説明

照射プローブおよび観察プローブ

【課題】近接場光による微小スポットの照明光の照射と、更に広い範囲への照明光の照射を切り替えて行う。
【解決手段】照明光を導光する導光部4と、該導光部4の先端を被覆し、所定の閾値より高い強度の照明光Lを透過し、閾値以下の強度の照明光Lの透過を阻止する材質の薄膜からなる透過部材6とを備え、該透過部材6に、該透過部材6を厚さ方向に貫通し、径方向の最大寸法が照明光Lの波長より小さい1つ以上の微小開口7が設けられている照射プローブ1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照射プローブおよび観察プローブに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、照明光を射出する位置に配置された薄膜に微小開口を形成しておき、その微小開口から近接場光(エバネッセント光)を染み出させることにより、自己集光作用によって形成される光スポットより更に小さな光スポットの照明光を被写体に照射する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−169093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術による近接場光の観察では、微小開口近傍の約数十〜数百nmの領域しか観察することができないという不都合がある。内視鏡等の観察装置においては、微小スポットにおける近接場光の観察のみならず、例えば、血中のグルコースや赤血球内のヘモグロビンのようなサイズの大きな対象についての成分濃度測定や血管内壁などを対象にした観察も必要となる。
【0005】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、近接場光による微小スポットの照明光の照射と、更に広い範囲への照明光の照射を切り替えて行うことができる照射プローブおよび観察プローブを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、照明光を導光する導光部と、該導光部の先端を被覆し、所定の閾値より高い強度の照明光を透過し、前記閾値以下の強度の照明光の透過を阻止する材質の薄膜からなる透過部材とを備え、該透過部材に、該透過部材を厚さ方向に貫通し、径方向の最大寸法が前記照明光の波長より小さい1つ以上の微小開口が設けられている照射プローブを提供する。
【0007】
本発明によれば、導光部を基端側から先端に向かって導光されてきた、所定の閾値より高い強度の照明光は、導光部の先端を被覆するように配置された透過部材を透過して、先端から射出される。一方、所定の閾値以下の強度の照明光は透過部材を透過することができずに遮断されるが、その一部のみが微小開口から染み出すエバネッセント光として導光部の先端から射出される。
【0008】
すなわち、微小開口の径方向の最大寸法より長い波長の照明光を照射する場合に、照明光の強度を切り替えるだけで、導光部の先端全体からの広い範囲にわたる高強度の照明光を用いた照明と、微小開口近傍に染み出す極めて微小の光スポットの低強度の照明光を用いた照明とを切り替えて行うことができる。
【0009】
上記発明においては、前記導光部が導光部材からなり、該導光部材の先端面が、先端に向かって漸次先細になるテーパ面を備え、前記微小開口が前記テーパ面の先端に配置されていてもよい。
このようにすることで、透過部材を構成する薄膜の厚さを比較的厚く形成しても、導光部材内を導光される低強度の照明光が、テーパ面の先端まで容易に導光され、先端に配置された微小開口から外部に染み出させることができる。
【0010】
また、上記発明においては、前記導光部が導光部材からなり、該導光部材の先端面が、先端に向かって漸次先細になるテーパ面を備え、前記微小開口が前記テーパ面に複数配置されていてもよい。
このようにすることで、導光部材の先端面が、導光部材の長手方向に直交する平坦面により構成されている場合と比較して、先端面に備えられたテーパ面により先端面の面積が拡大されており、微小開口を複数設けることにより、エバネッセント光からなる照明光の照射面積を広げることができる。
【0011】
また、本発明は、上記いずれかの照射プローブと、該照射プローブにより前記照明光が照射されることにより被写体から戻る戻り光を検出する光検出部とを備える観察プローブを提供する。
本発明によれば、照射プローブによって、被写体に2種類の照明光が切り替えて照射され、照射の結果被写体から戻る戻り光が光検出部により検出される。これにより、照明光の強度を切り替えるだけで、被写体に対して2種類の観察を行うことができる。
