説明

照明装置及び照明制御方法

【課題】照明装置の設置条件、例えば季節や場所といった条件が異なっても、夜間の時間に応じて照度の調整を行う照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置100は、日没を判定する昼夜検出部113と、照明部の日没からの累積点灯時間を計測する計数部115と、累積点灯時間を記憶する記憶部114を備える。制御部112は、昼夜検出部113により日没が判定されると、電源部102から照明部121への電力供給を開始させ、記憶部114に記憶された累積点灯時間を読み出し、累積点灯時間に応じて照明部121の照度を調節することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、夜間に照明を行う照明装置及び照明制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
住宅やその周辺道路等においては、人間の足下の照明や道路境界の明示、防犯などを目的とした照明装置が設置されている。これら照明装置は、商用電源や太陽電池などを電源とし、主に例えば蛍光灯、発光ダイオード等の発光体自体の明るさを利用したものである。
また、これらの照明装置においては、日没になると点灯し、日没から一定時間経過後は照度を抑える制御をする照明装置が知られている。
例えば、特許文献1においては、日没からの経過時間に応じて、通常照度と通常照度より低い低照度の間で切り替えを行い、照明部の照度を調節する照明装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−244711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1における照明装置は、季節によって異なる照明時間、すなわち夜の時間の変化に対応することができない。照明部の照度を調節するために、タイマー等で時間設定をし、照度を低照度にするとしても、点灯開始時刻である日没の時刻、点灯終了時刻である日の出の時刻は、季節、場所により変化するものである。すなわち、夜の時間は、日本国内であっても季節により異なり、また同じ季節であっても国内と海外では夜間時間が異なる。
例えば、夏の場合に日没が19時で日の出が翌朝5時であるとすれば、夜の時間、すなわち照明時間は10時間になる。一方、冬の場合、例えば日没が17時で日の出が翌朝7時であるとすれば、照明時間は14時間となり、夏に比べ4時間長くなる。
【0005】
照明装置が、例えば防犯灯である場合において、照明装置の照度を通常照度から低照度にする変更時刻を、夏にあわせて日没から4時間後と時間設定すると、冬においてはまだ人通りの多い21時に、照度が低下して必要な照度を提供できなくなる。
一方、冬に合わせて日没から7時間後と、上記変更時刻の時間設定を行うと、夏においては午前2時まで通常照度のまま動作することになり、不必要な電力が消費されてしまい効率的ではない。
【0006】
そこで、本発明は、省エネルギーで効率のよい照明を行うことができて、例えば防犯灯のように人々の期待に答えることのできる照明装置を提供することを課題とする。
また、季節、場所といった条件が異なり、照明が必要な時間、すなわち夜の時間が異なっても、必要な時間帯に必要な照度で照明を行う照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の照明装置は、日没から日の出までの照明を行う時間をn分割し、分割されたそれぞれの時間ごとに異なる照度で照明を行う照明装置であって、照明部と、前記照明部へ電力を供給する電源装置と、n分割されたそれぞれの時間において前記電源装置から前記照明部への電力供給を調節する制御部と、日没及び日の出を判定する明るさ判定部と、前記照明部の日没からの累積点灯時間を計測する計数部と、前記累積点灯時間の履歴を記憶する記憶部と、を有し、前記制御部は、n分割された日没から日の出までの総時間のうち第1番目から第(n−1)番目の時間を、前記記憶部から読み出した累積点灯時間に一定の割合を乗じて決定し、前記明るさ判定部により日没が判定されると、前記電源装置から前記照明部への電力供給を開始させることを特徴とする。
【0008】
本発明の照明装置は、前記記憶部からユーザーが設定した取得すべき累積点灯時間の取得パターンが記憶された第1の記憶部を更に有し、前記制御部は、前記第1の記憶部から読み出した取得パターンに応じて、前記記憶部に記憶された累積点灯時間の履歴を読み出し、これにもとづき前記第1番目から第(n−1)番目の時間を決定することを特徴とする。
また、本発明の照明装置は、前記制御部は、前記第1の記憶部から読み出した取得パターンにより、前記記憶部から、前日の累積点灯時間の履歴を読み出し、前記第1番目から第(n−1)番目の時間を決定することを特徴とする。
また、本発明の照明装置は、前記制御部は、前記第1の記憶部から読み出した取得パターンにより、前記記憶部から前日を含んだ所定日数における累積点灯時間の履歴を読み出し、これらの平均値を算出し、前記第1番目から第(n−1)番目の時間を決定することを特徴とする。
【0009】
本発明の照明装置において、前記電源装置は、前記照明部へ電力を供給する二次電池と、前記二次電池へ充電電力を供給する太陽電池からなることを特徴とする。
また、本発明の照明装置は、前記明るさ判定部は、前記太陽電池の出力に基づいて日没及び日の出を判定することを特徴とする。
【0010】
本発明の照明制御方法は、照明部へ電力を供給し調節する照明制御方法であって、日没及び日の出を判定するステップと、日没からの累積点灯時間を計測するステップと、前記累積点灯時間の履歴を記憶するステップと、日没が判定されると、照明部への電力供給を開始させるステップと、日没から日の出までの照明を行う時間をn分割し、分割されたそれぞれの時間ごとに異なる照度で照明を行うステップと、n分割された日没から日の出までの総時間のうち第1番目から第(n−1)番目の時間を、記憶された累積点灯時間に一定の割合を乗じて決定するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、記憶された累積点灯時間の履歴、例えば前日の累積点灯時間や直前の3日間の累積点灯時間の平均値などに基づき照明装置の照度を調節できるので、照明装置の設置条件、例えば季節や場所といった条件が異なっても、必要な時間帯に必要な照度で照明を行う照明装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係る照明装置の構成図である。
