説明

熱処理プラント

【解決手段】
処理対象であるワークピースまたは媒体を第1の処理温度まで加熱する第1の処理セクションと、ワークピースまたは媒体を均一温度とする温度適応化セクションと、ワークピースまたは媒体を第2の処理温度に遷移させる第2の処理セクションとを備える熱処理プラントであって、温度適応化セクションの少なくとも大部分が、ワークピースまたは媒体が、実質的に自身の熱輻射の再帰反射によって均一温度まで遷移して均一温度を維持するように、ワークピースまたは媒体の熱輻射を反射する反射性材料でライニングされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、さまざまな熱処理のためのプラントに関する。熱処理プラントは、処理対象となるワークピースまたは媒体を第1の処理温度まで加熱する第1の処理セクションと、ワークピースまたは媒体を均一温度とする温度適応化セクションと、ワークピースまたは媒体を第2の処理温度へと遷移させる第2の処理セクションとを備える。
【背景技術】
【0002】
温度適応化セクションを備える加熱炉は、技術史において最古の種類の生産プラントで利用されており、何世紀にもわたって何度もの改修が行われてきた。多くの「古典的な」生産方法、例えば、セラミックス製品およびガラス製品の生産、ならびに、冶金においては、特定の特性、特に、特別な材料構造を与えるべく、高温で製造または処理される製品を、必要であれば再加熱する前に、または、さらに短時間で冷却する前に、所定期間にわたって低温で維持することが重要となる。
【0003】
今までの開発は、生産性を高めること、および、生産対象の製品の特別な品質要件にパラメータを合わせることに重点が置かれることが多かった。しかし、特にここ数十年間においては、エネルギー効率を高めることもまた、プラントおよび方法の開発の理由となっている。
【0004】
温度プロフィールを一定にするだけでなく、一般的な種類の加熱炉の処理後セクションの壁において大きな熱損失が発生するのを避けることによってエネルギー効率を高めるべく、この壁は厚くすることが多い。適切であれば、建設資材として、耐熱性が高く、および/または、熱容量が大きい材料を利用する。このため、建設の際の「熱質量」が大きくなる。このような建設事業は、使用する資材が大量であると同時に費用が高額であるので高コストであり、熱質量が大きいので、制御するには高い時定数が必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上を鑑みて本発明は、上述した種類のプラントを改善して、建設の対コスト効率が高いと共に制御が容易であるプラントを提供すること、および、対応する方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的は、請求項1に記載の特徴を持つプラント、および、請求項11に記載の特徴を持つ方法によって実現される。発明内容の有用な改善点は、従属請求項に記載している。
【0007】
温度適応化セクションを、その上流セクションおよび下流セクションからエネルギー的に分離させることに関して、本発明は基本的に、従来は最優先されていた断熱を放棄して、ワークピースの温度適応化のために、壁から温度適応化セクションの内部への反射を利用する。本発明はさらに、当該セクションの大部分を反射特性が最適化された材料で被覆すること(以下では、ライニングとも呼ぶ)を含む。
【0008】
本明細書では、「ワークピース」とは、任意の固体処理対象物を意味する。つまり、個々の部品だけでなく、例えば、略無限に続くワイヤ状または帯状の材料または化合物材料を意味する。また「媒体」とは特に、ペースト状または液体状の処理対象物を意味するべく用いられ、場合によっては、ガス状の処理対象物、または、自由流動性を持つ処理対象材料を意味するものとする。
【0009】
本明細書で提案する解決方法は、従来の加熱炉構造と比較すると、技術的および経済的に大きな利点を有する。まず、熱質量の大部分を放棄することによってどのような結果が直接的に生じるかを技術的に説明する。熱質量の大部分の放棄は、本明細書で提案する解決方法によって、つまり、温度制御チャンバにおいて温度を高速に制御可能となることによって可能となる。しかし、当業者であれば、上記の利点には問題点も含まれていることを認めるであろう。熱質量が小さくなると、ワークピースまたは外囲環境の温度の変化に対する温度安定性が低下してしまうので、高速制御は、可能なだけではなく、温度安定性に対する要求が高ければ、必要となる。しかし、高速制御は今日においては、高速動作が可能なセンサおよびアクチュエータを備える最新の処理制御システムを以てすれば問題ではなく、コスト面から考えても実現が容易となっている。
