説明

照明ユニット

【課題】端子金具が、電子部品に設けられた端子に半田付けされて接続することにより、部品点数、及び、組付け工数を低減した照明ユニットを提供する。
【解決手段】ハウジング3と、該ハウジング3に支持され、かつ、電力が供給される端子金具5と、該端子金具5に取り付けられた電子部品6と、を備えた照明ユニット1において、前記端子金具5が、前記電子部品6に設けられた端子に半田付けされて接続する半導体実装部33を備えていることを特徴とする照明ユニット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両としての自動車のルーフトリム等に取り付けられて前記自動車の乗員室内を照明する照明ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
車両としての自動車には、その乗員室の天井に照明用のLEDなどの発光体を備えた室内照明装置が取り付けられている。
【0003】
上述した室内照明装置としての照明ユニットは、図17に示すようなものが一般的に知られている(例えば特許文献1)。照明ユニット901は、発光体としてのLED902と、LED902を搭載するプリント基板903と、該プリント基板903と電線904を介して接続されたメイン基板905と、メイン基板905と接続して、バッテリからの電源を供給する車両ワイヤハーネス906と、を備えている。
【0004】
前述したプリント基板903やメイン基板905等の回路体に、電線904や車両ワイヤハーネス906を取り付けるには、コネクタ907を用いて電気接続している。
【0005】
上述した構成の照明ユニット901は、自動車の車体に搭載されるバッテリなどの電源から車両ワイヤハーネス906を介して電力が供給されて、LED902が点灯する。
【特許文献1】特開2008−049936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の照明ユニットにおいては、LEDを搭載するプリント基板や、該プリント基板に電力を供給するためのメイン基板等の回路体や、これらプリント基板とメイン基板とを接続する電線やコネクタ等の部品点数が多く、これらの部品を組み立てるのは、多くの時間を要するため、生産性が低いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、部品点数、及び、組付け工数を低減した照明ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の照明ユニットは、ハウジングと、該ハウジングに支持され、かつ、電力が供給される端子金具と、該端子金具に取り付けられた電子部品と、を備えた照明ユニットにおいて、前記端子金具が、前記電子部品に設けられた端子に半田付けされて接続する半導体実装部を備えていることを特徴としている。
【0009】
請求項2記載の照明ユニットは、請求項1記載の照明ユニットにおいて、前記端子金具が、前記ハウジングに設けられた端子圧入通し穴に圧入されることが可能に形成され、かつ、互いに近付く方向と互いに離れる方向とに弾性変形可能な一対の弾性片を備えていることを特徴としている。
【0010】
請求項3記載の照明ユニットは、請求項1記載の照明ユニットにおいて、前記端子金具は、前記ハウジングにインサート成形によって取り付けられていることを特徴としている。
【0011】
請求項4記載の照明ユニットは、請求項1乃至請求項3のうち1項に記載の照明ユニットにおいて、電線の芯線を被覆した絶縁性の被覆部に切り込んで前記芯線に接触する前記端子金具に設けられた電気接続部が、一方の端が開口し、該開口を通して前記電線が挿入されるスロットを備えていることを特徴としている。
【0012】
請求項5記載の照明ユニットは、請求項1乃至請求項3のうち1項に記載の照明ユニットにおいて、前記端子金具に設けられ、かつ、電線が取り付けられた相手方端子金具と接続する端子接続部を備えていることを特徴としている。
【0013】
請求項6記載の照明ユニットは、請求項5記載の照明ユニットにおいて、前記ハウジングが、該ハウジングの外壁を貫通した開口部から挿入されて前記ハウジングに係止するとともに前記電線が取り付けられた前記相手方端子金具が前記ハウジングから抜け出ることを規制するスペーサと、前記相手方端子金具に係止する係止片と、を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、電力が供給される端子金具の半導体実装部に、LEDなどの電子部品が半田付けされて接続される。このため、従来の照明ユニットの、LEDなどの電子部品が搭載されるプリント基板、該プリント基板に電力を供給するメイン基板や、該メイン基板と接続する電線やコネクタ等の部品を介さなくても、LEDなどの電子部品に、端子金具を介して電力が供給される。従って、プリント基板及び、メイン基板及び、コネクタ等の部品が不要となる。こうして、プリント基板及び、メイン基板及び、コネクタ等の部品点数を低減できると共に、これら部品を組み付ける組付工数を低減した照明ユニット得ることができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、端子金具は、ハウジングの端子圧入通し穴に圧入されることが可能に形成され、かつ、互いに近付く方向と互いに離れる方向とに弾性変形可能な一対の弾性片を備えている。従って、ハウジングの端子圧入通し穴に端子金具の一対の弾性片を近付けて圧入する容易な作業で、端子金具をハウジングに取り付けることができるので、生産性を向上させることができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、端子金具は、ハウジングにインサート成形によって一体に取り付けられている。このため、端子金具をハウジングに確実に取り付けられると共に、照明ユニットを小型化できる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、端子金具は、電線の芯線を被覆した絶縁性の被覆部に切り込んで芯線に接触する電気接続部が、一方の端が開口し、この開口を通して電線が挿入されるスロットを備えている。従って、端子金具に向かって電線を押し付ける容易な作業で電線を端子金具に接続させることができるので、生産性を向上させることができる。また、端子金具と電線とを接続するコネクタなどの部品を用いずとも、端子金具と電線とを直接接続することができるため、部品点数を低減した照明ユニット得ることができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、端子金具は、電線が取り付けられた相手方端子金具と接続する端子接続部を備えている。従って、電線が取り付けられた相手方端子金具をハウジングの端子収容室に挿入する容易な作業で、相手方端子金具は、端子金具と接続することができるので、生産性を向上させることができる。