説明

熱制御フィルム、金属層を有する熱制御フィルム、及びそれらを設けた宇宙飛行体や宇宙機器

【課題】 本発明は、宇宙飛行体の熱制御材として使用される熱制御フィルムにおいて、フィルム表面における太陽光の反射を拡散することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、フィルムの片面又は両面を粗面化処理したことを特徴とする熱制御フィルムである。
さらに本発明は、この粗面化処理をした熱制御フィルムの片面又は両面に金属層又は金属酸化物層を設けたことを特徴とする金属層を有する熱制御フィルムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱制御性能に優れた熱制御フィルム又は金属層を有する熱制御フィルムに関し、人工衛星、スペースシャトル、宇宙ステーションなどの宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナに用いることができる熱制御性能に優れた熱制御フィルム又は金属層を有する熱制御フィルムに関する。
さらに本発明は、本発明の熱制御フィルムを設けた、又は被覆した人工衛星、スペースシャトル、宇宙ステーションなどの宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナなどである。
【背景技術】
【0002】
宇宙航行体用熱制御フィルムは、宇宙航行体や宇宙機器の表面に貼り付けることにより、宇宙飛行体や宇宙機器の内部に太陽光エネルギーなどによる熱の吸収を低く抑え、宇宙飛行体や宇宙機器の内部で発生する熱を宇宙空間に放射させる目的で、種々の熱制御フィルムが提案されている。
【0003】
特許文献1では、ポリエーテルイミド層上に紫外線カット層を設けた熱制御フィルムが開示されている。
特許文献2では、フィルムの表面に金属酸化物と導電性超微粒子との混合物層を形成してなり、表面抵抗率1013Ω/口以下である帯電防止性フィルムが開示されている。
特許文献3では、耐原子状酸素塗膜が、ポリイミドシロキサンおよび熱硬化性樹脂を含有する硬化膜である耐原子状酸素フィルムが開示されている。
しかし、これら紫外線カット層の形成や耐原子状酸素フィルムの表面は平滑である為、太陽光がフィルムにあたった際に、フィルム表面からの太陽光の2次反射が大きく、その2次反射光に対しても考慮した熱設計が必要である。
【0004】
樹脂フィルムとしてポリイミドの表面を粗面化した例としては、特許文献4に「無電解めっき層との密着性を高める加工を施した樹脂フィルムの表面に、無電解めっき層と電解めっき層とをこの順に積層し、無電解めっき層の厚みを1μm以下に形成すると共に電解めっき層の表面を粗化面に形成して成ることを特徴とする金属箔付き樹脂フィルム」が、特許文献5に「有機溶剤可溶性の芳香族ポリイミド、ポリアミド酸及び有機溶剤とを含有してなる混合物を流延し、次いで脱水及び脱溶剤することを特徴とする粗面化ポリイミドフィルムの製造方法」が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開昭63−6504号公報
【特許文献2】特開2004−58562号公報
【特許文献3】特開2003−113264号公報
【特許文献4】特開2005−193400号公報
【特許文献5】特開平7−316290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、宇宙飛行体の熱制御材として使用される熱制御フィルムにおいて、フィルム表面における太陽光の反射を拡散することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、フィルムの片面又は両面を粗面化処理したことを特徴とする熱制御フィルムである。
さらに本発明は、この粗面化処理をした熱制御フィルムの片面又は両面に金属層又は金属酸化物層を設けたことを特徴とする金属層を有する熱制御フィルムである。
【0008】
本発明の好ましい態様を以下に示し、これら態様は複数組み合わせることが出来る。
1)フィルムの片面又は両面を、表面平均粗さRaが0.05〜5μmに粗面化処理したこと。
2)フィルムの表面光沢度が100以下であること。
3)フィルムは、ポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂及びポリエーテルケトンから選ばれる重合体のフィルムであること。
4)熱制御フィルムは、宇宙飛行体或いは宇宙機器用であること。
5)フィルムの片面又は両面の粗面化処理法が、サンドブラスト法であること。
6)熱制御フィルムは、粗面化処理をしたフィルムの片面もしくは両面にアルミニウムやゲルマニウムなどの金属薄膜やSiO、ITOなどの金属酸化物を形成していること。
【0009】
本発明は、粗面化処理した熱制御フィルムであり、その熱制御フィルムを設けた、又は被覆した宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナである。
粗面化処理をしたフィルムを宇宙飛行体や宇宙機器などに使用する場合、外側(太陽光暴露側)に粗面化処理した側を使用しても良いし、粗面化処理していない側を使用しても良い。
【0010】
本発明は、粗面化処理した熱制御フィルム表面に片面もしくは両面に金属層を有する熱制御フィルムであり、その金属層を有する熱制御フィルムを設けた、又は被覆した宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナである。
粗面化処理した熱制御フィルム表面に片面もしくは両面に金属層を有する熱制御フィルムを宇宙飛行体や宇宙機器などに使用する場合、外側(太陽光暴露側)に金属層側を使用しても良いし、金属層側でない表面を使用しても良い。