【0012】
上記発明においては、前記光検出部が、前記導光部の基端側に配置され、前記透過部材が、前記照明光の照射により被写体から戻る前記照明光とは異なる波長の戻り光を透過する波長特性を有していてもよい。
このようにすることで、照明光を照射することにより被写体から戻る戻り光が、透過部材を透過して導光部内を照明光とは逆方向に導光され、導光部の基端側に配置された光検出部により検出される。照明光を導光する導光部と戻り光を導光する導光部を共通化して細径化することができる。
【0013】
また、上記発明においては、前記被写体から戻る戻り光を導光する受光部の先端が前記導光部の先端に対して半径方向に隣接して配置され、前記光検出部が、前記受光部の基端側に配置されていてもよい。
このようにすることで、導光部内を導光されてきた照明光が先端から照射されると、照明光が照射された被写体から戻る戻り光は、導光部の先端に隣接する受光部の先端により受光され、受光部内を導光されて、基端側に配置されている光検出部により検出される。これにより、照明光の照射位置近傍において戻り光を検出することができる。
【0014】
また、上記発明においては、前記受光部の先端の半径方向外方に全周にわたって前記導光部の先端が配置され、前記微小開口が、前記受光部の先端を全周にわたって取り囲む環状に形成されていてもよい。
このようにすることで、半径方向外方の導光部内を導光されてきた照明光が環状の先端から被写体に向けて射出され、被写体からの戻り光は、半径方向の中央の受光部の先端において受光される。導光部の先端と受光部の先端とを同軸に配置することで、スペース効率を向上して細径化することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、近接場光による微小スポットの照明光の照射と、更に広い範囲への照明光の照射を切り替えて行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る照射プローブを示す先端部の縦断面図である。
【図2】図1の照射プローブの先端に設けられる透過部材の透過率特性のグラフを示す図である。
【図3】図1の照射プローブにより(a)閾値Iより高強度の照明光、(b)閾値I以下の低強度の照明光を被写体に照射する状態を示す縦断面図である。
【図4】図1の照射プローブの第1の変形例を示す縦断面図である。
【図5】図1の照射プローブの第2の変形例を示す縦断面図である。
【図6】図1の照射プローブの第3の変形例を示す縦断面図である。
【図7】図1の照射プローブの第4の変形例を示す縦断面図である。
【図8】図1の照射プローブの第5の変形例を示す縦断面図である。
【図9】図1の照射プローブの第6の変形例を示す縦断面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る観察プローブを示す先端部の縦断面図である。
【図11】図10の観察プローブの第1の適用例を示す縦断面図である。
【図12】図10の観察プローブの第2の適用例を示す縦断面図である。
【図13】図10の観察プローブの変形例を示す先端側から見た図である。
【図14】図10の観察プローブにより(a)閾値I以下の低強度の照明光、(b)閾値Iより高強度の照明光を被写体に照射する状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態に係る照射プローブ1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る照射プローブ1は、図1に示されるように、コア2の周りにクラッド3を有する光ファイバ(導光部、導光部材)4と、該光ファイバ4の先端面5を被覆する薄膜からなる透過部材6とを備えている。
【0018】
光ファイバ4の先端面5は、コア2の半径方向の中央に配置された平坦面5aと、該平坦面5aの周囲に先端に向かって先細になるテーパ状に形成されたテーパ面5bとを備えている。
透過部材6は、図2に示されるように、所定の閾値Iより高い高強度の照明光を透過し、閾値I以下の低強度の照明光を吸収する過飽和吸収効果を有する材質により構成されている。
【0019】
透過部材6の材質としては、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、シアニン色素、キノン色素等を挙げることができる。これらの透過部材6は、例えば、550nより長い波長帯域で吸収効果を有している。また、1500nmの近赤外域付近で吸収特性を有する材質として、カーボンナノチューブが挙げられる。近赤外光はヘモグロビンや水分子による吸収の影響が少ないため、特に生体計測に適している。
