説明

照明装置

【課題】レンズを保持したレンズホルダがホルダ固定手段によって基板に固定される際に、レンズの保持精度が低下するようなことがなく、光学特性が低下するようなことがない照明装置を提供する。
【解決手段】レンズホルダ6は、レンズ5のフランジ部17を弾性的に保持するレンズ保持部21と、レンズ保持部21を取り囲むように位置してホルダ固定手段2によって基板3に押圧固定されるホルダ固定部22と、レンズ保持部21とホルダ固定部22とを部分的に接続する連結部と、を有している。ホルダ固定部22の基板3からの高さがレンズ保持部21の基板3からの高さよりも高く、レンズ保持部21がホルダ固定手段2に接触しない。ホルダ固定部22がホルダ固定手段2によって高さ方向に変形させられたとしても、ホルダ固定部22の変形がレンズ保持部21に影響しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LEDパッケージを光源として使用する照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、図11に示すように、基板101上に実装されたLEDチップ102からの
光をレンズ103を介して出射する照明装置100が知られている。この照明装置100
は、レンズ103のフランジ部104をレンズホルダ105のフランジ部嵌合溝106に
嵌合し、レンズホルダ105によってレンズ103を基板101上に保持するようになっ
ている。そして、この照明装置100は、レンズホルダ105が化粧板107を介してね
じ108で基板101に締結固定されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−220465号公報(特に、図4参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、図11に示したような従来の照明装置100は、ねじの締め付け力がレ
ンズホルダ105を介してレンズ103の出射面に歪みを生じさせ易く、更に、レンズ1
03とLEDチップ102との設計上の位置関係にずれを生じさせる虞があるため、光学
性能が低下するという問題を生じる。
【0005】
また、図11に示したような従来の照明装置100は、LEDチップ102からの光の
利用効率を高めるために、レンズ103と基板101又はLEDチップ102との隙間を
微小に設計した場合に、レンズホルダ105がねじの締め付け力で変形すると、レンズ1
03が基板101又はLEDチップ102に突き当たり、レンズ103,基板101又は
LEDチップ102が損傷する虞がある。特に、このような照明装置100を車両等の振
動が作用する箇所に使用すると、レンズ103と基板101又はLEDチップ102とが
振動に起因して細かく衝突したり、レンズ103と基板101又はLEDチップ102と
が振動に起因して擦れ、騒音が生じるという問題を生じる。
【0006】
そこで、本発明は、このような従来の照明装置の問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、図1,図2,図6乃至図10に示すように、基板3に実装されたL
EDパッケージ4と、前記LEDパッケージ4に対向するように配置され、前記LEDパ
ッケージ4からの光を透過するレンズ5と、前記レンズ5を前記LEDパッケージ4に対
して位置決めした状態で前記基板3上に支持するレンズホルダ6と、前記レンズホルダ6
を前記基板3に押圧固定するホルダ固定手段2と、を備えた照明装置1に関するものであ
る。この発明において、
前記レンズ5は、
・レンズ中心軸L1を中心とするリング状のフランジ部17が外周に沿って形成されて
おり、
・前記LEDパッケージ4からの立体的な出射光束の中心の光が進行する方向を光軸L
0とすると、レンズ中心軸L1と前記光軸L0とが同心となるように前記レンズホルダ6
で支持され、
前記レンズホルダ6は、
・前記レンズ5の前記フランジ部17を保持するレンズ保持部21と、このレンズ保持
部21よりも前記レンズ中心軸L1から離れて位置し且つ前記レンズ保持部21を取り囲
むように位置して前記ホルダ固定手段2によって前記基板3に押圧固定されるホルダ固定
部22,36と、前記レンズ保持部21と前記ホルダ固定部22,36とを部分的に接続
する連結部23,24,37と、を有し、
・前記ホルダ固定部22,36の前記基板3からの高さが前記レンズ保持部21の前記
