説明

熱可塑性樹脂管更生工法、及びドラム搬送用台車

【課題】 本発明は、施工開始地点として選択された立坑が狭小道路に存する場合にあっても、好適に既設管を更生することができる新規な熱可塑性樹脂管更生工法、及びこの熱可塑性樹脂管更生工法に用いられるドラム搬送用台車を提供することを目的とする。
【解決手段】 熱可塑性樹脂管更生工法において、熱可塑性樹脂管100が巻き回された巻取りドラム12を、施工開始地点まで搬送するにあたり、車幅700〜1600mmのドラム搬送用台車1を用い、前記巻取りドラム12を積載した前記ドラム搬送用台車1を、前記施工開始地点に通じる道路を介して、前記施工開始地点まで走行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業用水管、下水道管、上水道管、ガス管などの既設管の内壁面を、熱可塑性樹脂管にて被覆して更生する熱可塑性樹脂管更生工法、及びこの熱可塑性樹脂管更生工法に用いられるドラム搬送用台車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、農業用水管、下水道管、上水道管、ガス管などの既設管が老朽化し、ひび割れや腐食などが生じた場合の対策として、前記既設管の管路内に扁平加工された熱可塑性樹脂管を挿入した後、前記熱可塑性樹脂管に対して加熱処理を施すことによって、前記熱可塑性樹脂管の外周面を前記既設管の内壁面に密着させ、もって、前記既設管の内壁面を前記熱可塑性樹脂管にて被覆する熱可塑性樹脂管更生工法が行われている(例えば、下記特許文献1〜3参照)。この「熱可塑性樹脂管更生工法」は、扁平加工された前記熱可塑性樹脂管の断面形状(ギリシャ文字のオメガに類似する形状)にちなんで「オメガライナー工法」とも称されている。
【0003】
この熱可塑性樹脂管更生工法を実行するにあたっては、工場内にて扁平加工された前記熱可塑性樹脂管を巻取りドラムに巻き回し、係る巻取りドラムをトラックなどの貨物自動車の荷台に積載して施工開始地点が存する道路まで陸上輸送し、係る地点にて前記巻取りドラムに巻き回された前記熱可塑性樹脂管を引き出し、一次側立坑を通じて既設管の管路内に前記熱可塑性樹脂管を挿入した後、加熱処理を施していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63‐285395号公報
【特許文献2】特開平1‐204725号公報
【特許文献3】特開2004‐239403号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この熱可塑性樹脂管更生工法は、主として管径が比較的小さい既設管に対して行われるものであるが、この種の管径が比較的小さい既設管が埋設されている道路は、道路幅員2500mm以下の狭小道路が多いため、係る狭小道路に存する一次側立坑まで貨物自動車を進入させることが物理的に困難であった。
【0006】
この場合、前記狭小道路の近辺に存する道路幅員2500mmを超える道路に貨物自動車を停車させ、係る停車位置において、前記巻取りドラムから前記熱可塑性樹脂管を引き出し、前記施工開始地点まで引っ張って、前記施工開始地点に存する一次側立坑を通じて前記既設管に挿入するという手段を採ることが考えられる。
【0007】
しかしながら、例えば、冬季や寒冷地において、前記巻取りドラムから前記熱可塑性樹脂管を引き出すためには、前記巻取りドラムに巻き回された前記熱可塑性樹脂管を予備的に加熱することによって軟化させる必要がある場合があり、前記貨物自動車を停車させた道路から、前記一次側立坑までの距離に隔たりがあると、前記熱可塑性樹脂管を前記一次側立坑まで引っ張って行く際に、前記熱可塑性樹脂管が冷えて可撓性を喪失し、前記既設管への前記熱可塑性樹脂管の挿入が困難となる。
【0008】
本発明は、前記技術的課題を解決するために開発されたものであり、施工開始地点が狭小道路に存する場合にあっても、好適に既設管を更生することができる新規な熱可塑性樹脂管更生工法、及びこの熱可塑性樹脂管更生工法に用いられるドラム搬送用台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の熱可塑性樹脂管更生工法は、施工開始地点に存する一次側立坑を通じて熱可塑性樹脂管を既設管内に挿入し、前記既設管の管路に沿って施工終了地点に存する二次側立坑まで配置した後、前記熱可塑性樹脂管に対して加熱処理を施すことによって、前記既設管の内壁面を前記熱可塑性樹脂管にて被覆する熱可塑性樹脂管更生工法において、前記熱可塑性樹脂管が巻き回された巻取りドラムを、前記施工開始地点まで搬送するにあたり、接地面に接触して転動する車輪を備えたベースフレームと、前記ベースフレームに対して固定された、前記巻取りドラムの回転軸を車幅に沿って水平に軸支する軸受け部と、を具備してなる、車幅700〜1600mmのドラム搬送用台車を用い、前記巻取りドラムを積載した前記ドラム搬送用台車を、前記施工開始地点に通じる道路を介して、前記施工開始地点まで走行させることを特徴とする(以下、本発明工法と称する)。
