熱源装置
【課題】中和されたドレンを装置内に溜めることにより、計画排水を可能にした熱源装置を提供する。
【解決手段】熱源に燃焼熱を用いる熱交換手段(熱交換器4)を備える熱源装置であって、熱交換手段に発生したドレンを中和する中和器(12)と、中和器で中和されたドレンが導かれて溜められるドレンタンク(20)と、ドレンタンクに溜められたドレンのレベルを検出する検出手段(水位センサ22)と、熱交換手段で発生したドレンを中和器に導き、中和器から中和後のドレンをドレンタンクに導き、ドレンタンクに溜められたドレンを排水させるドレン回路(10)と、ドレン回路に設置されてドレンを強制的に排水させるポンプ(ドレンポンプ38)と、検出手段の検出レベルを制御情報に用いてポンプを駆動し、ドレンをドレン回路を通じて排水させる制御手段(制御部42)とを備える。
【解決手段】熱源に燃焼熱を用いる熱交換手段(熱交換器4)を備える熱源装置であって、熱交換手段に発生したドレンを中和する中和器(12)と、中和器で中和されたドレンが導かれて溜められるドレンタンク(20)と、ドレンタンクに溜められたドレンのレベルを検出する検出手段(水位センサ22)と、熱交換手段で発生したドレンを中和器に導き、中和器から中和後のドレンをドレンタンクに導き、ドレンタンクに溜められたドレンを排水させるドレン回路(10)と、ドレン回路に設置されてドレンを強制的に排水させるポンプ(ドレンポンプ38)と、検出手段の検出レベルを制御情報に用いてポンプを駆動し、ドレンをドレン回路を通じて排水させる制御手段(制御部42)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガス等による燃焼熱を熱源とする熱源装置に発生するドレンの排出制御に関し、特に、中和後のドレンを排出する熱源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼ガスの燃焼熱を熱源とし、燃焼ガスから主として顕熱を回収する熱交換器と、燃焼ガスから主として潜熱を回収する熱交換器とを併設するコンデンシング(高効率)給湯器では熱交換時に強酸の多量のドレンを生じる。このドレンの排水には、専用の排水配管を設けて排水し、又は浴槽に導いて浴槽水とともに排水する等、各種の対策が施されている。
【0003】
例えば、ドレンは中和器を用いて中和され、随時ドレン口より排出され、機器の近傍に排水設備が無い場合には、浴室内のドレンパンに排出する方法等が採られている。
【0004】
このドレンの排水に関し、次のような先行特許文献が存在する。
【特許文献1】特開2003−156256号公報 特許文献1には、ドレン排水の配管工事が不要なドレン排水装置として、給湯器に設置されたドレン受けからドレンを排水するドレン排水管を備え、このドレン排水管を風呂給湯配管とともに浴槽側に導き、その先端部を浴槽の循環アダプタに取り付け、浴槽を設置しているドレンパンに流す構成が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されたドレン排水では、中和器より強制排水を行うため、中和前のドレンの排水が行われる場合があり、また、中和剤やごみ等の不純物がドレンに混入されて排水される場合もあり、このような排水をポンプ等の機器を用いて行うと、それらの機器の故障原因になるおそれがある。
【0006】
集合住宅等では、コンデンシング(高効率)機器で生じるドレンの排水設備が機器付近に設置されていない場合があり、このような場合には新たに排水設備を設置する必要がある。このような排水設備を設ける場合にはドレン配管を設置する必要があり、このドレン配管はドレンの発生部分と排水設備との距離に比例して長くなる。
【0007】
そこで、本発明は、中和されたドレンを装置内に溜めることにより、計画排水を可能にした熱源装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的は、所望の箇所及びタイミングで排水可能にした熱源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、熱源に燃焼熱を用いる熱交換手段を備える熱源装置であって、前記熱交換手段に発生したドレンを中和する中和器と、この中和器で中和された前記ドレンが導かれて溜められるドレンタンクと、このドレンタンクに溜められた前記ドレンのレベルを検出する検出手段と、前記熱交換手段で発生した前記ドレンを前記中和器に導き、前記中和器から中和後の前記ドレンを前記ドレンタンクに導き、前記ドレンタンクに溜められた前記ドレンを排水させるドレン回路と、このドレン回路に設置されて前記ドレンを強制的に排水させるポンプと、前記検出手段の検出レベルを制御情報に用いて前記ポンプを駆動し、前記ドレンを前記ドレン回路を通じて排水させる制御手段とを備えた構成である。
【0010】
斯かる構成よれば、熱交換手段で生成されたドレンはドレン受けからドレン回路によって流れ、強酸性を持つドレンは中和器で中和された後、ドレンタンクに溜められ、そのレベルに応じてドレンタンクから搬出手段で熱源装置外に排出される。
【0011】
上記目的を達成するためには、上記熱源装置は、好ましくは、前記ドレン回路は、前記中和器に導かれて中和された前記ドレンの上澄み液を前記中和器から前記ドレンタンクに導く管路を備えた構成としてもよい。斯かる構成によっても、上記目的を達成できる。
【0012】
上記目的を達成するためには、上記熱源装置は、好ましくは、前記中和器は、前記ドレンを中和する中和剤と、前記ドレンの導入側と導出側とを分離する分離壁とを備え、導入された前記ドレンが前記導入側から前記中和剤を経て前記導出側に中和されて導出される構成としてもよい。斯かる構成によっても、上記目的を達成できる。
【0013】
上記目的を達成するためには、上記熱源装置は、好ましくは、前記熱交換手段とともに前記ドレンタンク及び前記中和器が設置された装置筐体と、この装置筐体に設けられて前記ドレンを前記ドレン回路を通して前記装置筐体の外部に導くドレン口とを備えた構成としてもよい。斯かる構成とすれば、装置筐体にドレン口が設置されているので、このドレン口から所望の箇所にドレンを排出することができる。
【0014】
上記目的を達成するためには、上記熱源装置は、好ましくは、前記ドレン回路に浴槽水の加熱に用いられる追焚回路の一部を共用させ、前記ポンプに前記追焚回路に設置されている追焚ポンプを用いることにより、前記ドレンタンクから前記ドレンをドレン口側に導く構成としてもよい。斯かる構成によっても、上記目的を達成できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0016】
(1) 熱交換器に生じるドレンを確実に中和した後、ドレンタンクに溜め、ドレンタンクから無害化したドレンを計画的に排水することができる。
【0017】
(2) 中和後のドレンを排出するので、ドレンを排出する配管の耐酸性を低下させることができ、配管設備のコスト低減に寄与することができる。
【0018】
(3) ドレン回路にポンプを設置すれば、ポンプ駆動によってドレンを圧送でき、配管設備の高低差、排水設備までの配管長、管路間の連結、管路の配置等の自由度を高めることができ、設計や設備工事の迅速化に寄与することができる。
【0019】
(4) ドレン回路に追焚回路の一部及びその追焚ポンプを共用すれば、既設の設備の効率的な利用とともに、ドレンの圧送効率を高めることができ、設備コストの低減に寄与することができる。
【0020】
(5) 追焚回路をドレン回路に共用させた場合には、ドレン排出後に追焚回路の管路洗浄を行えば、入浴水にドレンを混入させることがなく、ドレンの混入による不快感をユーザに与えることがない。
【0021】
(6) 追焚回路とドレン回路を別個に設置するとともに、専用のポンプ及び配管を用いれば、斯かるドレン回路及び外部回路により、任意の場所にドレンを排出することができ、ドレン処理の効率化を図ることができる。
【0022】
(7) ドレン回路を既設の配管に合流させることも可能であり、その場合、ドレン回路には切替弁の開閉やポンプの駆動を切り替えることにより、所望の排出タイミングでドレンを排出できるので、ドレンの影響を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
〔第1の実施形態〕
【0024】
本発明の第1の実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る熱源装置を示している。
【0025】
この熱源装置2は燃焼熱を熱源とする熱交換器4を備えたものであり、熱交換器4は燃焼器6の燃焼ガスから例えば、潜熱を吸収することにより、水等を加熱する。この場合、燃焼器6は供給される燃料ガスGを燃焼させる。
【0026】
熱交換器4に発生したドレンDは、熱交換器4の下側に設置されたドレン受け8で集水されてドレン回路10の管路10Aを通じて中和器12に導かれる。中和器12には酸性のドレンDを中和する中和剤14が装填されているとともに、未中和のドレンDの排出を防止するため、ドレン導入側とドレン導出側とを分離する分離壁16が設置されている。中和されたドレンDは、上澄み液が中和器12から管路10Bを通じてドレンタンク20に導かれて溜められる。
【0027】