基板3からの高さよりも高く、前記レンズ保持部21が前記ホルダ固定手段2に接触しな
いようになっており、
・前記ホルダ固定部22,36が前記ホルダ固定手段2によって高さ方向に押圧された
としても、前記ホルダ固定部22,36の変形が前記レンズ保持部21に影響しないよう
に、前記レンズ保持部21と前記ホルダ固定部22,36の高さ方向の一部分が前記連結
部23,24,37で連結されている。
【発明の効果】
【0008】
本発明の照明装置は、ホルダ固定手段の締め付け力がレンズを保持するレンズ保持部に
直接作用せず、レンズホルダによってレンズを変形させることが抑制されるため、光学性
能の低下を生じない。
【0009】
また、本発明の照明装置は、ホルダ固定手段の締め付け力が作用するレンズホルダのホ
ルダ固定部の変形がレンズホルダのレンズ保持部におけるレンズの支持精度に悪影響を与
えることが抑えられ、レンズとLEDパッケージとの設計上の位置関係にずれを生じるの
が抑えられ、光学性能の低下を生じない。
【0010】
また、本発明の照明装置は、LEDパッケージからの光の利用効率を高めるために、レ
ンズとLEDパッケージとの隙間を微小に設計した場合でも、レンズを弾性的に支持する
レンズホルダのレンズ保持部がホルダ固定手段の締め付け力によって変形させられること
が抑制され、レンズがレンズホルダのレンズ保持部によって高精度に保持され、レンズと
LEDパッケージとの隙間が確実に保持され、レンズがLEDパッケージに突き当たるよ
うなことがなく、レンズ又はLEDパッケージが損傷するようなことがない。
【0011】
また、本発明の照明装置は、車両等の振動が作用する箇所に使用されても、レンズとL
EDチップとの隙間が確実に保持されるため、レンズとLEDパッケージとが振動に起因
して細かく衝突したり、レンズとLEDパッケージとが振動に起因して擦れるようなこと
がなく、振動に起因する騒音の発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る照明装置を示す図であり、図1(a)が照明装置の平面図、図1(b)が図1(a)のA1−A1線に沿って切断して示す照明装置の断面図である。
【図2】図2(a)は、図1(a)に示す照明装置のホルダ固定手段を省略して示す平面図であり、図2(b)は、図2(a)のA2−A2線に沿って切断して示す照明装置の断面図である。
【図3】図1の照明装置を構成するホルダ固定手段のうちのホルダ押さえ板を示す斜視図である。
【図4】図1の照明装置を構成するレンズの図であり、図5(a)がレンズの正面図、図5(b)がレンズの平面図、図5(c)がレンズの裏面図、図5(d)が図5(b)のA3−A3線に沿って切断して示すレンズの断面図である。
【図5】図1の照明装置を構成するレンズホルダの図であり、図4(a)がレンズホルダの平面図、図4(b)が図4(a)のA4−A4線に沿って切断して示すレンズホルダの断面図、図4(c)が図4(a)のA5−A5線に沿って切断して示すレンズホルダの断面図、図4(d)がレンズホルダの裏面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る照明装置を示す図であり、ホルダ固定手段を省略して示す図である。なお、図6(a)が図2(a)に対応する図であり、図6(b)が図6(a)のA6−A6線に沿って切断して示す断面図であり且つ図2(b)に対応する図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る照明装置を示す図であり、ホルダ固定手段を省略して示す図である。なお、図7(a)が図2(a)に対応する図であり、図7(b)が図7(a)のA7−A7線に沿って切断して示す断面図であり且つ図2(b)に対応する図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る照明装置を示す図であり、ホルダ固定手段を省略して示す図である。なお、図8(a)が図2(a)に対応する図であり、図8(b)が図8(a)のA8−A8線に沿って切断して示す断面図であり且つ図2(b)に対応する図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係る照明装置を示す図であり、ホルダ固定手段を省略して示す図である。なお、図9(a)が図2(a)に対応する図であり、図9(b)が図9(a)のA9−A9線に沿って切断して示す断面図であり且つ図2(b)に対応する図である。
