説明

照明装置の制御方法、及び、液晶表示装置組立体の駆動方法

【課題】発光素子の順方向電圧値Vfの不可逆な経時変動を補償することができる照明装置の制御方法を提供する。
【解決手段】
発光素子22、発光素子22に電流を供給し、且つ、発光素子22の順方向電圧値を測定するための発光素子駆動制御回路90、並びに、発光素子22の周囲の雰囲気温度を測定するための温度測定手段70を具備した照明装置の制御方法においては、照明装置の立ち上げ時、発光素子駆動制御回路90によって初期順方向電圧値Vf-0を測定し、併せて、温度測定手段70によって初期雰囲気温度T0を測定し、照明装置の動作時、発光素子駆動制御回路90によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期順方向電圧値Vf-0、順方向電圧値Vf及び初期雰囲気温度T0の値に基づき、発光素子22の駆動条件を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置の制御方法、及び、液晶表示装置組立体の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置にあっては、液晶材料それ自体は発光しない。従って、例えば、液晶表示装置の表示領域を照明する直下型の面状光源装置(バックライト)を、表示領域の背面に配置する。尚、カラー液晶表示装置にあっては、1画素は、例えば、赤色発光副画素、緑色発光副画素及び青色発光副画素の3つの副画素から構成されている。そして、各画素あるいは各副画素を構成する液晶セルを、一種の光シャッター(ライト・バルブ)として動作させることによって、即ち、各画素あるいは各副画素の光透過率を制御することによって、面状光源装置から出射された照明光(例えば、白色光)の光透過率を制御し、画像を表示している。
【0003】
従来、液晶表示装置組立体における面状光源装置は、表示領域全体を、均一、且つ、一定の明るさで照明しているが、このような面状光源装置とは別の構成、即ち、複数の面状光源ユニットから構成され、液晶表示装置を構成する複数の表示領域ユニットにおける照度の分布を変化させる構成を有する面状光源装置が、例えば、特開2005−017324から周知である。この特開2005−017324に開示された面状光源ユニットは、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び青色発光ダイオードを具備している。そして、赤色発光ダイオードから出射された赤色光、緑色発光ダイオードから出射された緑色光、及び、青色発光ダイオードから出射された青色光を混色することで得られた色純度の高い白色光を照明光としている。
【0004】
ところで、発光ダイオードは、駆動時、発熱する。そして、同じ条件で駆動している場合であっても、発熱の結果、順方向電圧特性(Vf特性)に変動が生じ、発光ダイオードからの光出力が減少するが、減少の割合は、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードで異なる。それ故、赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード及び青色発光ダイオードから出射された各色の光を混色することで照明光としての白色光を得ているが、この白色光の色度、ホワイト・バランス(色温度)に変動が生じる。
【0005】
即ち、面状光源装置に用いられる発光ダイオードにおいては、数百mA乃至1A程度の電流が流され、数ワット程度の熱を放出する。従って、発光ダイオードの温度はかなり上昇する。例えば、熱抵抗値として10゜C/Wを有する発光ダイオードにおいて、2ワットの熱が放出された場合、発光ダイオードの温度は、周囲の温度(雰囲気温度と呼ぶ)よりも20゜C、高くなる。そして、上述したとおり、発光ダイオード自身の発熱による温度上昇や、雰囲気温度の変動は、発光ダイオードの発光特性に影響を与える。
【0006】
図10の(A)、(B)及び図11に、発光ダイオードの発光強度の雰囲気温度依存性を示す。ここで、青色発光ダイオード及び緑色発光ダイオードはInGaN系発光ダイオードから成り、赤色発光ダイオードはAlGaInP系発光ダイオードから成る。いずれの色においても雰囲気温度依存性があるが、特に、赤色発光ダイオードの雰囲気温度依存性が顕著である。図12に、青色発光ダイオードの発光量とドミナント波長の雰囲気温度依存性を示すが、雰囲気温度が高くなるに従い、発光量は直線的に減少し、ドミナント波長は長波長側に直線的に変化する。そして、このような発光ダイオードの雰囲気温度依存性は、色温度や輝度の変動をもたらすし、面状光源装置における温度の不均一は、液晶表示装置における色ムラや輝度ムラを発生させる。
【0007】
そこで、この特開2005−017324に開示された技術においては、駆動電流検出手段で検出した駆動電流の量を駆動制御手段へ帰還し、帰還した駆動電流の量と所定の電流量と比較した結果に基づき、駆動制御信号を変化させて3色の発光デバイスの発光量を制御することで、表示映像のホワイト・バランスを制御している。
【0008】
一方、面状光源装置を以下に説明する方法に基づき制御することが、例えば、特開平11−109317に開示されている。即ち、面状光源装置を構成する光源の最高輝度をYmaxとし、表示領域における画素の光透過率(開口率)の最大値(具体的には、例えば100%)をLtmaxとする。また、面状光源装置を構成する光源が最高輝度Ymaxであるときに、表示領域における表示輝度y0を得るための各画素の光透過率(開口率)をLt0とする。すると、この場合にあっては、面状光源装置を構成する光源の光源輝度Y0を、
0・Ltmax=Ymax・Lt0
を満足するように制御すればよい。尚、このような制御の概念図を図13の(A)及び(B)に示す。ここで、光源輝度Y0を、液晶表示装置の画像表示におけるフレーム毎に変化させる。
【0009】
【特許文献1】特開2005−017324
【特許文献2】特開平11−109317
【特許文献3】特開2005−115350
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、発光ダイオードの順方向電圧特性(Vf特性)は、上述したとおり、駆動時の発熱によって可逆的に変化するだけでなく、長期間の通電や保管によっても経時的に変動してしまう。また、発光素子の発光量の不可逆的な変化が、屡々観察される。
【0011】
定電流でエージングした発光ダイオードの順方向電圧値Vfの経時変動を示し、図15に発光量を、図14の(A)及び(B)に示す。ここで、図14の(A)には、点灯時間と順方向電圧値Vf(相対値)との関係を示し、図14の(B)には、85゜Cの環境にて保管した場合の保管時間と順方向電圧値Vf(相対値)との関係を示し、図15には、85゜Cの環境にて保管した場合の保管時間と発光量(相対値)との関係を示す。いずれの場合も、数千時間の経過によって、数%オーダーの順方向電圧値Vfの変動が生じている。また、図16の(A)に順方向電流値Ifと順方向電圧値Vfとの関係を実測したグラフを示し、図16の(B)にジャンクション温度Tjと順方向電圧値Vfとの関係を実測したグラフを示す。順方向電流値Ifを或る値に定めると、VfはTjの一次関数で表すことができる。図16の(B)から、ジャンクション温度Tjに対する順方向電圧値Vfの温度係数は、−0.1%/゜C程度である。従って、長期間のエージングにて、例えば2%、順方向電圧値Vfが不可逆に変動した場合、あたかも、20゜Cものジャンクション温度Tjの変化が発生していると誤認されてしまう。
【0012】
また、発光素子の発光量の不可逆的な変化は、例えば、発光素子の組み立てに用いられる充填剤やキャップ樹脂の変色、着色に主に起因している。
【0013】
ジャンクション温度算出手段を備えた温度測定装置を有するプロジェクタが、特開2005−115350から周知である。しかしながら、この特開2005−115350には、発光ダイオードの順方向電圧特性が経時的に変動してしまうこと、また、この経時的な変動への対処については、何ら言及されていない。
【0014】
従って、本発明の第1の目的は、発光素子の順方向電圧値Vfの不可逆な経時変動を補償することができる照明装置の制御方法及び液晶表示装置組立体の駆動方法を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、発光素子の発光量の不可逆的な変化を補償することができる照明装置の制御方法及び液晶表示装置組立体の駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の第1の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る照明装置の制御方法は、
(A)発光素子、
(B)発光素子に電流を供給し、且つ、発光素子の順方向電圧値を測定するための発光素子駆動制御回路、並びに、
(C)発光素子の周囲の雰囲気温度を測定するための温度測定手段、
を具備した照明装置の制御方法であって、
照明装置の立ち上げ時、発光素子駆動制御回路によって初期順方向電圧値Vf-0を測定し、併せて、温度測定手段によって初期雰囲気温度T0を測定し、
照明装置の動作時、発光素子駆動制御回路によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期順方向電圧値Vf-0、順方向電圧値Vf及び初期雰囲気温度T0の値に基づき、発光素子の駆動条件を決定することを特徴とする。
【0016】
上記の第2の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る照明装置の制御方法は、
(A)発光素子、並びに、
(B)発光素子に電流を供給し、且つ、発光素子の発光量及び順方向電圧値を測定するための発光素子駆動制御回路、
を具備した照明装置の制御方法であって、
照明装置の立ち上げ時、発光素子駆動制御回路によって初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0を測定し、
照明装置の動作時、発光素子駆動制御回路によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期発光量P0、初期順方向電圧値Vf-0及び順方向電圧値Vfに基づき、発光素子の駆動条件を決定することを特徴とする。
【0017】
上記の第1の目的を達成するための本発明の第1の態様に係る液晶表示装置組立体の駆動方法は、
(a)液晶表示装置、及び、
(b)液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置、
を備えた液晶表示装置組立体の駆動方法であって、
面状光源装置は、
(A)発光素子、
(B)発光素子に電流を供給し、且つ、発光素子の順方向電圧値を測定するための発光素子駆動制御回路、並びに、
(C)発光素子の周囲の雰囲気温度を測定するための温度測定手段、
を具備しており、
面状光源装置の立ち上げ時、発光素子駆動制御回路によって初期順方向電圧値Vf-0を測定し、併せて、温度測定手段によって初期雰囲気温度T0を測定し、
面状光源装置の動作時、発光素子駆動制御回路によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期順方向電圧値Vf-0、順方向電圧値Vf及び初期雰囲気温度T0の値に基づき、発光素子の駆動条件を決定することを特徴とする。
【0018】
上記の第2の目的を達成するための本発明の第2の態様に係る液晶表示装置組立体の駆動方法は、
(a)液晶表示装置、及び、
(b)液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置、
を備えた液晶表示装置組立体の駆動方法であって、
面状光源装置は、
(A)発光素子、並びに、
(B)発光素子に電流を供給し、且つ、発光素子の発光量及び順方向電圧値を測定するための発光素子駆動制御回路、
を具備しており、
面状光源装置の立ち上げ時、発光素子駆動制御回路によって初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0を測定し、
面状光源装置の動作時、発光素子駆動制御回路によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期発光量P0、初期順方向電圧値Vf-0及び順方向電圧値Vfに基づき、発光素子の駆動条件を決定することを特徴とする。
【0019】
本発明の第1の態様あるいは第2の態様に係る照明装置の制御方法あるいは液晶表示装置組立体の駆動方法(以下、これらを総称して、単に、『本発明の方法』と呼ぶ場合がある)にあっては、
タイマーを更に備え、
