照明装置、電気光学装置及び電子機器
【課題】従来の電気光学装置では、表示における色合いが変化しやすい。
【解決手段】複数のEL素子35が設けられ、EL素子35ごとに光を発する発光パネルと、複数の画素11が区分され、発光パネルからの光の量を光の進路の途中で画素11ごとに選択的に制御することによって画像を形成する画像形成パネルと、を含み、EL素子35は、画素電極及び共通電極間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有しており、1つの画素11に対応する複数のEL素子35には、発光領域の大きさが相互に異なるEL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sが含まれている、ことを特徴とする電気光学装置。
【解決手段】複数のEL素子35が設けられ、EL素子35ごとに光を発する発光パネルと、複数の画素11が区分され、発光パネルからの光の量を光の進路の途中で画素11ごとに選択的に制御することによって画像を形成する画像形成パネルと、を含み、EL素子35は、画素電極及び共通電極間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有しており、1つの画素11に対応する複数のEL素子35には、発光領域の大きさが相互に異なるEL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sが含まれている、ことを特徴とする電気光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、電気光学装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気光学装置の1つとして液晶装置が知られている。液晶装置には、反射表示を行うことができる反射型の液晶装置がある。そして、反射型の液晶装置には、フロントライトが設けられているものがある。
フロントライトを有する反射型の液晶装置では、従来、フロントライトからの光と外光との両者による照度に応じて、フロントライトからの光量が制御されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4062254号公報
【特許文献2】特開2006−154402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フロントライトを有する反射型の液晶装置では、フロントライトからの光だけでなく、他の外光も表示に寄与する。このため、外光の強度が変化すると、表示輝度が変化することがある。
これに対し、上記特許文献1に記載された液晶装置では、フロントライトからの光と外光との両者による照度に応じて、フロントライトからの光量が制御されるので、外光の強度が変化しても、一定の表示輝度を保つことができる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された液晶装置では、外光のスペクトルが変化すると、表示される画像の色合いが変化しやすい。
例えば、外光には、太陽光や、白熱灯の光、蛍光灯の光などがある。太陽光や、白熱灯の光、蛍光灯の光などは、相互にスペクトルが異なっている。このため、それぞれの外光のもとで観察される画像は、相互に色合いが異なることがある。例えば、白熱灯の光には可視光領域のうち長波長側の成分が多く含まれているので、白熱灯の光のもとで観察される画像は、赤みを帯びることがある。
つまり、従来の電気光学装置では、表示における色合いが変化しやすいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
【0007】
[適用例1]複数の発光素子を有し、前記発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有しており、前記複数の発光素子には、赤系の色の光を発する複数の赤系素子と、緑系の色の光を発する複数の緑系素子と、青系の色の光を発する複数の青系素子と、が含まれており、前記複数の赤系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれており、前記複数の緑系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれており、前記複数の青系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれている、ことを特徴とする照明装置。
【0008】
この適用例の照明装置は、複数の発光素子を有している。発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有している。
複数の発光素子には、複数の赤系素子と、複数の緑系素子と、複数の青系素子と、が含まれている。複数の赤系素子は、それぞれ、赤系の色の光を発する。複数の緑系素子は、それぞれ、緑系の色の光を発する。複数の青系素子は、それぞれ、青系の色の光を発する。
複数の赤系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の発光素子が含まれている。複数の緑系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の発光素子が含まれている。複数の青系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の発光素子が含まれている。
この照明装置では、発光領域の大きさごとに発光素子の発光を制御することによって、複数の発光素子からの光の光量を、赤系素子、緑系素子及び青系素子ごとに変化させることができる。この照明装置では、照明の色合いを調整しやすくすることができる。
【0009】
[適用例2]上記の照明装置であって、前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色ごとに、前記発光素子からの光とは異なる外光の強度を検出する光検出素子を有する、ことを特徴とする照明装置。
【0010】
この適用例では、外光の強度を、赤系の色、緑系の色及び青系の色ごとに検出することができる。これにより、例えば、検出した色ごとの外光の強度に基づいて、照明の色合いを調整することができる。
【0011】
[適用例3]上記の照明装置であって、前記赤系の色に対応する前記光検出素子は、前記赤系の色の光を透過する赤系フィルターと、前記赤系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、前記緑系の色に対応する前記光検出素子は、前記緑系の色の光を透過する緑系フィルターと、前記緑系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、前記青系の色に対応する前記光検出素子は、前記青系の色の光を透過する青系フィルターと、前記青系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有している、ことを特徴とする照明装置。
【0012】
この適用例では、赤系の色、緑系の色及び青系の色のそれぞれに対応する光検出素子を構成することができる。
【0013】
[適用例4]複数の発光素子が設けられ、前記発光素子ごとに光を発する発光部と、複数の画素が区分され、前記発光部からの光の量を前記光の進路の途中で前記画素ごとに選択的に制御することによって画像を形成する画像形成部と、を含み、前記発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有しており、前記複数の画素には、前記発光素子から赤系の色の光を受ける赤系画素と、前記発光素子から緑系の色の光を受ける緑系画素と、前記発光素子から青系の色の光を受ける青系画素と、が含まれており、前記赤系画素、前記緑系画素及び前記青系画素のそれぞれにおいて、1つの前記画素に複数の前記発光素子が対応しており、前記1つの画素に対応する前記複数の発光素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれている、ことを特徴とする電気光学装置。
【0014】
この適用例の電気光学装置は、発光部と、画像形成部と、を含む。
発光部には、複数の発光素子が設けられている。発光部は、発光素子ごとに光を発する。発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有している。
画像形成部には、複数の画素が区分されている。画像形成部は、発光部からの光の量を光の進路の途中で画素ごとに選択的に制御することによって画像を形成する。
複数の画素には、赤系画素と、緑系画素と、青系画素と、が含まれている。赤系画素は、発光素子から赤系の色の光を受ける。緑系画素は、発光素子から緑系の色の光を受ける。青系画素は、発光素子から青系の色の光を受ける。
赤系画素、緑系画素及び青系画素のそれぞれにおいて、1つの画素に複数の発光素子が対応している。そして、1つの画素に対応する複数の発光素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の発光素子が含まれている。
この電気光学装置では、発光領域の大きさごとに発光素子の発光を制御することができる。このため、赤系画素、緑系画素及び青系画素のそれぞれが受ける光の量を、赤系画素、緑系画素及び青系画素ごとに変化させることができる。これにより、画像の色合いを調整しやすくすることができる。この結果、外光のスペクトル変化による画像の色合いの変化を抑えやすくすることができる。
【0015】
[適用例5]上記の電気光学装置であって、前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色ごとに、前記発光部からの光とは異なる外光の強度を検出する光検出素子を有する、ことを特徴とする電気光学装置。
【0016】
この適用例では、外光の強度を、赤系の色、緑系の色及び青系の色ごとに検出することができる。これにより、例えば、検出した色ごとの外光の強度に基づいて、画像の色合いを調整することができる。
【0017】
[適用例6]上記の電気光学装置であって、前記赤系の色に対応する前記光検出素子は、前記赤系の色の光を透過する赤系フィルターと、前記赤系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、前記緑系の色に対応する前記光検出素子は、前記緑系の色の光を透過する緑系フィルターと、前記緑系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、前記青系の色に対応する前記光検出素子は、前記青系の色の光を透過する青系フィルターと、前記青系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有している、ことを特徴とする電気光学装置。
【0018】
この適用例では、赤系の色、緑系の色及び青系の色のそれぞれに対応する光検出素子を構成することができる。
【0019】
[適用例7]上記の電気光学装置であって、前記発光部と前記画像形成部とが、互いに対向している、ことを特徴とする電気光学装置。
【0020】
この適用例では、発光部と画像形成部とが互いに対向しているので、発光部からの光を画像形成部に照射しやすくすることができる。
【0021】
[適用例8]上記の電気光学装置であって、前記画像形成部は、照射された光を反射させる光反射性を有しており、前記発光部からの前記光の前記進路が、前記画像形成部での光反射性によって屈曲している、ことを特徴とする電気光学装置。
【0022】
この適用例では、画像形成部は、照射された光を反射させる光反射性を有している。この電気光学装置では、発光部からの光の進路が、画像形成部での光反射性によって屈曲している。これにより、発光部からの光を画像形成部で反射させた反射光を利用して画像を表示することができる。
【0023】
[適用例9]上記の電気光学装置であって、前記画像形成部は、電界を形成する一対の電極と、前記一対の電極間に介在する液晶と、を有する、ことを特徴とする電気光学装置。
【0024】
この適用例では、画像形成部は、電界を形成する一対の電極と、一対の電極間に介在する液晶と、を有する。これにより、液晶装置を利用して電気光学装置を構成することができる。
【0025】
[適用例10]上記の電気光学装置であって、前記画像形成部を制御する画像制御部と、前記発光部を制御する発光制御部と、を有し、前記画像制御部は、前記画像を更新期間ごとに更新させながら、前記画像形成部に前記画像を形成させ、前記複数の発光素子の発光を許可する期間は、各前記更新期間において、前記発光領域の大きさごとに異なる期間に設定されており、前記発光制御部は、前記発光領域の大きさごとに設定された前記期間のそれぞれにおいて、発光が許可される前記発光素子の発光状態及び停止状態を選択的に、前記発光素子ごとに制御する、ことを特徴とする電気光学装置。
【0026】
この適用例の電気光学装置は、画像形成部を制御する画像制御部と、発光部を制御する発光制御部と、を有している。
画像制御部は、画像を更新期間ごとに更新させながら、画像形成部に画像を形成させる。
この電気光学装置では、複数の発光素子の発光を許可する期間は、各更新期間において、発光領域の大きさごとに異なる期間に設定されている。
発光制御部は、発光領域の大きさごとに設定された期間のそれぞれにおいて、発光が許可される発光素子の発光状態及び停止状態を選択的に、発光素子ごとに制御する。
上記の構成により、各更新期間において、複数の発光素子を発光領域の大きさごとに、且つ発光素子ごとに、発光素子を選択的に発光させることができる。
【0027】
[適用例11]上記の電気光学装置であって、前記発光部において、前記発光層の前記進路とは反対側に、前記発光層からの光の少なくとも一部を前記発光層側に反射させる反射層が、前記発光素子ごとに設けられており、前記発光層と前記反射層との間の距離が、前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色ごとに異なっている、ことを特徴とする電気光学装置。
【0028】
この適用例では、発光部において、発光素子ごとに反射層が設けられている。反射層は、発光層の進路とは反対側に設けられている。反射層は、発光層からの光の少なくとも一部を発光層側に反射させる。この構成により、発光層から進路側に向かう光と、発光層を出てから反射層で反射して進路側に向かう光と、を互いに強め合わせやすくすることができる。
そして、この電気光学装置では、発光層と反射層との間の距離が、赤系の色、緑系の色及び青系の色ごとに異なっている。このため、発光層からの光に含まれる様々な波長の光のうちで強める光の波長を、赤系の色、緑系の色及び青系の色ごとに異ならせることができる。これにより、発光素子からの光の色を、赤系の色、緑系の色及び青系の色ごとに異ならせることができる。
【0029】
[適用例12]上記の電気光学装置であって、前記発光素子と前記画素との間において、前記赤系画素、前記緑系画素及び前記青系画素ごとに、前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色のそれぞれに対応する色の光を透過させるカラーフィルターが設けられている、ことを特徴とする電気光学装置。
【0030】
この適用例では、発光素子と画素との間において、赤系画素、緑系画素及び青系画素ごとに、赤系の色、緑系の色及び青系の色のそれぞれに対応する色の光を透過させるカラーフィルターが設けられている。これにより、発光素子からの光の色の純度を高めやすくすることができる。
【0031】
[適用例13]上記の電気光学装置であって、前記赤系画素に対応する前記発光素子は、前記赤系の色の光を発する前記発光層を有しており、前記緑系画素に対応する前記発光素子は、前記緑系の色の光を発する前記発光層を有しており、前記青系画素に対応する前記発光素子は、前記青系の色の光を発する前記発光層を有している、ことを特徴とする電気光学装置。
【0032】
この適用例では、複数の発光素子は、赤系画素、緑系画素及び青系画素ごとに、赤系の色、緑系の色及び青系の色のそれぞれに対応した色の光を発する発光層を有している。これにより、複数の発光素子のそれぞれから、赤系画素、緑系画素及び青系画素ごとに対応する種類の色の光を射出させることができる。
【0033】
[適用例14]上記の電気光学装置を有する、ことを特徴とする電子機器。
【0034】
この適用例の電子機器は、電気光学装置を有している。この電気光学装置は、発光部と、画像形成部と、を含む。
発光部には、複数の発光素子が設けられている。発光部は、発光素子ごとに光を発する。発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有している。
画像形成部には、複数の画素が区分されている。画像形成部は、発光部からの光の量を光の進路の途中で画素ごとに選択的に制御することによって画像を形成する。
複数の画素には、赤系画素と、緑系画素と、青系画素と、が含まれている。赤系画素は、発光素子から赤系の色の光を受ける。緑系画素は、発光素子から緑系の色の光を受ける。青系画素は、発光素子から青系の色の光を受ける。
赤系画素、緑系画素及び青系画素のそれぞれにおいて、1つの画素に複数の発光素子が対応している。そして、1つの画素に対応する複数の発光素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の発光素子が含まれている。
この電気光学装置では、発光領域の大きさごとに発光素子の発光を制御することができる。このため、赤系画素、緑系画素及び青系画素のそれぞれが受ける光の量を、赤系画素、緑系画素及び青系画素ごとに変化させることができる。これにより、画像の色合いを調整しやすくすることができる。この結果、外光のスペクトル変化による画像の色合いの変化を抑えやすくすることができる。
そして、この電子機器は、この電気光学装置を有している。このため、この電子機器では、電気光学装置において、外光のスペクトル変化による画像の色合いの変化を抑えやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1実施形態における表示装置の主要構成を示す斜視図。
【図2】図1中のA−A線における断面図。
【図3】本実施形態における画像形成パネルの複数の画素の一部を示す平面図。
【図4】本実施形態における液晶パネルの等価回路図。
【図5】本実施形態における発光パネルの複数のEL素子の一部を示す平面図。
【図6】本実施形態における複数の画素の一部と複数のEL素子の一部とを示す平面図。
【図7】本実施形態における発光パネルの回路構成を示す図。
【図8】図6中のC−C線における断面図。
【図9】図8中のEL素子の拡大図。
【図10】本実施形態における光検出部を模式的に示す断面図。
【図11】本実施形態における表示装置の主要構成を示すブロック図。
【図12】本実施形態における画像形成パネルでの偏光状態を説明する図。
【図13】第2実施形態における表示パネルを図6中のC−C線に相当する切断線で切断したときの断面図。
【図14】図13中のEL素子の拡大図。
【図15】第3実施形態における表示パネルを図6中のC−C線に相当する切断線で切断したときの断面図。
【図16】第4実施形態における表示パネルを図6中のC−C線に相当する切断線で切断したときの断面図。
【図17】本実施形態における表示装置を適用した電子機器の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
実施形態について、有機EL装置及び液晶装置を利用した表示装置を例に、図面を参照しながら説明する。有機EL装置及び液晶装置は、それぞれ、電気光学装置の1つである。
第1実施形態における表示装置1は、図1に示すように、表示パネル3と、制御部5と、光検出部6と、を有している。
表示パネル3は、画像形成パネル7と、発光パネル9と、を有している。
【0037】
画像形成パネル7には、複数の画素11が設定されている。複数の画素11は、表示領域12内で、図中のX方向及びY方向に配列しており、X方向を行方向とし、Y方向を列方向とするマトリクスMを構成している。
ここで、本実施形態では、X方向は、後述する走査線が延在する方向である。また、Y方向は、平面視でX方向と交差する方向である。本実施形態では、Y方向は、後述する信号線が延在する方向でもあり、平面視でX方向に対して直交している。
【0038】
表示装置1では、画像形成パネル7が、発光パネル9から照射された光を、画素11ごとに選択的に発光パネル9側に反射させることによって、表示面13に画像を表示することができる。なお、表示領域12とは、画像が形成され得る領域である。図1では、構成をわかりやすく示すため、画素11が誇張され、且つ画素11の個数が減じられている。
画像形成パネル7は、図1中のA−A線における断面図である図2に示すように、液晶パネル15と、位相差板17と、偏光板19と、を有している。
液晶パネル15は、駆動素子基板21と、対向基板23と、液晶25と、シール材27と、を有している。なお、本実施形態では、液晶パネル15として、反射型の液晶パネルが採用されている。液晶パネル15では、表示面13側から対向基板23を介して液晶25に入射した光を対向基板23側に反射させることによって、反射表示を行うことができる。
【0039】
駆動素子基板21には、表示面13側すなわち液晶25側に、複数の画素11のそれぞれに対応して、後述するスイッチング素子などが設けられている。
対向基板23は、駆動素子基板21よりも表示面13側で駆動素子基板21に対向し、且つ駆動素子基板21との間に隙間を有した状態で設けられている。対向基板23には、表示パネル3における表示面13の裏面に相当する面である底面29側すなわち液晶25側に、後述する共通電極などが設けられている。
