無線通信端末及び無線通信方法
【課題】通信環境の安定を図ること。アプリケーションでのデータの送信あるいは受信を行えない時間を短くすること。
【解決手段】無線通信端末1は、通信方式が異なる第1のネットワーク11と第2のネットワーク12に接続可能である。タイマー6は、無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過時に第1の時間の計時を終了する。タイマー6は、無線通信状態に基づいて計時を開始し第1の時間より長い第2の時間の計時を終了する。無線通信端末1は、第1の時間の計時終了までは、接続中の第1のネットワーク11に対して再接続を試行する。無線通信端末1は、第1の時間の計時終了時に接続先を第2のネットワーク12に切り替えるか、接続可能な第2のネットワーク12が存在しない場合には、第2の時間の計時終了まで、第1のネットワーク11に対して再接続を試行する。
【解決手段】無線通信端末1は、通信方式が異なる第1のネットワーク11と第2のネットワーク12に接続可能である。タイマー6は、無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過時に第1の時間の計時を終了する。タイマー6は、無線通信状態に基づいて計時を開始し第1の時間より長い第2の時間の計時を終了する。無線通信端末1は、第1の時間の計時終了までは、接続中の第1のネットワーク11に対して再接続を試行する。無線通信端末1は、第1の時間の計時終了時に接続先を第2のネットワーク12に切り替えるか、接続可能な第2のネットワーク12が存在しない場合には、第2の時間の計時終了まで、第1のネットワーク11に対して再接続を試行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線通信端末及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボタン電話装置に収容可能なWLAN(Wireless Local Area Network、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク)端末とPHS(Personal Handyphone System、パーソナル・ハンディフォン・システム)端末とを使用した移動通信システムがある。このような移動通信システムにおいて、WLAN端末が、ボタン電話装置に収容している電話機との通話中にハンドオーバーを開始すると、ボタン電話装置は通話をWLAN端末からPHS端末へと切り替えることによりハンドオーバーを実行するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、複数の通信方式に対応可能な無線通信端末がある。このような無線通信端末において、圏外状態において通信開始の要求がなされると、圏外状態にあると判定されてから捕捉試行処理を開始するまでの経過時間に応じて設定される時間幅で捕捉試行処理を実行するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、CDMA(Code Division Multiple Access、コード・ディヴィジョン・マルチプル・アクセス)とWiMAX(World Interoperability for Microwave Access、ワールド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス、WiMAXは登録商標)の両方の通信方式に対応した無線通信端末がある。この無線通信端末は、現在通信中の通信方式で基地局などの上位局との接続を維持できなくなると、一定期間、同じ通信方式での接続の再確立を試みた後、別の通信方式での接続の確立を試みる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−232142号公報
【特許文献2】特開2008−113249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の無線通信端末では、通信方式を切り替えるまでの時間が長いと、現在のネットワークとの接続が切れた状態で同じ通信方式での接続の再確立を試みる時間が長くなる。また、何れの通信方式でも接続を確立できない時に圏外とするまでの時間が長いと、接続が切れた状態の時間が長くなる。そのため、上位レイヤのアプリケーションでデータの送信あるいは受信を行えない時間が長くなってしまうという問題点がある。
【0007】
一方、通信方式を切り替えるまでの時間が短いと、現在のネットワークとの通信状態が悪化した時にすぐに接続先が別のネットワークに切り替わる。接続先が切り替わった直後に切り替え前のネットワークとの通信状態が改善すると、またすぐに接続先が切り替え前のネットワークに切り替わる、というように、二つの通信方式の間を頻繁に行ったり来たりする状態が起こってしまう。つまり、通信環境が安定しなくなるという問題点がある。このように通信環境が不安定になると、電池の消耗が激しくなったり、接続先のネットワークの切り替えに伴う処理が増えてデータの送信あるいは受信ができない時間が増えてしまう。
【0008】
通信環境の安定を図ることができる無線通信端末及び無線通信方法を提供することを目的とする。アプリケーションでのデータの送信あるいは受信を行えない時間を短くすることができる無線通信端末及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
無線通信端末は、無線通信部、制御部及びタイマーを備えている。無線通信部は、通信方式が異なる第1のネットワークと第2のネットワークのそれぞれに対応する通信方式による無線通信によって第1のネットワークと第2のネットワークのいずれかに接続する。制御部は、無線通信部が接続するネットワークの切り替えを制御する。タイマーは、無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過時に第1の時間の計時を終了し、無線通信状態に基づいて計時を開始し第1の時間より長い第2の時間の計時を終了する。
【0010】
そして、制御部は、タイマーが第1の時間の計時を終了するまでは無線通信部が接続する第1のネットワークを維持してこの第1のネットワークに対して再接続を試行する。また、制御部は、タイマーが第1の時間の計時を終了した時に接続可能な状態の第2のネットワークが存在する場合には、無線通信部の接続先をその第2のネットワークに切り替える。一方、制御部は、タイマーが第1の時間の計時を終了した時に接続可能な状態の第2のネットワークが存在しない場合には、タイマーが第2の時間の計時を終了するまで、タイマーが第1の時間の計時を終了するまで維持していた接続先の第1のネットワークに対して再接続を試行する。
【発明の効果】
【0011】
無線通信端末及び無線通信方法によれば、通信環境の安定を図ることができるという効果を奏する。また、アプリケーションでのデータの送信あるいは受信を行えない時間を短くすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施例1にかかる無線通信端末を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施例1にかかる無線通信方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、実施例2にかかる無線通信システムを示すブロック図である。
【図4】図4は、実施例2にかかる無線通信システムのサービスエリアの一例を示す模式図である。
【図5】図5は、実施例2にかかる無線通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、実施例2にかかる無線通信端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、実施例2にかかる無線通信端末のタイマーと動作との関係を説明する模式図である。
【図8】図8は、実施例2にかかる無線通信端末のタイマーと動作との関係を説明する模式図である。
【図9】図9は、実施例2にかかる無線通信方法を説明するフローチャートである。
【図10】図10は、図9の続きを示すフローチャートである。
【図11】図11は、実施例2にかかる無線通信方法を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、図11の続きを示すフローチャートである。
【図13】図13は、実施例2にかかる無線通信方法を説明するフローチャートである。
【図14】図14は、図13の続きを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この無線通信端末及び無線通信方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下の各実施例の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0014】
(実施例1)
・無線通信端末の説明
図1は、実施例1にかかる無線通信端末を示すブロック図である。図1に示すように、無線通信端末1は、無線通信部2、制御部3、タイマー6を備えている。タイマー6は、第1のタイマー4及び第2のタイマー5を備えていてもよい。タイマー6は、一つのタイマーを備えた構成であっても、第1のタイマー4と第2のタイマー5を備えた複数のタイマーを備えた構成であってもよい。一つのタイマーで構成する場合は、タイマー6が後述する第1の時間や第2の時間を計測すればよい。但し、以下の実施の形態では、第1の時間を計時する第1のタイマー4と、第2の時間を計時する第2のタイマー5を備えている構成を一例として説明する。
【0015】
無線通信部2は、通信方式が異なる第1のネットワーク11と第2のネットワーク12のそれぞれに対応する通信方式による無線通信によって第1のネットワーク11と第2のネットワーク12のいずれかに接続する。制御部3は、無線通信部2が接続するネットワーク11,12の切り替えを制御する。第1のタイマー4は、無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過時に第1の時間の計時を終了する。第2のタイマー5は、無線通信状態に基づいて計時を開始し第1の時間より長い第2の時間の計時を終了する。
【0016】
そして、制御部3は、第1のタイマー4が第1の時間の計時を終了するまでは無線通信部2が接続する第1のネットワーク11を維持してこの第1のネットワーク11に対して再接続を試行する。第1のタイマー4が第1の時間の計時を終了した時に、接続可能な状態の第2のネットワーク12が存在する場合と存在しない場合とがある。
【0017】
第2のネットワーク12が存在する場合には、制御部3は、無線通信部2の接続先をその第2のネットワーク12に切り替える。第2のネットワーク12が存在しない場合には、制御部3は、第2のタイマー5が第2の時間の計時を終了するまで、第1のタイマー4が第1の時間の計時を終了するまで接続先として維持していた第1のネットワーク11に対して再接続を試行する。
【0018】
・無線通信方法の説明
図2は、実施例1にかかる無線通信方法を示すフローチャートである。図2に示すように、基地局やアクセスポイントなどの上位局との無線接続処理が開始されると、無線通信端末1の無線通信部2は、接続可能な状態のネットワークのうち、第1のネットワーク11に、第1のネットワーク11に対応する通信方式によって接続する(ステップS1)。そして、第1のネットワーク11との無線通信状態が所定の状態になるまで(ステップS2:No)、無線通信部2は、第1のネットワーク11との接続を継続する(ステップS1)。
【0019】
第1のネットワーク11との無線通信状態が所定の状態、例えば通信中の第1のネットワーク11との通信接続環境が悪化して通信できない状態や、接続が不安定な状態になると(ステップS2:Yes)、無線通信端末1の制御部3は、第1のタイマー4が計時する第1の時間が終了するまで(ステップS4:No)、接続先として第1のネットワーク11を維持する。そして、制御部3は、無線通信部2により、現在のネットワーク、すなわち第1のネットワーク11に対して、第1のネットワーク11に対応する通信方式によって再接続を試行する(ステップS3)。
【0020】
一方、第1の時間が終了した時に(ステップS4:Yes)、別の通信方式により接続可能な状態の第2のネットワーク12が存在する場合には(ステップS5:Yes)、制御部3は、無線通信部2の接続先を第2のネットワーク12に切り替える。そして、制御部3は、無線通信部2により、第2のネットワーク12に対して、第2のネットワーク12に対応する通信方式によって接続し(ステップS8)、一連の処理を終了する。第2のネットワーク12に接続中に無線通信状態が所定の状態、例えば通信中の第2のネットワーク12との通信接続環境が悪化して通信できない状態や、接続が不安定な状態になると、ステップS3以降の処理が行われる。
【0021】
一方、別の通信方式により接続可能な状態の第2のネットワーク12が存在しない場合には(ステップS5:No)、制御部3は、無線通信部2により、現在のネットワーク、すなわち第1のネットワーク11に対して、第1のネットワーク11に対応する通信方式によって再接続を試行する(ステップS6)。制御部3は、第2のタイマー5が計時する第2の時間が終了するまで(ステップS7:No)、現在のネットワークへの再接続を試行し続ける。
【0022】
第2の時間が終了すると(ステップS7:Yes)、制御部3は、無線通信状態を圏外とし、一連の処理を終了する。圏外の状態から再び接続可能な状態のネットワークが存在する状態に復帰すると、ステップS1以降の処理が行われる。
【0023】
実施例1によれば、現在の接続先のネットワークとの通信状態が悪化した場合、第1の時間が経過した時点で、無線通信端末1は、接続可能な状態にある別のネットワークに接続先を切り替える。従って、第2の時間が経過するまで切り替え前のネットワークに対して再接続を試みる場合に比べて、アプリケーションでのデータの送信あるいは受信を行えない時間を短くすることができる。
