説明

熱管理材料

第1の熱伝達面とそれに相対する第2の熱伝達面との間で形状に合致し得る層をつくり、その間に熱的な経路を与えるための熱伝導性配合物。この配合物は熱グリース成分および該熱グリース成分の内部に分離したドメインをつくる分散成分の混合物であり、該ドメインは第1の相においては通常の室温において形状安定性をもち、第2の相においては第1の熱伝達面と第2の熱伝達面との間で形状に合致することができ、このドメインは第1の相から第2の相へ至るドメインの転移温度が通常の室温よりも高いところにある。分散成分は熔融可能な、即ち低い融点をもった金属または金属合金であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広義において電子装置に対する熱管理材料に関する。このような材料は通常、例えば集積回路(IC)のチップのような熱を発生する電子部品と例えば電子部品を熱伝導によって冷却するための放熱器または熱拡散器のような熱放散部材との間の合わせられた熱伝達面の間の熱伝達境界面(thermal interface)として使用される。もっと特定的に述べれば本発明は、連続相成分および分散相成分の混合物としてつくられ、該分散相成分は通常の室温においては第1の相にあって固体、半固体または他の形状安定性をもった状態であるが、電子部品の作動温度の範囲内においては第2の相になり連続相成分と一緒になって形状に合致し得る(conformable)ようになり、電子部品と熱放散部材との間の熱インピーダンスをさらに低くする熱伝達境界面に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の電子装置、例えばテレビ、ラジオ、コンピュータ、医療機器、事務機器、通信装置などの回路の設計は次第に複雑さを増している。例えばこのようなまたは他の装置に対して、同等な数十万個のトランジスターを含む集積回路が製作されている。設計の複雑さは増加しているが、小さい電子部品を製造する能力が改善されるとともに装置の大きさは次第に縮小され、一層多数の電子部品がより一層小さい区域に詰め込まれるようになってきた。
【0003】
電子部品が小さくなり、高密度で集積回路の回路板およびチップの上に詰め込まれるようになるにつれ、集積回路の設計者および製作者はこれらの部品から電気抵抗により或いは他の原因で発生する熱を如何にして放散させるかという問題に直面するようになった。実際、多くの電子部品、特に電力用半導体部品、トランジスターおよびマイクロプロセッサーは高温で故障を起こすか誤作動に陥ることはよく知られている。したがって熱を放散させる能力はしばしば電子部品の性能に対する制限因子となる。
【0004】
集積回路の内部の電子部品は伝統的に装置のハウジングの内部に空気を強制的にまたは対流により循環させることによって冷却されてきた。この点に関し、対流によって発生する空気の流れに露出するパッケージの表面積を増加させるために、冷却用のフィンが部品のパッケージの集積部分として或いは分離して取り付けられている。これに加えて電動のファンが用いられ、ハウジングの内部を循環する空気の容積を増加させている。しかし高出力の回路、および現代の電子機器の設計に典型的な、小さいが高密度で詰め込まれた回路においては、簡単に空気を循環させるだけでは、回路の部品を適切に冷却するには不十分なことが見出された。
【0005】
単に空気を循環させることによって得られるよりも大きい熱の放散は、「コールド・プレート(cold plate)」または他の放熱器または熱拡散器のような熱放散部材に電子部品を直接取り付けることによって実現することができる。この熱放散部材はそれ専用の熱伝導性のセラミックスまたは金属板、或いはフィンをもった構造物であるか、単に装置のシャーシーまたは回路板であることができる。しかし、電子部品と熱放散部材との間の通常の熱勾配を越えた著しい温度勾配が熱境界面のインピーダンス、即ち接触抵抗として部品の胴体部の間の境界に生じる。
【0006】
即ち、または特許文献1に記載されているように、電子部品の熱伝達境界面と放熱器との密着は、巨視的なまたは微視的な尺度のいずれにおいても典型的には不規則である。該境界面を互いに合わせた場合、その間にポケットまたは空隙の空間が生じ、その中に空気が捕捉される。これらのポケットは境界面の内部における表面積の全体的な接触を減少さ
