説明

熱機関

本発明による処理室機関(PKM)は、処理室を予燃焼室の新規の形態として備える燃焼ピストン機関であり、当該処理室内に、液体燃料が絶えず流れ込み、当該処理室内において複数のサイクルにわたって処理され、PKM燃料を形成する。処理室(PK)は、圧縮室の上方に配置され、気密性の分離壁によって当該圧縮室から分離され、燃料は当該処理室内へと長期間の段階にわたって圧縮され(歯車ポンプ)、当該処理室内で蒸発し、当該室内へ給送されるガスによって処理され、ガス並びに任意選択的に煙及び煤を含む燃料を形成するように高い酸素含有量を有する。処理室は、燃料を少なくとも2回のサイクルの間含み、当該燃料は、ピストンの最大圧力よりも高い概ね最大の圧力下に永続的にあり、且つ処理温度(たとえば800℃)下に永続的にある。それぞれのサイクルにおいて燃焼される燃料は、バルブ(概ね空気圧によって駆動されるシリンダバルブ)によって燃焼機関内へと流れ、当該バルブは最高点領域において開いている。処理室は、孔を備える孔壁を囲む圧力壁によって包囲され、当該孔を通じて高い酸素含有量を有する孔流が(熱なしで圧力を維持し、且つ圧力なしで熱を維持する)処理室内で流れる。本発明はまた、燃料又は潤滑剤のためのダブルポンプシステムに関し、ペルチェ電流によって制御されると共に温度制御器を備える点火器を起動させることにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
処理室機関PKMは、概念的には難しいが、実現及び作動方式においては問題を伴わず、且つ最も簡単である。
【0002】
フィルバース(Philberth)によるPKMは、処理室PKを有するピストン機関である。PKは、シリンダ壁ZWによって囲まれる、ピストンの上方の室である圧縮室PRから、気密性の分離壁TWによって分離され、当該分離壁内にはバルブVeが埋め込まれている。Veが開いている間は、PRは燃焼室BRであり、Veによって移行流れPK/BR(PKからBRへのガス、又はBRからPKへのガス)が流れる。バルブの上方で、PKは多孔性の孔壁PWとしての熱壁WWによって囲まれている。WWは、圧力壁DWによって圧力をかけられながら囲まれる。多シリンダ機関(3、5、7、…)は、有利には共通のPK及びWWを有する。
【0003】
燃料が、K流体としてPK内に流れ込み、当該PKにおいて燃料は、処理室ガス(PKガス)になるように処理される。この際、PK内に流れ込む過剰バランスのガスが用いられる。このガスは、BRからの少量の過剰バランスのBRガスであり、及び/又は多量の過剰バランスの処理ガス(PCガス)である。通常は、PCガスはBRから排出され、その容量は、排出容量Vaを超える。
【0004】
PCガスは、PK内に孔流れとして、また場合によっては付加流れとして流れ込む。
> 付加ガス流れ(A流れ)は、K流れに加えられてPK供給管へと供給される。
> 孔流れ(P流れ)は、具体的にはWWを通る壁流れ(W流れ)である。
PKMの孔流れは、コークス/タール/樹脂の沈殿物であるKTHを防止する。孔からPK内へのP流れは、WWにおける煙及び煤を酸化する。
【0005】
PKガス(PKM燃料)は、Veが開いている際に(移行流れPK¬BRを通じて)BR内で燃焼する。これは、最高点に達する前の前シュート及び最高点に達した後の後押しにおいて行われる。当該前シュート及び当該後押しの間に戻り押しがある場合があり、当該戻り押しにおいて、ピストンはBRガスをPK内に押し入れる。
【0006】
ピストンによって上昇したバルブにおいて:場合によっては、間隙流れ(S流れ)がPCガスとしてバルブの間隙を通る。場合によっては、ネック流れ(H流れ)がPCガスとしてバルブネックを介してBR内に入る。場合によっては、ヘッド流れ(K流れ)がヘッド壁(バルブのPK側の多孔壁)を通る。
S流れ、H流れ及びK流れは、バルブにバルブ流れ(V流れ)として供給される。
H流れのみがPCガスであり、再利用される。全ての他のPCガスは処理される。
【0007】
ピストンの圧力面の位置Pn 上方 P−P−P−P−P−P
が最も高い(最高点) 下方 P−P−P−P(P¬P
位置P〜Pの段階PXZ〜Pの段階PZX(P=Pを経由)
12 圧縮;P24 燃焼;P45 膨張;P51 交換
温度 PK内のT;PR内のT;PにおけるT;PXZにおけるTXZ
圧力 PK内のp;PR内のp;Pにおけるp;PXZにおけるpXZ
容量 PKのV;P及びPの間のVXZ;P及びTWの間のVXT
【0008】
PKMの特性及び動作 具体的な構成及び提案:
原子に付くものは、分離もする。すなわち再構造化は分子においてのみ行われる(場合によってはいくつかのサイクルにわたって一体化される)。一貫して、PK内の全ての状態(特にT)は確実にバランス基準と共に生じる。問題のないPKバランスは機能及び材料に適合している。PKMは調整に関しての問題をほとんど有せず、非常に簡単である。
PKMは、各々の燃料(各オクタン価及びセタン価)によって完璧に作動する。K流体は、PK内へ各々の方法で供給可能であり、有利には歯車ポンプで継続的に供給される。
PKは確かに「予燃焼室」として分類され得るが、従来の予燃焼室からは基本的に逸れている。PKは、1サイクル(概ね5〜50)のための燃料として、PKガスになるように完全に処理される燃料よりもはるかに多くの燃料を収容する。PKは、その内部空間において、高い圧力と高い温度(概ね17(170)<p/MPa(バール)<25(250);400<T/℃<1200)とを永続的に有し、それらは一定で変動することはあまりない。
過剰バランスの処理するガスは、PCガスであり、場合によっては戻り押しである。PCガスは各々の方法(たとえば、V3Tから排出管Vを介して逆止弁)で調整できる。
PKガスは、PKM燃料であり、湿気、煙及び煤を含む場合があり、処理中に連続して生成され、バルブを開くことで激しく消費する。
バルブが開いていることにより、PKガスは燃焼のためにBRガスに混合される。それぞれのガスはそれ自体で点火温度よりも高い温度を有するので、PKガスは、遅延もなく、外部からの点火、すなわち火炎面、衝撃波、衝撃起爆を必要とせずにBRガスと反応する。反応は常に円滑に行われ、排気ガスが吸気ガスの大部分を占めていても同様である(たとえば、99%においても0%の場合と同様である)。そのため、PKMにおいては洗浄に関しての問題はない。PKMは2行程機関としては、50%の排気ガスの割合で4行程機関に相当する働きをする。従来の排気バルブ及び吸気バルブを用いれば、PKMは4行程機関としても利用できるであろう。
有利には、PKMは2行程機関である。排気ガスの排気と吸気の供給とが交代で行われる。それらは、P51において利用可能なZWスリットを介して行われる。有利には、排気スリットは垂直であり、吸気スリットは可能な限りZWと平行である。Pからは、吸気+排気ガス=供給ガス(Zugas)となる。
2行程機関としてのPKMは、単一のバルブVeのみを必要とする。バルブは開かれると、移行流れのために移行流れ抵抗TSを有する。TSが小さい場合、移行においては圧力の低下は存在しない。BR圧力はPK圧力pと同じになり、PK圧力は変動することはあまりない(実際には、永続的に一定であり、概ね20MPa(200バール)であり、落ち着いた動作をもたらす)。
バルブを開くことは、ピストンの最高点領域(概ね、Pの後にいくらかピストンが落ちる直前)において行われる。機能に関しては問題はなく、時間調整の問題もない。
PKMは、様々な方法でバルブを開くことで作業を行う。たとえば、(I)ピストンによる上昇(PKMについての本明細書はこの方法に自由選択により基づく)(ばねバルブ)。(II)圧電水圧システム又は磁気水圧システムを用いてバルブの足の上に(当該足の下でPRからの分離を行うTWと共に)上昇。しかしバルブは、プラグ軸又はスライダによっても開かれる。(III)外部から開く。たとえばカムによって行う。有望なのは、空気圧式装置を用いて行うことで、その実行中には圧電電気システム又は磁気電気システムが用いられる(シリンダバルブ)。
【0009】
比較
1世紀以上にわたる従来の燃焼機関は以下のものである。
OtM「オットー機関」:均一の空気及び燃料の混合気は、火花点火される。
DsM「ディーゼル機関」:給送された燃料が圧縮された空気内で燃焼する。
【0010】
OtMは局所的に点火し、DsMは温度の低い燃料を注入する。燃焼プロセスは、約1msで終了し、燃焼物を再び点火して継続する。これは完全な洗浄を必要とする。そのため、OtmはDsMと同様に、大抵の場合4行程機関である。
【0011】
OtM;19世紀において、オットー及びランゲンによって都市ガス用機関として概念化された。携行可能なガス源としての、蒸発可能な石油成分の「ガス化」は、ベンゼン(Benz)を除去することに成功した(モル脂肪族「ガソリン」、芳香族「ベンゼン」)。
【0012】
OtMは、均一の燃料及び空気の混合気を圧縮し、最高点に達した直後に点火火花によって点火する。最適な点火の瞬間を得ることはなかなかできない。より効率の高い圧縮は、「ノッキング」(最高点に達する前の圧縮点火)に対して、アルキル鉛又は芳香族炭化水素を加えることを必要とする。これは問題である。
【0013】
洗練された電子装置を用いても、全ての状況下において常に、最適なガス比率(過剰バランスが少ない)は未だに満足できる程度には得られていない。石油のごくわずかな部分(特定の分子)のみを用いることができる。
【0014】
OtMは、2行程機関として利用される場合がある(特に簡素なオートバイ又は乗用車の場合)。しかし、2行程機関としてのOtMは常に新たなガスを損失してしまう。
【0015】
DsM;19世紀においてディーゼルによって考案された。DsMは空気を圧縮して高温にし、最高点に達した後に吹き付けられる液体燃料「ディーゼル」が燃焼する。低温のディーゼル油は、加熱、蒸発、混合及び分留され、そして局所的な点火部によって完全に点火される必要がある。この連鎖は確実に終了し、且つ常に全体が行われるとは限らない。壁に付着している油は、温度が低すぎて点火することができない。重い油分子は、非常にゆっくりと壁から拡散し、高温の乱流燃焼領域内へ入る。混合は、燃焼空間内でCO及びHが或る場所で発生し、N及びOが別の場所で発生するほど不十分なままである。それらは膨張における冷却において残留する。
【0016】
多くの過剰空気は、長い反応連鎖を短縮することはほとんどできず、壁からの拡散を加速することはできない。過剰空気は作動温度を低下させ、したがって効率を低下させる。さらにオゾン及び酸化窒素が、ジオキシン、ベンズピレン及び多種多様な毒素と共に発生する。形成される煤がこれらをさらに活性化させる。DsMでは燃焼が完全に行われず、且つその燃焼は不潔であり、環境に悪い排気ガスを伴う。
【0017】
DsMの開発においては、莫大な費用がかけられ、また大きな成果が残されてきた。250MPa(2500バール)までの直接の吹き付けは、圧縮圧力に対して強烈な衝撃を与え、それによって、精細な噴霧が行われる。吹き付けに関しては、全ての状況において粘度が異なっていても限定を行わなければならない。吹き付けには変形形態が存在し、それらの変形形態において、壁又は焼玉に対して吹き付けが行われる。最近になって得られた圧電性の連続吹き付けが成果を残している。
【0018】
特別な変形形態は、過流室又は予燃焼室に対する強烈な吹き付けである。予燃焼室は、燃焼空間の一部であり、当該燃焼空間には液体燃料が吹き付けられる。予燃焼室に向かって、ピストンによって圧力をかけられた空気が燃料物質の一部である燃料を予め燃焼し、当該燃料物質は、ざるのような開口を通じて最終的な燃焼のために他の燃焼空間の部分へと流れる。ディーゼルの原理においては反応は短期間である。
【0019】
DsMは常に、非常に多量の屑と有害物質とを排出する。ごくわずかな石油を(特定の分子と共に)DsMにおいて用いることができる。DsMは、(大抵は遅い大型機関の場合)2行程機関として作動することがある。これは、燃焼のためにより長い期間が許される場合である。DsMの2行程機関は、排気ガスの一部を吸気ガスに用いると、性能及び温度の点で4行程機関よりもより有利であろう。しかしその場合のDsMでは、点火は非常に緩慢であり、燃焼は非常に遅い。
