説明

照明用発光素子駆動回路及びそれを備えた照明機器

【課題】不要な消費電力を抑制することができる照明用発光素子駆動回路を提供する。
【解決手段】力率改善回路2を備え、力率改善回路2が、照明用発光素子駆動回路の負荷(照明用発光ダイオード17)が軽負荷である場合は、照明用発光素子駆動回路の負荷(照明用発光ダイオード17)が軽負荷で無い場合と異なる動作をする(動作を停止することを含む)ことによって、軽負荷で無い場合と同じ動作をするよりも消費電力を低くすることを特徴とする照明用発光素子駆動回路。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明用発光素子駆動回路及びそれを備えた照明機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明用発光素子駆動回路として、ここでは照明用発光ダイオードを駆動する照明用発光ダイオード駆動回路を例に挙げて説明する。従来の照明用発光ダイオード駆動回路の一構成例を図9に示す。
【0003】
図9に示す従来の照明用発光ダイオード駆動回路は、定電圧出力スイッチング電源回路と、前記定電圧出力スイッチング電源回路の出力電圧を駆動電圧として用いて照明用発光ダイオード17に定電流を供給する定電流出力スイッチング電源回路とによって構成される。
【0004】
前記定電圧出力スイッチング電源回路は、全波整流回路1と、力率改善回路2’と、平滑コンデンサ3と、トランス4と、Nチャネル型MOSFET5と、Nチャネル型MOSFET5をオン/オフ制御する制御回路6と、ダイオード7と、コンデンサ8と、抵抗9及び10と、シャントレギュレータ11と、フォトカプラ12とを備える。
【0005】
前記定電流出力スイッチング電源回路は、ドライバ13と、ダイオード14と、コイル15と、コンデンサ16と、照明用発光ダイオード17に直列接続される電流設定用抵抗18とを備えている。
【0006】
前記定電圧出力スイッチング電源回路に入力されるAC電圧は、全波整流回路1で全波整流された後、力率改善回路2’を経由し、平滑コンデンサ3で平滑化される。平滑コンデンサ3の両端電圧は、トランス4の一次巻線及びNチャネル型MOSFET5からなる直列接続体と、制御回路6とに印加される。Nチャネル型MOSFET5がオンのときにトランス4の一次巻線にエネルギーが蓄えられ、Nチャネル型MOSFET5がオフのときにトランス4の一次巻線に蓄えられたエネルギーがトランス4の二次巻線に放出される。制御回路6は、フォトカプラ12の出力に応じてNチャネル型MOSFET5をオン/オフ制御する。より具体的には、制御回路6は、フォトカプラ12がオンのときにNチャネル型MOSFET5をオフにし、フォトカプラ12がオフのときにNチャネル型MOSFET5をオンにする。
【0007】
トランス4の二次巻線に発生する電圧は、ダイオード7で整流され、コンデンサ8で平滑化され、前記定電圧出力スイッチング電源回路の出力電圧となる。抵抗9及び10は、前記定電圧出力スイッチング電源回路の出力電圧を分圧して、その分圧をシャントレギュレータ11のリファレンス端子に供給する。シャントレギュレータ11のリファレンス端子に供給される電圧が閾値を越えるとシャントレギュレータ11が導通状態になり、それにともなってフォトカプラ12もオンになる。
【0008】
ドライバ13は、内部のスイッチング素子(不図示)をオン/オフし、前記スイッチング素子がONのときは、ドライバ13からコイル15へと電流が流れ、コイル15にエネルギーが蓄えられると共に照明用発光ダイオード17へ電流が供給される。一方、前記スイッチング素子がOFFのときは、コイル15に蓄えられていたエネルギーがダイオード14を介して放出され、照明用発光ダイオード17へ電流が供給される。ドライバ13は、電流設定用抵抗18での電圧降下をフィードバックし、電流設定用抵抗18での電圧降下に応じて前記スイッチング素子のデューティを制御する。これにより、照明用発光ダイオード17に流れる電流が、電流設定用抵抗18の抵抗値に応じた一定値に設定される。
【0009】
【特許文献1】特開2001−333573号公報
【特許文献2】特開2007−80771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
照明機器は高調波規制のクラスCに適合することが求められている。このクラスCの規制値をクリアするために、通常、照明機器には力率改善回路が設けられる。しかしながら、照明機器に力率改善回路を設けると、力率改善回路分の消費電流が増えるという欠点があった。
【0011】
なお、特許文献1では、単に商用AC電源の減電圧だけで電源を停止させるのでなく、出力負荷の状態との組み合わせで停止させる力率改善電源の減電圧保護回路であり、当該減電圧保護回路は出力が軽負荷では停止させることなく動作できるようになっているが、力率改善回路分の消費電流が増えるという欠点を解消するものではない。
【0012】
また、特許文献2では、降圧型の力率制御回路に負荷に流れる電流をフィードバックさせ、この力率制御回路に負荷を流れる電流を制限する機能を持つ照明用電源回路であり、当該照明用電源回路は、別個に負荷を流れる電流を制限する回路を設ける必要が無いようになっているが、力率改善回路分の消費電流が増えるという欠点を解消するものではない。
【0013】
本発明は、上記の状況に鑑み、不要な消費電力を抑制することができる照明用発光素子駆動回路及びそれを備えた照明機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために本発明に係る照明用発光素子駆動回路は、力率改善回路を備え、前記力率改善回路が、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷で無い場合と異なる動作をする(動作を停止することを含む)ことによって、消費電力を低くする構成(以下、第1の構成ともいう)とする。
【0015】