【0020】
透過部材6は、光ファイバ4の先端面5の内、平坦面5aを被覆せず、その周囲のテーパ面5b全体を被覆している。これにより、透過部材6には、平坦面5aに対応する位置に、平坦面5aと同じ大きさで、透過部材6を厚さ方向に貫通する微小開口7が形成されている。微小開口7の直径寸法は、照明光の波長より小さく設定されている。
【0021】
図中、符号8は光ファイバ4の基端側に配置され照明光を発生する光源、符号9は、該光源8からの照明光の強度を調節して光ファイバ4に入射させる強度調節部である。
【0022】
このように構成された本実施形態に係る照射プローブ1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る照射プローブ1を用いて被写体Aに対して照明光を照射するには、図3に示されるように、照射プローブ1の先端の平坦面5aを被写体Aの表面に押し当てて、光ファイバ4の基端側に接続した光源8からの照明光を光ファイバ4に入射させる。
【0023】
光ファイバ4内を導光されてきた照明光は、コア2の先端面5を被覆している透過部材6に入射される。図2に示されるように、照明光の強度が閾値Iより高い場合には、透過部材6の透過率が急激に増大するので、図3(a)に示されるように、照明光Lが透過部材6を透過して、広範囲にわたって被写体Aに照射される。
【0024】
一方、照明光の強度が閾値I以下の場合には、透過率はほとんどゼロとなって、ほとんどの照明光Lは透過部材6に吸収される。透過部材6には、コア2の先端の平坦面5aに対応する位置に微小開口7が設けられ、該微小開口7の直径寸法は照明光Lの波長より小さく設定されているので、照明光Lの一部が微小開口7から被写体A側に染み出すことにより、微小開口7近傍のみに局在するエバネッセント光Lが発生する。
【0025】
このように、本実施形態に係る照射プローブ1によれば、被写体Aに比較的広範囲にわたって高強度の照明光Lを照射したい場合には、強度調節部9により閾値Iを超える強度に調節された照明光Lを光ファイバ4に入射させ、被写体Aの表面のごく限られた領域に低強度の照明光Lを照射したい場合には、強度調節部9により閾値I以下の強度に調節された照明光Lを光ファイバ4に入射させるだけで済む。すなわち、光ファイバ4に入射させる照明光Lの強度を切り替えるだけで、2種類の異なる照明方法で被写体Aを照射することができるという利点がある。
【0026】
また、本実施形態に係る照射プローブ1によれば、光ファイバ4のコア2の先端面5に微小開口7に向かって先細になるテーパ面5bを設けたので、透過部材6が比較的厚く形成されている場合においても、光ファイバ4内を導光されてきた照明光Lを微小開口7まで容易に到達させることができる。また、テーパ面5bの先端の平坦面5aにおいて被写体Aに密着させるので、光ファイバ4の横断面全体を接触させる場合と比較して接触面積が少なくて済み、安定した密着状態を維持することができるという利点もある。
【0027】
なお、本実施形態においては、光ファイバ4のコア2のほぼ全体にテーパ面5bを設け、コア5の中央に微小開口7を設けることとしたが、これに代えて、図4に示されるように、コア2の一部にテーパ面5bを設けてもよい。また、図5に示されるように、複数のテーパ面5bを設け、各テーパ面5bの先端に配置される複数の微小開口7を設けることにしてもよい。また、透過部材6の膜厚を数十nm程度に構成できれば、図6に示されるように、テーパ面5bを設けずに、1以上の微小開口7を設けることにしてもよい。
【0028】
また、導光部として光ファイバ4のような導光部材を例示したが、これに限定されるものではなく、図7に示されるように光ファイバ4の先端から射出される光を集光する集光光学系10の先端面10aに1以上の微小開口7を備える透過部材6を配置してもよい。
【0029】
また、図8に示されるように、光ファイバ4の先端に設けたテーパ面5bを被覆する透過部材6に、テーパ面5bの部分に多数の微小開口7を設けることにしてもよい。テーパ状に形成することで、光ファイバ4の先端面5の面積が拡大されているので、その位置に多数の微小開口7を設けることにより、低強度の照明光Lも広い範囲に照射することができる。
【0030】
さらに、図9に示されるように、光ファイバ4のコア2として、透過部材6の外面に接触する被写体(例えば、血液等の流体)Aの屈折率より低い屈折率を有する材質を使用することにより、透過部材6を透過する照明光Lをコア2と被写体Aとの境界面において広がる方向に屈折させることができ、より広範囲に照明光Lを照射することができるという利点がある。例えば、このような構成は、血管壁等にできたプラーク等を対象にした光計測に適している。
