説明

無線通信端末

【課題】端末間通信の通信を開始可能となる確率を向上させる無線通信端末を提供する。
【解決手段】周波数選択部が、あらかじめ設定された周波数チャネルセットの中から1つの周波数チャネルをランダムに選択する。送信部は選択された周波数チャネルでプローブ要求を送信する。判断部は、周波数選択部で選択された周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断する。無線通信端末は、判断部の判断が肯定的な場合に、この周波数チャネルで他の無線通信端末と直接的に通信を実行する。判断部の判断が否定的な場合に、送信部は周波数選択部で選択された次の周波数チャネルでプローブ要求を送信し、判断部は次の周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンに代表される多機能携帯電話が普及している。今後、多機能携帯電話の販売量はさらに大きく伸びるものと予測されている。一般的に多機能携帯電話には近接無線通信用のインターフェース(無線LANまたはブルートゥース(登録商標)を利用した通信インターフェース)を有しており、多機能携帯電話の魅力の一因となっている。
【0003】
携帯電話以外の携帯型機器においても、無線LANまたはブルートゥースを利用した通信が可能となりつつある。例えば、非特許文献1に開示されているように、任天堂株式会社のゲーム機器で実行可能なすれ違い通信(StreetPass Communication)では、互いに接近している移動可能なゲーム機器同士で通信が可能である。すなわち、基地局を介さずに端末間での直接的な通信が可能である。以下、端末間での直接的な通信を「端末間通信」と呼ぶ。すれ違い通信には、IEEE 802.11(非特許文献2)が使用される。
【0004】
図1を参照して、無線LANにおける一般的な通信相手発見手段であるActive Scanning(非特許文献2のSubclause 11.3.2に記載)を説明する。Active Scanningを開始した(ステップ101)無線通信端末は、ある周波数チャネルでProbe Request(プローブ要求)と呼ばれる通信相手を発見するためのフレームを同報的に送信することを開始する(ステップ102)。Probe Requestの送信開始後、無線通信端末はProbeTimerをスタートし(ステップ103)、ProbeTimerのスタート後の一定期間(MinChannelTime)以内に、PHY-CCA.indication (busy)という通知が物理レイヤからMAC(medium access control)レイヤに渡されたか否かを判断する(ステップ104)。MinChannelTime)以内にPHY-CCA.indication (busy)が物理レイヤからMAC(medium access control)レイヤに通知されなかった場合、無線通信端末は、次の周波数チャネルのスキャンを開始する(ステップ105)。一方、MinChannelTime以内にPHY-CCA.indication (busy)が物理レイヤから発生した場合(ステップ104)、受信したProbe Responseの処理を、無線通信端末は、ProbeTimerのスタートからMaxChannelTime後に開始する(ステップ106)。
【0005】
図2のシーケンス図を参照して、Active Scanningをさらに説明する。図2において、通信相手を探索する無線通信端末をSTA1とし、通信相手の無線通信端末をSTA2とする。通信相手を探索する端末STA1は、スキャンする周波数チャネル決定後、Probe Requestを同報的に送信し始める。Probe requestを受信した端末STA2は、Probe Response(プローブ応答)フレームをDIFS(DCF (distributed coordination function) Interframe Space)後に送信する。Probe Responseフレームを受信した端末STA1は、SIFS(Short Interframe Space)後に、ACK(acknowledgment)フレームを送信する。Probe Requestの送信開始からMaxChannelTime経過後、端末STA1は受信したProbe Responseの処理を開始し、通信相手を決定する。このようにして、端末STA1は端末STA2を通信相手として決定する。
【0006】
PHY-CCA.indication (busy)とは、物理レイヤからMACレイヤへ、周波数チャネルが他の無線通信端末により使用されている状態にあることを通知するプリミティブ(命令)である。無線通信端末の物理レイヤは、Probe Response を受信すると、PHY-CCA.indication (busy)をMACレイヤに通知する。PHY-CCA.indication (busy)があるということは、他の無線通信端末からProbe Responseを受信したということであり、その周波数チャネルを現在使用している他の無線通信端末があり、その無線通信端末と通信できる可能性があるということである。PHY-CCA.indication (busy)がないということは、他の無線通信端末からProbe Responseを受信していないことであり、その周波数チャネルを現在使用している他の無線通信端末がないということである。上記のステップ104では、PHY-CCA.indication (busy)があれば、その周波数チャネルに通信相手の候補があるとみなし、PHY-CCA.indication (busy)がなければ、その周波数チャネルに通信相手の候補があるとみなす。
【0007】
MinChannelTimeは、非特許文献2のSubclause 10.3.2.1.2において、スキャンのときに各周波数チャネルについて費やされる最小時間として定義されている。ProbeTimerのスタート後に、MinChannelTime経過しても、Probe Responseが受信されなければ、次の周波数チャネルがスキャンされる。MaxChannelTimeは、非特許文献2のSubclause 10.3.2.1.2において、スキャンのときに各周波数チャネルについて費やされる最大時間として定義されている。MaxChannelTimeは、MinChannelTime以上の時間であって、ProbeTimerのスタートからMaxChannelTimeの経過前に受信されたProbe Responseは無線通信端末で処理される。