【0010】
本明細書では、処理後セクションおよびそれに対応付けられている温度制御チャンバについて「熱的に軽量」な構成を提案しているが、このような構成とすることによって機械的にも軽量な構成となるので、使用原料および建設コストが比較的小さくなる。機械的に軽量な構成とすることによってさらに、組立および分解を短時間で行うことができるという利点も得られ、生産者側では顧客の要望に即座に対応することが出来るようになる。従来の加熱炉の改修には数週間または数ヶ月かかる場合もあるが、本発明に係るプラントの処理後セクションの建設は基本的に、(言うまでもなく、サイズに応じて異なるが)数日間で完了させることが可能である。
【0011】
本明細書で提案するプラントの温度適応化セクションは基本的に、能動型のヒータを省略することができるか、または、好ましい実施形態によると、温度制御チャンバのうち小領域のみに能動型のヒータを設ける。少なくとも、ワークピースからの熱の利用効率が低い処理後セクションおよび温度適応化セクションを備えるプラントと比較すると、建設コストおよび操業コストはさらに削減される。
【0012】
上述したように、本明細書で提案する加熱炉は、ワークピースから処理後セクションまたは外囲環境に熱が供給されることによって生じる温度変化に敏感に反応する。このため、好ましい実施形態によると、温度制御チャンバには、温度を修正するべく低出力制御ヒータが設けられる。当該ヒータの最大出力は、均一温度または均一温度範囲を実現するために必要な加熱出力よりも少なくとも一桁小さい。
【0013】
制御ヒータは、期待される温度変動にのみ対応するような寸法にする必要があるので、実現することによってコスト効率も高くなる。制御ヒータ特有の機能を考えると、各ユーザの要求に応えるためには、高速に反応することと、微調整が可能であることが重要である。この点に関して、上述した能動型のヒータまたは制御ヒータは、実質的に無慣性の温度制御を行うことが好ましい。
【0014】
本発明の思想の有用な改善点によると、さらに、第1および/または第2の処理セクションが、能動型のヒータを持つと共に、内壁の大部分が反射性のシート材料によってライニングされている加熱炉チャンバを有する。具体的には、このような構成によって、少なくとも大部分は反射性のシート材料によって加熱炉チャンバを断熱することができる。任意で、反射性シート材料に沿って流れる冷却ガス流によって断熱を促進する。つまり、温度適応化セクションを建設する上で基本となる「断熱の原則」は、主要処理セクションのうち少なくとも1つ、および、それに対応する加熱炉チャンバについても適応されている。
【0015】
念のため指摘しておくと、任意の空気流またはガス流による冷却を、必要であれば、温度適応化セクションにも利用するとしてよい。このような構成が採用されるのは特に、所定の安全要件に基づき温度適応化セクションの外面の温度を所定の温度制限値よりも低く維持する必要があり、この制限値は壁の反射特性を最適化するだけでは実現不可能な場合である。具体的には、冷却ガス流を生成してライニング材料の裏面に沿って流動させ、ガスが加熱された後は、ワークピース表面上を流動させるガス循環冷却システムを設けるとしてよい。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態によると、第1および/あるいは第2の処理セクションのヒータ、ならびに/または、任意で設けられる温度適応化セクションのヒータは、近赤外線(NIR)輻射ヒータまたは赤外線(IR)輻射ヒータを含む。IRまたはNIR放出器を備える加熱炉は、既に公知の技術であり、関連産業分野で利用されている。特に、そのようなシステムは、本願出願人によって開発および提供されており、本願出願人が出願した先の権利保護を目的とする出願の主題である。このため、上記の種類の加熱素子のより詳しい説明、および、最新熱処理プラントへの組み込みについては、省略する。
【0017】
本発明の一実施形態によると、温度制御チャンバを被覆またはライニングするための上述した材料は、反射性が非常に高いシート状の複合材料であり、シート状の金属基板上に、反射率が97.5%以上のコーティングを備え、当該コーティング上には、透明の酸化物またはガラスから成る耐食性コーティングが設けられている。具体的には、反射性が非常に高いシート状の複合材料を構成する基板は、アルミニウムあるいはアルミニウム合金、または、ステンレススチールまたはセラミックスから形成されるとしてよい。コーティングは実質的に、純度が99.99%以上の非常に高純度のアルミニウムまたは銀から形成されるとしてよい。特に、本明細書で提案している解決方法が超高温処理で利用される場合、温度制御チャンバの外面またはライニングが過熱して変形するのを防ぐべく、一実施形態によると、反射性が非常に高いシート状の複合材料の裏面は、熱輻射を改善することを目的として、暗色、特に黒色とする。
