熱交換器
【課題】CO2と水との熱交換など、高圧流体と低圧流体の熱交換に対応した軽量コンパクトな熱交換器を提供する。
【解決手段】水などの低圧流体が流れる扁平管20a,20b,20cの右側第1開口部91と右側第2開口部93とが接合されて出入口部31が形成されている。この出入口部31は、流路21に繋がっている。これら扁平管20a,20b,20cと、CO2などの高圧流体が流れる扁平多穴管40a,40bが交互に積層されている。
【解決手段】水などの低圧流体が流れる扁平管20a,20b,20cの右側第1開口部91と右側第2開口部93とが接合されて出入口部31が形成されている。この出入口部31は、流路21に繋がっている。これら扁平管20a,20b,20cと、CO2などの高圧流体が流れる扁平多穴管40a,40bが交互に積層されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧の冷媒と低圧の冷媒との間で熱交換を行わせるための熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からあるヒートポンプ式給湯装置の冷媒回路においては、例えば、CO2と水との間で熱交換を行わせる水熱交換器が利用されている。このような水熱交換器には、プレート型熱交換器や二重管型熱交換器などの幾つかのタイプがある。例えば、特許文献1(特開平10−288480号公報)には、高耐圧かつコンパクトなプレート型熱交換器が記載されている。また、特許文献2(特開2002−228370号公報)には、二重管型熱交換器が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているようなプレート型熱交換器では、CO2などの高圧流体に対応するため、流路内に伝熱プレート同士を接合する箇所を増やさなければならず、高圧流体の流動抵抗が増加するという問題点がある。このような問題を解消しようとすると、流動抵抗を下げるために高圧流体の流路を増やさなければならなくなり、熱交換器が大型化してしまう。また、プレート型熱交換器では、水とCO2の間を隔てる隔壁に水による腐食等によって穴が開いてしまうと、水とCO2などの異なる流体が混合して流体の品質が低下する。また、伝熱プレート間で二相冷媒の偏流が発生するというという問題がある。
【0004】
一方、特許文献2に記載されているように、二重管型熱交換器は、例えば、芯管の周りに螺旋状に熱媒管が巻き付けられた構造を持っている。熱交換後の水温が冷媒温度に近づくように熱交換器効率を高めるためには、熱交換が行われる流路が長い方が好ましいが、二重管型熱交換器の場合には、芯管が長くなると装置内に設置する場合に芯管を曲げる必要が生じる。芯管を曲げる際には、芯管が折れないようにある程度の曲率半径を持たせて曲げることが必要になるため、曲げ部内側や重ね合わせ部に空洞ができ、熱交換器設置占有容積が大きくなる。
【0005】
本発明の課題は、CO2と水との熱交換など、高圧流体と低圧流体の熱交換に対応した軽量コンパクトな熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る熱交換器は、第1流路と第1流路に繋がる第1開口部及び第2開口部とを有する複数の扁平管と、互いに隣接する一方の扁平管の第1開口部と他方の扁平管の第2開口部とが接合されて形成されている第1流体の出入口部と、複数の扁平管と交互に積層され、第1流体よりも高圧の第2流体が流れる複数の第2流路が内部に形成されている複数の扁平多穴管とを備える。
【0007】
第1観点の熱交換器によれば、扁平管同士の第1開口部と第2開口部が直接接合されて出入口部が形成されることで、第1開口部と第2開口部の間に別部材を設ける必要がなく、熱交換器のコンパクト化を図ることができる。また、扁平管の第1開口部や第2開口部で出入口部を形成するので軽量化が図れる。一方、低圧の第1流体が流れる扁平管と高圧の第2流体が流れる扁平多穴管が交互に積層されるため、熱交換器が高圧流体と低圧流体の熱交換に適した構造を持つものにすることができる。
【0008】
本発明の第2観点に係る熱交換器は、第1観点に係る熱交換器において、扁平管は、第1プレート及び第2プレートを重ね合わせて接合して形成され、第1プレート及び第2プレートのうちの少なくとも一方は、第1流路を形成するために第1開口部及び第2開口部の配置位置まで延びている凹面部を有する。
【0009】
第2観点の熱交換器によれば、第1流体と第2流体の流路を第1プレート及び第2プレートからなる扁平管と扁平多穴管という別部材で構成することにより、腐食が発生した際に、第1流体と第2流体との混合を防止することができる。また、第1プレートと第2プレートで出入口部を構成できるので、熱交換器の製造コストを抑制することができる。
【0010】
本発明の第3観点に係る熱交換器は、第1観点又は第2観点の熱交換器において、複数の扁平管及び複数の扁平多穴管のうちの少なくとも一方は、扁平管と扁平多穴管とが互いに接触する接触領域に、接触領域からはみ出す長さの凹溝が形成されている。
【0011】
第3観点の熱交換器によれば、この凹溝により、扁平管に穴が開いたときに第1流体を接触領域の外に誘導することができる。それにより、扁平管に穴が開いたことを発見し易くなる。
【0012】
本発明の第4観点に係る熱交換器は、第1観点から第3観点のいずれかの熱交換器において、複数の扁平管は、第1流路の内部に第1流体の乱流を発生させるための凹部及び凸部のうちの少なくとも一方を有する。
【0013】
第4観点の熱交換器によれば、凹部や凸部で発生する乱流により伝熱が促進される。
【0014】
本発明の第5観点に係る熱交換器は、第1観点から第4観点のいずれかの熱交換器において、複数の扁平多穴管は、複数の扁平管の各間に2つずつ配置されて構成されている。
【0015】
第5観点の熱交換器によれば、一つの扁平管に対して二つの扁平多穴管が接触する勘定になるので、1つの扁平管と熱交換する扁平多穴管を2つに増やすことができる。
【0016】
本発明の第6観点に係る熱交換器は、第1観点から第5観点のいずれかの熱交換器において、複数の扁平多穴管は、上面視において、真直ぐに形成され、出入口部は、複数の扁平多穴管の脇に配置されている。
【0017】
第6観点の熱交換器によれば、扁平多穴管の脇に出入口部がある構造を持つ熱交換器を提供できる。
【0018】
本発明の第7観点に係る熱交換器は、第1観点から第5観点のいずれかの熱交換器において、複数の扁平管は、上面視において、真直ぐに形成され、複数の扁平多穴管の複数の第2流路に第2流体を分配するため複数の扁平多穴管に取り付けられ、扁平管の脇に配置されている出入口分配管をさらに備える。
【0019】
第7観点の熱交換器によれば、扁平管の脇に出入口分配管がある構造を持つ熱交換器を提供できる。
【0020】
本発明の第8観点に係る熱交換器は、第1観点から第7観点のいずれかの熱交換器において、出入口部は、扁平管が隣接する方向の第1流体の流れを遮断する仕切部材を有し、扁平管は、仕切部材より上の層と下の層とで第1流体の流れの向きが変わる。
【0021】
第8観点の熱交換器によれば、仕切部材より上の層と下の層とで第1流体の流れの向きを変えることによって上の層と下の層とを使って第1流体を往復させることができ、第1流体と第2流体との間で熱交換が行われる部分を長くすることができる。
【0022】
本発明の第9観点に係る熱交換器は、第2観点の熱交換器において、第1開口部は、第1プレートの右端部及び左端部に形成されている右側第1開口部及び左側第1開口部を含み、第2開口部は、第2プレートの右端部及び左端部に形成されている右側第2開口部及び左側第2開口部を含み、出入口部は、右側第1開口部と右側第2開口部とが接合されて形成されている右側出入口部及び左側第1開口部と左側第2開口部とが接合されて形成されている左側出入口部を含む。
【0023】
第9観点の熱交換器によれば、第1流体の出口と入口を第1開口部と第2開口部の接合によって形成されている右側出入口部と左側出入口部とで構成できる。
【0024】
本発明の第10観点に係る熱交換器は、第1観点から第9観点のいずれかの熱交換器において、第1流体は、水を含み、第2流体は、二酸化炭素であり、扁平管は、ステンレス又は銅合金で構成され、扁平多穴管は、アルミニウムで構成されている。
【0025】
第10観点の熱交換器によれば、腐食性の高い水に対して、ステンレスや銅合金を用いることで、扁平管に耐腐食性とともに良好な熱伝導性を持たせることができる。一方、扁平多穴管には、加工が容易なアルミニウムを用いることで多数の流路が容易に形成できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第1観点に係る熱交換器では、水とCO2との熱交換などの低圧の第1流体と高圧の第2流体との熱交換に対応した軽量コンパクトな熱交換器を提供することができる。
【0027】
本発明の第2観点に係る熱交換器では、腐食が発生した際に第1流体と第2流体との混合が防止できる熱交換器の製造コストを抑制することができる。
【0028】
本発明の第3観点に係る熱交換器では、凹溝により扁平管に穴が開いたことを発見し易くなり、腐食性の高い冷媒を使い易くなる。
【0029】
本発明の第4観点に係る熱交換器では、凹部や凸部によって伝熱が促進され、熱交換器効率が向上する。
【0030】
本発明の第5観点に係る熱交換器では、1つの扁平管に対して熱交換する扁平多穴管の数を増やせるので、熱交換の効率を上げることができる。
【0031】
本発明の第6観点に係る熱交換器では、扁平多穴管の脇に出入口部を設けたい場合に対応できる。
【0032】
本発明の第7観点に係る熱交換器では、扁平管の脇に出入口分配管を設けたい場合に対応できる。
【0033】
本発明の第8観点に係る熱交換器では、仕切部材によって熱交換が行われる部分を長くして、熱交換の効率を上げることができる。
【0034】
本発明の第9観点に係る熱交換器では、第1開口部と第2開口部の接合によって第1流体の出口と入口が形成でき、コンパクト化と軽量化が図れる。
【0035】
本発明の第10観点に係る熱交換器では、第2流体に対する耐圧を上げるとともに第1流体と第2流体の熱交換の高効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施形態の熱交換器を含むヒートポンプ式給湯装置の概要を示す回路図。
【図2】冷凍装置の内部構造を模式的に示す断面図である。
【図3】第1実施形態に係る熱交換器の構成の概要を示す概念図。
【図4】熱交換器の外観を示す部分斜視図。
【図5】図4のI−I線断面図。
【図6】熱交換器の一構成部材の金属プレートを示す平面図。
【図7】図6のII−II線断面図。
【図8】図7の金属プレートを折り返した状態を示す断面図。
【図9】熱交換器の平面構成を模式的に示す平面図。
【図10】(a)プレス加工工程を経た金属プレートを示す部分平面図、(b)折り曲げ工程を経た金属プレートを示す部分平面図、(c)第1接合工程を経た扁平管を示す断面図、(d)第2接合工程における扁平管及び出入口ポートを示す断面図、(e)接合体の組立工程を示す部分斜視図、(f)接合後の熱交換器を示す部分斜視図。
【図11】右側出入口部の周辺の構造を示す断面図。
【図12】第1実施形態の熱交換器の平面構成の他の例を模式的に示す平面図。
【図13】第1実施形態の熱交換器の右側出入口部の周辺の他の構造例を示す断面図。
【図14】第1実施形態の熱交換器の積層の他の態様を示す模式的な断面図。
【図15】第1実施形態の熱交換器の積層の他の態様を示す模式的な断面図。
【図16】(a)図15の積層構造に用いられる金属プレートの平面図、(b)図15の積層構造に用いられる金属プレートの平面図。
【図17】図16(a)の金属プレートの配置を示す平面図、(b)扁平管の配置を示す平面図。
【図18】(a)プレス加工工程を経た金属プレートを示す平面図、(b)折り曲げ工程を経た金属プレートの部分平面図、(c)第1接合工程を経た扁平管を示す断面図、(d)扁平多穴管と出入口分配管の組立体を示す部分斜視図、(e)一体ロウ付された熱交換器を示す部分斜視図。
【図19】第2実施形態に係る熱交換器の構成の概要を示す概念図。
【図20】(a)図19の熱交換器に用いられる金属プレートの一例を示す平面図、(b)図20(a)の金属プレートと対をなす金属プレートの平面図、(c)図20(a)の金属プレートと対をなす金属プレートの平面図、(d)図20(b)の金属プレートと対をなす金属プレートの平面図。
