無線通信装置、無線通信制御装置、および無線通信方法
【課題】
通信のスループットが向上した無線通信装置、無線通信制御装置、および無線通信方法を提供する。
【解決手段】
データを送受信する無線通信装置は、データを受信する受信部と、受信したデータがエラーか否かを判定する受信データ判定部と、判定結果がエラーでない場合は、データが正常である旨を送信元の別の無線通信装置に送信する受信結果送信部と、データのフォーマットが正常か否かに基づいて、データを廃棄して、再送を受信結果送信部に依頼する再送依頼部とを具備する。
通信のスループットが向上した無線通信装置、無線通信制御装置、および無線通信方法を提供する。
【解決手段】
データを送受信する無線通信装置は、データを受信する受信部と、受信したデータがエラーか否かを判定する受信データ判定部と、判定結果がエラーでない場合は、データが正常である旨を送信元の別の無線通信装置に送信する受信結果送信部と、データのフォーマットが正常か否かに基づいて、データを廃棄して、再送を受信結果送信部に依頼する再送依頼部とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、データを送受信する無線通信装置、その無線通信装置で用いられる、通信を制御する無線通信制御装置、その無線通信装置を用いた無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3G(3rd generation)と呼ばれる無線通信システムのプロトコルが広く採用されている(非特許文献1)。
【0003】
この3Gにもいくつかの発展段階があり、FOMAなどで採用されているもともとの3Gのほか、通信速度が更に高速化された、3.5GあるいはHSDPAと呼ばれるプロトコルを採用した携帯電話機も登場してきており、さらに現在、Super3Gあるいは3.9Gと呼ばれるプロトコルが検討されている。
【0004】
この3Gのグループの無線通信システムにおけるプロトコルは複数のレイヤに分かれており、そのうちのレイヤ1は物理層と呼ばれるレイヤであり、このレイヤ1は実際の通信を担う部分である。
【0005】
図1はレイヤ2のプロトコル構成図である。
【0006】
レイヤ1の上層に位置するレイヤ2は、MAC(Medium Access Control)と、RLC(Radio Link Control)と、PDCP(Packet Date Convergence Protocol)とからなる3つのサブレイヤで構成されている。
【0007】
ここで、1つのレイヤ又は1つのサブレイヤに配置された1つの処理機能の塊りはエンティティ(entity)と呼ばれており、PDCPエンティティとRLCエンティティは、各LCH(Logical Channel:ロジカルチャネル)に対応して、使用するLCHの数(図1に示す例では#1〜#nのn個)だけ存在し、それぞれが1対1で対応してPDU(Protocol Data Unit)の受け渡しを行なっている。ここで、PDCPエンティティでは、3.9G(Super3G)ではデータの秘匿等の処理が行なわれ、RLCエンティティでは、データの再送制御等の処理が行なわれる。
【0008】
また、MACエンティティは、各RLCエンティティから各LCHを介して転送されてきたPDUを1つのPDUに統合してHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)に送り、HARQはTRCH(Transport Channel)を介して下位レイヤであるレイヤ1に転送する。
【0009】
受信側では、MACエンティティは、レイヤ1からTRCHを介して転送されてきたPDUを1つ又は複数のPDUに分割し、分割した各PDUを各LCHを介して各RLCエンティティに転送している。
【0010】
尚、レイヤ2のさらに上位にはレイヤ3が存在するが、ここでは直接は関係しないため図示および説明は省略する。
【0011】
ここで、各PDUには、ユーザデータだけでなく、対向側のエンティティに必要な制御情報も付与して対向側と情報交換できる仕組みが3GPP(3rd Generation Partnersship Project)で検討されている。
【0012】
図2は、制御情報が付与されたPDUのデータフローの一例を示す図である。
【0013】
RLCエンティティでは、同一LCHのPDCPエンティティから受け取ったRLC−SDU(Source Data Unit)にヘッダHが付与されRLCサブレイヤでのPDU(RLC−PDU)としてMACエンティティに送られる。MACエンティティでは、複数のLCHのRLCエンティティから送られてきたRLC−PDUをMACサブレイヤでのSDU(MAC−SDU)として受け取り、それら複数のMAC−SDUを統合し、さらにMAC制御情報を付与し、さらにヘッダHを付与し1つのMAC−PDUとしてレイヤ1に送る。レイヤ1では、MACサブレイヤから送られてきたMAC−PDUを無線で送信する。
【0014】
一方、受信側では、レイヤ1で受信したMAC−PDUがMACエンティティに渡され、MACエンティティでは、その受け取ったMAC−PDUが各LCHごとのMAC−SDUに分割され各LCHのRLCエンティティに渡される。
【0015】
尚、この図2では、正常に送受信された場合について説明したが、MACエンティティを構成するHARQ(図1参照)では、CRC(Cyclic Redundancy Check)による受信正常か受信異常かのチェックが行なわれ、正常(CRC−OK)のときは送信元に向けてACK(Acknowledgment)が送信され、受信異常(CRC−NG)のときはNACK(Negatine Acknowledgment)が送信されることによる再送要求が行なわれる。
【0016】
図3は、受信側HARQによるACK,NACKの返信を含むデータフローを示した図である。
【0017】
ここでは、送信側のHARQ送信制御部が動作して、MAC−PDU#1とMAC−PDU#2との2つのMAC−PDUが受信側に向けて送信されたものとする。受信側ではそれら2つのMAC−PDUが受信されて受信側のHARQ受信制御部では、その受信した各MAC−PDUについてCRCチェックが行なわれる。そのCRCチェックの結果、MAC−PDU#1については受信異常(CRC−NG)であったとし、このときは、送信側に向けてNACKが送信され、送信側のHARQ送信制御部では、NACKを受信した場合に、その同じMAC−PDU#1の再送制御が行われる。送信側では、MAC−PDU#1を送信した時刻が管理されており、NACKを受信するとそのNACKの受信時刻からそのNACKがどのMAC−PDUの再送を要求しているNACKであるかを認識することができる。したがって、MAC−PDUの受信側では受信異常があったMAC−PDUの識別子を送信することなく、NACKを送信することのみによって、そのMAC−PDUの送信側ではどのMAC−PDUに受信異常が発生したのか知ることができる。
【0018】
送信側からMAC−PDU#1の次に送信されてくるMAC−PDU#2については、受信正常(CRC−OK)であったときは、HARQ受信制御部は、そのMAC−PDU#2をMAC−PDU判定処理部に渡すとともに、送信側に向けてACKを送信する。そのACKを受信した送信側では、MAC−PDU#2についての再送制御は不要であることを認識し、次に送信すべきMAC−PDU(ここではMAC−PDU#n)を送信する。
【0019】
MAC−PDU判定処理部では、そのHARQ受信制御部から受け取ったMAC−PDU#2が正常なフォーマットのPDUであるかあるいは異常フォーマットのPDUであるかを判定する。
【0020】
