説明

照明装置及びプロジェクタ

【課題】複数の光源装置を備える照明装置であって、照明装置の大型化を抑制することが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】第1の光源装置10と、第2の光源装置20と、第3の光源装置30と、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成して射出する光合成光学系50と、インテグレータ光学系700とを備える照明装置100。第1の光源装置10〜第3の光源装置30のそれぞれは、第1の光軸10axに直交する第1の仮想平面Vに対して第2の光軸20axに直交する第2の仮想平面V及び第3の光軸30axに直交する第3の仮想平面Vがそれぞれ直交するように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及びプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より高輝度のプロジェクタが求められており、その要求に応えるものとして複数の光源装置を備えるプロジェクタ(いわゆる多灯式のプロジェクタ)が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
このような従来の多灯式のプロジェクタによれば、照明装置として、複数の光源装置を有する照明装置を用いているため、従来より高輝度のプロジェクタを構成することができる。
【0004】
【特許文献1】特開平8−36180号公報(図12)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の多灯式のプロジェクタにおいては、照明装置が大型化してしまうという問題があった。また、照明装置が大型化するのにともない、プロジェクタが大型化してしまうという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、複数の光源装置を備える照明装置であって、照明装置の大型化を抑制することが可能な照明装置を提供することを目的とする。また、そのような優れた照明装置を備えるプロジェクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するため、従来の多灯式のプロジェクタにおいて、照明装置が大型化する原因を究明すべく鋭意研究を重ねた結果、複数の光源装置の配置位置に原因があるという知見を得た。
【0008】
すなわち、従来のプロジェクタに用いる照明装置においては、複数の光源装置から射出される照明光束の射出方向がすべて同じ方向となるように複数の光源装置が並列に配置されているため、空間を有効に利用することができず、各光源装置におけるリフレクタ同士が干渉しないように複数の光源装置を配置しようとすると、光路後段に配置される光均一化光学系の大きさが大きくなってしまい、結果として照明装置の大型化を招いてしまうのである。
【0009】
そこで、本発明者は、以上の知見に基づいて、複数の光源装置を備える照明装置において、複数の光源装置から射出される照明光束の射出方向が互いに異なる方向となるように複数の光源装置をそれぞれ配置するとともに、互いに異なる方向から射出される光を合成して一方方向に向けて射出するような構成とすれば、複数の光源装置を備える照明装置であっても照明装置の大型化を抑制することが可能となることに想到し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明の照明装置は、第1の光軸を中心軸とする照明光束を射出する第1の光源装置と、第2の光軸を中心軸とする照明光束を射出する第2の光源装置と、第3の光軸を中心軸とする照明光束を射出する第3の光源装置と、前記第1の光源装置〜前記第3の光源装置からの照明光束を合成して射出する光合成光学系と、前記光合成光学系からの照明光束をより均一な強度分布を有する光に変換する機能を有するインテグレータ光学系とを備え、前記第1の光軸に直交する仮想平面を第1の仮想平面とし、前記第2の光軸に直交する仮想平面を第2の仮想平面とし、前記第3の光軸に直交する仮想平面を第3の仮想平面としたとき、前記第1の光源装置〜前記第3の光源装置のそれぞれは、前記第1の仮想平面に対して前記第2の仮想平面及び前記第3の仮想平面がそれぞれ直交するように配置されていることを特徴とする。
【0011】
このため、本発明の照明装置によれば、第1の光源装置〜第3の光源装置から射出される照明光束の射出方向が互いに異なる方向となるように第1の光源装置〜第3の光源装置をそれぞれ配置するとともに、第1の光源装置〜第3の光源装置からの照明光束を合成してインテグレータ光学系に向けて射出する光合成光学系を備えているため、空間を有効に利用することができ、各光源装置におけるリフレクタ同士が干渉することもなくなる。その結果、光均一化光学系の大きさが大きくなることを抑制することができ、照明装置の大型化を抑制することが可能となる。
【0012】
また、本発明の照明装置によれば、インテグレータ光学系を備えているため、第1の光源装置〜第3の光源装置から射出され光合成光学系によって合成された光を、より均一な強度分布を有する光に変換することが可能となる。
【0013】
ところで、照明装置の高輝度化を図る場合に、光源装置における発光管として高出力な発光管を用いることが考えられる。しかしながら、高出力な発光管を用いた場合には、照明装置の寿命が低下してしまうという問題があった。
これに対し、本発明の照明装置によれば、第1の光源装置〜第3の光源装置における各発光管としてそれほど高出力な発光管を用いなくても、第1の光源装置〜第3の光源装置からの照明光束を合成することによって比較的高輝度な照明装置を実現することが可能であるため、照明装置の高輝度化を図るとともに、照明装置の寿命の低下を抑制することが可能となるという効果もある。
【0014】
また、一般に高出力な発光管ほどアーク長を短くすることが困難であるため、高出力な発光管を用いた場合には、光源装置が大きくなってしまうという問題があった。光源装置が大きくなってしまうと、光源装置の射出特性が理想的な点光源から大幅にずれてしまうため、光源装置から射出される照明光束の平行度が低下する結果、光利用効率が低下する。
これに対し、本発明の照明装置によれば、第1の光源装置〜第3の光源装置における各発光管としてそれほど高出力な発光管を用いなくても、第1の光源装置〜第3の光源装置からの照明光束を合成することによって比較的高輝度な照明装置を実現することが可能であるため、照明装置の高輝度化を図るとともに、光利用効率の低下を抑制することが可能となるという効果もある。
【0015】
本発明の照明装置においては、前記第1の光源装置〜前記第3の光源装置のそれぞれは、前記第2の仮想平面と前記第3の仮想平面とが平行となるように配置することもできるし、前記第2の仮想平面と前記第3の仮想平面とが直交するように配置することもできる。
【0016】
本発明の照明装置においては、前記光合成光学系は、前記第1の光源装置〜前記第3の光源装置のうち少なくとも2つの光源装置からの照明光束を前記インテグレータ光学系に向けて反射する少なくとも2つの反射プリズム又は少なくとも2つの反射ミラーを有することが好ましい。
【0017】
このように構成することにより、第1の光源装置〜第3の光源装置からの照明光束を合成してインテグレータ光学系に向けて射出する機能を有する光合成光学系を容易に実現することが可能となる。
【0018】
なお、光合成光学系が反射プリズムで構成されている場合には、各反射プリズムは、それぞれ接着されていることが好ましい。これにより、各反射プリズム間における不要な反射が低減するため、光利用効率が向上するとともに迷光レベルが低減する。
【0019】
この場合、各反射プリズムとほぼ同じ屈折率を有する接着剤を用いることが好ましい。
【0020】
本発明の照明装置においては、前記第1の光源装置〜前記第3の光源装置のそれぞれは、楕円面リフレクタと、前記楕円面リフレクタの第1焦点近傍に発光中心を有する発光管と、前記楕円面リフレクタからの集束光を前記光合成光学系に向けて射出する凹レンズとを有することが好ましい。
【0021】
このように構成することにより、第1の光源装置〜第3の光源装置からは楕円面リフレクタの大きさよりも小さな略平行光束が射出されるようになるため、照明装置のさらなる小型化を図ることができる。
【0022】
本発明の照明装置においては、前記発光管には、前記発光管から被照明領域側に射出される光を前記発光管に向けて反射する反射手段が設けられていることが好ましい。
【0023】
このように構成することにより、発光管から被照明領域側に放射される光が発光管に向けて反射されるため、発光管の被照明領域側端部まで覆うような大きさに各楕円面リフレクタの大きさを設定することを必要とせず、各楕円面リフレクタの小型化を図ることができ、結果として照明装置の小型化を図ることができる。
また、各楕円面リフレクタの小型化を図ることができることにより、楕円面リフレクタから楕円面リフレクタの第2焦点に向けて集束するビームの集束角やビームスポットを小さくすることができるため、各凹レンズの大きさ、光合成光学系の大きさ、インテグレータ光学系の大きさをさらに小さくすることができ、照明装置のさらなる小型化を図ることができる。
【0024】
本発明の照明装置においては、前記インテグレータ光学系は、前記光合成光学系からの照明光束を集束光に変換して射出する集光レンズと、前記集光レンズからの照明光束をより均一な強度分布を有する光に変換するインテグレータロッドとを有することが好ましい。
【0025】
このように構成することにより、インテグレータロッドの働きによって、照明光束の面内光強度分布をより均一なものにすることが可能となる。
【0026】
本発明の照明装置においては、前記インテグレータロッドは、中空のインテグレータロッドであってもよいし、中実のインテグレータロッドであってもよい。
【0027】
中空のインテグレータロッドとしては、例えば4枚の反射ミラーにおける反射面を内側に向けて貼り合わせた筒状のライトトンネルなどを好適に用いることができる。また、中実のインテグレータロッドとしては、例えば内面全反射タイプの中実のロッド部材(ガラスロッド)などを好適に用いることができる。
【0028】
本発明の照明装置においては、前記インテグレータ光学系は、前記インテグレータロッドの光入射面に配置され、中央部に光入射のための開口部を有する反射層と、前記インテグレータロッドの光射出面に配置されるλ/4板と、前記λ/4板の光射出側に配置される反射型偏光板とをさらに有することが好ましい。
【0029】
このように構成することにより、インテグレータロッドに入射した照明光束のうち一方の偏光成分に係る照明光束が反射側偏光板を通過する場合には、他方の偏光成分に係る照明光束は反射型偏光板で反射される。この反射光はインテグレータロッドの光入射面に配置された反射層で反射され、再度反射型偏光板に到達する。このとき、この光はλ/4板をすでに2回通過しているため、偏光方向が90度回転し、一方の偏光成分に係る照明光束として反射型偏光板を通過する。すなわち、インテグレータロッドから射出される光の偏光方向を略1種類の偏光方向に揃えることが可能となる。したがって、液晶装置のように偏光方向を制御する電気光学変調装置を用いたプロジェクタにおいて特に好適なものとなる。
【0030】
本発明の照明装置においては、前記インテグレータ光学系は、前記インテグレータロッドの光入射側に配置され、前記集光レンズからの照明光束を略1種類の直線偏光成分を有する光束に変換する偏光変換素子をさらに有することが好ましい。
【0031】
このように構成することによっても、インテグレータロッドに入射する光の偏光方向を略1種類の偏光方向に揃えることが可能となるため、液晶装置のように偏光方向を制御する電気光学変調装置を用いたプロジェクタにおいて特に好適なものとなる。
【0032】
本発明の照明装置においては、前記インテグレータロッドと前記偏光変換素子とは接着されていることが好ましい。
【0033】
このように構成することにより、偏光変換素子とインテグレータロッドとの間における望ましくない多重反射が抑制され、光利用効率が低下したり迷光レベルが上昇したりすることがなくなる。また、偏光変換素子とインテグレータロッドとを容易に一体化することができる。また、偏光変換素子とインテグレータロッドとの間において、装置組み立て後における位置ずれの発生を未然に防止することができる。
【0034】
この場合、偏光変換素子及びインテグレータロッドとほぼ同じ屈折率を有する接着剤を用いることが好ましい。
【0035】
本発明の照明装置においては、前記インテグレータ光学系は、前記光合成光学系からの照明光束を複数の部分光束に分割する複数の第1小レンズをそれぞれ有する3つの第1レンズアレイと、前記3つの第1レンズアレイの各第1小レンズに対応する複数の第2小レンズをそれぞれ有する3つの第2レンズアレイと、前記3つの第2レンズアレイからのそれぞれの部分光束を略1種類の直線偏光成分を有する光束に変換する3つの偏光変換素子と、前記3つの偏光変換素子からのそれぞれの光を被照明領域で重畳させる重畳レンズとを有することが好ましい。
【0036】
このように構成することにより、3つの第1レンズアレイ、3つの第2レンズアレイ及び重畳レンズの働きによって、照明光束の面内光強度分布をより均一なものにすることが可能となる。また、3つの偏光変換素子の働きによって、照明光束の偏光方向を略1種類の偏光方向に揃えることが可能となるため、液晶装置のように偏光方向を制御する電気光学変調装置を用いたプロジェクタにおいて特に好適なものとなる。
【0037】
また、本発明の照明装置によれば、光合成光学系の光路後段に第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び偏光変換素子がそれぞれ3つずつ配置された構成を有しているため、光合成光学系の光路後段に第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び偏光変換素子がそれぞれ1つずつ配置された構成を有するものと比べて、各第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び偏光変換素子の大きさを小さくすることができ、第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び偏光変換素子の製造が容易となるという効果もある。
【0038】
