説明

無線通信装置

【課題】受信信号の離散フーリエ変換タイミングのずれによって、MMSE合成におけるウェイト算出精度が低下するのを防ぐ。
【解決手段】受信信号に対して離散フーリエ変換を行って得られた周波数領域受信信号に基づいて、MMSE合成を行うMMSE合成処理部31を備えた無線通信装置BS1であって、受信信号の離散フーリエ変換タイミングのずれによって前記周波数領域受信信号に生じた位相回転量を推定する位相回転量推定部32と、前記前記位相回転量推定部32によって推定された前記位相回転量に相当する回転量の逆回転を前記周波数領域受信信号にかける逆回転部33a,33bと、を備えている。前記MMSE合成処理部31は、前記逆回転部33a,33bによって逆回転がかけられた前記周波数領域受信信号に基づいて、MMSEウェイトを計算して、MMSE合成を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アダプティブアレーに関するアルゴリズムとして、最小二乗誤差法(MMSE)が知られている。MMSEアルゴリズムは、所望のアレー応答である参照信号と実際のアレー出力信号との差を最小にすることによって最適なウェイト(MMSEウェイト)を決定するシステムである(非特許文献1参照)。
【0003】
ここで、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)やLTE(Long-Term Evolution)などの通信規格では、周波数分割多元接続(Frequency Division Multiple Access)方式によって、複数のユーザ(端末)が基地局に対して多元接続可能となっている。
【0004】
周波数分割多元接続方式における信号(以下、「FDMA信号」という)は、周波数方向に並んだ複数のサブキャリアによって構成されている。したがって、MMSEウェイトを計算するには、複数のアンテナそれぞれで受信した信号(時間領域受信信号)を、離散フーリエ変換(FFT;高速フーリエ変換)して周波数領域の受信信号に変換する必要がある。MMSEウェイトの計算には、この周波数領域の受信信号が用いられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】菊間信良著、「アレーアンテナによる信号処理」、初版、株式会社科学技術出版、1998年、p.35
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
基地局と端末との間のクロックずれ、端末の移動、通信環境の変化により、理想的な送信タイミングは時々刻々と変化する。そのような変化に対応するため、端末は基地局からタイミングずれ情報を取得し、信号タイミングのずれを調整する。
【0007】
しかし、上記のようなタイミング調整だけでは、MMSE合成の性能劣化を招くという問題がある。
例えば、LTEにおけるランダムアクセスを用いたタイミング調整の分解能(粒度)は約1[μs]であり、これは、FFTのサンプル数に換算すると30サンプル(約1[μs]=30[samples])となる。また、通信コネクション確立後の閉ループによるタイミング調整の分解能は16[samples]である。
このように、LTEでは、最高でも16サンプルの分解能しか得られない。この結果、受信側では、受信信号のFFTタイミングずれであるタイミングオフセットが発生する。
【0008】
MMSE合成方式では、このようなタイミングずれが発生すると、正しいウェイト計算が行えず、ウェイトの算出精度が低下する。
【0009】
そこで、本発明は、上記のようなタイミングずれが発生することによって、MMSE合成におけるウェイト算出精度低下を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明は、受信信号に対して離散フーリエ変換を行って得られた周波数領域受信信号に基づいて、MMSE合成を行うMMSE合成処理部を備えた無線通信装置であって、受信信号の離散フーリエ変換タイミングのずれによって前記周波数領域受信信号に生じた位相回転量を推定する位相回転量推定部と、前記前記位相回転量推定部によって推定された前記位相回転量に相当する回転量の逆回転を前記周波数領域受信信号にかける逆回転部と、を備え、前記MMSE合成処理部は、前記逆回転部によって逆回転がかけられた前記周波数領域受信信号に基づいて、MMSEウェイトを計算して、MMSE合成を行うことを特徴とする無線通信装置である。
【0011】
上記本発明によれば、受信信号の離散フーリエ変換タイミングのずれが発生しても、当該タイミングのずれによる周波数領域受信信号の位相回転に相当する回転量の逆回転が周波数領域受信信号にかけられた上でMMSEウェイトが計算されるため、ウェイト算出精度の低下を防止できる。
【0012】