ドレンタンク20には、ドレンDの水位を検出する水位検出手段(レベル検出手段)として水位センサ22が設置され、この実施形態では、長大な共通電極24に対し、低レベルLの水位を検出する水位電極26、高レベルHの水位を検出する水位電極28が設置されている。即ち、共通電極24のみがドレンDに没していれば、空レベル、共通電極24と水位電極26とが没していれば、低レベルL、共通電極24、水位電極26及び水位電極28が没していれば、高レベルHが検出されることになる。そして、ドレンタンク20の底側にはドレン回路10の管路10Cが形成され、この管路10Cはドレンタンク20と装置筐体32の壁部に設置されたドレン排出口34との間に連結されている。このドレン回路10には、切替弁36及びドレンポンプ38が設置されており、切替弁36はドレン排出時に開状態に切り替えられ、ドレンポンプ38はその排出時に駆動し、ドレンDをドレンタンク20からドレン排出口34側に圧送する。このドレン排出口34にはドレン配管35が接続され、ドレンDはドレン配管35を通じて所望の箇所に排水される。この実施形態では、切替弁36及びドレンポンプ38の双方を設置しているが、いずれか一方のみでもよい。なお、ドレンタンク20には、溜められたドレンDがオーバーフローレベルを越えたとき、それを排出するためのオーバーフロー排出口40が設けられている。
【0028】
そして、制御部42は、水位センサ22から検出出力を受け、この検出出力を制御情報として切替弁36又はドレンポンプ38のいずれか一方又は双方を制御する。この結果、中和されたドレンDがドレン回路10及びドレン排出口34を通じて所望の箇所例えば、排水設備やドレンパン等に排水することができる。ドレンポンプ38を用いれば、ドレンDをドレンタンク20から圧送でき、迅速な排水処理が可能となる。
【0029】
〔第2の実施形態〕
【0030】
本発明の第2の実施形態について、図2を参照して説明する。図2は、第2の実施形態に係る給湯・追焚・暖房装置を示している。図2において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0031】
この給湯・追焚・暖房装置44は熱源装置の一例であって、給湯機能、追焚機能及び温水暖房機能を備え、給湯機能は上水を加熱して飲用給湯、シャワー給湯等の処理機能を総称し、追焚機能は浴槽46の浴槽水48の再加熱処理機能であり、また、温水暖房機能は加熱した温水を用いた暖房機能である。
【0032】
給湯機能を説明すると、給水口50に取り込まれた水Wは、給水回路52に流れ、給湯用二次熱交換器54及び一次熱交換器56を経て給湯口58に至る。二次熱交換器54は燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器であり、第1の実施形態の熱交換器4に相当している。給水回路52には流量センサ60が設置され、通過流量が検出される。湯HWの設定温度に対する応答性を高めるため、一次熱交換器56には水制御弁62を備えるバイパス回路64が形成され、水制御弁62の開度に応じて一次熱交換器56を通過することなく、給水回路52を通じて水W(例えば、上水)を流すことが可能である。また、この給水回路52には、入水温を検出する温度検出手段として温度センサ66、水量を調整する水制御弁68、混合湯温を検出する温度検出手段として温度センサ70等が設置されている。
【0033】
また、追焚機能について説明すると、浴槽46の浴槽水48を再加熱する追焚回路72が備えられ、この追焚回路72には切替弁73及び追焚用熱交換器74が設置されている。この実施形態では、暖房用温水が持つ熱を浴槽水48の加熱に用いているため、熱交換器74は液−液熱交換器で構成されている。追焚回路72には浴槽46の水位を検出する水位センサ75が設置されている。
【0034】
また、浴槽46に注湯するため、給水回路52と追焚回路72との間に注湯回路76が形成され、この注湯回路76は給湯口58側で管路を分岐し、給水回路52で得られた湯HWを追焚回路72に流し込む手段である。斯かる注湯回路76には、注湯電磁弁78、注湯量を検出する注湯量センサ80、逆止弁82等が設置されており、給湯側で得られた湯HWが浴槽46側に注湯可能である。逆止弁82は、上水側と浴槽水48とを縁切りする手段を構成する。
【0035】
また、温水暖房機能について説明すると、暖房高温往口84と暖房戻口86との間にはファンコンベクタ等の高温暖房端末87が接続され、暖房回路88に設置された暖房タンク90内の熱媒としての温水HWは、暖房ポンプ92により圧送されて暖房用一次熱交換器94で加熱され、暖房高温往口84より高温暖房端末87側に送り出され、高温暖房端末87で放熱した温水HWは、暖房戻口86より二次熱交換器96を経て暖房タンク90に帰還する。
【0036】
暖房低温往口98と暖房戻口86との間には床暖房等の低温暖房端末99が接続され、暖房タンク90内の温水HWが暖房ポンプ92により暖房低温往口98より低温暖房端末99側に送出される。低温暖房端末99で放熱した温水HWは、暖房戻口86より二次熱交換器96を経て暖房タンク90に帰還する。
【0037】
この暖房回路88を循環する高温の温水HWが持つ熱量は既述の通り、浴槽水48の再加熱(追焚)に利用されており、この場合、切替弁73を開放した後、暖房タンク90内の温水HWが暖房ポンプ92により圧送されると、一次熱交換器94で加熱され、追焚用熱交換器74に流れ、温水HWと浴槽水48との間で液―液熱交換を行い、二次熱交換器96を通った後、暖房タンク90に帰還する。
【0038】
給湯用一次熱交換器56及び二次熱交換器54が設置された第1の燃焼室102にはバーナ104及び給気ファン106、暖房用一次熱交換器94及び二次熱交換器96が設置された第2の燃焼室108にはバーナ110及び給気ファン112が設置され、バーナ104には元ガス電磁弁114、給湯ガス比例弁116、切替電磁弁118、ガス電磁弁120、122を通して燃料ガスGが供給され、また、バーナ110には元ガス電磁弁114、暖房ガス比例弁124、切替電磁弁126、ガス電磁弁128を通して燃料ガスGが供給される。
【0039】
バーナ104による燃料ガスGの燃焼により給湯用二次熱交換器54で生じたドレンDは、二次熱交換器54の下側に設置されたドレン受け8Aで受け、また、バーナ110による燃料ガスGの燃焼により暖房用二次熱交換器96で生じたドレンDはドレン受け8Bで受け、これらドレン受け8A、8Bで集水したドレンDはドレン回路10の管路10Aを介して中和器12に導かれている。中和器12内には、中和剤14として例えば、炭酸カルシウム等が封入されており、ドレンDがこの中和剤14によって中和される。なお、ドレンDの中和処理はこのような中和剤14だけでなく、pHを中性に近付けるものであれば他の手段であってもよい。
【0040】
中和器12で中和されたドレンDは管路10Bを通じて既述のドレンタンク20に導かれて溜められた後、ドレンタンク20のドレンDは管路10Cを通じてドレン排出口34に導かれる。この実施形態では、管路10Cは追焚回路72とドレン切替弁130と連結されて追焚回路72の一部を共用し、流水スイッチ132、追焚ポンプ134及び切替弁136を介してドレン排出口34に至る。
【0041】
そして、この給湯・追焚・暖房装置44には既述の制御部42として制御装置138が設置されており、この制御装置138にはリモコン装置140が接続されている。
【0042】
次に、制御装置138について、図3を参照して説明する。図3は制御装置138の構成例を示している。
【0043】
この制御装置138において、制御部142は例えば、マイクロコンピュータ等で構成され、この制御部142には、ドレンタンク20の水位センサ22、浴槽46の水位センサ75、流水スイッチ132、その他のセンサ146等から検出信号が制御入力として加えられ、制御部142の制御出力が切替弁136、ドレン切替弁130、追焚ポンプ134、その他の機能部148等に加えられる。制御部142に接続されたリモコン装置140には、制御部150、キースイッチ等の操作部152、表示部154、音報知部156等が備えられ、制御部142、150の相互の通信等が可能であるとともに、キースイッチ等の操作部152から操作入力が加えられ、制御出力が表示部154、音報知部156等に加えられる。
【0044】
次に、この給湯・追焚・暖房装置について、図4を参照して基本動作を説明する。図4は、基本動作を示すフローチャートである。
【0045】
この基本動作では、電源投入により、初期設定処理(ステップS1)、センサ、外部指示等の読込み処理(ステップS2)、浴槽水の排水監視処理(ステップS3)、ドレン排水制御(ステップS4)、給湯動作実行判定(ステップS5)、給湯動作制御(ステップS6)、自動湯張り実行判定(ステップS7)、自動湯張り制御(ステップS8)、追焚実行判定処理(ステップS9)、追焚制御(ステップS10)、暖房実行判定(ステップS11)、暖房制御(ステップS12)、その他実行判定(ステップS13)、その他制御(ステップS14)等の処理が行われる。
【0046】
この基本動作において、ドレンの排出動作について説明すると、中和器12で中和されたドレンDは、既述のようにその上澄み液がドレンタンク20に溜められる。このドレンDには異物(中和剤の一部、排気口からのゴミ、熱交換器の汚れ等)が混入することなく、ドレンタンク20に導かれる。ドレンタンク20のドレンDが所定水位、水位センサ22が高レベルHを検出すると、その排出を開始する。この場合、浴槽46の自動湯張りを行っている場合や、追焚等で追焚回路72を使用している場合には、自動湯張りや追焚動作の終了まで、ドレンDの排水動作を中断する。