【図2】図1で示した照明装置の動作フローチャートである。
【図3】図2の動作を補足するためのグラフである。
【図4】図2の動作を補足するための図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る照明装置の構成図である。
【図6】図5で示した照明装置の動作フローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る照明装置の動作を補足するためのグラフである。
【図8】本発明の一実施形態に係る照明装置の動作を補足するためのグラフである。
【図9】本発明の一実施形態に係る照明装置の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る照明装置100の構成図である。照明装置100は、例えば道路、公園等に設置され、日没とともに点灯され、周辺を照明する装置である。
図1において、照明装置100は、電源装置101、照明制御部111、照明部121から構成される。
電源装置101は、図1においては電源部102から構成される。電源部102は、例えば、商用電源から供給される電力を照明装置に必要な電圧値に変換し、点灯に必要な電力を供給する。
【0014】
照明制御部111は、制御部112、昼夜検出部113(明るさ判定部)、記憶部114、計数部115から構成される。
制御部112は、昼夜検出部113、記憶部114、計数部115、照明部121の駆動制御部122を制御し、照明部121への電力供給、照度調節を行う。
具体的には、制御部112は、照明部121の駆動制御部122に対して、照明開始信号、照度調節信号及び照明停止信号を出力し、照明部121への電力供給、照度調節を行う。
また、制御部112は、計数部115に対して、計数開始信号を出力し点灯時間計測を開始させ、計数停止信号を出力し点灯時間計測を停止させる。
また、制御部112は、記憶部114に対して、書き込み開始信号を出力し累積点灯時間を記憶させる。
制御部112が行う照度調節については、後述する。
【0015】
昼夜検出部113は、昼夜判定、すなわち、日没及び日の出の判定を、照明装置100の周囲の明るさである周囲照度を検出し、設定した照度以上を昼間、設定した照度未満を夜間として判定を行う。日没及び日の出の判定は、例えば照度センサを用い、照明装置100の周囲照度を検出することにより判定する。なお、昼夜検出部113は、日没及び日の出を検出し、制御部112に対して昼夜検出信号(日没検出信号、日の出検出信号)を出力する。
【0016】
また、計数部115は、制御部112から入力される計数開始信号に応答し、昼夜検出部113が夜、すなわち日没と判定した以降の時間、すなわち、照明当夜の全点灯時間Tmを、タイマーにより計測する。そして、計数部115は、計測開始後、昼夜検出部113が昼、すなわち日の出と判定したときは、制御部112から入力される計数停止信号に応答して、タイマーを停止させ、記憶部114に対して照明当夜の全点灯時間Tmを出力する。
記憶部114は、制御部112から書き込み開始信号が入力され、これにより計数部115から入力される照明当夜の全点灯時間Tmを記憶する。
【0017】
照明部121は、駆動制御部122、照明駆動部123、照明部124から構成される。
駆動制御部122は、制御部112から入力される照明開始信号、照度調節信号及び照明停止信号に応答して、照明駆動部123の照明部124への電力供給の開始、供給する電力量の調節、あるいは電力供給の停止を行う。
照明駆動部123は、電源部102から供給される電力を、照明部124へ供給し、照明部124を点灯させる。また、照明駆動部123は、その電力供給量を調節することにより照明部124の照度を変更させ、あるいは、電力供給を停止させることで照明部124を消灯させる。ここで、照明部124としては、例えば、LED(Light Emitting Diode)ランプが適用される。
【0018】
制御部112が行う照度調節について、詳述する。
制御部112は、照明当夜の点灯パターンを取得する。点灯時間パターンとは、日没からの点灯時間に応じて照明部の照度を調節する際にベースとなる点灯時間の種類である。点灯時間パターンは、制御部112に記憶されていてもよいし、或いは記憶部114に記憶されていてもよい。望ましくは、制御部112が取得しやすいよう、図4(a)のように、パターン番号と取得する点灯時間の種類が対応付けられ記憶されていることが好ましい。以下、この記憶部を第1の記憶部とする。また、制御部112は、本実施形態においては、第1の記憶部からパターン2を読み出し、前日の累積点灯時間Tyに基づき、照度調節を行うものとする。なお、制御部112が、いずれのパターンを取得するかは、照明装置100が設置される際において、設置される場所等の条件によって、ユーザーが予め設定しておくことができる。
【0019】
また、制御部112は、日没からの点灯時間の経過にともない、照明部の照度を調節する。
例えば、照明当夜の全点灯時間Tmのうち、照明時間Taと照明時間Tbは、前日の累積点灯時間Tyのそれぞれ50%、25%とし、日没から照明時間Taの間は照度を100%で、以降の照明時間Tbの間は照度を75%で、残りの日の出までの時間は照度を50%で点灯させることができる。
なお、照明時間Tbにおける照度、照明時間Tb経過後日の出までの照度を、それぞれを照明時間Taにおける照度の75%、50%としたが、この数字に限られるものではない。
【0020】
制御部112は、この照明時間Taと照明時間Tbを、前日の消灯以降当日の点灯までの間において、記憶部114から前日の累積点灯時間Tyを読み出し、これをもとに、照明時間Ta、照明時間Tbを算出し、例えば、図4(b)に示すように、各点灯時間と照度を対応付け、記憶させておくことができる。以下、この記憶部を第2の記憶部とする。