(2)前記位相回転量推定部は、一旦行われたMMSE合成後の周波数領域受信信号に基づいて、前記位相回転量を推定するよう構成され、前記逆回転部は、一旦行われたMMSE合成後の周波数領域受信信号に基づいて推定された前記位相回転量に相当する回転量の逆回転を、MMSE合成前の周波数領域受信信号にかけるよう構成され、前記MMSE合成処理部は、一旦行われたMMSE合成後の周波数領域受信信号に基づいて推定された前記位相回転量に相当する回転量の逆回転がかけられた周波数領域受信信号に基づいて、MMSEウェイトを計算して、MMSE合成を行うことができる。
【0013】
MMSE合成後の周波数領域受信信号のほうが、合成前の周波数領域信号よりも信頼性が高まっていると期待されるため、MMSE合成後の周波数領域受信信号を用いて位相回転量を推定することで、位相回転量をより精度良く推定することができる。
【0014】
(3)前記位相回転量推定部、前記逆回転部、及び前記MMSE合成処理部による一連の処理を繰り返し実行するよう構成されているのが好ましい。これらの一連の処理を繰り返すことで、位相回転量の推定誤差を小さくすることが可能である。
【0015】
(4)一旦行われたMMSE合成後の周波数領域受信信号に含まれるデータ信号を復調した復調信号に基づいて、前記データ信号についての送信信号レプリカを生成するレプリカ生成部を更に備え、前記位相回転量推定部は、パイロット信号及び前記パイロット信号についての周波数領域受信信号に基づいて、位相回転量を推定するよう構成され、更に前記位相回転量推定部は、前記送信信号レプリカを前記パイロット信号とみなすことで、データ信号についての周波数領域受信信号をも用いて、前記位相回転量を推定するよう構成され、前記逆回転部は、前記データ信号についての周波数領域受信信号をも用いて推定された前記位相回転量に相当する回転量の逆回転を、MMSE合成前の周波数領域受信信号にかけるよう構成され、前記MMSE合成処理部は、前記データ信号についての周波数領域受信信号をも用いて推定された前記位相回転量に相当する回転量の逆回転がかけられた周波数領域受信信号に基づいて、MMSEウェイトを計算して、MMSE合成を行うことができる。
【0016】
受信信号を復調することで生成された送信信号レプリカを用いることで、パイロット信号が増加したのと同様な効果が得られるため、位相回転量の推定精度を向上させることができる。
【0017】
(5)前記レプリカ生成部は、前記復調信号に対して誤り訂正を行った後の信号に基づいて、前記データ信号についての送信信号レプリカを生成するよう構成されているのが好ましい。誤り訂正を行うことで、送信信号レプリカの推定精度が向上する。
【0018】
(6)前記位相回転量推定部は、誤りが訂正できなかった又は誤りが検出されたデータ信号についての送信信号レプリカを、位相回転量の推定に用いられる送信信号レプリカから除外して、位相回転量の推定を行うのが好ましい。この場合、レプリカの信頼性が向上する。
【0019】
(7)前記レプリカ生成部、前記位相回転推定部、前記逆回転部、及び前記MMSE合成処理部による一連の処理を繰り返し実行するよう構成されているのが好ましい。これらの処理を繰り返すことで、位相回転量の推定誤差を小さくすることが可能である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、離散フーリエ変換タイミングのずれによって生じた位相回転量の推定値に相当する回転量の逆回転がかけられるため、MMSE合成におけるウェイト算出精度低下を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】無線通信システムの全体図である。
【図2】LTE上り回線のフレーム構成図である。
【図3】時間(シンボル)軸−周波数(サブキャリア)軸の2次元配置におけるリソースブロックを示す図である。
【図4】基地局装置のブロック図である。
【図5】第1実施形態に係るマルチアンテナ信号処理部のブロック図である。
【図6】タイミングオフセット補償付きMMSE合成処理のフローチャートである。
【図7】比較例に係るマルチアンテナ信号処理部のブロック図である。
【図8】タイミングオフセットの説明図である。
【図9】タイミングオフセットによる位相回転及びその逆回転を示す図である。
【図10】位相回転係数の求め方を示す図である。
【図11】干渉波による影響を受けた場合の位相回転及びその逆回転を示す図である。
【図12】第2実施形態に係るマルチアンテナ信号処理部のブロック図である。
【図13】繰り返し型オフセット推定付きMMSE合成処理のフローチャートである。
【図14】繰り返し処理を行った場合の位相回転量を示すグラフである。
【図15】第3実施形態に係る基地局装置のブロック図である。
【図16】判定帰還型オフセット推定付きMMSE合成処理のフローチャートである。
【図17】リソースブロックにおける誤り訂正の単位を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、通信方式としてLTEを例として説明するが、これに限られるものではない。
【0023】
[1.第1実施形態]
図1は、LTE方式における無線通信システム(例えば、携帯電話用通信システム)を示している。図1に示すように、この通信システムでは、セル構成が採用されており、各セルにそれぞれ基地局装置BS1,BS2が設置されている。