照明装置(面状光源装置)の運転終了から次の立ち上げまでの時間をタイマーで計測し、計測された時間が所定の時間以下である場合、照明装置(面状光源装置)の次の立ち上げにおいては、前回の照明装置(面状光源装置)の運転の際に求められた初期順方向電圧値Vf-0及び初期雰囲気温度T0に基づき、あるいは又、前回の照明装置(面状光源装置)の運転の際に求められた初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0に基づき、発光素子の駆動条件を決定する形態とすることができる。このようにタイマーを備えることによって、照明装置(面状光源装置)の運転終了から左程の時間が経過しておらず、発光素子が十分に冷えていない状態で、初期順方向電圧値Vf-0、あるいは又、初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0を測定してしまい、正確な初期順方向電圧値Vf-0、あるいは又、初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0が測定されないといった問題の発生を確実に防止することができる。所定の時間は、照明装置(面状光源装置)の運転終了から雰囲気温度となるまでの発光素子の温度変化を測定することで、決定すればよい。
【0020】
上記の好ましい形態を含む本発明の方法にあっては、照明装置(面状光源装置)の動作時、発光素子駆動制御回路によって、初期順方向電圧値Vf-0、順方向電圧値Vf及び初期雰囲気温度T0の値に基づき、あるいは又、初期発光量P0、初期順方向電圧値Vf-0及び順方向電圧値Vfに基づき、発光素子を駆動するための駆動電流を決定し、決定された駆動電流で発光素子を駆動する形態とすることができる。そして、この場合、発光素子駆動制御回路において、T0−(Vf−Vf-0)/Bの値(但し、Bは定数)を求め、あるいは又、P0−(Vf−Vf-0)×(D/B)の値(但し、B及びDは定数)を求め、求められた値に基づき駆動電流を決定する形態とすることができる。
【0021】
更には、上記の好ましい形態を含む本発明の照明装置の制御方法にあっては、照明装置によって、透過型の液晶表示装置をその背面から照明することが好ましい。
【0022】
一般に、発光素子を発光ダイオード(LED)から構成したとき、発光ダイオードの発光特性はジャンクション温度Tjによって決まり、ジャンクション温度Tjは順方向電圧値Vfとの相関が非常に強い。従って、順方向電圧値Vfを測定すると、ジャンクション温度Tjを介して発光特性を知ることができる。ジャンクション温度Tjと順方向電圧値Vfと順方向電流値Ifとは、以下の式で表される関係がある。但し、Vf≫0とする。尚、ジャンクション温度Tjは、接合部温度とも呼ばれ、半導体のpn接合部の温度を指す。
【0023】
f=a・exp[−(Eg−e・Vf)/kTj] (A)
従って、
f=(Eg/e)−(k・Tj/e)×ln(a/If) (B)
となる。但し、
g:バンドギャップエネルギー(単位:eV)
e :単位電荷(単位:C)
k :ボルツマン定数
a :定数
である。
【0024】
従って、「B」を定数としたとき、式(B)を変形して、以下の式(C)を得ることができる。
f=A−B・Tj (C)
但し、
A≡Eg/e
B≡(k/e)×ln(a/If
である。
【0025】
照明装置や面状光源装置の立ち上げ時、通常、発光素子は雰囲気温度と等しくなっている。このような発光素子が発光状態にはなかった状態において、所定の定電流値を有する、即ち、所定の初期駆動電流値I0を有するリファレンスパルスを発光素子に流す。具体的には、発光素子に、所定の初期駆動電流値I0(例えば200mA)を所定の時間(例えば5マイクロ秒)だけ流す。このような条件にあっては、発光素子のジャンクション温度Tjは上昇することがない。それ故、このときの雰囲気温度(初期雰囲気温度T0)を、ジャンクション温度Tjとみなすことができる。
【0026】
そして、本発明の第1の態様に係る照明装置の制御方法あるいは液晶表示装置組立体の駆動方法においては、このときの順方向電圧値(初期順方向電圧値Vf-0)を測定する。尚、このような照明装置(面状光源装置)の立ち上げ時、発光素子駆動制御回路によって初期順方向電圧値Vf-0を測定し、併せて、温度測定手段によって初期雰囲気温度T0を測定する操作を、『リファレンス測定モード』と呼ぶ場合がある。この一種のキャリブレーション操作によって、式(C)から、係数「A」の値を得ることができる。順方向電圧値Vfは発光素子のエージングによって不可逆に変動するが、これは、以下の式(D)における係数「A」の値が変動することに起因する。従って、式(D)における係数「A」の値をキャリブレーション操作によって求めておくことで、照明装置や面状光源装置の動作時(『通常発光モード』と呼ぶ場合がある)における発光素子の発光状態の補償を行うことができる。
【0027】
A=Vf-0+B・T0 (D)
【0028】
更には、種々の雰囲気温度において、雰囲気温度と等しい温度となっている発光素子に対して、種々の発光素子駆動電流を所定の時間(例えば5マイクロ秒)だけ流すといった操作を行い、ジャンクション温度Tjと順方向電圧値Vfと発光素子駆動電流との関係(例えば、図16の(A)及び(B)参照)を予め求め、更には、定数「B」の値を求めておく。
【0029】
一方、照明装置や面状光源装置の動作時、即ち、通常発光モードにあっては、順方向電圧値Vfを測定する。そして、式(C)及び式(D)から、以下の式(E)に基づきジャンクション温度Tjを得ることができる。
【0030】
j=T0−(Vf−Vf-0)/B (E)
【0031】
そして、こうして得られたジャンクション温度Tj、あるいは、初期順方向電圧値Vf-0、順方向電圧値Vf及び初期雰囲気温度T0の値に基づき、更には、予め求めておいたジャンクション温度Tjと順方向電圧値Vfと発光素子駆動電流との関係に基づき、発光素子の駆動条件、例えば、発光素子を駆動するための駆動電流を決定することができる。そして、この決定された駆動条件に基づき発光素子を駆動することで、発光素子を発光させる。尚、以上の操作は、上述したとおり、発光素子駆動制御回路にて実行される。
【0032】
また、発光量P(Tj)は、以下の式(F−1)に示すように、発光素子のジャンクション温度Tjの1次関数で表すことができる(図12を参考)。また、リファレンスパルスに基づき、発光素子に電流を流したときに得られる発光量を初期発光量P0とすると、P0は、以下の式(F−2)のように表すことができる。尚、「C」及び「D」は定数であり、しかも、定数「D」は、予め求められた値である。
【0033】
P(Tj)=C+D・Tj (F−1)
0 =C+D・T0 (F−2)
【0034】
そして、式(F−1)及び式(F−2)から、以下の式(F−3)が得られる。
【0035】
P(Tj)−P0=D(Tj−T0) (F−3)
【0036】
更には、式(F−3)と式(E)から、以下の式(G)を得ることができる。
【0037】
P(Tj)=P0−(D/B)(Vf−Vf-0) (G)
【0038】
本発明の第2の態様に係る照明装置の制御方法あるいは液晶表示装置組立体の駆動方法においては、照明装置の立ち上げ時、発光素子駆動制御回路によって初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0を測定する。尚、このような操作を、『リファレンス測定モード』と呼ぶ場合がある。
【0039】
更には、種々の雰囲気温度において、雰囲気温度と等しい温度となっている発光素子に対して、種々の発光素子駆動電流を所定の時間(例えば5マイクロ秒)だけ流すといった操作を行い、ジャンクション温度Tjと順方向電圧値Vfと発光量と発光素子駆動電流との関係を予め求め、更には、定数「D」の値を求めておく。
【0040】
一方、照明装置や面状光源装置の動作時、即ち、通常発光モードにあっては、順方向電圧値Vfを測定する。そして、式(G)に基づき発光量P(Tj)を得ることができる。そして、こうして得られたジャンクション温度Tjにおける発光量P(Tj)、あるいは、初期発光量P0、初期順方向電圧値Vf-0及び順方向電圧値Vfに基づき、更には、予め求めておいたジャンクション温度Tjと順方向電圧値Vfと発光素子駆動電流と発光量との関係に基づき、発光素子の駆動条件、例えば、発光素子を駆動するための駆動電流を決定することができる。そして、この決定された駆動条件に基づき発光素子を駆動することで、発光素子を発光させる。尚、以上の操作は、上述したとおり、発光素子駆動制御回路にて実行される。
【0041】
上記の好ましい構成、形態を含む本発明の方法において、複数の発光素子を、同時に、同じ駆動条件で、しかも、一定の駆動条件で駆動してもよい。あるいは又、複数の発光素子を部分駆動(分割駆動)してもよい。即ち、照明装置や面状光源装置(以下、これらを総称して、『面状光源装置等』と呼ぶ場合がある)において、液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定したときのこれらのP×Q個の表示領域ユニットに対応したP×Q個の面状光源ユニットから構成し、P×Q個の面状光源ユニットの発光状態は個別に制御される形態としてもよい。
【0042】
以上に説明した好ましい構成を含む本発明の方法において、発光素子を、例えば、発光ダイオード(LED)から構成することができる。そして、この場合、赤色を発光する赤色発光ダイオード、緑色を発光する緑色発光ダイオード、及び、青色を発光する青色発光ダイオードを組として構成して白色光を得ることができるし、白色発光ダイオード(例えば、紫外又は青色発光ダイオードと蛍光体粒子とを組み合わせて白色を発光する発光ダイオード)の発光によって白色光を得ることもできる。場合によっては、赤色、緑色、青色以外の第4番目の色、第5番目の色・・・を発光する発光ダイオードを更に備えていてもよい。
【0043】
発光素子を発光ダイオードから構成する場合、例えば、波長640nmの赤色を発光する赤色発光ダイオード、例えば波長530nmの緑色を発光する緑色発光ダイオード、及び、例えば波長450nmの青色を発光する青色発光ダイオードを組として構成するとき、これらの組合せとして、具体的には、(1つの赤色発光ダイオード,1つの緑色発光ダイオード,1つの青色発光ダイオード)、(1つの赤色発光ダイオード,2つの緑色発光ダイオード,1つの青色発光ダイオード)、(2つの赤色発光ダイオード,2つの緑色発光ダイオード,1つの青色発光ダイオード)等の組合せを挙げることができるが、これらに限定するものではない。
【0044】
発光素子を構成する発光ダイオードは、所謂フェイスアップ構造を有していてもよいし、フリップチップ構造を有していてもよい。即ち、発光ダイオードは、基板、及び、基板上に形成された発光層から構成されており、発光層から光が外部に出射される構造としてもよいし、発光層からの光が基板を通過して外部に出射される構造としてもよい。より具体的には、発光ダイオード(LED)は、例えば、基板上に形成された第1導電型(例えばn型)を有する第1化合物半導体層、第1化合物半導体層上に形成された活性層、活性層上に形成された第2導電型(例えばp型)を有する第2化合物半導体層の積層構造を有し、第1化合物半導体層に電気的に接続された第1電極、及び、第2化合物半導体層に電気的に接続された第2電極を備えている。発光ダイオードを構成する層は、発光波長に依存して、周知の化合物半導体材料から構成すればよい。
【0045】
また、本発明において、面状光源装置等には、液晶表示装置と対向した部分に、光拡散板や光学機能シートを備えていてもよい。ここで、光学機能シートとして、光拡散シート、プリズムシート、多層構造を有する反射型偏光性フィルムを含む偏光変換シートを挙げることができ、これらのシートの少なくとも1種類を取り付ければよい。光拡散板や光拡散シートを構成する材料として、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスチレン系樹脂(PS)、メタクリル樹脂を挙げることができる。面状光源装置等は筐体を備えているが、この筐体は、例えばプラスチックや金属から作製すればよく、全体として、一種の開口部を有し、4つの側面と1つの底面を有する箱状(直方体状)の部材である。そして、この開口部が液晶表示装置と対向する。筐体の底面に発光素子を取り付ければよい。
【0046】
複数の発光素子を部分駆動(分割駆動)する場合、面状光源ユニットと面状光源ユニットとの間に隔壁を配設してもよい。隔壁を構成する材料として、具体的には、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、アクリル系樹脂、ABS樹脂、ガラスを挙げることができ、面状光源ユニットに備えられた発光素子から出射された光に対して透明な構成あるいは不透明な構成とすることができる。隔壁表面に光拡散反射機能を付与してもよいし、鏡面反射機能を付与してもよい。隔壁表面に光拡散反射機能を付与するためには、サンドブラスト法に基づき隔壁表面に凹凸を形成したり、凹凸を有するフィルム(光拡散フィルム)を隔壁表面に貼り付ければよい。また、隔壁表面に鏡面反射機能を付与するためには、光反射フィルムを隔壁表面に貼り付けたり、例えばメッキによって隔壁表面に光反射層を形成すればよい。
