説明

熱アシスト磁気記録のための装置および方法

【課題】良好な位置合わせの許容度と高い光伝達効率を有する、低コストの装置によって光を導波路に導く、熱アシスト磁気記録のための装置および方法を提供する。
【解決手段】記録ヘッド30は、レーザダイオード32と、固体浸漬ミラー(SIM)34と、光配送システム36とを含む。光配送システム36は、光をレーザダイオードから、エアベアリング面48に隣接した焦点にその光を合焦させる固体浸漬ミラーへと配送する。レーザダイオードによって生成された光は入力カプラによってスライダ導波路に結合されて、ビームエキスパンダによって拡張されて、パラボリックコリメータによってビーム46へとコリメートされる。ビーム46は、第1のミラーによって反射されて、次に第2のミラーによって反射され、第2のミラーはビームを固体浸漬ミラーへと向ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
熱アシスト磁気記録(HAMR)とは、一般に、記録媒体を局所的に加熱して、その媒体の保磁力を低減させ、その熱源によって引起される媒体の一時的な磁性の軟化の間に、媒体の磁化をより容易に方向づけることを可能にするという概念を呼んでいる。記憶層の中の加熱領域が、データビットの大きさを決定する。きつく閉じ込められた、高パワーのレーザ光スポットが記録媒体の一部を加熱するために用いられて、加熱された部分の保磁力を実質的に低下させる。次に、加熱部分は、その加熱部分の磁化の方向を設定する磁界を受ける。この方式において、周囲温度における媒体の保持力は、記録中の保持力よりもはるかに高くあり得て、それにより、より高い記録密度での、および、より小さなビットセルを有する、記録ビットの安定化が可能となる。
【背景技術】
【0002】
小さく閉じ込められたホットスポットを実現するための1つの方法は、高屈折率コントラストの光導波路に統合された、プラズモン光アンテナまたは金属アパーチャのような光近接場トランスデューサ(NFP)を用いることである。導波路中を伝搬する光は、近接場トランスデューサ中の平面固体浸漬ミラーのような光合焦素子によって焦点を合わせられる。1つの例は、平面導波路に形成された平面固体浸漬ミラー(PSIM)またはレンズと、PSIMの焦点の近くに配置された、分離された金属ナノ構造の形態を有する近接場トランスデューサとを用いる。近接場トランスデューサは、指定された光の波長において局在表面プラズモン(LSP)条件に到達するように設計される。LSPにおいて、金属中の電子の集団的振動により、その近接場トランスデューサを囲む高い場が生じる。場の一部は、隣接する媒体へとトンネルし、吸収され、記録のために媒体の温度を局所的に高める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
良好な位置合わせの許容度と高い光伝達効率を有する、低コストの装置により、光を導波路に送り出すことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
第1の局面において、発明は光のビームを生成するための光源と、光をスライダ導波路に結合するためのカプラと、光のビームを拡張するためのビームエキスパンダと、その拡張されたビームをコリメートするためのコリメータと、そのコリメートされたビームを焦点へと集中させるための合焦装置とを含む装置を提供する。
【0005】
別の局面において、発明は、光のビームを生成するステップと、光をスライダ導波路に結合するステップと、光のビームを拡張して拡張されたビームを生成するステップと、拡張されたビームをコリメートするステップと、コリメートされたビームを焦点に集中させるステップとを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】この発明の局面に従う記録ヘッドを含み得るディスクドライブの形態でのデータ記憶装置の図的表現である。
【図2】記録ヘッドの部分の概略的表現である。
【図3】記録ヘッドの立面図である。
【図4】光配送システムの部分の概略的表現である。
【図5】別の光配送システムの部分の概略的表現である。
【図6】別の光配送システムの概略的表現である。
【図7】楕円ミラーの概略的表現である。
【図8】別の記録ヘッドの部分の概略的表現である。
【図9】別の記録ヘッドの立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
発明の詳細な説明