【0008】
MinChannelTimeの値、およびMaxChannelTimeの値は、SME(Station Management Entity)が生成するMLME-SCAN.requestプリミティブにより、MLME(MAC sublayer management entity)に固定的に設定される値である。スキャンする周波数チャネルについても、MLME-SCAN.requestプリミティブにより、ChannelListというパラメータによりSMEよりMLMEへ通知される。ChannelListは、端末が利用可能な物理周波数チャネルのリストである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】andriasang.com、"Nintendo Brings New Services to 3DS"、[online]、[平成23年3月17日検索]、インターネット(URL:http://www.andriasang.com/e/blog/2010/09/30/3ds_services/)
【非特許文献2】IEEE Computer Society、"IEEE Std 802.11.TM-2007"、IEEE Standard for Information technology、Telecommunications and information exchange between systems、Local and metropolitan area networks、Specific requirements、Part 11: Wireless LAN Medium Access Control (MAC) and Physical Layer (PHY) Specifications、2007年6月12日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、現在の無線LANにおける端末間通信では、通信相手端末の発見に長い時間を要するという課題がある。
【0011】
上記のActive Scanningにおいては、端末が利用可能な周波数チャネルをシーケンシャルにスキャンする。また、周波数チャネルの各々をスキャンする最小時間(MinChannelTime)は一定時間である。例えば、2つの無線通信端末が、端末間通信を開始するために、チャネル番号の昇順に周波数チャネルをスキャンすると想定する。つまり、番号1の周波数チャネルをスキャンし、通信相手が見つからなければ、番号2の周波数チャネルをスキャンするというようにである。これらの2つの無線通信端末は、独立して、同じ順序で周波数チャネルをスキャンする。しかし、2つの無線通信端末のスキャン開始の時刻が異なる場合には、2つの無線通信端末がスキャンする周波数チャネルは常に異なってしまい、いつまでも各無線通信端末は通信相手を発見できない。この場合、端末間通信が開始できない。通信相手を認識するには、両方の無線通信端末が同じ周波数チャネルをスキャンすることが必要である。
【0012】
たとえ通信相手端末の発見が可能であったとしても、それに要する時間が、2つの無線通信端末が接近している時間よりも長い場合には、端末間通信が開始できないことになる。無線通信端末は多くの場合移動可能であり、その場合、両方が接近している時間は限られる。
【0013】
上記の課題を解決するために、あらかじめ無線LAN端末間通信にて使用する周波数チャネルを固定的に限定することが考えられる。例えば、1つまたは2つの周波数チャネルに限定することが考えられる。しかしながら、万が一固定的に設定された周波数チャネルが、例えば電子レンジ等の強い電磁波源から干渉を受けやすい周波数である場合、あるいは特定のレギュレーション下では使用できない周波数であると、端末間にて通信を行うことは不可能となる。
【0014】
本発明は上記の課題を鑑みてなされたもので、端末間通信の通信を開始可能となる確率を向上させ、端末間通信の開始までに要する時間を短縮することを可能とする無線通信端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る無線通信端末は、あらかじめ設定された周波数チャネルセットの中から1つの周波数チャネルをランダムに選択する周波数選択部と、前記周波数選択部で選択された周波数チャネルでプローブ要求を送信する送信部と、前記周波数選択部で選択された周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断する判断部と、前記判断部の判断が肯定的な場合に、前記周波数チャネルで前記他の無線通信端末と直接的に通信を実行する直接通信実行部とを備え、前記判断部の判断が否定的な場合に、前記送信部は、前記周波数選択部で選択された次の周波数チャネルでプローブ要求を送信し、前記判断部は、前記次の周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断する。
【0016】
本発明によれば、無線通信端末は、周波数チャネルをランダムに選択し、ランダムに選択された周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断する。他の無線通信端末も同様に、周波数チャネルをランダムに選択し、ランダムに選択された周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断する。したがって、2つの無線通信端末が通信相手を発見するために同じ周波数チャネルを用いる機会が増加し、端末間通信の通信を開始可能となる確率を向上させることが可能である。このため、通信相手端末の発見の高速化が可能となり、結果として、端末間通信の開始までに要する時間を短縮することが可能となる。
【0017】
