説明

無線LANのための空間分割多重接続及びこのためのチャネル推定

【課題】無線LANのための空間分割多重接続及びこのためのチャネル推定を提供する。
【解決手段】チャネル接続のために競争基盤の空間分割多重接続技法と周波数分割多重接続技法が共に用いられる。チャネル接続方法は、複数のステイションに対するチャネル特性を推定し、推定されたチャネル特性に基づいてダウンリンクスケジュール情報またはアップリンクスケジュール情報を前記複数のステイションに送信するための競争期間、及び前記ダウンリンクスケジュール情報または前記アップリンクスケジュールによって前記複数のステイションの全部または一部とダウンリンク送信またはアップリンク送信を実行するためのデータ送信期間を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN(Wireless Local Area Network;WLAN)に関し、より具体的に、無線LANにおける多重接続及びチャネル推定に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、情報通信技術の発展とともに多様な無線通信技術が開発されている。このうち、無線LAN(WLAN)は、無線周波数技術に基づき、個人携帯用情報端末機(Personal Digital Assistant;PDA)、ラップトップコンピュータ、携帯型マルチメディアプレイヤ(Portable Multimedia Player;PMP)などのような携帯型端末機を用いて家庭や企業または特定サービス提供地域で無線でインターネットに接続することができるようにする技術である。
【0003】
WLAN技術の標準化機構であるIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802が1980年2月に設立された以来、多くの標準化作業が実行されている。初期のWLAN技術は、IEEE802.11を介して2.4GHz周波数を使用して周波数ホッピング、帯域拡散、赤外線通信などで1〜2Mbpsの速度をサポートした以来、最近にはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex)を適用して最大54Mbpsの速度をサポートすることができる。その他、IEEE802.11ではQoS(Quality for Service)の向上、アクセスポイント(Access Point)プロトコル互換、保安強化(Security Enhancement)、無線リソース測定(Radio Resource measurement)、車両環境のための無線接続(Wireless Access Vehicular Environment)、速いローミング(Fast Roaming)、メッシュネットワーク(Mesh Network)、外部ネットワークとの相互作用(Interworking with External Network)、無線ネットワーク管理(Wireless Network Management)等、多様な技術の標準を実用化または開発中である。
【0004】
IEEE802.11のうちIEEE802.11bは2.4GHz帯域の周波数を使用すると共に最高11Mbsの通信速度をサポートする。IEEE802.11b以後に商用化されたIEEE802.11aは2.4GHz帯域でない5GHz帯域の周波数を使用することによって相当混雑する2.4GHz帯域の周波数に比べて干渉に対する影響を減らし、OFDM技術を使用して通信速度を最大54Mbpsまで向上させた。然しながら、IEEE802.11aはIEEE802.11bに比べて通信距離が短いという短所がある。また、IEEE802.11gは、IEEE802.11bと同様に2.4GHz帯域の周波数を使用して最大54Mbpsの通信速度を具現し、後方互換性(Backward Compatibility)を満たしているため相当な注目を浴びており、通信距離においてもIEEE802.11aより優位である。
【0005】
また、無線LANにおける欠陥と指摘されてきた通信速度に対する限界を克服するために比較的最近に制定された技術規格としてIEEE802.11nがある。IEEE802.11nの目的は、ネットワークの速度と信頼性を増加させ、無線ネットワークの運営距離を拡張することである。より具体的に、IEEE802.11nは、データ処理速度が最大540Mbps以上である高処理率(High Throughput;HT)をサポートし、また、送信エラーを最小化してデータ速度を最適化するために送信部と受信部の両方ともに多重アンテナを使用するMIMO(Multiple Inputs and Multiple Outputs)技術に基づいている。また、この規格は、データ信頼性を高めるために重複する写本を複数個送信するコーディング方式を使用するだけでなく、速度を増加させるために直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplex;OFDM)を使用することもできる。
【0006】
WLANの普及が活性化され、これを用いたアプリケーションが多様化されることによって、最近、IEEE802.11nがサポートするデータ処理速度より高い処理率をサポートするための新たなWLANシステムに対する必要性が台頭されている。超高処理率(Very High Throughput;VHT)無線LANシステムは、1Gbps以上のデータ処理速度をサポートするために最近に新たに提案されているIEEE802.11無線LANシステムのうち一つである。VHT無線LANシステムという名称は任意であり、現在は1Gbps以上のスループットを提供するために4×4MIMO及び80MHzチャネルバンド幅を使用するシステムに対する実現可能性テスト(feasibility test)が進行されている。現在、VHT無線LANシステムにおける結合処理率(Aggregated throughput)で1Gbpsを達成するために、80MHz以上のチャネルバンド幅を使用すると共に、チャネル接続技法として空間分割多重接続(Spatial Division Multiple Access;SDMA)技法を使用することに対する研究が活発に進行されている。
【0007】