【0024】
また、実施例1によれば、現在の接続先のネットワークとの通信状態が悪化した場合、第1の時間が経過するまでは、無線通信端末1は、現在の接続先のネットワークへの再接続を試みる。従って、複数の通信方式のいずれにおいても通信状態が不安定である場合に、複数の通信方式の間を頻繁に行ったり来たりする状態が起こるのを避けることができる。従って、通信環境の安定を図ることができる。
【0025】
また、実施例1によれば、第1の時間が終了した時点で、接続可能な状態にある別のネットワークが存在しない場合、第2の時間が終了するまで、無線通信端末1は、現在の接続先のネットワークへの再接続を試みる。従って、第1の時間が終了した後、第2の時間が終了する前に、現在の接続先のネットワークとの通信状態が改善されると、無線通信端末1は、再び現在の接続先のネットワークに接続するので、接続性の高い無線通信端末1を提供することができる。
【0026】
(実施例2)
実施例2では、無線通信端末が、特に限定しないが、例えばWi−Fi(Wireless Fidelity、ワイヤレス・フィデラティ、Wi−Fiは登録商標)、WiMAX及びCDMAの三つの通信方式に対応したマルチモード端末であるとする。CDMAには、CDMA 1x/EVDO(Evolution Data Only、エボリューション・データ・オンリー)の通信方式が含まれていてもよい。以下の説明では、CDMAの表記には、CDMA 1x/EVDOも含まれているとする。なお、マルチモード端末が対応する通信方式は、二つであってもよいし、四つ以上であってもよい。
【0027】
・無線通信システムの説明
図3は、実施例2にかかる無線通信システムを示すブロック図である。図3に示すように、無線通信システムは、無線通信端末21、Wi−Fiアクセスネットワーク22、WiMAXアクセスネットワーク25、CDMAアクセスネットワーク28及びIPコアネットワーク31を備えている。
【0028】
Wi−Fiアクセスネットワーク22は、PDIF(Packet Data Interface、パケット・データ・インタフェース)23及びWi−Fiアクセスポイント24を含む。無線通信端末21は、Wi−Fi規格の通信方式によってWi−Fiアクセスポイント24に接続する。PDIF23は、Wi−Fiアクセスポイント24及びIPコアネットワーク31のHA(Home Agent、ホーム・エージェント)33に接続されている。PDIF23は、Wi−Fiアクセスポイント24とHA33との間でデータの送信あるいは受信を行う。
【0029】
WiMAXアクセスネットワーク25は、ASN−GW(Access Service Network Gateway、アクセス・サービス・ネットワーク・ゲートウェイ)26及びWiMAX基地局27を含む。無線通信端末21は、WiMAX規格の通信方式によってWiMAX基地局27に接続する。ASN−GW26は、WiMAX基地局27及びHA33に接続されている。ASN−GW26は、WiMAX基地局27とHA33との間でデータの送信あるいは受信を行う。
【0030】
CDMAアクセスネットワーク28、PDSN(Packet Data Serving Node、パケット・データ・サービング・ノード)29及びCDMA基地局30を含む。無線通信端末21は、CDMA規格の通信方式によってCDMA基地局30に接続する。PDSN29は、CDMA基地局30及びHA33に接続されている。PDSN29は、CDMA基地局30とHA33との間でデータの送信あるいは受信を行う。Wi−Fiアクセスポイント24、WiMAX基地局27及びCDMA基地局30は、無線通信端末21に対してネットワーク側の上位局(親局)にあたる。
【0031】
IPコアネットワーク31は、HAAA(Home Authentication, Authorization and Accounting、ホーム・オーセンティケーション・オーソリゼーション・アンド・アカウンティング)32及びHA33を含む。HA33は、無線通信端末21の位置情報を管理し、Wi−Fiアクセスネットワーク22、WiMAXアクセスネットワーク25及びCDMAアクセスネットワーク28とHAAA32との間でIPパケットなどのデータの送信あるいは受信を行う。HAAA32は、認証、承認及び課金を行うサーバである。
【0032】
・無線通信システムのサービスエリアの一例
図4は、実施例2にかかる無線通信システムのサービスエリアの一例を示す模式図である。図4に示すように、例えば、CDMAでは、基地局あたりのカバー範囲41,42が広く、圏外となるエリアが少ない。WiMAXでは、基地局あたりのカバー範囲43,44,45,46がCDMAのカバー範囲41,42よりも狭い中程度の広さであり、カバー範囲43,44,45,46の間に圏外となるエリアが存在することがある。Wi−Fiでは、アクセスポイントのカバー範囲47,48がさらに狭く局所的となることがある。
【0033】
このようなネットワーク側の上位局の配置によるサービスエリアの広狭や配置、圏外となるエリアの配置及び通信速度などの種々の状況に応じて、無線通信端末21が接続する際の優先順位が決められていてもよい。例えば、Wi−Fiの優先順位が一番高く、次いで、WiMAXが高く、次いでCDMAの順でもよい。以下、一例として優先順位がWi−Fi、WiMAX、CDMAであるとして説明する。
【0034】
・無線通信端末のハードウェア構成の説明
図5は、実施例2にかかる無線通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。図5に示すように、無線通信端末21は、無線通信部として例えばWi−Fi、WiMAX及びCDMAのそれぞれに対応するWi−Fi送受信部51、WiMAX送受信部52及びCDMA送受信部53を備えている。Wi−Fi送受信部51、WiMAX送受信部52及びCDMA送受信部53には、それぞれWi−Fi用のアンテナ63、WiMAX用のアンテナ62及びCDMA用のアンテナ61が接続されている。
【0035】
無線通信端末21は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)54、液晶ディスプレイなどの表示部55、マイク56、スピーカ57、及びキーパッドなどの入力部58の各モジュールを備えている。また、無線通信端末21は、RAM(Random Access Memory、ランダム・アクセス・メモリ)やROM(Read Only Memory、リード・オンリー・メモリ)やフラッシュメモリなどの記憶部59のモジュールを備えている。
【0036】
記憶部59は、後述する無線通信方法を実現するプログラムやアプリケーション・プログラムを格納していてもよい。無線通信方法を実現するプログラムやアプリケーション・プログラムは、例えば記憶部59から読み出されてCPU54で実行される。Wi−Fi送受信部51、WiMAX送受信部52及びCDMA送受信部53は、各モジュール55〜59とともに、CPU54により制御される。
【0037】
・無線通信端末の機能的構成の説明
図6は、実施例2にかかる無線通信端末の機能的構成を示すブロック図である。図6に示すように、無線通信端末21は、プロトコル処理部71及びアプリケーション処理部78を有する。プロトコル処理部71は、通信制御を行うとともに、Wi−Fi送受信部51、WiMAX送受信部52及びCDMA送受信部53とアプリケーション処理部78との間でデータの受け渡しを行う。プロトコル処理部71は、後述する無線通信方法を実現するプログラムをCPU54が実行することにより実現される。
【0038】
アプリケーション処理部78は、アプリケーションを実行する。アプリケーション処理部78は、アプリケーション・プログラムをCPU54が実行することにより実現されてもよい。
【0039】
プロトコル処理部71は、Wi−Fi制御部72及びWiMAX制御部73、CDMA制御部74を備えている。Wi−Fi制御部72は、Wi−Fi送受信部51を制御し、Wi−Fi送受信部51との間でデータの受け渡しを行う。WiMAX制御部73は、WiMAX送受信部52を制御し、WiMAX送受信部52との間でデータの受け渡しを行う。CDMA制御部74は、CDMA送受信部53を制御し、CDMA送受信部53との間でデータの受け渡しを行う。
【0040】
プロトコル処理部71は、記憶部75、タイマー管理部76、及び制御部として切替制御部77を有する。切替制御部77は、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73及びCDMA制御部74に対し、通信方式の切り替えを制御する。切替制御部77は、アプリケーション処理部78との間でデータの受け渡しを行う。
【0041】
記憶部75には、第1の時間であるt1時間を計時する第1のタイマーとして例えばt1タイマー、及び第2の時間であるt2時間(t1<t2)を計時する第2のタイマーとして例えばt2タイマーがソフトウェアとして実現されていてもよい。t2タイマーは、t1タイマーよりも後で計時を終了する。例えばt1タイマーとt2タイマーとが同時に計時を開始する場合には、t2時間がt1時間よりも長い。無線通信端末21は、t1時間の間、Wi−Fi、WiMAX及びCDMAの各通信方式において、同じ通信方式での再接続動作を継続してもよい。無線通信端末21は、t2時間の間、ネットワーク側から割り当てられたIPアドレスなどの識別情報を保持していてもよい。タイマー管理部76は、t1タイマー及びt2タイマーを管理する。
【0042】
t1時間及びt2時間は、通信方式ごとに決められていてもよい。例えば、基地局やアクセスポイントなどの上位局が密に配置されていて、エリアカバー率が高いシステムでは、t1時間を短くして、他のシステムへの切り替えを早くしてもよい。上述した三つの通信方式のシステムでは、CDMAがエリアカバー率の高いシステムに該当する。CDMAの場合の一例として、t1時間は3秒であってもよいし、t2時間は30秒であってもよい。
【0043】
また、上位局の配置が疎であり、エリアカバー率が低いシステムでは、t1時間を長くして、同じシステムでの再接続を試み、他のシステムへ切り替え難くしてもよい。上述した三つの通信方式のシステムでは、WiMAXがエリアカバー率の低いシステムに該当する。WiMAXの場合の一例として、t1時間は5秒であってもよいし、t2時間は50秒であってもよい。
【0044】
また、基本的に上位局間でハンドオフをしないで一つの上位局のもとで通信を行うようなシステムでは、t1時間及びt2時間の両方を長くしてもよい。上述した三つの通信方式のシステムでは、Wi−Fiがハンドオフをしないようなシステムに該当する。Wi−Fiの場合の一例として、t1時間は10秒であってもよいし、t2時間は120秒であってもよい。
【0045】
・タイマーと動作との関係
図7は、実施例2にかかる無線通信端末のタイマーと動作との関係を説明する模式図である。図7に示すように、t1タイマー及びt2タイマーは、接続中のネットワークに対する待ち受け状態の時に無線通信状態が悪化した時点T1で例えば同時に起動されてもよい。図7に示す例では、無線通信端末21は、例えばWi−Fiアクセスネットワーク22に接続中である。この例では、第1のネットワークはWi−Fiアクセスネットワーク22である。Wi−Fiアクセスネットワーク22に接続中に例えばWi−Fi信号がドロップしたり、パケットロスが発生した場合に、ネットワークとの無線通信状態が悪化したとしてもよい。
【0046】
t1タイマーの起動中、無線通信端末21は、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)に対する待ち受け状態に復帰できるように、再スキャンのリトライ動作を継続する。その際、無線通信端末21は、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)だけでなく、他のネットワーク(WiMAXアクセスネットワーク25及びCDMAアクセスネットワーク28)についても接続可能な状態にあるか否かを調べている。
【0047】
t1タイマーの起動中に、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)に対して再度待ち受け状態に復帰すると、無線通信端末21は、t1タイマーを停止して接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)に対して通信を継続する。t1タイマーの起動中に、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)に対して再度待ち受け状態に復帰できない場合、無線通信端末21は、t1タイマーの満了時点T2において他に接続可能なネットワークがあるかを確認する。
【0048】
他に接続可能なネットワークがある場合には、無線通信端末21は、接続先を、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)から接続可能な他のネットワークに切り替える。その際、無線通信端末21は、接続に対する優先順位の高い順に接続してもよい。
【0049】
例えば、優先順位が高い順にWi−Fi、WiMAX及びCDMAである場合で、WiMAXアクセスネットワーク25に接続可能な場合には、無線通信端末21は、接続先をWiMAXアクセスネットワーク25に切り替える。この場合の第2のネットワークはWiMAXアクセスネットワーク25である。WiMAXアクセスネットワーク25が接続可能な状態になく、CDMAアクセスネットワーク28に接続可能な場合には、無線通信端末21は、接続先をCDMAアクセスネットワーク28に切り替える。この場合の第2のネットワーク12はCDMAアクセスネットワーク28である。
【0050】