【0021】
また、照明時間Ta、照明時間Tbが経過したかどうかの検出は、制御部112が駆動制御部122へ照度調節信号を迅速に出力できれば、制御部112ではなく計数部115が行うことにしてもよい。
例えば、計数部115が、タイマーによる点灯時間計測中に第2の記憶部を参照しつつ、制御部112へ照度変更時刻の到達を速やかに知らせる構成をとることもできる。以下、本実施形態においては、計数部115が、第2の記憶部を参照して、制御部112に対して照度変更時刻の到達を告げる信号、照明時間Ta経過信号、照明時間Tb経過信号を出力するものとして、説明を続ける。
【0022】
なお、第2の記憶部は、制御部112、計数部115のいずれに設けられていてもよいし、或いは記憶部114に記憶されていてもよい。また、照明時間Taと照明時間Tbを、前日の累積点灯時間Tyのそれぞれ50%、25%に等しい時間としたが、これに限られず、例えば前日の累積点灯時間Tyにそれぞれ60%、20%を乗じた時間としてもよい。
【0023】
また、照度調節の割合及び前日の累積点灯時間Tyに乗じる割合を、上述のように固定値とするのではなく、別途記憶部を設け、制御部がかかる記憶部を参照して、照度調節の割合及び累積点灯時間に乗ずる割合を読み出す構成としてもよい。例えば、前日の累積点灯時間Tyがある時間の範囲にあれば、累積点灯時間に乗ずる割合を大きくし、かつ照度調節の割合を小さくし、また別の範囲にあれば、累積点灯時間に乗ずる割合を小さくし、かつ照度調節の割合を大きくするという調整ができるようにしてもよい。
【0024】
上述の照明装置100の動作について、図2乃至図4を用いて説明する。
図2は、照明装置100の動作フローチャートであり、図3及び図4は、図2を補足するための図である。
図3は、一日における照明装置100の点灯時間と点灯電流の関係を、夏季と冬季に分けて示した図であり、図3(a)が夏季、図3(b)が冬季における点灯時間と点灯電流の関係を示している。なお、図3においては、例えば、夏季として夏至を、冬季として冬至を示している。
また、図4は、上述したように、制御部112が照明部121を制御するにあたり取得する点灯時間のパターンを、図4(b)は、照明時間と照度の関係を示している。
【0025】
照明装置100が設置され電源が投入されると、記憶部114等の初期設定が行われる(ステップ1)。
次に、昼夜検出部113は、例えば照度センサを用いて照明装置100の周囲照度を検出し、日没と判定すれば、制御部112に対して昼夜検出信号(日没検出信号)を出力する(ステップ2)。
【0026】
制御部112は、照明部121の点灯時間パターンを取得する(ステップ3)。
なお、制御部112は、照明装置100の設置直後においては前日以前の累積点灯時間が存在しないため、第1の記憶部からパターン1のデフォルトを取得する。かかる場合、デフォルト値、例えば8時間をもとに、照明時間Ta、照明時間Tbが決定される。
また、制御部112は、二日目以降においては、第1の記憶部から、パターン2を取得する。かかる場合、前日の累積点灯時間Tyをもとに、照明時間Ta、照明時間Tbが決定される。本実施形態においては、説明の便宜上、二日目以降の動作であり、第1の記憶部からパターン2を取得するものとして、説明を続ける。なお、夏季の場合は、前日の累積点灯時間T1yを10時間、冬季の場合は前日の累積点灯時間T2yを14時間とする。
【0027】
ここで、制御部112が、二日目以降において、パターン1を取得しないようにするには、例えば、一回目の点灯の際に制御部112に入力されるいずれかの信号、例えば昼夜検出信号(日の出検出信号)を用いて、制御部112が第1の記憶部からパターン1を取得することを禁止するよう、制御部112を構成しておけばよい。
また、図4(a)におけるパターン3以降を取得する場合においては、制御部112は、所定日数の間(例えばパターン3の場合は3日間)、パターン1におけるデフォルト値、例えば8時間をもとに当夜の照明時間Ta、照明時間Tbを決定する。そして、所定日数経過後は、記憶部114にその所定日数分の累積点灯時間の履歴が記憶されるので、制御部112は、第1の記憶部から読み出したパターンによって、照明時間Ta、照明時間Tbを算出し、第2の記憶部へ記憶させる。
【0028】
次に、制御部112は、計数部115に対して計測開始信号を出力する。計数部115は、これに応答してタイマーをスタートさせ、照明当夜の全点灯時間Tmを計数し始める(ステップ4)。なお、ステップ3、ステップ4は、時間差を設ける必要はないため、いずれが先行してもよい。
【0029】
また、制御部112は、駆動制御部122に対して、照明開始信号を出力する。駆動制御部122は、これに応答して照明駆動部123から照明部124への電力供給を開始させる。
そして、照明駆動部123は、電源部102から照明部124へ電力、例えば電流を供給し、照明部124を点灯させる(ステップ5)。
点灯時刻は、例えば、図3に示すように、夏季の場合は19時、冬季の場合は17時である。なお、図3においては、夏季、冬季ともに、このときの電流量、すなわち点灯開始時における電流量を100%として示している。
【0030】
次に、計数部115は、当夜の点灯時間が照明時間Taを経過すると、制御部112へ照明時間Ta経過信号を出力する(ステップ6)。
ここで、照明時間Taは、図3に示すように、夏季の場合は、前日の累積点灯時間T1yの10時間に50%乗じた5時間、冬季の場合は、前日の累積点灯時間T2yの14時間に50%乗じた7時間である。
制御部112は、計数部115からの照明時間Ta経過信号が入力されると、照明部124の照度を点灯開始時における75%とする照度調節信号を、駆動制御部122に対して出力する。
【0031】
駆動制御部122は、照度調節信号が入力されると、照明駆動部123の照明部124への電流供給量を調節させる。そして、照明駆動部123は、照明部124への電流供給量を、点灯開始時の75%にし、照明部124の照度を75%へ下げる(ステップ7)。
