説明

照明モジュール及びそれを搭載した照明器具

【課題】照明モジュール及びそれを搭載した照明器具において、互いに電気接続される複数の照明モジュール間で照明負荷を電源ユニットに対し直列接続し、しかも汎用の電源ユニットを用いて照明負荷を駆動する。
【解決手段】照明モジュール1の拡張側の端子13a〜13cに他の照明モジュール2を接続したとき、スイッチング素子Q1のオフにより拡張側のVcc端子13a及びGND端子13c間が繋がっていない閉回路状態になり、このとき、他の照明モジュール2は閉回路状態になり、双方のモジュール1、2の照明負荷EL1、EL2が直列的に接続される。従って、互いに電気接続される複数の照明モジュール間で、照明負荷を電源ユニットに対し直列接続することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源ユニットから電力供給を受けて照明負荷を駆動する照明モジュール及びそれを搭載した照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の照明モジュールにおいて、照明モジュール同士を互いに電気接続し、照明モジュール間を通じて、電源ユニットからの電力供給を行えるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、上記のような照明モジュールにおいては、モジュール内で照明負荷が電源ユニットに対して並列的に接続されるように構成されている。そのため、電源ユニットに対する照明モジュールの接続台数が多くなるにつれて、電源ユニットの出力する電流が増加し、電源回路にストレスが生じることがある。また、照明負荷が1つでも短絡故障すると、電源短絡が生じて電源ユニットからの電力供給が停止し、電源ユニットに接続された全ての照明モジュールが消灯してしまう。
【0004】
このような問題に対して、電源電圧を常時検知し検知電圧に応じて、電源に対する照明負荷の接続状態を直列又は並列に切り替えるようにした技術がある(例えば、特許文献2参照)。しかし、このような技術では、電源ユニットに電圧検知回路や、各モジュールに実装されたスイッチ素子を制御する制御回路が必要となり、汎用の電源ユニットを用いて照明負荷を駆動することができなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−324208号公報
【特許文献2】特開2004−119422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、互いに電気接続される複数の照明モジュール間で照明負荷を電源ユニットに対し直列接続することができ、しかも汎用の電源ユニットを用いて照明負荷を駆動することができる照明モジュール及びそれを搭載した照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明モジュールは、照明負荷と、この照明負荷の接続状態を決めるスイッチング素子と、このスイッチング素子をオン/オフするための駆動回路と、前記照明負荷を駆動するための電力供給を受けるための電源側端子と、他の照明モジュールと電気接続するための拡張側端子とを備えた照明モジュールであって、前記電源側端子は、電源ユニット又は他の照明モジュールの拡張側端子と電気接続される第1、第2及び第3の端子を有し、該第1の端子はプラス電源側となり、該第2の端子は前記第3の端子と繋がり、該第3の端子はグランド側となり、前記拡張側端子は、他の照明モジュールの電源側端子の第1、第2及び第3の端子とそれぞれ電気接続される第1、第2及び第3の端子を有し、前記照明負荷は、前記電源側端子の第1の端子と拡張側端子の第1の端子の間に介挿され、前記スイッチング素子は、前記拡張側端子の第1及び第3の端子間に接続されており、前記駆動回路は、前記拡張側端子の各端子が他の照明モジュールと接続されていないとき、前記電源側端子の第1の端子に生じる電圧により前記スイッチング素子をオンし、前記拡張側端子の各端子が他の照明モジュールと接続されているとき、該拡張側端子の第2の端子に生じる電圧によりオフすることを特徴とする。
【0008】
この照明モジュールにおいて、前記照明負荷と並列に抵抗が接続されていることが好ましい。
【0009】
この照明モジュールにおいて、前記電源側端子の第1及び第3の端子間の入力電圧を予め設定した基準電圧と比較し、これら電圧値の大小を判定する入力電圧判別回路を備え、前記入力電圧判別回路による判定結果に応じて前記スイッチング素子をオン/オフするように構成したことが好ましい。
【0010】