【0040】
液晶25は、駆動素子基板21及び対向基板23の間に介在しており、液晶パネル15の周縁よりも内側で表示領域12を囲むシール材27によって、駆動素子基板21及び対向基板23の間に封止されている。なお、本実施形態では、液晶25として、TN(Twisted Nematic)型が採用されている。
位相差板17は、対向基板23よりも表示面13側、すなわち液晶25側とは反対側に設けられている。本実施形態では、位相差板17は、入射した光に対して1/2波長の位相差を付与する。
偏光板19は、位相差板17よりも表示面13側に設けられている。偏光板19は、透過軸を有している。偏光板19は、透過軸の方向に偏光軸を有する光を透過させることができる。
【0041】
発光パネル9は、偏光板19よりも表示面13側に設けられており、素子基板31と、封止基板33と、複数のEL(Electro Luminescence)素子35と、接着剤37と、シール材39と、を有している。発光パネル9は、複数のEL素子35から封止基板33を介して底面29側に光を発する。
【0042】
素子基板31には、底面29側に複数のEL素子35が設けられている。
封止基板33は、素子基板31よりも底面29側で素子基板31に対向した状態で設けられている。素子基板31と封止基板33とは、接着剤37を介して接合されている。表示装置1では、EL素子35は、接着剤37によって底面29側から覆われている。
また、素子基板31と封止基板33との間は、発光パネル9の周縁よりも内側で表示領域12を囲むシール材39によって封止されている。つまり、表示装置1では、EL素子35と接着剤37とが、素子基板31及び封止基板33並びにシール材39によって封止されている。
【0043】
ところで、画像形成パネル7では、図3に示すように、Y方向に沿って並ぶ複数の画素11が、1つの画素列51を構成している。また、X方向に沿って並ぶ複数の画素11が、1つの画素行53を構成している。この観点から、X方向は、画素行53が延在する方向であるともみなされ得る。また、Y方向は、画素列51が延在する方向であるともみなされ得る。
また、液晶パネル15は、図4に示すように、複数の走査線Teと、複数の信号線Seと、走査線駆動回路55と、信号線駆動回路57と、を有している。
なお、以下において複数の走査線Te及び複数の信号線Seのそれぞれが識別される場合に、走査線Te(n)という表記と、信号線Se(m)という表記とが用いられる。n及びmは、それぞれ、1以上の整数をとり得る変数である。
複数の走査線Teは、走査線駆動回路55につながっている。複数の信号線Seは、信号線駆動回路57につながっている。
【0044】
複数の走査線Te及び複数の信号線Seは、格子状に配線されている。複数の走査線Teは、Y方向に互いに間隔をあけた状態で、X方向に沿って延びている。複数の信号線Seは、X方向に互いに間隔をあけた状態で、Y方向に沿って延びている。各画素11は、各走査線Teと各信号線Seとの交差に対応して設定されている。
各信号線Seは、Y方向に沿って並ぶ複数の画素11すなわち各画素列51に対応している。各走査線Teは、X方向に沿って並ぶ複数の画素11すなわち各画素行53に対応している。
また、液晶パネル15は、画素11ごとに、スイッチング素子の1つであるTFT(Thin Film Transistor)素子61と、画素電極63と、共通電極65と、を有している。なお、共通電極65は、マトリクスMを構成する複数の画素11間にまたがって一連した状態で設けられている。つまり、共通電極65は、マトリクスMを構成する複数の画素11に平面視で重なる領域に設けられており、複数の画素11間にまたがって共通して機能する。
【0045】
TFT素子61のゲート電極は、対応する走査線Teに電気的につながっている。TFT素子61のソース電極は、対応する信号線Seに電気的につながっている。各画素11において、TFT素子61のドレイン電極は、画素電極63に電気的につながっている。
各画素11において、画素電極63と共通電極65とは、画素電極63と共通電極65との間に電界を形成する一対の電極を構成している。液晶25(図2)は、画素電極63と共通電極65との間に介在している。本実施形態では、画素電極63と共通電極65とは、互いに対向している。
TFT素子61は、このTFT素子61につながる走査線Teに選択信号が供給されるとオン状態となる。このとき、このTFT素子61につながる信号線Seからデータ信号が供給され、画素電極63がデータ信号の大きさに応じた電位に保たれる。このとき、共通電極65を画素電極63の電位とは異なる電位に保つと、画素電極63と共通電極65との間に電位差が発生する。これにより、画素11ごとに、画素電極63と共通電極65との間に電界を発生させることができる。
【0046】
発光パネル9では、複数のEL素子35は、図5に示すように、X方向及びY方向に配列している。
ここで、発光パネル9から射出する光の色は、複数の種類の色を包含している。複数の種類の色は、EL素子35単位でわけられている。つまり、複数のEL素子35は、色の種類ごとに分類されている。本実施形態では、複数の種類の色には、赤系(R)、緑系(G)、及び青系(B)が含まれている。本実施形態では、発光パネル9から画像形成パネル7に向かって射出する光の色は、図5に示すように、EL素子35ごとにR、G及びBのいずれかに設定されている。つまり、本実施形態では、複数のEL素子35のそれぞれに、R、G及びBのいずれかの種類が対応付けられている。
なお、以下において、EL素子35に対して、対応付けられた色の種類を識別する場合に、EL素子35R、EL素子35G、及びEL素子35Bという表記が用いられる。
【0047】
ここで、Rの色は、純粋な赤の色相に限定されず、橙等を含む。Gの色は、純粋な緑の色相に限定されず、青緑や黄緑等を含む。Bの色は、純粋な青の色相に限定されず、青紫や青緑等を含む。他の観点から、Rの色を呈する光は、光の波長のピークが、可視光領域で570nm以上の範囲にある光であると定義され得る。また、Gの色を呈する光は、光の波長のピークが500nm〜565nmの範囲にある光であると定義され得る。Bの色を呈する光は、光の波長のピークが415nm〜495nmの範囲にある光であると定義され得る。
【0048】
発光パネル9では、Y方向に沿って並ぶ複数のEL素子35が、1つの素子列71を構成している。また、X方向に沿って並ぶ複数のEL素子35が、1つの素子行73を構成している。
1つの素子列71を構成する複数のEL素子35は、それぞれ、対応付けられている色の種類がR、G及びBのうちの1つに設定されている。つまり、発光パネル9は、複数のEL素子35RがY方向に配列した素子列71Rと、複数のEL素子35GがY方向に配列した素子列71Gと、複数のEL素子35BがY方向に配列した素子列71Bとを有している。本実施形態では、素子列71R、素子列71G及び素子列71Bが、X方向に沿って反復して並んでいる。
なお、以下においては、素子列71という表記と、素子列71R、素子列71G及び素子列71Bという表記とが、適宜、使いわけられる。
【0049】
複数のEL素子35には、発光領域の大きさが相互に異なる3種類のEL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sが含まれている。3種類のEL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sのうち、EL素子35Lの発光領域の大きさが最も大きい。次いで、EL素子35Mの発光領域の大きさが大きい。そして、EL素子35Sの発光領域の大きさが最も小さい。
3種類のEL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sは、Y方向に循環的に反復して並んでいる。
本実施形態では、Y方向に連続して並ぶ3つのEL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sが、1組の複合素子75を構成する。
【0050】
複数のEL素子35は、素子行73ごとに種類がEL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sのいずれかに設定されている。つまり、発光パネル9は、複数のEL素子35LがX方向に配列した素子行73Lと、複数のEL素子35MがX方向に配列した素子行73Mと、複数のEL素子35SがX方向に配列した素子行73Sとを有している。
以下においては、素子行73という表記と、素子行73L、素子行73M及び素子行73Sという表記とが、適宜、使いわけられる。
【0051】
表示パネル3では、画像形成パネル7の複数の画素11と、発光パネル9の複数のEL素子35とが、図6に示すように、平面視で重なっている。そして、表示パネル3では、1組の複合素子75が1つの画素11に対応付けられている。
1つの画素11の領域は、1組の複合素子75を包含する大きさに設定されている。本実施形態では、画素11の領域は、1組の複合素子75の領域よりも広い大きさに設定されている。
【0052】
発光パネル9は、回路構成を示す図である図7に示すように、EL素子35ごとに、画素電極81と、機能層83と、共通電極85と、を有している。
画素電極81と共通電極85とは、画素電極81を陽極とし、共通電極85を陰極とする一対の電極を構成している。
各画素電極81と共通電極85との間に介在する機能層83は、後述する発光層を含んでいる。機能層83では、画素電極81と共通電極85との間に発生する電流によって、発光層が発光する。
また、発光パネル9は、接続選択回路86と、接続選択回路87と、複数の共通線88と、複数の電源線89と、を有している。
【0053】
複数の共通線88は、それぞれ接続選択回路86につながっており、Y方向に互いに間隔をあけた状態でX方向に延びている。共通線88は、素子行73に対応して設けられている。以下においては、素子行73Lに対応する共通線88が共通線88Lと表記されることがある。同様に、素子行73Mに対応する共通線88が共通線88Mと表記され、素子行73Sに対応する共通線88が共通線88Sと表記されることがある。以下においては、共通線88という表記と、共通線88L、共通線88M及び共通線88Sという表記とが、適宜、使いわけられる。
共通電極85は、素子行73ごとに、対応する共通線88につながっている。素子行73Lでは、共通電極85は、共通線88Lにつながっている。同様に、素子行73Mでは、共通電極85が共通線88Mにつながっており、素子行73Sでは、共通電極85が共通線88Sにつながっている。
【0054】
複数の電源線89は、それぞれ接続選択回路87につながっており、X方向に互いに間隔をあけた状態でY方向に延びている。電源線89は、素子列71に対応して設けられている。なお、以下においては、素子列71Rに対応する電源線89が電源線89Rと表記されることがある。同様に、素子列71Gに対応する電源線89が電源線89Gと表記され、素子列71Bに対応する電源線89が電源線89Bと表記されることがある。以下においては、電源線89という表記と、電源線89R、電源線89G及び電源線89Bという表記とが、適宜、使いわけられる。
画素電極81は、素子列71ごとに、対応する電源線89につながっている。素子列71Rでは、画素電極81は、電源線89Rにつながっている。同様に、素子列71Gでは、画素電極81が電源線89Gにつながっており、素子列71Bでは、画素電極81が電源線89Bにつながっている。
【0055】
接続選択回路86には、制御部5(図1)から後述する選択信号が入力される。接続選択回路86は、選択信号に基づいて、共通線88を、共通線88L、共通線88M及び共通線88Sごとに順次にグランドに接続する。共通線88Lがグランドに接続されているとき、共通線88M及び共通線88Sは、それぞれ、電気的に浮いた状態に保たれる。同様に、共通線88Mがグランドに接続されているとき、共通線88L及び共通線88Sが電気的に浮いた状態に保たれ、共通線88Sがグランドに接続されているとき、共通線88L及び共通線88Mが電気的に浮いた状態に保たれる。
【0056】
接続選択回路87には、制御部5(図1)から後述する接続信号が入力される。接続選択回路87は、接続信号に基づいて、複数の電源線89に選択的に電力を供給する。接続信号は、電源線89ごとに、電力の供給又は遮断を指示する情報を含んでいる。これにより、複数の電源線89のなかから、電力を供給すべき電源線89が選択される。つまり、本実施形態では、電源線89ごとに、電力の供給又は遮断が選択される。
グランドに接続された共通線88と、電力の供給が選択された電源線89との間にあるEL素子35には、画素電極81から機能層83を経て共通電極85に電流が流れる。そして、機能層83に含まれる発光層が、機能層83を流れる電流によって発光する。本実施形態では、複数のEL素子35を素子行73L、素子行73M及び素子行73Sごとに発光させることができる。
発光パネル9(図2)は、EL素子35における発光層からの光が封止基板33を介して画像形成パネル7側へ射出されるトップエミッション型の有機EL装置の1つである。
【0057】
ここで、表示パネル3の構成について、詳細を説明する。
液晶パネル15の駆動素子基板21は、図6中のC−C線における断面図である図8に示すように、第1基板91を有している。第1基板91は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面13側に向けられた第1面92aと、底面29側に向けられた第2面92bと、を有している。
第1基板91の第1面92aには、駆動素子層93が設けられている。駆動素子層93には、図4に示すTFT素子61と、走査線Teと、信号線Seと、が含まれている。
【0058】
駆動素子層93の表示面13側には、画素11ごとに画素電極63が設けられている。画素電極63としては、例えば、金や、銀、アルミニウムなどの高い導電性及び高い光反射性を有する材料が採用され得る。本実施形態では、画素電極63の材料として、アルミニウムが採用されている。本実施形態では、画素電極63は、反射膜としての機能も有している。
画素電極63及び駆動素子層93の表示面13側には、画素電極63を表示面13側から覆う配向膜95が設けられている。配向膜95としては、例えば、ポリイミドなどの光透過性を有する材料が採用され得る。なお、配向膜95には、表示面13側にラビング処理などの配向処理が施されている。
【0059】
対向基板23は、第2基板97と、対向層99と、を有している。第2基板97は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面13側に向けられた外向面98aと、底面29側に向けられた対向面98bとを有している。
対向層99は、第2基板97の対向面98bに設けられている。対向層99には、絶縁膜101と、共通電極65と、配向膜103と、が含まれている。
絶縁膜101の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料や、光透過性を有する樹脂などの有機材料が採用され得る。
【0060】
共通電極65は、絶縁膜101の底面29側に設けられている。共通電極65の材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide)やインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide)などの光透過性を有する材料が採用され得る。本実施形態では、共通電極65の材料として、ITOが採用されている。
前述したように、共通電極65は、複数の画素11間にまたがって一連した状態で設けられており、複数の画素11間にまたがって共通して機能する。
なお、本実施形態において、画素11の領域は、平面視で、1つの画素電極63と共通電極65とが重なり合う領域であると定義され得る。
【0061】
配向膜103は、共通電極65の底面29側に設けられている。共通電極65は、配向膜103によって底面29側から覆われている。配向膜103の材料としては、例えば、ポリイミドなどの光透過性を有する材料が採用され得る。配向膜103には、底面29側にラビング処理などの配向処理が施されている。
なお、対向基板23の構成としては、各画素11の領域を区画する光吸収層を設けた構成も採用され得る。この場合、光吸収層は、対向面98bに設けられる。この構成により、表示におけるコントラストの向上を図りやすくすることができる。光吸収層の材料としては、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有する樹脂などが採用され得る。
【0062】
駆動素子基板21及び対向基板23の間に介在する液晶25は、配向膜95と配向膜103との間に介在している。
本実施形態では、図2に示すシール材27は、図8に示す第1基板91の第1面92aと、第2基板97の対向面98bとによって挟持されている。つまり、液晶パネル15では、液晶25は、第1基板91及び第2基板97によって保持されている。なお、シール材27は、配向膜95及び配向膜103の間に設けられていてもよい。この場合、液晶25は、駆動素子基板21及び対向基板23に保持されているとみなされ得る。
本実施形態では、液晶25は、図8に示すように、L1なる厚みに設定されている。液晶25は、入射した光を変調することができる。本実施形態では、液晶25は、入射した光に位相差を付与することができる。これは、液晶25のリタデーション(複屈折率と厚みL1との積)の設定により実現され得る。本実施形態では、入射した光に1/4波長の位相差を付与するリタデーションが設定されている。
【0063】
発光パネル9の素子基板31は、第3基板111と、素子層113と、を有している。
第3基板111は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面13側に向けられた第1面112aと、底面29側に向けられた第2面112bとを有している。
素子層113は、第3基板111の第2面112bに設けられている。素子層113には、絶縁膜115と、反射膜117と、絶縁膜119と、画素電極81と、隔壁121と、機能層83と、共通電極85と、が含まれている。
【0064】
絶縁膜115は、第3基板111の第2面112bに設けられている。絶縁膜115としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、アクリル系の樹脂などの光透過性を有する材料が採用され得る。
絶縁膜115の底面29側には、EL素子35ごとに、反射膜117が設けられている。反射膜117としては、例えば、金や、銀、アルミニウムなどの高い光反射性を有する材料が採用され得る。本実施形態では、反射膜117の材料として、アルミニウムが採用されている。
絶縁膜115及び反射膜117の底面29側には、反射膜117を底面29側から覆う絶縁膜119が設けられている。絶縁膜119としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、アクリル系の樹脂などの光透過性を有する材料が採用され得る。
絶縁膜119の底面29側には、EL素子35ごとに、画素電極81が設けられている。画素電極81の材料としては、ITOやインジウム亜鉛酸化物などが採用され得る。本実施形態では、画素電極81の材料としてITOが採用されている。
【0065】
絶縁膜119の底面29側において、隣り合う画素電極81同士の間には、各EL素子35の領域123を区画する隔壁121が設けられている。隔壁121は、例えば、アクリル系の樹脂やポリイミド樹脂などの光透過性を有する材料で構成されている。本実施形態では、隔壁121の材料としてアクリル系の樹脂が採用されている。
隔壁121は、平面視で、表示領域12(図1)にわたって網目状に設けられている。隔壁121は、図8に示すように、EL素子35ごとに、EL素子35の領域123を囲んでいる。このため、EL素子35は、隔壁121によって区画されている。
【0066】
画素電極81の底面29側には、機能層83が設けられている。
機能層83の底面29側には、共通電極85が設けられている。共通電極85は、複数のEL素子35間にまたがって一連した状態で設けられている。共通電極85の材料としては、例えば、マグネシウムと銀とを含む合金や、カルシウムなどが採用され得る。本実施形態では、共通電極85の材料として、マグネシウムと銀とを含む合金(以下、MgAgと呼ぶ)が採用されている。
【0067】
本実施形態では、各EL素子35において発光に有効な領域(以下、発光領域と呼ぶ)は、領域123内で平面視で画素電極81と機能層83と共通電極85とが重なる領域であると定義され得る。また、本実施形態において、発光機能を発揮させる要素の一群が1つのEL素子35であると定義され得る。このため、本実施形態では、1つのEL素子35は、領域123に重なる画素電極81と、機能層83と、領域123に重なる共通電極85と、を含んでいる。本実施形態では、各EL素子35において発光領域は、領域123と同等である。そして、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sの3種類において、領域123の大きさは、相互に異なっている。
なお、上述した反射膜117は、平面視で領域123に重なる領域内に設けられる。本実施形態では、反射膜117が設けられている領域は、領域123と同等である。これにより、反射膜117が設けられている領域と発光領域とを同等にすることができるため、画素11の開口率の低下を抑えやすくすることができる。
【0068】