図4は、MAC−PDU判定処理部におけるPDUのフォーマットの正常/異常の判定処理を示す模式図である。
【0021】
上述のように、HARQ受信制御部では、CRCチェックの結果受信正常と判定すると送信側に向けてACKを送信するとともに、そのMAC−PDUをMAC−PDU判定処理部に渡す。MAC−PDU判定処理部では、HARQ受信制御部からMAC−PDUを受け取ると、そのMAC−PDUのフォーマットが正常であるか異常であるか判定される。
【0022】
不正なフォーマットとしては、例えば以下のものが挙げられる。
【0023】
(1)LCHの識別子が範囲外の場合、
(2)ヘッダが規定より多い(ヘッダ中のE(Extension)フラグがONの)場合、
(3)ヘッダにあるLength情報の合計が受信したMAC−PDUより長い場合、
(4)MAC制御情報の識別子が範囲外、
(5)MAC制御情報の識別子とLengthが異なる場合、
などがあげられる。
【0024】
MAC−PDU判定処理部では、そのMAC−PDUが正常なフォーマットであるか不正なフォーマットであるか判定され、正常なフォーマットであったときは各LCHごとのMAC−SDUに分割されて各LCHのRLCエンティティに渡される(図2参照)が、不正なフォーマットであったときは、そのMAC−PDUは廃棄される。この場合、MACエンティティでは再送制御は実施されない。前述したようにRLCエンティティでは再送制御が行なわれるため、そのRLCエンティティで受け取るべきRLC−PDUを受け取れないときはRLCエンティティから再送要求がなされることになるが、RLCエンティティでの再送制御の実施には条件があり、直ぐには再送制御は実施されない。
【0025】
次に、本件とも関連してくる技術として、複数本のアンテナを用いて通信を行なうMIMO(Multiple−Input Maltiple−Output)の概要について説明する。
【0026】
図5は、MIMOを採用した送信装置および受信装置の概要を示すブロック図、図6は、MIMOを採用したときのデータフローを示す図である。
【0027】
送信側のMAC−PDU生成処理部11では、図2に示すように、各RLCから受け取ったRLC−PDU(MAC−SDU)が統合されてMAC−PDUが生成される。このMAC−PDUは、送信すべきデータの発生に応じて多数生成されるが、この図5,図6では代表的にMAC−PDU#1とMAC−PDU#2との2つのMAC−PDUが示されている。MAC−PDU生成処理部11で生成されたMAC−PDUは、HARQ送信制御部12を経てレイヤ1送信処理部13に入力され、各MAC−PDUごとに複数(ここでは一例として2つとする)のアンテナ14a,14bに振り分けられてそれら2つのアンテナ14a,14bで分担して送信される。
【0028】
受信側では、送信側の2つのアンテナ14a,14bから送信されてきたMAC−PDUが2つのアンテナ24a,24bで受信されてレイヤ1受信処理部23に渡される。図6では、送受信のアンテナのペアをMIMOアンテナと称し、&1,&2でペアの別を表わしている。
【0029】
受信側のレイヤ1受信処理部22で複数のアンテナ24a,24bを介して受信したMAC−PDUは、HARQ受信制御部22により、CRCチェック、NACK,ACKの送信が行なわれてMAC−PDU判定処理部21に送られ、MAC−PDU判定処理部21では、上述のフォーマットの正常/不正が判定され、正常フォーマットのときは各LCHのMAC−SDUに分割されて各RLCエンティティに渡される。不正フォーマットのMAC−PDUは、MAC−PDU判定処理部21で廃棄される。
【0030】
このように、MIMOは、複数のアンテナを使って並列的に送受信を行なう技術であり、複数のアンテナを使うことにより帯域が広がり高速通信を可能としている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0031】
【非特許文献1】http://www.3gpp.org/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
上述の通信アルゴリズムの場合、受信側のMAC−PDU判定処理部では受け取ったMAC−PDUのフォーマットが正常であるか異常であるか判定され、異常フォーマットであったときはそのMAC−PDUは廃棄される。この廃棄されたデータの入手は、RLCエンティティでの再送制御に委ねられるが、上述したようにRLCエンティティでの再送制御は直ぐには実施されずに再送要求までに時間がかかり、全体としてのスループットが低下するおそれがある。
【0033】
本件は上記事情に鑑み、スループットの向上を実現した無線通信装置、無線通信制御装置、および無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0034】
上記目的を達成する無線通信装置は、データを送受信する無線通信装置であって、
上記データを受信する受信部と、
受信した上記データがエラーか否かを判定する受信データ判定部と、
上記判定結果がエラーでない場合は、上記データが正常である旨を上記送信元の別の無線通信装置に送信する受信結果送信部と、
上記データのフォーマットが正常か否かに基づいて、上記データを廃棄して、再送を上記受信結果送信部に依頼する再送依頼部とを具備することを特徴とする。
【0035】
上記目的を達成する無線通信制御装置は、データチェックビット付きでデータを送受信する送受信部を有する無線通信装置で用いられる、通信を制御する無線通信制御装置であって、
受信した上記データがエラーか否かを判定する受信データ判定部と、
上記判定結果がエラーの場合、上記データを廃棄し、上記受信結果送信部に当該データの再送要求を送信元の無線通信装置に送信するよう指示し、上記判定結果がエラーでない場合は、上記受信結果送信部に上記データが正常である旨を上記送信元の別の無線通信装置に送信するよう指示する受信結果送信指示部と、
上記データのフォーマットが正常か正常でないかに基づいて、上記データを廃棄して、当該データの再送要求を上記受信結果送信部に依頼する再送依頼部とを具備する。
【0036】
上記目的を達成する無線通信方法は、データを送受信する無線通信装置の通信方法であって、
上記データを受信し、
受信した上記データがエラーか否かを判定し、
上記判定がエラーでない場合は、上記データが正常である旨を上記送信元の別の無線通信装置に送信し、
上記データのフォーマットが正常であれば、所定の処理にその正常であることを通知し、上記データのフォーマットが正常でなければ、上記データを廃棄して、再送を依頼する。
【発明の効果】
【0037】
本件によれば、通信のスループットが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】レイヤ2のプロトコル構成図である。
【図2】制御情報が付与されたPDUのデータフローの一例を示す図である。
【図3】受信側HARQによるACK,NACKの返信を含むデータフローを示した図である。
【図4】MAC−PDU判定処理部におけるPDUのフォーマットの正常/異常の判定処理を示す模式図である。
【図5】MIMOを採用した送信装置および受信装置の概要を示すブロック図である。
【図6】MIMOを採用したときのデータフローを示す図である。
【図7】本件の一実施形態が適用された通信システムの一例を示す模式図である。
【図8】本件の第1実施形態におけるHARQ受信制御部およびMAC―PDU判定処理部を示したブロック図である。
【図9】図8に示す実施形態におけるデータフローを示す図である。