図1は、発明の局面に従って構成された記録ヘッドを利用可能なディスクドライブ10の形態でのデータ記憶装置の図的表現である。ディスクドライブ10は、筐体12(この図では上部が取り除かれて下部が見えている)を含み、筐体12は、ディスクドライブのさまざまな構成要素を含むような大きさを有して構成される。ディスクドライブ10は筐体内の少なくとも1つの磁気記録媒体16を回転させるためのスピンドルモータ14を含む。少なくとも1つのアーム18が筐体12の中に含まれ、各々のアーム18は記録ヘッドまたはスライダ22を有する第1の端部20と、ベアリング26によって軸上に旋回可能に実装された第2の端部24とを有する。アーム18を旋回させて記録ヘッド22をディスク16の所望のトラック27に位置付けるためのアクチュエータモータ28が、アームの第2の端部24に位置する。アクチュエータモータ28は、コントローラによって調整されるが、当該コントローラはこの図では示されておらず、当該技術分野において周知のものである。
【0008】
近年の設計でのHAMR記録ヘッドは、記録媒体の局所的な加熱のために光を記録媒体に導くために、スライダ上に薄膜の導波路を含む。1つのスライダの設計は、スライダ構造に取り入れられたレーザを含む。以前に提案された、スライダ中にレーザを含む光配送システムは、チャネル導波路と、軸外パラボリックコリメータと、導波路中の光ビームの経路を設定するためのミラーと、光を、回折制限された光スポットへと焦点を合わせるための固体浸漬ミラー(SIM)とを含んでいた。1つの局面において、本発明は、チャネル導波路に対する軸外パラボリックコリメータの位置の許容度における制限を緩和して、コリメーション後のビーム強度プロファイルにおける非対称性を低減する。
【0009】
図2は、実施の形態に従って構成された記録ヘッドの一部における素子の概略的表現である。記録ヘッド30は、レーザダイオード32と、固体浸漬ミラー(SIM)34と、光配送システム36とを含み、光配送システム36は、光をレーザダイオードから、エアベアリング面48に隣接した焦点にその光を合焦させる固体浸漬ミラーへと配送する。光配送システムは、テーパ導波路カプラ37および導波路ビームエキスパンダ38と、パラボリックコリメータ40と、第1のミラー42と、第2のミラー44とを含む。レーザダイオードによって生成された光は入力カプラによってスライダ導波路に結合されて、ビームエキスパンダによって拡張されて、パラボリックコリメータによってビーム46へとコリメートされる。ビーム46は、第1のミラーによって反射されて、次に第2のミラーによって反射され、第2のミラーはビームを固体浸漬ミラーへと向ける。第1および第2のミラーは真っ直ぐなミラーまたは球面ミラーであり得る。光はSIMへと必然的に伝搬してカプラは必要ない。なお、紙面に垂直な光は導波路によって導かれ/閉じ込められる。
【0010】
図3は、図2に示したのと同様な光配送システムを含む記録ヘッド50の立面図である。記録ヘッド50は、レーザダイオード52と、固体浸漬ミラー54と、光配送システム56とを含み、光配送システム56は光をレーザダイオードから固体浸漬ミラーへと配送する。光配送システムは、テーパ導波路入力カプラ58および導波路ビームエキスパンダ60と、パラボリックコリメータ62と、第1のミラー64と、第2のミラー66とを含む。入力カプラはレーザダイオードからの光をスライダ導波路に結合させる。ビームエキスパンダは以下の式(1)によって定義される。光は平面/チャネル導波路によって、紙面に真っ直ぐ垂直に閉じ込められるが、当該導波路は、Al23,SiO2,SiOxyのような低い屈折率の1または2の誘電体材料によって覆われた、Ta25,SiNx,ZnS,SiOxy,Si,SiCのような、導波路コアとして高い屈折率を有する誘電体材料によって形成され得る。
【0011】
レーザダイオードによって生成された光は、テーパ導波路カプラによってスライダ導波路に結合されて、ビームエキスパンダによって拡張されて、パラボリックコリメータ62によってビーム68へとコリメートされる。ビーム68は、楕円形状の第1のミラー64によって反射され、次に放物面形状の第2のミラー66によって反射され、第2のミラーはビームを固体浸漬合焦ミラー54へと向ける。第1および第2のミラーは真っ直ぐなミラーまたは球面ミラーであり得る。
【0012】
図3の記録ヘッドは、また、磁気書込極70と、書込極中に磁界を生成するためのコイル72とを含む。コイルに電力を供給するために電気的接続部74および76が設けられる。たとえば78,80,82,84のようなさらなる電気的接続部がレーザおよび、この図には示されていないが、当該技術分野において周知の他の構成要素、たとえば読取素子に電力を供給するために設けられる。近接場トランスデューサ(NFT)86は、記録ヘッドのエアベアリング面88に隣接して位置し得る。この例において、レーザ52は光ビームを生成するが、その光ビームは入力チャネル導波路58および、拡張ビーム88を生成するためのビームエキスパンダ60を通過する。拡張されたビームはパラボリックコリメータ62によってコリメートされる。コリメートされたビーム68は第1のミラー64および第2のミラー66により反射され、第2のミラーは、その光を近接場トランスデューサ86へと合わせる固体浸漬ミラー54へとビーム68を導く。