【0047】
ドレンDの排出には、追焚ポンプ134の出側の切替弁136をドレン排出口34の配管10C側に切り替え、ドレン回路10からのドレン切替弁130をドレンタンク20から追焚ポンプ134側に切り替える。この結果、ドレンタンク20、追焚ポンプ134、ドレン排出口34の回路が形成され、追焚ポンプ134の駆動により、ドレンタンク20内のドレンDがドレン排出口34を経てドレン配管により排水される。ドレンタンク20内の水位が低レベルLになると、追焚ポンプ134の駆動を停止させ、ドレン切替弁130を閉止状態にし、その後、注湯回路76より注水を行う。この注水はドレン切替弁130から切替弁136の間のドレンDが排除される量だけ行い、所定注水量又は所定時間注水を行う。この作業によりドレン回路10内に残ったドレンDをドレン配管側に排水し、管路を洗浄することができる。
【0048】
この場合、浴槽46内に浴槽水48がある場合には、浴槽水48により管路洗浄を行ってもよい。即ち、浴槽戻り配管158→追焚ポンプ134→ドレン回路10の管路10Cの回路を形成した後、追焚ポンプ134を駆動し、浴槽水48を流す。この場合、ドレン切替弁130から切替弁136の間のドレンDが排除される量だけ浴槽水48を流すため、追焚ポンプ134を所定時間だけ動作させる。これにより、ドレンタンク20内に溜まったドレンDはドレン配管側に排出され、この排出に利用された追焚ポンプ134等の追焚回路72も洗浄される。
【0049】
そして、管路洗浄後、既述の注水を停止し、又は浴槽水48を圧送する追焚ポンプ134を停止し、また、切替弁136を往き配管162側に切り替える。即ち、追焚循環のための回路に復帰させ、追焚ポンプ134による浴槽水48の熱交換器74への循環が可能となる。
【0050】
次に、配管洗浄(ドレン排出)処理について、図5を参照して説明する。図5は、配管洗浄のタイミング検出動作を示すフローチャートである。
【0051】
このタイミング検出では、基本的に、常時監視を行い(配管洗浄シーケンスと同様)、浴槽46の排水栓が抜かれ、排水を行っていることを検出する。
【0052】
浴槽46に浴槽水48があるか否かを水位センサ75の検出出力によって判断し、浴槽水48が無い場合には処理を終了する(ステップS21)。浴槽水48がある場合には、前回の水位より低下したか否かを判断し、浴槽水48が減る方向にあるか否かを判定する(ステップS22)。水位が低下している場合には、水位が基準水位以下か否かを判断する(ステップS23)。基準水位は例えば、循環アダプタ160の少し上のあたりに設定する。この基準水位以下を判定したときから所定時間だけ待機する(ステップS24)。この場合、水位が減る方向にある場合には循環アダプタ160が間近なので、循環アダプタ160を下まわる程度の時間を設定する。そして、追焚ポンプ134を駆動し、流水スイッチ132の流水検出の有無により、浴槽水48が循環アダプタ160を下まわったか否かを判断し(ステップS25)、下まわっていればドレンタンク20のドレンDの排水を行うタイミングとし、このタイミングを制御部142の記憶部に記憶する(ステップS26)。
【0053】
次に、追焚ポンプ134の使用時のドレン排出について、図6を参照して説明する。図6は追焚ポンプ134の使用時のドレン排出処理を示すフローチャートである。
【0054】
ドレンタンク20のドレンDの水位が所定レベルに到達しているか否か、即ち、既述の高レベルH以上か否かを判定し(ステップS31)、所定レベル以上の場合には、ドレン排出を行う。追焚回路72が未使用か否かを判断する(ステップS32)。この場合、追焚回路72が使用中であると、排出を行わない。使用中というのは、浴槽46への自動湯張りや追焚を行っている場合である。
【0055】
切替弁136により追焚ポンプ134の出側を浴槽46への往き配管162からドレン排出口34側へ切り替える(ステップS33)。ドレン切替弁130により追焚ポンプ134の入側を戻り配管158からドレン回路10側へ切り替え、ドレン排出回路が形成される(ステップS34)。この状態で、追焚ポンプ134を駆動し、ドレンDの排出を開始する(ステップS35)。この場合、必要に応じて事前に追焚ポンプ134に対する呼び水を注水等により行う。
【0056】
ドレンの排出はドレンタンク20内のドレン水位が低レベルL以下に到達するまで行う(ステップS36)。追焚ポンプ134を停止し、ドレンDの排出を停止する(ステップS37)。ドレン切替弁130を閉止する(ステップS38)。これにより、注湯回路76→追焚ポンプ134→ドレン排出口34の回路が形成される。注湯回路76より注水を行い、回路内に残ったドレンDを押し流す。この注水は、ドレン切替弁130から切替弁136までの部分の洗浄を目的とし、所定時間又は所定量(これは注湯量センサ80で計測)行う(ステップS39)。そして、切替弁136を浴槽46への往き配管162に切り替え(ステップS40)、ドレン切替弁130を戻り配管158に切り替える。以上の処理により、ドレン排水及び配管洗浄が完了する。
【0057】
〔第3の実施形態〕
【0058】
次に、本発明の第3の実施形態について、図7を参照して説明する。図7は、第3の実施形態に係る給湯・暖房・追焚装置の概要を示す図である。なお、第1及び第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
この給湯・追焚・暖房装置44は、ドレン回路10と追焚回路72とを独立させ、ドレン回路10はドレンポンプ164が設置されるとともに、ドレン排出口34側に逆流防止のための逆止弁166が設置されている。また、ドレンポンプ164とドレンタンク20との間には、ドレンポンプ164に呼び水を供給し、ドレンポンプ164側のエアー抜き手段としてのバイパス路167が形成されている。この実施形態では、ドレン回路10を追焚回路72と分離しているので、ドレン切替弁130(図2)は不要である。その他の構成は第2の実施形態と同様である。
【0060】
この実施形態では、ドレンDは、専用のドレンポンプ164でドレン排出口34より逆止弁166を経て機器外部に排出される。ドレンDはドレンポンプ164で強制的に排出されるので、ドレン排出口34に接続されたドレン配管は排水設備までの配管を任意に行うことが可能である。
【0061】
また、ドレンポンプ164に自吸式ポンプを使用した場合、ドレンポンプ164への呼び水が必要となるが、この実施形態では、ドレンポンプ164出側からバイパス路167を通してドレンタンク20上部へのエアー抜きが行われる。従って、ドレンタンク20の下方に設置されたドレンポンプ164へドレン回路10を通じてドレンDの自然落下が容易に行われ、呼び水を流し込むことができる。
【0062】
そして、ドレンDの排出の際は、ドレンポンプ164を駆動し、ドレンタンク20内のドレンDをドレン排出口34に接続されたドレン配管を経由し、排水設備に排水される。ドレンタンク20内の水位が低レベルになると、ドレンポンプ164の駆動を停止し、排出終了とする。
【0063】
〔第4の実施形態〕
【0064】
次に、本発明の第4の実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、第4の実施形態に係る給湯・暖房・追焚装置の概要を示す図である。なお、第1ないし第3の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
この実施形態は、ドレン配管を排水設備として接続できない場合に対応する構成である。
【0066】
そこで、この実施形態では、ドレン排出口34と追焚回路72との間にドレン配管168を連結し、ドレンDを追焚回路72を通して浴槽46に排出する。追焚回路72をドレン排水に用いるため、ドレンタンク20内のドレンDの貯水量で任意に排出すると、浴槽水48にドレンDを混入させるおそれがある。そこで、ドレン排水は浴槽46の排水栓が開いているとき、例えば配管洗浄のタイミングで行う。この配管洗浄とは、浴槽46の排水栓を外して浴槽水48の排出を行うとき、追焚回路72に注水を行い、配管内の洗浄を行うことであり、追焚回路72に設けられた水位センサ75の変位等により浴槽水48の排出を知ることができる。このタイミングでドレンDの排出を行うと、浴槽水48にドレンDを混入させることがない。即ち、追焚回路72により浴槽46に排出されるドレンDは、開放された浴槽46の排水部より排水設備に排水される。この排水タイミングのとき、ドレンタンク20内の水位が水位センサ22の高レベルHであれば、水位センサ22が低レベルL未満になるまでドレンポンプ164を駆動し、排出を行う。ドレン排出口34側には逆流防止のための逆止弁166が設けられているため、追焚回路72内の浴槽水48がドレンタンク20側に逆流により流入することもない。
【0067】
次に、第3及び第4の実施形態(図7及び図8)の給湯・追焚・暖房装置44の制御装置138について、図9を参照して説明るす。図9はその制御装置138を示すブロック図である。
【0068】
