説明

熱回収装置、並びに、コージェネレーションシステム

【課題】 熱回収装置に供給される燃料ガスの種類を容易かつ的確に特定可能な熱回収装置、並びに、当該熱回収装置を備えたコージェネレーションシステムの提供を目的とする。
【解決手段】 コージェネレーションシステム1は、上記したように熱回収装置3の熱回収部4および補助熱源部6の試運転と発電装置2の試運転を連続的に行う連続試運転を実施可能な構成とされている。コージェネレーションシステム1は、補助熱源部6の試運転中に、補助熱源部6を最大燃焼量で燃焼作動させ、これにより発生する熱エネルギー量に基づいて、補助熱源部6に供給されている燃料ガスの種類を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、系外から供給される熱エネルギーを回収可能な熱回収装置、並びに、当該熱回収装置を採用したコージェネレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、下記特許文献1に開示されているように、発電装置において発電に伴って発生した熱エネルギーを回収可能な熱回収装置を備えたコージェネレーションシステムがある。この種のコージェネレーションシステムの多くは、発電装置において発生した熱エネルギーを湯水や熱媒体を介して貯留し、貯留されている熱エネルギーを必要に応じて使用する構成とされている。
【0003】
また、従来技術のコージェネレーションシステムには、貯留されている熱エネルギー量だけでは供給しきれない量の熱エネルギーが必要になる場合等に備えて、燃料ガスを燃焼して湯水や熱媒体を加熱可能な加熱手段を熱回収装置に設けた構成とされたものがある。
【特許文献1】特開2004−263913号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記したような加熱手段に供給されるガスは、複数の可燃性ガスを所定の割合で混合したものであり、ガス成分の組成比や燃焼速度、発熱量等の観点から多岐にわたって分類されている。そのため、上記したように熱回収装置に燃料を燃焼可能な加熱手段を設けた場合、加熱手段において燃料ガスを適切に燃焼させ、コージェネレーションシステムのエネルギー効率を高レベルに維持するためには、加熱手段に供給される燃料ガスの種類を特定しておく必要がある。
【0005】
ここで、燃料ガスは、種類に応じて燃焼により発生する単位体積当たりの熱エネルギー量が異なる。そのため、実際に燃料ガスを燃焼し、これにより発生する熱エネルギー量を導出すれば、ガスの種類を特定できる。しかし、上記したような熱回収装置において、加熱手段は、熱回収系統の系外に供給すべき熱エネルギー量に対して、熱回収手段によって回収された熱エネルギーだけでは不足する分を補うものであるため、加熱手段の動作時間が短く、燃料ガスの燃焼により発生する熱エネルギー量を正確に把握できない可能性が高い。
【0006】
また、例えば一般的に12Aと称される燃料ガスと13Aと称される燃料ガスのように、燃焼によって発生する熱エネルギー量が互いに近似したものもある。かかる燃料ガスが供給された場合に、燃料ガスの種類を正確に把握するためには、できるだけ大きな燃焼量で燃料ガスを燃焼させることが望ましい。しかし、上記したように、熱回収装置では、加熱手段は補助的に動作するものであるため、大きな燃焼量で動作することが殆どない。そのため、従来技術の熱回収装置では、燃料ガスの種類を的確に特定することが困難であった。
【0007】
かかる知見に基づき、本発明は、熱回収装置に供給される燃料ガスの種類を容易かつ的確に特定可能な熱回収装置、並びに、当該熱回収装置を備えたコージェネレーションシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、上記した課題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、熱回収手段と、加熱手段とを備えた熱回収系統を有し、熱回収手段が、熱回収系統の系外から供給される熱エネルギーを液体を介して回収可能なものであり、加熱手段が、燃料ガスを燃焼して発生する熱エネルギーにより液体を加熱可能なものであり、熱回収系統の系外に供給すべき熱エネルギー量が熱回収手段により回収された熱エネルギー量が上回ることを条件として作動する熱回収装置であって、熱回収手段、並びに、加熱手段の試運転を実施可能なものであり、前記加熱手段に関する試運転中に、加熱手段に供給される燃料ガスを燃焼させて発生する熱エネルギー量と、燃料ガスの供給量との関係に基づいて燃料ガスの種類を判断するガス種判定を実施可能なものであり、ガス種判定が実施される場合に、加熱手段における燃焼ガスの燃焼量が所定の判定基準量に設定されることを特徴とする熱回収装置である。
【0009】
本発明の熱回収装置において、加熱手段は、熱回収手段によって回収された熱エネルギーだけでは熱回収系統の系外に供給すべき熱エネルギー量を賄えない場合に燃料ガスを燃焼するものである。そのため、熱エネルギー量の不足を補うために加熱手段が動作する場合は、燃焼ガスの種類を特定するには、燃焼量が少なかったり、燃焼時間が短かったりする可能性がある。しかし、本発明の熱回収装置では、加熱手段に関する試運転中に、燃焼ガスの燃焼量を所定の判定基準量に設定して燃焼させた状態でガス種判定を実施できる。そのため、本発明によれば、加熱手段に対して外部から供給される燃料ガスの種類を的確に把握することができる。
【0010】
本発明の熱回収装置は、熱エネルギーを回収し、熱回収系統の外部に供給する通常運転に先立って燃料ガスの種類を正確に把握することができる。そのため、本発明の熱回収装置によれば、通常運転時における加熱手段の動作条件を最適化でき、エネルギー効率を高レベルに維持することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、熱回収手段の試運転と、加熱手段の試運転とを連続的に実施する連続試運転を実施可能であり、当該連続試運転における加熱手段の試運転中にガス種判定が実施されることを特徴とする請求項1に記載の熱回収装置である。
【0012】
かかる構成によれば、熱回収手段や加熱手段の試運転やガス種判定を容易かつ確実に実施でき、熱エネルギーを回収し、熱回収系統の外部に供給する通常運転を実施可能な状態に移行するまでに要する期間を最小限に短縮できる。
【0013】
ここで、上記したように、燃焼によって発生する熱エネルギー量が互いに近似した燃料ガスが供給されるおそれがある場合、燃焼ガスの燃焼に伴って発生する熱エネルギー量の違いを正確に把握するためには、加熱手段における燃料ガスの燃焼量が可能な限り大きいことが望ましい。
【0014】
そこで、かかる知見に基づいて提供される請求項3に記載の発明は、加熱手段が、燃料ガスの燃焼量を所定の燃焼可能範囲内で調整可能なものであり、判定基準量が、前記燃焼可能範囲の上限に設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱回収装置である。
【0015】
かかる構成によれば、燃焼量が近似した燃料ガスが供給されるおそれがある場合であっても、燃焼量の違いを的確に把握できる。従って、本発明によれば、燃焼量の近似した燃料ガスが供給される可能性があっても燃焼ガスの種類を正確に把握可能な熱回収装置を提供できる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、燃料ガスを燃焼させて加熱される液体の温度上昇と、燃料ガスの供給量との関係に基づいて燃料ガスの種類が判定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱回収装置である。