【0020】
原則的なこと(TSが小さい場合)
PKMは、以下の3つの有益な特徴点の全てを完全に有している。
I.燃焼のための成分混合の均一性
II.燃焼を(CO、HO、Nに関しての)正常なバランスに近づけること
III.膨張の開始までに燃料の燃焼を完全にすること

1.P2G 前シュート 最も強い発熱反応:温度の高い、低バランス(unterbilant)のPKガスは、ピストンの上方を流れて、(BRにおいて)供給ガス内で燃焼する。PKガス及び供給ガスのそれぞれは、それ自体で点火温度よりも高い温度を有する。残りの未だに液体である燃料は、バルブにおいて蒸発する。前シュートにおいては、大抵の物質が理想的に燃焼する。
2.PG3 戻り押し PK内の発熱反応:ピストンは、一部が燃焼した過剰バランスのBRガスに対してPK内へと圧力をかけ、当該BRガスは、低バランスのPKガスと反応する。PG3において、PK温度Tが上昇する。PK圧力pは、ほとんど一定にpまで調整される。戻り押しなしの場合、PK過剰圧力が生じる(p>p)。
3.P34 後押し 低バランスのPKガスは、ピストンの上方で圧力をかける(P34において流れ込む燃料は蒸発する)。発熱反応は温度を上げる。
4.P24:燃焼は、P24の全ての時間にわたっているので、完全に行われる。P24の最後の辺りで燃焼がさらに起こる場合、多くの差異が存在しないことはさらに有効である(性能及び温度)。常に確実に正確な所定のバランスが得られる。
5.P42:燃料は、低バランスで、PKガス内において継続して反応する。戻り押しの場合、PKバランス及びPK温度はいくらか低下する。燃料の流れ込み及び孔流れは、T及びpに影響を与える。しかし最終的なバランスは確実に同じである。
6.最適な酸素/燃料バランスのパラメータ(Vorgabe)はほとんど問題ではない。
7.点火は必要ではない(場合によっては開始時のみ)。オクタン価及びセタン価の値は関係ない。
注記:Pにおいてピストンがバルブに当たる高さは、Pと同じである。非弾性的な上昇(Starr-Hebung)の場合、PはPと同じ高さである。ばねによる上昇の場合、PはPよりも高い。
1T/V2T圧縮:PK容量のために、いくつかのサイクルにわたってようやく効果を発揮する。
G3/VGT戻り押し:容量が低減して、BRガスはPK内へ押し入れられる(PK温度Tが上昇するため、ガスの割合は容量の割合よりも小さい)。
重要ではないさらなる領域:小さな戻り押しは低いPKバランスをもたらす。大きな戻り押しは、T温度が高いため高いバランスをもたらす(必要であれば調整可能)。
【0021】
具体的測定 非弾性的な上昇 説明のためのみの例:
サイクル角度βにおけるサイクルの開始では、β=0°であり、続いてたとえば、β=30°;β=160°;β=180°;β=200°;β=330°;β=360°である。
段階角度βXZ=β−β〜PのPXZにおいては回転する角度は概ね以下の通りである:
12圧縮 β12=130°;P24燃焼 β23=β34=20°
45膨張 β45=130°;P51交換 β56=β01=30°
【0022】
行程容量=V03÷132.9mmでは、941mmのピストン断面で1/8リットルとなる
仮定:V2T÷8mm、且つ。V1T/V2T=16(圧縮)。V1T÷128mm
クランク半径R=66.45mm;押し上げ高さV13÷R(1+cosβ01)=124mm
バルブの上昇V23÷R(1−cosβ23)=4mm;残りの容量V3T÷4mm
(÷が意味するもの:=関連する容量に固有の長さ)
及びTは、有効な圧縮を適度に調整する。短いコネクティングロッドはV13及びV23を適度に調整する。
β2Gの場合の遊隙: 0°;P=P 10°PG−konkret 20°;P=P
G3及び戻り押し: 4mm及び0.5 1mm及び0.2 0mm及び0.0
がPに近づくと、戻り押しは小さくなるか又は完全になくなる。
これは、いっそう大きくなる孔流れ及び/又は付加流れによって調整される。
【0023】
ばねによる上昇を用いる方法;バルブネック又はピストン接触面は、ばね力(誘導力)を有するようにばねを付けられる。ばね力が非常に小さい場合、ピストンはVeに付きながらもまだバルブを上げず(pはpよりも大幅に大きい)、P(たとえばβ=170°)の前で上げる。ばね力が非常に大きい場合、ピストンとばね力とによって上昇したバルブはP(たとえばβ=200°)においてようやく閉まる。バルブ上昇の始まりは、特にばねの渦巻き線又はばね板が一緒になることでPにおいて画定される。一緒になることは、有利には、シリンダが安定している場合に行われる。
【0024】
規格の表示(自ら能動的に規格化に関与することも当然あり得る)
特別な特徴点を有する熱をジュールによって規格化することは実用の面では「非熱力学的」である。熱は拡散分子エネルギーとして、「cal」及び「Kal」で最良に表現される。
熱Q:4ppmでの正確な換算:1Ws(ジュール)=0.239cal
非常に正確には、ガス定数2cal;V定数に特有のガス熱1cal/F(Fは並進自由度+回転自由度);モル熱6cal/Mol
したがって、(理想気体では)温度上昇ΔT[℃]は非常に正確である[cal/F
【0025】
バルブVe
バルブ台において、バルブ本体はTWに移動可能に適応している。有利には、バルブ本体は円柱状のバルブネックHsを、当該バルブネック上方の円錐状のバルブヘッドと共に有する。有利には、TWは、開口TOをバルブ台内に有し、当該TOは、円錐の先端に近い。バルブを押し当てることによって、バルブヘッドの円錐と共に開口が閉じる。バルブの上昇は開口を開き、円錐状の隙間がバルブ台上方において開く。PKガスは、BRガス内に、前シュートにおいて勢いよく混合されるか、又は後押しにおいて移動する。戻り押しにおいては、BRガスはPKガス内に移動する。速い前シュートと過剰バランスの戻り押しとは堆積をもたらさない。
【0026】
バルブネックは、バルブ台内でおよそTWの温度で滑動する。後押しにおいて、燃料は、隙間を通じて吹き出て、滑動を滑らかにする。K流れ又はH流れは、概ねV流れとして円柱状のバルブ台の環状溝の上方で供給され、特に低いバルブ温度をもたらす。しかし、これは必要なことではない(今後問題となることはない)。
【0027】
前シュートは、圧縮圧力の約3倍の圧力低下と共に開始する。前シュートは、最初は概ね放物線上に上昇して、滑らかに終了し(pをpと同じにする)、TSは小さくなる。そして戻り押しへの移行が開始する。
【0028】
バルブの上昇に外部からの制御を用いること、又はばねバルブをもちいることによって、PはP(たとえば10°〜20°)よりもP(たとえば10°〜5°)のより近くに移動できる。前シュートは、Pの直前から滑動を開始し、概ねPにおいて最大となり、(戻り押しなしで)後押しへとPまでに移行する。したがって、自由な構成が可能であり、最高点へ向かう場合と最高点に達した後の場合とでは、さらに適切な燃焼を得ることができる。PK圧力pは各々の上昇機能に適合し、ここで上昇のための装置は重要ではない。
【0029】
バルブの縁にある非常に小さい傾斜溝は、バルブの簡単な回転を可能にする。
【0030】
処理室PK
PK容量Vは、行程容量との関係において機能する(V/V03)。
【0031】
比率V/V03は、PKにおける燃料の中間処理期間Dpである。
【0032】
比率V/V03は、性能変化の後の、固定作動への調整期間Dsである(逆指数関数的に近づく。たとえば3Dsの後に約1/20となる)。
【0033】
PKMに特有なのは「サイクル数」Zである。これは、何回のサイクルの間にPKがPKガスとしてのK流体(燃料/サイクル)を保持するかということである。ZはPKバランスによって決まる。
【0034】
作動時の1バランスとPK内の1/2バランスとのそれぞれの場合(燃料[HCH]):
>供給ガスの吸気のみに関しては、15モルの供給ガスにつき8モルのPKガスである(係数8/15)。p=20MPa(200バール)での圧縮(係数1/200)及びT=800℃の温度(絶対温度の比の係数3.75)においては、V/V03=0.010・Zである。
>排気ガスが供給ガスの半分を占める再利用に関しては、V/V03=0.008・Zである。
【0035】
概算(Grob):100・V=Z・V03。Z=25の場合、V=1/4V03;50サイクル/sの場合、Ds=1/2s。処理期間Dpは、ディーゼルの吹き付け期間の約200倍。変動ΔT<5%、Δp<4%。戻り押しにおいても、PKガスは、(高バランスの孔流れに対して)PW内に押し入らない。ここで堆積は不可能である。
【0036】
起動動作
この起動動作は、PKがより大きい場合はより規模が小さい。これは、最初の圧縮が封止V1T/(V2T+V)のみを必要とするからである(圧縮圧力はバルブを持ち上げる)。ここでの点火において(場合によっては起動点火システムを用いる)、最初の簡単な圧縮が早くも始動動作を行う。この始動動作の規模は、場合によっては発電機による始動も可能であるほど小さい。これは特に多シリンダの場合に有利である。
【0037】
多シリンダ
共通のPKは、単シリンダにおけるPKよりもわずかに大きいPKを必要とする。つまり、より少ないサイクルで固定動作が達成される(起動点火器のみ)。共通しているのは、流路空間と、供給管と、ポンプとである。しかし、各シリンダから、逆流ブロック(Rバルブ、Rプラグ)を用いてV3T排出が行われる。有利には、排出は、供給管内にて行われる:向流熱交換器(伝熱:温度の低いポンプ及び高気密性)。
【0038】
PKバランス
PKMは、各々の粘度及び濃度の燃料によって作動する。孔流れ及び戻り押しは、PKバランスに影響を与え、ひいてはPK温度Tに影響を与える。戻り押しは、βG3によって2倍に変化する(関数1−cosは概ね2乗である)。VG3及びV3Tをもたらす高さ(具体的には1mm及び4mm)は、重大な問題ではない。ガソリン及びディーゼル燃料はPK内だけで完全に蒸発し、粘性の重油も大抵は蒸発する。
【0039】
全ての処理は、モル変形熱(Bindungswaerme)のFにわたって制御される:
CO 94.4Kal;CO 26.4Kal;HO(g) 57.8Kal;HOCN 36.6Kal、CH 19.1Kal。
通常の燃料[HCH]は約8Kalである。吸熱HCN −30.1Kal、C −9.6Kal。
【0040】
全ては20MPa(200バール)/800℃における理想気体とする。PKガス気密性50〜65g/L。
空気とのバランス(O+4N) 熱Q/F[cal/F] 燃料/PKガス[g/L]
【0041】
【表1】

【0042】
しかし、最大のQ/F[cal/F]が実現する温度上昇はわずかである:ΔT[℃]<Q/F[cal/F]。これは、特に吸熱性の結合と解離とによるためである:CO+CH+N¬2HOCN+H;CH+C+N¬2HCN+H;CH+C¬C;CO+CH¬2CO+2H;CH¬C+2H;CO+C¬2CO;CO+H¬CO+HO。低い温度はエネルギ反応を促進する。つまり、過冷を防止する。高い温度は吸熱反応を促進し、振動の自由度を高める。つまり過熱を防止する。この「最小の制約の原理」によって、PKMに適した温度への安定した自己調節が行われる。
【0043】
排気ガスの再利用は、バランス自体は変えない。しかし再利用は、CO及びHOをPK内に戻し、これは反応を調整する。この調整によって大抵は、煤及びCHの量が少なくなる。増大する圧力は調整され、分子の数が少なくなる。高い温度は調整され、エネルギーの少ない反応をもたらす。当該反応は温度を制限する。PK温度Tはほとんど自由に調整可能である。PKMは、DsMよりも自由度がより高く、且つより柔軟に配置可能である。
【0044】