無線通信端末は、前記判断部が他の無線通信端末と通信可能か否かを判断するための判断時間を、各周波数チャネルについて、ランダムに決定するスキャン時間決定部をさらに備えてもよい。各周波数チャネルについて判断時間をランダムに決定することにより、2つの無線通信端末が通信相手を発見するために同じ周波数チャネルを用いる機会が増加する。
【0018】
前記スキャン時間決定部は、あらかじめ設定された最大限度を超えないように前記判断時間を決定してもよい。すなわち、ランダムに決定される判断時間に最大限度を設けてもよい。このようにして、各周波数チャネルについて他の無線通信端末と通信可能か否か判断するための判断時間を、長すぎないように制限することができる。
前記スキャン時間決定部は、あらかじめ設定された最小限度を下回らないように前記判断時間を決定してもよい。すなわち、ランダムに決定される判断時間に最小限度を設けてもよい。このようにして、各周波数チャネルについて他の無線通信端末と通信可能か否か判断するための判断時間を、短すぎないように制限することができる。
【0019】
前記スキャン時間決定部は、前記送信部が前記プローブ要求を送信することを開始する時刻であって、前記判断部が他の無線通信端末と通信可能か否かを判断するための前記判断時間の起点である検索開始時刻を、各周波数チャネルについて、ランダムに決定してもよい。各周波数チャネルについて検索開始時刻をランダムに決定することにより、2つの無線通信端末が通信相手を発見するために同じ周波数チャネルを用いる機会が増加する。
【0020】
前記スキャン時間決定部は、ある周波数チャネルについての検索開始時刻と次の周波数チャネルについての検索開始時刻との相違である検索間隔があらかじめ設定された最大限度を超えないように、次の周波数チャネルについての検索開始時刻を決定してもよい。すなわち、ある周波数チャネルについての検索開始時刻と次の周波数チャネルについての検索開始時刻との相違である検索間隔に最大限度を設けてもよい。このようにして、検索間隔を長すぎないように制限することができる。
前記スキャン時間決定部は、ある周波数チャネルについての検索開始時刻と次の周波数チャネルについての検索開始時刻との相違である検索間隔があらかじめ設定された最小限度を下回らないように、次の周波数チャネルについての検索開始時刻を決定してもよい。すなわち、ある周波数チャネルについての検索開始時刻と次の周波数チャネルについての検索開始時刻との相違である検索間隔に最小限度を設けてもよい。このようにして、検索間隔を短すぎないように制限することができる。
【0021】
前記周波数選択部は、前記周波数選択部は、あらかじめ設定された周波数チャネルセットの中から複数の周波数チャネルをランダムに選択し、これらの周波数を順序付け、前記送信部は、前記順序付けに従って次の周波数チャネルでプローブ要求を送信し、前記判断部は、前記順序付けに従って前記次の周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断してもよい。このように、一度に複数の周波数チャネルをランダムに選択することにより、周波数チャネルを選択する工程を削減することができる。
【0022】
前記スキャン時間決定部は、他の無線通信端末から受信された前記プローブ要求への応答の処理を開始するための待機時間を、各周波数チャネルについて、ランダムに決定してもよい。各周波数チャネルについて待機時間をランダムに決定することにより、2つの無線通信端末が通信相手を発見するために同じ周波数チャネルを用いる機会が増加する。
【0023】
前記スキャン時間決定部は、あらかじめ設定された最大限度を超えないように前記待機時間を決定してもよい。すなわち、ランダムに決定される待機時間に最大限度を設けて、長すぎないように制限することができる。
前記スキャン時間決定部は、あらかじめ設定された最小限度を下回らないように前記待機時間を決定してもよい。すなわち、ランダムに決定される待機時間に最小限度を設けて、短すぎないように制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来のActive Scanningの手順を示すフローチャートである。
【図2】従来のActive Scanningの手順を示すシーケンス図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るActive Scanningの手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施の形態に係るActive Scanningの手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明のさらに他の実施の形態に係るActive Scanningの手順を示すフローチャートである。
【図6】端末間通信が可能な2つの無線通信端末が接近している状態を示す概略図である。
【図7】2つの無線通信端末が実行しているActive Scanningでのタイムチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る無線通信端末の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る無線通信端末で使用される指令であるMLME-SCAN.requestの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る様々な実施の形態を説明する。
【0026】
<Active Scanningの手順>
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る無線通信端末で実行されるActive Scanningを説明する。この実施の形態では、スキャンの開始前に、無線通信端末は、Scannning開始時刻(検索開始時刻)、MinChannelTime(判断時間)、MaxChannelTime(待機時間)を乱数によりランダムに決定する(ステップ201)。この明細書において乱数は擬似乱数を含む。
【0027】