一方、t1タイマーの満了時点T2において他に接続可能なネットワークがない場合もある。この場合には、t2タイマーが満了するまで、無線通信端末21は、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)に対する待ち受け状態に復帰できるように、再スキャンのリトライ動作を継続する。
【0051】
図8は、実施例2にかかる無線通信端末のタイマーと動作との関係を説明する模式図である。図8に示すように、t2タイマーの起動中に、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)に対して再度待ち受け状態に復帰できない場合がある。この場合には、t2タイマーの満了時点T3において、無線通信端末21は、ネットワーク側から割り当てられたIPアドレスなどの識別情報を解放して、圏外状態となる。
【0052】
・無線通信方法の説明
・Wi−Fi方式で通信中の例
図9は、実施例2にかかる無線通信方法を説明するフローチャートである。図10は、図9の続きを示すフローチャートである。図9に示すように、無線通信方法が開始されると、無線通信端末21のWi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、Wi−Fi、WiMAX及びCDMAに対してスキャン動作及び待ち受け動作を行う(ステップS11)。その結果、無線通信端末21は、例えばWi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態となる(ステップS12)。
【0053】
スキャンの結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22が接続可能な状態になく、WiMAXアクセスネットワーク25が接続可能な状態にある場合には、無線通信端末21は、WiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態となる。スキャンの結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22及びWiMAXアクセスネットワーク25がともに接続可能な状態になく、CDMAアクセスネットワーク28が接続可能な状態にある場合には、無線通信端末21は、CDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態となる。ここでは、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態になったとする。この場合の第1のネットワークはWi−Fiアクセスネットワーク22である。
【0054】
Wi−Fi制御部72及び切替制御部77は、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して接続動作を行い(ステップS13)、Wi−Fi方式で通信中の状態となる(ステップS14)。Wi−Fi方式で通信中、待ち受け状態から、例えば無線通信端末21がWi−Fiアクセスポイント24からの信号をドロップして、例えばWi−Fiアクセスポイント24との同期が外れると、タイマー管理部76は、t1タイマー及びt2タイマーを起動する(ステップS15)。t1タイマーの動作中、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャン動作を行う(ステップS16)。なお、ステップS16において、WiMAX及びCDMAに対する再スキャン動作を省略してもよい。
【0055】
再スキャンが成功して(ステップS17:Yes)、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態に復帰できた場合、タイマー管理部76は、t1タイマーを停止する(ステップS18)。そして、無線通信端末21は、Wi−Fi制御部72によりWi−Fi方式で通信中の状態に復帰する(ステップS19)。再スキャンに失敗した場合(ステップS17:No)、t1タイマーが満了するまでの間(ステップS20:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャンを繰り返す(ステップS16〜ステップS20)。
【0056】
t1タイマーが満了したら(ステップS20:Yes)、図10に示すように、切替制御部77は、WiMAX方式で通信が可能か否か判断する(ステップS21)。WiMAX方式での通信が可能な状態にある場合(ステップS21:Yes)、タイマー管理部76は、t2タイマーを停止する(ステップS22)。また、切替制御部77は、通信方式をWiMAXに切り替える(ステップS23)。そして、無線通信端末21は、WiMAX制御部73によりWiMAX方式で通信中の状態となる(ステップS24)。この場合の第2のネットワークはWiMAXアクセスネットワーク25である。
【0057】
一方、WiMAX方式での通信が可能な状態にない場合(ステップS21:No)、切替制御部77は、CDMA方式で通信が可能か否か判断する(ステップS25)。CDMA方式での通信が可能な状態にある場合(ステップS25:Yes)、タイマー管理部76は、t2タイマーを停止する(ステップS26)。また、切替制御部77は、通信方式をCDMAに切り替える(ステップS27)。そして、無線通信端末21は、CDMA制御部74によりCDMA方式で通信中の状態となる(ステップS28)。この場合の第2のネットワークはCDMAアクセスネットワーク28である。
【0058】
一方、CDMA方式での通信が可能な状態にない場合(ステップS25:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャン動作を行う(ステップS29)。なお、ステップS29において、WiMAX及びCDMAに対する再スキャン動作を省略してもよい。
【0059】
再スキャンが成功して(ステップS30:Yes)、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態に復帰できた場合、タイマー管理部76は、t2タイマーを停止する(ステップS31)。そして、無線通信端末21は、Wi−Fi制御部72によりWi−Fi方式で通信中の状態に復帰する(ステップS32)。再スキャンに失敗した場合(ステップS30:No)、t2タイマーが満了するまでの間(ステップS33:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャンを繰り返す(ステップS29〜ステップS33)。
【0060】
t2タイマーが満了したら(ステップS33:Yes)、切替制御部77は、例えばIPアドレスなどの識別情報を解放し、圏外移行処理を行う(ステップS34)。それによって、無線通信端末21は圏外状態となる(ステップS35)。圏外状態の無線通信端末21は、ステップS11からの処理を繰り返す。
【0061】
・WiMAX方式で通信中の例
図11は、実施例2にかかる無線通信方法を説明するフローチャートである。図12は、図11の続きを示すフローチャートである。図11に示すように、無線通信方法が開始されると、無線通信端末21のWi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、Wi−Fi、WiMAX及びCDMAに対してスキャン動作及び待ち受け動作を行う(ステップS11)。その結果、無線通信端末21は、例えばWiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態となる(ステップS42)。
【0062】
スキャンの結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22が接続可能な状態にある場合には、無線通信端末21は、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態となる。スキャンの結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22及びWiMAXアクセスネットワーク25がともに接続可能な状態になく、CDMAアクセスネットワーク28が接続可能な状態にある場合には、無線通信端末21は、CDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態となる。ここでは、WiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態になったとする。この場合の第1のネットワークはWiMAXアクセスネットワーク25である。
【0063】
WiMAX制御部73及び切替制御部77は、WiMAXアクセスネットワーク25に対して接続動作を行い(ステップS43)、WiMAX方式で通信中の状態となる(ステップS44)。WiMAX方式で通信中、待ち受け状態から、例えば無線通信端末21がWiMAX基地局27からの信号をドロップすると、タイマー管理部76は、t1タイマー及びt2タイマーを起動する(ステップS45)。t1タイマーの動作中、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャン動作を行う(ステップS46)。なお、ステップS46において、Wi−Fi及びCDMAに対する再スキャン動作を省略してもよい。
【0064】
再スキャンが成功して(ステップS47:Yes)、WiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態に復帰できた場合、タイマー管理部76は、t1タイマーを停止する(ステップS48)。そして、無線通信端末21は、WiMAX制御部73によりWiMAX方式で通信中の状態に復帰する(ステップS49)。再スキャンに失敗した場合(ステップS47:No)、t1タイマーが満了するまでの間(ステップS50:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャンを繰り返す(ステップS46〜ステップS50)。
【0065】
t1タイマーが満了したら(ステップS50:Yes)、図12に示すように、切替制御部77は、CDMA方式で通信が可能か否か判断する(ステップS51)。CDMA方式での通信が可能な状態にある場合(ステップS51:Yes)、タイマー管理部76は、t2タイマーを停止する(ステップS52)。また、切替制御部77は、通信方式をCDMAに切り替える(ステップS53)。そして、無線通信端末21は、CDMA制御部74によりCDMA方式で通信中の状態となる(ステップS54)。この場合の第2のネットワークはCDMAアクセスネットワーク28である。
【0066】
一方、CDMA方式での通信が可能な状態にない場合(ステップS51:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャン動作を行う(ステップS55)。なお、ステップS55において、Wi−Fi及びCDMAに対する再スキャン動作を省略してもよい。
【0067】
再スキャンが成功して(ステップS56:Yes)、WiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態に復帰できた場合、タイマー管理部76は、t2タイマーを停止する(ステップS57)。そして、無線通信端末21は、WiMAX制御部73によりWiMAX方式で通信中の状態に復帰する(ステップS58)。再スキャンに失敗した場合(ステップS56:No)、t2タイマーが満了するまでの間(ステップS59:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャンを繰り返す(ステップS55〜ステップS59)。
【0068】
t2タイマーが満了したら(ステップS59:Yes)、切替制御部77は、例えばIPアドレスなどの識別情報を解放し、圏外移行処理を行う(ステップS60)。それによって、無線通信端末21は圏外状態となる(ステップS61)。圏外状態の無線通信端末21は、ステップS11からの処理を繰り返す。
【0069】
・CDMA方式で通信中の例
図13は、実施例2にかかる無線通信方法を説明するフローチャートである。図14は、図13の続きを示すフローチャートである。図13に示すように、無線通信方法が開始されると、無線通信端末21のWi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、Wi−Fi、WiMAX及びCDMAに対してスキャン動作及び待ち受け動作を行う(ステップS11)。その結果、無線通信端末21は、例えばCDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態となる(ステップS72)。
【0070】
スキャンの結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22が接続可能な状態にある場合には、無線通信端末21は、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態となる。スキャンの結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22が接続可能な状態になく、WiMAXアクセスネットワーク25が接続可能な状態にある場合には、無線通信端末21は、WiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態となる。ここでは、CDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態になったとする。この場合の第1のネットワークはCDMAアクセスネットワーク28である。
【0071】