【0010】
本発明工法においては、前記熱可塑性樹脂管を前記巻取りドラムから引き出すにあたり、前記巻取りドラムをカバーにて上方から覆い、前記カバー内に高温水蒸気、又は温風を送り込むことによって、前記熱可塑性樹脂管を軟化させながら、又は、前記熱可塑性樹脂を軟化させた後に、前記熱可塑性樹脂管を前記巻取りドラムから引き出すことが好ましい態様となる。
【0011】
本発明工法においては、前記ドラム搬送用台車として、前記巻取りドラムがカバーにて覆われた際に、前記カバーを内面側から下支えすることによって、前記カバーの内面を前記巻取りドラムから離間させるカバー支持枠が備えられているものを用いることが好ましい態様となる。
【0012】
本発明のドラム搬送用台車は、前記本発明工法において用いられるものであって、接地面に接触して転動する車輪を備えたベースフレームと、前記ベースフレームに対して固定された、前記巻取りドラムの回転軸を車幅に沿って水平に軸支する軸受け部と、前記ベースフレームに取り付けられた取手部と、前記ベースフレームに取り付けられた、前記前輪の転動を制動するブレーキ装置と、を具備してなることを特徴とする(以下、本発明台車と称する)。
【0013】
本発明台車においては、前記ベースフレームには、接地面に向かって伸長可能となされた一ないし複数の伸縮部材が更に備えられてなり、前記伸縮部材が伸長されて、前記伸縮部材の先端が接地されることによって、前記ドラム搬送用台車の走行が規制されるものが好ましい態様となる。
【0014】
本発明台車においては、前記ベースフレームには、フォークリフトにて前記ドラム搬送用台車を輸送する際に、前記フォークリフトのフォークが差し込まれる開口部が更に設けられてなるものが好ましい態様となる。
【0015】
本発明台車においては、前記ベースフレームには、前記ドラム搬送用台車を吊下げる際に、索体が連結される一ないし複数の吊下げ用金具が更に設けられてなるものが好ましい態様となる。
【0016】
本発明台車においては、前記ベースフレームには、前記巻取りドラムを覆うカバーを、前記カバーの内面側から下支えするカバー支持枠が更に備えられてなるものが好ましい態様となる。
【0017】
本発明台車においては、前記ベースフレームには、前記巻取りドラムを高温蒸気、又は、熱風にて加熱することによって前記熱可塑性樹脂管を軟化させるための加熱用配管が更に備えられてなるものが好ましい態様となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、施工開始地点が狭小道路に存する場合にあっても、好適に既設管を更生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1(a)は、本発明台車を示す上面図であり、図1(b)は、本発明台車を示す側面図である。
【図2】図2は、本発明台車における軸受け部を拡大して示す側面図である。
【図3】図3は、本発明台車に、巻き取り用ドラムを積載する様子を示す斜視図である。
【図4】図4は、本発明台車を、フォークリフトにて搬送する様子を示す斜視図である。
【図5】図5は、本発明台車を、貨物自動車に積載する様子を示す側面図である。
【図6】図6は、本発明台車を、走行させている様子を示す側面図である。
【図7】図7は、本発明台車を、施工開始地点に設置した状態を示す側面図である。
【図8】図8は、本発明台車に、ドラム加熱用カバーをかぶせた状態を示す斜視図である。
【図9】図9は、本発明工法を実行している状況を説明する概略図である。
【図10】図10は、熱可塑性樹脂管を一次側立坑を通じて既設管内に挿入している状況を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0021】
<ドラム搬送用台車1>
図1に本発明台車(ドラム搬送用台車)1の一実施形態を示す。この本発明台車1は、接地面に接触して転動する車輪(前輪2F及び後輪2R)を備えたベースフレーム3と、一対の軸受け部4と、取手部5と、ブレーキ装置6と、を具備する。以下、説明の便宜上、前記本発明台車1の進行方向前方(前記前輪2F側)を「台車前方」、進行方向後方(前記後輪2R側)を「台車後方」、両側を「台車側方」、前記ベースフレーム3より上方を「台車上方」、下方を「台車下方」と称する。