封止基板33は、第4基板131と、対向層133と、を有している。第4基板131は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面13側に向けられた対向面132aと、底面29側に向けられた外向面132bとを有している。
対向層133は、第4基板131の対向面132aに設けられている。対向層133は、カラーフィルター135と、オーバーコート層137と、を含んでいる。
カラーフィルター135は、EL素子35ごとに設けられている。カラーフィルター135は、平面視で領域123に重なる領域内に設けられている。
カラーフィルター135は、所定の波長域の光を透過させることができる。カラーフィルター135は、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに異なる色に着色された樹脂などで構成されている。EL素子35Rに対応するカラーフィルター135は、Rの光を透過させることができる。EL素子35Gに対応するカラーフィルター135はGの光を透過させ、EL素子35Bに対応するカラーフィルター135はBの光を透過させることができる。なお、以下において、各カラーフィルター135に対してR、G及びBが識別される場合に、カラーフィルター135R,135G及び135Bという表記が用いられる。
【0069】
カラーフィルター135の表示面13側には、オーバーコート層137が設けられている。オーバーコート層137は、光透過性を有する樹脂などで構成されており、カラーフィルター135を表示面13側から覆っている。なお、封止基板33の構成としては、隣り合うカラーフィルター135同士間に光吸収層を設けた構成も採用され得る。この場合、光吸収層は、対向面132aに設けられる。この構成により、表示におけるコントラストの向上を図りやすくすることができる。光吸収層の材料としては、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有する樹脂などが採用され得る。
【0070】
上記の構成を有する素子基板31及び封止基板33は、素子基板31の共通電極85と封止基板33のオーバーコート層137との間が、接着剤37を介して接合されている。
本実施形態では、図2に示すシール材39は、図8に示す第3基板111の第2面112bと、第4基板131の対向面132aとによって挟持されている。つまり、本実施形態では、EL素子35及び接着剤37が、第3基板111及び第4基板131並びにシール材39によって封止されている。なお、シール材39は、オーバーコート層137及び共通電極85の間に設けられていてもよい。この場合、EL素子35及び接着剤37は、素子基板31及び封止基板33並びにシール材39によって封止されているとみなされ得る。
【0071】
ところで、本実施形態では、機能層83は、図8中のEL素子35の拡大図である図9に示すように、有機層141と、電子注入層143と、を含んでいる。
有機層141は、画素電極81の底面29側に設けられている。電子注入層143は、有機層141の底面29側に設けられている。
有機層141は、正孔注入層151と、正孔輸送層153と、発光層155と、中間層157と、発光層159と、発光層161と、電子輸送層163と、を含んでいる。
正孔注入層151は、有機材料を含む材料で構成されており、平面視で隔壁121によって囲まれた領域内で、画素電極81の底面29側に設けられている。
【0072】
正孔注入層151の有機材料としては、例えば、HI406(出光興産株式会社製)が採用され得る。そして、正孔注入層151は、蒸着技術を活用することによって設けられ得る。
なお、蒸着技術を活用した材料の配置は、蒸着法と呼ばれる。本実施形態では、蒸着法で正孔注入層151を、平面視で表示領域12(図1)に重なる領域にわたって形成する方法が採用されている。これにより、正孔注入層151は、複数のEL素子35間にまたがって形成される。このため、隔壁121の底面29側にも、正孔注入層151が形成されている。
【0073】
正孔輸送層153は、有機材料を含む材料で構成されており、正孔注入層151の底面29側に設けられている。正孔輸送層153の材料としては、例えば、HT320(出光興産株式会社製)が採用され得る。そして、本実施形態では、正孔輸送層153は、蒸着法によって形成されている。
発光層155は、有機材料を含む材料で構成されており、正孔輸送層153の底面29側に設けられている。
発光層155の材料としては、導電性を担保するホスト材料に、電子と正孔との結合により発光する機能を有するドーパントを混入したものが採用され得る。そして、本実施形態では、発光層155は、蒸着法によって形成されている。
発光層155は、Rの光を発する層である。Rの光を発する発光層155の材料としては、例えば、ホスト材料としてのBH215(出光興産株式会社製)に、ドーパントとしてのRD001(出光興産株式会社製)を混入した構成が採用され得る。
【0074】
中間層157は、有機材料を含む材料で構成されており、発光層155の底面29側に設けられている。中間層157を構成する材料としては、例えば、αNPDなどが採用され得る。
発光層159は、有機材料を含む材料で構成されており、中間層157の底面29側に設けられている。
発光層159の材料としては、導電性を担保するホスト材料に、電子と正孔との結合により発光する機能を有するドーパントを混入したものが採用され得る。そして、本実施形態では、発光層159は、蒸着法によって形成されている。
発光層159は、Bの光を発する層である。Bの光を発する発光層159の材料としては、例えば、ホスト材料としてのBH215(出光興産株式会社製)に、ドーパントとしてのBD102(出光興産株式会社製)を混入した構成が採用され得る。
【0075】
発光層161は、有機材料を含む材料で構成されており、発光層159の底面29側に設けられている。
発光層161の材料としては、導電性を担保するホスト材料に、電子と正孔との結合により発光する機能を有するドーパントを混入したものが採用され得る。そして、本実施形態では、発光層161は、蒸着法によって形成されている。
発光層161は、Gの光を発する層である。Gの光を発する発光層161の材料としては、例えば、ホスト材料としてのBH215(出光興産株式会社製)に、ドーパントとしてのGD206(出光興産株式会社製)を混入した構成が採用され得る。
本実施形態では、複数のEL素子35は、それぞれ、発光層155、発光層159及び発光層161を有している。このため、各EL素子35から底面29側に向かって射出する光、すなわち各EL素子35からカラーフィルター135に向かう光には、Rの光、Bの光及びGの光が含まれている。本実施形態では、各EL素子35からカラーフィルター135に向かう光は、略白色を呈している。
【0076】
電子輸送層163は、有機材料を含む材料で構成されており、発光層161の底面29側に設けられている。
電子輸送層163の材料としては、Alq3(トリス8−キノリノラトアルミニウム錯体)などが採用され得る。そして、本実施形態では、電子輸送層163は、蒸着法によって形成されている。
なお、中間層157は、電子及び正孔の移動度を調整する機能を有している。中間層157によって、発光層155、発光層159及び発光層161のそれぞれにおける発光機能が保たれる。
電子注入層143は、電子輸送層163の底面29側に設けられている。電子注入層143の材料としては、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、酸化マグネシウムなどが採用され得る。本実施形態では、電子注入層143の材料として、フッ化リチウムが採用されている。
【0077】
光検出部6は、模式的な断面図である図10に示すように、3つの検出素子171を有している。各検出素子171は、フォトセンサー173と、カラーフィルター175と、を有している。フォトセンサー173としては、例えば、フォトダイオードなどが採用され得る。
フォトセンサー173は、照射された光の光量に応じた大きさの信号を検出信号として出力する。
各カラーフィルター175は、各フォトセンサー173の受光面側に設けられており、平面視で、各フォトセンサー173の受光面に重なっている。
【0078】
カラーフィルター175には、Rの光を透過させ得るカラーフィルター175Rと、Gの光を透過させ得るカラーフィルター175Gと、Bの光を透過させ得るカラーフィルター175Bと、が含まれている。以下において、カラーフィルター175Rを有する検出素子171は、検出素子171Rと表記されることがある。同様に、カラーフィルター175Gを有する検出素子171が検出素子171Gと表記されることがあり、カラーフィルター175Bを有する検出素子171が検出素子171Bと表記されることがある。以下においては、検出素子171という表記と、検出素子171R、検出素子171G及び検出素子171Bという表記とが、適宜、使いわけられる。
【0079】
また、検出素子171Rのフォトセンサー173がフォトセンサー173Rと表記されることがある。同様に検出素子171Gのフォトセンサー173がフォトセンサー173Gと表記されることがあり、検出素子171Bのフォトセンサー173がフォトセンサー173Bと表記されることがある。
検出素子171Rでは、外光のうちカラーフィルター175Rを透過したRの光がフォトセンサー173Rに照射される。フォトセンサー173Rは、受光したRの光の光量に応じた大きさの検出信号SRを出力する。
検出素子171Gでは、外光のうちカラーフィルター175Gを透過したGの光がフォトセンサー173Gに照射される。フォトセンサー173Gは、受光したGの光の光量に応じた大きさの検出信号SGを出力する。
検出素子171Bでは、外光のうちカラーフィルター175Bを透過したBの光がフォトセンサー173Bに照射される。フォトセンサー173Bは、受光したBの光の光量に応じた大きさの検出信号SBを出力する。
なお、外光は、発光パネル9から射出される光とは異なる光である。上述したように、本実施形態では、光検出部6によって、外光の強度をR、G及びBごとに検出することができる。
【0080】
制御部5は、表示装置1のブロック図である図11に示すように、演算処理部181と、発光制御部183と、画像制御部185と、を有している。
演算処理部181には、光検出部6から、検出信号SR、検出信号SG、及び検出信号SBが入力される。演算処理部181は、検出信号SR、検出信号SG、及び検出信号SBに基づいて、発光制御部183に制御信号LSを出力する。制御信号LSには、R、G及びBごとに、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sのいずれを点灯させるかを指示する情報が含まれている。
発光制御部183は、制御信号LSに基づいて、発光パネル9に、選択信号STと、接続信号SWと、を出力する。選択信号STは、前述したように、接続選択回路86に入力される。接続信号SWは、前述したように、接続選択回路87に入力される。電源線89には、接続選択回路87を介して電力PWが供給される。
【0081】
ここで、制御信号LSには、例えば、検出信号SR、検出信号SG及び検出信号SBの大きさが相互に略同等であるとき、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sのうちのいずれか1種類の点灯を指示する情報が含まれる。さらに、このときの外光の強さに応じて、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sのうちのいずれか1種類が選択される。
ここで、本実施形態では、外光の強度において、標準値が定められている。検出信号SR、検出信号SG及び検出信号SBを標準値と比較することによって、外光の強弱を把握することができる。
例えば、暗い室内の場合には、標準値に比較して外光の強度が弱いので、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35SのうちでEL素子35Lの点灯が指示される。
他方で、晴天の屋外では、標準値に比較して外光の強度が強いので、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35SのうちでEL素子35Sの点灯が指示される。
【0082】
また、例えば、検出信号SRの大きさが、検出信号SGや検出信号SBに比較して小さいとき、EL素子35Rにおいては、EL素子35Lの点灯が指示され、EL素子35GやEL素子35Bでは、EL素子35MやEL素子35Sの点灯が指示される。これにより、表示における画像光において、外光において相対的に弱いRの光を、発光パネル9において補うことができる。この結果、外光のスペクトルが変化しても、表示における画像の色合いを維持しやすくすることができる。
【0083】
画像制御部185は、液晶パネル15に、走査信号PLSと、画像データDATAと、共通信号Vcと、を出力する。走査信号PLSは、走査線駆動回路55に入力される。画像データDATAは、信号線駆動回路57に入力される。共通信号Vcは、共通電極65に入力される。
走査信号PLSは、1フレーム期間の開始を規定する信号である。画像データDATAは、各画素11における階調を指示するデータであり、画素行53(図3)単位で信号線駆動回路57に出力される。
【0084】
走査線駆動回路55は、入力された走査信号PLSに基づいて、走査線Te(n)に順次に選択信号ge(n)を出力する。
信号線駆動回路57は、入力された画像データDATAに基づいて、各画素11に対応するデータ信号de(m)を、複数の信号線Se(m)に画素行53単位でまとめて出力する。
共通電極65は、共通信号Vcに応じた電位に保たれる。
【0085】
上記の構成を有する表示装置1では、発光パネル9から画像形成パネル7に光を照射した状態で、液晶25(図8)の配向状態を画素11ごとに変化させることにより、表示が制御される。液晶25の配向状態は、画素電極63及び共通電極65間に印加する電圧(以下、駆動電圧と呼ぶ)を制御することによって変化し得る。
液晶パネル15では、画素電極63と共通電極65との間に電圧を印加すると、画素電極63と共通電極65との間に電界が発生する。この電界によって液晶25の配向状態を画素11ごとに変化させることができる。
本実施形態では、液晶25に電界が作用すると、液晶25がオン状態になる。他方で、液晶25に作用する電界が解除されると、液晶25がオフ状態になる。
配向膜95及び配向膜103のそれぞれには、配向処理が施されている。配向処理が施された配向膜95及び配向膜103によって、液晶25の初期的な配向状態が規制される。
表示装置1では、駆動電圧が0Vのときに、液晶25がオフ状態にある。他方で、駆動電圧が0Vを超えると、液晶25がオフ状態からオン状態に変化する。
【0086】
図12(a)は、液晶25がオフ状態のときの画像形成パネル7における偏光状態を示す図であり、図12(b)は、液晶25がオン状態のときの画像形成パネル7における偏光状態を示す図である。
画像形成パネル7では、平面視で偏光板19の透過軸19aが延在する方向をX'方向としたときに、位相差板17の遅相軸17aは、図12(a)及び図12(b)に示すように、X'方向に対して反時計方向に略22.5度の傾きを有する方向に延在している。
なお、図12(a)及び図12(b)において、Y'方向は、平面視でX'方向に直交する方向を示している。X'方向及びY'方向は、XY平面内で互いに直交する任意の2方向である。
【0087】
表示面13側から偏光板19を介して画像形成パネル7に入射した光は、図12(a)及び図12(b)に示すように、偏光板19の透過軸19aの方向に沿った偏光軸を有する直線偏光191として、位相差板17に入射する。
位相差板17に入射した直線偏光191は、1/2波長の位相差が与えられ、直線偏光192として液晶25に入射する。直線偏光192の偏光軸は、平面視でX'方向に対して反時計方向に略45度の傾きを有する方向に沿っている。
液晶25に入射した直線偏光192は、液晶25がオフ状態にあるときに、図12(a)に示すように、1/4波長の位相差が与えられ、この図で見て左回りの円偏光193として画素電極63に向かう。
円偏光193は、画素電極63で反射し、この図で見て右回りすなわち円偏光193とは逆回転の円偏光194として液晶25に入射する。
なお、本実施形態では、画像形成パネル7に入射した光の進路は、偏光板19から位相差板17及び液晶25を経て底面29側に向かい、画素電極63で表示面13側に屈曲している。これは、表示面13側から底面29側に向かう光が、画素電極63の光反射性によって表示面13側に反射するためである。
【0088】
液晶25に入射した円偏光194は、1/4波長の位相差が与えられ、平面視でX'方向に対して時計方向に略45度の傾きを有する方向に沿った偏光軸を有する直線偏光195として位相差板17に入射する。
位相差板17に入射した直線偏光195は、1/2波長の位相差が与えられ、直線偏光196として偏光板19に入射する。直線偏光196の偏光軸は、平面視でX'方向に対して時計方向に略90度の傾きを有する方向(略Y'方向)に沿っている。このため、直線偏光196は、ほとんどが偏光板19によって吸収される。
このように、表示装置1では、液晶25がオフ状態にあるときには、発光パネル9からの光が画像形成パネル7によって、進路の途中で遮断される。発光パネル9からの光が画像形成パネル7によって遮断される状態は、黒表示と呼ばれる。本実施形態では、液晶25がオフ状態にあるときに黒表示が行われる所謂ノーマリーブラックの表示モードが採用されている。
【0089】
他方で、液晶25がオン状態にあるときに、液晶25に入射した直線偏光192は、図12(b)に示すように、偏光状態が維持されたまま直線偏光192として画素電極63に向かう。
画素電極63に向かう直線偏光192は、偏光状態が維持されたまま画素電極63で反射し、液晶25に入射する。
画素電極63から液晶25に入射した直線偏光192は、偏光状態が維持されたまま位相差板17に入射する。位相差板17に入射した直線偏光192は、1/2波長の位相差が与えられ、平面視でX'方向に略沿った偏光軸を有する直線偏光197として偏光板19に入射する。偏光板19に入射した直線偏光197は、偏光軸が偏光板19の透過軸19aの方向に沿っているため、偏光板19を透過し得る。
このように、表示装置1では、液晶25がオン状態にあるときには、発光パネル9からの光が画像形成パネル7を介して表示面13側に射出し得る。発光パネル9からの光が画像形成パネル7を介して表示面13側に射出する状態は、白表示と呼ばれる。
【0090】
表示装置1では、白表示において、液晶25の分子の傾きを制御することによって、偏光板19を表示面13側に透過する光の量を絞る(変化させる)ことができる。すなわち、表示装置1では、白表示において、液晶25の分子の傾きを制御することによって、偏光板19を表示面13側に透過する光の量を制御することができる。これにより、画像形成パネル7を介して表示面13側に射出する光の量を画素11ごとに制御することができる。つまり、画像形成パネル7では、表示面13側に射出する光の輝度を画素11ごとに変化させることができる。この結果、表示装置1では、表示における階調表現が実現され得る。
表示装置1では、画像形成パネル7を介して表示面13側に射出する光の輝度は、駆動電圧の大きさに応じて高くなる。つまり、表示装置1では、駆動電圧の大きさを制御することによって、表示における階調表現が実現され得る。
なお、本実施形態では、ノーマリーブラックの表示モードが採用されているが、表示モードは、これに限定されず、ノーマリーホワイト(初期的に“白表示”の状態)も採用され得る。
【0091】
本実施形態において、EL素子35、EL素子35L、EL素子35M、及びEL素子35Sが、それぞれ発光素子に対応している。また、EL素子35Rが赤系素子に対応し、EL素子35Gが緑系素子に対応し、EL素子35Bが青系素子に対応している。また、検出素子171が光検出素子に対応し、カラーフィルター175Rが赤系フィルターに対応し、カラーフィルター175Gが緑系フィルターに対応し、カラーフィルター175Bが青系フィルターに対応し、フォトセンサー173が受光素子に対応している。また、発光パネル9が発光部としての照明装置に対応し、画像形成パネル7が画像形成部に対応し、画素電極81及び共通電極85が一対の電極に対応し、反射膜117が反射層に対応している。
本実施形態では、発光パネル9からの光の量を、画像形成パネル7の画素11ごとに制御することによって、画像における階調表現が実現され得る。このため、有機EL装置である発光パネル9における階調表現を省略することができる。この結果、有機EL装置である発光パネル9で階調表現を実現する場合に比較して、EL素子35ごとに発光を制御する回路を簡略化しやすくすることができる。これにより、表示装置1のコストを軽減しやすくすることができる。
【0092】
第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、表示パネル3は、図13に示すように、発光パネル201を有している。第2実施形態における表示装置1は、第1実施形態における発光パネル9(図8)が発光パネル201に替えられていることを除いては、第1実施形態における表示装置1と同様の構成を有している。このため、以下においては、第1実施形態における表示装置1と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0093】
発光パネル201は、素子基板203と、封止基板205と、を有している。