軽負荷である場合、高調波電流が小さくなり、力率改善回路を通常動作させなくても高調波規制のクラスCに適合することができるので、図9に示す従来の照明用発光ダイオード駆動回路のように軽負荷である場合に力率改善回路を通常動作させると力率改善回路において不要な電力が消費されることになる。これに対して、上記第1の構成の照明用発光素子駆動回路では、力率改善回路が、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷で無い場合と異なる動作をする(動作を停止することを含む)ことによって、軽負荷で無い場合と同じ動作をするよりも消費電力を低くするので、不要な消費電力を抑制することができる。
【0016】
また、上記第1の構成の照明用発光素子駆動回路の“前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷で無い場合と異なる動作をする(動作を停止することを含む)こと”をより具体化した構成例として、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷であるときに前記力率改善回路をバイパスするバイパス手段を備え、前記力率改善回路が、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は、動作を停止する構成(以下、第2の構成ともいう。)、前記力率改善回路が、スイッチングトランジスタと、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は前記スイッチングトランジスタをシリーズ制御し、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は前記スイッチングトランジスタをスイッチング制御する制御回路とを有する構成(以下、第3の構成ともいう。)、前記力率改善回路が、スイッチングトランジスタと、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は前記スイッチングトランジスタに対するスイッチング制御を間欠動作し、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷で無い場合は前記スイッチングトランジスタに対するスイッチング制御を常時動作する制御回路とを有する構成(以下、第4の構成ともいう。)、前記力率改善回路が、スイッチングトランジスタと、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷で無い場合に比べて、前記スイッチングトランジスタに対するスイッチング制御のスイッチング周波数を低くする制御回路とを有する構成(以下、第5の構成ともいう。)、又は、前記力率改善回路が、スイッチングトランジスタと、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷で無い場合に比べて、前記スイッチングトランジスタに対するスイッチング制御における前記スイッチングトランジスタのスイッチング速度を遅くする制御回路とを有する構成(以下、第6の構成ともいう。)などが挙げられる。
【0017】
また、上記第1〜6のいずれかの構成の照明用発光素子駆動回路において、前記照明用発光素子駆動回路の負荷を流れる電流を検出して前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷であるか否かを判定する判定手段を備え、前記判定手段の判定結果に応じて前記力率改善回路が動作する(動作を停止することを含む)ようにしてもよい。
【0018】
また、上記第1〜6のいずれかの構成の照明用発光素子駆動回路において、AC入力であって前記力率改善回路とスイッチング素子を有し前記スイッチング素子のデューティ制御により所定のDC電圧を出力する定電圧出力スイッチング電源回路と、前記定電圧出力スイッチング電源回路の出力電圧を駆動電圧として用いて照明用発光素子に定電流を供給する定電流出力スイッチング電源回路とによって構成される照明用発光素子駆動回路とし、前記定電圧出力スイッチング電源回路の入力AC電流を検出して前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷であるか否かを判定する判定手段を備え、前記判定手段の判定結果に応じて前記力率改善回路が動作する(動作を停止することを含む)ようにしてもよい。
【0019】
また、上記第1〜6のいずれかの構成の照明用発光素子駆動回路において、AC入力であって前記力率改善回路とスイッチング素子を有し前記スイッチング素子のデューティ制御により所定のDC電圧を出力する定電圧出力スイッチング電源回路と、前記定電圧出力スイッチング電源回路の出力電圧を駆動電圧として用いて照明用発光素子に定電流を供給する定電流出力スイッチング電源回路とによって構成される照明用発光素子駆動回路であって、前記スイッチング素子を流れる電流を検出して前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷であるか否かを判定する判定手段を備え、前記判定手段の判定結果に応じて前記力率改善回路が動作する(動作を停止することを含む)ようにしてもよく、前記照明用発光素子駆動回路の負荷の光量を検出して前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷であるか否かを判定する判定手段を備え、 前記判定手段の判定結果に応じて前記力率改善回路が動作する(動作を停止することを含む)ようにしてもよい。
【0020】
また、上記第1〜6のいずれかの構成の照明用発光素子駆動回路において、外部信号を入力し、前記外部信号に基づいて前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷であるか否かを判定する判定手段を備え、前記判定手段の判定結果に応じて前記力率改善回路が動作する(動作を停止することを含む)ようにしてもよい。
【0021】
また、上記目的を達成するために本発明に係る照明機器は、上記いずれかの構成の照明用発光素子駆動回路を備える構成とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る照明用発光素子駆動回路及びそれを備えた照明機器によると、軽負荷時に力率改善回路が軽負荷で無い場合と異なる動作をする(動作を停止することを含む)ことによって消費電力を低くするので、不要な消費電力を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。本発明に係る照明用発光素子駆動回路として、ここでは照明用発光ダイオードを駆動する照明用発光ダイオード駆動回路を例に挙げて説明する。