【0011】
太陽光からの光の反射性、拡散性を重視した場合、好ましくは本発明は、金属層を粗面化処理した面に設けた熱制御フィルムであり、その金属層を粗面化した面に形成した熱制御フィルムを設けた、又は被覆した宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナであり、
上記記載の粗面化処理をした面に金属層を形成した面を宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナと反対側にして設けた、又は被覆したことを特徴とする宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の熱制御フィルムは、少なくとも片面が粗面化処理しているために、太陽光などの熱線の反射性と拡散性に優れ、人工衛星、スペースシャトル、宇宙ステーションなどの宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナに好適に用いることができる。
さらに本発明の熱制御フィルムは、フィルムの少なくとも片面に金属層を設けることにより、太陽光などの熱線の透過性を抑制し、太陽光などの熱線の反射性と拡散性に優れ、人工衛星、スペースシャトル、宇宙ステーションなどの宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナに好適に用いることができる。
特に本発明の熱制御フィルムは、フィルムの粗面化処理している面に金属層を設けることにより、太陽光などの熱線の透過性を抑制し、太陽光などの熱線の反射性と拡散性に特に優れ、人工衛星、スペースシャトル、宇宙ステーションなどの宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナに好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。本発明は、これらの実施の形態のみに限定されるものではない。
【0014】
本発明の熱制御フィルムの一例の断面の一部切り欠きの模式図を図1及び図2に示し、本発明の金属層を有する熱制御フィルムの一例の断面の一部切り欠きの模式図を図3〜図7に示し、従来の熱制御フィルムの一例の断面の一部切り欠きの模式図を、図8に示す。
【0015】
図1は、フィルムの片面(1a)が粗面化処理され、フィルムの片面(1b)が粗面化処理されていない熱制御フィルム1である。
図2は、フィルムの両面(2a)が粗面化処理されている熱制御フィルム2である。
図3は、フィルム1の粗面化処理されていない面(1b)に金属層3が積層され、他方の面が粗面化処理されている金属層を有する熱制御フィルム10である。
図4は、フィルム1の粗面化されている面(1a)に金属層3が積層され、他方の面が粗面化処理されていない金属層を有する熱制御フィルム11である。
図5は、フィルム2の粗面化されている片面(2a)に金属層3が積層され、他方の面が粗面化処理されている金属層を有する熱制御フィルム12である。
図6は、フィルム1の粗面化処理されていない面(1b)及び粗面化処理されている面(1a)の両面に金属層3が積層されている金属層を有する熱制御フィルム13である。
図7は、フィルム2の粗面化されている両面(2a)に金属層3が積層されている金属層を有する熱制御フィルム14である。
図8は、本発明でない両面が粗面化処理されていない熱制御フィルム20である。
【0016】
本発明の熱制御フィルム1は、フィルムの片面の一部又は全部を凹凸状の粗面化処理をしている。
本発明の熱制御フィルム2は、フィルムの両面の一部又は全部を凹凸状の粗面化処理をしている。
熱制御フィルム20は、片面又は両面が粗面化処理を行なわれていない、本発明の熱制御フィルムではない従来の熱制御フィルムである。
【0017】
熱制御フィルム及び金属層を有する熱制御フィルムは、人工衛星、スペースシャトル、宇宙ステーションなどの宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナに用いることができる熱制御性能に優れるフィルムである。
熱制御フィルム(1,2)は、フィルムの片面の一部又は全部、両面の一部又は全部に粗面化処理しているフィルムであり、粗面化処理を行なうことにより、太陽光エネルギーなどの熱線の透過を抑制し、反射性及び拡散性が向上するために、熱制御性能が優れる。
【0018】
本発明の熱制御フィルム、或いは金属層を有する熱制御フィルムは、人工衛星、スペースシャトル、宇宙ステーションなどの宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナなどの表面に設けて、或いは被覆することにより、熱制御することができる。
【0019】
熱制御フィルム(1,2)において、フィルムの粗面化処理の方法としては、公知の粗面化処理の方法を用いることができ、例えば(a)サンドブラスト法、(b)フィルム表面に凹凸状の表面を有するロールを押し付けてフィルム表面を粗面化する方法、(c)フィルム表面に、フィラー混入塗料を行うことによって粗面化する方法、(d)溶融樹脂又は樹脂の溶解溶液を凹凸状の表面を有するロールやベルトなどの支持体状に流延し、乾燥、必要に応じて熱処理を行なう方法などの物理的方法や化学的侵食法などにより行なうことができる。
熱制御フィルム(1,2)の粗面化処理の方法としては、サンドブラスト法が簡便に行うことができ、さらに表面粗さや光沢度などを制御しやすいために好ましい。
【0020】
熱制御フィルム(1,2)において、フィルム表面の粗面化(凹凸)の程度としては、本発明の目的に合わせて適宜選択すればよいが、表面平均粗さRaが好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.06〜2μm、より好ましくは0.08〜0.8μm、特に好ましくは0.1〜0.5μm、に粗面化処理することが好ましい。