発光パネル201は、機能層83の構成が、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに異なることと、カラーフィルター135及びオーバーコート層137が省略されていることとを除いては、第1実施形態における発光パネル9(図8)と同様の構成を有している。このため、以下においては、第1実施形態における発光パネル9と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0094】
発光パネル201では、EL素子35から射出して封止基板205に向かう光の色が、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに異なっている。EL素子35Rは、Rの光を射出する。EL素子35GがGの光を射出し、EL素子35BがBの光を射出する。これは、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに、機能層83の構成を異ならせることによって実現され得る。以下において、機能層83をR、G及びBごとに識別する場合に、機能層83R、機能層83G及び機能層83Bという表記が用いられる。
封止基板205は、第4基板131を有している。封止基板205は、第1実施形態における封止基板33(図8)からカラーフィルター135及びオーバーコート層137を省略した構成を有している。
【0095】
機能層83は、図13中のEL素子35Rの拡大図である図14に示すように、有機層207を有している。
機能層83Rにおける有機層207は、領域123内において、表示面13側から底面29側に向かって順に、正孔注入層151、正孔輸送層153、発光層155、及び電子輸送層163を有している。
図示を省略するが、機能層83Gにおける有機層207は、領域123内において、表示面13側から底面29側に向かって順に、正孔注入層151、正孔輸送層153、発光層161、及び電子輸送層163を有している。
【0096】
同様に、機能層83Bにおける有機層207は、領域123内において、表示面13側から底面29側に向かって順に、正孔注入層151、正孔輸送層153、発光層159、及び電子輸送層163を有している。
第2実施形態では、発光層155と、発光層159と、発光層161とは、X方向に並ぶEL素子35間で相互に分離している。つまり、発光層155、発光層159と、発光層161とは、それぞれ、X方向に並ぶEL素子35R、EL素子35B及びEL素子35Gごとに個別に設けられている。
これは、マスクを用いたマスク蒸着法を活用することによって、発光層155、発光層159と、発光層161とを、それぞれ、EL素子35R、EL素子35B及びEL素子35Gごとに個別に形成することによって実現され得る。
【0097】
第2実施形態では、発光パネル201が発光部に対応している。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第2実施形態では、第1実施形態に比較して、有機層207の厚みを薄くしやすい。さらに、第2実施形態では、カラーフィルター135を省略することができる。これらにより、第2実施形態では、第1実施形態に比較して、発光パネル201の厚みを薄くしやすくすることができる。この結果、第2実施形態では、第1実施形態に比較して、表示装置1を薄くしやすくすることができる。
【0098】
第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、表示パネル3は、図15に示すように、発光パネル211を有している。第3実施形態における表示装置1は、第1実施形態における発光パネル9(図8)が発光パネル211に替えられていることを除いては、第1実施形態における表示装置1と同様の構成を有している。このため、以下においては、第1実施形態における表示装置1と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
発光パネル211は、素子基板213と、封止基板205と、を有している。
発光パネル211は、画素電極81の厚みが、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに異なることと、封止基板33が封止基板205に替えられていることとを除いては、発光パネル9(図8)と同様の構成を有している。このため、以下においては、第1実施形態における発光パネル9や、第2実施形態における発光パネル201と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0099】
発光パネル211では、反射膜117と共通電極85との間の距離が、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに異なる距離に設定されている。
EL素子35Rでは、反射膜117と共通電極85との間の距離が、D1の距離に設定されている。EL素子35Gでは、反射膜117と共通電極85との間の距離が、D2の距離に設定されている。EL素子35Bでは、反射膜117と共通電極85との間の距離が、D3の距離に設定されている。
発光パネル211では、D1と、D2と、D3とは、D1>D2>D3の関係を満たしている。
そして、発光パネル211では、D1>D2>D3の関係は、画素電極81の厚みをEL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに異なる厚みに設定することによって実現されている。発光パネル211では、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bのうち、EL素子35Rにおける画素電極81の厚みが最も厚い。発光パネル211では、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bのうち、EL素子35Bにおける画素電極81の厚みが最も薄い。
【0100】
発光パネル211では、EL素子35のそれぞれにおいて、機能層83における有機層141(図9)からの光には、発光層155からのRの光と、発光層159からのBの光と、発光層161からのGの光と、が含まれている。
EL素子35のそれぞれにおいて、機能層83から射出する光には、機能層83から底面29側に向かう光と、機能層83から表示面13側に向かう光とが含まれる。
機能層83から表示面13側に向かう光の一部は、画素電極81を透過してから、反射膜117で底面29側に反射する。
【0101】
このとき、EL素子35Rでは、反射膜117で底面29側に反射した反射光に含まれるRの光と、機能層83から直接的に底面29側に向かう光(以下、直接光と呼ぶ)に含まれるRの光とが、共振現象によって互いに強め合う。換言すれば、EL素子35Rでは、D1の距離は、反射光に含まれるRの光と直接光に含まれるRの光とが互いに強め合う距離に設定されている。
EL素子35Gでは、反射光に含まれるGの光と、直接光に含まれるGの光とが、共振現象によって互いに強め合う。EL素子35Gでは、D2の距離は、反射光に含まれるGの光と直接光に含まれるGの光とが互いに強め合う距離に設定されている。
同様に、EL素子35Bでは、反射光に含まれるBの光と、直接光に含まれるBの光とが、共振現象によって互いに強め合う。EL素子35Bでは、D3の距離は、反射光に含まれるBの光と直接光に含まれるBの光とが互いに強め合う距離に設定されている。
【0102】
発光パネル211では、これらのD1、D2及びD3の距離の設定により、EL素子35RからRの光を射出させ、EL素子35GからGの光を射出させ、EL素子35BからBの光を射出させることができる。
第3実施形態では、発光パネル211が発光部に対応している。
第3実施形態においても、第1実施形態及び第2実施形態のそれぞれと同様の効果が得られる。
【0103】
第4実施形態について説明する。
第4実施形態では、表示パネル3は、図16に示すように、発光パネル221を有している。第4実施形態における表示装置1は、第1実施形態における発光パネル9(図8)が発光パネル221に替えられていることを除いては、第1実施形態における表示装置1と同様の構成を有している。このため、以下においては、第1実施形態における表示装置1と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
発光パネル221は、素子基板213と、封止基板33と、を有している。
発光パネル221は、第3実施形態における発光パネル211(図15)の封止基板205が封止基板33に替えられていることを除いては、発光パネル211と同様の構成を有している。このため、以下においては、第1実施形態や、第2実施形態や、第3実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0104】
第4実施形態では、発光パネル221が発光部に対応している。
第4実施形態においても、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態のそれぞれと同様の効果が得られる。
また、第4実施形態では、EL素子35と画像形成パネル7との間にカラーフィルター135が介在しているので、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bのそれぞれから射出した光の色純度が高められる。これにより、表示装置1の表示における表示品位の向上が図られる。
【0105】
なお、第1〜第4実施形態では、それぞれ、EL素子35の種類として、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sの3種類が採用されている。しかしながら、EL素子35の種類は、3種類に限定されず、2種類以上の任意の種類数が採用され得る。
また、第1〜第4実施形態では、それぞれ、1つの画素11に対して3つのEL素子35を対応させた構成が例示されている。しかしながら、1つの画素11に対応させるEL素子35の数は、これに限定されず、2つ以上の任意の個数が採用され得る。1つの画素11に対応させる複数のEL素子35に、発光領域の大きさが相互に異なる複数の種類が含まれていれば、発光領域の大きさが相互に同じである複数のEL素子35が含まれていてもよい。
【0106】
また、第1〜第4実施形態では、それぞれ、TN型の液晶25を例に説明したが、液晶25はこれに限定されず、FFS(Fringe Field Switching)型、IPS(In Plane Switching)型、VA(Vertical Alignment)型等の種々の型が採用され得る。
また、第1〜第4実施形態では、それぞれ、表示装置1の構成として、反射型の液晶パネル15の表示面13側に発光パネル9,201,211,221を配置した構成が採用されている。この場合、発光パネル9,201,211,221は、それぞれ、所謂フロントライトとして機能する。しかしながら、表示装置1の構成は、これに限定されず、透過型の液晶パネルの底面29側に発光パネル9,201,211,221を配置した構成も採用され得る。この場合、発光パネル9,201,211,221は、それぞれ、所謂バックライトとして機能する。
【0107】
また、第1〜第4実施形態では、それぞれ、画像形成パネル7に液晶パネル15が採用されているが、画像形成パネル7はこの構成に限定されず、電気泳動素子を利用した電気泳動パネルも採用され得る。
また、第1〜第4実施形態では、それぞれ、発光パネル9,201,211,221としてトップエミッション型の有機EL装置が採用されている。しかしながら、発光パネル9,201,211,221の構成は、これに限定されず、ボトムエミッション型の有機EL装置も採用され得る。
【0108】
また、第1実施形態及び第4実施形態では、それぞれ、発光パネル9,221にカラーフィルター135を設けた構成が例示されているが、表示パネル3の構成はこれに限定されない。表示パネル3の構成としては、液晶パネル15にカラーフィルター135を設けた構成も採用され得る。
さらに、第1実施形態及び第4実施形態のそれぞれにおいて、液晶パネル15にもカラーフィルター135を付加した構成も採用され得る。この構成では、発光パネル9,221と、液晶パネル15の双方にカラーフィルター135が設けられるので、光の色純度を一層向上させることができる。
【0109】
また、第2実施形態では、カラーフィルター135を省略した構成が例示されているが、表示パネル3の構成はこれに限定されない。表示パネル3の構成としては、第2実施形態における表示パネル3にカラーフィルター135を設けた構成も採用され得る。これにより、第2実施形態における表示パネル3での光の色純度を向上させることができる。
第2実施形態における表示パネル3にカラーフィルター135を設けた構成としては、発光パネル201にカラーフィルター135を設けた構成、及び、液晶パネル15にカラーフィルター135を設けた構成のいずれの構成も採用され得る。
さらに、第2実施形態における表示パネル3では、発光パネル201及び液晶パネル15の双方にカラーフィルター135を設けた構成も採用され得る。これにより、第2実施形態における表示パネル3での光の色純度を一層向上させることができる。
【0110】
上述した表示装置1は、例えば、図17に示す電子機器500の表示部510に適用され得る。この電子機器500は、携帯電話機である。この電子機器500は、操作ボタン511を有している。表示部510は、操作ボタン511で入力した内容や着信情報を始めとする様々な情報について表示を行うことができる。この電子機器500では、表示部510に表示装置1が適用されているので、表示部510における画像の色合いを維持しやすくすることができる。
なお、電子機器500としては、携帯電話機に限られず、モバイルコンピューター、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カーナビゲーションシステム用の表示機器などの車載機器、オーディオ機器等の種々の電子機器が挙げられる。
【符号の説明】
【0111】
1…表示装置、3…表示パネル、5…制御部、6…光検出部、7…画像形成パネル、9…発光パネル、11…画素、13…表示面、15…液晶パネル、25…液晶、29…底面、31…素子基板、33…封止基板、35…EL素子、35R,35G,35B…EL素子、35L,35M,35S…EL素子、63…画素電極、65…共通電極、71…素子列、71R,71G,71B…素子列、73…素子行、73L,73M,73S…素子行、75…複合素子、81…画素電極、83…機能層、85…共通電極、86…接続選択回路、87…接続選択回路、88…共通線、89…電源線、135…カラーフィルター、141…有機層、143…電子注入層、151…正孔注入層、153…正孔輸送層、155…発光層、157…中間層、159…発光層、161…発光層、163…電子輸送層、171…検出素子、171R,171G,171B…検出素子、173…フォトセンサー、173R,173G,173B…フォトセンサー、175…カラーフィルター、175R,175G,175B…カラーフィルター、181…演算処理部、183…発光制御部、185…画像制御部、201…発光パネル、207…有機層、211…発光パネル、213…素子基板、221…発光パネル、500…電子機器、510…表示部、511…操作ボタン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、電気光学装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気光学装置の1つとして液晶装置が知られている。液晶装置には、反射表示を行うことができる反射型の液晶装置がある。そして、反射型の液晶装置には、フロントライトが設けられているものがある。
フロントライトを有する反射型の液晶装置では、従来、フロントライトからの光と外光との両者による照度に応じて、フロントライトからの光量が制御されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4062254号公報
【特許文献2】特開2006−154402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フロントライトを有する反射型の液晶装置では、フロントライトからの光だけでなく、他の外光も表示に寄与する。このため、外光の強度が変化すると、表示輝度が変化することがある。
これに対し、上記特許文献1に記載された液晶装置では、フロントライトからの光と外光との両者による照度に応じて、フロントライトからの光量が制御されるので、外光の強度が変化しても、一定の表示輝度を保つことができる。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された液晶装置では、外光のスペクトルが変化すると、表示される画像の色合いが変化しやすい。
例えば、外光には、太陽光や、白熱灯の光、蛍光灯の光などがある。太陽光や、白熱灯の光、蛍光灯の光などは、相互にスペクトルが異なっている。このため、それぞれの外光のもとで観察される画像は、相互に色合いが異なることがある。例えば、白熱灯の光には可視光領域のうち長波長側の成分が多く含まれているので、白熱灯の光のもとで観察される画像は、赤みを帯びることがある。
つまり、従来の電気光学装置では、表示における色合いが変化しやすいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現され得る。
【0007】
[適用例1]複数の発光素子を有し、前記発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有しており、前記複数の発光素子には、赤系の色の光を発する複数の赤系素子と、緑系の色の光を発する複数の緑系素子と、青系の色の光を発する複数の青系素子と、が含まれており、前記複数の赤系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれており、前記複数の緑系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれており、前記複数の青系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれている、ことを特徴とする照明装置。
【0008】
この適用例の照明装置は、複数の発光素子を有している。発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有している。
複数の発光素子には、複数の赤系素子と、複数の緑系素子と、複数の青系素子と、が含まれている。複数の赤系素子は、それぞれ、赤系の色の光を発する。複数の緑系素子は、それぞれ、緑系の色の光を発する。複数の青系素子は、それぞれ、青系の色の光を発する。
複数の赤系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の発光素子が含まれている。複数の緑系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の発光素子が含まれている。複数の青系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の発光素子が含まれている。
この照明装置では、発光領域の大きさごとに発光素子の発光を制御することによって、複数の発光素子からの光の光量を、赤系素子、緑系素子及び青系素子ごとに変化させることができる。この照明装置では、照明の色合いを調整しやすくすることができる。
【0009】
[適用例2]上記の照明装置であって、前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色ごとに、前記発光素子からの光とは異なる外光の強度を検出する光検出素子を有する、ことを特徴とする照明装置。
【0010】
この適用例では、外光の強度を、赤系の色、緑系の色及び青系の色ごとに検出することができる。これにより、例えば、検出した色ごとの外光の強度に基づいて、照明の色合いを調整することができる。
【0011】
[適用例3]上記の照明装置であって、前記赤系の色に対応する前記光検出素子は、前記赤系の色の光を透過する赤系フィルターと、前記赤系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、前記緑系の色に対応する前記光検出素子は、前記緑系の色の光を透過する緑系フィルターと、前記緑系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、前記青系の色に対応する前記光検出素子は、前記青系の色の光を透過する青系フィルターと、前記青系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有している、ことを特徴とする照明装置。
【0012】
この適用例では、赤系の色、緑系の色及び青系の色のそれぞれに対応する光検出素子を構成することができる。
【0013】
[適用例4]複数の発光素子が設けられ、前記発光素子ごとに光を発する発光部と、複数の画素が区分され、前記発光部からの光の量を前記光の進路の途中で前記画素ごとに選択的に制御することによって画像を形成する画像形成部と、を含み、前記発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有しており、前記複数の画素には、前記発光素子から赤系の色の光を受ける赤系画素と、前記発光素子から緑系の色の光を受ける緑系画素と、前記発光素子から青系の色の光を受ける青系画素と、が含まれており、前記赤系画素、前記緑系画素及び前記青系画素のそれぞれにおいて、1つの前記画素に複数の前記発光素子が対応しており、前記1つの画素に対応する前記複数の発光素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれている、ことを特徴とする電気光学装置。
【0014】