なお、照明駆動部123は、電源部102から供給される電圧を調整することにより、照明部124の照度を変更させる構成としてもよい。かかる場合において、照明部124は供給された電圧に応じて、照度を変更する。
この時刻は、図3において、夏季、冬季ともに深夜0時であり、当夜の点灯開始から照明時間Ta(夏季の場合は5時間、冬季の場合は7時間)経過した時刻である。
なお、照明時間Taが経過していない場合は、ステップ5に戻り、照明装置100は、点灯開始時における照度の100%の状態を継続する。
【0032】
次に、計数部115は、照度75%の点灯時間が照明時間Tbを経過すると、制御部112へ照明時間Tb経過信号を出力する(ステップ8)。ここで、照明時間Tbは、図3に示すように、夏季の場合は、前日の累積点灯時間T1yの10時間に25%乗じた2.5時間、冬季の場合は、前日の累積点灯時間T2yの14時間に25%乗じた3.5時間である。
【0033】
続いて、制御部112は、計数部115から照明時間Tb経過信号が入力されると、照明部124の照度を点灯開始時における照度の50%とする照度調節信号を、駆動制御部122に対して出力する。
駆動制御部122は、照度調節信号が入力されると、照明駆動部123の照明部124への電流供給量を調節させる。そして、照明駆動部123は、照明部124への電流供給量を、点灯開始時の50%にし、照明部124の照度を50%へ下げる(ステップ9)。
なお、上述したように、照明駆動部123は、電源部102から供給される電圧を調整することにより、照明部124の照度を変更させる構成としてもよい。かかる場合において、照明部124は供給された電圧に応じて、照度を変更する。
【0034】
この時刻は、図3において、夏季の場合は深夜2時半、冬季の場合は深夜3時半であり、点灯開始後、TaとTbを加えた時間(夏季の場合は7.5時間、冬季の場合は10.5時間)経過している時刻である。
なお、照明時間Tbが経過していない場合は、ステップ7に戻り、照明装置100は、点灯開始時における照度の75%の状態を継続する。
【0035】
続いて、昼夜検出部113は、日の出と判定すると、制御部112に対して昼夜検出信号(日の出検出信号)を出力する(ステップ10)。昼夜検出部113が、日の出と判定しない場合は、ステップ9へ戻り、点灯開始時における照度の50%の状態を継続する。
制御部112は、昼夜検出部113から昼夜検出信号(日の出検出信号)が入力されると、計数部115に対して計数停止信号を出力し、計数部115はこれに応答してタイマーを停止させる(ステップ11)。
そして、制御部112は、書き込み開始信号を記憶部114に対して出力し、記憶部114は、計数部115から入力される照明当夜の全点灯時間Tmを記憶する(ステップ12)。
【0036】
また、制御部112は駆動制御部122に対して、照明停止信号を出力する。駆動制御部122は、これに応答して、照明駆動部123の照明部124への電流供給を停止させる。そして、照明駆動部123は、照明部124への電流供給を停止し、照明部124を消灯させる(ステップ13)。
この時刻は、図3において、夏季の場合は朝5時前後、冬季の場合は朝7時前後であり、前夜の点灯開始後、夏季は約10時間(T1)、冬季は約14時間(T2)経過している時刻である。
【0037】
翌日においては、昼夜検出部113が、日没と判定すれば、制御部112に対して昼夜検出信号(日没検出信号)を出力し(ステップ2)、ステップ3以降の動作を続ける。また、照度が100%の照明時間Ta及び照度が75%の照明時間Tbは、それぞれ、上述のTm(夏季はT1、冬季はT2)に50%乗じた時間、25%乗じた時間となる。
【0038】
これにより、例えば夏から冬にかけて夜の時間が長くなり、照明時間も長くなるが、前日の累積照明時間に応じて照度を調整するので、これに応じて照度が100%の時間も長くなる。従って、上述のような明るく照明すべき時間帯に照度が下がるということはない。また、冬から夏にかけて夜の時間が短くなり、照明時間も短くなるが、これに応じて照度が100%の時間も短くなる。従って、不必要な消費電力量を減少できるので、エネルギー効率のよい照明装置を提供できる。
また、上述の通り、季節、場所といった条件が異なり、照明が必要な時間、すなわち夜の時間が異なっても、必要な時間帯に必要な照度で照明を行う照明装置を提供できる。
【0039】
(第2実施形態)
図5は、本発明の一実施形態に係る照明装置200の構成図である。
図5において、図1に相当する部分には、図1と同一の符号を付している。
以下、説明の重複を避けるため、図1と相違する点について説明する。
照明装置200内の電源装置101は、太陽電池103、充電部104、二次電池105から構成される。
【0040】
太陽電池103は太陽光を受けて発電し、その起電力を、充電部104を介して二次電池105へ蓄電する。
昼夜検出部113は、太陽電池103の起電力を検出し、設定した基準電圧を参照し、起電圧が基準電圧より高い場合は昼、すなわち日の出と検出し、検出結果を昼夜検出信号(日の出検出信号)として制御部112に対して出力する。また、起電圧が基準電圧より低い場合は、夜、すなわち日没と検出し、検出結果を昼夜検出信号(日没検出信号)として制御部112に対して出力する。
【0041】
図6は、照明装置200の動作フローチャートである。
以下に、図6を用いて上述の照明装置200の動作について、照明装置100と相違する点について説明する。なお、説明の際、適宜、図3及び図4を参照する。
昼夜検出部113が、太陽電池103の起電圧が基準電圧より低いと、すなわち夜と検出すると、制御部112に対して昼夜検出信号(日没検出信号)を出力する(ステップ2)。
【0042】
次に、制御部112は、計数部115に対して計数開始信号を出力し、計数部115はこれに応答してタイマーをスタートさせる(ステップ3)。また、制御部112は、点灯時間パターンを取得する(ステップ4)。
ここで、取得する点灯時間パターンとして、上述の第1の記憶部からパターン3を取得することができる。すなわち、前日まで3日間の点灯時間の平均値をもとに、ステップ5、ステップ7における照明時間Ta、照明時間Tbを決定することができる。
【0043】