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、ハウジングが、ハウジングの外壁を貫通した開口部から挿入されて前記ハウジングに係止するとともに電線が取り付けられた相手方端子金具が前記ハウジングから抜け出ることを規制するスペーサと、相手方端子金具に係止する係止片と、を備えている。従ってスペーサと、係止片と、で2重係止することによって、端子金具に接続する相手方端子金具が、ハウジングから抜け出ることを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の第1の実施形態に係る照明ユニットを、図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る照明ユニットの斜視図である。図2は、図1に示すI−I線に沿う断面図である。図3は、図1に示された照明ユニットの組立作業を説明するための説明図であり、ハウジングに、端子金具が圧入されている様子を示す図である。図4は、図1に示された照明ユニットの組立作業を説明するための説明図であり、端子金具に、電子部品が取り付けられている様子を示す図である。図5は、図1に示された照明ユニットの組立作業を説明するための説明図であり、端子金具に、電子部品が取り付けられた状態を示す図である。図6は、図1に示された照明ユニットの組立作業を説明するための説明図であり、ハウジングに電線を延在させている様子を示す図である。
【0021】
第1の実施形態における照明ユニット1は、車両としての自動車の乗員室内の表面に配置されるルーフトリムやドアトリムなどに取り付けられる室内照明装置を構成する。室内照明装置は、図示しない意匠部と、照明ユニット1と、を備えている。
【0022】
意匠部は、透明又は半透明の合成樹脂で構成されて、平板状に形成されている。乗員室内に露出した格好で、ルーフトリムや、ドアトリムなどに取り付けられる。
【0023】
照明ユニット1は、絶縁性の合成樹脂で形成されたハウジング3と、ハウジング3に収容されかつ、電線2に取り付けられて電力が供給される端子金具5と、該端子金具5に取り付けられる光源としてのLED(Light Emitting Diode)6と、LED6を覆った格好でハウジング3に取り付けられた回転方物体状のレンズ(不図示)と、を備えている。なお、LED6は、特許請求の範囲に記載された「電子部品」に相当する。
【0024】
照明ユニット1は、導電性の端子金具5を介してLED6に電力が供給されることで、当該LED6が乗員室内に向かって光を照射して、当該乗員室内を照明する。
【0025】
電線2は、導電性の芯線(図示しない)を絶縁性の被覆部(図示しない)で覆った所謂被覆電線2である。また、この電線2は、断面が丸形の丸電線である。また、照明ユニット1は、2本の電線2が用いられる。一方の電線2aは、前述した自動車の車体に搭載されるバッテリなどの電源の正の電極に接続される。また、他方の電線2bは電源の負の電極に接続される。
【0026】
ハウジング3は、互いの間に電線2を挟持する一対の挟持部7,8と、一対の挟持部7,8を互いに連結するヒンジ9と、を備えている。ハウジング3は、車両室内のルーフトリムや、ドアトリムなどに取り付けられる室内照明装置の筐体をなしている。
【0027】
一対の挟持部7,8は箱状に形成されている。一対の挟持部7,8は、互いの内表面7a、8a同士が重なり合う。なお、本発明における「一対の挟持部7、8の内表面7a、8a」とは、一対の挟持部7、8の表面のうち、互いに相対する位置に位置付けられる面を意味する。後述する第1電線保持部10及び第2電線保持部19は、電力が供給される電線2の中央部を収容して当該中央部が配策される(取り付けられる)。
【0028】
挟持部7は、ヒンジ9を介して挟持部8に連なっている。挟持部7は、挟持部8と重ねられる一方の内表面7aに第1電線保持部10と、他方の外表面7bに端子金具保持部11と、挟持部8の後述するロックアーム20と係合可能な係合突起12と、を備えている。
【0029】
第1電線保持部10は、電線2を延在させる電線収容溝13と、後述する電気接続部としての圧接刃34を通す圧接刃通し孔15と、を備えている。
【0030】
電線収容溝13は、挟持部7の内表面7aに凹に設けられ、かつ、直線状に延在している。電線収容溝13は、ハウジング3の幅方向に沿って設けられている。電線収容溝13は、図示例では2つ設けられている。2つの電線収容溝13は、互いに平行に伸びている。電線収容溝13は、一対の挟持部7、8が重ねられると、後述する挟持部8に設けられた電線収容溝21と、相対する位置に配されている。即ち、電線収容溝13は、一対の挟持部7、8が重ねられると、電線収容溝13と電線収容溝21の長手方向の縁同士が重なり合う。そして、その内側に電線2を延在させる。電線収容溝13は、凹の底面に電線屈曲部14を設けている。
【0031】
電線屈曲部14は、凹に形成された電線収容溝13の底面に更に凹に形成されている。電線屈曲部14は、2つの電線収容溝13それぞれに2つずつ、合計4つ設けられている。即ち、電線屈曲部14は、1つの電線収容溝13に一対設けられている。電線屈曲部14は、電線収容溝13の長手方向の両端から間隔をあけて配されている。電線屈曲部14は、一対の挟持部7、8が重ねられると、後述する電線押圧部22と、相対する位置に配されている。電線屈曲部14は、電線2が電線収容溝13に延在された状態で、後述する電線押圧部22が電線2を押圧すると、電線2がハウジング3に屈曲されて収容される。
【0032】
圧接刃通し孔15は、挟持部7の外表面7bから後述する圧接刃34の先端部を通す。圧接刃通し孔15は、挟持部7を貫通している。圧接刃通し孔15は、平面視が略矩形状を形成している。圧接刃通し孔15は、電線収容溝13を、電線収容溝13の長手方向に対して直交する方向に伸びている。圧接刃通し孔15は、2つ設けられた電線収容溝13それぞれに2つずつ、合計4つ設けられている。即ち、圧接刃通し孔15は、1つの電線収容溝13に一対設けられている。一対の圧接刃通し孔15は、電線収容溝13の長手方向の両端から間隔をあけて配される。一対の圧接刃通し孔15は、電線収容溝13の長手方向の前述した一対の電線屈曲部14の内側に配される。一対の圧接刃通し孔15は、互いに平行に互いに間隔をあけて配される。圧接刃通し孔15は、一対の挟持部7、8が重ねられると、後述する挟持部8に設けられた圧接刃通し穴23と、相対する位置に配されている。即ち、圧接刃通し孔15は、一対の挟持部7、8が重ねられると、圧接刃通し穴23と連通する。
【0033】
挟持部7の外表面7bに設けられた端子金具保持部11は、後述する端子金具5を通す端子圧入通し穴16と、該端子圧入通し穴16と前述した圧接刃通し孔15とを取り囲む枠部17と、を備えている。
【0034】
端子圧入通し穴16は、後述する端子金具5の一対の弾性片36が挿入可能な凹に形成されている。端子圧入通し穴16は、平面視が略矩形状を形成している。端子圧入通し穴16は、電線収容溝13の幅方向の両端に一対設けられている。端子圧入通し穴16は、電線収容溝13の長手方向と平行に伸びている。一対の端子圧入通し穴16は、電線収容溝13の長手方向の略中央に配されている。一対の端子圧入通し穴16は、互いに平行に対向して配されている。端子圧入通し穴16は、2つの電線収容溝13それぞれに2つずつ、合計4つ設けられている。端子圧入通し穴16は、電線収容溝13の長手方向に対して直交する方向に並んでいる。
