説明

照明装置

【課題】 照明装置において専用のECUを必要とせずにフェイドイン、フェイドアウトさせられ、断線したLEDを誰でも容易に交換できること。
【解決手段】 ドアスイッチ8が閉じるとバッテリ9の電圧12VがLED2と電流制限抵抗器3及びコンデンサ4に印加されるが、コンデンサ4に電荷が蓄えられるため、LED2は瞬時にではなく徐々に発光する(フェイドイン)。ドアスイッチ8が開放されると、コンデンサ4に蓄えられた電力がLED2に印加されるために、LED2は瞬時に消灯せずコンデンサ4に蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯する(フェイドアウト)。LED2が断線して交換の必要が生じた場合には、照明装置1全体を電源端子9a,9bから外して、新しい照明装置1の接続端子7a,7bを電源端子9a,9bに接続すれば良い。照明装置1は簡単な構成のため、LED2の交換に比べてコスト高にはならない。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光ダイオード(以下、「LED」とも略する。)を光源とする車内用ランプ等の照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フットライト等の車内用ランプを徐々に点灯させたり(フェイドイン)、徐々に消灯させたり(フェイドアウト)するためには、専用のECU(電子制御ユニット)が必要であった。これは、従来の車内用ランプが白熱電球であり、多くの電流を流す必要があったためである。このため、専用のECUを搭載することができる高級車の場合には、車内用ランプをフェイドイン、フェイドアウトさせることが可能であったが、価格的に専用のECUを搭載できない大衆車の場合には、車内用ランプをフェイドイン、フェイドアウトさせることができなかった。
【0003】そこで、光源として10mA〜20mAの少電流で点灯する発光ダイオードを用いることによって、専用のECUを必要とせずにフェイドイン、フェイドアウトさせることができる照明装置が開発されている。
【0004】かかる照明装置の一例として、特公平1−59147号公報に記載された補助ストップランプの制御装置の発明がある。この公報に記載された技術においては、ブレーキペダルを踏むと点灯する白熱電球を光源とする主ストップランプ及び複数のLEDを光源とする補助ストップランプの立下り(消灯)の時期を略一致させるために、複数のLEDと並列にコンデンサを接続している。これによって、ブレーキペダルが解除されても補助ストップランプは瞬時に消灯することなく、コンデンサに蓄えられた電力によって一定時間かかってフェイドアウトしていく。したがって、白熱電球のフィラメントに余熱が残るために消光が緩慢な主ストップランプと立下りが略一致し、見る者に違和感を与えることがなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この公報に記載された技術においては、白熱電球、複数のLED、コンデンサで形成された回路がブレーキスイッチを介して車両のバッテリと一体に接続されているために、LEDが断線等で交換する必要があるときには、そのLEDのみを新品と交換しなければならない。しかし、LEDを扱い慣れている技術者でなければLEDを回路へ正しく接続するのは困難であり、向きを間違えて取り付けた場合にはそのLEDが破壊されてしまうため、一般のユーザーやディーラーではLEDの交換ができない。一方、1個のLEDが点灯しないために補助ストップランプ全体を交換するのは著しくコスト高になってしまうという問題点があった。
【0006】そこで、本発明は、専用のECUを必要とせずにフェイドイン、フェイドアウトさせることができるとともに断線したLEDを誰でも容易に交換することができる照明装置を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる照明装置は、発光ダイオードと、前記発光ダイオードに直列に接続された逆流防止用ダイオードと、前記発光ダイオードに並列に接続されたコンデンサと、前記発光ダイオードに電力を供給する電源に接続された電源端子と着脱可能に接続される接続端子とを具備するものである。
【0008】かかる構成を有する照明装置を車内用のフットライト等に用いる場合には、接続端子を電源端子に接続した状態で車両のドアを開けると、照明装置を点灯させるスイッチが入った状態になり、逆流防止用ダイオードを介してLEDとコンデンサに電源からの電圧が印加される。このとき、コンデンサに電荷が蓄えられるため、LEDは瞬時に電圧に応じた明るさにはならずに、徐々に明るく発光していく(フェイドイン)。そして、車両のドアを閉めると照明装置を点灯させるスイッチが切れた状態になるが、コンデンサに蓄えられた電力がLEDに印加されるためにLEDは瞬時に消灯することはなく、コンデンサに蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯していく(フェイドアウト)。このようにして、LEDを光源として用いることによって専用のECUを用いることなく、フェイドイン、フェイドアウトさせることができる。
【0009】そして、LEDが断線して交換の必要が生じた場合には、照明装置全体を電源端子から外して、新しい照明装置の接続端子を電源端子に接続すれば良い。照明装置はLEDに安価な素子を付加しただけの簡単な構成のため、照明装置全体を交換しても、LEDだけを交換する場合に比べてそれほどコスト高にはならない。しかも、LEDだけを交換する場合に比べて、誰でも容易に交換ができる。この際、万が一接続端子の±を逆に接続したとしても、照明装置には逆流防止用ダイオードが組み込まれているためLEDが破壊されることはなく、車両のドアを開けても点灯しないことから逆に接続されていることが分かるので、正しく接続し直せば良い。なお、通常は電源端子に接続端子が必ず正しく接続されるように、両端子の形状が正しい向きにしか嵌合しないように工夫される。
【0010】このようにして、専用のECUを必要とせずにフェイドイン、フェイドアウトさせることができるとともに断線したLEDを誰でも容易に交換することができる照明装置となる。
【0011】請求項2の発明にかかる照明装置は、請求項1の構成において、前記発光ダイオードと前記コンデンサとの間に降圧型DC−DCコンバータを付加したものである。