この適用例の電気光学装置は、発光部と、画像形成部と、を含む。
発光部には、複数の発光素子が設けられている。発光部は、発光素子ごとに光を発する。発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有している。
画像形成部には、複数の画素が区分されている。画像形成部は、発光部からの光の量を光の進路の途中で画素ごとに選択的に制御することによって画像を形成する。
複数の画素には、赤系画素と、緑系画素と、青系画素と、が含まれている。赤系画素は、発光素子から赤系の色の光を受ける。緑系画素は、発光素子から緑系の色の光を受ける。青系画素は、発光素子から青系の色の光を受ける。
赤系画素、緑系画素及び青系画素のそれぞれにおいて、1つの画素に複数の発光素子が対応している。そして、1つの画素に対応する複数の発光素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の発光素子が含まれている。
この電気光学装置では、発光領域の大きさごとに発光素子の発光を制御することができる。このため、赤系画素、緑系画素及び青系画素のそれぞれが受ける光の量を、赤系画素、緑系画素及び青系画素ごとに変化させることができる。これにより、画像の色合いを調整しやすくすることができる。この結果、外光のスペクトル変化による画像の色合いの変化を抑えやすくすることができる。
【0015】
[適用例5]上記の電気光学装置であって、前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色ごとに、前記発光部からの光とは異なる外光の強度を検出する光検出素子を有する、ことを特徴とする電気光学装置。
【0016】
この適用例では、外光の強度を、赤系の色、緑系の色及び青系の色ごとに検出することができる。これにより、例えば、検出した色ごとの外光の強度に基づいて、画像の色合いを調整することができる。
【0017】
[適用例6]上記の電気光学装置であって、前記赤系の色に対応する前記光検出素子は、前記赤系の色の光を透過する赤系フィルターと、前記赤系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、前記緑系の色に対応する前記光検出素子は、前記緑系の色の光を透過する緑系フィルターと、前記緑系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、前記青系の色に対応する前記光検出素子は、前記青系の色の光を透過する青系フィルターと、前記青系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有している、ことを特徴とする電気光学装置。
【0018】
この適用例では、赤系の色、緑系の色及び青系の色のそれぞれに対応する光検出素子を構成することができる。
【0019】
[適用例7]上記の電気光学装置であって、前記発光部と前記画像形成部とが、互いに対向している、ことを特徴とする電気光学装置。
【0020】
この適用例では、発光部と画像形成部とが互いに対向しているので、発光部からの光を画像形成部に照射しやすくすることができる。
【0021】
[適用例8]上記の電気光学装置であって、前記画像形成部は、照射された光を反射させる光反射性を有しており、前記発光部からの前記光の前記進路が、前記画像形成部での光反射性によって屈曲している、ことを特徴とする電気光学装置。
【0022】
この適用例では、画像形成部は、照射された光を反射させる光反射性を有している。この電気光学装置では、発光部からの光の進路が、画像形成部での光反射性によって屈曲している。これにより、発光部からの光を画像形成部で反射させた反射光を利用して画像を表示することができる。
【0023】
[適用例9]上記の電気光学装置であって、前記画像形成部は、電界を形成する一対の電極と、前記一対の電極間に介在する液晶と、を有する、ことを特徴とする電気光学装置。
【0024】
この適用例では、画像形成部は、電界を形成する一対の電極と、一対の電極間に介在する液晶と、を有する。これにより、液晶装置を利用して電気光学装置を構成することができる。
【0025】
[適用例10]上記の電気光学装置であって、前記画像形成部を制御する画像制御部と、前記発光部を制御する発光制御部と、を有し、前記画像制御部は、前記画像を更新期間ごとに更新させながら、前記画像形成部に前記画像を形成させ、前記複数の発光素子の発光を許可する期間は、各前記更新期間において、前記発光領域の大きさごとに異なる期間に設定されており、前記発光制御部は、前記発光領域の大きさごとに設定された前記期間のそれぞれにおいて、発光が許可される前記発光素子の発光状態及び停止状態を選択的に、前記発光素子ごとに制御する、ことを特徴とする電気光学装置。
【0026】
この適用例の電気光学装置は、画像形成部を制御する画像制御部と、発光部を制御する発光制御部と、を有している。
画像制御部は、画像を更新期間ごとに更新させながら、画像形成部に画像を形成させる。
この電気光学装置では、複数の発光素子の発光を許可する期間は、各更新期間において、発光領域の大きさごとに異なる期間に設定されている。
発光制御部は、発光領域の大きさごとに設定された期間のそれぞれにおいて、発光が許可される発光素子の発光状態及び停止状態を選択的に、発光素子ごとに制御する。
上記の構成により、各更新期間において、複数の発光素子を発光領域の大きさごとに、且つ発光素子ごとに、発光素子を選択的に発光させることができる。
【0027】
[適用例11]上記の電気光学装置であって、前記発光部において、前記発光層の前記進路とは反対側に、前記発光層からの光の少なくとも一部を前記発光層側に反射させる反射層が、前記発光素子ごとに設けられており、前記発光層と前記反射層との間の距離が、前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色ごとに異なっている、ことを特徴とする電気光学装置。
【0028】
この適用例では、発光部において、発光素子ごとに反射層が設けられている。反射層は、発光層の進路とは反対側に設けられている。反射層は、発光層からの光の少なくとも一部を発光層側に反射させる。この構成により、発光層から進路側に向かう光と、発光層を出てから反射層で反射して進路側に向かう光と、を互いに強め合わせやすくすることができる。
そして、この電気光学装置では、発光層と反射層との間の距離が、赤系の色、緑系の色及び青系の色ごとに異なっている。このため、発光層からの光に含まれる様々な波長の光のうちで強める光の波長を、赤系の色、緑系の色及び青系の色ごとに異ならせることができる。これにより、発光素子からの光の色を、赤系の色、緑系の色及び青系の色ごとに異ならせることができる。
【0029】
[適用例12]上記の電気光学装置であって、前記発光素子と前記画素との間において、前記赤系画素、前記緑系画素及び前記青系画素ごとに、前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色のそれぞれに対応する色の光を透過させるカラーフィルターが設けられている、ことを特徴とする電気光学装置。
【0030】
この適用例では、発光素子と画素との間において、赤系画素、緑系画素及び青系画素ごとに、赤系の色、緑系の色及び青系の色のそれぞれに対応する色の光を透過させるカラーフィルターが設けられている。これにより、発光素子からの光の色の純度を高めやすくすることができる。
【0031】
[適用例13]上記の電気光学装置であって、前記赤系画素に対応する前記発光素子は、前記赤系の色の光を発する前記発光層を有しており、前記緑系画素に対応する前記発光素子は、前記緑系の色の光を発する前記発光層を有しており、前記青系画素に対応する前記発光素子は、前記青系の色の光を発する前記発光層を有している、ことを特徴とする電気光学装置。
【0032】
この適用例では、複数の発光素子は、赤系画素、緑系画素及び青系画素ごとに、赤系の色、緑系の色及び青系の色のそれぞれに対応した色の光を発する発光層を有している。これにより、複数の発光素子のそれぞれから、赤系画素、緑系画素及び青系画素ごとに対応する種類の色の光を射出させることができる。
【0033】
[適用例14]上記の電気光学装置を有する、ことを特徴とする電子機器。
【0034】
この適用例の電子機器は、電気光学装置を有している。この電気光学装置は、発光部と、画像形成部と、を含む。
発光部には、複数の発光素子が設けられている。発光部は、発光素子ごとに光を発する。発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有している。
画像形成部には、複数の画素が区分されている。画像形成部は、発光部からの光の量を光の進路の途中で画素ごとに選択的に制御することによって画像を形成する。
複数の画素には、赤系画素と、緑系画素と、青系画素と、が含まれている。赤系画素は、発光素子から赤系の色の光を受ける。緑系画素は、発光素子から緑系の色の光を受ける。青系画素は、発光素子から青系の色の光を受ける。
赤系画素、緑系画素及び青系画素のそれぞれにおいて、1つの画素に複数の発光素子が対応している。そして、1つの画素に対応する複数の発光素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の発光素子が含まれている。
この電気光学装置では、発光領域の大きさごとに発光素子の発光を制御することができる。このため、赤系画素、緑系画素及び青系画素のそれぞれが受ける光の量を、赤系画素、緑系画素及び青系画素ごとに変化させることができる。これにより、画像の色合いを調整しやすくすることができる。この結果、外光のスペクトル変化による画像の色合いの変化を抑えやすくすることができる。
そして、この電子機器は、この電気光学装置を有している。このため、この電子機器では、電気光学装置において、外光のスペクトル変化による画像の色合いの変化を抑えやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1実施形態における表示装置の主要構成を示す斜視図。
【図2】図1中のA−A線における断面図。
【図3】本実施形態における画像形成パネルの複数の画素の一部を示す平面図。
【図4】本実施形態における液晶パネルの等価回路図。
【図5】本実施形態における発光パネルの複数のEL素子の一部を示す平面図。
【図6】本実施形態における複数の画素の一部と複数のEL素子の一部とを示す平面図。
【図7】本実施形態における発光パネルの回路構成を示す図。
【図8】図6中のC−C線における断面図。
【図9】図8中のEL素子の拡大図。
【図10】本実施形態における光検出部を模式的に示す断面図。
【図11】本実施形態における表示装置の主要構成を示すブロック図。
【図12】本実施形態における画像形成パネルでの偏光状態を説明する図。
【図13】第2実施形態における表示パネルを図6中のC−C線に相当する切断線で切断したときの断面図。
【図14】図13中のEL素子の拡大図。
【図15】第3実施形態における表示パネルを図6中のC−C線に相当する切断線で切断したときの断面図。
【図16】第4実施形態における表示パネルを図6中のC−C線に相当する切断線で切断したときの断面図。
【図17】本実施形態における表示装置を適用した電子機器の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
実施形態について、有機EL装置及び液晶装置を利用した表示装置を例に、図面を参照しながら説明する。有機EL装置及び液晶装置は、それぞれ、電気光学装置の1つである。
第1実施形態における表示装置1は、図1に示すように、表示パネル3と、制御部5と、光検出部6と、を有している。
表示パネル3は、画像形成パネル7と、発光パネル9と、を有している。
【0037】
画像形成パネル7には、複数の画素11が設定されている。複数の画素11は、表示領域12内で、図中のX方向及びY方向に配列しており、X方向を行方向とし、Y方向を列方向とするマトリクスMを構成している。
ここで、本実施形態では、X方向は、後述する走査線が延在する方向である。また、Y方向は、平面視でX方向と交差する方向である。本実施形態では、Y方向は、後述する信号線が延在する方向でもあり、平面視でX方向に対して直交している。
【0038】
表示装置1では、画像形成パネル7が、発光パネル9から照射された光を、画素11ごとに選択的に発光パネル9側に反射させることによって、表示面13に画像を表示することができる。なお、表示領域12とは、画像が形成され得る領域である。図1では、構成をわかりやすく示すため、画素11が誇張され、且つ画素11の個数が減じられている。
画像形成パネル7は、図1中のA−A線における断面図である図2に示すように、液晶パネル15と、位相差板17と、偏光板19と、を有している。
液晶パネル15は、駆動素子基板21と、対向基板23と、液晶25と、シール材27と、を有している。なお、本実施形態では、液晶パネル15として、反射型の液晶パネルが採用されている。液晶パネル15では、表示面13側から対向基板23を介して液晶25に入射した光を対向基板23側に反射させることによって、反射表示を行うことができる。
【0039】
駆動素子基板21には、表示面13側すなわち液晶25側に、複数の画素11のそれぞれに対応して、後述するスイッチング素子などが設けられている。
対向基板23は、駆動素子基板21よりも表示面13側で駆動素子基板21に対向し、且つ駆動素子基板21との間に隙間を有した状態で設けられている。対向基板23には、表示パネル3における表示面13の裏面に相当する面である底面29側すなわち液晶25側に、後述する共通電極などが設けられている。
【0040】
液晶25は、駆動素子基板21及び対向基板23の間に介在しており、液晶パネル15の周縁よりも内側で表示領域12を囲むシール材27によって、駆動素子基板21及び対向基板23の間に封止されている。なお、本実施形態では、液晶25として、TN(Twisted Nematic)型が採用されている。
位相差板17は、対向基板23よりも表示面13側、すなわち液晶25側とは反対側に設けられている。本実施形態では、位相差板17は、入射した光に対して1/2波長の位相差を付与する。
偏光板19は、位相差板17よりも表示面13側に設けられている。偏光板19は、透過軸を有している。偏光板19は、透過軸の方向に偏光軸を有する光を透過させることができる。
【0041】
発光パネル9は、偏光板19よりも表示面13側に設けられており、素子基板31と、封止基板33と、複数のEL(Electro Luminescence)素子35と、接着剤37と、シール材39と、を有している。発光パネル9は、複数のEL素子35から封止基板33を介して底面29側に光を発する。
【0042】
素子基板31には、底面29側に複数のEL素子35が設けられている。
封止基板33は、素子基板31よりも底面29側で素子基板31に対向した状態で設けられている。素子基板31と封止基板33とは、接着剤37を介して接合されている。表示装置1では、EL素子35は、接着剤37によって底面29側から覆われている。
また、素子基板31と封止基板33との間は、発光パネル9の周縁よりも内側で表示領域12を囲むシール材39によって封止されている。つまり、表示装置1では、EL素子35と接着剤37とが、素子基板31及び封止基板33並びにシール材39によって封止されている。
【0043】
ところで、画像形成パネル7では、図3に示すように、Y方向に沿って並ぶ複数の画素11が、1つの画素列51を構成している。また、X方向に沿って並ぶ複数の画素11が、1つの画素行53を構成している。この観点から、X方向は、画素行53が延在する方向であるともみなされ得る。また、Y方向は、画素列51が延在する方向であるともみなされ得る。
また、液晶パネル15は、図4に示すように、複数の走査線Teと、複数の信号線Seと、走査線駆動回路55と、信号線駆動回路57と、を有している。
なお、以下において複数の走査線Te及び複数の信号線Seのそれぞれが識別される場合に、走査線Te(n)という表記と、信号線Se(m)という表記とが用いられる。n及びmは、それぞれ、1以上の整数をとり得る変数である。
複数の走査線Teは、走査線駆動回路55につながっている。複数の信号線Seは、信号線駆動回路57につながっている。
【0044】
複数の走査線Te及び複数の信号線Seは、格子状に配線されている。複数の走査線Teは、Y方向に互いに間隔をあけた状態で、X方向に沿って延びている。複数の信号線Seは、X方向に互いに間隔をあけた状態で、Y方向に沿って延びている。各画素11は、各走査線Teと各信号線Seとの交差に対応して設定されている。
各信号線Seは、Y方向に沿って並ぶ複数の画素11すなわち各画素列51に対応している。各走査線Teは、X方向に沿って並ぶ複数の画素11すなわち各画素行53に対応している。
また、液晶パネル15は、画素11ごとに、スイッチング素子の1つであるTFT(Thin Film Transistor)素子61と、画素電極63と、共通電極65と、を有している。なお、共通電極65は、マトリクスMを構成する複数の画素11間にまたがって一連した状態で設けられている。つまり、共通電極65は、マトリクスMを構成する複数の画素11に平面視で重なる領域に設けられており、複数の画素11間にまたがって共通して機能する。
【0045】
TFT素子61のゲート電極は、対応する走査線Teに電気的につながっている。TFT素子61のソース電極は、対応する信号線Seに電気的につながっている。各画素11において、TFT素子61のドレイン電極は、画素電極63に電気的につながっている。
各画素11において、画素電極63と共通電極65とは、画素電極63と共通電極65との間に電界を形成する一対の電極を構成している。液晶25(図2)は、画素電極63と共通電極65との間に介在している。本実施形態では、画素電極63と共通電極65とは、互いに対向している。
TFT素子61は、このTFT素子61につながる走査線Teに選択信号が供給されるとオン状態となる。このとき、このTFT素子61につながる信号線Seからデータ信号が供給され、画素電極63がデータ信号の大きさに応じた電位に保たれる。このとき、共通電極65を画素電極63の電位とは異なる電位に保つと、画素電極63と共通電極65との間に電位差が発生する。これにより、画素11ごとに、画素電極63と共通電極65との間に電界を発生させることができる。
【0046】
発光パネル9では、複数のEL素子35は、図5に示すように、X方向及びY方向に配列している。
ここで、発光パネル9から射出する光の色は、複数の種類の色を包含している。複数の種類の色は、EL素子35単位でわけられている。つまり、複数のEL素子35は、色の種類ごとに分類されている。本実施形態では、複数の種類の色には、赤系(R)、緑系(G)、及び青系(B)が含まれている。本実施形態では、発光パネル9から画像形成パネル7に向かって射出する光の色は、図5に示すように、EL素子35ごとにR、G及びBのいずれかに設定されている。つまり、本実施形態では、複数のEL素子35のそれぞれに、R、G及びBのいずれかの種類が対応付けられている。
なお、以下において、EL素子35に対して、対応付けられた色の種類を識別する場合に、EL素子35R、EL素子35G、及びEL素子35Bという表記が用いられる。
【0047】
ここで、Rの色は、純粋な赤の色相に限定されず、橙等を含む。Gの色は、純粋な緑の色相に限定されず、青緑や黄緑等を含む。Bの色は、純粋な青の色相に限定されず、青紫や青緑等を含む。他の観点から、Rの色を呈する光は、光の波長のピークが、可視光領域で570nm以上の範囲にある光であると定義され得る。また、Gの色を呈する光は、光の波長のピークが500nm〜565nmの範囲にある光であると定義され得る。Bの色を呈する光は、光の波長のピークが415nm〜495nmの範囲にある光であると定義され得る。
【0048】
発光パネル9では、Y方向に沿って並ぶ複数のEL素子35が、1つの素子列71を構成している。また、X方向に沿って並ぶ複数のEL素子35が、1つの素子行73を構成している。
1つの素子列71を構成する複数のEL素子35は、それぞれ、対応付けられている色の種類がR、G及びBのうちの1つに設定されている。つまり、発光パネル9は、複数のEL素子35RがY方向に配列した素子列71Rと、複数のEL素子35GがY方向に配列した素子列71Gと、複数のEL素子35BがY方向に配列した素子列71Bとを有している。本実施形態では、素子列71R、素子列71G及び素子列71Bが、X方向に沿って反復して並んでいる。
なお、以下においては、素子列71という表記と、素子列71R、素子列71G及び素子列71Bという表記とが、適宜、使いわけられる。
【0049】
複数のEL素子35には、発光領域の大きさが相互に異なる3種類のEL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sが含まれている。3種類のEL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sのうち、EL素子35Lの発光領域の大きさが最も大きい。次いで、EL素子35Mの発光領域の大きさが大きい。そして、EL素子35Sの発光領域の大きさが最も小さい。
3種類のEL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sは、Y方向に循環的に反復して並んでいる。
本実施形態では、Y方向に連続して並ぶ3つのEL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sが、1組の複合素子75を構成する。
【0050】