【0035】
枠部17は、挟持部7の外縁部に連なり、かつ、枠状に立設して形成されている。枠部17は中央が開口17aしていて、その内側に配された端子圧入通し穴16と、圧接刃通し孔15とを露出させている。
【0036】
係合突起12は、挟持部7のヒンジ9から離れた縁に連なる第1側板部7Aと、第1側板部7Aの長手方向の両端に連なる一対の第2側板部7Bに複数設けられている。係合突起12は合計4つ設けられている。一対の第2側板部7Bは、互いに間隔をあけて、互いに対向して配されている。係合突起12は、第1側板部7Aの長手方向の両端に一対設けられている。さらに、係合突起12は、一対の第2側板部7Bの長手方向のヒンジ9寄りの端それぞれに一対設けられている。係合突起12は、第1側板部7A及び、第2側板部7Bから、挟持部7即ちハウジング3の外方向に凸に突出している。
【0037】
挟持部8は、ヒンジ9を介して挟持部7に連なっている。挟持部8は、挟持部7と重ねられる内表面8aに第2電線保持部19と、挟持部7の係合突起12と係合可能なロックアーム20と、を備えている。挟持部8は、ヒンジ9によって、挟持部7に対して回転自在となっている。挟持部8は、ヒンジ9を中心として回転することで、挟持部7と挟持部8との内表面7a、8a同士が重なり、ロックアーム20が係合突起12に係合する位置と、挟持部7と挟持部8との内表面7a、8a同士が同一平面上となる位置とに亘って変位する。
【0038】
第2電線保持部19は、電線2を収容する電線収容溝21と、後述する圧接刃34を通す圧接刃通し穴23と、を備えている。
【0039】
電線収容溝21は、挟持部8の内表面8aに凹に設けられ、かつ、直線状に延在している。電線収容溝21は、ハウジング3の幅方向に沿って設けられている。電線収容溝21は、図示例では2つ設けられている。2つの電線収容溝21は、互いに平行に伸びている。電線収容溝21は、一対の挟持部7、8が重ねられると、前述した挟持部7に設けられた電線収容溝13と、相対する位置に配されている。即ち、電線収容溝21は、一対の挟持部7、8が重ねられると、電線収容溝21と電線収容溝13の長手方向の縁同士が重なり合う。そして、その内側に電線2を延在させる。電線収容溝21は、電線収容溝21の幅方向の縁同士を連結する電線押圧部22を設けている。
【0040】
電線押圧部22は、2つの電線収容溝21それぞれに2つずつ、合計4つ設けられている。即ち、電線押圧部22は、1つの電線収容溝21に一対設けられている。電線押圧部22は、一対の挟持部7、8が重ねられると、前述した電線屈曲部14と、相対する位置に配されている。電線押圧部22は、電線2が電線収容溝21に延在された状態で、一対の挟持部7、8が重ねられると、電線2を電線屈曲部14に向かって押圧する。
【0041】
圧接刃通し穴23は、一対の挟持部7、8が重ねられた状態で、挟持部7の外表面7bから後述する圧接刃34の先端部を通す。圧接刃通し穴23は、挟持部8の内表面8aに凹に設けられている。圧接刃通し穴23は、平面視が略矩形状を形成している。圧接刃通し穴23は、電線収容溝21を、電線収容溝21の長手方向に対して直交する方向に伸びている。圧接刃通し穴23は、2つ設けられた電線収容溝21それぞれに2つずつ、合計4つ設けられている。即ち、圧接刃通し穴23は、1つの電線収容溝21に一対設けられている。一対の圧接刃通し穴23は、電線収容溝21の長手方向の両端から間隔をあけて配される。一対の圧接刃通し穴23は、電線収容溝21の長手方向の前述した一対の電線押圧部22の内側に配される。一対の圧接刃通し穴23は、互いに平行に互いに間隔をあけて配される。圧接刃通し穴23は、一対の挟持部7、8が重ねられると、後述する挟持部7に設けられた圧接刃通し孔15と、相対する位置に配されている。即ち、圧接刃通し穴23は、一対の挟持部7、8が重ねられると、圧接刃通し孔15と連通する。
【0042】
ロックアーム20は、ヒンジ9から離れた縁に連なる第3側板部(図示しない)と、第3側板部の長手方向の両端に連なる一対の第4側板部8Bと、に設けられている。一対の第4側板部8Bは、互いに間隔をあけて、互いに対向して配されている。ロックアーム20は、合計4つ設けられている。ロックアーム20は、第3側板部の長手方向の両端に一対設けられている。さらに、ロックアーム20は、一対の第4側板部8Bの長手方向のヒンジ9寄りの端それぞれに設けられている。ロックアーム20は、挟持部8の外表面8b縁に連なり、かつ、挟持部8の内表面8aに対して直交する方向に立設した板部24と、板部24の挟持部8から離れた端部に設けられたロック孔25と、で構成されている。ロック孔25は、板部24を貫通している。ロック孔25は、平面視が略矩形状に形成されている。ロックアーム20は、前述した係合突起12が、ロック孔25の内側に位置付けられて、係合突起12に係止する。
【0043】
ヒンジ9は、撓むことが可能に設けられている。ヒンジ9は、挟持部7、8と一体に形成されている。
【0044】
端子金具5は、銅または銅合金(黄銅、ベリリウム銅などを含む)で構成された導電性金属板に打ち抜き加工や曲げ加工などが施されて得られるものである。この端子金具5は、図3に示すように、電線2に接続される電気接続部としての圧接刃34と、ハウジング3に取り付けられ、かつ、一対の弾性片36によって構成された圧入係止部32と、これら圧接刃34と圧入係止部32とを連結し、かつ、LED6を取り付ける半導体実装部33を備えた本体部30と、を一体に備えている。
【0045】
また、照明ユニット1は、2つの端子金具5が用いられる。一方の端子金具5は、電線2aが取り付けられて、前述した自動車の車体に搭載されるバッテリなどの電源の正の電極に接続される。また、他方の端子金具5は、電線2bが取り付けられて電源の負の電極に接続される。
【0046】
本体部30は、平面形状が略矩形状に形成されている。本体部30は、その一方の表面上に長手方向と平行に電線2を延在させる。本体部30は、その他方の表面上にLED6が接続される半導体実装部33を設けている。
【0047】
半導体実装部33は、LED6に設けられた端子(図示しない)が半田付けされる。そして、LED6と端子金具5とが電気的に接続されて固定される。
【0048】
圧接刃34は、前述した本体部30の長手方向の両縁から本体部30の一方の表面に向かって立設している。一対の圧接刃34は、互いに相対して、互いに平行に設けられている。圧接刃34は、電線2の被覆部を切り込んで芯線と接触することのできる切欠き35を設けている。なお、圧接刃34は、特許請求の範囲に記載された「電気接続部」に相当する。
【0049】
切欠き35は、本体部30から離れた側の圧接刃34の先端部から本体部30に向かって圧接刃34を切り欠いている。切欠き35は、圧接刃34が電線2の被覆部に切り込んで電線2の芯線に接触するとともに、切欠き35に電線2の芯線が切断されることなく通される。また、これら圧接刃34の先端部は、前述した圧接刃通し孔15及び、圧接刃通し穴23に通される。なお、切欠き35は、特許請求の範囲に記載された「スロット」に相当する。
