説明

焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法

【課題】本発明の目的は、焼却灰から金属を除去するための焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法を提供することである。
【解決手段】焼却灰処理装置は、水を貯える分離室11と、分離室11内の水位を昇降させて分離室11に投入された焼却灰を比重差分離する脈動発生装置と、ベルトコンベヤ20とを具備する。ベルトコンベヤ20のベルト21は網を備える。ベルト21は分離室11の床面を形成する。分離室11は、水中に配置される下層出口17と、水が溢流する上層出口14とを備える。下層出口17は、分離室11の壁16の下端部16bとベルト21の間に形成される。ベルトコンベヤ20は、分離室11内においてベルト21上に形成された焼却灰由来の堆積層としての下層93を下層出口17から搬出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法に関し、特に焼却灰をセメント原料として資源化するために好適な焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
焼却灰をセメント原料として資源化する上で焼却灰中に含まれる金属及び塩素が問題となる。焼却灰からの金属の除去が不十分な場合、除去されなかった金属が異物としてセメント原料に残存し、セメント原料の品質を低下させる。塩素は鉄筋コンクリート中の鉄筋を溶損させるため、高濃度の塩素を含むセメント原料は用途が無筋系の分野に限定されてしまう。
【0003】
特許文献1は、焼却灰から金属及び塩素を除去する除去装置を開示している。除去装置は、水槽内の水(又は酸性溶液)中に保持された焼却灰中の塩素分を水洗(又は酸洗)し、且つ、比重選別により、焼却灰のうち比較的比重の小さい灰成分を水槽からオーバーフローさせる一方、比較的比重の大きい金属類成分を水槽側壁の排出口より除去する。水槽内は、排出口が開口した網室とプランジャが配備されたプランジャ室とに平面視して二分され、網室及びプランジャ室の下部どうしは水路により連結される。網室の固定された網上に焼却灰が載置される。プランジャは水槽中の水を躍動させて網室内の焼却灰を上下に躍動させる。網上の金属類成分はダムに迫り上げられた後に排出口より排出される。
【0004】
特許文献2は、破砕物のジグ選別装置を開示している。破砕物のジグ選別装置において、網付きコンベヤベルト上に供給された破砕物がジグ用水槽の水中を移動する。ジグ用水の脈動により破砕物は比重差分離される。ジグ用水に網付きコンベヤベルトの進行方向とは反対方向の水流が与えられる。破砕物の軽比重物の部分はこの水流によって水流方向に移動されてジグ用水槽から排出される。破砕物の重比重物の部分は網付きコンベヤベルトによってその進行方向に運搬されてジグ用水槽から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3391371号公報
【特許文献2】特許第2501769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、焼却灰から金属を除去するための焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、(発明を実施するための形態)で使用される番号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号は、(特許請求の範囲)の記載と(発明を実施するための形態)との対応関係を明らかにするために付加されたものである。ただし、それらの番号を、(特許請求の範囲)に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0008】