【図21】第2実施形態の熱交換器の一構成例を説明するための平面図。
【図22】図22のIII−III線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明にかかる熱交換器の実施形態は、以下に説明する実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。本発明に係る熱交換器は、R410A、R407Cなどのフロン系冷媒から二酸化炭素(CO2)冷媒を含む自然冷媒を対象としているが、以下においては、CO2冷媒を対象とする熱交換器を例に挙げて説明する。
【0038】
<第1実施形態>
(1)ヒートポンプ式給湯装置の構成
図1には、第1実施形態に係る熱交換器を含むヒートポンプ式給湯装置が示されている。ヒートポンプ式給湯装置1は、温水熱源装置である冷凍装置2と、貯湯ユニット3とを備える。
【0039】
冷凍装置2は、冷媒であるCO2を圧縮する圧縮機4と、CO2と水との間で熱交換を行うための熱交換器10と、CO2の減圧手段としての膨張弁5と、外気とCO2との間で熱交換を行うための空気熱交換器6とを有している。圧縮機4と熱交換器10と膨張弁5と空気熱交換器6とが接続されて、CO2の循環する冷媒回路が構成される。また、貯湯ユニット3は、貯湯タンク8と、水循環ポンプ9とを備える。水熱交換器10と貯湯タンク8と水循環ポンプ9とが接続されて、水の循環する水循環回路が構成される。
【0040】
(1−2)冷凍装置
図2には、冷凍装置の内部構造が模式的に示されている。図2において、断熱壁2cの右側区画が機械室2aであり、断熱壁2cの左側区画が送風機室2bである。機械室2aには、圧縮機4や膨張弁5が配置されている。送風機室2bには、モータ(図示省略)によって駆動されるファン7が配置されている。送風機室2bの下方には、断熱壁2dを隔てて熱交換器10が配置されている。熱交換器10内にて、冷媒回路を循環するCO2と、水循環回路を循環する水との間で熱交換が行われる。また、図2において、空気熱交換器6は、送風機室2bの左側と背面側に配置されている。
【0041】
(2)熱交換器の構成の概要
本発明の第1実施形態に係る熱交換器10は、図3乃至図5に示されているように、多数の扁平管20と多数の扁平多穴管40と出入口部30と出入口分配管50とを含んで構成される。図3乃至図5には、5つの扁平管20と4つの扁平多穴管40とが交互に積層されている例が示されている。ただし、これら積層される扁平管20や扁平多穴管40の数は、要求される性能などに応じて適宜選定されるものである。また、この例では、最下段と最上段に扁平管20が配置されているが、扁平多穴管40を最下段や最上段に配置することもできる。なお、図4では、扁平管20の外面の凹凸の記載が省かれている。
【0042】
扁平管20には低圧の水が流れ、扁平多穴管40には高圧によって超臨界状態になっているCO2が流れる。扁平多穴管40には高い耐圧が要求される一方、水が流れる扁平管20には高い耐食性が要求される。そのため、高い耐圧が要求される扁平多穴管40には、多数の細い流路41が設けられている。扁平多穴管40は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金、ステンレスなどで形成されている。このような細い多数の流路41を有する扁平多穴管40の形成には、アルミニウム及びアルミニウム合金の引き抜き加工や押し出し加工が好適に用いられ、このような加工を用いると安価に扁平多穴管40を製造することができる。
【0043】
扁平管20の母材には、水の腐食性を考慮して、ステンレスや銅合金を用いることが好ましい。ステンレスの種類としては、例えば、SUS304やSUS316などがある。扁平管20をアルミニウムやアルミニウム合金からつくることもできるが、その場合には、内面に、アルマイト加工や樹脂コーティングなどの防食処理を施すことが好ましい。
【0044】
熱交換器10は、図3に示されているように扁平管20及び扁平多穴管40が水平に配置された状態において、出入口部30として、扁平管20の右端部に配置される右側出入口部31と、左端部に配置される左側出入口部32とを含んでいる。左側出入口部32の端部や図4に示されている右側出入口部31の端部には、配管などと接続される出入口ポート34が設けられる。なお、ここでは、説明を分かり易くするために図3の状態に熱交換器10を置いた場合について説明しているが、この熱交換器10は、必ずしも図3の状態で使用されなければならないものではない。例えば、右側出入口部31を上に配置すると共に左側出入口部32を下に配置して熱交換器10を使用することもできる。
【0045】
扁平管20の側においては、水は、まず、左側出入口部32に入り、5つの扁平管20に分かれてその中を左から右に向かって流れ、右側出入口部31から出る。そして、水は、扁平管20の中を流れる間に扁平多穴管40のCO2から与えられる熱で加熱される。
【0046】
また、熱交換器10には、出入口分配管50として、扁平多穴管40の右端部に配置される右側出入口分配管51と、左端部に配置される左側出入口分配管52とを含んでいる。CO2は、左側出入口分配管52に入り、4つの扁平多穴管40に分かれてその中を左から右に向かって流れ、右側出入口分配管51から出る。そして、CO2は、扁平多穴管40の中を流れる間に扁平管20の水に熱を奪われて冷却される。
【0047】
(3)金属プレートの構造
図6は、扁平管と出入口部を形成するための金属プレートの平面図である。金属プレート80の平面形状が、左右に長い略長方形であって、第1長辺81と第2長辺82の左右の両端部に4つの膨出部が形成されている。金属プレート80は、第1プレート801と第2プレート802が一体に接続されてなる。4つの膨出部は、右側第1膨出部86、左側第1膨出部87、右側第2膨出部88及び左側第2膨出部89である。右側第1膨出部86には右側第1開口部91が形成され、左側第1膨出部87には左側第1開口部92が形成され、右側第2膨出部88には右側第2開口部93が形成され、左側第2膨出部89には左側第2開口部94が形成されている。
【0048】
これら右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94は、円形であって、全て同じ大きさである。また、右側第1開口部91及び左側第1開口部92は、第1長辺81の延長線よりも外側にはみ出して配置され、右側第2開口部93及び左側第2開口部94は、第2長辺82の延長線よりも外側にはみ出して配置されている。ただし、これらの形状は、水漏れし難くするために同じ形状であればよく、円形には限られない。また、配置される位置や大きさは流量や流路に合わせて設定される。
【0049】
図7は図6のI−I線断面図である。図6に示されているように、金属プレート80には、凹面部95がプレス加工によって形成されている。凹面部95は、金属プレート80の外周83に沿って形成されている所定幅の周縁部84の内側の領域を占める。ただし、第1長辺81と第2長辺82との中間に在ってこれらに平行に形成されている中央部85は、凹面ではなく、周縁部84と同じ高さに形成されている。つまり、凹面部95は、中央部85を境に、第1プレート801に形成されている第1凹面部96と第2プレート802に形成されている第2凹面部97とに分かれる。そして、右側第1開口部91及び左側第1開口部92は第1凹面部96に形成され、右側第2開口部93及び左側第2開口部94は第2凹面部97に形成されている。これら右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94は、第1凹面部96及び第2凹面部97の中でもさらに一段深くなった凹部98に配置されている。
【0050】
図8には、図6及び図7に示されている金属プレート80が折り曲げられた後の状態が示されている。図6に示されているように、金属プレート80は、中央部85の中心を通って左右に伸びる直線100で折り曲げられる。図8のように折り曲げられると、第1長辺81と第2長辺82が一致するように周縁部84が重なり、第1プレート801と第2プレート802が合わさる。第1プレート801と第2プレート802が合わさったときの第1凹面部96と第2凹面部97とによって流路21が形成される。そして、この流路21は、右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94まで続いている。金属プレート80が折り曲げられることにより、右側第1開口部91と右側第2開口部93及び左側第1開口部92と左側第2開口部94がそれぞれ対向して配置される。対向して配置されることで、出入口部30が真直ぐに形成される。折り曲げられた金属プレート80において重なっている周縁部84が巻締めやロウ付によってシールされて1本の扁平管20が形成される。
【0051】
また、凹面部95が形成されるプレス加工の際に、第1凹面部96には、第1凹面部96の底面側から周縁部84の側に向かって突出している凸条22が形成される。同様に、プレス加工時に、第2凹面部97の底面側から周縁部84の側に向かって突出している凸条23が形成される。凸条22と凸条23は、図6においては、第1長辺81や第2長辺82に対して同じ角度で傾斜している。そのため、金属プレート80が折り曲げられたときには、平面視において、凸条22と凸条23とが交わるように配置される。これら凸条22,23によって、流路21を水が流れるときに乱流が発生し、水と金属プレート80との間の熱伝達の効率が良くなる。
【0052】
凸条22,23が凹面部95の底面に形成されるため、凹面部95の反対すなわち扁平管20の外面29がへこんで凹条24,25が現れる。これら凹条24,25の機能については後述する。
【0053】
(4)扁平管と扁平多穴管の積層構造
(4−1)熱交換器の平面構造
図9には、熱交換器10の構成が模式的に示されており、平面視において、扁平管20及び扁平多穴管40が真直ぐな形状を有している。図9においては、凹条24の構成を説明するため、図4に示されているにおける最上段の扁平管20の記載が省かれている。右側出入口部31及び左側出入口部32が扁平多穴管40の脇に形成されている。一方、右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52は、扁平多穴管40の両端部に設けられている。そのため、製造時に、扁平多穴管40を真直ぐに成形できるため、扁平多穴管40を曲げる際に応力が作用して扁平多穴管40が破損するなどの不具合が生じ難く、製造が容易にある。
【0054】
扁平管20と扁平多穴管40との接合領域、すなわち図9においては扁平多穴管40の投影部分から凹条24がはみ出している。図9には示されていないが、底面側から見ると、凹条25が扁平管20と扁平多穴管40との接合領域からはみ出す。これら凹条24,25により、腐食などが原因で、扁平管20に亀裂が生じて水漏れが生じたときに凹条24,25を伝って水が接合部分の外に染み出すため、亀裂などによる水漏れを発見できるようになる。
【0055】
(4−2)熱交換器の製造工程
図10は、熱交換器の製造の概略を示す工程図である。図10(a)は、プレス加工工程によって成形された金属プレートを示す部分平面図である。既に説明したように、金属製平板のプレス加工を行なうことによって、図10(a)に示されている形状の金属プレート80が成形される。すなわち、一度のプレス加工によって、平面状の金属製平板が外周83に沿って打ち抜かれ、右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94が形成される。このとき同時に、凹面部95と凸条22,23及び凹条24,25(図7参照)や凹部98が形成される。
【0056】
図10(b)は、折り曲げ工程によって加工された金属プレートを示す部分平面図である。次に、金属プレート80が折り曲げられて第1プレート801と第2プレート802が重ね併せられた状態が示されている。ただし、図10(b)に示されている状態では、金属プレート80の周縁部84は未だ接合されていない。折り曲げ工程では、このように、折り曲げられただけでまだ接合されていない金属プレート80が多数形成される。
【0057】
図10(c)は、第1接合工程によって周縁部が接合された扁平管を示す断面図である。重ね合わせられた第1プレート801と第2プレート802の周縁部84がロウ付又は溶接によって接合される。この周縁部84が接合された箇所が第1接合部101である。