CDMA制御部74及び切替制御部77は、CDMAアクセスネットワーク28に対して接続動作を行い(ステップS73)、CDMA方式で通信中の状態となる(ステップS74)。CDMA方式で通信中、待ち受け状態から、例えば無線通信端末21がCDMA基地局30からの信号をドロップすると、タイマー管理部76は、t1タイマー及びt2タイマーを起動する(ステップS75)。t1タイマーの動作中、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャン動作を行う(ステップS76)。なお、ステップS76において、Wi−Fi及びWiMAXに対する再スキャン動作を省略してもよい。
【0072】
再スキャンが成功して(ステップS77:Yes)、CDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態に復帰できた場合、タイマー管理部76は、t1タイマーを停止する(ステップS78)。そして、無線通信端末21は、CDMA制御部74によりCDMA方式で通信中の状態に復帰する(ステップS79)。再スキャンに失敗した場合(ステップS77:No)、t1タイマーが満了するまでの間(ステップS80:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャンを繰り返す(ステップS76〜ステップS80)。
【0073】
t1タイマーが満了した時点で(ステップS80:Yes)、図14に示すように、待ち受け中の通信網(ネットワーク)は存在しない(ステップS81)。つまり、接続可能な状態の第2のネットワークが存在しない。従って、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャン動作を行う(ステップS82)。なお、ステップS82において、Wi−Fi及びWiMAXに対する再スキャン動作を省略してもよい。
【0074】
再スキャンが成功して(ステップS83:Yes)、CDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態に復帰できた場合、タイマー管理部76は、t2タイマーを停止する(ステップS84)。そして、無線通信端末21は、CDMA制御部74によりCDMA方式で通信中の状態に復帰する(ステップS85)。再スキャンに失敗した場合(ステップS83:No)、t2タイマーが満了するまでの間(ステップS86:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャンを繰り返す(ステップS82〜ステップS86)。
【0075】
t2タイマーが満了したら(ステップS86:Yes)、切替制御部77は、例えばIPアドレスなどの識別情報を解放し、圏外移行処理を行う(ステップS87)。それによって、無線通信端末21は圏外状態となる(ステップS88)。圏外状態の無線通信端末21は、ステップS11からの処理を繰り返す。
【0076】
以上のフローチャートにおいて、ステップS35、ステップS61及びステップS88で無線通信端末21が圏外状態となった後、ステップS11でスキャン動作及び待ち受け動作を行った結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態となる場合には、ステップS12へ進む。WiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態となる場合には、ステップS42へ進む。CDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態となる場合には、ステップS72へ進む。
【0077】
また、ステップS19及びステップS32でWi−Fi方式で通信中の状態に復帰した場合、ステップS14へ進む。ステップS24、ステップS49及びステップS58でWiMAXで通信中の状態になった場合、ステップS44へ進む。ステップS28、ステップS54、ステップS79及びステップS85でCDMAで通信中の状態になった場合、ステップS74へ進む。
【0078】
実施例2によれば、実施例1と同様の効果が得られる。
【0079】
なお、t2タイマーは、t1タイマーが満了するタイミングよりも後のタイミングで満了すれば、t1タイマーと同時に起動しなくてもよい。また、無線通信端末は、携帯電話機に限らず、複数の通信方式に対応した携帯情報端末、携帯型のゲーム機または種々の測定器などであってもよい。また、無線通信端末は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯電話機と携帯情報端末としての機能を併せ持つ端末であってもよい。また、実施例1及び実施例2において、タイマーは、ソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアで実現されてもよい。また、タイマーの数は、一つでもよいし、二つ以上であってもよい。
【0080】
上述した実施例1、2に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0081】
(付記1)通信方式が異なる第1のネットワークと第2のネットワークのそれぞれに対応する通信方式による無線通信によって前記第1のネットワークと前記第2のネットワークのいずれかに接続する無線通信部と、前記無線通信部が接続するネットワークの切り替えを制御する制御部と、無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過時に第1の時間の計時を終了し、無線通信状態に基づいて計時を開始し前記第1の時間より長い第2の時間の計時を終了するタイマーと、を備え、前記制御部は、前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了するまでは前記無線通信部が接続する前記第1のネットワークを維持して該第1のネットワークに対して再接続を試行し、前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了した時に接続可能な状態の前記第2のネットワークが存在する場合には、前記無線通信部の接続先を該第2のネットワークに切り替え、前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了した時に接続可能な状態の前記第2のネットワークが存在しない場合には、前記タイマーが前記第2の時間の計時を終了するまで、前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了するまで維持していた接続先の前記第1のネットワークに対して再接続を試行することを特徴とする無線通信端末。
【0082】
(付記2)前記タイマーは、無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過した時に第1の時間の計時を終了する第1のタイマーと、無線通信状態に基づいて計時を開始し前記第1の時間より長い第2の時間の計時を終了する第2のタイマーと、を備えることを特徴とする付記1に記載の無線通信端末。
【0083】
(付記3)前記タイマーは、無線通信状態が悪化した時に計時を開始することを特徴とする付記1に記載の無線通信端末。
【0084】
(付記4)前記第1のタイマー及び前記第2のタイマーは、無線通信状態が悪化した時に計時を開始することを特徴とする付記2に記載の無線通信端末。
【0085】
(付記5)前記第1の時間及び前記第2の時間に基づく、計時開始から計時終了までの時間は、ネットワークごとに決められることを特徴とする付記1乃至4のいずれか一項に記載の無線通信端末。
【0086】
(付記6)前記制御部は、前記タイマーあるいは前記第2のタイマーが前記第2の時間の計時を終了した時に、前記第1のネットワークから割り当てられた識別情報を解放して圏外とすることを特徴とする付記1乃至5のいずれか一項に記載の無線通信端末。
【0087】
(付記7)前記通信方式は、Wi−Fi(Wireless Fidelity)規格の通信方式、WiMAX(World Interoperability for Microwave Access)規格の通信方式、CDMA(Code Division Multiple Access) 1x/EVDO(Evolution Data Only)規格の通信方式を含むことを特徴とする付記1乃至6のいずれか一項に記載の無線通信端末。
【0088】
(付記8)前記第1の時間に基づく計時開始から計時終了までの時間、及び前記第2の時間に基づく計時開始から計時終了までの時間は、CDMA 1x/EVDO、WiMAX及びWi−Fiの順に長いことを特徴とする付記7に記載の無線通信端末。
【0089】
(付記9)無線通信状態に基づいて開始され一定時間経過時に終了する第1の時間が終了するまで接続先の第1のネットワークを維持して該第1のネットワークに対して該第1のネットワークに対応する通信方式によって再接続を試行し、前記第1の時間が終了した時に別の通信方式により接続可能な状態の第2のネットワークが存在する場合には、接続先を該第2のネットワークに切り替え、前記第1の時間が終了した時に別の通信方式により接続可能な状態の第2のネットワークが存在しない場合には、無線通信状態に基づいて計時を開始し前記第1の時間より長い第2の時間が終了するまで、前記第1の時間が終了するまで維持していた接続先の前記第1のネットワークに対して再接続を試行することを特徴とする無線通信方法。
【0090】
(付記10)前記第1の時間及び前記第2の時間は、無線通信状態が悪化した時に開始することを特徴とする付記9に記載の無線通信方法。
【0091】
(付記11)前記第1の時間及び前記第2の時間は、ネットワークごとに決められることを特徴とする付記9または10に記載の無線通信方法。
【0092】
(付記12)前記第2の時間が終了した時に、前記第1のネットワークから割り当てられた識別情報を解放して圏外とすることを特徴とする付記9乃至11のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【0093】
(付記13)前記通信方式は、Wi−Fi(Wireless Fidelity)規格の通信方式、WiMAX(World Interoperability for Microwave Access)規格の通信方式、CDMA(Code Division Multiple Access) 1x/EVDO(Evolution Data Only)規格の通信方式を含むことを特徴とする付記9乃至12のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【0094】
(付記14)前記第1の時間、及び前記第2の時間は、CDMA 1x/EVDO、WiMAX及びWi−Fiの順に長いことを特徴とする付記13に記載の無線通信方法。
【符号の説明】
【0095】
1,21 無線通信端末
2 無線通信部
3 制御部
4 第1のタイマー
5 第2のタイマー
6 タイマー
11,12,22,25,28 ネットワーク
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線通信端末及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボタン電話装置に収容可能なWLAN(Wireless Local Area Network、ワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク)端末とPHS(Personal Handyphone System、パーソナル・ハンディフォン・システム)端末とを使用した移動通信システムがある。このような移動通信システムにおいて、WLAN端末が、ボタン電話装置に収容している電話機との通話中にハンドオーバーを開始すると、ボタン電話装置は通話をWLAN端末からPHS端末へと切り替えることによりハンドオーバーを実行するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、複数の通信方式に対応可能な無線通信端末がある。このような無線通信端末において、圏外状態において通信開始の要求がなされると、圏外状態にあると判定されてから捕捉試行処理を開始するまでの経過時間に応じて設定される時間幅で捕捉試行処理を実行するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
また、CDMA(Code Division Multiple Access、コード・ディヴィジョン・マルチプル・アクセス)とWiMAX(World Interoperability for Microwave Access、ワールド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス、WiMAXは登録商標)の両方の通信方式に対応した無線通信端末がある。この無線通信端末は、現在通信中の通信方式で基地局などの上位局との接続を維持できなくなると、一定期間、同じ通信方式での接続の再確立を試みた後、別の通信方式での接続の確立を試みる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−232142号公報
【特許文献2】特開2008−113249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の無線通信端末では、通信方式を切り替えるまでの時間が長いと、現在のネットワークとの接続が切れた状態で同じ通信方式での接続の再確立を試みる時間が長くなる。また、何れの通信方式でも接続を確立できない時に圏外とするまでの時間が長いと、接続が切れた状態の時間が長くなる。そのため、上位レイヤのアプリケーションでデータの送信あるいは受信を行えない時間が長くなってしまうという問題点がある。
【0007】
一方、通信方式を切り替えるまでの時間が短いと、現在のネットワークとの通信状態が悪化した時にすぐに接続先が別のネットワークに切り替わる。接続先が切り替わった直後に切り替え前のネットワークとの通信状態が改善すると、またすぐに接続先が切り替え前のネットワークに切り替わる、というように、二つの通信方式の間を頻繁に行ったり来たりする状態が起こってしまう。つまり、通信環境が安定しなくなるという問題点がある。このように通信環境が不安定になると、電池の消耗が激しくなったり、接続先のネットワークの切り替えに伴う処理が増えてデータの送信あるいは受信ができない時間が増えてしまう。