【図10】本発明の第6実施形態に係る照明装置を示す図であり、ホルダ固定手段を省略して示す図である。なお、図10(a)が図2(a)に対応する図であり、図10(b)が図10(a)のA10−A10線に沿って切断して示す断面図であり且つ図2(b)に対応する図である。また、図10(c)は、図10(a)のA11−A11線に沿って切断して示す図であり、レンズを省略して示す照明装置(すなわち、レンズホルダ)の断面図である。
【図11】従来の照明装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳述する。
【0014】
[第1実施形態]
図1乃至図2は、本発明の第1実施形態に係る照明装置1を示す図である。なお、図1
(a)は、照明装置1の平面図である。また、図1(b)は、図1(a)のA1−A1線
に沿って切断して示す照明装置1の断面図である。また、図2(a)は、ホルダ固定手段
2を省略して示す照明装置1の平面図である。また、図2(b)は、図2(a)のA2−
A2線に沿って切断して示す照明装置1の断面図である。
【0015】
(照明装置の概略構成)
図1に示すように、照明装置1は、基板3に実装されたLEDパッケージ4と、このL
EDパッケージ4からの光を透過するレンズ5と、このレンズ5をLEDパッケージ4に
対して位置決めした状態で基板3上に支持するレンズホルダ6と、このレンズホルダ6を
基板3に押圧固定するホルダ固定手段2と、を備えている。
【0016】
(ホルダ固定手段)
図1及び図3に示すように、ホルダ固定手段2は、金属プレート(鋼板、ステンレス板
等)をプレス加工して形成したホルダ押さえ板7と、このホルダ押さえ板7の基板側固定
部7aをワッシャ8を介して基板3に締め付け固定するねじ10及びナット11と、から
なっている。
【0017】
ホルダ押さえ板7は、両端の基板側固定部7a,7aの間に、基板側固定部7aから上
方(図1(b)のZ軸方向、図3のZ軸方向)へ張り出すレンズホルダ収容部7bが折り
曲げ形成されている。このホルダ押さえ板7のレンズホルダ収容部7bは、レンズホルダ
6の側面側との間に隙間12が生じるように基端側固定部7aから上方へ起立する起立壁
7b1と、レンズホルダ6の上端に当接するように一対の起立壁7b1,7b1を接続す
る天井壁7b2と、からなっている。そして、ホルダ押さえ板7の基板側固定部7aには
、基板3のねじ穴13の位置に合致するように、ねじ挿入穴14が形成されている。また
、ホルダ押さえ板7の天井壁7b2には、レンズホルダ6に保持されたレンズ5の出射面
15を外部に露出させるレンズ嵌合穴16が形成されている。
【0018】
このように形成されたホルダ押さえ板7は、基板側固定部7aを基板3上に乗せた状態
で、レンズホルダ収容部7bの内部空間に、レンズ5を保持したレンズホルダ6を収容で
きるようになっている。なお、ホルダ押さえ板7は、基板側固定部7aとレンズホルダ収
容部7bとの境界線(折り曲げ線)及び起立壁7b1と天井壁7b2との境界線(折り曲
げ線)が幅方向(図1(a)のY軸方向)に沿って延びている。
【0019】
(レンズ)
図1,図2及び図4に示すように、レンズ5は、レンズ中心軸L1を中心とするリング
状のフランジ部17の下面側に入射面18及び全反射面20が形成され、フランジ部17
の上面側に出射面15が形成されている。このレンズ5は、例えば、PMMA(ポリメタ
クリル酸メチル)、PC(ポリカーボネート)、EP(エポキシ樹脂)等の透明樹脂材料
や透明なガラスで形成されている。
【0020】
入射面18は、基板3に実装されたLEDパッケージ4に対向するように位置しており
、下方(LEDパッケージ4)に向かって開口する凹面であり、レンズ中心軸L1を中心
とするように形成されている。そして、この入射面18は、下方から上方へ向かうにした
がって縮径するテーパ面であり且つレンズ中心軸L1を中心とする回転対称面である第1
入射面部18aと、第1入射面部18aの上端部に位置し且つレンズ中心軸L1に直交す
る円形状の第2入射面部18bとからなっている。
【0021】
全反射面20は、下方(第1入射面部18aの開口縁近傍)から上方へ向かって拡径す
るテーパ面であり、レンズ中心軸L1を中心とする回転対称面である。この全反射面20