【図10】本件の第2実施形態における、受信側のMACサブレイヤ内の構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示す実施形態におけるデータフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本件の実施形態について説明する。
【0040】
図7は、本件の一実施形態が適用された通信システムの一例を示す模式図である。
【0041】
この図7には、携帯電話機100と、その携帯電話機100との間で無線通信が行なわれる基地局200とが示されている。尚、実際の通信システムには、多数の携帯電話機や多数の基地局が存在し、さらに、多数の交換機なども存在するが、ここでは、本実施形態の説明に必要な最小限の構成のみ図示している。
【0042】
携帯電話機100と基地局200との間では無線通信が行なわれ、携帯電話機100が発信側となるときは基地局200が受信側となり、基地局200が発信側となるときは携帯電話機100が受信側となる。すなわち、携帯電話機100と基地局200のいずれにも、以下に説明する送信側の構成と受信側の構成が備えられている。
【0043】
前述の従来技術では、受信したMAC−PDUのフォーマットに不正があったときにそのMAC−PDUを廃棄し、再送要求はRLCに委ねられたが、本実施形態では、そのMAC−PDUのフォーマットに不正があったときは、以下に2つの例を示すようにしてMACサブレイヤで再送要求が行なわれ、これにより通信のスループットを向上させている。MACサブレイヤでの再送要求の点のみ前述の従来技術と異なり、その他の点については前述の従来技術での説明をそのまま引き継ぐものとする。
【0044】
すなわち、本件の無線通信装置は、ブロック構成としては、一例として前述した図5に示す送信側と受信側の双方の構成を含んでおり、以下の説明の点だけ前述の従来技術と異なる。
【0045】
図8は、本件の第1実施形態におけるHARQ受信制御部およびMAC―PDU判定処理部を示したブロック図である。
【0046】
送信側から送信されてきたMAC−PDUを受信すると、受信側のHARQ受信制御部22の受信データ判定部221では、受信したMAC−PDUについてCRCチェックが行なわれ、正常受信(CRC−OK)のときは、そのMAC−PDUはMAC−PDU判定処理部21に送られるとともに、ACK/NACK送信部222にACK送信要求がなされ、ACK/NACK送信部222からレイヤ1を経由してのACKの送信が行なわれる。ただし、受信データ判定部221からACK/NACK送信部222に向けてACKの送信要求がなされても、以下に説明するように、ACK/NACK送信部222からはACKの送信は行なわれず、NACKが送信される場合がある。
【0047】
受信データ判定部221で受信異常(CRC−NG)と判定したときは、受信データ判定部221からACK/NACK送信部222にNACKの送信要求がなされ、ACK/NACK送信部222からレイヤ1を介して、送信側に向けてNACKが送信される。送信側ではMAC−PDUの送信時刻が管理されており、ACK/NACKを受信するとACK/NACKの受信時刻からどのPDUに対するACK/NACKであるか認識できる旨説明したが、MIMOの場合も、受信側で受信したアンテナと同じアンテナからACK/NACKを送信するので、PDUの送信側では、送信時刻と受信したアンテナとから、どのMAC−PDUに対するACK/NACKであるかを認識することができる。
【0048】
ここで、受信データ判定部222で正常受信(CRC−OK)と判定されてMAC−PDU判定処理部21に渡されたMAC−PDUは、今度はそのMAC−PDU判定処理部21で、正常フォーマットのPDUであるか不正フォーマットのPDUであるかが判定され、正常フォーマットのPDUであれば、各LCHごとのSDUに分割されて各LCHのRLCエンティティに渡される(図2参照)。
【0049】
一方、MAC−PDU判定処理部21で不正フォーマットのPDUであると判定されたときは、そのPDUは廃棄される。ここまでは前述した従来技術と同様であるが、本実施形態では、MAC−PDU判定処理部21は、不正フォーマットのPDUであると判定したときは、そのPDUを廃棄するとともに、HARQ受信制御部22のACK/NACK送信部222にNACKの送信を要求し、ACK/NACK送信部222に対し、受信データ判定部221から送られてきているACKの送信要求を書き換えさせる。するとACK/NACK送信部222は、MAC−PDU判定処理部21からの要求を受けて、レイヤ1を介して送信側にNACKを送信する。
【0050】
図9は、図8に示す実施形態におけるデータフローを示す図である。
【0051】
ここに示す例では、基地局を送信側とし、その送信側から、ここでは代表的にMAC−PDU#1とMAC−PDU#2との2つのMAC−PDUが送信され、受信側である携帯電話機で受信される。受信側では、レイヤ2の中のさらにMACサブレイヤにおいて正常受信(CRC−OK)が異常受信(CRC−NG)かが判定される。
【0052】
ここでは、先ずMAC−PDU#1についてその判定が行なわれ、正常受信(CRC−OK)であったため、ここでは送信側に向けて先ずはACKを送信しようとする。ただし、未だACKは送信されずに、その間にそのMAC−PDU#1のフォーマットが正常であるか不正であるかが判定され、そのMAC−PDU#1のフォーマットが不正であったときは、正常受信(CRC−OK)であったため送信しようとしていたACKをNACKに書き換えて送信側に送信する。すると、送信側では、NACKを受信したことから、そのNACKに対応するMAC−PDU#1を受信側に向けて再送する。
【0053】
MAC−PDU#2については、受信も正常であり、フォーマットも正常であったため、送信側に向けてACKが送信され、送信側では、そのMAC−PDU#2については再送することなく、未送信のMAC−PDU#nを送信する。
【0054】
こうすることで、受信異常(CRC−NG)のときだけでなく、受信は正常(CRC−OK)であってもそのPDUが不正フォーマットのPDUであったときにも、MACサブレイヤ内で再送要求が行なわれ、RLCサブレイヤからの再送要求を待たずに再送要求が行なわれるため再送要求までの時間が短縮化され、システム全体としてのスループットが向上する。
【0055】
尚ここでは、基地局を送信側、携帯電話機を受信側として説明したが、携帯電話機が送信側、基地局が受信側の場合も同様である。
【0056】
送信側のレイヤ1では、一旦送信したMAC−PDUを暫く保存しておき、その一旦送信したMAC−PDUに対するNACKを受信したときはその保存しておいたMAC−PDUを再送する。したがって、この第1実施形態の場合、送信側のレイヤ1を含む、そのレイヤ1よりも受信側のMAC−PDU判定処理までの間に混入したエラーに対しては有効であるが、送信側でMAC−PDUを生成する過程、あるいはその生成したMAC−PDUを送信側のレイヤ1へ渡す過程においてMAC−PDUにエラーが混入した場合は、何度再送しても救うことはできない。このため、受信側MAC−PDU判定処理では、NACKを送信したことにより再送されてきたMAC−PDUのフォーマットが再送前のMAC−PDUのフォーマットと同じ不正のフォーマットであったときは、それ以上の再送要求は行なわれない。これにより、無駄な再送が繰り返されずに通信のリソースを他のPDUに与えることができる。
【0057】
次に、本件の第2実施形態について説明する。
【0058】
図10は、本件の第2実施形態における、受信側のMACサブレイヤ内の構成を示すブロック図である。
【0059】