【0022】
前記前輪2F、及び後輪2Rは、台車下方に配された自在キャスターである。前記前輪2Fは、前記ベースフレーム3における台車前方側に一対配され、前記後輪2Rは、前記ベースフレーム3における台車後方側に一対配されている。なお、前記後輪2Rには、車輪の首振り運動を停止させるストッパ21が備えられている。
【0023】
前記ベースフレーム3は、スチール製の剛体であり、台車側方の両側において平行配置された一対の主フレーム部31と、前記一対の主フレーム部31を架橋して、前記一対の主フレーム部31の平行関係を維持する複数の副フレーム部32とからなる。なお、前記主フレーム部31の中央部には、台車下方に向かって段落ちされた段落ち部33が設けられている。又、前記一対の主フレーム部31における、一方の主フレーム部31の前記段落ち部33から、他方の主フレーム部31の前記段落ち部33にわたって、二本のドラム回転用ローラー34が差し渡された状態にて取り付けられている。更に、前記一対の主フレーム部31における、一方の主フレーム部31の台車後方側から、他方の主フレーム部31の台車後方側にわたって、一本の緩衝防止用ローラー35が差し渡された状態にて取り付けられている。
【0024】
前記一対の軸受け部4は、前記一対の主フレーム部31に対して、各々取り付けられている。前記軸受け部4は、前記主フレーム部31における段落ち部33から、台車上方に向かって屹立させた状態にて固定された支柱部41と、前記支柱部41の先端に配された軸受け主部42と、前記支柱部41を補強する一対のステー部43とからなる。
【0025】
図2に示すように、前記軸受け主部42は円筒形状を有してなり、前記支柱部41の先端に固定された半円筒形状の下部軸受け主部42Lに対し、半円筒形状の上部軸受け主部42Hがボルトによって締結された構造を有する。
【0026】
前記取手部5は、スチール製のパイプをコ字状に屈曲させることによって形成されたものであり、前記ベースフレーム3における台車後方側に配置されている。更に詳しくは、前記取手部5は、平行な竿部51の各先端部が、前記一対の主フレーム部31における台車後方側に配された一対のパイプ受け部36に挿入されることによって、前記ベースフレーム3に対し着脱自在に取り付けられている。なお、本実施形態においては、前記ベースフレーム3における台車前方側にも、前記取手部5と同様の前方側取手部5Fが着脱自在に取り付けられている。
【0027】
前記ブレーキ装置6は、前記ベースフレーム3における台車前方側に配されてなる。前記ブレーキ装置6は、前記一対の主フレーム部31にわたって差し渡された回転軸部(図示せず)と、前記回転軸部から台車下方に存する前記一対の前輪2Fに向かって延設されたブレーキパッド部62と、前記回転軸部から台車上方に向かって延設されたブレーキロッド63と、前記回転軸部から台車前方に向かって延設された一対のブレーキペダル部64とを具備する。前記ブレーキ装置6は、本発明台車1を搬送する作業者が、前記ブレーキロッド63を台車前方に向かって引き寄せたり、前記ブレーキペダル64を踏み込んだりすれば、前記ブレーキパッド部62が前記前輪2Fに当接して、前記前輪2Fの転動を制御する仕組みとなっている。
【0028】
前記ベースフレーム3には、更に、ドラム加熱用蒸気配管7と、カバー支持枠8と、アウトリガー9と、フォークポケット10と、吊下げ用金具11と、が備えられている。
【0029】
前記ドラム加熱用蒸気配管7は、前記一対の主フレーム部31を架橋するように、前記主フレーム部31における段落ち部33に一本、前記主フレーム部31における台車前方側、及び台車前方側にそれぞれ一本づつ、都合三本取り付けられている。なお、前記ドラム加熱用蒸気配管7には、その長さ方向に沿って一定の間隔をあけて、台車上部に向かって開口する複数の蒸気排出用出口71が設けられている。前記ドラム加熱用蒸気配管7は、特許請求の範囲における「加熱用配管」に相当するものである。
【0030】
前記カバー支持枠8は、スチール製のパイプをU字状に湾曲させて形成したものであり、前記主フレーム部31に対して着脱自在に取り付けられている。更に詳しくは、前記カバー支持枠8は、その両端部に設けられた支持棒81を、前記主フレーム部31の台車前方側、及び台車後方側にそれぞれ設けられた支持枠差込用穴部37に差し込まれることによって、湾曲された部分が台車上方側に立ち上がるようにして取り付けられたものである。前記カバー支持枠8は、前記一対の主フレーム部31それぞれに対して取り付けられており、一対の前記カバー支持枠8の平行関係を維持するための架橋部材(図示せず)が複数本配置される。なお、前記カバー支持枠8の湾曲部分の曲率半径は、後述する巻取りドラム12のフランジ部122の曲率半径より大きくなるように設計されており、又、前記本発明台車1に前記巻取りドラム12が積載された際、前記カバー支持枠8の頂部が前記巻取りドラム12のフランジ部122の頂部より高くなるように設計されている。