各基地局装置BS1,BS2は、セル内の移動局(ユーザ端末)MS1,MS2,MS3との間で通信を行う。また、各基地局装置BS1は、自セル内の複数の移動局MS1,MS2との間での通信を同時に行うことができる。
【0024】
この通信システムでは、下り回線は直交周波数多重分割多元接続(OFDMA)が採用され、上り回線は単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)が採用されている。
【0025】
図2は、LTEの上り回線のフレーム構成を示している。このフレームは、周波数多重分割により複数の移動局によって共用され、基地局装置への多元接続が可能となっている。また、周波数多重に加えて、空間多重も行っても良い。なお、各移動局は、基地局装置によるランダムアクセスによってフレーム同期がとれている。
【0026】
図2に示すようにLTE上り回線の1フレーム(frame)は、10個のサブフレーム(subframe)を時間軸方向に並べて構成されており、時間長は10[ms]である。
また、1サブフレームは、2個のスロット(slot)を時間軸方向に並べて構成されており、時間長は1[ms]である。1スロットは、7個(又は6個)のシンボル(SC−FDMAシンボル)を時間軸方向に並べて構成されており、時間長は0.5[ms]である。
【0027】
各SC−FDMAシンボルの先頭には、各シンボルの最後の部分のコピーがCP(Cyclic Prefix)として付加されている。なお、SC−FDMAシンボルは、それぞれが変調データシンボル(QPSK変調データシンボルやQAM変調データシンボルなど)であるN個(Nは、2以上の整数)のサブシンボルから構成されている。
【0028】
LTEの上りのデータチャネルにおいては、1スロットのうちの4シンボル目(シンボル番号3)が、既知信号である参照信号(Reference Signal)とされている。以下では、参照信号を「パイロット信号」ともいう。
1スロット内における他のシンボルはデータ信号(Data Signal)とされている。図3にも示すように、1スロットのうちの4シンボル目(シンボル番号3)においては、全サブキャリア(サブキャリア番号1〜12)が参照信号となっている。
【0029】
また、LTEでは、リソースブロック(Resource Block)と呼ばれるユーザ割り当ての最小単位が設定されており、1リソースブロックは、7又は6シンボル×12サブキャリアである。LTEでは、時間軸方向(シンボル方向)にみた場合、同一のユーザには同一のサブキャリア(周波数帯域)が割り当てられる。すなわち、時間軸方向に連続して並んだ複数のリソースブロックが同一ユーザに割り当てられる。
なお、1つのリソースブロックは、1スロットに対応する。
【0030】
なお、リソースブロックのユーザへの割り当ては、基地局装置BS1,BS2が決定し、決定されたユーザ割り当て情報(ユーザ情報;MAP情報)は、下り回線のフレームにて各移動局MS1,MS2,MS3へ通知される。各移動局MS1,MS2,MS3は、基地局装置によって割り当てられた1又は複数のリソースブロックを用いて、上り回線の通信を行う。
【0031】
図4は、本実施形態に係る基地局装置BS1,BS2の構成を示している。基地局装置BS1,BS2は、アダプティブアレー処理(MMSE合成処理)のため、複数(図4では、2本)のアンテナ1a,1bを備えている。
各アンテナ1a,1bにて受信された信号(時間領域信号)は、それぞれ、FFT部(高速フーリエ変換部;離散フーリエ変換部)2a,2bによって周波数領域受信信号x1,x2に変換される。
【0032】
なお、図示は省略したが、アンテナ1a,1bにて受信された信号は、増幅、周波数変換、A/D変換、CP除去、直並列変換などの各種処理が施された上で、FFT部2a,2bに与えられる。
【0033】
なお、各FFT部2a,2bは、それぞれ、基地局装置の通信全周波数帯域(上り通信全周波数帯域)についての周波数領域受信信号を出力する。つまり、各FFT部2a,2bから出力された周波数領域信号は、それぞれ、複数ユーザのSC−FDMA受信信号が分離されておらず、複数ユーザ分の信号を含んだままの状態にある。
【0034】
各FFT部2a,2bから出力された複数の周波数領域のSC−FDMA受信信号は、複数ユーザ分の信号を含んだまま、それぞれ、単一のマルチアンテナ信号処理部(MMSE合成処理部)3に与えられる。
【0035】
マルチアンテナ信号処理部6は、複数(N個)のアンテナ1a,1bにて受信した複数の周波数領域受信信号x1,・・・,xNに対して、MMSEアレー合成処理を行い、処理結果として単一の信号yを出力する。
【0036】
マルチアンテナ信号処理部(MMSE合成処理部)6によるアレー合成処理により、干渉局となる他のセルにおける移動局MS3からの干渉波を除去して、受信品質を向上させることができる。なお、MMSE合成方式では、受信側で既知の信号(参照信号)を利用してMMSEウェイトを計算する。
【0037】