【0047】
液晶表示装置は、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を備えた透過型の液晶表示装置とすることが好ましい。透過型の液晶表示装置は、例えば、透明第1電極を備えたフロント・パネル、透明第2電極を備えたリア・パネル、及び、フロント・パネルとリア・パネルとの間に配された液晶材料から成る。尚、液晶表示装置は、モノクロ液晶表示装置であってもよいし、カラー液晶表示装置であってもよい。
【0048】
フロント・パネルは、より具体的には、例えば、ガラス基板やシリコン基板から成る第1の基板と、第1の基板の内面に設けられた透明第1電極(共通電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)と、第1の基板の外面に設けられた偏光板(偏光フィルム・偏光シート)とから構成されている。更には、透過型のカラー液晶表示装置においては、第1の基板の内面に、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から成るオーバーコート層によって被覆されたカラーフィルターが設けられている。カラーフィルターの配置パターンとして、デルタ配列、ストライプ配列、ダイアゴナル配列、レクタングル配列を挙げることができる。そして、フロント・パネルは、更に、オーバーコート層上に透明第1電極が形成された構成を有している。尚、透明第1電極上には配向膜が形成されている。一方、リア・パネルは、より具体的には、例えば、ガラス基板やシリコン基板から成る第2の基板と、第2の基板の内面に形成されたスイッチング素子と、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される透明第2電極(画素電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)と、第2の基板の外面に設けられた偏光板(偏光フィルム・偏光シート)とから構成されている。透明第2電極を含む全面には配向膜が形成されている。これらの透過型のカラー液晶表示装置を含む液晶表示装置を構成する各種の部材や液晶材料は、周知の部材、材料から構成することができる。スイッチング素子として、単結晶シリコン半導体基板に形成されたMOS型FETや薄膜トランジスタ(TFT)といった3端子素子や、MIM素子、バリスタ素子、ダイオード等の2端子素子を例示することができる。
【0049】
透明第1電極と透明第2電極の重複領域であって液晶セルを含む領域が、1画素(ピクセル)あるいは1副画素(サブピクセル)に該当する。そして、透過型のカラー液晶表示装置においては、各画素(ピクセル)を構成する赤色発光副画素(副画素[R]と呼ぶ場合がある)は、係る領域を構成する液晶セルと赤色光を透過するカラーフィルターとの組合せから構成され、緑色発光副画素(副画素[G]と呼ぶ場合がある)は、係る領域を構成する液晶セルと緑色光を透過するカラーフィルターとの組合せから構成され、青色発光副画素(副画素[B]と呼ぶ場合がある)は、係る領域を構成する液晶セルと青色光を透過するカラーフィルターとの組合せから構成されている。副画素[R]、副画素[G]、及び、副画素[B]の配置パターンは、上述したカラーフィルターの配置パターンと一致する。尚、画素は、副画素[R]、副画素[G]、及び、副画素[B]の3種の副画素[R,G,B]を1組として構成される構成に限定されず、例えば、これらの3種の副画素[R,G,B]に更に1種類あるいは複数種類の副画素を加えた1組(例えば、輝度向上のために白色光を発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するために補色を発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するためにイエローを発光する副画素を加えた1組、色再現範囲を拡大するためにイエロー及びシアンを発光する副画素を加えた1組)から構成することもできる。
【0050】
ここで、画素あるいは副画素の光透過率(開口率とも呼ばれる)Lt、画素あるいは副画素に対応する表示領域の部分の輝度(表示輝度)y、及び、面状光源ユニットの輝度(光源輝度)Yを、以下のとおり、定義する。
【0051】
1・・・・光源輝度の、例えば最高輝度であり、以下、光源輝度・第1規定値と呼ぶ場合がある。
Lt1・・・表示領域ユニットにおける画素あるいは副画素の光透過率(開口率)の、例えば最大値であり、以下、光透過率・第1規定値と呼ぶ場合がある。
Lt2・・・表示領域ユニットを構成する全ての画素を駆動するために液晶表示装置駆動回路に入力される入力信号の値の内の最大値である表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素あるいは副画素に供給されたと想定したときの画素あるいは副画素の光透過率(開口率)であり、以下、光透過率・第2規定値と呼ぶ場合がある。尚、0≦Lt2≦Lt1
2・・・・光源輝度が光源輝度・第1規定値Y1であり、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)が光透過率・第2規定値Lt2であると仮定したときに得られる表示輝度であり、以下、表示輝度・第2規定値と呼ぶ場合がある。
2・・・・表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素あるいは副画素に供給されたと想定し、しかも、このときの画素あるいは副画素の光透過率(開口率)が光透過率・第1規定値Lt1に補正されたと仮定したとき、画素あるいは副画素の輝度を表示輝度・第2規定値(y2)とするための面状光源ユニットの光源輝度。但し、光源輝度Y2には、各面状光源ユニットの光源輝度が他の面状光源ユニットの光源輝度に与える影響を考慮した補正が施される場合がある。
【0052】
面状光源装置の部分駆動(分割駆動)時、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素に供給されたと想定したときの画素の輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が得られるように、表示領域ユニットに対応する面状光源ユニットを構成する発光素子の輝度を発光素子駆動制御回路によって制御するが、具体的には、例えば、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)を、例えば光透過率・第1規定値Lt1としたときに表示輝度y2が得られるように、光源輝度Y2を制御すればよい(例えば、減少させればよい)。即ち、例えば、以下の式(1)を満足するように、画像表示フレーム毎に面状光源ユニットの光源輝度Y2を制御すればよい。尚、Y2≦Y1の関係にある。
【0053】
2・Lt1=Y1・Lt2 (1)
【0054】
2次元マトリクス状に配列された画素(ピクセル)の数M0×N0を(M0,N0)で表記したとき、(M0,N0)の値として、具体的には、VGA(640,480)、S−VGA(800,600)、XGA(1024,768)、APRC(1152,900)、S−XGA(1280,1024)、U−XGA(1600,1200)、HD−TV(1920,1080)、Q−XGA(2048,1536)の他、(1920,1035)、(720,480)、(1280,960)等、画像表示用解像度の幾つかを例示することができるが、これらの値に限定するものではない。また、(M0,N0)の値と(P,Q)の値との関係として、限定するものではないが、以下の表1に例示することができる。1つの表示領域ユニットを構成する画素の数として、20×20乃至320×240、好ましくは、50×50乃至200×200を例示することができる。表示領域ユニットにおける画素の数は、一定であってもよいし、異なっていてもよい。
【0055】

【0056】
液晶表示装置は、タイミングコントローラ等の周知の回路から構成された液晶表示装置駆動回路を備えている。表示領域の部分の輝度(表示輝度)及び面状光源ユニットの輝度(光源輝度)の制御は、1画像表示フレーム毎に行われる。尚、液晶表示装置駆動回路に電気信号として1秒間に送られる画像情報の数(毎秒画像)がフレーム周波数(フレームレート)であり、フレーム周波数の逆数がフレーム時間(単位:秒)である。
【0057】
発光素子駆動制御回路及び液晶表示装置駆動回路それ自体は、周知の回路から構成することができる。発光素子駆動制御回路は、例えば、発光素子駆動回路、発光素子駆動電源、演算回路、記憶装置(メモリ)、順方向電圧測定回路、抵抗器、光検出手段等から構成すればよい。発光素子に直列に抵抗器を接続することで、発光素子に順方向電流を流したときの順方向電流を測定することができる。また、発光素子の両端の電位差を測定することで、順方向電圧値を得ることができる。温度測定手段として、熱電対や白金抵抗温度計(白金測温抵抗体)、サーミスタ、IC化温度センサ(トランジスタの温度特性を利用したもの)、水晶温度計(クリスタルのYカットを利用したもの)を例示することができる。温度測定手段は、1つの発光素子に1つ設けてもよいし、1つの面状光源ユニットに1つ設けてもよいし、面状光源装置等の全体に1つ設けてもよい。発光量を測定するための光検出手段は、例えば、周知のフォトダイオードやCCD装置、CMOSセンサーといった光センサーを挙げることができる。光検出手段は、1つの発光素子に1つ設けてもよいし、1つの面状光源ユニットに1つ設けてもよいし、面状光源装置等の全体に1つ設けてもよい。
【発明の効果】
【0058】
本発明の第1の態様に係る照明装置の制御方法あるいは液晶表示装置組立体の駆動方法においては、照明装置(面状光源装置)の立ち上げ時、リファレンス測定モードとして、発光素子駆動制御回路によって初期順方向電圧値Vf-0を測定し、併せて、温度測定手段によって初期雰囲気温度T0を測定する。即ち、照明装置(面状光源装置)の最も初めの動作時、発光素子それ自体の温度が雰囲気温度に等しい状態で、一種のキャリブレーション操作を行う。そして、照明装置(面状光源装置)の通常の動作時、通常発光モードとして、発光素子駆動制御回路によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期順方向電圧値Vf-0、順方向電圧値Vf及び初期雰囲気温度T0の値に基づき、発光素子の駆動条件を決定する。従って、順方向電圧値Vfの不可逆な経時変動が発生しても、照明装置(面状光源装置)の最初の動作時、一種のキャリブレーション操作を行うので、照明装置(面状光源装置)の通常の動作時、順方向電圧値Vfの不可逆な経時変動が補償された動作状態を得ることができる。従って、順方向電圧値Vfの不可逆な経時変動に起因した色温度や輝度の変動を抑制することができるし、液晶表示装置における色ムラや輝度ムラ、色ずれ、輝度ずれを高精度に制御することが可能となる。
【0059】
本発明の第2の態様に係る照明装置の制御方法あるいは液晶表示装置組立体の駆動方法においては、照明装置(面状光源装置)の立ち上げ時、リファレンス測定モードとして、発光素子駆動制御回路によって初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0を測定する。即ち、照明装置(面状光源装置)の最も初めの動作時、発光素子それ自体の温度が雰囲気温度に等しい状態で、一種のキャリブレーション操作を行う。そして、照明装置(面状光源装置)の動作時、通常発光モードとして、発光素子駆動制御回路によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期発光量P0、初期順方向電圧値Vf-0及び順方向電圧値Vfに基づき、発光素子の駆動条件を決定する。従って、発光量の不可逆的な変化が発生しても、照明装置(面状光源装置)の最初の動作時、一種のキャリブレーション操作を行うので、照明装置(面状光源装置)の通常の動作時、発光素子の発光量の不可逆的な変化が補償された動作状態を得ることができる。従って、発光素子の発光量の不可逆的な変化に起因した色温度や輝度の変動を抑制することができるし、液晶表示装置における色ムラや輝度ムラ、色ずれ、輝度ずれを高精度に制御することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明する。
【実施例1】
【0061】