【0018】
本発明の実施形態によると、加熱炉の着脱プロセスに関して実現可能である限りにおいて、温度適応化セクション、および、さらに任意で加熱炉チャンバを、略すべての面において光学的に閉じることによっても利点が得られる。このような構成とすることによって、入力側および/または出力側において係止手段を利用するのが妥当となるとしてよい。このため、着脱用開口の寸法は、最小限に抑えることが好ましい。
【0019】
上記に関連して、温度制御チャンバが、処理対象となるワークピースまたは媒体を通す入口領域および出口領域を持つことがさらに妥当であるとしてよい。入口領域および出口領域には、熱が漏れないように光学濃度手段が設けられるとしてよい。具体的には、光学濃度手段は、少なくとも一部分が反射性材料で被覆されている、入口および/または出口の斜面または曲面を含む。より具体的には、入口および/または出口の斜面には、傾斜角度を調整する調整手段が設けられるとしてよく、入口および/または出口の斜面は、複数の部分に分けられており、それぞれ傾斜角度が異なり、任意で別個に調整可能であるとしてよい。
【0020】
さらに、保温外壁および/または断熱外壁が追加されることなく、供給された熱を反射する反射性材料は基本的に、温度制御チャンバの壁のみを形成していると上述した。このような構成は、例えば、反射性材料、特に反射性が非常に高い複合材料を、温度制御チャンバの所定の外形に応じてシート状または板状に整形して、支持構造上にシート状または板状の高反射性複合材料を懸架または張ることによって実現されるとしてよい。
【0021】
しかし、別の実施形態によると、具体的には支持構造上に搭載されたシート状の反射性材料は、温度制御チャンバの外壁の前方、および/または、加熱炉チャンバの外壁の前方に、所定の距離だけ離間して配設される。本実施形態は、従来の加熱炉構成を本発明を適用して近代化する場合に、または、少なくとも従来の構成原理および部品を利用する場合に、特に有効である。さらに、本実施形態は、各用途特有の事情に応じて「巨大な」外壁が所望される場合に有用である。
【0022】
実用性の高い第1の用途によると、当該熱処理プラントは、ロール状のスチール製品、特にコイルのコーティングに対して熱処理ならびに/または乾燥および硬化処理を行うように構成されている。実用性の高い別の用途によると、当該熱処理プラントは、プラスチック製品またはセラミックス製品のコーティングを熱的に焼き戻し、ならびに/または、乾燥および硬化させるように構成されているという特徴を持つ。
【0023】
本発明の別の重要な実施形態に係る熱処理プラントの利用方法によると、基板上の塗料コーティングを乾燥および硬化させる。最後になるが、言及した例が十分か否かについては指摘することなく、特に加熱炉内を流れていく流体において、ワークピースまたは媒体において熱によって化学反応プロセスを発生または促進することについて説明する。
【0024】
温度適応化セクションで適応化される対象であるワークピース、または、略無限に続く材料のある一点、または、媒体のある一点の滞留時間は、言うまでもなく、第1の処理温度と到達すべき均一温度との関係、輸送速度、熱輻射容量、およびその他の要因に応じて決まる。本発明の有用な実施形態によると、0.5秒から10秒の間であり、特に1秒から5秒の間である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の利点および有用性は、図面と共に、以下に記載する実施形態の説明を参照することによって明らかとなる。図面は以下の通りである。
【図1】本発明の第1の実施形態に係るプラントを示す概略縦断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るプラントを示す概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、熱処理プラント1を示す図である。熱処理プラント1は、スタンド3上に建築されており、外壁5を備える。外壁の上部は、外壁と内壁9との間を流れるガス流7によって冷却される。熱処理プラントの底部5aの上方には、ある距離だけ離れた位置に輸送チャネル11が設けられている。輸送チャネル11内では、処理対象となるバルク材料13が矢印Aで示す方向に輸送される