【0058】
図10(d)は、第2接合工程によって扁平管同士及び出入口ポートが接合された扁平管及び出入口ポートを示す断面図である。扁平管20同士がロウ付又は溶接によって接合される。また、最上段の扁平管20に出入口ポート34がロウ付又は溶接によって接続される。扁平管20同士が接合される部分、すなわち右側第1開口部91と右側第2開口部93の接合部分及び、左側第1開口部92と左側第2開口部94の接合部分が第2接合部102である。この図10(d)の工程を経て扁平管20の接合体が形成される。
【0059】
図10(e)は、出入口部が形成された扁平管と扁平多穴管及び出入口分配管の接合体の組立工程を説明するための部分斜視図である。図10(d)に示した扁平管の接合工程と並行して、手ロウ付や高周波ロウ付などのロウ付や溶接によって扁平多穴管40と右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52の接合が行なわれ、図10(e)に示されている接合体が準備される。上述の扁平管20の接合体と扁平多穴管40の接合体が組み合わされて組立体が形成される。
【0060】
図10(f)は、接合工程で扁平管と扁平多穴管が接合された熱交換器を示す部分斜視図である。図10(e)の組立体、すなわち扁平管20と右側出入口部31と左出入口部32と扁平多穴管40と右側出入口分配管51と左側出入口分配管52とからなる組立体から、例えば、600℃のノコロックロウ付などの一体ロウ付によって、熱交換器10が形成される。
【0061】
(4−3)出入口部の構造
ここで、右側出入口部31及び左側出入口部32の接合部分の周辺の構造について説明する。図11には、右側出入口部31の周辺の構造が示されている。左側出入口部32の周辺の構造は右側出入口部31と同じであるため説明を省略する。図11において、扁平管20a,20bが互いに隣接する一方の扁平管と他方の扁平管である。扁平管20a,20bの流路21を構成する金属壁(金属プレート80)と扁平多穴管40とが接触している状態で、扁平管20aの右側第1開口部91と扁平管20bの右側第2開口部93とが接触する。このように、扁平管20a,20bの間に扁平多穴管40aが挟み込まれた状態で右側第1開口部91と右側第2開口部93で接触する構成とするために、プレス加工の際に、右側第1開口部91や右側第2開口部93の周囲だけさらに深い凹部98が形成されている。
【0062】
扁平管20b,20cについても、扁平管20a,20bの場合と同様に、扁平管20b(一方の扁平管)の右側第1開口部91と扁平管20c(他方の扁平管)の右側第2開口部93が接合され、扁平管20b,20cの隙間に扁平多穴管40bが挟み込まれる。
【0063】
図11に示されている扁平管20a,20b,20cは、アルミニウムなどのロウ付が容易な金属を母材としている。そのため、扁平管20a,20b,20cを形成する金属プレート80の表面同士や裏面同士などいずれの面を合わせても接合することができる。
【0064】
(5)特徴
(5−1)
図11などに示されているように、上述の熱交換器10においては、扁平管20と扁平多穴管40とが交互に積層されている。扁平管20の1つの流路21(第1流路)に圧力の低い水(第1流体)が流れ、扁平多穴管40の流路41(第2流路)には高圧のCO2(第2流体)が流れている。このように扁平多穴管40に高圧流体が流れ、扁平管20に低圧流体が流れる構成としていることで、扁平多穴管40の流路41を複数にして細く形成することができ、この熱交換器10を、高圧流体と低圧流体の熱交換に適したものとすることができる。
【0065】
例えば、互いに隣接する扁平管20a(一方の扁平管)の右側第1開口部91(第1開口部)と扁平管20b(他方の扁平管)の右側第2開口部93(第2開口部)とが直接ロウ付される。そのため、右側第1開口部91と右側第2開口部93との接続に別部材を必要とせず、互いに隣接する扁平管20の配置間隔が小さくなり、扁平管20と扁平多穴管40の積層方向の熱交換器10の寸法を小さくすることができる。この点については、左側第1開口部92と左側第2開口部94の接合に関しても同様である。
【0066】
(5−2)
図11に示されているように、扁平多穴管40a,40bは、例えば、互いに隣接する扁平管20aと扁平管20bとの間や扁平管20bと扁平管20cとの間に配置されている。そして、扁平管20a,20b,20cは、扁平多穴管40a,40bとは別部材の金属プレート80から形成されている。そのため、例えば、扁平管20a,20b,20cのいずれかに腐食などによって穴が開いて水漏れがしても、漏れた水は扁平多穴管40a,40bを通過して流路41にまで達することができず、水とCO2とが混じることが防止される。また、扁平管20a,20b,20cのような金属板のプレス加工で簡単に流路21や右側第1開口部91や右側第2開口部93を形成することができるので、安価に熱交換器10を提供できる。
【0067】
(5−3)
図9に示されている凹条24(凹溝)は、上面視において扁平多穴管40よりも外側にはみ出している。つまり、扁平多穴管40と扁平管20とが接合される接触領域よりもはみ出す長さを凹条24(凹溝)が有しているということである。そのため、扁平管20に穴が開いた場合に、水がこの凹条24を伝って熱交換器10の外観上の見える部分に導かれる。この熱交換器10の外観に現れた水によって扁平管20に穴が開いたことを検知できる。それにより、水漏れが内部で進行して、扁平多穴管40に腐食を生じるなどの不具合の発生を防止し易くなる。図9においては、熱交換器10を上から見ているため、底面側に配置される凹条25(凹溝)は見えないが、底面側に配置される凹条25についても、上述の凹条24と同様の効果を奏する。
【0068】
なお、上記実施形態では、扁平管20に凹条24,25を形成する場合について説明したが、扁平多穴管40の外表面に凹溝を形成してもよい。例えば、扁平多穴管40の外表面の一部をエンドミルで削り取るなどの機械加工によって、扁平多穴管40の外表面に凹溝を形成することができる。上述の凹条24,25はプレス加工によって形成されているので安価に製造できるが、形成方法はプレス加工に限られるものではなく、切削などの機械加工やエッチングなどの化学加工を用いることもできる。
【0069】
(5−4)
図8に示されているように、扁平管20の流路21に凸条22,23(凸部)が形成されるため、流路21を流れる水が、これら凸条22,23によって生じる乱流でかき混ぜられる。そのため、流路21を流れる水に層流が生じて、水と扁平管20との間の熱の伝達効率が悪くなるのを防止することができる。
【0070】
図8では、凸条22,23(凸部)によって乱流を発生させる場合について説明したが、凹条(凹部)を設けても乱流を発生させることができ、同様の効果を期待できる。また、凸部や凹部は、凸条22,23のように長く繋がっていなくてもよく、例えばディンプルのような形状であってもよい。
【0071】
(5−5)
扁平多穴管40は、アルミニウムで形成されており、引き抜き加工や押し出し加工によって細い流路41を多数形成できる。そのため、扁平多穴管40を高圧流体に適した形状に加工することが容易である。一方、扁平管20がステンレス又は銅合金で形成される場合には、水などの腐食性のある低圧流体に対して適した扁平管を提供できる。また、ステンレスや銅合金は熱伝導性が良いので、水とCO2の熱交換の高効率化を図ることができる。
【0072】
(6)変形例
(6−1)
上記実施形態では、図9に示されているように、右側出入口部31と左側出入口部32(出入口部30)が扁平多穴管40の脇に配置される場合について説明した。しかし、出入口部30が配置される位置は、扁平多穴管40の脇には限られない。例えば、図12に示されている熱交換器10Aように、右側出入口部31Aと左側出入口部32Aを扁平管20Aの両端部に配置するとともに出入口分配管50Aが扁平管20Aの脇に配置されるように構成されてもよい。
【0073】
(6−2)
水を冷媒とするため、母材に耐食性に優れたステンレスや銅合金を用いる場合にはロウ付が難しくなる。そこで、図13に示されているように、ステンレス又は銅合金の扁平管20a,20b,20cの外側にフィラー材140としてアルミニウムがクラッドされる。母材にステンレスや銅合金などの接合が難しい材料を用いた場合でも、外側のフィラー材140が溶融して接合される。このような接合を行なうため、図13の第1接合部101では、フィラー材140同士が接触するように折り曲げられている。
【0074】
(6−3)
変形例5−2と同様に母材にステンレスや銅合金を用いる場合に、図6の金属プレート80の周縁部84にフィラー材をクラッドするように構成することもできる。つまり、図8のように折り曲げたときに第1プレート801と第2プレート802の周縁部84同士が接触する面にフィラー材がクラッドされる。母材にステンレスや銅合金などを用いた場合にフィラー材がクラッドされている部分を接合面にもってくると、上述の図13の第1接合部101ように、金属プレート80を曲げる工程を省くことができる。
【0075】
(6−4)
ステンレスや銅合金を扁平管20a,20b,20cの母材として用い、シート状またはペースト状のロウ材及びフラックス塗布により、第2接合部、第3接合部及び第4接合部を接合するようにしてもよい。
【0076】
(6−5)
図13の第3接合部103、すなわちアルミニウム製の扁平多穴管40,40bに接触する領域にもアルミニウムのフィラー材140がクラッドされている。このように、フィラー材140によって交互に積層される扁平管20a,20b,20cと扁平多穴管40a,40bとの接合が行なわれると、扁平管20a,20b,20cと扁平多穴管40a,40bの密着性を向上させることができる。それにより、扁平管20a,20b,20cと扁平多穴管40a,40bの間の熱伝導抵抗を低減することができる。
【0077】
(6−6)
上記実施形態においては、扁平管20と扁平多穴管40が幅広の面を接触させて交互に積層され縦に積み上げられる態様として、図5に示されているように、一つの扁平管20と一つの扁平多穴管40が交互に積層される場合が説明されている。しかし、扁平管20と扁平多穴管40が交互に積層される態様はこれだけには限られず、例えば、図14や図15に示されている態様も含まれる。
【0078】
図14に示されている熱交換器10Bは、一つの扁平管20Bに対して積層された2つの扁平多穴管40が交互に縦に積層された構造を有している。ただし、最上段と最下段に配置される扁平多穴管40は1層である。このように配置されることにより、一つの扁平管20Bの中の水がそれを挟む二つの扁平多穴管40に流れるCO2によって加熱されるので、水を加熱することに関して熱交換器10Bは熱交換器10よりも高い能力を有している。なお、この扁平管20Bは、互いに隣接する扁平管20B同士の間に扁平多穴管40の2個分に相当する間隔を形成するため、扁平管20の右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94が形成される凹部98がさらに深くなっている。
【0079】
また、図15に示されているように、一つの扁平管20Cを二つの扁平多穴管が挟むように積層されている積層体P1を一組として、この扁平管20Cと扁平多穴管40の積層体P1を多数組み横に並べてもよい。図15には、3組しか示されていないが、2組であってもよく、また4組以上であってもよい。このように、横に並べるには、例えば、図16(a)及び図16(b)に示されている金属プレート80d,80eを用いて構成することができる。図16(a)の金属プレート80dは、図6の第1プレート801に相当するものであるが、右側第1膨出部86、左側第1膨出部87、右側第2膨出部88及び左側第2膨出部89を備えている。そして、右側第1膨出部86、左側第1膨出部87、右側第2膨出部88及び左側第2膨出部89に、それぞれ右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94が形成されている。このような金属プレート80dは、図17(a)に示されるように、凹面部95が上下に交互に向くように並べられる。図17(a)においては、左端と右端の金属プレート80dの凹面部95が上を向いており、中央の金属プレート80dの凹面部95が下を向いている。図17(a)では、3枚の金属プレート80dの右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94を嵌め合わせる。そして、図17(b)に示されているように金属プレート80eを被せてロウ付する。図17(b)のように平面的に並んだ扁平管20の上下に、図15に示されているように扁平多穴管40が積層される。扁平多穴管40と扁平管20との接合も、金属プレート80d,80eのロウ付と同時に行ってもよい。