【0017】
かかる構成によれば、燃料ガスの種類を的確に把握可能な熱回収装置を提供できる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、発電装置と、請求項1乃至4のいずれかに記載の熱回収装置とを備えており、発電装置において発生した熱エネルギーを熱回収装置において回収可能であることを特徴とするコージェネレーションシステムである。
【0019】
本発明のコージェネレーションシステムは、上記したような熱回収装置を備えたものである。そのため、本発明によれば、熱回収装置に設けられた加熱手段を、外部から供給される燃料ガスの種類に対して最適な状態で燃焼作動させることができ、エネルギー効率の向上に資することができる。
【0020】
請求項6に記載の発明は、連続試運転において加熱手段と、発電手段の試運転を連続的に実施可能であり、加熱手段の試運転が、発電手段の試運転に先立って実施されることを特徴とする請求項5に記載のコージェネレーションシステムである。
【0021】
かかる構成によれば、発電手段において発生する熱エネルギーの影響を受けることなくガス種判定を実施することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、熱回収装置に供給される燃料ガスの種類を容易かつ的確に特定可能な熱回収装置、並びに、当該熱回収装置を備えたコージェネレーションシステムの提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
続いて、本発明の一実施形態であるコージェネレーションシステムおよび熱回収装置について図面を参照しながら詳細に説明する。図1において、1は本実施形態のコージェネレーションシステムである。コージェネレーションシステム1は、発電装置2と、熱回収装置3とを組み合わせて構成されている。すなわち、コージェネレーションシステム1は、発電装置2において発電を実施すると共に、発電により発生した熱エネルギーを熱回収装置3において回収する構成とされている。
【0024】
さらに具体的に説明すると、コージェネレーションシステム1は、発電装置2と熱回収装置3とにより構成されている。発電装置2は、ガスエンジン5を備えたものであり、電気機器等に電力を供給すると共に、発電に伴い発生した排熱により湯水を加熱することができる。また、熱回収装置3は、熱回収部4と補助熱源部6(加熱手段)を備えたものであり、主として給湯栓7や床暖房やファンコンベクタ等の暖房端末8等に供給される湯水を加熱することができる。
【0025】
発電装置2は、大別してガスエンジン5と、ガスエンジン5によって駆動する発電機10と、ヒータ11とを具備している。発電装置2において発生した電力は、外部にある電気機器やヒータ11に供給される。発電装置2は、ガスエンジン5を冷却するための冷却回路12を具備している。
【0026】
冷却回路12は、発電装置2の外部、さらに詳細には熱回収装置3側にある排熱熱交換器30及び暖房熱交換器57を経由して湯水を循環させるものである。冷却回路12は、ガスエンジン5からバイパス分岐点Aを経て排熱熱交換器30に到り、ガスエンジン5から排熱熱交換器30に向けて湯水を流す往き側冷却水路13と、その分岐水路である往き側分岐水路61、並びに、排熱熱交換器30からガスエンジン5側へと湯水を戻す戻り側冷却水路15と、暖房熱交換器57から戻る湯水が前記戻り側冷却水路15に合流する戻り側合流水路62とから構成されている。即ち、ガスエンジン5には排熱熱交換器30と暖房熱交換器57とが前記各水路61,62によって並列に接続されている。冷却回路12内を流れる湯水は、戻り側冷却水路15の中途に設けられたポンプ16によって圧送され、戻り側冷却水路15側から往き側冷却水路13側へと流れる。戻り側冷却水路15内を流れる湯水は、ガスエンジン5の駆動に伴い発生した排熱により加熱され往き側冷却水路13へと流出する。
【0027】
ガスエンジン5と排熱熱交換器30とを接続する往き側冷却水路13の中途には、ヒータ11が設けられている。ヒータ11は、発電機10と外部の電気機器とを接続する配線17から分岐された分岐配線18に接続されている。ヒータ11は、分岐配線18を介して外部の電気機器で消費しきれない余剰電力が供給されており、これにより発電機10から外部電源(図示せず)への電力の逆潮流が防止されている。
【0028】
ガスエンジン5の排熱により加熱され、往き側冷却水路13内を流れる湯水は、ヒータ11を通過する際にさらに加熱されて排熱熱交換器30へと流入する。排熱熱交換器30において熱交換を行い低温となった湯水は、戻り側冷却水路15を介してガスエンジン5へと戻る。
【0029】
戻り側冷却水路15の中途には、上記したポンプ16の他に流量センサ20、冷却水タンク22およびサーモスタット式の三方弁25が設けられている。また、サーモスタット式の三方弁25は、後述する戻り側合流水路62に設けられている三方弁23と連通する連通流路24に接続されている。さらに、戻り側冷却水路15と往き側冷却水路13との間には、両者をバイパスするバイパス流路26が設けられている。冷却水タンク22には、外部から湯水を供給するための給水管27が設けられており、その中途に設けられている補給水弁28によって冷却水タンク22への給水量が調整される。また、サーモスタット式の三方弁25は、ガスエンジン5側から排出される湯水の温度に応じて排熱熱交換器30及び暖房熱交換器57側への湯水の往来を調整するものである。
【0030】
さらに具体的には、ガスエンジン5の起動直後等のように、ガスエンジン5側から排出される湯水が所定温度以下である場合には三方弁25が作用し、排熱熱交換器30及び暖房熱交換器57への入水が阻止される。即ち、ガスエンジン5側から排出される湯水が低温である場合、三方弁25の作用によって排熱熱交換器30及び暖房熱交換器57から戻り側冷却水路15への通水が阻止されると共に、バイパス流路26を介して往き側冷却水路13と戻り側冷却水路15とが連通した閉回路が形成される。そのため、往き側冷却水路13内を流れる湯水は、バイパス流路26を介して直接ガスエンジン5側へと流れ込む。
【0031】
一方、ガスエンジン5側から排出される湯水が所定温度より高温である場合、三方弁25の作用によって往き側冷却水路13内を流れる湯水が、排熱熱交換器30及び暖房熱交換器57へと流入する。排熱熱交換器30及び暖房熱交換器57に流入した高温の湯水は、各熱交換器30,57において熱交換を行った後、三方弁23を介して戻り側冷却水路15へと流入してガスエンジン5側へと戻る。
【0032】
熱回収装置3は、燃料ガスを燃焼して湯水を加熱する補助熱源部6と、冷却回路12内を流れるガスエンジン5の排熱により加熱された湯水と熱交換を行う排熱熱交換器30と、貯留タンク31(貯留手段)とを具備している。補助熱源部6は、従来公知のものと同様に、コージェネレーションシステム1の系外にあるガス供給源から供給される燃料ガスを燃焼して発生する熱エネルギーを用いて湯水を加熱するものである。補助熱源部6は、主として貯留タンク31内に湯水を介して貯留されている熱エネルギーだけでは給湯や浴槽への湯水の落とし込み、暖房等に用いるための熱エネルギーを賄いきれない場合に補助的に作動するものである。