本発明の照明装置においては、前記インテグレータ光学系は、前記光合成光学系からの照明光束を複数の部分光束に分割する複数の第1小レンズをそれぞれ有する4つの第1レンズアレイと、前記4つの第1レンズアレイの各第1小レンズに対応する複数の第2小レンズをそれぞれ有する4つの第2レンズアレイと、前記4つの第2レンズアレイからのそれぞれの部分光束を略1種類の直線偏光成分を有する光束に変換する4つの偏光変換素子と、前記4つの偏光変換素子からのそれぞれの光を被照明領域で重畳させる重畳レンズとを有することも好ましい。
【0039】
このように構成することによっても、4つの第1レンズアレイ、4つの第2レンズアレイ及び重畳レンズの働きによって、照明光束の面内光強度分布をより均一なものにすることが可能となる。また、4つの偏光変換素子の働きによって、照明光束の偏光方向を略1種類の偏光方向に揃えることが可能となるため、液晶装置のように偏光方向を制御する電気光学変調装置を用いたプロジェクタにおいて特に好適なものとなる。
【0040】
また、本発明の照明装置によれば、光合成光学系の光路後段に第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び偏光変換素子がそれぞれ4つずつ配置された構成を有しているため、光合成光学系の光路後段に第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び偏光変換素子がそれぞれ1つずつ配置された構成を有するものと比べて、各第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び偏光変換素子の大きさを小さくすることができ、第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び偏光変換素子の製造が容易となるという効果もある。
【0041】
本発明の照明装置においては、前記3つの第1レンズアレイ又は前記4つの第1レンズアレイのそれぞれは、各第1小レンズが一方方向及び一方方向に直交する他方方向をそれぞれ6行と4列とするマトリクス状に配列されたレンズアレイであることが好ましい。
【0042】
このように構成することにより、レンズアレイによる十分な光均一化効果を得ながら光路後段に配置される偏光変換素子を比較的単純で小型の構造にすることが可能となる。本発明の照明装置は、画像形成領域のアスペクト比(縦横比)が3:4である電気光学変調装置を備えるプロジェクタに好適な照明装置となる。
【0043】
本発明の照明装置においては、前記3つの第1レンズアレイ又は前記4つの第1レンズアレイのそれぞれは、各第1小レンズが一方方向及び一方方向に直交する他方方向をそれぞれ7行と4列とするマトリクス状に配列されたレンズアレイであることが好ましい。
【0044】
このように構成することにより、レンズアレイによる十分な光均一化効果を得ながら光路後段に配置される偏光変換素子を比較的単純で小型の構造にすることが可能となる。本発明の照明装置は、画像形成領域のアスペクト比(縦横比)が9:16であるワイドビジョン用の電気光学変調装置を備えるプロジェクタに好適な照明装置となる。
【0045】
本発明のプロジェクタは、上記した本発明の照明装置と、前記照明装置からの光を画像情報に応じて変調する電気光学変調装置と、前記電気光学変調装置により変調された光を投写する投写光学系とを備えることを特徴とする。
【0046】
このため、本発明のプロジェクタによれば、上記したように優れた照明装置を備えているため、高輝度、かつ、小型のプロジェクタとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明の照明装置及びプロジェクタについて、図に示す実施の形態に基づいて説明する。
【0048】
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る照明装置100及びプロジェクタ1000を説明するために示す図である。図1(a)はプロジェクタ1000の光学系を示す平面図であり、図1(b)はプロジェクタ1000の光学系を示す側面図である。
図2は、光合成光学系50を説明するために示す図である。図2(a)は光合成光学系50の斜視図であり、図2(b)は光合成光学系50を図2(a)とは異なる方向から見たときの斜視図であり、図2(c)は光合成光学系50の側面図であり、図2(d)は光合成光学系50における上側構造体60を上から見たときの図であり、図2(e)は光合成光学系50における下側構造体70を上から見たときの図である。
【0049】
図3は、第1の光源装置10〜第3の光源装置30の配置位置を説明するために示す図である。図3(a)は第1の光源装置10〜第3の光源装置30及び光合成光学系50の斜視図であり、図3(b)は第1の光源装置10〜第3の光源装置30の配置位置を模式的に示す上面図である。なお、図3において、各凹レンズ18〜38の図示を省略している。
【0050】
図4は、インテグレータ光学系700を説明するために示す図である。図4(a)は上側構造体60から射出される照明光束が通過する位置に配置されるインテグレータ光学系700の各光学要素を示す上面図であり、図4(b)は下側構造体70から射出される照明光束が通過する位置に配置されるインテグレータ光学系700の各光学要素を示す上面図である。
図5は、第1レンズアレイ710,712,714の正面図である。なお、図5においては、照明光束の輪郭Lも併せて示している。
【0051】
なお、以下の説明においては、互いに直交する3つの方向をそれぞれz軸方向(図1(a)におけるシステム光軸OC方向)、x軸方向(図1(a)における紙面に平行かつz軸に直交する方向)及びy軸方向(図1(a)における紙面に垂直かつz軸に直交する方向)とする。
【0052】
実施形態1に係るプロジェクタ1000は、図1に示すように、いわゆる3灯式の照明装置100と、照明装置100からの照明光束を3つの色光に分離して被照明領域に導光する色分離導光光学系200と、色分離導光光学系200で分離された3つの色光のそれぞれを画像情報に応じて変調する電気光学変調装置としての3つの液晶装置400R,400G,400Bと、液晶装置400R,400G,400Bによって変調された色光を合成するクロスダイクロイックプリズム500と、クロスダイクロイックプリズム500によって合成された光をスクリーンSCR等の投写面に投写する投写光学系600とを備えたプロジェクタである。
【0053】
実施形態1に係る照明装置100は、図1及び図3に示すように、照明光束を射出する第1の光源装置10と、照明光束を射出する第2の光源装置20と、照明光束を射出する第3の光源装置30と、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成して射出する光合成光学系50と、光合成光学系50からの照明光束をより均一な強度分布を有する光に変換する機能を有するインテグレータ光学系700とを備えた照明装置である。
【0054】
まず、第1の光源装置10〜第3の光源装置30の構成を説明する。
【0055】
第1の光源装置10は、図1に示すように、第1の楕円面リフレクタ14と、第1の楕円面リフレクタ14の第1焦点近傍に発光中心を有する第1の発光管12と、第1の楕円面リフレクタ14からの集束光を光合成光学系50における光学ブロック62に向けて射出する第1の凹レンズ18とを有している。第1の発光管12には、第1の発光管12から被照明領域側に射出される光を第1の発光管12に向けて反射する第1の反射手段としての第1の補助ミラー16が設けられている。第1の光源装置10は、光軸10axを中心軸とする光束を射出する。
【0056】
第1の発光管12は、管球部と、管球部の両側に延びる一対の封止部とを有している。管球部は、球状に形成された石英ガラス製であって、この管球部内に配置された一対の電極と、管球部内に封入された水銀、希ガス及び少量のハロゲンとを有する。第1の発光管12並びに後述する第2の発光管22及び第3の発光管32としては、種々の発光管を採用でき、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ等を採用できる。
【0057】
第1の楕円面リフレクタ14は、第1の発光管12の一方の封止部に挿通・固着される筒状の首状部と、第1の発光管12から放射された光を第2焦点位置に向けて反射する反射凹面とを有している。
【0058】
第1の補助ミラー16は、第1の発光管12の管球部の略半分を覆い、第1の楕円面リフレクタ14の反射凹面と対向して配置される反射手段である。第1の補助ミラー16は、第1の発光管12の他方の封止部に挿通・固着されている。第1の補助ミラー16は、第1の発光管12から放射された光のうち第1の楕円面リフレクタ14に向かわない光を第1の発光管12に戻し第1の楕円面リフレクタ14に入射させる。
【0059】
第1の凹レンズ18は、第1の楕円面リフレクタ14の被照明領域側に配置されている。そして、第1の楕円面リフレクタ14からの光を光合成光学系50における光学ブロック62に向けて射出するように構成されている。
【0060】
第2の光源装置20は、第2の楕円面リフレクタ24と、第2の楕円面リフレクタ24の第1焦点近傍に発光中心を有する第2の発光管22と、第2の楕円面リフレクタ24からの集束光を光合成光学系50における反射プリズム72に向けて射出する第2の凹レンズ28とを有している。第2の発光管22には、第2の発光管22から被照明領域側に射出される光を第2の発光管22に向けて反射する第2の反射手段としての第2の補助ミラー26が設けられている。第2の光源装置20は、光軸20axを中心軸とする光束を射出する。
【0061】
第2の発光管22、第2の楕円面リフレクタ24、第2の補助ミラー26及び第2の凹レンズ28のそれぞれは、第1の発光管12、第1の楕円面リフレクタ14、第1の補助ミラー16及び第1の凹レンズ18と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0062】
第3の光源装置30は、第3の楕円面リフレクタ34と、第3の楕円面リフレクタ34の第1焦点近傍に発光中心を有する第3の発光管32と、第3の楕円面リフレクタ34からの集束光を光合成光学系50における反射プリズム74に向けて射出する第3の凹レンズ38とを有している。第3の発光管32には、第3の発光管32から被照明領域側に射出される光を第3の発光管32に向けて反射する第3の反射手段としての第3の補助ミラー36が設けられている。第3の光源装置30は、光軸30axを中心軸とする光束を射出する。
【0063】
第3の発光管32、第3の楕円面リフレクタ34、第3の補助ミラー36及び第3の凹レンズ38のそれぞれは、第1の発光管12、第1の楕円面リフレクタ14、第1の補助ミラー16及び第1の凹レンズ18と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0064】
次に、光合成光学系50の構成を説明する。
【0065】
光合成光学系50は、図2に示すように、第1の光源装置10からの照明光束を射出する上側構造体60と、第2の光源装置20からの照明光束及び第3の光源装置30からの照明光束を合成して射出する下側構造体70とで構成されている。
【0066】
上側構造体60は、第1の光源装置10からの照明光束を透過する光学ブロック62を有している。
【0067】
下側構造体70は、第2の光源装置20からの照明光束をインテグレータ光学系700に向けて反射する反射プリズム72と、第3の光源装置30からの照明光束をインテグレータ光学系700に向けて反射する反射プリズム74とを有している。反射プリズム72は、2つの三角柱プリズムの界面に反射面73が形成され、略立方体形状からなるプリズムである。反射プリズム74は、2つの三角柱プリズムの界面に反射面75が形成され、略立方体形状からなるプリズムである。
【0068】
このように構成された光合成光学系50により、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成し第1の光軸10axに平行な光軸(システム光軸OC)を中心軸とする照明光束としてインテグレータ光学系700に向けて射出することが可能となる。
【0069】
なお、光合成光学系50における光学ブロック62は、省略することも可能である。
【0070】
次に、インテグレー光学系700の構成を説明する。
【0071】
インテグレータ光学系700は、図4及び図5に示すように、光合成光学系50からの照明光束を複数の部分光束に分割する複数の第1小レンズ711,713,715をそれぞれ有する3つの第1レンズアレイ710,712,714と、各第1小レンズ711,713,715に対応する複数の第2小レンズ721,723,725をそれぞれ有する3つの第2レンズアレイ720,722,724と、3つの第2レンズアレイ720,722,724からのそれぞれの部分光束を略1種類の直線偏光成分を有する光束に変換する3つの偏光変換素子730,735,740と、3つの偏光変換素子730,735,740からのそれぞれの光を被照明領域で重畳させる重畳レンズ750とを有している。
【0072】
光学ブロック62から射出される照明光束が通過する位置には、第1レンズアレイ710と、第2レンズアレイ720と、偏光変換素子730とが配置されている。反射プリズム72から射出される照明光束が通過する位置には、第1レンズアレイ712と、第2レンズアレイ722と、偏光変換素子735とが配置されている。反射プリズム74から射出される照明光束が通過する位置には、第1レンズアレイ714と、第2レンズアレイ724と、偏光変換素子740とが配置されている。そして、偏光変換素子730,735,740の光路後段に、重畳レンズ750が配置されている。
【0073】
第1レンズアレイ710は、光合成光学系50(光学ブロック62)からの光を複数の部分光束に分割する光束分割光学素子としての機能を有し、複数の第1小レンズ711がz軸に垂直な面内に6行・4列のマトリクス状に配列された構成を有している(図5参照。)。第1レンズアレイ710の各第1小レンズ711の輪郭形状は、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。実施形態1に係る照明装置100においては、各第1小レンズ711は、「短辺:長辺=3:4の長方形」の平面形状を有している。他の第1レンズアレイ712,714も、第1レンズアレイ710と同様の構成を有している。