せ、それによって熱伝達区域および境界面を通る全体的な熱伝達効率を減少させる。さらに、公知のように空気は比較的悪い熱伝導体であるから、境界面に空気のポケットが存在すると境界面を通る熱伝達速度が減少する。
【0007】
熱伝達境界面を通る熱伝達の効率を改善するために、典型的には熱伝導性および電気絶縁性をもった材料のパッドまたは他の層を放熱器と電子部品の間に挿入し、不規則な表面の部分を充填して空気のポケットを除去する。この目的のために最初に用いられたものは酸化アルミニウムのような熱伝導性の充填剤が充填されたシリコーングリースまたはワックスのような材料であった。このような材料は通常の室温では半液状または固体であるが、高温では液化するか軟化して流動し、熱伝達境界面の不規則な部分に一層良好に合致するようになる。
【0008】
これに代わる他の方法においては、シリコーングリースまたはワックスの代わりに硬化したシート状の材料を用いる。このような材料は重合体状の結合剤の内部に分散した1種またはそれ以上の熱伝導性の粒子状充填剤として配合することができ、硬化したシート、テープ、パッド、またはフィルムの形で提供することができる。典型的な結合剤材料にはシリコーン、ウレタン、熱可塑性ゴム、および他のエラストマーが含まれ、典型的な充填剤には酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、窒化硼素、および窒化アルミニウムが含まれる。
【0009】
上記の熱伝達境界面材料の例としては、アルミナまたは窒化硼素が充填されたシリコーンまたはウレタンエラストマーがあり、これは米国、ニューハンプシャー州 03051.Hudson,16 Flagstone Drive,Parker−Hannifin Corp.のChomerics TEC DivisionからCHO−THERM(R)の商品名で市販されている。また特許文献1には熱エネルギーを移動させるための形状安定性をもつ硬化したシート状の熱伝導性材料が記載されている。この材料はウレタン結合剤、硬化剤、および1種またはそれ以上の熱伝導性の充填剤からつくられる。充填剤には酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化硼素、酸化マグネシウム、または酸化亜鉛が含まれるていることができるが、該充填剤の粒径は約1〜50μ(0.05〜2ミル)の範囲である。
【0010】
上記タイプのシート、パッド、およびテープは例えば半導体チップ、即ち特許文献2に記載された打ち抜き品(die)のような電子部品アセンブリーを熱伝導によって冷却する熱伝達境界面材料として使用する上で一般的に受け入れられてきた。しかし或る種の用途に対しては、これらの材料を境界面に合致させて効率的な熱伝達が得られるのに十分な表面を得るために、バネ、クランプなどのような重い固定要素が必要である。実際いくつかの用途においては、高温で液化、熔融または軟化するグリースおよびワックスのような材料は、比較的低いクランプ圧力をかけて境界面にいっそう良好に合致させるには依然として好適な材料である.
最近になって相変化材料(「PCM」)が導入されるようになった。これは取り扱いを容易にするために室温においては自己支持性および形状安定性をもっているが、電子部品の作動温度範囲内の温度において液化または軟化し、境界面に良好に合致する粘稠なチキソトロピー相をつくる。これらの相変化材料は自立性のフィルムとしてまたは基板の面にプリントされた加熱されたスクリーンとして供給されているが、約5psi(35kPa)の比較的低いクランプ圧力をかけると電子部品の作動温度範囲において面に合致した流動を行う点でグリースまたはワックスに極めて似た有利な機能を果たす。このような材料はさらに特許文献3〜7に記載されている。このような材料は米国、ニューハンプシャー州 03051.Hudson,16 Flagstone DriveのParker−Hannifin Corp.のChomerics DivisionからTHERMFLOW(R) T310,T443,T705,T710,T725,およびA72