本発明による焼却灰処理装置は、水を貯える分離室(11)と、前記分離室内の水位を昇降させて前記分離室に投入された焼却灰を比重差分離する脈動発生装置(40)と、ベルトコンベヤ(20)とを具備する。前記ベルトコンベヤのベルト(21)は網を備える。前記ベルトは前記分離室の床面を形成する。前記分離室は、水中に配置される下層出口(17)と、水が溢流する上層出口(14、19)とを備える。前記下層出口は、前記分離室の壁(16)の下端部(16b)と前記ベルトの間に形成される。前記ベルトコンベヤは、前記分離室内において前記ベルト上に形成された前記焼却灰由来の堆積層としての下層(93)を前記下層出口から搬出する。
【0009】
前記ベルトコンベヤは、前記ベルトの移動する速さを変化させる。
【0010】
上記焼却灰処理装置は、鉛直方向に遊動可能に前記分離室の水中に配置される第1遊動体(30A)を更に具備する。前記ベルトコンベヤは、前記第1遊動体の位置に基づいて前記ベルトの移動する速さを変化させる。
【0011】
上記焼却灰処理装置は、前記下層を形成していた堆積物を前記分離室に投入する投入装置(25)を更に具備する。
【0012】
前記分離室は、前記下層出口より高く、且つ、前記上層出口より低い水中の位置に設けられる中層出口(18)を備える。上記焼却灰処理装置は、前記分離室内において前記下層の上に形成される前記焼却灰由来の中層(92)を前記中層出口から払い出すスクリューコンベヤ(34)を更に具備する。
【0013】
上記焼却灰処理装置は、前記中層出口の上端の高さと前記上層出口の溢流堰高さとが変化するように昇降するゲート(32)と、鉛直方向に遊動可能に前記分離室の水中に配置される第2遊動体(30B)とを更に具備する。前記第2遊動体の位置に基づいて、前記スクリューコンベヤによる払出し量と前記ゲートの昇降とが制御される。
【0014】
本発明による焼却灰処理方法は、水を貯えた分離室(11)に焼却灰を投入するステップと、前記分離室内の水位を昇降させて前記焼却灰を比重差分離するステップと、前記分離室の床面を形成しているベルトコンベヤ(20)のベルト(21)上に前記焼却灰由来の堆積層としての下層(93)を形成するステップと、水中に配置される前記分離室の下層出口(17)から前記下層を前記ベルトコンベヤが搬出するステップと、前記分離室の上層出口(14、19)から水を溢流させるステップとを具備する。前記ベルトは網を備える。前記下層出口は、前記分離室の壁(16)の下端部(16a)と前記ベルトの間に形成される。
【0015】
上記焼却灰処理方法は、前記ベルトの移動する速さを変化させるステップを更に具備する。
【0016】
鉛直方向に遊動可能に前記分離室の水中に配置される第1遊動体(30A)の位置に基づいて、前記ベルトの移動する速さを変化させる前記ステップを実行する。
【0017】
上記焼却灰処理方法は、前記下層を形成していた堆積物を前記分離室に投入するステップを更に具備する。
【0018】
前記ベルトコンベヤを停止した状態で前記下層を形成する前記ステップを実行する。
【0019】
上記焼却灰処理方法は、前記ベルトコンベヤを停止した状態で前記分離室に金属含有灰を投入するステップと、停止した前記ベルト上に前記金属含有灰の堆積層を形成するステップとを更に具備する。前記金属含有灰を投入する前記ステップと、前記金属含有灰の前記堆積層を形成する前記ステップとを前記焼却灰を投入するステップの前に実行する。
【0020】
上記焼却灰処理方法は、前記分離室内において前記下層の上に前記焼却灰由来の中層(92)を形成するステップと、前記下層出口より高く、且つ、前記上層出口より低い水中の位置に設けられる前記分離室の中層出口(18)から前記中層を払い出すステップと
を更に具備する。
【0021】
上記焼却灰処理方法は、鉛直方向に遊動可能に前記分離室の水中に配置される第2遊動体(30B)の位置に基づいて、前記中層出口の上端の高さ、前記上層出口の溢流堰高さ、及び前記中層出口からの払い出し量を変化させるステップを更に具備する。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、焼却灰から金属を除去するための焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る焼却灰処理装置の正面図である。
【図2】図2は、第1の実施形態に係る焼却灰処理装置の側面図である。
