説明

熱交換器および熱交換換気システム

【課題】圧力損失の増大を抑えつつ、設置スペースの省スペース化も図ることができる熱交換器を得ること。
【解決手段】熱交換器14は、第1の箱体4aの開口と、第2の箱体4bの開口とを当接させて構成される本体ケーシング4と、開口同士に挟まれた熱交換膜3と、熱交換膜と第1の箱体とで第1の通路21が形成され、熱交換膜と第2の箱体とで第2の通路22が形成され、第1の箱体には、室内空気吸込口6と室外空気吹出口5とが形成され、第2の箱体には、室外空気吸込口7と室内空気吹出口8とが形成され、室内空気吸込口と室内空気吹出口とは、いずれか一方の通路を介して連通され、室外空気吸込口と室外空気吹出口とは他方の通路を介して連通され、第1の箱体には、第1の通路を通過する空気を蛇行させる第1壁部9aが形成され、第2の箱体には、第2の通路を通過する空気を蛇行させる第2壁部9bが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室外空気を室内へ供給し、室内空気を室外へ排出しながら、各空気を熱交換させる熱交換器および熱交換換気システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅の高気密、高断熱化により住宅からの排気と住宅内への給気を適切に行なう全般換気設備が必須となっている。全般換気の目的は、建物内の適切な室内環境の維持のため、絶えず必要な換気量を確保し、室内で発生する汚染物資を排出し、新鮮な外気を取り入れることにある。
【0003】
このような、全般換気では、住宅からの排気と住宅内への給気を常時(24時間)機能させることが必要であり、省エネルギー化の推進が求められている。そこで、室内空気と室外空気との間で熱交換させながら換気を行う熱交換換気によって、空調負荷などを軽減して省エネルギー化が図られる場合がある。
【0004】
熱交換換気では、例えば、特許文献1や特許文献2に示すように、室内空気と室外空気との間で熱交換させるための熱交換器が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62−206381号公報
【特許文献2】特開昭57−49740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示す技術によれば、波形の区画板に合わせて流入孔や流出孔を形成しているため、孔(開口)のサイズが小さくなってしまい、圧力損失の増大を招いてしまうという問題があった。また、特許文献2に示す換気装置に用いられている熱交換器では、空気の流入方向と流出方向とが一致しているため、熱交換器から直接室外に空気を流出入させる場合には、壁面に対して垂直に設置する必要があり、壁面からの突出量が大きくなってしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、圧力損失の増大を抑えつつ、設置スペースの省スペース化も図ることができる熱交換器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、1面が開口した第1の箱体と、1面が開口した第2の箱体と、を有し、開口同士を当接させて構成される本体ケーシングと、開口同士に挟まれて開口を塞ぐ熱交換膜と、熱交換膜と第1の箱体とで空気が通過可能な第1の通路が形成され、熱交換膜と第2の箱体とで空気が通過可能な第2の通路が形成され、第1の箱体には、本体ケーシング内に室内空気を吸い込ませる室内空気吸込口と、本体ケーシングから室外空気を吹き出させる室外空気吹出口とが形成され、第2の箱体には、本体ケーシング内に室外空気を吸い込ませる室外空気吸込口と、本体ケーシングから室内空気を吹き出させる室内空気吹出口とが形成され、室内空気吸込口と室内空気吹出口とは、第1の通路または第2の通路のいずれか一方の通路を介して連通され、室外空気吸込口と室外空気吹出口とは、第1の通路または第2の通路の他方の通路を介して連通され、第1の箱体には、第1の通路を通過する空気を熱交換膜に沿って蛇行させる第1壁部が形成され、第2の箱体には、第2の通路を通過する空気を熱交換膜に沿って蛇行させる第2壁部が形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、圧力損失の増大を抑えつつ、設置スペースの省スペース化も図ることができる熱交換器を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる熱交換器の外観斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す熱交換器の分解斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す熱交換器の正面図である。