この照明モジュールにおいて、前記電源側端子の第1及び第3の端子間に、前記とは別のスイッチング素子を備え、前記入力電圧判別回路による判定結果に応じて該スイッチング素子をオン/オフするように構成したことが好ましい。
【0011】
この照明モジュールにおいて、前記入力電圧判別回路に入力される基準電圧を可変としたことが好ましい。
【0012】
この照明モジュールにおいて、前記電源側端子と拡張側端子はそれぞれ第4の端子をさらに有し、該電源側端子の第4の端子は、前記拡張側端子の第4の端子と接続され、かつ前記入力電圧判別回路の基準電圧側と抵抗を介して接続されていることが好ましい。
【0013】
この照明モジュールにおいて、前記電源ユニットには、前記電源側端子の第4の端子に所定レベルの電圧を印加する手段が備えられたことが好ましい。
【0014】
この照明モジュールにおいて、前記電源ユニットを照明モジュール内に実装したことが好ましい。
【0015】
本発明の照明器具は、上記の照明モジュールを搭載したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明の照明モジュールによれば、拡張側端子に他の照明モジュールを接続したとき、スイッチング素子のオフにより該拡張側端子の第1及び第3の端子間が繋がっていない閉回路状態になり、このとき、他の照明モジュールは閉回路状態になり、双方のモジュールの照明負荷が直列的に接続される。従って、互いに電気接続される複数の照明モジュール間で、照明負荷を電源ユニットに対し直列接続することが可能となる。また、各照明モジュール内で電気的な接続状態を切り替えるようにしたので、電源ユニットに、このような接続状態を制御する回路構成を設ける必要がなくなり、汎用の電源ユニットを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明モジュールと電源ユニット及び他の照明モジュールとの接続構成を示すブロック図。
【図2】上記照明モジュールの電気回路図。
【図3】上記照明モジュールの拡張側端子に他の照明モジュールが接続されていないときの電流の流れを示す図。
【図4】上記照明モジュールの拡張側端子に他の照明モジュールが接続されているときの電流の流れを示す図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る照明モジュールの電気回路図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る照明モジュールの電気回路図。
【図7】上記照明モジュールを含む複数台のモジュールの接続構成を示すブロック図。
【図8】上記各照明モジュールに入力される電源電圧を推移を示すグラフ。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る照明モジュールの電気回路図。
【図10】上記照明モジュールの変形例を示すブロック図。
【図11】上記照明モジュールの他の変形例の電気回路図。
【図12】本発明の第5の実施形態に係る照明モジュールのブロック図。
【図13】本発明の第6の実施形態に係る照明器具の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る照明モジュールについて図1乃至図4を参照して説明する。図1に示すように、照明モジュール1は、電源ユニット90の接地端子GNDと電源端子Vccとからの電力供給を受けて照明負荷EL1を駆動するものであり、電源ユニット90と電気的に接続され、さらに他の照明モジュールと電気接続することができる。照明モジュール2はさらに他の照明モジュールに電気接続され、同様に、互いに同等のN個の照明モジュールが電気接続され、N番目の照明モジュールNの一端は開放されている。照明モジュール1は、照明負荷EL1とスイッチング素子Q1と駆動回路11とを内蔵しており、外部への接続端子として、電源ユニット側に接続するための電源側端子12と、他の照明モジュール2と電気接続するための拡張側端子13とを備えている。照明モジュール2以降の照明モジュールは、互いの電源側端子と、拡張側端子とを介することにより、モジュール間を通じて電源ユニット90からの電力を供給される。以下、照明モジュール1を詳細説明する。
【0019】
照明モジュール1は、図2に示すように、有機EL素子から成る照明負荷EL1と、照明負荷EL1の接続状態を決めるスイッチング素子Q1と、スイッチング素子Q1をオン/オフするための駆動回路11と、上述した電源側端子12と、拡張側端子13とを備えている。電源側端子12は照明負荷EL1を駆動するための電力供給を受けるために用いられ、拡張側端子13は他の照明モジュールと電気接続するために用いられる。
【0020】