【0050】
圧入係止部32は、前述した本体部30の幅方向の両端から、前述した圧接刃34と同方向に立設している。一対の圧入係止部32は、互いに相対して、互いに平行に設けられている。圧入係止部32は、一対の弾性片36により構成されている。一対の弾性片36は、本体部30寄りの端部同士が連結され、本体部30から離れた先端部同士は、自由端となっている。また、本体部30から離れた先端部同士は、わずかな隙間をあけて設けられている。そして、一対の弾性片36は、互いに近付く方向と互いに離れる方向とに弾性変形可能に設けられている。さらに、一対の弾性片36それぞれに突部37が設けられている。突部37は、弾性片36の本体部30から離れた先端部に設けられ、かつ、外方向に向かって凸に設けられている。一対の弾性片36は、端子圧入通し穴16に圧入されて、端子圧入通し穴16の内面に弾性的に接触する。
【0051】
続いて、上述した照明ユニット1の組立方法を説明する。まず、一方の端子金具5の圧入係止部32の先端部を挟持部7の外表面7bの端子圧入通し穴16に近づける。そして、圧接刃34の先端部を圧接刃通し孔15の開口に合わせて、一方の端子金具5を挟持部7に押圧する。こうして、一方の端子金具5を挟持部7に取り付ける。次に他方の端子金具5を上述した方法を用いて挟持部7に取り付ける。
【0052】
次に、挟持部7の内表面7aの一方の電線収容溝13に、電線2aを近づける。そして、圧接刃34の切欠き35の内側に電線2aを通す。次に、挟持部7の内表面7aの他方の電線収容溝13に、電線2bを近づける。そして、圧接刃34の切欠き35の内側に電線2bを通す。こうして、圧接刃34は電線2の芯線を被覆した絶縁性の被覆部に切り込んで芯線に接触する。そして、端子金具5は、電線2と電気的に接続する。
【0053】
次に、挟持部8を、ヒンジ9を中心として回転させて、挟持部7と挟持部8との内表面7a、8a同士を重ね合わせる。そして、電線押圧部22が、電線2の被覆部を押圧して、電線2を挟持部7の電線屈曲部14に屈曲させる。続いて、ロックアーム20のロック孔25に、係合突起12を係合させる。こうして、ハウジング3に電線2が収容される。
【0054】
次に、一方の端子金具5の半導体実装部33に、LED6に設けられた端子を半田付けする。そして、他方の端子金具5の半導体実装部33に、LED6に設けられた端子を半田付けする。そして、LED6と2つの端子金具5とを電気的に接続して固定する。こうして、照明ユニット1が完成する。
【0055】
第1の実施形態によれば、電力が供給される端子金具5の半導体実装部33に、LED6が半田付けされて接続される。このため、従来の照明ユニットの、電子部品が搭載されるプリント基板、該プリント基板に電力を供給するメイン基板や、該メイン基板と接続する電線やコネクタ等の部品を介さなくても、LED6に端子金具5を介して電力が供給される。従って、プリント基板及び、メイン基板及び、コネクタ等の部品が不要となる。こうして、プリント基板及び、メイン基板及び、コネクタ等の部品点数を低減できると共に、これら部品を組み付ける組付工数を低減した照明ユニット1を得ることができる。
【0056】
また、端子金具5は、ハウジング3の端子圧入通し穴16に圧入されることが可能に形成され、かつ、互いに近付く方向と互いに離れる方向とに弾性変形可能な一対の弾性片36を備えている。従って、ハウジング3の端子圧入通し穴16に端子金具5の一対の弾性片36を近付けて圧入する容易な作業で、端子金具5をハウジング3に取り付けることができるので、生産性を向上させることができる。
【0057】
また、端子金具5の圧接刃34は、電線2の芯線を被覆した絶縁性の被覆部に切り込んで芯線に接触する。圧接刃34が、一方の端が開口し、この開口を通して電線2が挿入される切欠き35を備えている。このため、端子金具5に向かって電線2を押し付ける容易な作業で電線2を端子金具5に接続させることができるので、生産性を向上させることができる。また、端子金具5と電線2とを接続するコネクタなどの部品を用いずとも、端子金具5と電線2とを直接接続することができるため、部品点数を低減した照明ユニット1を得ることができる。
【0058】
なお、第1の実施形態においては、端子金具5は、ハウジング3に圧入されて取り付けられているが、予め、ハウジング3にインサート成形により埋設されて取り付けられても良い。
【0059】
次に、本発明の第2の実施形態に係る照明ユニットを、図7乃至図12を参照して説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る照明ユニットの斜視図である。図8は、図7に示された照明ユニットの分解図である。図9は、図7に示された照明ユニットの組立作業を説明するための図であり、端子金具をハウジングにインサート成形して取り付けた状態を示す上面図である。図10は、図9に示すII−II線に沿う断面図である。図11は、図7に示された照明ユニットの組立作業を説明するための説明図であり、端子金具に、電子部品が取り付けられた状態を示す図である。図12は、図11に示すIII−III線に沿う断面図である。なお、前述した第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0060】
本発明の第2の実施形態における照明ユニット101は、第1の実施形態における照明ユニット1と同様に、車両としての自動車の乗員室内の表面に配置されるルーフトリムやドアトリムなどに取り付けられる室内照明装置を構成する。室内照明装置は、図示しない意匠部と、照明ユニット101と、を備えている。
【0061】
照明ユニット101は、絶縁性の合成樹脂で形成されたハウジング103と、ハウジング103に収容されかつ、電力が供給される端子金具105としての雄型端子金具(以下雄端子と記す)105と、該雄端子105に取り付けられる光源としてのLED(Light Emitting Diode)6と、LED6を覆った格好でハウジング103に取り付けられた回転方物体状のレンズ(図示しない)と、を備えている。
【0062】
照明ユニット101は、導電性の雄端子105を介してLED6に電力が供給されることで、当該LED6が乗員室内に向かって光を照射して、当該乗員室内を照明する。
【0063】
電線2は、導電性の芯線(図示しない)を絶縁性の被覆部(図示しない)で覆った所謂被覆電線2である。また、この電線2は、断面が丸形の丸電線である。また、照明ユニット101は、2本の電線2が用いられる。一方の電線2aは、前述した自動車の車体に搭載されるバッテリなどの電源の正の電極に接続される。また、他方の電線2bは電源の負の電極に接続される。電線2は、その端部に、雄端子105と接続する相手方端子金具102が取り付けられている。
【0064】