【図3】図3は、第1の実施形態に係る焼却灰処理装置の下層排出制御系のブロック図である。
【図4】図4は、本発明の第2の実施形態に係る焼却灰処理装置の上層出口及び中層出口の近傍の側面図である。
【図5】図5は、第2の実施形態に係る焼却灰処理装置の上中層排出制御系のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付図面を参照して、本発明による焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法を実施するための形態を以下に説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る焼却灰処理装置は、分離室11と、ベルト21と、脈動発生装置40を備える。脈動発生装置40は、入気排気室12と、給水装置(不図示)と、入気排気装置(不図示)とを備える。分離室11及び入気排気室12に水が貯えられる。分離室11及び入気排気室12は、互いの下部が水路で連結されている。給水装置(不図示)は、必要に応じて水素イオン濃度が調整された水を入気排気室12を介して分離室11に供給する。入気排気装置(不図示)は、入気排気室12内の水面上の空間に対して入排気を行い、分離室11内の水位を昇降させる。これにより、分離室11内に上昇水流と下降水流とが交互に発生する。脈動発生装置40は、入気排気装置(不図示)の代わりにプランジャを用いて分離室11内の水位を昇降させてもよい。ベルト21は網を備え、ベルト21の一部が分離室11の床面を形成する。ベルト21は、可動網といわれる場合がある。分離室11内のベルト21上には、後述するように焼却灰由来の上層91、中層92、及び下層93が形成される。
【0026】
図2を参照して、第1の実施形態に係る焼却灰処理装置は、焼却灰投入装置10と、ベルトコンベヤ20を備える。ベルトコンベヤ20は、上述のベルト21と、ベルト駆動装置22を備える。ベルト駆動装置22は、ベルト21のある特定部分が後方位置13から前方位置15まで水中を移動し、一旦水上に出てから再び水中に戻り、水中を移動して後方位置13に戻るようにベルト21を駆動する。ベルト21の後方位置13と前方位置15の間にある部分が分離室11の床面を形成する。分離室11は、後方位置13に設けられた上中層出口14と、前方位置15に設けられた壁16及び下層出口17を備える。分離室11の水は上中層出口14から溢流して排出される。壁16は、水面上に出た壁上端16aと、水中に配置された壁下端16bを備える。下層出口17は、壁下端16bとベルト21の間に形成されている。したがって、下層出口17は水中に配置される。
【0027】
第1の実施形態に係る焼却灰処理装置を用いた焼却灰処理方法を以下に説明する。焼却灰投入装置10は、分離室11の水中に焼却灰を投入する。脈動発生装置40は、分離室11内の水位を昇降させる。その結果、焼却灰は、洗浄されるとともに比重差分離され、分離室11内に上層91、中層92、及び下層93を形成する。洗浄により焼却灰から水に塩素が移動する。下層93は、分離室11内においてベルト21上の堆積層として形成される。中層92は、分離室11内において下層93上の堆積層又は懸濁液層として形成される。上層91は、分離室11内において中層92上の堆積層又は懸濁液層として形成される。下層93は、金属を多く含む金属含有灰により形成されている。中層92は、粗い灰を多く含む。上層91は、細かい灰を多く含む。ベルトコンベヤ20は、下層93を下層出口17から分離室11外に搬出して水から揚げた後、下層93を形成していた金属含有灰を後工程に受け渡す。壁16は、上層91及び中層92が下層93と一緒に下層出口17から搬出されることを防止する。上層91及び中層92は、金属除去灰として上中層出口14から水の溢流とともに分離室11外に排出される。金属除去灰は、塩素除去のために必要に応じて洗浄された後、セメント原料として用いられる。
【0028】
本実施形態によれば、焼却灰から金属が除去される。
【0029】