【0012】本発明にかかる照明装置をフットライト等の車内用ランプとして用いる場合、LEDに電力を供給する電源はバッテリであり、その電圧は通常12Vまたは24Vである。これに対して、LEDを発光させるために必要な電圧は2V程度であり、残りの電圧はLEDに直列に接続された電流制限抵抗器において熱に変換されており、このため大きな電圧損失が生じていた。
【0013】そこで、本発明においては、発光ダイオードとコンデンサとの間に降圧型DC−DCコンバータを付加することによって、LED及び電流制限抵抗器にかかる電圧をLEDに通常印加される電圧Vf近く(例えば、2.5V)まで降圧させ、電流制限抵抗器における電圧損失を極力少なくしてエネルギー使用効率を高める。これによって、消灯時に、コンデンサに蓄えられた電力がより有効に利用されて、フェイドアウトの時間をより長くすることができる。
【0014】このようにして、降圧型DC−DCコンバータを付加することによって、電流制限抵抗器における電圧損失を極力少なくしてエネルギー使用効率を高め、フェイドアウトの時間をより長くすることができる照明装置となる。
【0015】請求項3の発明にかかる照明装置は、請求項1または請求項2の構成において、前記コンデンサと前記接続端子との間に昇圧型DC−DCコンバータを付加したものである。
【0016】これによって、電源であるバッテリの電圧(12Vまたは24V)が昇圧されて、より高い電圧でコンデンサが充電される。したがって、より大きな電力がコンデンサに蓄えられるため、消灯時におけるフェイドアウトの時間をより長くすることができる。
【0017】このようにして、昇圧型DC−DCコンバータを付加することによって、より高い電圧でコンデンサに電荷を蓄えて、フェイドアウトの時間をより長くすることができる照明装置となる。
【0018】請求項4の発明にかかる照明装置は、請求項2または請求項3の構成において、前記降圧型DC−DCコンバータの出力電圧は、前記発光ダイオードに通常印加される電圧以上で前記通常印加される電圧にできるだけ近く設定されているものである。
【0019】降圧型DC−DCコンバータの出力電圧のうち、LEDに通常印加される電圧VfがLEDを発光させるために用いられ、残りの電圧はLEDに直列に接続された電流制限抵抗器において熱に変換されて損失となるため、降圧型DC−DCコンバータの出力電圧はLEDに通常印加される電圧Vfにできるだけ近い方が望ましい。これによって、電流制限抵抗器における電圧損失を最小限に抑えてエネルギー使用効率を最大限に高めることができる。
【0020】このようにして、エネルギー使用効率を最大限に高めることによって、フェイドアウトの時間をさらに長くすることができる照明装置となる。
【0021】請求項5の発明にかかる照明装置は、請求項3または請求項4の構成において、前記昇圧型DC−DCコンバータの出力電圧は、前記コンデンサの許容電圧以下で前記許容電圧にできるだけ近く設定されているものである。
【0022】昇圧型DC−DCコンバータの出力電圧は、コンデンサの許容電圧にできるだけ近い方が、コンデンサにより大きな電力を蓄えることができるので望ましい。そこで、昇圧型DC−DCコンバータの出力電圧をコンデンサの許容電圧以下で許容電圧にできるだけ近く設定することによって、コンデンサに最大限の電力を蓄えることができ、フェイドアウトの時間をさらに長くすることができる照明装置となる。
【0023】請求項6の発明にかかる照明装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つの構成において、ドアトリム部の照明装置であって、インサイドハンドル及び/またはドアポケットに前記発光ダイオードを取り付け、前記電源として車両のドアロック回路及び/またはACC電源を用いるものである。
【0024】これによって、電源として車両のドアロック回路を用いる場合には、新たにドアパネル内に配線を引き込む必要がない。ドアロック解除信号がドアロック回路に流れたときには、コンデンサに電荷が蓄えられるため、LEDは瞬時に電圧に応じた明るさにはならずに、徐々に明るく発光していく(フェイドイン)。このように、LEDが点灯して夜間でもインサイドハンドルが照明されてドアを開けやすくなる。また、ドアポケットが照明されて中のものが取り出しやすくなる。ドアロック解除信号が流れなくなった場合には照明装置に電圧がかからない状態になるが、LEDと並列に接続されたコンデンサに蓄えられた電力がLEDに印加されるためにLEDは瞬時に消灯することはなく、コンデンサに蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯していく(フェイドアウト)。
【0025】また、電源としてACC電源を用いる場合、ACC電源として電動格納ドアミラーの電源を用いる場合にも、新たにドアパネル内に配線を引き込む必要がない。ACC電源がONになって車両の走行状態になったときには、ACC電源から常時LEDに電流が供給されて点灯しつづけることになるが、運転に支障のないように減光され、アクセサリー光として加飾性が向上する。
【0026】そして、LEDが断線して交換の必要が生じた場合には、照明装置全体を電源端子から外して、新しい照明装置の接続端子を電源端子に接続すれば良い。照明装置はLEDに安価な素子を付加しただけの簡単な構成のため、照明装置全体を交換しても、LEDだけを交換する場合に比べてそれほどコスト高にはならない。しかも、LEDだけを交換する場合に比べて、誰でも容易に交換ができる。この際、万が一接続端子の±を逆に接続したとしても、照明装置には逆流防止用ダイオードが組み込まれているためLEDが破壊されることはなく、ACC電源をONにしても点灯しないことから逆に接続されていることが分かるので、正しく接続し直せば良い。なお、通常は電源端子に接続端子が必ず正しく接続されるように、両端子の形状が正しい向きにしか嵌合しないように工夫される。
【0027】このようにして、ドアトリム専用のECUを必要とせずにまたドアパネル内に新たに配線を引き込む必要もなく、フェイドイン、フェイドアウトさせることができるとともに断線したLEDを誰でも容易に交換することができるドアトリムの照明装置となる。