電源側端子12は、電源ユニット90又は他の照明モジュールの拡張側端子と電気接続されるVcc端子12a(第1の端子)、GND端子12b(第2の端子)、GND端子12c(第3の端子)を有している。ここでは、電源側端子12に電源ユニット90が接続されているが、他の照明モジュールが接続されることもある。Vcc端子12aは、電源ユニット90の電源端子Vccに繋がりプラス電源側となり、GND端子12cは、電源ユニット90の接地端子GNDに繋がりグランド側となる。GND端子12bは、GND端子13cと繋がっている。
【0021】
拡張側端子13は、他の照明モジュール2の電源側端子の各端子とそれぞれ電気接続されるVcc端子13a(第1の端子)、GATE端子13b(第2の端子)、GND端子13c(第3の端子)を有している。Vcc端子13aは電源側端子12のVcc端子12aと繋がっており、GND端子13cはGND端子12cと繋がっている。GATE端子13bは、スイッチング素子Q1のゲート端子と繋がっている。
【0022】
照明負荷EL1は、電源側端子12のVcc端子12aと拡張側端子13のVcc端子13aの間に介挿されている。照明負荷EL1には、負荷EL1と並列にバイパス用の抵抗Ra1が接続されている。スイッチング素子Q1は、電界効果トランジスタ(FET)から成り、拡張側端子13のVcc端子13a及びGND端子13c間に接続され、ドレイン端子が端子13aに、ソース端子が端子13cに繋がっている。駆動回路11は、電源側端子12のVcc端子12aとスイッチング素子Q1のゲート端子の間に、抵抗Rb1を接続することにより構成される。
【0023】
上記のように構成された照明モジュール1が、電源ユニット90から電源供給を受けたとき、駆動回路11によってスイッチング素子Q1がオン又はオフされる動作を説明する。以下の説明では、照明モジュール1に接続される照明モジュール2の各部に、モジュール1と同様に符号を付す。まず、図3を用いて、照明モジュール1の拡張側の各端子13a〜13cに他の照明モジュール2が接続されていない場合について述べる。この場合、電源ユニット90からの電源供給により電源側のVcc端子12aに生じている電圧が、駆動回路11の抵抗Rb1を通ってスイッチング素子Q1のゲート端に、そのまま印加され、この電圧によってスイッチング素子Q1がオンされる。このオンにより、スイッチング素子Q1を通る閉回路が形成され点線矢印に示すように、Vcc端子12a、照明負荷EL1、スイッチング素子Q1、GND端子12cの経路に電流が流れて、照明負荷EL1が点灯する。ところで、スイッチング素子Q1がオンのときの照明モジュール1の状態を閉回路状態とし、スイッチング素子Q1がオフのときの照明モジュール1の状態を開回路状態とすると、上記の状態は、閉回路状態となっている。
【0024】
次に、図4を用いて、照明モジュール1の拡張側の各端子13a〜13cに他の照明モジュール2が接続されている場合について述べる。ここに、照明モジュール2の拡張側の端子23a〜23cには照明モジュールが接続されていないものとする。この場合、照明モジュール1の拡張側のGATE端子13bが、照明モジュール2のGND端子22bに繋がり接地電位GNDとなり、この接地電位GNDは、抵抗Rb1によって、電源側のVcc端子12aに生じている電圧に優先してスイッチング素子Q2のゲート端子に与えられる。これにより、スイッチング素子Q1はオフされ、照明モジュール1は、開回路状態となる。このとき、電源側のVcc端子12aに生じている電圧は、抵抗Ra1を通って、拡張側のVcc端子13aに印加される。
【0025】
一方、照明モジュール2は、電源側のVcc端子22aに、照明モジュール1のVcc端子13aと同電位の電圧が生じることとなり、上述の図3に示した照明モジュール1の場合と同様、このVcc端子22aに生じた電圧が、駆動回路21の抵抗Rb2を通ってスイッチング素子Q2のゲート端にそのまま印加され、スイッチング素子Q2がオンされて閉回路状態となる。このオンにより、スイッチング素子Q2を通る閉回路が形成される。これにより、点線矢印に示すように、Vcc端子12a、照明負荷EL1、照明負荷EL2、スイッチング素子Q2、GND端子12cに、電流が流れて照明負荷EL1、EL2が点灯する。
【0026】
なお、スイッチング素子Q2は比較的低電圧で駆動するので、照明負荷EL1、EL2の点灯時における電力損失を抑えるために、駆動回路21の抵抗Rd2の抵抗値を照明負荷EL1、EL2の抵抗値より十分に大きな値に設定したとしても、スイッチング素子Q2の駆動に支障をきたすことはない。また、抵抗Ra1、Ra2についても上記と同様であり、例えば、抵抗値を数10kΩに設定しても構わない。
【0027】
