定されると、データ通信を停止し、干渉関係情報を収集する。
【0015】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記集中制御局は、前記基地局装置に共通のチャネルを指定する干渉測定指定手段をさらに備え、前記基地局装置の前記干渉推定手段は、前記集中制御局から指定されたチャネルを用いて、各基地局装置から送信された信号が検出可能か否か判定し、干渉関係情報として取得する。
【0016】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記集中制御局は、前記基地局装置から通知された情報に基づいて、特定のチャネル候補の周波数帯域内のチャネルを用いて、独立に動作する基地局装置のグループの数を判定するカウント手段をさらに備え、前記チャネル決定手段は、当該チャネル候補内で独立に動作する基地局装置の数を用いて、当該チャネル候補のスループット指標を計算する。
【0017】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記集中制御局は、前記基地局装置から通知された情報に基づいて、接続されていない基地局が用いているチャネルの周波数帯域の中に、当該接続されていない基地局と干渉関係にあり、かつ互いに信号が検出可能な関係ではない複数の前記基地局のチャネルを割り当てる。
【0018】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記チャネル決定手段は、前記基地局装置の用いるチャネルを評価する順番を決定し、決められた順番で基地局装置毎にスループット指標の高い前記チャネルを決定する。
【0019】
本発明の一態様は、上記の無線通信システムであって、前記チャネル決定手段は、前記順番を複数パターン決定し、パターン毎に決められた順番で基地局装置毎に前記チャネルを決定し、前記パターン毎に決定されたチャネルの組み合わせとスループット指標とに基づいて、いずれか一つのパターンにおけるチャネルの組み合わせを選択する。
【発明の効果】
【0020】
本発明により、重複する周波数を用いた他の無線通信装置が近隣に存在し干渉信号が生じている無線通信システムにおいて、無線通信の効率を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態として無線システム1の概略を表す図である。
【図2】無線システム1において用いられるチャネルを示す図である。
【図3】干渉AP及びシステムAPの検出結果の例を示す図である。
【図4】各システムAPに対して選択されるチャネルごとに期待されるスループット指標Tを表す表である。
【図5】各基地局装置が用いるチャネルを決定していく処理の具体例(チャネル決定フロー1−1)を示す図である。
【図6】各基地局装置が用いるチャネルを決定していく処理の具体例(チャネル決定フロー1−2)を示す図である。
【図7】干渉AP及びシステムAPの検出結果の例を示す図である。
【図8】各システムAPに対して選択されるチャネルごとに期待されるスループット指標Tを表す表である。
【図9】各基地局装置が用いるチャネルを決定していく処理の具体例(チャネル決定フロー2−1)を示す図である。
【図10】各基地局装置が用いるチャネルを決定していく処理の具体例(チャネル決定フロー2−1)を示す図である。
【図11】各基地局装置が用いるチャネルを決定していく処理の具体例(チャネル決定フロー2−2)を示す図である。
【図12】各基地局装置が用いるチャネルを決定していく処理の具体例(チャネル決定フロー2−2)を示す図である。
【図13】干渉APのチャネル検出結果を表す図である。
【図14】AP4とAP1に対しそれぞれチャネルE(X)、チャネルF(ε)を選択した場合の通信頻度の検出表を表す。
【図15】AP2に対しチャネルA(T)を選択した場合の通信頻度の検出表を表す。
【図16】集中制御局ACがAP4のチャネルとして、F(ε)を選択した場合の関係を示す図である。
【図17】AP0のチャネルがチャネルC(Q)、AP7のチャネルがチャネルA(T)であり、それぞれ通信頻度が90、100であり、AP3にAP7の信号が届く場合の表の具体例を示す図である。
【図18】各端末の機能を表す表である。
【図19】AP1に対しチャネルFを選択し、AP4に対しチャネルEを選択した場合の通信頻度の検出表を表す図である。
【図20】本発明におけるチャネル決定方法の処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】本発明におけるチャネル決定方法の変形例の処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】図13の通信チャネルの検出結果の表に、チャネル間干渉の影響で特性劣化が生じるチャネルに星印を加えた表を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の説明では、基地局装置、集中制御局をそれぞれ“AP”、“AC”と記載することがある。
【0023】
[概略]
図1は、本発明の一実施形態として無線システム1の概略を表す図である。無線システム1は、集中制御局ACと、複数台の基地局装置を備える。各基地局装置は、自装置の配下に接続された端末と無線通信によって通信する。複数台の基地局装置(AP1、AP2、AP3、AP4、AP6)が集中制御局ACに接続されている。一方、基地局装置AP0、AP5、AP7、AP8、AP9、AP10は、集中制御局ACに接続されていない。以下の説明では、集中制御局ACに接続された基地局装置を「システムAP」と呼ぶ。また、集中制御局ACに接続されていない基地局装置を「干渉AP」と呼ぶ。
【0024】
ある基地局装置は、上下左右方向に一つ隣に位置する他の基地局装置と、一つ斜め隣に位置する他の基地局装置と、上下左右方向に二つ隣に位置する他の基地局装置と、互いに信号を検出可能な関係にあることとする。例えば、基地局装置AP1は、他の基地局装置AP0、AP2、AP3、AP4、AP5、AP7との間で、互いに信号を検出可能である。言い換えれば、基地局装置AP1は、他の基地局装置AP0、AP2、AP3、AP4、AP5、AP7いずれかが発した信号を検出できる。一方、基地局装置AP1が発した信号は、他の基地局装置AP0、AP2、AP3、AP4、AP5、AP7の全てによって検出される。
無線システム1では、システムAPのスループットを向上させる。
【0025】
図2は、無線システム1において用いられるチャネルを示す図である。無線システム1におけるチャネル配置は、例えば図2に示されるように、IEEE802.11の5GHz帯で用いることができる帯域を適用できる。なお、上述したチャネルは一例であり、無線システム1において用いられるチャネルは他の周波数であっても良い。
【0026】
集中制御局ACは、各システムAPに対し、20MHz、40MHz、80MHz、160MHzの帯域のA〜ηのチャネルの中から、通信に使用するチャネルを指定する。集中制御局ACは、20MHzのチャネルP〜ηの中から、プライマリチャネルを選択する。例えば、チャネルAを用いて通信する場合は、集中制御局20は、チャネルP〜Wの中の一つの20MHzチャネルをプライマリチャネルとし、その他のチャネルをセカンダリチャネルとする。
【0027】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態における集中制御局ACは、選択するチャネルの中で通信を行うシステムAPの数、または、システムAPと端末の数を用いてスループット指標を計算する。そして、集中制御局ACは、計算された指標に基づいてチャネルを決定する。以下、第1実施形態について詳細に説明する。
【0028】
図3は、干渉AP及びシステムAPの検出結果の例を示す図である。図3Aは干渉APのプライマリチャネルの検出結果の例を示す。図3BはシステムAPとの干渉の検出結果の例を示す。図3Bにおいて丸印は、同じ周波数帯の信号を用いた場合に干渉することを表す。第1実施形態では、システムAPは、集中制御局ACからの指示に基づいて端末との通信を停止し、干渉APの用いているプライマリチャネルを検出する。
【0029】
図3Aに示される干渉APの検出結果は、システムAPによって検出された干渉APが用いているプライマリチャネルの表である。同じ枠(AP2のεとAP6のε)に二つの記し(二重丸)があるのは、別の基地局装置が同じチャネルを用いていることが検出されたためである。図3Aによれば、AP0はチャネルT、AP5はチャネルX、AP7はチャネルQ、AP8はチャネルε、AP9はチャネルβ、AP10はチャネルεをプライマリチャネルとして用いている。
【0030】
図3Bに示されるシステムAPの検出結果は、システムAP同士が互いに干渉しているか否か調査した結果である。これは、集中制御局ACから各システムAPに対して同じチャネルを指定し、互いのビーコンもしくは通信パケットを観測することで測定できる。
【0031】
(チャネルの評価指標1)
次に、チャネルの評価指標の一つの具体例として、スループット指標について説明する。スループット指標とは、システムAPが、異なる周波数帯域幅を含む複数のチャネルから、どのチャネルを選択するべきか判定する際に用いる指標である。j番目のシステムAPのスループット指標Tを、活用周波数帯域指標Bと、帯域内に存在する他の干渉APやシステムAPにより影響されるスループット劣化率ρと、を用いて式1のように表すことができる。
【数1】

【0032】
活用周波数帯域指標Bにはj番目のシステムAPが選択したチャネルの帯域幅Bやデータに用いているサブキャリア数を代入することができる。
ρは以下の式2のようにm(j)とl(j)の関数で表される。
【数2】

【0033】
m(j)は、同じチャネルに存在するj番目のシステムAP以外の基地局装置の数であり、l(j)はj番目のシステムAPの数である(lはエルの小文字)。m(j)は、同じチャネルに存在するj番目のシステムAP以外の基地局装置及びj番目のシステムAP以外の基地局装置と通信している端末の数として定義されても良い。この場合、j番目のシステムAPと通信している端末及びj番目のシステムAPの数をl(j)と定義しても良い。ρは以下の式3のように表されてもよい。
【0034】
【数3】

ρは、以下の式4のように表されても良い。
【数4】

【0035】
ρは、以下の式5のように表されても良い。
【数5】

式5の場合、m(j)の関数で得られる値をl(j)/(m(j)+l(j))に足すことで、スループットの期待値を上げたり、下げたりすることもできる。
【0036】
f(m(j)+l(j))を正にしてスループットの期待値を上げるのは以下の理由による。実際には通信が同じタイミングに発生するとは限らない。そのため、互いに独立のタイミングに通信し、たまたまそれらが時間的にずれていれば、お互いに通信の劣化を受けないためである。
【0037】
f(m(j)+l(j))を負にしてスループットを下げるのは以下の理由による。パケット衝突などにより、単に時間で分けるより、実行スループットが低下することを考慮するためである。
m(j)+l(j)が大きいと、f(m(j)+l(j))を小さくするか、または負の値をとるようにし、m(j)+l(j)が小さいと、f(m(j)+l(j))を大きくしたり、正の値としたりするようにf(m(j)+l(j))を定義することもできる。
【0038】
f(m(j)+1(j))の値は、式6のように表されても良い。G、DとZは正数で与えられる。式6のように、m(j)+l(j)が増えてくると負の値をとるようにすることができる。
【数6】