制御部142にドレンポンプ164が接続され、ドレン排出時、このドレンポンプ164を駆動する構成である。また、第3及び第4の実施形態(図7、図8)ではそれぞれ違うドレン排出制御を行うため、別々の機器とすることも可能であるが、外部配管の違い(ドレン排出口34にドレン配管を接続するか、ドレン排出口34より往き配管162に合流させるか)を機器にモード設定として設定する手段を設け、設定されたモード設定にドレン排出制御を切り替えることにより、同一の機器で実施することができる。そこで、機器にモード設定を行う手段として、制御装置138内の基板上にディップスイッチ等のモード設定スイッチ170が設けられており、そのON/OFFで行う手段、リモコン装置140の操作部152の隠し操作(一般ユーザが使用不可能な操作)にてモード設定を行い、制御部150に記憶する手段等がある。このようなモード設定は、機器の設置時に、その外部配管状態に従って、機器設置業者等が行うことが望ましい。機器は、設定されたモード設定を動作時に判断することにより、ドレンタンク20内のドレン排出処理のタイミングを切り替えることが可能である。
【0069】
次に、ドレンポンプ164を使用したドレン排出処理について、図10を参照して説明する。図10は、ドレンポンプ使用のドレン排出処理を示すフローチャートである。
【0070】
機器のモード設定を調べ(ステップS41)、ドレン配管が単独で配管されている第1のモード(第3の実施形態=図7)ではステップS42以下の処理、ドレン排出口34から往き配管162へ接続されている第2のモード(第4の実施形態=図8)ではステップS46以下の処理となる。モード設定はモード設定スイッチ170により設定される。
【0071】
第1のモードでは、ドレンタンク20内の水位センサ22か高レベルHを検出しているか否かを判定し、高レベルH以上の場合にはドレン排出を行う。そこで、ドレンポンプ164を駆動し、ドレンDの排出を開始する(ステップS43)。ドレンポンプ164にはエアー抜きのためのバイパス回路167がドレンポンプ164よりドレンタンク20に設けられているので、ドレンタンク20内のドレンDが自然落下によりドレンポンプ164内を満たす構造であり、ドレンポンプ164に対して呼び水の役目をする。ドレンポンプ164の駆動により排出されるドレンDの殆どはドレン排出口34へ流れるが、一部はバイパス回路167よりドレンタンク20に戻る。戻ったドレンDは再び排出される。
【0072】
ドレンDの排出はドレンタンク20内の水位センサ22が低レベルL未満を検出するまで行い(ステップS44)、低レベルL未満に移行したとき、ドレンポンプ164を停止し、ドレンDの排出を停止し(ステップS45)、ドレン排出を終了する。
【0073】
また、配管洗浄に対応したドレン排出では(ステップS46以下)、排水タイミングと判断されたとき、排出を行う。このタイミングを調べるかどうかが、ドレンポンプ164を使用し、ドレン配管排出(第3の実施形態)と違う部分で、後の処理は同じである。即ち、ドレンタンク20のドレンDが高レベルH以上か否かを判定し(ステップS47)、高レベルの場合にはドレン排出を行う。そこで、ドレンポンプ164を駆動し、ドレンDの排出を開始し(ステップS48)、このドレンDの排出はドレンタンク20内の水位センサ22が低レベルL未満を検出するまで行い(ステップS49)、低レベルL未満に移行したとき、ドレンポンプ164を停止し、ドレンDの排出を停止し(ステップS50)、ドレン排出を終了する。
【0074】
このように、モード設定スイッチ170による第1及び第2のモードのモード選択及び設定に関し、次のような動作形態となる。
【0075】
(1) 第1のモード(ドレン排出口34にドレン配管35を接続した場合)
例えば、機器設置時に単独で配管されている旨のモード設定をモード設定スイッチ170により行う。そして、その動作は、機器動作時、ドレンタンク20の水位が高レベルに達すると、ドレン排出を行う。ドレンDの排出はドレンポンプ164を駆動することにより行い、ドレンタンク20の水位が低レベル未満になるまで行う。
【0076】
(2) 第2のモード(ドレン排出口34より往き配管162に合流させた場合)
例えば、機器設置時にドレン排出口34より往き配管162に合流配管されている旨のモード設定をモード設定スイッチ170により行う。そして、その動作は、機器動作時、配管洗浄のタイミングを待つ。配管洗浄のタイミングになったとき、ドレンタンク20の水位が高レベルに達していると、ドレン排出を行う。ドレンDの排出はドレンポンプ164を駆動することにより行い、ドレンタンク20の水位が低レベル未満になるまで行う。なお、配管洗浄は、ドレン排出後に行う。
【0077】
〔第5の実施形態〕
【0078】
本発明の第5の実施形態について、図11を参照して説明する。図11は、ドレン排出口の具体的な構成例を示す図である。
【0079】
既述したように、装置筐体32にはドレン排出口34が取り付けられ、このドレン排出口34には装置筐体32内に設置されたドレン回路10の管路10Cが連結されるとともに、装置筐体32の外部でドレン配管35が接続される。ドレンDはドレン配管35を通じて所望の箇所に排水される。
【0080】
〔第6の実施形態〕
【0081】
本発明の第6の実施形態について、図12を参照して説明する。図12は、ドレン排出口34と追焚回路72との連結部の具体的な構成例を示す図である。
【0082】
ドレン排出口34と追焚回路72との間にドレン配管168が連結され、ドレン配管168は、ドレン排出口34側に連結具172、追焚回路72側に連結具174が設けられ、ドレンDが追焚回路72を通して浴槽46に排出される構成である。
【0083】
なお、実施形態では給湯、追焚及び暖房を行う給湯・追焚・暖房装置を例にとって説明したが、本発明は、給湯のみ、追焚のみ又は暖房のみの単機能からなる熱源装置に適用することができる。
【0084】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、熱交換によって生じる凝縮水等のドレンを熱源装置から効率よく、しかも、既存の設備の利用、所望の箇所への排水等が行え、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る熱源装置を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る給湯・追焚・暖房装置を示す図である。
【図3】制御装置を示すブロック図である。
【図4】基本動作を示すフローチャートである。
【図5】排水タイミングの設定処理を示すフローチャートである。
【図6】ドレン排水処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る熱源装置を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る熱源装置を示す図である。
【図9】制御装置を示すブロック図である。
【図10】ドレン排水処理を示すフローチャートである。
【図11】ドレン排出口の構成を示す断面図である。
【図12】ドレン配管の具体的構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0087】
2 熱源装置
4 熱交換器
8 ドレン受け
12 中和器
20 ドレンタンク
32 装置筐体
D ドレン
34 ドレン排出口(ドレン口)
35 ドレン配管
42 制御部
138 制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガス等による燃焼熱を熱源とする熱源装置に発生するドレンの排出制御に関し、特に、中和後のドレンを排出する熱源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼ガスの燃焼熱を熱源とし、燃焼ガスから主として顕熱を回収する熱交換器と、燃焼ガスから主として潜熱を回収する熱交換器とを併設するコンデンシング(高効率)給湯器では熱交換時に強酸の多量のドレンを生じる。このドレンの排水には、専用の排水配管を設けて排水し、又は浴槽に導いて浴槽水とともに排水する等、各種の対策が施されている。
【0003】
例えば、ドレンは中和器を用いて中和され、随時ドレン口より排出され、機器の近傍に排水設備が無い場合には、浴室内のドレンパンに排出する方法等が採られている。
【0004】
このドレンの排水に関し、次のような先行特許文献が存在する。
【特許文献1】特開2003−156256号公報 特許文献1には、ドレン排水の配管工事が不要なドレン排水装置として、給湯器に設置されたドレン受けからドレンを排水するドレン排水管を備え、このドレン排水管を風呂給湯配管とともに浴槽側に導き、その先端部を浴槽の循環アダプタに取り付け、浴槽を設置しているドレンパンに流す構成が開示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されたドレン排水では、中和器より強制排水を行うため、中和前のドレンの排水が行われる場合があり、また、中和剤やごみ等の不純物がドレンに混入されて排水される場合もあり、このような排水をポンプ等の機器を用いて行うと、それらの機器の故障原因になるおそれがある。
【0006】