【0074】
第2レンズアレイ720は、第1レンズアレイ710と略同様な構成を有し、z軸に垂直な面内に複数の第2小レンズ721が6行・4列のマトリクス状に配列された構成を有している。他の第2レンズアレイ722,724も、第2レンズアレイ720と同様の構成を有している。第2レンズアレイ720,722,724は、重畳レンズ750とともに、第1レンズアレイ710,712,714の各第1小レンズ711,713,715の像を液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域近傍に結像させる機能を有する。
【0075】
偏光変換素子730は、第1レンズアレイ710により分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光として射出する偏光変換素子である。
偏光変換素子730は、図4(a)に示すように、第2レンズアレイ720から射出される光束のうちP偏光成分に係る光束を透過しS偏光成分に係る光束をシステム光軸OCから遠ざかる方向(x軸方向)に向けて反射する偏光分離面731と、偏光分離面731で反射されたS偏光成分に係る光束を偏光分離面731を透過したP偏光成分に係る光束に平行な方向(z軸方向)に向けて反射する反射面732と、偏光変換素子730の光射出面におけるP偏光成分に係る光束が射出される位置に配置され、P偏光成分に係る光束をS偏光成分に係る光束に変換する位相差板としてのλ/2板733とを有している。
【0076】
偏光変換素子735は、第1レンズアレイ712により分割された各部分光束の偏光方向を、偏光方向の揃った略1種類の直線偏光光として射出する偏光変換素子である。
偏光変換素子735は、図4(b)に示すように、第2レンズアレイ722から射出される光束のうちP偏光成分に係る光束を透過しS偏光成分に係る光束をシステム光軸OCから遠ざかる方向(x軸方向)に向けて反射する偏光分離面736と、偏光分離面736で反射されたS偏光成分に係る光束を偏光分離面736を透過したP偏光成分に係る光束に平行な方向(z軸方向)に向けて反射する反射面737と、偏光変換素子735の光射出面におけるP偏光成分に係る光束が射出される位置に配置され、P偏光成分に係る光束をS偏光成分に係る光束に変換する位相差板としてのλ/2板738とを有している。
偏光変換素子740も、偏光変換素子735と同様の構成を有している。
【0077】
重畳レンズ750は、3つの第1レンズアレイ710,712,714、3つの第2レンズアレイ720,722,724及び3つの偏光変換素子730,735,740を経た複数の部分光束を集光して液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域近傍に重畳させるための光学素子である。重畳レンズ750の光軸と照明装置100のシステム光軸OCとが略一致するように、重畳レンズ750が配置されている。なお、図1及び図4に示す重畳レンズ750は1枚のレンズで構成されているが、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
【0078】
次に、インテグレータ光学系700よりも光路後段に配置された各光学要素の構成を説明する。
【0079】
色分離導光光学系200は、図1に示すように、ダイクロイックミラー210,220と、反射ミラー230,240,250と、入射側レンズ260と、リレーレンズ270とを有している。色分離導光光学系200は、重畳レンズ750から射出される照明光束を、赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光に分離して、それぞれの色光を照明対象となる3つの液晶装置400R,400G,400Bに導く機能を有している。
【0080】
ダイクロイックミラー210,220は、基板上に所定の波長領域の光束を反射し、他の波長領域の光束を透過する波長選択膜が形成された光学素子である。光路前段に配置されるダイクロイックミラー210は、赤色光成分を反射し、その他の色光成分を透過させるミラーである。光路後段に配置されるダイクロイックミラー220は、緑色光成分を反射し、青色光成分を透過させるミラーである。
【0081】
ダイクロイックミラー210で反射された赤色光成分は、反射ミラー230により曲折され、集光レンズ300Rを介して赤色光用の液晶装置400Rの画像形成領域に入射する。
【0082】
集光レンズ300Rは、重畳レンズ750からの各部分光束を各主光線に対して略平行な光束に変換するために設けられている。他の液晶装置400G,400Bの光路前段に配置された集光レンズ300G,300Bも、集光レンズ300Rと同様に構成されている。
【0083】
ダイクロイックミラー210を透過した緑色光成分及び青色光成分のうち緑色光成分は、ダイクロイックミラー220で反射され、集光レンズ300Gを通過して緑色光用の液晶装置400Gの画像形成領域に入射する。一方、青色光成分は、ダイクロイックミラー220を透過し、入射側レンズ260、入射側の反射ミラー240、リレーレンズ270、射出側の反射ミラー250及び集光レンズ300Bを通過して青色光用の液晶装置400Bの画像形成領域に入射する。入射側レンズ260、リレーレンズ270及び反射ミラー240,250は、ダイクロイックミラー220を透過した青色光成分を液晶装置400Bまで導く機能を有している。
【0084】
なお、青色光の光路にこのような入射側レンズ260、リレーレンズ270及び反射ミラー240,250が設けられているのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路の長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。実施形態1に係るプロジェクタ1000においては、青色光の光路の長さが長いのでこのような構成とされているが、赤色光の光路の長さを長くして、入射側レンズ260、リレーレンズ270及び反射ミラー240,250を赤色光の光路に用いる構成も考えられる。
【0085】
液晶装置400R,400G,400Bは、照明光束を画像情報に応じて変調するものであり、照明装置100の照明対象となる。
液晶装置400R,400G,400Bは、一対の透明なガラス基板に電気光学物質である液晶を密閉封入したものであり、例えば、ポリシリコンTFTをスイッチング素子として、与えられた画像情報に従って、入射側偏光板から射出された1種類の直線偏光の偏光方向を変調する。
液晶装置400R,400G,400Bとしては、画像形成領域が「短辺:長辺=3:4の長方形」の平面形状を有する液晶装置を用いている。
【0086】
なお、図示を省略したが、各集光レンズ300R,300G,300Bと各液晶装置400R,400G,400Bとの間には、それぞれ入射側偏光板が介在配置され、各液晶装置400R,400G,400Bとクロスダイクロイックプリズム500との間には、それぞれ射出側偏光板が介在配置されている。これら入射側偏光板、液晶装置400R,400G,400B及び射出側偏光板によって入射する各色光の光変調が行われる。
【0087】
クロスダイクロイックプリズム500は、射出側偏光板から射出された各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム500は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。略X字状の一方の界面に形成された誘電体多層膜は、赤色光を反射するものであり、他方の界面に形成された誘電体多層膜は、青色光を反射するものである。これらの誘電体多層膜によって赤色光及び青色光は曲折され、緑色光の進行方向と揃えられることにより、3つの色光が合成される。
【0088】
クロスダイクロイックプリズム500から射出されたカラー画像は、投写光学系600によって拡大投写され、スクリーンSCR上で大画面画像を形成する。
【0089】
以上のように構成された実施形態1に係る照明装置100及びプロジェクタ1000において、図3に示すように、第1の光源装置10における第1の光軸10axに直交する仮想平面を第1の仮想平面Vとし、第2の光源装置20における第2の光軸20axに直交する仮想平面を第2の仮想平面Vとし、第3の光源装置30における第3の光軸30axに直交する仮想平面を第3の仮想平面Vとしたとき、第1の光源装置10〜第3の光源装置30のそれぞれは、第1の仮想平面Vに対して第2の仮想平面V及び第3の仮想平面Vがそれぞれ直交するとともに、第2の仮想平面Vと第3の仮想平面Vとが平行となるように配置されている。言い換えると、第1の光源装置10からの照明光束の射出方向に対し、第2の光源装置20及び第3の光源装置30からの照明光束の射出方向がそれぞれ直交するとともに、第2の光源装置20からの照明光束の射出方向と第3の光源装置30からの照明光束の射出方向が互いに相対し平行となるように配置されている。
【0090】
このため、実施形態1に係る照明装置100によれば、第1の光源装置10〜第3の光源装置30から射出される照明光束の射出方向が互いに異なる方向となるように第1の光源装置10〜第3の光源装置30をそれぞれ配置するとともに、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成してインテグレータ光学系700に向けて射出する光合成光学系50を備えているため、空間を有効に利用することができ、各光源装置10〜30における楕円面リフレクタ14〜34同士が干渉することもなくなる。その結果、インテグレータ光学系700の大きさが大きくなることを抑制することができ、照明装置100の大型化を抑制することが可能となる。
【0091】
また、実施形態1に係る照明装置100によれば、インテグレータ光学系700を備えているため、第1の光源装置10〜第3の光源装置30から射出され光合成光学系50によって合成された光を、より均一な強度分布を有する光に変換することが可能となる。
【0092】
また、実施形態1に係る照明装置100によれば、第1の光源装置10〜第3の光源装置30における各発光管12〜32としてそれほど高出力な発光管を用いなくても、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成することによって比較的高輝度な照明装置100を実現することが可能であるため、照明装置の高輝度化を図るとともに、照明装置の寿命の低下を抑制し、光利用効率の低下を抑制することが可能となるという効果もある。なお、各発光管12〜32の個々の出力は、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域での面内照度がより均一となるよう適宜選択する。
【0093】
実施形態1に係る照明装置100においては、光合成光学系50は、第1の光源装置10からの照明光束を透過する光学ブロック62と、第2の光源装置20及び第3の光源装置30からの照明光束をそれぞれインテグレータ光学系700に向けて反射する2つの反射プリズム72,74とを有している。
【0094】
このため、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成して射出する機能を有する光合成光学系を容易に実現することが可能となる。
【0095】
実施形態1に係る照明装置100においては、光合成光学系50は、光学ブロック62及び反射プリズム72,74を組み合わせて構成されている。光学ブロック62及び反射プリズム72,74を構成する媒質の屈折率は空気の屈折率よりも大きいため、光合成光学系50を通過する照明光束の光路長を比較的短いものにすることが可能となる。その結果、光合成光学系50、ひいては照明装置100の小型化を図ることができる。
【0096】
実施形態1に係る照明装置100においては、図2に示すように、光学ブロック62及び反射プリズム72,74は、接着層Cを介してそれぞれ接着されている。これにより、各部材間における不要な反射が低減するため、光利用効率が向上するとともに迷光レベルが低減する。
なお、光学ブロック62及び反射プリズム72,74とほぼ同じ屈折率を有する接着剤を用いている。
【0097】
実施形態1に係る照明装置100においては、上記したように、第1の光源装置10〜第3の光源装置30のそれぞれは、楕円面リフレクタ14〜34と、楕円面リフレクタ14〜34の第1焦点近傍に発光中心を有する発光管12〜32と、楕円面リフレクタ14〜34からの集束光を光合成光学系50に向けて射出する凹レンズ18〜38とを有している。
【0098】
このため、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からは各楕円面リフレクタ14〜34の大きさよりも小さな略平行光束が射出されるようになるため、照明装置100のさらなる小型化を図ることができる。
【0099】
実施形態1に係る照明装置100においては、上記したように、発光管12〜32には、反射手段としての補助ミラー16〜36がそれぞれ設けられている。
【0100】
このため、各発光管12〜32から被照明領域側に放射される光が各発光管12〜32に向けて反射されるため、各発光管12〜32の被照明領域側端部まで覆うような大きさに各楕円面リフレクタ14〜34の大きさを設定することを必要とせず、各楕円面リフレクタ14〜34の小型化を図ることができ、結果として照明装置100の小型化を図ることができる。
また、各楕円面リフレクタ14〜34の小型化を図ることができることにより、各楕円面リフレクタ14〜34から各楕円面リフレクタ14〜34の第2焦点に向けて集束するビームの集束角やビームスポットを小さくすることができるため、各凹レンズ18〜38の大きさ、光合成光学系50の大きさ、インテグレータ光学系700の大きさをさらに小さくすることができ、照明装置100のさらなる小型化を図ることができる。
【0101】
実施形態1に係る照明装置100においては、図1及び図4に示すように、各凹レンズ18〜38と光合成光学系50とは離隔して配置されているため、各光学要素間の位置調整を容易に行うことができるようになる。また、各光学要素に及ぼす熱的影響を軽減することができる。
【0102】
なお、ここでは図示を省略したが、各凹レンズ18〜38の光入射面及び光射出面並びに光合成光学系50の光入射面(各凹レンズ18〜38に対応する位置)には、減反射膜がコーティングされている。これにより、上記の各光学要素に入射する照明光束及び上記の各光学要素から射出される照明光束における不要な反射の発生を抑制することができる。