複数のEL素子35は、素子行73ごとに種類がEL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sのいずれかに設定されている。つまり、発光パネル9は、複数のEL素子35LがX方向に配列した素子行73Lと、複数のEL素子35MがX方向に配列した素子行73Mと、複数のEL素子35SがX方向に配列した素子行73Sとを有している。
以下においては、素子行73という表記と、素子行73L、素子行73M及び素子行73Sという表記とが、適宜、使いわけられる。
【0051】
表示パネル3では、画像形成パネル7の複数の画素11と、発光パネル9の複数のEL素子35とが、図6に示すように、平面視で重なっている。そして、表示パネル3では、1組の複合素子75が1つの画素11に対応付けられている。
1つの画素11の領域は、1組の複合素子75を包含する大きさに設定されている。本実施形態では、画素11の領域は、1組の複合素子75の領域よりも広い大きさに設定されている。
【0052】
発光パネル9は、回路構成を示す図である図7に示すように、EL素子35ごとに、画素電極81と、機能層83と、共通電極85と、を有している。
画素電極81と共通電極85とは、画素電極81を陽極とし、共通電極85を陰極とする一対の電極を構成している。
各画素電極81と共通電極85との間に介在する機能層83は、後述する発光層を含んでいる。機能層83では、画素電極81と共通電極85との間に発生する電流によって、発光層が発光する。
また、発光パネル9は、接続選択回路86と、接続選択回路87と、複数の共通線88と、複数の電源線89と、を有している。
【0053】
複数の共通線88は、それぞれ接続選択回路86につながっており、Y方向に互いに間隔をあけた状態でX方向に延びている。共通線88は、素子行73に対応して設けられている。以下においては、素子行73Lに対応する共通線88が共通線88Lと表記されることがある。同様に、素子行73Mに対応する共通線88が共通線88Mと表記され、素子行73Sに対応する共通線88が共通線88Sと表記されることがある。以下においては、共通線88という表記と、共通線88L、共通線88M及び共通線88Sという表記とが、適宜、使いわけられる。
共通電極85は、素子行73ごとに、対応する共通線88につながっている。素子行73Lでは、共通電極85は、共通線88Lにつながっている。同様に、素子行73Mでは、共通電極85が共通線88Mにつながっており、素子行73Sでは、共通電極85が共通線88Sにつながっている。
【0054】
複数の電源線89は、それぞれ接続選択回路87につながっており、X方向に互いに間隔をあけた状態でY方向に延びている。電源線89は、素子列71に対応して設けられている。なお、以下においては、素子列71Rに対応する電源線89が電源線89Rと表記されることがある。同様に、素子列71Gに対応する電源線89が電源線89Gと表記され、素子列71Bに対応する電源線89が電源線89Bと表記されることがある。以下においては、電源線89という表記と、電源線89R、電源線89G及び電源線89Bという表記とが、適宜、使いわけられる。
画素電極81は、素子列71ごとに、対応する電源線89につながっている。素子列71Rでは、画素電極81は、電源線89Rにつながっている。同様に、素子列71Gでは、画素電極81が電源線89Gにつながっており、素子列71Bでは、画素電極81が電源線89Bにつながっている。
【0055】
接続選択回路86には、制御部5(図1)から後述する選択信号が入力される。接続選択回路86は、選択信号に基づいて、共通線88を、共通線88L、共通線88M及び共通線88Sごとに順次にグランドに接続する。共通線88Lがグランドに接続されているとき、共通線88M及び共通線88Sは、それぞれ、電気的に浮いた状態に保たれる。同様に、共通線88Mがグランドに接続されているとき、共通線88L及び共通線88Sが電気的に浮いた状態に保たれ、共通線88Sがグランドに接続されているとき、共通線88L及び共通線88Mが電気的に浮いた状態に保たれる。
【0056】
接続選択回路87には、制御部5(図1)から後述する接続信号が入力される。接続選択回路87は、接続信号に基づいて、複数の電源線89に選択的に電力を供給する。接続信号は、電源線89ごとに、電力の供給又は遮断を指示する情報を含んでいる。これにより、複数の電源線89のなかから、電力を供給すべき電源線89が選択される。つまり、本実施形態では、電源線89ごとに、電力の供給又は遮断が選択される。
グランドに接続された共通線88と、電力の供給が選択された電源線89との間にあるEL素子35には、画素電極81から機能層83を経て共通電極85に電流が流れる。そして、機能層83に含まれる発光層が、機能層83を流れる電流によって発光する。本実施形態では、複数のEL素子35を素子行73L、素子行73M及び素子行73Sごとに発光させることができる。
発光パネル9(図2)は、EL素子35における発光層からの光が封止基板33を介して画像形成パネル7側へ射出されるトップエミッション型の有機EL装置の1つである。
【0057】
ここで、表示パネル3の構成について、詳細を説明する。
液晶パネル15の駆動素子基板21は、図6中のC−C線における断面図である図8に示すように、第1基板91を有している。第1基板91は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面13側に向けられた第1面92aと、底面29側に向けられた第2面92bと、を有している。
第1基板91の第1面92aには、駆動素子層93が設けられている。駆動素子層93には、図4に示すTFT素子61と、走査線Teと、信号線Seと、が含まれている。
【0058】
駆動素子層93の表示面13側には、画素11ごとに画素電極63が設けられている。画素電極63としては、例えば、金や、銀、アルミニウムなどの高い導電性及び高い光反射性を有する材料が採用され得る。本実施形態では、画素電極63の材料として、アルミニウムが採用されている。本実施形態では、画素電極63は、反射膜としての機能も有している。
画素電極63及び駆動素子層93の表示面13側には、画素電極63を表示面13側から覆う配向膜95が設けられている。配向膜95としては、例えば、ポリイミドなどの光透過性を有する材料が採用され得る。なお、配向膜95には、表示面13側にラビング処理などの配向処理が施されている。
【0059】
対向基板23は、第2基板97と、対向層99と、を有している。第2基板97は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面13側に向けられた外向面98aと、底面29側に向けられた対向面98bとを有している。
対向層99は、第2基板97の対向面98bに設けられている。対向層99には、絶縁膜101と、共通電極65と、配向膜103と、が含まれている。
絶縁膜101の材料としては、例えば、酸化シリコンや窒化シリコンなどの無機材料や、光透過性を有する樹脂などの有機材料が採用され得る。
【0060】
共通電極65は、絶縁膜101の底面29側に設けられている。共通電極65の材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide)やインジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide)などの光透過性を有する材料が採用され得る。本実施形態では、共通電極65の材料として、ITOが採用されている。
前述したように、共通電極65は、複数の画素11間にまたがって一連した状態で設けられており、複数の画素11間にまたがって共通して機能する。
なお、本実施形態において、画素11の領域は、平面視で、1つの画素電極63と共通電極65とが重なり合う領域であると定義され得る。
【0061】
配向膜103は、共通電極65の底面29側に設けられている。共通電極65は、配向膜103によって底面29側から覆われている。配向膜103の材料としては、例えば、ポリイミドなどの光透過性を有する材料が採用され得る。配向膜103には、底面29側にラビング処理などの配向処理が施されている。
なお、対向基板23の構成としては、各画素11の領域を区画する光吸収層を設けた構成も採用され得る。この場合、光吸収層は、対向面98bに設けられる。この構成により、表示におけるコントラストの向上を図りやすくすることができる。光吸収層の材料としては、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有する樹脂などが採用され得る。
【0062】
駆動素子基板21及び対向基板23の間に介在する液晶25は、配向膜95と配向膜103との間に介在している。
本実施形態では、図2に示すシール材27は、図8に示す第1基板91の第1面92aと、第2基板97の対向面98bとによって挟持されている。つまり、液晶パネル15では、液晶25は、第1基板91及び第2基板97によって保持されている。なお、シール材27は、配向膜95及び配向膜103の間に設けられていてもよい。この場合、液晶25は、駆動素子基板21及び対向基板23に保持されているとみなされ得る。
本実施形態では、液晶25は、図8に示すように、L1なる厚みに設定されている。液晶25は、入射した光を変調することができる。本実施形態では、液晶25は、入射した光に位相差を付与することができる。これは、液晶25のリタデーション(複屈折率と厚みL1との積)の設定により実現され得る。本実施形態では、入射した光に1/4波長の位相差を付与するリタデーションが設定されている。
【0063】
発光パネル9の素子基板31は、第3基板111と、素子層113と、を有している。
第3基板111は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面13側に向けられた第1面112aと、底面29側に向けられた第2面112bとを有している。
素子層113は、第3基板111の第2面112bに設けられている。素子層113には、絶縁膜115と、反射膜117と、絶縁膜119と、画素電極81と、隔壁121と、機能層83と、共通電極85と、が含まれている。
【0064】
絶縁膜115は、第3基板111の第2面112bに設けられている。絶縁膜115としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、アクリル系の樹脂などの光透過性を有する材料が採用され得る。
絶縁膜115の底面29側には、EL素子35ごとに、反射膜117が設けられている。反射膜117としては、例えば、金や、銀、アルミニウムなどの高い光反射性を有する材料が採用され得る。本実施形態では、反射膜117の材料として、アルミニウムが採用されている。
絶縁膜115及び反射膜117の底面29側には、反射膜117を底面29側から覆う絶縁膜119が設けられている。絶縁膜119としては、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、アクリル系の樹脂などの光透過性を有する材料が採用され得る。
絶縁膜119の底面29側には、EL素子35ごとに、画素電極81が設けられている。画素電極81の材料としては、ITOやインジウム亜鉛酸化物などが採用され得る。本実施形態では、画素電極81の材料としてITOが採用されている。
【0065】
絶縁膜119の底面29側において、隣り合う画素電極81同士の間には、各EL素子35の領域123を区画する隔壁121が設けられている。隔壁121は、例えば、アクリル系の樹脂やポリイミド樹脂などの光透過性を有する材料で構成されている。本実施形態では、隔壁121の材料としてアクリル系の樹脂が採用されている。
隔壁121は、平面視で、表示領域12(図1)にわたって網目状に設けられている。隔壁121は、図8に示すように、EL素子35ごとに、EL素子35の領域123を囲んでいる。このため、EL素子35は、隔壁121によって区画されている。
【0066】
画素電極81の底面29側には、機能層83が設けられている。
機能層83の底面29側には、共通電極85が設けられている。共通電極85は、複数のEL素子35間にまたがって一連した状態で設けられている。共通電極85の材料としては、例えば、マグネシウムと銀とを含む合金や、カルシウムなどが採用され得る。本実施形態では、共通電極85の材料として、マグネシウムと銀とを含む合金(以下、MgAgと呼ぶ)が採用されている。
【0067】
本実施形態では、各EL素子35において発光に有効な領域(以下、発光領域と呼ぶ)は、領域123内で平面視で画素電極81と機能層83と共通電極85とが重なる領域であると定義され得る。また、本実施形態において、発光機能を発揮させる要素の一群が1つのEL素子35であると定義され得る。このため、本実施形態では、1つのEL素子35は、領域123に重なる画素電極81と、機能層83と、領域123に重なる共通電極85と、を含んでいる。本実施形態では、各EL素子35において発光領域は、領域123と同等である。そして、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sの3種類において、領域123の大きさは、相互に異なっている。
なお、上述した反射膜117は、平面視で領域123に重なる領域内に設けられる。本実施形態では、反射膜117が設けられている領域は、領域123と同等である。これにより、反射膜117が設けられている領域と発光領域とを同等にすることができるため、画素11の開口率の低下を抑えやすくすることができる。
【0068】
封止基板33は、第4基板131と、対向層133と、を有している。第4基板131は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料で構成されており、表示面13側に向けられた対向面132aと、底面29側に向けられた外向面132bとを有している。
対向層133は、第4基板131の対向面132aに設けられている。対向層133は、カラーフィルター135と、オーバーコート層137と、を含んでいる。
カラーフィルター135は、EL素子35ごとに設けられている。カラーフィルター135は、平面視で領域123に重なる領域内に設けられている。
カラーフィルター135は、所定の波長域の光を透過させることができる。カラーフィルター135は、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに異なる色に着色された樹脂などで構成されている。EL素子35Rに対応するカラーフィルター135は、Rの光を透過させることができる。EL素子35Gに対応するカラーフィルター135はGの光を透過させ、EL素子35Bに対応するカラーフィルター135はBの光を透過させることができる。なお、以下において、各カラーフィルター135に対してR、G及びBが識別される場合に、カラーフィルター135R,135G及び135Bという表記が用いられる。
【0069】
カラーフィルター135の表示面13側には、オーバーコート層137が設けられている。オーバーコート層137は、光透過性を有する樹脂などで構成されており、カラーフィルター135を表示面13側から覆っている。なお、封止基板33の構成としては、隣り合うカラーフィルター135同士間に光吸収層を設けた構成も採用され得る。この場合、光吸収層は、対向面132aに設けられる。この構成により、表示におけるコントラストの向上を図りやすくすることができる。光吸収層の材料としては、例えば、カーボンブラックやクロムなどの光吸収性が高い材料を含有する樹脂などが採用され得る。
【0070】
上記の構成を有する素子基板31及び封止基板33は、素子基板31の共通電極85と封止基板33のオーバーコート層137との間が、接着剤37を介して接合されている。
本実施形態では、図2に示すシール材39は、図8に示す第3基板111の第2面112bと、第4基板131の対向面132aとによって挟持されている。つまり、本実施形態では、EL素子35及び接着剤37が、第3基板111及び第4基板131並びにシール材39によって封止されている。なお、シール材39は、オーバーコート層137及び共通電極85の間に設けられていてもよい。この場合、EL素子35及び接着剤37は、素子基板31及び封止基板33並びにシール材39によって封止されているとみなされ得る。
【0071】
ところで、本実施形態では、機能層83は、図8中のEL素子35の拡大図である図9に示すように、有機層141と、電子注入層143と、を含んでいる。
有機層141は、画素電極81の底面29側に設けられている。電子注入層143は、有機層141の底面29側に設けられている。
有機層141は、正孔注入層151と、正孔輸送層153と、発光層155と、中間層157と、発光層159と、発光層161と、電子輸送層163と、を含んでいる。
正孔注入層151は、有機材料を含む材料で構成されており、平面視で隔壁121によって囲まれた領域内で、画素電極81の底面29側に設けられている。
【0072】
正孔注入層151の有機材料としては、例えば、HI406(出光興産株式会社製)が採用され得る。そして、正孔注入層151は、蒸着技術を活用することによって設けられ得る。
なお、蒸着技術を活用した材料の配置は、蒸着法と呼ばれる。本実施形態では、蒸着法で正孔注入層151を、平面視で表示領域12(図1)に重なる領域にわたって形成する方法が採用されている。これにより、正孔注入層151は、複数のEL素子35間にまたがって形成される。このため、隔壁121の底面29側にも、正孔注入層151が形成されている。
【0073】
正孔輸送層153は、有機材料を含む材料で構成されており、正孔注入層151の底面29側に設けられている。正孔輸送層153の材料としては、例えば、HT320(出光興産株式会社製)が採用され得る。そして、本実施形態では、正孔輸送層153は、蒸着法によって形成されている。
発光層155は、有機材料を含む材料で構成されており、正孔輸送層153の底面29側に設けられている。
発光層155の材料としては、導電性を担保するホスト材料に、電子と正孔との結合により発光する機能を有するドーパントを混入したものが採用され得る。そして、本実施形態では、発光層155は、蒸着法によって形成されている。
発光層155は、Rの光を発する層である。Rの光を発する発光層155の材料としては、例えば、ホスト材料としてのBH215(出光興産株式会社製)に、ドーパントとしてのRD001(出光興産株式会社製)を混入した構成が採用され得る。
【0074】
中間層157は、有機材料を含む材料で構成されており、発光層155の底面29側に設けられている。中間層157を構成する材料としては、例えば、αNPDなどが採用され得る。
発光層159は、有機材料を含む材料で構成されており、中間層157の底面29側に設けられている。
発光層159の材料としては、導電性を担保するホスト材料に、電子と正孔との結合により発光する機能を有するドーパントを混入したものが採用され得る。そして、本実施形態では、発光層159は、蒸着法によって形成されている。
発光層159は、Bの光を発する層である。Bの光を発する発光層159の材料としては、例えば、ホスト材料としてのBH215(出光興産株式会社製)に、ドーパントとしてのBD102(出光興産株式会社製)を混入した構成が採用され得る。
【0075】
発光層161は、有機材料を含む材料で構成されており、発光層159の底面29側に設けられている。
発光層161の材料としては、導電性を担保するホスト材料に、電子と正孔との結合により発光する機能を有するドーパントを混入したものが採用され得る。そして、本実施形態では、発光層161は、蒸着法によって形成されている。
発光層161は、Gの光を発する層である。Gの光を発する発光層161の材料としては、例えば、ホスト材料としてのBH215(出光興産株式会社製)に、ドーパントとしてのGD206(出光興産株式会社製)を混入した構成が採用され得る。
本実施形態では、複数のEL素子35は、それぞれ、発光層155、発光層159及び発光層161を有している。このため、各EL素子35から底面29側に向かって射出する光、すなわち各EL素子35からカラーフィルター135に向かう光には、Rの光、Bの光及びGの光が含まれている。本実施形態では、各EL素子35からカラーフィルター135に向かう光は、略白色を呈している。
【0076】
電子輸送層163は、有機材料を含む材料で構成されており、発光層161の底面29側に設けられている。
電子輸送層163の材料としては、Alq3(トリス8−キノリノラトアルミニウム錯体)などが採用され得る。そして、本実施形態では、電子輸送層163は、蒸着法によって形成されている。
なお、中間層157は、電子及び正孔の移動度を調整する機能を有している。中間層157によって、発光層155、発光層159及び発光層161のそれぞれにおける発光機能が保たれる。
電子注入層143は、電子輸送層163の底面29側に設けられている。電子注入層143の材料としては、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、酸化マグネシウムなどが採用され得る。本実施形態では、電子注入層143の材料として、フッ化リチウムが採用されている。
【0077】
光検出部6は、模式的な断面図である図10に示すように、3つの検出素子171を有している。各検出素子171は、フォトセンサー173と、カラーフィルター175と、を有している。フォトセンサー173としては、例えば、フォトダイオードなどが採用され得る。
フォトセンサー173は、照射された光の光量に応じた大きさの信号を検出信号として出力する。
各カラーフィルター175は、各フォトセンサー173の受光面側に設けられており、平面視で、各フォトセンサー173の受光面に重なっている。
【0078】