鉱油は、低バランスではほとんどガス化することはできない。このガス化において、特に、煤を有する抵抗力のある煙が発生する。個々のC原子は最も高い吸熱性を有するので、炭素がほとんど微小クラスタとしてのみ低バランスで発生する。大抵は、ガスは平均的な熱を有する。長い連鎖の熱クラックは窒素を分離する。HO及びCOは、特に窒素が堆積している中で長い連鎖によって反応する。これは、ほとんど概観することのできない反応である。また、この反応は、吸熱反応であり、且つ、遊離基反応である。煙及び煤の形成は、通常、KTHの進行性の堆積をもたらす。これは大きな問題である。
【0045】
いくつかのサイクルの滞在時間の間に、PK内で(ろうそくの、光を放つ炎の中におけるように)ガスに似ている煙及び煤のみが発生し、当該煤はPKガスのように燃焼する。孔流れに対して、PK内で堆積は生じない。孔壁におけるそれぞれの微量の堆積は、孔流れによって直ちに(ろうそくの縁におけるように)燃焼される。非常に少量のP流れ(PCガスの<1%)のみでKTHは防止され、PKガスが非常に温度の低いPW層内へ入り込むのも防止される。
【0046】
バルブのPK側のみにおいて、場合によっては堆積を回避することができる。たとえば、過剰バランスの戻り押しは制御しやすく、且つ/又は、孔流れはバルブへと吹き付けられることができるので、孔流れは、バルブ表面上でそれぞれの堆積を直ちに燃焼させる。又は、PKに対するバルブヘッドの側面を孔壁として形成することは非常に有効である。
【0047】
このヘッド壁KWを、K流れがバルブ流れの一部として通って流れる。また、V流れを、バルブネックを介して流すことも非常に有効である。V流れは、H流れとして、滑動の遊隙内へ流れ、バルブが上昇している際に下方のバルブネック内へ流れ、またばね装置へと流れる(PKガス及びBRガスがバルブネック内へ流れ込むのに対して)。場合によっては、S流れが、PCガスとしてバルブの間隙を介してPK内へ流れるのに役立つ。
【0048】
K流れ、H流れ及びS流れは、バルブ流れの部分である。このV流れはPCガスであり、Pポンプ又はいくつかのバルブ流れポンプ(Vポンプ)によって送出される。V流れはバルブ内へ、たとえば円柱状のバルブ台の環状溝を介して給送される。
【0049】
有利には、PCガスはV3Tから排出される。排出の容量Vは、最適化可能である。その容量は、V3Tの容量の一部である。V=V・p/p(Vはさらなる送出の容量である)の場合、PCガスはほとんど単に、最大濃度を有する供給ガスである。たとえば、付加流れのために増量したPCガスがより有利である場合(ちょうど前シュートにおいて既に部分的に燃焼しているBRガスによって「薄められている」)、最適化では、場合によっては、V<V・p/pとなる。多シリンダは、それぞれのシリンダにつき、固有の逆流ブロックを用いてV3Tから固有に排出を行う。この際、PCガスを過剰圧力(概ね1.2p)で送出するPポンプの付室(Vorraum)の過給(概ね>0.8p)が行われる。過給は、P流れ、及び場合によってはV流れ、及び場合によってはA流れのために行われる。
【0050】
バランス基準
PKMにおけるバランス基準は、簡単且つ永続的である。標準バランス(1バランス)では、燃料のために、化学量論的に正確な[CO、HO、N]空気が用いられる。空気[0℃で0.1MPa(1バール)]ごとの燃料[HCH]に関しては、82.2mg/Lである。
【0051】
同期ポンプ(クランクシャフトに比例して回転する)は、K流体の容量(燃料/サイクル)の確実な調整を可能にする。吸気は、交換P51において調整可能である。これは、場合によっては標準バランスのために行われる。これが必要とするのは、簡単な技術のみである。
【0052】
K流体(燃料の送出)は、有利には、Dポンプによって投与される。Dポンプは、等圧で送出する歯車ポンプであり、圧力をかけるFポンプに先行する。K流体は、Fポンプから突出しているか、又はFポンプに隣接して閉鎖されている流れ絞り弁(Fluss-Drossel)(場合によってはポンプ)によっても投与可能である。PCガスは付加流れ(A流れ)として、PKへ通じる供給管内へ向かって、有利には、Fポンプの後方でK流体に加えられる。加圧タンク及び歯車ポンプの場合、PCガスは、側方からFポンプに供給可能である。
【0053】
カムによって動かされるピストンポンプは、自由に最適化可能である。たとえば、ピストンポンプは、P14において、タンクから下方スリットを介して取り入れを行い、P41においてPKへ通じる供給管内へ圧力をかける。
【0054】
確実に、供給物質は正確に分離する。分離は、PKMにおいて統合されて、いくつかの(より小さいPKにおいてはより少ない)サイクルにわたって行われる。各サイクルにおいて可能な限り性能を速く変化させるために、一定のバランスは、燃料の供給と比例するOの供給によって常に調整可能である。そして、調整は少ないサイクル数で行われるため、これは問題を伴わない。全ての状況の確実な調整は、可搬性部品(Tragbaren)の広い遊隙において行われる。
【0055】
の供給の低減は、有利には、排気ガスを供給ガス内に残すことによって行われる。したがって、PKMは、DsMとは反対に難題を有しない。供給ガスにおいて排気ガスが半分を占めていても、PKMは、機械的、音響的及び熱的により良好である。これは、続く作動において熱を解放するために排気ガスを残すことを必要としなければならない場合でさえも同様である。したがって、短期間(数分)で、PKMは、性能を2倍に増大させることができる。したがって、過剰に動力化された自動車の購入についての最も重要な論拠が無効になる。
【0056】
実現の可能性は、以下のことを示唆する。新たな空気のためのタービンが排気ガスの排気によって駆動されると、燃料の供給の低下が、新たな空気の供給のためのターボ性能を低下させ、これによって、排気ガスの割合が対応して増大する。
【0057】
燃料バランス
ポンプ及び管が全体的に粘性に対して耐性を有する限り、PKMは、残余物なしで燃焼する全ての液体によって作動する。各々の歯車ポンプは、確実に調整されると、サイクルごとに常に同じ容量を送出する。
【0058】
多くの酸素物質[g]と同様に、各燃料容量[ml]につき、ディーゼル 約2.7;ヘキサン 2.33;オクタン 2.47;デカン 2.55;セタン 2.69;ベンゼン 2.71;トルエン 2.71が含まれる。
【0059】
PKMは、目下利用される全ての燃料で変化を伴わずに動作する。この動作において、バランスは一定して簡単に調整される。PKM燃料に費用をかけないために、現在まで利用可能ではなかった燃料を基準値(Normwert)に調整することができる。これは、特に遊離基(たとえば−OH若しくは=C=O、又は−NH若しくは=C=C=)を有する化合物の混合によって行われる。
【0060】
したがって、精油所は、全ての送出可能又は入手可能な炭化水素を、有効な粘度を有する最適なバランスへと処理することができる。精製は簡単であり、これは、ポンプにとってのみ十分な粘度が必要だからである。
【0061】
アイドリング(Leer-Lauf)
アイドリング回転数(Leer-Tourenzahl)によって、燃料の絞りは制御される。これは、高い過剰バランスが有害物質なしで可能になるような低温度への調節を行う。
【0062】
始動は、通常は、アイドリングへと移行する。起動点火システムの場合、当該起動点火システムは、最初から簡潔に起動することができ、依然として負荷のかかっていないバッテリ電圧が用いられる。
【0063】
温度の克服
PK温度Tは、戻り押し及び/又はP流れによって、最も有利に調整可能である。Tの範囲は広く、200℃<T<1400℃である。
【0064】
PKMにおけるPR温度は、それぞれのサイクルの仕事行程にかかわらず、DsMにおけるPR温度よりも有利である。現在まで、ピストン機械において、最大燃焼温度を利用して完全な効率を得ることに成功したことはない。PKMは、供給ガスに最適な排気ガスの部分を残すことができ、したがって、2行程を完全に利用することができる。たとえば、DsMよりもより高い効率が得られる。TW内の冷却中空室と、TW及びピストン上にある熱に対しての保護を行うコーティングとは、PKMには必要ではない。
【0065】
PKMでは、容量V(場合によってはV3Tからの排出)によっていくつかの改善が可能になる。まずPの直後(ガスがVからPR内に戻ってくる)、基準バランスがもたらされる。Pまでは、物質全体は、依然として不活性であるか、又はいくらか低バランスである。Pまでは、より低いTが、高エネルギー変換を可能にする。
【0066】
圧力/温度
一般的に問題なのは、高い温度における高い圧力である。
【0067】
PK内においては、圧力pは永続的に高い。その際、場合によっては温度Tは高い。しかし、熱壁の周りの、熱を有しない圧力壁がPK圧力pを保つ。圧力を有しない熱壁は、圧力壁の内側でPK温度Tを保つ。
【0068】
500℃<T<1100℃では問題はなく、目標とされるのは800℃(赤熱)であるが、その温度より高くてもよい。
【0069】
PWにはセラミックが適している。バルブに関しては、高熱耐性を有し、1000℃まで安定している、Fe、Co、Ni、Cr、W又はNbの超合金が適している。条件が極端な場合は、サーメットが適している。バルブネックにおいてガス流れが存在しない場合、バルブは実用的なTW温度下にある。
【0070】
PW熱伝導はわずかであり、1000分の1の熱しか放出されない。孔流れは、向流における熱をPK内へ戻し、KTHを防止する。
【0071】
PWに孔流れを供給する流路は、PWに接しているか又はPW内にある。孔流れが低い温度で到達する場合、流路は圧力壁DWに接している。孔流れが高い温度で到達する場合、PWの一部は流路とDWとの間にある。
【0072】
プランジャバルブ(Stempelventil)
外部からバルブ軸によって上げられるバルブ、たとえば、
バルブ軸の中間の高さにおけるK流体のPK内への流入は、DW内の滑動を滑らかにし、PKからのスリップ流れ(Schlupf-Fluss)を防止する。シリンダ内の(バルブ軸の端部にある)バルブピストンによって、バルブを上げることができる。これは、たとえば、水圧式で行われる。Pにおける(上昇後)速い圧力の反転は、バルブが確実に閉まるのに有効である。スリップ流れは、ピストンの閉鎖位置からの上昇のために自己調整させる。バルブを水圧によって上げるために、ピストンの下方の空間を燃料で満たす(たとえば圧電電気システム又は磁気電気システムを用いる)。バルブピストンにおけるスリップ(燃料及び場合によってはガス)は、バルブ軸を通じてPK内に流れる(K流体の分岐のみ)。バルブ軸における孔を通じて、PK内へ押し入れられるPCガスは、バルブを冷却する。
【0073】
プランジャバルブに関しては、その下にシリンダバルブがあるのが有効である。Pの直前から滑らかに上昇し(たとえばβ>170℃)、Pのかなり後まで開いており(たとえばβ<200度)、確実にp>p(たとえば0.5MPa(5バール)〜5MPa(50バール))である。約1msにおいて数mLの移行流れは、圧力低下が大きい場合にはわずかな上昇(たとえば<1mm、場合によっては1/4mm)のみを必要とする。
【0074】
シリンダバルブ
空気圧式で作動するプランジャバルブの特定の構成:
シリンダバルブは、断面がφである中空のバルブシリンダVZを有する。当該バルブシリンダは、TW内で密閉を行っているバルブ円錐部と共に下方を閉鎖し、DW内で滑動する。DWの滑りガイドは、PKに対してWWによって封止され、下方に対しては、概ね円錐部の先端の上方の上昇高さまで延在する。VZは、断面がφである上部シリンダAZへ向かって上方へと幅が狭くなっており、当該上部シリンダはDW内で滑動する。DWは、断面φ−φの輪形空間RRをその幅が狭くなっている部分にわたって閉鎖し、当該輪形空間内では、ガスは圧力pを有する。圧力p>pの場合、A流れはAZを通じてVZ内に(下方の気孔へと)流れる。バルブに加えられる力は、上方に対してはp・φであり、下方に対してはp・φ+p(φ−φ)である。φ/φが十分に小さい(たとえば1/8)と、位置PHでは、p・φ>p−φである。これは以下に記載することをもたらす。
【0075】
