無線通信基地局、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法
【課題】MCフレームを送信する場合に、無線通信端末の不要な電力消費をさけて省電力効果を向上させることができる無線通信基地局を得ること。
【解決手段】APは、ネットワーク装置からの受信フレームがMCフレームであった場合にマルチキャストフレームバッファ136へ格納するマルチキャストフレーム検出部133と、MCグループと参加している無線通信端末と無線通信端末が省電力モードであるかを示す省電力状態情報との対応を管理表として保持し、MCフレームが検出された場合に管理表を参照してMCフレームに対応する無線通信端末を宛先端末とし、宛先端末の省電力状態を判定する省電力端末管理部131と、宛先端末が省電力モードの場合MCフレームがバッファリングされていないことを示す情報を格納しかつ宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成するBeacon生成部134と、を備える。
【解決手段】APは、ネットワーク装置からの受信フレームがMCフレームであった場合にマルチキャストフレームバッファ136へ格納するマルチキャストフレーム検出部133と、MCグループと参加している無線通信端末と無線通信端末が省電力モードであるかを示す省電力状態情報との対応を管理表として保持し、MCフレームが検出された場合に管理表を参照してMCフレームに対応する無線通信端末を宛先端末とし、宛先端末の省電力状態を判定する省電力端末管理部131と、宛先端末が省電力モードの場合MCフレームがバッファリングされていないことを示す情報を格納しかつ宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成するBeacon生成部134と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信基地局、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な機器に無線LAN(Local Area Network)インターフェースが搭載されている。無線LANのMAC(Media Access Control)層以下はIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11で規定されている(下記非特許文献1参照)。無線LANシステムでは、無線通信端末(以下STAという)が無線通信基地局(以下APという)を介して通信するインフラクチャモードがあり、このモードにおいて端末の消費電力を削減することを目的とした省電力機能が規定されている。この省電力機能は、携帯端末がSTAとなる場合に、バッテリーの消費電力を抑えるために重要である。
【0003】
省電力機能を実現する動作を説明する。STAは、APと接続後、省電力状態であるPower Saveモード(通信動作が未駆動状態となるモードであり、以下、PSモードという)に移行することをAPへ通知する。APは、この通知を受信した場合、STAがPSモードに移行したことを記憶する。APは、PSモードへ移行中のSTA宛のフレームをバッファにバッファリングする。
【0004】
APは、報知情報フレームであるBeaconを定期的に送信している。APは、STAへの送信データがバッファに存在する場合に、BeaconのPVB(Partial Virtual Bitmap)のフィールドの当該STAのAID(端末固有のAssociation IDentifier)に対応するビット位置に“1”をセットして送信する。送信データが無いSTAについては、PVBのフィールドの当該STAのAIDに対応するビット位置に“0”をセットして送信する。また、PVBのフィールドの0番目のビットは、APにブロードキャストフレーム(以下、BCフレームという)またはマルチキャストフレーム(以下、MCフレームという)の送信データが存在するか否かを示しており、BCフレームまたはMCフレームがバッファに存在する場合はPVBの0番目のビットに“1”をセットする。
【0005】
PSモードに移行したSTAは、APからのBeaconが送信されるタイミングでAwakeモード(通信動作が駆動状態)になり、受信したBeaconのPVBを参照して、自身のAIDに対応するビットまたは0番目のビットに“1”がセットされているか否かを判断する。自身のAIDに対応するビットまたは0番目のビットに“1”がセットされている場合は、Awakeモードを維持してAPからの受信を行うための動作を実施する。自身のAIDに対応するビットにも0番目のビットにも“1”がセットされていない場合は、PSモードへ移行する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】IEEE,“IEEE Std 802.11TM−2007”,June 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の技術において、APと無線接続可能なSTAが複数存在し、それらのSTAが属するマルチキャストグループ(以下MCグループという)が複数存在するとする。例えば、STA#1〜#4がAPの配下にあり、MCグループ#1にはSTA#1およびSTA#4が属し、MCグループ#2にはSTA#2、STA#3およびSTA#4が属しているとする。このとき、APがMCグループ#1へのMCフレームを送信する場合、MCグループ#1に属していないSTA#2、#3は当該MCフレームの受信は不要である。しかしながら、上記従来の技術によれば、MCグループ#1へのMCフレームの送信時に、APがBeaconのPVBの0番目のビットに“1”をセットして送信するため、STA#2、STA#3もAwakeモードを維持することになり、省電力効果が小さくなるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無線通信基地局がMCフレームを送信する場合に、無線通信端末における不要な電力消費をさけて省電力効果を向上させることができる無線通信基地局、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、1つ以上の無線通信端末と無線通信を行い、前記無線通信端末とネットワーク装置との通信を中継し、前記無線通信端末が省電力モードである場合にBeaconに前記無線通信端末宛のフレームをバッファリングしているか否かを示すバッファリング情報を格納して前記無線通信端末へ通知する無線通信基地局であって、マルチキャストフレームバッファと、前記ネットワーク装置から受信したフレームがマルチキャストフレームであるか否かを検出し、マルチキャストフレームであった場合に当該フレームを前記マルチキャストフレームバッファへ格納するマルチキャスト検出部と、マルチキャストグループと当該マルチキャストグループに参加している前記無線通信端末と当該無線通信端末が省電力モードであるか否かを示す省電力状態情報との対応を含む管理情報を保持し、前記マルチキャスト検出部がマルチキャストフレームを検出した場合に前記管理情報を参照して当該マルチキャストフレームに対応するマルチキャストグループに属する前記無線通信端末を宛先端末として抽出し、前記宛先端末が省電力モードであるか否かを判定する省電力端末管理部と、前記宛先端末が省電力モードである場合に、マルチキャストフレームがバッファリングされていないことを示す情報を前記バッファリング情報に格納しかつ前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成するBeacon生成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、無線通信基地局がMCフレームを送信する場合に、無線通信端末における不要な電力消費をさけて省電力効果を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明にかかる無線通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、従来の無線通信システムの構成例を示す図である。
【図3】図3は、従来のAPとSTAの接続手順の一例を示すシーケンス図である。
【図4】図4は、IEEE802.11のMACフレームのフォーマットを示す図である。
【図5】図5は、従来のBeaconとして送信される報知情報フレームのフレームフォーマット例を示す図である。
【図6】図6は、PVBの自身のAIDに対応するビットに“1”が設定されている場合の従来のSTAの動作の一例を示す図である。
【図7】図7は、PVBの0番目のビットが“1”に設定されている場合の従来のSTAの動作の一例を示す図である。
【図8】図8は、APの機能構成例を示す図である。
【図9】図9は、MAC部の機能構成例を示す図である。
【図10】図10は、省電力端末管理部が管理する管理表の一例を示す図である。
【図11】図11は、STAの機能構成例を示す図である。
【図12】図12は、STAに関する情報が格納された管理表の一例を示す図である。
【図13】図13は、マルチキャスト拡張エレメントが格納されたBeaconのフレームフォーマットの一例を示す図である。
【図14】図14は、マルチキャストフレーム検出部においてMCフレームが検出された場合の送受信動作の一例を示す図である。
【図15】図15は、STAがマルチキャスト拡張エレメントに対応していない場合の管理表の一例を示す図である。
【図16】図16は、STAがマルチキャスト拡張に対応していない場合の送受信動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明にかかる無線通信基地局、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態.
図1は、本発明にかかる無線通信システムの構成例を示す図である。図1に示すように本実施の形態の無線通信システムは、AP(無線通信基地局)1と、STA(無線通信端末)2−1〜2−4と、AP1とインターネット等により接続されるサーバ等であるネットワーク装置3と、を備える。なお、図1では、STAの数が4台の例を示しているが、STAの数はこれに限定されない。
【0014】
STA2−1〜2−4は、キャリアセンスによってパケット伝送を行う無線通信端末である。AP1は、ネットワーク装置3から受信したデータを各STAに配信する。図1の例では、STA2−1〜2−4は、AP1に帰属している。すなわち、STA2−1〜2−4はAP1経由で無線通信を行っている。
【0015】
また、STA2−1とSTA2−4はMC(マルチキャスト)グループ4−1に参加し、STA2−2とSTA2−3とSTA2−4はMCグループ4−2に参加し、STA2−4はMCグループ4−3に参加している。
【0016】
ここで、従来の無線通信システムにおける課題について説明する。図2は、従来の無線通信システムの構成例を示す図である。STA102は、AP101経由で無線通信を行っており、AP101は、ネットワーク装置103から受信したSTA102宛のデータをSTA102へ送信する。
【0017】
図3は、AP101とSTA102が接続するための接続手順の一例を示すシーケンス図である。AP101とSTA102は同一のSSID(Service Set IDentifier)が設定されているとする。STA102は、自身のSSIDを格納したProbe Request、または周辺のすべてのAPからのProbe Responseを受信するためにSSIDを格納しないでProbe Requestを送信する(ステップS101)。AP101はProbe Requestを受信した場合、自身の識別情報(例えばMACアドレス、SSID)を格納したProbe Responseを返信する(ステップS102)。
【0018】
STA102は、Probe Responseを受信すると、AP101へ認証(Authentication)を依頼し(ステップS103)、AP101が認証の応答を返信する(ステップS104)。その後、STA102は、接続を要求(Association Request)し(ステップS105)、AP101は、Association Responseフレームを返信する(ステップS106)。この際、AP101は、端末固有のAIDをAssociation Responseフレームに格納して通知する。STA102は、通知されたAIDを記憶する。
【0019】
図4は、IEEE802.11のMACフレームのフォーマットを示す図である。MACフレームのMACヘッダ中のFrame Control FieldのPwr Mgt104は、省電力制御の状態を示すPower Saveビットである。STA102は、このPower Saveビットに“1”を格納して送信することで、自身が省電力状態であるPSモード(通信動作が未駆動状態)に移行することを通知する。AP101は、STA102からPower Saveビットに“1”が設定されたフレームを受信すると、STA102がPSモードに移行したことを記憶する。