カラーフィルター175には、Rの光を透過させ得るカラーフィルター175Rと、Gの光を透過させ得るカラーフィルター175Gと、Bの光を透過させ得るカラーフィルター175Bと、が含まれている。以下において、カラーフィルター175Rを有する検出素子171は、検出素子171Rと表記されることがある。同様に、カラーフィルター175Gを有する検出素子171が検出素子171Gと表記されることがあり、カラーフィルター175Bを有する検出素子171が検出素子171Bと表記されることがある。以下においては、検出素子171という表記と、検出素子171R、検出素子171G及び検出素子171Bという表記とが、適宜、使いわけられる。
【0079】
また、検出素子171Rのフォトセンサー173がフォトセンサー173Rと表記されることがある。同様に検出素子171Gのフォトセンサー173がフォトセンサー173Gと表記されることがあり、検出素子171Bのフォトセンサー173がフォトセンサー173Bと表記されることがある。
検出素子171Rでは、外光のうちカラーフィルター175Rを透過したRの光がフォトセンサー173Rに照射される。フォトセンサー173Rは、受光したRの光の光量に応じた大きさの検出信号SRを出力する。
検出素子171Gでは、外光のうちカラーフィルター175Gを透過したGの光がフォトセンサー173Gに照射される。フォトセンサー173Gは、受光したGの光の光量に応じた大きさの検出信号SGを出力する。
検出素子171Bでは、外光のうちカラーフィルター175Bを透過したBの光がフォトセンサー173Bに照射される。フォトセンサー173Bは、受光したBの光の光量に応じた大きさの検出信号SBを出力する。
なお、外光は、発光パネル9から射出される光とは異なる光である。上述したように、本実施形態では、光検出部6によって、外光の強度をR、G及びBごとに検出することができる。
【0080】
制御部5は、表示装置1のブロック図である図11に示すように、演算処理部181と、発光制御部183と、画像制御部185と、を有している。
演算処理部181には、光検出部6から、検出信号SR、検出信号SG、及び検出信号SBが入力される。演算処理部181は、検出信号SR、検出信号SG、及び検出信号SBに基づいて、発光制御部183に制御信号LSを出力する。制御信号LSには、R、G及びBごとに、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sのいずれを点灯させるかを指示する情報が含まれている。
発光制御部183は、制御信号LSに基づいて、発光パネル9に、選択信号STと、接続信号SWと、を出力する。選択信号STは、前述したように、接続選択回路86に入力される。接続信号SWは、前述したように、接続選択回路87に入力される。電源線89には、接続選択回路87を介して電力PWが供給される。
【0081】
ここで、制御信号LSには、例えば、検出信号SR、検出信号SG及び検出信号SBの大きさが相互に略同等であるとき、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sのうちのいずれか1種類の点灯を指示する情報が含まれる。さらに、このときの外光の強さに応じて、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sのうちのいずれか1種類が選択される。
ここで、本実施形態では、外光の強度において、標準値が定められている。検出信号SR、検出信号SG及び検出信号SBを標準値と比較することによって、外光の強弱を把握することができる。
例えば、暗い室内の場合には、標準値に比較して外光の強度が弱いので、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35SのうちでEL素子35Lの点灯が指示される。
他方で、晴天の屋外では、標準値に比較して外光の強度が強いので、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35SのうちでEL素子35Sの点灯が指示される。
【0082】
また、例えば、検出信号SRの大きさが、検出信号SGや検出信号SBに比較して小さいとき、EL素子35Rにおいては、EL素子35Lの点灯が指示され、EL素子35GやEL素子35Bでは、EL素子35MやEL素子35Sの点灯が指示される。これにより、表示における画像光において、外光において相対的に弱いRの光を、発光パネル9において補うことができる。この結果、外光のスペクトルが変化しても、表示における画像の色合いを維持しやすくすることができる。
【0083】
画像制御部185は、液晶パネル15に、走査信号PLSと、画像データDATAと、共通信号Vcと、を出力する。走査信号PLSは、走査線駆動回路55に入力される。画像データDATAは、信号線駆動回路57に入力される。共通信号Vcは、共通電極65に入力される。
走査信号PLSは、1フレーム期間の開始を規定する信号である。画像データDATAは、各画素11における階調を指示するデータであり、画素行53(図3)単位で信号線駆動回路57に出力される。
【0084】
走査線駆動回路55は、入力された走査信号PLSに基づいて、走査線Te(n)に順次に選択信号ge(n)を出力する。
信号線駆動回路57は、入力された画像データDATAに基づいて、各画素11に対応するデータ信号de(m)を、複数の信号線Se(m)に画素行53単位でまとめて出力する。
共通電極65は、共通信号Vcに応じた電位に保たれる。
【0085】
上記の構成を有する表示装置1では、発光パネル9から画像形成パネル7に光を照射した状態で、液晶25(図8)の配向状態を画素11ごとに変化させることにより、表示が制御される。液晶25の配向状態は、画素電極63及び共通電極65間に印加する電圧(以下、駆動電圧と呼ぶ)を制御することによって変化し得る。
液晶パネル15では、画素電極63と共通電極65との間に電圧を印加すると、画素電極63と共通電極65との間に電界が発生する。この電界によって液晶25の配向状態を画素11ごとに変化させることができる。
本実施形態では、液晶25に電界が作用すると、液晶25がオン状態になる。他方で、液晶25に作用する電界が解除されると、液晶25がオフ状態になる。
配向膜95及び配向膜103のそれぞれには、配向処理が施されている。配向処理が施された配向膜95及び配向膜103によって、液晶25の初期的な配向状態が規制される。
表示装置1では、駆動電圧が0Vのときに、液晶25がオフ状態にある。他方で、駆動電圧が0Vを超えると、液晶25がオフ状態からオン状態に変化する。
【0086】
図12(a)は、液晶25がオフ状態のときの画像形成パネル7における偏光状態を示す図であり、図12(b)は、液晶25がオン状態のときの画像形成パネル7における偏光状態を示す図である。
画像形成パネル7では、平面視で偏光板19の透過軸19aが延在する方向をX'方向としたときに、位相差板17の遅相軸17aは、図12(a)及び図12(b)に示すように、X'方向に対して反時計方向に略22.5度の傾きを有する方向に延在している。
なお、図12(a)及び図12(b)において、Y'方向は、平面視でX'方向に直交する方向を示している。X'方向及びY'方向は、XY平面内で互いに直交する任意の2方向である。
【0087】
表示面13側から偏光板19を介して画像形成パネル7に入射した光は、図12(a)及び図12(b)に示すように、偏光板19の透過軸19aの方向に沿った偏光軸を有する直線偏光191として、位相差板17に入射する。
位相差板17に入射した直線偏光191は、1/2波長の位相差が与えられ、直線偏光192として液晶25に入射する。直線偏光192の偏光軸は、平面視でX'方向に対して反時計方向に略45度の傾きを有する方向に沿っている。
液晶25に入射した直線偏光192は、液晶25がオフ状態にあるときに、図12(a)に示すように、1/4波長の位相差が与えられ、この図で見て左回りの円偏光193として画素電極63に向かう。
円偏光193は、画素電極63で反射し、この図で見て右回りすなわち円偏光193とは逆回転の円偏光194として液晶25に入射する。
なお、本実施形態では、画像形成パネル7に入射した光の進路は、偏光板19から位相差板17及び液晶25を経て底面29側に向かい、画素電極63で表示面13側に屈曲している。これは、表示面13側から底面29側に向かう光が、画素電極63の光反射性によって表示面13側に反射するためである。
【0088】
液晶25に入射した円偏光194は、1/4波長の位相差が与えられ、平面視でX'方向に対して時計方向に略45度の傾きを有する方向に沿った偏光軸を有する直線偏光195として位相差板17に入射する。
位相差板17に入射した直線偏光195は、1/2波長の位相差が与えられ、直線偏光196として偏光板19に入射する。直線偏光196の偏光軸は、平面視でX'方向に対して時計方向に略90度の傾きを有する方向(略Y'方向)に沿っている。このため、直線偏光196は、ほとんどが偏光板19によって吸収される。
このように、表示装置1では、液晶25がオフ状態にあるときには、発光パネル9からの光が画像形成パネル7によって、進路の途中で遮断される。発光パネル9からの光が画像形成パネル7によって遮断される状態は、黒表示と呼ばれる。本実施形態では、液晶25がオフ状態にあるときに黒表示が行われる所謂ノーマリーブラックの表示モードが採用されている。
【0089】
他方で、液晶25がオン状態にあるときに、液晶25に入射した直線偏光192は、図12(b)に示すように、偏光状態が維持されたまま直線偏光192として画素電極63に向かう。
画素電極63に向かう直線偏光192は、偏光状態が維持されたまま画素電極63で反射し、液晶25に入射する。
画素電極63から液晶25に入射した直線偏光192は、偏光状態が維持されたまま位相差板17に入射する。位相差板17に入射した直線偏光192は、1/2波長の位相差が与えられ、平面視でX'方向に略沿った偏光軸を有する直線偏光197として偏光板19に入射する。偏光板19に入射した直線偏光197は、偏光軸が偏光板19の透過軸19aの方向に沿っているため、偏光板19を透過し得る。
このように、表示装置1では、液晶25がオン状態にあるときには、発光パネル9からの光が画像形成パネル7を介して表示面13側に射出し得る。発光パネル9からの光が画像形成パネル7を介して表示面13側に射出する状態は、白表示と呼ばれる。
【0090】
表示装置1では、白表示において、液晶25の分子の傾きを制御することによって、偏光板19を表示面13側に透過する光の量を絞る(変化させる)ことができる。すなわち、表示装置1では、白表示において、液晶25の分子の傾きを制御することによって、偏光板19を表示面13側に透過する光の量を制御することができる。これにより、画像形成パネル7を介して表示面13側に射出する光の量を画素11ごとに制御することができる。つまり、画像形成パネル7では、表示面13側に射出する光の輝度を画素11ごとに変化させることができる。この結果、表示装置1では、表示における階調表現が実現され得る。
表示装置1では、画像形成パネル7を介して表示面13側に射出する光の輝度は、駆動電圧の大きさに応じて高くなる。つまり、表示装置1では、駆動電圧の大きさを制御することによって、表示における階調表現が実現され得る。
なお、本実施形態では、ノーマリーブラックの表示モードが採用されているが、表示モードは、これに限定されず、ノーマリーホワイト(初期的に“白表示”の状態)も採用され得る。
【0091】
本実施形態において、EL素子35、EL素子35L、EL素子35M、及びEL素子35Sが、それぞれ発光素子に対応している。また、EL素子35Rが赤系素子に対応し、EL素子35Gが緑系素子に対応し、EL素子35Bが青系素子に対応している。また、検出素子171が光検出素子に対応し、カラーフィルター175Rが赤系フィルターに対応し、カラーフィルター175Gが緑系フィルターに対応し、カラーフィルター175Bが青系フィルターに対応し、フォトセンサー173が受光素子に対応している。また、発光パネル9が発光部としての照明装置に対応し、画像形成パネル7が画像形成部に対応し、画素電極81及び共通電極85が一対の電極に対応し、反射膜117が反射層に対応している。
本実施形態では、発光パネル9からの光の量を、画像形成パネル7の画素11ごとに制御することによって、画像における階調表現が実現され得る。このため、有機EL装置である発光パネル9における階調表現を省略することができる。この結果、有機EL装置である発光パネル9で階調表現を実現する場合に比較して、EL素子35ごとに発光を制御する回路を簡略化しやすくすることができる。これにより、表示装置1のコストを軽減しやすくすることができる。
【0092】
第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、表示パネル3は、図13に示すように、発光パネル201を有している。第2実施形態における表示装置1は、第1実施形態における発光パネル9(図8)が発光パネル201に替えられていることを除いては、第1実施形態における表示装置1と同様の構成を有している。このため、以下においては、第1実施形態における表示装置1と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0093】
発光パネル201は、素子基板203と、封止基板205と、を有している。
発光パネル201は、機能層83の構成が、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに異なることと、カラーフィルター135及びオーバーコート層137が省略されていることとを除いては、第1実施形態における発光パネル9(図8)と同様の構成を有している。このため、以下においては、第1実施形態における発光パネル9と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0094】
発光パネル201では、EL素子35から射出して封止基板205に向かう光の色が、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに異なっている。EL素子35Rは、Rの光を射出する。EL素子35GがGの光を射出し、EL素子35BがBの光を射出する。これは、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに、機能層83の構成を異ならせることによって実現され得る。以下において、機能層83をR、G及びBごとに識別する場合に、機能層83R、機能層83G及び機能層83Bという表記が用いられる。
封止基板205は、第4基板131を有している。封止基板205は、第1実施形態における封止基板33(図8)からカラーフィルター135及びオーバーコート層137を省略した構成を有している。
【0095】
機能層83は、図13中のEL素子35Rの拡大図である図14に示すように、有機層207を有している。
機能層83Rにおける有機層207は、領域123内において、表示面13側から底面29側に向かって順に、正孔注入層151、正孔輸送層153、発光層155、及び電子輸送層163を有している。
図示を省略するが、機能層83Gにおける有機層207は、領域123内において、表示面13側から底面29側に向かって順に、正孔注入層151、正孔輸送層153、発光層161、及び電子輸送層163を有している。
【0096】
同様に、機能層83Bにおける有機層207は、領域123内において、表示面13側から底面29側に向かって順に、正孔注入層151、正孔輸送層153、発光層159、及び電子輸送層163を有している。
第2実施形態では、発光層155と、発光層159と、発光層161とは、X方向に並ぶEL素子35間で相互に分離している。つまり、発光層155、発光層159と、発光層161とは、それぞれ、X方向に並ぶEL素子35R、EL素子35B及びEL素子35Gごとに個別に設けられている。
これは、マスクを用いたマスク蒸着法を活用することによって、発光層155、発光層159と、発光層161とを、それぞれ、EL素子35R、EL素子35B及びEL素子35Gごとに個別に形成することによって実現され得る。
【0097】
第2実施形態では、発光パネル201が発光部に対応している。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第2実施形態では、第1実施形態に比較して、有機層207の厚みを薄くしやすい。さらに、第2実施形態では、カラーフィルター135を省略することができる。これらにより、第2実施形態では、第1実施形態に比較して、発光パネル201の厚みを薄くしやすくすることができる。この結果、第2実施形態では、第1実施形態に比較して、表示装置1を薄くしやすくすることができる。
【0098】
第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、表示パネル3は、図15に示すように、発光パネル211を有している。第3実施形態における表示装置1は、第1実施形態における発光パネル9(図8)が発光パネル211に替えられていることを除いては、第1実施形態における表示装置1と同様の構成を有している。このため、以下においては、第1実施形態における表示装置1と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
発光パネル211は、素子基板213と、封止基板205と、を有している。
発光パネル211は、画素電極81の厚みが、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに異なることと、封止基板33が封止基板205に替えられていることとを除いては、発光パネル9(図8)と同様の構成を有している。このため、以下においては、第1実施形態における発光パネル9や、第2実施形態における発光パネル201と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0099】
発光パネル211では、反射膜117と共通電極85との間の距離が、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに異なる距離に設定されている。
EL素子35Rでは、反射膜117と共通電極85との間の距離が、D1の距離に設定されている。EL素子35Gでは、反射膜117と共通電極85との間の距離が、D2の距離に設定されている。EL素子35Bでは、反射膜117と共通電極85との間の距離が、D3の距離に設定されている。
発光パネル211では、D1と、D2と、D3とは、D1>D2>D3の関係を満たしている。
そして、発光パネル211では、D1>D2>D3の関係は、画素電極81の厚みをEL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bごとに異なる厚みに設定することによって実現されている。発光パネル211では、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bのうち、EL素子35Rにおける画素電極81の厚みが最も厚い。発光パネル211では、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bのうち、EL素子35Bにおける画素電極81の厚みが最も薄い。
【0100】
発光パネル211では、EL素子35のそれぞれにおいて、機能層83における有機層141(図9)からの光には、発光層155からのRの光と、発光層159からのBの光と、発光層161からのGの光と、が含まれている。
EL素子35のそれぞれにおいて、機能層83から射出する光には、機能層83から底面29側に向かう光と、機能層83から表示面13側に向かう光とが含まれる。
機能層83から表示面13側に向かう光の一部は、画素電極81を透過してから、反射膜117で底面29側に反射する。
【0101】
このとき、EL素子35Rでは、反射膜117で底面29側に反射した反射光に含まれるRの光と、機能層83から直接的に底面29側に向かう光(以下、直接光と呼ぶ)に含まれるRの光とが、共振現象によって互いに強め合う。換言すれば、EL素子35Rでは、D1の距離は、反射光に含まれるRの光と直接光に含まれるRの光とが互いに強め合う距離に設定されている。
EL素子35Gでは、反射光に含まれるGの光と、直接光に含まれるGの光とが、共振現象によって互いに強め合う。EL素子35Gでは、D2の距離は、反射光に含まれるGの光と直接光に含まれるGの光とが互いに強め合う距離に設定されている。
同様に、EL素子35Bでは、反射光に含まれるBの光と、直接光に含まれるBの光とが、共振現象によって互いに強め合う。EL素子35Bでは、D3の距離は、反射光に含まれるBの光と直接光に含まれるBの光とが互いに強め合う距離に設定されている。
【0102】
発光パネル211では、これらのD1、D2及びD3の距離の設定により、EL素子35RからRの光を射出させ、EL素子35GからGの光を射出させ、EL素子35BからBの光を射出させることができる。
第3実施形態では、発光パネル211が発光部に対応している。
第3実施形態においても、第1実施形態及び第2実施形態のそれぞれと同様の効果が得られる。
【0103】
第4実施形態について説明する。
第4実施形態では、表示パネル3は、図16に示すように、発光パネル221を有している。第4実施形態における表示装置1は、第1実施形態における発光パネル9(図8)が発光パネル221に替えられていることを除いては、第1実施形態における表示装置1と同様の構成を有している。このため、以下においては、第1実施形態における表示装置1と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
発光パネル221は、素子基板213と、封止基板33と、を有している。