排出口を開けると、RRガスの流出によりpは低下し、上方に対しての力が優勢になる。バルブが上げられて開いても、pはまだいくらか存在する(たとえば>1MPa(10バール))。
【0076】
排出口を閉めると、pを有するガスの流入によりpは上昇し、下方に対しての力が優勢になる。バルブが閉じると、既にp<pとなっている(はるかに前)。
【0077】
短い上昇高さでのわずかな加速によって、バルブの載置(Aufsetzen)は簡単になる。
【0078】
強い力によって、確実に開閉が行われる。RRの少ないμL容量だけ(高い圧力)で、良好な流出及び流入が行われる。(排出口を通じる、たとえば磁気電気システム又は圧電電気システムを用いての)流出の期間が短いこと、及びA流れ抵抗を超える流入の期間が長いこと(たとえばスリップとして、溝によって、又は流れ絞り弁によって調整可能である)が有利である。
【0079】
燃料が、DW内の環状溝を介してVZの側で給送されることが有利である。VZに沿って、燃料は(たとえば下方へ傾斜して通じている溝内で)、気孔の前の円錐部封止まで流れる。燃料は、当該気孔からA流れによってPK内へ吹き入れられる。A流れはバルブを冷却し、低温度の状態で給送される。ここで非常に高いTによる作動が可能である。
【0080】
PCガスシステム
単シリンダに適しており、3シリンダ(5、7、9)に有利であり、多シリンダに完全に適している。いくつかの例を以下に提案する(全ては歯車ポンプ)。
【0081】
1> PCガスは、排出管Vを通じてチェックバルブ又は半回転のスリット軸を介して、V3Tから排出される。複数のシリンダからのこの排出は、Pポンプの歯の隙間(Zahnluke)の概ね半分を圧迫する。当該Pポンプは、T基準値にとって必要な量よりも多くの量を送出する。過剰な分は、流れ絞り弁によって、Pポンプの入口まで流し戻される。流れ絞り弁はDSwを有し、当該DSwによって、Pポンプは(場合によってはP流れ、V流れ、A流れにおいて)、常に圧力>pで送出する。可変の逆流に対しての絞りが調整可能であることによって、Tが調整されるか、又は制御される。
2> 1>と同様であるが、逆流ブロックの後方で、固有のWポンプ及び/又はVポンプが用いられる。
3> 1>と同様であるが、逆流ブロックの後方で、緩衝のために加圧タンクが用いられる。
4> PCガスは、S流れとして、開いているバルブの円錐部間隙を通じてPK内へ流れる。
5> PCガスは、H流れとして、TW環状溝を介してバルブネックを通じてBR内へ流れる。
6> 小さなHSw及び大きなV流れ供給容量によって、大幅に調整されるH流れ(場合によっては固有のVポンプ)は、流れ絞り弁によって、A流れとしてFポンプまで排出可能である。H流れのA流れへの分岐が制御可能であることによって、Tを制御することができる。
7> Pポンプなしで、WWへの導管(Knal-Rohren)によって、円錐状のバルブ台内で排出が行われる。
8> 戻り押しなしで、PK圧力が一段と高くなり(p>p)、処理はPCガスのみを用いて行われる。
9> PKZの機能によって、流れ絞り弁又は戻りポンプが変化し、Tが制御される。
【0082】
注記:バルブVe又は逆流ブロックは、通常のバルブとすることができるが、コック(スリット軸)、スライドバルブ又はスロットルバルブとすることもできる。
PKMは、それぞれの位置において動作する。「上方−下方」は説明のためのみに用いられる。
PKMは、ハイブリッド駆動装置を有するシステムにおいて、特に有利に利用可能である。
【0083】
PKMの原理は、多数の構成上の発明をもたらす。これに関して以下のことが提案される。
循環処理機構としての処理室 構成例
処理は、燃料の供給管の拡大されている端部において始まり、当該燃料の供給管は、孔壁の一部によって囲まれている。処理の進行は循環的に維持される(A流れの場合も同様であり、当該A流れは供給管内にて定期的に処理されない)。
【0084】
吸気スリット及び排気スリット 構成例
ピストンリング(シールリング)の過度な滑動によって吸気スリット及び排気スリットにわたる磨耗が増大することは、スリットが、幅の狭いスリット部分としてシリンダ壁内で垂直に並行して構成されることによって回避することができる。介在ブリッジ(Zwischenstege)は、弾性的な膨らみを防止する。介在ブリッジは、場合によっては中心棒(Mittelsteg)である。多シリンダでは、(スリットへの出入りがない)閉じているクランクケースが可能である。
【0085】
ばねバルブ 構成例
概ね数メートル/秒でバルブを上げるために、ピストンは、バルブの足に自身の接触面を当てる。その上昇速度は、Pからの距離の二乗に逆比例して減少する。ピストンは、バルブをPK圧力(p>20MPa(200バール))に対して開く。このPK圧力は、ピストンの圧力面に対するPR圧力pの数パーセントであり、その結果、このことからは何の問題も生じない。
【0086】
しかし、ストロークの加速に伴う衝突が危険になる恐れがあり、当該ストロークの加速は、材料の弾性がわずかである場合、静的圧力をさらに凌駕する可能性がある。提案される構成は洗練された解決策を提供する。
【0087】
接触面及び/又はバルブは、緩衝されるか、又はばね付勢される。ばね装置が、ばねを付けられているバルブネックであり、通常のばねを有することが有効である。円柱状のバルブネックを有するバルブがこのために適している。当該バルブネックは、狭い遊隙を有するTWの円柱状のバルブ台において動く。さらに、当該バルブは円錐形のヘッドを有し、当該ヘッドは、TWの円錐形状のバルブ台において封止をもたらす。
【0088】
このようなバルブのばねネックは、多様に構成することができる。特に、
F1)ばねネックは、互いに重ね合わさっている皿ばねから成る。
F2)ばねネックは渦巻きばねであり、一段式、二段式又は三段式である。
F3)ばねネックは、水平なスリットを有するシリンダである。1つの平面につき2つのスリットがそれぞれ、周囲において180°未満で延在している。複数のスリット対は常に、互いに対して90°で設けられる。1つの平面につき3つ以上のスリットも可能である。
【0089】
ピストンがバルブに当たる位置Pは、Pと対称的である。当該位置Pにおいてピストンはバルブヘッドを上げ始め、PはPよりも高い。PからPまで圧力がかかると、バルブネックは圧縮され(P−Pだけ縮まる)、概ねシリンダに向かって、ピストンがばねネックを(概ね、ばねが完全に縮まるまで)圧縮する。Pにおいてバルブネックは圧縮され(P−Pだけ縮まる)、概ねシリンダに向かって(場合によっては滑らかに、密接して)、当該バルブネックは狭い隙間を有するTWの円柱状のバルブ台において滑動する。Pまでは、高いPKガス圧pは、バルブを依然としてバルブ台内に押し当てたままである。円錐部が封止を行う。Pから、ピストンはバルブヘッドを、遅くともばねが完全に縮まる際にそれぞれのPK圧力に対して上げる。pがわずかである(性能が低下している)場合、強いばねは早くも完全に縮まる前にストロークなしで上がる。
【0090】
TWを通ってPRへ通じている、バルブ台内のTW開口の(円錐の先端における且つその上方での)流れ抵抗は、小さく保つことができ、その結果、実際には円錐部の隙間のみが移行流れ抵抗を確定する(上昇の二乗に逆比例する)。隙間における速い流れによって、冷却及び低圧が生じる。前シュートが滑らかに始まり、滑らかに戻り押しへ移行する。ばね力は、バルブネックを伸ばし、そのヘッドをさらに上げる。ここで、非常に小さいTSが生じ、これは確実にPK圧力を最大PR圧力に調整する:p=pR−max(TSが大きい場合、より遅い滑動を得ることができ、それと共にp>pR−maxとなる)。
【0091】
基本的に、バルブの代わりに又はバルブに加えて、ピストンの接触面もばねによって跳ね返ることができる。しかし、接触面は、P、P、Pのような位置を簡単且つ正確に調節するためにより良好に適しており、適切な厚さで利用することができる。
【0092】
ばねネックは、ストロークの加速をバルブの足の最下部分に対してのみ劇的に低減し、当該部分の質量は小さく保つことができる。それ以外のばねの質量は、ばね力によって加速される。当該ばね力は、既に接しているピストンによって受け止められる。ばねを完全に縮めてヘッドを上げるときにのみ、さらなるストロークが生じる。このストロークは弱い。これは、ヘッドを上げるまでの上昇速度が小さいからである。
【0093】
興味深いことは、バルブの足からバルブヘッドまで上昇するばね力である。特に、振動は頻繁に起こらず、また特に、ストロークを加速させずにばね力によってバルブを上げることによって、ピストンが非常に簡単にバルブヘッドに当たる。バルブヘッドを上げたのち、迅速に増大する前シュートが、迅速にpをpと同じにし、その後、ばね力はバルブをその完全な長さにまで伸ばす。円錐部の隙間は大きくなる。したがって、移行流れ抵抗は小さい。TSは小さいままであり、これは、ばね力がバルブをPまで伸ばしたままであるからである。完全な伸延は、最高点の後まで遅らすことができ、前シュートは直接後押しになることが可能である。全ては滑らかに移行して達成されることができる。ばね装置又は凸型接触面は、場合によっては傾斜を無効にする。
【0094】
バルブ温度を抑えるために、バルブ本体の燃焼反応を防止することが有効である。滑らかなシリンダに対して圧縮されるばねネック(円柱状のバルブ台において隙間を有する)は、移行流れ抵抗TSと比較すると、大きい流れ抵抗を有する。したがって、PKガス又はBRガスは、円柱状のバルブ台(ここでは実際には燃焼反応は生じない)にほとんど流れない。バルブネックの上部が滑らかなシリンダ面(スリットを有しない)であれば、バルブが伸びている場合でも、PKガスは、円柱状のバルブ台にほとんど流れない。
【0095】
サイクルの概ね9分の8の間に分離壁TWに属するバルブ台において圧力をかけられるバルブは、バルブ及び当該バルブのばね装置の熱容量がわずかであるにもかかわらず、TW及びZWよりも高い温度を有することはほとんどない。
【0096】
バルブヘッドのPKに対する側面を、ヘッド流れを有する孔壁PW(具体的にはヘッド壁KW)として、場合によっては、Vポンプの上方に形成することは特に有利である。これは、機械的にはより容易であり、化学的な観点から言えば堆積を伴わず、熱の観点から言えば温度がより低い。これは、バルブ流れが、バルブが上げられている状態において燃焼室BRに流れる場合であっても依然としてより有効である。
【0097】
バルブ温度は、処理室PK内の温度Tにわずかにしか影響を受けない。孔流れ及び高熱耐性を有するセラミックのために、Tに関しては技術的な限界はほとんどない。概ね800℃が目標とされるだろうが、温度自体は2000℃でも問題なく達成することができるであろう。結論:
上述した提案は、全てのバルブに関する問題を洗練された方法で解決できることを示している。これらの提案は、PKMの原理の発展可能性の多様性を予感させる。
【0098】
排気ガスの再利用及びPKガス 構成例
排気ガスの再利用は、排気ガスの一部を供給ガスに用いることで行われる。再利用される排気ガスは、過剰バランスの排気ガスから、少量の低バランスの排気ガス、そして可能な限り標準バランスの排気ガスにまで及ぶ。排気ガスは燃焼反応を妨げない。それは、BRガス及びPKガスが点火温度よりも高い温度を有するためであり、したがって、BRガス及びPKガスは、互いに接触すると反応する。これは、燃焼可能な割合がわずかであっても同様である。ここで、バルブの間隙の速い貫流(概ね100m/s)は、冷却をもたらす。この冷却はバルブの温度に関して有利であり、この際、反応力は低減されない。別のガスへの侵入を制限することは、点火温度及び反応力を元に戻す(エネルギーは保たれたままで、エントロピーが増大するのみである)。
【0099】
それぞれのサイクルで燃焼する2行程機関において、排気ガスの再利用は、最高温度の最適化をもたらす。そうでなければ、当該最高温度は場合によっては高すぎる可能性がある。PCガスは常に、CO及びHOを含む。これは、場合によっては戻り押し(CO及びHOを伴う)、及び/又はV3Tからの排出(CO及びHOが全く存在しないことはない)、及び/又は供給ガスに再利用される排気ガス(通常通り、これはさらにPCガスになる)による。起源を問わず、PCガスにおけるCO及びHOのその2つの量は以下のように観察される。