【図4】図4は、図1に示す熱交換器の側面図である。
【図5】図5は、図4に示すA−A線に沿った矢視断面図である。
【図6】図6は、図5に示すB−B線に沿った矢視断面図である。
【図7】図7は、図4に示すC−C線に沿った矢視断面図である。
【図8】図8は、図7に示すD−D線に沿った矢視断面図である。
【図9】図9は、図6に示すE−E線に沿った矢視断面図であって、壁部に形成された波形部を説明するための図である。
【図10】図10は、熱交換器を建物の壁の内側に設置した例を示す図である。
【図11】図11は、熱交換器を建物の壁の内側に設置した例を示す図である。
【図12】図12は、熱交換器を建物の壁の内側に設置して構築した熱交換換気システムの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施の形態にかかる熱交換器および熱交換換気システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる熱交換器の外観斜視図である。図2は、図1に示す熱交換器の分解斜視図である。図3は、図1に示す熱交換器の正面図である。図4は、図1に示す熱交換器の側面図である。図5は、図4に示すA−A線に沿った矢視断面図である。図6は、図5に示すB−B線に沿った矢視断面図である。図7は、図4に示すC−C線に沿った矢視断面図である。図8は、図7に示すD−D線に沿った矢視断面図である。
【0013】
本実施の形態にかかる熱交換器14は、室外空気を室内へ供給し、室内空気を室外へ排出しながら、熱交換換気を行い、室内で発生する汚染物資を排出し、新鮮な外気を取り入れて建物内の適切な室内環境を維持する換気用の熱交換器に関するものである。
【0014】
熱交換器14は、図2に示すように、第1の箱体4aと第2の箱体4bとから構成される本体ケーシング4と、熱交換膜3とを備える。第1の箱体4aおよび第2の箱体4bは、1面が開口とされた箱状の構造体であり、その開口同士を当接させることで本体ケーシング4が構成される。本体ケーシング4は、断熱性を有する発泡体で構成される。
【0015】
熱交換器14は、第1の箱体4aの開口と第2の箱体4bの開口との間に熱交換膜3が挟まれて、その開口が塞がれて構成される。第1の箱体4aと第2の箱体4bとが当接する当接面のうち、熱交換膜3を挟みこむ部分には、第1の箱体4aと第2の箱体4bとで互いに嵌まり合う凹凸形状17が形成されている。
【0016】
熱交換膜3は、その一方面側に沿って流れる空気と、他方面側に流れる空気との間で熱交換を行わせる。すなわち、本実施の形態1では、熱交換膜3の一方面側に沿うように、室内空気および室外空気のいずれか一方を通過させ、他方面側に沿うように、室内空気および室外空気の他方を通過させることで、室内空気と室外空気との間で熱交換を行わせることができる。
【0017】
図1〜4に示すように、第1の箱体4aのうち熱交換膜3と対向する面の上部に、室外空気吹出口5と室内空気吸込口6とが隣接するように形成される。また、第2の箱体4bのうち熱交換膜3と対向する面の下部に、室外空気吸込口7と室内空気吹出口8とが隣接するように形成される。
【0018】
室外空気吹出口5、室内空気吸込口6、室外空気吸込口7、および室内空気吹出口8には、連通部材10が係合固定される。連通部材10は、ダクト、室内端末口、室外端末口、送風機等を選択接続できる構成とすることが好ましい。このように構成することで、ダクト配管を省略できる場合がある。また、換気装置による居住空間の床面積や利用容積の狭小化を抑制し、設置場所の選択自由度の向上を図ることができる。これにより、設置工事の簡素化や、換気扇の送風動力の低減を図ることもできる。
【0019】
図5,6に示すように、第1の箱体4aと熱交換膜3との間には、空気の通過可能な第1の通路21が形成される。すなわち、第1の箱体4aの内側のほとんどの領域が第1の通路21となる。
【0020】
そして、室内空気吸込口6と室内空気吹出口8とが、第1の通路21を介して連通される。したがって、室内空気吸込口6に排気送風機などを接続することで、矢印Pに示すように室内空気を第1の通路21を介して室外に排気することができるようになる。なお、室内空気吸込口6と室内空気吹出口8とを、第1の通路21を介して連通させるために、熱交換膜3には孔24が形成される。
【0021】