【0039】
ρは、以下の式7のように表されても良い。
【数7】

ρは、以下の式8のように表されても良い。
【0040】
【数8】

この場合、m(j)+l(j)の関数gまたは関数hによる補正を行うこともできる。g(m(j)+l(j))の関数で得られる値をl(j)/(m(j)+l(j))に乗算する、またはh(m(j)+l(j))の階乗を行うことで、スループットの期待値を上げたり、下げたりすることもできる。m(j)+lが小さい値をとるときは、g(m(j)+l)を1より大きくする、またはh(m(j)+l(j))を1より小さくしてスループットの期待値を上げることができる。これは、通信が実際には同じタイミングに発生するとは限らず、互いに独立のタイミングに通信し、たまたまそれらが時間的にずれていれば、お互いに通信の劣化を受けないためである。また、m(j)+l(j)が大きい値をとる場合には、g(m(j)+l(j))を1より小さくしたり、h(m(j)+l(j))を1より大きくしたりしてスループット指標を下げることができる。これは、パケット衝突などにより、単に時間で分けるより、実行スループットが低下することを考慮するためである。また、f(m(j)+l(j))と同様にg(m(j)+l(j))とh(m(j)+l(j))も当該チャネルのデータ量などによる通信状況により変化させることができる。
【0041】
式4〜式8において、m(j)をj番目の基地局装置以外の基地局装置の数とする場合には、l(j)はj番目の基地局装置の数であり、すなわちl(j)=1である。
スループット指標Tは、以下の式9のように表されても良い。この場合、集中制御局ACは、j番目の基地局装置が選択しているチャネルにおいて、独立に動作する基地局装置のグループ(以下、「APグループ」という。)の数を調査する。そして、独立に動作するAPグループがn個存在する場合には、これらの数に応じたj番目の基地局に対する独立APペナルティΓn,jをスループット指標に反映させることができる。
【数9】