【0031】
前記アウトリガー9は、前記前輪2F及び前記後輪2Rの近辺において、前記主フレーム部31に対して、都合四本固定されている。前記アウトリガー9は、ネジ式のジャッキ構造を有してなり、台車下方に向かって伸長されることによって、前記前輪部2F、及び前記後輪2Rを接地面から離間させるものである。前記アウトリガー9は、特許請求の範囲における「伸縮部材」に相当するものである。
【0032】
前記フォークポケット10は、前記一対の主フレーム部31における各段落ち部33に対し、後述するフォークリフトFのフォークの間隔に応じて間隔をあけた二箇所に、それぞれ溶接固定されている。前記フォークポケット10は、特許請求の範囲における「開口部」に相当するものである。
【0033】
なお、前記フォークポケット10は、台車側方に向かって開口していいることから、前記フォークリフトFのフォークを前記フォークポケット10に差し込むにあたっては、前記フォークリフトFのフォークの高さを、前記フォークポケット10の設置位置にあわせた上で、前記フォークリフトFを前記本発明台車1に向かって台車側方側から接近させれば良い。
【0034】
前記吊下げ用金具11は、ネジ式のアイボルトからなり、前記一対の主フレーム部31における台車前方側、及び台車後方側に四箇所設けられたタップそれぞれに螺合されることによって、前記ベースフレーム3に対して取り付けられている。
【0035】
前記構成を有する本発明台車1は、その車幅が、700〜1600mmの範囲内(好ましくは、800〜1250mmの範囲内)となるように設計される(本実施形態においては、1020mmを採用)。本発明台車1の車幅は、走行させる道路の道路幅員の1/2〜2/3となるように設定し、走行時において、作業員がすれ違いえる程度のスペースが確保し得るようにすることが好ましい。
【0036】
又、前記本発明台車1の全長は、1500〜2400mmの範囲内(好ましくは、1800〜2200mmの範囲内)とすることが好ましい(本実施形態においては、2000mmを採用)。更に、車高(設置面から前記カバー支持枠8の頂部までの高さ)は、1500〜2400mmの範囲内(好ましくは、1800〜2200mmの範囲内)とすることが好ましい(本実施形態においては、2095mmを採用)。
【0037】
<熱可塑性樹脂管更生工法>
続いて、前記本発明台車1を用いた本発明工法(熱可塑性樹脂管更生工法)について説明する。
【0038】
本発明工法を実行するにあたっては、まず、工場内において巻取りドラム12のドラム部121に扁平加工された熱可塑性樹脂管100を巻き回す。前記熱可塑性樹脂管の素材としては、塩化ビニル樹脂やポリエチレンなどのオレフィン系樹脂を用いることができる。なお、前記巻取りドラム12のサイズは、前記本発明台車1のサイズ、及び前記熱可塑性樹脂管100の巻取り長さを考慮して設計されたものであり、本実施形態においては、フランジ部122の直径が1800mm、前記ドラム部121の幅が900mmとなされている。本発明において、前記フランジ部122の直径は、1500〜2400mmの範囲内(好ましくは、1600〜2000mm)とすることが好ましく、前記ドラム部121の幅は、700〜1600mmの範囲内(好ましくは、800〜1100mmの範囲内)とすることが好ましい。
【0039】
前記巻取りドラム12に熱可塑性樹脂管100を巻き回した後、前記巻取りドラム12をクレーンや滑車等で吊り上げ、前記本発明台車1に積載する。この際、前記本発明台車1から、前記カバー支持枠8は取り外されている。これにより、前記巻取りドラム12は、その回転軸を前記本発明台車1の車幅に沿って水平方向に軸支された状態にて、前記本発明台車1に積載される。図3に示すように、前記巻取りドラム12を前記本発明台車1に積載するにあたっては、前記本発明台車1における前記軸受け部4の先端に配された前記軸受け主部42の前記上部軸受け主部42Hを取り外し、前記下部軸受け主部42L上に、前記巻取りドラム12の回転軸123を載せ、次いで、前記上部軸受け主部42Hを前記下部軸受け主部42Lに締結固定することにより行う。即ち、前記本発明台車1に対する前記巻取りドラム12の積載は、クレーンや滑車等で吊り上げた前記巻取りドラム12を前記本発明台車1の上方から吊下ろすだけで行うことができる。前記巻取りドラム12を前記本発明台車1に積載した後、前記カバー支持枠8が取り付けられる。