ここで、下層93の厚さが壁下端16bとベルト21との間隔より小さいと、中層92が下層93と一緒に下層出口17から搬出される。下層93が非常に薄いと灰が下層93によって保持されなくなるため、分離室11の床面を形成しているベルト21の網目から落下する灰の量が多くなる。その結果、セメント原料として用いられるべき灰の歩留まりが低下し、ベルトコンベヤ20によって下層出口17から搬出された金属含有灰の金属濃度が低下してしまう。近年ごみの分別が進んだため、焼却灰に含まれる金属が少なくなっている。そのため、下層93の厚さを制御することの重要性が高まっている。
【0030】
下層93の厚さを所期の厚さに制御するため、本実施形態に係る焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法に下記事項が追加され得る。下記事項は、個別に、又は適宜組み合わされて追加され得る。
【0031】
オペレータは、ベルトコンベヤ20によって下層出口17から搬出された金属含有灰の金属濃度に基づいて、ベルトコンベヤ20にベルト21の移動する速さを変化させる。金属濃度は目視又はその他の方法により判断される。金属濃度が低い場合、ベルト駆動装置22は、ベルト21をゆっくり移動させる。金属濃度が高い場合、ベルト駆動装置22は、ベルト21を速く移動させる。
【0032】
本実施形態に係る焼却灰処理装置は、金属含有灰投入装置25を備えてもよい。オペレータは、下層出口17から搬出された金属含有灰の金属濃度に基づいて、金属含有灰投入装置25に下層出口17から搬出された金属含有灰の一部を分離室11に投入させる。金属濃度が低い場合、金属含有灰投入装置25は、分離室11に金属含有灰を多量に投入する。金属濃度が高い場合、金属含有灰投入装置25は、分離室11に金属含有灰を少量しか又は全く投入しない。
【0033】
本実施形態に係る焼却灰処理装置は、図3に示された下層排出制御系を備えてもよい。下層排出制御系は、フロート30Aと、フロートレベルセンサ31Aと、ベルト駆動装置22と、ベルト21を備える。フロート30Aは、図2に示すように、鉛直方向に遊動可能に分離室11の水中に配置される遊動体である。フロート30Aの比重(質量/体積)は、フロート30Aが下層93及び中層92の間に位置するように調節されている。フロートレベルセンサ31Aは、フロート30Aの鉛直方向位置を検出する。ベルト駆動装置22は、フロート30Aの鉛直方向位置に基づいてベルト21の移動する速さを変化させる。フロート30Aの位置が低い場合、ベルト駆動装置22は、ベルト21をゆっくり移動させる。フロート30Aの位置が高い場合、ベルト駆動装置22は、ベルト21を速く移動させる。
【0034】
また、ベルトコンベヤ20を停止した状態で分離室11内のベルト21上に十分な厚さの金属含有灰の堆積層を形成してから、焼却灰の処理を開始することも有効である。例えば、ベルトコンベヤ20が停止した状態で、外部から与えられた金属含有灰を分離室11に投入し、停止したベルト21上に金属含有灰の堆積層を形成する。金属含有灰の堆積層が十分厚くなったら、焼却灰投入装置10は焼却灰の投入を開始し、脈動発生装置40は分離室11内の水位の昇降を開始し、ベルトコンベヤ20は搬出を開始する。また、ベルトコンベヤ20が停止した状態で上述のように下層93を形成し、下層93が十分厚くなってからベルトコンベヤ20による搬出を開始してもよい。
【0035】
また、本発明は比重差を利用して焼却灰から金属を除去するものであるが、比重が概ね同じである焼却灰の中では、粒径の大きいものほど下方に、粒径の小さいものほど上方に堆積する。塩素濃度は粒径が小さいほど高い傾向があるため、中層92の塩素濃度は上層91よりも低くなる。したがって、上層91と中層92を分けて分離室11から取り出すことができれば、中層92を形成していた粗い灰は簡単に洗浄するだけでセメント原料として利用可能である。以下、上層91と中層92を分けて分離室11から取り出すことが可能な焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法を以下に説明する。