然しながら、IEEE802.11n無線LANシステムや他の無線LANシステムで使われている既存のチャネル接続メカニズムは、1Gbps以上のスループットを提供しようとするVHT無線LANシステムのチャネル接続メカニズムとしてそのまま適用することができない。なぜならば、既存の無線LANシステムは、20MHzまたは40MHzのチャネルバンド幅を前提とするものであるが、このような狭いチャネル帯域幅ではサービスアクセスポイント(Service Access Point;SAP)で1Gbps以上のスループットを達成することができなくて、VHT無線LANシステムでは最小80MHzのチャネルバンド幅を使用するためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする一つの課題は、無線LANにおける結合処理率が1Gbps以上になることができるようにするチャネル接続方法及び装置を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする他の課題は、無線LANにおける複数の端末に対して同時にチャネルを推定することができる方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施例に係る無線LANにおけるチャネル接続方法は、競争基盤の空間分割多重接続技法と周波数分割多重接続技法を共に用いる。
【0011】
前記チャネル接続手順は、複数のVHTステイションに対するチャネル特性を推定し、推定されたチャネル特性に基づいてダウンリンクスケジュール情報またはアップリンクスケジュール情報を前記複数のVHTステイションに送信するための競争期間、及び前記ダウンリンクスケジュール情報または前記アップリンクスケジュールによって前記複数のVHTステイションの全部または一部とダウンリンク送信またはアップリンク送信を実行するためのデータ送信期間を含む。
【0012】
前記競争期間は、前記複数のVHTステイションの各々と所定のメッセージを交換し、前記複数のVHTステイションの各々に対するチャネル特性を推定するためのチャネル推定期間を含み、前記交換されるメッセージはRTS(Request To Send)/CTS(Clear To Send)フレーム、空データ(Null Data)/ACKフレーム、またはチャネル推定要請/応答フレームである。
【0013】
本発明の他の実施例に係る無線LANシステムのためのチャネル推定方法は、チャネル推定を要請するメッセージとしてチャネル推定が必要なVHTステイションに対する情報と前記VHTステイションの各々のために割り当てられるサブチャネルに対する情報を含む要請メッセージを、前記超高処理率無線LANシステムの全体周波数帯域幅を介して複数のVHTステイションのために送信する段階、及び前記複数のVHTステイションの各々からチャネル推定結果を示す情報を含む応答メッセージを前記要請メッセージに割り当てられたサブチャネルを介して受信する段階を含む。
【発明の効果】
【0014】
競争基盤のSDMA/FDM技法を適用し、まず、ダウンリンク/アップリンク送信のためにチャネル特性を推定し、推定されたチャネル特性に基づいてダウンリンクスケジュールまたはアップリンクスケジュールを作って複数のVHT STAの同時チャネル接続を空間及び/または周波数によって許容することによって、効率的な無線リソースの利用が可能である。また、チャネル特性を推定する時、チャネル推定のための要請メッセージはシステムの全体周波数帯域幅を用いて送信し、これに対する応答メッセージはVHT STA別にサブチャネルを介して受信することによって、複数のVHT STAに対するチャネル推定によるオーバーヘッドを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施例が適用されることができる無線LANシステムの一例に対する構成を簡略に示す。
【図2】空間分割多重接続(Spatial Division Multiple Access;SDMA)基盤VHT無線LANシステムの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】VHT無線LANシステムにおける連続チャネル推定過程の一例を示すダイアグラムである。
【図4】VHT無線LANシステムにおける並行チャネル推定手順の一例を示すダイアグラムである。
【図5】本発明の一実施例に係るチャネル推定要請フレームのフォーマットを示すブロック図である。
【図6】図5のチャネル推定要請フレームに含まれるチャネル推定レシピエント集合情報要素のフォーマットの一例を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施例に係るチャネル推定応答フレームのフォーマットを示すブロック図である。
【図8】80MHzチャネルを用いる多様な方法が例示したダイアグラムである。
【図9】本発明の一実施例に係るSDMA手順のうちダウンリンク局面における手順の一例を示すダイアグラムである。
【図10】本発明の実施例に係るSDMA/FDM技法によって複数のVHT STAに同時にデータを送信する方法の一例を示すダイアグラムである。
【図11】本発明の一実施例に係るSDMA手順のうちアップリンク局面における手順の一例を示すダイアグラムである。
【図12】本発明の実施例が具現される無線通信システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の実施例が適用されることができる無線LANシステムの一例に対する構成を簡略に示す。無線LANシステムは、一つまたはその以上の基本サービスセット(Basic Service Set;BSS)を含む。BSSは、成功的に同期化を行われて互いに通信することができるステイション(Station;STA)の集合であり、特定領域を示す概念ではない。また、本発明の実施例が適用されることができる無線LANシステムは、MAC(Medium Access Control)SAP(Service Access Point)で1GHz以上の超高速データ処理をサポートするVHT(Very High Throughput)無線LANシステムであり、VHTシステムにおけるBSSをVHT BSSという。
【0017】
VHT BSSもインフラストラクチャBSS(infrastructure BSS)と独立BSS(Independent BSS;IBSS)に区分することができ、図1にはインフラストラクチャBSSが示されている。インフラストラクチャBSS(BSS1、BSS2)は、一つまたはその以上のNon−AP STA(Non−AP STA1、Non−AP STA3、Non−AP STA4)、分配サービス(Distribution Service)を提供するステイションであるアクセスポイント(AP STA1、AP STA2)、及び複数のアクセスポイント(AP STA1、AP STA2)を連結させる分配システム(Distribution System;DS)を含む。インフラストラクチャBSSではAP STAがBSSのNon−AP STAを管理する。
【0018】