次に、無線通信端末は、あらかじめ設定された複数の周波数チャネルのセットの中からScanする1つの周波数(周波数チャネル)を乱数によりランダムに決定する(ステップ202)。ステップ201で決定されたScannning開始時刻に、無線通信端末はScanningを開始して(ステップ203)、ステップ202で決定された周波数チャネルでProbe Request(プローブ要求)を同報的に送信することを開始する(ステップ204)。Probe Requestの送信後、無線通信端末はProbeTimerをスタートする(ステップ205)。そして、無線通信端末は、ProbeTimerのスタート後の一定の判断時間(ステップ201で決定されたMinChannelTime)以内に、PHY-CCA.indication (busy)が物理レイヤからMACレイヤに通知されたか否かを判断する(ステップ206)。
【0028】
MinChannelTime以内に、PHY-CCA.indication (busy)が物理レイヤからMACレイヤに通知されなかった場合、無線通信端末は、その周波数(周波数チャネル)のスキャンを終了し(ステップ207)、処理はステップ201へ戻る。スキャンの際、PHY-CCA.indication (busy)が物理レイヤから通知されないということは、他の無線通信端末からProbe Responseを受信していないことであり、その周波数チャネルを現在使用している他の無線通信端末がないということである。
【0029】
一方、MinChannelTime以内にPHY-CCA.indication (busy)が物理レイヤから発生した場合(ステップ206)、受信したProbe Response(プローブ応答)の処理を、無線通信端末は、ProbeTimerのスタートから一定の待機時間(ステップ201で決定されたMaxChannelTime)後に開始する(ステップ208)。スキャンの際、PHY-CCA.indication (busy)が物理レイヤから通知されるということは、他の無線通信端末からProbe Responseを受信したということであり、その周波数チャネルを現在使用している他の無線通信端末があり、その無線通信端末と通信できる可能性があるということである。
【0030】
図3の例では、ステップ201の後にステップ202を実施するが、図4に示すように、ステップ202の後にステップ201を実施してもよい。
【0031】
図5は本発明のさらに他の実施の形態に係るActive Scanningの手順を示すフローチャートである。この実施の形態では、まず、無線通信端末は、あらかじめ設定された複数の周波数チャネルのセットの中からScanする複数の周波数(周波数チャネル)を乱数によりランダムに決定し、これらの周波数を順序付けてリストまたはテーブルに保持する(ステップ301)。つまり、リストまたはテーブルにおいては、最初にスキャンするべき周波数、次にスキャンするべき周波数、第3番目にスキャンするべき周波数というように、スキャンするべき順序と周波数が対応付けられる。
【0032】
次に、無線通信端末は、この後にスキャンする周波数をリストまたはテーブルの順序に従って決定する(ステップ302)。その後、無線通信端末は、Scannning開始時刻(検索開始時刻)、MinChannelTime(判断時間)、MaxChannelTime(待機時間)を乱数により決定し(ステップ201)、Scanningを開始する(ステップ203)。この後の手順は、図3および図4の例と同じであり、ある周波数チャネルについてのスキャンを終了した(ステップ207)後、処理はステップ302へ戻る。つまり、リストまたはテーブルの順序に従って次にスキャンすべき周波数が決定される。図5のフローチャートにおいて、ステップ302はステップ201の後に実施してもよい。図5の手順のように、一度に複数の周波数チャネルをランダムに選択することにより、周波数チャネルを選択する工程を削減することができる。
【0033】
図3ないし図5のいずれの例についても、図2のシーケンス図を参照して上述した手順が利用される。したがって、図2を参照して上述したように、端末STA1は端末STA2を通信相手として決定する。同様に、通信相手を探索する端末STA2は、スキャンする周波数チャネル決定後、Probe Requestを同報的に送信し始める。Probe requestを受信した端末STA1は、Probe ResponseフレームをDIFS後に送信する。Probe Responseフレームを受信した端末STA2は、SIFS後に、ACKフレームを送信する。Probe Requestの送信からMaxChannelTime経過後、端末STA2は受信したProbe Responseの処理を開始し、通信相手を決定する。このようにして、端末STA2は端末STA1を通信相手として決定する。無線通信端末STA1,STA2が互いに通信相手を決定すると、無線LANを利用した端末間通信を無線通信端末STA1,STA2は開始する。
【0034】
上述した通り、MinChannelTimeは、IEEE 802.11-2007のSubclause 10.3.2.1.2において、スキャンのときに各周波数チャネルについて費やされる最小時間として定義されている。ProbeTimerのスタート後に、MinChannelTime経過しても、Probe Responseが受信されなければ、次の周波数チャネルがスキャンされる。この意味で、MinChannelTimeは、検索開始時刻後、他の無線通信端末と通信可能か否かを判断するための判断時間である。MaxChannelTimeは、IEEE 802.11-2007のSubclause 10.3.2.1.2において、スキャンのときに各周波数チャネルについて費やされる最大時間として定義されている。MaxChannelTimeは、MinChannelTime以上の時間であって、ProbeTimerのスタートからMaxChannelTimeの経過前に受信されたProbe Responseは無線通信端末で処理される。この意味で、MaxChannelTimeは、検索開始時刻後、受信したProbe Responseの処理を開始するまでの待機時間である。
【0035】
<通信開始プロセス>