実施例1は、本発明の第1の態様に係る照明装置の制御方法及び液晶表示装置組立体の駆動方法に関する。実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例4におけるカラー液晶表示装置及び面状光源装置から成る液晶表示装置組立体、あるいは又、照明装置における回路図を図1の(A)及び(B)に示す。液晶表示装置組立体の発光素子駆動制御回路を含む概念図を図2に示し、発光素子駆動制御回路の概念図を図3に示す。更には、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例4の面状光源装置における発光素子等の配置、配列状態を図4の(A)に模式的に示し、カラー液晶表示装置及び面状光源装置から成る液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図を図4の(B)に示す。また、カラー液晶表示装置の模式的な一部断面図を図5に示す。尚、図1の(A)及び(B)において、信号の流れを一重の線分で示し、電流の流れを二重の線分で示す。
【0062】
実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例4の液晶表示装置組立体は、
(a)液晶表示装置(より具体的には、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を備えた透過型のカラー液晶表示装置10)、及び、
(b)カラー液晶表示装置10を背面から照明する面状光源装置20、
を備えている。
【0063】
そして、実施例1の面状光源装置20あるいは実施例1の照明装置20(以下、面状光源装置20と呼ぶ)は、
(A)発光素子22、
(B)発光素子22に電流を供給し、且つ、発光素子22の順方向電圧値を測定するための発光素子駆動制御回路90、並びに、
(C)発光素子22の周囲の雰囲気温度を測定するための温度測定手段70、
を具備している。
【0064】
ここで、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例4の面状光源装置20においては、それぞれが複数の発光素子22から構成された複数の面状光源ユニット21を備えている。そして、複数の発光素子22に対して(具体的には、1つの面状光源ユニット21に対して)、1つの温度測定手段70を配している。尚、面状光源装置の構成、構造は、このような構成、構造に限定されるものでなく、種々の変形が可能である。
【0065】
具体的には、カラー液晶表示装置10の表示領域11をP×Q個の仮想の表示領域ユニット12に分割したと想定したときのこれらのP×Q個の表示領域ユニット12に対応したP×Q個の面状光源ユニット21から面状光源装置20を構成し、P×Q個の面状光源ユニット21の発光状態を個別に制御する。即ち、複数の発光素子22を部分駆動(分割駆動)する、所謂、部分駆動方式(分割駆動方式)を採用する。但し、このような方式の面状光源装置に限定するものではなく、複数の発光素子を同時に同じ駆動条件にて駆動する方式を採用してもよい。
【0066】
実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例4にあっては、面状光源装置20を構成する発光素子22として、発光ダイオード(LED)を用いる。光源としての発光素子は、赤色(例えば、ドミナント波長640nm)を発光する赤色発光素子(赤色発光ダイオード)22R、緑色(例えば、ドミナント波長530nm)を発光する緑色発光素子(緑色発光ダイオード)22G、及び、青色(例えば、ドミナント波長450nm)を発光する青色発光素子(青色発光ダイオード)22Bの組合せから構成されている。また、1つの面状光源ユニット21を構成する発光素子の組合せ(光源21Aと呼ぶ場合がある)は、例えば、(1つの赤色発光素子22R,2つの緑色発光素子22G,1つの青色発光素子22B)である。
【0067】
以下、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例4における透過型のカラー液晶表示装置10、面状光源装置20、発光素子駆動制御回路90等を、図2、図3、図4の(A)及び(B)、図5を参照して、説明する。
【0068】
図2に概念図を示すように、透過型のカラー液晶表示装置10は、第1の方向に沿ってM0個、第2の方向に沿ってN0個の、合計M0×N0個の画素が2次元マトリクス状に配列された表示領域11を備えている。ここで、表示領域11を、P×Q個の仮想の表示領域ユニット12に分割したと想定する。各表示領域ユニット12は複数の画素から構成されている。具体的には、例えば、画像表示用解像度としてHD−TV規格を満たすものであり、2次元マトリクス状に配列された画素(ピクセル)の数M0×N0を(M0,N0)で表記したとき、例えば、(1920,1080)である。また、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域11(図2において、一点鎖線で示す)がP×Q個の仮想の表示領域ユニット12(境界を点線で示す)に分割されている。(P,Q)の値は、例えば、(19,12)である。但し、図面の簡素化のため、図2における表示領域ユニット12(及び、面状光源ユニット21)の数は、この値と異なる。各表示領域ユニット12は複数(M×N)の画素から構成されており、1つの表示領域ユニット12を構成する画素の数は、例えば、約1万である。各画素は、それぞれが異なる色を発光する複数の副画素を1組として構成されている。より具体的には、各画素は、赤色発光副画素(副画素[R])、緑色発光副画素(副画素[G])、及び、青色発光副画素(副画素[B])の3種の副画素(サブピクセル)から構成されている。この透過型のカラー液晶表示装置10は、線順次駆動される。より具体的には、カラー液晶表示装置10は、マトリクス状に交差する走査電極(第1の方向に沿って延びている)とデータ電極(第2の方向に沿って延びている)とを有し、走査電極に走査信号を入力して走査電極を選択、走査し、データ電極に入力されたデータ信号(制御信号に基づく信号である)に基づき画像を表示させ、1画面を構成する。
【0069】
カラー液晶表示装置10は、図5に模式的な一部断面図を示すように、透明第1電極54を備えたフロント・パネル50、透明第2電極64を備えたリア・パネル60、及び、フロント・パネル50とリア・パネル60との間に配された液晶材料から成る。
【0070】
フロント・パネル50は、例えば、ガラス基板から成る第1の基板51と、第1の基板51の外面に設けられた偏光フィルム56とから構成されている。第1の基板51の内面には、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から成るオーバーコート層53によって被覆されたカラーフィルター52が設けられ、オーバーコート層53上には、透明第1電極(共通電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)54が形成され、透明第1電極54上には配向膜55が形成されている。一方、リア・パネル60は、より具体的には、例えば、ガラス基板から成る第2の基板61と、第2の基板61の内面に形成されたスイッチング素子(具体的には、薄膜トランジスタ、TFT)62と、スイッチング素子62によって導通/非導通が制御される透明第2電極(画素電極とも呼ばれ、例えば、ITOから成る)64と、第2の基板61の外面に設けられた偏光フィルム66とから構成されている。透明第2電極64を含む全面には配向膜65が形成されている。フロント・パネル50とリア・パネル60とは、それらの外周部で封止材(図示せず)を介して接合されている。尚、スイッチング素子62は、TFTに限定されず、例えば、MIM素子から構成することもできる。また、図面における参照番号67は、スイッチング素子62とスイッチング素子62との間に設けられた絶縁層である。
【0071】
これらの透過型のカラー液晶表示装置を構成する各種の部材や、液晶材料は、周知の部材、材料から構成することができるので、詳細な説明は省略する。
【0072】
上述したように、直下型の面状光源装置(バックライト)20は、P×Q個の仮想の表示領域ユニット12に対応したP×Q個の面状光源ユニット21から成り、各面状光源ユニット21は、面状光源ユニット21に対応する表示領域ユニット12を背面から照明する。面状光源ユニット21に備えられた発光素子22は、個別に制御される。但し、面状光源ユニット21の光源輝度は、他の面状光源ユニット21に備えられた発光素子22の発光状態等による影響を受けない。尚、カラー液晶表示装置10の下方に面状光源装置20が位置しているが、図2においては、カラー液晶表示装置10と面状光源装置20とを別々に表示した。面状光源装置20における発光素子等の配置、配列状態を図4の(A)に模式的に示し、カラー液晶表示装置10及び面状光源装置20から成る液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図を図4の(B)に示す。発光素子22は、パルス幅変調(PWM)制御方式に基づき駆動される。面状光源ユニット21の輝度の増減は、面状光源ユニット21を構成する発光素子22のパルス幅変調制御におけるデューティ比の増減制御によって行う。
【0073】
図4の(B)に液晶表示装置組立体の模式的な一部断面図を示すように、面状光源装置20は、外側フレーム33と内側フレーム34とを備えた筐体31から構成されている。そして、透過型のカラー液晶表示装置10の端部は、外側フレーム33と内側フレーム34とによって、スペーサ35A,35Bを介して挟み込まれるように保持されている。また、外側フレーム33と内側フレーム34との間には、ガイド部材36が配置されており、外側フレーム33と内側フレーム34とによって挟み込まれたカラー液晶表示装置10がずれない構造となっている。筐体31の内部であって上部には、光拡散板41が、スペーサ35C、ブラケット部材37を介して、内側フレーム34に取り付けられている。また、光拡散板41の上には、光拡散シート42、プリズムシート43、偏光変換シート44といった光学機能シート群が積層されている。
【0074】
筐体31の内部であって下部には、反射シート45が備えられている。ここで、この反射シート45は、その反射面が光拡散板41と対向するように配置され、筐体31の底面32Aに図示しない取付け用部材を介して取り付けられている。反射シート45は、例えば、シート基材上に、銀反射膜、低屈折率膜、高屈折率膜を順に積層された構造を有する銀増反射膜から構成することができる。反射シート45は、複数の発光素子22から出射された光や、筐体31の側面32B、あるいは、図4の(A)に示す隔壁23によって反射された光を反射する。こうして、赤色を発光する赤色発光素子22R、緑色を発光する緑色発光素子22G、及び、青色を発光する青色発光素子22Bから出射された赤色光、緑色光及び青色光が混色され、色純度の高い白色光を照明光として得ることができる。この照明光は、面状光源ユニット21から光拡散板41を介して出射され、光拡散シート42、プリズムシート43、偏光変換シート44といった光学機能シート群を通過し、カラー液晶表示装置10を背面から照明する。
【0075】
筐体31の底面32A近傍には、光検出手段71(71R,71G,71B)であるフォトダイオードが配置されている。光検出手段によって、発光素子22R,22G,22Bの発光量(輝度)及び色度が測定される。
【0076】
図2及び図3に示すように、外部(ディスプレイ回路)からの入力信号に基づき面状光源装置20及びカラー液晶表示装置10を駆動するための駆動回路は、パルス幅変調制御方式に基づき、面状光源装置20を構成する赤色発光素子22、緑色発光素子22G、及び、青色発光素子22Bのオン/オフ制御を行う面状光源装置制御回路80及び発光素子駆動制御回路90、並びに、液晶表示装置駆動回路85から構成されている。
【0077】
面状光源装置制御回路80は、演算回路81及び記憶装置(メモリ)82から構成されている。一方、発光素子駆動制御回路90は、初期パルス生成回路91、タイマー92、スイッチ93、発光素子駆動回路94、順方向電圧測定回路95、発光素子駆動電源(定電流源)96、FETから成るスイッチング素子から構成された制御スイッチ97(97R,97G,97B)、抵抗器98(98R,98G,98B)、及び、光検出手段71(71R,71G,71B)から構成されている。面状光源装置制御回路80及び発光素子駆動制御回路90を構成するこれらの回路等は、周知の回路等とすることができる。一方、カラー液晶表示装置10を駆動するための液晶表示装置駆動回路85は、タイミングコントローラ86といった周知の回路から構成されている。カラー液晶表示装置10には、液晶セルを構成するTFTから成るスイッチング素子62を駆動するための、ゲート・ドライバ、ソース・ドライバ等(これらは図示せず)が備えられている。
【0078】