相手方端子金具102としての雌型端子金具(以下雌端子と記す)102は、電線2の被覆部を加締める加締め片110と、電線2の端部の被覆部が露出した芯線を圧着することによって該芯線に電気接続され、かつ、後述する雄端子105の端子接続部120と接続する圧着片104と、を一体に備えている。雌端子102は、後述する端子収容室112に、その長手方向の矢印X1に沿って侵入することにより、後述する端子収容室112に収容される。なお、前述した矢印X1は、電線2が取り付けられた雌端子102が、後述する端子収容室112に侵入する方向をなしている。なお、雌端子102は、特許請求の範囲に記載された「相手方端子金具」に相当する。
【0065】
圧着片104は、加締め片110に連なり、かつ、その内側に後述する端子接続部120が挿入可能な筒状に形成されている。また、圧着片104は、一方の外表面に凸に形成された突部104aを設けている。突部104aは、後述する端子収容室112の係止片114の他端114bに係止可能に設けられている。
【0066】
ハウジング103は、箱状に形成された本体部106を備えている。本体部106は、底壁107と、底壁107と互いに間隔をあけて互いに対向して設けられた天井壁108と、底壁107と天井壁108とを互いに連ねる一対の側壁109とで構成されている。なお、天井壁108は、特許請求の範囲に記載された「外壁」に相当する。
【0067】
ハウジング103の天井壁108には、後述するスペーサ117を通す第1開口部108aと、LED6を通す第2開口部108bとが設けられている。第1開口部108aは、天井壁108の矢印X1方向の手前側に位置している。第1開口部108aは、天井壁108を貫通している。第1開口部108aは、上面視が略矩形状に形成されている。第1開口部108aは、ハウジング103の外側と内側とを連通している。即ち、第1開口部108aは、端子収容室112の外側と内側とを連通している。この第1開口部108aには、後述するスペーサ117が通される。なお、第1開口部108aは、特許請求の範囲に記載された「開口部」に相当する。
【0068】
第2開口部108bは、天井壁108の矢印X1方向の奥側に位置している。第2開口部108bは、天井壁108を貫通している。第2開口部108bは、上面視が帯板状に形成されている。第2開口部108bは、一対設けられている。一対の第2開口部108bは、互いに平行に配置されている。一対の第2開口部108bは、後述する2つ設けられた端子収容室112それぞれの外側と内側とを連通している。第2開口部108bは、後述する雄端子105の半導体実装部133をハウジング103の外側に露出させる。
【0069】
本体部106は、電線2が取り付けられた雌端子102が挿入される端子収容室112と、第1開口部108aから挿入されて本体部106即ちハウジング103に係止するとともに電線2が取り付けられた雌端子102が端子収容室112から抜け出ることを規制するスペーサ117と、後述するスペーサ117の係止部(図示しない)がスペーサ117を本体部106即ちハウジング103に係止する係止受け部(図示しない)と、を備えている。
【0070】
端子収容室112は、2つ設けられている。2つの端子収容室112は、互いに平行に配置されている。端子収容室112は、本体部106内に設けられた直線状の空間である。端子収容室112は、その長手方向の両端が本体部106即ちハウジング103の外表面に開口している。端子収容室112の一方の開口113は、電線2が取り付けられた雌端子102を通す。
【0071】
また、端子収容室112には、それぞれ係止片114が設けられている。係止片114は、一端114aが底壁107の端子収容室112の内面に連なり、弾性変形していない中立状態で、他端114bが該一端114aより端子収容室112の内側に位置付けられている。係止片114の他端114bは、雌端子102の圧着片104の突部104aに係止可能である。係止片114は、前述した他端114bが端子収容室112の内側から外側に向かう方向に弾性変形自在となっている。
【0072】
前述した係止片114は、矢印X1に沿って端子収容室112内に雌端子102が挿入されると、雌端子102の圧着片104から押圧されて、他端114bが端子収容室112の外側に向かって弾性変形する。そして、係止片114は、他端114b上を雌端子102の圧着片104が乗り越えると、弾性復元力によって、再び他端114bが端子収容室112内に位置して(中立状態に復帰して)、該他端114bが雌端子102の圧着片104の前述した突部104aに係止する。こうして係止片114は、端子収容室112内から雌端子102が抜け出ることを規制する。
【0073】
スペーサ117は、第1開口部108aを通して端子収容室112の長手方向に対して直交(交差)する方向に挿入され、かつ、端子収容室112の内部を塞ぐ格好で電線2を押圧して電線2が端子収容室112即ちハウジング103から抜け出ることを規制する。スペーサ117は、端子収容室112の内部を塞ぐ箱状のスペーサ本体部118を備えている。
【0074】
スペーサ本体部118は、平面形状が第1開口部108aと同形状に形成されている。スペーサ本体部118は、スペーサ117がハウジング103に係止した状態で、その外表面が、第1開口部108aが設けられた天井壁108と同一平面状に位置付けられる。スペーサ本体部118は、スペーサ117とハウジング103とを係止する係止部(図示しない)を備えている。
【0075】
係止部は、ハウジング103の本体部106に設けられた係止受け部(図示しない)と互いに係止して、スペーサ117とハウジング103とを係止する。
【0076】
雄端子105は、銅または銅合金(黄銅、ベリリウム銅などを含む)で構成された導電性金属板に打ち抜き加工や曲げ加工などが施されて、略コ字状に形成されている。雄端子105は、LED6を取り付ける半導体実装部133を備えた雄端子本体部130と、電線2が取り付けられた雌端子102に挿入されて接続される端子接続部120と、雄端子本体部130と端子接続部120とを連結する連結部121と、を一体に備えている。なお、雄端子105は、特許請求の範囲に記載された「端子金具」に相当する。
【0077】
また、照明ユニット101は、2つの雄端子105が用いられる。一方の雄端子105は、雌端子102を介して電線2aが取り付けられて、前述した自動車の車体に搭載されるバッテリなどの電源の正の電極に接続される。また、他方の雄端子105は、雌端子102を介して電線2bが取り付けられて電源の負の電極に接続される。2つの雄端子105は、端子収容室112それぞれに収容される。
【0078】
雄端子本体部130は、平面形状が略矩形状に形成されている。雄端子本体部130は、ハウジング103の本体部106の天井壁108に埋設されて一体に取り付けられている。雄端子本体部130は、雄端子105の外表面上にLED6を接続する半導体実装部133を設けている。
【0079】
半導体実装部133は、LED6に設けられた端子(図示しない)が半田付けされる。そして、LED6は雄端子105と電気的に接続されて固定される。半導体実装部133は、ハウジング103の本体部106の第2開口部108bから、ハウジング103の外側に露出されている。