MMSE合成により得られた出力信号yは、ユーザ分離&IDFT部4により、ユーザ毎に信号に分離され、ユーザ毎の信号はそれぞれ逆離散フーリエ変換(IDFT)される。なお、信号の分離は、ユーザ毎の周波数割り当て(リソースブロック割り当て)を示すユーザ情報に基づいて、行われる。
【0038】
図5は、本実施形態に係るマルチアンテナ信号処理部3を示し、図6は、マルチアンテナ信号処理部2によるMMSE合成処理(タイミングオフセット補償付きMMSE合成処理)の処理手順を示している。
マルチアンテナ信号処理部3は、MMSEウェイト計算及びMMSE合成を行うMMSE合成処理部31の他、位相回転量推定部32及び逆回転部33a,33bを備えている。
【0039】
MMSE合成処理部31は、MMSE方式に基づき、ウェイトを計算するウェイト計算部31aを有している。MMSE方式は、既知の信号であるパイロット信号及びパイロット信号についての受信信号に基づいて、ウェイトを計算する。つまり、MMSE方式では、ウェイト計算の際において、パイロット信号についての受信信号が必要となる。
ウェイト計算に用いられるMMSE方式としては、特に限定されるものではなく、例えば、LMS,RLS,SMI,NLMS,カルマンフィルタ,アフィン射影法などを採用することができるが、直接解法であるSMIを用いるのが好ましい。
【0040】
また、MMSE合成処理部31では、ユーザ割り当て最小単位であるリソースブロック毎に、ウェイトを計算し、アレー合成を行う。つまり、ウェイト計算の対象となるリソースブロック内のパイロット信号だけを用いて、SMIアルゴリズムなどでウェイトを計算し、そのウェイトを、ウェイト計算の対象となったリソースブロック内の信号(データ信号)の合成に用いる。
【0041】
ユーザ割り当て最小単位であるリソースブロック毎にウェイトを決定してアレー合成することで、同一ユーザから送信された参照信号だけを用いてウェイトを計算でき、異なるユーザから送信された参照信号によってウェイトが不適切に計算されることを防止できる。また、複数の干渉端末から干渉波を受けても、干渉除去が可能となる。
【0042】
前記位相回転量推定部32は、各アンテナ1a,1bで受信した受信信号を、FFT部2a,2bにおけるFFTタイミング(離散フーリエ変換タイミング)のずれ(以下、「タイミングオフセットという」)によって、FFT(離散フーリエ変換)の際に周波数領域受信信号x1,x2それぞれに生じた位相回転量Δθを推定する(図6のステップS1)。
【0043】
前記逆回転部33a,33bは、周波数領域受信信号x1,x2それぞれに対し、前記位相回転量推定部32にて推定した位相回転量Δθ・f(f=0〜11)に相当する回転量の逆回転をかけて、タイミングオフセットによって生じた位相回転をキャンセルする(図6のステップS2)。このような逆回転をかけることで、タイミングオフセット補償が行える。
【0044】
前記MMSE合成処理部31の入力は、逆回転がかけられた周波数領域受信信号x1,x2が与えられる。したがって、MMSE合成処理部31では、逆回転がかけられた周波数領域受信信号x1,x2に基づいて、ウェイト算出が行われ、アレー合成が行われる(図6のステップS3)。
【0045】
以下、図7〜図9に基づき、上記のようなMMSE合成処理を行うことの意義についてさらに詳しく説明する。
図7は、図5における位相回転量推定部32及び逆回転部33a,33bを省略したマルチアンテナ信号処理部3(比較例)を示している。図7では、FFT部2a,2bによって周波数領域の信号に変換された受信信号が、そのままMMSE合成処理部31に入力されることになる。
【0046】
ここで、FFTを行う場合、FFTタイミングがずれることがある。図8(a)に示すように、理想的には、CPの直後から、所定時間長さのFFT窓(FFT window)が開始すべきである。しかし、FFT窓の開始位置が、CPの直後になるとは限らず、図8(b)に示すように、受信信号がΔτほど遅延した場合、FFTのタイミングずれが生じる。すなわち、図8(b)ではΔτ分のタイミングオフセットが生じている。
【0047】
通常、送信側と受信側との間での信号タイミングは、一致するように送信側及び受信側の間でタイミングズレの検出を行ってタイミング調整が行われる。しかし、かかるタイミング調整は、MMSE合成処理のために行われるものではなく、FFTのタイミングずれを生じさせないほどの精度ではない。このため、受信側では、上記のようなタイミングオフセットΔτが発生してしまう。
【0048】
このようなタイミングオフセットΔτが生じた状態でFFTを行うと、FFTによって得られた周波数領域信号は位相回転を生じる。
例えば、LTEのようにパイロット信号(参照信号)がサブキャリア(周波数)方向に12個並んでいる場合において、隣接するサブキャリア同士の間隔をΔf[Hz]とすると、サブキャリア毎の位相回転量は、ej2πΔf・Δτ≡ejΔθとなり、12個のパイロット信号(サブキャリア)それぞれの位相回転量Δθは、図9(b)のように表される。なお、図9(b)に示す1〜12までの番号は、図9(a)において、12個のパイロット信号に付された番号1〜12に対応する。
【0049】