【0028】請求項7の発明にかかる照明装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つの構成において、キーシリンダ周囲の照明装置であって、キーシリンダ周囲の透明または半透明の部分の下に前記発光ダイオードを取り付け、前記電源として車両のキーイグニッションの電源線を用いるものである。
【0029】これによって、車両のドアを開けると、照明装置を点灯させるスイッチが入った状態になり、逆流防止用ダイオードを介してLEDとコンデンサに電源からの電圧が印加される。このとき、コンデンサに電荷が蓄えられるため、LEDは瞬時に電圧に応じた明るさにはならずに、徐々に明るく発光していく(フェイドイン)。このように、LEDが点灯して夜間でもキーシリンダ周囲が照明されてキーを容易にシリンダに差し込むことができる。そして、車両のドアを閉めると照明装置を点灯させるスイッチが切れた状態になるが、コンデンサに蓄えられた電力がLEDに印加されるためにLEDは瞬時に消灯することはなく、コンデンサに蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯していく(フェイドアウト)。そして、LEDが断線して交換の必要が生じた場合には、照明装置全体を電源端子から外して、新しい照明装置の接続端子を電源端子に接続すれば良いのは請求項6の場合と同様である。
【0030】このようにして、専用のECUを必要とせずにフェイドイン、フェイドアウトさせることができるとともに断線したLEDを誰でも容易に交換することができるキーシリンダの照明装置となる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明する。以下の各実施の形態のうち実施の形態1〜3においては、照明装置を車内用のフットライトとして用いる場合について説明する。
【0032】実施の形態1まず、本発明の実施の形態1について、図1を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態1にかかる照明装置の全体構成を示す回路図である。
【0033】図1に示されるように、本実施の形態1にかかる照明装置1は、1対の接続端子7a,7bを有しており、これらの接続端子7a,7bにおいて電源となるバッテリ9(12V)に接続された電源端子9a,9bに接続されている。ドアスイッチ8は、車両のドアが開かれると閉じ、車両のドアが閉じられると開く電源スイッチである。したがって、車両のドアが開かれるとドアスイッチ8が閉じて、バッテリ9の電力が照明装置1に供給される。
【0034】照明装置1は、光源としてアンバー色を発光するLED2を有しており、このLED2に直列に電流制限抵抗器3が接続されている。また、これらのLED2と電流制限抵抗器3に対して並列にコンデンサ4が接続されている。さらに、LED2に直列に逆流防止用ダイオード5と、LED2の点灯時の電流整流用及び逆流防止用ダイオード5の保護用の抵抗器6が接続されている。逆流防止用ダイオード5は、万が一バッテリ9が逆に接続されていたり、接続端子7a,7bを電源端子9a,9bに逆に接続してしまったときに、LED2に逆方向電圧がかかってLED2が破壊されるのを防ぐための保護用の素子である。
【0035】かかる構成を有する照明装置1を電源端子9a,9bに接続した状態で、車両のドアが開けられると、ドアスイッチ8が閉じてバッテリ9の電圧12VがLED2と電流制限抵抗器3及びコンデンサ4に印加される。ここで、LED2に通常印加される電圧Vf=2Vであるため、バッテリ9の電圧12Vのうち2VがLED2に印加され、残りの10Vは電流制限抵抗器3に印加されて熱に変換される。
【0036】このとき、コンデンサ4に電荷が蓄えられるため、LED2は瞬時に電圧に応じた明るさにはならずに、徐々に明るく発光していく(フェイドイン)。そして、車両のドアが閉められるとドアスイッチ8が開放された状態になるが、コンデンサ4に蓄えられた電力がLED2に印加されるために、LED2は瞬時に消灯することはなく、コンデンサ4に蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯していく(フェイドアウト)。このようにして、LED2を光源として用いることによって専用のECUを用いることなく、フェイドイン、フェイドアウトさせることができる。
【0037】そして、車内の数箇所にフットライトとして取り付けられた複数の照明装置1のLED2のうち1つが断線して交換の必要が生じた場合には、その照明装置1全体を電源端子9a,9bから外して、新しい照明装置1の接続端子7a,7bを電源端子9a,9bに接続すれば良い。照明装置1は、図1に示されるように、LED2に比較して安価な抵抗器3,6、コンデンサ4、ダイオード5、接続端子7a,7bを付加しただけの簡単な構成のため、照明装置1全体を交換しても、LED2だけを交換する場合に比べてそれほどコスト高にはならない。そして、LED2だけを交換する場合に比べて、誰でも容易に交換ができる。
【0038】この交換の際、万が一接続端子7a,7bの±を逆に接続したとしても、照明装置1には逆流防止用ダイオード5が組み込まれているためLED2が破壊されることはなく、車両のドアを開けても点灯しないことから逆に接続されていることが分かるので、正しく接続し直せば良い。なお、実際には、電源端子9aに接続端子7aが、電源端子9bに接続端子7bが必ず正しく接続されるように、両端子の形状が正しい向きにしか嵌合しないように工夫される。
【0039】このようにして、本実施の形態1の照明装置1においては、専用のECUを必要とせずにフェイドイン、フェイドアウトさせることができるとともに、断線したLED2を誰でも容易に交換することができる。
【0040】実施の形態2次に、本発明の実施の形態2について、図2を参照して説明する。図2は本発明の実施の形態2にかかる照明装置の全体構成を示す回路図である。なお、図2においては、図1と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】図2に示される本実施の形態2にかかる照明装置11が図1に示される実施の形態1の照明装置1と異なるのは、LED2、電流制限抵抗器3とコンデンサ4との間に降圧型DC−DCコンバータ12が付加された点である。実施の形態1においては、バッテリ9の電圧12VのうちLED2を発光させるのに用いられる電圧は2Vのみであり、残りの10Vは電流制限抵抗器3において熱に変換されてしまうため、電圧損失が大きいものであった。