【0080】
(6−7)
図18は、熱交換器の他の製造工程の概略を示す工程図である。図18(a)は、プレス加工によって形成された金属プレートを示す平面図である。図18(b)は、折り曲げ工程で形成された金属プレートの部分平面図である。図18(c)は扁平多穴管と出入口分配管の組立工程を説明するための部分斜視図である。図18(d)は、一体ロウ付された扁平管と扁平多穴管と出入口分配管を示す部分斜視図である。
【0081】
図18(a)及び図18(b)に示されている工程は、図10(a)及び図10(b)について説明した工程と同じであるので説明を省略する。
【0082】
図18(b)の工程と並行して、図18(c)に示されている扁平多穴管40と右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52の組み立てが行なわれる。扁平多穴管40の外形に合わせて形成された右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52の複数の開口部(図示省略)に扁平多穴管40が嵌め込まれる。それにより、互いに固定されていない状態で、右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52に複数の扁平多穴管40が嵌め込まれた組立体が形成される。
【0083】
次に、折り曲げられた複数の金属プレート80(図18(b)参照)が、扁平多穴管40と右側出入口分配管51などからなる組立体(図18(c)参照)に載置される。それにより、右側出入口分配管51と左側出入口分配管52と扁平多穴管40と扁平管20からなる最終組立体が形成される。最終組立体は、組み立てられた状態では、各部材同士が結合されているものではない。この最終組立体の各部を炉中に入れて、例えば、600℃のノコロックロウ付などの一体ロウ付により、図18(d)に示されている熱交換器10が形成される。ロウ付によって接合される部分は、第一接合部101(金属プレート80の周縁部84)、第2接合部102(右側出入口部31及び左側出入口部32を構成する互いに隣接する右側第1開口部91と右側第2開口部93及び左側第1開口部92と左側第2開口部94)、第3接合部103(右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52と扁平多穴管40)、並びに第4接合部104(扁平管20と扁平多穴管40とが互いに接触する面)である。
【0084】
<第2実施形態>
(1)熱交換器の構成
上記第1実施形態では、図3に示されているように、扁平管20Dを水が流れる向きは全て左から右で、扁平多穴管40DをCO2が流れる向きは全て右から左である。図3のような構成を持つ熱交換器10Dは、5つの扁平管20Dの流路21の断面積の総和は、単純に一つの扁平管20Dの5倍になる。同様に、扁平多穴管40Dの流路41の断面積の総和も扁平多穴管40Dの数に比例する。そのため、冷媒の流量が多い場合には有利であるが、熱交換が行われる接触部分の長さは扁平管20Dや扁平多穴管40Dの長さにほぼ等しくなる。
【0085】
図19は、第2実施形態に係る熱交換器の構成を模式的に示す概念図である。第2実施形態の熱交換器10Dは、冷媒の流量よりも熱交換のための接触部分を長くしたい場合に有利な構成を持っている。
【0086】
図19に示されている熱交換器10Dは、上から2段目と3段目の扁平管20Dの間の左側出入口部32を塞ぐ仕切部材32a、上から4段目と5段目の扁平管20Dの間の右側出入口部31を塞ぐ仕切部材31a、及び上から6段目と7段目の扁平管20Dの間の左側出入口部31を塞ぐ仕切部材32bを備えている。それにより、水が流れる流路を往復させることができる。具体的には、左側出入口部32の上から水が入り、上から1段目と2段目の扁平管20Dの中を左から右へ流れ、上から3段目と4段目の扁平管20Dの中を右から左へ流れ、上から5段目と6段目の扁平管20Dの中を左から右に流れ、そして、上から7段目と8段目の扁平管20Dの中を右から左に流れて左側出入口部31の下から湯が出る。
【0087】
また、熱交換器10Dは、下から2段目と3段目の扁平多穴管40Dの間の左側出入口分配管52を塞ぐ仕切部材52a、下から4段目と5段目の扁平多穴管40Dの間の右側出入口分配管51を塞ぐ仕切部材51a、及び下から6段目と7段目の扁平多穴管40Dの間の左側出入口分配管52を塞ぐ仕切部材52bを備えている。それにより、CO2が流れる流路を往復させることができる。具体的には、左側出入口分配管52の下からCO2が入り、下から1段目と2段目の扁平多穴管40Dの中を左から右へ流れ、下から3段目と4段目の扁平多穴管40Dの中を右から左へ流れ、下から5段目と6段目の扁平多穴管40Dの中を左から右に流れ、そして、上から7段目と8段目の扁平多穴管40Dの中を右から左に流れて左側出入口分配管52の上から冷やされたCO2が出る。
【0088】
(2)扁平管の配置
扁平管20を平面的に並べる場合、図20(a)、図20(b)、図20(c)及び図20(d)に示されているように、4種類の金属プレート80f,80g,80h,80iを用いて、図21に示されているように並べることもできる。そのためには、まず、金属プレート80fの右側第1開口部91及び左側第1開口部92に、金属プレート80gの右側第2開口部93及び左側第2開口部94を嵌め合わせる。そして、金属プレート80fに金属プレート80hを重ね合わせ、金属プレート80gに金属プレート80iを重ね合わせてロウ付する。それにより、図21に示されている扁平管20Dが形成される。この扁平管20Dの上下に、図15に示されているように扁平多穴管40Dが積層される。図21の熱交換器10Dは、隣接する扁平管20Dを流れる。
【0089】
このように構成する場合には、図21に示されているように、出入口部30Dと扁平多穴管40Dとが平面視において交差する。そのため、図22に示されているように、扁平多穴管40Dが出入口部30Dを避けるように少し曲げられ、出入口分配管50Dに接続される。
【0090】
(3)特徴
左側出入口部32を塞ぐ仕切部材32a,32b及び右側出入口部31を塞ぐ仕切部材31aによって、水は、上から1段目と2段目で右へ流れ、上から3段目と4段目で左へ流れ、上から5段目と6段目で右に流れ、そして、上から7段目と8段目で左に流れて、扁平管20Dを2回往復する。そのため、第1実施形態の熱交換器10Dのように一方向にしか流れない場合に比べて、扁平管20D中を4倍の距離も流れることになり、水の温度をCO2の温度により近づけることができ、熱交換の効率を上げることができる。
【0091】
仕切部材31a,32a,32bは、第1開口部や第2開口部の開口を行なわないことにより、簡単に形成できる。
【0092】
この点は、CO2に関しても同様であり、左側出入口分配管52を塞ぐ仕切部材52a,52b及び右側出入口分配管51を塞ぐ仕切部材51aによって、CO2は、下から1段目と2段目で右へ流れ、下から3段目と4段目で左へ流れ、下から5段目と6段目で右に流れ、そして、下から7段目と8段目で左に流れて、扁平多穴管40Dを2回往復する。そのため、第1実施形態の熱交換器10Dのように一方向にしか流れない場合に比べて、扁平多穴管40D中を4倍の距離も流れることになり、CO2の熱を十分に水に与えることができ、熱交換の効率を上げることができる。
【0093】
(4)変形例
(4−1)
上記実施形態では、仕切部材31a,32a,32bを2つの段の扁平管20D毎に流れの向きが変わるように配置しているが、1段毎に流れの向きが変わるように配置してもよく、或いは3つ以上の段毎に流れの向きが変わるように配置してもよい。仕切部材51a,52a,52bについても同様である。
【0094】
(4−2)
上記実施形態では、左側出入口部32から水が入って左側出入口部32から出るように構成されているが、左側出入口部32から水が入って右側出入口部31から出るように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10 熱交換器
20,20a,20b,20c 扁平管
30,31,32 出入口部
40,40a,40b 扁平多穴管
【先行技術文献】
【特許文献】
【0096】
【特許文献1】特開平10−288480号公報
【特許文献2】特開2002−228370号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧の冷媒と低圧の冷媒との間で熱交換を行わせるための熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からあるヒートポンプ式給湯装置の冷媒回路においては、例えば、CO2と水との間で熱交換を行わせる水熱交換器が利用されている。このような水熱交換器には、プレート型熱交換器や二重管型熱交換器などの幾つかのタイプがある。例えば、特許文献1(特開平10−288480号公報)には、高耐圧かつコンパクトなプレート型熱交換器が記載されている。また、特許文献2(特開2002−228370号公報)には、二重管型熱交換器が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているようなプレート型熱交換器では、CO2などの高圧流体に対応するため、流路内に伝熱プレート同士を接合する箇所を増やさなければならず、高圧流体の流動抵抗が増加するという問題点がある。このような問題を解消しようとすると、流動抵抗を下げるために高圧流体の流路を増やさなければならなくなり、熱交換器が大型化してしまう。また、プレート型熱交換器では、水とCO2の間を隔てる隔壁に水による腐食等によって穴が開いてしまうと、水とCO2などの異なる流体が混合して流体の品質が低下する。また、伝熱プレート間で二相冷媒の偏流が発生するというという問題がある。
【0004】
一方、特許文献2に記載されているように、二重管型熱交換器は、例えば、芯管の周りに螺旋状に熱媒管が巻き付けられた構造を持っている。熱交換後の水温が冷媒温度に近づくように熱交換器効率を高めるためには、熱交換が行われる流路が長い方が好ましいが、二重管型熱交換器の場合には、芯管が長くなると装置内に設置する場合に芯管を曲げる必要が生じる。芯管を曲げる際には、芯管が折れないようにある程度の曲率半径を持たせて曲げることが必要になるため、曲げ部内側や重ね合わせ部に空洞ができ、熱交換器設置占有容積が大きくなる。
【0005】
本発明の課題は、CO2と水との熱交換など、高圧流体と低圧流体の熱交換に対応した軽量コンパクトな熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る熱交換器は、第1流路と第1流路に繋がる第1開口部及び第2開口部とを有する複数の扁平管と、互いに隣接する一方の扁平管の第1開口部と他方の扁平管の第2開口部とが接合されて形成されている第1流体の出入口部と、複数の扁平管と交互に積層され、第1流体よりも高圧の第2流体が流れる複数の第2流路が内部に形成されている複数の扁平多穴管とを備える。
【0007】
第1観点の熱交換器によれば、扁平管同士の第1開口部と第2開口部が直接接合されて出入口部が形成されることで、第1開口部と第2開口部の間に別部材を設ける必要がなく、熱交換器のコンパクト化を図ることができる。また、扁平管の第1開口部や第2開口部で出入口部を形成するので軽量化が図れる。一方、低圧の第1流体が流れる扁平管と高圧の第2流体が流れる扁平多穴管が交互に積層されるため、熱交換器が高圧流体と低圧流体の熱交換に適した構造を持つものにすることができる。
【0008】
本発明の第2観点に係る熱交換器は、第1観点に係る熱交換器において、扁平管は、第1プレート及び第2プレートを重ね合わせて接合して形成され、第1プレート及び第2プレートのうちの少なくとも一方は、第1流路を形成するために第1開口部及び第2開口部の配置位置まで延びている凹面部を有する。
【0009】