【0100】
【表2】

【0101】
CO及びHOがPCガスに加わることによって、同じ反応エネルギーがもたらされる。しかし、これは自由度Fを大きくし、このことは、温度上昇ΔTを低減する(より大きい質量の加熱)。具体的には、>F、したがって、ΔTΔT<ΔT
【0102】
温度上昇ΔTは、吸気温度に依存する(処理物質のその吸入における温度)。PK内への戻り押しは熱を伴い、且つ/又はPCガスは熱をV3TからPK内へ伝導する(向流熱交換器による場合)。実際のPK温度Tは、反応熱Q/Fのみで温度上昇ΔTよりも大幅に高くなり得る。Tにおける反応は、800℃から始まって、1100℃以上で集中的にメタン、シアン及びCOに変化する。
【0103】
非常に多量の排気ガスの再利用及び/又は低いPKバランスは、実用的なPK温度Tをもたらす。5パーセントバランスのみを有するPKガスは、ΔT>600℃をもたらし、これは、有利には、調節される吸気温度と共に良好なPK温度をもたらす。
【0104】
しかし、PKMに関しては、高い温度及び多量の煤も問題ではない。
【0105】
PKMポンプシステム 構成例
見渡しえないほど多くのポンプシステム(特に、ロータポンプ(Libellen-Pumpen)又はピストンポンプ)が存在する中で、歯車ポンプを有するシステムのみが示される。今後の発展を提案するために、少なくとも1つの実用的なタイプが示される。
【0106】
流量(1サイクルごとにPKに供給される燃料)は、Dポンプによって、それが満杯の状態から空になるまで供給される。Dポンプは、各々の粘度において正確な容量を投与する。Dポンプは、理想的に制御可能である。Dポンプを回転させるには、摩擦エネルギーのみが必要である。回転は、有利には準同期し、1〜0まで可変に減速されるクランク回転である。他のポンプは同期する。つまり、ポンプは、クランクシャフトに堅固に接続され、不変の比率で回転する(場合によっては一定に減速する)。PKMは、ポンプの同期に適している。具体的には、Fポンプのそれぞれのスリップは、HDカニューレ(HD-Kanuele)を介した流入によってバランスを保たれる。それぞれのPCガスポンプは、1サイクルごとに常に同量のPCガスを送る必要がある。流量が低減される場合も同様である(同じバランス基準における低い性能)。これは、排気ガスの再利用量が増えることによって供給ガスの量のバランスが保たれるからである。バランス基準及び排気ガスの再利用には、いくらかの発展が必要である。この発展は、DsM又はOtMにおいて必要とされる発展に比べると簡単である。PKMは、洗浄、点火、時間調整に関してはほとんど問題ない。
【0107】
バランス基準は、PKMにおいて、全ての作動状態の確実な調整をもたらす。性能が最大の場合は、可能な限り標準バランスに設定されるべきである。しかし、性能が低い場合、過剰バランスは酸化窒素物をほとんど形成しない。したがって、ポンプのガス送出は重要ではない。しかし差異がある場合、PK温度は変化し、これは簡単なTの調節を可能にする。
【0108】
両方の集められるガス成分のそれぞれは、点火温度よりも高い温度を有するため、PKMは、排気ガスのそれぞれの部分を供給ガスに用いて作動する。したがって、当該供給ガスは、各々の性能基準に対して最適化されることができる。自由パラメータによって、各々の反応機能が概ね調整される。2行程機関にとって以下が適当である。たとえば、流量が満杯の状態から10%だけ低下し、供給ガスにおける吸気が80%から10%だけ低下する(PKガスにおける1%だけの燃料でも、供給ガスの1%の吸気と混合されるとすぐに反応する)。PKM2行程機関は、たとえば20%の排気ガスの割合でも、4行程機関よりも依然としてはるかに効率的である。これは、PKMがそれぞれのサイクルにおいて作動しているからである。交換(P51)の際に排気ガスが多く残っていても、洗浄に関して問題はない。
【0109】
全ての同期するポンプは、同じポンプブロック内に設置することができる。すなわち、同じ軸上で相並んで組み込むことができる複数の室内に格納できる。いくつかの接続部を中間壁に設置することができる。歯車の半径は同じである。長さと歯の大きさによって送出は異なる。このため、潤滑剤ポンプ(場合によってはEポンプ及びUポンプ)の送出容量は小さいが、当該潤滑剤ポンプは、遊星運動装置を減速させることによって、同じポンプブロック内に設置することができる。潤滑剤ポンプは、同じブロック内にある別のポンプと共に注油する。
【0110】
燃料ポンプ:例[体積/サイクルに関する提示]
燃料の送出は、継続的に投与できる可能性があり、且つ正確に投与可能であるべきである。このことは、(一般的に用いることが可能な限り)各々の燃料の各々の粘度において該当する。送出は、標準圧力(0.1MPa(1バール))から処理室の圧力まで、(たとえば、圧縮室の概ね一定の最大圧力(たとえば20MPa(200バール))において行われる必要がある。
【0111】
歯車ポンプはよく適応している。しかし、その送出容量XFは、スリップ逆流によって低減される。内部では、歯車は、出入りする排出容量が理想的ではない状態で作動し、さらに、滑動は、漏れに対して理想的な耐性を有しない。スリップ逆流は、粘度に依存し、送出における圧力低下によって増大する。スリップ逆流は、圧力低下が少ない場合には、ほとんどなくなるほど小さくなる。
【0112】
完全な燃料の送り流しは2段階で行われる。この際、歯車ポンプが有効である。燃料を入れる際にはDポンプ(投与ポンプ)が用いられ、その後、Fポンプ(流体ポンプ)が用いられる。FポンプのFFは、DポンプのDFの数倍である。Dポンプによって投与される燃料は、FポンプをPK内へと押す。DポンプとFポンプとの間には、HDカニューレが開いており(Dポンプの後ろ)、当該HDカニューレは、低圧力のガス空間から通じている。Fポンプはまず、Dポンプによって供給された燃料の流体を取り込む。FFがDFよりも大きいと、Fポンプは、HDカニューレから付加的にガスを吸引し、それによって、Dポンプの後方の圧力は、HDカニューレの圧力と同じになる。HDカニューレがクランクケースから通じている場合、Dポンプにおける圧力低下は非常に小さくなる(<0.1MPa(1バール))。Dポンプにおいてはスリップは生じない。FFがFポンプのスリップよりも多い量だけDFよりも大きい場合、Fポンプは常に、Dポンプによって正確に投与された燃料をPK内へ給送する(常にFポンプにおけるスリップが多い場合と同様)。有利には、FF=3・DF(最大投与量のために完全回転するDポンプにおけるDF)。
【0113】
Dポンプの回転数により、燃料の流量を正確に調整することができる。これは、各々の粘度において同じである。小規模のDポンプの作業では、回転数の簡単な電気制御が可能になる。変化は瞬時に行われると考えられる(歯溝は常に満ちている)。
【0114】
HDをクランクケースから燃料タンクへ切り替えることによって、Fポンプによって追加の燃料が吸引され、PK内に送られる。これは、数倍の過度な性能を要する場合である(たとえば、走り出し又は追い越しのための一時的な補助)。
【0115】
HDカニューレによって、クランクケースからほぼ蒸発した潤滑剤−燃料を排出させることができる。たとえばFF=3・DFであれば、絶えることなく燃料を取り入ながら注油する場合、十分に排出を行える。潤滑剤は、排気ガス管内にはほとんど入らない。
【0116】
HDカニューレに低圧ガス(クランクケース)が燃料のたとえば2倍の容量で収まる場合、これはFポンプの上方で燃料の容量の<1%まで圧縮される(約0.1MPa(1バール)〜>20MPa(200バール))。HDカニューレによってFスリップを補償するためにガスを取り入れることは、K流体の投与量を変えない。Fポンプの後ろでガスを加えることはよい結果をもたらす。
【0117】
有利には、付加流れは、Fポンプの後ろで直接K流体に流れ込むガスとしてあり、K流体の圧力によってPKへ通じる供給管内に入る。したがって、K流体は概ね泡となる。そのような泡は、FポンプからPK内へ速く流れ込み、粘度は低く、PK内で良好に分散し、KTHをあまりもたらさない。
【0118】
シリンダバルブによって、PK内への燃料の吸入の直後に処理反応が始まる。当該処理反応のバランスはA流れ+W流れ(概ね3/4+1/4)によって与えられる。有利には、回転対称で上方が平らなVZは、回転が遅く、上げられると、排出口に接して上方を水平に閉じ、残りの縁に凸状に接する。このとき、RRは速い流出のために存在し、遅い流入がそれに続く。垂直になるまでのp上昇に続いて、ようやくpが上昇のためにpに達するよう低下する。
【0119】
流入は、たとえば、AZスリップ、AZ穴又はAZ溝を介して行われる。流入は、たとえば、カニューレを通じて、流れ絞り弁によって行われ、それによって、A流れ抵抗を調整する。したがって、P24の長さ、ひいては当該P24において生じるPK圧力pを制御することができる。
【0120】
付加流れは、処理ガスとして、PCガス流れのみをPK内へ分岐させる。これは、PKバランス及び機関バランスを変えない。A流れは、たとえば逆流ブロックから固有のAポンプ(歯車)を介して流れる。当該Aポンプは、さらに大きい圧力を作り出す必要がある。又は、A流れは、共通のPポンプから、(それぞれの流れ抵抗を越える)様々なPC流れの後方でさらに流れるか、又はV流れから流れ絞り弁によって分岐する。
【0121】
付加流れのために、必要な戻り押しは小さい。たとえば、20MPa(200バール)で、燃料流体の5倍の付加流れが、PKガスについて約1/8のバランスをもたらす。孔流れは、付加流れと共に、場合によっては戻り押しを完全に補償することができる。
【0122】
今後の進歩的な発展のためには次のことが挙げられる。PKバランスを孔流れ+付加流れで補償する。位置Pを位置Pの近くまで動かす。P辺りで又はPの直後になって初めて、PR圧力がPK圧力に近くなる(p¬p)が、PK圧力を超えない。前シュートは、後押しに直接移行する(戻り押しはない)。
【0123】
性能変化 これは問題を伴い、特に自動車の場合にそうである。
低下:機関の性能は、Fポンプの後方のPKに通じる燃料供給管が開くと、すぐに下限に達する。PKガスは、経路内にある燃料と共に排出される。これは、内容物がFポンプの前で遅れて再利用される容器においては有利である。又は、PKガスは、HDカニューレを介してクランクケース内へと入る。PKガスを排出した後、ピストンによってPK内へさらに押される供給ガスは、開いている燃料供給管を通じて流れ出る。これは浄化する。
上昇:十分に速く滑らかで有利な性能の上昇を行うためには次のことが挙げられる。(たとえばHDカニューレを介する)燃料供給をさらに効率よくすることで、新たな固定状態へのZに基づく調整時間を短縮すること。Pポンプの入口内の歯の隙間の約半分を(加圧タンクなしで)直接過給することによって、(たとえばV3Tからの)PCガスの調整時間を短縮すること。
【0124】
良好な低下及び上昇のためには、多くの技術的解決策がある。
【0125】
注油 構成例
注油は潤滑剤を用いて行われる。潤滑剤は、潤滑油又は当該潤滑油を含む燃料である。注油は、滑り摩擦による磨耗の低減のために行われる。磨耗の他の原因は、独立して排除される。2行程機関における熱応力(Thermische Verspannung)は、排気の際と同じ温度で吸気することによって回避される。これは、向流熱交換器によって適切に実現することができる。ターボ過給機と組み合わせて、利点をもたらしており、実現のために非常に適している。全てのピストン原動機は、薄い潤滑剤層を滑動面間に必要とする。古い注油システムは、以下のような問題を示している。
【0126】