【0024】
まず、本発明の第一実施形態について説明する。本発明の第一実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を図1に示す。なお、図1において図9と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0025】
本発明の第一実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路は、図9に示す従来の照明用発光ダイオード駆動回路の力率改善回路2’を力率改善回路2に置換し、さらに軽負荷検出回路19を新たに設けた構成である。
【0026】
軽負荷検出回路19は、軽負荷検出用信号を入力し、その軽負荷検出用信号に基づいて軽負荷で有るか否かを判定し、その判定結果を出力する。本実施形態では、軽負荷検出用信号は、電流設定用抵抗18の電圧降下であり、照明用発光ダイオード17を流れる電流に応じた信号である。軽負荷検出回路19は、上記軽負荷検出用信号と予め設定している閾値とを比較し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さければ軽負荷で有ると判定し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さくなければ軽負荷で無いと判定する。
【0027】
力率改善回路2は、軽負荷検出回路19による判定結果を入力し、軽負荷で有るとの判定結果の場合、軽負荷で無い場合と異なる動作をする(動作を停止することを含む)ことによって、軽負荷で無い場合と同じ動作をするよりも力率改善回路2内での消費電力を低くすることができる力率改善回路である。
【0028】
軽負荷である場合、高調波電流が小さくなり、力率改善回路を通常動作させなくても高調波規制のクラスCに適合することができるので、図9に示す従来の照明用発光ダイオード駆動回路のように軽負荷である場合に力率改善回路を通常動作させると力率改善回路において不要な電力が消費されることになる。これに対して、本発明の第一実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路では、力率改善回路2が、軽負荷検出回路19による判定結果を入力し、軽負荷で有るとの判定結果の場合、軽負荷で無い場合と異なる動作をすることによって、軽負荷で無い場合と同じ動作をするよりも消費電力を低くするので、不要な消費電力を抑制することができる。
【0029】
次に、本発明の第二実施形態について説明する。本発明の第二実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を図2に示す。なお、図2において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0030】
本発明の第二実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路は、本発明の第一実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路に、力率改善回路2に並列接続されるリレー20を新たに設けた構成である。
【0031】
本実施形態では、第一実施形態と同様、軽負荷検出用信号は、電流設定用抵抗18の電圧降下であり、照明用発光ダイオード17を流れる電流に応じた信号である。軽負荷検出回路19は、上記軽負荷検出用信号と予め設定している閾値とを比較し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さければ軽負荷で有ると判定し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さくなければ軽負荷で無いと判定する。
【0032】
また、本実施形態においては、力率改善回路2は、軽負荷で有るとの判定結果の場合、動作を停止することで、力率改善回路2内での消費電力を低くしている。また、リレー20は、軽負荷検出回路19による判定結果を入力し、軽負荷で有るとの判定結果の場合、オン状態になり、停止状態の力率改善回路2をバイパスし、軽負荷で無いとの判定結果の場合、オフ状態になり、動作状態の力率改善回路2をバイパスしない。
【0033】
本発明の第二実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路では、軽負荷で有るとの判定結果の場合、力率改善回路2が動作を停止するので、不要な消費電力を抑制することができる。また、力率改善回路2が動作を停止しているときは、リレー20がオン状態になり停止状態の力率改善回路2をバイパスするので、本発明の第二実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路全体としては何ら問題なく動作する。
【0034】
次に、本発明の第三実施形態について説明する。本発明の第三実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を図3に示す。なお、図3において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0035】
本発明の第三実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路は、本発明の第一実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路において、力率改善回路2がスイッチングトランジスタ(本実施形態ではNPNトランジスタ)2A、制御回路2B、コイル2C、及びダイオード2Dを有する構成である。
【0036】