一方、独立BSSはアドホックモードに動作するBSSである。IBSSは、AP VHT STAを含まないため、中央で管理機能を遂行するエンティティ(Centralized Management Entity)がない。即ち、IBSSではNon−AP STAが分散された方式(distributed manner)に管理される。IBSSでは全てのSTAが移動ステイションからなることができ、DSへの接続が許容されなくて自己完備的ネットワーク(self−contained network)をなす。
【0019】
STAは、IEEE802.11標準の規定による媒体接続制御(Medium Access Control;MAC)と無線媒体に対する物理層(Physical Layer)インターフェースを含む任意の機能媒体であり、広義ではAPと非APステイション(Non−AP Station)の両方ともを含む。また、後述するような多重チャネル環境で1GHz以上の超高速データ処理をサポートするSTAをVHT STAという。本発明の実施例が適用されることができるVHT無線LANシステムでは、前記BSSに含まれるSTAは、全部VHT STAであってもよく、或いはVHT STAとレガシーSTA(例えば、IEEE802.11nによるHT STA)が共存してもよい。
【0020】
無線通信のためのSTAは、プロセッサ(Processor)とトランシーバ(transceiver)を含み、ユーザインターフェースとディスプレイ手段などを含む。プロセッサは、無線ネットワークを介して送信するフレームを生成したり、或いは前記無線ネットワークを介して受信されたフレームを処理するように考案された機能ユニットであり、STAを制御するための多様な機能を遂行する。また、トランシーバは、前記プロセッサと機能的に連結されており、ステイションのために無線ネットワークを介してフレームを送受信するように考案されたユニットである。
【0021】
STAのうち、ユーザが操作する携帯用端末はNon−AP STA(STA1、STA3、STA4、STA6、STA7、STA8)であり、単純にSTAという時はNon−AP STAを意味する。Non−AP STAは、端末(terminal)、無線送受信ユニット(Wireless Transmit/Receive Unit;WTRU)、ユーザ装備(User Equipment;UE)、移動局(Mobile Station;MS)、携帯用端末(Mobile Terminal)、または移動サブスクライバユニット(Mobile Subscriber Unit)など、他の名称で呼ばれることもできる。また、後述するような多重チャネル環境で1GHz以上の超高速データ処理をサポートするNon−AP STAをNon−AP VHT STAまたは簡単にVHT STAという。
【0022】
また、AP(AP1、AP2)は、自体に結合されたSTA(Associated Station)のために無線媒体を経由してDSに対する接続を提供する機能エンティティである。APを含むインフラストラクチャBSSで非AP STA間の通信はAPを経由して行われるのが原則であるが、ダイレクトリンクが設定された場合には非AP STA間でも直接通信が可能である。APは、アクセスポイントという名称外に集中制御器、基地局(Base Station;BS)、ノードB、BTS(Base Transceiver System)、またはサイト制御器などで呼ばれることもできる。また、後述するような多重チャネル環境で1GHz以上の超高速データ処理をサポートするAPをVHT APという。
【0023】
複数のインフラストラクチャBSSは分配システム(Distribution System、DS)を介して相互連結されることができる。DSを介して連結された複数のBSSを拡張サービスセット(Extended Service Set;ESS)という。ESSに含まれるSTAは互いに通信することができ、同一ESS内で非AP STAはシームレスに通信しつつ、一つのBSSから他のBSSに移動することができる。
【0024】
DSは、一つのAPが他のAPと通信するためのメカニズムであり、これによると、APは、自体が管理するBSSに結合されているSTAのためにフレームを送信したり、或いはいずれか一つのSTAが他のBSSに移動した場合、フレームを伝達したり、或いは有線ネットワークなどのような外部ネットワークとフレームを伝達することができる。このようなDSは、必ずネットワークである必要はなく、IEEE802.11に規定された所定の分配サービスを提供することができる場合、その形態に対しては何らの制限がない。例えば、DSは、メッシュネットワークのような無線ネットワークであってもよく、APを互いに連結させる物理的な構造物であってもよい。
【0025】
図2は、空間分割多重接続(Spatial Division Multiple Access;SDMA)基盤VHT無線LANシステムの構成の一例を示すブロック図であり、インフラストラクチャVHT BSSの場合である。SDMA基盤VHT無線LANシステムとは、多重接続技法として空間分割多重接続技法を使用するVHT無線LANシステムを示す。図2を参照すると、SDMAをサポートするVHT APは、複数、例えば、3個の物理層インターフェース(PHY interfaces)を具備し、この3個の物理層インターフェースは3個の同時空間ストリーム(concurrent spatial streams)を提供することができる。反面、Non−AP VHT STA(以下、‘VHT STA’という)は、各々、一つの物理層インターフェースを有する。また、各々の物理層インターフェースは4×4までMIMO技術をサポートすることができる。
【0026】
図2に示すようなSDMA基盤VHT無線LANシステムで、VHT APが複数のVHT STAに空間ストリームを同時に提供するためには、VHT APはこれらのVHT STAに対するチャネル特性を知っていなければならない。従って、SDMA基盤VHT無線LANシステムではVHT APが各々のVHT STAに対するチャネル推定メカニズム(Channel Estimation Mechanism)を必要とする。
【0027】
SDMA技法によってVHT APから同時にダウンリンクストリームを受信したり、或いはアップリンクストリームを送信する複数のVHT STAの各々に対するチャネルを推定する一つの方法として、連続的チャネル推定(Sequential Channel Estimation)過程を考慮してみることができる。連続的チャネル推定過程によると、VHT APは、ダウンリンク/アップリンク送信の対象となる各々のVHT STAと順次にチャネル推定のための要請メッセージと応答メッセージを授受し、前記要請メッセージと応答メッセージは、システムの全体チャネルバンド幅を介して送信されることができる。以下、連続的チャネル推定過程に対し、より詳細に説明する。
【0028】