【0080】
端子接続部120は、平板状に形成されている。端子接続部120は、長手方向の両縁が互いに近付く方向に折り曲げられて帯板状に形成されている。端子接続部120は、雄端子本体部130と互いに対向して配されている。端子接続部120は、雌端子102の筒状の圧着片104の内側に通される。そして、端子接続部120即ち雄端子105は、雌端子102と接続する。
【0081】
連結部121は、帯板状に形成されている。連結部121は、一方の端が、雄端子本体部130の長手方向の端に直交して連なっている。また、連結部121は、他方の端が、端子接続部120の長手方向の端に直交して連なっている。
【0082】
続いて、上述した照明ユニット101の組立方法を説明する。予め、2つの雄端子105は、半導体実装部133が第2開口部108bからハウジング103の外側に露出する格好に配され、かつ、雄端子本体部130及び端子接続部120の連結部121から離れた端は、端子収容室112の一方の開口113に近付けられている格好で、インサート成形により、端子収容室112それぞれに配されて、ハウジング103の本体部106に埋設されている。
【0083】
次に、雌端子102の圧着片104を、電線2の端部の被覆部が露出した芯線に圧着する。そして、電線2と、雌端子102とを電気的に接続する。次に、電線2の被覆部の外周を加締め片110で加締めて電線2と雌端子102とを固定する。次に、圧着片104の突部104aが本体部106の底壁107に近付く格好で、雌端子102を端子収容室112の一方の開口113に近づける。そして、雌端子102を矢印X1に沿って端子収容室112に挿入させる。そして、端子収容室112の係止片114が弾性変形した後、圧着片104の突部104aに係止する。そして、筒状に形成された圧着片104に雄端子105の端子接続部120が挿入される。こうして、雄端子105と電線2が取り付けられた雌端子102とが電気的に接続するとともに、端子収容室112内に電線2が取り付けられた雌端子102が収容される。
【0084】
次に、スペーサ117を、第1開口部108aに通して、ハウジング103の本体部106の長手方向に対して直交(交差)する方向に動かして、スペーサ本体部118を電線2の外表面に押し付ける。そして、スペーサ117の係止部が、ハウジング103の本体部106の係止受け部に係止する。こうして、スペーサ117が、ハウジング103に係止される。そして、スペーサ117は、電線2が取り付けられた雌端子102が、端子収容室112即ちハウジング103から抜け出ることを規制する。
【0085】
次に、LED6を、第2開口部108bに通して、一方の雄端子105の半導体実装部133に、LED6に設けられた端子を半田付けする。次に他方の雄端子105の半導体実装部133に、LED6に設けられた端子を半田付けする。こうして、LED6と2つの雄端子105とを電気的に接続して固定する。そして、照明ユニット101が完成する。
【0086】
第2の実施形態によれば、電力が供給される端子金具105の半導体実装部133に、LED6が半田付けされて接続される。このため、従来の照明ユニットの、電子部品が搭載されるプリント基板、該プリント基板に電力を供給するメイン基板や、該メイン基板と接続する電線やコネクタ等の部品を介さなくても、LED6に端子金具105を介して電力が供給される。従って、プリント基板及び、メイン基板及び、コネクタ等の部品が不要となる。こうして、プリント基板及び、コネクタ等の部品点数を低減できると共に、これら部品を組み付ける組付工数を低減した照明ユニット101を得ることができる。
【0087】
また、端子金具105は、ハウジング103にインサート成形によって一体に取り付けられている。このため、端子金具105をハウジング103に確実に取り付けられると共に、照明ユニット1を小型化できる。
【0088】
また、雄端子105は、電線2が取り付けられた雌端子102と接続する端子接続部120を備えている。従って、電線2が取り付けられた雌端子102を端子収容室112に挿入する容易な作業で、雌端子102は、雄端子105の端子接続部120と接続することができるので、生産性を向上させることができる。
【0089】
また、ハウジング103が、ハウジング103の天井壁108を貫通した第1開口部108aから挿入されてハウジング103に係止するとともに電線2が取り付けられた雌端子102がハウジング103から抜け出ることを規制するスペーサ117と、雌端子102に係止する係止片114と、を備えている。従って、雄端子105に接続する雌端子102が、ハウジング103から抜け出ることを確実に防止することができる。
【0090】
なお、第2の実施形態においては、端子金具としての雄端子105は、端子収容室112それぞれにインサート成形によりハウジング103の本体部106に埋設されているが、雄端子105は、端子収容室112の長手方向の一方の開口113から離れた開口から端子収容室112内に圧入されて取り付けられても良い。
【0091】
次に、本発明の第3の実施形態に係る照明ユニットを、図13乃至図16を参照して説明する。図13は、本発明の第3の実施形態に係る照明ユニットの分解図である。図14は、図13に示された照明ユニットの上面図である。図15は、図14に示すIV−IV線に沿う断面図である。図16は、図14に示すV−V線に沿う断面図である。なお、前述した第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0092】
本発明の第3の実施形態における照明ユニット201は、第1の実施形態における照明ユニット1及び、第2の実施形態における照明ユニット101と同様に、車両としての自動車の乗員室内の表面に配置されるルーフトリムやドアトリムなどに取り付けられる室内照明装置を構成する。室内照明装置は、図示しない意匠部と、照明ユニット201と、を備えている。
【0093】
照明ユニット201は、絶縁性の合成樹脂で形成されたハウジング103と、ハウジング103に収容されかつ、電力が供給される端子金具205と、該端子金具205に取り付けられる光源としてのLED(Light Emitting Diode)6と、LED6を覆った格好でハウジング103に取り付けられた回転方物体状のレンズ(図示しない)と、を備えている。
【0094】
照明ユニット201は、導電性の端子金具205を介してLED6に電力が供給されることで、当該LED6が乗員室内に向かって光を照射して、当該乗員室内を照明する。
【0095】
電線2は、導電性の芯線(図示しない)を絶縁性の被覆部(図示しない)で覆った所謂被覆電線2である。また、この電線2は、断面が丸形の丸電線である。また、照明ユニット201は、2本の電線2が用いられる。一方の電線2aは、前述した自動車の車体に搭載されるバッテリなどの電源の正の電極に接続される。また、他方の電線2bは電源の負の電極に接続される。電線2は、その端部に、端子金具205が取り付けられている。
【0096】