【0013】
記録媒体90は、記録ヘッド50のエアベアリング面に隣接して、あるいはその下に位置する。この例において記録媒体90は基板92と、基板92上の軟磁性の下層94と、軟磁性下層上の高磁性記録層96とを含む。
【0014】
記録ヘッドが垂直磁気記録ヘッドであり得るとともに記録媒体が垂直磁気記録媒体であり得るが、発明はまた、熱アシスト記録を用いることが望ましくあり得る、他の種類の記録ヘッドおよび/または記録媒体とともに用いられ得ることが明らかであるだろう。
【0015】
図2および図3は、これまでに知られている磁気スライダ構造に適合する光配送システムを示す。レーザダイオードチップから出た光は、シングルモードのテーパチャネル導波路で導波路に結合されて、導波路ビームエキスパンダによって拡張されて、パラボリックミラーによってコリメートされて、2つのミラーによって経路を設定されて、固体浸漬ミラーによって焦点を合わせられる。
【0016】
1つの例において、スライダのサイズは770μm×230μmであり、レーザの大きさは500μm×120μmである。レーザは上下がひっくり返されて、レーザよりも各々の側が10μm広いキャビティ内に収められる。キャビティはスライダの端から15μm離されている。レーザ活性層(たとえば光放出層)は、導波路層と正確に位置合わせされているであろう。
【0017】
導波路およびミラーは、スライダ層積層体の中間部分にある。すべての金属配線およびパッドは、ビアを介して、導波路およびミラー層の下または上において接続され得る。この光配送のレイアウトにより、スライダの端部において4つの最終試験パッド(たとえば電子的ラッピングガイドおよび読出または書込パッド)のためのさらなるスペースが存在する。
【0018】
図4はビームコリメーションシステムの概略的表現である。レーザビームは、チャネルまたはテーパチャネル導波路100を通過する。チャネルの端部102においてビームが発散する。チャネルまたはテーパチャネル導波路から出た光104は、軸外パラボリックミラー106によりコリメートされて、コリメートされたビーム108を生成する。チャネル導波路からの最大の光線角度はθmである。本明細書で用いられるように、テーパチャネル導波路は、レーザダイオードからの光をスライダ導波路に結合させるために用いられる。テーパチャネル導波路は、開始点(ダイオードに最も近い)において、端部102よりも狭い幅(Y方向)を有する。
【0019】
1つの例での導波路は、Ta25コア層114の両側に位置するクラッピング層110(112)として、Al23を用いる。図4において、チャネル導波路の右側のすべての領域は平面導波路のコア層である。屈折率nは、Al23ではn=1.64であり、Ta25ではn=2.10である。自由空間中の光の波長はλ=830nmである。ビームの非対称性(D1≠D2)、およびコリメータの位置の偏差に起因するビームのチルトは、チャネルまたはテーパチャネル導波路から出た光線の最大角(θm)に依存する。図4における構成要素の場合の一例のモデリングは、シングルモード伝搬のためのチャネル導波路の幅が700nm未満であり、そのことはθm≧30°をもたらすことを示す。
【0020】
θm=30°およびビームサイズD=25μmの場合、パラボリックコリメータのx方向に沿った位置の偏差によるコリメーション後のビーム発散は1.98°/μmであり、y方向に沿った位置の偏差によるy方向からのビームの方位角のチルトは3.44°/μmである。要求される方位角のチルトの許容度が±0.1°であれば、y方向に沿った位置の許容度は30nmとなるであろうが、それはフォトリソグラフィにおいて実現することは困難である。θm=30°においてビーム非対称性D1/D2は1.73であるが、それはSIMによって集められた光スポットのサイズを増加させるであろう。しかしながら、記憶媒体の加熱領域がデータビットの大きさを決定し得るため、小さな光スポットが望ましい。
【0021】
1つの局面において、この発明は、コリメーションの前にθmを低減するために導波路ビームエキスパンダを用いた、ビームの非対称性に向けられる。図5はビームエキスパンダ118を有する、図4の構成要素の多くを含むコリメーションシステム116の概略的表現である。図4において、ビームエキスパンダの右側のすべての領域は平面導波路のコア層である。ビームエキスパンダはチャネルまたはテーパチャネル導波路100の幅と同じ開始幅W0と、終了幅W1と、長さLとを有する。ビーム拡張の場合、W1>W0である。
【0022】
1つの例において、ビームエキスパンダは放物面形状を有する壁120,122を含み、ビームエキスパンダの幅W(x)は、チャネル導波路からの距離dに従って増加し、次の式で表される。
【0023】
【数1】