【0042】そこで、LED2、電流制限抵抗器3とコンデンサ4との間に降圧型DC−DCコンバータ12を付加することによって、LED2及び電流制限抵抗器3にかかる電圧をLED2に通常印加される電圧Vf即ち2V近くまで降圧させる。これによって、電流制限抵抗器3における電圧損失を極力少なくすることができ、エネルギー使用効率を高めることができる。例えば、降圧型DC−DCコンバータ12の出力電圧を2.5Vとした場合には、2Vの電圧がLED2を発光させるのに用いられ、電流制限抵抗器3において熱として失われるのは0.5Vのみとなる。
【0043】この結果、車両のドアが閉められてフットライトとしての照明装置11が消灯する際に、コンデンサ4に蓄えられた電力がより有効にLED2を発光させるのに利用されて、フェイドアウトの時間をより長くすることができる。このようにして、本実施の形態2の照明装置11においては、降圧型DC−DCコンバータ12を付加することによって、電流制限抵抗器3における電圧損失を極力少なくしてエネルギー使用効率を高めることができ、フェイドアウトの時間をより長くすることができる。
【0044】なお、本実施の形態2においては、LED2に通常印加される電圧Vf=2Vに対して、降圧型DC−DCコンバータ12の出力電圧を2.5Vとしているが、Vfを下回らない範囲内で出力電圧をさらにVfに近づけることもできる。降圧型DC−DCコンバータ12の出力電圧のうち、LED2に通常印加される電圧VfがLED2を発光させるために用いられ、残りの電圧は電流制限抵抗器3において熱に変換されて損失となるため、降圧型DC−DCコンバータ12の出力電圧はVfにできるだけ近い方が望ましい。これによって、電流制限抵抗器3における電圧損失を最小限に抑えてエネルギー使用効率を最大限に高めることができる。このようにして、エネルギー使用効率を最大限に高めることによって、フェイドアウトの時間をさらに長くすることができる。
【0045】実施の形態3次に、本発明の実施の形態3について、図3を参照して説明する。図3は本発明の実施の形態3にかかる照明装置の全体構成を示す回路図である。なお、図3においては、図1,図2と同一の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】図3に示される本実施の形態3にかかる照明装置21が図2に示される実施の形態2の照明装置11と異なるのは、降圧型DC−DCコンバータ12に加えて、コンデンサ4と逆流防止用ダイオード5の間に昇圧型DC−DCコンバータ14が付加された点である。また、これに伴って、昇圧型DC−DCコンバータ14の保護用及びLED2の点灯時の電流整流用の抵抗器13も付加されている。
【0047】コンデンサ4の定格電圧がバッテリ9の電圧12Vよりも大きい場合には、昇圧型DC−DCコンバータ14によってより大きな電圧をコンデンサ4に印加することによって、より大きな電力をコンデンサ4に蓄えることができる。例えば、コンデンサ4の定格電圧が25Vの場合には、昇圧型DC−DCコンバータ14の出力電圧を22Vに設定する。これによって、実施の形態1,2の場合に比較して22V/12V=1.83倍の電力をコンデンサ4に蓄えることができる。この結果、車両のドアが閉められてフットライトとしての照明装置21が消灯する際に、コンデンサ4に蓄えられたより大きな電力がLED2を発光させるのに利用されて、実施の形態2で述べた降圧型DC−DCコンバータ12を付加したことによる効果と相俟って、フェイドアウトの時間をさらに長くすることができる。
【0048】なお、本実施の形態3においては、定格電圧が25Vのコンデンサ4に対して昇圧型DC−DCコンバータ14の出力電圧を22Vに設定した場合について説明したが、出力電圧が定格電圧を超えない範囲内でさらに定格電圧に近づけることもできる。昇圧型DC−DCコンバータ14の出力電圧は、コンデンサ4の許容電圧にできるだけ近い方が、コンデンサ4により大きな電力を蓄えることができるので望ましい。そこで、昇圧型DC−DCコンバータ14の出力電圧をコンデンサ4の許容電圧以下で許容電圧にできるだけ近く設定することによって、コンデンサ4に最大限の電力を蓄えることができ、フェイドアウトの時間をさらに長くすることができる。
【0049】ここで、コンデンサ4の静電容量を増やすことによってコンデンサ4に蓄えられる電力量を増やすことも考えられるが、コンデンサ4の体積が大きくなってしまい、照明装置全体としても大きなものとなるため好ましくない。上記実施の形態2あるいは実施の形態3の構成をとることによって、照明装置の大きさを一定限度に抑えつつフェイドアウトの時間をさらに長くすることができる。
【0050】また、本実施の形態3においては、降圧型DC−DCコンバータ12及び昇圧型DC−DCコンバータ14をともに使用した照明装置21について説明したが、降圧型DC−DCコンバータ12を用いずに昇圧型DC−DCコンバータ14のみを使用した照明装置とすることもできる。この場合にも、コンデンサ4に蓄えられる電力が大きくなるので、フェイドアウトの時間を長くすることができるという効果がある。
【0051】実施の形態4次に、本発明の実施の形態4について、図4乃至図6を参照して説明する。図4は本発明の実施の形態4にかかる照明装置が取り付けられるドアトリム部分を示す正面図である。図5は本発明の実施の形態4にかかる照明装置の配線を示す回路図である。図6は本発明の実施の形態4にかかる照明装置のLEDの明るさの経時変化の一例を示すチャート図である。
【0052】図4に示されるように、本実施の形態4においてはドアトリム30にインサイドハンドル31とドアポケット32が設けられており、インサイドハンドル31を引くとドアを開けることができ、ドアポケット32内には地図等の冊子や様々な小物類等を収納することができる。夜間においてこれらのインサイドハンドル31及びドアポケット32が照明されれば、インサイドハンドル31の位置がはっきり分かってドアが開けやすくなり、またドアポケット32内の収納品が良く見えて取り出しやすくなる。そこで、インサイドハンドル31及びドアポケット32内にLEDを取り付けてドアロック回路のドアロック解除信号によってこれらのLEDを点灯させるようにしている。