図9(b)のようにパイロット信号についての受信信号が位相回転を受けている場合、位相回転した受信信号が入力されるウェイト計算部31aでは、位相回転した受信信号を用いてMMSEウェイト計算がなされることになる。この場合、値が既知であるパイロット信号とそのパイロット信号についての受信信号との間の位相差を正しく検出できないため、正しいウェイト計算が行えない。
【0050】
そこで、本実施形態では、正しいウェイト計算を行うために、タイミングオフセットによって生じた位相回転量Δθを位相回転量推定部32によって推定し、逆回転部33a,33bによって逆回転をかけて、図9(c)のように位相回転を元に戻す。図9(c)のように位相回転を元に戻せば、値が既知であるパイロット信号とそのパイロット信号についての受信信号との間の位相差に基づいて、正しくウェイト計算が行える。
【0051】
位相回転量推定部32が採用可能な位相回転量(タイミングオフセット量)の推定法としては、相互相関法、ESPRIT法、ARスペクトル法、フーリエ法、MUSIC法、IFFTを行うことにより時間領域で検出する方法などがある。
【0052】
本実施形態の位相回転量推定部32は、前記相互相関法を改良した多重相互相関法を用いる。以下、多重相互相関法の詳細について説明する。
【0053】
まず、図9(a)における番号1と2、番号2と3、番号3と4、・・・、番号11と12の間のそれぞれの位相差が求めたい位相回転量Δθである。多重相互相関法の基礎となる相互相関法に基づくと、番号1と2、番号2と3、番号3と4、・・・、番号11と12の間の相互相関値(平均値)を計算し、その偏角を求めれば、求めたい位相回転量Δθが得られる。
【0054】
相互相関法において前記相互相関値を求める式は、下記の通りである。
【数1】

上記式において、hiは、各サブキャリア(パイロット信号)でのチャネル推定値を示しており、値が既知であるパイロット信号si及びパイロット信号siについての受信信号xiに基づき、下記式により算出される。
【数2】

【0055】
上記各式において、iは、図9(a)に示すサブキャリア番号1〜12に対応する。また、Nは、ユーザ割り当て最小単位内のパイロット信号の数を示しており、図9(a)に示すリソースブロックの場合、N=12である。
【0056】
なお、本実施形態では、ウェイトは、ユーザ割り当て最小単位であるリソースブロック単位で算出されることに対応して、相互相関値もユーザ割り当て最小単位であるリソースブロック単位で算出される。つまり、相互相関値を算出する際には、算出対象リソースブロック以外のリソースブロックのパイロット信号は用いられず、算出対象リソースブロック内のパイロット信号だけが用いられる。これにより、相互相関値を求める際に、同一ユーザとの間のチャネル推定値だけが用いられることになり、適切に相互相関値を求めることができる。
【0057】
本実施形態では、相互相関値をユーザ割り当て最小単位であるリソースブロック単位で算出することから、相互相関値を算出するのに利用できるパイロット信号の数(12個)が少ない。したがって、相互相関値の算出精度を高くするのが困難である。これに対し、相互相関法を改良した多重相互相関法では、算出精度を向上させることができる。
【0058】
相互相関法では、図9(a)における番号1と2、番号2と3、番号3と4、・・・、番号11と12の間の相互相関から、隣接するパイロット信号間の位相だけを求めていたのに対し、多重相互相関法では、
図9(a)における番号1と2、番号2と3、番号3と4、・・・、番号11と12のようにパイロット間距離=1の場合だけでなく、
番号1と3、番号2と4、番号3と5、・・・、番号10と12
番号1と4,番号2と5,番号3と6,・・・、番号9と12
のようにパイロット間距離=2,3やそれ以上の場合の相互相関値も求め、複数のパイロット間距離から位相を求めることで、算出精度を向上させる。
【0059】
つまり、多重相互相関法において、相互相関値を求める式は次の通りである。
【数3】

上記式において、Lは、2〜N(=12)までの任意の整数をとることができる。Lを大きくすると、演算負荷が大きくなるが、相互相関値の精度を向上させることができる。したがって、Lの値は、シミュレーションを行って最適値を決定するのが好ましい。
【0060】
上記式に基づくと、r0〜rL-1までのL個の相互相関値を求めることができる。
上記式を更に詳しく説明すると次の通りである。
まず、チャネル推定値hiに関し、自分自身との相互相関(パイロット間距離=0の場合)、パイロット間距離=1の場合の相互相関(パイロット信号の番号1と2の場合など)、パイロット間距離=2の場合の相互相関(パイロット信号の番号1と3の場合など)は、次のとおりである。
【数4】

【0061】
また、パイロット間距離=1以上の場合の相互相関は、次のように表すことができる。
【数5】

【0062】
上記各式は、次のような一つの関数に書き換えることができる。
【数6】

【0063】
上記関数中のejΔθは、図10の関数グラフにおける傾きに相当する。この傾き、ejΔθは、[数3]に示す式に基づいて算出された、相互相関r0,r1,・・・,rL-1を用いて、最小二乗法(線形回帰)により一意に決定することができる。