本実施形態では、第一実施形態と同様、軽負荷検出用信号は、電流設定用抵抗18の電圧降下であり、照明用発光ダイオード17を流れる電流に応じた信号である。軽負荷検出回路19は、上記軽負荷検出用信号と予め設定している閾値とを比較し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さければ軽負荷で有ると判定し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さくなければ軽負荷で無いと判定する。
【0037】
また、本実施形態においては、力率改善回路2は、軽負荷で有るとの判定結果の場合、制御回路2Bがスイッチングトランジスタ2Aをシリーズ制御することで、軽負荷で無いとの判定結果の場合に比べて力率改善回路2内での消費電力を低くしている。なお、軽負荷で無いとの判定結果の場合、力率改善回路2の制御回路2Bはスイッチングトランジスタ2Aをスイッチング制御している。
【0038】
本発明の第三実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路では、力率改善回路2が、軽負荷検出回路19による判定結果を入力し、軽負荷で有るとの判定結果の場合、制御回路2Bがスイッチングトランジスタ2Aに対して、軽負荷時に低効率となる制御方式であるスイッチング制御ではなく、シリーズ制御を行うので、不要な消費電力を抑制することができる。
【0039】
次に、本発明の第四実施形態について説明する。本発明の第四実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を図4に示す。なお、図4において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0040】
本発明の第四実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路は、本発明の第一実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路において、力率改善回路2がスイッチングトランジスタ(本実施形態ではNチャネル型MOSFET)2A、制御回路2B、コイル2C、及びダイオード2Dを有する構成である。
【0041】
本実施形態では、第一実施形態と同様、軽負荷検出用信号は、電流設定用抵抗18の電圧降下であり、照明用発光ダイオード17を流れる電流に応じた信号である。軽負荷検出回路19は、上記軽負荷検出用信号と予め設定している閾値とを比較し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さければ軽負荷で有ると判定し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さくなければ軽負荷で無いと判定する。
【0042】
また、本実施形態においては、力率改善回路2は、軽負荷で有るとの判定結果の場合、制御回路2Bがスイッチングトランジスタ2Aのスイッチング制御を間欠動作することで、力率改善回路2内での消費電力を低くしている。なお、軽負荷で無いとの判定結果の場合、力率改善回路2の制御回路2Bはスイッチングトランジスタ2Aのスイッチング制御を常時行っている。
【0043】
本発明の第四実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路では、力率改善回路2が、軽負荷検出回路19による判定結果を入力し、軽負荷で有るとの判定結果の場合、制御回路2Bがスイッチングトランジスタ2Aのスイッチング制御を間欠動作するので、不要な消費電力を抑制することができる。
【0044】
次に、本発明の第五実施形態について説明する。本発明の第五実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路は、本発明の第三実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路と同様に図3に示す構成であるが、本発明の第三実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路とは力率改善回路2内の制御回路2Bの動作が異なっている。
【0045】
本実施形態では、第三実施形態と同様、軽負荷検出用信号は、電流設定用抵抗18の電圧降下であり、照明用発光ダイオード17を流れる電流に応じた信号である。軽負荷検出回路19は、上記軽負荷検出用信号と予め設定している閾値とを比較し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さければ軽負荷で有ると判定し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さくなければ軽負荷で無いと判定する。
【0046】
また、本実施形態においては、軽負荷で有るとの判定結果の場合でも軽負荷で無いとの判定結果の場合でも、制御回路2Bがスイッチングトランジスタ2Aをスイッチング制御する。そして、軽負荷で有るとの判定結果の場合、軽負荷で無いとの判定結果の場合に比べて上記スイッチング制御におけるスイッチング周波数を低くすることで、力率改善回路2内での消費電力を低くしている。
【0047】
本発明の第五実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路では、力率改善回路2が、軽負荷検出回路19による判定結果を入力し、軽負荷で有るとの判定結果の場合、制御回路2Bがスイッチングトランジスタ2Aに対して行うスイッチング制御のスイッチング周波数を低くするので、不要な消費電力を抑制することができる。
【0048】
次に、本発明の第六実施形態について説明する。本発明の第六実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路は、本発明の第四実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路と同様に図4に示す構成であるが、本発明の第四実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路とは力率改善回路2内の制御回路2Bの動作が異なっている。
【0049】