液体の潤滑剤(大抵は潤滑油)は、クランクケースの床の溜まり内にある。クランクジョイントは、わずかな潤滑剤を飛散させる。噴霧状の吹き付けは、タンク、ピストン及びシリンダの滑動面を塗らすことで注油する。10年間の研究は、始動後のそれぞれ最初の数分間における機関が受ける主な磨耗を明らかにしている。これは、その間、機関は、滑動面上で潤滑剤が完全に消え去るまで磨耗に持ちこたえるからである。合成油は、永続的な粘度と接着性とを有している。その膜は、常に完全に新しく作る必要はない。
【0127】
新規のシステムは、潤滑剤を供給するためにポンプを利用する。
【0128】
それに対して、以下の提案は、十分な潤滑膜を早くも最初のサイクルから作り出す。これは、事前の操作の開始と、それぞれの所与の温度とは関係ない。全ての提案は互いに関連している。
【0129】
潤滑剤は、シリンダ壁にて、給送部を通じて給送される。当該給送部は、ZW内の小さい開口であり、有利には、ZA内で急勾配で下方へと通じている狭いカニューレから通じている。給送部は、カム平面内にあるのが最良であり、PH4においてピストンリングの下方にあり、P51においてピストンリングの上方にある。当該ピストンリングは、給送部にわたって滑動する。リング下方での給送では、潤滑剤は、ピストンリングの下方にてピストンとシリンダ壁との間の空間内に給送される。給送された潤滑剤は、上方及び下方に向かって滑動面上で塗り付けを行い、そして溜まりの中へと入る(場合によっては吸い出される)。リング上方での給送では、潤滑剤は、ピストンリングの上方にて給送される。潤滑剤は、大抵は滑動面上で塗り付けを行い、いくらか上方で燃料として燃焼される。この燃焼は、バランスを変えないが、潤滑剤の損失をもたらす。
【0130】
リング上方での給送は持続性があまりない。リング下方での給送は、それ自体で十分である。給送部の高さは、潤滑剤のZW内への給送を規定する。位置がより低いと、リング下方での給送の期間が延長し、場合によっては、潤滑剤がPR圧力pによって潤滑剤供給管内へと押し戻される。位置がより高いと、より良好に上方のシリンダ内壁に対して塗り付けが行われる。位置は問題を伴わない。常に実用的な位置は、行程高さの半分である。
【0131】
有利には、それぞれのシリンダにおいて2つの給送部が存在し、カム平面の両側で、概ね行程高さの半分の位置にある。これらの給送部において、PR圧力は通常(たとえばターボ圧縮機なしで)、圧縮において0.3MPa(3バール)程度しか達成せず、膨張においては1MPa(10バール)よりも少ない値を達成する。数百kPa(数バール)の圧力は、潤滑剤を給送部を通じて給送するには十分である。燃料消費と比べると、概ね0.2%の潤滑油が給送される。潤滑油を含む燃料の場合は、1%に達するか否かである。平均的な自動車には、1サイクルあたり概ね0.2mgの潤滑油又は1mgの潤滑剤が燃料として油と共に用いられる。給送は、たとえば、同期歯車ポンプによって行われる。
【0132】
PKMにおいては、潤滑剤用のポンプは必要ではない。潤滑油を含む燃料は、たとえば、Fポンプの後方で(場合によっては付加流れ供給管の前で)排出される。そして供給管内を通じて給送部へと到達する。個々の流体抵抗によって、個々の給送部への流体の分割を調整できる。この流体抵抗は、共通の排出による、分岐が後続する高い流体抵抗である可能性がある。したがって、多シリンダにおいては、潤滑剤はそれぞれ、各自のシリンダ内へ到達し、当該シリンダ内において、一時的に背圧が小さくなる。つまりこれは、PH4又はP51において生じる。
【0133】
ピストンのシリンダ内での移動のために、公差に基づく狭い間隙が存在する。クランクの回転において(観察は右回りにおいて行われる)、コネクティングロッドは、垂直方向を中心とした(縦方向に傾斜した)角度と共に変化する。したがって、圧力は、ピストンに対して強力な側面成分を得る。これによって圧力側と間隙側とが生じる。圧力側では(圧縮においてはP03で右側で、膨張においてはP36で左側で)、ピストンは、シリンダ壁に密接して圧力をかける。当該シリンダ壁にわたって、ピストンは、潤滑油膜上で滑りながら移動する。各々の場合に対して、間隙側では、公差に基づく間隙が2倍の幅で開く。
【0134】
潤滑剤の給送は、給送部において小さな流体抵抗を必要とする。ピストンの滑らかな滑動面によって、圧力側において給送部が完全に閉じ、間隙内への移行を給送部の周囲の非常にわずかな部分において行う必要がある場合、間隙側ではその移行の程度は非常にわずかになる。
【0135】
しかし、最下方のピストンリングが給送部の上方で滑動する限りでは、ピストン表面内のそれぞれの垂直な溝が、ピストンとシリンダ壁との間へ良好な給送を行う(ピストンの左側と同様に右側において)。関連する給送部は、当該溝へと通じている。構成に関しての提案を以下に示す。
【0136】
垂直溝は、最下方のピストンリングの下辺りからピストンの下端部の上方付近にまで延びている。狭い溝が滑動面を著しく小さくすることはない。溝は、全サイクルにおいてシリンダ壁によって覆われている。中間棒の排気スリット及び吸気スリットにおいても同様である。溝における圧力がクランクケースにおける圧力にまで低下すると、溝からピストン内部まで通じる穴が生じる。当該穴はそれと同時に、過剰量の且つ蒸発した潤滑剤を、コネクティングロッドを介してクランクケースまで導き、クランクジョイント及び軸受けが注油される。
【0137】
リング下方での給送は、圧力側においては溝内のみへ行われる。また、間隙側においては(溝から)間隙内へと行われる。間隙内への移行は、たとえば溝の屈曲と、たとえば1組の隣接する開口をそれぞれ有する給送部とによっては動的に支持されない。シリンダ壁を通る給送のための流路が下方へ向かって急傾斜していることが有効である(壁が濡れる)。
【0138】
給送のために必要な圧力は、たとえば歯車ポンプによってもたらされる。当該歯車ポンプは、潤滑剤の規定容量を送出し、流体抵抗が必要とする圧力を確実に生じる。供給管の流体抵抗によって、分割が規定される。わずかな流体抵抗は、PRガスの向流の効果を向上する(場合によっては潤滑剤が供給管内へ押し戻される)。より小さい流体抵抗は、リング上方での給送を(場合によってはゼロになるまで)低減し、リング下方での給送を増大させる。おそらく、定期的に排気ガスが供給管内に侵入することは損害をもたらさないが、いずれにせよそれは、逆流ブロックによって回避できる。構成にとって、分割の有効性は重要である。多シリンダにおいては、潤滑剤は、わずかな流体抵抗で多量にシリンダ内へ流れる。当該シリンダ内では常に、わずかな背圧が存在する。単シリンダにおいては、常に一定の送出容量が給送される。しかし、平均するとやはり、シリンダ壁の右側における給送と左側における給送とは不均衡である。より小さい流体抵抗がより多い潤滑剤を膨張圧力側(右回転においては左側)へと送ることが有利である。
【0139】
給送において、潤滑剤の循環を実現することができる。循環ポンプによって、溜まりから給送部へ、またピストンに接して溜まりへと潤滑剤を送ることができる。損失補償は、潤滑油を含む燃料の追加に関して有利である。燃料内の潤滑油の割合がわずかであっても十分である。これは、作動によって潤滑油が溜まり内に蓄えられ、同時にわずかな量が蒸発するからである。有利には、交換される燃料は、循環ポンプの前で加えられる。噴霧状の吹き付けによる取り入れの場合、一定に燃料を加えることが可能である。これは、レベル上昇がわずかである場合に注入量がにわかに増大し、それによって、レベルが安定して調節されるためである。
【0140】
潤滑剤を含む燃料による損失補償では、再利用が有利である。ここでは、作動のために、燃料の流入に過剰分が再利用される。再利用は、燃料の損失及びバランスの変化を伴わない。しかし再利用は2つの問題を示す。遅延(大きなクランクケースにわたって起こる)の問題は、再利用される燃料が少なければ少ないほど、程度が浅くなる(概ね0.3%〜3%で再利用される燃料では問題はないであろう)。一方、再利用における揺れの問題は重大である。再利用の源となる溜まりは、作動時には激しく動き(波打ち、こぼれる)、その結果、K流体内への再利用のために、十分に均一に排出することは問題を伴う。特に、この連続的な問題は、理想的には新規のダブルポンプシステムが解決する。
【0141】
新規のダブルポンプシステムは、同じか又は同様の送出容量を有する2つの歯車ポンプを有する。すなわち、給送ポンプ(Eポンプ)と、再送ポンプ(Uポンプ)とである。注油は、クランクケースの下方の溜まりからの潤滑剤を用いて行われる。
【0142】
Eポンプは、供給管を介して適切な流体抵抗で、潤滑剤を給送部内へと送る。この潤滑剤は、滑動面を滑らかにし、失われなかった分は溜まりへ到達する。Uポンプは、潤滑剤を溜まりから取り入れ、且つ/又はガスを溜まりの上方から取り入れる。Uポンプは、この取り入れたものをEポンプの入口へと送出し、燃料タンクからの供給管と共に送る。共に送る際に、Uポンプによって供給される潤滑剤は、Eポンプによって完全に取り入れられ、給送部へと送出される。しかし、Uポンプによって供給されるガスは、Eポンプによって取り入れられず、堆積する。共に送る前又は共に送る際に、ガスは、燃料タンクから通じる供給管の中へ概ね吹き入れられる。
【0143】
Uポンプによって共に供給されるガスのガス容量の分だけ、供給される液体の容量が減る。したがって、全液体容量を取り入れるEポンプは、確実に燃料供給管から不足分を取り入れる。すなわち、注油において失われた潤滑剤は、ここで、再補充燃料として、タンクからEポンプによって正確に取り入れられる。
【0144】
ダブルポンプシステムは、溜まり−潤滑剤の循環を行い、その際、溜まりのレベルは基準値へと安定化される。当該基準値は、下方のクランクケースからの排出流路の高さによって決まる。潤滑剤の損失分は、潤滑油を含む燃料によって再補充される。レベルの基準値への収束は、多数のサイクルにわたって常に同様に一致する。これは、Uポンプが長期間、液体のみ又はガスのみを取り入れる場合でも同様である。溜まりが動くことは問題ない。同時に、特に少量の燃料がK流体内へと給送されることによって、潤滑油は溜まり内にて継続して蓄えられる。この給送は、HDカニューレを介して行われる。当該HDカニューレは、上方のクランクケース内に置かれ、ガス及び飛沫のみを取り入れる。したがって、K流体に関しては、非連続的な問題はない。
【0145】
ダブルポンプシステムの理想的な動作は次の通りである。ダブルポンプシステムは常に、最初のサイクルから、同量の潤滑剤を給送部内へと給送する。動作は、溜まりのレベルが各々の高さにあっても(排出のための量を下回っている場合ですら)同じである。動作は、各々の給送量においても(EF及びUFが同様に1%であっても、DFが9%であっても、必要最低限を満たしている限り)同じである。動作は、燃料内の潤滑油の各々の量においても(1%であっても、50%であっても、蓄えが存在するので)同じである。
【0146】
ダブルポンプシステムは、液体であり、可燃であり且つ処理可能であるあらゆる油を含むことができるPKMに特に適している。原料油は概ね脱硫されるであろう。
【0147】
ダブルポンプシステムは、比較できないほど実用的である。ダブルポンプシステムは、温度が低い場合においても、及び長い作業の中断後においても、すぐに動作する。ダブルポンプシステムは、燃料を必要としない。ダブルポンプシステムでは、潤滑油は貯蔵されない。ダブルポンプシステムは、継続的に自己修復を行い、交換及び修理の必要はない。
【0148】
PKZによる起動点火及び温度制御
処理室点火器PKZ:ペルティエ電流によって制御されるブロッキング発振器。PKMは、PKZによって、既に最初のサイクルにおいて点火を行い、その際の起動の動作量は極度に低い。したがって、PKMは、自身のTを制御し、その制御は、調整可能な基準値(たとえば800℃)を中心として狭い範囲で行われる。
【0149】
PK内に突出しているサーモスタットリレーは、PKガス及びブロッキング発振によって加熱される。当該ブロッキング発振は、所定の温度に近づく場合はまれにしか起こらなくなる。たとえば、孔流れが、起こる回数がより少ないブロッキング発振によって下方へ向かって発生すると、制御ループが生じる。当該制御ループによって、PK温度Tが調節される。