【0033】
すなわち、コージェネレーションシステム1は、後述する制御装置100により、過去の熱エネルギーや電気エネルギーの消費履歴に基づいて将来的に必要とされる熱エネルギー量や電気エネルギー量を予測し、この予測に基づいて必要と予測される熱エネルギーを湯水を介して貯留タンク31に貯留しておく構成とされている。そして、コージェネレーションシステム1は、前記した予測に反して熱エネルギーの使用量が多い場合や、熱エネルギーの使用時期が予測に反して早くなった場合のように、給湯や落とし込みに必要とされる温度に加熱された湯水が必要な量だけ貯留されていない場合に限って補助熱源部6を補助的に作動させ、熱エネルギーの不足分を補う構成とされている。そのため、補助熱源部6は、コージェネレーションシステム1が制御装置100による予測通りに動作している限り、特別な場合を除いて補助熱源部6は殆ど作動することがない。従って、補助熱源部6は、従来公知の給湯装置と同様に燃焼量を所定の範囲(燃焼可能範囲)内で調整できるが、通常の運転時には燃焼量が燃焼可能範囲の上限近くになるような状態で動作することは殆どない。
【0034】
熱回収装置3は、ガスエンジン5、並びに、補助熱源部6において加熱された湯水が循環する熱源循環回路32と、ガスエンジン5及び補助熱源部6において発生した熱によって加熱された湯水を給湯栓7を介して外部に供給する給湯流路33と、暖房端末8(熱負荷手段)等の熱負荷に接続される負荷循環回路35と、湯水を浴槽に供給して循環させる浴槽循環回路36とを有する。
【0035】
熱源循環回路32は、補助熱源部6の出湯口37に接続された給湯往路38と、補助熱源部6の入湯口40に接続された給湯復路41とが、負荷熱交換器42及び追焚熱交換器43を有する熱交換部45に接続されたものである。給湯往路38は、中途で分岐されて貯留タンク31及び、後述する混合弁80に接続されている。
【0036】
貯留タンク31には、内部に貯留されている湯水の高さ方向の温度分布を検知するために、最上部温度センサ34a、上部温度センサ34b、中部温度センサ34c及び下部温度センサ34dが設けられている。また、給湯復路41には、熱交換部45側から順に、エアセパレータ46と、湯水を循環させる循環ポンプ47と、排熱熱交換器30と、給湯復路41を流れる水量を検知する循環流量センサ50と、補助熱源部6に流入する水量を調整する循環水比例弁51と、補助熱源部6に流入する湯水の温度(入水温Ti)を検知するための温度センサ48が接続されている。
【0037】
給湯復路41の中途にあるエアセパレータ46は、熱源循環回路32中に含まれている空気を外部に排出するものであり、貯留タンク31の下部に設けられた貯留部排出管89が接続されている。また、排熱熱交換器30は、上記した発電装置2においてガスエンジン5の駆動に伴って発生した排熱により加熱された湯水と熱交換を行うことにより、給湯復路41を流れる湯水を加熱するものである。そのため、通常、ガスエンジン5の駆動中は、排熱熱交換器30において加熱された湯水が給湯復路41を介して補助熱源部6に流入する。
【0038】
熱交換部45は、流路45a,45bが並列に配されたものである。流路45aは、負荷循環回路35の中途に設けられた負荷熱交換器42と負荷熱交出口電磁弁52とを有するものである。また、流路45bは、浴槽循環回路36の中途に設けられた追焚熱交換器43と追焚熱交出口電磁弁53とを有するものである。そのため、負荷熱交換器42及び追焚熱交換器43への湯水の流入は、負荷熱交出口電磁弁52及び追焚熱交出口電磁弁53によって調整される。
【0039】
追焚熱交換器43に接続されている浴槽循環回路36は、浴槽側に湯水を送り込む浴槽往き側流路65と、浴槽側から湯水を戻す浴槽戻り側流路66とを備えた流路である。浴槽戻り側流路66の中途には、浴槽内の水位を検知する水位センサ67と、循環ポンプ68と、水流スイッチ70とが設けられている。また、浴槽戻り側流路66の中途、さらに詳細には循環ポンプ68と水流スイッチ70との中間には、後述する給湯流路33から分岐された給湯分岐流路71が接続されている。給湯分岐流路71には、給湯流路33側から浴槽戻り側流路66側への通水のみを許す逆止弁72と、浴槽戻り側流路66側に流入する水量を調整する注湯弁73と、給湯分岐流路71内を流れる湯水の流量を検知する流量センサ75とが設けられている。
【0040】
上記したように、浴槽戻り側流路66には、給湯流路33側からの湯水の流入を許す給湯分岐流路71が接続されているため、浴槽往き側流路65に加えて浴槽戻り側流路66からも湯水を浴槽側に落とし込むことができる。
【0041】
負荷熱交換器42に接続されている負荷循環回路35は、暖房端末8に湯水を供給する負荷往き側流路55と、暖房端末8側から湯水を戻す負荷戻り側流路56とを有する。負荷戻り側流路56の中途には、暖房熱交換器57と、負荷戻り側流路56に湯水を補給する補給水タンク58と、負荷戻り側流路56から補給水タンク58に流入する湯水の温度を検知する湯温センサ54と、負荷戻り側流路56内に湯水を循環させるための循環ポンプ60(循環手段)とが設けられている。
【0042】
暖房熱交換器57には、上記した発電装置2の往き側冷却水路13から分岐された往き側分岐水路61と、戻り側冷却水路15から分岐された戻り側合流水路62とが接続されており、ガスエンジン5の排熱により加熱された高温の湯水が循環する。そのため、暖房端末8において放熱して低温となった湯水は、暖房熱交換器57において往き側分岐水路61により供給された高温の湯水と熱交換し、加熱される。暖房熱交換器57において加熱された湯水は、補給水タンク58を経て負荷熱交換器42に流入し、負荷熱交換器42での熱交換によりさらに加熱されたのち再び暖房端末8側へと送り込まれる。
【0043】
暖房端末8内や、暖房端末8に接続された負荷循環回路35の中途には、暖房端末8への湯水の流入を阻止可能な弁(図示せず)が設けられている。負荷循環回路35には、前記した弁が閉止状態であり、暖房端末8への湯水の流れが阻止された状態において、循環ポンプ60等に過負荷が作用するのを防止すべく、負荷往き側流路55と負荷戻り側流路56とをバイパスするバイパス流路63(バイパス手段)が設けられている。バイパス流路63は、上記した暖房熱交換器57よりも負荷戻り側流路56内を流れる湯水の流れ方向下流側、すなわち暖房熱交換器57よりも負荷熱交換器42側の部位と、負荷往き側流路55とをバイパスしている。
【0044】
給湯流路33は、給湯栓7に繋がる流路であり、中途に流量センサ81と、比例弁82と、給湯温度センサ95とが設けられている。給湯流路33は、混合弁80を介して給湯往路38の中途で分岐された分岐給湯往路83と、外部から湯水を供給する給水管85とが接続されている。また、給湯流路33の中途には、給水管85の中途で分岐された給水分岐管94が接続されている。給水分岐管94の中途には、高温出湯防止弁99が設けられている。
【0045】
分岐給湯往路83には、後述する貯留部給湯管87との分岐部Bよりも上流側に比例弁84が設けられており、前記分岐部Bよりも下流側に湯温センサ92が設けられている。また、給水管85には、減圧弁88と、混合弁80側に湯水を導く逆止弁90と、外部から導入される湯水の温度を検知する水温センサ93が設けられている。給湯流路33には給水管85を介して供給される低温の水と、給湯往路38を流れる高温の湯水とが混合されることにより水温が調整された湯水が流れる。