【0040】
次いで、図4に示すように、前記巻取りドラム12が積載された前記本発明台車1をフォークリフトFにて持ち上げ、貨物自動車としてのユニック車Uの近辺まで搬送する。前記本発明台車1をフォークリフトFにて搬送するにあたっては、前記本発明台車1に設けられたフォークポケット10に、前記フォークリフトFのフォークを差し込み、前記フォークを上昇させて、前記本発明台車1を浮かせながら前記フォークリフトFを走行させることによって行う。
【0041】
前記本発明台車1は、前記フォークリフトFにて前記ユニック車Uに積載される。なお、前記本発明台車1の前記ユニック車Uへの積載は、前記本発明台車1を前記フォークリフトFにて前記ユニック車の近辺まで搬送し、前記フォークポケット10から前記フォークリフトFのフォークを抜いた後、図5に示すように、前記本発明台車1を、前記ユニック車Uに搭載されたクレーンを用いて吊り上げて、前記ユニック車Uの荷台に積載しても良い。前記クレーンを用いて前記本発明台車1を前記ユニック車Uの荷台に積載するにあたっては、前記本発明台車1のベースフレーム3に対して取り付けられた前記四つの吊下げ用金具11に、それぞれナイロンスリング等の索体の一端を締結すると共に、前記索体の他端を集合させるようにして、前記ユニック車Uにおけるクレーンのフックに締結し、クレーンにて吊り上げることによって行う。これにより、前記本発明台車1は、四点支持がなされた安定した状態にて吊り上げられる。
【0042】
前記本発明台車1を前記ユニック車Uの荷台に積載した後は、前記本発明台車1の前記アウトリガー9を全て伸長させることによって、前記本発明台車1の前記前輪2F、及び前記後輪2Rを接地面(荷台上面)から離間させる。これにより、前記本発明台車1の走行が規制され、荷台上に前記本発明台車1が安定して積載される。
【0043】
なお、ここまでの作業は、工場内にて行うものであることから、既設管200を更生する作業現場における作業時間には影響を与えない。
【0044】
次いで、前記ユニック車Uにて、前記本発明台車1を陸上輸送し、前記ユニック車Uを、施工開始地点の近辺に存する道路幅員2500mmを超える道路に停車させた後、前記ユニック車Uの荷台から前記本発明台車1を降ろす。この作業は、前記ユニック車Uのクレーンを用いて行う。
【0045】
前記ユニック車Uの荷台から前記本発明台車1を降ろした後、前記アウトリガー9を全て縮めて、前記前輪2F、及び前記後輪2Rを道路上に接地させ、前記前輪2F、及び前記後輪2Rを接地面に対して転動させることによって、前記本発明台車1を施工開始地点に通じる道路上を走行させながら、前記施工開始地点まで搬送する。
【0046】
図6に示すように、前記本発明台車1は、前記本発明台車1の台車後方に配された作業員M1が、前記本発明台車1の台車後方に取り付けられた前記取手部5を押すことによって走行する。この際、作業員M1は、前記本発明台車1に積載された前記巻取りドラム12によって、進行方向前方の状況を確認することが困難となることから、前記本発明台車1の台車前方には、別の作業員M2を配し、前記前方側取手5Fを把持しながら前記ブレーキ装置6を操作することによって、前記本発明台車1の走行速度を調整したり、停車させたりする。なお、前記本発明台車1の通常の走行時においては、前記後輪2Rに設けられた前記ストッパ21を作動させることによって、前記後輪2Rの車輪の首振りを抑制し、もって、前記本発明台車1の直進安定性を向上させることが好ましい。
【0047】
前記本発明台車1を前記施工開始地点まで搬送した後、前記施工開始地点に存する一次側立坑201に対し、前記本発明台車1の台車後方を向けた状態にて、前記本発明台車1を接近させる。なお、この接近作業の際、前記後輪2Rに設けられた前記ストッパ21をフリーの状態とすれば、前記本発明台車1の旋回性が向上し、位置決めが容易となる。
【0048】
前記本発明台車1の位置決めが完了した後、図7に示すように、前記アウトリガー9を全て伸長させることによって、前記前輪2F、及び前記後輪2Rを接地面から離間させる。これによって、施工開始地点に対する前記本発明台車1の設置が完了する。なお、前記取手部5、及び前方側取手部5Fは、その後の作業において邪魔にならないように、この時点で前記本発明台車1から取り外される。
【0049】