【0150】
異なる導体が導電体に切り替えられると、ペルティエ電圧が生じる。当該ペルティエ電圧は、接触熱の差と概ね比例する。この比例は材料に依存する。ペルティエ電圧は、金属コンタクト対では、数十μV/Δ℃に及ぶ。金属コンタクト対は、温度測定に役立つことが多い。(特にガスを点火するための)赤熱ヘッドは、変圧器の2次回路内で加熱されることが多い。特にPKZにおいては、ブロッキング発振器として作動する変圧器の2次回路内で、サーモスタットリレーは相対的に高い抵抗を有する。このサーモスタットリレーは、ブロッキング発振器の交流によって、赤熱ヘッドとして加熱される。しかし、サーモスタットリレーは、その周囲からも加熱される。具体的には、PK温度Tによって加熱される。その同じサーモスタットリレーは、自身のペルティエ電圧と共に2次交流に直流をヘテロダインする。当該直流は、コアを飽和状態へと磁化させる。したがって、臨界温度からは、ブロッキング発振はもはや起こらなくなる。温度が少し上昇すると、持続的な発振はゼロ発振となる。
【0151】
PKZによるTの制御
ブロッキング発振の周波数が用いられて、一次コイルのブリッジ整流器に概ね基づく制御機能によって行われる。
1.例:PポンプへのバイパスにおけるPCガスを低減する流れ絞り弁が用いられる。ここで、流れ絞り弁によって、制御機能なしでは、少ないPCガスが流れて戻り、機能が上昇している場合では、増量したPCガスが流れる。2.例:バルブからFポンプまでの間に、流れ絞り弁が用いられる。当該Pポンプは、H流れからA流れを分岐する。ここで、流れ絞り弁によって、制御機能なしでは、多くのPCガスが流れて戻り、機能が上昇している場合では、少ないPCガスがK流体内に流れる。
【0152】
火力を変換するブロッキング発振は、直流電圧源からの、たとえばトランジスタブリッジの自己励起によって始まる。端位置におけるラッチを回避するために、特別なインパルスが役に立つ。加熱されるガスを供給するためには、熱電対が有利である。当該熱電対は、分裂管(Spaltrohr)として構成され、概ねそれぞれ半分が、Ni+CrNiとして、縦方向に分裂している管である。当該分裂管は、コンタクトヘッドに向かって幅が狭くなる。
【0153】
既知のコンタクト対は、ペルティエヘッドとして扱うのに不足はない。これは、予備を有する簡単なコアの場合であっても該当する。さらにコンタクト対は、高温になるまで作動する。提供されるPKZシステムは、具体的にはPKMの点火に適している構成を有するように示される。PKZシステムはさらに最適化可能であり、頑健であり、費用負担を軽減する。
【0154】
PKMの点火器としてのPKZ
PKMは、全ての液体燃料によって作動する。ここで、液体燃料の粘度及び蒸発性は問わない。1つのポンプのみが燃料液体を処理室へ送出する必要がある。送出によって、高温における蒸発及び処理が行われる。しかし、全ての液体において、確実な起動点火を得ることができる。たとえば、処理室ドームの中間の概ね上方にて、厚い孔壁を通じて、分裂管が、点火される混合物に突出している。端部には、点火温度以上の温度で制御されるサーモスタットリレーが存在する。特に適しているのは、熱電対 クロムニッケル/ニッケルである。
【0155】
【表3】

【0156】
分裂管は、赤熱ヘッドとして点火を行う。加熱されて貫流する空気は、より良好に燃焼し始める。孔壁を通じて給送される空気の一部は、分裂管を通じて流れる。当該分裂管は、細い空気流路(<1/2mm)を有し、サーモスタットリレーに向かって円錐状に先細になる。1mg/sの空気は、<3/4ワットにより>800℃まで加熱される。点火は常に確実である。
【0157】
分裂管は、ブロッキング発振器の変圧器の2次回路内にあり、変圧器のインダクタによるフィードバックRKが存在する。変圧器のコアが閾点よりもさらに飽和すると、RKは安定する。そうでない場合は、RKは不安定である。ペルティエ電流Jがコアを強制的に動作飽和状態(Arbeitssaettigung)にする。逆電流Jは、流れ込んだ(Herlauf)後に、閾点に滑らかに近づきながら脱飽和を行う。Jが閾点に到達しないと、システムは静状態において安定したままである。Jが閾点を超えると、システムが不安定になったように感じられる。そしてJは流れ去り(Hinlauf)、逆飽和状態(Gegensaettigung))に至る。当該逆飽和においては、通常、流れ去りから流れ込みへの急変、すなわち動作飽和状態への急変が起こる。当該逆飽和においては、通常、サーボ電流(Stellstrom)Jの値への逆電流Jの滑らかな接近が終了する。流れ込みのように、流れ去りにおいても、2次回路への出力が変換される。飽和において電圧は変換されず、したがって、加熱電流Jは存在せず、また、動作電流Jは依然として磁化電流Jである。逆電流が大きい場合、ブロッキング発振器は逆飽和状態で停止する可能性がある。すなわち、不動状態(Totstand)に至る。たとえばこのブロッキング発振器をトリガするのは、(C放電からの)電流インパルスであり、それによって、流れ込みが生じる。サイリスタtが、(それ自体で又は点火バリスタを用いて)点火するまで、或る抵抗rにおいて、キャパシタンスcが荷電する。荷電電流<サイリスタtの放電電流である。
【0158】
加熱電流Jは、サーモスタットリレーを加熱する(主2次回路抵抗)。これは継続的に(<800℃)、又は断続的に(=800℃)、又は静止状態において(>800℃)行われる。ブロッキング発振器は、基準値(たとえば800℃)までの加熱のために、必要な電力よりも高い電力を有する。それは、加熱を迅速に行い(たとえば5ワット)、最初の圧縮で点火を行うためである。連続的な作動は中断され、作業進行期間よりも停止時間の方が数倍長い。
【0159】
ペルティエ熱電対及び変圧器のコア
ペルティエ熱電対のヘッドは、十分な温度耐性を有している必要があり、温度が調整される際に高いペルティエ電流を提供する必要があり、その結果、コア材料は、電流変化が誘導する電圧が十分小さくなる程度まで飽和状態へと磁化する。コア材料は、高い透磁率と鋭い屈曲部(Knick)とを有する。
【0160】
既に、従来のクロムニッケル/ニッケル対は、ブロッキング発振器を簡単且つ大まかに実現できるほどの高さのペルティエ電流を提供している。このCrNi/Ni対は、1600℃まで利用できる。当該対によって、800℃において、たとえばVacoperm100が過飽和状態に至る。当該過飽和状態の程度は、非常に正確な制御が可能なほど高い。さらに予備も大きい。このシリコン処理されたシート鋼は、約30mA/Wdで0.74テスラにおいて急激に飽和状態に至る。おそらく、シリコン処理された鋳造された金属板(Goss-Blech)でも十分である。ここで、たとえば、コアPMz47が用いられる。
【0161】
(簡易化、小型化、価格削減のために)開発者に説明を提供するため、具体的なシステムが示される。頑健且つ確実な作動のための頑健且つ問題を伴わないスイッチング素子を用いる場合、0.15mmのVacoperm100で800℃及び6ワットとなる。しかし800℃の場合、概ね<3/4ワットでも十分である。十分な場の勾配(Feldgradient)(概ね200テスラ/s)を得るためには、特定の0.15mmの鋳造された金属板で十分である。
【0162】
示されるシステム(ブリッジ):
変圧器のコア
0.15mmのE層によって、結合した状態で半開きになって(joch-halboffen)積層されている:Vacoperm100。
幅30mm:窓7mm;中間翼(Mittelschenkel)6mm;外側翼5mm。
長さ36mm:窓16mm;継鉄10mm(E薄板翼26mm)。
【0163】
システムの部分P
P’及びP’’発振器 P制御器 P 駆動器 t、v、d、r、cインパルス
【0164】
スイッチング素子
T トランジスタ t サイリスタ V又はv バリスタ D又はd ダイオード R又はr 抵抗(Ω) C又はc キャパシタンス(nF)
概ね100倍の電流増幅を有するトランジスタ、当該トランジスタからは20倍の電流増幅のみが利用される
【0165】
コイル
加熱回路H=1 1次W=40 2次W’=W”=20
【0166】
電圧
自動バッテリ12V;+6V及び−6Vで始まる
’におけるWへの電圧U’ R”におけるWへの電圧U”
【0167】
加熱コイルHにおける電流
ペルティエ電流 J加熱交流
【0168】
1次コイルWにおける電流
熱電流 J、およそJPmalH/W(Jによって決まるJ閾値)
加熱電流 J=JWmalW/H(Jに影響を与えるH交流(W))
磁化電流 J(交流磁化電流(W))
動作電流 J=J+J(全交流(W))
逆電流 J(Jに対向する磁化直流電流)
サーボ電流 J(最大J:温度制御のために調整される)
【0169】
動作:
Wへの実効電圧:>10V;25mVでHへ変換するため
加熱回路 R=10mΩ:分裂管 8mΩ;それ以外では 2mΩ(コイル+コンダクタ)
加熱回路抵抗Rは、開発者にとっての特別な課題である。
R=10mΩのため、加熱回路電力N=6.25ワットが生じる;サーモスタットリレーでは5W。
800℃における32mVのNiCr/Ni熱電対;ここからペルティエ電流3.2Aが生じる。
したがって:動作電流<700mA サーボ電流=80mA
コア断面50mm(窓の下)。磁化長さ18mm(16mmのみで飽和;<1mmでは継鉄内で飽和はもはや生じない)
ペルティエ励起1.8A・Wd/cm;飽和励起と比較すると:Vacoperm100の60倍(0.74テスラ);特別な鋳造された金属板の6倍(1.8テスラ)
流れ去り又は流れ込み:2mal0.74テスラを通じて1/2cmまで;したがって7400Mx(マクスウェル)。
これは約1mVs/Wd。40Wdで10V:流れ去り期間=流れ込み期間3ms。
流れ去り+流れ込みの期間=流れ期間6ms(十分な周波数は1/6kHz)。
光感応(Anklingung)(μs):W’T’−RK>1;Cがより小さく且つ光感応がより早い場合、Jがいくらかより高い、急激な磁化における閾点;¬流れ去り
流れ去り(3ms):V(5V)>U’且つDがブロックするので、J¬0;¬逆飽和
急変(μs):より急激に飽和状態へ至る場合、C’及びC”がより小さいことが可能;¬流れ込み
流れ込み(3ms):確かにU’<−5Vだが、Dが消耗するので、J=0;¬動作飽和
終了(μs):J=0;D’及びD”が流れ去りをブロックする;¬滑らかな移行(U”(4μs)と共に)¬−4V
スライド(90μs):Jは閾値へ滑らかに達する:0〜J(R);代替的に、
光感応(J>Jの場合(<800℃));静止状態における一時停止(J≦J(>800℃)の場合)。
最後の戻り動作(Ruecklauf)、静止状態への滑らかな移行:サーボ抵抗Rは、定数TにおけるVによってサーボ電流Jを調整し、当該サーボ電流は短期間(30μs)でC放電する。Rによって遅延する(90μs)と、Tは電流Jを取り入れ、T’に電流Jが移る。J≧Jの場合、U”は−4Vだけ上昇して、約0Vで静止状態に至る。J>Jの場合、光感応が始まる。
【0170】
電流インパルスは不動状態において流れ込みをトリガする(静止状態では効果はない):抵抗rによりキャパシタンスcが荷電する(たとえば1/4s)。サイリスタtにおいて電圧u(たとえば6V)の場合、当該サイリスタは点火を行う;インパルスはcにおいてT’に至る。流れ込みは、バリスタv及びダイオードdを介してcを放電する。
【0171】
PKZは、機関の起動点火及び準備状態に関して具体的に示されている。示される基準値は、実験によって様々な値に確定することができる。振動数は、室温に左右される。ここで、当該室温は制御可能である。PKZは、各々の電力(ミリワットからキロワットまで)を有する多数のシステムに適している。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】原理を説明するための概略図である(動作を示す図ではない。明確さのために縮尺に基づいていない)。