【0046】
給水管85の中途には、外部から導入された湯水を貯留タンク31側に向けて供給する貯留部給水管91が接続されている。貯留部給水管91は、貯留タンク31の底部側に接続されており、中途に給水管85側から貯留タンク31側へ湯水を導く逆止弁86が設けられている。また、貯留タンク31の底部には、貯留タンク31から湯水を排出する貯留部排出管89が接続されている。貯留部排出管89は、前記した通り補助熱源部6の入湯口40に繋がる給湯復路41にエアセパレータ46を介して接続されている。さらに、貯留タンク31の上部には、分岐給湯往路83から分岐され、貯留タンク31への湯水の流出入を行うための貯留部給湯管87が接続されている。貯留タンク31には、貯留部給湯管87を通って貯留タンク31の外部に流出する湯水と略同量の湯水が貯留部給水管91を介して給水されるため、貯留タンク31は常に満水状態に維持される。
【0047】
コージェネレーションシステム1は、発電装置2および熱回収装置3の動作を制御するための制御装置100を有する。制御装置100は、上記したように、過去の熱エネルギーや電気エネルギーの消費履歴を所定の期間にわたって記憶しておくことができる。そして、制御装置100は、熱エネルギーや電気エネルギーの消費履歴に基づいて、将来の所定の期間において必要とされると想定される熱エネルギー量や電気エネルギー量を予測する予測動作を行い、この予測に基づいて発電装置2や熱回収装置3を動作させ、電気エネルギーや熱エネルギーを発生させ、熱エネルギーを湯水を介して貯留タンク31に貯留しておく。すなわち、制御装置100は、過去のエネルギー消費履歴に基づいて発電装置2や熱回収装置3の動作制御を行い、エネルギー効率の最適化を図る。コージェネレーションシステム1は、熱エネルギーの使用状況が上記した予測動作による予測に反する場合に、補助熱源部6を補助的に作動させ、熱エネルギーの不足分を補う。
【0048】
コージェネレーションシステム1は、発電装置2の試運転と、熱回収装置3を構成する熱回収部4および補助熱源部6の試運転、並びに、発電装置2、熱回収装置3および制御装置100をはじめとする電装系統の接続確認に関する試運転を連続的に実施する連続試運転を可能な構成とされている。さらに具体的には、コージェネレーションシステム1は、図2のフローチャートに示すように、注水試験、エア抜き運転、補助熱源動作試験、電装動作試験、並びに、発電装置動作試験を連続的に行う試運転を実施可能な構成とされている。
【0049】
さらに詳細に説明すると、図2に示すコージェネレーションシステム1の連続試運転の制御フローは、ステップ1からステップ10およびステップ16によって構成される制御ブロックC1と、ステップ11からステップ15とステップ17によって構成される制御ブロックC2とによって構成される。制御ブロックC1は、熱回収装置3に関する試運転を実施するものである。さらに具体的には、制御ブロックC1は、熱回収装置3側の動作試験を行うブロックであり、注水試験と、エア抜き運転と、補助熱源動作試験とが実施される。
【0050】
制御ブロックC2は、主として発電装置2側の動作試験を行うものであり、発電装置動作試験に加えて、制御装置100を含む電装系統の動作試験も併せて実施される。また、制御ブロックC2では、補助熱源動作試験と並行して、補助熱源部6に供給される燃料ガスの種類を特定するガス種特定動作も実施される。
【0051】
続いて、コージェネレーションシステム1において実施される連続試運転について、図2に示すフローチャートを参照しながら順を追って説明する。コージェネレーションシステム1の連続試運転が開始されると、図2のステップ1に示すように、先ず注水試験が実施される。注水試験は、熱回収部4において、貯留タンク31に対する湯水を供給可能であるか否かを確認する試験である。注水試験を実施する場合は、図3に示すように、混合弁80のうち、給水管85に接続されたポート80aが閉止されると共に、給湯栓7と高温出湯防止弁99とが閉止される。一方、混合弁80のうち分岐給湯往路83および給湯流路33に接続されたポート80b,80cについては開いた状態とされる。また、注湯弁73、循環水比例弁51、比例弁82,84が開いた状態にされる。さらに、負荷熱交出口電磁弁52および追焚熱交出口電磁弁53のうちいずれか一方あるいは双方が開いた状態にされる。
【0052】
上記したようにして熱回収部4に設けられた弁の開度調整がなされると、外部の給水源から給水管85を介して湯水が供給される。給水管85やこれに接続された貯留部給水管91等に支障が無ければ、外部から供給された湯水は、図3に矢印F1で示すように流れ、湯水が徐々に貯留タンク31内に溜まり始める。
【0053】
貯留タンク31が満杯になるまで湯水が貯留されると、貯留タンク31の頂部に接続された貯留部給湯管87を介して湯水が溢れ出す。貯留タンク31から溢れ出した湯水は、図3に矢印F2で示すように貯留部給湯管87、分岐給湯往路83、給湯流路33および給湯分岐流路71を介して浴槽循環回路36に流れ込む。浴槽循環回路36に流れ込んだ湯水は、浴槽往き側流路65あるいは浴槽戻り側流路66を介して浴槽内に落とし込まれる。
【0054】
制御装置100は、流量センサ75によって検知される検知流量が所定の条件を満足することを条件として、コージェネレーションシステム1において、貯留タンク31に対する注水を正常に実施可能であるものと判断する。すなわち、貯留タンク31への湯水の供給開始後しばらくの間は、外部から供給された湯水によって貯留タンク31内に存在する空気が貯留部給湯管87を介して押し出され、流量センサ75を通過する。そのため、流量センサ75が流量を検知することを条件として即座に貯留タンク31から湯水が溢れ出してきたものと判断すると、貯留タンク31が湯水で満杯であるものと誤認する可能性がある。そこで、本実施形態では、貯留タンク31から押し出される空気による誤検知を防止すべく、外部の給水源から湯水の供給が開始されてから所定の判定時間(判定時間γ)内に、流量センサ75により所定量(閾流量α)以上の流量が連続的に所定時間(閾時間β)以上検知されることを条件として貯留タンク31に湯水が満杯に貯留できたものと判断する。
【0055】
ここで、閾流量αは、外部の給水源から供給される湯水の給水速度に応じて設定され、流量センサ75を空気が通過することによって検知されると想定される流量よりも多く設定される。また、閾時間βは、湯水の流れが連続的であるか否かを判定可能な程度の時間(本実施形態では2分)に設定される。判定時間γは、外部の給水源から湯水を通常に供給した際に、貯留タンク31を満杯にするのに要すると想定される時間よりも十分長い時間に設定される。
【0056】
制御装置100は、上記したようにして注水試験が開始されてから判定時間γが経過するまでの間に、閾時間βにわたって流量センサ75の検知流量がα以上であることを確認した時点で、貯留タンク31に対する湯水の注水を正常に実施できるとの判断を確定する。一方、上記した注水試験の開始から判定時間γが経過しても流量センサ75の検知流量が閾流量αに満たなかったり、検知流量が閾流量α以上である期間が所定時間βに満たない場合は、貯留タンク31に対する注水を正常に実施できないものと判断する。制御装置100は、このようにして貯留タンク31に対する注水の可否を判断すると、制御フローをステップ2移行に進める。