は、入射面18からレンズ内部に入射したLEDパッケージ4からの光を出射面15側へ
向けて全反射するようになっている。
【0022】
出射面15は、フランジ部17の上面から上方へ向かうにしたがってレンズ中心軸L1
上に収斂する円錐面である。この出射面15は、入射面18からレンズ5内に入射して直
接到達した光、及び入射面18からレンズ5内に入射した後に全反射面20で反射されて
到達した光をレンズ5の外方へ出射する。
【0023】
このようなレンズ5は、LEDパッケージ4からの立体的な出射光束の中心の光が進行
する方向を光軸L0とすると、レンズ中心軸L1が光軸L0と同心となるように、レンズ
ホルダ6によって基板3上に支持される。
【0024】
(レンズホルダ)
図1,図2及び図5に示すように、レンズホルダ6は、レンズ5のフランジ部17を弾
性的に保持するレンズ保持部21と、このレンズ保持部21よりも中心軸L2から離れて
位置し且つレンズ保持部21を取り囲むように位置するホルダ固定部22と、これらレン
ズ保持部21とホルダ固定部22とを部分的に接続する連結部23,24と、からなって
いる。このレンズホルダ6は、レンズ保持部21,ホルダ固定部22及び連結部23,2
4が一体に射出成形されたものであり、全体が弾性変形可能な樹脂材料で形成されている

【0025】
レンズ保持部21は、レンズ5のフランジ部17の上面を押さえる一対の第1レンズ保
持部分25,25と、レンズ5のフランジ部17の下面に当接する一対の第2レンズ保持
部分26,26と、を有している。なお、一対の第1レンズ保持部分25,25と一対の
第2レンズ保持部分26,26は、レンズホルダ6の中心軸L2を中心とする円筒状部材
を上端から下端近傍へ向かって延びるスリット27で区分けられるようになっており、下
端部が接続されている。そして、一対の第1レンズ保持部分25,25は、中心軸L2を
中心として対向するように位置している。また、一対の第2レンズ保持部分26,26は
、一対の第1レンズ保持部分25,25に対して中心軸L0を中心として周方向に90°
ずれて位置しており、中心軸L0を中心として対向するように位置している。
【0026】
第1レンズ保持部分25は、上端のフック25aがレンズ5のフランジ部17の上面を
周方向に沿って押さえるようになっている。
【0027】
第2レンズ保持部分26は、第1レンズ保持部分25に接続された下端部を除き、スリ
ット27によって第1レンズ保持部分25から切り離されており、第1レンズ保持部分2
5に対して独立して撓み変形できるようになっている。この第2レンズ保持部分26は、
その周方向に沿った幅寸法が第1レンズ保持部分25に比較して小さく、第1レンズ保持
部分25に比較して容易に撓み変形できるようになっている。また、第2レンズ保持部分
26の上端側には、径方向内方へ出っ張る操作突起28が形成されている。また、第2レ
ンズ保持部分26の上端面は、レンズホルダ6の中心軸L2から離れるにしたがって操作
突起28の上端縁から斜め上方へ向かって切り上がる傾斜面30である。
【0028】
このように形成された一対の第2レンズ保持部分25,25は、レンズ5がレンズ保持
部21の内部空間内にレンズ保持部21の下方から挿入されると、レンズ5のフランジ部
17によって中心軸L2から離れる方向へ(外側へ向けて)撓み変形させられ、レンズ5
のフランジ部17の通過(上方への移動)を可能にする。そして、一対の第2レンズ保持
部分25,25は、レンズ5のフランジ部17が上方側へ通過すると弾性復元して、傾斜
面30をレンズ5のフランジ部17の下面側外周端縁に弾性的に押し付け、レンズ5のフ
ランジ部17を第1レンズ保持部分25のフック25aの下面に押し付ける。これにより
、レンズ5のフランジ部17は、一対の第1レンズ保持部分25,25と一対の第2レン
ズ保持部分26,26とによって弾性的に保持されることになる。
【0029】
ホルダ固定部22は、レンズ保持部21の外側に、レンズ保持部21と同心状に位置し
ている。そして、このホルダ固定部22は、下端部を除き、第2レンズ保持部分26に対
応して形成された切り欠き部31によって、円筒状部材を周方向に二分割したようになっ
ている。また、このホルダ固定部22は、高さ方向の寸法(Z軸方向の寸法)がレンズ保
持部21の高さ方向の寸法よりも大きくなるように形成されている。すなわち、ホルダ固
定部22の上端は、レンズ保持部21の上端よりも上方に位置している。その結果、レン