【0053】本実施の形態4の照明装置44の実際の回路構成を図5に示す。走行中に減光状態でずっとLEDを点灯させるための電源は、車両側配線33中のACC電源の1つである電動格納ドアミラー電源回路34から取り、ダイオードブリッジからなる整流回路36を介して、一方の電源線には減光用抵抗器37が接続されて、インサイドハンドル31用のLED40Aと電流調整用の抵抗器39A、ドアポケット32用のLED40Bと電流調整用の抵抗器39B、そしてコンデンサ等からなる充電回路41が互いに並列に接続されている。一方、ドアロック解除信号線は、車両側配線33中のドアロック回路35から接点38aにおいて取り出され、LED保護用のダイオード38を介して一方の電源線に接続されている。
【0054】ドアロック回路35が作動して、ドアロック用モータ42がドアロックを解除する方向に回動すると、パルス状のドアロック解除信号43がドアロック解除信号線に流れてLED40A,LED40B,充電回路41に所定の電圧がかかる。しかし、最初は充電回路41中のコンデンサが充電されるためLED40A,LED40Bは瞬時に電圧に応じた明るさにはならずに、徐々に明るく発光していく(フェイドイン)。そして、パルス状のドアロック解除信号43が消滅すると電圧もかからない状態になるが、充電回路41のコンデンサに蓄えられた電力がLED40A,LED40Bに印加されるために、LED40A,LED40Bは瞬時に消灯することはなく、コンデンサに蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯していく(フェイドアウト)。このようにして、LED40A,LED40Bを光源として用いることによって、ドアトリム専用のECUを用いることなくフェイドイン、フェイドアウトさせることができる。
【0055】また、ACC電源の1つである電動格納ドアミラー電源回路34がONになったときは、整流回路36を介してLED40A,LED40B,充電回路41に所定の電圧がかかる。しかし、最初は充電回路41中のコンデンサが充電されるためLED40A,LED40Bは瞬時に電圧に応じた明るさにはならずに、徐々に明るく発光していく(フェイドイン)。さらに、減光用抵抗器37が接続されているために、LED40A,LED40Bの光度は運転に支障のないように減光されて、電動格納ドアミラー電源回路34がONになっている間は点灯を続け、アクセサリー照明として加飾性の向上に貢献する。電動格納ドアミラー電源回路34がOFFになると電圧もかからない状態になるが、充電回路41のコンデンサに蓄えられた電力がLED40A,LED40Bに印加されるために、LED40A,LED40Bは瞬時に消灯することはなく、コンデンサに蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯していく(フェイドアウト)。
【0056】このように、本実施の形態4の照明装置44においては、電源としてドアロック回路35と電動格納ドアミラー電源回路34を使用しているために、ドアパネル内に新たに配線を引き込む必要がないという利点がある。また、ドアロック回路35においてドアロックがされた場合にも逆極性のドアロック信号が流れるが、LED保護用ダイオード38で遮断されてLED40A,LED40Bに逆方向電圧がかかることはない。
【0057】図6にドアロック解除とACC電源ONに伴うLED40A,LED40Bの明るさの変化が表されている。
【0058】ドアロックが解除されてパルス状のドアロック解除信号43が流れるとLED40A,LED40Bに所定の電圧がかかるが、前述の如く、充電回路41中のコンデンサが充電されるためにLED40A,LED40Bは瞬時に電圧に応じた明るさにはならずに、図6に示されるように徐々に明るく発光していく(フェイドイン)。そして、パルス状のドアロック解除信号43が消滅してもLED40A,LED40Bは瞬時に消灯することはなく、コンデンサに蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯していく(フェイドアウト)。
【0059】同様に、電動格納ドアミラー電源回路34がONになったときは、LED40A,LED40B,充電回路41に所定の電圧がかかるが、充電回路41中のコンデンサが充電されるためLED40A,LED40Bは瞬時に電圧に応じた明るさにはならずに、徐々に明るく発光していく(フェイドイン)。また、このときはLED40A,LED40Bは、アクセサリー照明として加飾性の向上に役立たせるために運転の邪魔にならないように、図6に示されるようにかなり減光されている。電動格納ドアミラー電源回路34がOFFになってもLED40A,LED40Bは瞬時に消灯することはなく、コンデンサに蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯していく(フェイドアウト)。
【0060】このように、ドアトリム専用のECUを必要とせず、ドアトリムの照明をフェイドイン・フェイドアウトできるので、低コストで済み、高級車だけでなく大衆車にも搭載することができる。そして、LED40A,40Bのいずれかが断線して交換の必要が生じた場合には、車両側配線33に接続されている照明装置44全体を電源端子から外して、新しい照明装置44の接続端子36a,36b,38aを電源端子に接続すれば良い。照明装置44はLED40A,40Bに安価な素子を付加しただけの簡単な構成のため、照明装置44全体を交換しても、LEDだけを交換する場合に比べてそれほどコスト高にはならない。しかも、LEDだけを交換する場合に比べて、誰でも容易に交換ができる。この際、万が一接続端子36a,36bの±を逆に接続したとしても、照明装置44には整流回路36が組み込まれているためLED40A,40Bが破壊されることはなく、ACC電源34をONにしても点灯しないことから逆に接続されていることが分かるので、正しく接続し直せば良い。
【0061】なお、本実施の形態4においては、車両の右側のドアについてのみ説明したが、左側のドアも全く同様の構成である。また、ACC電源を使用せず走行中のLED点灯をせずに、ドアロック解除時のLED点灯のみとしても良い。また、インサイドハンドル31とドアポケット32のいずれかのみを照明するものとしても良い。さらに、ACC電源としては、電動格納ドアミラー電源回路以外にも、他のACC電源を使用することもできる。