第2観点の熱交換器によれば、第1流体と第2流体の流路を第1プレート及び第2プレートからなる扁平管と扁平多穴管という別部材で構成することにより、腐食が発生した際に、第1流体と第2流体との混合を防止することができる。また、第1プレートと第2プレートで出入口部を構成できるので、熱交換器の製造コストを抑制することができる。
【0010】
本発明の第3観点に係る熱交換器は、第1観点又は第2観点の熱交換器において、複数の扁平管及び複数の扁平多穴管のうちの少なくとも一方は、扁平管と扁平多穴管とが互いに接触する接触領域に、接触領域からはみ出す長さの凹溝が形成されている。
【0011】
第3観点の熱交換器によれば、この凹溝により、扁平管に穴が開いたときに第1流体を接触領域の外に誘導することができる。それにより、扁平管に穴が開いたことを発見し易くなる。
【0012】
本発明の第4観点に係る熱交換器は、第1観点から第3観点のいずれかの熱交換器において、複数の扁平管は、第1流路の内部に第1流体の乱流を発生させるための凹部及び凸部のうちの少なくとも一方を有する。
【0013】
第4観点の熱交換器によれば、凹部や凸部で発生する乱流により伝熱が促進される。
【0014】
本発明の第5観点に係る熱交換器は、第1観点から第4観点のいずれかの熱交換器において、複数の扁平多穴管は、複数の扁平管の各間に2つずつ配置されて構成されている。
【0015】
第5観点の熱交換器によれば、一つの扁平管に対して二つの扁平多穴管が接触する勘定になるので、1つの扁平管と熱交換する扁平多穴管を2つに増やすことができる。
【0016】
本発明の第6観点に係る熱交換器は、第1観点から第5観点のいずれかの熱交換器において、複数の扁平多穴管は、上面視において、真直ぐに形成され、出入口部は、複数の扁平多穴管の脇に配置されている。
【0017】
第6観点の熱交換器によれば、扁平多穴管の脇に出入口部がある構造を持つ熱交換器を提供できる。
【0018】
本発明の第7観点に係る熱交換器は、第1観点から第5観点のいずれかの熱交換器において、複数の扁平管は、上面視において、真直ぐに形成され、複数の扁平多穴管の複数の第2流路に第2流体を分配するため複数の扁平多穴管に取り付けられ、扁平管の脇に配置されている出入口分配管をさらに備える。
【0019】
第7観点の熱交換器によれば、扁平管の脇に出入口分配管がある構造を持つ熱交換器を提供できる。
【0020】
本発明の第8観点に係る熱交換器は、第1観点から第7観点のいずれかの熱交換器において、出入口部は、扁平管が隣接する方向の第1流体の流れを遮断する仕切部材を有し、扁平管は、仕切部材より上の層と下の層とで第1流体の流れの向きが変わる。
【0021】
第8観点の熱交換器によれば、仕切部材より上の層と下の層とで第1流体の流れの向きを変えることによって上の層と下の層とを使って第1流体を往復させることができ、第1流体と第2流体との間で熱交換が行われる部分を長くすることができる。
【0022】
本発明の第9観点に係る熱交換器は、第2観点の熱交換器において、第1開口部は、第1プレートの右端部及び左端部に形成されている右側第1開口部及び左側第1開口部を含み、第2開口部は、第2プレートの右端部及び左端部に形成されている右側第2開口部及び左側第2開口部を含み、出入口部は、右側第1開口部と右側第2開口部とが接合されて形成されている右側出入口部及び左側第1開口部と左側第2開口部とが接合されて形成されている左側出入口部を含む。
【0023】
第9観点の熱交換器によれば、第1流体の出口と入口を第1開口部と第2開口部の接合によって形成されている右側出入口部と左側出入口部とで構成できる。
【0024】
本発明の第10観点に係る熱交換器は、第1観点から第9観点のいずれかの熱交換器において、第1流体は、水を含み、第2流体は、二酸化炭素であり、扁平管は、ステンレス又は銅合金で構成され、扁平多穴管は、アルミニウムで構成されている。
【0025】
第10観点の熱交換器によれば、腐食性の高い水に対して、ステンレスや銅合金を用いることで、扁平管に耐腐食性とともに良好な熱伝導性を持たせることができる。一方、扁平多穴管には、加工が容易なアルミニウムを用いることで多数の流路が容易に形成できる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第1観点に係る熱交換器では、水とCO2との熱交換などの低圧の第1流体と高圧の第2流体との熱交換に対応した軽量コンパクトな熱交換器を提供することができる。
【0027】
本発明の第2観点に係る熱交換器では、腐食が発生した際に第1流体と第2流体との混合が防止できる熱交換器の製造コストを抑制することができる。
【0028】
本発明の第3観点に係る熱交換器では、凹溝により扁平管に穴が開いたことを発見し易くなり、腐食性の高い冷媒を使い易くなる。
【0029】
本発明の第4観点に係る熱交換器では、凹部や凸部によって伝熱が促進され、熱交換器効率が向上する。
【0030】
本発明の第5観点に係る熱交換器では、1つの扁平管に対して熱交換する扁平多穴管の数を増やせるので、熱交換の効率を上げることができる。
【0031】
本発明の第6観点に係る熱交換器では、扁平多穴管の脇に出入口部を設けたい場合に対応できる。
【0032】
本発明の第7観点に係る熱交換器では、扁平管の脇に出入口分配管を設けたい場合に対応できる。
【0033】
本発明の第8観点に係る熱交換器では、仕切部材によって熱交換が行われる部分を長くして、熱交換の効率を上げることができる。
【0034】
本発明の第9観点に係る熱交換器では、第1開口部と第2開口部の接合によって第1流体の出口と入口が形成でき、コンパクト化と軽量化が図れる。
【0035】
本発明の第10観点に係る熱交換器では、第2流体に対する耐圧を上げるとともに第1流体と第2流体の熱交換の高効率化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】第1実施形態の熱交換器を含むヒートポンプ式給湯装置の概要を示す回路図。
【図2】冷凍装置の内部構造を模式的に示す断面図である。
【図3】第1実施形態に係る熱交換器の構成の概要を示す概念図。
【図4】熱交換器の外観を示す部分斜視図。
【図5】図4のI−I線断面図。
【図6】熱交換器の一構成部材の金属プレートを示す平面図。
【図7】図6のII−II線断面図。
【図8】図7の金属プレートを折り返した状態を示す断面図。
【図9】熱交換器の平面構成を模式的に示す平面図。
【図10】(a)プレス加工工程を経た金属プレートを示す部分平面図、(b)折り曲げ工程を経た金属プレートを示す部分平面図、(c)第1接合工程を経た扁平管を示す断面図、(d)第2接合工程における扁平管及び出入口ポートを示す断面図、(e)接合体の組立工程を示す部分斜視図、(f)接合後の熱交換器を示す部分斜視図。
【図11】右側出入口部の周辺の構造を示す断面図。
【図12】第1実施形態の熱交換器の平面構成の他の例を模式的に示す平面図。
【図13】第1実施形態の熱交換器の右側出入口部の周辺の他の構造例を示す断面図。
【図14】第1実施形態の熱交換器の積層の他の態様を示す模式的な断面図。
【図15】第1実施形態の熱交換器の積層の他の態様を示す模式的な断面図。
【図16】(a)図15の積層構造に用いられる金属プレートの平面図、(b)図15の積層構造に用いられる金属プレートの平面図。
【図17】図16(a)の金属プレートの配置を示す平面図、(b)扁平管の配置を示す平面図。
【図18】(a)プレス加工工程を経た金属プレートを示す平面図、(b)折り曲げ工程を経た金属プレートの部分平面図、(c)第1接合工程を経た扁平管を示す断面図、(d)扁平多穴管と出入口分配管の組立体を示す部分斜視図、(e)一体ロウ付された熱交換器を示す部分斜視図。
【図19】第2実施形態に係る熱交換器の構成の概要を示す概念図。
【図20】(a)図19の熱交換器に用いられる金属プレートの一例を示す平面図、(b)図20(a)の金属プレートと対をなす金属プレートの平面図、(c)図20(a)の金属プレートと対をなす金属プレートの平面図、(d)図20(b)の金属プレートと対をなす金属プレートの平面図。
【図21】第2実施形態の熱交換器の一構成例を説明するための平面図。
【図22】図22のIII−III線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明にかかる熱交換器の実施形態は、以下に説明する実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。本発明に係る熱交換器は、R410A、R407Cなどのフロン系冷媒から二酸化炭素(CO2)冷媒を含む自然冷媒を対象としているが、以下においては、CO2冷媒を対象とする熱交換器を例に挙げて説明する。
【0038】
<第1実施形態>
(1)ヒートポンプ式給湯装置の構成
図1には、第1実施形態に係る熱交換器を含むヒートポンプ式給湯装置が示されている。ヒートポンプ式給湯装置1は、温水熱源装置である冷凍装置2と、貯湯ユニット3とを備える。
【0039】
冷凍装置2は、冷媒であるCO2を圧縮する圧縮機4と、CO2と水との間で熱交換を行うための熱交換器10と、CO2の減圧手段としての膨張弁5と、外気とCO2との間で熱交換を行うための空気熱交換器6とを有している。圧縮機4と熱交換器10と膨張弁5と空気熱交換器6とが接続されて、CO2の循環する冷媒回路が構成される。また、貯湯ユニット3は、貯湯タンク8と、水循環ポンプ9とを備える。水熱交換器10と貯湯タンク8と水循環ポンプ9とが接続されて、水の循環する水循環回路が構成される。
【0040】
(1−2)冷凍装置
図2には、冷凍装置の内部構造が模式的に示されている。図2において、断熱壁2cの右側区画が機械室2aであり、断熱壁2cの左側区画が送風機室2bである。機械室2aには、圧縮機4や膨張弁5が配置されている。送風機室2bには、モータ(図示省略)によって駆動されるファン7が配置されている。送風機室2bの下方には、断熱壁2dを隔てて熱交換器10が配置されている。熱交換器10内にて、冷媒回路を循環するCO2と、水循環回路を循環する水との間で熱交換が行われる。また、図2において、空気熱交換器6は、送風機室2bの左側と背面側に配置されている。
【0041】
(2)熱交換器の構成の概要
本発明の第1実施形態に係る熱交換器10は、図3乃至図5に示されているように、多数の扁平管20と多数の扁平多穴管40と出入口部30と出入口分配管50とを含んで構成される。図3乃至図5には、5つの扁平管20と4つの扁平多穴管40とが交互に積層されている例が示されている。ただし、これら積層される扁平管20や扁平多穴管40の数は、要求される性能などに応じて適宜選定されるものである。また、この例では、最下段と最上段に扁平管20が配置されているが、扁平多穴管40を最下段や最上段に配置することもできる。なお、図4では、扁平管20の外面の凹凸の記載が省かれている。
【0042】
扁平管20には低圧の水が流れ、扁平多穴管40には高圧によって超臨界状態になっているCO2が流れる。扁平多穴管40には高い耐圧が要求される一方、水が流れる扁平管20には高い耐食性が要求される。そのため、高い耐圧が要求される扁平多穴管40には、多数の細い流路41が設けられている。扁平多穴管40は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅合金、ステンレスなどで形成されている。このような細い多数の流路41を有する扁平多穴管40の形成には、アルミニウム及びアルミニウム合金の引き抜き加工や押し出し加工が好適に用いられ、このような加工を用いると安価に扁平多穴管40を製造することができる。
【0043】
扁平管20の母材には、水の腐食性を考慮して、ステンレスや銅合金を用いることが好ましい。ステンレスの種類としては、例えば、SUS304やSUS316などがある。扁平管20をアルミニウムやアルミニウム合金からつくることもできるが、その場合には、内面に、アルマイト加工や樹脂コーティングなどの防食処理を施すことが好ましい。
【0044】
熱交換器10は、図3に示されているように扁平管20及び扁平多穴管40が水平に配置された状態において、出入口部30として、扁平管20の右端部に配置される右側出入口部31と、左端部に配置される左側出入口部32とを含んでいる。左側出入口部32の端部や図4に示されている右側出入口部31の端部には、配管などと接続される出入口ポート34が設けられる。なお、ここでは、説明を分かり易くするために図3の状態に熱交換器10を置いた場合について説明しているが、この熱交換器10は、必ずしも図3の状態で使用されなければならないものではない。例えば、右側出入口部31を上に配置すると共に左側出入口部32を下に配置して熱交換器10を使用することもできる。