【0027】
熱処理プラント1は、第1の処理温度PT1の第1の処理セクション1Aと、バルク材料13の温度を均一温度TXとして、所定期間にわたって当該温度を維持する温度適応化セクション1Bと、第2の処理温度PT2として当該温度を維持する第2の処理セクション1Cとを備える。第1の処理セクションには、それぞれに反射体15aが対応付けられている複数のNIRラジエータ15が、上側内壁9の下方に設けられており、バルク材料13の方向に向けて配されている。温度適応化セクションには、面状反射体17が内壁(天井9)の下方に配設されており、第2の処理セクション1Cには、中波長赤外線および長波長赤外線を放出する従来のIRラジエータ19が複数配設されている。
【0028】
温度適応化セクション1Bに設けられている反射体17は、多層構造を持ち、セラミックス製の支持板17a、反射性の高いAgコーティング17b、および、ガラス製の耐食性コーティング17cを有する。反射体は、図示の便宜上、実寸に即して図示されていない。反射体17に加えて、均一温度TXを微調整するべく、温度適応化セクションに2つの低電力NIRラジエータ21を設けている。
【0029】
図2は、複数のワークピースを個別に処理する多段階熱処理プラント101を示す図である。当該熱処理プラントの構造の一部は、図1に示す熱処理プラント1と同様であり、参照番号は図1のものに準じて割り当てられており、共通部分については説明を省略する。
【0030】
図1に示す熱処理プラント1と同様に、熱処理プラント101は、第1の処理温度PT1*の第1の処理セクション101Aと、全体的に均一温度TX*になっているか、または、均一温度TX*に適応化中である温度適応化セクション101Bと、第2の処理温度PT2*の第2の処理セクション101Cとを備える。ワークピース113は、熱処理プラント内を、コンベヤベルト111上で矢印A*で示す方向に運搬され、温度均一化を間に挟む2段階処理が実行される。
【0031】
同様に、第1の処理セクション101Aには、ワークピースの表面を高速に加熱することと、熱処理を実行することとを目的として、それぞれに反射体115aが対応付けられている複数のNIRラジエータ115が設けられている。第2の処理セクション101Cには、スプレーノズル118を有する冷却ゾーンが形成されている。スプレーノズル118は、ワークピース113を第2の処理温度まで冷却するべく、ワークピース113に冷却液を噴射する。
【0032】
熱処理プラント101では、セクション101A、101B、および、101Cはそれぞれ、別個の筐体105A、105B、および、105Cを有する。熱処理プラントでは、底面105aのみが一続きとなっている。中央筐体105Bの内側には、反射性コーティング117が設けられており、第1の処理セクション101Aから運搬されてくるワークピース113の熱輻射の大半を反射して、加熱手段を追加することなく均一温度TX*に適応化させることができる(制御ヒータが設けられていない図1の熱処理プラント1と同様である)。
【0033】
本発明の実施形態は、上述した側面および実施形態に限定されるものではなく、当業者の能力を以てすれば、複数の変形例に想到することが可能である。特に、複数の請求項に記載している特徴を技術的に可能な範囲でさまざまに組み合わせることができ、可能な組み合わせは全て、本発明の保護の範囲内に含まれるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象であるワークピースまたは媒体を第1の処理温度まで加熱する第1の処理セクションと、
前記ワークピースまたは前記媒体を均一温度とする温度適応化セクションと、
前記ワークピースまたは前記媒体を第2の処理温度に遷移させる第2の処理セクションと
を備え、
前記温度適応化セクションの少なくとも大部分が、前記ワークピースまたは前記媒体が、実質的に自身の熱輻射の再帰反射によって前記均一温度まで遷移して前記均一温度を維持するように、前記ワークピースまたは前記媒体の熱輻射を反射する反射性材料でライニングされている熱処理プラント。
【請求項2】
前記温度適応化セクションは実質的に、断熱手段を追加で設けないこと、および、熱容量を持つ材料を利用しないことの少なく一方により実現されており、断熱は主に、前記反射性材料によって実現されている請求項1に記載の熱処理プラント。
【請求項3】
前記反射性材料は、支持構造に搭載されており、前記温度適応化セクションの外壁の前方に、所定距離だけ離間させて配置されている請求項1または請求項2に記載の熱処理プラント。