集合住宅等では、コンデンシング(高効率)機器で生じるドレンの排水設備が機器付近に設置されていない場合があり、このような場合には新たに排水設備を設置する必要がある。このような排水設備を設ける場合にはドレン配管を設置する必要があり、このドレン配管はドレンの発生部分と排水設備との距離に比例して長くなる。
【0007】
そこで、本発明は、中和されたドレンを装置内に溜めることにより、計画排水を可能にした熱源装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明の他の目的は、所望の箇所及びタイミングで排水可能にした熱源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、熱源に燃焼熱を用いる熱交換手段を備える熱源装置であって、前記熱交換手段に発生したドレンを中和する中和器と、この中和器で中和された前記ドレンが導かれて溜められるドレンタンクと、このドレンタンクに溜められた前記ドレンのレベルを検出する検出手段と、前記熱交換手段で発生した前記ドレンを前記中和器に導き、前記中和器から中和後の前記ドレンを前記ドレンタンクに導き、前記ドレンタンクに溜められた前記ドレンを排水させるドレン回路と、このドレン回路に設置されて前記ドレンを強制的に排水させるポンプと、前記検出手段の検出レベルを制御情報に用いて前記ポンプを駆動し、前記ドレンを前記ドレン回路を通じて排水させる制御手段とを備えた構成である。
【0010】
斯かる構成よれば、熱交換手段で生成されたドレンはドレン受けからドレン回路によって流れ、強酸性を持つドレンは中和器で中和された後、ドレンタンクに溜められ、そのレベルに応じてドレンタンクから搬出手段で熱源装置外に排出される。
【0011】
上記目的を達成するためには、上記熱源装置は、好ましくは、前記ドレン回路は、前記中和器に導かれて中和された前記ドレンの上澄み液を前記中和器から前記ドレンタンクに導く管路を備えた構成としてもよい。斯かる構成によっても、上記目的を達成できる。
【0012】
上記目的を達成するためには、上記熱源装置は、好ましくは、前記中和器は、前記ドレンを中和する中和剤と、前記ドレンの導入側と導出側とを分離する分離壁とを備え、導入された前記ドレンが前記導入側から前記中和剤を経て前記導出側に中和されて導出される構成としてもよい。斯かる構成によっても、上記目的を達成できる。
【0013】
上記目的を達成するためには、上記熱源装置は、好ましくは、前記熱交換手段とともに前記ドレンタンク及び前記中和器が設置された装置筐体と、この装置筐体に設けられて前記ドレンを前記ドレン回路を通して前記装置筐体の外部に導くドレン口とを備えた構成としてもよい。斯かる構成とすれば、装置筐体にドレン口が設置されているので、このドレン口から所望の箇所にドレンを排出することができる。
【0014】
上記目的を達成するためには、上記熱源装置は、好ましくは、前記ドレン回路に浴槽水の加熱に用いられる追焚回路の一部を共用させ、前記ポンプに前記追焚回路に設置されている追焚ポンプを用いることにより、前記ドレンタンクから前記ドレンをドレン口側に導く構成としてもよい。斯かる構成によっても、上記目的を達成できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0016】
(1) 熱交換器に生じるドレンを確実に中和した後、ドレンタンクに溜め、ドレンタンクから無害化したドレンを計画的に排水することができる。
【0017】
(2) 中和後のドレンを排出するので、ドレンを排出する配管の耐酸性を低下させることができ、配管設備のコスト低減に寄与することができる。
【0018】
(3) ドレン回路にポンプを設置すれば、ポンプ駆動によってドレンを圧送でき、配管設備の高低差、排水設備までの配管長、管路間の連結、管路の配置等の自由度を高めることができ、設計や設備工事の迅速化に寄与することができる。
【0019】
(4) ドレン回路に追焚回路の一部及びその追焚ポンプを共用すれば、既設の設備の効率的な利用とともに、ドレンの圧送効率を高めることができ、設備コストの低減に寄与することができる。
【0020】
(5) 追焚回路をドレン回路に共用させた場合には、ドレン排出後に追焚回路の管路洗浄を行えば、入浴水にドレンを混入させることがなく、ドレンの混入による不快感をユーザに与えることがない。
【0021】
(6) 追焚回路とドレン回路を別個に設置するとともに、専用のポンプ及び配管を用いれば、斯かるドレン回路及び外部回路により、任意の場所にドレンを排出することができ、ドレン処理の効率化を図ることができる。
【0022】
(7) ドレン回路を既設の配管に合流させることも可能であり、その場合、ドレン回路には切替弁の開閉やポンプの駆動を切り替えることにより、所望の排出タイミングでドレンを排出できるので、ドレンの影響を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
〔第1の実施形態〕
【0024】
本発明の第1の実施形態について、図1を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る熱源装置を示している。
【0025】
この熱源装置2は燃焼熱を熱源とする熱交換器4を備えたものであり、熱交換器4は燃焼器6の燃焼ガスから例えば、潜熱を吸収することにより、水等を加熱する。この場合、燃焼器6は供給される燃料ガスGを燃焼させる。
【0026】
熱交換器4に発生したドレンDは、熱交換器4の下側に設置されたドレン受け8で集水されてドレン回路10の管路10Aを通じて中和器12に導かれる。中和器12には酸性のドレンDを中和する中和剤14が装填されているとともに、未中和のドレンDの排出を防止するため、ドレン導入側とドレン導出側とを分離する分離壁16が設置されている。中和されたドレンDは、上澄み液が中和器12から管路10Bを通じてドレンタンク20に導かれて溜められる。
【0027】
ドレンタンク20には、ドレンDの水位を検出する水位検出手段(レベル検出手段)として水位センサ22が設置され、この実施形態では、長大な共通電極24に対し、低レベルLの水位を検出する水位電極26、高レベルHの水位を検出する水位電極28が設置されている。即ち、共通電極24のみがドレンDに没していれば、空レベル、共通電極24と水位電極26とが没していれば、低レベルL、共通電極24、水位電極26及び水位電極28が没していれば、高レベルHが検出されることになる。そして、ドレンタンク20の底側にはドレン回路10の管路10Cが形成され、この管路10Cはドレンタンク20と装置筐体32の壁部に設置されたドレン排出口34との間に連結されている。このドレン回路10には、切替弁36及びドレンポンプ38が設置されており、切替弁36はドレン排出時に開状態に切り替えられ、ドレンポンプ38はその排出時に駆動し、ドレンDをドレンタンク20からドレン排出口34側に圧送する。このドレン排出口34にはドレン配管35が接続され、ドレンDはドレン配管35を通じて所望の箇所に排水される。この実施形態では、切替弁36及びドレンポンプ38の双方を設置しているが、いずれか一方のみでもよい。なお、ドレンタンク20には、溜められたドレンDがオーバーフローレベルを越えたとき、それを排出するためのオーバーフロー排出口40が設けられている。
【0028】
そして、制御部42は、水位センサ22から検出出力を受け、この検出出力を制御情報として切替弁36又はドレンポンプ38のいずれか一方又は双方を制御する。この結果、中和されたドレンDがドレン回路10及びドレン排出口34を通じて所望の箇所例えば、排水設備やドレンパン等に排水することができる。ドレンポンプ38を用いれば、ドレンDをドレンタンク20から圧送でき、迅速な排水処理が可能となる。
【0029】
〔第2の実施形態〕
【0030】
本発明の第2の実施形態について、図2を参照して説明する。図2は、第2の実施形態に係る給湯・追焚・暖房装置を示している。図2において、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0031】
この給湯・追焚・暖房装置44は熱源装置の一例であって、給湯機能、追焚機能及び温水暖房機能を備え、給湯機能は上水を加熱して飲用給湯、シャワー給湯等の処理機能を総称し、追焚機能は浴槽46の浴槽水48の再加熱処理機能であり、また、温水暖房機能は加熱した温水を用いた暖房機能である。
【0032】
給湯機能を説明すると、給水口50に取り込まれた水Wは、給水回路52に流れ、給湯用二次熱交換器54及び一次熱交換器56を経て給湯口58に至る。二次熱交換器54は燃焼ガスの潜熱を回収する熱交換器であり、第1の実施形態の熱交換器4に相当している。給水回路52には流量センサ60が設置され、通過流量が検出される。湯HWの設定温度に対する応答性を高めるため、一次熱交換器56には水制御弁62を備えるバイパス回路64が形成され、水制御弁62の開度に応じて一次熱交換器56を通過することなく、給水回路52を通じて水W(例えば、上水)を流すことが可能である。また、この給水回路52には、入水温を検出する温度検出手段として温度センサ66、水量を調整する水制御弁68、混合湯温を検出する温度検出手段として温度センサ70等が設置されている。
【0033】