【0103】
実施形態1に係る照明装置100においては、インテグレータ光学系700は、光合成光学系50からの照明光束を複数の部分光束に分割する複数の第1小レンズ711,713,715をそれぞれ有する3つの第1レンズアレイ710,712,714と、各第1小レンズ711,713,715に対応する複数の第2小レンズ721,723,725をそれぞれ有する3つの第2レンズアレイ720,722,724と、3つの第2レンズアレイ720,722,724からのそれぞれの部分光束を略1種類の直線偏光成分を有する光束に変換する3つの偏光変換素子730,735,740と、3つの偏光変換素子730,735,740からのそれぞれの光を被照明領域で重畳させる重畳レンズ750とを有している。
【0104】
このため、3つの第1レンズアレイ710,712,714、3つの第2レンズアレイ720,722,724及び重畳レンズ750の働きによって、照明光束の面内光強度分布をより均一なものにすることが可能となる。また、3つの偏光変換素子730,735,740の働きによって、照明光束の偏光方向を略1種類の偏光方向に揃えることが可能となるため、液晶装置のように偏光方向を制御する電気光学変調装置を用いたプロジェクタにおいて特に好適なものとなる。
【0105】
また、実施形態1に係る照明装置100によれば、光合成光学系50の光路後段に第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び偏光変換素子がそれぞれ3つずつ配置された構成を有しているため、光合成光学系の光路後段に第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び偏光変換素子がそれぞれ1つずつ配置された構成を有するものと比べて、各第1レンズアレイ710,712,714、第2レンズアレイ720,722,724及び偏光変換素子730,735,740の大きさを小さくすることができ、第1レンズアレイ710,712,714、第2レンズアレイ720,722,724及び偏光変換素子730,735,740の製造が容易となるという効果もある。
【0106】
実施形態1に係る照明装置100においては、図5に示すように、3つの第1レンズアレイ710,712,714のそれぞれは、各第1小レンズ711,713,715が縦方向及び横方向をそれぞれ6行と4列とするマトリクス状に配列されたレンズアレイであるため、レンズアレイによる十分な光均一化効果を得ながら光路後段に配置される偏光変換素子730,735,740を比較的単純で小型の構造にすることが可能となる。実施形態1に係る照明装置100は、画像形成領域のアスペクト比(縦横比)が3:4である液晶装置を備えるプロジェクタに好適な照明装置となる。
【0107】
実施形態1に係る照明装置100においては、図4に示すように、各第2レンズアレイ720,722,724における横方向(x軸方向)に沿った長さは、各第1レンズアレイ710,712,714における横方向(x軸方向)に沿った長さと略同一であるため、第1レンズアレイ710,712,714及び第2レンズアレイ720,722,724として偏心のない又は偏心の小さいレンズアレイを用いることが可能となり、第1レンズアレイ710,712,714及び第2レンズアレイ720,722,724の製造が容易となる。
【0108】
実施形態1に係る照明装置100においては、図4(b)に示すように、偏光変換素子735,740は、第2レンズアレイ722,724から射出される光束のうちP偏光成分に係る光束を透過しS偏光成分に係る光束をシステム光軸OCから遠ざかる方向(x軸方向)に向けて反射する偏光分離面736,741を有しているため、システム光軸OC(重畳レンズ750の光軸)近傍における光束の密度を減らすことができ、偏光変換素子735,740の配置の自由度を高めることが可能となる。
【0109】
実施形態1に係るプロジェクタ1000は、上記した実施形態1に係る照明装置100と、照明装置100からの光を画像情報に応じて変調する液晶装置400R,400G,400Bと、液晶装置400R,400G,400Bにより変調された光を投写する投写光学系600とを備えるプロジェクタである。
【0110】
このため、実施形態1に係るプロジェクタ1000によれば、上記したように優れた照明装置100を備えているため、高輝度、かつ、小型のプロジェクタとなる。
【0111】
なお、実施形態1に係る照明装置100においては、第1の光源装置10〜第3の光源装置30のそれぞれが、第1の仮想平面Vに対して第2の仮想平面V及び第3の仮想平面Vがそれぞれ直交するとともに、第2の仮想平面Vと第3の仮想平面Vとが平行となるように配置されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形も可能である。
【0112】
[変形例1及び2]
図6は、実施形態1の変形例1に係る照明装置100aを説明するために示す図である。図6(a)は第1の光源装置10〜第3の光源装置30及び光合成光学系50aの斜視図であり、図6(b)は第1の光源装置10〜第3の光源装置30の配置位置を模式的に示す正面図である。なお、図6(b)においては、インテグレータ光学系側から見たときの第1の光源装置10〜第3の光源装置30の配置位置を示している。
図7は、実施形態1の変形例2に係る照明装置100bを説明するために示す図である。図7(a)は第1の光源装置10〜第3の光源装置30及び光合成光学系50bの斜視図であり、図7(b)は第1の光源装置10〜第3の光源装置30の配置位置を模式的に示す側面図であり、図7(c)は第1の光源装置10〜第3の光源装置30の配置位置を模式的に示す正面図である。なお、図7(c)においては、インテグレータ光学系側から見たときの第1の光源装置10〜第3の光源装置30の配置位置を示している。
【0113】
実施形態1の変形例1に係る照明装置100aは、基本的には実施形態1に係る照明装置100とよく似た構成を有しているが、図6に示すように、第1の光源装置の配置位置が実施形態1に係る照明装置100とは異なっている。
【0114】
すなわち、変形例1に係る照明装置100aにおいては、図6に示すように、第1の光源装置10が光合成光学系50aに対して上側に配置されている。なお、第1の光源装置10〜第3の光源装置30の配置位置の関係については、第1の仮想平面Vに対して第2の仮想平面V及び第3の仮想平面Vがそれぞれ直交するとともに、第2の仮想平面Vと第3の仮想平面Vとが平行となっている。言い換えると、第1の光源装置10からの照明光束の射出方向に対し、第2の光源装置20及び第3の光源装置30からの照明光束の射出方向がそれぞれ直交するとともに、第2の光源装置20からの照明光束の射出方向と第3の光源装置30からの照明光束の射出方向が互いに相対し平行となるように配置されている。
【0115】
変形例1に係る照明装置100aにおいては、第1の光源装置10の配置位置が異なるのにともない、光合成光学系の構成が実施形態1で説明したものとは異なっている。
【0116】
変形例1に係る照明装置100aにおいては、光合成光学系50aは、図6に示すように、第1の光源装置10からの照明光束を射出する上側構造体60aと、第2の光源装置20からの照明光束及び第3の光源装置30からの照明光束を合成して射出する下側構造体70とで構成されている。なお、光合成光学系50aにおける下側構造体70は、実施形態1で説明したものと同様であるため、説明は省略する。
【0117】
上側構造体60aは、第1の光源装置10からの照明光束をインテグレータ光学系700(図示せず。)に向けて反射する反射プリズム64aを有している。反射プリズム64aは、2つの三角柱プリズムの界面に反射面65aが形成され、略立方体形状からなるプリズムである。
【0118】
一方、実施形態1の変形例2に係る照明装置100bは、基本的には実施形態1に係る照明装置100とよく似た構成を有しているが、図7に示すように、第1の光源装置及び第3の光源装置の配置位置が実施形態1に係る照明装置100とは異なっている。
【0119】
すなわち、変形例2に係る照明装置100bにおいては、図7に示すように、第1の光源装置10からの照明光束が上側構造体60bではなく下側構造体70bに入射するように、第1の光源装置10が配置されている。また、第3の光源装置30からの照明光束が下側構造体70bではなく上側構造体60bに入射するように、第3の光源装置30が配置されている。なお、第1の光源装置10〜第3の光源装置30の配置位置の関係は、第1の仮想平面Vに対して第2の仮想平面V及び第3の仮想平面Vがそれぞれ直交するとともに、第2の仮想平面Vと第3の仮想平面Vとが直交している。言い換えると、第1の光源装置10からの照明光束の射出方向に対し、第2の光源装置20及び第3の光源装置30からの照明光束の射出方向がそれぞれ直交するとともに、第2の光源装置20からの照明光束の射出方向と第3の光源装置30からの照明光束の射出方向が直交するように配置されている。
【0120】
変形例2に係る照明装置100bにおいては、第1の光源装置10及び第3の光源装置30の配置位置が異なるのにともない、光合成光学系の構成が実施形態1で説明したものとは異なっている。
【0121】
変形例2に係る照明装置100bにおいては、光合成光学系50bは、図7に示すように、第3の光源装置30からの照明光束を射出する上側構造体60bと、第1の光源装置10からの照明光束及び第2の光源装置20からの照明光束を合成して射出する下側構造体70bとで構成されている。
【0122】
上側構造体60bは、第3の光源装置30からの照明光束をインテグレータ光学系700(図示せず。)に向けて反射する反射プリズム66bを有している。反射プリズム66bは、2つの三角柱プリズムの界面に反射面67bが形成され、略立方体形状からなるプリズムである。
【0123】
下側構造体70bは、第2の光源装置20からの照明光束をインテグレータ光学系700に向けて反射する反射プリズム76bと、第1の光源装置10からの照明光束を透過する光学ブロック78bとを有している。反射プリズム76bは、2つの三角柱プリズムの界面に反射面77bが形成され、略立方体形状からなるプリズムである。なお、光学ブロック78bは省略することも可能である。
【0124】
上記のように構成された変形例1における光合成光学系50a及び変形例2における光合成光学系50bによっても、実施形態1で説明した光合成光学系50の場合と同様に、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成してインテグレータ光学系700に向けて射出することが可能となる。
【0125】
[実施形態2]
図8は、実施形態2に係る照明装置102を説明するために示す図である。図8(a)は光合成光学系52の斜視図であり、図8(b)は光合成光学系52を図8(a)とは異なる方向から見たときの斜視図であり、図8(c)は光合成光学系52の側面図であり、図8(d)は光合成光学系52における反射ミラー80,82が配置される部分を上から見たときの図である。
【0126】
実施形態2に係る照明装置102(図示せず。)は、基本的には実施形態1に係る照明装置100とよく似た構成を有しているが、光合成光学系の構成が実施形態1に係る照明装置100とは異なっている。
【0127】
すなわち、実施形態2に係る照明装置102においては、図8に示すように、光合成光学系52は、第2の光源装置20及び第3の光源装置30からの照明光束をインテグレータ光学系700(図示せず。)に向けて反射する2つの反射ミラー80,82で構成されている。
【0128】
反射ミラー80は、図8(d)に示すように、第2の光源装置20からの照明光束をシステム光軸OCに沿った方向に反射する。反射ミラー82は、第3の光源装置30からの照明光束をシステム光軸OCに沿った方向に反射する。なお、図8(a)〜図8(c)に示すように、第1の光源装置10からの照明光束が通過する位置には反射ミラーが配置されていないため、第1の光源装置10からの照明光束は光合成光学系52を通過する。
【0129】
このように、実施形態2に係る照明装置102は、実施形態1に係る照明装置100とは光合成光学系の構成が異なっているが、実施形態1に係る照明装置100の場合と同様に、第1の光源装置10〜第3の光源装置30から射出される照明光束の射出方向が互いに異なる方向となるように第1の光源装置10〜第3の光源装置30をそれぞれ配置するとともに、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成してインテグレータ光学系700に向けて射出する光合成光学系52を備えているため、空間を有効に利用することができ、各光源装置10〜30における楕円面リフレクタ同士が干渉することもなくなる。その結果、インテグレータ光学系700の大きさが大きくなることを抑制することができ、照明装置102の大型化を抑制することが可能となる。
【0130】
実施形態2に係る照明装置102は、光合成光学系の構成以外の点では、実施形態1に係る照明装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明装置100の場合と同様の効果を有する。
【0131】
[実施形態3]
図9は、実施形態3に係る照明装置104を説明するために示す図である。図9(a)は光合成光学系54の斜視図であり、図9(b)は光合成光学系54の側面図であり、図9(c)は光合成光学系54における上側構造体60を上から見たときの図であり、図9(d)は光合成光学系54における下側構造体90を上から見たときの図であり、図9(e)は下側構造体90に入射する照明光束が偏光分離及び合成される様子を模式的に示す図である。
【0132】
実施形態3に係る照明装置104(図示せず。)は、基本的には実施形態1に係る照明装置100とよく似た構成を有しているが、光合成光学系の構成が実施形態1に係る照明装置100とは異なっている。
【0133】
すなわち、実施形態3に係る照明装置104においては、図9に示すように、光合成光学系54は、第1の光源装置10からの照明光束を射出する上側構造体60と、第2の光源装置20からの照明光束及び第3の光源装置30からの照明光束を合成して射出する下側構造体90とで構成されている。なお、光合成光学系54における上側構造体60は、実施形態1で説明したものと同様であるため、説明は省略する。
【0134】