受信側(ここでは携帯電話機とする)のHARQ受信制御部22では、上述と同様に、受信されたMAC−PDUについてCRCチェックが行なわれ、正常受信(CRC−OK)か受信異常(CRC−NG)かに応じて、それぞれACKまたはNACKが送信側(基地局)に送信される。このときのACK/NACKは、正常受信(CRC−OK)か受信異常(CRC−NG)かによって送信され、フォーマットの正常/不正は考慮されていない。
【0060】
HARQ受信制御部22で正常受信(CRC−OK)であると判定されると、そのMAC−PDUは、MAC−PDU判定処理部21に送られる。このとき、HARQ受信制御部22からは、そのMAC−PDUを受信した時刻を表わす時刻情報と、MIMOを利用しているときは、受信したアンテナを識別するMIMOアンテナ情報とを含む受信情報も一緒に、MAC−PDU判定処理部21に渡される。MAC−PDU判定処理部21では、その受け取ったMAC−PDUのフォーマットが調べられ、正常フォーマットであるか不正フォーマットであるかが判定される。正常フォーマットであったときは、そのMAC−PDUが各LCHのMAC−SDU=RLC−PDUに分解されて、各LCHのRLCエンティティに渡される。
【0061】
一方、MAC−PDU判定処理部21で不正フォーマットであると判定されると、その不正フォーマットであると判定されたMAC−PDUは廃棄され、受信情報(時刻情報およびMIMOアンテナ情報)を伴った再送要求がMAC制御情報作成処理部31に渡される。このMAC制御情報作成処理部31は、図5には明示されていないが、携帯電話機から基地局に向けて送信するMAC−PDUのMAC制御情報の作成を担当している、MACサブレイヤ内の構成要素である。
【0062】
ここでは、その時々の必要に応じた様々なMAC制御情報が作成されるが、本実施形態を特徴づけるものとしては、このMAC制御情報作成処理部31では、MAC−PDU判定処理部21から受け取った再送要求を埋め込んだMAC制御情報が作成される。このMAC制御情報に埋め込まれる再送要求には、受信情報(時刻情報とMIMOアンテナ情報)が含まれている。このMAC制御情報作成処理部31で生成されるMAC制御情報は、同じ携帯電話機内のMAC−PDU生成部11に渡される。MAC−PDU生成部11では、RLCエンティティから受け取ったRLC−PDU(MAC−SDU)を統合するとともに、さらに、MAC制御情報作成処理部31から受け取ったMAC制御情報や、さらにヘッダを付加したMAC−PDUを生成する。そのMAC−PDU生成処理部11で生成されたMAC−PDUは、HARQ送信制御部11に渡され、さらにその携帯電話機のレイヤ1を介在させて基地局に向けて送信される。基地局側では受信したMAC−PDUの制御情報が参照され、その制御情報中に再送要求があることを認識し、さらにその再送要求に付加された受信情報(時刻情報とMIMOアンテナ情報)とにより再送すべきMAC−PDUを認識して、そのMAC−PDUを再送する。このとき基地局側では、ACK/NACKを受信するまで保存しておいたMAC−PDUは既に存在せず、その基地局側の各LCHのRLCからその再送すべきMAC−PDUを構築するのに必要なRLC−PDU(MAC−SDU)を再び受け取り、そのMAC−PDUを再生成して再送する。
【0063】
このため、この第2実施形態の場合は、送信側のMAC−PDUを生成する過程、あるいはその生成されたMAC−PDUをその送信側のレイヤ1に渡す過程で混入したエラーについても救われる可能性が高い。ただし、この場合であっても、再送されてきたMAC−PDUが再送前のMAC−PDUと同じ不正のフォーマットであったときは、それ以上の再送要求を行なわないことが好ましい。
【0064】
図11は、図10に示す実施形態におけるデータフローを示す図である。
【0065】
ここでは、代表的にMAC−PDU#D1とMAC−PDU#D2との2つのMAC−PDUが、送信側である基地局から受信側である携帯電話機に送信されてきたことが示されている。受信側のMACサブレイヤでは、CRCチェック、ACK/NACKの送信が行なわれるが、ここでは、その点については従来技術(図3参照)と同様であるため、ここでは図示は省略されている。
【0066】
受信側のMACサブレイヤでは、CRCチェックの後、正常受信(CRC−OK)であったときは、次に、その受信したMAC−PDUのフォーマットが調べられ、そのフォーマットが正常であるか不正であるかが判定される。正常と判定された場合は、従来技術あるいは上述の第1実施形態の場合と同様である。
【0067】
一方、その受信したMAC−PDUが不正フォーマットのPDUであると判定されると、そのMAC−PDUは廃棄され、今度は、この同じ携帯電話機が送信側となる場面で構成されるMAC−PDUのMAC制御情報に、不正フォーマットのMAC−PDUを受信した時刻を表わす時刻情報と、そのMAC−PDUを受信したアンテナを特定するためのMIMOアンテナ情報とを含む受信情報が付加された再送要求が埋め込まれ、そのMAC−PDU(図11ではMAC−PDU#U1)が基地局に向けて送信される。
【0068】
基地局では、その受信したMAC−PDU#U1のMAC制御情報が解析され、MAC−PDU#D1について再送すべきことが認識され、そのMAC−PDU#D1が再生成されて携帯電話機に再送信される。
【0069】
この第2実施形態の場合も、不正フォーマットの場合にMACサブレイヤ内で再送要求が行なわれ、システム全体としてのスループットが向上する。
【技術分野】
【0001】
本件は、データを送受信する無線通信装置、その無線通信装置で用いられる、通信を制御する無線通信制御装置、その無線通信装置を用いた無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、3G(3rd generation)と呼ばれる無線通信システムのプロトコルが広く採用されている(非特許文献1)。
【0003】
この3Gにもいくつかの発展段階があり、FOMAなどで採用されているもともとの3Gのほか、通信速度が更に高速化された、3.5GあるいはHSDPAと呼ばれるプロトコルを採用した携帯電話機も登場してきており、さらに現在、Super3Gあるいは3.9Gと呼ばれるプロトコルが検討されている。
【0004】
この3Gのグループの無線通信システムにおけるプロトコルは複数のレイヤに分かれており、そのうちのレイヤ1は物理層と呼ばれるレイヤであり、このレイヤ1は実際の通信を担う部分である。
【0005】
図1はレイヤ2のプロトコル構成図である。
【0006】
レイヤ1の上層に位置するレイヤ2は、MAC(Medium Access Control)と、RLC(Radio Link Control)と、PDCP(Packet Date Convergence Protocol)とからなる3つのサブレイヤで構成されている。
【0007】
ここで、1つのレイヤ又は1つのサブレイヤに配置された1つの処理機能の塊りはエンティティ(entity)と呼ばれており、PDCPエンティティとRLCエンティティは、各LCH(Logical Channel:ロジカルチャネル)に対応して、使用するLCHの数(図1に示す例では#1〜#nのn個)だけ存在し、それぞれが1対1で対応してPDU(Protocol Data Unit)の受け渡しを行なっている。ここで、PDCPエンティティでは、3.9G(Super3G)ではデータの秘匿等の処理が行なわれ、RLCエンティティでは、データの再送制御等の処理が行なわれる。
【0008】
また、MACエンティティは、各RLCエンティティから各LCHを介して転送されてきたPDUを1つのPDUに統合してHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)に送り、HARQはTRCH(Transport Channel)を介して下位レイヤであるレイヤ1に転送する。