次に、照明モジュール2にさらに別の照明モジュール3(図1参照)が接続され、同様に、互いに同等のN個の照明モジュールが電気接続された場合、最後段の照明モジュールNを除く照明モジュール1〜N−1が開回路状態となり、照明モジュールNが閉回路状態となるので、全ての照明モジュール1〜Nに電源ユニット90からの電力が供給され,照明負荷が点灯する。
【0028】
このように本実施形態に係る照明モジュール1によれば、照明モジュール1の拡張側端子13に他の照明モジュール2を接続したとき、スイッチング素子Q1のオフにより拡張側端子13のVcc端子13a及びGND端子13c間が繋がっていない閉回路状態になり、このとき、他の照明モジュール2は閉回路状態になり、双方のモジュール1、2の照明負荷EL1、EL2が直列的に接続される。従って、互いに電気接続される複数の照明モジュール間で、照明負荷を電源ユニット90に対し直列接続することが可能となる。
【0029】
そのため、電源ユニット90に接続する照明モジュールの台数が多くなったとしても、電源ユニット90の出力する電流が増加することがなくなり、電源ユニット90にかかる負荷を小さくすることができる。また、照明負荷EL1が短絡故障したとしても、短絡していない他の照明負荷EL2により過電流が流れることが制限されるので、電源短絡が生じることがなくなる。また、例えば、照明負荷EL2が短絡により点灯しなくなっても、点線矢印(図4)に示すような経路で電流が流れ、照明モジュール1の照明負荷EL1は点灯を継続するので、モジュール全体が突然暗くなったりすることがなくなる。また、例えば、照明負荷EL2両端が開放状態(素子破壊)になり、電流経路が途絶えると、照明負荷EL1、EL2は消灯するが、照明モジュール2を照明モジュール1から取り外すことで、照明モジュール1は点灯を再開する。3台以上の照明モジュールが接続されている場合も、上記同様、照明負荷が短絡したとき、短絡していない負荷は点灯を維持し、照明負荷が開放状態になったとき、その照明負荷を有するモジュールを取り外すことで残りのモジュールは点灯を継続することになる。これにより、電源ユニットや照明モジュールに過大なストレスがかかることがなくなる。また、照明モジュールの接続台数が多い場合であっても、最後段(電源ユニットとは反対側)の照明モジュールのスイッチング素子だけが動作されるため、モジュール内の回路効率が高い。なお、照明モジュールの接続台数が多くなり、照明モジュールの入力電圧が照明負荷の点灯電圧以下になった場合、全ての照明負荷が消灯する。このとき、最後に接続した照明モジュールを取り外せば、残りの照明モジュールの照明負荷が点灯を再開する。従って、照明モジュールの接続台数が電源電圧の大きさによって制限されることになる。
【0030】
また、照明モジュール1の回路構成が簡素であり、低コストで製作できる。また、各照明モジュール1、2内で電気的な接続状態を切り替えるので、電源ユニット90にこのような接続状態を制御する回路構成を設ける必要がなくなり、汎用の電源ユニットを用いることができる。
【0031】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る照明モジュールについて図5を参照して説明する。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、照明モジュール1に入力される電圧の大きさに応じて照明負荷EL1の接続状態を切り替えるようにした点である。そのため、照明モジュール1は、駆動回路11の前段に入力電圧判別回路14を備えている。入力電圧判別回路14は、電源側端子12のVcc端子12a及びGND端子12c間の入力電圧を、予め設定した基準電圧Vdと比較し、これら電圧値の大小を判定する。入力電圧判別回路14は、Vcc端子12a及びGND端子12c間に接続された分圧用の抵抗Rc1及び抵抗Rd1の直列回路と、抵抗Rc1と抵抗Rd1の分圧と基準電圧Vdの電位差による信号をスイッチング素子Q1に出力する比較器COMP1を有している。比較器COMP1は、プラス側入力端子が抵抗Rc1と抵抗Rd1の接続点に繋がり、マイナス側入力端子が基準電圧Vdに繋がっている。
【0032】
上記のように構成された照明モジュール1が、入力電圧判別回路14によってスイッチング素子Q1がオン又はオフされる動作を説明する。Vcc端子12a及びGND端子12c間に電源電圧Vccが印加されると、抵抗Rc1とRd1の接続点に電圧Vcc’が発生し比較器COMP1に入力される。この分圧Vcc’は、Vcc’=Rd1/(Rc11+Rd1)・Vccで表される。比較器COMP1は、Vcc’>Vdの場合、Hレベルの信号を出力し、これによりスイッチング素子Q1がオンされ閉回路が形成される。Vcc’<Vdの場合、比較器COMP1からLレベルの信号が出力され、スイッチング素子Q1がオフされ開回路が形成される。