【0045】
扁平管20の側においては、水は、まず、左側出入口部32に入り、5つの扁平管20に分かれてその中を左から右に向かって流れ、右側出入口部31から出る。そして、水は、扁平管20の中を流れる間に扁平多穴管40のCO2から与えられる熱で加熱される。
【0046】
また、熱交換器10には、出入口分配管50として、扁平多穴管40の右端部に配置される右側出入口分配管51と、左端部に配置される左側出入口分配管52とを含んでいる。CO2は、左側出入口分配管52に入り、4つの扁平多穴管40に分かれてその中を左から右に向かって流れ、右側出入口分配管51から出る。そして、CO2は、扁平多穴管40の中を流れる間に扁平管20の水に熱を奪われて冷却される。
【0047】
(3)金属プレートの構造
図6は、扁平管と出入口部を形成するための金属プレートの平面図である。金属プレート80の平面形状が、左右に長い略長方形であって、第1長辺81と第2長辺82の左右の両端部に4つの膨出部が形成されている。金属プレート80は、第1プレート801と第2プレート802が一体に接続されてなる。4つの膨出部は、右側第1膨出部86、左側第1膨出部87、右側第2膨出部88及び左側第2膨出部89である。右側第1膨出部86には右側第1開口部91が形成され、左側第1膨出部87には左側第1開口部92が形成され、右側第2膨出部88には右側第2開口部93が形成され、左側第2膨出部89には左側第2開口部94が形成されている。
【0048】
これら右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94は、円形であって、全て同じ大きさである。また、右側第1開口部91及び左側第1開口部92は、第1長辺81の延長線よりも外側にはみ出して配置され、右側第2開口部93及び左側第2開口部94は、第2長辺82の延長線よりも外側にはみ出して配置されている。ただし、これらの形状は、水漏れし難くするために同じ形状であればよく、円形には限られない。また、配置される位置や大きさは流量や流路に合わせて設定される。
【0049】
図7は図6のI−I線断面図である。図6に示されているように、金属プレート80には、凹面部95がプレス加工によって形成されている。凹面部95は、金属プレート80の外周83に沿って形成されている所定幅の周縁部84の内側の領域を占める。ただし、第1長辺81と第2長辺82との中間に在ってこれらに平行に形成されている中央部85は、凹面ではなく、周縁部84と同じ高さに形成されている。つまり、凹面部95は、中央部85を境に、第1プレート801に形成されている第1凹面部96と第2プレート802に形成されている第2凹面部97とに分かれる。そして、右側第1開口部91及び左側第1開口部92は第1凹面部96に形成され、右側第2開口部93及び左側第2開口部94は第2凹面部97に形成されている。これら右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94は、第1凹面部96及び第2凹面部97の中でもさらに一段深くなった凹部98に配置されている。
【0050】
図8には、図6及び図7に示されている金属プレート80が折り曲げられた後の状態が示されている。図6に示されているように、金属プレート80は、中央部85の中心を通って左右に伸びる直線100で折り曲げられる。図8のように折り曲げられると、第1長辺81と第2長辺82が一致するように周縁部84が重なり、第1プレート801と第2プレート802が合わさる。第1プレート801と第2プレート802が合わさったときの第1凹面部96と第2凹面部97とによって流路21が形成される。そして、この流路21は、右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94まで続いている。金属プレート80が折り曲げられることにより、右側第1開口部91と右側第2開口部93及び左側第1開口部92と左側第2開口部94がそれぞれ対向して配置される。対向して配置されることで、出入口部30が真直ぐに形成される。折り曲げられた金属プレート80において重なっている周縁部84が巻締めやロウ付によってシールされて1本の扁平管20が形成される。
【0051】
また、凹面部95が形成されるプレス加工の際に、第1凹面部96には、第1凹面部96の底面側から周縁部84の側に向かって突出している凸条22が形成される。同様に、プレス加工時に、第2凹面部97の底面側から周縁部84の側に向かって突出している凸条23が形成される。凸条22と凸条23は、図6においては、第1長辺81や第2長辺82に対して同じ角度で傾斜している。そのため、金属プレート80が折り曲げられたときには、平面視において、凸条22と凸条23とが交わるように配置される。これら凸条22,23によって、流路21を水が流れるときに乱流が発生し、水と金属プレート80との間の熱伝達の効率が良くなる。
【0052】
凸条22,23が凹面部95の底面に形成されるため、凹面部95の反対すなわち扁平管20の外面29がへこんで凹条24,25が現れる。これら凹条24,25の機能については後述する。
【0053】
(4)扁平管と扁平多穴管の積層構造
(4−1)熱交換器の平面構造
図9には、熱交換器10の構成が模式的に示されており、平面視において、扁平管20及び扁平多穴管40が真直ぐな形状を有している。図9においては、凹条24の構成を説明するため、図4に示されているにおける最上段の扁平管20の記載が省かれている。右側出入口部31及び左側出入口部32が扁平多穴管40の脇に形成されている。一方、右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52は、扁平多穴管40の両端部に設けられている。そのため、製造時に、扁平多穴管40を真直ぐに成形できるため、扁平多穴管40を曲げる際に応力が作用して扁平多穴管40が破損するなどの不具合が生じ難く、製造が容易にある。
【0054】
扁平管20と扁平多穴管40との接合領域、すなわち図9においては扁平多穴管40の投影部分から凹条24がはみ出している。図9には示されていないが、底面側から見ると、凹条25が扁平管20と扁平多穴管40との接合領域からはみ出す。これら凹条24,25により、腐食などが原因で、扁平管20に亀裂が生じて水漏れが生じたときに凹条24,25を伝って水が接合部分の外に染み出すため、亀裂などによる水漏れを発見できるようになる。
【0055】
(4−2)熱交換器の製造工程
図10は、熱交換器の製造の概略を示す工程図である。図10(a)は、プレス加工工程によって成形された金属プレートを示す部分平面図である。既に説明したように、金属製平板のプレス加工を行なうことによって、図10(a)に示されている形状の金属プレート80が成形される。すなわち、一度のプレス加工によって、平面状の金属製平板が外周83に沿って打ち抜かれ、右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94が形成される。このとき同時に、凹面部95と凸条22,23及び凹条24,25(図7参照)や凹部98が形成される。
【0056】
図10(b)は、折り曲げ工程によって加工された金属プレートを示す部分平面図である。次に、金属プレート80が折り曲げられて第1プレート801と第2プレート802が重ね併せられた状態が示されている。ただし、図10(b)に示されている状態では、金属プレート80の周縁部84は未だ接合されていない。折り曲げ工程では、このように、折り曲げられただけでまだ接合されていない金属プレート80が多数形成される。
【0057】
図10(c)は、第1接合工程によって周縁部が接合された扁平管を示す断面図である。重ね合わせられた第1プレート801と第2プレート802の周縁部84がロウ付又は溶接によって接合される。この周縁部84が接合された箇所が第1接合部101である。
【0058】
図10(d)は、第2接合工程によって扁平管同士及び出入口ポートが接合された扁平管及び出入口ポートを示す断面図である。扁平管20同士がロウ付又は溶接によって接合される。また、最上段の扁平管20に出入口ポート34がロウ付又は溶接によって接続される。扁平管20同士が接合される部分、すなわち右側第1開口部91と右側第2開口部93の接合部分及び、左側第1開口部92と左側第2開口部94の接合部分が第2接合部102である。この図10(d)の工程を経て扁平管20の接合体が形成される。
【0059】
図10(e)は、出入口部が形成された扁平管と扁平多穴管及び出入口分配管の接合体の組立工程を説明するための部分斜視図である。図10(d)に示した扁平管の接合工程と並行して、手ロウ付や高周波ロウ付などのロウ付や溶接によって扁平多穴管40と右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52の接合が行なわれ、図10(e)に示されている接合体が準備される。上述の扁平管20の接合体と扁平多穴管40の接合体が組み合わされて組立体が形成される。
【0060】
図10(f)は、接合工程で扁平管と扁平多穴管が接合された熱交換器を示す部分斜視図である。図10(e)の組立体、すなわち扁平管20と右側出入口部31と左出入口部32と扁平多穴管40と右側出入口分配管51と左側出入口分配管52とからなる組立体から、例えば、600℃のノコロックロウ付などの一体ロウ付によって、熱交換器10が形成される。
【0061】
(4−3)出入口部の構造
ここで、右側出入口部31及び左側出入口部32の接合部分の周辺の構造について説明する。図11には、右側出入口部31の周辺の構造が示されている。左側出入口部32の周辺の構造は右側出入口部31と同じであるため説明を省略する。図11において、扁平管20a,20bが互いに隣接する一方の扁平管と他方の扁平管である。扁平管20a,20bの流路21を構成する金属壁(金属プレート80)と扁平多穴管40とが接触している状態で、扁平管20aの右側第1開口部91と扁平管20bの右側第2開口部93とが接触する。このように、扁平管20a,20bの間に扁平多穴管40aが挟み込まれた状態で右側第1開口部91と右側第2開口部93で接触する構成とするために、プレス加工の際に、右側第1開口部91や右側第2開口部93の周囲だけさらに深い凹部98が形成されている。
【0062】
扁平管20b,20cについても、扁平管20a,20bの場合と同様に、扁平管20b(一方の扁平管)の右側第1開口部91と扁平管20c(他方の扁平管)の右側第2開口部93が接合され、扁平管20b,20cの隙間に扁平多穴管40bが挟み込まれる。
【0063】
図11に示されている扁平管20a,20b,20cは、アルミニウムなどのロウ付が容易な金属を母材としている。そのため、扁平管20a,20b,20cを形成する金属プレート80の表面同士や裏面同士などいずれの面を合わせても接合することができる。
【0064】
(5)特徴
(5−1)
図11などに示されているように、上述の熱交換器10においては、扁平管20と扁平多穴管40とが交互に積層されている。扁平管20の1つの流路21(第1流路)に圧力の低い水(第1流体)が流れ、扁平多穴管40の流路41(第2流路)には高圧のCO2(第2流体)が流れている。このように扁平多穴管40に高圧流体が流れ、扁平管20に低圧流体が流れる構成としていることで、扁平多穴管40の流路41を複数にして細く形成することができ、この熱交換器10を、高圧流体と低圧流体の熱交換に適したものとすることができる。
【0065】
例えば、互いに隣接する扁平管20a(一方の扁平管)の右側第1開口部91(第1開口部)と扁平管20b(他方の扁平管)の右側第2開口部93(第2開口部)とが直接ロウ付される。そのため、右側第1開口部91と右側第2開口部93との接続に別部材を必要とせず、互いに隣接する扁平管20の配置間隔が小さくなり、扁平管20と扁平多穴管40の積層方向の熱交換器10の寸法を小さくすることができる。この点については、左側第1開口部92と左側第2開口部94の接合に関しても同様である。
【0066】
(5−2)