【0064】
したがって、
【数7】

とおくと、位相回転係数ejΔθ=α、下記式のように求められることになる。
【数8】

【0065】
そして、上記位相回転係数から、位相回転量Δθは次のように求められる。なお、argは、角度を求めるためのarg関数である。
【数9】

【0066】
このように多重相互相関法では、複数のパイロット間距離での相互相関を求めて、位相回転角を算出するため、パイロット信号の数が少なくても比較的精度良く算出することができる。したがって、本実施形態のように、ユーザ割り当て最小単位内のパイロット信号だけを用いる場合に有利である。
【0067】
[2.第2実施形態・第3実施形態]
[2.1 位相回転量の推定精度について]
本実施形態のように、リソースブロック単位で位相回転量を推定する場合、パイロット信号は、12点×アンテナ数しかないため、信号品質が悪い(CINRが低い)場合、位相回転量の推定精度が低下するおそれがある。
【0068】
図11(a)における番号1〜12のパイロット信号が、タイミングオフセットΔτによる位相回転をうけるとともに、干渉波の影響が大きく受けると、図11(b)のように、各パイロット信号の位相や大きさがばらつく。このため、適切に逆回転をかけたときの状態が図11(c)のような状態であるとしたときに、適切な逆回転をかけるための正しい位相回転量の推定が困難となる。パイロット信号の数が非常に多ければ、この問題は低減できるが、本実施形態のように、パイロット信号が少ない場合には、看過できない問題となる。
【0069】
以下、第2実施形態及び第3実施形態として、上記問題に対処するための技術的手段を説明する。
【0070】
[2.2 第2実施形態:繰り返し型オフセット推定]
図12〜図14は、第2実施形態に係る基地局装置におけるマルチアンテナ信号処理部3を示している。なお、第2実施形態に関し、説明を省略した点については、第1実施形態における説明を援用する。
【0071】
図12に示すマルチアンテナ信号処理部3では、位相回転量推定部32による位相回転量の推定は、MMSE合成後の出力信号yを用いて行われる。MMSE合成の効果により、合成後の出力信号yは、合成前の信号x1,x2よりも、より適切な信号となっていることが期待されるため、一旦行われたMMSE合成後の出力信号yに基づいて位相回転量Δθを推定することで、推定精度を高めることができる。
【0072】
第2実施形態の逆回転部33a,33bは、位相回転量推定部32により推定された位相回転量Δθに相当する回転量の逆回転を、合成前の信号(周波数領域受信信号)x1,x2にかける。そして、MMSE合成部31では、逆回転がかけられた信号x1,x2に対して、MMSE合成処理(MMSEウェイト計算とMMSE合成)を再度行う。
【0073】
図13は、第2実施形態における処理手順を示している。それぞれの周波数領域信号x1,x2に対して、最初の逆回転がかけられる(ステップS11)。最初の逆回転における位相逆回転量は、適当な初期値であればよい。また、第1実施形態のように、合成前の周波数領域受信信号x1,x2から推定された位相回転量に相当する回転量であってもよい(この場合、合成前の周波数領域受信信号x1,x2から位相回転量を推定する位相回転量推定部も設ける)。
【0074】
そして、所定量の逆回転がなされた周波数領域信号x1,x2に基づいて、MMSEウェイト計算及びMMSEウェイト合成がなされる(ステップS12)。
【0075】
ここで、繰り返し回数が設定された回数に達していれば、処理を終了し(ステップS13)、達していなければ、位相回転量推定部32によって位相回転量の推定を行う(ステップS14)。
位相回転量の推定は、MMSE合成の出力信号y1に基づいて行われる。
そして、推定した位相回転量に相当する回転量の逆回転が、再度行われる(ステップS11)。図13に示すように、これらの一連の処理は、設定された繰り返し回数に達するまで(又は、位相回転量の推定値が収束するまで)行われる。
【0076】
上記の繰り返しを行うことで、図14に示すように、繰り返しの初期段階では、位相回転量の推定誤差が大きいとしても、処理を繰り返すことで、推定誤差を小さくすることができる。したがって、パイロット信号の数が少なくても、位相回転量の推定精度を向上させることができる。
【0077】
[2.3.第3実施形態:判定帰還型オフセット推定]
図15〜図17は、第3実施形態に係る基地局装置を示している。なお、第3実施形態に関し、説明を省略した点については、第1実施形態における説明を援用する。
【0078】
第3実施形態では、第1実施形態とほぼ同様のマルチアンテナ信号処理部3を備えている。ただし、第1実施形態の位相回転量推定部32は、リソースブロック内の各周波数領域受信信号のうち、パイロット信号が存在するパイロット点だけを用いて位相回転量を推定していたのに対し、第3実施形態の位相回転量推定部32は、パイロット点だけでなく、データ信号が存在するデータ点をも、パイロット点の如く利用して位相回転量を推定する。これにより、実質的にパイロット点が増加したのと同様な効果が得られるため、本来のパイロット点が少なくても、位相回転量の推定精度を向上させることができる。