【0042】
nは独立のプライマリチャネルを有するAPグループの数である。nには、同じプライマリチャネルを有するものの互いに通信パケットやビーコンが検出できない位置関係にいるAPグループの数も含まれても良い。このような位置関係(同じプライマリチャネルを有しており且つ独立して動作している関係)であるか否かは、RTS/CTSなどにより一方の基地局装置がアクセス権を取得しているにもかかわらず、もう一方の基地局装置が通信をしているか否かに基づいて判断する。上記位置関係か否かは、一方の基地局装置が送信している最中に他方の基地局装置が通信パケットやビーコンを送信しているか否かに基づいて判断しても良い。なお、上記判断は、システムAPによる観測結果に基づいて行う事ができる。例えば、システムAPは、集中制御局ACに干渉関係を報告する際に、同一のプライマリセルに観測された干渉APが、独立に動作しているのか、または、互いに通信パケットを受信可能な位置関係で、RTS/CTSやCSMA/CAのルールを互いに守って通信しているのか判定して、集中制御局ACに通知することができる。
【0043】
異チャネルペナルティΓn,jは、n個の独立して動作するAPグループが同一チャネルにいる場合のj番目の基地局に対する異チャネルペナルティ量を表す。例えば、Γ1,j=1、Γ2,j=0.5、Γ3,j=0.1、Γ4,j=0.02のように設定できる。
【0044】
スループット指標Tを算出する具体的な例について説明する。この説明では、式2及び式9を用いてスループット指標Tを算出する。ここで、周波数帯域幅を指標Bとして用い、最も広い160MHzの場合にはB=160、80MHzの際にはB=80、というように単位をMHzとして選択したチャネルの帯域幅の値を用いても良い。ここで、B=160、Ω=0.6、m(j)をj番目のシステムAP以外の基地局装置の数とする。干渉APのプライマリチャネルが1つ含まれる場合は、T=160×1×0.6=96となる。干渉APのプライマリチャネルが2つ含まれ、これらが独立のプライマリチャネルである場合は、T=160×0.5×0.6=14.4となる。基地局装置が自装置以外に4つ存在し、独立のチャネルが3つ含まれる場合は、T=160×0.1×0.6=2.08となる。
【0045】
図4は、各システムAPに対して選択されるチャネルごとに期待されるスループット指標Tを表す表である。図4の表には、値が大きくなるものから順に8〜10個程度のスループット指標Tを記載している。スループット指標Tは、式2及び式9を用いて計算した値である。Ω=0.6、Γ=1、Γ=0.5、Γ=0.1、Γ=0.02、mを他の干渉APとシステムAPの数としている。
【0046】
集中制御局ACは、各APに実際にどのチャネルを割り当てるかについて、総当たりで検討してもよいし、順番に一つずつ決定してもよい。一つずつ決定する場合には、予め定められた基地局装置の優先度に基づいてその順番が決定されても良いし、図4で得られたスループットの候補の大きさに基づいてその順番が決定されても良いし(例えば大きいものから順に、又は小さいものから順に)、毎回ランダムに順番が決定されても良い。予め定められた基地局装置の優先度は、各基地局装置の所有ユーザの使用料金により決められても良いし、各基地局装置の機能や性能などに基づいて決められても良いし、各基地局装置から通知された干渉APの情報に応じて決められても良いし、バッファとして各基地局が記憶している送信待ちのデータ量により決められてもよいし、各基地局装置がやり取りするデータの量により決められても良い。
【0047】
(チャネル決定フロー1−1)
図5は、各基地局装置が用いるチャネルを決定していく処理の具体例(チャネル決定フロー1−1)を示す図である。図5に示される具体例は、図4のようにスループット指標Tが得られた場合において、スループットの候補の大きいものから順に一つずつ決定していく処理の流れを示す。図4では、システムAP間のチャネルの使用は考慮されていない。そのため、システムAPのチャネルが決定されるにつれ、候補となるチャネルとそのスループット指標Tを更新する必要がある。まず図3Bに示されるシステムAPの検出結果と、図3Aに示される干渉APの検出結果とをマージして縦軸に表す。また、検出されるシステムAP及び干渉APの使用チャネルを横軸に表す。図5Aは、この状態における表の状態を表す。各システムAPがどのチャネルを使うかは未定であるので、システムAPの関係として丸印をつけている。
【0048】
まず、集中制御局ACは、スループットが最も大きい候補があるAP3について処理を行う。AP3では、図4に示されたようにチャネルAを用いることで、スループット指標160の通信が期待できる。よって、集中制御局ACは、AP3の使用チャネルとしてチャネルAを選択する。図5Bは、この状態における表の状態を表す。集中制御局ACがAP3のチャネルとしてチャネルAを選択したため、AP3の干渉状態が丸印からAに変更されている。
【0049】
次に、集中制御局ACは、AP3の次にスループットが大きいAP6について処理を行う。図5Bによれば、AP6については、チャネルA、x、β、εから干渉を受けるため、これらに基づいてチャネルを決定する必要がある。また、スループットの指標は、図4に示される値から更新される必要がある。チャネルAがAP3により使われることが決定しているため、チャネルA,C,DはAP3と共有することとなる。そのため、式1においてρ=0.6となる。つまり、新しいスループット候補は、A:96,C:48,D:48,E:48,G:40,H:40,I:40,J:40,L:40,O:40,・・・として得られる。ただし、チャネルA、C、D、G、H、I、Jを選択すると、AP3のスループット指標が160から66低下し、96となる。このように既に選択したシステムAPのスループット指標を低下させる場合に、選択チャネルにペナルティを与えても良い。
例えば、スループットを低下させるシステムAPの数だけ、減衰係数γを乗算することができる。ここで、γを0.8とすると、スループット候補は、A:76.8,E:48,L:40,O:40,C:38.4,D:38.4,G:32,H:32,I:32,J:32,・・・として得られる。この場合でも、チャネルAが最も大きい値をとるため、集中制御局ACはAP6のチャネルとしてチャネルAを選択する。図5Cは、この状態を示す関係表を表す。
【0050】
上記の例では、AP3とAP6の用いるチャネルAの中に、干渉APのプライマリチャネルは存在しない。そのため、集中制御局ACは、新たにプライマリチャネルを決定する必要がある。集中制御局ACは、この時点で新たなプライマリチャネルをP〜Wの中から決定しても良いし、全てのチャネルが決定された後に新たなプライマリチャネルを決めても良い。最後に決定することで、システムAPが選択したチャネルの中に複数のプライマリチャネルが生じないように調整することが可能である。
【0051】
次に、集中制御局ACは、AP6の次にスループットが大きいAP1について処理を行う。図5Cによれば、AP1については、チャネルA、Q、T、Xから干渉を受けるため、これらに基づいてチャネルを決定する必要がある。また、スループットの指標は、図4に示される値から更新される必要がある。新しいスループット候補は、B:96、F:80、E:48,L:40,N:40、M:40、O:40,H:40×0.6=24、J:40×0.6=24,・・・として得られる。ここで、C、Dが選択肢から消えたのは、AP3がチャネルAを選択しており、AP3からは干渉APのチャネルQ,Tが検出されていないため、同じチャネル内に独立に動作するAPが2つになっているためである。集中制御局ACは、AP1のチャネルとしてスループットの大きいチャネルBを選択する。ここで、プライマリチャネルXを観測しているため、チャネルBのプライマリチャネルはXに設定される。図5Dは、この状態における表の状態を表す。図5Dにおける“B(X)”という記載は、プライマリチャネルをXとしたチャネルBを表す。
【0052】
次に、集中制御局ACは、AP1の次にスループットが大きいAP2について処理を行う。図5Dによれば、AP2については、チャネルA、B、Q、T、Xから干渉をうけるため、これらに基づいてチャネルを決定する必要がある。また、スループットの指標は、図4に示される値から更新される必要がある。新しいスループット候補は、C:48(プライマリチャネルをP〜S),O:40,E:28.8,G:24(プライマリチャネルをPまたはQ),H:24(プライマリチャネルをRまたはS),・・・として得られる。ただし、チャネルCを選択すると、AP3及びAP6のプライマリチャネルをP〜Sのうちから選択する必要がある。さらに、AP3及びAP6と同じプライマリチャネルを共有することになる。そのため、AP3及びAP6のスループットが下がる。スループットを減らすことになるシステムAPの数だけ、γ(=0.8)を乗算すると、スループット候補は、O:40,C:48×0.8×0.8=30.7,E:28.8,G:24×0.8×0.8=15.4,H:24×0.8×0.8=15.4,・・・となる。よって、システムスループットを上げるため、集中制御局ACは、AP2のチャネルとしてチャネルOを選択する。
【0053】
次に、集中制御局ACは、AP2の次にスループットが大きいAP4について処理を行う。AP4は、同じ周波数帯の信号を用いた場合にAP6と干渉するが、AP3とは干渉しない。しかし、AP6は、同じ周波数帯の信号を用いた場合にAP3及びAP4のいずれとも干渉する。そのため、AP4がチャネルAおよびチャネルAに関連する下位のチャネル(C,D,G,H,I,J,P〜W)を選択すると、著しくスループットが低下することになる。また、AP4からはAP1のチャネルB(プライマリチャネルがX)を観測しているため、チャネルBに関連する下位のチャネルで、プライマリチャネルがXでないものは選択しないことができる。よって、AP4の選択可能なチャネルは、E(X):80×0.6×0.6=28.8,O:40×0.6=24のみとなる。
【0054】
AP4のチャネルとしてチャネルE(プライマリチャネルX)を選択すると、AP1の用いるチャネルBと共有することになる。この場合、AP1にとって、同一チャネルに他のAPのプライマリチャネル(チャネルX)が存在することになる。そのため、AP1のスループット指標は、160×0.6=96から、160×0.6=57.6に低下する。
一方、AP4のチャネルとしてチャネルOを選択した場合、AP2のスループット指標は40×0.6=24に低下する。
【0055】
いずれの場合でも、1つのシステムAPのスループットを低下させるため、AP4はスループットの指標の高いチャネルE(X)を選択することができる。
集中制御局ACは、予め設定されたポリシーに従ってチャネルを選択する。システムスループットを最大化するポリシーが設定されている場合には、他のシステムAPのスループット指標を低下させる際に、低下したスループット指標をペナルティγ’として、スループット指標の候補から減算することもできる。すなわち、最後のAP4のチャネル選択においてE(X)を選択すると、AP1のスループット指標が38.4低下し、Oを選択するとAP4のスループット指標が16低下する。この値をγ’としてスループット指標から引くと、AP4の選択可能なチャネルはE(X):80×0.6×0.6−36.6=−7.6、O:40×0.6−16=8となり、チャネルOが選択される。
【0056】
図5Eで最終的に得られるAP1,2,3,4,6のスループット指標は、AP1:57.6(プライマリチャネルXを干渉AP1台と、システム1台と供用)、AP2:40(40MHzチャネル)、AP3:96(チャネルAをAP6と共有)、AP4:28.8(プライマリチャネルXを干渉AP1台とAP1と共有)、AP6:96となる。また、システム全体のスループット指標は318.4となる。
【0057】
(チャネル決定フロー1−2)
図6は、各基地局装置が用いるチャネルを決定していく処理の具体例(チャネル決定フロー1−2)を示す図である。図6に示される具体例は、図4のようにスループット指標Tが得られた場合において、スループットの候補の低いものから順に一つずつ決定していく処理の流れを示す。このような順で処理が行われることにより、フェアネスを得られる効果や、システムAPの最小スループットを最大化する効果が得られる。
【0058】
まず、集中制御局ACは、スループットの候補が最も小さい値となるAP4について処理を行う。図4に示されるように、チャネルC,D,E,Fのうちいずれかを用いることによりAP4のスループットは最大化される。ここで、集中制御局ACは、これらのチャネルの候補からチャネルをランダムに選択しても良い。また、集中制御局ACは、システムAPで検出した干渉APのプライマリチャネル全体で検出数が少ないチャネルを選択しても良い。また、集中制御局ACは、システムAPで検出した干渉APのプライマリチャネル全体で検出数が多いチャネルを選択してもよい。
【0059】