【0008】
通信環境の安定を図ることができる無線通信端末及び無線通信方法を提供することを目的とする。アプリケーションでのデータの送信あるいは受信を行えない時間を短くすることができる無線通信端末及び無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
無線通信端末は、無線通信部、制御部及びタイマーを備えている。無線通信部は、通信方式が異なる第1のネットワークと第2のネットワークのそれぞれに対応する通信方式による無線通信によって第1のネットワークと第2のネットワークのいずれかに接続する。制御部は、無線通信部が接続するネットワークの切り替えを制御する。タイマーは、無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過時に第1の時間の計時を終了し、無線通信状態に基づいて計時を開始し第1の時間より長い第2の時間の計時を終了する。
【0010】
そして、制御部は、タイマーが第1の時間の計時を終了するまでは無線通信部が接続する第1のネットワークを維持してこの第1のネットワークに対して再接続を試行する。また、制御部は、タイマーが第1の時間の計時を終了した時に接続可能な状態の第2のネットワークが存在する場合には、無線通信部の接続先をその第2のネットワークに切り替える。一方、制御部は、タイマーが第1の時間の計時を終了した時に接続可能な状態の第2のネットワークが存在しない場合には、タイマーが第2の時間の計時を終了するまで、タイマーが第1の時間の計時を終了するまで維持していた接続先の第1のネットワークに対して再接続を試行する。
【発明の効果】
【0011】
無線通信端末及び無線通信方法によれば、通信環境の安定を図ることができるという効果を奏する。また、アプリケーションでのデータの送信あるいは受信を行えない時間を短くすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施例1にかかる無線通信端末を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施例1にかかる無線通信方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、実施例2にかかる無線通信システムを示すブロック図である。
【図4】図4は、実施例2にかかる無線通信システムのサービスエリアの一例を示す模式図である。
【図5】図5は、実施例2にかかる無線通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、実施例2にかかる無線通信端末の機能的構成を示すブロック図である。
【図7】図7は、実施例2にかかる無線通信端末のタイマーと動作との関係を説明する模式図である。
【図8】図8は、実施例2にかかる無線通信端末のタイマーと動作との関係を説明する模式図である。
【図9】図9は、実施例2にかかる無線通信方法を説明するフローチャートである。
【図10】図10は、図9の続きを示すフローチャートである。
【図11】図11は、実施例2にかかる無線通信方法を説明するフローチャートである。
【図12】図12は、図11の続きを示すフローチャートである。
【図13】図13は、実施例2にかかる無線通信方法を説明するフローチャートである。
【図14】図14は、図13の続きを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この無線通信端末及び無線通信方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下の各実施例の説明においては、同様の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0014】
(実施例1)
・無線通信端末の説明
図1は、実施例1にかかる無線通信端末を示すブロック図である。図1に示すように、無線通信端末1は、無線通信部2、制御部3、タイマー6を備えている。タイマー6は、第1のタイマー4及び第2のタイマー5を備えていてもよい。タイマー6は、一つのタイマーを備えた構成であっても、第1のタイマー4と第2のタイマー5を備えた複数のタイマーを備えた構成であってもよい。一つのタイマーで構成する場合は、タイマー6が後述する第1の時間や第2の時間を計測すればよい。但し、以下の実施の形態では、第1の時間を計時する第1のタイマー4と、第2の時間を計時する第2のタイマー5を備えている構成を一例として説明する。
【0015】
無線通信部2は、通信方式が異なる第1のネットワーク11と第2のネットワーク12のそれぞれに対応する通信方式による無線通信によって第1のネットワーク11と第2のネットワーク12のいずれかに接続する。制御部3は、無線通信部2が接続するネットワーク11,12の切り替えを制御する。第1のタイマー4は、無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過時に第1の時間の計時を終了する。第2のタイマー5は、無線通信状態に基づいて計時を開始し第1の時間より長い第2の時間の計時を終了する。
【0016】
そして、制御部3は、第1のタイマー4が第1の時間の計時を終了するまでは無線通信部2が接続する第1のネットワーク11を維持してこの第1のネットワーク11に対して再接続を試行する。第1のタイマー4が第1の時間の計時を終了した時に、接続可能な状態の第2のネットワーク12が存在する場合と存在しない場合とがある。
【0017】
第2のネットワーク12が存在する場合には、制御部3は、無線通信部2の接続先をその第2のネットワーク12に切り替える。第2のネットワーク12が存在しない場合には、制御部3は、第2のタイマー5が第2の時間の計時を終了するまで、第1のタイマー4が第1の時間の計時を終了するまで接続先として維持していた第1のネットワーク11に対して再接続を試行する。
【0018】
・無線通信方法の説明
図2は、実施例1にかかる無線通信方法を示すフローチャートである。図2に示すように、基地局やアクセスポイントなどの上位局との無線接続処理が開始されると、無線通信端末1の無線通信部2は、接続可能な状態のネットワークのうち、第1のネットワーク11に、第1のネットワーク11に対応する通信方式によって接続する(ステップS1)。そして、第1のネットワーク11との無線通信状態が所定の状態になるまで(ステップS2:No)、無線通信部2は、第1のネットワーク11との接続を継続する(ステップS1)。
【0019】
第1のネットワーク11との無線通信状態が所定の状態、例えば通信中の第1のネットワーク11との通信接続環境が悪化して通信できない状態や、接続が不安定な状態になると(ステップS2:Yes)、無線通信端末1の制御部3は、第1のタイマー4が計時する第1の時間が終了するまで(ステップS4:No)、接続先として第1のネットワーク11を維持する。そして、制御部3は、無線通信部2により、現在のネットワーク、すなわち第1のネットワーク11に対して、第1のネットワーク11に対応する通信方式によって再接続を試行する(ステップS3)。
【0020】
一方、第1の時間が終了した時に(ステップS4:Yes)、別の通信方式により接続可能な状態の第2のネットワーク12が存在する場合には(ステップS5:Yes)、制御部3は、無線通信部2の接続先を第2のネットワーク12に切り替える。そして、制御部3は、無線通信部2により、第2のネットワーク12に対して、第2のネットワーク12に対応する通信方式によって接続し(ステップS8)、一連の処理を終了する。第2のネットワーク12に接続中に無線通信状態が所定の状態、例えば通信中の第2のネットワーク12との通信接続環境が悪化して通信できない状態や、接続が不安定な状態になると、ステップS3以降の処理が行われる。
【0021】
一方、別の通信方式により接続可能な状態の第2のネットワーク12が存在しない場合には(ステップS5:No)、制御部3は、無線通信部2により、現在のネットワーク、すなわち第1のネットワーク11に対して、第1のネットワーク11に対応する通信方式によって再接続を試行する(ステップS6)。制御部3は、第2のタイマー5が計時する第2の時間が終了するまで(ステップS7:No)、現在のネットワークへの再接続を試行し続ける。
【0022】
第2の時間が終了すると(ステップS7:Yes)、制御部3は、無線通信状態を圏外とし、一連の処理を終了する。圏外の状態から再び接続可能な状態のネットワークが存在する状態に復帰すると、ステップS1以降の処理が行われる。
【0023】
実施例1によれば、現在の接続先のネットワークとの通信状態が悪化した場合、第1の時間が経過した時点で、無線通信端末1は、接続可能な状態にある別のネットワークに接続先を切り替える。従って、第2の時間が経過するまで切り替え前のネットワークに対して再接続を試みる場合に比べて、アプリケーションでのデータの送信あるいは受信を行えない時間を短くすることができる。
【0024】
また、実施例1によれば、現在の接続先のネットワークとの通信状態が悪化した場合、第1の時間が経過するまでは、無線通信端末1は、現在の接続先のネットワークへの再接続を試みる。従って、複数の通信方式のいずれにおいても通信状態が不安定である場合に、複数の通信方式の間を頻繁に行ったり来たりする状態が起こるのを避けることができる。従って、通信環境の安定を図ることができる。
【0025】
また、実施例1によれば、第1の時間が終了した時点で、接続可能な状態にある別のネットワークが存在しない場合、第2の時間が終了するまで、無線通信端末1は、現在の接続先のネットワークへの再接続を試みる。従って、第1の時間が終了した後、第2の時間が終了する前に、現在の接続先のネットワークとの通信状態が改善されると、無線通信端末1は、再び現在の接続先のネットワークに接続するので、接続性の高い無線通信端末1を提供することができる。
【0026】
(実施例2)
実施例2では、無線通信端末が、特に限定しないが、例えばWi−Fi(Wireless Fidelity、ワイヤレス・フィデラティ、Wi−Fiは登録商標)、WiMAX及びCDMAの三つの通信方式に対応したマルチモード端末であるとする。CDMAには、CDMA 1x/EVDO(Evolution Data Only、エボリューション・データ・オンリー)の通信方式が含まれていてもよい。以下の説明では、CDMAの表記には、CDMA 1x/EVDOも含まれているとする。なお、マルチモード端末が対応する通信方式は、二つであってもよいし、四つ以上であってもよい。
【0027】
・無線通信システムの説明
図3は、実施例2にかかる無線通信システムを示すブロック図である。図3に示すように、無線通信システムは、無線通信端末21、Wi−Fiアクセスネットワーク22、WiMAXアクセスネットワーク25、CDMAアクセスネットワーク28及びIPコアネットワーク31を備えている。
【0028】
Wi−Fiアクセスネットワーク22は、PDIF(Packet Data Interface、パケット・データ・インタフェース)23及びWi−Fiアクセスポイント24を含む。無線通信端末21は、Wi−Fi規格の通信方式によってWi−Fiアクセスポイント24に接続する。PDIF23は、Wi−Fiアクセスポイント24及びIPコアネットワーク31のHA(Home Agent、ホーム・エージェント)33に接続されている。PDIF23は、Wi−Fiアクセスポイント24とHA33との間でデータの送信あるいは受信を行う。
【0029】
WiMAXアクセスネットワーク25は、ASN−GW(Access Service Network Gateway、アクセス・サービス・ネットワーク・ゲートウェイ)26及びWiMAX基地局27を含む。無線通信端末21は、WiMAX規格の通信方式によってWiMAX基地局27に接続する。ASN−GW26は、WiMAX基地局27及びHA33に接続されている。ASN−GW26は、WiMAX基地局27とHA33との間でデータの送信あるいは受信を行う。
【0030】
CDMAアクセスネットワーク28、PDSN(Packet Data Serving Node、パケット・データ・サービング・ノード)29及びCDMA基地局30を含む。無線通信端末21は、CDMA規格の通信方式によってCDMA基地局30に接続する。PDSN29は、CDMA基地局30及びHA33に接続されている。PDSN29は、CDMA基地局30とHA33との間でデータの送信あるいは受信を行う。Wi−Fiアクセスポイント24、WiMAX基地局27及びCDMA基地局30は、無線通信端末21に対してネットワーク側の上位局(親局)にあたる。
【0031】
IPコアネットワーク31は、HAAA(Home Authentication, Authorization and Accounting、ホーム・オーセンティケーション・オーソリゼーション・アンド・アカウンティング)32及びHA33を含む。HA33は、無線通信端末21の位置情報を管理し、Wi−Fiアクセスネットワーク22、WiMAXアクセスネットワーク25及びCDMAアクセスネットワーク28とHAAA32との間でIPパケットなどのデータの送信あるいは受信を行う。HAAA32は、認証、承認及び課金を行うサーバである。
【0032】
・無線通信システムのサービスエリアの一例
図4は、実施例2にかかる無線通信システムのサービスエリアの一例を示す模式図である。図4に示すように、例えば、CDMAでは、基地局あたりのカバー範囲41,42が広く、圏外となるエリアが少ない。WiMAXでは、基地局あたりのカバー範囲43,44,45,46がCDMAのカバー範囲41,42よりも狭い中程度の広さであり、カバー範囲43,44,45,46の間に圏外となるエリアが存在することがある。Wi−Fiでは、アクセスポイントのカバー範囲47,48がさらに狭く局所的となることがある。