図3は、VHT無線LANシステムにおける連続チャネル推定過程の一例を示すダイアグラムである。図3は、80MHzチャネルバンド幅を使用すると共に、ダウンリンクストリームを同時に受信するVHT STAの数が4個であるVHT無線LANシステムにおける連続チャネル推定過程を例示したものである。図3を参照すると、VHT APは、第1ののSTA(STA1)、第2のSTA(STA2)、第3のSTA(STA3)、及び第4のSTA(STA4)と、80MHz全体を介してチャネル推定のための要請メッセージと、応答メッセージであるRTS(Request To Send)フレームとCTS(Clear To Send)フレームと、を順次に授受する。
【0029】
このような連続チャネル推定過程は、SDMAに基づいて同時に接続するVHT STAのチャネル特性の推定に効果的である。然しながら、連続チャネル推定過程はオーバーヘッド(Overhead)が大きいという短所がある。即ち、連続チャネル推定過程による場合、VHT APは、同一空間に位置するSTAの数ほどRTSフレームとCTSフレームを交換しなければならないため、それほど信号処理量も増加する可能性がある。その上、連続チャネル推定過程に所要される時間もSTAの数によって増加することができるため、STAの数が多い場合にはチャネル推定過程に多くの時間が所要されて実際データ送信のために使用することができる時間は減る場合がある。従って、前述した連続チャネル推定過程は、VHT無線LANシステムにおけるチャネル推定手順として用いられることはできるが、一定の限界を有している。
【0030】
連続チャネル推定過程の短所を補完するための一つの方法として、本発明の実施例では並行チャネル推定手順(Parallel Channel Estimation Procedure)を提案する。‘並行チャネル推定手順’という名称は例示に過ぎない。並行チャネル推定手順によると、VHT APはダウンリンク送信の対象となる各々のVHT STAにチャネル推定のための要請メッセージをブロードキャストまたはマルチキャストで送信し、これを受信した前記VHT STAは、各々、サブチャネルを介してユニキャストで応答メッセージをVHT APに同時に送信する。この場合、前記要請メッセージには、各VHT STAが応答メッセージを送信する時に使用するサブチャネルを指示する情報が含まれ、VHT STAは、要請メッセージに含まれているサブチャネルを介して応答メッセージをVHT APに送信する。
【0031】
例えば、80MHzチャネルバンド幅を使用するVHT無線LANシステムの場合、20MHzチャネルバンド幅を有するサブチャネルを4個使用することができる。また、VHT APがサポートするビーム形成(Beam Forming)アンテナ4個を仮定する場合、同時にサポートするダウンリンク送信の数は4個である。ダウンリンク送信の対象になるVHT STAが第1ののSTA(STA1)、第2のSTA(STA2)、第3のSTA(STA3)、及び第4のSTA(STA4)である場合、例えば、第1ののSTAには第1ののサブチャネル、第2のSTAには第2のサブチャネル、第3のSTAには第3のサブチャネル、及び第4のSTAには第4のサブチャネルを割り当てることができる。
【0032】
図4は、VHT無線LANシステムにおける並行チャネル推定手順の一例を示すダイアグラムである。図4に示した例では80MHzチャネルバンド幅を使用すると共に、ダウンリンクストリームを同時に受信するVHT STAの数が4個であるVHT無線LANシステムにおける並行チャネル推定手順を例示したものである。図4を参照すると、VHT APは、第1ののSTA(STA1)、第2のSTA(STA2)、第3のSTA(STA3)、及び第4のSTA(STA4)の全てのために80MHz全体を介してチャネル推定のための‘要請メッセージ’をブロードキャスティングする。また、各STAは、受信された要請メッセージを介してチャネル推定をした後にチャネル推定情報を含む‘応答メッセージ’をVHT APに送信する。この場合、前記応答メッセージは20MHzのチャネルバンド幅を有するサブチャネルを介して送信され、各STAは互いに異なるサブチャネルを使用する。また、各STAが互いに異なるサブチャネルを使用することができるように、前記要請メッセージにはチャネル推定の対象となるSTAに対する情報と共に該当STAが応答メッセージを送信する時に使用するサブチャネルに関する情報が含まれる。
【0033】
図4にはチャネル推定のための要請メッセージとこれに対する応答メッセージとしてRTSフレームとCTSフレームを用いるものが示されている。然しながら、本実施例はここにのみ限定されるものではなく、CTSフレームとRTSフレーム対外に空データフレーム(Null Data Frame)とACKフレームの対や、チャネル推定要請フレーム(Channel Estimation Request Frame)とチャネル推定応答フレーム(Channel Estimation Response Frame)の対などが、前記要請メッセージと前記応答メッセージの対として用いられることができる。
【0034】
前述したように、本発明の実施例に係る前記要請メッセージ、即ち、RTSフレーム、空データフレーム、またはチャネル推定要請フレームなどはチャネル推定の対象となるSTAに対する情報及び各STAが応答メッセージを送信する時に使用するサブチャネルに関する情報を含む。このような情報は、既存のフレームに新たな情報要素(Information Element;IE)で追加されたり、或いは新たなフィールドで追加されることができ、追加方法に特別な制限はない。以下、前記情報を含むフレームの一例として、‘チャネル推定要請フレーム’と‘チャネル推定応答フレーム’のフォーマットの一例に関して説明する。他のフレーム(例えば、RTS/CTSフレームやNull Data/ACKフレーム)のフォーマットは、既存のフォーマットに必須な情報またはフィールドが追加される形態になることができるため、これに対する説明は省略する。
【0035】
図5は、本発明の一実施例に係るチャネル推定要請フレームのフォーマットを示すブロック図である。
【0036】
図5を参照すると、チャネル推定要請フレームは、アクションカテゴリ(Action Category)フィールド、アクション値(Action Value)フィールド、チャネル推定イニシエータ(Channel Estimation Initiator)フィールド、チャネル推定持続時間(Channel Estimation Duration)フィールド、チャネル推定レシピエント集合情報要素(Channel Estimation recipient Set IE)フィールドを含むことができる。アクションカテゴリフィールドは、チャネル推定要請フレームが属するアクションのカテゴリ、例えば、管理アクションカテゴリを指示する値に設定されることができ、アクション値フィールドは‘チャネル推定要請’アクションを指示する所定の値に設定されることができる。また、チャネル推定イニシエータフィールドは、前記チャネル推定要請フレームを送信するSTAの住所に設定され、チャネル推定持続時間フィールドはチャネル推定シークエンスの持続時間を示す値に設定される。