図6は、端末間通信が可能な2つの無線通信端末STA1,STA2が接近している状態を示す。無線通信端末STA1,STA2の一方または両方が移動しており、無線通信端末STA1の無線通信可能圏RA1に無線通信端末STA2があり、無線通信端末STA2の無線通信可能圏RA2に無線通信端末STA1がある。無線通信端末STA1,STA2の一方または両方の移動のため、端末間通信が可能な期間(Active Scanningによる通信相手発見から端末間通信完了までに要することができる時間)は限られる。
【0036】
2つの無線通信端末STA1,STA2が互いに無線通信可能な状態になると、上記のActive Scanningにより、無線通信端末STA1,STA2は互いに通信相手として認識する。この後、無線通信端末STA1,STA2は、IEEE 802.11に準拠したリンクセットアップを完了し、さらにDCHP(dynamic host configuration protocol)によって通信相手のIPアドレス設定を完了した後、相互にアプリケーション通信を開始する。それぞれの端末は、例えば、IEEE 802.11bに準拠した無線インターフェース(後述する送信部701および受信部702)を有する。したがって、各端末はIEEE 802.11における周波数チャネルChannel 1〜Channel 14(すなわち、あらかじめ設定された周波数チャネルセット)を利用して通信が可能である。
【0037】
上記のように、Active Scanningにおいては無線通信端末STA1,STA2の各々は、ランダムなScanning開始時刻からランダムな判断時間(MinChannelTime)、ランダムな周波数チャネルにてスキャンを実施する。この様子を図7のタイムチャートで示す。図7では使用される周波数チャネル番号が示されている。例えば、CH-1は周波数チャネルChannel 1を意味する。このように、無線通信端末STA1,STA2の各々は、ランダムな周波数チャネルで、ランダムなScanning開始時刻からランダムな判断時間(MinChannelTime)およびランダムな待機時間(MaxChannelTime)を利用して、通信相手を探すためのProbe Requestフレームを送信する。図6の例では、最終的にCH-6(Channel 6)にて、無線通信端末STA1,STA2の両方の通信周波数チャネルが一致し、端末間通信を開始することが可能となる。
【0038】
このように、各無線通信端末は、周波数チャネルをランダムに選択し、ランダムに選択された周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断する。したがって、2つの無線通信端末が通信相手を発見するために同じ周波数チャネルを用いる機会が増加し、端末間通信の通信を開始可能となる確率を向上させることが可能である。このため、通信相手端末の発見の高速化が可能となり、結果として、端末間通信の開始までに要する時間を短縮することが可能となる。
【0039】
また、各周波数チャネルについて判断時間(MinChannelTime)をランダムに決定することにより、2つの無線通信端末が通信相手を発見するために同じ周波数チャネルを用いる機会が増加する。さらに、プローブ要求を送信することを開始する時刻であって判断時間の起点である検索開始時刻(Scanning開始時刻)をランダムに決定することにより、2つの無線通信端末が通信相手を発見するために同じ周波数チャネルを用いる機会が増加する。
【0040】
<無線通信端末の構成>
図8は、本発明の実施の形態に係る無線通信端末の構成を示すブロック図である。各無線通信端末は、送信部701、受信部702、MAC層制御部703、アプリケーション通信制御部704、端末パラメータ制御部705、スキャン周波数決定部(周波数選択部)706、およびスキャン時間決定部707を備える。
【0041】
送信部701は無線送信を行うための送信回路であり、受信部702は無線受信を行うための受信回路である。送信部701および受信部702はIEEE 802.11に準拠した送信機能および受信機能を有する。
【0042】
MAC層制御部703、アプリケーション通信制御部704、端末パラメータ制御部705、スキャン周波数決定部706、およびスキャン時間決定部707は、図示しないCPU(central processing unit)がコンピュータプログラムを実行し、そのコンピュータプログラムに従って機能することによって実現される機能ブロックである。
【0043】
アプリケーション通信制御部704は、端末間通信にて実行されるアプリケーション通信機能を有する。すなわち、端末間通信を実行するとき、アプリケーション通信制御部704は端末間通信のアプリケーションに従って信号を生成し、それらの信号をMAC層制御部703に供給する。
【0044】
スキャン周波数決定部706は、あらかじめ設定された周波数チャネルセットの中から、端末間通信を行うために実行されるActive ScanningのときにSCANする1つの周波数チャネルを、乱数を使用してランダムに決定する。スキャン周波数決定部706は、図5の手順例のステップ301における複数の周波数チャネルを決定してもよい。この場合には、スキャン周波数決定部706は、ランダムに決定した複数の周波数チャネルを決定した順序で記載したリストまたはテーブルを生成する。
【0045】
スキャン時間決定部707は、端末間通信を行うために実行されるActive Scanningのときにスキャンを開始する時刻(Scanning開始時刻すなわち検索開始時刻)、MinChannelTime(判断時間)およびMaxChannelTime(待機時間)をランダムに決定する。これらのパラメータの各々の決定のために、スキャン時間決定部707は乱数を使用する。
【0046】