【0020】
AP101は、PSモードのSTAに対するユニキャストフレーム(以下、UCフレームという)、BCフレーム(ブロードキャストフレーム)、MCフレーム(マルチキャストフレーム)が発生した場合、フレームをバッファリングする。
【0021】
AP101は、定期的にBeaconを送信する。図5は、Beaconとして送信される報知情報フレームのフレームフォーマット例を示す図である。Beaconとして送信されるフレームの構成要素の1つであるTIM elementは、Partial Virtual Bitmap(以下PVBという)を有する。PVBは、AP101がどの端末宛のフレームがバッファリングされているか否かを示す情報、すなわちバッファリング情報である。PVBの0番目のビットはBCフレームまたはMCフレームがバッファリングされているか否かを示すビットであり、BCフレームまたはMCフレームがバッファリングされている場合はPVBの0番目のビットに“1”をセットする。PVBの1番目の以降のビットは、ビット番号がAIDに対応しており、例えば、PVBのk番目のビットは、AIDがkであるSTA宛のフレームのバッファリングの有無を示す。例えば、接続時に通知されたAIDが“1”であるPSモードのSTA宛のフレームがバッファリングされている場合は、PVBの1番目のビットに“1”をセットする。
【0022】
PSモードに移行したSTA102は、AP101からBeaconが送信されるタイミングでAwakeモード(通信動作が駆動状態のモード、駆動モード)に移行し、Beaconとして受信したフレームのPVBを参照する。
【0023】
図6は、PVBの自身のAIDに対応するビットに“1”が設定されている場合のSTA102の動作の一例を示す図である。図6に示すように、AP101は、STA102宛のUCフレームをバッファリングしており、宛先のSTA102のAIDに対応するPVBのビットに“1”を設定したBeacon201を送信する。STA102は、Beacon201を受信して、PVBの自身のAIDに対応するビットに“1”が設定されていることを認識すると、Awakeモードを維持し、UCフレームの転送要求を行うためにPS−Pollフレーム202を送信する。AP101はPS−Pollフレーム202を受信すると、バッファリングしているSTA102宛のUCフレーム203、204をSTA102へユニキャストにより送信する。
【0024】
図7は、PVBの自身のAIDに対応するビットが“1”でなく、PVBの0番目のビットが“1”に設定されている場合のSTA102の動作の一例を示す図である。STA102はAP101からのBeacon301を受信し、受信したBeacon301のPVBに、自身のAIDに対応するビットに“0”がセットされており、かつ、PVBの0番目のビットに“1”がセットされている場合、Awakeモードを維持する。AP101は、Beacon301の送信後にバッファリングしているBCフレームまたはMCフレームであるフレーム302,303をブロードキャストまたはマルチキャストにより送信する。
【0025】
また、STA102は受信したBeaconのPVBの自身のAIDに対応するビットに“0”がセットされており、かつ、PVBの0番目のビットに“0”がセットされている場合、PSモードに移行する。
【0026】
以上のような従来の技術では、AP101と無線接続可能なSTA102が複数存在し、それらのSTA102が属するマルチキャストグループ(MCグループという)が複数存在する場合に、省電力効果が小さくなる可能性がある。例えば、STA#1〜#4がAP101の配下にあり、MCグループ#1にはSTA#1およびSTA#4が属し、MCグループ#2にはSTA#2、STA#3およびSTA#4が属しているとする。このとき、AP101がMCグループ#1へのMCフレームを送信する場合、MCグループ#1に属していないSTA#2、#3は当該MCフレームの受信は不要である。しかしながら、上述のように従来の技術では、MCグループ#1へのMCフレームの送信時に、AP101がBeaconのPVBの0番目のビットに“1”をセットして送信するため、STA#2、STA#3もAwakeモードを維持することになり、省電力効果が小さくなるという問題がある。
【0027】
このような問題を鑑み、本実施の形態では、MCフレームの受信が不要な端末がAwakeモードを維持することを防ぐ。以下、本実施の形態の各装置の構成および動作について説明する。
【0028】
図8は、本実施の形態のAP1の機能構成例を示す図である。AP1は、電波を送受信するためのアンテナ部11と、受信信号、送信信号を変復調するPHY部12と、アクセス制御を行うMAC部13と、ネットワーク装置3からの受信データをブリッジするBridge部14と、ネットワーク装置3とのインターフェースである有線I/F(Interface)部15と、マルチキャストアドレスと宛先装置のMACアドレスとを対応付けるマルチキャスト検出設定部16と、を備える。
【0029】
マルチキャスト検出設定部16は、STA2−1〜2−4からのマルチキャスト要求をスヌーピングすることでマルチキャストアドレスとSTA2−1〜2−4のMACアドレスとの対応付けを行い、この対応を保持するとともにこの対応をMAC部13へ通知する。
【0030】
図9は、MAC部13の機能構成例を示す図である。MAC部13は、端末の省電力状態を管理する省電力端末管理部131と、マルチキャスト拡張端末を検出するマルチキャスト拡張端末検出部132と、Bridge部14から送信されるマルチキャストフレームを検出するマルチキャストフレーム検出部133と、Beacon生成部134と、マルチキャスト変換部135と、マルチキャストフレームバッファ136と、を備える。
【0031】
省電力端末管理部131は、MCグループのアドレスと、STA2−1〜2−4のMACアドレスと、STA2−1〜2−4がAwakeモードであるかPSモードであるかを示す省電力情報と、STA2−1〜2−4のAIDと、マルチキャスト拡張の対応可否を示す情報と、を対応付けた管理表(管理情報)を用いて管理する。
【0032】
図10は、省電力端末管理部131が管理する管理表の一例を示す図である。図10の例では、MCグループ、STAMACアドレス、省電力、AIDおよびマルチキャスト拡張の6つの項目が管理表に含まれている。管理表の各エントリには、MCグループの欄にMCグループのアドレスが格納され、STAMACアドレスの欄に同一エントリのMCグループに属するSTA2−1〜2−4のMACアドレスが格納され、省電力の欄にSTA2−1〜2−4がAwake(Awakeモード)であるかPS(PSモード)であるかの情報が格納され、AIDの欄にSTA2−1〜2−4のAIDが格納され、マルチキャスト拡張の欄に当該STAがマルチキャスト拡張に対応しているか否かを示す情報が格納される。
【0033】
本実施の形態では、マルチキャスト拡張に対応しているSTAとは、後述のマルチキャスト拡張エレメントを検出する機能を有しているSTAを示す。図10の例では、マルチキャスト拡張に対応しているか否かを示す情報は、対応している場合に“1”とし、対応していない場合に“0”とする。なお、図10は一例であり、同様の情報を管理することができればよく図10の管理表の形式に限定されない。
【0034】
マルチキャスト拡張端末検出部132は、STA2−1〜2−4との接続シーケンスにおいて、STA2−1〜2−4から送信されたAssociation Requestに格納される情報に基づいて当該STAのマルチキャスト拡張の対応可否を判断し、判断結果を省電力端末管理部131に通知する。なお、STA2−1〜2−4は、後述するようにAssociation Requestに、自身がマルチキャスト拡張に対応しているか否かの情報を格納する。
【0035】
マルチキャストフレーム検出部133は、Bridge部14から受信したフレームがMCフレームであると判定した場合、省電力端末管理部131にその旨を通知するとともに、当該MCフレームをマルチキャストフレームバッファ136へ格納する。
【0036】
省電力端末管理部131は、マルチキャストフレーム検出部133から、MCフレームを受信した通知を受けると、管理表を参照して、管理しているSTA2−1〜2−4のうち、PSモードのSTAが1つでも存在するか否かを判断する。PSモードのSTAが1つでも存在し、かつ当該MCフレームの宛先のSTAがマルチキャスト拡張に対応している場合、省電力端末管理部131は、Beacon生成部134へマルチキャスト拡張エレメントの付与を指示し、マルチキャスト変換部135へMCフレームの変換を指示する。省電力端末管理部131は、Beacon生成部134へマルチキャスト拡張エレメントの付与を指示する際には、管理表に基づいて当該MCフレームに対応するMCグループに属するSTAのAIDを通知し、マルチキャスト変換部135へMCフレームの変換を指示する際には、管理表に基づいて当該MCフレームに対応するMCグループに属するSTAのMACアドレスを通知する。
【0037】
なお、管理しているSTA2−1〜2−4が全てAwakeモードである場合には、マルチキャストフレームバッファ136に格納せずにMCフレームをそのまま送信してもよいし、一旦マルチキャストフレームバッファ136に格納した後に待機せずにMCフレームを読み出して送信してもよい。
【0038】
なお、PSモードのSTAが1つでも存在し、かつMCフレームの宛先のSTAがマルチキャスト拡張に対応していない場合の動作は後述する。
【0039】
Beacon生成部134は、省電力端末管理部131からマルチキャスト拡張エレメントの付与を指示された場合に、次回のBeacon送信タイミングで送信するBeaconに後述するマルチキャスト拡張エレメントを格納する。
【0040】
マルチキャスト変換部135は、省電力端末管理部131からMCフレームの変換を指示されると、省電力端末管理部131から指示されたSTAの宛先の数だけマルチキャストフレームバッファ136に格納されたMCフレームを複製する。そして、複製したMCフレームを、指示された各STA宛のUCフレームにそれぞれ変換してマルチキャストフレームバッファ136に格納する。
【0041】
なお、AP1が、ネットワーク装置3から受信したUCフレームについては、従来と同様にSTA2−1〜2−4へ送信されるが、UCフレームの送信に関する構成要素は、図9では図示を省略している。ネットワーク装置3から受信したUCフレームは、PSモードのSTA2−1〜2−4宛のものについては図示しないバッファにバッファリングされる。そして、AP1は、Beaconにより、宛先のSTA2−1〜2−4へUCフレームがバッファリングされていることを通知し、従来と同様の手順でUCフレームが送信される。
【0042】
図11は、本実施の形態のSTA2−1の機能構成例を示す図である。STA2−2〜2−4もSTA2−1と同様の構成である。図11に示すように、STA2−1は、電波を送受信するためのアンテナ部21と、信号を変復調するPHY部22と、アクセス制御を行うMAC部23と、受信データをブリッジするBridge部24と、IP(Internet Protocol)層などの上位レイヤとのインターフェースであるI/F(Interface)部25と、を備える。MAC部23は、Beaconに付与されているマルチキャスト拡張エレメントを検出するマルチキャスト拡張エレメント検出部231と、自身の省電力状態を管理する状態管理部232と、を備える。
【0043】
マルチキャスト拡張エレメント検出部231は、受信したBeaconに付与されているマルチキャスト拡張エレメントを検出した場合に、接続時に送信するAssociation Requestにマルチキャスト拡張エレメントの検出に対応していることを通知する情報を付与する。また、マルチキャスト拡張エレメント検出部231は、Beaconに付与されているマルチキャスト拡張エレメントの情報に基づいて状態管理部232に状態の変更を通知する。
【0044】
状態管理部232は、PSモードに移行後は、Beaconの受信タイミングでAwakeモードとなるよう省電力状態を管理する。
【0045】
また、MAC部23は、上述したマルチキャスト拡張エレメント検出部231および状態管理部232の機能以外に、従来と同様のMAC層の処理を行う機能を有し、PSモードでBeaconを受信した場合は、受信したBeaconのPVBを参照して、PVBの0番目のビットまたは自身のAIDに対応するビットが“1”であった場合に、Awakeモードを維持するよう状態管理部232へ指示する。受信したBeaconのPVBの0番目のビットが“1”でなく、かつ自身のAIDに対応するビットが“1”でない場合はPSモードへ移行するよう状態管理部232へ指示する。
【0046】