また、追焚機能について説明すると、浴槽46の浴槽水48を再加熱する追焚回路72が備えられ、この追焚回路72には切替弁73及び追焚用熱交換器74が設置されている。この実施形態では、暖房用温水が持つ熱を浴槽水48の加熱に用いているため、熱交換器74は液−液熱交換器で構成されている。追焚回路72には浴槽46の水位を検出する水位センサ75が設置されている。
【0034】
また、浴槽46に注湯するため、給水回路52と追焚回路72との間に注湯回路76が形成され、この注湯回路76は給湯口58側で管路を分岐し、給水回路52で得られた湯HWを追焚回路72に流し込む手段である。斯かる注湯回路76には、注湯電磁弁78、注湯量を検出する注湯量センサ80、逆止弁82等が設置されており、給湯側で得られた湯HWが浴槽46側に注湯可能である。逆止弁82は、上水側と浴槽水48とを縁切りする手段を構成する。
【0035】
また、温水暖房機能について説明すると、暖房高温往口84と暖房戻口86との間にはファンコンベクタ等の高温暖房端末87が接続され、暖房回路88に設置された暖房タンク90内の熱媒としての温水HWは、暖房ポンプ92により圧送されて暖房用一次熱交換器94で加熱され、暖房高温往口84より高温暖房端末87側に送り出され、高温暖房端末87で放熱した温水HWは、暖房戻口86より二次熱交換器96を経て暖房タンク90に帰還する。
【0036】
暖房低温往口98と暖房戻口86との間には床暖房等の低温暖房端末99が接続され、暖房タンク90内の温水HWが暖房ポンプ92により暖房低温往口98より低温暖房端末99側に送出される。低温暖房端末99で放熱した温水HWは、暖房戻口86より二次熱交換器96を経て暖房タンク90に帰還する。
【0037】
この暖房回路88を循環する高温の温水HWが持つ熱量は既述の通り、浴槽水48の再加熱(追焚)に利用されており、この場合、切替弁73を開放した後、暖房タンク90内の温水HWが暖房ポンプ92により圧送されると、一次熱交換器94で加熱され、追焚用熱交換器74に流れ、温水HWと浴槽水48との間で液―液熱交換を行い、二次熱交換器96を通った後、暖房タンク90に帰還する。
【0038】
給湯用一次熱交換器56及び二次熱交換器54が設置された第1の燃焼室102にはバーナ104及び給気ファン106、暖房用一次熱交換器94及び二次熱交換器96が設置された第2の燃焼室108にはバーナ110及び給気ファン112が設置され、バーナ104には元ガス電磁弁114、給湯ガス比例弁116、切替電磁弁118、ガス電磁弁120、122を通して燃料ガスGが供給され、また、バーナ110には元ガス電磁弁114、暖房ガス比例弁124、切替電磁弁126、ガス電磁弁128を通して燃料ガスGが供給される。
【0039】
バーナ104による燃料ガスGの燃焼により給湯用二次熱交換器54で生じたドレンDは、二次熱交換器54の下側に設置されたドレン受け8Aで受け、また、バーナ110による燃料ガスGの燃焼により暖房用二次熱交換器96で生じたドレンDはドレン受け8Bで受け、これらドレン受け8A、8Bで集水したドレンDはドレン回路10の管路10Aを介して中和器12に導かれている。中和器12内には、中和剤14として例えば、炭酸カルシウム等が封入されており、ドレンDがこの中和剤14によって中和される。なお、ドレンDの中和処理はこのような中和剤14だけでなく、pHを中性に近付けるものであれば他の手段であってもよい。
【0040】
中和器12で中和されたドレンDは管路10Bを通じて既述のドレンタンク20に導かれて溜められた後、ドレンタンク20のドレンDは管路10Cを通じてドレン排出口34に導かれる。この実施形態では、管路10Cは追焚回路72とドレン切替弁130と連結されて追焚回路72の一部を共用し、流水スイッチ132、追焚ポンプ134及び切替弁136を介してドレン排出口34に至る。
【0041】
そして、この給湯・追焚・暖房装置44には既述の制御部42として制御装置138が設置されており、この制御装置138にはリモコン装置140が接続されている。
【0042】
次に、制御装置138について、図3を参照して説明する。図3は制御装置138の構成例を示している。
【0043】
この制御装置138において、制御部142は例えば、マイクロコンピュータ等で構成され、この制御部142には、ドレンタンク20の水位センサ22、浴槽46の水位センサ75、流水スイッチ132、その他のセンサ146等から検出信号が制御入力として加えられ、制御部142の制御出力が切替弁136、ドレン切替弁130、追焚ポンプ134、その他の機能部148等に加えられる。制御部142に接続されたリモコン装置140には、制御部150、キースイッチ等の操作部152、表示部154、音報知部156等が備えられ、制御部142、150の相互の通信等が可能であるとともに、キースイッチ等の操作部152から操作入力が加えられ、制御出力が表示部154、音報知部156等に加えられる。
【0044】
次に、この給湯・追焚・暖房装置について、図4を参照して基本動作を説明する。図4は、基本動作を示すフローチャートである。
【0045】
この基本動作では、電源投入により、初期設定処理(ステップS1)、センサ、外部指示等の読込み処理(ステップS2)、浴槽水の排水監視処理(ステップS3)、ドレン排水制御(ステップS4)、給湯動作実行判定(ステップS5)、給湯動作制御(ステップS6)、自動湯張り実行判定(ステップS7)、自動湯張り制御(ステップS8)、追焚実行判定処理(ステップS9)、追焚制御(ステップS10)、暖房実行判定(ステップS11)、暖房制御(ステップS12)、その他実行判定(ステップS13)、その他制御(ステップS14)等の処理が行われる。
【0046】
この基本動作において、ドレンの排出動作について説明すると、中和器12で中和されたドレンDは、既述のようにその上澄み液がドレンタンク20に溜められる。このドレンDには異物(中和剤の一部、排気口からのゴミ、熱交換器の汚れ等)が混入することなく、ドレンタンク20に導かれる。ドレンタンク20のドレンDが所定水位、水位センサ22が高レベルHを検出すると、その排出を開始する。この場合、浴槽46の自動湯張りを行っている場合や、追焚等で追焚回路72を使用している場合には、自動湯張りや追焚動作の終了まで、ドレンDの排水動作を中断する。
【0047】
ドレンDの排出には、追焚ポンプ134の出側の切替弁136をドレン排出口34の配管10C側に切り替え、ドレン回路10からのドレン切替弁130をドレンタンク20から追焚ポンプ134側に切り替える。この結果、ドレンタンク20、追焚ポンプ134、ドレン排出口34の回路が形成され、追焚ポンプ134の駆動により、ドレンタンク20内のドレンDがドレン排出口34を経てドレン配管により排水される。ドレンタンク20内の水位が低レベルLになると、追焚ポンプ134の駆動を停止させ、ドレン切替弁130を閉止状態にし、その後、注湯回路76より注水を行う。この注水はドレン切替弁130から切替弁136の間のドレンDが排除される量だけ行い、所定注水量又は所定時間注水を行う。この作業によりドレン回路10内に残ったドレンDをドレン配管側に排水し、管路を洗浄することができる。
【0048】
この場合、浴槽46内に浴槽水48がある場合には、浴槽水48により管路洗浄を行ってもよい。即ち、浴槽戻り配管158→追焚ポンプ134→ドレン回路10の管路10Cの回路を形成した後、追焚ポンプ134を駆動し、浴槽水48を流す。この場合、ドレン切替弁130から切替弁136の間のドレンDが排除される量だけ浴槽水48を流すため、追焚ポンプ134を所定時間だけ動作させる。これにより、ドレンタンク20内に溜まったドレンDはドレン配管側に排出され、この排出に利用された追焚ポンプ134等の追焚回路72も洗浄される。
【0049】
そして、管路洗浄後、既述の注水を停止し、又は浴槽水48を圧送する追焚ポンプ134を停止し、また、切替弁136を往き配管162側に切り替える。即ち、追焚循環のための回路に復帰させ、追焚ポンプ134による浴槽水48の熱交換器74への循環が可能となる。
【0050】
次に、配管洗浄(ドレン排出)処理について、図5を参照して説明する。図5は、配管洗浄のタイミング検出動作を示すフローチャートである。
【0051】
このタイミング検出では、基本的に、常時監視を行い(配管洗浄シーケンスと同様)、浴槽46の排水栓が抜かれ、排水を行っていることを検出する。
【0052】
浴槽46に浴槽水48があるか否かを水位センサ75の検出出力によって判断し、浴槽水48が無い場合には処理を終了する(ステップS21)。浴槽水48がある場合には、前回の水位より低下したか否かを判断し、浴槽水48が減る方向にあるか否かを判定する(ステップS22)。水位が低下している場合には、水位が基準水位以下か否かを判断する(ステップS23)。基準水位は例えば、循環アダプタ160の少し上のあたりに設定する。この基準水位以下を判定したときから所定時間だけ待機する(ステップS24)。この場合、水位が減る方向にある場合には循環アダプタ160が間近なので、循環アダプタ160を下まわる程度の時間を設定する。そして、追焚ポンプ134を駆動し、流水スイッチ132の流水検出の有無により、浴槽水48が循環アダプタ160を下まわったか否かを判断し(ステップS25)、下まわっていればドレンタンク20のドレンDの排水を行うタイミングとし、このタイミングを制御部142の記憶部に記憶する(ステップS26)。
【0053】
次に、追焚ポンプ134の使用時のドレン排出について、図6を参照して説明する。図6は追焚ポンプ134の使用時のドレン排出処理を示すフローチャートである。