本説明では、集中制御局ACは、システムAPにおいて検出数が多いチャネルを選択する。システムAPにおける検出数が多いチャネルを選択することで、当該システムAP(AP4)以外のシステムAPが使いにくいチャネルを選択することができる。そのため、他のシステムAPのチャネル選択の選択肢を広げることができる。
【0060】
図3の干渉APの検出結果から、プライマリチャネル検出数は、Q:2個、T:3個、X:5個、β:2個、ε:7個である。また、チャネルC、D、E、Fに属する干渉APのプライマリチャネルの総数は、C(P,Q,R,S):2個、D(T,U,V,W):3個、E(X,Y,Z,α):5個、F(β,χ,δ,φ):9個である。この場合、チャネルFに対応するプライマリチャネルが多い。よって、集中制御局ACは、AP4のチャネルとしてF(プライマリチャネル:ε)を選択する。図6Aは、この状態における表の状態を示す。集中制御局ACがAP4のチャネルとしてチャネルF(プライマリチャネル:ε)を選択したため、AP4の干渉状態が丸印からF(ε)に変更されている。
【0061】
次に、集中制御局ACは、AP4の次にスループットの候補が小さいAP2について処理を行う。図6Aによれば、AP2について選択しうるチャネル候補は、AP4のF(ε)が増えたことによる影響はない。そのため、集中制御局ACは、AP2のチャネルとしてチャネルA(プライマリチャネル:T)を選択する。図6Bは、この状態における表の状態を示す。集中制御局ACがAP2のチャネルとしてチャネルA(プライマリチャネル:T)を選択したため、AP2の干渉状態が丸印からA(T)に変更されている。
【0062】
次に、集中制御局ACは、AP2の次にスループット指標の候補が小さいAP1について処理を行う。図6Bによれば、AP2のプライマリチャネルTとAP4のプライマリチャネルεが加わっているため、チャネルの選択候補は、F:48,C:48,E:48,H:40,L:40,N:40,O:40,・・・となる。チャネルC、E、Fが同じスループットの期待値である。しかし、チャネルC及びFは、他のシステムAP(AP2及びAP4)に影響を与えてしまう。そのため、集中制御局ACは、他のシステムAPに対する影響の少ないチャネルとして、チャネルE(プライマリチャネル:X)を選択する。図6Cは、この状態における表の状態を示す。集中制御局ACがAP1のチャネルとしてチャネルE(プライマリチャネル:X)を選択したため、AP1の干渉状態が丸印からE(X)に変更されている。
【0063】
次に、集中制御局ACは、AP1の次にスループットの候補が小さいAP6について処理を行う。なお、AP3の候補とAP6の候補は、スループットの最大値が同じである。しかし、最もスループットの期待値(候補)が低いAP4に係る(互いに通信セルがオーバーラップする)APはAP6である。そのため、集中制御局ACは、AP3よりも先にAP6について処理を行うことができる。
【0064】
図6Cによれば、AP2のプライマリチャネルTとAP4のプライマリチャネルεが加わっているため、チャネルの選択候補は、A:96,C:80,D:48,E:48,L:40,O:40,・・・となる。ただし、チャネルAを選択すると、AP2のチャネルAの中に2つの独立のプライマリセルが生じ、AP2のスループット指標が96から著しく低下する。具体的には、式1のρにおいて、式9のΓn,jを考慮した場合、2つの独立に動作するAPの指標としてΓn,j×Ω=0.2×(0.6)を考慮すると、AP2のスループット指標は160×0.2×0.6=19.2となる。このように、異チャネルペナルティΓn,jが生じる場合は、集中制御局ACは、当該チャネル(ここでは、チャネルA)を選択しないこともできる。次に、チャネルCを選択すると、AP2はチャネル内に複数のプライマリチャネルを有することになるため、AP2の選択したチャネルをA(T)から、D(T)に変更し、スループットの指標を96から48に低下させることで、異チャネルペナルティを回避することができる。D(T)を選択しなおした方が、A(T)のままで、異チャネルペナルティを乗算されるよりスループット指標が大きい。チャネルD(プライマリチャネル:T)も、チャネルAと同様、AP2のチャネルに2つの独立したプライマリチャネルを存在させることになる。チャネルEのプライマリチャネルであるチャネルXも、AP1により既に選択されている。そのため、AP6のチャネルとしてチャネルEを選択すると、AP1とAP6の両方とオーバーラップしているAP2,3,4に対し、異チャネルペナルティを発生させ、スループット指標を著しく低下させることとなる。チャネルLを選択すると、AP1にチャネル内に複数のプライマリチャネルを生じさせることになり、異チャネルペナルティを受ける。このため、AP1のチャネルをチャネルK(X)に変更し、異チャネルペナルティを回避することもできる。この場合、スループット指標は48から、40×0.6×0.6=14.4に低下する。よって、ここでは、集中制御局ACは、AP6のチャネルとして、他のシステムAPに影響しないチャネルOを選択する場合を示す。図6Dは、この状態を表す対応表を示す。集中制御局ACがAP6のチャネルとしてチャネルOを選択したため、AP6の干渉状態が丸印からO(オー)に変更されている。
【0065】
次に、集中制御局ACは、残るAP3について処理を行う。図6Dによれば、チャネルの候補とスループット指標は、A:96,C:80,D:48,G:40,J:40,H:40,L:40,E:28.8,・・・となる。しかし、チャネルAまたはチャネルDを選択すると、AP2のチャネルA内に独立に動作する2つプライマリチャネルを存在させることになり、異チャネルペナルティによりスループット指標が大きく低下する。AP3からは、AP2で観測される干渉APのプライマリチャネルTが観測されていないためである。また、チャネルC、G、Hを選択すると、異チャネルペナルティを避けるために、AP2のチャネルA(T)をチャネルD(T)に変更する必要があり、このときスループット指標は、96から、80×0.6=48に低下する。チャネルJを選択すると、AP2に対する異チャネルペナルティを避けるために、チャネルA(T)をチャネルI(T)に変更する必要があり、このときスループット指標は、96から、40×0.6=24に低下する。チャネルLを選択すると、AP1に対する異チャネルペナルティを避けるために、チャネルE(X)をチャネルK(X)に変更する必要があり、スループット指標は48から、40×0.6=24に低下する。このように、いずれのチャネルを選択した場合であっても、他のシステムAPのスループットに影響が生じる。チャネルを選択するため、集中制御局ACは、スループットを低下させるシステムのAPの数だけ係数γを乗算しても良い。また、チャネルを選択するため、集中制御局ACはAP3と選択先のAPのスループット指標の和、または積を最大化するチャネルを決定しても良い。ここでは、スループットを低下させるAPの数だけではチャネルが決定できないため、後者の処理を行う場合について説明する。AP3のチャネルとしてチャネルCを選択し、AP2のチャネルをD(T)とする場合、AP2とAP3のスループット指標がそれぞれ48、80となり、スループット指標の和および積ともに最大となる。よって、集中制御局ACは、AP2のチャネルをチャネルD(T)に変更し、AP3のチャネルとしてチャネルCを選択する。
【0066】
最終的に得られるAP1,2,3,4,6のスループット指標はAP1:48(プライマリチャネルXを干渉AP1台と供用)、AP2:48(プライマリチャネルTを干渉AP1台と供用)、AP3:80(チャネルC共有なし)、AP4:48(プライマリチャネルεを干渉AP1台と共有)、AP6:40(チャネルO共有無し)であり、合計となるシステムスループット指標は264となる。チャネル決定フロー1−1に比べて、総スループット指標は低下したが、最低スループット指標は28.8から40に改善することができた。
【0067】
上記の無線システム1は、重複する周波数を用いた他の基地局装置が近隣に存在する無線通信システムであるが、このような状況において無線通信の効率を向上させることが可能となる。具体的には、無線システム1では、干渉APの使用チャネルに応じて、システムAPのスループットを改善するように、各システムAPが使用するチャネルを決定することができる。
【0068】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態における集中制御局ACは、プライマリチャネルだけでなく、通信のため用いているセカンダリチャネルの全てにも基づいて各システムAPのチャネルを決定する。図7は、干渉AP及びシステムAPの検出結果の例を示す図である。図7Aは、集中制御局ACに接続されたシステムAPによって検出された干渉APが用いているプライマリチャネル及びセカンダリチャネルの表である。丸印は、基本となる20MHzのチャネルと同じ40MHzチャネル内に存在するセカンダリチャネルを表す。三角印は、同じ80MHzチャネル内に存在する他方の40MHzのセカンダリチャネルを表す。四角印は、同じ160MHzチャネル内に存在する他方の80MHzに対応するセカンダリチャネルを表す。図7Bにおいて丸印は、同じ周波数帯の信号を用いた場合に干渉することを表す。ここで、AP0はチャネルA(プライマリチャネルはチャネルT)、AP5はチャネルE(X)、AP7はチャネルA(Q)、AP8はチャネルN(ε)、AP9はチャネルM(β)、AP10はチャネルF(ε)をチャネルとして用いている。
【0069】
図8は、各システムAPに対して選択されるチャネルごとに期待されるスループット指標Tを表す表である。図8の表には、値が大きくなるものから順に8〜10個程度のスループット指標Tを記載している。スループット指標Tは、式5、式6、及び式9を用いて計算した値である。式6において、各定数は、G=0.5、D=1、Z=0、として計算した。当該チャネル内に独立に動作するAPグループの数nも考慮し、Γ1,j=1、Γ2,j=0.5、Γ3,j=0.1、Γ3,j=0.02とした。第2実施形態では、第1実施形態と異なり、nの値はセカンダリチャネルも含めて計算される。また、式4において、m(j)は選択したチャネルにおける他の基地局装置の数とし、l(j)=1として計算する。
【0070】
また、図8において、括弧内に示したチャネルとスループット指標Tは、干渉APのセカンダリチャネルに対応するチャネルの選択に対応する。このようなチャネルを通信チャネルとして選択すると、干渉APがRTS/CTSなどのMACプロトコルを理解せず、干渉パケットが到来してスループットが低下する可能性がある。そのため、通常はこのようなチャネルを選択しない。ただし、例外としてこのようなチャネルを選択する場合がある。詳細については後述する。
【0071】
(チャネル決定フロー2−1)
図9及び図10は、各基地局装置が用いるチャネルを決定していく処理の具体例(チャネル決定フロー2−1)を示す図である。図9及び図10に示される具体例は、図8のようにスループット指標Tが得られた場合において、スループットの候補の大きいものから順に一つずつ決定していく処理の流れを示す。図8では、システムAP間のチャネルの使用は考慮されていない。そのため、システムAPのチャネルが決定されるにつれ、候補となるチャネルとそのスループット指標Tを更新する必要がある。まず、図7Bに示されるシステムAPの検出結果と、図7Aに示される干渉APの検出結果とをマージして縦軸に表す。また、検出されるシステムAP及び干渉APの使用チャネルを横軸に表す。図9Aは、この状態における表の状態を表す。各システムAPがどのチャネルを使うかは未定であるので、各システムAPの関係として丸印をつけている。
【0072】
まず、集中制御局ACは、スループットが最も大きい候補があるAP3について処理を行う。AP3では、図8に示されたようにチャネルAを用いることで、スループット指標160の通信が期待できる。よって、集中制御局ACは、AP3の使用チャネルとしてチャネルAを選択する。図9Bは、この状態における表の状態を表す。集中制御局ACがAP3のチャネルとしてチャネルAを選択したため、AP3の干渉状態が丸印からAに変更されている。
【0073】
次に、集中制御局ACは、AP3の次にスループットが大きいAP6について処理を行う。図9Bによれば、AP6については、チャネルA、X,Y,Z,α,β,χ,δ,εからの干渉に基づいてチャネルを決定する必要がある。また、スループットの指標は、図8に示される値から更新される必要がある。チャネルAがAP3により使われることが決定しているため、チャネルA,C,DはAP3と共有することとなる。そのため、式5と式6(G=0.5、D=1、Z=0)により3番目のAP、AP3のρは、ρ=1/(m(3)+l(3))+0.5/(m(3)+l(3)+1)=1/2+1/6=0.667となる。つまり、新しいスループット候補は、A:180×1×0.667=106.6,C:80×1×0.667=53.3(AP3とプライマリチャネルを共有する場合)又は80(AP3のチャネルをチャネルDに変更した場合),D:53.3(AP3とプライマリチャネルを共有する場合)又は80(AP3のチャネルをチャネルCに変更した場合),E:53.3,G:40(AP3のチャネルをチャネルDに変更した場合),H:40(AP3のチャネルをチャネルDに変更した場合),I:40(AP3のチャネルをチャネルCに変更した場合),J:40(AP3のチャネルをチャネルCに変更した場合),O:40,・・・として得られる。チャネルAが最も大きい値をとるため、集中制御局ACはAP6のチャネルとしてチャネルAを選択する。図9Cは、この状態における表の状態を表す。