次に、本実施の形態のMCフレームの送信動作について説明する。図12は、STA2−1〜STA2−4に関する情報が格納された管理表の一例を示す図である。図12の例では、図1に示した構成を前提としており、図1に示したMCグループ4−1,4−2,4−3に参加するSTA2−1〜2−4についての情報が格納されている。図12の例では、STA2−1〜2−4は全てPSモードであり、STA2−1〜2−4は全てマルチキャスト拡張に対応している。また、STA2−4のAIDは“1”であり、STA2−1のAIDは“2”であり、STA2−2のAIDは“3”であり、STA2−3のAIDは“4”である。
【0047】
図13は、マルチキャスト拡張エレメントが格納されたBeaconのフレームフォーマットの一例を示す図である。図13に示すように、マルチキャスト拡張エレメントは、Element IDと、Lengthと、マルチキャストPVB(以下、MPVBという)と、で構成される。Element IDは、マルチキャスト拡張エレメントの識別子であり、Lengthはマルチキャスト拡張エレメントの長さを示す。MPVBでは、AP1においてバッファリングされているMCフレームを受信するSTAのAIDに対応するビットに“1”がセットされ、これ以外のビットは“0”がセットされる。なお、図13に示したマルチキャスト拡張エレメントの割当ビット数およびマルチキャスト拡張エレメントの格納位置は一例であり、マルチキャスト拡張エレメントがFrame Bodyのなかに格納されていればよく図13に示した例に限定されない。
【0048】
図14は、AP1のマルチキャストフレーム検出部133においてMCグループ4−1のMCフレームが検出された場合の送受信動作の一例を示す図である。図14において、線によるハッチングは送信動作を示し、塗りつぶし(白抜きも含む)は受信動作を示している。左下がりの斜め線によるハッチングはBeaconの送信動作を示し、右下がりの斜め線によるハッチングはMCフレームの送信動作を示し、横線によるハッチングはSTA2−1〜2−4からの応答の送信動作を示す。また、薄い塗りつぶしはBeaconの受信動作を示し、濃い塗りつぶしはSTA2−1〜2−4からの応答の受信動作を示し、白抜きはMCフレームの受信動作を示す。また、Active期間60のように、点線で囲まれた期間は、当該STAがAwakeモードとなっている期間(Active期間)を示している。
【0049】
図14に示すように、AP1のマルチキャストフレーム検出部133が、MCグループ4−1のMCフレームを検出すると、省電力端末管理部131はマルチキャストフレーム検出部133からの通知に基づいて、管理表を参照してPSモードのSTAが1つ以上存在すると判断する。そして、省電力端末管理部131はMCグループ4−1のMCフレームを受信すべきSTAはSTA2−4とSTA2−1であることを把握する。省電力端末管理部131は、管理表からSTA2−4とSTA2−1のAIDおよびMACアドレスを読み出して、STA2−4と2−1のAIDを通知する。また、省電力端末管理部131は、Beacon生成部134へマルチキャスト拡張エレメントの付与を指示し、STA2−4と2−1のMACアドレスの通知とともにマルチキャスト変換部135へMCフレームの変換を指示する。
【0050】
Beacon生成部134は、STA2−1とSTA2−4にMCフレームがバッファリングされていることを通知するために、Beaconのマルチキャスト拡張エレメントのMPVBにSTA2−1のAIDとSTA2−4のAIDに対応するビットにそれぞれ“1”をセットし、次のBeacon送信タイミングでBeaconをPHY部12、アンテナ部11経由で送信する。図14では、最上段の左端のBeaconの送信動作が、このマルチキャスト拡張エレメントを格納したBeaconの送信に対応している。なお、上述したように、STAとの接続時に、STAがBeaconにマルチキャスト拡張エレメントが付与されているか否かを判定するため、MCフレームがバッファリングされていなくてもBeacon生成部134はマルチキャスト拡張エレメントを付与しておくとする。MCフレームがバッファリングされていない場合のマルチキャスト拡張エレメントのMPVBは全て“0”としておく。
【0051】
また、AP1は、マルチキャストをバッファリングしていないときにはMPVBを付与せずに、STAが、AP1のマルチキャスト拡張エレメントに対応に関係なく、Association Requestにマルチキャスト拡張エレメントを付与するようにしてもよい。この場合、マルチキャスト拡張エレメントに対応しているSTAは、Association Requestにマルチキャスト拡張エレメントを付与して送信する。そして、マルチキャスト拡張エレメントに対応しているAP1は、STAからのAssociation Requestにマルチキャスト拡張エレメントが付与されていることを検知した場合、そのSTAがマルチキャスト拡張エレメントに対応していることを省電力端末管理部131に記憶する。
【0052】
STA2−1〜2−4は、通常のPSモードと同様に、Beaconの送信タイミングでAwakeモードになり、Beaconを受信し、マルチキャスト拡張エレメント検出部23により受信したBeaconのMPVBを参照する。図14に示すように、STA2−1,2−4では、受信したBeaconのMPVBに自身のAIDのビットに“1”がセットされていることから、マルチキャスト拡張エレメント検出部23は、自身宛のMCフレームがAP1にバッファリングされていることを認識し状態管理部232にAwakeモードを継続するよう指示する。STA2−2,2−3では、受信したBeaconのMPVBに自身のAIDのビットに“1”がセットされていないことから自身宛のMCフレームがバッファリングされていないことを認識し、マルチキャスト拡張エレメント検出部23はPSモードへ移行するよう状態管理部232へ指示する。
【0053】
AP1は、Beaconの送信後、マルチキャストフレームバッファ136に格納されているMCフレームを送信する。なお、バッファリングしている最後のMCフレームに対応するUCフレームを送信するときに当該フレームのFrame Control fieldのMore Dataのビットを“0”に設定してマルチキャストの送信を完了する。なお、MCフレームを送信する変わりに、変換後のUCフレーム(マルチキャスト変換部135により変換されたUCフレーム)を送信してもよい。
【0054】
STA2−1,2−4は、MAC部23ではFrame Control fieldのMore Dataのビットが“0”に設定されているフレームを受信したことを検出すると、状態管理部232にPSモードへの移行を指示する。以降、同様の動作が繰り返される。
【0055】
以上のように、Beaconにマルチキャスト拡張エレメントを付与することで、MCフレームを受信する必要のないSTAのAwakeモードを継続させず、MCフレームの受信を必要とするSTAのみAwakeモードを継続させることができる。このため、MCフレームを必要としないSTAの消費電力を削減できる。
【0056】
次に、STA2−1〜2−4が図11に示したような構成ではなく、従来と同様のSTAであった場合について説明する。図15は、STA2−1〜2−4がマルチキャスト拡張エレメントに対応していない場合の管理表の一例を示す図である。STA2−1〜2−4がマルチキャスト拡張エレメントに対応していない場合、省電力端末管理部131は、例えば図15に示す管理表を保持している。
【0057】
上述のように、マルチキャスト拡張エレメントに対応しているSTAは、Association Requestにマルチキャスト拡張に対応をしていることを示す情報を格納するが、マルチキャスト拡張に対応していないSTAは、Association Requestにマルチキャスト拡張に対応をしていることを示す情報を格納しない。AP1は、Association Requestにマルチキャスト拡張に対応をしていることを示す情報が格納されていないことを検出することにより、当該STAがマルチキャスト拡張に対応していないと判断する。
【0058】
図16は、STA2−1〜2−4がマルチキャスト拡張に対応していない場合の送受信動作の一例を示す図である。図16において、斜め線のハッチングのなかにNを記載している矩形はNull functionフレームの送信動作を示し、白抜きのなかにNを記載している矩形は、Null functionフレームの受信動作を示す。その他のハッチングおよび塗りつぶしは、図14の例と同様である。
【0059】
図16を用いて、AP1のマルチキャストフレーム検出部133が、MCグループ4−1のMCフレームを検出した場合の動作を説明する。AP1のマルチキャストフレーム検出部133が、MCグループ4−1のMCフレームを検出すると、省電力端末管理部131はマルチキャストフレーム検出部133からの通知に基づいて、管理表を参照してPSモードのSTAが1つ以上存在し、かつ当該MCフレームの宛先のSTA2−1,2−4がマルチキャストフレーム拡張に対応していないと判断する。この場合、省電力端末管理部131は、Beacon生成部134に対してBeaconのPVBにSTA2−1のAIDとSTA2−4のAIDとに対応するビットに“1”をセットして送信するよう指示する。従来は、MCフレームをバッファリングしている際には、PVBの0番目のビットに“1”をセットするが、本実施の形態では、PVBの0番目のビットに“1”をセットせず、MCフレームを受信するSTAに対応するAIDのビットに“1”をセットする。Beacon生成部134は、指示に従って、Beaconを送信する。
【0060】
STA2−1,2−4は、従来と同様にBeaconの送信タイミングでAwakeモードになり、Beaconを受信する。そして、BeaconのPVBに自身のAIDに対応するビットが“1”にセットされているため、Awakeモードを継続して、PS−Pollを送信する。STA2−2,2−3は、同様にBeaconの送信タイミングでAwakeモードになり、Beaconを受信する。そして、STA2−2,2−3は、BeaconのPVBに自身のAIDに対応するビットが“1”にセットされていないため、PSモードへ移行する。
【0061】
AP1は、STA2−1,2−4から送信されたPS−Pollを受信した後、バッファリングしていたMCフレームを送信する。なお、従来の通常のMCフレームの送信時にはSTAからのPS−Pollの送信がないため、通常のMCフレームの動作と同様に、PS−Pollの受信を待機せず、PS−Pollの受信の有無にかかわらずMCフレームを送信するようにしても良い。また、AP1は、MCフレームの代わりに、マルチキャスト変換部135によりMCフレームを変換したUCフレームを送信しても良い。
【0062】
AP1は、バッファリングしている最後のMCフレームを送信するときにFrame Control fieldのMore Dataのビットを“1”にして送信する。すなわち、AP1は、まだBCフレームまたはMCフレームが残っていると通知する。その後、AP1は、STA2−1,2−4に、Frame Control fieldのMore Dataのビットを“0”に設定したNull functionをUCフレームで送信する。さらに、AP1は、Frame Control fieldのMore Dataのビットを“0”に設定したNull functionをBCフレームとして送信する。このようにNull functionによりMCフレームの送信終了を通知するのは、STAがPS−Pollを送信する通常のUCフレームの送受信の場合と手順をあわせるためである。
【0063】
STA2−1,2−4は、Frame Control fieldのMore Dataのビットが“0”にされたNull functionのUCフレーム、またはFrame Control fieldのMore Dataのビットが“0”に設定されたNull functionのBSフレームを受信すると、PSモードに移行する。図16の例では、AP1は、STA2−1宛てのNull function、STA2−4宛てのNull functionのUCフレーム、Null functionのBCフレームの順に送信している。そして、STA2−1、STA2−4は、それぞれ自身を宛先とするFrame Control fieldのMore Dataのビットが“0”にされたNull functionのUCフレームを受信してPSモードに移行している。一方、STA2−1、STA2−4が、仮になんらかの理由で当該UCフレームを受信できながった場合は、BSフレームを受信してPSモードに移行する。
【0064】
以上のように、マルチキャスト拡張エレメントを検出ができないSTAに対しては、AP1が、MCフレームを受信するSTAに対して、BeaconのPVBをMCフレームのビットに“1”を設定せずに、受信対象のSTAに対応するAIDに対応するビットに“1”を設定してUCフレームがバッファリングされている場合と同様の通知を行うようにした。このため、MCフレームの受信を必要としないSTAのAwakeモードを継続させず、MCフレームを必要とするSTAのみAwakeモードを継続してMCフレームを送信することができ、MCフレームを必要としないSTAの消費電力を削減できる。