下側構造体90は、図9(d)に示すように、3つの偏光プリズム97a,97b,97cと、1つの反射プリズム98と、2つのλ/2板93,95とで構成されている。
【0135】
偏光プリズム97aは、図9(d)及び図9(e)に示すように、第3の光源装置30(図示せず。)からの照明光束のうちP偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を反射する偏光分離面91を有する。
偏光プリズム97bは、第2の光源装置20(図示せず。)からの照明光束のうちP偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を反射するとともに、反射面92で反射されたP偏光成分に係る照明光束を透過する偏光分離合成面94を有する。
偏光プリズム97cは、λ/2板93を通過したP偏光成分に係る照明光束とλ/2板95を通過したS偏光成分に係る照明光束とを合成する偏光合成面96を有する。
【0136】
反射プリズム98は、偏光分離面91を透過したP偏光成分に係る照明光束を偏光分離面91で反射されたS偏光成分に係る照明光束に平行な方向に向けて反射する反射面92を有する。
【0137】
位相差板としてのλ/2板93は、偏光分離面91で反射されたS偏光成分に係る照明光束が通過する位置に配置され、S偏光成分に係る照明光束をP偏光成分に係る照明光束に変換する。
位相差板としてのλ/2板95は、第2の光源装置20からの照明光束のうち偏光分離合成面94を透過したP偏光成分に係る照明光束が通過する位置に配置され、P偏光成分に係る照明光束をS偏光成分に係る照明光束に変換する。
【0138】
偏光分離合成面94は、第3の光源装置30からの照明光束のうち反射面92で反射されたP偏光成分に係る照明光束と、第2の光源装置20からの照明光束のうちS偏光成分に係る照明光束とを合成し、見かけ上無偏光の光として射出する。また、偏光合成面96は、P偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を反射することにより、第3の光源装置30からの照明光束のうちλ/2板93を通過したP偏光成分に係る照明光束と、第2の光源装置20からの照明光束のうちλ/2板95を通過したS偏光成分に係る照明光束とを合成し、見かけ上無偏光の光として射出する。
その結果、下側構造体90からは、第2の光源装置20及び第3の光源装置30からの照明光束が同じ角度をもって重畳された形で射出されるようになる。
【0139】
なお、下側構造体90は、(ア)P偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を反射する偏光分離面91を、S偏光成分に係る照明光束を透過しP偏光成分に係る照明光束を反射する他の偏光分離面に替え、(イ)P偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を反射する偏光分離合成面94を、S偏光成分に係る照明光束を透過しP偏光成分に係る照明光束を反射する他の偏光分離合成面に替え、(ウ)P偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を反射することにより2つの照明光束を合成する偏光合成面96を、S偏光成分に係る照明光束を透過しP偏光成分に係る照明光束を反射することにより2つの照明光束を合成する他の偏光合成面に替えることも可能である。このように他の偏光分離面、他の偏光分離合成面及び他の偏光合成面を備えた下側構造体としても、下側構造体からは、第2の光源装置20及び第3の光源装置30からの照明光束が同じ角度をもって重畳された形で射出されるようになる。
【0140】
このように、実施形態3に係る照明装置104は、実施形態1に係る照明装置100とは光合成光学系の構成が異なっているが、実施形態1に係る照明装置100の場合と同様に、第1の光源装置10〜第3の光源装置30から射出される照明光束の射出方向が互いに異なる方向となるように第1の光源装置10〜第3の光源装置30をそれぞれ配置するとともに、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成してインテグレータ光学系700に向けて射出する光合成光学系54を備えているため、空間を有効に利用することができ、各光源装置10〜30における楕円面リフレクタ同士が干渉することもなくなる。その結果、インテグレータ光学系700の大きさが大きくなることを抑制することができ、照明装置104の大型化を抑制することが可能となる。
【0141】
実施形態3に係る照明装置104は、光合成光学系の構成以外の点では、実施形態1に係る照明装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明装置100の場合と同様の効果を有する。
【0142】
[実施形態4]
図10は、実施形態4に係る照明装置106を説明するために示す図である。図10(a)は光合成光学系56の斜視図であり、図10(b)は光合成光学系56における上側構造体120を上から見たときの図であり、図10(c)は光合成光学系56における下側構造体140を上から見たときの図である。
図11は、光合成光学系56に入射する照明光束が偏光分離及び合成される様子を模式的に示す図である。図11(a)は上側構造体120に入射する照明光束が偏光分離及び合成される様子を模式的に示す図であり、図11(b)は下側構造体140に入射する照明光束が偏光分離及び合成される様子を模式的に示す図である。
【0143】
図12は、インテグレータ光学系700Bを説明するために示す図である。図12(a)は上側構造体120から射出される照明光束が通過する位置に配置されるインテグレータ光学系700Bの各光学要素を示す上面図であり、図12(b)は下側構造体140から射出される照明光束が通過する位置に配置されるインテグレータ光学系700Bの各光学要素を示す上面図である。
図13は、第1レンズアレイ710B,712B,714B,716Bの正面図である。なお、図13においては、照明光束の輪郭Lも併せて示している。
【0144】
実施形態4に係る照明装置106(図示せず。)は、基本的には実施形態1に係る照明装置100とよく似た構成を有しているが、光合成光学系の構成が実施形態1に係る照明装置100とは異なっている。また、実施形態4に係る照明装置106は、第1の光源装置10及び第3の光源装置30の配置位置が実施形態1に係る照明装置100とは異なっている。さらにまた、実施形態4に係る照明装置106は、インテグレータ光学系の構成が実施形態1に係る照明装置100とは異なっている。
【0145】
すなわち、実施形態4に係る照明装置106においては、図10に示すように、光合成光学系56は、第3の光源装置30からの照明光束を射出する上側構造体120と、第1の光源装置10からの照明光束及び第2の光源装置20からの照明光束を合成して射出する下側構造体140とで構成されている。
【0146】
上側構造体120は、図10(b)及び図11に示すように、第3の光源装置30からの照明光束をP偏光成分に係る照明光束とS偏光成分に係る照明光束とに分離する偏光分離光学素子122と、偏光分離光学素子122の光射出面におけるP偏光成分に係る照明光束が通過する位置に配置される位相差板としてのλ/2板128と、偏光分離光学素子122及びλ/2板から射出され光入射面134に入射したS偏光成分に係る照明光束をインテグレータ光学系700Bに向けて反射する反射プリズム130とを有している。
【0147】
偏光分離光学素子122は、第3の光源装置30からの照明光束のうちP偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を第3の光源装置30の光軸30axから遠ざかる方向に向けて反射する偏光分離面124と、偏光分離面124で反射されたS偏光成分に係る照明光束を偏光分離面124を透過したP偏光成分に係る照明光束に平行な方向に向けて反射する反射面126とを有している。
【0148】
λ/2板128は、偏光分離光学素子122の光射出面におけるP偏光成分に係る照明光束が射出される位置に配置されている。そして、P偏光成分に係る照明光束をS偏光成分に係る照明光束に変換する。
【0149】
反射プリズム130は、反射面132を有する三角柱プリズムからなる。偏光分離光学素子122及びλ/2板128から射出され光入射面134に入射したS偏光成分に係る照明光束は、反射面132で反射される。これにより、第3の光源装置30からの照明光束が、上側構造体120(反射プリズム130)を通過してインテグレータ光学系700Bに向けて射出されることとなる
【0150】
なお、上側構造体120においては、偏光分離光学素子122は、P偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を反射する偏光分離面124を、S偏光成分に係る照明光束を透過しP偏光成分に係る照明光束を反射する他の偏光分離面に替えることも可能である。この場合、他の偏光分離面で反射されたP偏光成分に係る照明光束が射出される位置にλ/2板128を配置すれば、反射プリズム130の光入射面134に入射する光をS偏光成分に係る照明光束に揃えることができる。
また、上側構造体120においては、λ/2板128は、偏光分離光学素子122の光射出面におけるP偏光成分に係る照明光束が射出される位置ではなく、偏光分離光学素子122の光射出面におけるS偏光成分に係る照明光束が射出される位置に配置されていててもよい。この場合、反射プリズム130の光入射面134に入射する光をP偏光成分に係る照明光束に揃えることができる。
【0151】
下側構造体140は、図10(c)及び図11に示すように、第1の光源装置10からの照明光束をP偏光成分に係る照明光束とS偏光成分に係る照明光束とに分離する偏光分離光学素子142と、偏光分離光学素子142の光射出面におけるS偏光成分に係る照明光束が通過する位置に配置される位相差板としてのλ/2板148と、第2の光源装置20からの照明光束をP偏光成分に係る照明光束とS偏光成分に係る照明光束とに分離する偏光分離光学素子152と、偏光分離光学素子152の光射出面におけるP偏光成分に係る照明光束が通過する位置に配置される位相差板としてのλ/2板158と、第1の光源装置10及び第2の光源装置20から射出される照明光束を合成して射出する偏光ビームコンバイナ160とを有している。
【0152】
偏光分離光学素子142は、第1の光源装置10からの照明光束のうちP偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を第1の光源装置10の光軸10axから遠ざかる方向に向けて反射する偏光分離面144と、偏光分離面144で反射されたS偏光成分に係る照明光束を偏光分離面144を透過したP偏光成分に係る照明光束に平行な方向に向けて反射する反射面146とを有している。
【0153】
λ/2板148は、偏光分離光学素子142の光射出面におけるS偏光成分に係る照明光束が射出される位置に配置されている。そして、S偏光成分に係る照明光束をP偏光成分に係る照明光束に変換する。
【0154】
偏光分離光学素子152は、第2の光源装置20からの照明光束のうちP偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を第2の光源装置20の光軸20axから遠ざかる方向に向けて反射する偏光分離面154と、偏光分離面154で反射されたS偏光成分に係る照明光束を偏光分離面154を透過したP偏光成分に係る照明光束に平行な方向に向けて反射する反射面156とを有している。
【0155】
λ/2板158は、偏光分離光学素子152の光射出面におけるP偏光成分に係る照明光束が射出される位置に配置されている。そして、P偏光成分に係る照明光束をS偏光成分に係る照明光束に変換する。
【0156】
偏光ビームコンバイナ160は、第1の光入射面164を有する三角柱プリズムと第2の光入射面166を有する三角柱プリズムとを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、三角柱プリズム同士を貼り合わせた界面には、P偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を反射する偏光合成面162が形成されている。偏光分離光学素子142及びλ/2板148から射出され第1の光入射面164に入射したP偏光成分に係る照明光束は、偏光合成面162を透過する。偏光分離光学素子152及びλ/2板158から射出され第2の光入射面166に入射したS偏光成分に係る照明光束は、偏光合成面162で反射される。これにより、第1の光源装置10からの照明光束と第2の光源装置20からの照明光束とが合成されて、偏光ビームコンバイナ160からインテグレータ光学系700Bに向けて射出されることとなる。
このような偏光ビームコンバイナ160は、偏光ビームスプリッタと同様の構成を備えるものであるが、光の通過方向が偏光ビームスプリッタとは逆となっており、互いに偏光方向が垂直である2種類の直線偏光を合成し、見かけ上無偏光の光を射出する。
【0157】
なお、下側構造体140においては、偏光分離光学素子142は、P偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を反射する偏光分離面144を、S偏光成分に係る照明光束を透過しP偏光成分に係る照明光束を反射する他の偏光分離面に替えることも可能である。この場合、他の偏光分離面を透過したS偏光成分に係る照明光束が射出される位置にλ/2板148を配置すれば、偏光ビームコンバイナ160の第1の光入射面164に入射する光をP偏光成分に係る照明光束に揃えることができる。
また、偏光分離光学素子152は、P偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を反射する偏光分離面154を、S偏光成分に係る照明光束を透過しP偏光成分に係る照明光束を反射する他の偏光分離面に替えることも可能である。この場合、他の偏光分離面で反射されたP偏光成分に係る照明光束が射出される位置にλ/2板158を配置すれば、偏光ビームコンバイナ160の第2の光入射面166に入射する光をS偏光成分に係る照明光束に揃えることができる。
【0158】
図10に示すように偏光分離光学素子122と反射プリズム130とは離隔して配置され、偏光分離光学素子142,152と偏光ビームコンバイナ160とはそれぞれ離隔して配置されているため、各光学要素間の位置調整を容易に行うことができるようになる。また、各光学要素に及ぼす熱的影響を軽減することができる。