すなわち、制御部112は、前日の消灯以降当日の点灯までの間において、記憶部114から、前日まで3日間の点灯時間、夏季の場合は例えば9.98時間、10時間、10.02時間の3データを読み出す。そして、3データの平均値を10時間と算出し、記憶部114へ記憶させる。また、制御部112は、照明時間Ta、照明時間Tbを算出し、上述の第2の記憶部へ、Taは5時間、Tbは2.5時間と記憶させる。
【0044】
計数部115は、第2の記憶部を参照しつつ、制御部112へ、照度変更時刻の到達を告げる信号、照明時間Ta経過信号、照明時間Tb経過信号を出力する(ステップ6、ステップ8)。制御部112は、これらが入力されると、駆動制御部122、照明駆動部を介して、照明部124の照度を75%、50%へと下げる(ステップ7、ステップ9)。
【0045】
昼夜検出部113が、太陽電池103の起電圧が基準電圧より高いと判断し、日の出を検出すると、制御部112に対して昼夜検出信号(日の出検出信号)を出力する(ステップ10)。
その後、制御部112からの制御により、計数部115はタイマーを停止させ(ステップ11)、記憶部114は、照明当夜の全点灯時間Tmを記憶し(ステップ12)、照明駆動部123は、照明部124を消灯させる(ステップ13)。
【0046】
翌日においては、昼夜検出部113が、日没と判定すれば、制御部112に対して昼夜検出信号(日没検出信号)を出力し(ステップ2)、ステップ3以降の動作を続ける。なお、制御部112は、当日の点灯までの間において、上述のTmを含んだ3日間の平均値を記憶部114読み出し、3日間の平均値を算出し、記憶部114へ記憶させる。制御部112は、照明時間Ta及び照明時間Tbを算出し、上述の第2の記憶部へ記憶させる。
【0047】
これにより、上述の第1の実施形態の効果を維持しつつ、例えば照明当日前3日間のうちに天候不順の日があり点灯時間が他の2日間と異なっても、3日間の照明時間の平均値により当日の照度と照明時間を決めることができる。従って、天候の変化に精度よく応じることのできる照明装置を提供できる。
【0048】
なお、上述の第2の実施形態においては、取得する点灯時間のパターンとして、第1の記憶部からパターン3を取得したが、パターン4を取得し、照明当日以前の5日間の照明時間の平均値により、当日の照度と照明時間を決めることもできる。また、第1の記憶部における点灯時間パターンは、図4(a)に示されたパターンに限られるものではなく、例えば照明当日以前の1週間または1ヶ月の平均をとるパターンとしてもよい。
【0049】
(第3実施形態)
以下に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、上述の第2実施形態において、電源装置101を構成する二次電池105から照明駆動部123への電力供給量を、前日の二次電池105の消費電力量、及び当日の点灯開始時の使用可能電力量(使用可能な二次電池の蓄電容量)により点灯係数を算出し、算出された点灯係数に応じて可変とするものである。
【0050】
二次電池105の蓄電容量は、点灯当日の昼の時間における太陽電池103の発電量に左右されるので、天候により蓄電容量が異なるものとなる。そのため、例えば冬季において、蓄電容量が少ない状態で当日の点灯を行うと、蓄電容量が枯渇する可能性が生じるという問題がある。また、二次電池105においては、過放電保護電圧を下回った状態で充電を繰り返すと、充放電可能な繰り返し回数が減少し寿命が低下してしまうという問題もある。そこで、第3実施形態における照明装置は、出力前の二次電池の蓄電量から、点灯当日の出力容量(照明部121を構成する照明駆動部123への電力供給量)を確定することにより、上記問題点を解決することを課題とする。
【0051】
上記課題解決のため、制御部112は、二次電池105の蓄電容量を測定する端子電圧測定部201(蓄電容量測定部)を備える。なお、二次電池105の端子電圧Vbと、後述する電池容量比率との関係が一義的に求まるので、端子電圧測定部201は、蓄電容量として二次電池105の端子電圧Vbを測定するものとする。また、制御部112は、二次電池105の端子電圧値を記憶する第3の記憶部(蓄電容量記憶部)を備える。照明当夜において第3の記憶部に記憶される端子電圧Vbは、照明当夜の点灯開始直前の二次電池105の端子電圧Vb(m+1)、すなわち照明当日における充電後の端子電圧と、照明当夜の点灯終了後の端子電圧Vb(n+1)、すなわち照明当夜における放電後の端子電圧である。また、照明当夜の点灯開始前において第3の記憶部に記憶されている端子電圧Vbは、照明前夜の点灯開始直前の二次電池105の端子電圧Vb(m)、すなわち照明前日における充電後の端子電圧と、照明前夜の点灯終了後の端子電圧Vb(n)、すなわち照明前夜における放電後の端子電圧である。
【0052】
また、制御部112は、照明当夜の点灯開始直前の二次電池105の端子電圧Vb(m+1)、前夜の点灯開始直前の二次電池105の端子電圧Vb(m)及び前夜の点灯終了後の端子電圧Vb(n)から、後述する「当日のバッテリ使用可能率」(第1の差分)及び「前夜の消費電力率」(第2の差分)を、電池容量比率と端子電圧の関係を示す関係式に基づいて算出する演算部を備える。このため、制御部112は、二次電池105の端子電圧Vbを変数として、後述する「電池容量比率」を求める関係式を記憶しておく第4の記憶部を備える。
【0053】
更に、制御部112は、「当日のバッテリ使用可能率」の「前夜の消費電力率」に対する比率を変数として、後述する「点灯係数」を求める関係式を記憶しておく第5の記憶部を備える。また、制御部112は、上記点灯係数を二次電池105の出力容量に乗じて、乗じた電力供給量を照明駆動部123へ供給する電力供給制御部202を備える。そして、制御部112は、当夜の点灯開始直前において点灯係数を算出し、電力供給制御部202を制御し、二次電池105から照明駆動部123への電力供給量を制御する。電力供給制御部202は、例えば照明駆動部123へ電力を定電流で供給する場合、電流値に上記点灯係数を乗じた値を供給する電流値として、供給電力を変換して供給するものである。
【0054】