【0057】
ステップ1において実施した注水試験の結果が不良である場合、制御装置100はその旨を伝えるエラー信号を発信し、一連の制御フローを完了する。一方、ステップ1の注水試験が正常に完了した場合は、制御フローがステップ2からステップ3に進められる。
【0058】
制御フローがステップ3に進むと、上記したステップ1において実施された注水試験において、試験開始から完了までに要した時間、すなわち外部の給水源から湯水の供給が開始されてから、貯留タンク31に対する注水を正常に実施できるとの判断が確定されるまでに要した時間(注水所要時間δ)が所定の貯留量判定時間ε未満であるか否かが確認される。
【0059】
ここで、貯留量判定時間εは、湯水が貯留されていない空の貯留タンク31に対して湯水を貯留するのに要する時間(貯留所要時間)に対して十分小さく設定される。すなわち、注水所要時間δが前記した貯留所要時間に対して十分短い場合は、予め図2に示す制御フローに則って一連の試運転が実施され、後述するステップ6以降に示す試運転が実施されているなどして注水試験の実施前に貯留タンク31内にある程度の量の湯水が残存していた可能性がある。そのため、ステップ3において注水所要時間δが貯留量判定時間ε以下である場合、制御装置100は、制御フローを後述するステップ4に進める。
【0060】
一方、上記した注水所要時間δが貯留量判定時間εよりも長い場合は、図2に示す一連の試運転が未実施である等の理由で、注水試験の実施前に貯留タンク31内に残存していた湯水の量が少なかったものと想定される。そのため、注水所要時間δが所定の貯留量判定時間ε以上である場合は、貯留部給湯管87や分岐給湯往路83、給湯分岐流路71、浴槽循環回路36に十分湯水が流れておらず、これらの流路に空気が残存している可能性がある。そこで、注水所要時間δが貯留量判定時間ε以上である場合は、制御フローがステップ6に進められ、エア抜き運転が実施される。
【0061】
さらに具体的に説明すると、制御フローがステップ6に移行すると、比例弁84が閉止されると共に、負荷熱交出口電磁弁52と追焚熱交出口電磁弁53が開かれる。その後、この状態で循環ポンプ47が起動される。これにより、熱源循環回路32およびこれに接続された熱交換部45の流路45a,45b内を湯水が循環する。
【0062】
熱源循環回路32における湯水の循環を開始してから所定時間(本実施形態では2分間)が経過すると、比例弁84が開かれると共に、負荷熱交出口電磁弁52が閉じられる。これにより、熱源循環回路32を構成する給湯往路38および給湯復路41と、熱交換部45の流路45bに加え、分岐給湯往路83から貯留部給湯管87、貯留タンク31、貯留部排出管89を通り給湯復路41に繋がる流路内に湯水が流れる。かかる流路内を湯水が循環し始めてから所定時間(本実施形態では2分間)が経過すると、負荷熱交出口電磁弁52が開かれると共に、追焚熱交出口電磁弁53が閉じられる。これにより、給湯往路38および給湯復路41と、流路45aに加え、分岐給湯往路83から貯留部給湯管87、貯留タンク31、貯留部排出管89を通り給湯復路41に繋がる流路内に湯水が流れる。その後、所定時間(本実施形態では2分間)が経過すると、追焚熱交出口電磁弁53が再度開かれる。
【0063】
制御装置100は、追焚熱交出口電磁弁53が再度開いた後、循環流量センサ50によって検知される循環流量λを確認する。ここで、循環流量λが所定の閾流量μ以下である場合は、熱源循環回路32や熱交換部45の流路45a,45b、貯留部給湯管87、貯留タンク31、貯留部排出管89によって構成される一連の循環系統内に空気が残存した、いわゆるエア噛み状態である可能性が高い。そこで、制御装置100は、ステップ6においてエア抜き運転が開始されてから所定時間(本実施形態では20分)が経過するまでの間に、循環流量λが閾流量μよりも多い期間が所定時間ν以上連続することを条件として前記したようなエア噛みがないものと判断し、その旨を示すフラグAをオン状態にする(ステップ6,7,8)。一方、ステップ6においてエア抜き運転が開始されてから所定時間が経過するまで待っても循環流量λが閾流量μ以下のままであったり、連続的に循環流量λが閾流量μよりも多い期間が所定時間νに満たない場合、制御装置100は、前記したようなエア噛みが発生しているものと判断し、フラグAをオフ状態にする(ステップ6,7,16)。また、この時、制御装置100は、コージェネレーションシステム1においてエア噛みが発生している旨を知らせるエラー信号を発信する。
【0064】
上記したようにしてステップ8あるいはステップ16においてフラグAがオン状態あるいはオフ状態とされた後、制御フローはステップ9に移行する。さらに具体的に説明すると、制御フローがステップ9に移行すると、補助熱源動作試験が実施される。すなわち、制御フローがステップ9に進むと、先ず負荷熱交出口電磁弁52および追焚熱交出口電磁弁53のいずれか一方あるいは双方と、比例弁84とが開いた状態にされると共に、混合弁80のうち分岐給湯往路83に接続されたポート80bが閉止された状態にされる。また、循環ポンプ47は、引き続き動作を継続する。これにより、貯留タンク31の底部側から抜き出された湯水が熱源循環回路32内を循環し、補助熱源部6を迂回すると共に、一部の湯水が給湯往路38から分岐された分岐給湯往路83および貯留部給湯管87を通じて貯留タンク31の頂部から貯留タンク31内に戻る循環流を形成可能な状態になる。
【0065】
上記したようにして各部に設けられた弁の開度が調整され、循環流を形成可能な状態になると、制御装置100は、補助熱源部6において外部の燃料ガス供給源から供給される燃料の燃焼を開始させ、補助熱源部6の動作試験を行う。この時、補助熱源部6における燃料の燃焼量は、補助熱源部6において燃焼可能な燃焼可能範囲の最大限(最大燃焼量)に設定される。
【0066】
制御装置100は、上記した燃焼動作によって発生する燃焼ガス中に含まれる一酸化炭素ガス濃度等に基づき、補助熱源部6が正常に燃焼動作を実施可能な状態であるか否かを判断する。また、制御装置100は、補助熱源部6に対する入水量Q、補助熱源部6に流入する湯水の入水温Tiおよび補助熱源部6から流出する湯水の流出温Toに基づき、最大燃焼量で補助熱源部6を動作させることにより発生する発熱量yを導出し、これに基づいて補助熱源部6に供給される燃料ガスの種類を特定するガス種判定を行う。さらに具体的には、補助熱源部6に対する入水温Tiは、温度センサ48によって検知され、出湯温Toは湯温センサ39によって検知される。また、入水量Qは、循環流量センサ50によって検知される。制御装置100は、入水温Ti、出湯温Toおよび入水量Qと、予め設定されている補正値xに基づき、下記(数式1)によって発熱量yを導出する。
y=(To−Ti)×Q/x ・・・ (数式1)
【0067】
制御装置100は、上記した(数式1)に基づいて導出される発熱量yと、発熱量yを発生するのに消費された燃料ガスの量との相関関係に基づき、補助熱源部6に供給されている燃料ガスの種類を特定する。さらに具体的には、制御装置100は、補助熱源部6に供給されると想定される複数種の燃料ガスについて、補助熱源部6に対する燃料ガスの供給量と発熱量yとの相関関係を記憶している。制御装置100は、補助熱源部6を最大燃焼量で燃焼動作させることにより実際に発生した発熱量yと、燃料ガスの供給量とを前記した相関関係に当てはめ、補助熱源部6に供給されている燃料ガスの種類を特定し、記憶する。その後、制御フローは、ステップ10に進められる。