【0065】
なお、上述の例では、既存のSTA、すなわちマルチキャスト拡張エレメントの検出ができないSTAが受信するMCフレームがバッファリングされている際に、BeaconのPVBを当該MCフレームの受信対象のSTAに対応するAIDに対応するビットに“1”を設定して送信した。この方法の場合、MCフレームを受信するSTAの数が多い場合、多数のSTAからPS−Pollが送信され、PS−Pollによる帯域の無駄な消費やフレームの衝突などが発生し、Awake時間が長くなる可能性がある。
【0066】
そこで、省電力端末管理部131にあらかじめMCフレームを受信するマルチキャスト拡張に非対応のSTAの数に関する閾値を設定しておき、省電力端末管理部131は、MCフレームを受信するマルチキャスト拡張に非対応のSTAの数が閾値以上の場合には通常のマルチキャスト送信方法を用い、閾値より小さければ、上述のPVBの対応するAIDのビットに“1”をセットして送信する方法を実施するようにしてもよい。閾値としては、任意の台数を設定可能であるが、ランダム待ち時間であるCWminの値に基づいて、PS−Pollの衝突確率が一定値以上を超えないSTAの数を求め、求めた数を閾値として設定しても良い。または、MCグループに参加しないSTAが少ないことが予想される場合には、MCフレームを受信するマルチキャスト拡張に非対応のSTAの数の代わりに、簡易的に自身に接続するマルチキャスト拡張に非対応のSTAの総数に閾値を定めて、自身に接続するマルチキャスト拡張に非対応のSTAの総数が閾値以上か否かで送信方法を選択するようにしてもよい。
【0067】
以上のように閾値を設定することで、多数のSTAからPS−Pollが送信されないようにしたので、帯域の無駄な消費やフレームの衝突などが回避でき、Awake時間を短くすることができる。
【0068】
また、本実施の形態は、マルチキャスト拡張エレメントを検出できるSTAと、マルチキャスト拡張エレメントを認識できないSTAが混在してAP1に帰属している環境にも適用できる。この場合、管理表のマルチキャスト拡張の可否情報に基づいて、マルチキャスト拡張エレメントを検出できるSTAについてはマルチキャスト拡張エレメントを用いた通知を行い、マルチキャスト拡張エレメントを検出できないSTAについては、PVBに対応するAIDのビットに“1”をセットする方法により通知を行えばよい。
【0069】
また、本実施の形態は、AP1が、MCフレームを受信すべきSTAがPSモードであるか否かを把握することができる。このため、MCフレームを受信すべきSTAが全てAwakeモードであれば、配下にPSモードのSTAが存在するか否かにかかわらず、BeaconでMCフレームをバッファリングしていることを通知することなく、即座にMCフレームを送信しても良い。
【0070】
以上のように、本実施の形態では、Beaconにマルチキャスト拡張エレメントを付与することで、MCフレームの受信する必要のないSTAのAwakeモードを継続させず、MCフレームの受信を必要とするSTAのみAwakeモードを継続させることができる。また、マルチキャスト拡張エレメントを検出ができないSTAに対しては、AP1が、MCフレームを受信するSTAに対して、BeaconのPVBをMCフレームのビットに“1”を設定せずに、受信対象のSTAに対応するAIDに対応するビットに“1”を設定してUCフレームがバッファリングされている場合と同様の通知を行うようにした。すなわち、PVBを用いたMCフレームの通知はせずに、MCフレームの受信対象のSTAを指定してフレームがバッファリングされていることを通知するようにした。このため、MCフレームを必要としないSTAの消費電力を削減できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上のように、本発明にかかる無線通信基地局、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法は、MCフレームの送受信を行う無線通信システムに有用であり、特に、無線通信端末の省電力効果の向上を図る無線通信システムに適している。
【符号の説明】
【0072】
1,101 AP
2−1〜2−4,102 STA
3 ネットワーク装置
4−1〜4−3 MCグループ
11,21 アンテナ部
12,22 PHY部
13,23 MAC部
14,24 Bridge部
15 有線I/F部
16 マルチキャスト検出設定部
131 省電力端末管理部
132 マルチキャスト拡張端末検出部
133 マルチキャストフレーム検出部
134 Beacon生成部
135 マルチキャスト変換部
136 マルチキャストフレームバッファ
25 I/F部
231 マルチキャスト拡張エレメント検出部
232 状態管理部
201,301 Beacon
202 PS−Pollフレーム
203,204 UCフレーム
302,303 フレーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信基地局、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な機器に無線LAN(Local Area Network)インターフェースが搭載されている。無線LANのMAC(Media Access Control)層以下はIEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11で規定されている(下記非特許文献1参照)。無線LANシステムでは、無線通信端末(以下STAという)が無線通信基地局(以下APという)を介して通信するインフラクチャモードがあり、このモードにおいて端末の消費電力を削減することを目的とした省電力機能が規定されている。この省電力機能は、携帯端末がSTAとなる場合に、バッテリーの消費電力を抑えるために重要である。
【0003】
省電力機能を実現する動作を説明する。STAは、APと接続後、省電力状態であるPower Saveモード(通信動作が未駆動状態となるモードであり、以下、PSモードという)に移行することをAPへ通知する。APは、この通知を受信した場合、STAがPSモードに移行したことを記憶する。APは、PSモードへ移行中のSTA宛のフレームをバッファにバッファリングする。
【0004】
APは、報知情報フレームであるBeaconを定期的に送信している。APは、STAへの送信データがバッファに存在する場合に、BeaconのPVB(Partial Virtual Bitmap)のフィールドの当該STAのAID(端末固有のAssociation IDentifier)に対応するビット位置に“1”をセットして送信する。送信データが無いSTAについては、PVBのフィールドの当該STAのAIDに対応するビット位置に“0”をセットして送信する。また、PVBのフィールドの0番目のビットは、APにブロードキャストフレーム(以下、BCフレームという)またはマルチキャストフレーム(以下、MCフレームという)の送信データが存在するか否かを示しており、BCフレームまたはMCフレームがバッファに存在する場合はPVBの0番目のビットに“1”をセットする。
【0005】
PSモードに移行したSTAは、APからのBeaconが送信されるタイミングでAwakeモード(通信動作が駆動状態)になり、受信したBeaconのPVBを参照して、自身のAIDに対応するビットまたは0番目のビットに“1”がセットされているか否かを判断する。自身のAIDに対応するビットまたは0番目のビットに“1”がセットされている場合は、Awakeモードを維持してAPからの受信を行うための動作を実施する。自身のAIDに対応するビットにも0番目のビットにも“1”がセットされていない場合は、PSモードへ移行する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】IEEE,“IEEE Std 802.11TM−2007”,June 2007
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の技術において、APと無線接続可能なSTAが複数存在し、それらのSTAが属するマルチキャストグループ(以下MCグループという)が複数存在するとする。例えば、STA#1〜#4がAPの配下にあり、MCグループ#1にはSTA#1およびSTA#4が属し、MCグループ#2にはSTA#2、STA#3およびSTA#4が属しているとする。このとき、APがMCグループ#1へのMCフレームを送信する場合、MCグループ#1に属していないSTA#2、#3は当該MCフレームの受信は不要である。しかしながら、上記従来の技術によれば、MCグループ#1へのMCフレームの送信時に、APがBeaconのPVBの0番目のビットに“1”をセットして送信するため、STA#2、STA#3もAwakeモードを維持することになり、省電力効果が小さくなるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、無線通信基地局がMCフレームを送信する場合に、無線通信端末における不要な電力消費をさけて省電力効果を向上させることができる無線通信基地局、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、1つ以上の無線通信端末と無線通信を行い、前記無線通信端末とネットワーク装置との通信を中継し、前記無線通信端末が省電力モードである場合にBeaconに前記無線通信端末宛のフレームをバッファリングしているか否かを示すバッファリング情報を格納して前記無線通信端末へ通知する無線通信基地局であって、マルチキャストフレームバッファと、前記ネットワーク装置から受信したフレームがマルチキャストフレームであるか否かを検出し、マルチキャストフレームであった場合に当該フレームを前記マルチキャストフレームバッファへ格納するマルチキャスト検出部と、マルチキャストグループと当該マルチキャストグループに参加している前記無線通信端末と当該無線通信端末が省電力モードであるか否かを示す省電力状態情報との対応を含む管理情報を保持し、前記マルチキャスト検出部がマルチキャストフレームを検出した場合に前記管理情報を参照して当該マルチキャストフレームに対応するマルチキャストグループに属する前記無線通信端末を宛先端末として抽出し、前記宛先端末が省電力モードであるか否かを判定する省電力端末管理部と、前記宛先端末が省電力モードである場合に、マルチキャストフレームがバッファリングされていないことを示す情報を前記バッファリング情報に格納しかつ前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成するBeacon生成部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、無線通信基地局がMCフレームを送信する場合に、無線通信端末における不要な電力消費をさけて省電力効果を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明にかかる無線通信システムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、従来の無線通信システムの構成例を示す図である。
【図3】図3は、従来のAPとSTAの接続手順の一例を示すシーケンス図である。
【図4】図4は、IEEE802.11のMACフレームのフォーマットを示す図である。
【図5】図5は、従来のBeaconとして送信される報知情報フレームのフレームフォーマット例を示す図である。
【図6】図6は、PVBの自身のAIDに対応するビットに“1”が設定されている場合の従来のSTAの動作の一例を示す図である。
【図7】図7は、PVBの0番目のビットが“1”に設定されている場合の従来のSTAの動作の一例を示す図である。
【図8】図8は、APの機能構成例を示す図である。
【図9】図9は、MAC部の機能構成例を示す図である。
【図10】図10は、省電力端末管理部が管理する管理表の一例を示す図である。
【図11】図11は、STAの機能構成例を示す図である。
【図12】図12は、STAに関する情報が格納された管理表の一例を示す図である。
【図13】図13は、マルチキャスト拡張エレメントが格納されたBeaconのフレームフォーマットの一例を示す図である。
【図14】図14は、マルチキャストフレーム検出部においてMCフレームが検出された場合の送受信動作の一例を示す図である。
【図15】図15は、STAがマルチキャスト拡張エレメントに対応していない場合の管理表の一例を示す図である。
【図16】図16は、STAがマルチキャスト拡張に対応していない場合の送受信動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明にかかる無線通信基地局、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
実施の形態.