スキャン時間決定部707は、ある周波数チャネルについての検索開始時刻と次の周波数チャネルについての検索開始時刻との相違である検索間隔があらかじめ設定された最大限度を超えないように、次の周波数チャネルについての検索開始時刻(Scanning開始時刻)を決定してもよい。すなわち、ある周波数チャネルについての検索開始時刻と次の周波数チャネルについての検索開始時刻との相違である検索間隔に最大限度を設けてもよい。このようにして、検索間隔を長すぎないように制限することができる。スキャン時間決定部707は、ある周波数チャネルについての検索開始時刻と次の周波数チャネルについての検索開始時刻との相違である検索間隔があらかじめ設定された最小限度を下回らないように、次の周波数チャネルについての検索開始時刻(Scanning開始時刻)を決定してもよい。すなわち、ある周波数チャネルについての検索開始時刻と次の周波数チャネルについての検索開始時刻との相違である検索間隔に最小限度を設けてもよい。このようにして、検索間隔を短すぎないように制限することができる。
【0047】
スキャン時間決定部707は、あらかじめ設定された最大限度を超えないように各周波数チャネルについての判断時間(MinChannelTime)を決定してもよい。すなわち、ランダムに決定される各周波数チャネルについての判断時間に最大限度を設けてもよい。このようにして、各周波数チャネルについて他の無線通信端末と通信可能か否か判断するための判断時間を、長すぎないように制限することができる。スキャン時間決定部707は、あらかじめ設定された最小限度を下回らないように各周波数チャネルについての判断時間(MinChannelTime)を決定してもよい。すなわち、ランダムに決定される各周波数チャネルについての判断時間に最小限度を設けてもよい。このようにして、各周波数チャネルについて他の無線通信端末と通信可能か否か判断するための判断時間を、短すぎないように制限することができる。
【0048】
スキャン時間決定部707は、あらかじめ設定された最大限度を超えないように各周波数チャネルについての待機時間(MaxChannelTime)を決定してもよい。すなわち、ランダムに決定される各周波数チャネルについての待機時間に最大限度を設けてもよい。このようにして、各周波数チャネルについてProbe Responseの処理を開始するまでの待機時間を、長すぎないように制限することができる。スキャン時間決定部707は、あらかじめ設定された最小限度を下回らないように各周波数チャネルについての待機時間(MaxChannelTime)を決定してもよい。すなわち、ランダムに決定される各周波数チャネルについての待機時間に最小限度を設けてもよい。このようにして、各周波数チャネルについてProbe Responseの処理を開始するまでの待機時間を、短すぎないように制限することができる。
【0049】
スキャン周波数決定部706およびスキャン時間決定部707により決定されたActive Scanningに関連するパラメータは、端末パラメータ制御部705へ通知される。端末パラメータ制御部705は、Active Scanningに関連するパラメータに加え、SSID(service set identifier)および端末製造者固有の情報(Vendor Specific情報)をMAC層制御部703に通知して、MAC層制御部703を制御する。SSIDおよび端末製造者固有の情報は、図示しないメモリに格納されている。
【0050】
MAC層制御部703はMAC層の機能を実行するMLME(MAC sublayer management entity)である。スキャン周波数決定部706がランダムに決定した複数の周波数チャネルを決定した順序で記載したリストまたはテーブルを生成する場合には、MAC層制御部703はそのリストまたはテーブルを図示しないメモリに格納し、リストまたはテーブルの順序に従って周波数チャネルのスキャンを実行する。
【0051】
送信部701は、MAC層制御部703の制御の下で信号を送信する。Active Scanningのときには、スキャン周波数決定部706およびスキャン時間決定部707により決定されたパラメータに従うように、MAC層制御部703は送信部701を制御し、この結果、送信部701は、ランダムに選択された周波数でランダムに決定されたScanning開始時刻にProbe Requestフレームを送信することを開始する。
【0052】
受信部702は、受信した信号をMAC層制御部703に供給する。Active Scanningのときには、受信部702はProbe ResponseフレームをMAC層制御部703に供給する。
【0053】
MAC層制御部(判断部)703は、前記のProbeTimerの機能を有しており、ランダムに決定されたMinChannelTime以内にPHY-CCA.indication (busy)が物理レイヤで発生したか否か判断する(図3〜図5に示す前記のステップ206)。すなわち、MAC層制御部703は、スキャン周波数決定部706で選択された周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断する。また、MAC層制御部703は、Probe Requestの送信からランダムに決定されたMaxChannelTime経過後、受信したProbe Responseフレームの処理を開始する(図3〜図5に示す前記のステップ208)。Probe Responseフレームの処理において、Probe Responseフレームに示された通信相手を特定するために必要となる情報は、MAC層制御部703から端末パラメータ制御部705へ通知される。このようにして端末パラメータ制御部705は端末間通信の通信相手を特定する。
【0054】
MAC層制御部703がスキャン周波数決定部706で選択された周波数チャネルで他の無線通信端末と通信不可能と判断した場合(MinChannelTime以内にPHY-CCA.indication (busy)が物理レイヤで発生しなかった場合)には、送信部701は、ランダムに選択された次の周波数でランダムに決定されたScanning開始時刻にProbe Requestフレームを送信する。MAC層制御部703は、次の周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断する。
【0055】
Active Scanningによる通信相手の認識の後、端末パラメータ制御部705から供給されるSSIDおよび端末製造者固有の情報を用いて、MAC層制御部703はリンクセットアップを実行する。このようにして端末間通信が実行可能になる。