本実施形態では、第四実施形態と同様、軽負荷検出用信号は、電流設定用抵抗18の電圧降下であり、照明用発光ダイオード17を流れる電流に応じた信号である。軽負荷検出回路19は、上記軽負荷検出用信号と予め設定している閾値とを比較し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さければ軽負荷で有ると判定し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さくなければ軽負荷で無いと判定する。
【0050】
また、本実施形態においては、軽負荷で有るとの判定結果の場合でも軽負荷で無いとの判定結果の場合でも、制御回路2Bがスイッチングトランジスタ2Aを常時スイッチング制御する。そして、軽負荷で有るとの判定結果の場合、軽負荷で無いとの判定結果の場合に比べて上記スイッチング制御におけるスイッチングトランジスタ2Aのスイッチング速度を遅くすることで、軽負荷で無い場合と同じ動作をするよりも力率改善回路2内での消費電力を低くしている。
【0051】
本発明の第六実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路では、力率改善回路2が、軽負荷検出回路19による判定結果を入力し、軽負荷で有るとの判定結果の場合、制御回路2Bがスイッチングトランジスタ2Aのスイッチング速度を遅くするので、不要な消費電力を抑制することができる。なお、スイッチングトランジスタ2Aのスイッチング速度を遅くする方法としては、例えば、制御回路2Bがスイッチングトランジスタ2Aのゲートに供給する駆動信号の電流レベルを小さくする方法が挙げられる。
【0052】
次に、本発明の第七実施形態について説明する。本発明の第七実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を図5に示す。なお、図5において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0053】
本発明の第七実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路は、本発明の第一実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路に、一次側入力AC電流を検出する電流検出部21を新たに設けた構成である。
【0054】
本実施形態では、第一実施形態とは異なり、軽負荷検出用信号は電流検出部21によって検出される電流に応じた信号である。軽負荷検出回路19は、上記軽負荷検出用信号と予め設定している閾値とを比較し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さければ軽負荷で有ると判定し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さくなければ軽負荷で無いと判定する。
【0055】
軽負荷である場合、高調波電流が小さくなり、力率改善回路を通常動作させなくても高調波規制のクラスCに適合することができるので、図9に示す従来の照明用発光ダイオード駆動回路のように軽負荷である場合に力率改善回路を通常動作させると力率改善回路において不要な電力が消費されることになる。これに対して、本発明の第七実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路では、力率改善回路2が、軽負荷検出回路19による判定結果を入力し、軽負荷で有るとの判定結果の場合、軽負荷で無い場合と異なる動作をすることによって、軽負荷で無い場合と同じ動作をするよりも消費電力を低くするので、不要な消費電力を抑制することができる。
【0056】
次に、本発明の第八実施形態について説明する。本発明の第八実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を図6に示す。なお、図6において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0057】
本発明の第八実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路は、本発明の第一実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路に、Nチャネル型MOSFET5を流れる電流を検出する電流検出部22を新たに設けた構成である。
【0058】
本実施形態では、第一実施形態とは異なり、軽負荷検出用信号は電流検出部22によって検出される電流に応じた信号である。軽負荷検出回路19は、上記軽負荷検出用信号と予め設定している閾値とを比較し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さければ軽負荷で有ると判定し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さくなければ軽負荷で無いと判定する。
【0059】
軽負荷である場合、高調波電流が小さくなり、力率改善回路を通常動作させなくても高調波規制のクラスCに適合することができるので、図9に示す従来の照明用発光ダイオード駆動回路のように軽負荷である場合に力率改善回路を通常動作させると力率改善回路において不要な電力が消費されることになる。これに対して、本発明の第八実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路では、力率改善回路2が、軽負荷検出回路19による判定結果を入力し、軽負荷で有るとの判定結果の場合、軽負荷で無い場合と異なる動作をすることによって、軽負荷で無い場合と同じ動作をするよりも消費電力を低くするので、不要な消費電力を抑制することができる。
【0060】
次に、本発明の第九実施形態について説明する。本発明の第九実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を図7に示す。なお、図7において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0061】