前記本発明台車1の設置が完了した後、前記本発明台車1には、ドラム加熱用カバー(特許請求の範囲における「カバー」に相当するもの)13がかぶせられる。このドラム加熱用カバー13は、前記カバー支持枠8の形状に応じて形成された正面視U字状の外縁を有する二枚の側面カバー部131と、前記一対のカバー支持枠8の離間距離に応じて幅長さが決定された帯状の上面カバー部132とからなり、前記上面カバー部132の両側縁に対して、各側面カバー部131がそれぞれ連結された構造を有する。このドラム加熱用カバー13は、前記本発明台車1に台車上方からかぶせられた際に、前記二枚の側面カバー部131が前記巻取りドラム12の両フランジ部122の側面をそれぞれ覆うと共に、前記上面カバー部132が前記巻取りドラム12の両フランジ部122の間を覆う。そして、前記ドラム加熱用カバー13は、前記側面カバー部131と前記上面カバー部132の連結部位が、前記本発明台車1に取り付けた前記カバー支持枠8にて下支えされることによって、前記巻取りドラム12に、その内面が接触しないように、前記本発明台車1に対してかぶせられる。なお、前記ドラム加熱用カバー13における、前記側面カバー部131と前記上面カバー部132の連結部位の下端側(裾側)の二箇所には、前記側面カバー部131と前記上面カバー部132との連結を解除し得るファスナー部133が連結部位に沿って設けられている。又、前記側面カバー部131の一方の裾には、スリット134が設けられている。ところで、このドラム加熱用カバー13を前記本発明台車1にかぶせるタイミングとしては、施工開始地点に前記本発明台車1を設置した後に限られない。例えば、前記ユニック車Uに前記本発明台車1を積載した時点で、前記ドラム加熱用カバー13を前記本発明台車1にかぶせれば、前記ユニック車Uにて陸上輸送する際に、前記熱可塑性樹脂管100が埃や雨水などによって汚損することを防止することができる。
【0050】
前記本発明台車1に前記ドラム加熱用カバー13をかぶせた後、前記本発明台車1に取り付けられた前記ドラム加熱用蒸気配管7の前記蒸気排出用出口71から高温蒸気を噴出させることによって、前記ドラム加熱用カバー13内を昇温させ、もって、前記巻取りドラム12に巻き回された前記熱可塑性樹脂管100を予備加熱する。この予備加熱は、前記熱可塑性樹脂管100を軟化させることによって、前記巻取りドラム12から引き出しやすくするために行われる。図9に示すように、前記蒸気排出用出口71から噴出される高温蒸気は、前記ユニック車Uを停車させた道路に配置されたボイラー車Bから供給される。前記高温蒸気の輸送は、前記ボイラー車Bに他端が連結されると共に、前記本発明台車1まで伸ばされた蒸気輸送管Pの先端を、前記3本のドラム加熱用蒸気配管7に対してカプラ結合器を介して連結し、前記蒸気輸送管Pを介して、前記ボイラー車Bから蒸気を配管輸送することによって行われる。なお、前記蒸気輸送管Pによって、前記ドラム加熱用カバー13が捲くり上げられないように、前記蒸気輸送管Pは、前記ドラム加熱用カバー13に設けた前記スリット134を通じて、前記ドラム加熱用カバー13内に導かれている(図10参照)。
【0051】
一方、本発明工法が施工される既設管200の施工区間の終点に存する二次側立坑202の近辺には、ウインチWが配置される。このウインチWは、牽引力2.5tの汎用ウインチ(重量:59kg)であり、一般的な手押し台車を用いて、前記二次側立坑202の近辺まで搬送される。
【0052】
又、本発明工法を施工するに先立ち、前記既設管200の管内は高圧水によって洗浄される。管内の洗浄後、前記ウインチWに巻き回されたワイヤYの先端が締結された管内走行用ロボットを前記二次側立坑202から前記一次側立坑201まで走行させることによって、前記ワイヤYの先端を前記一次側立坑201まで送り届け、送り届けられた前記ワイヤYの先端を前記巻取りドラム12に巻き回された前記熱可塑性樹脂管100の先端に締結する。
【0053】
次いで、前記ウインチWを作動させることによって前記ワイヤYを巻取れば、前記巻取りドラム12から前記熱可塑性樹脂管100が引き出され、前記一次側立坑201を通じて、前記既設管200の管路内に前記熱可塑性樹脂管100が挿入される。本発明工法においては、前記一次側立坑201に本発明台車1を接近させた状態にて、前記本発明台車1を設置することから、予備加熱によって軟化された前記熱可塑性樹脂管100は前記巻取りドラム12から引き出された後、直ちに前記一次側立坑201を通じて、前記既設管200内に挿入される。これより、本発明工法が冬季や寒冷地において施工される際にあっても、前記熱可塑性樹脂管100は、挿入作業中において可撓性を殆ど喪失することなく、前記既設管200内に円滑に挿入される。
【0054】