熱制御フィルム(1,2)において、フィルム表面の光沢度としては、本発明の目的に合わせて適宜選択すればよいが、フィルムの表面光沢度が好ましくは100以下、さらに好ましくは30以下、より好ましくは25以下、特に好ましくは20以下であることが好ましい。熱制御フィルムの表面光沢度の下限値としては、好ましくは別段設ける必要は無いが、好ましくは測定限値の最下限であればよく、さらに好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上であればよい。
【0021】
上記粗面化した熱制御フィルム(1,2)の粗面化した面に金属層を形成した熱制御フィルム(図4、図5、図6、図7)おいて、金属層と形成された粗面化表面の表面平均粗さRaが好ましくは0.05〜5μm、さらに好ましくは0.06〜2μm、より好ましくは0.08〜0.8μm、特に好ましくは0.1〜0.5μm、であり、
フィルムの表面光沢度が好ましくは100以下、さらに好ましくは90以下であることが、好ましく、熱制御フィルムの表面光沢度の下限値としては、好ましくは別段設ける必要は無いが、好ましくは測定限値の最下限であればよく、さらに好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上であればよい。
【0022】
熱制御フィルム(1,2)に用いる樹脂フィルムとしては、折り曲げ可能で物理的な力により比較的容易に変形し、耐熱性を有し、太陽光に耐久性を有するフレキシブルなプラスチック製フィルムを用いることができ、樹脂として具体的には、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、フッ素樹脂、ポリエーテルケトンなどを挙げる事ができる。
特に熱制御フィルム(1,2)に用いる樹脂としては、ポリイミド、特に芳香族ポリイミドが耐熱性に優れるために好ましく、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物を酸成分として含み、p−フェニレンジアミン及び4,4−ジアミノジフェニルエーテルから選ばれる成分を含むジアミン成分とから得られるポリイミドが特に好ましく、(東レ・デュポン社:商品名カプトンH、カプトンE、カプトンEN、カプトンVなど)、(鐘淵化学工業社:商品名アピカル他)、(宇部興産社製:商品名ユ−ピレックス−R、ユ−ピレックス−S)などを挙げることができる。
【0023】
熱制御フィルム(1,2)に用いる樹脂フィルムとしては、フィルム厚さは特に限定されないが、3〜250μm程度が好ましく、より好ましくは5〜150μm程度、特に好ましくは7〜50μm程度である。
熱制御フィルム(1,2)に金属層を形成する場合は金属膜形成前に、フィルム表面にプラズマ放電処理、コロナ放電処理などの放電処理、フィルムの溶剤耐性を利用する溶液による表面処理などを施されているものを用いることができる。
【0024】
金属層を有する熱制御フィルムにおいて、金属層3は、アルミニウム、ゲルマニウム、金、銀、銅など金属、或いはSiO、ITO、Alなど金属酸化物などの金属薄膜であり、金属層3の厚みは、本発明の目的に合わせて適宜選択すればよいが、金属層3の厚みが好ましくは0.01〜1μm、さらに好ましくは0.02〜0.8μm、より好ましくは0.04〜0.5μmすることが、耐屈曲性や軽量化のために好ましい。
【0025】
フィルム表面に金属層3を設ける方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、(a)金属箔を直接或いは接着剤を介して積層させる方法、(b)無電解めっき、電解めっきなどの金属めっき法、(c)真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、電子ビームなどのメタライジング法、などを挙げる事ができる。
【0026】
熱制御フィルム(1,2)及び金属層を有する熱制御フィルム(10,11,12,13,14)の片面又は両面に、帯電防止層、紫外線カット層などを設けることができる。
【0027】
本発明の熱制御フィルムは、本発明の目的に合わせて、本発明の熱制御フィルムのいずれかを複数枚重ね合わせて用いることができる。
【0028】
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明する。但し、本発明は下記実施例により制限されるものでない。
【0029】
・サンドブラスト処理を行った熱制御フィルムの表面平均粗さ:表面平均粗さRaは菱化システム製Micromapを用い光学微分干渉法により測定した。また、表面光沢度:グロスは、JIS・Z−8741により、60度における粗面化処理した側の面の光沢度を測定した。
【0030】
(実施例1〜3、比較例1)
熱制御用ベースフィルムとして25μm厚のユーピレックス−Sフィルム(宇部興産製ポリイミドフィルム)の片面にサンドブラスト処理の強さ3条件にて加工、粗面化し、表面粗さの異なる3種類の粗面化処理したポリイミドフィルムを作成し、これらの表面粗さRa及び光沢度を測定し、得られた結果を第1表に示す。(図1、熱制御フィルム1の形態)
また比較例として、粗面化処理していない25μm厚のユーピレックス−Sフィルムの表面粗さRa及び光沢度を測定し、得られた結果を第1表に示す。(図8、熱制御フィルム20の形態)
【0031】
【表1】

【0032】
(実施例4〜6、比較例2)
実施例1〜3で作成した3種類の粗面化処理ポリイミドフィルムの粗面化した側と反対面に、スパッタリング法を用いて、膜厚100nmのアルミニウム薄膜を形成した。(図3、金属膜付熱制御フィルム10)