【0159】
なお、ここでは図示を省略したが、偏光分離光学素子122,142,152の光入射面及び光射出面、反射プリズム130の光入射面134並びに偏光ビームコンバイナ160の第1の光入射面164及び第2の光入射面166には、減反射膜がコーティングされている。これにより、上記の各光学要素に入射する照明光束及び上記の各光学要素から射出される照明光束における不要な反射の発生を抑制することができる。
【0160】
実施形態4に係る照明装置106においては、上記のような構成を有する光合成光学系56を備えることにともない、第1の光源装置10及び第3の光源装置30の配置位置が実施形態1で説明したものとは異なっている。具体的には、第1の光源装置10からの照明光束が上側構造体120ではなく下側構造体140に入射するように、第1の光源装置10が配置されている(図10(c)参照。)。また、第3の光源装置30からの照明光束が下側構造体140ではなく上側構造体120に入射するように、第3の光源装置30が配置されている(図10(b)参照。)。
【0161】
また、実施形態4に係る照明装置106においては、上記のような構成を有する光合成光学系56を備えることにともない、インテグレータ光学系の構成が実施形態1で説明したものとは異なっている。
すなわち、実施形態1に係る照明装置100においては、インテグレータ光学系700は、光合成光学系50の光路後段に第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び偏光変換素子がそれぞれ3つずつ配置された構成を有しているのに対し、実施形態4に係る照明装置106においては、インテグレータ光学系700Bは、光合成光学系56の光路後段に第1レンズアレイ、第2レンズアレイ及び偏光変換素子がそれぞれ4つずつ配置された構成を有している。
【0162】
インテグレータ光学系700Bは、図12及び図13に示すように、光合成光学系56からの照明光束を複数の部分光束に分割する複数の第1小レンズ711B,713B,715B,717Bをそれぞれ有する4つの第1レンズアレイ710B,712B,714B,716Bと、各第1小レンズ711B,713B,715B,717Bに対応する複数の第2小レンズ721B,723B,725B,727Bをそれぞれ有する4つの第2レンズアレイ720B,722B,724B,726Bと、4つの第2レンズアレイ720B,722B,724B,726Bからのそれぞれの部分光束を略1種類の直線偏光成分を有する光束に変換する4つの偏光変換素子730B,735B,740B,745Bと、4つの偏光変換素子730B,735B,740B,745Bからのそれぞれの光を被照明領域で重畳させる重畳レンズ750Bとを有している。
なお、第1レンズアレイ710B,712B,714B,716B、第2レンズアレイ720B,722B,724B,726B、偏光変換素子730B,735B,740B,745B及び重畳レンズ750Bのそれぞれが有する機能は、実施形態1で説明した第1レンズアレイ710,712,714、第2レンズアレイ720,722,724、偏光変換素子730,735,740及び重畳レンズ750のそれぞれが有する機能と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0163】
このように、実施形態4に係る照明装置106は、実施形態1に係る照明装置100とは光合成光学系の構成、第1の光源装置及び第3の光源装置の配置位置並びにインテグレータ光学系の構成が異なっているが、実施形態1に係る照明装置100の場合と同様に、第1の光源装置10〜第3の光源装置30から射出される照明光束の射出方向が互いに異なる方向となるように第1の光源装置10〜第3の光源装置30をそれぞれ配置するとともに、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成してインテグレータ光学系700Bに向けて射出する光合成光学系56を備えているため、空間を有効に利用することができ、各光源装置10〜30における楕円面リフレクタ同士が干渉することもなくなる。その結果、インテグレータ光学系700Bの大きさが大きくなることを抑制することができ、照明装置106の大型化を抑制することが可能となる。
【0164】
なお、実施形態4に係る照明装置において、第3の光源装置30に供給する電力を第1の光源装置10及び第2の光源装置20に供給する電力の2倍(光源装置の定格電力内)に設定すれば、上側構造体120部分から射出される照明光束の光量と下側構造体140から射出される照明光束の光量とを略同一とすることが可能となる。
【0165】
実施形態4に係る照明装置106は、光合成光学系の構成、第1の光源装置及び第3の光源装置の配置位置並びにインテグレータ光学系の構成以外の点では、実施形態1に係る照明装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明装置100の場合と同様の効果を有する。
【0166】
[実施形態5]
実施形態5に係る照明装置108及びプロジェクタ1008の特徴及び効果を説明するにあたり、まず、プロジェクタ1008の構成について、図14を用いて説明する。
【0167】
図14は、実施形態5に係る照明装置108及びプロジェクタ1008を説明するために示す図である。図14(a)はプロジェクタ1008の光学系を示す平面図であり、図14(b)はプロジェクタ1008の光学系を示す側面図であり、図14(c)はカラーホイール810をシステム光軸OCに沿って見た図である。なお、図14(a)及び図14(b)において、図1と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0168】
実施形態5に係るプロジェクタ1008は、図14(a)及び図14(b)に示すように、照明装置108と、照明装置108からの照明光束を被照明領域に導光するリレー光学系820と、リレー光学系820からの光を画像情報に応じて変調する電気光学変調装置としてのマイクロミラー型光変調装置410と、マイクロミラー型光変調装置410によって変調された光をスクリーンSCR等の投写面に投写する投写光学系610とを備えたプロジェクタである。
【0169】
実施形態5に係る照明装置108は、第1の光源装置10〜第3の光源装置30と、第1の光源装置10〜第3の光源装置30から射出される照明光束を合成し第1の光軸10axに平行な光軸(システム光軸OC)を中心軸とする照明光束として射出する光合成光学系50と、光合成光学系50からの照明光束をより均一な強度分布を有する光に変換する機能を有するインテグレータ光学系702とを備えた照明装置である。
【0170】
第1の光源装置10〜第3の光源装置30及び光合成光学系50については、実施形態1で説明したものと同様であるため説明を省略する。
【0171】
インテグレータ光学系702は、光合成光学系50からの照明光束を集束光に変換して射出する集光レンズ752と、集光レンズ752からの照明光束をより均一な強度分布を有する光に変換するインテグレータロッド760とを有している。
【0172】
集光レンズ752は、光合成光学系50からの照明光束をインテグレータロッド760の光入射面近傍に集光させる機能を有している。なお、図14(a)及び図14(b)に示す集光レンズ752は1枚のレンズで構成されているが、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
【0173】
インテグレータロッド760は、集光レンズ752からの光を内面で多重反射させることにより、集光レンズ752からの光をより均一な強度分布を有する光に変換する機能を有する光学部材である。インテグレータロッド760としては、例えば、中実のガラスロッドを好適に用いることができる。
【0174】
インテグレータロッド760の光射出面の形状は、マイクロミラー型光変調装置410の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。ただし、システム光軸OCはマイクロミラー型光変調装置410の中心軸に対して傾斜して配置されているので、マイクロミラー型光変調装置410に照射される光は、この傾斜に応じて歪んだ輪郭形状を有することとなる。したがって、このような場合におけるインテグレータロッド760の光射出面の形状としては、マイクロミラー型光変調装置410に照射される光の輪郭の歪みを補正するような形状とすることがより好ましい。
【0175】
インテグレータロッド760の光射出側には、カラーホイール810が配置されている。カラーホイール810は、図14(c)に示すように、回転方向に沿って区切られた4つの扇形の領域に3つの透過型のカラーフィルタ812R,812G,812Bが形成さた円板状部材である。カラーホイール810の中心部分には、カラーホイール810を回転させるためのモータ814が配置されている。
【0176】
カラーフィルタ812Rは、インテグレータロッド760からの照明光束のうち、赤の波長領域の光を透過し、他の波長領域の光を反射又は吸収することにより、赤色光成分のみを透過するものである。同様に、カラーフィルタ812G,812Bは、それぞれ、インテグレータロッド760からの照明光束のうち、緑又は青の波長領域の光を透過し、他の波長領域の光を反射又は吸収することにより、緑色光成分又は青色光成分のみを透過するものである。カラーフィルタ812R,812G,812Bは、例えば、誘電体多層膜や、塗料を用いて形成されたフィルタ板などを好適に用いることができる。4つの扇形の領域において、カラーフィルタ812R,812G,812B以外の部分は、透光領域812Wとなっており、インテグレータロッド760からの光がそのまま通過できるようになっている。この透光領域812Wにより、投写画像中の輝度を上げることができ、投写画像の明るさを確保することができる。
【0177】
なお、カラーホイール810は省略することも可能であり、この場合における投写画像はモノクロ画像である。
【0178】
インテグレータロッド760から射出された照明光束は、カラーホイール810を通過することにより、上述のように赤色光、緑色光及び青色光の3つの色光成分を含む照明光束になり、この照明光束は、リレー光学系820によって拡大されて、マイクロミラー型光変調装置410の画像形成領域上に照射される。
【0179】
リレー光学系820は、リレーレンズ822と、反射ミラー824と、集光レンズ826とを有し、照明装置108(カラーホイール810)からの照明光束をマイクロミラー型光変調装置410の画像形成領域に導く機能を有している。
【0180】
リレーレンズ822は、集光レンズ826とともに、照明装置108からの照明光束を発散させずにマイクロミラー型光変調装置410の画像形成領域近傍に結像させる機能を有している。なお、図14(a)及び図14(b)に示すリレーレンズ822は1枚のレンズで構成されているが、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
【0181】
反射ミラー824は、システム光軸OCに対して傾斜して配置され、リレーレンズ822からの照明光束を曲折し、マイクロミラー型光変調装置410へと導光する。これにより、プロジェクタをコンパクトにすることができる。
【0182】
集光レンズ826は、リレーレンズ822及び反射ミラー824からの照明光束をマイクロミラー型光変調装置410の画像形成領域にほぼ重畳させ、かつ、マイクロミラー型光変調装置410によって変調された光を投写光学系610とともに拡大投写するものである。
【0183】
マイクロミラー型光変調装置410は、リレー光学系820からの光を画像情報に応じて各画素に対応するマイクロミラーで反射することにより、画像を表す画像光を投写光学系610へと射出する機能を有する反射方向制御型光変調装置である。マイクロミラー型光変調装置410としては、例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)(TI社の商標)を用いることができる。
【0184】
マイクロミラー型光変調装置410から射出される画像光は、投写光学系610によって拡大投写され、スクリーンSCR上で大画面画像を形成する。
【0185】
マイクロミラー型光変調装置410と投写光学系610とは、それぞれの中心軸が一致するように配置されている。なお、実施形態5に係るプロジェクタ1008をあおり投写の構成を有するプロジェクタとする場合には、マイクロミラー型光変調装置410の中心軸に対して投写光学系610の投写光軸610axがあおり方向にずれるように構成することが好ましい。
【0186】
以上のように構成された実施形態5に係る照明装置108及びプロジェクタ1008においても、実施形態1に係る照明装置100及びプロジェクタ1000の場合と同様に、第1の光源装置10〜第3の光源装置30と、第1の光源装置10〜第3の光源装置30から射出される照明光束を合成し第1の光軸10axに平行な光軸(システム光軸OC)を中心軸とする照明光束として射出する光合成光学系50とを備えている。そして、第1の光源装置10〜第3の光源装置30は、実施形態1で説明したようにそれぞれ配置されている。
【0187】
このため、実施形態5に係る照明装置108によれば、第1の光源装置10〜第3の光源装置30から射出される照明光束の射出方向が互いに異なる方向となるように第1の光源装置10〜第3の光源装置30をそれぞれ配置するとともに、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成してインテグレータ光学系702に向けて射出する光合成光学系50を備えているため、空間を有効に利用することができ、各光源装置10〜30における楕円面リフレクタ14〜34同士が干渉することもなくなる。その結果、インテグレータ光学系702の大きさが大きくなることを抑制することができ、照明装置108の大型化を抑制することが可能となる。
【0188】
また、実施形態5に係る照明装置108においては、インテグレータ光学系702は、光合成光学系50からの照明光束を集束光に変換して射出する集光レンズ752と、集光レンズ752からの照明光束をより均一な強度分布を有する光に変換するインテグレータロッド760とを有するため、照明光束の面内光強度分布をより均一なものにすることが可能となる。
【0189】