この際、図10に示すように、前記ドラム加熱用カバー13に設けられた二条のファスナー部133を開け、前記ドラム加熱用カバー13の裾を捲り上げることによって、前記巻取りドラム12から引き出される前記熱可塑性樹脂管100によって、前記ドラム加熱用カバー13が巻き込まれないようにする。なお、本実施形態において、前記ドラム加熱用カバー13の裾の捲り上げは、前記二条のファスナー部133を開けて、前記ドラム加熱用カバー13の上面カバー部132の裾を捲り上げるだけで行えることから、前記ドラム加熱用カバー13内に導入された高温蒸気は逃げ難く、これより、前記熱可塑性樹脂管100の引き出し作業中における、前記ドラム加熱用カバー13内の温度低下を好適に防止することができる。
【0055】
前記熱可塑性樹脂管100の引き出しに応じて、前記巻取りドラム12は、その回転軸を中心として回転する。この際、前記巻取りドラム12のフランジ部122の外縁は、前記本発明台車1に取り付けられた二本の前記ドラム回転用ローラー34に当接しながら回転するため、その回転が非常に滑らかとなる。
【0056】
又、本発明台車1には、台車後方側において、前記緩衝防止用ローラー35が取り付けられており、前記熱可塑性樹脂管100の引き出し作業中、前記熱可塑性樹脂管100が、前記本発明台車1のベースフレーム3に接触しないように設計されている。
【0057】
前記熱可塑性樹脂管100を前記既設管200における施工区間にわたって挿入した後、前記熱可塑性樹脂管100の前端と後端を切断し、切断された前記熱可塑性樹脂管100の前端と後端の開口端をそれぞれ閉塞用蓋で封止する。
【0058】
前記熱可塑性樹脂管100の前端と後端の開口端をそれぞれ前記閉塞用蓋で封止した後、前記本発明台車1に連結されていた前記蒸気輸送管Pを取り外し、取り外した前記蒸気輸送管Pの先端を前記閉塞用蓋を通じて前記熱可塑性樹脂管100内に開口させて、高温蒸気を前記熱可塑性樹脂管100内に送り込む。これによって、断面視オメガ状に折り畳まれた前記熱可塑性樹脂管100が断面円形に形状回復する。
【0059】
最後に、図示しないエアーコンプレッサーにて前記熱可塑性樹脂管100内に空気を圧送し、前記熱可塑性樹脂管100を膨張させて、その外周面を前記既設管200の内壁に密着させる。これにより、前記既設管200の内壁面が、前記熱可塑性樹脂管100にて被覆されて更生される。
【0060】
本実施形態においては、車幅700〜1600mmの前記本発明台車1を用い、前記巻取りドラム12を積載した前記本発明台車1を、前記施工開始地点に通じる道路を介して、前記施工開始地点まで走行させることによって、前記本発明台車1を前記施工開始地点まで搬送しているから、前記施工開始地点に通じる道路が、例えば、道路幅員700〜2500mmの狭小道路であったとしても、前記巻取りドラム12を前記施工開始地点まで好適に搬送することができる。
【0061】
又、本実施形態においては、前記構成を有する本発明台車1を用いて、本発明工法を実行しているから、前記本発明台車1への前記巻取りドラム12の積載、前記本発明台車1の貨物自動車への積み降ろし、施工開始地点への前記本発明台車1の搬送が容易となり、作業の進行が円滑となると共に、作業時間の短縮が可能となる。
【0062】
更に、本実施形態においては、前記構成を有する本発明台車1、及びドラム加熱用カバー13を用いて、本発明工法を実行しているから、前記巻取りドラム12に巻き回された前記熱可塑性樹脂管100の予備加熱が容易且つ安定的となる上、前記熱可塑性樹脂管100の引き出しが非常に円滑となる。
【0063】
ところで、本実施形態においては、前記巻取りドラム12が積載された前記本発明台車1を貨物自動車にて陸上輸送しているが、前記巻取りドラム12を前記本発明台車1に積載させるタイミングとしては、これに限られるものではない。例えば、前記巻取りドラム12を貨物自動車にて陸上輸送して、前記貨物自動車を、施工開始地点の近辺に存する道路幅員2500mmを超える道路に停車させた後に、前記巻取りドラム12を前記本発明台車1に積載しても良い。
【0064】
なお、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明は、施工開始地点に存する一次側立坑を通じて熱可塑性樹脂管を既設管内に挿入して、前記既設管の内壁面を前記熱可塑性樹脂管にて被覆する熱可塑性樹脂管更生工法に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0066】
1 本発明台車(ドラム搬送用台車)
2F 前輪
2R 後輪
3 ベースフレーム
4 軸受け部
5 取手部
5F 前方側取手部
6 ブレーキ装置
7 ドラム加熱用蒸気配管