【0054】
ドレンタンク20のドレンDの水位が所定レベルに到達しているか否か、即ち、既述の高レベルH以上か否かを判定し(ステップS31)、所定レベル以上の場合には、ドレン排出を行う。追焚回路72が未使用か否かを判断する(ステップS32)。この場合、追焚回路72が使用中であると、排出を行わない。使用中というのは、浴槽46への自動湯張りや追焚を行っている場合である。
【0055】
切替弁136により追焚ポンプ134の出側を浴槽46への往き配管162からドレン排出口34側へ切り替える(ステップS33)。ドレン切替弁130により追焚ポンプ134の入側を戻り配管158からドレン回路10側へ切り替え、ドレン排出回路が形成される(ステップS34)。この状態で、追焚ポンプ134を駆動し、ドレンDの排出を開始する(ステップS35)。この場合、必要に応じて事前に追焚ポンプ134に対する呼び水を注水等により行う。
【0056】
ドレンの排出はドレンタンク20内のドレン水位が低レベルL以下に到達するまで行う(ステップS36)。追焚ポンプ134を停止し、ドレンDの排出を停止する(ステップS37)。ドレン切替弁130を閉止する(ステップS38)。これにより、注湯回路76→追焚ポンプ134→ドレン排出口34の回路が形成される。注湯回路76より注水を行い、回路内に残ったドレンDを押し流す。この注水は、ドレン切替弁130から切替弁136までの部分の洗浄を目的とし、所定時間又は所定量(これは注湯量センサ80で計測)行う(ステップS39)。そして、切替弁136を浴槽46への往き配管162に切り替え(ステップS40)、ドレン切替弁130を戻り配管158に切り替える。以上の処理により、ドレン排水及び配管洗浄が完了する。
【0057】
〔第3の実施形態〕
【0058】
次に、本発明の第3の実施形態について、図7を参照して説明する。図7は、第3の実施形態に係る給湯・暖房・追焚装置の概要を示す図である。なお、第1及び第2の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
この給湯・追焚・暖房装置44は、ドレン回路10と追焚回路72とを独立させ、ドレン回路10はドレンポンプ164が設置されるとともに、ドレン排出口34側に逆流防止のための逆止弁166が設置されている。また、ドレンポンプ164とドレンタンク20との間には、ドレンポンプ164に呼び水を供給し、ドレンポンプ164側のエアー抜き手段としてのバイパス路167が形成されている。この実施形態では、ドレン回路10を追焚回路72と分離しているので、ドレン切替弁130(図2)は不要である。その他の構成は第2の実施形態と同様である。
【0060】
この実施形態では、ドレンDは、専用のドレンポンプ164でドレン排出口34より逆止弁166を経て機器外部に排出される。ドレンDはドレンポンプ164で強制的に排出されるので、ドレン排出口34に接続されたドレン配管は排水設備までの配管を任意に行うことが可能である。
【0061】
また、ドレンポンプ164に自吸式ポンプを使用した場合、ドレンポンプ164への呼び水が必要となるが、この実施形態では、ドレンポンプ164出側からバイパス路167を通してドレンタンク20上部へのエアー抜きが行われる。従って、ドレンタンク20の下方に設置されたドレンポンプ164へドレン回路10を通じてドレンDの自然落下が容易に行われ、呼び水を流し込むことができる。
【0062】
そして、ドレンDの排出の際は、ドレンポンプ164を駆動し、ドレンタンク20内のドレンDをドレン排出口34に接続されたドレン配管を経由し、排水設備に排水される。ドレンタンク20内の水位が低レベルになると、ドレンポンプ164の駆動を停止し、排出終了とする。
【0063】
〔第4の実施形態〕
【0064】
次に、本発明の第4の実施形態について、図8を参照して説明する。図8は、第4の実施形態に係る給湯・暖房・追焚装置の概要を示す図である。なお、第1ないし第3の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
この実施形態は、ドレン配管を排水設備として接続できない場合に対応する構成である。
【0066】
そこで、この実施形態では、ドレン排出口34と追焚回路72との間にドレン配管168を連結し、ドレンDを追焚回路72を通して浴槽46に排出する。追焚回路72をドレン排水に用いるため、ドレンタンク20内のドレンDの貯水量で任意に排出すると、浴槽水48にドレンDを混入させるおそれがある。そこで、ドレン排水は浴槽46の排水栓が開いているとき、例えば配管洗浄のタイミングで行う。この配管洗浄とは、浴槽46の排水栓を外して浴槽水48の排出を行うとき、追焚回路72に注水を行い、配管内の洗浄を行うことであり、追焚回路72に設けられた水位センサ75の変位等により浴槽水48の排出を知ることができる。このタイミングでドレンDの排出を行うと、浴槽水48にドレンDを混入させることがない。即ち、追焚回路72により浴槽46に排出されるドレンDは、開放された浴槽46の排水部より排水設備に排水される。この排水タイミングのとき、ドレンタンク20内の水位が水位センサ22の高レベルHであれば、水位センサ22が低レベルL未満になるまでドレンポンプ164を駆動し、排出を行う。ドレン排出口34側には逆流防止のための逆止弁166が設けられているため、追焚回路72内の浴槽水48がドレンタンク20側に逆流により流入することもない。
【0067】
次に、第3及び第4の実施形態(図7及び図8)の給湯・追焚・暖房装置44の制御装置138について、図9を参照して説明るす。図9はその制御装置138を示すブロック図である。
【0068】
制御部142にドレンポンプ164が接続され、ドレン排出時、このドレンポンプ164を駆動する構成である。また、第3及び第4の実施形態(図7、図8)ではそれぞれ違うドレン排出制御を行うため、別々の機器とすることも可能であるが、外部配管の違い(ドレン排出口34にドレン配管を接続するか、ドレン排出口34より往き配管162に合流させるか)を機器にモード設定として設定する手段を設け、設定されたモード設定にドレン排出制御を切り替えることにより、同一の機器で実施することができる。そこで、機器にモード設定を行う手段として、制御装置138内の基板上にディップスイッチ等のモード設定スイッチ170が設けられており、そのON/OFFで行う手段、リモコン装置140の操作部152の隠し操作(一般ユーザが使用不可能な操作)にてモード設定を行い、制御部150に記憶する手段等がある。このようなモード設定は、機器の設置時に、その外部配管状態に従って、機器設置業者等が行うことが望ましい。機器は、設定されたモード設定を動作時に判断することにより、ドレンタンク20内のドレン排出処理のタイミングを切り替えることが可能である。
【0069】
次に、ドレンポンプ164を使用したドレン排出処理について、図10を参照して説明する。図10は、ドレンポンプ使用のドレン排出処理を示すフローチャートである。
【0070】
機器のモード設定を調べ(ステップS41)、ドレン配管が単独で配管されている第1のモード(第3の実施形態=図7)ではステップS42以下の処理、ドレン排出口34から往き配管162へ接続されている第2のモード(第4の実施形態=図8)ではステップS46以下の処理となる。モード設定はモード設定スイッチ170により設定される。
【0071】
第1のモードでは、ドレンタンク20内の水位センサ22か高レベルHを検出しているか否かを判定し、高レベルH以上の場合にはドレン排出を行う。そこで、ドレンポンプ164を駆動し、ドレンDの排出を開始する(ステップS43)。ドレンポンプ164にはエアー抜きのためのバイパス回路167がドレンポンプ164よりドレンタンク20に設けられているので、ドレンタンク20内のドレンDが自然落下によりドレンポンプ164内を満たす構造であり、ドレンポンプ164に対して呼び水の役目をする。ドレンポンプ164の駆動により排出されるドレンDの殆どはドレン排出口34へ流れるが、一部はバイパス回路167よりドレンタンク20に戻る。戻ったドレンDは再び排出される。
【0072】
ドレンDの排出はドレンタンク20内の水位センサ22が低レベルL未満を検出するまで行い(ステップS44)、低レベルL未満に移行したとき、ドレンポンプ164を停止し、ドレンDの排出を停止し(ステップS45)、ドレン排出を終了する。
【0073】
また、配管洗浄に対応したドレン排出では(ステップS46以下)、排水タイミングと判断されたとき、排出を行う。このタイミングを調べるかどうかが、ドレンポンプ164を使用し、ドレン配管排出(第3の実施形態)と違う部分で、後の処理は同じである。即ち、ドレンタンク20のドレンDが高レベルH以上か否かを判定し(ステップS47)、高レベルの場合にはドレン排出を行う。そこで、ドレンポンプ164を駆動し、ドレンDの排出を開始し(ステップS48)、このドレンDの排出はドレンタンク20内の水位センサ22が低レベルL未満を検出するまで行い(ステップS49)、低レベルL未満に移行したとき、ドレンポンプ164を停止し、ドレンDの排出を停止し(ステップS50)、ドレン排出を終了する。
【0074】
このように、モード設定スイッチ170による第1及び第2のモードのモード選択及び設定に関し、次のような動作形態となる。