図1は、本発明にかかる無線通信システムの構成例を示す図である。図1に示すように本実施の形態の無線通信システムは、AP(無線通信基地局)1と、STA(無線通信端末)2−1〜2−4と、AP1とインターネット等により接続されるサーバ等であるネットワーク装置3と、を備える。なお、図1では、STAの数が4台の例を示しているが、STAの数はこれに限定されない。
【0014】
STA2−1〜2−4は、キャリアセンスによってパケット伝送を行う無線通信端末である。AP1は、ネットワーク装置3から受信したデータを各STAに配信する。図1の例では、STA2−1〜2−4は、AP1に帰属している。すなわち、STA2−1〜2−4はAP1経由で無線通信を行っている。
【0015】
また、STA2−1とSTA2−4はMC(マルチキャスト)グループ4−1に参加し、STA2−2とSTA2−3とSTA2−4はMCグループ4−2に参加し、STA2−4はMCグループ4−3に参加している。
【0016】
ここで、従来の無線通信システムにおける課題について説明する。図2は、従来の無線通信システムの構成例を示す図である。STA102は、AP101経由で無線通信を行っており、AP101は、ネットワーク装置103から受信したSTA102宛のデータをSTA102へ送信する。
【0017】
図3は、AP101とSTA102が接続するための接続手順の一例を示すシーケンス図である。AP101とSTA102は同一のSSID(Service Set IDentifier)が設定されているとする。STA102は、自身のSSIDを格納したProbe Request、または周辺のすべてのAPからのProbe Responseを受信するためにSSIDを格納しないでProbe Requestを送信する(ステップS101)。AP101はProbe Requestを受信した場合、自身の識別情報(例えばMACアドレス、SSID)を格納したProbe Responseを返信する(ステップS102)。
【0018】
STA102は、Probe Responseを受信すると、AP101へ認証(Authentication)を依頼し(ステップS103)、AP101が認証の応答を返信する(ステップS104)。その後、STA102は、接続を要求(Association Request)し(ステップS105)、AP101は、Association Responseフレームを返信する(ステップS106)。この際、AP101は、端末固有のAIDをAssociation Responseフレームに格納して通知する。STA102は、通知されたAIDを記憶する。
【0019】
図4は、IEEE802.11のMACフレームのフォーマットを示す図である。MACフレームのMACヘッダ中のFrame Control FieldのPwr Mgt104は、省電力制御の状態を示すPower Saveビットである。STA102は、このPower Saveビットに“1”を格納して送信することで、自身が省電力状態であるPSモード(通信動作が未駆動状態)に移行することを通知する。AP101は、STA102からPower Saveビットに“1”が設定されたフレームを受信すると、STA102がPSモードに移行したことを記憶する。
【0020】
AP101は、PSモードのSTAに対するユニキャストフレーム(以下、UCフレームという)、BCフレーム(ブロードキャストフレーム)、MCフレーム(マルチキャストフレーム)が発生した場合、フレームをバッファリングする。
【0021】
AP101は、定期的にBeaconを送信する。図5は、Beaconとして送信される報知情報フレームのフレームフォーマット例を示す図である。Beaconとして送信されるフレームの構成要素の1つであるTIM elementは、Partial Virtual Bitmap(以下PVBという)を有する。PVBは、AP101がどの端末宛のフレームがバッファリングされているか否かを示す情報、すなわちバッファリング情報である。PVBの0番目のビットはBCフレームまたはMCフレームがバッファリングされているか否かを示すビットであり、BCフレームまたはMCフレームがバッファリングされている場合はPVBの0番目のビットに“1”をセットする。PVBの1番目の以降のビットは、ビット番号がAIDに対応しており、例えば、PVBのk番目のビットは、AIDがkであるSTA宛のフレームのバッファリングの有無を示す。例えば、接続時に通知されたAIDが“1”であるPSモードのSTA宛のフレームがバッファリングされている場合は、PVBの1番目のビットに“1”をセットする。
【0022】
PSモードに移行したSTA102は、AP101からBeaconが送信されるタイミングでAwakeモード(通信動作が駆動状態のモード、駆動モード)に移行し、Beaconとして受信したフレームのPVBを参照する。
【0023】
図6は、PVBの自身のAIDに対応するビットに“1”が設定されている場合のSTA102の動作の一例を示す図である。図6に示すように、AP101は、STA102宛のUCフレームをバッファリングしており、宛先のSTA102のAIDに対応するPVBのビットに“1”を設定したBeacon201を送信する。STA102は、Beacon201を受信して、PVBの自身のAIDに対応するビットに“1”が設定されていることを認識すると、Awakeモードを維持し、UCフレームの転送要求を行うためにPS−Pollフレーム202を送信する。AP101はPS−Pollフレーム202を受信すると、バッファリングしているSTA102宛のUCフレーム203、204をSTA102へユニキャストにより送信する。
【0024】
図7は、PVBの自身のAIDに対応するビットが“1”でなく、PVBの0番目のビットが“1”に設定されている場合のSTA102の動作の一例を示す図である。STA102はAP101からのBeacon301を受信し、受信したBeacon301のPVBに、自身のAIDに対応するビットに“0”がセットされており、かつ、PVBの0番目のビットに“1”がセットされている場合、Awakeモードを維持する。AP101は、Beacon301の送信後にバッファリングしているBCフレームまたはMCフレームであるフレーム302,303をブロードキャストまたはマルチキャストにより送信する。
【0025】
また、STA102は受信したBeaconのPVBの自身のAIDに対応するビットに“0”がセットされており、かつ、PVBの0番目のビットに“0”がセットされている場合、PSモードに移行する。
【0026】
以上のような従来の技術では、AP101と無線接続可能なSTA102が複数存在し、それらのSTA102が属するマルチキャストグループ(MCグループという)が複数存在する場合に、省電力効果が小さくなる可能性がある。例えば、STA#1〜#4がAP101の配下にあり、MCグループ#1にはSTA#1およびSTA#4が属し、MCグループ#2にはSTA#2、STA#3およびSTA#4が属しているとする。このとき、AP101がMCグループ#1へのMCフレームを送信する場合、MCグループ#1に属していないSTA#2、#3は当該MCフレームの受信は不要である。しかしながら、上述のように従来の技術では、MCグループ#1へのMCフレームの送信時に、AP101がBeaconのPVBの0番目のビットに“1”をセットして送信するため、STA#2、STA#3もAwakeモードを維持することになり、省電力効果が小さくなるという問題がある。
【0027】
このような問題を鑑み、本実施の形態では、MCフレームの受信が不要な端末がAwakeモードを維持することを防ぐ。以下、本実施の形態の各装置の構成および動作について説明する。
【0028】
図8は、本実施の形態のAP1の機能構成例を示す図である。AP1は、電波を送受信するためのアンテナ部11と、受信信号、送信信号を変復調するPHY部12と、アクセス制御を行うMAC部13と、ネットワーク装置3からの受信データをブリッジするBridge部14と、ネットワーク装置3とのインターフェースである有線I/F(Interface)部15と、マルチキャストアドレスと宛先装置のMACアドレスとを対応付けるマルチキャスト検出設定部16と、を備える。
【0029】
マルチキャスト検出設定部16は、STA2−1〜2−4からのマルチキャスト要求をスヌーピングすることでマルチキャストアドレスとSTA2−1〜2−4のMACアドレスとの対応付けを行い、この対応を保持するとともにこの対応をMAC部13へ通知する。
【0030】
図9は、MAC部13の機能構成例を示す図である。MAC部13は、端末の省電力状態を管理する省電力端末管理部131と、マルチキャスト拡張端末を検出するマルチキャスト拡張端末検出部132と、Bridge部14から送信されるマルチキャストフレームを検出するマルチキャストフレーム検出部133と、Beacon生成部134と、マルチキャスト変換部135と、マルチキャストフレームバッファ136と、を備える。
【0031】
省電力端末管理部131は、MCグループのアドレスと、STA2−1〜2−4のMACアドレスと、STA2−1〜2−4がAwakeモードであるかPSモードであるかを示す省電力情報と、STA2−1〜2−4のAIDと、マルチキャスト拡張の対応可否を示す情報と、を対応付けた管理表(管理情報)を用いて管理する。
【0032】
図10は、省電力端末管理部131が管理する管理表の一例を示す図である。図10の例では、MCグループ、STAMACアドレス、省電力、AIDおよびマルチキャスト拡張の6つの項目が管理表に含まれている。管理表の各エントリには、MCグループの欄にMCグループのアドレスが格納され、STAMACアドレスの欄に同一エントリのMCグループに属するSTA2−1〜2−4のMACアドレスが格納され、省電力の欄にSTA2−1〜2−4がAwake(Awakeモード)であるかPS(PSモード)であるかの情報が格納され、AIDの欄にSTA2−1〜2−4のAIDが格納され、マルチキャスト拡張の欄に当該STAがマルチキャスト拡張に対応しているか否かを示す情報が格納される。
【0033】
本実施の形態では、マルチキャスト拡張に対応しているSTAとは、後述のマルチキャスト拡張エレメントを検出する機能を有しているSTAを示す。図10の例では、マルチキャスト拡張に対応しているか否かを示す情報は、対応している場合に“1”とし、対応していない場合に“0”とする。なお、図10は一例であり、同様の情報を管理することができればよく図10の管理表の形式に限定されない。
【0034】
マルチキャスト拡張端末検出部132は、STA2−1〜2−4との接続シーケンスにおいて、STA2−1〜2−4から送信されたAssociation Requestに格納される情報に基づいて当該STAのマルチキャスト拡張の対応可否を判断し、判断結果を省電力端末管理部131に通知する。なお、STA2−1〜2−4は、後述するようにAssociation Requestに、自身がマルチキャスト拡張に対応しているか否かの情報を格納する。
【0035】
マルチキャストフレーム検出部133は、Bridge部14から受信したフレームがMCフレームであると判定した場合、省電力端末管理部131にその旨を通知するとともに、当該MCフレームをマルチキャストフレームバッファ136へ格納する。
【0036】
省電力端末管理部131は、マルチキャストフレーム検出部133から、MCフレームを受信した通知を受けると、管理表を参照して、管理しているSTA2−1〜2−4のうち、PSモードのSTAが1つでも存在するか否かを判断する。PSモードのSTAが1つでも存在し、かつ当該MCフレームの宛先のSTAがマルチキャスト拡張に対応している場合、省電力端末管理部131は、Beacon生成部134へマルチキャスト拡張エレメントの付与を指示し、マルチキャスト変換部135へMCフレームの変換を指示する。省電力端末管理部131は、Beacon生成部134へマルチキャスト拡張エレメントの付与を指示する際には、管理表に基づいて当該MCフレームに対応するMCグループに属するSTAのAIDを通知し、マルチキャスト変換部135へMCフレームの変換を指示する際には、管理表に基づいて当該MCフレームに対応するMCグループに属するSTAのMACアドレスを通知する。
【0037】
なお、管理しているSTA2−1〜2−4が全てAwakeモードである場合には、マルチキャストフレームバッファ136に格納せずにMCフレームをそのまま送信してもよいし、一旦マルチキャストフレームバッファ136に格納した後に待機せずにMCフレームを読み出して送信してもよい。
【0038】
なお、PSモードのSTAが1つでも存在し、かつMCフレームの宛先のSTAがマルチキャスト拡張に対応していない場合の動作は後述する。
【0039】
Beacon生成部134は、省電力端末管理部131からマルチキャスト拡張エレメントの付与を指示された場合に、次回のBeacon送信タイミングで送信するBeaconに後述するマルチキャスト拡張エレメントを格納する。
【0040】
マルチキャスト変換部135は、省電力端末管理部131からMCフレームの変換を指示されると、省電力端末管理部131から指示されたSTAの宛先の数だけマルチキャストフレームバッファ136に格納されたMCフレームを複製する。そして、複製したMCフレームを、指示された各STA宛のUCフレームにそれぞれ変換してマルチキャストフレームバッファ136に格納する。
【0041】