また比較例として粗面化処理していない25μm厚のユーピレックス−Sフィルムの片面に、スパッタリング法を用いて、膜厚100nmのアルミニウム薄膜を形成した。
アルミニウム未形成側(粗面化側)から表面粗さRa及び光沢度を測定し、得られた結果を第2表に示す。
【0033】
【表2】

【0034】
(実施例7〜9、比較例3)
実施例1〜3で作成した3種類の粗面化処理ポリイミドフィルムの粗面化した側に、スパッタリング法を用いて、膜厚100nmのアルミニウム薄膜を形成した。(図4、金属膜つき熱制御フィルム11)
また、比較例1で用いたサンドブラスト加工を行わない平滑なフィルム片面に、スパッタリング法を用いて、膜厚100nmのアルミニウム薄膜を形成した。
アルミニウム形成面側から表面粗さRa及び光沢度を測定し、得られた結果を第3表に示す。
【0035】
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一例を示す熱制御フィルムの断面図を模式的に示すものである。
【図2】本発明の一例を示す熱制御フィルムの断面図を模式的に示すものである。
【図3】本発明の一例を示す金属層を有する熱制御フィルムの断面図を模式的に示すものである。
【図4】本発明の一例を示す金属層を有する熱制御フィルムの断面図を模式的に示すものである。
【図5】本発明の一例を示す金属層を有する熱制御フィルムの断面図を模式的に示すものである。
【図6】本発明の一例を示す金属層を有する熱制御フィルムの断面図を模式的に示すものである。
【図7】本発明の一例を示す金属層を有する熱制御フィルムの断面図を模式的に示すものである。
【図8】本発明とは異なる粗面化処理されていない熱制御フィルムの断面図を模式的に示すものである。
【符号の説明】
【0037】
1:片面を粗面化処理している熱制御フィルム、
1a:熱制御フィルム1の粗面化処理されている面、
1b:熱制御フィルム1の粗面化処理されていない面、
2:両面を粗面化処理している熱制御フィルム、
2a:熱制御フィルム2の粗面化処理されている面、
3:金属層、
10,11,12,13,14:金属層を有する熱制御フィルム。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムの片面又は両面を粗面化処理したことを特徴とする熱制御フィルム。
【請求項2】
フィルムの片面又は両面をサンドプラスト法により粗面化処理したことを特徴とする熱制御フィルム。
【請求項3】
熱制御フィルムが宇宙飛行体或いは宇宙機器用であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱制御フィルム。
【請求項4】
フィルムは、ポリイミド、ポリエステル、フッ素樹脂及びポリエーテルケトンから選ばれる重合体のフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱制御フィルム。
【請求項5】
フィルムの片面又は両面を、表面平均粗さRaが0.05〜5μmに粗面化処理したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱制御フィルム。
【請求項6】
フィルムの表面光沢度が100以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱制御フィルム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱制御フィルムの片面又は両面に、金属層又は金属酸化物層を設けたことを特徴とする金属層を有する熱制御フィルム。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱制御フィルムの片面又は両面に、アルミニウム層を設けたことを特徴とする金属層を有する熱制御フィルム。
【請求項9】
粗面化処理した熱制御フィルムを設けた宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナであり、
粗面化処理した熱制御フィルムが請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱制御フィルムであり、
粗面化処理した側を宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナと反対側にして設けたことを特徴とする宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナ。
【請求項10】
粗面化処理した金属層を有する熱制御フィルムを設けた宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナであり、
金属層を有する熱制御フィルムが請求項7又は請求項8に記載の熱制御フィルムであり、
金属層を有する層を宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナと反対側にして設けたことを特徴とする宇宙飛行体や宇宙機器、それらの宇宙飛行体や宇宙機器に搭載される太陽電池パドルや開口面型アンテナ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−253399(P2007−253399A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79081(P2006−79081)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(000000206)宇部興産株式会社 (2,022)
【Fターム(参考)】