5の商品名で市販されている。他の相変化材料は特許文献8に記載されておりBergquist Company(米国、ミネソタ州、Minneapolis)から商品名「HI−FLOWTM」で、Thermagon,Inc.(米国、オハイオ州、Cleveland)から商品名「T−PCMTM」で、またOrcus,Inc.(米国、カンサス州、Stilwell)から商品名「THERMAPHASE」で市販されている。相変化材料/金属箔の積層品はThermagon,Inc.から商品名「T−MATETM」で市販されている。
【0011】
典型的な商業的用途に対しては、熱伝達境界面材料は内側および外側の剥離用ライニング材および中間の熱伝導性配合物の層を含むテープまたはシートの形で供給されることができる。熱伝導性配合物が固有の粘着性をもっていない限り、この配合物を放熱器の熱伝達表面に被覆するためにこの配合物層の片側を感圧性接着剤(PSA)の薄い層で被覆することができる。自動的な放出および被覆を容易にするために、テープまたはシートの外側の剥離用のライニング材および熱伝導性配合物の中間層をダイカット加工して一連の個別的な予め大きさの決まったパッドにすることができる。このようにして各パッドは内側の剥離用ライニング材から取り外され、放熱器の製造業者によって行うことができる通常の「剥ぎ取ってくっつける(peel and stick)」被覆法において接着層を用い放熱器に結合することができる。
【0012】
パッドを熱放散部材、例えば放熱器または熱拡散器の熱伝達表面に接着し、外側のライニング材を適切に配置して配合物層の外側の表面に保護被膜をつけ、該熱放散部材および該パッドを一体化されたアセンブリーとして提供することができる。該アセンブリーを実装する前に、外側の剥離用ライニング材を配合物層および電子部品の上に置かれたパッドから取り外すことができる。このアセンブリーを適切な位置に配置するためにクランプを使用することができる。
【0013】
他の材料、例えば特許文献9および10に記載され、Parker−Hannifin
Corp.のChomerics Divisionから商品名「THERM−A−FORMTM」で市販されている材料は通常熱伝達境界面配合物、詰め物(caulk)、その場で成形できる材料、またはカプセル材などと呼ばれている。これらの材料は典型的には一つまたはそれ以上の管、容器などに詰められて、最も多くの場合一つかまたは二つの部分になった液体またはそれ以外の流動する充填された反応系として供給される。これらの反応系は室温または高温において該成形材料が被覆される間隙または電子部品の内部で室温または高温においてその場で成形される。被覆方法はカートリッジ、またはチューブ・ガン(tube gun)或いは他の放出システムを用いる方法であることができる。
【0014】
上記の観点からすれば、電子機器の製造業者にとっては熱管理材料の改善が受け入れられると考えられるであろう。
【特許文献1】米国特許第4,869,954号明細書。
【特許文献2】米国特許第5,359,768号明細書。
【特許文献3】米国特許第6,054,198号明細書。
【特許文献4】共通の譲渡人に対する米国特許願第20020135984号明細書。
【特許文献5】国際公開第0036893号パンフレット。
【特許文献6】国際公開第02059965号パンフレット。
【特許文献7】「相変化分散物を有する熱管理材料」と題する2002年10月21日出願の米国特許出願第10/277,970号明細書。
【特許文献8】米国特許第6,391,442号明細書。
【特許文献9】米国特許第5,467,251号明細書。
【特許文献10】共通の譲渡人に対する米国特許第5,781,412号明細書。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の広義の説明
本発明は、例えば電子機器のチップまたは他の発熱部品のような熱源、および熱を伝達するために電子部品と熱的に近接して配置された放熱器または熱拡散器のような熱放散部材を含む熱管理アセンブリーに対する熱伝達境界面およびそれに対する材料に関する。特に本発明は、シートまたはパッドの形で与えられるか、および/または圧力をかけるとノズルまたは他のオリフィスからビーズまたは塊になって出てくるような放出し得る形で提供することができ、熱管理アセンブリーを横切って低い熱インピーダンスを与えるために電子部品と放熱器または熱拡散器との境界面の間で自由な形を取り得る(compliant)かまたは周りの形状に合致し得る(conformable)中間層をつくり、熱伝達性能を改善するために低い熱インピーダンスを提供するための熱伝導性配合物の形をした材料に関する。