第1の箱体4aのうち、熱交換膜3と対抗する面の板厚は、室内空気の流れの上流側から下流側に向かって厚肉となるように構成される。すなわち、図6に示す上流側の板厚X1と、下流側の板厚X2とでは、板厚X2のほうが大きくなっている。
【0022】
図7,8に示すように、第2の箱体4bと熱交換膜3との間には、空気の通過可能な第2の通路22が形成される。すなわち、第2の箱体4bの内側のほとんどの領域が第2の通路22となる。
【0023】
そして、室外空気吸込口7と室外空気吹出口5とが、第2の通路22を介して連通される。したがって、室外空気吹出口5に給気送風機などを接続することで、矢印Qに示すように室外空気を第2の通路22を介して室内に給気することができるようになる。なお、室外空気吸込口7と室外空気吹出口5とを、第2の通路22を介して連通させるために、熱交換膜3には孔23が形成される。
【0024】
第2の箱体4bのうち、熱交換膜3と対抗する面の板厚は、室外空気の流れの上流側から下流側に向かって厚肉となるように構成される。すなわち、図8に示す上流側の板厚Y1と、下流側の板厚Y2とでは、板厚Y2のほうが大きくなっている。
【0025】
第1の箱体4aの内側には、第1の通路21を通過する室内空気を蛇行させるために、第1の通路21に突出する第1壁部9aが形成されている。第2の箱体4bの内側には、第2の通路22を通過する室内空気を蛇行させるために、第2の通路22に突出する第2壁部9bが形成されている。
【0026】
第1壁部9aと第2壁部9bとは、互いに当接するように、第1の箱体4aと第2の箱体4bとを重ねた際に互いに対向する位置に形成されている。また、第1壁部9aと第2壁部9bとの当接部分にも互いに嵌まり合う凹凸形状17が形成されている。
【0027】
図9は、図6に示すE−E線に沿った矢視断面図であって、壁部9a,9bに形成された波形部を説明するための図である。第1壁部9aと第2壁部9bには、図9に示すように互いに嵌まり合う波形形状の波形部20が形成されている。これにより、第1壁部9aと第2壁部9bとに挟まれる熱交換膜3も波形形状となって、表面にプリーツが形成される。
【0028】
以上説明したように、本実施の形態にかかる熱交換器14では、熱交換膜3の一方側に沿って室内空気を通過させ、他方の側に沿って室外空気を通過させることで、室内空気と室外空気との間で熱交換を行わせることができる。そのため、空調負荷などを軽減して省エネルギー化を図ることができる。
【0029】
また、第1の流路21に第1壁部9aが形成され、第2の流路22に第2壁部9bが形成されることで、室内空気と室外空気が蛇行して通過することとなる。そのため、室内空気と室外空気に熱交換膜3が接触する面積を大きくすることができ、熱交換効率の向上を図ることができる。
【0030】
また、第1の箱体4aの内側のほとんどの領域が第1の通路21となるので、十分な大きさで室内空気吸込口6を形成しやすくなる。そのため、圧力損失の増大を抑えることができる。また、室外空気吹出口5も、第1の通路21と区画して形成すれば第2の通路22と連通させることができるので、十分な大きさで形成しやすく、圧力損失の増大を抑えることができる。
【0031】
また、第2の箱体4bの内側のほとんどの領域が第2の通路22となるので、十分な大きさで室外空気吸込口7を形成しやすくなる。そのため、圧力損失の増大を抑えることができる。また、室内空気吹出口8も、第2の通路22と区画して形成すれば第1の通路21と連通させることができるので、十分な大きさで形成しやすく、圧力損失の増大を抑えることができる。
【0032】
また、第1の箱体4aに室外空気吹出口5と室内空気吸込口6とが隣接するように形成され、第2の箱体4bに室外空気吸込口7と室内空気吹出口8とが隣接するように形成されるので、これらの開口の配置設計や施工の容易化を図ることができる。
【0033】
また、第1の箱体4aの上部に、室外空気吹出口5と室内空気吸込口6とが形成され、第2の箱体4bの下部に、室外空気吸込口7と室内空気吹出口8とが形成されるので、特に室外空気が重力に逆らって流れるようになる。
【0034】
そのため、濃霧発生時や強風雨時に室外空気に含まれる水滴や、虫などが熱交換器14内で重力によって除去されやすくなる。これにより、水滴や虫の室内側への流入を抑制することができる。また、除去された水滴や虫は、下部に形成された室外空気吸込口7に沈降するため、それらの清掃除去が容易となる。
【0035】
また、本体ケーシング4内での熱交換に伴い、冬期では室内空気が通過する側、すなわち第1の通路21側の熱交換膜3で結露が発生しやすくなる。この結露水も、第2の箱体4bの下部に形成された室内空気吹出口8から室外へ排出されやすくなり、ドレン排水処理の手間を省くことができる。