【0068】
ステップ9における補助熱源部6の動作試験において、補助熱源部6が正常に動作しないと判断された場合は、図2に示すように制御フローがステップ10からステップ17に進められ、フラグBがオフ状態にされ、一連の制御フローが完了する。この時、補助熱源部6の動作試験が不良であった旨を伝えるエラー信号が発信される。
【0069】
一方、ステップ9における動作試験において補助熱源部6が正常に動作するものと判断された場合は、制御フローがステップ11以降の制御ブロックC2に進められ、コージェネレーションシステム1を構成する電装系統が正常に動作するかが確認される。さらに具体的には、ステップ11において、制御装置100は、発電装置2や熱回収装置3との通信状態が正常であるか否かを確認する。ここで制御装置100と発電装置2や熱回収装置3との通信が異常である場合、制御装置100は、制御フローをステップ17に進め、フラグBをオフ状態にして一連の制御フローを完了する。
【0070】
ステップ12において電装系統が正常である場合は、制御スフローがステップ13に移行し、発電装置2の動作試験が実施される。すなわち、制御フローがステップ13に移行すると、発電装置2に設けられた冷却回路12のポンプ16と、ガスエンジン5とが起動される。制御装置100は、冷却回路12に設けられた流量センサ20が所定時間にわたって所定流量以上の液流を検知し、発電機10から電力が出力されていることを確認すると、発電装置2が正常に動作しているものと判断する。この場合、制御装置100は、制御フローをステップ14、ステップ15の順で進め、フラグBをオン状態にしてコージェネレーションシステム1の試運転を終了する。この時、制御装置100は、電装系統に不具合がある旨を知らせるエラー信号を発信する。
【0071】
発電装置2の動作試験において、流量センサ20が検知する液流が所定流量に満たなかったり、液体の流量が連続的に所定流量以上である期間が短い場合、制御装置100は、冷却回路12における液体の循環状態が異常であるものと判断する。また、発電機10から出力される電力が所定の定格電力に達していない場合、制御装置100は、発電機10あるいはガスエンジン5のいずれか一方又は双方が異常であるものと判断する。ステップ13において冷却回路12における液体の循環不良や、発電機10の出力不良が確認された場合、制御装置100は、ガスエンジン5やポンプ16の動作を停止させた後、制御フローをステップ17に進めてフラグBをオフ状態としてコージェネレーションシステム1の試運転を終了する。
【0072】
ここで、上記したようにして一連の試運転が完了した後、再度試運転が実施されると、上記したステップ1から制御フローが再開される。この場合、先に実施された試運転において注水試験の試験結果が正常であった場合は、貯留タンク31に貯留された湯水の大半が残存している。そのため、試運転が再開された場合、注水試験において貯留タンク31を満杯にするのに要する湯水の量が少ない場合、すなわち注水所要時間δが貯留量判定時間ε以下で有る場合は貯留タンク31や熱源循環回路32等に残留している空気の量が少なく、再度エア抜き運転を実施する必要性が低い。そのため、本実施形態のコージェネレーションシステム1では、一旦試運転が実施された後、再度試運転が実施される場合に所定の要件を満足することを条件としてエア抜き運転を実施しない構成とされている。
【0073】
さらに具体的に説明すると、上記した一連の試運転が一度実施された後、再度実施された場合のように、貯留タンク31にある程度の湯水が貯留された状態で試運転が開始された場合についても、上記した説明と同様にステップ1において注水試験が実施される。その後、注水試験が正常であった場合(ステップ2においてYESの場合)は、制御フローがステップ3に進められ、注水試験における注水所要時間δが貯留量判定時間ε以下であったか否かが確認される。ここで、注水所要時間δが貯留量判定時間εよりも長い場合は、貯留タンク31内に残存している湯水の量が少なく、貯留タンク31や熱源循環回路32等に残留している空気を追い出す、いわゆるエア抜きを実施しなければならないものと想定される。そのため、ステップ3において注水所要時間δが貯留量判定時間εよりも長い場合は、制御フローが上記したステップ6以降の制御フローに進められる。
【0074】
一方、ステップ3において注水所要時間δが貯留量判定時間ε以下である場合は、貯留タンク31内に残存している湯水の量が多く、貯留タンク31や熱源循環回路32等に残留している空気が少ない。そのため、先に実施された試運転において実施されたエア抜き運転において十分エア抜きが実施されていれば、エア抜き運転を再度実施する蓋然性が低い。そこで、制御装置100は、ステップ3において注水所要時間δが貯留量判定時間ε以下であることを条件として制御フローをステップ4に進め、フラグAがオン状態であるか否か、すなわち先の試運転において実施されたエア抜き運転の履歴を確認する。ここで、ステップ4においてフラグAがオフ状態である場合は、先の試運転においてエア抜きが不十分であったものと想定される。そのため、制御装置100は、制御フローをステップ6に進め、エア抜き運転を実施する。一方、フラグAがオン状態である場合は、先の試運転においてエア抜き運転が正常であった場合であるため、制御装置100は制御フローをステップ5に進める。
【0075】
制御フローがステップ5に移行すると、制御装置100は、フラグBがオン状態であるか否かを確認する。すなわち、制御装置100は、ステップ5において、先に実施された試運転においてステップ9以降の制御ブロックC2において実施された補助熱源動作試験、電装動作試験および発電装置動作試験の全てが正常であったか否かを確認する。ステップ5においてフラグBがオン状態である場合は、先に実施された試運転のうち制御ブロックC1において実施された注水試験やエア抜き運転に加えて、制御ブロックC2において実施された各試験についても正常であった場合である。ここで、ステップ5においてフラグBがオン状態である場合は、先の試運転において全ての動作試験が正常であったにもかかわらず何らかの理由で再度試運転を実施したい場合であると考えられる。そこで、ステップ5においてフラグBがオン状態である場合、制御装置100は、制御フローをステップ6以降に進め、エア抜き運転や制御ブロックC2を構成するその他の試験を図2に示す制御フローに従って順次実施する。
【0076】
一方、ステップ5においてフラグBがオフ状態である場合は、先に実施された試運転においてエア抜きは十分なされていたが、補助熱源動作試験あるいは制御ブロックC2において実施された電装動作試験あるいは発電装置動作試験のいずれかが不良であった場合である。そのため、ステップ5においてフラグBがオフ状態である場合、制御装置100は、ステップ6のエア抜き運転に関連するステップを飛ばし、制御フローをステップ9以降に進める。その後、制御装置100は、上記したのと同様にして補助熱源動作試験、電装動作試験および発電装置動作試験を実施した後、コージェネレーションシステム1の試運転を終了する。
【0077】