なお、AP1が、ネットワーク装置3から受信したUCフレームについては、従来と同様にSTA2−1〜2−4へ送信されるが、UCフレームの送信に関する構成要素は、図9では図示を省略している。ネットワーク装置3から受信したUCフレームは、PSモードのSTA2−1〜2−4宛のものについては図示しないバッファにバッファリングされる。そして、AP1は、Beaconにより、宛先のSTA2−1〜2−4へUCフレームがバッファリングされていることを通知し、従来と同様の手順でUCフレームが送信される。
【0042】
図11は、本実施の形態のSTA2−1の機能構成例を示す図である。STA2−2〜2−4もSTA2−1と同様の構成である。図11に示すように、STA2−1は、電波を送受信するためのアンテナ部21と、信号を変復調するPHY部22と、アクセス制御を行うMAC部23と、受信データをブリッジするBridge部24と、IP(Internet Protocol)層などの上位レイヤとのインターフェースであるI/F(Interface)部25と、を備える。MAC部23は、Beaconに付与されているマルチキャスト拡張エレメントを検出するマルチキャスト拡張エレメント検出部231と、自身の省電力状態を管理する状態管理部232と、を備える。
【0043】
マルチキャスト拡張エレメント検出部231は、受信したBeaconに付与されているマルチキャスト拡張エレメントを検出した場合に、接続時に送信するAssociation Requestにマルチキャスト拡張エレメントの検出に対応していることを通知する情報を付与する。また、マルチキャスト拡張エレメント検出部231は、Beaconに付与されているマルチキャスト拡張エレメントの情報に基づいて状態管理部232に状態の変更を通知する。
【0044】
状態管理部232は、PSモードに移行後は、Beaconの受信タイミングでAwakeモードとなるよう省電力状態を管理する。
【0045】
また、MAC部23は、上述したマルチキャスト拡張エレメント検出部231および状態管理部232の機能以外に、従来と同様のMAC層の処理を行う機能を有し、PSモードでBeaconを受信した場合は、受信したBeaconのPVBを参照して、PVBの0番目のビットまたは自身のAIDに対応するビットが“1”であった場合に、Awakeモードを維持するよう状態管理部232へ指示する。受信したBeaconのPVBの0番目のビットが“1”でなく、かつ自身のAIDに対応するビットが“1”でない場合はPSモードへ移行するよう状態管理部232へ指示する。
【0046】
次に、本実施の形態のMCフレームの送信動作について説明する。図12は、STA2−1〜STA2−4に関する情報が格納された管理表の一例を示す図である。図12の例では、図1に示した構成を前提としており、図1に示したMCグループ4−1,4−2,4−3に参加するSTA2−1〜2−4についての情報が格納されている。図12の例では、STA2−1〜2−4は全てPSモードであり、STA2−1〜2−4は全てマルチキャスト拡張に対応している。また、STA2−4のAIDは“1”であり、STA2−1のAIDは“2”であり、STA2−2のAIDは“3”であり、STA2−3のAIDは“4”である。
【0047】
図13は、マルチキャスト拡張エレメントが格納されたBeaconのフレームフォーマットの一例を示す図である。図13に示すように、マルチキャスト拡張エレメントは、Element IDと、Lengthと、マルチキャストPVB(以下、MPVBという)と、で構成される。Element IDは、マルチキャスト拡張エレメントの識別子であり、Lengthはマルチキャスト拡張エレメントの長さを示す。MPVBでは、AP1においてバッファリングされているMCフレームを受信するSTAのAIDに対応するビットに“1”がセットされ、これ以外のビットは“0”がセットされる。なお、図13に示したマルチキャスト拡張エレメントの割当ビット数およびマルチキャスト拡張エレメントの格納位置は一例であり、マルチキャスト拡張エレメントがFrame Bodyのなかに格納されていればよく図13に示した例に限定されない。
【0048】
図14は、AP1のマルチキャストフレーム検出部133においてMCグループ4−1のMCフレームが検出された場合の送受信動作の一例を示す図である。図14において、線によるハッチングは送信動作を示し、塗りつぶし(白抜きも含む)は受信動作を示している。左下がりの斜め線によるハッチングはBeaconの送信動作を示し、右下がりの斜め線によるハッチングはMCフレームの送信動作を示し、横線によるハッチングはSTA2−1〜2−4からの応答の送信動作を示す。また、薄い塗りつぶしはBeaconの受信動作を示し、濃い塗りつぶしはSTA2−1〜2−4からの応答の受信動作を示し、白抜きはMCフレームの受信動作を示す。また、Active期間60のように、点線で囲まれた期間は、当該STAがAwakeモードとなっている期間(Active期間)を示している。
【0049】
図14に示すように、AP1のマルチキャストフレーム検出部133が、MCグループ4−1のMCフレームを検出すると、省電力端末管理部131はマルチキャストフレーム検出部133からの通知に基づいて、管理表を参照してPSモードのSTAが1つ以上存在すると判断する。そして、省電力端末管理部131はMCグループ4−1のMCフレームを受信すべきSTAはSTA2−4とSTA2−1であることを把握する。省電力端末管理部131は、管理表からSTA2−4とSTA2−1のAIDおよびMACアドレスを読み出して、STA2−4と2−1のAIDを通知する。また、省電力端末管理部131は、Beacon生成部134へマルチキャスト拡張エレメントの付与を指示し、STA2−4と2−1のMACアドレスの通知とともにマルチキャスト変換部135へMCフレームの変換を指示する。
【0050】
Beacon生成部134は、STA2−1とSTA2−4にMCフレームがバッファリングされていることを通知するために、Beaconのマルチキャスト拡張エレメントのMPVBにSTA2−1のAIDとSTA2−4のAIDに対応するビットにそれぞれ“1”をセットし、次のBeacon送信タイミングでBeaconをPHY部12、アンテナ部11経由で送信する。図14では、最上段の左端のBeaconの送信動作が、このマルチキャスト拡張エレメントを格納したBeaconの送信に対応している。なお、上述したように、STAとの接続時に、STAがBeaconにマルチキャスト拡張エレメントが付与されているか否かを判定するため、MCフレームがバッファリングされていなくてもBeacon生成部134はマルチキャスト拡張エレメントを付与しておくとする。MCフレームがバッファリングされていない場合のマルチキャスト拡張エレメントのMPVBは全て“0”としておく。
【0051】
また、AP1は、マルチキャストをバッファリングしていないときにはMPVBを付与せずに、STAが、AP1のマルチキャスト拡張エレメントに対応に関係なく、Association Requestにマルチキャスト拡張エレメントを付与するようにしてもよい。この場合、マルチキャスト拡張エレメントに対応しているSTAは、Association Requestにマルチキャスト拡張エレメントを付与して送信する。そして、マルチキャスト拡張エレメントに対応しているAP1は、STAからのAssociation Requestにマルチキャスト拡張エレメントが付与されていることを検知した場合、そのSTAがマルチキャスト拡張エレメントに対応していることを省電力端末管理部131に記憶する。
【0052】
STA2−1〜2−4は、通常のPSモードと同様に、Beaconの送信タイミングでAwakeモードになり、Beaconを受信し、マルチキャスト拡張エレメント検出部23により受信したBeaconのMPVBを参照する。図14に示すように、STA2−1,2−4では、受信したBeaconのMPVBに自身のAIDのビットに“1”がセットされていることから、マルチキャスト拡張エレメント検出部23は、自身宛のMCフレームがAP1にバッファリングされていることを認識し状態管理部232にAwakeモードを継続するよう指示する。STA2−2,2−3では、受信したBeaconのMPVBに自身のAIDのビットに“1”がセットされていないことから自身宛のMCフレームがバッファリングされていないことを認識し、マルチキャスト拡張エレメント検出部23はPSモードへ移行するよう状態管理部232へ指示する。
【0053】
AP1は、Beaconの送信後、マルチキャストフレームバッファ136に格納されているMCフレームを送信する。なお、バッファリングしている最後のMCフレームに対応するUCフレームを送信するときに当該フレームのFrame Control fieldのMore Dataのビットを“0”に設定してマルチキャストの送信を完了する。なお、MCフレームを送信する変わりに、変換後のUCフレーム(マルチキャスト変換部135により変換されたUCフレーム)を送信してもよい。
【0054】
STA2−1,2−4は、MAC部23ではFrame Control fieldのMore Dataのビットが“0”に設定されているフレームを受信したことを検出すると、状態管理部232にPSモードへの移行を指示する。以降、同様の動作が繰り返される。
【0055】
以上のように、Beaconにマルチキャスト拡張エレメントを付与することで、MCフレームを受信する必要のないSTAのAwakeモードを継続させず、MCフレームの受信を必要とするSTAのみAwakeモードを継続させることができる。このため、MCフレームを必要としないSTAの消費電力を削減できる。
【0056】
次に、STA2−1〜2−4が図11に示したような構成ではなく、従来と同様のSTAであった場合について説明する。図15は、STA2−1〜2−4がマルチキャスト拡張エレメントに対応していない場合の管理表の一例を示す図である。STA2−1〜2−4がマルチキャスト拡張エレメントに対応していない場合、省電力端末管理部131は、例えば図15に示す管理表を保持している。
【0057】
上述のように、マルチキャスト拡張エレメントに対応しているSTAは、Association Requestにマルチキャスト拡張に対応をしていることを示す情報を格納するが、マルチキャスト拡張に対応していないSTAは、Association Requestにマルチキャスト拡張に対応をしていることを示す情報を格納しない。AP1は、Association Requestにマルチキャスト拡張に対応をしていることを示す情報が格納されていないことを検出することにより、当該STAがマルチキャスト拡張に対応していないと判断する。
【0058】
図16は、STA2−1〜2−4がマルチキャスト拡張に対応していない場合の送受信動作の一例を示す図である。図16において、斜め線のハッチングのなかにNを記載している矩形はNull functionフレームの送信動作を示し、白抜きのなかにNを記載している矩形は、Null functionフレームの受信動作を示す。その他のハッチングおよび塗りつぶしは、図14の例と同様である。
【0059】
図16を用いて、AP1のマルチキャストフレーム検出部133が、MCグループ4−1のMCフレームを検出した場合の動作を説明する。AP1のマルチキャストフレーム検出部133が、MCグループ4−1のMCフレームを検出すると、省電力端末管理部131はマルチキャストフレーム検出部133からの通知に基づいて、管理表を参照してPSモードのSTAが1つ以上存在し、かつ当該MCフレームの宛先のSTA2−1,2−4がマルチキャストフレーム拡張に対応していないと判断する。この場合、省電力端末管理部131は、Beacon生成部134に対してBeaconのPVBにSTA2−1のAIDとSTA2−4のAIDとに対応するビットに“1”をセットして送信するよう指示する。従来は、MCフレームをバッファリングしている際には、PVBの0番目のビットに“1”をセットするが、本実施の形態では、PVBの0番目のビットに“1”をセットせず、MCフレームを受信するSTAに対応するAIDのビットに“1”をセットする。Beacon生成部134は、指示に従って、Beaconを送信する。
【0060】
STA2−1,2−4は、従来と同様にBeaconの送信タイミングでAwakeモードになり、Beaconを受信する。そして、BeaconのPVBに自身のAIDに対応するビットが“1”にセットされているため、Awakeモードを継続して、PS−Pollを送信する。STA2−2,2−3は、同様にBeaconの送信タイミングでAwakeモードになり、Beaconを受信する。そして、STA2−2,2−3は、BeaconのPVBに自身のAIDに対応するビットが“1”にセットされていないため、PSモードへ移行する。
【0061】
AP1は、STA2−1,2−4から送信されたPS−Pollを受信した後、バッファリングしていたMCフレームを送信する。なお、従来の通常のMCフレームの送信時にはSTAからのPS−Pollの送信がないため、通常のMCフレームの動作と同様に、PS−Pollの受信を待機せず、PS−Pollの受信の有無にかかわらずMCフレームを送信するようにしても良い。また、AP1は、MCフレームの代わりに、マルチキャスト変換部135によりMCフレームを変換したUCフレームを送信しても良い。
【0062】