本発明の第九実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路は、本発明の第一実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路に、照明用発光ダイオード17の光量を検出する照度センサ23を新たに設けた構成である。
【0062】
本実施形態では、第一実施形態とは異なり、軽負荷検出用信号は照度センサ23によって検出される照明用発光ダイオード17の光量に応じた信号である。軽負荷検出回路19は、上記軽負荷検出用信号と予め設定している閾値とを比較し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さければ軽負荷で有ると判定し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さくなければ軽負荷で無いと判定する。
【0063】
軽負荷である場合、高調波電流が小さくなり、力率改善回路を通常動作させなくても高調波規制のクラスCに適合することができるので、図9に示す従来の照明用発光ダイオード駆動回路のように軽負荷である場合に力率改善回路を通常動作させると力率改善回路において不要な電力が消費されることになる。これに対して、本発明の第九実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路では、力率改善回路2が、軽負荷検出回路19による判定結果を入力し、軽負荷で有るとの判定結果の場合、軽負荷で無い場合と異なる動作をすることによって、軽負荷で無い場合と同じ動作をするよりも消費電力を低くするので、不要な消費電力を抑制することができる。
【0064】
次に、本発明の第十実施形態について説明する。本発明の第十実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を図8に示す。なお、図8において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
【0065】
本発明の第十実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路は、本発明の第一実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路に、外部信号を入力する外部信号入力端子24を新たに設けた構成である。
【0066】
本実施形態では、第一実施形態とは異なり、軽負荷検出用信号はマイコン等から出力され外部信号入力端子24が入力する外部信号である。軽負荷検出回路19は、上記軽負荷検出用信号と予め設定している閾値とを比較し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さければ軽負荷で有ると判定し、上記軽負荷検出用信号が予め設定している閾値より小さくなければ軽負荷で無いと判定する。
【0067】
軽負荷である場合、高調波電流が小さくなり、力率改善回路を通常動作させなくても高調波規制のクラスCに適合することができるので、図9に示す従来の照明用発光ダイオード駆動回路のように軽負荷である場合に力率改善回路を通常動作させると力率改善回路において不要な電力が消費されることになる。これに対して、本発明の第十実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路では、力率改善回路2が、軽負荷検出回路19による判定結果を入力し、軽負荷で有るとの判定結果の場合、軽負荷で無い場合と異なる動作をすることによって、軽負荷で無い場合と同じ動作をするよりも消費電力を低くするので、不要な消費電力を抑制することができる。
【0068】
上述した本発明に係る照明用発光ダイオード駆動回路を発光ダイオード照明機器に搭載することにより、不要な消費電力を抑制する発光ダイオード照明機器を実現することができる。
【0069】
なお、上記実施形態においては照明用発光素子として照明用発光ダイオードを用いた場合について説明したが、本発明に係る照明用発光素子駆動回路は、他の照明用発光素子、例えば照明用有機ELを駆動する回路であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】は、本発明の第一実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を示す図である。
【図2】は、本発明の第二実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を示す図である。
【図3】は、本発明の第三、五実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を示す図である。
【図4】は、本発明の第四、六実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を示す図である。
【図5】は、本発明の第七実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を示す図である。
【図6】は、本発明の第八実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を示す図である。
【図7】は、本発明の第九実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を示す図である。
【図8】は、本発明の第十実施形態に係る照明用発光ダイオード駆動回路の構成を示す図である。
【図9】は、従来の照明用発光ダイオード駆動回路の一構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 全波整流回路
2、2’ 力率改善回路
2A スイッチングトランジスタ
2B 制御回路
2C コイル
2D ダイオード
3 平滑コンデンサ
4 トランス
5 Nチャネル型MOSFET
6 制御回路
7 ダイオード
8 コンデンサ
9、10 抵抗
11 シャントレギュレータ
12 フォトカプラ
13 ドライバ
14 ダイオード
15 コイル
16 コンデンサ
17 照明用発光ダイオード
18 電流設定用抵抗
19 軽負荷検出回路