【0062】実施の形態5次に、本発明の実施の形態5にかかる照明装置について、図1を参照しながら説明する。本実施の形態5の照明装置は車両のキーシリンダの周囲を照明するものであり、キーシリンダ周囲の透明または半透明の部分の下にLEDを取り付け、電源として車両のキーイグニッションの電源線を用いるものである。
【0063】本実施の形態5の照明装置の回路構成は、図1に示される実施の形態1の照明装置1と全く同じである。即ち、図1に示されるように、本実施の形態5にかかる照明装置は、1対の接続端子7a,7bを有しており、これらの接続端子7a,7bにおいて電源となるキーイグニッション電源線9に接続された電源端子9a,9bに接続されている。ドアスイッチ8は、車両のドアが開かれると閉じ、車両のドアが閉じられると開く電源スイッチである。したがって、車両のドアが開かれるとドアスイッチ8が閉じて、キーイグニッション電源線9の電力が照明装置に供給される。
【0064】照明装置は、光源として緑色を発光するLED2を有しており、このLED2に直列に電流制限抵抗器3が接続されている。また、これらのLED2と電流制限抵抗器3に対して並列にコンデンサ4が接続されている。さらに、LED2に直列に逆流防止用ダイオード5と、LED2の点灯時の電流整流用及び逆流防止用ダイオード5の保護用の抵抗器6が接続されている。逆流防止用ダイオード5は、万が一キーイグニッション電源線9が逆に接続されていたり、接続端子7a,7bを電源端子9a,9bに逆に接続してしまったときに、LED2に逆方向電圧がかかってLED2が破壊されるのを防ぐための保護用の素子である。
【0065】かかる構成を有する照明装置を電源端子9a,9bに接続した状態で、車両のドアが開けられると、ドアスイッチ8が閉じてキーイグニッション電源線9の電圧がLED2と電流制限抵抗器3及びコンデンサ4に印加される。
【0066】このとき、コンデンサ4に電荷が蓄えられるため、LED2は瞬時に電圧に応じた明るさにはならずに、徐々に明るく発光していく(フェイドイン)。そして、車両のドアが閉められるとドアスイッチ8が開放された状態になるが、コンデンサ4に蓄えられた電力がLED2に印加されるために、LED2は瞬時に消灯することはなく、コンデンサ4に蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯していく(フェイドアウト)。このようにして、LED2を光源として用いることによって専用のECUを用いることなく、フェイドイン、フェイドアウトさせることができる。こうして、キーシリンダの周囲が照明されるために、夜間にキーをシリンダに挿入するのが容易になる。
【0067】そして、LED2が断線して交換の必要が生じた場合には、照明装置全体を電源端子9a,9bから外して、新しい照明装置の接続端子7a,7bを電源端子9a,9bに接続すれば良い。照明装置は、図1に示されるように、LED2に比較して安価な抵抗器3,6、コンデンサ4、ダイオード5、接続端子7a,7bを付加しただけの簡単な構成のため、照明装置全体を交換しても、LED2だけを交換する場合に比べてそれほどコスト高にはならない。そして、LED2だけを交換する場合に比べて、誰でも容易に交換ができる。
【0068】この交換の際、万が一接続端子7a,7bの±を逆に接続したとしても、照明装置には逆流防止用ダイオード5が組み込まれているためLED2が破壊されることはなく、車両のドアを開けても点灯しないことから逆に接続されていることが分かるので、正しく接続し直せば良い。なお、実際には、電源端子9aに接続端子7aが、電源端子9bに接続端子7bが必ず正しく接続されるように、両端子の形状が正しい向きにしか嵌合しないように工夫される。
【0069】このようにして、本実施の形態5の照明装置においては、専用のECUを必要とせずにフェイドイン、フェイドアウトさせることができるとともに、断線したLED2を誰でも容易に交換することができる。
【0070】上記各実施の形態においては、照明装置1,11,21を車内用のフットライト、照明装置44をドアトリムの照明装置、実施の形態5の照明装置をキーシリンダの照明装置として用いた場合について説明したが、本発明の照明装置はこれに限られず、室内ランプを始めとして、フェイドイン、フェイドアウトの効果がある用途であれば、種々の照明装置として使用することができる。
【0071】また、上記実施の形態1〜3においては、LED2としてアンバー色を発光するVf=2VのLEDを用いた場合について説明したが、これ以外にも種々のLEDを使用することができる。
【0072】照明装置のその他の部分の構成、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明にかかる照明装置は、発光ダイオードと、前記発光ダイオードに直列に接続された逆流防止用ダイオードと、前記発光ダイオードに並列に接続されたコンデンサと、前記発光ダイオードに電力を供給する電源に接続された電源端子と着脱可能に接続される接続端子とを具備するものである。
【0074】かかる構成を有する照明装置を車内用のフットライト等に用いる場合には、接続端子を電源端子に接続した状態で車両のドアを開けると、照明装置を点灯させるスイッチが入った状態になり、逆流防止用ダイオードを介してLEDとコンデンサに電源からの電圧が印加される。このとき、コンデンサに電荷が蓄えられるため、LEDは瞬時に電圧に応じた明るさにはならずに、徐々に明るく発光していく(フェイドイン)。そして、車両のドアを閉めると照明装置を点灯させるスイッチが切れた状態になるが、コンデンサに蓄えられた電力がLEDに印加されるためにLEDは瞬時に消灯することはなく、コンデンサに蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯していく(フェイドアウト)。このようにして、LEDを光源として用いることによって専用のECUを用いることなく、フェイドイン、フェイドアウトさせることができる。
【0075】そして、LEDが断線して交換の必要が生じた場合には、照明装置全体を電源端子から外して、新しい照明装置の接続端子を電源端子に接続すれば良い。この際、万が一接続端子の±を逆に接続したとしても、照明装置には逆流防止用ダイオードが組み込まれているためLEDが破壊されることはなく、車両のドアを開けても点灯しないことから逆に接続されていることが分かるので、正しく接続し直せば良い。なお、通常は電源端子に接続端子が必ず正しく接続されるように、両端子の形状が正しい向きにしか嵌合しないように工夫される。