以下、制御部112が行う二次電池105から照明駆動部123への電流供給量制御について、図7〜図9を用いて説明する。まず、図7及び図8を用いて、上記「電池容量比率」、「当日のバッテリ使用可能率」、及び「前夜の消費電力率」の定義、「点灯係数」の意義について説明し、次に、図9を用いて上記電力供給量制御について説明する。
なお、以下の説明において、二次電池105は鉛蓄電池で構成されるものとするが、二次電池105は、例えばリチウムイオン電池、ニッケル水素電池などの二次電池であってもよい。
【0055】
図7は、鉛蓄電池の電池容量比率と、鉛蓄電池の端子電圧の関係を示すグラフである。照明装置における制御部112は、端子電圧測定部201が測定する端子電圧Vb(m+1)、第3の記憶部が記憶する端子電圧Vb(m)、Vb(n)を変数として、第4の記憶部が記憶する図7で示される電池容量比率と端子電圧の関係を示す関係式により、「当日のバッテリ使用可能率」及び「前夜の消費電力率」を算出する。ここで、電池容量比率とは満充電状態の容量を100%としたときの電池容量の割合である。図7において、過放電保護電圧Vhd及び満充電状態の端子電圧は、二次電池105の特性に応じて、予め設定された規定の電圧である。
また、例えば、図7において、端子電圧Vb(m+1)は照明当夜の点灯開始直前の二次電池105の端子電圧であり、端子電圧Vb(m)は前夜の点灯開始直前の二次電池105の端子電圧であり、端子電圧Vb(n)は前夜の点灯終了後の二次電池105の端子電圧である。
【0056】
すなわち、図7に示す例においては、端子電圧Vb(m+1)に対応する電池容量比率は、約90%であり、二次電池105は、点灯当日の昼間の充電により満充電状態の約90%まで、蓄電されたことを示す。また、端子電圧Vb(m)に対応する電池容量比率は、約95%であり、二次電池105は、前日の昼間の充電により満充電状態の約95%まで、蓄電されたことを示す。すなわち、点灯当日における天候により、蓄電容量は前日に比べ充電が少なかった場合を示している。また、端子電圧Vb(n)に対応する電池容量比率は、約70%であり、二次電池105は、前夜の点灯により満充電状態の約70%まで、放電されたことを示す。制御部112は、これらの電池容量比率が過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率(図7では60%)を下回らないように制御する。
【0057】
なお、図7において、二次電池105の充電後又は放電後の端子電圧と、過放電保護電圧Vhdとの差が、二次電池105の使用可能なバッテリ容量を求めるための電圧差である。また、二次電池105の充電後の端子電圧Vb(m+1)に対応する電池容量比率(図7では90%)と過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率(図7では60%)との差の、満充電時の電池容量比率(100%)と過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率(図7では60%)との差に対する割合を、二次電池105の「点灯当夜に使用可能な電池容量比率」と定義する。
【0058】
また、二次電池105の充電後の端子電圧Vb(m)に対応する電池容量比率(図7では95%)と過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率(図7では60%)との差の、満充電時の電池容量比率(100%)と過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率(図7では60%)との差に対する割合を、二次電池105の「前夜に使用した電池容量比率」と定義する。
また、二次電池105の放電後の端子電圧Vb(n)に対応する電池容量比率(図7では70%)と過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率(図7では60%)との差の、満充電時の電池容量比率(100%)と過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率(図7では60%)との差に対する割合を、二次電池105の「消費電池容量比率」と定義する。
【0059】
そして、「当日のバッテリ使用可能率」を、「点灯当夜に使用可能な電池容量比率」から「消費電池容量比率」を引いた値と定義し、「前日の消費電力率」を、「前夜に使用した電池容量比率」から「消費電池容量比率」を引いた値と定義する。
例えば、図7において、「当日のバッテリ使用可能率」は、(90―60)/(100−60)−(70−60)/(100−60)=50%となり、「前日の消費電力率」は、(95―60)/(100−60)−(70−60)/(100−60)=62.5%となる。
【0060】
図8は、「当日のバッテリ使用可能率」の「前日の消費電力率」に対する比率と、点灯係数Cとの関係を示すグラフである。照明装置における制御部112は、第5の記憶部が記憶する、図8で示される関係式に基づき求めた点灯係数Cを用いて、点灯当日の二次電池105の出力容量を確定する。具体的には、上記例の場合、点灯当日の点灯係数Cを、50%/62.5%=0.8とする。すなわち、点灯当日における天候により、蓄電容量が前日に比べ少なかった場合においても、点灯当夜の照明駆動部123への電力供給量を前夜に比べて少なくし、点灯当夜の電力消費量を低減できる。
このように、「当日のバッテリ使用可能率」の「前日の消費電力率」に対する比率を変数とし、第5の記憶部が記憶する関係式により点灯係数Cを決定すれば、点灯当日の充電量及び前日の使用電力量に応じて当夜の使用可能電力量を算出することとなり、蓄電容量が枯渇する可能性は低くなる。
【0061】
また、二次電池105の出力電圧が、過放電保護電圧を下回った状態で、点灯しないようにすることもできる。上記計算において、照明当日におきて二次電池105がほとんど充電されない場合を考える。この場合、上記計算過程において、端子電圧Vb(m+1)が端子電圧Vb(n)にほぼ等しくなるので、「当日のバッテリ使用可能率」は、(70―60)/(100−60)−(70−60)/(100−60)=0%に近づき、点灯係数Cを0に近づけることができる。従って、二次電池105が過放電保護電圧を下回った状態で充電を繰り返すことによる蓄電池の寿命低下を抑制することができる。