【0074】
次に、集中制御局ACは、AP6の次にスループットが大きいAP2について処理を行う。集中制御局ACは、チャネルA,T,U,V,W,X,Y,Z,α,β,χ,δ,εにおける干渉信号に基づいてチャネルを決定する。チャネル候補及びそのスループット指標は、以下のように得られる。A:160×0.5×(1/3+1/8)=36.7(ペナルティとして0.5を乗算しているのは、AP2のチャネルDのAPは、AP3とAP6からは見えていないため、独立のプライマリチャネルが2つ(n=2)となるから),C:80×1×(1/3+1/8)=36.7(AP6とAP3のチャネルがチャネルAでプライマリチャネルをチャネルC内のP〜Sとする場合)又は80(AP6とAP3のチャネルをチャネルDに変更した場合),D:53.3(AP3とAP6のチャネルをチャネルCに変更した場合),E:53.3,G:40(AP3とAP6のチャネルをチャネルDに変更した場合),H:40(AP3とAP6のチャネルをチャネルDに変更した場合),O:40。他のシステムAPのスループット指標を低下させず、高いスループット指標となるのは、AP2のチャネルとしてチャネルEを選択した場合である。そのため、集中制御局ACは、AP2のチャネルとしてはチャネルE(プライマリチャネル:X)を選択する。図9Cは、この状態における表の状態を表す。
ここでは、チャネルEを選択したが、システムAPのスループットを低下させることを考慮したうえで、第一の実施例と同様、様々なポリシーに基づき決定できる。例えば、スループットを低下させるシステムAPの数だけ、γを乗算し、スループット指標を低く評価しても良い。また、スループットに影響を与えるシステムAPのスループット指標との和、または積が最大となるチャネルを選択することができる。
【0075】
次に、集中制御局ACは、AP2の次にスループットの候補が大きいAP1について処理を行う。集中制御局ACは、AP1のチャネルについて、図9Cから、チャネルA,E(X),P,Q,R,S,T,U,V,W,X,Y,Z,αの干渉に基づいてチャネルを決定する。チャネル候補及びそのスループット指標は、以下のように得られる。B:160×1×(1/3+1/8)=73.3,F:80,E:80×1×(1/3+1/8)=36.7,N:40,M:40,O:40。高いスループット指標となり、かつシステムAPのスループットを低下させないのは、チャネルFを選択した場合。そのため、集中制御局ACは、AP2のチャネルとしてチャネルFを選択する。図10Aは、この状態における表の状態を表す。
【0076】
集中制御局ACは、最後に、AP4について処理を行う。AP4は、図10Aから、チャネルA,F,E(X),P,Q,R,S,T,U,V,W,X,Y,Z,α,δ,εにおける干渉に基づいてチャネルを決定する。チャネル候補及びそのスループット指標は、以下のように得られる。E:80×1×(1/3+1/8)=36.7,F:80×1×(1/3+1/8)×0.5=18.4,M:40×1×(1/2+1/6)=26.7(AP1がプライマリチャネルをβ〜χとする場合),O:40。高いスループット指標となるのは、チャネルOを選択した場合であるので、集中制御局ACはAP4のチャネルとしてチャネルOを選択する。図10Bは、この状態における表の状態を表す。
【0077】
このようにして、第2実施形態の集中制御局ACは、プライマリチャネル及びセカンダリチャネルに基づいて、システムAPのチャネルを決定する。そのため、各システムAPに対し、無線システム1の総スループット指標を高くするようなチャネルを割り当てることが可能となる。本具体例では、各システムAPのスループット指標は80、53.3、106.6、40、106.6として得られ、総スループット指標は386.7として得られる。
【0078】
(チャネル決定フロー2−2)
図11及び図12は、各基地局装置が用いるチャネルを決定していく処理の具体例(チャネル決定フロー2−2)を示す図である。図11及び図12に示される具体例は、検出されている干渉APのチャネル数が多いシステムAPから順に一つずつチャネルを決定していく処理の流れを示す。図8では、システムAP間のチャネルの使用は考慮されていない。そのため、システムAPのチャネルが決定されるにつれ、候補となるチャネルとそのスループット指標とを更新する必要がある。図7BのシステムAPの検出結果と、図7Aの干渉APのチャネルの検出結果とをマージして縦軸に表す。検出されるシステムAP及び干渉APの使用チャネルを横軸に表す。この時点の表の内容は、図10Aに表されているものと同じである。
【0079】
まず、集中制御局ACは、20MHz単位で考えたチャネルの検出数が最も多いAP4について処理を行う。AP4では、図8に示されたようにチャネルEまたはFを用いることで、スループット指標53.3の通信が得られる。ここで、集中制御局ACは、いずれか一方を選択しても良い。また、2つの候補を残したまま、次にチャネルの検出数が多いシステムAPの処理を行っても良い。ここでは、集中制御局ACは、E(X)とF(ε)のいずれかとして、次のシステムAPの処理を行う。図11Aは、この状態における表の状態を表す。
【0080】
集中制御局ACは、次にチャネルの検出数(干渉チャネル数)が大きいAP1について処理を行う。AP1のチャネル候補及びスループット指標は、AP4がE(X)を選択していると仮定すると、B:160×1×(1/3+1/8)=73.3,F:80,E:80×1×(1/3+1/8)=36.7,N:40,M:40,O:40となる。AP4がF(ε)を選択していると仮定すると、AP1のチャネル候補及びスループット指標は、B:160×0.5×(1/3+1/8)=36.7,F:80×1×(1/2+1/6)=53.3,E:80×1×(1/2+1/6)=53.3,N:40×1×(1/2+1/6)=26.7,O:40となる。AP4のチャネルとしてE(X)を選択し、AP1のチャネルとしてFを選択すると、AP4のスループットを低下させず、かつ、AP1のスループット指標が最も高くなる。そのため、集中制御局ACは、AP4のチャネルをE(X)、AP1のチャネルをFとする。図11Bは、この状態における表の状態を表す。
【0081】
次に、集中制御局ACは、AP1の次にチャネルの検出数が大きいAP2について処理を行う。AP2のチャネルの候補とスループット指標は、図11Bにより、A:160×1×(1/2+1/6)=106.7,C:80,E:80×1×(1/3+1/8)=36.7,G:40,H:40,O:40として得られる。よって、集中制御局ACは、AP2のチャネルとしてチャネルA(プライマリチャネル:T)を選択する。
【0082】
次に、集中制御局ACは、AP2の次にチャネルの検出数が大きい基地局装置を判定する。AP3及びAP6は、チャネルの検出数が同数のため、集中制御局ACは処理対象の基地局装置としていずれか一方を選択する。このとき、集中制御局ACは、処理対象となる基地局装置をランダムに選択してもよい。また、集中制御局ACは、最も観測チャネル数が多いシステムAP(AP4)と互いに通信セルがオーバーラップするシステムAP(AP6)を、先に処理対象として処理を実行しても良い。集中制御局ACは、互いに通信セルがオーバーラップするシステムAP(AP1)のプライマリチャネルが決定されていないシステムAP(AP3)を、先に処理対象として処理を実行しても良い。
【0083】
ここでは、AP6が選択された例で説明する。この場合、チャネル候補及びスループット指標は、A:160×1×(1/2+1/6)=106.7,C:80×1×(1/2+1/6)=53.3,D:80×1×(1/2+1/6)=53.3,E:80×1×(1/3+1/8)=36.7、O:40となる。しかし、チャネルA,D,CがAP6のチャネルとして選択されると、AP2のチャネルA(T)の中に独立した複数のプライマリチャネルを生じることとなり、異チャネルペナルティにより、AP2のスループット指標が大きく低下する。AP6にはチャネルTをプライマリとする干渉APの通信が届かないためである。よって、チャネル候補は、C:80(AP2をチャネルD(T)に変更し、AP2のスループット指標を106.7から53.3へ減少させる)、E:36.6、O:40となる。集中制御局ACは、この候補の中から、システムAPのスループット指標に影響を与えず、高いスループット指標を得られるチャネル(チャネルO)を選択する。ここでも、予め定めたポリシーに従い、チャネルを選択できる。影響を与えるシステムAPのスループット指標との積で考えると、チャネルCを選択した場合、AP6のスループット指標×AP2のスループット指標は、80×53.3=4264、チャネルOでは、40×106.7=4268となり、この場合もチャネルOを選択することとなる。
【0084】
最後に、集中制御局ACは、残ったAP3について処理を行う。AP3についてのチャネル候補及びスループット指標は、A:160×1×(1/2+1/6)=106.7,C:80(AP2のチャネルをチャネルDに変更(106.7から53.3へ修正)),D:80×1×(1/2+1/6)=106.7,E:80×1×(1/2+1/6)=53.3,O:40×1×(1/2+1/6)=26.7となる。ただし、AP6の場合と同様、AP2のチャネルAのスループット指標を大きく低下させるため、異チャネルペナルティの影響が大きいスループット指標の定義では、集中制御局ACはチャネルAとチャネルDを選択しない。また、チャネルE(X)を選択すると、AP3からAP4のチャネルE(X)が観測されていないため、AP2とAP4が同時に観測可能で、かつE(X)に関連するチャネル(B,E,K、L、X,Y,Z、α)を用いるシステムAPがいないか確認する。ここでは、他のシステムAPはこれらのチャネルを用いていない。そのため、集中制御局ACは、AP3のチャネルとしてE(X)を選択できる。よって、集中制御局ACは、他のシステムAPに影響を与えず、且つ、高いシステムスループットが得られるチャネルE(X)を選択する。
【0085】
このようにして、セカンダリチャネルまで考慮して、システムAPのチャネルを決定することができる。よって、5つのシステムAPに対し、スループット指標は80、106.7、53.3、53.3、40として得られ、総スループット指標は333.3として得られる。
また、処理の対象とするシステムAPの順序によって、上述のように各システムAPのスループットが変わる。このことから、集中制御局ACは、複数のシステムAPの選択順序でチャネルの決定を行い、通信状態に応じて最適なチャネルを選択しても良い。例えば、図9及び図10のようにシステムAPのチャネルを決定した場合には、AP4スループットが最も低い。一方、図11及び図12のように決定すると、AP5のスループットが最も低い。例えば、データ通信の頻度や、データ通信のビット量や、優先度、などが高いシステムAPがAP4であった場合には、集中制御局ACは、図11及び図12に示される処理の結果として得られるチャネル配置を選択し、各システムAPに当該チャネルを用いるように通知する。
【0086】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態におけるシステムAPは、干渉APやシステムAP、およびそれらと通信する端末のアドレス情報に加えて、干渉APの通信頻度に関する情報(通信頻度情報)も推定する。図13は、干渉APのチャネル検出結果を表す図である。
【0087】
(チャネルの評価指標2)
集中制御局ACによって干渉関係情報の推定が指示されると、各システムAPは、干渉APの通信パケットを受信する頻度や、アクセス権の取得している時間率等に関する情報(通信頻度情報)を推定し取得する。すなわち、通信頻度情報は、干渉関係情報の一具体例である。集中制御局ACは、干渉APkの通信の頻度を干渉頻度指標Ψとして取得する。干渉頻度指標Ψは、当該干渉APkの通信の頻度を表す係数でもよいし、当該干渉APkの通信時間率や干渉APkに所属する端末数全体の通信の頻度を表す係数でもよい。当該干渉APkに属する端末数をUとし、i番目の干渉APkと通信する端末の通信頻度をΛk,iとし、当該干渉APkの通信頻度をΛk,0とする。この場合、干渉頻度指標Ψは、以下の式10のように表される。
【数10】