実施形態5に係る照明装置108は、インテグレータ光学系の構成以外の点では、実施形態1に係る照明装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明装置100の場合と同様の効果を有する。
【0190】
実施形態5に係るプロジェクタ1008は、上記した照明装置108を備えているため、高輝度、かつ、小型のプロジェクタとなる。
【0191】
[実施形態6]
図15は、実施形態6に係る照明装置110及びプロジェクタ1010を説明するために示す図である。図15(a)はプロジェクタ1010の光学系を示す平面図であり、図15(b)はプロジェクタ1010の光学系を示す側面図であり、図15(c)はインテグレータロッド760Bの光入射面をシステム光軸OCに沿って見た図である。なお、図15(a)及び図15(b)において、図1及び図14と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0192】
実施形態6に係る照明装置110は、基本的には実施形態1に係る照明装置100とよく似た構成を有しているが、インテグレータ光学系の構成が実施形態1に係る照明装置100とは異なっている。
【0193】
すなわち、実施形態6に係る照明装置110においては、図15(a)及び図15(b)に示すように、インテグレータ光学系702Bは、光合成光学系50からの照明光束を集束光に変換して射出する集光レンズ752と、集光レンズ752からの照明光束をより均一な強度分布を有する光に変換するインテグレータロッド760Bと、インテグレータロッド760Bの光入射面に配置され、中央部に光入射のための開口部を有する反射層772と、インテグレータロッド760Bの光射出面に配置されるλ/4板774と、λ/4板774の光射出側に配置される反射型偏光板776とを有している。
【0194】
インテグレータロッド760Bは、集光レンズ752からの光を内面で多重反射させることにより、集光レンズ752からの光をより均一な強度分布を有する光に変換する機能を有する光学部材である。インテグレータロッド760Bとしては、例えば、中実のガラスロッドを好適に用いることができる。
【0195】
インテグレータロッド760Bの光射出面の形状は、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。
【0196】
なお、照明装置110の光路後段には、照明装置110からの照明光束を導光するリレーレンズ830が配置されている。リレーレンズ830は、集光レンズ300R,300G,300Bとともに、照明装置110からの照明光束を発散させずに液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域近傍に結像させる機能を有している。なお、図15(a)及び図15(b)に示すリレーレンズ830は1枚のレンズで構成されているが、複数のレンズを組み合わせた複合レンズで構成されていてもよい。
【0197】
このように、実施形態6に係る照明装置110は、実施形態1に係る照明装置100とは、インテグレータ光学系の構成が異なっているが、実施形態1に係る照明装置100の場合と同様に、第1の光源装置10〜第3の光源装置30から射出される照明光束の射出方向が互いに異なる方向となるように第1の光源装置10〜第3の光源装置30をそれぞれ配置するとともに、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成してインテグレータ光学系702Bに向けて射出する光合成光学系50を備えているため、空間を有効に利用することができ、各光源装置10〜30における楕円面リフレクタ14〜34同士が干渉することもなくなる。その結果、インテグレータ光学系702Bの大きさが大きくなることを抑制することができ、照明装置110の大型化を抑制することが可能となる。
【0198】
また、実施形態6に係る照明装置110においては、図15に示すように、インテグレータ光学系702Bは、インテグレータロッド760Bの光入射面に配置され、中央部に光入射のための開口部を有する反射層772と、インテグレータロッド760Bの光射出面に配置されるλ/4板774と、λ/4板774の光射出側に配置される反射型偏光板776とをさらに有している。
【0199】
これにより、インテグレータロッド760Bに入射した照明光束のうち一方の偏光成分(例えばS偏光成分)に係る照明光束が反射型偏光板776を通過する場合には、他方の偏光成分(例えばP偏光成分)に係る照明光束は反射型偏光板776で反射される。この反射光はインテグレータロッド760Bの光入射面に配置された反射層772で反射され、再度反射型偏光板776に到達する。このとき、この光はλ/4板774をすでに2回通過しているため、偏光方向が90度回転し、一方の偏光成分に係る照明光束として反射型偏光板776を通過する。すなわち、インテグレータロッド760Bから射出される光の偏光方向を略1種類の偏光方向に揃えることが可能となる。したがって、液晶装置のように偏光方向を制御する電気光学変調装置を用いたプロジェクタにおいて特に好適なものとなる。
【0200】
実施形態6に係る照明装置110は、インテグレータ光学系の構成以外の点では、実施形態1に係る照明装置100と同様の構成を有するため、実施形態1に係る照明装置100の場合と同様の効果を有する。
【0201】
実施形態6に係るプロジェクタ1010は、上記した照明装置110を備えているため、高輝度、かつ、小型のプロジェクタとなる。
【0202】
[実施形態7]
図16は、実施形態7に係る照明装置112及びプロジェクタ1012を説明するために示す図である。図16(a)はプロジェクタ1012の光学系を示す平面図であり、図16(b)はプロジェクタ1012の光学系を示す側面図であり、図16(c)は偏光変換素子780及びインテグレータロッド760Cの斜視図である。なお、図16(a)及び図16(b)において、図1及び図15と同一の部材については同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0203】
実施形態7に係る照明装置112は、基本的には実施形態6に係る照明装置110とよく似た構成を有しているが、インテグレータ光学系の構成が実施形態6に係る照明装置110とは異なっている。
【0204】
実施形態7に係る照明装置112は、図16に示すように、インテグレータ光学系702Cは、光合成光学系50からの照明光束を集束光に変換して射出する集光レンズ752と、集光レンズ752からの照明光束を略1種類の直線偏光成分を有する光束に変換する偏光変換素子780と、偏光変換素子780からの照明光束をより均一な強度分布を有する光に変換するインテグレータロッド760Cとを有している。
【0205】
偏光変換素子780は、光合成光学系50からの照明光束に含まれる偏光成分のうち一方の直線偏光成分(例えばP偏光成分)をそのまま透過し、他方の直線偏光成分(例えばS偏光成分)をシステム光軸OCに垂直な方向(x軸方向)に反射する偏光分離面782と、偏光分離面782で反射された他方の直線偏光成分をシステム光軸OCに平行な方向(z軸方向)に反射する反射面784と、偏光分離面782を透過した一方の直線偏光成分を他方の直線偏光成分に変換する位相差板としてのλ/2板786とを有している。
なお、偏光変換素子780は、P偏光成分に係る照明光束を透過しS偏光成分に係る照明光束を反射する偏光分離面782を、S偏光成分に係る照明光束を透過しP偏光成分に係る照明光束を反射する他の偏光分離面に替えることも可能である。
【0206】
インテグレータロッド760Cは、偏光変換素子780からの光を内面で多重反射させることにより、偏光変換素子780からの光をより均一な強度分布を有する光に変換する機能を有する光学部材である。インテグレータロッド760Cとしては、例えば、中実のガラスロッドを好適に用いることができる。
【0207】
インテグレータロッド760Cの光射出面の形状は、液晶装置400R,400G,400Bの画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。
【0208】
このように、実施形態7に係る照明装置112は、実施形態6に係る照明装置110とは、インテグレータ光学系の構成が異なっているが、実施形態1及び6に係る照明装置100,110の場合と同様に、第1の光源装置10〜第3の光源装置30から射出される照明光束の射出方向が互いに異なる方向となるように第1の光源装置10〜第3の光源装置30をそれぞれ配置するとともに、第1の光源装置10〜第3の光源装置30からの照明光束を合成してインテグレータ光学系702Cに向けて射出する光合成光学系50を備えているため、空間を有効に利用することができ、各光源装置10〜30における楕円面リフレクタ14〜34同士が干渉することもなくなる。その結果、インテグレータ光学系702Cの大きさが大きくなることを抑制することができ、照明装置112の大型化を抑制することが可能となる。
【0209】
また、実施形態7に係る照明装置112においては、インテグレータ光学系702Cは、インテグレータロッド760Cの光入射側に配置され、集光レンズ752からの照明光束を略1種類の直線偏光成分を有する光束に変換する偏光変換素子780をさらに有する。これにより、インテグレータロッド760Cに入射する光の偏光方向を略1種類の偏光方向に揃えることが可能となるため、液晶装置のように偏光方向を制御する電気光学変調装置を用いたプロジェクタにおいて特に好適なものとなる。
【0210】
また、実施形態7に係る照明装置112においては、図16に示すように、インテグレータロッド760Cと偏光変換素子780とは、インテグレータロッド760C及び偏光変換素子780と同じ屈折率を有する接着剤によって接着されているため、偏光変換素子780とインテグレータロッド760Cとの間における望ましくない多重反射が抑制され、光利用効率が低下したり迷光レベルが上昇したりすることがなくなる。また、偏光変換素子780とインテグレータロッド760Cとを容易に一体化することができる。また、偏光変換素子780とインテグレータロッド760Cとの間において、装置組み立て後における位置ずれの発生を未然に防止することができる。
【0211】
実施形態7に係る照明装置112は、インテグレータ光学系の構成以外の点では、実施形態1及び6に係る照明装置100,110と同様の構成を有するため、実施形態1及び6に係る照明装置100,110の場合と同様の効果を有する。
【0212】
実施形態7に係るプロジェクタ1012は、上記した照明装置112を備えているため、高輝度、かつ、小型のプロジェクタとなる。
【0213】
以上、本発明の照明装置及びプロジェクタを上記の各実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0214】
(1)上記各実施形態の照明装置100〜112においては、第1の光源装置〜第3の光源装置として、楕円面リフレクタと、楕円面リフレクタの第1焦点近傍に発光中心を有する発光管と、楕円面リフレクタで反射された集束光を光合成光学系における所定位置に向けて射出する凹レンズとを有する光源装置を用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。放物面リフレクタと、放物面リフレクタの焦点近傍に発光中心を有する発光管とを有する光源装置をも好ましく用いることができる。
【0215】
(2)上記各実施形態の照明装置100〜112においては、発光管に反射手段としての補助ミラーが配設された照明装置を例示して説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、補助ミラーが配設されていない照明装置に本発明を適用することも可能である。
【0216】
(3)上記実施形態5〜7に係る照明装置108〜112においては、インテグレータロッドとして、内面全反射タイプの中実のガラスロッドを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、4枚の反射ミラーにおける反射面を内側に向けて貼り合わせた筒状のライトトンネルなどの中空のロッドを用いてもよい。
【0217】
(4)上記各実施形態の照明装置100〜112においては、各凹レンズと光合成光学系とが離隔して配置されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各凹レンズと光合成光学系とが接着されていてもよい。
【0218】
(5)上記実施形態4に係る照明装置106においては、下側構造体140に用いる偏光ビームコンバイナとして、2つの三角柱プリズムが貼り合わされたキューブタイプの偏光ビームコンバイナ160を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、プレートタイプの偏光ビームコンバイナをも好ましく用いることができる。また、上側構造体120及び下側構造体140に用いる偏光分離光学素子として、プリズムからなる偏光分離光学素子122,142,152を用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、プレートタイプの偏光分離光学素子をも好ましく用いることができる。なお、プレートタイプの偏光ビームコンバイナ及び偏光分離光学素子としては、透光性の基板に偏光分離膜や反射膜などを設けた構成のものなどを適宜採用することができる。
【0219】
(6)上記実施形態4に係る照明装置106においては、上側構造体120には、三角柱プリズムからなる反射プリズム130を用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、反射ミラーをも好ましく用いることができる。
【0220】
(7)上記実施形態4に係る照明装置106においては、λ/2板148,158は、偏光分離光学素子142,152の光射出面における所定位置に貼り付けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、偏光ビームコンバイナ160の第1の光入射面164及び第2の光入射面166における所定位置に貼り付けられていてもよい。
【0221】