【0016】
従来上記に記載したタイプの材料、特に相変化をする種類の材料は、通常は樹脂またはワックスの結合剤と、1種またはそれ以上の金属粉末または金属または非金属の窒化物または酸化物であることができる熱伝導性の粒子状充填剤との配合物として調合されてきた。このような充填剤は該材料の内部で一定の粒子の大きさを有し、その最大粒径は該アセンブリーの個々の表面の間につくられた境界面の内部の材料の最低の厚さを規定している。有利なことには、一つまたはそれ以上の重合体材料の連続相の内部で分散相をつくる熱伝導性をもった相変化材料(「PCM」)を使用することにより、接触抵抗が低いために高度の形状合致性を有し、境界面または結合線の内部における最低の厚さが充填剤の最大粒径で決定される必要がない熱伝達境界面配合物を調合することができることが観察された。
【0017】
例示された一具体化例においては、本発明の熱伝導性をもった配合物は、ペーストまたはペースト状の粘稠度をもち得る硬化しない熱グリースと、熔融可能な、即ち低温で熔融する金属成分との混合物として調合される。このグリースはシリコーンの流体、または鉱油または炭化水素油のような他の流体または油をベースとしていることができ、1種またはそれ以上の熱伝導性をもった粒子状の充填剤を含んでいることができる。金属成分は1種またはそれ以上の熔融可能な金属、1種またはそれ以上の熔融可能な金属合金、または1種またはそれ以上の熔融可能な金属と1種またはそれ以上の熔融可能な金属合金との配合物の混合物として調合することができる。熔融可能な金属成分は第1の相または状態において通常の室温において形状安定性をもち、第2の相または状態において境界面の内部において面に合致することができ、重合体成分の場合には融点(T)またはガラス転移温度(T)のような転位温度が、熔融可能な金属成分の場合には融点、固相線または液相線が、また或いは第1の相から第2の相への転移温度範囲が、該電子部品の作動温度範囲内にあるように、典型的には約40〜100℃の範囲にあるように選ばれる。
【0018】
ここで用いられる熔融可能な金属および/または合金は約20W/m・Kまたはそれ以上の程度の熱伝導度をもち、これは通常の金属粉粒子充填剤により示される値と同等であることが有利である。さらに、このような金属および合金は熱グリースと共に境界面または結合線の内部で形状に合致し、熱伝達境界面材料の最低の厚さが熔融可能な金属の大きさによって制限される必要はない。さらに、室温では粘稠な状態に留まっている熱グリースを使用することにより、室温において比較的低い圧力をかけて比較的薄い最低の結合線の厚さ(「MBLT」)を得ることができ、電子部品に電力をかけた場合熔融可能な金属が相変化をするので、MBLTは使用時においてより薄くさえなる。
【0019】
従って本発明は下記の詳細な説明に例示されている要素の組み合わせを含んで成っている。本発明の利点には、接触抵抗が低く熱伝達の効率が高い完全に面の形状に合致した熱伝達境界面材料が含まれる。本発明の他の利点には、最低の結合線厚さ(「MBLT」)を必要とする用途に使用するために調合することができるが、高度な全体としての熱的性質をもった材料を規定するように調合することもできる熱伝達境界面材料が含まれる。さらに他の利点には、シート、テープ、またはパッドの形で供給されるか、或いは注射器、ガン、または他の放出形態において供給することができる熱伝達境界面材料が含まる。
【0020】
本発明の性質および目的を十分に理解するためには、添付図面に関連して行われる下記の詳細な説明を参照すべきである。
【0021】
これらの添付図面は下記の本発明の詳細な説明を行うことにに関連して掲げられたものである。
【0022】
本発明の詳細な説明
下記の説明においては、本発明を限定する目的ではなくむしろ便宜的な目的でいくつかの言葉を使用する。例えば、「前方」、「後方」、「右」、「左」、「上方」、および「下方」と言う言葉は参照する図面における方向を示し、「内側へ」、「内部の」、「内側の」、または「装置内の」、および「外側へ」、「外部の」、「外側の」、または「装置外の」と言う言葉は、それぞれ参照する要素へと向かう方向およびそれから離れる方向を意味し、「半径方向」または「水平の」、および「軸方向」または「垂直の」と言う言葉はそれぞれ参照する要素の中央の長手方向の軸に対し垂直および平行な方向、軸、面を意味する。上記に規定した言葉以外で同様な重要な術語も本発明を限定するのではなく便宜上使用されるものと考えられたい。また本明細書において「状態の変化」と言う言葉は、配合物またはそれらの相の内部における別の材料の相、例えば連続相および分散相に関する記述に伴う混乱を避けるために、「相変化」と言う言葉と互換的に使用できるものとする。