ズホルダ6がホルダ固定手段2によって基板3に固定される際に、ホルダ固定部22はホ
ルダ押さえ板7によって基板3に押し付けられるが、レンジ保持部21はホルダ押さえ板
7に当接することがなく、レンズ保持部21にホルダ固定手段2の力が直接作用すること
がない。
【0030】
また、ホルダ固定部22は、その高さ方向の中間位置が第1の連結部23によってレン
ズ保持部21の第1レンズ保持部分25と部分的に接続されている。また、ホルダ固定部
22は、下端部が第2の連結部24によってレンズ保持部21の第1レンズ保持部分25
以外の箇所と部分的に接続されている。なお、第1の連結部23及び第2の連結部24の
肉厚は、ホルダ固定部22の肉厚とほぼ同様の肉厚に形成されている。
【0031】
このように、レンズ保持部21とホルダ固定部22とが第1の連結部23及び第2の連
結部24によって部分的に接続されることにより、ホルダ固定部22がホルダ固定手段2
で基板3に押圧固定される際に、ホルダ固定部22がホルダ固定手段2の締め付け力で変
形させられたとしても、ホルダ固定部22の変形がレンズ保持部21に影響を与えるのを
抑えることができる。これにより、レンズ保持部21は、レンズ5を基板3上に精度良く
保持することができる。
【0032】
このようなレンズホルダ6は、LEDパッケージ4からの光の利用効率を高めるために
、レンズ5の下端とLEDパッケージ4との隙間が微小に設定され、ホルダ固定部22が
ホルダ固定手段2によって変形させられたとしても、レンズ保持部21が変形させられる
ことを抑えることができ、レンズ保持部21がレンズ5を高精度に支持することができる
ため、レンズ5がLEDパッケージ4に突き当てられるようなことがない。
【0033】
また、レンズホルダ6は、その裏面32に一対の位置決め突起33,33が形成されて
おり、この一対の位置決め突起33,33を基板3に形成された図示しない一対の位置決
め穴に係合させた状態で、その裏面32を基板3上に乗せることにより、レンズホルダ6
の中心軸L2をLEDパッケージ4の光軸L0に合致させ、レンズホルダ6のレンズ保持
部21で保持したレンズ5の中心軸L1をLEDパッケージ4の光軸L0に合致させるこ
とができる。
【0034】
(第1実施形態の効果)
本実施形態に係る照明装置1は、ホルダ固定手段2の締め付け力がレンズ5を保持する
レンズ保持部21に直接作用せず、レンズホルダ6によってレンズ5を変形させることが
抑制されるため、光学性能の低下を生じない。
【0035】
また、本実施形態に係る照明装置1は、ホルダ固定手段2の締め付け力が作用するレン
ズホルダ6のホルダ固定部22の変形がレンズホルダ6のレンズ保持部21におけるレン
ズ5の支持精度に悪影響を与えることが抑えられるため、レンズ5とLEDパッケージ4
との設計上の位置関係にずれを生じるのが抑えられ、光学性能の低下を生じない。
【0036】
また、本実施形態に係る照明装置1は、LEDパッケージ4からの光の利用効率を高め
るために、レンズ5とLEDパッケージ4との隙間を微小に設計した場合でも、レンズ5
を弾性的に支持するレンズホルダ6のレンズ保持部21がホルダ固定手段2の締め付け力
によって変形させられることが抑制され、レンズ5がレンズホルダ6のレンズ保持部21
によって高精度に保持され、レンズ5とLEDパッケージ4との隙間が確実に保持され、
レンズ5がLEDパッケージ4に突き当たるようなことがなく、レンズ5又はLEDパッ
ケージ4が損傷するようなことがない。
【0037】
また、本実施形態に係る照明装置1は、車両等の振動が作用する箇所に使用されても、
レンズ5とLEDチップ4との隙間が確実に保持されるため、レンズ5とLEDパッケー
ジ4とが振動に起因して細かく衝突したり、レンズ5とLEDパッケージ4とが振動に起
因して擦れるようなことがなく、振動に起因する騒音の発生が防止される。
【0038】
[第2実施形態]
図6は、本発明の第2実施形態に係る照明装置1を示す図であり、ホルダ固定手段2を
省略して示す図であって、図2に対応する図である。なお、図6に示す照明装置1におい
て、図2に示す照明装置1に対応する構成部分には図2に示す照明装置1の構成部分と同
一の符号を付し、第1実施形態に係る照明装置1の説明と重複する説明を省略する。
【0039】
すなわち、本実施形態に係る照明装置1は、レンズ保持部21及び第2の連結部24が