【0033】
ここに、基準電圧Vdは、照明負荷EL1が安定した駆動を行う得るような最適な値に設定されれればよい。例えば、電源電圧Vccと照明モジュールの生じる電圧降下に基づいて基準電圧Vdを設定すれば、照明モジュールの接続台数が、予め設定した閾値を超えたときにモジュールを消灯することができる。なお、本構成では、接続された全てのモジュールが消灯する。
【0034】
このように本実施形態に係る照明モジュール1によれば、照明モジュールの接続台数を閾値(基準電圧Vd)により制限することができる。また、入力電圧判別回路14を用いて閾値を任意に設定できる。また、入力電圧が閾値を超えたとき、全ての照明負荷を消灯するため、モジュール内の回路にストレスを与えることがない。
【0035】
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る照明モジュールについて図6乃至図8を参照して説明する。第3の実施形態が第2の実施形態と異なる点は、予め設定した閾値を超えて照明モジュールが接続されたとき、閾値を超えた分のモジュールが消灯し、それ以外の照明モジュールは点灯を継続するようにした点である。図6に示すように、照明モジュール1は、電源側端子12のVcc端子12a及びGND端子12c間にスイッチング素子Qa1を備え、入力電圧判別回路14による判定結果に応じてスイッチング素子Qa1をオン/オフするように構成されている。入力電圧判別回路14の比較器COMP1は、プラス側入力端子が基準電圧Vdに繋がり、マイナス側入力端子が抵抗Rc1と抵抗Rd1の接続点に繋がっている。比較器COMP1の出力は、スイッチング素子Qa1のゲート端子に接続されている。駆動回路11の抵抗R1の一端は、Vcc端子12aに繋がっている。
【0036】
上記のように構成された照明モジュール1が、駆動回路11及び入力電圧判別回路14によってスイッチング素子Q1、Qa1がオン又はオフされる動作を説明する。Vcc端子12a及びGND端子12c間に電源電圧Vccが印加されると、抵抗Rc1とRd1の接続点に電圧Vcc’が発生し、この電圧Vcc’が比較器COMP1に入力される。Vcc’>Vdの場合、比較器COMP1からHレベルの信号が出力され、スイッチング素子Qa1がオンされこの素子Qa1を通る閉回路が形成される。Vcc’<Vdの場合、比較器COMP1からLレベルの信号が出力され、スイッチング素子Qa1がオフされ開回路が形成される。スイッチング素子Q1は、第1の実施形態と同様、拡張側端子13に他のモジュールが接続されていない場合にオンされ、モジュールが接続されている場合にオフされる。上記スイッチング素子Qa1のオンにより、Vcc端子12a、スイッチング素子Qa1、GND端子12cの経路に電流が流れるようになる。
【0037】
次に、上記のように構成された照明モジュール1において、その接続台数を閾値により制限するときの具体的な例を述べる。図7はN台の照明モジュール1、2、・・・Nと、定電流源である電源ユニット90を示している。図8は上記の各モジュール1、2、・・・N(横軸)について、入力される電源電圧(縦軸)を示している。この電源電圧は、電源側端子のVcc端子の電圧である。1台目(照明モジュール1)では、電源ユニット90の電源電圧Vccと等しくVccとなる。2台目以降(照明モジュール2、・・・)では、照明負荷ELの電圧降下Velにより、各照明モジュールに入力される電源電圧は徐々に減少することになる。電圧降下Velは照明負荷1個あたりの電圧降下分である。
ここに、電源電圧の閾値Va(点灯と消灯の閾値)を、
(Vcc−(4−1)・Vel)<Va<(Vcc−(3−1)・Vel)
としたとき、基準電圧Vd(図6)は、
(Vcc−(4−1)・Vel)・Rd1/(Rc1+Rd1)<Vd<(Vcc−(3−1)・Vel)・Rd1/(Rc1+Rd1)
として設定される。
【0038】
このような設定が行われると、3台目までのモジュールは各スイッチング素子がオフされ、4台目のモジュールはスイッチング素子がオンされ電源側端子間で短絡する。その結果、1〜3台目のモジュールが点灯し、4台目〜N台目のモジュールが消灯する。なお、モジュールを点灯させる台数を多く設定する場合には、電源ユニット90の供給電流を増加して電源側端子の入力電圧を高くする、あるいは、基準電圧Vdを低くすればよい。
【0039】
このように本実施形態に係る照明モジュール1によれば、照明モジュールの接続台数が閾値を越えたとき、閾値を超える照明モジュールについては消灯させ、それより前段ある照明モジュールについては点灯を継続させることができる。
【0040】