【0031】
次に、本発明の一実施形態に係る観察プローブ20について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る観察プローブ20の説明において、図1に示した照射プローブ1と構成を共通とする箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
本実施形態に係る観察プローブ20は、透過部材6の材質において図1の照射プローブ1と相違するとともに、図10に示されるように、観察プローブ20の基端側に配置され、観察プローブ20内を伝播して戻る戻り光Fを照明光Lの光路から分岐するダイクロイックミラー21と、該ダイクロイックミラー21により分岐された戻り光Fを検出する光検出器22とを備えている点において、図1の照射プローブ1と相違している。
【0033】
本実施形態においては、照明光Lとしては、被写体A内に存在する蛍光物質を励起する励起光(以下、励起光Lとも言う。)が用いられ、蛍光物質が励起されることにより発生する蛍光(以下、蛍光Fとも言う。)が戻り光Fとして検出される。透過部材6は、励起光Lの波長帯域の光については、閾値Iの前後の強度において透過率が大きく変化するが、被写体Aにおいて発生する蛍光Rの波長帯域(励起光Lとは異なる波長帯域)の光については強度に拘わらず透過する特性を有する材質により構成されている。
【0034】
このように構成された本実施形態に係る観察プローブ20の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係る観察プローブ20を用いて被写体Aの蛍光観察を行うには、光源8から発せられた励起光Lの強度を強度調節部9によって閾値Iより大きな強度に調節し、光ファイバ4に入射させる。光ファイバ4内を導光された高強度の励起光Lは、光ファイバ4の先端面5を被覆している透過部材6を透過して広範囲にわたり、被写体Aに照射され被写体A内の蛍光物質を励起する。
【0035】
蛍光物質が励起されることにより被写体Aにおいて発生した蛍光Fは、全方向に発せられるが、その一部が透過部材6に入射する。透過部材6は、蛍光Fの波長帯域の光については透過する波長特性を有しているので、蛍光Fは透過部材6を透過して光ファイバ4のコア2内に入射し、コア2内を励起光Lとは逆方向に導光される。そして、蛍光Fは、光ファイバ4の基端側において、ダイクロイックミラー21によって励起光Lの光路から分岐され、光検出器22により検出される。
【0036】
一方、光源8から発せられた励起光Lの強度を強度調節部9によって閾値I以下の強度に調節して光ファイバ4に入射させると、光ファイバ4内を導光された低強度の励起光Lは、光ファイバ4の先端面5を被覆している透過部材6を透過することができずに吸収される。そして、励起光Lの一部が、透過部材6に設けられた微小開口7から被写体A側に染み出して、エバネッセント光Lが被写体Aの表面近傍のみに照射される。
【0037】
これにより、被写体Aの表面近傍に存在している蛍光物質が励起されることによって蛍光Fが発生する。発生した蛍光Fは、全方向に発せられるが、その一部が透過部材6に入射する。透過部材6は、蛍光Fの波長帯域の光については、その強度に拘わらず透過する波長特性を有しているので、蛍光Fは透過部材6を透過して光ファイバ4のコア2内に入射し、コア2内を励起光Lとは逆方向に導光される。そして、光ファイバ4の基端側において、ダイクロイックミラー21によって励起光Lの光路から分岐され、光検出器22により検出される。
【0038】
このように、本実施形態に係る観察プローブ20によれば、励起光Lの強度を切り替えて照射するだけで、2種類の異なる観察方法により被写体Aを観察することができるという利点がある。この場合において、本実施形態によれば、励起光Lを導光するための光ファイバ4と蛍光Fを導光するための光ファイバ4とを共通化しているので、極めて細径に構成することができるという利点がある。
【0039】
なお、本実施形態においては導光部として単一の光ファイバ4を例示したが、これに代えて、図11に示されるように、血管内カテーテル23の先端に透過部材6(図中、微小開口7は図示を省略している。)を配置したものを採用してもよい。また、図12に示されるように、内視鏡24の挿入部24aに設けられた光測定部として本実施形態に係る観察プローブ20を用いることにしてもよい。図中、符号25は、より広範囲な観察を行うための照明光を導光するライトガイド、符号26は、通常観察用のCCD等の撮像素子、符号27は、蛍光観察用のCCD等の撮像素子である。