ホルダ固定部22の裏面32よりも上方(+Z軸方向)にずれて位置しており、レンズホ
ルダ6を基板3に乗せた場合に、レンズ保持部21及び第2の連結部24と基板3との間
に隙間が生じるようになっている。
【0040】
このような構成の本実施形態に係る照明装置1は、レンズ5を弾性的に保持するレンズ
保持部21に基板3側の振動が直接伝わることがなく、車両振動等の振動に起因するレン
ズ5の振動を防止することができる。
【0041】
また、本実施形態に係る照明装置1は、第1実施形態に係る照明装置1と同様の効果を
得ることができる。
【0042】
[第3実施形態]
図7は、本発明の第3実施形態に係る照明装置1を示す図であり、ホルダ固定手段2を
省略して示す図であって、図2に対応する図である。なお、図7に示す照明装置1におい
て、図2に示す照明装置1に対応する構成部分には図2に示す照明装置1の構成部分と同
一の符号を付し、第1実施形態に係る照明装置1の説明と重複する説明を省略する。
【0043】
すなわち、本実施形態に係る照明装置1は、レンズホルダ6のレンズ保持部21とホル
ダ固定部22とを部分的に接続する第1の連結部23を省略し、レンズ保持部21とホル
ダ固定部22を第2の連結部24で部分的に接続するようになっている。なお、本実施形
態において、第2の連結部24は、レンズ保持部21の下端部とホルダ固定部22の下端
部の全周を一体に接続している。
【0044】
このような構成の本実施形態に係る照明装置1は、第1実施形態に係る照明装置1と同
様の効果を得ることができる。
【0045】
[第4実施形態]
図8は、本発明の第4実施形態に係る照明装置1を示す図であり、ホルダ固定手段2を
省略して示す図であって、図2に対応する図である。なお、図8に示す照明装置1は、図
7に示す照明装置1の変形例であるから、図2及び図7に示す照明装置1に対応する構成
部分には図2及び図7に示す照明装置1の構成部分と同一の符号を付し、図2及び図7に
示す照明装置1の説明と重複する説明を省略する。
【0046】
すなわち、本実施形態に係る照明装置1は、レンズホルダ6の第2の連結部24をその
肉厚方向(Z軸方向)に貫通する肉抜き穴34が、第2の連結部24の周方向に沿って等
間隔で複数形成されている。
【0047】
このような構成の本実施形態に係る照明装置1は、肉抜き穴34の分だけレンズホルダ
6の材料を少なくすることができ、全体の重量を軽減することができる。
【0048】
また、本実施形態に係る照明装置1は、第1実施形態に係る照明装置1と同様の効果を
得ることができる。
【0049】
[第5実施形態]
図9は、本発明の第5実施形態に係る照明装置1を示す図であり、ホルダ固定手段2を
省略して示す図であって、図2に対応する図である。なお、図9に示す照明装置1は、図
2に示す照明装置1の変形例であるから、図2に示す照明装置1に対応する構成部分には
図2に示す照明装置1の構成部分と同一の符号を付し、第1実施形態に係る照明装置1の
説明と重複する説明を省略する。
【0050】
すなわち、本実施形態に係る照明装置1は、第1の連結部23及びホルダ固定部22が
周方向に沿って等間隔に配置された3箇所の切り欠き部35によって分断されるようにな
っている。
【0051】
このような本実施形態に係る照明装置1は、切り欠き部35の分だけレンズホルダ6の
材料を少なくすることができ、全体の重量を軽減することができる。
【0052】
また、本実施形態に係る照明装置1は、第1実施形態に係る照明装置1と同様の効果を
得ることができる。
【0053】
[第6実施形態]
図10(a),(b)は、本発明の第6実施形態に係る照明装置1を示す図であり、ホ
ルダ固定手段2を省略して示す図であって、図2(a),(b)に対応する図である。ま
た、図10(c)は、図10(a)のA11−A11線に沿って切断して示す図であり、
レンズ5を省略して示す照明装置1(すなわち、レンズホルダ6)の断面図である。なお
、図10に示す照明装置1は、図2に示す照明装置1の変形例であり、図2に示す照明装
置1に対応する構成部分には図2に示す照明装置1の構成部分と同一の符号を付し、第1
実施形態に係る照明装置1の説明と重複する説明を省略する。
【0054】
すなわち、本実施形態に係る照明装置1は、第1実施形態に係る照明装置1のホルダ固
定部22に代え、円錐台形状の4個のホルダ固定部36をレンズ保持部21の周囲に等間