【0062】
次に、照明装置の動作について、図9を用いて説明する。
図9は、本実施形態の照明装置の動作フローチャートである。図9において、図6に相当する部分には、図6と同一の符号を付し、その説明を省略する。以下、図9を用いて本実施形態の照明装置の動作について、図5に示した照明装置200の動作と相違する点について説明する。
【0063】
昼夜検出部113が、制御部112に対して昼夜検出信号(日没検出信号)を出力(ステップ2)した後、制御部112は、端子電圧測定部201を制御し、バッテリ容量、すなわち、二次電池105の端子電圧を測定させる。この測定値は、上述の照明当夜の点灯開始直前の二次電池105の端子電圧Vb(m+1)である。制御部112は、端子電圧Vb(m+1)を変数として、第4の記憶部が記憶する電池容量比率と端子電圧の関係を示す関係式を用いて、端子電圧Vb(m+1)に対応する電池容量比率を算出する。また、予め設定された過放電保護電圧Vhdを変数として、過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率を算出する。また、制御部112は、第3の記憶部が記憶する前夜の点灯終了後の端子電圧Vb(n)を読み出し、端子電圧Vb(n)を変数として、端子電圧Vb(n)に対応する電池容量比率を算出する。
【0064】
そして、制御部112は、(端子電圧Vb(m+1)に対応する電池容量比率―過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率)/(100%−過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率)を計算し、「点灯当夜に使用可能な電池容量比率」を算出する。また、制御部112は、(端子電圧Vb(n)に対応する電池容量比率−過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率)/(100%−過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率)を計算し、「消費電池容量比率」を算出する。また、制御部112は、「点灯当夜に使用可能な電池容量比率」から「消費電池容量比率」を引いて、「当日のバッテリ使用可能率」を算出する(ステップ31)。
【0065】
次に、制御部112は、第3の記憶部が記憶する前夜の点灯開始直前の二次電池105の端子電圧Vb(m)を読み出し、端子電圧Vb(m)を変数として、第4の記憶部が記憶する電池容量比率と端子電圧の関係を示す関係式を用いて、端子電圧Vb(m)に対応する電池容量比率を算出する。
そして、制御部112は、(端子電圧Vb(m)に対応する電池容量比率―過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率)/(100%−過放電保護電圧Vhdに対応する電池容量比率)を計算し、「前夜に使用した電池容量比率」を算出する。また、制御部112は、「前夜に使用した電池容量比率」から「消費電池容量比率」を引いて、「前日の消費電力率」を算出する(ステップ32)。
この後、制御部112は、第3の記憶部が記憶する端子電圧Vb(m)を、端子電圧Vb(m+1)に置き換えて、第3の記憶部に記憶させる。
【0066】
次に、制御部112は、上で求めた「当日のバッテリ使用可能率」の「前日の消費電力率」に対する比率を計算し、計算された比率を変数として、第5の記憶部が記憶する関係式を用いて点灯係数Cを算出する(ステップ33)。
また、制御部112は、電力供給制御部202を制御し、上記点灯係数を二次電池105の出力容量に乗じて、乗じた電力供給量を照明駆動部123へ供給させる。これにより、以降のステップ3以降において、二次電池105から照明駆動部123への電力供給量が、点灯係数Cに応じて、前日の電力供給量に比べて増加又は減少した供給量となる。
【0067】
記憶部114が、計数部115から入力される照明当夜の全点灯時間Tmを記憶(ステップ12)した後、制御部112は、端子電圧測定部201を制御し、バッテリ容量、すなわち、二次電池105の端子電圧を測定させる(ステップ34)。この測定値は、翌日の点灯開始直前に、上記ステップ31で「消費電池容量比率」の算出に用いられる、翌日から見て前夜の点灯終了後の端子電圧Vb(n+1)である。
【0068】
また、制御部112は、第3の記憶部が記憶する端子電圧Vb(n)を、端子電圧Vb(n+1)に置き換えて、第3の記憶部に記憶させる(ステップ35)。続いて、制御部112は駆動制御部122に対して、照明停止信号を出力し、駆動制御部122は、これに応答して、照明駆動部123の照明部124への電流供給を停止させる。そして、照明駆動部123は、照明部124への電流供給を停止し、照明部124を消灯させる(ステップ13)。
【0069】
このように、第3の実施形態における照明装置は、二次電池105の満充電時の電池容量比率を100%とし、二次電池105の過放電保護電圧Vhd時の電池容量比率をhd%としたとき、制御部112は、「当日のバッテリ使用可能率」(第1の差分)として、(照明当日の照明開始前の電池容量比率―hd)/(100−hd)と、(照明前日の照明終了後の電池容量比率―hd)/(100−hd)との差を算出する。また、制御部112は、「前夜の消費電力率」(第2の差分)として、(照明前日の照明開始前の電池容量比率―hd)/(100−hd)と、(照明前日の照明終了後の電池容量比率―hd)/(100−hd)との差を算出する。そして、制御部112は、第1の差分と第2の差分との比率を、照明当日の照明開始前の蓄電容量(端子電圧測定部201が測定した蓄電容量)に乗じた蓄電容量を、照明部121への電力供給量とする。
【0070】
これにより、第3の実施形態における照明装置は、点灯当日の充電量及び前日の使用電力量に応じて当夜の使用可能電力量を算出することができるので、蓄電容量が枯渇する可能性を低くすることができる。また、二次電池105が過放電保護電圧を下回った状態で充電を繰り返すことによる蓄電池の寿命低下を抑制することができる。