【0036】
第1の箱体4aと第2の箱体4bとが断熱性を有する発泡体で構成され、その板厚が空気の流れに沿って上流側から下流側に向けて厚肉となる構成となっているため、本体ケーシング4内の流通空気と室内外の温度差による結露発生や熱交換効率の低下を適正な断熱処理で抑制することができる。
【0037】
また、図6に示すように第1の箱体4aおよび第2の箱体4bの中央部より上下で凹凸の方向が反転するように凹凸形状17を形成すれば、第1の箱体4aと第2の箱体4bとを同一形状のものとすることができる。これにより、箱体4a,4bの生産性の向上を図ることができる。
【0038】
また、第1の箱体4aと第2の箱体4bとの当接面のうち熱交換膜3を挟みこむ部分に凹凸形状17が形成されるので、熱交換膜3の固定が容易になるとともに、第1の通路21と第2の通路22の気密も確保しやすくなる。
【0039】
また、第1壁部9aと第2壁部9bとに波形部20が形成されて熱交換膜3にプリーツが形成されることで、熱交換膜3の熱伝達面積が増加するため、換気効率の向上や熱交換効率の向上を図ることができる。
【0040】
なお、本体ケーシング4は、断熱性を有する発泡体で構成するように説明したが、これに限られない。例えば、断熱性の劣る材料で本体ケーシング4を構成した場合には、熱交換器14を設置する際に本体ケーシング4の外側から断熱処理を施すように構成してもよい。
【0041】
また、本実施の形態では、第1の通路21に室内空気が通過し、第2の通路22に室外空気が通過するように構成しているがこれに限られない。例えば、第1の通路21に室外空気が通過し、第2の通路22に室内空気が通過するように、室外空気吹出口5、室内空気吸込口6、室外空気吸込口7、および室内空気吹出口8を連通させても構わない。
【0042】
図10,11は、熱交換器14を建物の壁の内側に設置した例を示す図である。図10では、図6で示した熱交換器14の断面図を示している。図11では、図8で示した熱交換器14の断面図を示している。
【0043】
このように構成することで、第1の通路21が室内側に形成され、第2の通路22が室外側に形成されることとなる。なお、図10では、室内空気吸込口6に排気用の送風機16を接続させ、室内空気吹出口8に室外端末口13を接続させている。また、図11では、室外空気吸込口7に室外端末口13を接続させ、室外空気吹出口5に室内端末口12を接続させている。すなわち、排気用の送風機16によって室内を正圧にして、矢印P,Qにしめす空気の流れを生成している。なお、室外空気吹出口5に給気用の送風機(図示せず)を接続してもよい。
【0044】
熱交換器14では、室内側に向けるべき開口と、室外側に向けるべき開口が、本体ケーシング4の反対面側同士に形成されている。すなわち、室外空気吹出口5と室内空気吸込口6とが形成されている面と、室外空気吸込口7と室内空気吹出口8とが形成されている面とが、本体ケーシング4の反対面側同士に形成されている。
【0045】
そのため、図10,11に示すように、壁の内側に熱交換器14を設定した場合にも、室内側への接続と室外側への接続を円滑に行うことができる。これにより、熱交換器14の設置スペースの省スペース化を図ることができる。
【0046】
図12は、熱交換器14を建物の壁の内側に設置して構築した熱交換換気システムSの例を示す図である。熱交換換気システムSでは、熱交換器14を建物の壁の内側に設置するとともに、室外空気吹出口5と室内空気吸込口6とを天井内に露出するようにしている。
【0047】
そして、室外空気吹出口5から天井面に設けられた吹出用端末口28まで、天井内をダクト11で配管している。また、ダクト11の途中には、給気用の送風機16が設けられている。また、天井面に設けられた給気用端末口27から室内空気吸込口6まで、天井内をダクト11で配管している。また、ダクト11の途中には、排気用の送風機16が設けられている。
【0048】
このように、室外空気吹出口5と室内空気吸込口6とを天井内に露出させた場合でも、ダクト11などを用いて配管することで、熱交換器14を用いた熱交換換気システムSを構築することができる。また、例えば外壁に面していない室内に対しても、ダクト11を用いて配管することで、熱交換器14を用いた熱交換換気システムSを構築することができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上のように、本発明にかかる熱交換器は、室内空気と室外空気との間で熱交換を行わせながら換気を行う熱交換換気に有用である。