【0088】
式10で、Λ=Λ=・・・=Λのように、通信頻度の係数を共通の定数とすれば、単にAPと端末の和を考慮することができる。また、Λ=0とすれば、端末の数のみ考慮できる。
【0089】
さらに、j番目のシステムAPに対する通信頻度指標Φを決定する。通信頻度指標Φは、Φ=Φとして、全システムAPで共通としても良い。また、各APに属する端末数と通信頻度から、通信頻度指標Φは以下の式11のように表されても良い。
【数11】

【0090】
また、式10と式11は、20MHzごとの各チャネルでそれぞれ評価することもできる。この場合、U、またはUは当該チャネルで動作している干渉APkと通信する端末数、またはシステムAPjと通信する端末数、である。
例として、Λj,0=0,Λj,i=10とし、AP1、2、3、4、6が通信を行う端末の数を、10、2、5、7、3とした場合について、チャネルの決定方法を示す。各システムAP(AP1、AP2、AP3、AP4、AP6)に対する通信頻度指標は、それぞれ100、20、50、70、30となる。
【0091】
あるシステムAPjが、あるチャネルを選択しようとすると、当該チャネルに影響する基地局装置のうち、最も通信頻度が高い20MHzチャネルにおける通信頻度指標と干渉頻度指標と異チャネルペナルティを用いて、APjのスループット指標Tは式12のように表される。
【数12】

【0092】
θは、APjが選択したチャネルに属するシステムAPの集合である。ψは、APjが選択したチャネルに属する干渉APの集合である。さらに、以下の式13として得られる通信頻度と干渉頻度との和に基づいて、式14のようにΠの関数fによる補正が行われても良い。
【数13】

【数14】

【0093】
f(Π)の関数で得られる値をΦ/Πに足すことで、スループットの期待値を上げたり、下げたりすることもできる。f(Π)を正にしてスループットの期待値を上げるのは、通信が実際には同じタイミングに発生するとは限らず、互いに独立のタイミングに通信し、たまたまそれらが時間的にずれていれば、お互いに通信の劣化を受けないためである。f(Π)を負にしてスループットを下げる場合は、パケット衝突などにより、単に時間で分けるより、実行スループットが低下することを考慮するためである。このため、集中制御局ACは、f(Π)は通信状況により変化させ、通信したいデータ量が増え、回線がひっ迫してくると負の値をとるようにし、通信頻度が低い場合は正の値をとるように適応的に制御することもできる。同様に、集中制御局ACは、式15や式16のように、Πの関数g又は関数hによる補正を行っても良い。
【数15】