発光パネル221は、第3実施形態における発光パネル211(図15)の封止基板205が封止基板33に替えられていることを除いては、発光パネル211と同様の構成を有している。このため、以下においては、第1実施形態や、第2実施形態や、第3実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0104】
第4実施形態では、発光パネル221が発光部に対応している。
第4実施形態においても、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態のそれぞれと同様の効果が得られる。
また、第4実施形態では、EL素子35と画像形成パネル7との間にカラーフィルター135が介在しているので、EL素子35R、EL素子35G及びEL素子35Bのそれぞれから射出した光の色純度が高められる。これにより、表示装置1の表示における表示品位の向上が図られる。
【0105】
なお、第1〜第4実施形態では、それぞれ、EL素子35の種類として、EL素子35L、EL素子35M及びEL素子35Sの3種類が採用されている。しかしながら、EL素子35の種類は、3種類に限定されず、2種類以上の任意の種類数が採用され得る。
また、第1〜第4実施形態では、それぞれ、1つの画素11に対して3つのEL素子35を対応させた構成が例示されている。しかしながら、1つの画素11に対応させるEL素子35の数は、これに限定されず、2つ以上の任意の個数が採用され得る。1つの画素11に対応させる複数のEL素子35に、発光領域の大きさが相互に異なる複数の種類が含まれていれば、発光領域の大きさが相互に同じである複数のEL素子35が含まれていてもよい。
【0106】
また、第1〜第4実施形態では、それぞれ、TN型の液晶25を例に説明したが、液晶25はこれに限定されず、FFS(Fringe Field Switching)型、IPS(In Plane Switching)型、VA(Vertical Alignment)型等の種々の型が採用され得る。
また、第1〜第4実施形態では、それぞれ、表示装置1の構成として、反射型の液晶パネル15の表示面13側に発光パネル9,201,211,221を配置した構成が採用されている。この場合、発光パネル9,201,211,221は、それぞれ、所謂フロントライトとして機能する。しかしながら、表示装置1の構成は、これに限定されず、透過型の液晶パネルの底面29側に発光パネル9,201,211,221を配置した構成も採用され得る。この場合、発光パネル9,201,211,221は、それぞれ、所謂バックライトとして機能する。
【0107】
また、第1〜第4実施形態では、それぞれ、画像形成パネル7に液晶パネル15が採用されているが、画像形成パネル7はこの構成に限定されず、電気泳動素子を利用した電気泳動パネルも採用され得る。
また、第1〜第4実施形態では、それぞれ、発光パネル9,201,211,221としてトップエミッション型の有機EL装置が採用されている。しかしながら、発光パネル9,201,211,221の構成は、これに限定されず、ボトムエミッション型の有機EL装置も採用され得る。
【0108】
また、第1実施形態及び第4実施形態では、それぞれ、発光パネル9,221にカラーフィルター135を設けた構成が例示されているが、表示パネル3の構成はこれに限定されない。表示パネル3の構成としては、液晶パネル15にカラーフィルター135を設けた構成も採用され得る。
さらに、第1実施形態及び第4実施形態のそれぞれにおいて、液晶パネル15にもカラーフィルター135を付加した構成も採用され得る。この構成では、発光パネル9,221と、液晶パネル15の双方にカラーフィルター135が設けられるので、光の色純度を一層向上させることができる。
【0109】
また、第2実施形態では、カラーフィルター135を省略した構成が例示されているが、表示パネル3の構成はこれに限定されない。表示パネル3の構成としては、第2実施形態における表示パネル3にカラーフィルター135を設けた構成も採用され得る。これにより、第2実施形態における表示パネル3での光の色純度を向上させることができる。
第2実施形態における表示パネル3にカラーフィルター135を設けた構成としては、発光パネル201にカラーフィルター135を設けた構成、及び、液晶パネル15にカラーフィルター135を設けた構成のいずれの構成も採用され得る。
さらに、第2実施形態における表示パネル3では、発光パネル201及び液晶パネル15の双方にカラーフィルター135を設けた構成も採用され得る。これにより、第2実施形態における表示パネル3での光の色純度を一層向上させることができる。
【0110】
上述した表示装置1は、例えば、図17に示す電子機器500の表示部510に適用され得る。この電子機器500は、携帯電話機である。この電子機器500は、操作ボタン511を有している。表示部510は、操作ボタン511で入力した内容や着信情報を始めとする様々な情報について表示を行うことができる。この電子機器500では、表示部510に表示装置1が適用されているので、表示部510における画像の色合いを維持しやすくすることができる。
なお、電子機器500としては、携帯電話機に限られず、モバイルコンピューター、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、カーナビゲーションシステム用の表示機器などの車載機器、オーディオ機器等の種々の電子機器が挙げられる。
【符号の説明】
【0111】
1…表示装置、3…表示パネル、5…制御部、6…光検出部、7…画像形成パネル、9…発光パネル、11…画素、13…表示面、15…液晶パネル、25…液晶、29…底面、31…素子基板、33…封止基板、35…EL素子、35R,35G,35B…EL素子、35L,35M,35S…EL素子、63…画素電極、65…共通電極、71…素子列、71R,71G,71B…素子列、73…素子行、73L,73M,73S…素子行、75…複合素子、81…画素電極、83…機能層、85…共通電極、86…接続選択回路、87…接続選択回路、88…共通線、89…電源線、135…カラーフィルター、141…有機層、143…電子注入層、151…正孔注入層、153…正孔輸送層、155…発光層、157…中間層、159…発光層、161…発光層、163…電子輸送層、171…検出素子、171R,171G,171B…検出素子、173…フォトセンサー、173R,173G,173B…フォトセンサー、175…カラーフィルター、175R,175G,175B…カラーフィルター、181…演算処理部、183…発光制御部、185…画像制御部、201…発光パネル、207…有機層、211…発光パネル、213…素子基板、221…発光パネル、500…電子機器、510…表示部、511…操作ボタン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を有し、
前記発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有しており、
前記複数の発光素子には、赤系の色の光を発する複数の赤系素子と、緑系の色の光を発する複数の緑系素子と、青系の色の光を発する複数の青系素子と、が含まれており、
前記複数の赤系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれており、
前記複数の緑系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれており、
前記複数の青系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれている、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色ごとに、前記発光素子からの光とは異なる外光の強度を検出する光検出素子を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記赤系の色に対応する前記光検出素子は、前記赤系の色の光を透過する赤系フィルターと、前記赤系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、
前記緑系の色に対応する前記光検出素子は、前記緑系の色の光を透過する緑系フィルターと、前記緑系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、
前記青系の色に対応する前記光検出素子は、前記青系の色の光を透過する青系フィルターと、前記青系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有している、
ことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
複数の発光素子が設けられ、前記発光素子ごとに光を発する発光部と、
複数の画素が区分され、前記発光部からの光の量を前記光の進路の途中で前記画素ごとに選択的に制御することによって画像を形成する画像形成部と、を含み、
前記発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有しており、
前記複数の画素には、前記発光素子から赤系の色の光を受ける赤系画素と、前記発光素子から緑系の色の光を受ける緑系画素と、前記発光素子から青系の色の光を受ける青系画素と、が含まれており、
前記赤系画素、前記緑系画素及び前記青系画素のそれぞれにおいて、1つの前記画素に複数の前記発光素子が対応しており、
前記1つの画素に対応する前記複数の発光素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれている、
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色ごとに、前記発光部からの光とは異なる外光の強度を検出する光検出素子を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記赤系の色に対応する前記光検出素子は、前記赤系の色の光を透過する赤系フィルターと、前記赤系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、
前記緑系の色に対応する前記光検出素子は、前記緑系の色の光を透過する緑系フィルターと、前記緑系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、
前記青系の色に対応する前記光検出素子は、前記青系の色の光を透過する青系フィルターと、前記青系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有している、
ことを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記発光部と前記画像形成部とが、互いに対向している、ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記画像形成部は、照射された光を反射させる光反射性を有しており、
前記発光部からの前記光の前記進路が、前記画像形成部での光反射性によって屈曲している、
ことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記画像形成部は、電界を形成する一対の電極と、前記一対の電極間に介在する液晶と、を有する、
ことを特徴とする請求項4乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項10】
前記画像形成部を制御する画像制御部と、
前記発光部を制御する発光制御部と、を有し、
前記画像制御部は、前記画像を更新期間ごとに更新させながら、前記画像形成部に前記画像を形成させ、
前記複数の発光素子の発光を許可する期間は、各前記更新期間において、前記発光領域の大きさごとに異なる期間に設定されており、
前記発光制御部は、前記発光領域の大きさごとに設定された前記期間のそれぞれにおいて、発光が許可される前記発光素子の発光状態及び停止状態を選択的に、前記発光素子ごとに制御する、
ことを特徴とする請求項4乃至9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項11】
前記発光部において、前記発光層の前記進路とは反対側に、前記発光層からの光の少なくとも一部を前記発光層側に反射させる反射層が、前記発光素子ごとに設けられており、
前記発光層と前記反射層との間の距離が、前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色ごとに異なっている、
ことを特徴とする請求項4乃至10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項12】
前記発光素子と前記画素との間において、前記赤系画素、前記緑系画素及び前記青系画素ごとに、前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色のそれぞれに対応する色の光を透過させるカラーフィルターが設けられている、
ことを特徴とする請求項11に記載の電気光学装置。
【請求項13】
前記赤系画素に対応する前記発光素子は、前記赤系の色の光を発する前記発光層を有しており、
前記緑系画素に対応する前記発光素子は、前記緑系の色の光を発する前記発光層を有しており、
前記青系画素に対応する前記発光素子は、前記青系の色の光を発する前記発光層を有している、
ことを特徴とする請求項4乃至10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項14】
請求項4乃至13のいずれか一項に記載の電気光学装置を有する、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項1】
複数の発光素子を有し、
前記発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有しており、
前記複数の発光素子には、赤系の色の光を発する複数の赤系素子と、緑系の色の光を発する複数の緑系素子と、青系の色の光を発する複数の青系素子と、が含まれており、
前記複数の赤系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれており、
前記複数の緑系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれており、
前記複数の青系素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれている、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色ごとに、前記発光素子からの光とは異なる外光の強度を検出する光検出素子を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記赤系の色に対応する前記光検出素子は、前記赤系の色の光を透過する赤系フィルターと、前記赤系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、
前記緑系の色に対応する前記光検出素子は、前記緑系の色の光を透過する緑系フィルターと、前記緑系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、
前記青系の色に対応する前記光検出素子は、前記青系の色の光を透過する青系フィルターと、前記青系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有している、
ことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
複数の発光素子が設けられ、前記発光素子ごとに光を発する発光部と、
複数の画素が区分され、前記発光部からの光の量を前記光の進路の途中で前記画素ごとに選択的に制御することによって画像を形成する画像形成部と、を含み、
前記発光素子は、互いに対向する電極同士間に、発光層を含む有機層が介在した構成を有しており、
前記複数の画素には、前記発光素子から赤系の色の光を受ける赤系画素と、前記発光素子から緑系の色の光を受ける緑系画素と、前記発光素子から青系の色の光を受ける青系画素と、が含まれており、
前記赤系画素、前記緑系画素及び前記青系画素のそれぞれにおいて、1つの前記画素に複数の前記発光素子が対応しており、
前記1つの画素に対応する前記複数の発光素子には、発光領域の大きさが相互に異なる複数の前記発光素子が含まれている、
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項5】
前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色ごとに、前記発光部からの光とは異なる外光の強度を検出する光検出素子を有する、
ことを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
前記赤系の色に対応する前記光検出素子は、前記赤系の色の光を透過する赤系フィルターと、前記赤系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、
前記緑系の色に対応する前記光検出素子は、前記緑系の色の光を透過する緑系フィルターと、前記緑系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有し、
前記青系の色に対応する前記光検出素子は、前記青系の色の光を透過する青系フィルターと、前記青系フィルターを透過した前記光の光量の多さに応じた大きさの信号を出力する受光素子と、を有している、
ことを特徴とする請求項5に記載の電気光学装置。
【請求項7】
前記発光部と前記画像形成部とが、互いに対向している、ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項8】
前記画像形成部は、照射された光を反射させる光反射性を有しており、
前記発光部からの前記光の前記進路が、前記画像形成部での光反射性によって屈曲している、
ことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項9】
前記画像形成部は、電界を形成する一対の電極と、前記一対の電極間に介在する液晶と、を有する、
ことを特徴とする請求項4乃至8のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項10】
前記画像形成部を制御する画像制御部と、
前記発光部を制御する発光制御部と、を有し、
前記画像制御部は、前記画像を更新期間ごとに更新させながら、前記画像形成部に前記画像を形成させ、
前記複数の発光素子の発光を許可する期間は、各前記更新期間において、前記発光領域の大きさごとに異なる期間に設定されており、
前記発光制御部は、前記発光領域の大きさごとに設定された前記期間のそれぞれにおいて、発光が許可される前記発光素子の発光状態及び停止状態を選択的に、前記発光素子ごとに制御する、
ことを特徴とする請求項4乃至9のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項11】
前記発光部において、前記発光層の前記進路とは反対側に、前記発光層からの光の少なくとも一部を前記発光層側に反射させる反射層が、前記発光素子ごとに設けられており、
前記発光層と前記反射層との間の距離が、前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色ごとに異なっている、
ことを特徴とする請求項4乃至10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項12】
前記発光素子と前記画素との間において、前記赤系画素、前記緑系画素及び前記青系画素ごとに、前記赤系の色、前記緑系の色及び前記青系の色のそれぞれに対応する色の光を透過させるカラーフィルターが設けられている、
ことを特徴とする請求項11に記載の電気光学装置。
【請求項13】
前記赤系画素に対応する前記発光素子は、前記赤系の色の光を発する前記発光層を有しており、
前記緑系画素に対応する前記発光素子は、前記緑系の色の光を発する前記発光層を有しており、
前記青系画素に対応する前記発光素子は、前記青系の色の光を発する前記発光層を有している、
ことを特徴とする請求項4乃至10のいずれか一項に記載の電気光学装置。
【請求項14】
請求項4乃至13のいずれか一項に記載の電気光学装置を有する、
ことを特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
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【図5】
【図6】
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【図12】
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【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−48965(P2011−48965A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−195120(P2009−195120)
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月26日(2009.8.26)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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