【0037】
また、チャネル推定レシピエント集合情報要素フィールドは、前記チャネル推定要請フレームを介してダウンリンク送信のためのチャネル推定が必要なSTAまたはチャネル推定応答フレームを送信しなければならないSTAの住所と共に前記STAがチャネル推定応答フレームを送信する時に使用するサブチャネルを指示する値が設定されることができる。
【0038】
図6は、このようなチャネル推定レシピエント集合情報要素のフォーマットの一例を示すブロック図である。図6を参照すると、チャネル推定レシピエント集合情報要素は、要素ID(Element ID)フィールド、長さ(Length)フィールド、チャネル推定レシピエント(Channel Estimation Recipient)フィールド、及びフィードバックチャネル(Feedback Channel)フィールドを含むことができる。要素IDフィールドは、チャネル推定レシピエント集合情報要素を指示する所定の値に設定される。長さフィールドは、後続フィールド(チャネル推定レシピエントフィールド及びフィードバックチャネルフィールド)の長さを指示する値に設定される。また、チャネル推定レシピエントフィールドは、ダウンリンク送信の対象になってチャネル推定応答フレームを送信しなければならないSTAを特定するための値、例えば、STAの住所情報が含まれ、フィードバックチャネルフィールドは、前記チャネル推定レシピエントフィールドに特定されたSTAがチャネル推定応答フレームを送信する時に使用するサブチャネルを指示する値に設定される。
【0039】
図7は、本発明の一実施例に係るチャネル推定応答フレームのフォーマットを示すブロック図である。
【0040】
図7を参照すると、チャネル推定応答フレームは、アクションカテゴリ(Action Category)フィールド、アクション値(Action Value)フィールド、チャネル推定イニシエータ(Channel Estimation Initiator)フィールド、チャネル推定レシピエント(Channel Estimation Recipient)フィールド、及びチャネル状態情報報告フィールドを含むことができる。アクションカテゴリフィールドは、チャネル推定応答フレームが属するアクションのカテゴリ、例えば、管理アクションカテゴリを指示する値に設定されることができ、アクション値フィールドは、‘チャネル推定応答’アクションを指示する所定の値に設定されることができる。また、チャネル推定イニシエータフィールドは、チャネル推定を要請したフレームを送信するSTAの住所、即ち、受信されたチャネル推定要請フレームのチャネル推定イニシエータフィールドに設定された値と同一値に設定されることができる。また、チャネル推定レシピエントフィールドは、チャネル推定応答フレームを送信するSTAの住所、即ち、後続するチャネル状態情報報告フィールドに含まれるチャネル推定値を生成したSTAの住所に設定され、チャネル状態情報報告フィールドはチャネル推定値に設定される。
【0041】
次に、前述した連続チャネル推定手順及び/または並行チャネル推定手順を介して獲得したチャネル情報を用いるVHT無線LANシステムにおける空間分割多重接続手順に関して説明する。
【0042】
前述したように、VHT無線LANシステムでは80MHzまたはその以上のバンド幅を有する広域バンドチャネル(WideBand Channel)を用いる。前記広域バンドチャネルは、その大きさが同じ或いは異なる(例えば、20MHz)帯域幅の複数のサブチャネルに分けることができる。VHT無線LANシステムでこのような広域帯域チャネルを用いる方法に関して多様な方法が提案されている。
【0043】
図8は、80MHzチャネルを用いる多様な方法が例示されている。VHT無線LANシステムでは後述する方法のうちいずれか一つの方法のみが用いられたり、或いは多様な方法の組合せが用いられることもできる。または、ダウンリンクとアップリンクで異なる方法が用いられることもできる。
【0044】
図8の(a)は、チャネル結合(Channel bonding)技法を示す。チャネル結合技法によると、一つのSTAが全体広域チャネルを使用する。即ち、サブチャネルの集合は単一広域チャネル(single wideband)として使われる。然しながら、前述したチャネル推定手順で説明した通り、図8の(a)に示したチャネル結合技法は相対的に高いオーバーヘッドを招くおそれがある。また、図8の(b)は、チャネルアグリゲイション(Channel Aggregation)技法を示す。これによると、複数のサブチャネルは一つのSTAによって独立的に用いられることができる。この場合には、STAは複数のフレームを同時に送信することができ、各々のフレームは互いに異なるサブチャネルを介して送信される。図8の(a)及び(b)で、MCSは変調及びコーディング方式(Modulation&Coding Scheme)を示す。反面、図8の(c)は、周波数分割多重(Frequency Division Multiplex;FDM)技法を示す。この場合には、複数のSTAが各々互いに異なるサブチャネルを介して同時にフレームを送信することができる。
【0045】
本発明の実施例に係るVHT無線LANシステムにおける空間分割多重接続手順では、アップリンクまたはダウンリンクデータ送信においてSDMA技法に図8の(c)のようなFDM技法を結合する。然しながら、IEEE802.11MACは、競争基盤(Contention−based)のキャリアセンサ多重接続/衝突回避(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance;CSMA/CA)を前提にする。従って、無線LANシステムでSDMAとFDMを結合して使用するためには、このような競争基盤メカニズムを考慮しなければならない。また、VHT APが複数のSTAの送信するフレームを成功的に受信するためには、互いに異なるサブチャネルを使用するSTA間のアップリンク送信を同期化させなければならない。
【0046】
このために、VHT無線LANシステムにおける本発明の一実施例に係るSDMA手順では無線LAN動作時間(WLAN Operation Time)を競争モード(Contention Mode)及び、必要な場合には非競争モード(Contention−free Periods)に区分することができる。非競争モードが含まれるか否かに対して本発明の実施例では特別な制限がなく、VHT無線LANシステムのプロトコルによって変わることができる。後述するように、非競争モードにはVHT APが所定の基準に基づいてアップリンク送信、ダウンリンク送信をスケジュールリングする。非競争モードで使われることができる方式は、アップリンク送信、ダウンリンク送信に対するスケジュールリング情報をPSMP(Power Save Multi−Poll)シーケンスのようなポーリングを介してVHT APが伝達することができる。