上記したように、本実施形態のコージェネレーションシステム1では、試運転の最中に実施される補助熱源動作試験において、補助熱源部6の動作試験を行うと共に、この時に発生する熱エネルギーに基づいて補助熱源部6に供給されている燃料ガスの種類を判定する。そのため、コージェネレーションシステム1は、給湯や浴槽への湯水の落とし込み、追い焚きや暖房端末8の使用といった熱回収装置3の系外に熱エネルギーを供給する通常運転が実施される前に発電装置2および熱回収装置3の試運転を実施しつつ、補助熱源部6に供給される燃料ガスの種類を正確に把握することができる。従って、上記した構成によれば、通常運転時における補助熱源部6の動作条件を最適化でき、コージェネレーションシステム1全体のエネルギー効率を高レベルに維持することができる。
【0078】
上記したように、コージェネレーションシステム1において、補助熱源部6は、発電装置2において発生した熱エネルギーを将来の使用予測に基づいて湯水を介して貯留タンク31に溜めておく構成である。そのため、補助熱源部6は、コージェネレーションシステム1が通常運転を実施している間は、エネルギー効率等の観点から大きな燃焼量で動作することが少なかったり、燃焼量が不安定であることが予想される。また、コージェネレーションシステム1が通常運転を実施している間は、補助熱源部6の動作期間が短いことが予想される。さらに、コージェネレーションシステム1が通常運転を行っている間は、発電装置2において発生した熱エネルギーによってある程度加熱された湯水が補助熱源部6に供給されるため、入水温Tiも不安定であるものと想定される。そのため、コージェネレーションシステム1が通常運転を実施している間に補助熱源部6に供給される燃焼ガスを特定使用としても、補助熱源部6の動作条件や入水温Ti等の条件がバラバラであり、燃焼ガスの種類を正確に把握できない可能性が高い。また、コージェネレーションシステム1が通常運転中は、補助熱源部6が最大燃焼量で燃焼作動することが少ない。そのため、例えば一般的に12Aと称される燃料ガスと13Aと称される燃焼ガスのように、燃焼により発生する熱エネルギー量の近似した燃焼ガスが供給される可能性がある場合、コージェネレーションシステム1が通常運転を行っている間に補助熱源部6が動作して発生する熱エネルギー量を監視するだけでは、燃焼ガスの判別が困難である可能性が高い。
【0079】
そこで、本実施形態のコージェネレーションシステム1では、上記したように試運転において実施される補助熱源動作試験においてガス種判定動作を実施する構成としている。そのため、本実施形態のコージェネレーションシステム1では、補助熱源部6を最大燃焼量で燃焼作動させてガス種判定動作を実施できる。また、上記したコージェネレーションシステム1では、ガス種判定動作の精度を維持するのに必要な時間だけ補助熱源部6を燃焼作動させることができる。さらに、上記したように発電装置2の作動試験に先駆けて
ガス種判定動作を実施できるため、ガス種判定動作の際に補助熱源部6に流入する入水温Tiも安定している。そのため、上記したコージェネレーションシステム1によれば、補助熱源部6の動作条件や入水温Ti等の条件が最適の状態でガス種判定動作を実施できる。従って、上記した構成によれば、補助熱源部6に供給される燃料ガスの種類を精度良く特定することができる。
【0080】
上記実施形態では、燃焼により発生する熱エネルギー量が近似した複数種の燃料ガスのうちの一種の燃料ガスが供給されることを考慮して、補助熱源部6を最大燃焼量で燃焼作動させてガス種判定動作を実施する構成とした例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、供給されると想定される燃焼ガスの種類に応じてガス種判定動作を実施する際の補助熱源部6の燃焼量を調整する構成としたり、ガス種判定動作中に燃焼量を順次切り替える構成としてもよい。
【0081】
上記したように、本実施形態のコージェネレーションシステム1では、図2に示すように熱回収装置3に関する試運転と発電装置2に関する試運転と、電装系統の試運転とを連続的に実施する連続試運転が実施可能な構成とされている。そのため、コージェネレーションシステム1は、発電装置2や熱回収装置3の試運転を容易かつ迅速に実施でき、通常運転を実施可能な状態に移行するまでに要する期間を最小限に短縮できる。
【0082】
ここで、コージェネレーションシステム1において、連続試運転の度に熱回収部4に残存している湯水や熱媒体を排出して注水試験からやり直す構成とすると、連続試運転の度に長期にわたって試運転が完了するまで待機せねばならないという問題がある。またこの傾向は、上記したコージェネレーションシステム1のように、熱回収部4に貯留タンク31のように大容量の貯留手段を含む構成とした場合に顕著であるものと想定される。
【0083】
そこでかかる知見に基づき、上記したコージェネレーションシステム1では、試運転の実施方法が従来公知のものとは異なる構成とされている。すなわち、上記したコージェネレーションシステム1は、発電装置2と、この発電装置2において発生した熱エネルギーを湯水や熱媒体等の液体を介して回収する熱回収装置3とを備えたものであり、熱回収装置3は、熱回収部4(熱回収手段)と、補助熱源部6(加熱手段)とを備えた熱回収系統を有する。そして、補助熱源部6が、燃料ガスを燃焼して発生する熱エネルギーにより液体を加熱可能なものである。また、補助熱源部6は、前記した熱回収系統の系外に供給すべき熱エネルギー量が熱回収部4において回収された熱エネルギー量が上回ることを条件として作動する構成とされている。コージェネレーションシステム1は、発電装置2の試運転と、熱回収装置3の熱回収部4の試運転と、補助熱源部6の試運転とを連続的に実施する連続試運転が可能な構成とされている。発電装置2の試運転は、熱回収部4に対して外部の液体供給源から湯水や熱媒体等の液体を導入する注水試験(注液試験)と、熱回収部4に残存している空気を追い出すエア抜き運転とを実施するものであり、注水試験の実施前に熱回収部4に所定量以上の液体が残存していることを条件としてエア抜き運転を省略可能な構成とされている。
【0084】
上記したように、コージェネレーションシステム1は、先の連続試運転が完了した後再度実施される場合のように、熱回収部4を構成する各配管や貯留タンク31に湯水が残存している場合がある。熱回収部4に残存している湯水や熱媒体で満たされている場合は熱回収部4内に空気が殆ど残存しておらず、いわゆるエア噛み状態ではないものと想定される。そのため、上記したコージェネレーションシステム1のように、注水試験の実施前に熱回収部4に残存している湯水や熱媒体等の液体の量が所定量以上であればエア抜き運転を省略し、一連の連続試運転に要する期間を短縮することができる。
【0085】
上記した連続試運転は、熱回収部4に貯留タンク31のような貯留手段を設けた構成において好適に実施可能である。
【0086】
ここで、上記したように注水試験の実施前に熱回収部4に所定量以上の液体が残存している場合の多くは、熱回収部4に残存している空気の残量が少なく、いわゆるエア噛みが起こっていないものと想定される。しかし、熱回収部4に所定量以上の液体が残存している場合であっても、何らかの理由で熱回収部4においてエア噛みが発生している可能性がある。そこで、かかる知見に基づき、上記したコージェネレーションシステム1では、先に実施された連続試運転におけるエア抜き運転の履歴を確認し、先の連続試運転におけるエア抜き運転が正常に実施されていたことをエア抜き運転を省略するための条件としている。さらに具体的には、コージェネレーションシステム1では、注水試験時に残存していた湯水等の液体の残量が所定量以上であって、エア抜き運転が正常に完了したことを示すフラグAがオン状態であることを条件としてエア抜き運転を省略する構成とされている。そのため、上記したコージェネレーションシステム1は、確実にエア噛みが起こっていない状況下でエア抜き運転を省略することができる。