ハウジング103は、箱状に形成された本体部106を備えている。本体部106は、底壁107と、底壁107と互いに間隔をあけて互いに対向して設けられた天井壁108と、底壁107と天井壁108とを互いに連ねる一対の側壁109とで構成されている。ハウジング103の天井壁108には、後述するスペーサ117を通す第1開口部108aと、LED6を搭載するLED搭載部208bが設けられている。
【0097】
第1開口部108aは、天井壁108の、矢印X1方向の手前側に位置している。第1開口部108aは、天井壁108を貫通している。第1開口部108aは、上面視が略矩形状に形成されている。第1開口部108aは、ハウジング103の外側と内側とを連通している。即ち、第1開口部108aは、端子収容室112の外側と内側とを連通している。この第1開口部108aには、後述するスペーサ117が通される。
【0098】
LED搭載部208bは、天井壁108の矢印X1方向の奥側に位置している。LED搭載部208bは、天井壁108の外表面に凹に設けられている。LED搭載部208bは、LED搭載部208bの凹の底面に、第2開口部208cを設けている。LED搭載部208bは、LED6が搭載可能に形成されている。
【0099】
第2開口部208cは、天井壁108を貫通している。第2開口部208cは、上面視が帯板状に形成されている。第2開口部208cは、一対設けられている。一対の第2開口部208cは、互いに平行に配置されている。第2開口部208cは、後述する2つ設けられた端子収容室112それぞれの外側と内側とを連通している。第2開口部208cは、後述する端子金具205の半導体実装部233をハウジング103の外側に露出させる。
【0100】
本体部106は、電線2が取り付けられた端子金具205が挿入される端子収容室112と、第1開口部108aから挿入されて本体部106即ちハウジング103に係止するとともに電線2が取り付けられた端子金具205が端子収容室112から抜け出ることを規制するスペーサ117と、後述するスペーサ117の係止部(図示しない)がスペーサ117を本体部106即ちハウジング103に係止する係止受け部(図示しない)と、を備えている。
【0101】
端子収容室112は、2つ設けられている。2つの端子収容室112は、互いに平行に配置されている。端子収容室112は、本体部106内に設けられた直線状の空間である。端子収容室112は、その長手方向の両端が本体部106即ちハウジング103の外表面に開口している。端子収容室112の一方の開口113は、電線2が取り付けられた端子金具205を通す。
【0102】
また、端子収容室112には、それぞれ係止片114が設けられている。係止片114は、一端114aが底壁107の端子収容室112の内面に連なり、弾性変形していない中立状態で、他端114bが該一端114aより端子収容室112の内側に位置付けられている。係止片114の他端114bは、端子金具205の圧着片204に係止可能である。係止片114は、前述した他端114bが端子収容室112の内側から外側に向かう方向に弾性変形自在となっている。
【0103】
前述した係止片114は、矢印X1に沿って端子収容室112内に端子金具205が挿入されると、端子金具205の圧着片204から押圧されて、他端114bが端子収容室112の外側に向かって弾性変形する。そして、係止片114は、他端114b上を端子金具205の圧着片204が乗り越えると、弾性復元力によって、再び他端114bが端子収容室112内に位置して(中立状態に復帰して)、該他端114bが端子金具205の圧着片204に係止する。こうして係止片114は、端子収容室112内から端子金具205が抜け出ることを規制する。
【0104】
スペーサ117は、第1開口部108aを通して端子収容室112の長手方向に対して直交(交差)する方向に挿入され、かつ、端子収容室112の内部を塞ぐ格好で電線2を押圧して電線2が端子収容室112即ちハウジング103から抜け出ることを規制する。スペーサ117は、端子収容室112の内部を塞ぐ箱状のスペーサ本体部118を備えている。
【0105】
スペーサ本体部118は、平面形状が第1開口部108aと同形状に形成されている。スペーサ本体部118は、スペーサ117がハウジング103に係止した状態で、その外表面が、第1開口部108aが設けられた天井壁108と同一平面状に位置付けられる。スペーサ本体部118は、スペーサ117とハウジング103とを係止する係止部(図示しない)を備えている。
【0106】
係止部は、ハウジング103の本体部106に設けられた係止受け部(図示しない)と、を互いに係止して、スペーサ117とハウジング103とを係止する。
【0107】
端子金具205は、銅または銅合金(黄銅、ベリリウム銅などを含む)で構成された導電性金属板に打ち抜き加工や曲げ加工などが施されて、棒状に形成されている。端子金具205は、電線2の被覆部を加締めて、端子金具205に電線2を取り付ける加締め片203と、該加締め片203に連なり、かつ、電線2の端部の被覆部から露出した芯線を圧着することによって該芯線に電気接続される圧着片204と、該圧着片204に連なり、かつ、LED6を取り付ける半導体実装部233を備えた端子本体部230と、を一体に備えている。
【0108】
端子金具205は、後述する端子収容室112に、その長手方向の矢印X1に沿って侵入することにより、後述する端子収容室112に収容される。なお、前述した矢印X1は、電線2が取り付けられた端子金具205が、後述する端子収容室112に侵入する方向をなしている。
【0109】
また、照明ユニット201は、2つの端子金具205が用いられる。一方の端子金具205は、電線2aが取り付けられて、前述した自動車の車体に搭載されるバッテリなどの電源の正の電極に接続される。また、他方の端子金具205は、電線2bが取り付けられて電源の負の電極に接続される。2つの端子金具205は、端子収容室112それぞれに収容される。
【0110】
端子本体部230は、平面形状が略矩形状に形成されている。端子本体部230は、その表面上にLED6が接続される半導体実装部233を設けている。
【0111】
半導体実装部233は、LED6に設けられた端子(図示しない)が半田付けされる。そして、LED6と端子金具205とが電気的に接続されて固定される。
【0112】
続いて、上述した照明ユニット201の組立方法を説明する。予め、端子金具205の圧着片204を、電線2の端部の被覆部が露出した芯線に圧着する。そして、電線2と、端子金具205とを電気的に接続する。次に、電線2の被覆部の外周を加締め片203で加締めて電線2と端子金具205とを固定する。次に、端子金具205の電線2の端部から離れた先端部を端子収容室112の一方の開口113に近づける。そして、電線2が取り付けられた端子金具205を矢印X1に沿って端子収容室112に挿入させる。すると端子収容室112の係止片114が弾性変形した後、圧着片204に係止する。こうして、端子収容室112内に電線2が取り付けられた端子金具205が収容される。
【0113】