【0047】
本発明の実施例によると、競争モードは、競争期間(Contention Periods)と前記競争期間に後続するデータ送信期間(Data Transmission Periods)に区分する。競争期間にはVHT APと一つ以上のVHT STAが全体広域チャネル(例えば、80MHzチャネル)で実行されるCSMA/CA手順を用い、チャネルを獲得するために競争する。この競争でVHT APが勝てる場合、ダウンリンクまたはダウンリンク局面(Downlink Phase)が始まり、VHT STAが勝てる場合、アップリンクまたはアップリンク局面(Uplink Phase)が始まる。
【0048】
図9は、本発明の一実施例に係るSDMA手順のうちダウンリンク局面における手順の一例を示すダイアグラムである。図9を参照すると、ダウンリンク局面は、チャネル推定期間(Channel Estimation Period)とデータ送信期間(Data Transmission Period)を含む。ここで、チャネル推定期間は任意な期間である。
【0049】
VHT APは、チャネル推定期間に前述した本発明の実施例に係るチャネル推定技法(例えば、並行チャネル推定手順及び/または連続チャネル推定手順)によって、チャネル特性を推定する必要があり、また送信するデータがある一つまたはその以上のVHT STAと、RTS/CTSフレームの交換やNullData/ACKフレーム、またはチャネル推定要請/応答フレームの交換を実行することによって、VHT STAの各々に対するチャネル特性を推定する。
【0050】
また、チャネル推定を完了した以後には、後続するデータ送信期間にVHT APがデータを送信するVHT STAに関する情報(例えば、VHT STAのリスト)と共に前記VHT STAの各々にダウンリンク送信のために割り当てられたサブチャネル情報(例えば、周波数割当(Frequency Allocation)情報)を前記VHT STAに送信する。もし、VHT APがVHT STAにグループ住所を有するデータを送信する場合、グループ住所情報と共に前記グループ住所にダウンリンク送信のために割り当てられたサブチャネル情報(例えば、周波数割当(Frequency Allocation)情報)を前記グループ住所に加入したVHT STAに送信する。このような情報はダウンリンク地図(DL−MAP)フレームを用いて送信することができ、このような名称は単に例示に過ぎない。
【0051】
ダウンリンク地図フレームの送信によりチャネル推定期間が終了されると、データ送信期間が始まる。データ送信期間にVHT APは、SDMA/FDM技法を用いて複数のVHT STAに同時にデータ(SDMA/FDM Data)を送信し始める。SDMA/FDM技法によると、VHT APは、まず、全体周波数帯域(例えば、80MHzチャネル)を二つまたはその以上のサブチャネルに分割する(FDM)。また、VHT APは、各サブチャネルから独立的にSDMA技法を用いて複数のVHT STAに同時にデータを送信する。
【0052】
マルチキャスト送信やブロードキャスト送信でないユニキャスト送信を用いる場合、データフレームを受信したSTAはACKフレームを送信STAに送信するのが必要である。従って、VHT APがSDMA技法を用いて複数のVHT STAにダウンリンクデータを送信した後、各VHT STAはACKフレームでVHT APに応答する。各VHT STAがACKフレームを送信する時間は、VHT APがスケジューリングすることができる。
【0053】
VHT APは同時にデータを受信するVHT STAに対してデータの送信にかかる時間を同一にすることができる。SDMA技法によって送信される全てのデータフレームの送信時間を同一にするために、VHT APは、IEEE802.11無線LAN規格によるMSDU(MAC Service Data Unit)断片化技法(Fragmentation technique)やアグリゲイション技法(Aggregation technique)を用いることができる。または、VHT APは、データの送信時間が最も長いVHT STAに送信するデータを基準にして、他のVHT STAに送信するデータフレームは‘0’を挿入して送信時間が同じようにすることもできる(‘0’パディング技法(Zero Padding Technique))。また、データ送信が完了した後には、前記データを受信したVHT STAは同一チャネルを介してACKフレームをVHT APに送信する(ACKs)。
【0054】
このようなMSDU断片化技法/アグリゲイション技法やゼロパディング技法は、受信VHT STAに送信しなければならないダウンリンクトラフィックが前記VHT STA間で均一でない場合に有用に用いられることができる。従って、このような技法は、VHT STAがチャネル結合やA−PPDU(Aggregate−Physical Layer Convergence Procedure Protocol Data Unit)またはA−MPDUを用い、他のチャネルで同時にデータフレームを受信することができるようにする。
【0055】
図10は、このような本発明の実施例に係るSDMA/FDM技法によって複数のVHT STAに同時にデータを送信する一例を示すダイアグラムである。図10に示したダイアグラムは、VHT APが一つのチャネルで4個のSDMAストリームを送信すると共に、6個のVHT STAに同時にデータを送信する例を示す。また、図10において、4個のVHT STA(例えば、PDA(Personal Digital Assistant))には送信するデータトラフィックが相対的に少ない、あるいは40MHzのみをサポートする端末であるため、データ送信に40MHzチャネルを割り当て、残りの2個のVHT STA(例えば、ラップトップコンピュータ(Laptop Computer))には送信するデータトラフィックが相対的に多いため、データ送信に80MHzチャネルを割り当てたことを知ることができる。
【0056】
このような図10の例のように、多重接続技法として本発明の実施例に係るSDMA/FDM技法を用いる場合、VHT APは、各VHT STAのためにバッファリングされているデータの量やサービス品質遅延制限条件(QoS Delay Requirements)などを考慮して空間/周波数リソース(Spatial/Frequency Resource)を効率的に割り当てることができる。従って、本発明の実施例を用い、広域バンド幅(80MHzまたはその以上)を有するチャネルの活用を最適化させることができ、サービス品質制限条件を満たすことができる。