【0076】このようにして、専用のECUを必要とせずにフェイドイン、フェイドアウトさせることができるとともに断線したLEDを誰でも容易に交換することができる照明装置となる。
【0077】請求項2の発明にかかる照明装置は、請求項1の構成において、前記発光ダイオードと前記コンデンサとの間に降圧型DC−DCコンバータを付加したものである。
【0078】本発明にかかる照明装置をフットライト等の車内用ランプとして用いる場合、LEDに電力を供給する電源はバッテリであり、その電圧は通常12Vまたは24Vである。これに対して、LEDを発光させるために必要な電圧は2V程度であり、残りの電圧はLEDに直列に接続された電流制限抵抗器において熱に変換されており、このため大きな電圧損失が生じていた。
【0079】そこで、発光ダイオードとコンデンサとの間に降圧型DC−DCコンバータを付加することによって、請求項1に記載の効果に加えて、LED及び電流制限抵抗器にかかる電圧をLEDに通常印加される電圧Vf近く(例えば、2.5V)まで降圧させ、電流制限抵抗器における電圧損失を極力少なくしてエネルギー使用効率を高める。これによって、消灯時に、コンデンサに蓄えられた電力がより有効に利用されて、フェイドアウトの時間をより長くすることができる。
【0080】このようにして、降圧型DC−DCコンバータを付加することによって、電流制限抵抗器における電圧損失を極力少なくしてエネルギー使用効率を高め、フェイドアウトの時間をより長くすることができる照明装置となる。
【0081】請求項3の発明にかかる照明装置は、請求項1または請求項2の構成において、前記コンデンサと前記接続端子との間に昇圧型DC−DCコンバータを付加したものである。
【0082】これによって、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、電源であるバッテリの電圧(12Vまたは24V)が昇圧されて、より高い電圧でコンデンサが充電される。したがって、より大きな電力がコンデンサに蓄えられるため、消灯時におけるフェイドアウトの時間をより長くすることができる。
【0083】このようにして、昇圧型DC−DCコンバータを付加することによって、より高い電圧でコンデンサに電荷を蓄えて、フェイドアウトの時間をより長くすることができる照明装置となる。
【0084】請求項4の発明にかかる照明装置は、請求項2または請求項3の構成において、前記降圧型DC−DCコンバータの出力電圧は、前記発光ダイオードに通常印加される電圧以上で前記通常印加される電圧にできるだけ近く設定されているものである。
【0085】降圧型DC−DCコンバータの出力電圧のうち、LEDに通常印加される電圧VfがLEDを発光させるために用いられ、残りの電圧はLEDに直列に接続された電流制限抵抗器において熱に変換されて損失となるため、降圧型DC−DCコンバータの出力電圧はLEDに通常印加される電圧Vfにできるだけ近い方が望ましい。これによって、請求項2または請求項3に記載の効果に加えて、電流制限抵抗器における電圧損失を最小限に抑えてエネルギー使用効率を最大限に高めることができる。
【0086】このようにして、エネルギー使用効率を最大限に高めることによって、フェイドアウトの時間をさらに長くすることができる照明装置となる。
【0087】請求項5の発明にかかる照明装置は、請求項3または請求項4の構成において、前記昇圧型DC−DCコンバータの出力電圧は、前記コンデンサの許容電圧以下で前記許容電圧にできるだけ近く設定されているものである。
【0088】昇圧型DC−DCコンバータの出力電圧は、コンデンサの許容電圧にできるだけ近い方が、コンデンサにより大きな電力を蓄えることができるので望ましい。そこで、昇圧型DC−DCコンバータの出力電圧をコンデンサの許容電圧以下で許容電圧にできるだけ近く設定することによって、請求項3または請求項4に記載の効果に加えて、コンデンサに最大限の電力を蓄えることができ、フェイドアウトの時間をさらに長くすることができる照明装置となる。
【0089】請求項6の発明にかかる照明装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つの構成において、ドアトリム部の照明装置であって、インサイドハンドル及び/またはドアポケットに前記発光ダイオードを取り付け、前記電源として車両のドアロック回路及び/またはACC電源を用いるものである。
【0090】これによって、請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の効果に加えて、電源として車両のドアロック回路を用いる場合には、新たにドアパネル内に配線を引き込む必要がない。ドアロック解除信号がドアロック回路に流れたときには、コンデンサに電荷が蓄えられるため、LEDは瞬時に電圧に応じた明るさにはならずに、徐々に明るく発光していく(フェイドイン)。このように、LEDが点灯して夜間でもインサイドハンドルが照明されてドアを開けやすくなる。また、ドアポケットが照明されて中のものが取り出しやすくなる。ドアロック解除信号が流れなくなった場合には照明装置に電圧がかからない状態になるが、LEDと並列に接続されたコンデンサに蓄えられた電力がLEDに印加されるためにLEDは瞬時に消灯することはなく、コンデンサに蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯していく(フェイドアウト)。
【0091】また、電源としてACC電源を用いる場合、ACC電源として電動格納ドアミラーの電源を用いる場合にも、新たにドアパネル内に配線を引き込む必要がない。ACC電源がONになって車両の走行状態になったときには、ACC電源から常時LEDに電流が供給されて点灯しつづけることになるが、運転に支障のないように減光され、アクセサリー光として加飾性が向上する。