【0009】
受信側では、MACエンティティは、レイヤ1からTRCHを介して転送されてきたPDUを1つ又は複数のPDUに分割し、分割した各PDUを各LCHを介して各RLCエンティティに転送している。
【0010】
尚、レイヤ2のさらに上位にはレイヤ3が存在するが、ここでは直接は関係しないため図示および説明は省略する。
【0011】
ここで、各PDUには、ユーザデータだけでなく、対向側のエンティティに必要な制御情報も付与して対向側と情報交換できる仕組みが3GPP(3rd Generation Partnersship Project)で検討されている。
【0012】
図2は、制御情報が付与されたPDUのデータフローの一例を示す図である。
【0013】
RLCエンティティでは、同一LCHのPDCPエンティティから受け取ったRLC−SDU(Source Data Unit)にヘッダHが付与されRLCサブレイヤでのPDU(RLC−PDU)としてMACエンティティに送られる。MACエンティティでは、複数のLCHのRLCエンティティから送られてきたRLC−PDUをMACサブレイヤでのSDU(MAC−SDU)として受け取り、それら複数のMAC−SDUを統合し、さらにMAC制御情報を付与し、さらにヘッダHを付与し1つのMAC−PDUとしてレイヤ1に送る。レイヤ1では、MACサブレイヤから送られてきたMAC−PDUを無線で送信する。
【0014】
一方、受信側では、レイヤ1で受信したMAC−PDUがMACエンティティに渡され、MACエンティティでは、その受け取ったMAC−PDUが各LCHごとのMAC−SDUに分割され各LCHのRLCエンティティに渡される。
【0015】
尚、この図2では、正常に送受信された場合について説明したが、MACエンティティを構成するHARQ(図1参照)では、CRC(Cyclic Redundancy Check)による受信正常か受信異常かのチェックが行なわれ、正常(CRC−OK)のときは送信元に向けてACK(Acknowledgment)が送信され、受信異常(CRC−NG)のときはNACK(Negatine Acknowledgment)が送信されることによる再送要求が行なわれる。
【0016】
図3は、受信側HARQによるACK,NACKの返信を含むデータフローを示した図である。
【0017】
ここでは、送信側のHARQ送信制御部が動作して、MAC−PDU#1とMAC−PDU#2との2つのMAC−PDUが受信側に向けて送信されたものとする。受信側ではそれら2つのMAC−PDUが受信されて受信側のHARQ受信制御部では、その受信した各MAC−PDUについてCRCチェックが行なわれる。そのCRCチェックの結果、MAC−PDU#1については受信異常(CRC−NG)であったとし、このときは、送信側に向けてNACKが送信され、送信側のHARQ送信制御部では、NACKを受信した場合に、その同じMAC−PDU#1の再送制御が行われる。送信側では、MAC−PDU#1を送信した時刻が管理されており、NACKを受信するとそのNACKの受信時刻からそのNACKがどのMAC−PDUの再送を要求しているNACKであるかを認識することができる。したがって、MAC−PDUの受信側では受信異常があったMAC−PDUの識別子を送信することなく、NACKを送信することのみによって、そのMAC−PDUの送信側ではどのMAC−PDUに受信異常が発生したのか知ることができる。
【0018】
送信側からMAC−PDU#1の次に送信されてくるMAC−PDU#2については、受信正常(CRC−OK)であったときは、HARQ受信制御部は、そのMAC−PDU#2をMAC−PDU判定処理部に渡すとともに、送信側に向けてACKを送信する。そのACKを受信した送信側では、MAC−PDU#2についての再送制御は不要であることを認識し、次に送信すべきMAC−PDU(ここではMAC−PDU#n)を送信する。
【0019】
MAC−PDU判定処理部では、そのHARQ受信制御部から受け取ったMAC−PDU#2が正常なフォーマットのPDUであるかあるいは異常フォーマットのPDUであるかを判定する。
【0020】
図4は、MAC−PDU判定処理部におけるPDUのフォーマットの正常/異常の判定処理を示す模式図である。
【0021】
上述のように、HARQ受信制御部では、CRCチェックの結果受信正常と判定すると送信側に向けてACKを送信するとともに、そのMAC−PDUをMAC−PDU判定処理部に渡す。MAC−PDU判定処理部では、HARQ受信制御部からMAC−PDUを受け取ると、そのMAC−PDUのフォーマットが正常であるか異常であるか判定される。
【0022】
不正なフォーマットとしては、例えば以下のものが挙げられる。
【0023】
(1)LCHの識別子が範囲外の場合、
(2)ヘッダが規定より多い(ヘッダ中のE(Extension)フラグがONの)場合、
(3)ヘッダにあるLength情報の合計が受信したMAC−PDUより長い場合、
(4)MAC制御情報の識別子が範囲外、
(5)MAC制御情報の識別子とLengthが異なる場合、
などがあげられる。
【0024】
MAC−PDU判定処理部では、そのMAC−PDUが正常なフォーマットであるか不正なフォーマットであるか判定され、正常なフォーマットであったときは各LCHごとのMAC−SDUに分割されて各LCHのRLCエンティティに渡される(図2参照)が、不正なフォーマットであったときは、そのMAC−PDUは廃棄される。この場合、MACエンティティでは再送制御は実施されない。前述したようにRLCエンティティでは再送制御が行なわれるため、そのRLCエンティティで受け取るべきRLC−PDUを受け取れないときはRLCエンティティから再送要求がなされることになるが、RLCエンティティでの再送制御の実施には条件があり、直ぐには再送制御は実施されない。
【0025】
次に、本件とも関連してくる技術として、複数本のアンテナを用いて通信を行なうMIMO(Multiple−Input Maltiple−Output)の概要について説明する。
【0026】
図5は、MIMOを採用した送信装置および受信装置の概要を示すブロック図、図6は、MIMOを採用したときのデータフローを示す図である。
【0027】
送信側のMAC−PDU生成処理部11では、図2に示すように、各RLCから受け取ったRLC−PDU(MAC−SDU)が統合されてMAC−PDUが生成される。このMAC−PDUは、送信すべきデータの発生に応じて多数生成されるが、この図5,図6では代表的にMAC−PDU#1とMAC−PDU#2との2つのMAC−PDUが示されている。MAC−PDU生成処理部11で生成されたMAC−PDUは、HARQ送信制御部12を経てレイヤ1送信処理部13に入力され、各MAC−PDUごとに複数(ここでは一例として2つとする)のアンテナ14a,14bに振り分けられてそれら2つのアンテナ14a,14bで分担して送信される。
【0028】
受信側では、送信側の2つのアンテナ14a,14bから送信されてきたMAC−PDUが2つのアンテナ24a,24bで受信されてレイヤ1受信処理部23に渡される。図6では、送受信のアンテナのペアをMIMOアンテナと称し、&1,&2でペアの別を表わしている。
【0029】
受信側のレイヤ1受信処理部22で複数のアンテナ24a,24bを介して受信したMAC−PDUは、HARQ受信制御部22により、CRCチェック、NACK,ACKの送信が行なわれてMAC−PDU判定処理部21に送られ、MAC−PDU判定処理部21では、上述のフォーマットの正常/不正が判定され、正常フォーマットのときは各LCHのMAC−SDUに分割されて各RLCエンティティに渡される。不正フォーマットのMAC−PDUは、MAC−PDU判定処理部21で廃棄される。