【図2】原理を説明するための概略図である(動作を示す図ではない。明確さのために縮尺に基づいていない)。
【図3】原理を説明するための概略図である(動作を示す図ではない。明確さのために縮尺に基づいていない)。
【図4】原理を説明するための概略図である(動作を示す図ではない。明確さのために縮尺に基づいていない)。
【図5】原理を説明するための概略図である(動作を示す図ではない。明確さのために縮尺に基づいていない)。
【図6】原理を説明するための概略図である(動作を示す図ではない。明確さのために縮尺に基づいていない)。
【図7】原理を説明するための概略図である(動作を示す図ではない。明確さのために縮尺に基づいていない)。
【図8】原理を説明するための概略図である(動作を示す図ではない。明確さのために縮尺に基づいていない)。
【図9】原理を説明するための概略図である(動作を示す図ではない。明確さのために縮尺に基づいていない)。
【図10】国際記号及び具体的な値によって示される図である。
【図11】国際記号及び具体的な値によって示される図である。
【符号の説明】
【0173】
ピストン圧力面の位置(それぞれは圧縮室の境界下にある)
サイクルの開始(ピストンの最低レベル)=P 前のサイクルの終了
圧縮の開始(PRの閉鎖) 排気ガス/供給ガスの交換の終了
ピストンのバルブへの接触開始 ピストンに当てる
バルブヘッドの上昇開始及びPまでの前シュートの開始
前シュートの終了(同一p=p)、PK内への戻り押しの開始
最高点(ピストンの最高レベルpR−max) バルブの最大上昇
ピストンから離すことによってバルブを閉じる 膨張の開始
膨張の終了及び作業段階 排気ガス/供給ガス交換の開始
サイクルの終了(ピストンの最低レベル)=P 次のサイクルの開始
1 PK 処理、すなわち燃料の調製のための処理室
2 PW PKの周りの孔壁。当該孔壁を通じて孔流れがPK内へ入る
3 DW 圧力壁。DWはPW及びPKを閉鎖する。PK圧力を保つ
4 TW 分離壁。TWの下側の面は、常に圧縮室の上方の境界としてある
5 ZW 圧縮室との境界を成すZW内面を有するシリンダ壁
6 PR 圧縮室。ZW、TW及びピストン圧力面によって閉鎖される
7 ピストンの圧力面(PR境界);Veが開いている限り、PRは燃焼室BRとしてある
8 バルブVe ヘッドはバルブ台に密着している;移行流れPK/BRのために上昇する
9 分離壁TW内の開口TO;Ve間隙上方にある:移行流れPK/BR
10 バルブ滑動面。バルブネックとしてTWバルブ台内にあるか、又はバルブシリンダとしてDW内にある
11 タンクからポンプ(燃料ポンプ又は潤滑剤ポンプ)への燃料管
12 PK内への燃料の給送管(概ね:バルブの縁を介するか、又はDW環状溝内にある)
13 V3TからのPCガスの排出管(最適化可能な部分容量Vaで行われる)
14 逆流ブロック;処理ガスが圧縮室内へ逆流するのを防止する
15 加圧タンク;V3Tからのガスを逆流ブロックを介して(p3Tに近い値で)過給する
16 PWへ通じる、孔流れのためのガスの供給管(場合によってはPポンプを介する)
17 流路空間 PW内での孔流れの供給のためのPW内の流路の空間
18 K流体がPK内へ入るためのA流れ管;場合によっては、(結果的にA流れを有する)バルブ流れのための管
19 HDカニューレ Dポンプの後方にある;クランクケースからのガスを吸引する
20 P51において吸気を給送するための給送スリット;有利にはターボ送風機から給送される
21 P51において排気ガスを送り出すための送り出しスリット;場合によってはターボドライブへ送り出す
22 吸気又は排気ガスのための垂直部分スリット間の介在ブリッジ
23 バルブネックのばね装置;たとえば皿ばね、又はスリットばね、又は渦巻きばね
24 ヘッド壁KW PKへ流れるバルブ流れのためのバルブヘッド内の孔壁
25 ブロッキング発振器の熱電対分裂管(起動点火、制御)
26 絞り弁、流体絞り弁又は流れ絞り弁(T又はpを制御する)
27 処理ポンプ(Pポンプ) PCガスを圧力>pで送出する(歯車)
28 PK内へのK流体のための燃料ポンプ(場合によっては流れ絞り弁としての絞り弁を有する)
29 投与ポンプ(Dポンプ)
30 流体ポンプ(Fポンプ)
31 潤滑剤給送ポンプ
32 潤滑剤再送ポンプ
33 ZW内壁への潤滑剤のための給送管及び給送部
34 クランクケースからの潤滑剤のための再送管及び再送部
35 VZバルブシリンダ シリンダバルブの、DW内で滑動するシリンダ
36 AZ上部シリンダ VZ上に載っており、右側が狭くなっている断面を有する
37 気孔 A流れはK流体を(AZを通じてVZ内へ吹きいれ)PK内に吹き入れる
38 バルブ円錐部封止 移行流れPK/BRのために開閉する
39 RR輪形空間 DWによってVZ/AZの狭くなっている部分にわたって閉鎖される
40 排出口 ガスの流入p>pが後続する、RRからの流出のためにある

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストンを有し、予燃焼室からの燃料物質が前記ピストンの上方にある少なくとも1つの開口を通じて最高点領域内に到達して、前記ピストンによって圧縮された吸気内で燃焼が行われる熱機関であって、
処理室PK(1)は、気密性でコンパクトな分離壁(4)内で封止を行っているバルブVe(8)を有する前記分離壁(4)によって圧縮室PR(6)から分離されて配置され、前記処理室PK(1)自身の内部空間内で、高温状態において永続的に高い圧力に対して抵抗して、液体燃料を、場合によっては煙、煤及び液体燃料の残留物を有するガスから成る燃料物質へと処理することと、
少なくとも1つの給送管(12)が設置されて、好ましくは前記液体燃料を前記処理室PK(1)内に時間をかけて供給して、該処理室PK(1)内で前記燃料物質への処理を行うことと、
前記処理室PK(1)の前記内部空間は、少なくとも2回のサイクルで前記燃料物質を収容するのに十分な大きさを有することと、
前記バルブ(8)は、前記ピストンの前記最高点領域において開くことができ、それによって、前記処理室PK(1)から前記燃料物質が前記圧縮室PR(6)内に流れて、該圧縮室PR(6)で燃焼を行うことと
を特徴とし、さらに、
熱壁WW(2)は、前記処理室(1)の処理が行われる前記内部空間を取り囲み、前記熱壁(2)は、側方及び上方において、コンパクトな圧力壁(3)によって包囲されることと、
前記熱壁WW(2)は、何らかの出所を有するガスの通路としての孔によって、前記処理室(1)の前記内部空間内へガスを通すことができることと
を特徴とする熱機関。
【請求項2】
前記バルブVe(8)は、前記圧力壁(3)内の滑り座とともに滑動する中空シリンダであり、該中空シリンダは、前記分離壁(4)内で密閉を行う前記バルブ円錐部によって下方を閉鎖されることと、
前記滑り座は、前記円錐部の先端の上方付近に下端を有し、前記処理室(1)に対して前記熱壁(2)によって封止されていることと、
前記中空シリンダは、前記円錐部の先端の上方までの高さの概ね半分の高さから、前記液体燃料の供給用の溝を備え、該溝はそれぞれ、前記中空シリンダの内部へ通じるダクトにわたって存在して、前記液体燃料を前記処理室(1)内へ吹き入れることと、
前記中空シリンダは、上端において、小さな断面を有する中空の上部シリンダ(36)に移り変わり、該上部シリンダ(36)は前記圧力壁(3)内で滑動し、該圧力壁(3)は、前記上部シリンダ(36)に向かって狭くなっている部分にわたって、ガスを流出及び流入する輪形空間RR(39)を閉鎖することと
を特徴とする、請求項1に記載の熱機関。
【請求項3】
前記シリンダバルブは、前記輪形空間(39)内のわずかなガス圧によって上昇し、該輪形空間(39)内の高いガス圧によって低下し、たとえばガスの流出又は流入によってそれぞれ上昇及び低下することを特徴とする、請求項2に記載の熱機関。
【請求項4】
前記バルブVe(8)は、前記分離壁TW(4)内でバルブ円錐部によって密閉を行い、バルブネックによって滑動することと、
前記バルブVe(8)は、前記ピストンによって弾性のバルブの足へ上昇することと
を特徴とする、請求項1に記載の熱機関。
【請求項5】
前記バルブVe(8)は、前記分離壁TW(4)内でバルブ円錐部によって密閉を行い、バルブネックによって滑動することと、
前記分離壁(4)は、円錐状のバルブ台内で前記圧縮室PR(6)へ通じる開口(9)を有し、前記バルブの足の下方において空間を閉鎖し、該空間の上方で前記バルブVe(8)は油圧によって上昇し、媒質としてたとえば液体燃料が用いられ、たとえば圧電電気システム又は磁気電気システムが用いられることと
を特徴とする、請求項1に記載の熱機関。
【請求項6】
前記液体燃料は、好ましくは歯車ポンプによって前記処理室PK(1)内へと給送され、
前記歯車ポンプは、前記液体燃料の投与を規定する投与ポンプ(29)と、給送によって圧力低下をもたらすと共に前記投与ポンプ(29)の数倍の送出容量を有する、前記投与ポンプ(29)に続く流体ポンプ(30)とからなり、
カニューレ(19)が、前記投与ポンプ(29)の後方で低圧ガスを供給することを特徴とする、請求項1に記載の熱機関。
【請求項7】
歯車ポンプとして構成される処理ポンプ(27)は、前記液体燃料を処理するガスを処理室の圧力よりも高い圧力で送出し、前記処理室(1)内へ圧力をかけ、前記処理するガスは、壁流れとして前記処理室(1)の周りの前記熱壁WW(2)を通り、場合によってはシリンダバルブ内の前記気孔を通じて又は前記流体ポンプ(30)の後方の供給管を通じて、場合によっては付加流れとして液体燃料流体に加えられることと、
流れ絞り弁が、前記液体燃料を処理する前記ガスを、バイパス内で還流によって調整することと
を特徴とする、請求項1に記載の熱機関。
【請求項8】
前記液体燃料を処理する前記ガスは、それぞれのシリンダから排出管V(13)を介してV3Tから排出され、チェックバルブ又はプラグ軸としての逆流ブロック(14)を介して、前記処理ポンプ(27)の全てのシリンダに共通の入口へと流れ、歯車ポンプとして構成される前記処理ポンプ(27)の歯の隙間の概ね半分を、たとえば前記処理室の圧力で圧迫することを特徴とする、請求項1に記載の熱機関。
【請求項9】
送出容量が同様の給送ポンプ(31)及び再送ポンプ(32)から成るダブルポンプシステムにおいて、前記給送ポンプ(31)は、前記燃料タンク及び前記再送ポンプ(32)から通じている供給管との共同の送出において、前記シリンダ壁(5)と前記ピストンとの間の、該シリンダ壁(5)内の給送部を通じて潤滑剤を給送し、消費されなかった潤滑剤は、下方クランクケース内の溜まりに流れ込み、前記再送ポンプ(32)は、該溜まり内に残っている潤滑剤を共同の送出において前記給送ポンプ(31)へと送出して、前記給送部内へ再び送出が行われることを特徴とする、請求項1に記載の熱機関。
【請求項10】
熱電対から成り、前記処理室(1)内へ通じるヘッドは、熱電流によって飽和状態へ至るブロッキング発振器の磁気コアを介して、起動又は準備状態において点火を行い、及び/又は前記温度を制御することを特徴とする、請求項1に記載の熱機関。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−510300(P2009−510300A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523477(P2008−523477)
【出願日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際出願番号】PCT/IB2006/001997
【国際公開番号】WO2007/012938
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(508028140)
【氏名又は名称原語表記】LEMM, Alfons
【住所又は居所原語表記】84 Rosedale Street, Floreat, WA 6014, Australia
【Fターム(参考)】