【0071】
なお、上述の第3の実施形態においては、二次電池105の端子電圧を測定し、消費される電池容量を算出する構成としたが、照明部121に供給される電圧(上記点灯係数による処理後のバッテリ電圧)、照明部124への電流供給量、及び照明時間(上記照明時間Ta、Tb)をかけ合わせた電力量を計算し、消費される電池容量としてもよい。
【符号の説明】
【0072】
100,200…照明装置、101…電源装置、111…照明制御部、121…照明部、102…電源部、103…太陽電池、104…充電部、105…二次電池、112…制御部、113…昼夜検出部、114…記憶部、115…計数部、122…駆動制御部、123…照明駆動部、124…照明部、Tm…照明当夜の全点灯時間、Ty,T1y,T2y…前日の累積点灯時間、Ta,Tb…照明時間、Vb…端子電圧、Vhd…過放電保護電圧、201…端子電圧測定部、202…電力供給制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
日没から日の出までの照明を行う時間をn分割し、分割されたそれぞれの時間ごとに異なる照度で照明を行う照明装置であって、
照明部と、
前記照明部へ電力を供給する電源装置と、
n分割されたそれぞれの時間において前記電源装置から前記照明部への電力供給を調節する制御部と、
日没及び日の出を判定する明るさ判定部と、
前記照明部の日没からの累積点灯時間を計測する計数部と、
前記累積点灯時間の履歴を記憶する記憶部と、を有し、
前記制御部は、n分割された日没から日の出までの総時間のうち第1番目から第(n−1)番目の時間を、前記記憶部から読み出した累積点灯時間に一定の割合を乗じて決定し、前記明るさ判定部により日没が判定されると、前記電源装置から前記照明部への電力供給を開始させることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記記憶部からユーザーが設定した取得すべき累積点灯時間の取得パターンが記憶された第1の記憶部を更に有し、前記制御部は、前記第1の記憶部から読み出した取得パターンに応じて、前記記憶部に記憶された累積点灯時間の履歴を読み出し、これにもとづき前記第1番目から第(n−1)番目の時間を決定することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の記憶部から読み出した取得パターンにより、前記記憶部から、前日の累積点灯時間の履歴を読み出し、前記第1番目から第(n−1)番目の時間を決定することを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の記憶部から読み出した取得パターンにより、前記記憶部から前日を含んだ所定日数における累積点灯時間の履歴を読み出し、これらの平均値を算出し、前記第1番目から第(n−1)番目の時間を決定することを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記電源装置は、前記照明部へ電力を供給する二次電池と、前記二次電池へ充電電力を供給する太陽電池からなることを特徴とする請求項1〜4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記明るさ判定部は、前記太陽電池の出力に基づいて日没及び日の出を判定することを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
照明部へ電力を供給し調節する照明制御方法であって、
日没及び日の出を判定するステップと、
日没からの累積点灯時間を計測するステップと、
前記累積点灯時間の履歴を記憶するステップと、
日没が判定されると、照明部への電力供給を開始させるステップと、
日没から日の出までの照明を行う時間をn分割し、分割されたそれぞれの時間ごとに異なる照度で照明を行うステップと、
n分割された日没から日の出までの総時間のうち第1番目から第(n−1)番目の時間を、記憶された累積点灯時間に一定の割合を乗じて決定するステップと、
を有することを特徴とする照明制御方法。
【請求項8】
前記二次電池の蓄電容量を測定する蓄電容量測定部と、
前記蓄電容量測定部が測定する二次電池の照明開始前の第1の蓄電容量及び照明終了後の第2の蓄電容量を記憶する蓄電容量記憶部と、を更に備え、
前記制御部は、前記蓄電容量測定部が照明当日の照明開始前において測定した第3の蓄電容量と前記第2の蓄電容量との第1の差分、及び前記第1の蓄電容量と前記第2の蓄電容量との第2の差分に基づいて、照明当日の前記照明部への電力供給量を調整することを特徴とする請求項5または請求項6記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1及び第2の蓄電容量は照明前日の蓄電容量であって、
前記制御部は、前記第1の差分と前記第2の差分との比率を、前記第3の蓄電容量に乗じた蓄電容量を前記照明部への前記電力供給量とすることを特徴とする請求項8記載の照明装置。
【請求項10】
前記二次電池の満充電時の電池容量比率を100%とし、前記二次電池の過放電保護電圧時の電池容量比率をhd%としたとき、前記第1の差分は、(照明当日の照明開始前の電池容量比率―hd)/(100−hd)と(照明前日の照明終了後の電池容量比率―hd)/(100−hd)との差であり、前記第2の差分は、(照明前日の照明開始前の電池容量比率―hd)/(100−hd)と(照明前日の照明終了後の電池容量比率―hd)/(100−hd)との差であることを特徴とする請求項9記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−212232(P2010−212232A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22408(P2010−22408)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【出願人】(500140127)エヌ・ティ・ティ・インフラネット株式会社 (61)
【Fターム(参考)】