【0024】
ここで、W0はビームエキスパンダの開始幅であり、λgは導波路のモード波長であり、αは定数である。シングルモード動作を実現するために、α<1である。W0=0.6λ(λは自由空間における光の波長を示す)であり、W1=4λであり、λg=λ/1.78であり、α=0.2であるとすると、L=70λである。
【0025】
ビームエキスパンダに用いられる材料は、y方向に沿ってコアの幅が増加する点を除き、チャネル導波路に用いられる材料と同様であり得る。
【0026】
シングルモードのチャネルまたはテーパチャネル導波路から出た光のビームは、導波路ビームエキスパンダによって拡張され、このことは対応してθmを低下させるが、その理由はsinθmがλg/W1に比例するためである。
【0027】
D=25μmのビームサイズにおいてθmが5°に減少するならば、x方向に沿ったパラボリックコリメータの位置の偏差によるコリメーション後のビームの発散は−0.038°/μmであり、y方向に沿った位置の偏差によるy方向からのビーム方位角のチルトは0.434°/μmである。0.1°の方位角チルトにおいて、y方向に沿った位置の許容度は230nmに達するが、それは現在のフォトリソグラフィの製造の許容度よりも十分に低い。ビーム比D1/D2は1.09である。
【0028】
図6は、設計パラメータを示す光配送システム130の概略的表現である。システムは、チャネル導波路134内に光を生成するレーザ132を含む。ビームエキスパンダ136は、チャネル導波路の端部に位置するとともに拡張されたビーム138を生成する。拡張されたビームは第1のパラボリックコリメータ140によりコリメートされて、コリメートされたビーム142を生成し、コリメートされたビーム142は楕円ミラー144および第2のパラボリックコリメータ146によって反射されて固体浸漬ミラー148へと向けられる。
【0029】
ビームエキスパンダ136から出たビーム138は、1/e2の強度点においてw1のビーム半径を有する基本的なガウシアンビームおよびレイリー長xR1=πw12/λgによって明確に記述することができる。ビームエキスパンダの出力面は第1のパラボリックコリメータの焦点に位置する。距離x0は、第1のパラボリックコリメータの形状を以下のように定義する。
【0030】
【数2】