【0030】
このように、MIMOは、複数のアンテナを使って並列的に送受信を行なう技術であり、複数のアンテナを使うことにより帯域が広がり高速通信を可能としている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0031】
【非特許文献1】http://www.3gpp.org/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
上述の通信アルゴリズムの場合、受信側のMAC−PDU判定処理部では受け取ったMAC−PDUのフォーマットが正常であるか異常であるか判定され、異常フォーマットであったときはそのMAC−PDUは廃棄される。この廃棄されたデータの入手は、RLCエンティティでの再送制御に委ねられるが、上述したようにRLCエンティティでの再送制御は直ぐには実施されずに再送要求までに時間がかかり、全体としてのスループットが低下するおそれがある。
【0033】
本件は上記事情に鑑み、スループットの向上を実現した無線通信装置、無線通信制御装置、および無線通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0034】
上記目的を達成する無線通信装置は、データを送受信する無線通信装置であって、
上記データを受信する受信部と、
受信した上記データがエラーか否かを判定する受信データ判定部と、
上記判定結果がエラーでない場合は、上記データが正常である旨を上記送信元の別の無線通信装置に送信する受信結果送信部と、
上記データのフォーマットが正常か否かに基づいて、上記データを廃棄して、再送を上記受信結果送信部に依頼する再送依頼部とを具備することを特徴とする。
【0035】
上記目的を達成する無線通信制御装置は、データチェックビット付きでデータを送受信する送受信部を有する無線通信装置で用いられる、通信を制御する無線通信制御装置であって、
受信した上記データがエラーか否かを判定する受信データ判定部と、
上記判定結果がエラーの場合、上記データを廃棄し、上記受信結果送信部に当該データの再送要求を送信元の無線通信装置に送信するよう指示し、上記判定結果がエラーでない場合は、上記受信結果送信部に上記データが正常である旨を上記送信元の別の無線通信装置に送信するよう指示する受信結果送信指示部と、
上記データのフォーマットが正常か正常でないかに基づいて、上記データを廃棄して、当該データの再送要求を上記受信結果送信部に依頼する再送依頼部とを具備する。
【0036】
上記目的を達成する無線通信方法は、データを送受信する無線通信装置の通信方法であって、
上記データを受信し、
受信した上記データがエラーか否かを判定し、
上記判定がエラーでない場合は、上記データが正常である旨を上記送信元の別の無線通信装置に送信し、
上記データのフォーマットが正常であれば、所定の処理にその正常であることを通知し、上記データのフォーマットが正常でなければ、上記データを廃棄して、再送を依頼する。
【発明の効果】
【0037】
本件によれば、通信のスループットが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】レイヤ2のプロトコル構成図である。
【図2】制御情報が付与されたPDUのデータフローの一例を示す図である。
【図3】受信側HARQによるACK,NACKの返信を含むデータフローを示した図である。
【図4】MAC−PDU判定処理部におけるPDUのフォーマットの正常/異常の判定処理を示す模式図である。
【図5】MIMOを採用した送信装置および受信装置の概要を示すブロック図である。
【図6】MIMOを採用したときのデータフローを示す図である。
【図7】本件の一実施形態が適用された通信システムの一例を示す模式図である。
【図8】本件の第1実施形態におけるHARQ受信制御部およびMAC―PDU判定処理部を示したブロック図である。
【図9】図8に示す実施形態におけるデータフローを示す図である。
【図10】本件の第2実施形態における、受信側のMACサブレイヤ内の構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示す実施形態におけるデータフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本件の実施形態について説明する。
【0040】
図7は、本件の一実施形態が適用された通信システムの一例を示す模式図である。
【0041】
この図7には、携帯電話機100と、その携帯電話機100との間で無線通信が行なわれる基地局200とが示されている。尚、実際の通信システムには、多数の携帯電話機や多数の基地局が存在し、さらに、多数の交換機なども存在するが、ここでは、本実施形態の説明に必要な最小限の構成のみ図示している。
【0042】
携帯電話機100と基地局200との間では無線通信が行なわれ、携帯電話機100が発信側となるときは基地局200が受信側となり、基地局200が発信側となるときは携帯電話機100が受信側となる。すなわち、携帯電話機100と基地局200のいずれにも、以下に説明する送信側の構成と受信側の構成が備えられている。
【0043】
前述の従来技術では、受信したMAC−PDUのフォーマットに不正があったときにそのMAC−PDUを廃棄し、再送要求はRLCに委ねられたが、本実施形態では、そのMAC−PDUのフォーマットに不正があったときは、以下に2つの例を示すようにしてMACサブレイヤで再送要求が行なわれ、これにより通信のスループットを向上させている。MACサブレイヤでの再送要求の点のみ前述の従来技術と異なり、その他の点については前述の従来技術での説明をそのまま引き継ぐものとする。
【0044】
すなわち、本件の無線通信装置は、ブロック構成としては、一例として前述した図5に示す送信側と受信側の双方の構成を含んでおり、以下の説明の点だけ前述の従来技術と異なる。
【0045】
図8は、本件の第1実施形態におけるHARQ受信制御部およびMAC―PDU判定処理部を示したブロック図である。
【0046】
送信側から送信されてきたMAC−PDUを受信すると、受信側のHARQ受信制御部22の受信データ判定部221では、受信したMAC−PDUについてCRCチェックが行なわれ、正常受信(CRC−OK)のときは、そのMAC−PDUはMAC−PDU判定処理部21に送られるとともに、ACK/NACK送信部222にACK送信要求がなされ、ACK/NACK送信部222からレイヤ1を経由してのACKの送信が行なわれる。ただし、受信データ判定部221からACK/NACK送信部222に向けてACKの送信要求がなされても、以下に説明するように、ACK/NACK送信部222からはACKの送信は行なわれず、NACKが送信される場合がある。
【0047】
受信データ判定部221で受信異常(CRC−NG)と判定したときは、受信データ判定部221からACK/NACK送信部222にNACKの送信要求がなされ、ACK/NACK送信部222からレイヤ1を介して、送信側に向けてNACKが送信される。送信側ではMAC−PDUの送信時刻が管理されており、ACK/NACKを受信するとACK/NACKの受信時刻からどのPDUに対するACK/NACKであるか認識できる旨説明したが、MIMOの場合も、受信側で受信したアンテナと同じアンテナからACK/NACKを送信するので、PDUの送信側では、送信時刻と受信したアンテナとから、どのMAC−PDUに対するACK/NACKであるかを認識することができる。
【0048】