【0079】
具体的には、MMSE合成によって得られた出力信号y(データ信号)を、IDFT4によって逆離散フーリエ変換して時間領域信号とし、その時間領域信号を復調部5にて復調(QAM復調)して、さらに、変調部8にて変調(QAM変調)する。
【0080】
受信側で復調された信号は、伝送路における誤りがなければ、送信側で生成された信号と同一となるはずである。したがって、復調して再変調された信号は、送信側(端末)において送信された信号と同一となるはずであり、送信信号のレプリカとして利用できる。第3実施形態では、これを利用して、再変調された変調信号を、DFT部9にて離散フーリエ変換し、周波数領域の信号に変換する。
【0081】
レプリカ生成部10は、DFT部9から出力された周波数領域信号(データ信号)のうち、位相回転量を推定する対象となっているリソースブロックを構成する周波数領域信号(データ信号)を、送信側で送信された対象リソースブロックのレプリカ(送信信号レプリカ)とする。なお、復調や再変調の対象となるのはデータ信号だけでパイロット信号は対象とならないため、対象リソースブロックのレプリカには、データ信号だけが含まれ、パイロット信号は含まれない。
【0082】
位相回転量推定部32では、このリソースブロックレプリカに含まれる各周波数領域信号(データ信号)を、既知信号であるパイロット信号とみなす。そして、リソースブロックレプリカ及びパイロット信号と、実際に受信したリソースブロックと、を用いて位相回転量を推定する。
【0083】
また、図15に示すように、復調部5にて復調した復調信号に対して、更に誤り訂正復号部6にて誤り訂正を行った後の信号を用いてもよい。この場合、誤り訂正復号6の後に、誤り訂正符号部7にて再度符号化を行ったのち、変調部8による変調、DFT部による離散フーリエ変換が行われる。誤り訂正も行うことで、レプリカの推定精度が向上し、位相回転量推定精度も向上させることができる。
【0084】
図16は、第3実施形態におけるMMSE合成の処理手順を示している。まず、位相回転量の推定を行う(ステップS21)。位相回転量の推定は複数回繰り返されることになるが、1回目の位相回転量推定では、第1実施形態と同様に、位相回転量推定対象となっているリソースブロック内のパイロット点のみが使用される。したがって、1回目の位相回転量推定では、相互相関を求めるために用いられるチャネル推定値は、第1実施形態と同様に、下記式のとおり算出される。
【数10】

【0085】
続いて、1回目の推定で得られた位相回転量に相当する回転量の逆回転が、周波数領域受信信号に対してかけられる(ステップS22)。そして、逆回転がかけられば周波数領域受信信号に基づいて、MMSEウェイト計算及びアレー合成が行われる(ステップS23)。そして、復調及び必要であれば誤り訂正が行われる(ステップS24)。
【0086】
上記処理の繰り返しが設定された最大値に達していれば終了するが(ステップS25)、最大値に達していない場合、再変調(必要であれば先に再符号化)を行い(ステップS26)、リソースブロックのレプリカを生成する(ステップS27)。
【0087】
2回目以降の位相回転量推定では、リソースブロック内のパイロット点i及びデータ点jの双方を使用して、相互相関を求めるために用いられるチャネル推定値が算出される。式で表すと次の通りである。
【数11】

【0088】
上記式で示すとおり、データ点については、リソースブロックレプリカに含まれるデータ信号についての周波数領域信号と、当該データ信号についての実際の受信信号と、に基づいてチャネル推定が行われる。つまり、リソースブロックレプリカ内の各データ信号をパイロット信号とみなしているのである。
【0089】
したがって、全パイロット点及び全データ点を使用した場合、12×7(又は6)個のパイロット点がある場合と同様の推定精度を得ることができる。
また、第3実施形態では、パイロット点が増加しているため、第2実施形態と比較すると、処理の繰り返しの初期段階でも、比較的高精度に位相回転量を推定することができる。すなわち、2回目の位相回転量推定とその推定値による逆回転だけでも、比較的良好なMMSE合成が行える。なお、3回目以降の位相回転量推定を行っても良いのは当然である。
【0090】
また、誤り訂正を行って得られた信号に基づいてレプリカを生成する場合、誤り訂正できなかったビットに対応するデータ点は、レプリカとして使用しないのが好ましい。
例えば、一つのリソースブロックにおいて、誤り訂正が行われる単位が、図17に示すB1〜B4の4つのブロックに分かれていたとする。そして、4つのブロックB1〜B4のうち、ブロックB1,B3,B4は誤り訂正ができたが、ブロックB2は誤りが検出されているものの誤りが訂正できなかったものとする。
【0091】
この場合、位相回転量推定部32では、ブロックB2内のデータ点を除外して位相回転量を推定する。ブロックB2内のデータ点についての受信信号には誤りが含まれているため、レプリカの推定精度も低く、位相回転量の推定に用いると推定精度を低下させるが、誤りのあるブロックB2を除外することで、推定精度の低下を防止できる。