【0031】
第1のパラボリックコリメータからの反射の後、ビームウエストはそのコリメータから距離x0のところに位置する。距離x0は、コリメーション後の所望のビーム半径w2または利用可能なスライダ空間によって定義され、以下のように表される。
【0032】
【数3】

【0033】
コリメートされたビームは第1のパラボリックコリメータから楕円ミラー144へと伝搬する。第1のパラボリックコリメータと楕円ミラーとの間の距離がs1であり、楕円ミラーから反射した後のビームウエストが楕円ミラーから距離d2の位置にあるとすると、楕円ミラーの等価な焦点距離は、以下の式によって決定される。
【0034】
【数4】

【0035】
ここで、
【0036】
【数5】

【0037】
である。
楕円ミラーの後のビームウエストにおけるビーム半径w3は、次の式によって与えられる。
【0038】
【数6】

【0039】
このウエストにおけるレイリー長は、以下の式で与えられる。
【0040】
【数7】

【0041】
楕円ミラーの形状は、2つのパラメータ(d3,d4)によって次のように決定される。
【0042】
【数8】

【0043】
ここでd3は、ミラーから楕円ミラーの焦点のうちの1つまでの距離であり、d4はミラーの第2の焦点の距離である。距離d3は、楕円ミラーにおける入射波の曲率の半径から次のように決定することができる。
【0044】
【数9】

【0045】
3が決定されると、d4は所与のfから次のように決定される。
【0046】
【数10】

【0047】
図7は、θ0=π/4の場合に、距離d3に位置する物体の点を距離d4における点に結像させるための楕円ミラーを示す。図7に示された局部座標系において、楕円ミラー144の形状は、以下の式によって与えられる。
【0048】
【数11】

【0049】
第2のパラボリックコリメータ(またはミラー)146は、楕円ミラーの後のビームウエストから距離x02をビームが伝播したときに位相曲線を補正するために用いられる。距離x02は以下の式により与えられる。
【0050】
【数12】

【0051】
第2のパラボリックコリメータから反射した後のビーム半径w4および曲率半径Rは次のように与えられる。
【0052】
【数13】

【0053】
この曲線は小さく、第2のパラボリックコリメータに接近する、焦点を合わせるSIMを照射するのに優れている。
【0054】
図8は、レーザを含むスライダ配送システム152を有する別のスライダ150を示し、配送システムは、レーザ154と、チャネル導波路156と、パラボリックコリメータまたはミラー158とを含み、既存のスライダ形状因子に適合する。レーザダイオードを出る光は、テーパ導波路カプラ160により導波路に結合されて、2つの屈曲部を有するシングルモードのチャネル導波路により経路を設定されて、導波路ビームエキスパンダ162によって拡張されて、パラボリックコリメータ158によってコリメートされて、固体浸漬ミラー164によって焦点を合わせられる。
【0055】
図9は、図8と同様の光配送システムを含む記録ヘッド170の立面図である。記録ヘッド170は、チャネル導波路172と、軸外パラボリックコリメータまたはミラー174とを含み、既存のスライダ形状因子に適合する。レーザダイオードを出る光は、テーパ導波路カプラ176により導波路に結合されて、2つの屈曲部を有するシングルモードのチャネル導波路により経路を設定されて、導波路ビームエキスパンダ178によって拡張されて、軸外パラボリックコリメータ174によってコリメートされて、固体浸漬ミラー180によって焦点を合わせられる。図9は、図8の素子を含むとともに、さらに書込極182およびコイル184を含む。電気的接続部186および188は、電流をコイルに供給して書込極に磁界を誘導するために設けられる。
【0056】
図8および図9のレイアウトは図2および図3に示されたレイアウトよりも小さい。ここで再び、ビームエキスパンダはコリメータにおける位置合わせの制限を緩和して大きな範囲でビーム非対称性を低減するために用いられる。
【0057】
別の局面において、発明は上記の装置を用いて実行可能な、焦点に光を配送させるための方法を提供する。方法は、光のビームを生成するステップと、レーザダイオードからの光をスライダ導波路に結合させるステップと、光のビームを拡張して拡張されたビームを生成するステップと、その拡張されたビームをコリメートするステップと、コリメートされたビームを焦点へと集中させるステップとを含む。
【0058】
上記の説明および例は、熱アシスト磁気記録のための光配送に用いることが可能な装置の、例示的な実現例の構造を示す。装置のさまざまな実現例がある程度の特殊性で、または一以上の個別の実現例で説明されてきたが、当業者は本発明の精神または範囲から逸脱することなく開示された実現例に対する多数の変形を行なうことができる。上記の説明に含まれて添付の図面に示されたすべての事項は、特定の実現例のみを示すものであり限定するものではないと解釈されるべきであるということが意図される。上記の実現例および他の実現例は以下に続く請求項の範囲内である。
【符号の説明】
【0059】
10 ディスクドライブ、12 筐体、14 スピンドルモータ、16 磁気記録媒体(ディスク)、18 アーム、20 第1の端部、22 スライダ、30 記録ヘッド、24 第2の端部、26 ベアリング、27 トラック、28 アクチュエータモータ、32 レーザダイオード、34 固体浸漬ミラー、36 光配送システム、37 テーパ導波路カプラ、38 導波路ビームエキスパンダ、40 パラボリックコリメータ、42 第1のミラー、44 第2のミラー、46 ビーム、48,88 エアベアリング面、58 テーパ導波路入力カプラ、70 磁気書込極、72 コイル、74,76,78,80,82,84 電気的接続部、86 近接場トランスデューサ、106 軸外パラボリックミラー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
光のビームを生成するための光源と、
前記光を、スライダ導波路に結合するためのカプラと、
前記光のビームを拡張するためのビームエキスパンダと、
前記拡張されたビームをコリメートするためのコリメータと、
前記コリメートされたビームを焦点へと集中させるための合焦素子とを備える、装置。
【請求項2】
前記ビームエキスパンダは、
【数1】