ここで、受信データ判定部222で正常受信(CRC−OK)と判定されてMAC−PDU判定処理部21に渡されたMAC−PDUは、今度はそのMAC−PDU判定処理部21で、正常フォーマットのPDUであるか不正フォーマットのPDUであるかが判定され、正常フォーマットのPDUであれば、各LCHごとのSDUに分割されて各LCHのRLCエンティティに渡される(図2参照)。
【0049】
一方、MAC−PDU判定処理部21で不正フォーマットのPDUであると判定されたときは、そのPDUは廃棄される。ここまでは前述した従来技術と同様であるが、本実施形態では、MAC−PDU判定処理部21は、不正フォーマットのPDUであると判定したときは、そのPDUを廃棄するとともに、HARQ受信制御部22のACK/NACK送信部222にNACKの送信を要求し、ACK/NACK送信部222に対し、受信データ判定部221から送られてきているACKの送信要求を書き換えさせる。するとACK/NACK送信部222は、MAC−PDU判定処理部21からの要求を受けて、レイヤ1を介して送信側にNACKを送信する。
【0050】
図9は、図8に示す実施形態におけるデータフローを示す図である。
【0051】
ここに示す例では、基地局を送信側とし、その送信側から、ここでは代表的にMAC−PDU#1とMAC−PDU#2との2つのMAC−PDUが送信され、受信側である携帯電話機で受信される。受信側では、レイヤ2の中のさらにMACサブレイヤにおいて正常受信(CRC−OK)が異常受信(CRC−NG)かが判定される。
【0052】
ここでは、先ずMAC−PDU#1についてその判定が行なわれ、正常受信(CRC−OK)であったため、ここでは送信側に向けて先ずはACKを送信しようとする。ただし、未だACKは送信されずに、その間にそのMAC−PDU#1のフォーマットが正常であるか不正であるかが判定され、そのMAC−PDU#1のフォーマットが不正であったときは、正常受信(CRC−OK)であったため送信しようとしていたACKをNACKに書き換えて送信側に送信する。すると、送信側では、NACKを受信したことから、そのNACKに対応するMAC−PDU#1を受信側に向けて再送する。
【0053】
MAC−PDU#2については、受信も正常であり、フォーマットも正常であったため、送信側に向けてACKが送信され、送信側では、そのMAC−PDU#2については再送することなく、未送信のMAC−PDU#nを送信する。
【0054】
こうすることで、受信異常(CRC−NG)のときだけでなく、受信は正常(CRC−OK)であってもそのPDUが不正フォーマットのPDUであったときにも、MACサブレイヤ内で再送要求が行なわれ、RLCサブレイヤからの再送要求を待たずに再送要求が行なわれるため再送要求までの時間が短縮化され、システム全体としてのスループットが向上する。
【0055】
尚ここでは、基地局を送信側、携帯電話機を受信側として説明したが、携帯電話機が送信側、基地局が受信側の場合も同様である。
【0056】
送信側のレイヤ1では、一旦送信したMAC−PDUを暫く保存しておき、その一旦送信したMAC−PDUに対するNACKを受信したときはその保存しておいたMAC−PDUを再送する。したがって、この第1実施形態の場合、送信側のレイヤ1を含む、そのレイヤ1よりも受信側のMAC−PDU判定処理までの間に混入したエラーに対しては有効であるが、送信側でMAC−PDUを生成する過程、あるいはその生成したMAC−PDUを送信側のレイヤ1へ渡す過程においてMAC−PDUにエラーが混入した場合は、何度再送しても救うことはできない。このため、受信側MAC−PDU判定処理では、NACKを送信したことにより再送されてきたMAC−PDUのフォーマットが再送前のMAC−PDUのフォーマットと同じ不正のフォーマットであったときは、それ以上の再送要求は行なわれない。これにより、無駄な再送が繰り返されずに通信のリソースを他のPDUに与えることができる。
【0057】
次に、本件の第2実施形態について説明する。
【0058】
図10は、本件の第2実施形態における、受信側のMACサブレイヤ内の構成を示すブロック図である。
【0059】
受信側(ここでは携帯電話機とする)のHARQ受信制御部22では、上述と同様に、受信されたMAC−PDUについてCRCチェックが行なわれ、正常受信(CRC−OK)か受信異常(CRC−NG)かに応じて、それぞれACKまたはNACKが送信側(基地局)に送信される。このときのACK/NACKは、正常受信(CRC−OK)か受信異常(CRC−NG)かによって送信され、フォーマットの正常/不正は考慮されていない。
【0060】
HARQ受信制御部22で正常受信(CRC−OK)であると判定されると、そのMAC−PDUは、MAC−PDU判定処理部21に送られる。このとき、HARQ受信制御部22からは、そのMAC−PDUを受信した時刻を表わす時刻情報と、MIMOを利用しているときは、受信したアンテナを識別するMIMOアンテナ情報とを含む受信情報も一緒に、MAC−PDU判定処理部21に渡される。MAC−PDU判定処理部21では、その受け取ったMAC−PDUのフォーマットが調べられ、正常フォーマットであるか不正フォーマットであるかが判定される。正常フォーマットであったときは、そのMAC−PDUが各LCHのMAC−SDU=RLC−PDUに分解されて、各LCHのRLCエンティティに渡される。
【0061】
一方、MAC−PDU判定処理部21で不正フォーマットであると判定されると、その不正フォーマットであると判定されたMAC−PDUは廃棄され、受信情報(時刻情報およびMIMOアンテナ情報)を伴った再送要求がMAC制御情報作成処理部31に渡される。このMAC制御情報作成処理部31は、図5には明示されていないが、携帯電話機から基地局に向けて送信するMAC−PDUのMAC制御情報の作成を担当している、MACサブレイヤ内の構成要素である。
【0062】
ここでは、その時々の必要に応じた様々なMAC制御情報が作成されるが、本実施形態を特徴づけるものとしては、このMAC制御情報作成処理部31では、MAC−PDU判定処理部21から受け取った再送要求を埋め込んだMAC制御情報が作成される。このMAC制御情報に埋め込まれる再送要求には、受信情報(時刻情報とMIMOアンテナ情報)が含まれている。このMAC制御情報作成処理部31で生成されるMAC制御情報は、同じ携帯電話機内のMAC−PDU生成部11に渡される。MAC−PDU生成部11では、RLCエンティティから受け取ったRLC−PDU(MAC−SDU)を統合するとともに、さらに、MAC制御情報作成処理部31から受け取ったMAC制御情報や、さらにヘッダを付加したMAC−PDUを生成する。そのMAC−PDU生成処理部11で生成されたMAC−PDUは、HARQ送信制御部11に渡され、さらにその携帯電話機のレイヤ1を介在させて基地局に向けて送信される。基地局側では受信したMAC−PDUの制御情報が参照され、その制御情報中に再送要求があることを認識し、さらにその再送要求に付加された受信情報(時刻情報とMIMOアンテナ情報)とにより再送すべきMAC−PDUを認識して、そのMAC−PDUを再送する。このとき基地局側では、ACK/NACKを受信するまで保存しておいたMAC−PDUは既に存在せず、その基地局側の各LCHのRLCからその再送すべきMAC−PDUを構築するのに必要なRLC−PDU(MAC−SDU)を再び受け取り、そのMAC−PDUを再生成して再送する。
【0063】
このため、この第2実施形態の場合は、送信側のMAC−PDUを生成する過程、あるいはその生成されたMAC−PDUをその送信側のレイヤ1に渡す過程で混入したエラーについても救われる可能性が高い。ただし、この場合であっても、再送されてきたMAC−PDUが再送前のMAC−PDUと同じ不正のフォーマットであったときは、それ以上の再送要求を行なわないことが好ましい。
【0064】