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る照明モジュールについて図9を参照して説明する。この照明モジュール1の電源側端子12と拡張側端子13はそれぞれ、外部からのプルアップ入力を受けるためのST端子12d、13d(第4の端子)を有している。ST端子12dは、ST端子13dと接続され、かつ入力電圧判別回路14の基準電圧側と制限抵抗Re1を介して接続されている。制限抵抗Re1は、プルアップした電圧源から過大な電流が流入することを防止するものである。
【0041】
このような構成において、ST端子12dに、プルアップされたHレベルのST信号が入力された場合、基準電圧Vdが高くなり、比較器COMP1の出力はLレベルとなる。これにより、スイッチング素子Qa1がオフされ、照明モジュール1は開回路状態となり、照明負荷EL1が消灯する。また、ST端子12dに入力された信号は、ST端子13dを介して他の照明モジュールに伝達されるため、他の照明モジュールの照明負荷も消灯する。このような構成によれば、照明モジュール1への電力供給を強制的に遮断できるので、例えば、漏電時等において有用なものとなる。なお、上記では、ST信号がHレベルのときに消灯を行う構成したが、比較器COMP1の入出力端子と基準電圧の接続形態を変更することで、Lレベル(GND)で強制的に消灯を行うこともできる。
【0042】
(変形例)
本実施形態の変形例について図10を参照して説明する。照明モジュール1、2、・・・Nは、それぞれST端子を備えたものであり、互いに接続されている。電源ユニット90は、照明モジュール1のST端子と電気接続されるST端子91を有している。また、電源ユニット90は、各照明モジュール1、2、・・・Nに所定レベルの電圧を印加する手段として、スイッチング素子Qstと、スイッチング素子Qstをオン/オフするST駆動回路93を有している。スイッチング素子Qstは、電源端子Vcc92及びST端子91間を接続する。
【0043】
このような構成において、ST駆動回路93からのST信号のH又はLレベルによってスイッチング素子Qstがオン又はオフされる。このオン又はオフにより、電源ユニット90が、電源電圧VccをST端子91より照明モジュール1、2、・・・3に送出し、照明モジュールを強制的に消灯させる。そのため、ST信号を送出するためのを装置を別途設ける必要がなくなる。また、スイッチング素子Qstを間欠的にオン/オフすることにより、照明モジュール1、2、・・・Nを調光点灯することができる。この場合、電源電圧Vccは定電圧にて供給されるので、PWM調光を行うことが好適である。
【0044】
本実施形態の他の変形例について図11を参照して説明する。この照明モジュール1の比較器COMP1は、上記の基準電圧Vdに代えて、抵抗Rf1と接続されている。この抵抗Rf1はグラウンドされる。図では、第4の端子(上記ST端子)をVc端子12d、13dとしている。このような構成によれば、Vc端子12dに入力する電圧によって、比較器COMP1の入力電圧を任意に変更することができる。そのため、照明モジュールの点灯状態を維持したまま、モジュールの接続台数を制限するための閾値を変更することが可能となる。
【0045】
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る照明モジュールについて図12を参照して説明する。この照明モジュール1は、電源ユニット90を実装している。照明モジュール2、・・・Nについても同構成である。このような構成によれば、電源ユニット90を含めて新たなモジュール構成とすることで、電源ユニット90から各照明モジュール1、2、・・・Nへの配線を省略できるため、モジュール配置の自由度が高まる。なお、各モジュールの基板面積は若干大きくなるが、新たな電源ユニットはモジュール内の負荷を点灯させるだけの低容量で済むため、わずかなアップ分で済む。また、電源ユニット90は、1つの照明モジュールにのみ搭載する形態でもよく、この場合も、上記のような効果を得ることが可能となる。
【0046】
(第6の実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る照明器具について図13を参照して説明する。この照明器具50は、パネル型の上記照明モジュール1を複数搭載したものである。各照明モジュール1は互いに電気接続され、電源ユニット90は1つの照明モジュール1に対し電気接続される。各照明モジュール1に用いられる照明負荷EL1は、例えば、有機EL素子とLEDの組み合わせで構成されてもよい。このような照明器具50によれば、薄型の照明器具を実現でき、例えば、屋内照明として好適なものとなる。
【0047】