(8)上記実施形態4に係る照明装置106においては、偏光分離光学素子122と反射プリズム130とが離隔して配置され、偏光分離光学素子142,152と偏光ビームコンバイナ160とがそれぞれ離隔して配置されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、偏光分離光学素子122と反射プリズム130とが接着層を介して接着され、偏光分離光学素子142,152と偏光ビームコンバイナ160とがそれぞれ接着層を介して接着されていてもよい。
【0222】
(9)上記各実施形態においては、第1の光源装置10〜第3の光源装置30のそれぞれが、第1の仮想平面Vに対して第2の仮想平面V及び第3の仮想平面Vがそれぞれ直交するとともに、第2の仮想平面Vと第3の仮想平面Vとが平行となるように配置されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図7に示すような構成とすることも可能である。
【0223】
(10)上記実施形態1の変形例1及び2においては、第1の光源装置10又は第3の光源装置30が光合成光学系に対して上側に配置されている場合を例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1の光源装置10又は第3の光源装置30が光合成光学系に対して下側に配置されていてもよい。
【0224】
(11)上記各実施形態において、光合成光学系における上側構造体と下側構造体との組み合わせを適宜変更してもよい。例えば、実施形態1の光合成光学系50において、下側構造体70に代えて、実施形態2で説明した反射ミラー80,82を用いた構成としてもよい。
【0225】
(12)上記実施形態1、6及び7に係るプロジェクタ1000,1010,1012においては、液晶装置として、画像形成領域が「短辺:長辺=3:4の長方形」の平面形状を有する液晶装置400R,400G,400Bを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像形成領域が「短辺:長辺=9:16の長方形」の平面形状を有するワイドビジョン用の液晶装置を用いることもできる。この場合、第1レンズアレイとしては、複数の第1小レンズがz軸に垂直な面内に7行・4列のマトリクス状に配列された構成を有するものを用いることが好ましい。
【0226】
(13)上記実施形態1、6及び7に係るプロジェクタ1000,1010,1012は透過型のプロジェクタであるが、本発明はこれに限定されるものではない。反射型のプロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、透過型の液晶装置等のように光変調手段としての電気光学変調装置が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、反射型の液晶装置のように光変調手段としての電気光学変調装置が光を反射するタイプであることを意味している。反射型のプロジェクタにこの発明を適用した場合にも、透過型のプロジェクタと同様の効果を得ることができる。
【0227】
(14)上記実施形態1、6及び7に係るプロジェクタ1000,1010,1012においては、3つの液晶装置400R,400G,400Bを用いたプロジェクタを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つ、2つ又は4つ以上の液晶装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
【0228】
(15)上記実施形態5に係るプロジェクタ1008においては、1つのマイクロミラー型光変調装置410を用いたプロジェクタを例示して説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数のマイクロミラー型光変調装置を用いたプロジェクタにも適用可能である。
【0229】
(16)上記実施形態5に係るプロジェクタ1008においては、インテグレータロッド760の光射出側にカラーホイール810が配置されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、インテグレータロッドの光入射側にカラーホイールが配置されていてもよい。
【0230】
(17)本発明は、投写画像を観察する側から投写するフロント投写型プロジェクタに適用する場合にも、投写画像を観察する側とは反対の側から投写するリア投写型プロジェクタに適用する場合にも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0231】
【図1】実施形態1に係る照明装置100及びプロジェクタ1000を説明するために示す図。
【図2】光合成光学系50を説明するために示す図。
【図3】第1の光源装置10〜第3の光源装置30の配置位置を説明するために示す図。
【図4】インテグレータ光学系700を説明するために示す図。
【図5】第1レンズアレイ710,712,714の正面図。
【図6】実施形態1の変形例1に係る照明装置100aを説明するために示す図。
【図7】実施形態1の変形例2に係る照明装置100bを説明するために示す図。
【図8】実施形態2に係る照明装置102を説明するために示す図。
【図9】実施形態3に係る照明装置104を説明するために示す図。
【図10】実施形態4に係る照明装置106を説明するために示す図。
【図11】光合成光学系56に入射する照明光束が偏光分離及び合成される様子を模式的に示す図。
【図12】インテグレータ光学系700Bを説明するために示す図。
【図13】第1レンズアレイ710B,712B,714B,716Bの正面図。
【図14】実施形態5に係る照明装置108及びプロジェクタ1008を説明するために示す図。
【図15】実施形態6に係る照明装置110及びプロジェクタ1010を説明するために示す図。
【図16】実施形態7に係る照明装置112及びプロジェクタ1012を説明するために示す図。
【符号の説明】
【0232】
10,20,30…光源装置、10ax,20ax,30ax…光源装置の光軸、12,22,32…発光管、14,24,34…楕円面リフレクタ、16,26,36…補助ミラー、18,28,38…凹レンズ、50,50a,50b,52,54,56…光合成光学系、60,60a,60b,120…上側構造体、62,78b…光学ブロック、64a,66b,72,74,76b,98,130…反射プリズム、65a,67b,73,75,77b,92,126,132,146,156,732,732B,737,737B,742,742B,747B,784…反射面、70,90,140…下側構造体、80,82,230,240,250,824…反射ミラー、91,124,144,154,731,731B,736,736B,741,741B,746B,782…偏光分離面、93,95,128,148,158,733,733B,738,738B,743,743B,748B,786…λ/2板、94…偏光分離合成面、96,162…偏光合成面、97a,97b,97c…偏光プリズム、100,100a,100b,106,108,110,112…照明装置、122,142,152…偏光分離光学素子、134…(反射プリズムの)光入射面、160…偏光ビームコンバイナ、164,166…(偏光ビームコンバイナの)光入射面、200…色分離導光光学系、210,220…ダイクロイックミラー、260…入射側レンズ、270,822,830…リレーレンズ、300R,300G,300B,752,826…集光レンズ、400R,400G,400B…液晶装置、410…マイクロミラー型光変調装置、500…クロスダイクロイックプリズム、600,610…投写光学系、610ax…投写光軸、700,700B,702,702B,702C,…インテグレータ光学系、710,710B,712,712B,714,714B,716B,…第1レンズアレイ、711,711B,713,713B,715,715B,717B…第1小レンズ、720,720B,722,722B,724,724B,726B…第2レンズアレイ、721,721B,723,723B,725,725B,727B…第2小レンズ、730,730B,735,735B,740,740B,745B,780…偏光変換素子、750,750B…重畳レンズ、760,760B,760C…インテグレータロッド、772…反射層、774…λ/4板、776…反射型偏光板、810…カラーホイール、812R,812G,812B…カラーフィルタ、812W…透光領域、814…モータ、820…リレー光学系、1000,1008,1010,1012…プロジェクタ、C…接着層、L…照明光束の輪郭、OC…システム光軸、SCR…スクリーン、V,V,V…仮想平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光軸を中心軸とする照明光束を射出する第1の光源装置と、
第2の光軸を中心軸とする照明光束を射出する第2の光源装置と、
第3の光軸を中心軸とする照明光束を射出する第3の光源装置と、
前記第1の光源装置〜前記第3の光源装置からの照明光束を合成して射出する光合成光学系と、
前記光合成光学系からの照明光束をより均一な強度分布を有する光に変換する機能を有するインテグレータ光学系とを備え、
前記第1の光軸に直交する仮想平面を第1の仮想平面とし、前記第2の光軸に直交する仮想平面を第2の仮想平面とし、前記第3の光軸に直交する仮想平面を第3の仮想平面としたとき、
前記第1の光源装置〜前記第3の光源装置のそれぞれは、前記第1の仮想平面に対して前記第2の仮想平面及び前記第3の仮想平面がそれぞれ直交するように配置されていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記第1の光源装置〜前記第3の光源装置のそれぞれは、前記第2の仮想平面と前記第3の仮想平面とが平行となるように配置されていることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1に記載の照明装置において、
前記第1の光源装置〜前記第3の光源装置のそれぞれは、前記第2の仮想平面と前記第3の仮想平面とが直交するように配置されていることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置において、
前記光合成光学系は、
前記第1の光源装置〜前記第3の光源装置のうち少なくとも2つの光源装置からの照明光束を前記インテグレータ光学系に向けて反射する少なくとも2つの反射プリズム又は少なくとも2つの反射ミラーを有することを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の照明装置において、
前記第1の光源装置〜前記第3の光源装置のそれぞれは、楕円面リフレクタと、前記楕円面リフレクタの第1焦点近傍に発光中心を有する発光管と、前記楕円面リフレクタからの集束光を前記光合成光学系に向けて射出する凹レンズとを有することを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項5に記載の照明装置において、
前記発光管には、前記発光管から被照明領域側に射出される光を前記発光管に向けて反射する反射手段が設けられていることを特徴とする照明装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の照明装置において、
前記インテグレータ光学系は、
前記光合成光学系からの照明光束を集束光に変換して射出する集光レンズと、
前記集光レンズからの照明光束をより均一な強度分布を有する光に変換するインテグレータロッドとを有することを特徴とする照明装置。
【請求項8】
請求項7に記載の照明装置において、
前記インテグレータ光学系は、
前記インテグレータロッドの光入射面に配置され、中央部に光入射のための開口部を有する反射層と、
前記インテグレータロッドの光射出面に配置されるλ/4板と、
前記λ/4板の光射出側に配置される反射型偏光板とをさらに有することを特徴とする照明装置。
【請求項9】
請求項7に記載の照明装置において、
前記インテグレータ光学系は、
前記インテグレータロッドの光入射側に配置され、前記集光レンズからの照明光束を略1種類の直線偏光成分を有する光束に変換する偏光変換素子をさらに有することを特徴とする照明装置。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれかに記載の照明装置において、
前記インテグレータ光学系は、
前記光合成光学系からの照明光束を複数の部分光束に分割する複数の第1小レンズをそれぞれ有する3つの第1レンズアレイと、
前記3つの第1レンズアレイの各第1小レンズに対応する複数の第2小レンズをそれぞれ有する3つの第2レンズアレイと、
前記3つの第2レンズアレイからのそれぞれの部分光束を略1種類の直線偏光成分を有する光束に変換する3つの偏光変換素子と、
前記3つの偏光変換素子からのそれぞれの光を被照明領域で重畳させる重畳レンズとを有することを特徴とする照明装置。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれかに記載の照明装置において、
前記インテグレータ光学系は、
前記光合成光学系からの照明光束を複数の部分光束に分割する複数の第1小レンズをそれぞれ有する4つの第1レンズアレイと、
前記4つの第1レンズアレイの各第1小レンズに対応する複数の第2小レンズをそれぞれ有する4つの第2レンズアレイと、
前記4つの第2レンズアレイからのそれぞれの部分光束を略1種類の直線偏光成分を有する光束に変換する4つの偏光変換素子と、
前記4つの偏光変換素子からのそれぞれの光を被照明領域で重畳させる重畳レンズとを有することを特徴とする照明装置。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれかに記載の照明装置と、
前記照明装置からの光を画像情報に応じて変調する電気光学変調装置と、
前記電気光学変調装置により変調された光を投写する投写光学系とを備えることを特徴とするプロジェクタ。

【図1】
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【図4】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−249138(P2007−249138A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−76402(P2006−76402)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】