20 リレー
21、22 電流検出部
23 照度センサ
24 外部信号入力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
力率改善回路を備える照明用発光素子駆動回路において、
前記力率改善回路が、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷で無い場合と異なる動作をする(動作を停止することを含む)ことによって、消費電力を低くすることを特徴とする照明用発光素子駆動回路。
【請求項2】
前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷であるときに前記力率改善回路をバイパスするバイパス手段を備え、
前記力率改善回路が、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は、動作を停止する請求項1に記載の照明用発光素子駆動回路。
【請求項3】
前記力率改善回路が、
スイッチングトランジスタと、
前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は前記スイッチングトランジスタをシリーズ制御し、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は前記スイッチングトランジスタをスイッチング制御する制御回路とを有する請求項1に記載の照明用発光素子駆動回路。
【請求項4】
前記力率改善回路が、
スイッチングトランジスタと、
前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は前記スイッチングトランジスタに対するスイッチング制御を間欠動作し、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷で無い場合は前記スイッチングトランジスタに対するスイッチング制御を常時動作する制御回路とを有する請求項1に記載の照明用発光素子駆動回路。
【請求項5】
前記力率改善回路が、
スイッチングトランジスタと、
前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷で無い場合に比べて、前記スイッチングトランジスタに対するスイッチング制御のスイッチング周波数を低くする制御回路とを有する請求項1に記載の照明用発光素子駆動回路。
【請求項6】
前記力率改善回路が、
スイッチングトランジスタと、
前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷である場合は、前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷で無い場合に比べて、前記スイッチングトランジスタに対するスイッチング制御における前記スイッチングトランジスタのスイッチング速度を遅くする制御回路とを有する請求項1に記載の照明用発光素子駆動回路。
【請求項7】
前記照明用発光素子駆動回路の負荷を流れる電流を検出して前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記判定手段の判定結果に応じて前記力率改善回路が動作する(動作を停止することを含む)請求項1〜6のいずれかに記載の照明用発光素子駆動回路。
【請求項8】
AC入力であって前記力率改善回路とスイッチング素子を有し前記スイッチング素子のデューティ制御により所定のDC電圧を出力する定電圧出力スイッチング電源回路と、前記定電圧出力スイッチング電源回路の出力電圧を駆動電圧として用いて照明用発光素子に定電流を供給する定電流出力スイッチング電源回路とによって構成される照明用発光素子駆動回路であって、
前記定電圧出力スイッチング電源回路の入力AC電流を検出して前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記判定手段の判定結果に応じて前記力率改善回路が動作する(動作を停止することを含む)請求項1〜6のいずれかに記載の照明用発光素子駆動回路。
【請求項9】
AC入力であって前記力率改善回路とスイッチング素子を有し前記スイッチング素子のデューティ制御により所定のDC電圧を出力する定電圧出力スイッチング電源回路と、前記定電圧出力スイッチング電源回路の出力電圧を駆動電圧として用いて照明用発光素子に定電流を供給する定電流出力スイッチング電源回路とによって構成される照明用発光素子駆動回路であって、
前記スイッチング素子を流れる電流を検出して前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記判定手段の判定結果に応じて前記力率改善回路が動作する(動作を停止することを含む)請求項1〜6のいずれかに記載の照明用発光素子駆動回路。
【請求項10】
前記照明用発光素子駆動回路の負荷の光量を検出して前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記判定手段の判定結果に応じて前記力率改善回路が動作する(動作を停止することを含む)請求項1〜6のいずれかに記載の照明用発光素子駆動回路。
【請求項11】
外部信号を入力し、前記外部信号に基づいて前記照明用発光素子駆動回路の負荷が軽負荷であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記判定手段の判定結果に応じて前記力率改善回路が動作する(動作を停止することを含む)請求項1〜6のいずれかに記載の照明用発光素子駆動回路。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の照明用発光素子駆動回路を備えることを特徴とする照明機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−4156(P2009−4156A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162453(P2007−162453)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】