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記では、照明負荷EL1に有機EL素子を用いた例を示したが、固体発光素子であれば、これに限らずLEDであってもよい。また、照明負荷EL1は、電源側のVcc端子12aと拡張側のVcc端子13aの間に直列的に接続されれば、複数であってもよい。また、スイッチング素子Q1は、FETに限られず、トランジスタや、DMOS構造を有した素子で構成されていても構わない。
【符号の説明】
【0048】
1 照明モジュール
2〜N 他の照明モジュール
EL1 照明負荷
Q1 スイッチング素子
11 駆動回路
Ra1 抵抗
Rb1 抵抗(駆動回路)
12 電源側端子
12a Vcc端子(第1の端子)
12b GND端子(第2の端子)
12c GND端子(第3の端子)
12d ST端子(第4の端子)
13 拡張側端子
13a Vcc端子(第1の端子)
13b GATE端子(第2の端子)
13c GND端子(第3の端子)
13d ST端子(第4の端子)
14 入力電圧判別回路
Vd 基準電圧
Qa1 別のスイッチング素子
90 電源ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明負荷と、この照明負荷の接続状態を決めるスイッチング素子と、このスイッチング素子をオン/オフするための駆動回路と、前記照明負荷を駆動するための電力供給を受けるための電源側端子と、他の照明モジュールと電気接続するための拡張側端子とを備えた照明モジュールであって、
前記電源側端子は、電源ユニット又は他の照明モジュールの拡張側端子と電気接続される第1、第2及び第3の端子を有し、該第1の端子はプラス電源側となり、該第2の端子は前記第3の端子と繋がり、該第3の端子はグランド側となり、
前記拡張側端子は、他の照明モジュールの電源側端子の第1、第2及び第3の端子とそれぞれ電気接続される第1、第2及び第3の端子を有し、
前記照明負荷は、前記電源側端子の第1の端子と拡張側端子の第1の端子の間に介挿され、
前記スイッチング素子は、前記拡張側端子の第1及び第3の端子間に接続されており、
前記駆動回路は、前記拡張側端子の各端子が他の照明モジュールと接続されていないとき、前記電源側端子の第1の端子に生じる電圧により前記スイッチング素子をオンし、前記拡張側端子の各端子が他の照明モジュールと接続されているとき、該拡張側端子の第2の端子に生じる電圧によりオフすることを特徴とする照明モジュール。
【請求項2】
前記照明負荷と並列に抵抗が接続されていることを特徴とする請求項1に記載の照明モジュール。
【請求項3】
前記電源側端子の第1及び第3の端子間の入力電圧を予め設定した基準電圧と比較し、これら電圧値の大小を判定する入力電圧判別回路を備え、
前記入力電圧判別回路による判定結果に応じて前記スイッチング素子をオン/オフするように構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の照明モジュール。
【請求項4】
前記電源側端子の第1及び第3の端子間に、前記とはを備え、
前記入力電圧判別回路による判定結果に応じて該スイッチング素子をオン/オフするように構成したことを特徴とする請求項3に記載の照明モジュール。
【請求項5】
前記入力電圧判別回路に入力される基準電圧を可変としたことを特徴とする請求項4に記載の照明モジュール。
【請求項6】
前記電源側端子と拡張側端子はそれぞれ第4の端子をさらに有し、該電源側端子の第4の端子は、前記拡張側端子の第4の端子と接続され、かつ前記入力電圧判別回路の基準電圧側と抵抗を介して接続されていることを特徴とする請求項5に記載の照明モジュール。
【請求項7】
前記電源ユニットには、前記電源側端子の第4の端子に所定レベルの電圧を印加する手段が備えられたことを特徴とする請求項6に記載の照明モジュール。
【請求項8】
前記電源ユニットを照明モジュール内に実装したことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の照明モジュール。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の照明モジュールを搭載したことを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−204634(P2011−204634A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73422(P2010−73422)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】