8 カバー支持枠
9 アウトリガー
10 フォークポケット
11 吊下げ用金具
12 巻取りドラム
13 ドラム加熱用カバー
100 熱可塑性樹脂管
200 既設管
201 一次側立坑
202 二次側立坑
F フォークリフト
U ユニック車
B ボイラー車
P 蒸気輸送管
W ウインチ
Y ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工開始地点に存する一次側立坑を通じて熱可塑性樹脂管を既設管内に挿入し、前記既設管の管路に沿って施工終了地点に存する二次側立坑まで配置した後、前記熱可塑性樹脂管に対して加熱処理を施すことによって、前記既設管の内壁面を前記熱可塑性樹脂管にて被覆する熱可塑性樹脂管更生工法において、
前記熱可塑性樹脂管が巻き回された巻取りドラムを、前記施工開始地点まで搬送するにあたり、
接地面に接触して転動する車輪を備えたベースフレームと、
前記ベースフレームに対して固定された、前記巻取りドラムの回転軸を車幅に沿って水平に軸支する軸受け部と、
を具備してなる、車幅700〜1600mmのドラム搬送用台車を用い、
前記巻取りドラムを積載した前記ドラム搬送用台車を、前記施工開始地点に通じる道路を介して、前記施工開始地点まで走行させることを特徴とする熱可塑性樹脂管更生工法。
【請求項2】
請求項1に記載の熱可塑性樹脂管更生工法において、
前記熱可塑性樹脂管を前記巻取りドラムから引き出すにあたり、
前記巻取りドラムをカバーにて上方から覆い、前記カバー内に高温水蒸気、又は温風を送り込むことによって、
前記熱可塑性樹脂管を軟化させながら、又は、前記熱可塑性樹脂を軟化させた後に、前記熱可塑性樹脂管を前記巻取りドラムから引き出す熱可塑性樹脂管更生工法。
【請求項3】
請求項2に記載の熱可塑性樹脂管更生工法において、
前記ドラム搬送用台車として、前記巻取りドラムがカバーにて覆われた際に、前記カバーを内面側から下支えすることによって、前記カバーの内面を前記巻取りドラムから離間させるカバー支持枠が備えられているものを用いる熱可塑性樹脂管更生工法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の形状記憶塩ビ管更生において用いられるドラム搬送用台車であって、
接地面に接触して転動する車輪を備えたベースフレームと、
前記ベースフレームに対して固定された、前記巻取りドラムの回転軸を車幅に沿って水平に軸支する軸受け部と、
前記ベースフレームに取り付けられた取手部と、
前記ベースフレームに取り付けられた、前記前輪の転動を制動するブレーキ装置と、
を具備してなることを特徴とするドラム搬送用台車。
【請求項5】
請求項4に記載のドラム搬送用台車において、
前記ベースフレームには、接地面に向かって伸長可能となされた一ないし複数の伸縮部材が更に備えられてなり、
前記伸縮部材が伸長されて、前記伸縮部材の先端が接地されることによって、前記ドラム搬送用台車の走行が規制されるドラム搬送用台車。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のドラム搬送用台車において、
前記ベースフレームには、フォークリフトにて前記ドラム搬送用台車を輸送する際に、前記フォークリフトのフォークが差し込まれる開口部が更に設けられてなるドラム搬送用台車。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれか1項に記載のドラム搬送用台車において、
前記ベースフレームには、前記ドラム搬送用台車を吊下げる際に、索体が連結される一ないし複数の吊下げ用金具が更に設けられてなるドラム搬送用台車。
【請求項8】
請求項4ないし7のいずれか1項に記載のドラム搬送用台車において、
前記ベースフレームには、前記巻取りドラムを覆うカバーを、前記カバーの内面側から下支えするカバー支持枠が更に備えられてなるドラム搬送用台車。
【請求項9】
請求項4ないし8のいずれか1項に記載のドラム搬送用台車において、
前記ベースフレームには、前記巻取りドラムを高温蒸気、又は、熱風にて加熱することによって前記熱可塑性樹脂管を軟化させるための加熱用配管が更に備えられてなるドラム搬送用台車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−107280(P2013−107280A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254049(P2011−254049)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】