【0092】そして、LEDが断線して交換の必要が生じた場合には、照明装置全体を電源端子から外して、新しい照明装置の接続端子を電源端子に接続すれば良い。照明装置はLEDに安価な素子を付加しただけの簡単な構成のため、照明装置全体を交換しても、LEDだけを交換する場合に比べてそれほどコスト高にはならない。しかも、LEDだけを交換する場合に比べて、誰でも容易に交換ができる。この際、万が一接続端子の±を逆に接続したとしても、照明装置には逆流防止用ダイオードが組み込まれているためLEDが破壊されることはなく、ACC電源をONにしても点灯しないことから逆に接続されていることが分かるので、正しく接続し直せば良い。なお、通常は電源端子に接続端子が必ず正しく接続されるように、両端子の形状が正しい向きにしか嵌合しないように工夫される。
【0093】このようにして、ドアトリム専用のECUを必要とせずにまたドアパネル内に新たに配線を引き込む必要もなく、フェイドイン、フェイドアウトさせることができるとともに断線したLEDを誰でも容易に交換することができるドアトリムの照明装置となる。
【0094】請求項7の発明にかかる照明装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか1つの構成において、キーシリンダ周囲の照明装置であって、キーシリンダ周囲の透明または半透明の部分の下に前記発光ダイオードを取り付け、前記電源として車両のキーイグニッションの電源線を用いるものである。
【0095】これによって、車両のドアを開けると、照明装置を点灯させるスイッチが入った状態になり、逆流防止用ダイオードを介してLEDとコンデンサに電源からの電圧が印加される。このとき、コンデンサに電荷が蓄えられるため、LEDは瞬時に電圧に応じた明るさにはならずに、徐々に明るく発光していく(フェイドイン)。このように、請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の効果に加えて、LEDが点灯して夜間でもキーシリンダ周囲が照明されてキーを容易にシリンダに差し込むことができる。そして、車両のドアを閉めると照明装置を点灯させるスイッチが切れた状態になるが、コンデンサに蓄えられた電力がLEDに印加されるためにLEDは瞬時に消灯することはなく、コンデンサに蓄えられた電力が消費されるまでの間徐々に消灯していく(フェイドアウト)。そして、LEDが断線して交換の必要が生じた場合には、照明装置全体を電源端子から外して、新しい照明装置の接続端子を電源端子に接続すれば良いのは請求項6と同様である。
【0096】このようにして、専用のECUを必要とせずにフェイドイン、フェイドアウトさせることができるとともに断線したLEDを誰でも容易に交換することができるキーシリンダの照明装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態1にかかる照明装置の全体構成を示す回路図である。
【図2】 図2は本発明の実施の形態2にかかる照明装置の全体構成を示す回路図である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態3にかかる照明装置の全体構成を示す回路図である。
【図4】 図4は本発明の実施の形態4にかかる照明装置が取り付けられるドアトリム部分を示す正面図である。
【図5】 図5は本発明の実施の形態4にかかる照明装置の配線を示す回路図である。
【図6】 図6は本発明の実施の形態4にかかる照明装置のLEDの明るさの経時変化の一例を示すチャート図である。
【符号の説明】
1,11,21,44 照明装置
2 発光ダイオード
4 コンデンサ
5 逆流防止用ダイオード
7a,7b 接続端子
9 電源
9a,9b 電源端子
12 降圧型DC−DCコンバータ
14 昇圧型DC−DCコンバータ
30 ドアトリム部
31 インサイドハンドル
32 ドアポケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】 発光ダイオードと、前記発光ダイオードに直列に接続された逆流防止用ダイオードと、前記発光ダイオードに並列に接続されたコンデンサと、前記発光ダイオードに電力を供給する電源に接続された電源端子と着脱可能に接続される接続端子とを具備することを特徴とする照明装置。
【請求項2】 前記発光ダイオードと前記コンデンサとの間に、降圧型DC−DCコンバータを付加したことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】 前記コンデンサと前記接続端子との間に、昇圧型DC−DCコンバータを付加したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】 前記降圧型DC−DCコンバータの出力電圧は、前記発光ダイオードに通常印加される電圧以上で前記通常印加される電圧にできるだけ近く設定されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】 前記昇圧型DC−DCコンバータの出力電圧は、前記コンデンサの許容電圧以下で前記許容電圧にできるだけ近く設定されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】 ドアトリム部の照明装置であって、インサイドハンドル及び/またはドアポケットに前記発光ダイオードを取り付け、前記電源として車両のドアロック回路及び/またはACC電源を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】 キーシリンダ周囲の照明装置であって、キーシリンダ周囲の透明または半透明の部分の下に前記発光ダイオードを取り付け、前記電源として車両のキーイグニッションの電源線を用いることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載の照明装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図6】
image rotate


【図5】
image rotate


【公開番号】特開2002−305091(P2002−305091A)
【公開日】平成14年10月18日(2002.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−187782(P2001−187782)
【出願日】平成13年6月21日(2001.6.21)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】