図11は、図10に示す実施形態におけるデータフローを示す図である。
【0065】
ここでは、代表的にMAC−PDU#D1とMAC−PDU#D2との2つのMAC−PDUが、送信側である基地局から受信側である携帯電話機に送信されてきたことが示されている。受信側のMACサブレイヤでは、CRCチェック、ACK/NACKの送信が行なわれるが、ここでは、その点については従来技術(図3参照)と同様であるため、ここでは図示は省略されている。
【0066】
受信側のMACサブレイヤでは、CRCチェックの後、正常受信(CRC−OK)であったときは、次に、その受信したMAC−PDUのフォーマットが調べられ、そのフォーマットが正常であるか不正であるかが判定される。正常と判定された場合は、従来技術あるいは上述の第1実施形態の場合と同様である。
【0067】
一方、その受信したMAC−PDUが不正フォーマットのPDUであると判定されると、そのMAC−PDUは廃棄され、今度は、この同じ携帯電話機が送信側となる場面で構成されるMAC−PDUのMAC制御情報に、不正フォーマットのMAC−PDUを受信した時刻を表わす時刻情報と、そのMAC−PDUを受信したアンテナを特定するためのMIMOアンテナ情報とを含む受信情報が付加された再送要求が埋め込まれ、そのMAC−PDU(図11ではMAC−PDU#U1)が基地局に向けて送信される。
【0068】
基地局では、その受信したMAC−PDU#U1のMAC制御情報が解析され、MAC−PDU#D1について再送すべきことが認識され、そのMAC−PDU#D1が再生成されて携帯電話機に再送信される。
【0069】
この第2実施形態の場合も、不正フォーマットの場合にMACサブレイヤ内で再送要求が行なわれ、システム全体としてのスループットが向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを送受信する無線通信装置において、
前記データを受信する受信部と、
受信した前記データがエラーか否かを判定する受信データ判定部と、
前記判定結果がエラーでない場合は、前記データが正常である旨を前記送信元の別の無線通信装置に送信する受信結果送信部と、
前記データのフォーマットが正常か否かに基づいて、前記データを廃棄して、再送を前記受信結果送信部に依頼する再送依頼部とを具備することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
送信先の別の無線通信装置に向けて制御データを送信する送信部をさらに備え、
前記再送依頼部は、前記データのフォーマットが正常でないと判定された場合は、送信するデータの通信制御情報を使用した送信を依頼することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
データチェックビット付きでデータを送受信する送受信部を有する無線通信装置で用いられる、通信を制御する無線通信制御装置において、
受信した前記データがエラーか否かを判定する受信データ判定部と、
前記判定結果がエラーの場合、前記データを廃棄し、前記受信結果送信部に当該データの再送要求を送信元の無線通信装置に送信するよう指示し、前記判定結果がエラーでない場合は、前記受信結果送信部に前記データが正常である旨を前記送信元の別の無線通信装置に送信するよう指示する受信結果送信指示部と、
前記データのフォーマットが正常か正常でないかに基づいて、前記データを廃棄して、当該データの再送要求を前記受信結果送信部に依頼する再送依頼部とを具備することを特徴とする無線通信制御装置。
【請求項4】
前記データのフォーマットが正常であれば、所定の処理に前記データを渡すフォーマット判定部と、
前記データのフォーマットが正常でなければ、前記データを廃棄して、当該データの再送要求を前記受信結果送信部に依頼する再送依頼部とを具備することを特徴とする請求項3記載の無線通信制御装置。
【請求項5】
データを送受信する無線通信装置の通信方法において、
前記データを受信し、
受信した前記データがエラーか否かを判定し、
前記判定がエラーでない場合は、前記データが正常である旨を前記送信元の別の無線通信装置に送信し、
前記データのフォーマットが正常であれば、所定の処理にその正常であることを通知し、前記データのフォーマットが正常でなければ、前記データを廃棄して、再送を依頼することを特徴とする無線通信装置の通信方法。
【請求項1】
データを送受信する無線通信装置において、
前記データを受信する受信部と、
受信した前記データがエラーか否かを判定する受信データ判定部と、
前記判定結果がエラーでない場合は、前記データが正常である旨を前記送信元の別の無線通信装置に送信する受信結果送信部と、
前記データのフォーマットが正常か否かに基づいて、前記データを廃棄して、再送を前記受信結果送信部に依頼する再送依頼部とを具備することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
送信先の別の無線通信装置に向けて制御データを送信する送信部をさらに備え、
前記再送依頼部は、前記データのフォーマットが正常でないと判定された場合は、送信するデータの通信制御情報を使用した送信を依頼することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
データチェックビット付きでデータを送受信する送受信部を有する無線通信装置で用いられる、通信を制御する無線通信制御装置において、
受信した前記データがエラーか否かを判定する受信データ判定部と、
前記判定結果がエラーの場合、前記データを廃棄し、前記受信結果送信部に当該データの再送要求を送信元の無線通信装置に送信するよう指示し、前記判定結果がエラーでない場合は、前記受信結果送信部に前記データが正常である旨を前記送信元の別の無線通信装置に送信するよう指示する受信結果送信指示部と、
前記データのフォーマットが正常か正常でないかに基づいて、前記データを廃棄して、当該データの再送要求を前記受信結果送信部に依頼する再送依頼部とを具備することを特徴とする無線通信制御装置。
【請求項4】
前記データのフォーマットが正常であれば、所定の処理に前記データを渡すフォーマット判定部と、
前記データのフォーマットが正常でなければ、前記データを廃棄して、当該データの再送要求を前記受信結果送信部に依頼する再送依頼部とを具備することを特徴とする請求項3記載の無線通信制御装置。
【請求項5】
データを送受信する無線通信装置の通信方法において、
前記データを受信し、
受信した前記データがエラーか否かを判定し、
前記判定がエラーでない場合は、前記データが正常である旨を前記送信元の別の無線通信装置に送信し、
前記データのフォーマットが正常であれば、所定の処理にその正常であることを通知し、前記データのフォーマットが正常でなければ、前記データを廃棄して、再送を依頼することを特徴とする無線通信装置の通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−62851(P2013−62851A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−246065(P2012−246065)
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【分割の表示】特願2009−535924(P2009−535924)の分割
【原出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【分割の表示】特願2009−535924(P2009−535924)の分割
【原出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]