【0056】
端末間通信の開始後は、アプリケーション通信制御部(直接通信実行部)704で生成された信号に基づいて、MAC層制御部(直接通信実行部)703は端末間通信に必要な信号を送信部701(直接通信実行部)に送信させる。また、端末間通信の開始後は、通信相手から受信した端末間通信に関する信号を受信部(直接通信実行部)702はMAC層制御部703に供給する。すなわち、MAC層制御部703がスキャン周波数決定部706で選択された周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能と判断した場合に、直接通信実行部は、その周波数チャネルで他の無線通信端末と直接的に通信を実行する。
【0057】
図9は、本発明の他の実施の形態に係る無線通信端末の構成を示すブロック図である。図9において、図8と共通する構成要素を示すために同一の参照符号が使用されている。図9の実施の形態においては、スキャン周波数決定部706およびスキャン時間決定部707により決定されたActive Scanningに関連するパラメータは、端末パラメータ制御部705を介さずに、MAC層制御部703に直接供給される。
【0058】
図8および図9の構成においては、スキャン時間決定部707がMinChannelTimeおよびMaxChannelTimeをランダムに決定する。但し、他の実施の形態として、端末パラメータ制御部705から供給されたパラメータに基づいて、MAC層制御部703がMinChannelTimeおよびMaxChannelTimeをランダムに決定してもよい。この場合、MAC層制御部703がスキャン時間決定部として機能する。
【0059】
<MLME-SCAN.request>
図10は、MAC層制御部703に通知される指令(Primitive)であるMLME-SCAN.requestの一例を示す図である。
【0060】
MLME-SCAN.requestは、IEEE 802.11-2007のSubclause 10.3.2.1に記載されている通り、無線通信端末のSME (Station Management Entity)で生成される。図8の構成においては、端末パラメータ制御部705がSMEに相当する。図10に示すMLME-SCAN.requestは、図8の端末パラメータ制御部705が生成して、MAC層制御部703に通知する。
【0061】
図10に示すMLME-SCAN.requestにおいて、いくつかのパラメータ、すなわちBSSType、BSSID、SSID、ScanType、ProbeDelay、およびVendorSpecificInfoは、IEEE 802.11-2007において既存である。
【0062】
Rand_ChannelList、MAX_MinChannelTime、MAX_MaxChannelTime、およびFast_Setupは、今回提案される新規なパラメータである。
【0063】
Rand_ChannelListは、スキャン周波数決定部706がランダムに決定した複数の周波数チャネルを順序付けたリストである。Rand_ChannelListは、図5の手順を実行する場合に、MLME-SCAN.requestに付加される。
【0064】
MAX_MinChannelTimeは、MinChannelTimeの最大値(あらかじめ設定された最大限度)である。スキャン時間決定部としてのMAC層制御部703は、MAX_MinChannelTimeを超えないように、一様乱数rand()を用いて、MinChannelTime(判断時間)を決定する。つまり、端末パラメータ制御部705から供給されたパラメータであるMAX_MinChannelTimeに基づいて、MAC層制御部703がMinChannelTimeをランダムに決定する。
【0065】
MAX_MaxChannelTimeは、MaxChannelTimeの最大値(あらかじめ設定された最大限度)である。スキャン時間決定部としてのMAC層制御部703は、MAX_MaxChannelTimeを超えないように、一様乱数rand()を用いて、MaxChannelTime(待機時間)を決定する。つまり、端末パラメータ制御部705から供給されたパラメータであるMAX_MaxChannelTimeに基づいて、MAC層制御部703がMaxChannelTimeをランダムに決定する。
【0066】
Fast_Setupは、本発明の実施の形態に係るActive Scanning方式をサポートするか否かを通知するためのフラグである。
【0067】
図10に示すMLME-SCAN.requestは一例であって、本発明はこれには限定されない。例えば、MLME-SCAN.requestは、MinChannelTimeの最小値(あらかじめ設定された最小限度)またはMaxChannelTimeの最小値(あらかじめ設定された最小限度)を含んでもよい。MLME-SCAN.requestは、ある周波数チャネルについての検索開始時刻と次の周波数チャネルについての検索開始時刻との相違である検索間隔の最大値(あらかじめ設定された最大限度)を含んでもよい。MLME-SCAN.requestは、ある周波数チャネルについての検索開始時刻と次の周波数チャネルについての検索開始時刻との相違である検索間隔の最小値(あらかじめ設定された最小限度)を含んでもよい。
【0068】
<他の変形>
スキャン時間決定部707は、Scanning開始時刻(検索開始時刻)の代わりに乱数を決定してもよい。例えば、この乱数は、MLME-SCAN.requestによって端末パラメータ制御部705からMAC層制御部703に通知してよい。MAC層制御部703は、この乱数を用いて、Scanning開始時刻を決定してもよい。
【0069】
スキャン時間決定部707は、MinChannelTimeの代わりに乱数を決定してもよい。例えば、この乱数は、MLME-SCAN.requestによって端末パラメータ制御部705からMAC層制御部703に通知してよい。MAC層制御部703は、この乱数を用いて、MinChannelTimeを決定してもよい。
【0070】