【0087】
上記したコージェネレーションシステム1は、熱回収部4に貯留タンク31が設けられており、注水試験を開始した後、貯留タンク31から流出する湯水等の液体の流れを検知するまでの時間(注水所要時間δ)の長短により、注水試験の開始時に熱回収部4に残存している湯水等の残量を検知する構成としている。かかる構成によれば、注水試験の開始時に残存している湯水等の液体の残量を正確に把握できると共に、熱回収部4に残存している空気を確実に追い出すことができる。
【0088】
なお、上記した注水所要時間δの長短の判断基準となる貯留量判定時間εは、外部から供給される湯水等の液体の供給速度や熱回収部4を構成する配管、貯留タンク31の容量等を考慮して設定されることが望ましい。また、注水所要時間δは、貯留タンク31等から追い出される空気流による流量の誤検知を防止すべく、外部から液体の供給を開始してから所定の閾流量α以上の流量が連続的に所定時間(閾時間β)以上検知されるまでの時間としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば閾流量αや閾時間βを設けず、注水所要時間δを液体の供給開始から流量センサ75によって流量が検出された時点までの時間にとしてもよい。
【0089】
上記実施形態では、注水所要時間δに基づいて注水試験の開始時に熱回収部4に残存している液体の量を判断するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば貯留タンク31等に液量を検知可能なセンサを設けたり、過去に実施された連続試運転において外部から導入された湯水等の液体の流量を積算したものに基づいて判断する構成としてもよい。
【0090】
上記したコージェネレーションシステム1は、図2の制御フローや図4に示すように先に実施された連続試運転において熱回収部4に関する注水試験およびエア抜き運転が正常に実施された場合(フラグAがオン状態である場合)であり、補助熱源部6の試運転(補助熱源動作試験)や電装動作試験、発電装置2の試運転(発電装置動作試験)の少なくとも一つが不良(エラー)であることを条件としてエア抜き運転を実施する構成とされている。換言すれば、コージェネレーションシステム1は、先に実施された連続試運転において全ての試験やエア抜き運転が正常に実施された場合(フラグA,Bの双方がオン状態である場合)は、エア抜き運転を省略せずに実施する構成とされている。そのため、上記した構成によれば、仮に先に実施された連続試運転において全てが正常であっても、再度連続試運転を実施したい場合に予期せずエア抜き運転が省略されるのを防止できる。
【0091】
上記実施形態では、注水試験やエア抜き運転、補助熱源動作試験、電装動作試験、発電装置動作試験を一連の制御フローに則って実施する例を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、コージェネレーションシステム1やこれに接続された暖房端末8等を含む他の部位についての試運転を実施する構成としたり、補助熱源動作試験や電装動作試験、発電装置動作試験等が欠落した構成であってもよい。
【0092】
また、上記実施形態では、注水試験やエア抜き運転をはじめとする試運転を連続的に実施する例を例示したが、さらに各試運転やエア抜き運転、ガス種判定等を別個独立に実施可能な構成とすることも可能である。かかる構成とした場合は、必要に応じて試運転を実施したい部分だけ試運転を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の一実施形態であるコージェネレーションシステムの作動原理図である。
【図2】図1に示すコージェネレーションシステムにおいて連続試運転が実施される場合の動作を示す制御フローである。
【図3】図1に示すコージェネレーションシステムにおいて注水試験が実施される場合の湯水の流れを示す作動原理図である。
【図4】図2に示す制御フローにおけるフラグA,Bおよび注水所要時間δエア抜き運転との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0094】
1 コージェネレーションシステム
2 発電装置
3 熱回収装置
4 熱回収部(熱回収手段)
6 補助熱源部(加熱手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱回収手段と、加熱手段とを備えた熱回収系統を有し、
熱回収手段が、熱回収系統の系外から供給される熱エネルギーを液体を介して回収可能なものであり、
加熱手段が、燃料ガスを燃焼して発生する熱エネルギーにより液体を加熱可能なものであり、熱回収系統の系外に供給すべき熱エネルギー量が熱回収手段により回収された熱エネルギー量が上回ることを条件として作動する熱回収装置であって、
熱回収手段、並びに、加熱手段の試運転を実施可能なものであり、
前記加熱手段に関する試運転中に、加熱手段に供給される燃料ガスを燃焼させて発生する熱エネルギー量と、燃料ガスの供給量との関係に基づいて燃料ガスの種類を判断するガス種判定を実施可能なものであり、
ガス種判定が実施される場合に、加熱手段における燃焼ガスの燃焼量が所定の判定基準量に設定されることを特徴とする熱回収装置。
【請求項2】
熱回収手段の試運転と、加熱手段の試運転とを連続的に実施する連続試運転を実施可能であり、
当該連続試運転における加熱手段の試運転中にガス種判定が実施されることを特徴とする請求項1に記載の熱回収装置。
【請求項3】
加熱手段が、燃料ガスの燃焼量を所定の燃焼可能範囲内で調整可能なものであり、
判定基準量が、前記燃焼可能範囲の上限に設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱回収装置。
【請求項4】
燃料ガスを燃焼させて加熱される液体の温度上昇と、燃料ガスの供給量との関係に基づいて燃料ガスの種類が判定されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱回収装置。
【請求項5】
発電装置と、請求項1乃至4のいずれかに記載の熱回収装置とを備えており、
発電装置において発生した熱エネルギーを熱回収装置において回収可能であることを特徴とするコージェネレーションシステム。
【請求項6】
連続試運転において加熱手段と、発電手段の試運転を連続的に実施可能であり、
加熱手段の試運転が、発電手段の試運転に先立って実施されることを特徴とする請求項5に記載のコージェネレーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−274873(P2006−274873A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−93757(P2005−93757)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】