【数16】

【0094】
集中制御局ACは、g(Π)の関数で得られる値をΦ/Πに乗算することによって、または、h(Π)の階乗を行うことによって、スループットの期待値を上げたり下げたりしても良い。g(Π)を1より大きくする、またはh(Π)を1より小さくしてスループットの期待値を上げるのは、通信が実際には同じタイミングに発生するとは限らず、互いに独立のタイミングに通信し、たまたまそれらが時間的にずれていれば、お互いに通信の劣化を受けないためである。g(Π)を1より小さくしたり、h(Π)を1より大きくしたりしてスループットを下げる場合は、パケット衝突などにより、単に時間で分けるより、実行スループットが低下することを考慮するためである。集中制御局ACは、f(Π)と同様に、g(Π)とh(Π)も通信状況により変化させても良い。
【0095】
第3実施形態では、上述したように、干渉APの通信頻度に基づいて、周波数帯域の異なる候補を含むチャネルを決定することができる。チャネルの決定はシステムAPが取りうるチャネルの選択について、すべての組み合わせに対し、スループット指標を計算し、適切なチャネル組み合わせを決定することもできるし、システムAPに順番にチャネルを決定していくこともできる。
【0096】
図13の例をもとに、システムAPのチャネル決定方法を示す。図13で、プライマリチャネルまたはセカンダリチャネルを示す記号の下に示した数値が干渉通信頻度係数である。同じ干渉APに関する干渉通信頻度係数は同じものとなっているが、各システムAPで干渉APの通信パケットの受信頻度を評価するため、システムAPにより異なる値をとることもありうる。また、プライマリチャネルとセカンダリチャネルで干渉通信頻度係数が異なる例がある理由は、当該干渉APが通信している端末が、必ずしもシステムAPが取得したチャネル全てを用いない、または用いる機能がない場合があるためである。
【0097】
(チャネル決定フロー)
第3実施形態において、集中制御局ACがシステムAP毎に順番にチャネルを決定していく処理の具体例を示す。チャネルを決定するシステムAPの順番は、上述した第1実施形態や第2実施形態と同様である。本説明では、干渉APの通信頻度の和の多い順に処理を行う。
干渉頻度の和を全チャネルで取ると、AP1〜AP6に対しそれぞれ、90×4+20×8+30×8=760、20×8+30×6+20×2+10×2=400、30×4+70×2+30×2+10×2=340、90×4+20×10+30×8=800、30×6+70×2+20×2+10×2=380として得られる。
【0098】
本説明では、干渉条件の悪いものから順(すなわち干渉APの通信頻度の和の多い順)に処理を行う。よって、AP4、AP1、AP2、AP6、AP3の順でチャネルを決定する処理が行われる。
まず、集中制御局ACは、AP4のチャネル候補とスループット指標を式12に基づき算出する。AP4のチャネル候補及びスループット指標は、A:160×0.5×(70/(70+90+20))=31.1、B:160×0.5×(70/(70+30+20))=46.7、C:80×0.5×(70/(70+90+20))=15.6、D:80×0.5×(70/(70+30+20))=23.3、E:80×1×70/(70+30)=56、F:80×1×70/(70+20)=62.2、G:7.8、(H:7.8)、I:11.7、(J:11.7)、K:40×1×70/(70+30)=28、(L:28)、M:40、N:31.1、O:40として得られる。高いスループット指標が得られるのはチャネルEまたはFであるので、集中制御局ACは、これらの一方をAP4のチャネルとして選択する。集中制御局ACは、チャネルMに空きがあるチャネルFを選択しても良いし、ランダムにいずれか一方を選んでも良いし、候補を複数保持したまま次のシステムAPの処理に移行しても良い。本説明では、集中制御局ACは、E(X)およびF(ε)の両方を候補として保持し、次のシステムAPの処理に移行する場合のフローについて説明する。また、ここでは、集中制御局ACが同じスループット指標の候補を複数記憶する例を示したが、同じスループット指標とならなくても、スループット指標の高い候補を複数記憶して、それぞれに対して他のシステムAPのスループット指標がどのような値をとるか評価しても良い。
【0099】
次に、集中制御局ACは、AP4の次に干渉条件の多いAP1のスループット指標を評価する。AP4がチャネルE(X)を選択した場合、スループット指標は、チャネルA:160×0.5×(100/(100+90+20))=38.1、B:160×1×(100/(100+70+30))=80、C:80×0.5×(100/(100+90+20))=19、D:80×0.5×(100/(100+30+20))=53.3、E:80×1×(100/(100+30+70))=40、F:80、K:40×1×(100/(100+30+70))=20、(L:20)、M:40、N:40、O:40として得られる。一方、AP4がチャネルF(ε)を選択した場合、スループット指標は、A:160×0.5×(100/(100+90+20))=38.1、B:160×0.5×(100/(100+70+30))=40、C:19、D:80×0.5×(100/(100+30+20))=53.3、E:80×1×(100/(100+30))=61.5、F:80×1×(100/(100+70))=47.1、K:30.8、(L:30.8)、N:40×1×(100/(100+70))=23.5、O:40として得られる。
【0100】
以上より、AP4のチャネルとしてチャネルE(X)を選択し、AP1のチャネルとしてチャネルB(X)またはF(ε)を選択することで、スループット指標80が得られる。AP1のチャネルとしてチャネルB(X)とF(ε)とのどちらを選択するべきかについては、集中制御局ACは周波数帯域幅のより少ないチャネル(チャネルF)を選択しても良い。少ない帯域幅で、高いスループットを得るように選択することで、他のシステムに不要な干渉を与えることを防ぐことができる。
【0101】
図14は、AP4とAP1に対しそれぞれチャネルE(X)、チャネルF(ε)を選択した場合の通信頻度の検出表を表す。このようにシステムAPのチャネルが決定されてくると、それに従って干渉条件が増える。そのため、集中制御局ACは、システムAPのチャネルが決定されるごとに、測定されるチャネル数の数や、干渉頻度の和を更新して、残りのシステムAPのうちどのシステムAPのチャネルを決定するか、その順番を変更することもできる。図14に示されている時点では、チャネルが決定されていないシステムAPはAP2,AP3,AP6であり、干渉頻度の和は、20×10+100×4+30×6+70×4+10×2=1080、30×4+100×4+70×2+20×2=700、30×6+70×6+20×2+10×2=660である。
【0102】
次に、集中制御局ACは、AP2について処理を行う。チャネル候補及びスループット指標は、A:160×1×(20/(20+20))=80、(C:80×1×(20/(20+20))=40)、D:80×1×(20/(20+20))=40、E:80×1×(20/(20+30+100))=10.7、F:80×0.5×(20/(20+20+30+70))=11.4、O:40として得られる。最も高いスループットはチャネルA(T)を選択することで得られるため、集中制御局ACは、AP2のチャネルとしてチャネルA(T)を選択する。図15は、AP2に対しチャネルA(T)を選択した場合の通信頻度の検出表を表す。
【0103】
次に、集中制御局ACは、AP6について処理を行う。チャネル候補及びスループット指標は、図15の関係から次のように導かれる。A:160×1×(30/(30+20))=96、B:160×0.1×(30/(30+30+70+70+30))=2.1、(C:80×1×(30/(30+20))=48)、D:80×1×(30/(30+20))=48、E:80×1×(30/(30+30))=40、F:80×0.5×(30/(30+30+70+70))=6、O:40。ここで、チャネルAが高いスループット指標となっているが、AP6のチャネルとしてチャネルA、C、Dを選択すると、システムAPであるAP2に同じチャネル内に独立のAPを2つ有することになる。異チャネルペナルティが大きい設定の場合、システムAPのスループット指標が大きく低下するため、AP6のチャネルとしてチャネルA、C、Dは選択しない。チャネルE(X)を選択するかチャネルOを選択することで、スループット指標40を得ることができる。ここで、集中制御局ACは、よりチャネル帯域幅が小さいチャネルとしてチャネルOを選択しても良い。集中制御局ACは、チャネルEを用いることで、干渉APが用いているチャネルEに2つの独立して動作するAPを構築しても良い。つまり、AP4とAP1で検出されるチャネルEの干渉AP(AP5)は同一のAPであり、AP4とAP1は互いに観測不可能な位置関係にある。このことから、互いに独立してアクセス権の取得が行える。よって、AP4がチャネルEを選択することで、当該干渉AP(AP5)は異チャネルペナルティによりアクセス権を取得することが難しくなるため、実効的にAP5の通信頻度を30から低下させ、AP1とAP4のスループットが高まることが期待できる。
【0104】
集中制御局ACがAP4のチャネルとして、F(ε)を選択した場合の関係を図16に示す。次に、集中制御局ACは、AP3について処理を行う。AP3のチャネル候補及びスループット指標は、A:160×1×(50/(50+20))=114.3、(C:80×1×50/(50+20)=57.1)、D:80×1×50/(50+20)=57.1、F:80×0.5×50/(50+70+20)=14.3、O:40と計算できる。しかし、AP3のチャネルとしてチャネルA,C,Dを選択すると、システムAPであるAP2のチャネルA(T)内に独立に動作する2つのプライマリチャネルを生じることになる。そのため、集中制御局ACは、AP3のチャネルとして上記チャネルを選択しない。したがって、集中制御局ACは、残ったチャネルであるチャネルOを選択する。
または、他のポリシーに従い、チャネルを決定することもできる。集中制御局ACは、AP2のチャネルをA(T)からD(T)に変更し、AP2のスループット指標を80から40に低下させることで、AP3のチャネルとしてチャネルC:80を選択しても良い。スループット指標の積で考えると、AP2のスループット指標×AP3のスループット指標は、チャネルCを選択する場合、40×80=3200、チャネルOを選択する場合、80×40=3200で同値となる。ランダムでいずれかを決定してもよいし、優先度が高いシステムAPにスループット指標80が得られるように決定してもよい。
また、集中制御局ACは、AP2とAP3のチャネルを、一定時間ごとに上記チャネルの組合せを入れ替えても良い。
【0105】
このようにして、AP1:61.5、AP2:80、AP3:40、AP4:56、AP6:40として各システムAPのチャネルが集中制御局ACによって選択される。AP1とAP6によりチャネルEの干渉APのスループットが下がりやすくなるため、AP1とAP6のスループットは、AP7の通信頻度指標が30より低下することでより高くなることが期待される。
【0106】
また、上記の方法だと、図13で観測されていたAP3とAP6で干渉APからの影響なしで用いることができたチャネルAを用いることができない。AP2がチャネルAを用い、AP2が干渉APを観測しているため、AP3及びAP6も新たにチャネルAに係るチャネルを選択できなくなったためである。このため、大きな周波数帯域の空きチャネルを最優先して決定することはシステムスループット最大化の上では重要であり、各システムAPの取りうる最大スループットを先に計算し、スループットの高いものから決定することでシステムスループットを高めることができる。
【0107】
また、上記の方法で、第2の実施例と第3の実施例で括弧書きで示したセカンダリチャネルをチャネルとして選択する例を示す。セカンダリチャネルを選択すると、相手の基地局装置にRTS/CTSなどの制御信号を認識されず、大きくスループットが低下するリスクがある。そのため、通常はセカンダリチャネルを選択しない。しかし、当該基地局装置と通信セルとがオーバーラップする2つの独立のAPを用いて、プライマリチャネルとセカンダリチャネルで動作させることで、当該干渉APのチャネル内に独立のプライマリチャネルを生じさせることができる。したがって、干渉APのスループットを低下させることでシステムAPのスループットを高めることができる。
【0108】
図17は、図13の関係から、AP0のチャネルがチャネルC(Q)、AP7のチャネルがチャネルA(T)であるものとして変更し、それぞれ通信頻度が90、100であり、AP3にAP7の信号が届くものとした場合の表の具体例を示す図である。図17の場合、AP7はシステムAP(AP1、AP2、AP3、AP4)で検出されており、システムAPのチャネルの選択を制限している。このような端末が存在する際に、例えばAP1のチャネルとしてチャネルD(T)を選択し、AP2のチャネルとしてチャネルCを選択することで、AP7のチャネル内に独立の基地局装置を2つ生じさせ、アクセス権を取りにくくさせることができる。このようにすることで、主要な干渉源のスループットを低減させることができる。また、AP3及びAP4のチャネルとしてチャネルD(T)を選択し、AP2のチャネルとしてチャネルCを選択すると、AP3とAP4が互いに通信エリア外であることから、AP7のチャネル内に独立動作するプライマリチャネルを3つ生じさせ、干渉源の通信を大きく制限できる。
【0109】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態における集中制御局ACは、さらにシステムAPの通信している端末の周波数帯域に対する性能に基づいて処理を行う。
【0110】
第1〜第3実施形態における説明では、活用周波数帯域指標Bは当該チャネルの周波数帯域幅を用いた。しかし、第4実施形態では、活用周波数帯域指標Bを端末の機能と当該チャネルの周波数帯域幅を用いて計算する。システムAPが通信している端末が、それぞれ20MHz〜160MHzまで周波数帯域幅の機能が様々なものである場合の評価方法を示す。このとき、端末の周波数帯域幅の機能が20MHzであるシステムAPに160MHzのチャネルを割り当てても、20MHzまでしか用いられない。
【0111】
(チャネルの評価指標3)
上述した理由により、式1のBとして、以下の式17によって得られる値Bを適用することができる。
【数17】

【0112】
ここで、Bは割り当てられたチャネルの周波数帯域幅、またはサブキャリア数に対応する数であり、ここでは簡単のため、160MHzのチャネルであればB=160とする。Bj,iは、当該j番目のシステムAPが通信しているi番目の端末の周波数帯域幅の機能である。例えば、端末が20MHz、40MHz,80MHzの周波数帯域まで考慮する機能がある場合には、Bj,iはそれぞれ、20、40,80と設定される。Uは、当該j番目のシステムAPが通信している端末の数である。
【0113】
式1のBとして、以下の式18によって得られる値Bを適用しても良い。なお、σj,1〜σj,Ujは、1〜Uの端末の通信頻度である。
【数18】