【0036】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法は、下記説明を除いて第1の実施形態に係る焼却灰処理装置及び焼却灰処理方法と同様である。図4を参照して、第2の実施形態に係る焼却灰処理装置は、スクリューコンベヤ34を備える。スクリューコンベヤ34は、スクリュー35と、後述するスクリュー駆動装置36を備える。分離室11は、後方位置13に設けられた中層出口18及び上層出口19を備える。分離室11の水は上層出口19から溢流して排出される。中層出口18は、下層出口17より高く、且つ、上層出口19より低い水中の位置に設けられる。スクリューコンベヤ34は、中層92を中層出口18から分離室11外に払い出す。上層91は、上層出口19から水の溢流とともに分離室11外に排出される。
【0037】
本実施形態によれば、上層91と中層92を分けて分離室11から取り出すことが可能である。
【0038】
本実施形態に係る焼却灰処理装置は、図5に示された上中層排出制御系を備えてもよい。上中層排出制御系は、フロート30Bと、フロートレベルセンサ31Bと、ゲート駆動装置33と、分離点調整ゲート32と、スクリュー駆動装置36と、スクリュー35を備える。フロート30Bは、図4に示すように、鉛直方向に遊動可能に分離室11の水中に配置される遊動体である。フロート30Bの比重(質量/体積)は、フロート30Bが上層91及び中層92の間に位置するように調節されている。フロート30Bの比重はフロート30Aの比重より小さい。分離点調整ゲート32は、図4に示すように、昇降可能なように分離室11に設けられる。分離点調整ゲート32のゲート上端32aの高さは、上層出口19の溢流堰高さを決定する。分離点調整ゲート32のゲート下端32bの高さは、中層出口18の上端の高さ及び開口面積を決定する。
【0039】
フロートレベルセンサ31Bは、フロート30Bの鉛直方向位置を検出する。ゲート駆動装置33は、フロート30Bの鉛直方向位置に基づいて、分離点調整ゲート32の昇降を制御する。これにより、中層出口18の上端の高さ及び開口面積と、上層出口19の溢流堰高さとが変化する。スクリュー駆動装置36は、フロート30Bの鉛直方向位置に基づいて、スクリュー35の回転数を変化させる。これにより、スクリューコンベヤ34による払い出し量が変化する。フロート30Bの位置が低い場合、ゲート駆動装置33は分離点調整ゲート32を下降させ、スクリュー駆動装置36はスクリュー35の回転数を下げる。この結果、上層出口19の溢流堰高さが下がり、中層出口18の上端の高さが下がり且つ開口面積が減少し、スクリューコンベヤ34の払い出し量が減少する。フロート30Bの位置が高い場合、ゲート駆動装置33は分離点調整ゲート32を上昇させ、スクリュー駆動装置36はスクリュー35の回転数を上げる。この結果、上層出口19の溢流堰高さが上がり、中層出口18の上端の高さが上がり且つ開口面積が増加し、スクリューコンベヤ34の払い出し量が増加する。このような制御により、上層91と中層92を分けて分離室11から取り出すことがより確実になる。
【符号の説明】
【0040】
10…焼却灰投入装置
11…分離室
12…入気排気室
13…後方位置
14…上中層出口
15…前方位置
16…壁
16a…壁上端
16b…壁下端
17…下層出口
18…中層出口
19…上層出口
20…ベルトコンベヤ
21…ベルト
22…ベルト駆動装置
25…金属含有灰投入装置
30A、30B…フロート
31A、31B…フロートレベルセンサ
32…分離点調整ゲート
32a…ゲート上端
32b…ゲート下端
33…ゲート駆動装置
34…スクリューコンベヤ
35…スクリュー
36…スクリュー駆動装置
40…脈動発生装置
91…上層
92…中層
93…下層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯える分離室と、
前記分離室内の水位を昇降させて前記分離室に投入された焼却灰を比重差分離する脈動発生装置と、
ベルトコンベヤと
を具備し、
前記ベルトコンベヤのベルトは網を備え、
前記ベルトは前記分離室の床面を形成し、
前記分離室は、水中に配置される下層出口と、水が溢流する上層出口とを備え、
前記下層出口は、前記分離室の壁の下端部と前記ベルトの間に形成され、