隔で配置し、各ホルダ固定部36を連結部37によってレンズ保持部22の外側面に部分
的に接続するようになっている。そして、ホルダ固定部22は、裏面32側に開口する肉
抜き穴38が形成されている。
【0055】
このような本実施形態に係る照明装置1は、レンズホルダ6の材料を少なくすることが
でき、全体の重量を軽減することができる。
【0056】
また、本実施形態に係る照明装置1は、第1実施形態に係る照明装置1と同様の効果を
得ることができる。
【0057】
[その他の変形例]
図6に示した第2実施形態に係る照明装置1の構成(レンズ保持部21及び第2の連結
部24と基板3との間に隙間を生じさせる構成)は、第3乃至第5実施形態に係る照明装
置1のレンズ保持部21及び第2の連結部24に適用することができ、第6実施形態に係
る照明装置1のレンズ保持部21と連結部37に適用することができる。
【0058】
また、図8に示した第4実施形態に係る照明装置1の構成(連結部24に肉抜き穴34
を形成する構成)は、第1乃至第2実施形態に係る照明装置1及び第5実施形態に係る照
明装置1の第1の連結部23に適用することができる。
【0059】
また、本発明の実施形態では、レンズのフランジ部をレンズホルダのレンズ保持部で弾
性的に保持する例を示したが、レンズ保持手段はこれに限らず、レンズ保持部とレンズの
フランジ部とのねじ式嵌合や接着等の保持手段を適用することができる。
【0060】
また、本発明の実施形態では、1つのレンズを1つのレンズホルダで保持し、これを1
つのホルダ押さえ板で固定する例を示したが、これに限られず、ホルダ押さえ板の天井壁
にレンズ嵌合穴を複数形成し、複数のレンズ及びレンズホルダを1つのホルダ押さえ板で
固定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る照明装置1は、複数個を車体等に取り付けて、車両のヘッドライトやテー
ルランプ等として使用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1……照明装置、2……ホルダ固定手段、3……基板、4……LEDパッケージ、5…
…レンズ、6……レンズホルダ、17……フランジ部、21……レンズ保持部、22,3
6……ホルダ固定部、23,24,37……連結部、L0……光軸、L1……レンズ中心


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に実装されたLEDパッケージと、
前記LEDパッケージに対向するように配置され、前記LEDパッケージからの光を透
過するレンズと、
前記レンズを前記LEDパッケージに対して位置決めした状態で前記基板上に支持する
レンズホルダと、
前記レンズホルダを前記基板に押圧固定するホルダ固定手段と、
を備えた照明装置において、
前記レンズは、
・レンズ中心軸を中心とするリング状のフランジ部が外周に沿って形成されており、
・前記LEDパッケージからの立体的な出射光束の中心の光が進行する方向を光軸とす
ると、レンズ中心軸と前記光軸とが同心となるように前記レンズホルダで支持され、
前記レンズホルダは、
・前記レンズの前記フランジ部を保持するレンズ保持部と、このレンズ保持部よりも前
記レンズ中心軸から離れて位置し且つ前記レンズ保持部を取り囲むように位置して前記ホ
ルダ固定手段によって前記基板に押圧固定されるホルダ固定部と、前記レンズ保持部と前
記ホルダ固定部とを部分的に接続する連結部と、を有し、
・前記ホルダ固定部の前記基板からの高さが前記レンズ保持部の前記基板からの高さよ
りも高く、前記レンズ保持部が前記ホルダ固定手段に接触しないようになっており、
・前記ホルダ固定部が前記ホルダ固定手段によって高さ方向に押圧されたとしても、前
記ホルダ固定部の変形が前記レンズ保持部に影響しないように、前記レンズ保持部と前記
ホルダ固定部の高さ方向の一部分が前記連結部で連結されている、
ことを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−20858(P2013−20858A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154354(P2011−154354)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)
【Fターム(参考)】