また、誤り訂正ではなく、誤り検出だけを行った場合、誤りが検出されたブロックB2については、同様に、除外することができる。
【0092】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0093】
BS1,BS2 基地局装置(無線通信装置)
MS1,MS2,MS3 移動局(ユーザ端末)
1a,1b アンテナ
2a,2b FFT部
3 マルチアンテナ信号処理部
4 ユーザ分離&IDFT部(IDFT部)
5 復調部
6 誤り訂正復号部
7 誤り訂正符号部
8 変調部
9 DFT部
10 レプリカ生成部
31 MMSE合成処理部
31a ウェイト計算部
32 位相回転量推定部
33a,33b 逆回転部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信信号に対して離散フーリエ変換を行って得られた周波数領域受信信号に基づいて、MMSE合成を行うMMSE合成処理部を備えた無線通信装置であって、
受信信号の離散フーリエ変換タイミングのずれによって前記周波数領域受信信号に生じた位相回転量を推定する位相回転量推定部と、
前記前記位相回転量推定部によって推定された前記位相回転量に相当する回転量の逆回転を前記周波数領域受信信号にかける逆回転部と、
を備え、
前記MMSE合成処理部は、前記逆回転部によって逆回転がかけられた前記周波数領域受信信号に基づいて、MMSEウェイトを計算して、MMSE合成を行う
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
前記位相回転量推定部は、一旦行われたMMSE合成後の周波数領域受信信号に基づいて、前記位相回転量を推定するよう構成され、
前記逆回転部は、一旦行われたMMSE合成後の周波数領域受信信号に基づいて推定された前記位相回転量に相当する回転量の逆回転を、MMSE合成前の周波数領域受信信号にかけるよう構成され、
前記MMSE合成処理部は、一旦行われたMMSE合成後の周波数領域受信信号に基づいて推定された前記位相回転量に相当する回転量の逆回転がかけられた周波数領域受信信号に基づいて、MMSEウェイトを計算して、MMSE合成を行う
請求項1記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記位相回転量推定部、前記逆回転部、及び前記MMSE合成処理部による一連の処理を繰り返し実行するよう構成されている
請求項2記載の無線通信装置。
【請求項4】
一旦行われたMMSE合成後の周波数領域受信信号に含まれるデータ信号を復調した復調信号に基づいて、前記データ信号についての送信信号レプリカを生成するレプリカ生成部を更に備え、
前記位相回転量推定部は、パイロット信号及び前記パイロット信号についての周波数領域受信信号に基づいて、位相回転量を推定するよう構成され、
更に前記位相回転量推定部は、前記送信信号レプリカを前記パイロット信号とみなすことで、データ信号についての周波数領域受信信号をも用いて、前記位相回転量を推定するよう構成され、
前記逆回転部は、前記データ信号についての周波数領域受信信号をも用いて推定された前記位相回転量に相当する回転量の逆回転を、MMSE合成前の周波数領域受信信号にかけるよう構成され、
前記MMSE合成処理部は、前記データ信号についての周波数領域受信信号をも用いて推定された前記位相回転量に相当する回転量の逆回転がかけられた周波数領域受信信号に基づいて、MMSEウェイトを計算して、MMSE合成を行う
請求項1記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記レプリカ生成部は、前記復調信号に対して誤り訂正を行った後の信号に基づいて、前記データ信号についての送信信号レプリカを生成するよう構成されている
請求項4記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記位相回転量推定部は、誤りが訂正できなかった又は誤りが検出されたデータ信号についての送信信号レプリカを、位相回転量の推定に用いられる送信信号レプリカから除外して、位相回転量の推定を行う
請求項5記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記レプリカ生成部、前記位相回転推定部、前記逆回転部、及び前記MMSE合成処理部による一連の処理を繰り返し実行するよう構成されている
請求項4〜6のいずれか1項に記載の無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−101167(P2011−101167A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253972(P2009−253972)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】