図11に示されているように、扁平多穴管40a,40bは、例えば、互いに隣接する扁平管20aと扁平管20bとの間や扁平管20bと扁平管20cとの間に配置されている。そして、扁平管20a,20b,20cは、扁平多穴管40a,40bとは別部材の金属プレート80から形成されている。そのため、例えば、扁平管20a,20b,20cのいずれかに腐食などによって穴が開いて水漏れがしても、漏れた水は扁平多穴管40a,40bを通過して流路41にまで達することができず、水とCO2とが混じることが防止される。また、扁平管20a,20b,20cのような金属板のプレス加工で簡単に流路21や右側第1開口部91や右側第2開口部93を形成することができるので、安価に熱交換器10を提供できる。
【0067】
(5−3)
図9に示されている凹条24(凹溝)は、上面視において扁平多穴管40よりも外側にはみ出している。つまり、扁平多穴管40と扁平管20とが接合される接触領域よりもはみ出す長さを凹条24(凹溝)が有しているということである。そのため、扁平管20に穴が開いた場合に、水がこの凹条24を伝って熱交換器10の外観上の見える部分に導かれる。この熱交換器10の外観に現れた水によって扁平管20に穴が開いたことを検知できる。それにより、水漏れが内部で進行して、扁平多穴管40に腐食を生じるなどの不具合の発生を防止し易くなる。図9においては、熱交換器10を上から見ているため、底面側に配置される凹条25(凹溝)は見えないが、底面側に配置される凹条25についても、上述の凹条24と同様の効果を奏する。
【0068】
なお、上記実施形態では、扁平管20に凹条24,25を形成する場合について説明したが、扁平多穴管40の外表面に凹溝を形成してもよい。例えば、扁平多穴管40の外表面の一部をエンドミルで削り取るなどの機械加工によって、扁平多穴管40の外表面に凹溝を形成することができる。上述の凹条24,25はプレス加工によって形成されているので安価に製造できるが、形成方法はプレス加工に限られるものではなく、切削などの機械加工やエッチングなどの化学加工を用いることもできる。
【0069】
(5−4)
図8に示されているように、扁平管20の流路21に凸条22,23(凸部)が形成されるため、流路21を流れる水が、これら凸条22,23によって生じる乱流でかき混ぜられる。そのため、流路21を流れる水に層流が生じて、水と扁平管20との間の熱の伝達効率が悪くなるのを防止することができる。
【0070】
図8では、凸条22,23(凸部)によって乱流を発生させる場合について説明したが、凹条(凹部)を設けても乱流を発生させることができ、同様の効果を期待できる。また、凸部や凹部は、凸条22,23のように長く繋がっていなくてもよく、例えばディンプルのような形状であってもよい。
【0071】
(5−5)
扁平多穴管40は、アルミニウムで形成されており、引き抜き加工や押し出し加工によって細い流路41を多数形成できる。そのため、扁平多穴管40を高圧流体に適した形状に加工することが容易である。一方、扁平管20がステンレス又は銅合金で形成される場合には、水などの腐食性のある低圧流体に対して適した扁平管を提供できる。また、ステンレスや銅合金は熱伝導性が良いので、水とCO2の熱交換の高効率化を図ることができる。
【0072】
(6)変形例
(6−1)
上記実施形態では、図9に示されているように、右側出入口部31と左側出入口部32(出入口部30)が扁平多穴管40の脇に配置される場合について説明した。しかし、出入口部30が配置される位置は、扁平多穴管40の脇には限られない。例えば、図12に示されている熱交換器10Aように、右側出入口部31Aと左側出入口部32Aを扁平管20Aの両端部に配置するとともに出入口分配管50Aが扁平管20Aの脇に配置されるように構成されてもよい。
【0073】
(6−2)
水を冷媒とするため、母材に耐食性に優れたステンレスや銅合金を用いる場合にはロウ付が難しくなる。そこで、図13に示されているように、ステンレス又は銅合金の扁平管20a,20b,20cの外側にフィラー材140としてアルミニウムがクラッドされる。母材にステンレスや銅合金などの接合が難しい材料を用いた場合でも、外側のフィラー材140が溶融して接合される。このような接合を行なうため、図13の第1接合部101では、フィラー材140同士が接触するように折り曲げられている。
【0074】
(6−3)
変形例5−2と同様に母材にステンレスや銅合金を用いる場合に、図6の金属プレート80の周縁部84にフィラー材をクラッドするように構成することもできる。つまり、図8のように折り曲げたときに第1プレート801と第2プレート802の周縁部84同士が接触する面にフィラー材がクラッドされる。母材にステンレスや銅合金などを用いた場合にフィラー材がクラッドされている部分を接合面にもってくると、上述の図13の第1接合部101ように、金属プレート80を曲げる工程を省くことができる。
【0075】
(6−4)
ステンレスや銅合金を扁平管20a,20b,20cの母材として用い、シート状またはペースト状のロウ材及びフラックス塗布により、第2接合部、第3接合部及び第4接合部を接合するようにしてもよい。
【0076】
(6−5)
図13の第3接合部103、すなわちアルミニウム製の扁平多穴管40,40bに接触する領域にもアルミニウムのフィラー材140がクラッドされている。このように、フィラー材140によって交互に積層される扁平管20a,20b,20cと扁平多穴管40a,40bとの接合が行なわれると、扁平管20a,20b,20cと扁平多穴管40a,40bの密着性を向上させることができる。それにより、扁平管20a,20b,20cと扁平多穴管40a,40bの間の熱伝導抵抗を低減することができる。
【0077】
(6−6)
上記実施形態においては、扁平管20と扁平多穴管40が幅広の面を接触させて交互に積層され縦に積み上げられる態様として、図5に示されているように、一つの扁平管20と一つの扁平多穴管40が交互に積層される場合が説明されている。しかし、扁平管20と扁平多穴管40が交互に積層される態様はこれだけには限られず、例えば、図14や図15に示されている態様も含まれる。
【0078】
図14に示されている熱交換器10Bは、一つの扁平管20Bに対して積層された2つの扁平多穴管40が交互に縦に積層された構造を有している。ただし、最上段と最下段に配置される扁平多穴管40は1層である。このように配置されることにより、一つの扁平管20Bの中の水がそれを挟む二つの扁平多穴管40に流れるCO2によって加熱されるので、水を加熱することに関して熱交換器10Bは熱交換器10よりも高い能力を有している。なお、この扁平管20Bは、互いに隣接する扁平管20B同士の間に扁平多穴管40の2個分に相当する間隔を形成するため、扁平管20の右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94が形成される凹部98がさらに深くなっている。
【0079】
また、図15に示されているように、一つの扁平管20Cを二つの扁平多穴管が挟むように積層されている積層体P1を一組として、この扁平管20Cと扁平多穴管40の積層体P1を多数組み横に並べてもよい。図15には、3組しか示されていないが、2組であってもよく、また4組以上であってもよい。このように、横に並べるには、例えば、図16(a)及び図16(b)に示されている金属プレート80d,80eを用いて構成することができる。図16(a)の金属プレート80dは、図6の第1プレート801に相当するものであるが、右側第1膨出部86、左側第1膨出部87、右側第2膨出部88及び左側第2膨出部89を備えている。そして、右側第1膨出部86、左側第1膨出部87、右側第2膨出部88及び左側第2膨出部89に、それぞれ右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94が形成されている。このような金属プレート80dは、図17(a)に示されるように、凹面部95が上下に交互に向くように並べられる。図17(a)においては、左端と右端の金属プレート80dの凹面部95が上を向いており、中央の金属プレート80dの凹面部95が下を向いている。図17(a)では、3枚の金属プレート80dの右側第1開口部91、左側第1開口部92、右側第2開口部93及び左側第2開口部94を嵌め合わせる。そして、図17(b)に示されているように金属プレート80eを被せてロウ付する。図17(b)のように平面的に並んだ扁平管20の上下に、図15に示されているように扁平多穴管40が積層される。扁平多穴管40と扁平管20との接合も、金属プレート80d,80eのロウ付と同時に行ってもよい。
【0080】
(6−7)
図18は、熱交換器の他の製造工程の概略を示す工程図である。図18(a)は、プレス加工によって形成された金属プレートを示す平面図である。図18(b)は、折り曲げ工程で形成された金属プレートの部分平面図である。図18(c)は扁平多穴管と出入口分配管の組立工程を説明するための部分斜視図である。図18(d)は、一体ロウ付された扁平管と扁平多穴管と出入口分配管を示す部分斜視図である。
【0081】
図18(a)及び図18(b)に示されている工程は、図10(a)及び図10(b)について説明した工程と同じであるので説明を省略する。
【0082】
図18(b)の工程と並行して、図18(c)に示されている扁平多穴管40と右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52の組み立てが行なわれる。扁平多穴管40の外形に合わせて形成された右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52の複数の開口部(図示省略)に扁平多穴管40が嵌め込まれる。それにより、互いに固定されていない状態で、右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52に複数の扁平多穴管40が嵌め込まれた組立体が形成される。
【0083】
次に、折り曲げられた複数の金属プレート80(図18(b)参照)が、扁平多穴管40と右側出入口分配管51などからなる組立体(図18(c)参照)に載置される。それにより、右側出入口分配管51と左側出入口分配管52と扁平多穴管40と扁平管20からなる最終組立体が形成される。最終組立体は、組み立てられた状態では、各部材同士が結合されているものではない。この最終組立体の各部を炉中に入れて、例えば、600℃のノコロックロウ付などの一体ロウ付により、図18(d)に示されている熱交換器10が形成される。ロウ付によって接合される部分は、第一接合部101(金属プレート80の周縁部84)、第2接合部102(右側出入口部31及び左側出入口部32を構成する互いに隣接する右側第1開口部91と右側第2開口部93及び左側第1開口部92と左側第2開口部94)、第3接合部103(右側出入口分配管51及び左側出入口分配管52と扁平多穴管40)、並びに第4接合部104(扁平管20と扁平多穴管40とが互いに接触する面)である。
【0084】
<第2実施形態>
(1)熱交換器の構成
上記第1実施形態では、図3に示されているように、扁平管20Dを水が流れる向きは全て左から右で、扁平多穴管40DをCO2が流れる向きは全て右から左である。図3のような構成を持つ熱交換器10Dは、5つの扁平管20Dの流路21の断面積の総和は、単純に一つの扁平管20Dの5倍になる。同様に、扁平多穴管40Dの流路41の断面積の総和も扁平多穴管40Dの数に比例する。そのため、冷媒の流量が多い場合には有利であるが、熱交換が行われる接触部分の長さは扁平管20Dや扁平多穴管40Dの長さにほぼ等しくなる。
【0085】
図19は、第2実施形態に係る熱交換器の構成を模式的に示す概念図である。第2実施形態の熱交換器10Dは、冷媒の流量よりも熱交換のための接触部分を長くしたい場合に有利な構成を持っている。
【0086】
図19に示されている熱交換器10Dは、上から2段目と3段目の扁平管20Dの間の左側出入口部32を塞ぐ仕切部材32a、上から4段目と5段目の扁平管20Dの間の右側出入口部31を塞ぐ仕切部材31a、及び上から6段目と7段目の扁平管20Dの間の左側出入口部31を塞ぐ仕切部材32bを備えている。それにより、水が流れる流路を往復させることができる。具体的には、左側出入口部32の上から水が入り、上から1段目と2段目の扁平管20Dの中を左から右へ流れ、上から3段目と4段目の扁平管20Dの中を右から左へ流れ、上から5段目と6段目の扁平管20Dの中を左から右に流れ、そして、上から7段目と8段目の扁平管20Dの中を右から左に流れて左側出入口部31の下から湯が出る。