以下、実施例1の照明装置の制御方法あるいは液晶表示装置組立体の駆動方法を説明するが、実施例1にあっては、発光素子22の長時間のエージングに伴う順方向電圧値Vfの不可逆的な変動を補償する。尚、実施例1にあっては、発光素子22の輝度を一定に制御する方法として、発光素子22をPWM制御方式に基づき駆動するときのパルス数を制御する方法を採用する。
【0079】
実施例1の照明装置の制御方法あるいは液晶表示装置組立体の駆動方法においては、面状光源装置20の立ち上げ時、即ち、リファレンス測定モード時、先ず、キャリブレーション操作を行う。即ち、発光素子駆動制御回路90によって初期順方向電圧値Vf-0を測定し、併せて、温度測定手段によって初期雰囲気温度T0を測定する。
【0080】
具体的には、図1の(A)に示すように、面状光源装置20の電源オン直後に、液晶表示装置の照明を開始するに先立ち、リファレンスパルスを発光素子22に印加する。面状光源装置20の立ち上げ時、発光素子22は雰囲気温度(初期雰囲気温度T0)と等しくなっている。リファレンスパルスの時間長を、発光デバイスの発熱を無視できる程度の長さとする。具体的には、リファレンスパルスは、例えば200mAの初期駆動電流値I0を有し、時間長を、例えば5マイクロ秒とする。このようなリファレンスパルスの印加によって、発光素子22は温度上昇することがない。従って、このときの雰囲気温度(初期雰囲気温度T0)を、ジャンクション温度Tjとみなすことができる。
【0081】
より具体的には、図1の(A)に示すように、スイッチ93によって初期パルス生成回路91と発光素子駆動回路94とを接続する。初期パルス生成回路91において初期パルスが生成され、係る初期パルスは発光素子駆動回路94に送出される。そして、係る初期パルスに基づき、発光素子22のオン時間tON及びオフ時間tOFFが発光素子駆動回路94において決定される。尚、オン時間tON及びオフ時間tOFFの組合せによって得られる発光素子22を流れる電流がリファレンスパルスである。一方、発光素子駆動回路94は、初期駆動電流値I0を流すべく発光素子駆動電源96に信号を送出する。発光素子駆動電源96からは、発光素子22を駆動するための初期駆動電流値I0(具体的には、例えば200mA)が流される。そして、発光素子駆動回路94の制御下、オン時間tON及びオフ時間tOFFに基づき制御スイッチ97がオン/オフされる。オン時間tON及びオフ時間tOFFの総合計は、例えば5マイクロ秒である。そして、このときの初期駆動電流値I0に基づく発光素子22の両端の電位差の値が、初期順方向電圧値Vf-0として順方向電圧測定回路95で測定され、初期順方向電圧値Vf-0は発光素子駆動回路94に送出される。併せて、このときの雰囲気温度(初期雰囲気温度T0)を温度測定手段70によって測定する。温度測定データも発光素子駆動回路94に送られる。こうして、発光素子駆動回路94において、式(D)における係数「A」の値を得ることができる。尚、予め求められた定数「B」の値は記憶装置82に記憶されている。そして、得られた係数「A」の値を記憶装置82に記憶する。順方向電圧値Vfは発光素子22のエージングによって不可逆に変動するが、このような不可逆な変動は、式(D)における係数「A」の値が変動することに起因する。従って、式(D)における係数「A」の値をキャリブレーション操作によって求めておくことで、面状光源装置20の動作時(通常発光モード時)における発光素子22の発光状態の補償を行うことができる。以上の操作を、赤色発光素子22R、緑色発光素子22G、青色発光素子22Bに対して実行し、赤色発光素子22R、緑色発光素子22G、青色発光素子22Bのそれぞれにおける係数「A」の値を求める。
【0082】
面状光源装置20の動作時(通常発光モード時)には、図1の(B)に示すように、発光素子駆動制御回路90によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期順方向電圧値Vf-0、順方向電圧値Vf及び初期雰囲気温度T0の値に基づき、発光素子22の駆動条件を決定する。具体的には、発光素子22を駆動するための駆動電流を決定する。そして、決定された駆動電流で発光素子22を駆動する。
【0083】
具体的には、面状光源装置20の動作の開始時においては、例えば、キャリブレーション時と同レベルの初期駆動電流値I0によって発光素子22が駆動され、発光素子22にあっては、初期駆動電流値I0に見合った光量が出力される。そして、面状光源装置20の動作が継続され、発光素子22に初期駆動電流値I0を流し続けると、発光素子22の発熱に起因して発光素子22の温度が上昇し、ジャンクション温度Tjが上昇する。その結果、発光素子22の発光特性に変動が生じる。具体的には、発光素子22にあっては、発光量が減少し、ドミナント波長が長波長側に変化する。そこで、初期駆動電流値I0に基づく発光素子22の両端の電位差の値が、順方向電圧値Vfとして順方向電圧測定回路95で測定され、順方向電圧値Vfは発光素子駆動回路94に送出される。併せて、このときの雰囲気温度Tが、参考のために、温度測定手段70によって測定され、温度測定データは発光素子駆動回路94に送られる。こうして、発光素子駆動回路94において、式(E)の値、即ち、
j=T0−(Vf−Vf-0)/B (E)
の値(但し、Bは予め求められた定数)が求められ、この求められた値に基づき駆動電流を決定する。具体的には、発光素子駆動回路94において、式(E)に基づき、ジャンクション温度Tjの値を得ることができる。そして、ジャンクション温度Tjの値に基づき、面状光源装置20の動作の開始時に初期駆動電流値I0を発光素子22に流したときと同じ発光量、ドミナント波長が得られるように、予め求めておいたジャンクション温度Tjと順方向電圧値Vfと発光素子駆動電流との関係(これらの関係は、記憶装置82に記憶されている)に基づき、発光素子22を駆動するための駆動電流を決定し、この決定された駆動電流で発光素子22を駆動する。尚、雰囲気温度Tとジャンクション温度Tjとの間の差は、発光素子22の熱抵抗値と発熱量の積で決まる。従って、正常状態の熱抵抗値を予め測定して、例えば、記憶装置82に記憶しておくことで、雰囲気温度Tを測定すれば、異常を検出することが可能となる。
【0084】
より具体的には、図1の(B)に示すように、面状光源装置制御回路80からパルス幅変調出力信号(後述する)がスイッチ93を介して発光素子駆動回路94に送られる。そして、発光素子駆動回路94にあっては、係るパルス幅変調出力信号に基づき、発光素子22のオン時間tON及びオフ時間tOFFが決定される。このオン時間tON及びオフ時間tOFFには、上述した発光素子22を駆動するための駆動電流が加味される。具体的には、上述した発光素子22に流すべき決定された駆動電流(より具体的には、駆動電流の積算値)に基づき、このオン時間tON及びオフ時間tOFFが増加される。発光素子駆動電源96から供給される、発光素子22を駆動するための電流の値は初期駆動電流値I0である。そして、発光素子駆動回路94の制御下、このオン時間tON及びオフ時間tOFF(TotalON’)に基づき制御スイッチ97がオン/オフされ、発光素子22が発光する。TotalON’の制御は、1画像表示フレーム毎に行えばよいし、あるいは又、所定の数の画像表示フレーム毎に行えばよい。この状態を図6に示す。ジャンクション温度Tjが上昇するにつれて、デューティ比を大きくすることで、発光素子22の輝度を一定に制御することができる。尚、図6において、ΔtWは、リファレンス測定モードの時間長を示し、ΔtLは1画像表示フレームの時間長を示し、Δtsは、通常発光モードにおける順方向電圧値Vfの測定を行っている期間を示し、Δtp0,Δtp1,Δtp2,Δtp3は発光素子22が発光している期間(オン時間tON及びオフ時間tOFFの総合計TotalON’)を示す。
【0085】
以下、面状光源装置20の通常の発光動作、即ち、面状光源ユニット21の通常発光モードにおける発光動作について、説明する。
【0086】
ところで、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域11がP×Q個の表示領域ユニットに分割されているが、この状態を、「行」及び「列」で表現すると、Q行×P列の表示領域ユニットに分割されていると云える。また、表示領域ユニット12は複数(M×N)の画素から構成されているが、この状態を、「行」及び「列」で表現すると、N行×M列の画素から構成されていると云える。更には、赤色発光副画素(副画素[R])、緑色発光副画素(副画素[G])、及び、青色発光副画素(副画素[B])を一括して纏めて『副画素[R,G,B]』と呼ぶ場合があるし、副画素[R,G,B]の動作の制御(具体的には、例えば、光透過率(開口率)の制御)のために副画素[R,G,B]に入力される赤色発光副画素・制御信号、緑色発光副画素・制御信号、及び、青色発光副画素・制御信号を一括して纏めて『制御信号[R,G,B]』と呼ぶ場合があるし、表示領域ユニットを構成する副画素[R,G,B]を駆動するために面状光源装置制御回路80及び液晶表示装置駆動回路85に外部から入力される赤色発光副画素・入力信号、緑色発光副画素・入力信号、及び、青色発光副画素・入力信号を一括して纏めて『入力信号[R,G,B]』と呼ぶ場合がある。
【0087】
各画素は、前述したように、赤色発光副画素(赤色発光サブピクセル,副画素[R])、緑色発光副画素(緑色発光サブピクセル,副画素[G])、及び、青色発光副画素(青色発光サブピクセル,副画素[B])の3種の副画素(サブピクセル)を1組として構成されている。以下の説明においては、副画素[R,G,B]のそれぞれの輝度の制御(階調制御)を8ビット制御とし、0〜255の28段階にて行うとする。従って、各表示領域ユニット12を構成する各画素における副画素[R,G,B]のそれぞれを駆動するために液晶表示装置駆動回路85に入力される入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBのそれぞれは、28段階の値をとる。また、各面状光源ユニット21を構成する赤色発光素子22R、緑色発光素子22G及び青色発光素子22Bのそれぞれの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBも、0〜255の28段階の値をとる。但し、これに限定するものではなく、例えば、10ビット制御とし、0〜1023の210段階にて行うこともでき、この場合には、8ビットの数値での表現を、例えば4倍すればよい。
【0088】
画素のそれぞれに、画素のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号が液晶表示装置駆動回路85から供給される。具体的には、副画素[R,G,B]のそれぞれに、副画素[R,G,B]のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号[R,G,B]が液晶表示装置駆動回路85から供給される。即ち、液晶表示装置駆動回路85においては、入力された入力信号[R,G,B]から制御信号[R,G,B]が生成され、この制御信号[R,G,B]が副画素[R,G,B]に供給(出力)される。尚、面状光源ユニット21の輝度である光源輝度Y2を1画像表示フレーム毎に変化させるので、制御信号[R,G,B]は、例えば、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBを2.2乗した値に対して、光源輝度Y2の変化に基づく補正(補償)を行った値XR-corr,XG-corr,XB-corrを有する。そして、液晶表示装置駆動回路85を構成するタイミングコントローラ86から、カラー液晶表示装置10のゲート・ドライバ及びソース・ドライバに、制御信号[R,G,B]が周知の方法で送出され、制御信号[R,G,B]に基づき各副画素を構成するスイッチング素子62が駆動され、液晶セルを構成する透明第1電極54及び透明第2電極64に所望の電圧が印加されることで、各副画素の光透過率(開口率)Ltが制御される。ここで、制御信号[R,G,B]の値XR-corr,XG-corr,XB-corrが大きいほど、副画素[R,G,B]の光透過率(開口率)Ltが高くなり、副画素[R,G,B]に対応する表示領域の部分の輝度(表示輝度y)の値が高くなる。即ち、副画素[R,G,B]を通過する光によって構成される画像(通常、一種、点状である)は明るい。
【0089】
表示輝度y及び光源輝度Y2の制御は、カラー液晶表示装置10の画像表示における1画像表示フレーム毎、表示領域ユニット毎、面状光源ユニット毎に行われる。また、1画像表示フレーム内におけるカラー液晶表示装置10の動作と面状光源装置20の動作とは同期させられる。尚、液晶表示装置駆動回路85に電気信号として1秒間に送られる画像情報の数(毎秒画像)がフレーム周波数(フレームレート)であり、フレーム周波数の逆数がフレーム時間(単位:秒)である。