【0075】
(1) 第1のモード(ドレン排出口34にドレン配管35を接続した場合)
例えば、機器設置時に単独で配管されている旨のモード設定をモード設定スイッチ170により行う。そして、その動作は、機器動作時、ドレンタンク20の水位が高レベルに達すると、ドレン排出を行う。ドレンDの排出はドレンポンプ164を駆動することにより行い、ドレンタンク20の水位が低レベル未満になるまで行う。
【0076】
(2) 第2のモード(ドレン排出口34より往き配管162に合流させた場合)
例えば、機器設置時にドレン排出口34より往き配管162に合流配管されている旨のモード設定をモード設定スイッチ170により行う。そして、その動作は、機器動作時、配管洗浄のタイミングを待つ。配管洗浄のタイミングになったとき、ドレンタンク20の水位が高レベルに達していると、ドレン排出を行う。ドレンDの排出はドレンポンプ164を駆動することにより行い、ドレンタンク20の水位が低レベル未満になるまで行う。なお、配管洗浄は、ドレン排出後に行う。
【0077】
〔第5の実施形態〕
【0078】
本発明の第5の実施形態について、図11を参照して説明する。図11は、ドレン排出口の具体的な構成例を示す図である。
【0079】
既述したように、装置筐体32にはドレン排出口34が取り付けられ、このドレン排出口34には装置筐体32内に設置されたドレン回路10の管路10Cが連結されるとともに、装置筐体32の外部でドレン配管35が接続される。ドレンDはドレン配管35を通じて所望の箇所に排水される。
【0080】
〔第6の実施形態〕
【0081】
本発明の第6の実施形態について、図12を参照して説明する。図12は、ドレン排出口34と追焚回路72との連結部の具体的な構成例を示す図である。
【0082】
ドレン排出口34と追焚回路72との間にドレン配管168が連結され、ドレン配管168は、ドレン排出口34側に連結具172、追焚回路72側に連結具174が設けられ、ドレンDが追焚回路72を通して浴槽46に排出される構成である。
【0083】
なお、実施形態では給湯、追焚及び暖房を行う給湯・追焚・暖房装置を例にとって説明したが、本発明は、給湯のみ、追焚のみ又は暖房のみの単機能からなる熱源装置に適用することができる。
【0084】
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施形態等について説明したが、本発明は、上記記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、又は明細書に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能であることは勿論であり、斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、熱交換によって生じる凝縮水等のドレンを熱源装置から効率よく、しかも、既存の設備の利用、所望の箇所への排水等が行え、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る熱源装置を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る給湯・追焚・暖房装置を示す図である。
【図3】制御装置を示すブロック図である。
【図4】基本動作を示すフローチャートである。
【図5】排水タイミングの設定処理を示すフローチャートである。
【図6】ドレン排水処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る熱源装置を示す図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る熱源装置を示す図である。
【図9】制御装置を示すブロック図である。
【図10】ドレン排水処理を示すフローチャートである。
【図11】ドレン排出口の構成を示す断面図である。
【図12】ドレン配管の具体的構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0087】
2 熱源装置
4 熱交換器
8 ドレン受け
12 中和器
20 ドレンタンク
32 装置筐体
D ドレン
34 ドレン排出口(ドレン口)
35 ドレン配管
42 制御部
138 制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源に燃焼熱を用いる熱交換手段を備える熱源装置であって、
前記熱交換手段に発生したドレンを中和する中和器と、
この中和器で中和された前記ドレンが導かれて溜められるドレンタンクと、
このドレンタンクに溜められた前記ドレンのレベルを検出する検出手段と、
前記熱交換手段で発生した前記ドレンを前記中和器に導き、前記中和器から中和後の前記ドレンを前記ドレンタンクに導き、前記ドレンタンクに溜められた前記ドレンを排水させるドレン回路と、
このドレン回路に設置されて前記ドレンを強制的に排水させるポンプと、
前記検出手段の検出レベルを制御情報に用いて前記ポンプを駆動し、前記ドレンを前記ドレン回路を通じて排水させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする熱源装置。
【請求項2】
前記ドレン回路は、前記中和器に導かれて中和された前記ドレンの上澄み液を前記中和器から前記ドレンタンクに導く管路を備えたことを特徴とする請求項1記載の熱源装置。
【請求項3】
前記中和器は、前記ドレンを中和する中和剤と、前記ドレンの導入側と導出側とを分離する分離壁とを備え、導入された前記ドレンが前記導入側から前記中和剤を経て前記導出側に中和されて導出されることを特徴とする請求項1記載の熱源装置。
【請求項4】
前記熱交換手段とともに前記ドレンタンク及び前記中和器が設置された装置筐体と、
この装置筐体に設けられて前記ドレンを前記ドレン回路を通して前記装置筐体の外部に導くドレン口と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の熱源装置。
【請求項5】
前記ドレン回路に浴槽水の加熱に用いられる追焚回路の一部を共用させ、前記ポンプに前記追焚回路に設置されている追焚ポンプを用いることにより、前記ドレンタンクから前記ドレンをドレン口側に導くことを特徴とする請求項1記載の熱源装置。
【請求項1】
熱源に燃焼熱を用いる熱交換手段を備える熱源装置であって、
前記熱交換手段に発生したドレンを中和する中和器と、
この中和器で中和された前記ドレンが導かれて溜められるドレンタンクと、
このドレンタンクに溜められた前記ドレンのレベルを検出する検出手段と、
前記熱交換手段で発生した前記ドレンを前記中和器に導き、前記中和器から中和後の前記ドレンを前記ドレンタンクに導き、前記ドレンタンクに溜められた前記ドレンを排水させるドレン回路と、
このドレン回路に設置されて前記ドレンを強制的に排水させるポンプと、
前記検出手段の検出レベルを制御情報に用いて前記ポンプを駆動し、前記ドレンを前記ドレン回路を通じて排水させる制御手段と、
を備えたことを特徴とする熱源装置。
【請求項2】
前記ドレン回路は、前記中和器に導かれて中和された前記ドレンの上澄み液を前記中和器から前記ドレンタンクに導く管路を備えたことを特徴とする請求項1記載の熱源装置。
【請求項3】
前記中和器は、前記ドレンを中和する中和剤と、前記ドレンの導入側と導出側とを分離する分離壁とを備え、導入された前記ドレンが前記導入側から前記中和剤を経て前記導出側に中和されて導出されることを特徴とする請求項1記載の熱源装置。
【請求項4】
前記熱交換手段とともに前記ドレンタンク及び前記中和器が設置された装置筐体と、
この装置筐体に設けられて前記ドレンを前記ドレン回路を通して前記装置筐体の外部に導くドレン口と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の熱源装置。
【請求項5】
前記ドレン回路に浴槽水の加熱に用いられる追焚回路の一部を共用させ、前記ポンプに前記追焚回路に設置されている追焚ポンプを用いることにより、前記ドレンタンクから前記ドレンをドレン口側に導くことを特徴とする請求項1記載の熱源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−309469(P2008−309469A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248665(P2008−248665)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【分割の表示】特願2004−154988(P2004−154988)の分割
【原出願日】平成16年5月25日(2004.5.25)
【出願人】(000170130)高木産業株式会社 (87)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【分割の表示】特願2004−154988(P2004−154988)の分割
【原出願日】平成16年5月25日(2004.5.25)
【出願人】(000170130)高木産業株式会社 (87)
【Fターム(参考)】
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