【0087】
また、熱交換器10Dは、下から2段目と3段目の扁平多穴管40Dの間の左側出入口分配管52を塞ぐ仕切部材52a、下から4段目と5段目の扁平多穴管40Dの間の右側出入口分配管51を塞ぐ仕切部材51a、及び下から6段目と7段目の扁平多穴管40Dの間の左側出入口分配管52を塞ぐ仕切部材52bを備えている。それにより、CO2が流れる流路を往復させることができる。具体的には、左側出入口分配管52の下からCO2が入り、下から1段目と2段目の扁平多穴管40Dの中を左から右へ流れ、下から3段目と4段目の扁平多穴管40Dの中を右から左へ流れ、下から5段目と6段目の扁平多穴管40Dの中を左から右に流れ、そして、上から7段目と8段目の扁平多穴管40Dの中を右から左に流れて左側出入口分配管52の上から冷やされたCO2が出る。
【0088】
(2)扁平管の配置
扁平管20を平面的に並べる場合、図20(a)、図20(b)、図20(c)及び図20(d)に示されているように、4種類の金属プレート80f,80g,80h,80iを用いて、図21に示されているように並べることもできる。そのためには、まず、金属プレート80fの右側第1開口部91及び左側第1開口部92に、金属プレート80gの右側第2開口部93及び左側第2開口部94を嵌め合わせる。そして、金属プレート80fに金属プレート80hを重ね合わせ、金属プレート80gに金属プレート80iを重ね合わせてロウ付する。それにより、図21に示されている扁平管20Dが形成される。この扁平管20Dの上下に、図15に示されているように扁平多穴管40Dが積層される。図21の熱交換器10Dは、隣接する扁平管20Dを流れる。
【0089】
このように構成する場合には、図21に示されているように、出入口部30Dと扁平多穴管40Dとが平面視において交差する。そのため、図22に示されているように、扁平多穴管40Dが出入口部30Dを避けるように少し曲げられ、出入口分配管50Dに接続される。
【0090】
(3)特徴
左側出入口部32を塞ぐ仕切部材32a,32b及び右側出入口部31を塞ぐ仕切部材31aによって、水は、上から1段目と2段目で右へ流れ、上から3段目と4段目で左へ流れ、上から5段目と6段目で右に流れ、そして、上から7段目と8段目で左に流れて、扁平管20Dを2回往復する。そのため、第1実施形態の熱交換器10Dのように一方向にしか流れない場合に比べて、扁平管20D中を4倍の距離も流れることになり、水の温度をCO2の温度により近づけることができ、熱交換の効率を上げることができる。
【0091】
仕切部材31a,32a,32bは、第1開口部や第2開口部の開口を行なわないことにより、簡単に形成できる。
【0092】
この点は、CO2に関しても同様であり、左側出入口分配管52を塞ぐ仕切部材52a,52b及び右側出入口分配管51を塞ぐ仕切部材51aによって、CO2は、下から1段目と2段目で右へ流れ、下から3段目と4段目で左へ流れ、下から5段目と6段目で右に流れ、そして、下から7段目と8段目で左に流れて、扁平多穴管40Dを2回往復する。そのため、第1実施形態の熱交換器10Dのように一方向にしか流れない場合に比べて、扁平多穴管40D中を4倍の距離も流れることになり、CO2の熱を十分に水に与えることができ、熱交換の効率を上げることができる。
【0093】
(4)変形例
(4−1)
上記実施形態では、仕切部材31a,32a,32bを2つの段の扁平管20D毎に流れの向きが変わるように配置しているが、1段毎に流れの向きが変わるように配置してもよく、或いは3つ以上の段毎に流れの向きが変わるように配置してもよい。仕切部材51a,52a,52bについても同様である。
【0094】
(4−2)
上記実施形態では、左側出入口部32から水が入って左側出入口部32から出るように構成されているが、左側出入口部32から水が入って右側出入口部31から出るように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0095】
10 熱交換器
20,20a,20b,20c 扁平管
30,31,32 出入口部
40,40a,40b 扁平多穴管
【先行技術文献】
【特許文献】
【0096】
【特許文献1】特開平10−288480号公報
【特許文献2】特開2002−228370号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流路(21)と前記第1流路に繋がる第1開口部(91,92)及び第2開口部(93,94)とを有する複数の扁平管(20,20a,20b,20c)と、
互いに隣接する一方の前記扁平管の前記第1開口部と他方の前記扁平管の前記第2開口部とが接合されて形成されている前記第1流体の出入口部(30,31,32)と、
複数の前記扁平管と交互に積層され、前記第1流体よりも高圧の第2流体が流れる複数の第2流路が内部に形成されている複数の扁平多穴管(40,40a,40b)と、
を備える、熱交換器。
【請求項2】
前記扁平管は、第1プレート(801)及び第2プレート(802)を重ね合わせて接合して形成され、
前記第1プレート及び前記第2プレートのうちの少なくとも一方は、前記第1流路を形成するために前記第1開口部及び前記第2開口部の配置位置まで延びている凹面部(95,96,97)を有する、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
複数の前記扁平管及び複数の前記扁平多穴管のうちの少なくとも一方は、前記扁平管と前記扁平多穴管とが互いに接触する接触領域に、前記接触領域からはみ出す長さの凹溝(24,25)が形成されている、
請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
複数の前記扁平管は、前記第1流路の内部に前記第1流体の乱流を発生させるための凹部及び凸部(22,23)のうちの少なくとも一方を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項5】
複数の前記扁平多穴管は、複数の前記扁平管の各間に2つずつ配置されて構成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項6】
複数の前記扁平多穴管は、上面視において、真直ぐに形成され、
前記出入口部は、複数の前記扁平多穴管の脇に配置されている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項7】
複数の前記扁平管は、上面視において、真直ぐに形成され、
複数の前記扁平多穴管の複数の前記第2流路に前記第2流体を分配するため複数の前記扁平多穴管に取り付けられ、前記扁平管の脇に配置されている出入口分配管をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記出入口部は、前記扁平管が隣接する方向の前記第1流体の流れを遮断する仕切部材を有し、
前記扁平管は、前記仕切部材より上の層と下の層とで前記第1流体の流れの向きが変わる、
請求項1から7のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記第1開口部は、前記第1プレートの右端部及び左端部に形成されている右側第1開口部及(91)び左側第1開口部(92)を含み、
前記第2開口部は、前記第2プレートの右端部及び左端部に形成されている右側第2開口部(93)及び左側第2開口部(94)を含み、
前記出入口部は、前記右側第1開口部と前記右側第2開口部とが接合されて形成されている右側出入口部(31)及び前記左側第1開口部と前記左側第2開口部とが接合されて形成されている左側出入口部(32)を含む、
請求項2に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記第1流体は、水を含み、
前記第2流体は、二酸化炭素であり、
前記扁平管は、ステンレス又は銅合金で構成され、
前記扁平多穴管は、アルミニウムで構成されている、
請求項1から9のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項1】
第1流路(21)と前記第1流路に繋がる第1開口部(91,92)及び第2開口部(93,94)とを有する複数の扁平管(20,20a,20b,20c)と、
互いに隣接する一方の前記扁平管の前記第1開口部と他方の前記扁平管の前記第2開口部とが接合されて形成されている前記第1流体の出入口部(30,31,32)と、
複数の前記扁平管と交互に積層され、前記第1流体よりも高圧の第2流体が流れる複数の第2流路が内部に形成されている複数の扁平多穴管(40,40a,40b)と、
を備える、熱交換器。
【請求項2】
前記扁平管は、第1プレート(801)及び第2プレート(802)を重ね合わせて接合して形成され、
前記第1プレート及び前記第2プレートのうちの少なくとも一方は、前記第1流路を形成するために前記第1開口部及び前記第2開口部の配置位置まで延びている凹面部(95,96,97)を有する、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
複数の前記扁平管及び複数の前記扁平多穴管のうちの少なくとも一方は、前記扁平管と前記扁平多穴管とが互いに接触する接触領域に、前記接触領域からはみ出す長さの凹溝(24,25)が形成されている、
請求項1又は請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
複数の前記扁平管は、前記第1流路の内部に前記第1流体の乱流を発生させるための凹部及び凸部(22,23)のうちの少なくとも一方を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項5】
複数の前記扁平多穴管は、複数の前記扁平管の各間に2つずつ配置されて構成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項6】
複数の前記扁平多穴管は、上面視において、真直ぐに形成され、
前記出入口部は、複数の前記扁平多穴管の脇に配置されている、
請求項1から5のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項7】
複数の前記扁平管は、上面視において、真直ぐに形成され、
複数の前記扁平多穴管の複数の前記第2流路に前記第2流体を分配するため複数の前記扁平多穴管に取り付けられ、前記扁平管の脇に配置されている出入口分配管をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記出入口部は、前記扁平管が隣接する方向の前記第1流体の流れを遮断する仕切部材を有し、
前記扁平管は、前記仕切部材より上の層と下の層とで前記第1流体の流れの向きが変わる、
請求項1から7のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記第1開口部は、前記第1プレートの右端部及び左端部に形成されている右側第1開口部及(91)び左側第1開口部(92)を含み、
前記第2開口部は、前記第2プレートの右端部及び左端部に形成されている右側第2開口部(93)及び左側第2開口部(94)を含み、
前記出入口部は、前記右側第1開口部と前記右側第2開口部とが接合されて形成されている右側出入口部(31)及び前記左側第1開口部と前記左側第2開口部とが接合されて形成されている左側出入口部(32)を含む、
請求項2に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記第1流体は、水を含み、
前記第2流体は、二酸化炭素であり、
前記扁平管は、ステンレス又は銅合金で構成され、
前記扁平多穴管は、アルミニウムで構成されている、
請求項1から9のいずれか一項に記載の熱交換器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−202608(P2012−202608A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67477(P2011−67477)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
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