【0090】
以下、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例4における液晶表示装置組立体の駆動方法を、図2、図3及び図7を参照して説明する。尚、図7は、実施例1における液晶表示装置組立体の駆動方法を説明するための流れ図である。
【0091】
実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例4にあっては、画素のそれぞれに、画素のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号が液晶表示装置駆動回路85から供給される。より具体的には、各画素を構成する副画素[R,G,B]のそれぞれに、副画素[R,G,B]のそれぞれの光透過率Ltを制御する制御信号[R,G,B]が液晶表示装置駆動回路85から供給される。そして、面状光源ユニット21のそれぞれにおいて、各表示領域ユニット12を構成する全ての画素(副画素[R,G,B])を駆動するために駆動回路80,85に入力される入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBの内の最大値である表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号が画素に供給されたと想定したときの画素(副画素[R,G,B])の輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が得られるように、この表示領域ユニット12に対応する面状光源ユニット21を構成する光源21Aの輝度を、面状光源装置制御回路80及び発光素子駆動制御回路90によって制御する。具体的には、例えば、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)を、例えば光透過率・第1規定値Lt1としたときに表示輝度y2が得られるように、光源輝度Y2を制御すればよい(例えば、減少させればよい)。即ち、例えば、以下の式(1)を満足するように、画像表示フレーム毎に面状光源ユニット21の光源輝度Y2を制御すればよい。尚、Y2≦Y1の関係にある。
【0092】
2・Lt1=Y1・Lt2 (1)
【0093】
[ステップ−100]
スキャンコンバータ等の周知のディスプレイ回路から送出された1画像表示フレーム分の入力信号[R,G,B]及びクロック信号CLKは、面状光源装置制御回路80及び液晶表示装置駆動回路85に入力される(図2参照)。尚、入力信号[R,G,B]は、例えば撮像管への入力光量をy’としたとき、撮像管からの出力信号であり、例えば放送局等から出力され、画素の光透過率Ltを制御するために液晶表示装置駆動回路85にも入力される入力信号であり、入力光量y’の0.45乗の関数で表すことができる。そして、面状光源装置制御回路80に入力された1画像表示フレーム分の入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBは、面状光源装置制御回路80を構成する記憶装置82に、一旦、記憶される。また、液晶表示装置駆動回路85に入力された1画像表示フレーム分の入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBも、液晶表示装置駆動回路85を構成する記憶装置(図示せず)に、一旦、記憶される。
【0094】
[ステップ−110]
次いで、面状光源装置制御回路80を構成する演算回路81においては、記憶装置82に記憶された入力信号[R,G,B]の値を読み出し、第(p,q)番目[但し、先ず、p=1,q=1]の表示領域ユニット12において、この第(p,q)番目の表示領域ユニット12を構成する全ての画素における副画素[R,G,B]を駆動するための入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBの内の最大値である表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxを、演算回路81において求める。そして、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxを、記憶装置82に記憶する。このステップを、m=1,2,・・・,M、n=1,2,・・・,Nの全てに対して、即ち、M×N個の画素に対して、実行する。
【0095】
例えば、xRが「110」に相当する値であり、xGが「150」に相当する値であり、xBが「50」に相当する値である場合、xU-maxは「150」に相当する値である。
【0096】
この操作を、(p,q)=(1,1)から(P,Q)まで繰り返し、全ての表示領域ユニット12における表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxを、記憶装置82に記憶する。
【0097】
[ステップ−120]
そして、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号[R,G,B]に相当する制御信号[R,G,B]が副画素[R,G,B]に供給されたと想定したときの輝度(光透過率・第1規定値Lt1における表示輝度・第2規定値y2)が面状光源ユニット21によって得られるように、表示領域ユニット12に対応する面状光源ユニット21の光源輝度Y2を、発光素子駆動制御回路90の制御下、増減する。具体的には、以下の式(1)を満足するように、1画像表示フレーム毎、1面状光源ユニット毎に光源輝度Y2を制御すればよい。より具体的には、光源輝度制御関数g(xnol-max)である式(2)に基づき発光素子22の輝度を制御し、且つ、式(1)を満足するように光源輝度Y2を制御すればよい。このような制御の概念図を、図9の(A)及び(B)に示す。但し、後述するように、他の面状光源ユニット21の影響に基づいた補正を、光源輝度Y2に対して、必要に応じて施す。尚、光源輝度Y2の制御に関するこれらの関係、即ち、表示領域ユニット内・入力信号最大値xU-max、この最大値xU-maxに等しい値を有する入力信号に相当する制御信号の値、このような制御信号が画素(副画素)に供給されたと想定したときの表示輝度・第2規定値y2、このときの各副画素の光透過率(開口率)[光透過率・第2規定値Lt2]、各副画素の光透過率(開口率)を光透過率・第1規定値Lt1としたときに表示輝度・第2規定値y2が得られるような面状光源ユニット21における輝度制御パラメータの関係等を、予め求めておき、記憶装置82等に記憶しておけばよい。
【0098】
2・Lt1=Y1・Lt2 (1)
g(xnol-max)=a1・(xnol-max2.2+a0 (2)
【0099】
ここで、画素(あるいは、画素を構成する副画素[R,G,B]のそれぞれ)を駆動するために液晶表示装置駆動回路85に入力される入力信号(入力信号[R,G,B])の最大値をxmaxとしたとき、
nol-max≡xU-max/xmax
であり、a1,a0は定数であり、
1+a0=1
0<a0<1,0<a1<1
で表すことができる。例えば、
1=0.99
0=0.01
とすればよい。また、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBのそれぞれは、28段階の値をとるので、xmaxの値は「255」に相当する値である。
【0100】
ところで、面状光源装置20にあっては、例えば、(p,q)=(1,1)の面状光源ユニット21の輝度制御を想定した場合、他のP×Q個の面状光源ユニット21からの影響を考慮する必要がある場合がある。このような面状光源ユニット21が他の面状光源ユニット21から受ける影響は、各面状光源ユニット21の発光プロファイルによって予め判明しているので、逆算によって差分を計算でき、その結果、補正が可能である。演算の基本形を以下に説明する。
【0101】
式(1)及び式(2)の要請に基づくP×Q個の面状光源ユニット21に要求される輝度(光源輝度Y2)を行列[LPxQ]で表す。また、或る面状光源ユニットのみを駆動し、他の面状光源ユニットは駆動していないときに得られる或る面状光源ユニットの輝度を、P×Q個の面状光源ユニット21に対して予め求めておく。係る輝度を行列[L’PxQ]で表す。更には、補正係数を行列[αPxQ]で表す。すると、これらの行列の関係は、以下の式(3−1)で表すことができる。補正係数の行列[αPxQ]は、予め求めておくことができる。
[LPxQ]=[L’PxQ]・[αPxQ] (3−1)
よって、式(3−1)から行列[L’PxQ]を求めればよい。行列[L’PxQ]は、逆行列の演算から求めることができる。即ち、
[L’PxQ]=[LPxQ]・[αPxQ-1 (3−2)
を計算すればよい。そして、行列[L’PxQ]で表された輝度が得られるように、各面状光源ユニット21に備えられた光源21A(発光素子22)を制御すればよく、具体的には、係る操作、処理は、図示しない記憶装置(メモリ)に記憶された情報(データテーブル)を用いて行えばよい。尚、発光素子22の制御にあっては、行列[L’PxQ]の値は負の値を取れないので、演算結果は正の領域にとどめる必要があることは云うまでもない。従って、式(3−2)の解は厳密解ではなく、近似解となる場合がある。
【0102】
このように、面状光源装置制御回路80を構成する演算回路81において得られた式(1)及び式(2)の値に基づき得られた行列[LPxQ]、補正係数の行列[αPxQ]に基づき、上述したとおり、面状光源ユニットを単独で駆動したと想定したときの輝度の行列[L’PxQ]を求め、更には、記憶装置82に記憶された変換テーブルに基づき、0〜255の範囲内の対応する整数(パルス幅変調出力信号の値)に変換する。こうして、面状光源装置制御回路80を構成する演算回路81において、面状光源ユニット21における赤色発光素子22Rの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SR、緑色発光素子22Gの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SG、青色発光素子22Bの発光時間を制御するためのパルス幅変調出力信号の値SBを得ることができる。
【0103】
[ステップ−130]
次に、面状光源装置制御回路80を構成する演算回路81において得られたパルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBは、面状光源ユニット21に対応して設けられた発光素子駆動制御回路90の記憶装置(図示せず)に送出され、この記憶装置において記憶される。また、クロック信号CLKも発光素子駆動制御回路90に送出される(図3参照)。
【0104】
[ステップ−140]
そして、パルス幅変調出力信号の値SR,SG,SBに基づき、面状光源ユニット21を構成する赤色発光素子22Rのオン時間tR-ON及びオフ時間tR-OFF、緑色発光素子22Gのオン時間tG-ON及びオフ時間tG-OFF、青色発光素子22Bのオン時間tB-ON及びオフ時間tB-OFFが発光素子駆動回路94において決定される。尚、
R-ON+tR-OFF=tG-ON+tG-OFF=tB-ON+tB-OFF=一定値tConst
である。また、発光ダイオードのパルス幅変調に基づく駆動におけるデューティ比は、
ON/(tON+tOFF)=tON/tConst
で表すことができる。
【0105】
そして、面状光源ユニット21を構成する赤色発光素子22R,緑色発光素子22G、青色発光素子22Bのオン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONに相当する信号が、発光素子駆動回路94に送られ、この発光素子駆動回路94から、オン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONに相当する信号の値に基づき、制御スイッチ97R,97G,97Bが、オン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONだけオン状態となり、発光素子駆動電源96R,96G,96BからのLED駆動電流(順方向電流)が、各発光素子22R,22G,22Bに流される。その結果、各発光素子22R,22G,22Bは、1画像表示フレームにおいて、オン時間tR-ON,tG-ON,tB-ONだけ発光する。こうして、各表示領域ユニット12を、所定の照度において照明する。
【0106】
こうして得られた状態を、図8の(A)及び(B)に実線で示すが、図8の(A)は、副画素を駆動するために液晶表示装置駆動回路85に入力される入力信号の値を2.2乗した値(x’≡x2.2)とデューティ比(=tON/tConst)との関係を模式的に示す図であり、図8の(B)は、副画素の光透過率Ltを制御するための制御信号の値Xと表示輝度yとの関係を模式的に示す図である。