前記ベルトコンベヤは、前記分離室内において前記ベルト上に形成された前記焼却灰由来の堆積層としての下層を前記下層出口から搬出する
焼却灰処理装置。
【請求項2】
前記ベルトコンベヤは、前記ベルトの移動する速さを変化させる
請求項1の焼却灰処理装置。
【請求項3】
鉛直方向に遊動可能に前記分離室の水中に配置される第1遊動体を更に具備し、
前記ベルトコンベヤは、前記第1遊動体の位置に基づいて前記ベルトの移動する速さを変化させる
請求項2の焼却灰処理装置。
【請求項4】
前記下層を形成していた堆積物を前記分離室に投入する投入装置を更に具備する
請求項1乃至3のいずれかに記載の焼却灰処理装置。
【請求項5】
前記分離室は、前記下層出口より高く、且つ、前記上層出口より低い水中の位置に設けられる中層出口を備え、
前記分離室内において前記下層の上に形成される前記焼却灰由来の中層を前記中層出口から払い出すスクリューコンベヤを更に具備する
請求項1乃至4のいずれかに記載の焼却灰処理装置。
【請求項6】
前記中層出口の上端の高さと前記上層出口の溢流堰高さとが変化するように昇降するゲートと、
鉛直方向に遊動可能に前記分離室の水中に配置される第2遊動体と
を更に具備し、
前記第2遊動体の位置に基づいて、前記スクリューコンベヤによる払出し量と前記ゲートの昇降とが制御される
請求項5の焼却灰処理装置。
【請求項7】
水を貯えた分離室に焼却灰を投入するステップと、
前記分離室内の水位を昇降させて前記焼却灰を比重差分離するステップと、
前記分離室の床面を形成しているベルトコンベヤの網を備えたベルト上に前記焼却灰由来の堆積層としての下層を形成するステップと、
水中に配置され、前記分離室の壁の下端部と前記ベルトの間に形成される下層出口から前記下層を前記ベルトコンベヤが搬出するステップと、
前記分離室の上層出口から水を溢流させるステップと
を具備する
焼却灰処理方法。
【請求項8】
前記ベルトの移動する速さを変化させるステップを更に具備する
請求項7の焼却灰処理方法。
【請求項9】
鉛直方向に遊動可能に前記分離室の水中に配置される第1遊動体の位置に基づいて、前記ベルトの移動する速さを変化させる前記ステップを実行する
請求項8の焼却灰処理方法。
【請求項10】
前記下層を形成していた堆積物を前記分離室に投入するステップを更に具備する
請求項7乃至9のいずれかに記載の焼却灰処理方法。
【請求項11】
前記ベルトコンベヤを停止した状態で前記下層を形成する前記ステップを実行する
請求項7乃至10のいずれかに記載の焼却灰処理方法。
【請求項12】
前記ベルトコンベヤを停止した状態で前記分離室に金属含有灰を投入するステップと、
停止した前記ベルト上に前記金属含有灰の堆積層を形成するステップと
を更に具備し、
前記金属含有灰を投入する前記ステップと、前記金属含有灰の前記堆積層を形成する前記ステップとを前記焼却灰を投入するステップの前に実行する
請求項7乃至10のいずれかに記載の焼却灰処理方法。
【請求項13】
前記分離室内において前記下層の上に前記焼却灰由来の中層を形成するステップと、
前記下層出口より高く、且つ、前記上層出口より低い水中の位置に設けられる前記分離室の中層出口から前記中層を払い出すステップと
を更に具備する
請求項7乃至12のいずれかに記載の焼却灰処理方法。
【請求項14】
鉛直方向に遊動可能に前記分離室の水中に配置される第2遊動体の位置に基づいて、前記中層出口の上端の高さ、前記上層出口の溢流堰高さ、及び前記中層出口からの払い出し量を変化させるステップを更に具備する
請求項13の焼却灰処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−140000(P2011−140000A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2551(P2010−2551)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(501370370)三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 (175)
【Fターム(参考)】