【0057】
図11は、本発明の一実施例に係るSDMA手順のうちアップリンク局面における手順の一例を示すダイアグラムである。図11を参照すると、アップリンク局面は競争期間(Contention Period)とデータ送信期間(Data Transmission Period)を含む。
【0058】
VHT APは、アップリンク局面の競争期間にVHT STAからの接続要請を受け付ける。VHT STAがアップリンク送信のための接続要請のために使用することができるメッセージには特別な制限がない。ただし、前記メッセージは、これを送信するVHT STAがバッファリングしているデータの量(Que Size)を指示する情報を含むことができる。バッファリングデータの量は、VHT APがSDMA/FDM技法によって接続要請をしたVHT STAの各々に空間/周波数リソースを割り当てる時に用いるためのものである。
【0059】
例えば、VHT STAは、空データフレーム(Null Data frame)またはQoS Nullフレーム(QoS Null)をVHT APに送信し、アップリンク接続要請をすることができる。また、VHT STAからQoS Nullフレームを受信したVHT APは、受信されたフレームを用いて該当VHT STAに対するチャネル特性を推定し、また、応答としてACKフレームを送信する。図11にはVHT APが競争期間に、第1のVHT STA(VHT STA1)、第2のVHT STA(VHT STA2)、第4のVHT STA(VHT STA4)、及び第3のVHT STA(VHT STA3)の順にQoS NullフレームとACKフレームを交換する過程が示されており、図示された順序は単に例示に過ぎない。
【0060】
また、VHT APは、複数のVHT STAから受信されたQoS Nullフレームに含まれている各VHT STA別バッファリングデータの量を考慮し、最適の効率を達成することができるように空間及び周波数リソースを各々のVHT STAに割り当てる。もちろん、空間リソースを割り当てる場合にはVHT STAの位置も考慮する必要がある。このような空間及び周波数リソースの割当は、受信された接続要請が最適の空間/周波数割当に到達するほど十分である場合、または制限されたアップリンク競争時間に到達する場合に始まることができる。
【0061】
また、VHT APは、各VHT STAに割り当てられた空間及び周波数リソース情報が含まれたメッセージを生成する。前記メッセージは、アップリンク地図フレーム(UL−MAP)であり、このような名称は例示に過ぎない。また、VHT APは、最後のACKフレームを送信した以後に、生成されたアップリンク地図フレームを前記VHT STAに送信する。最後のACKフレームとアップリンク地図フレームの送信中には所定のフレーム間隔(例えば、SIFS(Short Inter Frame Space)またはPIFS(Point Inter Frame Space))が存在することができる。このようなアップリンク地図フレームはブロードキャスト形式に送信されることができ、アップリンク地図フレームがブロードキャスティングされると、アップリンク局面の競争期間が終了される。
【0062】
前記アップリンク地図フレームは次のような情報を含むことができる。まず、後続するデータ送信期間の持続時間を指示する情報を含むことができる。また、後続するデータ送信期間にアップリンク送信が許容されるVHT STAに関する情報(例えば、VHT STAリスト)を含み、各VHT STAに割り当てられた周波数情報を含むことができる。また、実施例によっては、前記アップリンク地図フレームは待機中であるデータ送信に関する情報も含むことができる。待機中であるデータ送信とは、競争期間にQoS NullフレームとACKフレームの交換が行われたが、後続するデータ送信期間に送信機会、即ち、周波数が割り当てられないVHT STAのためのアップリンク送信を示す。このような待機中であるデータ送信は、その次のアップリンク局面のデータ送信期間に割り当てられた周波数情報を含むことができ、この場合、該当VHT STAは、アップリンク送信機会を得るために、再びQoS NullフレームをVHT APに送信する必要がない場合もある。
【0063】
アップリンク地図フレームの送信により競争期間が終了されると、アップリンクデータ送信期間が始まる。アップリンク地図フレームを受信すると同時にアップリンク送信が許容されたVHT STAは、MSDUアグリゲイション技法や断片化技法または‘0’パディング技法などを用いてデータが割り当てられた周波数のチャネルを介して同時にVHT APに送信する。即ち、VHT STAは、SDMA/FDM技法を用いてデータフレームを同時にVHT APに送信する。ここで、VHT STAがMSDUアグリゲイション技法などを用いる理由は、被送信フレームがサービス品質制限要件(QoS Requirements)を満たすようにしたり、或いはアップリンク地図フレームに表示されているアップリンク送信の持続時間内に全部送信されることができるようにするためである。また、VHT APは、前記VHT STAからデータを受信した以後には、同一空間/周波数リソースを用いてACKフレームを前記VHT STAに送信する。
【0064】
一方、本発明の実施例の一側面によると、ダウンリンク局面とアップリンク局面が終わった後、VHT APは非競争モード(Contention−free mode)、即ち、多重チャネルPSMP(Power Save Multi−Poll)モードに転換することができる。このような非競争モードへの転換は、その当時までVHT STAから受信したり、或いはVHT STAのためにバッファリングされているデータの量やQoS制限条件(Requirements)などを考慮して行われることができる。即ち、バッファリングされているデータの量やQoS制限条件等により、競争モードより非競争モードに空間/周波数リソースを割り当てるのがより効率的であると判断する場合には、所定の時間の間、前述した本発明の実施例に係る競争モードでない非競争モードにVHT STAのダウンリンク/アップリンク送信のための空間/周波数リソースを割り当てることもできる。
【0065】
図12は、本発明の実施例が具現される無線通信システムを示すブロック図である。端末910は、プロセッサ912、ディスプレイ部913、及びRF部915を含む。前述した実施例における移動局の動作はプロセッサ912により具現されることができる。ディスプレイ部913は、プロセッサ912と連結され、ユーザに多様な情報をディスプレイする。ディスプレイ部913は、LCD(Liquid Crystal Display)、OLED(Organic Light Emitting Diodes)等、よく知られた要素を使用することができる。RF部915は、プロセッサ912と連結され、無線信号を送信及び受信する。