【符号の説明】
【0050】
3 熱交換膜
4 本体ケーシング
4a 第1の箱体
4b 第2の箱体
5 室外空気吹出口
6 室内空気吸込口
7 室外空気吸込口
8 室内空気吹出口
9a 第1壁部
9b 第2壁部
10 連通部材
11 ダクト
12 室内端末口
13 室外端末口
14 熱交換器
16 送風機
17 凹凸形状
20 波形部
21 第1の通路
22 第2の通路
23 孔
24 孔
27 給気用端末口
28 吹出用端末口
P,Q 矢印
S 熱交換換気システム
X1,X2,Y1,Y2 板厚

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1面が開口した第1の箱体と、1面が開口した第2の箱体と、を有し、前記開口同士を当接させて構成される本体ケーシングと、
前記開口同士に挟まれて前記開口を塞ぐ熱交換膜と、
前記熱交換膜と前記第1の箱体とで空気が通過可能な第1の通路が形成され、
前記熱交換膜と前記第2の箱体とで空気が通過可能な第2の通路が形成され、
前記第1の箱体には、前記本体ケーシング内に室内空気を吸い込ませる室内空気吸込口と、前記本体ケーシングから室外空気を吹き出させる室外空気吹出口とが形成され、
前記第2の箱体には、前記本体ケーシング内に前記室外空気を吸い込ませる室外空気吸込口と、前記本体ケーシングから前記室内空気を吹き出させる室内空気吹出口とが形成され、
前記室内空気吸込口と前記室内空気吹出口とは、前記第1の通路または前記第2の通路のいずれか一方の通路を介して連通され、
前記室外空気吸込口と前記室外空気吹出口とは、前記第1の通路または前記第2の通路の他方の通路を介して連通され、
前記第1の箱体には、前記第1の通路を通過する空気を前記熱交換膜に沿って蛇行させる第1壁部が形成され、
前記第2の箱体には、前記第2の通路を通過する空気を前記熱交換膜に沿って蛇行させる第2壁部が形成されることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記室内空気吸込口と前記室外空気吹出口とが隣接して形成され、
前記室内空気吹出口と前記室外空気吸込口とが隣接して形成されることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記室内空気吸込口と前記室外空気吹出口とが前記第1の箱体の上部に形成され、
前記室内空気吹出口と前記室外空気吸込口とが前記第2の箱体の下部に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1の箱体および前記第2の箱体は断熱性を有する発泡体で構成され、
前記第1の箱体のうち前記熱交換膜と対向する面の板厚は、前記第1の通路を通過する空気の上流側から下流側に向かって厚肉となるよう構成され、
前記第2の箱体のうち前記熱交換膜と対向する面の板厚は、前記第2の通路を通過する空気の上流側から下流側に向かって厚肉となるよう構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第1の箱体と前記第2の箱体とが当接する当接面には、互いに嵌まり合う凹凸が形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第1の箱体と前記第2の箱体とが同一形状で構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の熱交換器。
【請求項7】
前記第1の箱体と前記第2の箱体とが当接する当接面、前記第1壁部、および前記第2壁部のうち前記熱交換膜と接する部分の少なくとも一部に、熱交換膜にプリーツ形状を形成するための波形形状の波形部が形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の熱交換器。
【請求項8】
建物の壁の内側に設置された請求項1〜7のいずれか1つに記載の熱交換器を備え、
前記室内空気吸込口と前記室外空気吹出口とが前記建物の室内に連通され、
前記室内空気吹出口と前記室外空気吸込口とが前記建物の室外に連通された熱交換換気システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−215371(P2012−215371A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82232(P2011−82232)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】