【0033】
このようなネットワーク側の上位局の配置によるサービスエリアの広狭や配置、圏外となるエリアの配置及び通信速度などの種々の状況に応じて、無線通信端末21が接続する際の優先順位が決められていてもよい。例えば、Wi−Fiの優先順位が一番高く、次いで、WiMAXが高く、次いでCDMAの順でもよい。以下、一例として優先順位がWi−Fi、WiMAX、CDMAであるとして説明する。
【0034】
・無線通信端末のハードウェア構成の説明
図5は、実施例2にかかる無線通信端末のハードウェア構成を示すブロック図である。図5に示すように、無線通信端末21は、無線通信部として例えばWi−Fi、WiMAX及びCDMAのそれぞれに対応するWi−Fi送受信部51、WiMAX送受信部52及びCDMA送受信部53を備えている。Wi−Fi送受信部51、WiMAX送受信部52及びCDMA送受信部53には、それぞれWi−Fi用のアンテナ63、WiMAX用のアンテナ62及びCDMA用のアンテナ61が接続されている。
【0035】
無線通信端末21は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)54、液晶ディスプレイなどの表示部55、マイク56、スピーカ57、及びキーパッドなどの入力部58の各モジュールを備えている。また、無線通信端末21は、RAM(Random Access Memory、ランダム・アクセス・メモリ)やROM(Read Only Memory、リード・オンリー・メモリ)やフラッシュメモリなどの記憶部59のモジュールを備えている。
【0036】
記憶部59は、後述する無線通信方法を実現するプログラムやアプリケーション・プログラムを格納していてもよい。無線通信方法を実現するプログラムやアプリケーション・プログラムは、例えば記憶部59から読み出されてCPU54で実行される。Wi−Fi送受信部51、WiMAX送受信部52及びCDMA送受信部53は、各モジュール55〜59とともに、CPU54により制御される。
【0037】
・無線通信端末の機能的構成の説明
図6は、実施例2にかかる無線通信端末の機能的構成を示すブロック図である。図6に示すように、無線通信端末21は、プロトコル処理部71及びアプリケーション処理部78を有する。プロトコル処理部71は、通信制御を行うとともに、Wi−Fi送受信部51、WiMAX送受信部52及びCDMA送受信部53とアプリケーション処理部78との間でデータの受け渡しを行う。プロトコル処理部71は、後述する無線通信方法を実現するプログラムをCPU54が実行することにより実現される。
【0038】
アプリケーション処理部78は、アプリケーションを実行する。アプリケーション処理部78は、アプリケーション・プログラムをCPU54が実行することにより実現されてもよい。
【0039】
プロトコル処理部71は、Wi−Fi制御部72及びWiMAX制御部73、CDMA制御部74を備えている。Wi−Fi制御部72は、Wi−Fi送受信部51を制御し、Wi−Fi送受信部51との間でデータの受け渡しを行う。WiMAX制御部73は、WiMAX送受信部52を制御し、WiMAX送受信部52との間でデータの受け渡しを行う。CDMA制御部74は、CDMA送受信部53を制御し、CDMA送受信部53との間でデータの受け渡しを行う。
【0040】
プロトコル処理部71は、記憶部75、タイマー管理部76、及び制御部として切替制御部77を有する。切替制御部77は、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73及びCDMA制御部74に対し、通信方式の切り替えを制御する。切替制御部77は、アプリケーション処理部78との間でデータの受け渡しを行う。
【0041】
記憶部75には、第1の時間であるt1時間を計時する第1のタイマーとして例えばt1タイマー、及び第2の時間であるt2時間(t1<t2)を計時する第2のタイマーとして例えばt2タイマーがソフトウェアとして実現されていてもよい。t2タイマーは、t1タイマーよりも後で計時を終了する。例えばt1タイマーとt2タイマーとが同時に計時を開始する場合には、t2時間がt1時間よりも長い。無線通信端末21は、t1時間の間、Wi−Fi、WiMAX及びCDMAの各通信方式において、同じ通信方式での再接続動作を継続してもよい。無線通信端末21は、t2時間の間、ネットワーク側から割り当てられたIPアドレスなどの識別情報を保持していてもよい。タイマー管理部76は、t1タイマー及びt2タイマーを管理する。
【0042】
t1時間及びt2時間は、通信方式ごとに決められていてもよい。例えば、基地局やアクセスポイントなどの上位局が密に配置されていて、エリアカバー率が高いシステムでは、t1時間を短くして、他のシステムへの切り替えを早くしてもよい。上述した三つの通信方式のシステムでは、CDMAがエリアカバー率の高いシステムに該当する。CDMAの場合の一例として、t1時間は3秒であってもよいし、t2時間は30秒であってもよい。
【0043】
また、上位局の配置が疎であり、エリアカバー率が低いシステムでは、t1時間を長くして、同じシステムでの再接続を試み、他のシステムへ切り替え難くしてもよい。上述した三つの通信方式のシステムでは、WiMAXがエリアカバー率の低いシステムに該当する。WiMAXの場合の一例として、t1時間は5秒であってもよいし、t2時間は50秒であってもよい。
【0044】
また、基本的に上位局間でハンドオフをしないで一つの上位局のもとで通信を行うようなシステムでは、t1時間及びt2時間の両方を長くしてもよい。上述した三つの通信方式のシステムでは、Wi−Fiがハンドオフをしないようなシステムに該当する。Wi−Fiの場合の一例として、t1時間は10秒であってもよいし、t2時間は120秒であってもよい。
【0045】
・タイマーと動作との関係
図7は、実施例2にかかる無線通信端末のタイマーと動作との関係を説明する模式図である。図7に示すように、t1タイマー及びt2タイマーは、接続中のネットワークに対する待ち受け状態の時に無線通信状態が悪化した時点T1で例えば同時に起動されてもよい。図7に示す例では、無線通信端末21は、例えばWi−Fiアクセスネットワーク22に接続中である。この例では、第1のネットワークはWi−Fiアクセスネットワーク22である。Wi−Fiアクセスネットワーク22に接続中に例えばWi−Fi信号がドロップしたり、パケットロスが発生した場合に、ネットワークとの無線通信状態が悪化したとしてもよい。
【0046】
t1タイマーの起動中、無線通信端末21は、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)に対する待ち受け状態に復帰できるように、再スキャンのリトライ動作を継続する。その際、無線通信端末21は、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)だけでなく、他のネットワーク(WiMAXアクセスネットワーク25及びCDMAアクセスネットワーク28)についても接続可能な状態にあるか否かを調べている。
【0047】
t1タイマーの起動中に、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)に対して再度待ち受け状態に復帰すると、無線通信端末21は、t1タイマーを停止して接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)に対して通信を継続する。t1タイマーの起動中に、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)に対して再度待ち受け状態に復帰できない場合、無線通信端末21は、t1タイマーの満了時点T2において他に接続可能なネットワークがあるかを確認する。
【0048】
他に接続可能なネットワークがある場合には、無線通信端末21は、接続先を、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)から接続可能な他のネットワークに切り替える。その際、無線通信端末21は、接続に対する優先順位の高い順に接続してもよい。
【0049】
例えば、優先順位が高い順にWi−Fi、WiMAX及びCDMAである場合で、WiMAXアクセスネットワーク25に接続可能な場合には、無線通信端末21は、接続先をWiMAXアクセスネットワーク25に切り替える。この場合の第2のネットワークはWiMAXアクセスネットワーク25である。WiMAXアクセスネットワーク25が接続可能な状態になく、CDMAアクセスネットワーク28に接続可能な場合には、無線通信端末21は、接続先をCDMAアクセスネットワーク28に切り替える。この場合の第2のネットワーク12はCDMAアクセスネットワーク28である。
【0050】
一方、t1タイマーの満了時点T2において他に接続可能なネットワークがない場合もある。この場合には、t2タイマーが満了するまで、無線通信端末21は、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)に対する待ち受け状態に復帰できるように、再スキャンのリトライ動作を継続する。
【0051】
図8は、実施例2にかかる無線通信端末のタイマーと動作との関係を説明する模式図である。図8に示すように、t2タイマーの起動中に、接続中のネットワーク(Wi−Fiアクセスネットワーク22)に対して再度待ち受け状態に復帰できない場合がある。この場合には、t2タイマーの満了時点T3において、無線通信端末21は、ネットワーク側から割り当てられたIPアドレスなどの識別情報を解放して、圏外状態となる。
【0052】
・無線通信方法の説明
・Wi−Fi方式で通信中の例
図9は、実施例2にかかる無線通信方法を説明するフローチャートである。図10は、図9の続きを示すフローチャートである。図9に示すように、無線通信方法が開始されると、無線通信端末21のWi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、Wi−Fi、WiMAX及びCDMAに対してスキャン動作及び待ち受け動作を行う(ステップS11)。その結果、無線通信端末21は、例えばWi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態となる(ステップS12)。
【0053】
スキャンの結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22が接続可能な状態になく、WiMAXアクセスネットワーク25が接続可能な状態にある場合には、無線通信端末21は、WiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態となる。スキャンの結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22及びWiMAXアクセスネットワーク25がともに接続可能な状態になく、CDMAアクセスネットワーク28が接続可能な状態にある場合には、無線通信端末21は、CDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態となる。ここでは、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態になったとする。この場合の第1のネットワークはWi−Fiアクセスネットワーク22である。
【0054】
Wi−Fi制御部72及び切替制御部77は、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して接続動作を行い(ステップS13)、Wi−Fi方式で通信中の状態となる(ステップS14)。Wi−Fi方式で通信中、待ち受け状態から、例えば無線通信端末21がWi−Fiアクセスポイント24からの信号をドロップして、例えばWi−Fiアクセスポイント24との同期が外れると、タイマー管理部76は、t1タイマー及びt2タイマーを起動する(ステップS15)。t1タイマーの動作中、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャン動作を行う(ステップS16)。なお、ステップS16において、WiMAX及びCDMAに対する再スキャン動作を省略してもよい。
【0055】
再スキャンが成功して(ステップS17:Yes)、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態に復帰できた場合、タイマー管理部76は、t1タイマーを停止する(ステップS18)。そして、無線通信端末21は、Wi−Fi制御部72によりWi−Fi方式で通信中の状態に復帰する(ステップS19)。再スキャンに失敗した場合(ステップS17:No)、t1タイマーが満了するまでの間(ステップS20:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャンを繰り返す(ステップS16〜ステップS20)。
【0056】
t1タイマーが満了したら(ステップS20:Yes)、図10に示すように、切替制御部77は、WiMAX方式で通信が可能か否か判断する(ステップS21)。WiMAX方式での通信が可能な状態にある場合(ステップS21:Yes)、タイマー管理部76は、t2タイマーを停止する(ステップS22)。また、切替制御部77は、通信方式をWiMAXに切り替える(ステップS23)。そして、無線通信端末21は、WiMAX制御部73によりWiMAX方式で通信中の状態となる(ステップS24)。この場合の第2のネットワークはWiMAXアクセスネットワーク25である。
【0057】