【0040】
また、本実施形態に係る観察プローブ20においては、透過部材6の材質を設定することにより、励起光Lと蛍光Fの導光部材としての光ファイバ4を共通化したが、これに代えて、図13および図14に示されるように、励起光Lを導光するコア2の中心に、蛍光Fを導光するコア(受光部)28を配置し、そのコア28の先端面28aの半径方向外方に先端面28aを取り囲む円環状の微小開口7を設けることにしてもよい。
【0041】
このように構成することで、図14(a)に示されるように、閾値I以下の強度を有する励起光Lを照射すると、低強度の励起光Lは透過部材6により遮断される一方、円環状の微小開口7から染み出して被写体Aの表面のみに局所的にエバネッセント光Lが照射される。そして、エバネッセント光Lの照射により被写体Aの表面において発生した蛍光Fは、微小開口7の半径方向内方に配置されているコア28の先端面28aに入射してコア28内を基端側に導光され、基端側に配置されている光検出器22により検出される。
【0042】
また、図14(b)に示されるように、閾値Iより大きい強度を有する励起光Lを照射すると、高強度の励起光Lは透過部材6を透過して、被写体Aに対して広範囲に照射される。そして、広範囲において発生した蛍光Fがコア2の半径方向内方に配置されているコア28の先端面28aに入射してコア28内を基端側に導光され、基端側に配置されている光検出器22により検出される。
【0043】
励起光Lを導光するコア2と蛍光Fを導光するコア28とを同軸に配置して、円環状の微小開口7を構成することにより、空間を有効に利用して細径の観察プローブ20を構成することができるという利点がある。また、蛍光Fを受光するコア28の周囲に全周にわたってエバネッセント光Lを射出する微小開口7を設けたので、被写体Aにおいて発生した蛍光を効率よく捉えることができる。
【符号の説明】
【0044】
A 被写体
F 蛍光(戻り光)
閾値
L 照明光、励起光(照明光)
1 照射プローブ
4 光ファイバ(導光部、導光部材)
5 先端面
5b テーパ面
6 透過部材
7 微小開口
20 観察プローブ
22 光検出部
28 コア(受光部)
28a 先端面(先端)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を導光する導光部と、
該導光部の先端を被覆し、所定の閾値より高い強度の照明光を透過し、前記閾値以下の強度の照明光の透過を阻止する材質の薄膜からなる透過部材とを備え、
該透過部材に、該透過部材を厚さ方向に貫通し、径方向の最大寸法が前記照明光の波長より小さい1つ以上の微小開口が設けられている照射プローブ。
【請求項2】
前記導光部が導光部材により構成され、
該導光部材の先端面が、先端に向かって漸次先細になるテーパ面を備え、
前記微小開口が前記テーパ面の先端に配置されている請求項1に記載の照射プローブ。
【請求項3】
前記導光部が導光部材により構成され、
該導光部材の先端面が、先端に向かって漸次先細になるテーパ面を備え、
前記微小開口が前記テーパ面に複数配置されている請求項1に記載の照射プローブ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の照射プローブと、
該照射プローブにより前記照明光が照射されることにより被写体から戻る戻り光を検出する光検出部とを備える観察プローブ。
【請求項5】
前記光検出部が、前記導光部の基端側に配置され、
前記透過部材が、前記照明光の照射により被写体から戻る前記照明光とは異なる波長の戻り光を透過する波長特性を有する請求項4に記載の観察プローブ。
【請求項6】
前記被写体から戻る戻り光を受光する受光部の先端が前記導光部の先端に対して半径方向に隣接して配置され、
前記光検出部が、前記受光部の基端側に配置されている請求項4に記載の観察プローブ。
【請求項7】
前記受光部の先端の半径方向外方に全周にわたって前記導光部の先端が配置され、
前記微小開口が、前記受光部の先端を全周にわたって取り囲む環状に形成されている請求項6に記載の観察プローブ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−187274(P2012−187274A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53273(P2011−53273)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】