【0023】
添付図面において英数字の記号をつけた要素は、文脈から明らかなように、その記号の数字の部分だけにより総括的に或いは代替的に参照されるものとする。さらに、添付図面中の種々の要素の構成部分は別の参照番号で表され、これらは該要素の該構成部分を示すものであり、全体としての要素を示すものではない。一般的な参照番号は、空間、表面、寸法および広がりに関するものとともに矢印をつけて表される場合がある。
【0024】
下記の説明を例示する目的で、ここに含まれる本発明の熱伝導性境界面およびそれに対する材料を熱管理アセンブリーの内部でパッドとして用いるものとして説明する。これはシートまたはロールから打ち抜きまたはキスカット加工によってつくられ、電子部品の互いに合わせられた熱伝達面と接触させて熱を伝達するための放熱器のような熱放散部材の熱伝達面に張り付けられる。このようなアセンブリーおよびそれに対する熱伝達境界面材料は他にも下記の米国特許明細書のいずれかに記載されている:第6,096,414号;第6,054,198号;第5,798,171号;第5,766,740号;第5,679,457号;第5,545,473号;第5,533,256号;第5,510,174号;第5,471,027号;第5,359,768号;5,321,582号;第5,309,320号;第5,298,791号;第5,250,209号;第5,213,868号;第5,194,480号;第5,137,959号;第5,167,851号;第5,151,777号;第5,060,114号;第4,979,074号;第4,974,119号;第4,965,699号;第4,869,954号;第4,842,911号;第4,782,893号;第4,764,845号;第4,685,987号;第4,654,754号;第4,606,962号;第4,602,678号;第4,473,113号;第4,466,483号;第4,299,715;および第3
,928,907号。しかし、他のロール、シート、またはテープのような層の形で代替的に提供できる本発明の態様も他の熱管理の応用において用途が見出だされていることに注目されたい。また本発明の材料は、直接的または間接的な方法、例えば噴霧、ナイフ、ローラ、ドラムまたは他の方法による被覆、刷毛塗り、注型、浸漬、押し出し、篩かけ、移送法または他のプリント法等により、層またはパターンの形で熱伝達表面の一つの上に放出または他の方法で被覆された液体であることができる。従ってこのような使用法および用途は明白に本発明の範囲内に含まれるものと考えるべきである。
【0025】
次に添付図面を参照するが、ここでは対応する参照文字はいくつかの図を通じ対応する要素を意味するものとし、同等な要素にはプライムまたは逐次的なアルファベット文字を付けた。図1においては本発明による代表的な熱伝導性境界面パッドが遠近法で一般的に10で示されており、図2にはその断面図が示されている。熱管理アセンブリーの内部において、パッド10は挿入可能な中間体、たとえば向い合っている一対の熱伝達表面であり、例えば放熱器または熱拡散器から熱を発生する電子部品までの間に挿入することができ(図6参照)、その間に低インピーダンスの熱伝導経路を与える。この点に関し、パッド10の一般的に参照番号12が付けられた第1の内側の面を熱伝達面の一つに対して熱伝導を行う関係で接触または隣接して配置することができ、パッド10の一般的に参照番号14が付けられた相対する第2の内側の面を熱伝達面の他の一つに対して熱伝導を行う関係で接触または隣接して配置することができる。
【0026】