一方、WiMAX方式での通信が可能な状態にない場合(ステップS21:No)、切替制御部77は、CDMA方式で通信が可能か否か判断する(ステップS25)。CDMA方式での通信が可能な状態にある場合(ステップS25:Yes)、タイマー管理部76は、t2タイマーを停止する(ステップS26)。また、切替制御部77は、通信方式をCDMAに切り替える(ステップS27)。そして、無線通信端末21は、CDMA制御部74によりCDMA方式で通信中の状態となる(ステップS28)。この場合の第2のネットワークはCDMAアクセスネットワーク28である。
【0058】
一方、CDMA方式での通信が可能な状態にない場合(ステップS25:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャン動作を行う(ステップS29)。なお、ステップS29において、WiMAX及びCDMAに対する再スキャン動作を省略してもよい。
【0059】
再スキャンが成功して(ステップS30:Yes)、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態に復帰できた場合、タイマー管理部76は、t2タイマーを停止する(ステップS31)。そして、無線通信端末21は、Wi−Fi制御部72によりWi−Fi方式で通信中の状態に復帰する(ステップS32)。再スキャンに失敗した場合(ステップS30:No)、t2タイマーが満了するまでの間(ステップS33:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャンを繰り返す(ステップS29〜ステップS33)。
【0060】
t2タイマーが満了したら(ステップS33:Yes)、切替制御部77は、例えばIPアドレスなどの識別情報を解放し、圏外移行処理を行う(ステップS34)。それによって、無線通信端末21は圏外状態となる(ステップS35)。圏外状態の無線通信端末21は、ステップS11からの処理を繰り返す。
【0061】
・WiMAX方式で通信中の例
図11は、実施例2にかかる無線通信方法を説明するフローチャートである。図12は、図11の続きを示すフローチャートである。図11に示すように、無線通信方法が開始されると、無線通信端末21のWi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、Wi−Fi、WiMAX及びCDMAに対してスキャン動作及び待ち受け動作を行う(ステップS11)。その結果、無線通信端末21は、例えばWiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態となる(ステップS42)。
【0062】
スキャンの結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22が接続可能な状態にある場合には、無線通信端末21は、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態となる。スキャンの結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22及びWiMAXアクセスネットワーク25がともに接続可能な状態になく、CDMAアクセスネットワーク28が接続可能な状態にある場合には、無線通信端末21は、CDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態となる。ここでは、WiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態になったとする。この場合の第1のネットワークはWiMAXアクセスネットワーク25である。
【0063】
WiMAX制御部73及び切替制御部77は、WiMAXアクセスネットワーク25に対して接続動作を行い(ステップS43)、WiMAX方式で通信中の状態となる(ステップS44)。WiMAX方式で通信中、待ち受け状態から、例えば無線通信端末21がWiMAX基地局27からの信号をドロップすると、タイマー管理部76は、t1タイマー及びt2タイマーを起動する(ステップS45)。t1タイマーの動作中、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャン動作を行う(ステップS46)。なお、ステップS46において、Wi−Fi及びCDMAに対する再スキャン動作を省略してもよい。
【0064】
再スキャンが成功して(ステップS47:Yes)、WiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態に復帰できた場合、タイマー管理部76は、t1タイマーを停止する(ステップS48)。そして、無線通信端末21は、WiMAX制御部73によりWiMAX方式で通信中の状態に復帰する(ステップS49)。再スキャンに失敗した場合(ステップS47:No)、t1タイマーが満了するまでの間(ステップS50:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャンを繰り返す(ステップS46〜ステップS50)。
【0065】
t1タイマーが満了したら(ステップS50:Yes)、図12に示すように、切替制御部77は、CDMA方式で通信が可能か否か判断する(ステップS51)。CDMA方式での通信が可能な状態にある場合(ステップS51:Yes)、タイマー管理部76は、t2タイマーを停止する(ステップS52)。また、切替制御部77は、通信方式をCDMAに切り替える(ステップS53)。そして、無線通信端末21は、CDMA制御部74によりCDMA方式で通信中の状態となる(ステップS54)。この場合の第2のネットワークはCDMAアクセスネットワーク28である。
【0066】
一方、CDMA方式での通信が可能な状態にない場合(ステップS51:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャン動作を行う(ステップS55)。なお、ステップS55において、Wi−Fi及びCDMAに対する再スキャン動作を省略してもよい。
【0067】
再スキャンが成功して(ステップS56:Yes)、WiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態に復帰できた場合、タイマー管理部76は、t2タイマーを停止する(ステップS57)。そして、無線通信端末21は、WiMAX制御部73によりWiMAX方式で通信中の状態に復帰する(ステップS58)。再スキャンに失敗した場合(ステップS56:No)、t2タイマーが満了するまでの間(ステップS59:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャンを繰り返す(ステップS55〜ステップS59)。
【0068】
t2タイマーが満了したら(ステップS59:Yes)、切替制御部77は、例えばIPアドレスなどの識別情報を解放し、圏外移行処理を行う(ステップS60)。それによって、無線通信端末21は圏外状態となる(ステップS61)。圏外状態の無線通信端末21は、ステップS11からの処理を繰り返す。
【0069】
・CDMA方式で通信中の例
図13は、実施例2にかかる無線通信方法を説明するフローチャートである。図14は、図13の続きを示すフローチャートである。図13に示すように、無線通信方法が開始されると、無線通信端末21のWi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、Wi−Fi、WiMAX及びCDMAに対してスキャン動作及び待ち受け動作を行う(ステップS11)。その結果、無線通信端末21は、例えばCDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態となる(ステップS72)。
【0070】
スキャンの結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22が接続可能な状態にある場合には、無線通信端末21は、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態となる。スキャンの結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22が接続可能な状態になく、WiMAXアクセスネットワーク25が接続可能な状態にある場合には、無線通信端末21は、WiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態となる。ここでは、CDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態になったとする。この場合の第1のネットワークはCDMAアクセスネットワーク28である。
【0071】
CDMA制御部74及び切替制御部77は、CDMAアクセスネットワーク28に対して接続動作を行い(ステップS73)、CDMA方式で通信中の状態となる(ステップS74)。CDMA方式で通信中、待ち受け状態から、例えば無線通信端末21がCDMA基地局30からの信号をドロップすると、タイマー管理部76は、t1タイマー及びt2タイマーを起動する(ステップS75)。t1タイマーの動作中、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャン動作を行う(ステップS76)。なお、ステップS76において、Wi−Fi及びWiMAXに対する再スキャン動作を省略してもよい。
【0072】
再スキャンが成功して(ステップS77:Yes)、CDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態に復帰できた場合、タイマー管理部76は、t1タイマーを停止する(ステップS78)。そして、無線通信端末21は、CDMA制御部74によりCDMA方式で通信中の状態に復帰する(ステップS79)。再スキャンに失敗した場合(ステップS77:No)、t1タイマーが満了するまでの間(ステップS80:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャンを繰り返す(ステップS76〜ステップS80)。
【0073】
t1タイマーが満了した時点で(ステップS80:Yes)、図14に示すように、待ち受け中の通信網(ネットワーク)は存在しない(ステップS81)。つまり、接続可能な状態の第2のネットワークが存在しない。従って、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャン動作を行う(ステップS82)。なお、ステップS82において、Wi−Fi及びWiMAXに対する再スキャン動作を省略してもよい。
【0074】
再スキャンが成功して(ステップS83:Yes)、CDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態に復帰できた場合、タイマー管理部76は、t2タイマーを停止する(ステップS84)。そして、無線通信端末21は、CDMA制御部74によりCDMA方式で通信中の状態に復帰する(ステップS85)。再スキャンに失敗した場合(ステップS83:No)、t2タイマーが満了するまでの間(ステップS86:No)、Wi−Fi制御部72、WiMAX制御部73、CDMA制御部74及び切替制御部77は、再スキャンを繰り返す(ステップS82〜ステップS86)。
【0075】
t2タイマーが満了したら(ステップS86:Yes)、切替制御部77は、例えばIPアドレスなどの識別情報を解放し、圏外移行処理を行う(ステップS87)。それによって、無線通信端末21は圏外状態となる(ステップS88)。圏外状態の無線通信端末21は、ステップS11からの処理を繰り返す。
【0076】
以上のフローチャートにおいて、ステップS35、ステップS61及びステップS88で無線通信端末21が圏外状態となった後、ステップS11でスキャン動作及び待ち受け動作を行った結果、Wi−Fiアクセスネットワーク22に対して待ち受け状態となる場合には、ステップS12へ進む。WiMAXアクセスネットワーク25に対して待ち受け状態となる場合には、ステップS42へ進む。CDMAアクセスネットワーク28に対して待ち受け状態となる場合には、ステップS72へ進む。
【0077】
また、ステップS19及びステップS32でWi−Fi方式で通信中の状態に復帰した場合、ステップS14へ進む。ステップS24、ステップS49及びステップS58でWiMAXで通信中の状態になった場合、ステップS44へ進む。ステップS28、ステップS54、ステップS79及びステップS85でCDMAで通信中の状態になった場合、ステップS74へ進む。
【0078】
実施例2によれば、実施例1と同様の効果が得られる。
【0079】
なお、t2タイマーは、t1タイマーが満了するタイミングよりも後のタイミングで満了すれば、t1タイマーと同時に起動しなくてもよい。また、無線通信端末は、携帯電話機に限らず、複数の通信方式に対応した携帯情報端末、携帯型のゲーム機または種々の測定器などであってもよい。また、無線通信端末は、いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯電話機と携帯情報端末としての機能を併せ持つ端末であってもよい。また、実施例1及び実施例2において、タイマーは、ソフトウェアで実現されてもよいし、ハードウェアで実現されてもよい。また、タイマーの数は、一つでもよいし、二つ以上であってもよい。
【0080】
上述した実施例1、2に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0081】