第4実施形態におけるj番目のシステムAPは、通信を行う端末の周波数帯域情報Bj,iや式17や式18から得られるBや端末の通信頻度σj,iを集中制御局ACに通知する。
【0114】
(チャネル決定フロー)
第4実施形態においてチャネルを選択する例を示す。ここまでの例では、チャネルの帯域幅とスループットとを比例させていた。一方、第4実施形態では、各システムAPの端末の機能情報に基づいて式18を用いてスループットBを計算する。式18において、通信頻度は均等な値1/Uとした。図18は、各端末の機能を表す表である。AP1、2、3、4、6の通信する端末数を10、2、5、7、3として、各端末の機能は図18に示す通りであるものとする。通信頻度の高いシステムAPから順に処理を行う。したがって、AP1、AP4、AP3、AP6、AP2の順に処理を行う。干渉APからの干渉条件は、図13に示された通りである。
【0115】
まず、集中制御局ACは、通信頻度指標の最も大きいAP1のスループット指標を以下のように評価する。
チャネルA:(5×160+3×Min(160,80)+2×Min(160,40))/10×0.5×(100/(100+90+20))=26.7、B:(5×160+3×Min(160,80)+2×Min(160,40))/10×1×(100/(100+70))=86.2、C:(5×Min(80,160)+3×Min(80,80)+2×Min(80,40))/10×0.5×(100/(100+90+20))=17.1、D:(5×Min(80,160)+3×Min(80,80)+2×Min(80,40))/10×0.5×(100/(100+30+20))=24、E:(5×Min(80,160)+3×Min(80,80)+2×Min(80,40))/10×1×(100/(100+30))=55.4、F:80、K:(5×Min(40,160)+3×Min(40,80)+2×Min(40,40))/10×1×(100/(100+30))=30.8、(L:30.8)、M:40、N:40、O:40
【0116】
集中制御局ACは、AP1のチャネルとして、最も高いスループット指標のチャネルBを選択することができる。しかし、AP1の端末の機能が必ずしも160MHzをサポートしていない。そのため、160MHzのチャネルBと、80MHzのチャネルFの選択によるスループット指標の差は、わずかである(86.2−80=6.2)。2倍の帯域を用いても効果がわずかしか得られない場合に、集中制御局ACは、狭い帯域のチャネルを選択しても良い。具体的には、予め閾値が設定され、この閾値よりも上記効果の程度(例えば指標の差分値や指標の割合など)が大きいか否かに応じて、集中制御局ACは選択するチャネルを変更しても良い。ここでは、閾値が10%として設定されていたとすると、チャネルBの選択は、チャネルFの選択に対し十分に大きな効果がるとはいえない。したがって、この場合は集中制御局ACは、チャネルFを選択する。
【0117】
次に、集中制御局ACは、AP4のスループット指標について以下のように評価する。A:(5×160+1×Min(160,80)+1×Min(160,40))/7×0.5×(70/(70+90+20))=25.6、B:(5×160+1×Min(160,80)+1×Min(160,40))/7×0.5×(70/(70+100+30+30))=20、C:(5×Min(80,160)+1×Min(80,80)+1×Min(80,40))/7×0.5×(70/(70+90+20))=12.8、D:(5×Min(80,160)+1×Min(80,80)+1×Min(80,40))/7×0.5×(70/(70+30+20))=21.7、E:(5×Min(80,160)+1×Min(80,80)+1×Min(80,40))/7×(70/(70+30))=52、F:(5×Min(80,160)+1×Min(80,80)+1×Min(80,40))/7×0.5×(70/(70+100+30))=13、K:(5×Min(40,160)+1×Min(40,80)+1×Min(40,40))/7×1×(70/(70+30))=26、(L:26)、(M:40×0.5×70/(70+100)=8.3)、N:40×0.5×70/(70+30+100)=7、O:40。
【0118】
最も高いスループットが得られるのはチャネルE(X)である。したがって、集中制御局ACは、チャネルE(X)をAP4のチャネルとして選択する。
【0119】
図19は、AP1に対しチャネルFを選択し、AP4に対しチャネルEを選択した場合の通信頻度の検出表を表す図である。
次に、集中制御局ACは、AP3のスループット指標について以下のように評価する。A:(3×160+2×Min(160,80))/5=128、C:(3×Min(80,160)+2×Min(80,80))/5=80、D:80、E:80×1×50/(50+30)=50、O:40。
【0120】
最も高いスループットは、チャネルAを選択することで得られる。そのため、集中制御局ACは、AP3のチャネルとしてチャネルAを選択する。チャネルAを選択した場合のスループットは、チャネルCを選択した場合よりも閾値(10%)以上高いスループットである。
次に、集中制御局ACは、AP6のスループット指標について以下のように評価する。A:(2×160+1×Min(160,40))/3×1×30/(30+50)=45、C:(2×Min(80,160)+1×Min(80,40))/3×30/(30+50)=25、D:25、E:(2×Min(80,160)+1×Min(80,40))/3×1×30/(30+70+30)=15.4、O:40。
【0121】
最も高いスループットは、チャネルAを選択することで得られる。そのため、集中制御局ACは、AP6のチャネルとしてチャネルAを選択する。
最後に、集中制御局ACはAP2について処理を行う。AP2は、端末の機能が最大でも40MHzまでのサポートである。そのため、40MHz以下のチャネルのみに基づいて以下のように評価できる。I:(Min(40,40)+Min(40,20))/2×0.5×20/(20+50+30)=2.5、K:(Min(40,40)+Min(40,20))/2×1×20/(20+70+30)=5、N:(Min(40,40)+Min(40,20))/2×0.1×20/(20+100+30+20)=0.4、O:(Min(40,40)+Min(40,20))/2=30
集中制御局ACは、AP2に最も高いスループット指標となるチャネルOを選択する。
【0122】
このようにして、集中制御局ACは、AP1:80、AP2:40、AP3:(3×160+2×Min(160,80))/5×50/(50+30)=80、AP4:52、AP6:45のスループット指標を得るチャネル配置を決定できる。
また、図3、7、13のようなAP間の干渉関係の情報は、集中制御局ACから指示を行い、システムAPの通信を停止し、隣接干渉APからの受信信号を用いて取得しても良い。また、集中制御局ACからシステムAPに同じ周波数チャネルを選択する指示し、互いの干渉関係を測定して取得しても良い。また、システムAPが通信のため選択しているチャネル、もしくは受信帯域を送信帯域より広く設定することで検出できるチャネルの情報から取得しても良い。後者の各システムAPが通信に用いているチャネルの情報を収集する場合、干渉APの情報やシステムAPの情報は図3、7、13のように完全には得られない。しかし、不完全なものであっても、本実施形態の方法により、システムAPのチャネル決定の順番を決め、集中制御局ACが取得した範囲の情報からスループット指標が高くなるように各システムAPのチャネルを決定できる。
【0123】
(原理)
図20は、本発明におけるチャネル決定方法の処理の流れを示すフローチャートである。以下、本発明におけるチャネル決定方法について、図20を用いて説明する。集中制御局ACは、各システムAPから、干渉APが用いているチャネル、通信の頻度情報を収集する。そして、集中制御局ACは、図3、7、13のようにシステムAPに対する干渉APからの影響を表す干渉関係情報を記憶する(ステップS101)。
【0124】
集中制御局ACは、干渉関係情報が得られると、システムAPのチャネルを順番に決定する。例えば、集中制御局ACは、式1〜16を用いてスループット指標を計算し、計算結果に基づいてシステムAPのチャネル決定の順番を決定する。具体的には、スループット指標の大きい順でも良いし、スループット指標の少ない順でも良い。また、集中制御局ACは、チャネル決定の順番を必ずしもスループット指標に基づいて決定する必要は無く、例えば以下の順で決定しても良い。通信を検出できるプライマリチャネルの数の多い順。上記プライマリチャネルの数の少ない順。観測された干渉APの通信頻度の指標の和が大きい順。上記指標の和が小さい順。通信を行う端末数が多い順。通信を行う端末数が少ない順。システムAPに対し予め定められた優先度順。システムAPへ流れるデータビットの多い順。システムAPが通信を行う端末の機能が高い順。上記機能が低い順。バッファに蓄積されているビット量の多い順。パケット衝突が多い順。
【0125】
集中制御局ACは、カウンタの値を初期化する。具体的には、集中制御局ACはj=1と設定する(ステップS102)。
集中制御局ACは、j番目のシステムAPに対し、選択しうるチャネルに対し、式1〜16のいずれか一つ又は複数に基づいてスループット指標を計算する(ステップS103)。集中制御局ACは、最も高いスループット指標を有するチャネルを当該システムAPのチャネルに決定する(ステップS104)。全てのシステムAPのチャネルが決まっていない場合は、集中制御局ACは、これまでに決定されたチャネルの割り当てに基づいて干渉関係情報を更新し、j=j+1として、ステップS103の処理に戻る(ステップS106)。
【0126】
集中制御局ACは、全てのシステムAPのチャネルを決定すると、各システムAPに対し、決定されたチャネルを通知する(ステップS107)。各システムAPは、端末との無線通信に用いるチャネルを、集中制御局ACから通知されたチャネルに変更し、通信を開始する(ステップS108)。
上述した処理が実行されるタイミングは、一定時間ごとにステップS101から実行されても良い。また、常にステップS101の処理は繰り返し実行され、一定時間ごとにステップS102以降の処理が実行されても良い。また、各システムAPは、干渉APの用いているチャネルやパケット信号の通信頻度などの通信状態が変更された場合に、変更後の情報を集中制御局ACに通知し(ステップS109)、集中制御局ACはこの通知をステップS101の開始のトリガとしても良い。
【0127】
ステップS109において各システムAPが検出する通信状態の変化とは例えば以下のような状態である。新規の干渉APが、システムAPにおいて観測可能チャネルで通信やビーコン送信を開始したことを検知した場合。一定時間以上通信を行っていた干渉APからの通信やビーコンを受信できなくなったことを検知した場合。同じチャネルを用いている干渉APの通信パケットの時間占有率が所定値以上変化した状態が一定時間続いたことを検知した場合。干渉APに属する端末数が所定値以上変化した場合。干渉APがチャネルを変更する通知を送信しているのを検出した場合。
また、S102〜S106までのように、一つずつ決定するのではなく、システムがとりうるチャネルの組み合わせを総当たりでチェックし、最もよい組み合わせを各システムAPへのチャネル割り当てとして決定してもよい。この場合、S102において、全てのシステムAPに対するチャネルが決定され、S107において、各システムAPに通知される。
【0128】
<変形例>
上述した干渉AP以外の装置であっても、レーダーなどのように干渉信号を出力する装置(干渉装置)が存在する場合には、システムAPが自律的にチャネルを変更することができる。また、干渉装置による信号を観測したシステムAPが自律的にチャネルを変更させた後、仮にチャネルを変更したことを集中制御局ACに通知し、干渉装置に用いられているチャネルを使わない条件で新たに集中制御局ACがシステムAPのチャネルを決定しても良い。
【0129】
また、新たなシステムAPがACに接続されると、新規システムAPからACに接続されたことを通知し、S101から開始して、システムAPのチャネルを再決定することもできる。
無線システム1において、システムAP及び干渉APの検出が同時に行われても良い。具体的には以下のように行われる。システムAPは、予め集中制御局ACによって指定されたタイミングで、使用可能なチャネルの状況を観測する。システムAPは、受信したビーコンまたは通信パケットに基づいて、送信元端末のアドレスや、送信元端末が接続している基地局装置のアドレス等の情報を収集する。これらの情報の収集によって、干渉APの検出が行われる。このとき、観測されるチャネルにおいて、各システムAPもビーコンや通信パケット等を送信していれば、各システムAPに関する情報の収集も可能となる。すなわち、各システムAPは他のシステムAPの検出と干渉APの検出とを同時に行うことができる。各システムAPは、収集した情報を集中制御局ACに通知する。集中制御局ACは、各システムAPから通知されたアドレスが、システムAPに属する端末又はシステムAPのアドレスであるか判定する。この判定により、各情報が干渉APに関する情報であるかシステムAPに関する情報であるか判定できる。
【0130】
上記ステップS104において、集中制御局ACは、j番目のシステムAPのチャネルを決定する際に、最も高いスループット指標に対応するチャネルが、より低い周波数帯域幅のチャネルを選択した場合のうち最も高いスループット指標に対し、所定値以上高くなるか否か判定しても良い。そして、所定値以上高くなる場合には、集中制御局ACは、j番目のシステムAPのチャネルとして、最も高いスループット指標に対応するチャネルを選択しても良い。一方、所定値以上高くならない場合には、集中制御局ACは、j番目のシステムAPのチャネルとして、より低い周波数帯域幅のチャネルを選択した場合のうち最も高いスループット指標となるチャネルを選択しても良い。このようにチャネルの選択が行われることにより、効率の低い広帯域チャネルの使用を避けることができる。
また、上記ステップS104において、集中制御局ACは、j番目のシステムAPのチャネルを決定する際に、他のシステムAPのスループット指標を低下させる場合に、ペナルティを考慮することができる。スループットを低下させるシステムAPの数だけ、係数γを乗算したり、システムAPのシステムスループットの和、または積の値が高いチャネルを選択するポリシーを用いることで、他のシステムAPのスループット指標を大きく低下させることを防ぐことができる。
【0131】
また、ステップS104において、集中制御局ACがj番目のシステムAPのチャネルを決定する際に、干渉APのチャネル内に独立に動作する複数のプライマリチャネルを存在させる条件となるチャネルを優先して選択しても良い。
【0132】
図21は、本発明におけるチャネル決定方法の変形例の処理の流れを示すフローチャートである。図21に示すフローチャートでは、集中制御局ACにシステムAPのチャネル決定順序の基準が予めq通り設定されている。集中制御局ACは、それぞれの基準にしたがって決定順序を決定し、各決定順序にしたがってS102−1〜S106−qの処理によりチャネルを決定する。集中制御局ACは、得られたq通りのチャネル割り当てとそのスループット指標に基づいて、最適なチャネル配置を選択しても良い(ステップS200)。最適なチャネル配置とは、スループット指標の和が最大となるものであっても良いし、スループット指標の最小値が最大のものであっても良いし、優先するシステムAPのスループット指標が最大となるものであっても良い。
【0133】
また、システムAP同士の干渉関係情報が得られない場合には、集中制御局ACは、システムAP同士が互いに信号を検出しているものと仮定して上記処理を行っても良い。同様の場合に、集中制御局ACは、システムAPの位置情報を別途取得し、干渉関係を作成することによって上記処理を行っても良い。
【0134】
また、通信に選択したチャネルの周波数帯域幅により、帯域あたりの送信電力が異なる場合には、チャネルの帯域幅の条件によって、図3下図のように示されるシステムAP間の干渉関係をそれぞれ用意することもできる。例えば、周波数帯域幅が広がるにつれ、帯域あたりの送信電力が低下するシステムの場合には、帯域が広いものほど干渉関係が減り、帯域が狭いほど干渉関係が増える。このような干渉関係を表す表を、各帯域幅について予め集中制御局ACが記憶しても良い。
また、集中制御局ACは、チャネルを選択する際に、当該チャネルの中に複数の異なるプライマリチャネルを含むこととなるチャネルは選択しないという条件で、チャネルを決定しても良い。
【0135】
また、使用しているチャネルの隣接チャネルに与える、チャネル間干渉の影響を考慮し、チャネルを選択することもできる。図22は、図13の通信チャネルの検出結果の表に、チャネル間干渉の影響で特性劣化が生じるチャネルに星印を加えた表を示す図である。本来あるチャネルを使用している際には、隣接するチャネルに大きな干渉信号がもれないように、バンドパスフィルタなどにより、信号が減衰するように設計されているが、端末や基地局の位置関係によっては、隣接チャネルに生じるチャネル間干渉が十分に抑圧されずに当該チャネルの特性を劣化させることが考えられる。図22の星印が記載されたチャネルでは、隣接チャネルの通信が十分に減衰されずに漏れこんでいる可能性がある。よって、この星印が示すチャネルを選択しないように条件を追加したり、星印の数だけ、減衰係数ωを乗算したり(ωは0<ω<1)、スループットペナルティω’だけ減算したり、当該チャネル間干渉を引き起こしている主信号の通信頻度(図22の括弧内の数字)に応じて当該チャネルを選択した際のスループット指標を低下させたり、することができる。
【0136】
また、システムAP間の干渉関係の情報を用いずに、チャネルを決定することができる。この方法では、図2Bや図7Bの情報として、全てのシステムAPが干渉関係にある、または、全てのAPが干渉関係にない、または、検出される干渉APに類似性があるシステムAPを互いに検出可能であるとする、ことができる。検出される干渉APに類似性があるかの判定としては、検出された干渉APの種類がXパーセント以上同じものであるシステムAPを互いに検出可能エリアにいるものと考えることができる。例えば、図7の例で、検出されている干渉APが半分(50パーセント)以上同じものであるシステムAPが、互いに信号検出可能エリアにいるものと考えると、AP1で検出可能な干渉APは、AP0、AP5、AP7であることから、AP2、AP4とは互いに信号検出可能エリアにいるものとして、実際に信号検出可能か互いの信号を受信することなく、干渉関係を知ることができる。
【0137】
以上のように構成された無線システム1では、複数のシステムAPの周波数チャネルを制御する集中制御局ACにおいて、近隣に同一周波数を用いる装置(干渉AP)が存在する場合に、干渉条件から各システムAPが用いるべき周波数チャネルを決定し、システムスループットの向上を図ることができる。
【0138】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0139】
1…無線システム, AC…集中制御局, AP…基地局装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集中制御局と、前記集中制御局に接続された複数の基地局装置とを備え、前記基地局装置において干渉信号が受信される環境で無線通信を行う無線通信システムであって、
前記基地局装置は、
前記干渉信号に関する情報である干渉関係情報を推定する干渉推定手段と、
推定された干渉関係情報を前記集中制御局に通知する干渉関係情報通知手段と、
端末装置との無線通信に用いるチャネルを、前記集中制御局から通知されたチャネルに変更するチャネル設定手段と、を備え、
前記集中制御局は、
前記基地局装置毎に、周波数帯域が異なる複数のチャネルを含むチャネル候補の中から、2つ以上のチャネル候補のスループット指標を計算し、計算されたスループット指標に基づいて前記基地局装置のチャネルを決定するチャネル決定手段と、
決定されたチャネルを、前記基地局装置に通知するチャネル通知手段と、を備える無線通信システム。
【請求項2】
前記チャネル決定手段は、接続されている基地局装置のチャネル候補の周波数帯域の範囲内で通信している他の装置であって当該基地局装置と無線通信している前記端末装置以外の装置の数または通信頻度と、前記チャネル候補の周波数帯域幅またはデータサブキャリア数と、に基づいて前記スループット指標を計算する、請求項1に記載の無線通信システム。
【請求項3】
前記基地局装置は、自装置と通信している前記端末装置の数と、前記端末装置との通信に用いている周波数帯域幅またはデータサブキャリア数と、前記端末装置の通信頻度情報、のうち少なくとも一つを含む端末情報を、前記集中制御局に通知する端末情報通知手段をさらに備え、
前記集中制御局の前記チャネル決定手段は、前記端末情報にさらに基づいて前記スループット指標を計算する、
請求項1〜2のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項4】
前記基地局装置の前記干渉推定手段は、自装置において通信停止中に受信されるビーコンで通知される情報又は通信パケットの送信元アドレス、通信パケットの送信先アドレス、所属する基地局装置のアドレス、通信パケットの時間占有率、のうち少なくとも一つを干渉関係情報として取得する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項5】
前記集中制御局は、前記基地局装置に一定時間通信を行わず、干渉関係情報を収集するように通知する通信停止手段を更に備え、
前記基地局装置の干渉推定手段は、前記集中制御局から通信の停止を指定されると、データ通信を停止し、干渉関係情報を収集する、
請求項4に記載の無線通信システム。
【請求項6】
前記集中制御局は、前記基地局装置に共通のチャネルを指定する干渉測定指定手段をさらに備え、
前記基地局装置の前記干渉推定手段は、前記集中制御局から指定されたチャネルを用いて、各基地局装置から送信された信号が検出可能か否か判定し、干渉関係情報として取得する、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項7】
前記集中制御局は、前記基地局装置から通知された情報に基づいて、特定のチャネル候補の周波数帯域内のチャネルを用いて、独立に動作する基地局装置のグループの数を判定するカウント手段をさらに備え、
前記チャネル決定手段は、当該チャネル候補内で独立に動作する基地局装置の数を用いて、当該チャネル候補のスループット指標を計算する、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項8】
前記集中制御局は、前記基地局装置から通知された情報に基づいて、接続されていない基地局が用いているチャネルの周波数帯域の中に、当該接続されていない基地局と干渉関係にあり、かつ互いに信号が検出可能な関係ではない複数の前記基地局のチャネルを割り当てる、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記チャネル決定手段は、前記基地局装置の用いるチャネルを評価する順番を決定し、決められた順番で基地局装置毎にスループット指標の高い前記チャネルを決定する、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の無線通信システム。
【請求項10】
前記チャネル決定手段は、前記順番を複数パターン決定し、パターン毎に決められた順番で基地局装置毎に前記チャネルを決定し、前記パターン毎に決定されたチャネルの組み合わせとスループット指標とに基づいて、いずれか一つのパターンにおけるチャネルの組み合わせを選択する、
請求項9に記載の無線通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−115503(P2013−115503A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−257896(P2011−257896)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(504132272)国立大学法人京都大学 (1,269)
【Fターム(参考)】