【0107】
[ステップ−150]
一方、液晶表示装置駆動回路85に入力された入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBはタイミングコントローラ86へ送られ、タイミングコントローラ86にあっては、入力された入力信号[R,G,B]に相当する制御信号[R,G,B]を、副画素[R,G,B]に供給(出力)する。液晶表示装置駆動回路85のタイミングコントローラ86において生成され、液晶表示装置駆動回路85から副画素[R,G,B]に供給される制御信号[R,G,B]の値XR,XG,XBと、入力信号[R,G,B]の値xR,xG,xBとは、以下の式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)の関係にある。但し、b1_R,b0_R,b1_G,b0_G,b1_B,b0_Bは定数である。また、面状光源ユニット21の光源輝度Y2を画像表示フレーム毎に変化させるので、制御信号[R,G,B]は、基本的に、入力信号[R,G,B]の値を2.2乗した値に対して、光源輝度Y2の変化に基づく補正(補償)を行った値を有する。即ち、1画像表示フレーム毎に光源輝度Y2が変化するので、光源輝度Y2(≦Y1)において表示輝度・第2規定値y2が得られるように制御信号[R,G,B]の値XR,XG,XBを決定、補正(補償)して、画素あるいは副画素の光透過率(開口率)Ltを制御している。ここで、式(4−1)、式(4−2)、式(4−3)の関数fR,fG,fBは、係る補正(補償)を行うための予め求められた関数である。
【0108】
R=fR(b1_R・xR2.2+b0_R) (4−1)
G=fG(b1_G・xG2.2+b0_G) (4−2)
B=fB(b1_B・xB2.2+b0_B) (4−3)
【0109】
こうして、1画像表示フレームにおける画像表示動作が完了する。
【実施例2】
【0110】
実施例2は、実施例1の変形である。面状光源装置20の運転終了から左程の時間が経過しておらず、発光素子22が十分に冷えていない状態で、初期順方向電圧値Vf-0を測定してしまうと、余熱によって発光素子22が雰囲気温度よりも幾分高くなっている場合、正確な初期順方向電圧値Vf-0が測定されない虞がある。
【0111】
実施例2にあっては、面状光源装置20はタイマー92を更に備えている。そして、面状光源装置20の運転終了から次の立ち上げまでの時間をタイマー92で計測し、計測された時間が所定の時間以下(例えば、1時間以下)である場合、面状光源装置20の次の立ち上げにおいては、前回の面状光源装置20の運転の際に求められた初期順方向電圧値Vf-0及び初期雰囲気温度T0に基づき、発光素子22の駆動条件を決定する。具体的には、例えば、発光素子22を駆動するための駆動電流を決定する。尚、前回の面状光源装置20のリファレンス測定モードの際に求められた初期順方向電圧値Vf-0及び初期雰囲気温度T0は、記憶装置82に記憶しておけばよい。
【実施例3】
【0112】
実施例3は、本発明の第2の態様に係る照明装置の制御方法及び液晶表示装置組立体の駆動方法に関する。実施例3の液晶表示装置組立体は、実施例1の液晶表示装置組立体と同様に、
(a)液晶表示装置(より具体的には、2次元マトリクス状に配列された画素から構成された表示領域を備えた透過型のカラー液晶表示装置10)、及び、
(b)カラー液晶表示装置10を背面から照明する面状光源装置20、
を備えている。
【0113】
そして、実施例3の面状光源装置20、あるいは、実施例3の照明装置20は、
(A)発光素子22、並びに、
(B)発光素子22に電流を供給し、且つ、発光素子22の発光量及び順方向電圧値を測定するための発光素子駆動制御回路90、
を具備し、更には、
(C)発光素子22の周囲の雰囲気温度を測定するための温度測定手段70、
を具備している。尚、実施例3にあっては、温度測定手段70を備えることは必須ではない。
【0114】
以下、実施例31の照明装置の制御方法あるいは液晶表示装置組立体の駆動方法を説明するが、実施例3にあっては、発光素子22の発光量の不可逆的な変化を補償する。尚、実施例3にあっても、発光素子22の輝度を一定に制御する方法として、発光素子22をPWM制御方式に基づき駆動するときのパルス数を制御する方法を採用する。
【0115】
実施例3の照明装置の制御方法あるいは液晶表示装置組立体の駆動方法においては、面状光源装置20の立ち上げ時、即ち、リファレンス測定モード時、先ず、キャリブレーション操作を行う。即ち、発光素子駆動制御回路90によって初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0を測定する。
【0116】
具体的には、実施例1と同様に、図1の(A)に示すように、面状光源装置20の電源オン直後に、液晶表示装置の照明を開始するに先立ち、リファレンスパルスを発光素子22に印加する。面状光源装置20の立ち上げ時、発光素子22は雰囲気温度(初期雰囲気温度T0)と等しくなっている。リファレンスパルスの時間長を、発光デバイスの発熱を無視できる程度の長さとする。具体的には、リファレンスパルスは、例えば200mAの初期駆動電流値I0を有し、時間長を、例えば5マイクロ秒とする。このようなリファレンスパルスの印加によって、発光素子22は温度上昇することがない。従って、このときの雰囲気温度(初期雰囲気温度T0)を、ジャンクション温度Tjとみなすことができる。
【0117】
より具体的には、図1の(A)に示すように、スイッチ93によって初期パルス生成回路91と発光素子駆動回路94とを接続する。初期パルス生成回路91において初期パルスが生成され、係る初期パルスは発光素子駆動回路94に送出される。そして、係る初期パルスに基づき、発光素子22のオン時間tON及びオフ時間tOFFが発光素子駆動回路94において決定される。尚、オン時間tON及びオフ時間tOFFの組合せによって得られる発光素子22を流れる電流がリファレンスパルスである。一方、発光素子駆動回路94は、初期駆動電流値I0を流すべく発光素子駆動電源96に信号を送出する。発光素子駆動電源96からは、発光素子22を駆動するための初期駆動電流値I0(具体的には、例えば200mA)が流される。そして、発光素子駆動回路94の制御下、オン時間tON及びオフ時間tOFFに基づき制御スイッチ97がオン/オフされる。オン時間tON及びオフ時間tOFFの総合計は、例えば5マイクロ秒である。そして、このときの初期駆動電流値I0に基づく発光素子22の両端の電位差の値が、初期順方向電圧値Vf-0として順方向電圧測定回路95で測定され、初期順方向電圧値Vf-0は発光素子駆動回路94に送出される。併せて、このときの雰囲気温度(初期雰囲気温度T0)を、参考のために、温度測定手段70によって測定する。温度測定データも発光素子駆動回路94に送られる。更には、発光素子22の初期発光量P0が光検出手段71にて測定され、発光量測定データも発光素子駆動回路94に送られる。以上の操作を、赤色発光素子22R、緑色発光素子22G、青色発光素子22Bに対して実行し、赤色発光素子22R、緑色発光素子22G、青色発光素子22Bのそれぞれにおける係数「C」の値を求める。
【0118】
面状光源装置20の動作時(通常発光モード時)には、図1の(B)に示すように、発光素子駆動制御回路90によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期発光量P0、初期順方向電圧値Vf-0及び順方向電圧値Vfに基づき、発光素子22の駆動条件を決定する。具体的には、発光素子22を駆動するための駆動電流を決定する。そして、決定された駆動電流で発光素子22を駆動する。
【0119】
具体的には、面状光源装置20の動作の開始時においては、例えば、キャリブレーション時と同レベルの初期駆動電流値I0によって発光素子22が駆動され、発光素子22にあっては、初期駆動電流値I0に見合った光量が出力される。そして、面状光源装置20の動作が継続され、発光素子22に初期駆動電流値I0を流し続けると、発光素子22の発熱に起因して発光素子22の温度が上昇し、ジャンクション温度Tjが上昇する。その結果、発光素子22の発光特性に変動が生じる。具体的には、発光素子22にあっては、発光量が減少し、ドミナント波長が長波長側に変化する。そこで、初期駆動電流値I0に基づく発光素子22の両端の電位差の値が、順方向電圧値Vfとして順方向電圧測定回路95で測定され、順方向電圧値Vfは発光素子駆動回路94に送出される。併せて、このときの雰囲気温度Tが、参考のために、温度測定手段70によって測定され、温度測定データは発光素子駆動回路94に送られる。こうして、発光素子駆動回路94において、式(G)の値、即ち、
P(Tj)=P0−(D/B)(Vf−Vf-0) (G)
の値(但し、B及びDは予め求められた定数)が求められ、この求められた値に基づき駆動電流を決定する。具体的には、発光素子駆動回路94において、式(G)に基づき、ジャンクション温度Tjに依存した発光量P(Tj)の値を得ることができる。そして、ジャンクション温度Tjの値に基づき、面状光源装置20の動作の開始時に初期駆動電流値I0を発光素子22に流したときと同じ発光量、ドミナント波長が得られるように、予め求めておいたジャンクション温度Tjと順方向電圧値Vfと発光素子駆動電流と発光量との関係(これらの関係は、記憶装置82に記憶されている)に基づき、発光素子22を駆動するための駆動電流を決定し、この決定された駆動電流で発光素子22を駆動する。尚、雰囲気温度Tとジャンクション温度Tjとの間の差は、発光素子22の熱抵抗値と発熱量の積で決まる。従って、正常状態の熱抵抗値を予め測定して、例えば、記憶装置82に記憶しておくことで、雰囲気温度Tを測定すれば、異常を検出することが可能となる。
【0120】
より具体的には、図1の(B)に示すように、面状光源装置制御回路80からパルス幅変調出力信号(後述する)がスイッチ93を介して発光素子駆動回路94に送られる。そして、発光素子駆動回路94にあっては、係るパルス幅変調出力信号に基づき、発光素子22のオン時間tON及びオフ時間tOFFが決定される。このオン時間tON及びオフ時間tOFFには、上述した発光素子22を駆動するための駆動電流が加味される。具体的には、上述した発光素子22に流すべき決定された駆動電流(より具体的には、駆動電流の積算値)に基づき、このオン時間tON及びオフ時間tOFFが増加される。即ち、パルス幅変調出力信号に基づくオン時間tONの合計値をTotalONとし、発光素子22を駆動するための決定された駆動電流が加味されたオン時間tONの合計値をTotalON’とすると、
P(Tj)×TotalON’=P0×TotalON
の関係がある。発光素子駆動電源96から供給される、発光素子22を駆動するための電流の値は初期駆動電流値I0である。そして、発光素子駆動回路94の制御下、このオン時間tON及びオフ時間tOFF(TotalON’)に基づき制御スイッチ97がオン/オフされ、発光素子22が発光する。TotalON’の制御は、1画像表示フレーム毎に行えばよいし、あるいは又、所定の数の画像表示フレーム毎に行えばよい。この状態は図6に示したとおりである。ジャンクション温度Tjが上昇するにつれて、デューティ比を大きくすることで、発光素子22の輝度を一定に制御することができる。
【実施例4】
【0121】
実施例4は、実施例3の変形である。面状光源装置20の運転終了から左程の時間が経過しておらず、発光素子22が十分に冷えていない状態で、初期発光量P0、初期順方向電圧値Vf-0を測定してしまうと、余熱によって発光素子22が雰囲気温度よりも幾分高くなっている場合、正確な初期発光量P0、初期順方向電圧値Vf-0が測定されない虞がある。
【0122】
実施例4にあっては、面状光源装置20はタイマー92を更に備えている。そして、面状光源装置20の運転終了から次の立ち上げまでの時間をタイマー92で計測し、計測された時間が所定の時間以下(例えば、1時間以下)である場合、面状光源装置20の次の立ち上げにおいては、前回の面状光源装置20の運転の際に求められた初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0に基づき、発光素子22の駆動条件を決定する。具体的には、例えば、発光素子22を駆動するための駆動電流を決定する。尚、前回の面状光源装置20のリファレンス測定モードの際に求められた初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0、更には、初期雰囲気温度T0は、記憶装置82に記憶しておけばよい。
【0123】
以上の点を除き、実施例4の照明装置の制御方法及び液晶表示装置組立体の駆動方法は、実施例3の照明装置の制御方法及び液晶表示装置組立体の駆動方法と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