(付記1)通信方式が異なる第1のネットワークと第2のネットワークのそれぞれに対応する通信方式による無線通信によって前記第1のネットワークと前記第2のネットワークのいずれかに接続する無線通信部と、前記無線通信部が接続するネットワークの切り替えを制御する制御部と、無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過時に第1の時間の計時を終了し、無線通信状態に基づいて計時を開始し前記第1の時間より長い第2の時間の計時を終了するタイマーと、を備え、前記制御部は、前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了するまでは前記無線通信部が接続する前記第1のネットワークを維持して該第1のネットワークに対して再接続を試行し、前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了した時に接続可能な状態の前記第2のネットワークが存在する場合には、前記無線通信部の接続先を該第2のネットワークに切り替え、前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了した時に接続可能な状態の前記第2のネットワークが存在しない場合には、前記タイマーが前記第2の時間の計時を終了するまで、前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了するまで維持していた接続先の前記第1のネットワークに対して再接続を試行することを特徴とする無線通信端末。
【0082】
(付記2)前記タイマーは、無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過した時に第1の時間の計時を終了する第1のタイマーと、無線通信状態に基づいて計時を開始し前記第1の時間より長い第2の時間の計時を終了する第2のタイマーと、を備えることを特徴とする付記1に記載の無線通信端末。
【0083】
(付記3)前記タイマーは、無線通信状態が悪化した時に計時を開始することを特徴とする付記1に記載の無線通信端末。
【0084】
(付記4)前記第1のタイマー及び前記第2のタイマーは、無線通信状態が悪化した時に計時を開始することを特徴とする付記2に記載の無線通信端末。
【0085】
(付記5)前記第1の時間及び前記第2の時間に基づく、計時開始から計時終了までの時間は、ネットワークごとに決められることを特徴とする付記1乃至4のいずれか一項に記載の無線通信端末。
【0086】
(付記6)前記制御部は、前記タイマーあるいは前記第2のタイマーが前記第2の時間の計時を終了した時に、前記第1のネットワークから割り当てられた識別情報を解放して圏外とすることを特徴とする付記1乃至5のいずれか一項に記載の無線通信端末。
【0087】
(付記7)前記通信方式は、Wi−Fi(Wireless Fidelity)規格の通信方式、WiMAX(World Interoperability for Microwave Access)規格の通信方式、CDMA(Code Division Multiple Access) 1x/EVDO(Evolution Data Only)規格の通信方式を含むことを特徴とする付記1乃至6のいずれか一項に記載の無線通信端末。
【0088】
(付記8)前記第1の時間に基づく計時開始から計時終了までの時間、及び前記第2の時間に基づく計時開始から計時終了までの時間は、CDMA 1x/EVDO、WiMAX及びWi−Fiの順に長いことを特徴とする付記7に記載の無線通信端末。
【0089】
(付記9)無線通信状態に基づいて開始され一定時間経過時に終了する第1の時間が終了するまで接続先の第1のネットワークを維持して該第1のネットワークに対して該第1のネットワークに対応する通信方式によって再接続を試行し、前記第1の時間が終了した時に別の通信方式により接続可能な状態の第2のネットワークが存在する場合には、接続先を該第2のネットワークに切り替え、前記第1の時間が終了した時に別の通信方式により接続可能な状態の第2のネットワークが存在しない場合には、無線通信状態に基づいて計時を開始し前記第1の時間より長い第2の時間が終了するまで、前記第1の時間が終了するまで維持していた接続先の前記第1のネットワークに対して再接続を試行することを特徴とする無線通信方法。
【0090】
(付記10)前記第1の時間及び前記第2の時間は、無線通信状態が悪化した時に開始することを特徴とする付記9に記載の無線通信方法。
【0091】
(付記11)前記第1の時間及び前記第2の時間は、ネットワークごとに決められることを特徴とする付記9または10に記載の無線通信方法。
【0092】
(付記12)前記第2の時間が終了した時に、前記第1のネットワークから割り当てられた識別情報を解放して圏外とすることを特徴とする付記9乃至11のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【0093】
(付記13)前記通信方式は、Wi−Fi(Wireless Fidelity)規格の通信方式、WiMAX(World Interoperability for Microwave Access)規格の通信方式、CDMA(Code Division Multiple Access) 1x/EVDO(Evolution Data Only)規格の通信方式を含むことを特徴とする付記9乃至12のいずれか一項に記載の無線通信方法。
【0094】
(付記14)前記第1の時間、及び前記第2の時間は、CDMA 1x/EVDO、WiMAX及びWi−Fiの順に長いことを特徴とする付記13に記載の無線通信方法。
【符号の説明】
【0095】
1,21 無線通信端末
2 無線通信部
3 制御部
4 第1のタイマー
5 第2のタイマー
6 タイマー
11,12,22,25,28 ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方式が異なる第1のネットワークと第2のネットワークのそれぞれに対応する通信方式による無線通信によって前記第1のネットワークと前記第2のネットワークのいずれかに接続する無線通信部と、
前記無線通信部が接続するネットワークの切り替えを制御する制御部と、
無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過時に第1の時間の計時を終了し、無線通信状態に基づいて計時を開始し前記第1の時間より長い第2の時間の計時を終了するタイマーと、
を備え、
前記制御部は、
前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了するまでは前記無線通信部が接続する前記第1のネットワークを維持して該第1のネットワークに対して再接続を試行し、
前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了した時に接続可能な状態の前記第2のネットワークが存在する場合には、前記無線通信部の接続先を該第2のネットワークに切り替え、
前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了した時に接続可能な状態の前記第2のネットワークが存在しない場合には、前記タイマーが前記第2の時間の計時を終了するまで、前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了するまで維持していた接続先の前記第1のネットワークに対して再接続を試行する
ことを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記タイマーは、無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過した時に第1の時間の計時を終了する第1のタイマーと、無線通信状態に基づいて計時を開始し前記第1の時間より長い第2の時間の計時を終了する第2のタイマーと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記タイマーは、無線通信状態が悪化した時に計時を開始することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記第1のタイマー及び前記第2のタイマーは、無線通信状態が悪化した時に計時を開始することを特徴とする請求項2に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記第1の時間及び前記第2の時間に基づく、計時開始から計時終了までの時間は、ネットワークごとに決められることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記制御部は、前記タイマーあるいは前記第2のタイマーが前記第2の時間の計時を終了した時に、前記第1のネットワークから割り当てられた識別情報を解放して圏外とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の無線通信端末。
【請求項7】
無線通信状態に基づいて開始され一定時間経過時に終了する第1の時間が終了するまで接続先の第1のネットワークを維持して該第1のネットワークに対して該第1のネットワークに対応する通信方式によって再接続を試行し、
前記第1の時間が終了した時に別の通信方式により接続可能な状態の第2のネットワークが存在する場合には、接続先を該第2のネットワークに切り替え、
前記第1の時間が終了した時に別の通信方式により接続可能な状態の第2のネットワークが存在しない場合には、無線通信状態に基づいて計時を開始し前記第1の時間より長い第2の時間が終了するまで、前記第1の時間が終了するまで維持していた接続先の前記第1のネットワークに対して再接続を試行する
ことを特徴とする無線通信方法。
【請求項1】
通信方式が異なる第1のネットワークと第2のネットワークのそれぞれに対応する通信方式による無線通信によって前記第1のネットワークと前記第2のネットワークのいずれかに接続する無線通信部と、
前記無線通信部が接続するネットワークの切り替えを制御する制御部と、
無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過時に第1の時間の計時を終了し、無線通信状態に基づいて計時を開始し前記第1の時間より長い第2の時間の計時を終了するタイマーと、
を備え、
前記制御部は、
前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了するまでは前記無線通信部が接続する前記第1のネットワークを維持して該第1のネットワークに対して再接続を試行し、
前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了した時に接続可能な状態の前記第2のネットワークが存在する場合には、前記無線通信部の接続先を該第2のネットワークに切り替え、
前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了した時に接続可能な状態の前記第2のネットワークが存在しない場合には、前記タイマーが前記第2の時間の計時を終了するまで、前記タイマーが前記第1の時間の計時を終了するまで維持していた接続先の前記第1のネットワークに対して再接続を試行する
ことを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記タイマーは、無線通信状態に基づいて計時を開始し一定時間経過した時に第1の時間の計時を終了する第1のタイマーと、無線通信状態に基づいて計時を開始し前記第1の時間より長い第2の時間の計時を終了する第2のタイマーと、を備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記タイマーは、無線通信状態が悪化した時に計時を開始することを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記第1のタイマー及び前記第2のタイマーは、無線通信状態が悪化した時に計時を開始することを特徴とする請求項2に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記第1の時間及び前記第2の時間に基づく、計時開始から計時終了までの時間は、ネットワークごとに決められることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記制御部は、前記タイマーあるいは前記第2のタイマーが前記第2の時間の計時を終了した時に、前記第1のネットワークから割り当てられた識別情報を解放して圏外とすることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の無線通信端末。
【請求項7】
無線通信状態に基づいて開始され一定時間経過時に終了する第1の時間が終了するまで接続先の第1のネットワークを維持して該第1のネットワークに対して該第1のネットワークに対応する通信方式によって再接続を試行し、
前記第1の時間が終了した時に別の通信方式により接続可能な状態の第2のネットワークが存在する場合には、接続先を該第2のネットワークに切り替え、
前記第1の時間が終了した時に別の通信方式により接続可能な状態の第2のネットワークが存在しない場合には、無線通信状態に基づいて計時を開始し前記第1の時間より長い第2の時間が終了するまで、前記第1の時間が終了するまで維持していた接続先の前記第1のネットワークに対して再接続を試行する
ことを特徴とする無線通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−78065(P2013−78065A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218012(P2011−218012)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(310022372)富士通モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(310022372)富士通モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】
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