【0066】
基地局930は、プロセッサ932及びRF部935を含む。RF部935は、無線信号を送信及び受信する。前述した実施例における基地局またはフェムトセルの動作はプロセッサ932により具現されることができる。
【0067】
プロセッサ912、932は、ASIC(application−specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路及び/またはデータ処理装置を含むことができる。RF部915、935は無線信号を処理するためのベースバンド回路を含むことができる。実施例がソフトウェアで具現される時、前述した技法は前述した機能を遂行するモジュール(過程、機能など)で具現されることができる。モジュールは、プロセッサ912、932により実行されることができる。
【0068】
前述した例示的なシステムで、方法は一連の段階またはブロックで順序図に基づいて説明したが、本発明は、段階の順序に限定されるものではなく、ある段階は前述と異なる段階と異なる順序にまたは同時に発生することができる。また、当業者であれば、順序図に示した段階が排他的でなく、他の段階が含まれたり、或いは順序図の一つまたはその以上の段階が本発明の範囲に影響を及ぼさずに削除可能であることを理解することができる。
【0069】
前述した実施例は、多様な態様の例示を含む。多様な態様を示すための全ての可能な組合せを記述することはできないが、該当技術分野の通常の知識を有する者は、他の組合せが可能であることを認識することができる。従って、本発明は、特許請求の範囲内に属する全ての他の交替、修正及び変更を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LANシステムにおけるチャネル接続方法において、
競争基盤の空間分割多重接続技法と周波数分割多重接続技法を共に用いることを特徴とするチャネル接続方法。
【請求項2】
前記チャネル接続方法は、
複数のステイションに対するチャネル特性を推定し、推定されたチャネル特性に基づいてダウンリンクスケジュール情報またはアップリンクスケジュール情報を前記複数のステイションに送信するための競争期間;及び、
前記ダウンリンクスケジュール情報または前記アップリンクスケジュールによって前記複数のステイションの全部または一部とダウンリンク送信またはアップリンク送信を実行するためのデータ送信期間;
を含むことを特徴とする請求項1に記載のチャネル接続方法。
【請求項3】
前記競争期間は、前記複数のステイションの各々と所定のメッセージを交換し、前記複数のステイションの各々に対するチャネル特性を推定するためのチャネル推定期間を含み、
前記交換されるメッセージは、RTS(Request To Send)/CTS(Clear To Send)フレーム、空データ(Null Data)/ACKフレーム、またはチャネル推定要請/応答フレームであることを特徴とする請求項2に記載のチャネル接続方法。
【請求項4】
前記チャネル推定期間には、連続チャネル推定技法と並行チャネル推定技法のうち少なくともいずれか一つの技法を用いることを特徴とする請求項3に記載のチャネル接続方法。
【請求項5】
前記ダウンリンクスケジュール情報はダウンリンクマップ(DL−MAP)フレームを用い、前記アップリンクスケジュール情報はアップリンクマップ(UL−MAP)フレームを用いることを特徴とする請求項2に記載のチャネル接続方法。
【請求項6】
前記ダウンリンクマップフレームは、後続するデータ送信期間にダウンリンク送信を受信するステイションの目録と共に前記ステイションの各々のためのダウンリンク送信のために割り当てられた周波数情報を含むことを特徴とする請求項5に記載のチャネル接続方法。
【請求項7】
前記アップリンクマップフレームは、後続するデータ送信期間の持続時間情報、後続するデータ送信期間にアップリンク送信を実行するステイションの目録、及び前記ステイションの各々のためのアップリンク送信のために割り当てられた周波数情報を含むことを特徴とする請求項5に記載のチャネル接続方法。
【請求項8】
前記アップリンクマップフレームは、次のデータ送信期間に送信が許容される待機中である送信に関する情報をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のチャネル接続方法。
【請求項9】
前記データ送信期間には、フレーム断片化技法、フレームアグリゲイション技法、及び‘0’パディング技法のうち少なくともいずれか一つの技法を用い、前記ステイションのために送信するダウンリンクデータの送信に所要される時間を一致させることを特徴とする請求項2に記載のチャネル接続方法。
【請求項10】
無線LANシステムにおけるチャネル推定方法において、
チャネル推定を要請するメッセージとしてチャネル推定が必要なステイションに対する情報と前記ステイションの各々のために割り当てられるサブチャネルに対する情報を含む要請メッセージを、前記無線LANシステムの全体周波数帯域幅を介して複数のステイションのために送信する段階;及び、
前記複数のステイションの各々からチャネル推定結果を示す情報を含む応答メッセージを前記要請メッセージに割り当てられたサブチャネルを介して受信する段階;
を含むチャネル推定方法。
【請求項11】
前記要請メッセージと前記応答メッセージは、各々、RTS(Request To Send)フレームとCTS(Clear To Send)フレーム、空データ(Null Data)フレームとACKフレーム、またはチャネル推定要請フレームとチャネル推定応答フレームであることを特徴とする請求項10に記載のチャネル推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8a)】
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【図8b)】
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【図8c)】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2012−511860(P2012−511860A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540610(P2011−540610)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【国際出願番号】PCT/KR2009/007435
【国際公開番号】WO2010/068065
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】