【0124】
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例において説明した透過型のカラー液晶表示装置や面状光源装置、面状光源ユニット、液晶表示装置組立体、各種の駆動回路、温度測定手段の構成、構造は例示であるし、これらを構成する部材、材料等も例示であり、適宜、変更することができる。実施例においては、液晶表示装置の表示領域をP×Q個の仮想の表示領域ユニットに分割したと想定して説明を行ったが、場合によっては、透過型の液晶表示装置は、P×Q個の実際の表示領域ユニットに分割された構造を有していてもよい。発光ダイオードの温度を温度測定手段で監視し、その結果を、発光素子駆動制御回路にフィードバックすることで、発光素子22の温度制御(発光素子22の冷却等)を行ってもよい。更には、実施例1〜実施例4にあっては、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子の発光量の和としての白色の色相を制御してもよい。
【0125】
また、実施例1において説明した照明装置の制御方法、液晶表示装置組立体の駆動方法と、実施例3において説明した照明装置の制御方法、液晶表示装置組立体の駆動方法とを組み合わせてもよい。即ち、
(A)発光素子22、
(B)発光素子22に電流を供給し、且つ、発光素子22の発光量及び順方向電圧値を測定するための発光素子駆動制御回路90、並びに、
(C)発光素子22の周囲の雰囲気温度を測定するための温度測定手段70、
を具備した照明装置の制御方法(あるいは液晶表示装置組立体の駆動方法)であって、
照明装置(面状光源装置)の立ち上げ時、発光素子駆動制御回路90によって初期順方向電圧値Vf-0及び初期発光量P0、を測定し、併せて、温度測定手段70によって初期雰囲気温度T0を測定し、
照明装置(面状光源装置)の動作時、発光素子駆動制御回路90によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期順方向電圧値Vf-0、順方向電圧値Vf、初期発光量P0及び初期雰囲気温度T0の値に基づき、発光素子22の駆動条件を決定する方法を採用してもよい。また、係る方法に、実施例2あるいは実施例4において説明した照明装置の制御方法、液晶表示装置組立体の駆動方法を組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0126】
【図1】図1の(A)及び(B)は、実施例1の照明装置あるいは面状光源装置を説明するための概念図である。
【図2】図2は、実施例1での使用に適したカラー液晶表示装置、面状光源装置、液晶表示装置駆動回路、発光素子駆動制御回路から成る液晶表示装置組立体の概念図である。
【図3】図3は、実施例1における発光素子駆動制御回路の概念図である。
【図4】図4は、実施例1の面状光源装置及びカラー液晶表示装置の模式的な一部断面図である。
【図5】図5は、実施例1のカラー液晶表示装置の模式的な一部断面図である。
【図6】図6は、実施例1の照明装置あるいは面状光源装置を説明するための順方向電圧値等の時間変化を模式的に示すグラフである。
【図7】図7は、実施例1の液晶表示装置組立体の駆動方法を説明するための流れ図である。
【図8】図8の(A)は、副画素を駆動するために発光素子駆動制御回路に入力される制御信号の値を2.2乗した値(x’≡x2.2)とデューティ比(=tON/tConst)との関係を模式的に示す図であり、図8の(B)は、副画素の光透過率を制御するための制御信号の値Xと表示輝度yとの関係を模式的に示す図である。
【図9】図9の(A)及び(B)は、実施例1において、面状光源装置の光源輝度と、画素の光透過率(開口率)と、表示領域における表示輝度との関係を説明するための概念図である。
【図10】図10の(A)、(B)は、それぞれ、InGaN系発光ダイオードから成る青色発光ダイオード及び緑色発光ダイオードの発光強度の雰囲気温度依存性を示すグラフである。
【図11】図11は、AlGaInP系発光ダイオードから成る赤色発光ダイオードの発光強度の雰囲気温度依存性を示すグラフである。
【図12】図12は、青色発光ダイオードの発光量とドミナント波長の雰囲気温度依存性を示すグラフである。
【図13】図13の(A)及び(B)は、従来の技術において、面状光源装置の光源輝度と、画素の光透過率(開口率)と、表示領域における表示輝度との関係を説明するための概念図である。
【図14】図14の(A)及び(B)は、定電流でエージングした発光ダイオードの順方向電圧値Vfの経時変動を示し、具体的には、図14の(A)には、点灯時間と順方向電圧値Vf(相対値)との関係を示し、図14の(B)には、85゜Cの環境にて保管した場合の保管時間と順方向電圧値Vf相対値との関係を示す。
【図15】図15は、85゜Cの環境にて保管した場合の保管時間と発光量(相対値)との関係を示すグラフである。
【図16】図16の(A)は、順方向電流値Ifと順方向電圧値Vfとの関係を実測したグラフであり、図16の(B)は、ジャンクション温度Tjと順方向電圧値Vfとの関係を実測したグラフである。
【符号の説明】
【0127】
10・・・カラー液晶表示装置、11・・・表示領域、12・・・表示領域ユニット、20・・・面状光源装置(照明装置)、21・・・面状光源ユニット、22,22R,22G,22B・・・発光ダイオード、23・・・隔壁、31・・・筐体、32A・・・筐体の底面、32B・・・筐体の側面、33・・・外側フレーム、34・・・内側フレーム、35A,35B・・・スペーサ、36・・・ガイド部材、37・・・ブラケット部材、41・・・光拡散板、42・・・光拡散シート、43・・・プリズムシート、44・・・偏光変換シート、45・・・反射シート、50・・・フロント・パネル、51・・・第1の基板、52・・・カラーフィルター、53・・・オーバーコート層、54・・・透明第1電極(共通電極)、55・・・配向膜、56・・・偏光板(偏光フィルム・偏光シート)、60・・・リア・パネル、61・・・第2の基板、62・・・スイッチング素子、64・・・透明第2電極、65・・・配向膜、66,66’・・・偏光板(偏光フィルム・偏光シート)、67・・・絶縁層、70・・・温度測定手段、71,71R,71G,71B・・・光検出手段、80・・・面状光源装置制御回路、81・・・演算回路、82・・・記憶装置(メモリ)、85・・・液晶表示装置駆動回路、86・・・タイミングコントローラ、90・・・発光素子駆動制御回路、91・・・初期パルス生成回路、92・・・タイマー、93・・・スイッチ、94・・・発光素子駆動回路、95・・・順方向電圧測定回路、96,96R,96G,96B・・・発光素子駆動電源(定電流源)、97,97R,97G,97B・・・制御スイッチ、98,98R,98G,98B・・・抵抗器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)発光素子、
(B)発光素子に電流を供給し、且つ、発光素子の順方向電圧値を測定するための発光素子駆動制御回路、並びに、
(C)発光素子の周囲の雰囲気温度を測定するための温度測定手段、
を具備した照明装置の制御方法であって、
照明装置の立ち上げ時、発光素子駆動制御回路によって初期順方向電圧値Vf-0を測定し、併せて、温度測定手段によって初期雰囲気温度T0を測定し、
照明装置の動作時、発光素子駆動制御回路によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期順方向電圧値Vf-0、順方向電圧値Vf及び初期雰囲気温度T0の値に基づき、発光素子の駆動条件を決定することを特徴とする照明装置の制御方法。
【請求項2】
タイマーを更に備え、
照明装置の運転終了から次の立ち上げまでの時間をタイマーで計測し、計測された時間が所定の時間以下である場合、照明装置の次の立ち上げにおいては、前回の照明装置の運転の際に求められた初期順方向電圧値Vf-0及び初期雰囲気温度T0に基づき、発光素子の駆動条件を決定することを特徴とする請求項1に記載の照明装置の制御方法。
【請求項3】
照明装置の動作時、発光素子駆動制御回路によって、初期順方向電圧値Vf-0、順方向電圧値Vf及び初期雰囲気温度T0の値に基づき、発光素子を駆動するための駆動電流を決定し、決定された駆動電流で発光素子を駆動することを特徴とする請求項1に記載の照明装置の制御方法。
【請求項4】
発光素子駆動制御回路においては、T0−(Vf−Vf-0)/Bの値(但し、Bは定数)を求め、求められた値に基づき駆動電流を決定することを特徴とする請求項3に記載の照明装置の制御方法。
【請求項5】
照明装置によって、透過型の液晶表示装置をその背面から照明することを特徴とする請求項1に記載の照明装置の制御方法。
【請求項6】
(A)発光素子、並びに、
(B)発光素子に電流を供給し、且つ、発光素子の発光量及び順方向電圧値を測定するための発光素子駆動制御回路、
を具備した照明装置の制御方法であって、
照明装置の立ち上げ時、発光素子駆動制御回路によって初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0を測定し、
照明装置の動作時、発光素子駆動制御回路によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期発光量P0、初期順方向電圧値Vf-0及び順方向電圧値Vfに基づき、発光素子の駆動条件を決定することを特徴とする照明装置の制御方法。
【請求項7】
タイマーを更に備え、
照明装置の運転終了から次の立ち上げまでの時間をタイマーで計測し、計測された時間が所定の時間以下である場合、照明装置の次の立ち上げにおいては、前回の照明装置の運転の際に求められた初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0に基づき、発光素子の駆動条件を決定することを特徴とする請求項6に記載の照明装置の制御方法。
【請求項8】
照明装置の動作時、発光素子駆動制御回路によって、初期発光量P0、初期順方向電圧値Vf-0及び順方向電圧値Vfに基づき、発光素子を駆動するための駆動電流を決定し、決定された駆動電流で発光素子を駆動することを特徴とする請求項6に記載の照明装置の制御方法。
【請求項9】
発光素子駆動制御回路においては、P0−(Vf−Vf-0)×(D/B)の値(但し、B及びDは定数)を求め、求められた値に基づき駆動電流を決定することを特徴とする請求項8に記載の照明装置の制御方法。
【請求項10】
照明装置によって、透過型の液晶表示装置をその背面から照明することを特徴とする請求項6に記載の照明装置の制御方法。
【請求項11】
(a)液晶表示装置、及び、
(b)液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置、
を備えた液晶表示装置組立体の駆動方法であって、
面状光源装置は、
(A)発光素子、
(B)発光素子に電流を供給し、且つ、発光素子の順方向電圧値を測定するための発光素子駆動制御回路、並びに、
(C)発光素子の周囲の雰囲気温度を測定するための温度測定手段、
を具備しており、
面状光源装置の立ち上げ時、発光素子駆動制御回路によって初期順方向電圧値Vf-0を測定し、併せて、温度測定手段によって初期雰囲気温度T0を測定し、
面状光源装置の動作時、発光素子駆動制御回路によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期順方向電圧値Vf-0、順方向電圧値Vf及び初期雰囲気温度T0の値に基づき、発光素子の駆動条件を決定することを特徴とする液晶表示装置組立体の駆動方法。
【請求項12】
(a)液晶表示装置、及び、
(b)液晶表示装置を背面から照明する面状光源装置、
を備えた液晶表示装置組立体の駆動方法であって、
面状光源装置は、
(A)発光素子、並びに、
(B)発光素子に電流を供給し、且つ、発光素子の発光量及び順方向電圧値を測定するための発光素子駆動制御回路、
を具備しており、
面状光源装置の立ち上げ時、発光素子駆動制御回路によって初期発光量P0及び初期順方向電圧値Vf-0を測定し、
面状光源装置の動作時、発光素子駆動制御回路によって、順方向電圧値Vfを測定し、初期発光量P0、初期順方向電圧値Vf-0及び順方向電圧値Vfに基づき、発光素子の駆動条件を決定することを特徴とする液晶表示装置組立体の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−16384(P2009−16384A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−173101(P2007−173101)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】