AP1は、バッファリングしている最後のMCフレームを送信するときにFrame Control fieldのMore Dataのビットを“1”にして送信する。すなわち、AP1は、まだBCフレームまたはMCフレームが残っていると通知する。その後、AP1は、STA2−1,2−4に、Frame Control fieldのMore Dataのビットを“0”に設定したNull functionをUCフレームで送信する。さらに、AP1は、Frame Control fieldのMore Dataのビットを“0”に設定したNull functionをBCフレームとして送信する。このようにNull functionによりMCフレームの送信終了を通知するのは、STAがPS−Pollを送信する通常のUCフレームの送受信の場合と手順をあわせるためである。
【0063】
STA2−1,2−4は、Frame Control fieldのMore Dataのビットが“0”にされたNull functionのUCフレーム、またはFrame Control fieldのMore Dataのビットが“0”に設定されたNull functionのBSフレームを受信すると、PSモードに移行する。図16の例では、AP1は、STA2−1宛てのNull function、STA2−4宛てのNull functionのUCフレーム、Null functionのBCフレームの順に送信している。そして、STA2−1、STA2−4は、それぞれ自身を宛先とするFrame Control fieldのMore Dataのビットが“0”にされたNull functionのUCフレームを受信してPSモードに移行している。一方、STA2−1、STA2−4が、仮になんらかの理由で当該UCフレームを受信できながった場合は、BSフレームを受信してPSモードに移行する。
【0064】
以上のように、マルチキャスト拡張エレメントを検出ができないSTAに対しては、AP1が、MCフレームを受信するSTAに対して、BeaconのPVBをMCフレームのビットに“1”を設定せずに、受信対象のSTAに対応するAIDに対応するビットに“1”を設定してUCフレームがバッファリングされている場合と同様の通知を行うようにした。このため、MCフレームの受信を必要としないSTAのAwakeモードを継続させず、MCフレームを必要とするSTAのみAwakeモードを継続してMCフレームを送信することができ、MCフレームを必要としないSTAの消費電力を削減できる。
【0065】
なお、上述の例では、既存のSTA、すなわちマルチキャスト拡張エレメントの検出ができないSTAが受信するMCフレームがバッファリングされている際に、BeaconのPVBを当該MCフレームの受信対象のSTAに対応するAIDに対応するビットに“1”を設定して送信した。この方法の場合、MCフレームを受信するSTAの数が多い場合、多数のSTAからPS−Pollが送信され、PS−Pollによる帯域の無駄な消費やフレームの衝突などが発生し、Awake時間が長くなる可能性がある。
【0066】
そこで、省電力端末管理部131にあらかじめMCフレームを受信するマルチキャスト拡張に非対応のSTAの数に関する閾値を設定しておき、省電力端末管理部131は、MCフレームを受信するマルチキャスト拡張に非対応のSTAの数が閾値以上の場合には通常のマルチキャスト送信方法を用い、閾値より小さければ、上述のPVBの対応するAIDのビットに“1”をセットして送信する方法を実施するようにしてもよい。閾値としては、任意の台数を設定可能であるが、ランダム待ち時間であるCWminの値に基づいて、PS−Pollの衝突確率が一定値以上を超えないSTAの数を求め、求めた数を閾値として設定しても良い。または、MCグループに参加しないSTAが少ないことが予想される場合には、MCフレームを受信するマルチキャスト拡張に非対応のSTAの数の代わりに、簡易的に自身に接続するマルチキャスト拡張に非対応のSTAの総数に閾値を定めて、自身に接続するマルチキャスト拡張に非対応のSTAの総数が閾値以上か否かで送信方法を選択するようにしてもよい。
【0067】
以上のように閾値を設定することで、多数のSTAからPS−Pollが送信されないようにしたので、帯域の無駄な消費やフレームの衝突などが回避でき、Awake時間を短くすることができる。
【0068】
また、本実施の形態は、マルチキャスト拡張エレメントを検出できるSTAと、マルチキャスト拡張エレメントを認識できないSTAが混在してAP1に帰属している環境にも適用できる。この場合、管理表のマルチキャスト拡張の可否情報に基づいて、マルチキャスト拡張エレメントを検出できるSTAについてはマルチキャスト拡張エレメントを用いた通知を行い、マルチキャスト拡張エレメントを検出できないSTAについては、PVBに対応するAIDのビットに“1”をセットする方法により通知を行えばよい。
【0069】
また、本実施の形態は、AP1が、MCフレームを受信すべきSTAがPSモードであるか否かを把握することができる。このため、MCフレームを受信すべきSTAが全てAwakeモードであれば、配下にPSモードのSTAが存在するか否かにかかわらず、BeaconでMCフレームをバッファリングしていることを通知することなく、即座にMCフレームを送信しても良い。
【0070】
以上のように、本実施の形態では、Beaconにマルチキャスト拡張エレメントを付与することで、MCフレームの受信する必要のないSTAのAwakeモードを継続させず、MCフレームの受信を必要とするSTAのみAwakeモードを継続させることができる。また、マルチキャスト拡張エレメントを検出ができないSTAに対しては、AP1が、MCフレームを受信するSTAに対して、BeaconのPVBをMCフレームのビットに“1”を設定せずに、受信対象のSTAに対応するAIDに対応するビットに“1”を設定してUCフレームがバッファリングされている場合と同様の通知を行うようにした。すなわち、PVBを用いたMCフレームの通知はせずに、MCフレームの受信対象のSTAを指定してフレームがバッファリングされていることを通知するようにした。このため、MCフレームを必要としないSTAの消費電力を削減できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上のように、本発明にかかる無線通信基地局、無線通信端末、無線通信システム及び無線通信方法は、MCフレームの送受信を行う無線通信システムに有用であり、特に、無線通信端末の省電力効果の向上を図る無線通信システムに適している。
【符号の説明】
【0072】
1,101 AP
2−1〜2−4,102 STA
3 ネットワーク装置
4−1〜4−3 MCグループ
11,21 アンテナ部
12,22 PHY部
13,23 MAC部
14,24 Bridge部
15 有線I/F部
16 マルチキャスト検出設定部
131 省電力端末管理部
132 マルチキャスト拡張端末検出部
133 マルチキャストフレーム検出部
134 Beacon生成部
135 マルチキャスト変換部
136 マルチキャストフレームバッファ
25 I/F部
231 マルチキャスト拡張エレメント検出部
232 状態管理部
201,301 Beacon
202 PS−Pollフレーム
203,204 UCフレーム
302,303 フレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の無線通信端末と無線通信を行い、前記無線通信端末とネットワーク装置との通信を中継し、前記無線通信端末が省電力モードである場合にBeaconに前記無線通信端末宛のフレームをバッファリングしているか否かを示すバッファリング情報を格納して前記無線通信端末へ通知する無線通信基地局であって、
マルチキャストフレームバッファと、
前記ネットワーク装置から受信したフレームがマルチキャストフレームであるか否かを検出し、マルチキャストフレームであった場合に当該フレームを前記マルチキャストフレームバッファへ格納するマルチキャスト検出部と、
マルチキャストグループと当該マルチキャストグループに参加している前記無線通信端末と当該無線通信端末が省電力モードであるか否かを示す省電力状態情報との対応を含む管理情報を保持し、前記マルチキャスト検出部がマルチキャストフレームを検出した場合に前記管理情報を参照して当該マルチキャストフレームに対応するマルチキャストグループに属する前記無線通信端末を宛先端末として抽出し、前記宛先端末が省電力モードであるか否かを判定する省電力端末管理部と、
前記宛先端末が省電力モードである場合に、マルチキャストフレームがバッファリングされていないことを示す情報を前記バッファリング情報に格納しかつ前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成するBeacon生成部と、
を備えることを特徴とする無線通信基地局。
【請求項2】
前記無線通信端末から、当該無線通信端末がBeaconのフレームボディ部に格納された前記無線通信端末宛のフレームがバッファリングされているか否かを示すマルチキャスト拡張情報の検出に対応しているマルチキャスト拡張端末であるか否かの情報を取得するマルチキャスト拡張端末検出部、
をさらに備え、
前記省電力端末管理部は、前記マルチキャスト拡張端末検出部が取得した情報に基づいて前記無線通信端末がマルチキャスト拡張端末であるか否かの情報を前記管理情報に含めて保持し、前記宛先端末が省電力モードでありかつ前記宛先端末がマルチキャスト拡張端末である場合に、前記マルチキャスト拡張情報として前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成し、前記宛先端末が省電力モードでありかつ前記宛先端末がマルチキャスト拡張端末でない場合に、前記バッファリング情報に前記宛先端末宛のユニキャストフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成することを特徴とする請求項1に記載の無線通信基地局。
【請求項3】
マルチキャスト検出部がマルチキャストフレームを検出したとき、マルチキャスト拡張端末でない前記無線通信端末の数が所定の閾値以上の場合は前記バッファリング情報にマルチキャストフレームの送信を通知する情報を格納してBeaconを送信し、マルチキャスト拡張端末でない前記無線通信端末の数が所定の閾値未満の場合は前記Beacon生成部の生成したBeaconを送信することを特徴とする請求項2に記載の無線通信基地局。
【請求項4】
前記管理情報は、マルチキャストグループに参加している前記無線通信端末ごとの、当該無線通信端末との接続手順において取得した当該無線通信端末を識別する接続識別情報をさらに含み、
前記省電力端末管理部は、前記マルチキャスト拡張情報を前記宛先端末の接続識別情報を示す情報とすることを特徴とする請求項2または3に記載の無線通信基地局。
【請求項5】
マルチキャストフレームがバッファリングされていないことを示す情報を格納しかつ前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを送信した後に、当該マルチキャストフレームをマルチキャストフレームとして送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の無線通信基地局。
【請求項6】
前記マルチキャストフレームバッファに格納されたマルチキャストフレームについて前記宛先端末の数の複製を生成し、生成したフレームをそれぞれ前記宛先端末宛のユニキャストフレームに変換するマルチキャスト変換部、
をさらに備え、
マルチキャストフレームがバッファリングされていないことを示す情報を格納しかつ前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを送信した後に、当該マルチキャストフレームを前記マルチキャスト変換部により変換されたユニキャストフレームとして前記宛先端末へ送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の無線通信基地局。
【請求項7】
請求項2に記載の無線通信基地局と通信を行う無線通信端末であって、
省電力状態を管理し、省電力モードへの移行を前記無線通信基地局へ通知し、省電力モードへ移行している場合に前記無線通信基地局からのBeaconの受信タイミングで起動モードとなりBeaconを受信する状態管理部と、
省電力モードにおいて前記無線通信基地局から受信したBeaconから、前記無線通信基地局においてフレームボディ部に格納された無線通信端末宛のフレームがバッファリングされているか否かを示すマルチキャスト拡張情報を検出し、前記マルチキャスト拡張情報に基づいて自端末宛のフレームがバッファリングされていると判断した場合に前記状態管理部に対して駆動モードを維持するよう指示し、前記マルチキャスト拡張情報に基づいて自端末宛のフレームがバッファリングされていないと判断した場合に前記状態管理部に対して省電力モードへ移行するよう指示するマルチキャスト拡張エレメント検出部と、
を備え、
自装置がマルチキャスト拡張情報の検出に対応していることを前記無線通信基地局へ通知する、ことを特徴とする無線通信端末。
【請求項8】
請求項1に記載の無線通信基地局と、
省電力モードへの移行を前記無線通信基地局へ通知し、省電力モードへ移行している場合に前記無線通信基地局からのBeaconの受信タイミングで起動モードとなりBeaconを受信し、受信したBeaconに基づいて、自端末宛のフレームがバッファリングされていると判断した場合に起動モードを維持し、自端末宛のフレームがバッファリングされていないと判断した場合に省電力モードへ移行する無線通信端末と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
前記無線通信端末として請求項7に記載の無線通信端末を1つ以上備え、