スキャン時間決定部707は、MaxChannelTimeの代わりに乱数を決定してもよい。例えば、この乱数は、MLME-SCAN.requestによって端末パラメータ制御部705からMAC層制御部703に通知してよい。MAC層制御部703は、この乱数を用いて、MaxChannelTimeを決定してもよい。
【0071】
上記の実施の形態においては、Scanning開始時刻、MinChannelTime、MaxChannelTimeがランダムに決定されるが、これらのうちいずれかまたはすべてをランダムに決定しなくてもよい。
【0072】
無線通信端末において、CPUが実行する各機能は、CPUの代わりに、ハードウェアで実行してもよいし、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)等のプログラマブルロジックデバイスで実行してもよい。
【0073】
前記の実施の形態は、IEEE 802.11に準拠しているが、本発明は、IEEE 802.11に準拠したブルートゥース(登録商標)による通信もカバーする。
【0074】
前記の実施の形態および変形は、矛盾しない限り、組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0075】
STA1,STA2…無線通信端末、701…送信部(直接通信実行部)、702…受信部(直接通信実行部)、703…MAC層制御部(直接通信実行部、スキャン時間決定部)、704…アプリケーション通信制御部(直接通信実行部)、705…端末パラメータ制御部、706…スキャン周波数決定部(周波数選択部)、707…スキャン時間決定部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ設定された周波数チャネルセットの中から1つの周波数チャネルをランダムに選択する周波数選択部と、
前記周波数選択部で選択された周波数チャネルでプローブ要求を送信する送信部と、
前記周波数選択部で選択された周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断する判断部と、
前記判断部の判断が肯定的な場合に、前記周波数チャネルで前記他の無線通信端末と直接的に通信を実行する直接通信実行部とを備え、
前記判断部の判断が否定的な場合に、前記送信部は、前記周波数選択部で選択された次の周波数チャネルでプローブ要求を送信し、前記判断部は、前記次の周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断することを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記判断部が他の無線通信端末と通信可能か否かを判断するための判断時間を、各周波数チャネルについて、ランダムに決定するスキャン時間決定部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記スキャン時間決定部は、あらかじめ設定された最大限度を超えないように前記判断時間を決定することを特徴とする請求項2に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記スキャン時間決定部は、あらかじめ設定された最小限度を下回らないように前記判断時間を決定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の無線通信端末。
【請求項5】
前記スキャン時間決定部は、前記送信部が前記プローブ要求を送信することを開始する時刻であって、前記判断部が他の無線通信端末と通信可能か否かを判断するための前記判断時間の起点である検索開始時刻を、各周波数チャネルについて、ランダムに決定することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の無線通信端末。
【請求項6】
前記スキャン時間決定部は、ある周波数チャネルについての検索開始時刻と次の周波数チャネルについての検索開始時刻との相違である検索間隔があらかじめ設定された最大限度を超えないように、次の周波数チャネルについての検索開始時刻を決定することを特徴とする請求項5に記載の無線通信端末。
【請求項7】
前記スキャン時間決定部は、ある周波数チャネルについての検索開始時刻と次の周波数チャネルについての検索開始時刻との相違である検索間隔があらかじめ設定された最小限度を下回らないように、次の周波数チャネルについての検索開始時刻を決定することを特徴とする請求項5または6に記載の無線通信端末。
【請求項8】
前記周波数選択部は、あらかじめ設定された周波数チャネルセットの中から複数の周波数チャネルをランダムに選択し、これらの周波数を順序付け、前記送信部は、前記順序付けに従って次の周波数チャネルでプローブ要求を送信し、前記判断部は、前記順序付けに従って前記次の周波数チャネルで他の無線通信端末と通信可能か否かを判断する
することを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の無線通信端末。
【請求項9】
前記スキャン時間決定部は、他の無線通信端末から受信された前記プローブ要求への応答の処理を開始するための待機時間を、各周波数チャネルについて、ランダムに決定することを特徴とする請求項2ないし4のいずれか1項に記載の無線通信端末。
【請求項10】
前記スキャン時間決定部は、あらかじめ設定された最大限度を超えないように前記待機時間を決定することを特徴とする請求項9に記載の無線通信端末。
【請求項11】
前記スキャン時間決定部は、あらかじめ設定された最小限度を下回らないように前記待機時間を決定することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の無線通信端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−209893(P2012−209893A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75916(P2011−75916)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】