によって定義される形状を有し、
W(x)は、前記ビームエキスパンダの幅であり、
dは、チャネル導波路からの距離であり、
0は、前記ビームエキスパンダの開始幅であり、
λgは、前記チャネル導波路のモード波長であり、
αは、定数である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コリメータは、パラボリックコリメータであり、前記ビームエキスパンダの出力面は、前記パラボリックコリメータの焦点に位置する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記装置は、第1および第2のミラーをさらに備え、
前記第1のミラーは、前記コリメートされたビームを前記第2のミラーへと反射し、
前記第2のミラーは、前記コリメートされたビームを前記合焦素子へと反射する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1および第2のミラーは、真っ直ぐなミラーである、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1および第2のミラーは、球面ミラーである、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のミラーは、楕円ミラーである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のミラーは、パラボリックコリメータである、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記光のビームは、シングルモードの光ビームである、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
方法であって、
光のビームを生成するステップと、
前記光を、スライダ導波路に結合するステップと、
前記光のビームを拡張して、拡張されたビームを生成するステップと、
前記拡張されたビームをコリメートするステップと、
前記コリメートされたビームを焦点に集中させるステップとを備える、装置。
【請求項11】
前記光のビームは、
【数2】

によって定義される形状を有するビームエキスパンダによって拡張され、
W(x)は、前記ビームエキスパンダの幅であり、
dは、チャネル導波路からの距離であり、
0は、前記ビームエキスパンダの開始幅であり、
λgは、前記チャネル導波路のモード波長であり、
αは、定数である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記光を磁性媒体に合焦させて、前記磁性媒体のスポットを加熱するステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記合焦させるステップは、固体浸漬ミラーを用いて実現される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記コリメートされた光のビームを2以上のミラーで反射させて、前記コリメートされた光のビームを横方向にシフトさせるステップをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記反射させるステップは、
第1のミラーを用いて、前記コリメートされたビームを第2のミラーへと反射させるステップと、
第2のミラーを用いて、前記コリメートされたビームを合焦素子へと反射させるステップとを備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記光のビームは、シングルモードの光ビームである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
装置であって、
光のビームを生成するための光源と、
前記光を、スライダ導波路に結合するためのカプラと、
前記光のビームを拡張するために前記スライダ導波路の出力端に隣接するビームエキスパンダと、
前記拡張されたビームをコリメートするためのコリメータと、
前記コリメートされたビームを焦点に集中させるための合焦素子とを備える、装置。
【請求項18】
前記カプラは、テーパ導波路カプラを備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記スライダ導波路は、シングルモードのチャネル導波路を備える、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記コリメータは、
軸外パラボリックコリメータを備える、請求項1に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−163959(P2012−163959A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−19752(P2012−19752)
【出願日】平成24年2月1日(2012.2.1)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】