次に、スペーサ117を、第1開口部108aに通して、ハウジング103の本体部106の長手方向に対して直交(交差)する方向に動かして、スペーサ本体部118を電線2の外表面に押し付ける。そして、スペーサ117の係止部が、ハウジング103の本体部106の係止受け部に係止する。こうして、スペーサ117が、ハウジング103に係止される。そして、スペーサ117は、電線2が取り付けられた端子金具205が、端子収容室112即ちハウジング103から抜け出ることを規制する。
【0114】
次に、LED6を、LED搭載部208bに搭載する。そして、一方の第2開口部208cから露出した一方の端子金具205の半導体実装部233に、LED6に設けられた端子を半田付けする。次に、他方の第2開口部208cから露出した他方の端子金具205の半導体実装部233に、LED6に設けられた端子を半田付けする。こうして、LED6と2つの端子金具205とを電気的に接続して固定する。こうして、照明ユニット201が完成する。
【0115】
第3の実施形態によれば、電力が供給される端子金具205の半導体実装部233に、LED6が半田付けされて直接接続される。このため、従来の照明ユニットの、電子部品が搭載されるプリント基板、該プリント基板に電力を供給するメイン基板や、該メイン基板と接続する電線やコネクタ等の部品を介さなくても、LED6に端子金具205を介して電力が供給される。従って、プリント基板及び、メイン基板及び、コネクタ等の部品が不要となる。こうして、プリント基板及び、メイン基板及び、コネクタ等の部品点数を低減できると共に、これら部品を組み付ける組付工数を低減した照明ユニット201を得ることができる。
【0116】
また、ハウジング103が、ハウジング103の天井壁108を貫通した第1開口部108aから挿入されてハウジング103に係止するとともに電線2が取り付けられた端子金具205がハウジング103から抜け出ることを規制するスペーサ117と、端子金具205に係止する係止片114と、を備えている。従って、端子金具205が、ハウジング103から抜け出ることを確実に防止することができる。
【0117】
なお、本発明の第1乃至第3の実施形態によれば、特許請求の範囲に記載された「電子部品」には、LED6が用いられているが、本発明はこれに限ったものではない。例えば、各種装備品の操作に用いられるスイッチが用いられてもよい。
【0118】
また、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る照明ユニットの斜視図である。
【図2】図1に示すI−I線に沿う断面図である。
【図3】図1に示された照明ユニットの組立作業を説明するための説明図であり、ハウジングに、端子金具が圧入されている様子を示す図である。
【図4】図1に示された照明ユニットの組立作業を説明するための説明図であり、端子金具に、電子部品が取り付けられている様子を示す図である。
【図5】図1に示された照明ユニットの組立作業を説明するための説明図であり、端子金具に、電子部品が取り付けられた状態を示す図である。
【図6】図1に示された照明ユニットの組立作業を説明するための説明図であり、ハウジングに電線を延在させている様子を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る照明ユニットの斜視図である。
【図8】図7に示された照明ユニットの分解図である。
【図9】図7に示された照明ユニットの組立作業を説明するための図であり、端子金具をハウジングにインサート成形して取り付けた状態を示す上面図である。
【図10】図9に示すII−II線に沿う断面図である。
【図11】図7に示された照明ユニットの組立作業を説明するための説明図であり、端子金具に、電子部品が取り付けられた状態を示す図である。
【図12】図11に示すIII−III線に沿う断面図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る照明ユニットの分解図である。
【図14】図13に示された照明ユニットの上面図である。
【図15】図14に示すIV−IV線に沿う断面図である。
【図16】図14に示すV−V線に沿う断面図である。
【図17】従来の照明ユニットの一例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0120】
1、101、201 照明ユニット
2 電線
3、103 ハウジング
5、205 端子金具
105 雄端子(端子金具)
6 LED(電子部品)
16 端子圧接通し穴
33 133、233 半導体実装部
34 圧接刃(電気接続部)
35 切欠き(スロット)
36 弾性片
102 雌端子(相手方端子金具)
108 天井壁(外壁)
108a 第1開口部(開口部)
114 係止片
117 スペーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
該ハウジングに支持され、かつ、電力が供給される端子金具と、
該端子金具に取り付けられた電子部品と、を備えた照明ユニットにおいて、
前記端子金具が、前記電子部品に設けられた端子に半田付けされて接続する半導体実装部を備えていることを特徴とする照明ユニット。
【請求項2】
前記端子金具が、前記ハウジングに設けられた端子圧入通し穴に圧入されることが可能に形成され、かつ、互いに近付く方向と互いに離れる方向とに弾性変形可能な一対の弾性片を備えていることを特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項3】
前記端子金具は、前記ハウジングにインサート成形によって取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の照明ユニット。
【請求項4】
電線の芯線を被覆した絶縁性の被覆部に切り込んで前記芯線に接触する前記端子金具に設けられた電気接続部が、一方の端が開口し、該開口を通して前記電線が挿入されるスロットを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち1項に記載の照明ユニット。
【請求項5】
前記端子金具に設けられ、かつ、電線が取り付けられた相手方端子金具と接続する端子接続部を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち1項に記載の照明ユニット。
【請求項6】
前記ハウジングが、該ハウジングの外壁を貫通した開口部から挿入されて前記ハウジングに係止するとともに前記電線が取り付けられた前記相手方端子金具が前記ハウジングから抜け出ることを規制するスペーサと、前記相手方端子金具に係止する係止片と、を備えていることを特徴とする請求項5項に記載の照明ユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−153081(P2010−153081A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327306(P2008−327306)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】