【請求項4】
前記反射性材料は、アルミニウム製あるいはステンレススチール製のプレート、または、セラミックス製のプレートを含む請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の熱処理プラント。
【請求項5】
前記反射性材料は、反射率が97.5%以上のコーティングをシート状の金属基板またはセラミックス基板の上に設けており、前記コーティングの上には、透明の酸化物またはガラスから形成される耐食性コーティングが設けられている請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の熱処理プラント。
【請求項6】
前記温度適応化セクションのうち小領域にのみ配設される能動型のヒータ、および、温度修正を行うことのみを目的とした低出力制御ヒータの少なくとも一方が配設されている請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の熱処理プラント。
【請求項7】
前記ヒータは、IR輻射ヒータまたはNIR輻射ヒータを含む請求項6に記載の熱処理プラント。
【請求項8】
前記能動型のヒータは、実質的に無慣性の温度制御を行う請求項6または請求項7に記載の熱処理プラント。
【請求項9】
前記温度適応化セクションには入口領域および出口領域が設けられており、前記入口領域および前記出口領域には、熱が漏れないように光学濃度手段が設けられ、前記光学濃度手段は具体的には、前記反射性材料で被覆されている、入口および出口の少なくとも一方の斜面または曲面を含む請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の熱処理プラント。
【請求項10】
前記温度適応化セクションは、ならびに、任意で前記第1の処理セクションおよび前記第2の処理セクションの少なくとも一方は、ガス循環冷却システムを有し、
前記ガス循環冷却システムは、冷却ガス流を生成して、前記温度適応化セクション、ならびに、任意で前記第1の処理セクションおよび前記第2の処理セクションの少なくとも一方の裏面に沿って流動させ、任意で、前記冷却ガスが加熱された後は、前記ワークピースまたは前記媒体の表面上を流動させる請求項1から請求項9のうちいずれか一項に記載の熱処理プラント。
【請求項11】
ワークピースまたは媒体を熱処理する方法であって、
前記ワークピースまたは前記媒体は、第1の処理セクションにおいて第1の処理温度まで加熱され、温度適応化セクションにおいて均一温度にして、第2の処理セクションにおいて第2の処理温度まで遷移させて、さらに前記第2の処理温度で処理され、
前記ワークピースまたは前記媒体を前記均一温度まで遷移させること、および、必要であれば、前記ワークピースまたは前記媒体を前記均一温度に維持することは実質的に、第1の処理セクションと第2の処理セクションとの間に配置されている温度適応化セクションの反射壁に特徴的な輻射の再帰反射のみによって実現される方法。
【請求項12】
プラスチック製品またはセラミックス製品のコーティングを熱的に焼き戻す方法、ならびに乾燥および硬化させる方法の少なくとも一方として実現される請求項11に記載の方法。
【請求項13】
金属基板上のプライマーまたは塗料のコーティングを乾燥および硬化させる方法として実現される請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ワークピースまたは前記媒体において熱によって化学反応プロセスを発生または促進する方法として実現される請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記ワークピースまたは前記媒体は、前記温度適応化セクションに、0.5秒から10秒の期間、特に1秒から5秒の期間にわたって滞留する請求項11から請求項14のうちいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−500377(P2012−500377A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523307(P2011−523307)
【出願日】平成20年8月20日(2008.8.20)
【国際出願番号】PCT/EP2008/006855
【国際公開番号】WO2010/020266
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(511040632)アドフォス イノヴァティブ テクノロジーズ ゲーエムベーハー (1)
【Fターム(参考)】