前記無線通信基地局は、
前記無線通信端末から、当該無線通信端末がBeaconのフレームボディ部に格納された前記無線通信端末宛のフレームがバッファリングされているか否かを示すマルチキャスト拡張情報の検出に対応しているマルチキャスト拡張端末であるか否かの情報を取得するマルチキャスト拡張端末検出部、
を備え、
前記マルチキャスト拡張端末検出部が取得した情報に基づいて前記無線通信端末がマルチキャスト拡張端末であるか否かの情報を前記管理情報に含めて保持し、前記宛先端末が省電力モードでありかつ前記宛先端末がマルチキャスト拡張端末である場合に、前記マルチキャスト拡張情報として前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成し、前記宛先端末が省電力モードでありかつ前記宛先端末がマルチキャスト拡張端末でない場合に、前記バッファリング情報に前記宛先端末宛のユニキャストフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成することを特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。
【請求項10】
1つ以上の無線通信端末と、前記無線通信端末とネットワーク装置との通信を中継し、前記無線通信端末が省電力モードである場合にBeaconに前記無線通信端末宛のフレームをバッファリングしているか否かを示すバッファリング情報を格納して前記無線通信端末へ通知する無線通信基地局と、を備える無線通信システムにおける無線通信方法であって、
前記無線通信基地局が、前記ネットワーク装置から受信したフレームがマルチキャストフレームであるか否かを検出し、マルチキャストフレームであった場合に当該フレームをバッファへ格納するマルチキャスト検出ステップと、
前記無線通信端末が、省電力モードとなったことを前記無線通信基地局へ通知する省電力モード通知ステップと、
前記無線通信基地局が、マルチキャストグループと当該マルチキャストグループに参加している前記無線通信端末と当該無線通信端末が省電力モードであるか否かを示す省電力状態情報との対応を含む管理情報を保持し、前記マルチキャスト検出部がマルチキャストフレームを検出した場合に前記管理情報を参照して当該マルチキャストフレームに対応するマルチキャストグループに属する前記無線通信端末を宛先端末として抽出し、前記宛先端末が省電力モードであるか否かを判定する省電力端末管理ステップと、
前記無線通信基地局が、前記宛先端末が省電力モードである場合に、マルチキャストフレームがバッファリングされていないことを示す情報を前記バッファリング情報に格納しかつ前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成するBeacon生成ステップと、
前記無線通信端末が、受信したBeaconに基づいて、自端末宛のフレームがバッファリングされていると判断した場合に起動モードを維持し、自端末宛のフレームがバッファリングされていないと判断した場合に省電力モードへ移行する省電力制御ステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【請求項1】
1つ以上の無線通信端末と無線通信を行い、前記無線通信端末とネットワーク装置との通信を中継し、前記無線通信端末が省電力モードである場合にBeaconに前記無線通信端末宛のフレームをバッファリングしているか否かを示すバッファリング情報を格納して前記無線通信端末へ通知する無線通信基地局であって、
マルチキャストフレームバッファと、
前記ネットワーク装置から受信したフレームがマルチキャストフレームであるか否かを検出し、マルチキャストフレームであった場合に当該フレームを前記マルチキャストフレームバッファへ格納するマルチキャスト検出部と、
マルチキャストグループと当該マルチキャストグループに参加している前記無線通信端末と当該無線通信端末が省電力モードであるか否かを示す省電力状態情報との対応を含む管理情報を保持し、前記マルチキャスト検出部がマルチキャストフレームを検出した場合に前記管理情報を参照して当該マルチキャストフレームに対応するマルチキャストグループに属する前記無線通信端末を宛先端末として抽出し、前記宛先端末が省電力モードであるか否かを判定する省電力端末管理部と、
前記宛先端末が省電力モードである場合に、マルチキャストフレームがバッファリングされていないことを示す情報を前記バッファリング情報に格納しかつ前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成するBeacon生成部と、
を備えることを特徴とする無線通信基地局。
【請求項2】
前記無線通信端末から、当該無線通信端末がBeaconのフレームボディ部に格納された前記無線通信端末宛のフレームがバッファリングされているか否かを示すマルチキャスト拡張情報の検出に対応しているマルチキャスト拡張端末であるか否かの情報を取得するマルチキャスト拡張端末検出部、
をさらに備え、
前記省電力端末管理部は、前記マルチキャスト拡張端末検出部が取得した情報に基づいて前記無線通信端末がマルチキャスト拡張端末であるか否かの情報を前記管理情報に含めて保持し、前記宛先端末が省電力モードでありかつ前記宛先端末がマルチキャスト拡張端末である場合に、前記マルチキャスト拡張情報として前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成し、前記宛先端末が省電力モードでありかつ前記宛先端末がマルチキャスト拡張端末でない場合に、前記バッファリング情報に前記宛先端末宛のユニキャストフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成することを特徴とする請求項1に記載の無線通信基地局。
【請求項3】
マルチキャスト検出部がマルチキャストフレームを検出したとき、マルチキャスト拡張端末でない前記無線通信端末の数が所定の閾値以上の場合は前記バッファリング情報にマルチキャストフレームの送信を通知する情報を格納してBeaconを送信し、マルチキャスト拡張端末でない前記無線通信端末の数が所定の閾値未満の場合は前記Beacon生成部の生成したBeaconを送信することを特徴とする請求項2に記載の無線通信基地局。
【請求項4】
前記管理情報は、マルチキャストグループに参加している前記無線通信端末ごとの、当該無線通信端末との接続手順において取得した当該無線通信端末を識別する接続識別情報をさらに含み、
前記省電力端末管理部は、前記マルチキャスト拡張情報を前記宛先端末の接続識別情報を示す情報とすることを特徴とする請求項2または3に記載の無線通信基地局。
【請求項5】
マルチキャストフレームがバッファリングされていないことを示す情報を格納しかつ前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを送信した後に、当該マルチキャストフレームをマルチキャストフレームとして送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の無線通信基地局。
【請求項6】
前記マルチキャストフレームバッファに格納されたマルチキャストフレームについて前記宛先端末の数の複製を生成し、生成したフレームをそれぞれ前記宛先端末宛のユニキャストフレームに変換するマルチキャスト変換部、
をさらに備え、
マルチキャストフレームがバッファリングされていないことを示す情報を格納しかつ前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを送信した後に、当該マルチキャストフレームを前記マルチキャスト変換部により変換されたユニキャストフレームとして前記宛先端末へ送信することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の無線通信基地局。
【請求項7】
請求項2に記載の無線通信基地局と通信を行う無線通信端末であって、
省電力状態を管理し、省電力モードへの移行を前記無線通信基地局へ通知し、省電力モードへ移行している場合に前記無線通信基地局からのBeaconの受信タイミングで起動モードとなりBeaconを受信する状態管理部と、
省電力モードにおいて前記無線通信基地局から受信したBeaconから、前記無線通信基地局においてフレームボディ部に格納された無線通信端末宛のフレームがバッファリングされているか否かを示すマルチキャスト拡張情報を検出し、前記マルチキャスト拡張情報に基づいて自端末宛のフレームがバッファリングされていると判断した場合に前記状態管理部に対して駆動モードを維持するよう指示し、前記マルチキャスト拡張情報に基づいて自端末宛のフレームがバッファリングされていないと判断した場合に前記状態管理部に対して省電力モードへ移行するよう指示するマルチキャスト拡張エレメント検出部と、
を備え、
自装置がマルチキャスト拡張情報の検出に対応していることを前記無線通信基地局へ通知する、ことを特徴とする無線通信端末。
【請求項8】
請求項1に記載の無線通信基地局と、
省電力モードへの移行を前記無線通信基地局へ通知し、省電力モードへ移行している場合に前記無線通信基地局からのBeaconの受信タイミングで起動モードとなりBeaconを受信し、受信したBeaconに基づいて、自端末宛のフレームがバッファリングされていると判断した場合に起動モードを維持し、自端末宛のフレームがバッファリングされていないと判断した場合に省電力モードへ移行する無線通信端末と、
を備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
前記無線通信端末として請求項7に記載の無線通信端末を1つ以上備え、
前記無線通信基地局は、
前記無線通信端末から、当該無線通信端末がBeaconのフレームボディ部に格納された前記無線通信端末宛のフレームがバッファリングされているか否かを示すマルチキャスト拡張情報の検出に対応しているマルチキャスト拡張端末であるか否かの情報を取得するマルチキャスト拡張端末検出部、
を備え、
前記マルチキャスト拡張端末検出部が取得した情報に基づいて前記無線通信端末がマルチキャスト拡張端末であるか否かの情報を前記管理情報に含めて保持し、前記宛先端末が省電力モードでありかつ前記宛先端末がマルチキャスト拡張端末である場合に、前記マルチキャスト拡張情報として前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成し、前記宛先端末が省電力モードでありかつ前記宛先端末がマルチキャスト拡張端末でない場合に、前記バッファリング情報に前記宛先端末宛のユニキャストフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成することを特徴とする請求項8に記載の無線通信システム。
【請求項10】
1つ以上の無線通信端末と、前記無線通信端末とネットワーク装置との通信を中継し、前記無線通信端末が省電力モードである場合にBeaconに前記無線通信端末宛のフレームをバッファリングしているか否かを示すバッファリング情報を格納して前記無線通信端末へ通知する無線通信基地局と、を備える無線通信システムにおける無線通信方法であって、
前記無線通信基地局が、前記ネットワーク装置から受信したフレームがマルチキャストフレームであるか否かを検出し、マルチキャストフレームであった場合に当該フレームをバッファへ格納するマルチキャスト検出ステップと、
前記無線通信端末が、省電力モードとなったことを前記無線通信基地局へ通知する省電力モード通知ステップと、
前記無線通信基地局が、マルチキャストグループと当該マルチキャストグループに参加している前記無線通信端末と当該無線通信端末が省電力モードであるか否かを示す省電力状態情報との対応を含む管理情報を保持し、前記マルチキャスト検出部がマルチキャストフレームを検出した場合に前記管理情報を参照して当該マルチキャストフレームに対応するマルチキャストグループに属する前記無線通信端末を宛先端末として抽出し、前記宛先端末が省電力モードであるか否かを判定する省電力端末管理ステップと、
前記無線通信基地局が、前記宛先端末が省電力モードである場合に、マルチキャストフレームがバッファリングされていないことを示す情報を前記バッファリング情報に格納しかつ前記宛先端末宛のフレームが格納されていることを示す情報を格納したBeaconを生成するBeacon生成ステップと、
前記無線通信端末が、受信したBeaconに基づいて、自端末宛のフレームがバッファリングされていると判断した場合に起動モードを維持し、自端末宛のフレームがバッファリングされていないと判断した場合に省電力モードへ移行する省電力制御ステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
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【公開番号】特開2013−102349(P2013−102349A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−244714(P2011−244714)
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月8日(2011.11.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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