パッド10は、例えば打ち抜きまたはキスカット加工により、シート、ロール、テープ等の形で提供され、またはそのようなものからつくることができる。基本的な構成においては、パッド10は、本発明の指針に従って調合された熱伝導性配合物の層20からつくられ、該層20はパッド10の表面12および14をつくり、該層20は熱管理アセンブリーの熱伝達面の間にうまく埋め込まれるかまたはその形状に合致している。大部分の用途に対して配合物の層20は、図2において「t]で参照された厚さが約5ミル(125μm)またはそれ以下の程度の値から約20ミル(510μm)を越えない範囲の値をもち、例えばASTM D5470による熱インピーダンスは約0.01〜0.02℃・平方インチ/W(0.065〜0.13℃・cm/W)であり、ASTM D5470による熱伝導率は少なくとも約0.7W/m・Kであろう。
【0027】
本発明に従えば、図3の30で参照されているような幾分様式化された組織形態学的な、即ち顕微鏡写真的な記述を一時的に参照すれば、形状に合致し得る層20は該層20の中で一般的に連続したマトリックス層32をつくっている連続相成分または他の構成部分、および該マトリックス相32の内部にある一般的に分離したドメインをつくっている分散相成分または他の構成部分の混合物として調合される。該ドメインの一つには参照番号34が付けられている。
【0028】
連続相の成分は一般的に熱グリースまたはペーストと呼ばれるものとして与えられる。ここで「熱グリース」と言う言葉は「熱ペースト」と言う言葉と互換的に適用され使用される。約10,000〜300,000cp(10〜300Pa・s)の範囲にある粘度(絶対粘度または固有粘度)に依存して、このような硬化しないグリースは通常の室温(約25〜30℃)において一般的に形状安定性をもっているかゲル状であり、即ち流動せず、ぐにゃりとしたり撓んだりすることはないが、そうでない場合は半固体、半液状であるか、または粘稠性または粘弾性をもつか、および/またはチキソトロピー性をもっていることができる。
【0029】
特に、熱グリースはオイルをベースにしており、さらに特定的には鉱油または炭化水素油、合成油、例えばグリセリドであるか、或いは好ましくは通常「シリコーン流体」と呼ばれる有機シロキサンであることができるシリコーン油、または上記のオイルの1種また
はそれ以上の配合物であることができる。これらのグリースは、例えば室温で約5psi(35kPa)以下の低い圧力をかけることにより、層20の表面12および14の片方または両方が表面張力等によって放熱器、熱拡散器等の表面に接着し得る固有の粘着性または接着性をもつように調合することができる。
【0030】
考えられる特定の用途に対する要求に依存して熱グリース配合物の中にさらに他の充填剤および添加物を含ませることができる。このような充填剤および添加物は通常の混合装置の中でオイル成分と配合することができるが、それらの充填剤には通常の湿潤剤または表面活性剤、不透明化剤または発泡防止剤、連鎖伸長性油、粘着性賦与剤、顔料、潤滑剤、安定剤、燃焼遅延剤、例えばデカブロモジフェニルオキシド、酸化防止剤、熱伝導用充填剤、安定剤、分散剤、流動変性剤、粘着化剤、フィルム強化重合体および他の試剤、および煙霧シリカのような不活性充填剤が含まれる。
【0031】
最適な熱的性能を得るために、オイル成分を通常の熱伝導性粒状充填剤と配合することができ、このような充填剤の粒子は図3の30の図の中で40で表されている。充填剤は典型的には意図される用途に対して望まれる熱伝導度を与えるのを助けるのに十分な割合でオイル成分の内部に含有され、一般的にはオイル成分および充填剤の全重量に関し約20〜80重量%の割合で充填される。充填剤の大きさおよび形は本発明の目的に対しては必ずしもあまり重要ではない。この点に関しては、充填剤は球形、細片、小板、不規則体、または繊維状、例えば切断または摩砕された繊維を含む任意の一般的な形をしていることができるが、均一な分散性および均一な機械的および熱的性質を確保する粉末または他の粒子であることが好ましい。充填剤の粒径または粒径分布は典型的には約0.01〜10ミル(0.25〜250μm)の範囲であるが、層20の厚さに依存してさらに変化させることができる。適当な熱伝導性充填剤は電気的には伝導体または非伝導体であることができるが、これには窒化硼素、二硼化チタン、窒化アルミニウム、炭化珪素、グラファイト、金属、例えば銀、アルミニウム、および銅、金属酸化物、例えば酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ベリリウム、および酸化アンチモン、およびこれらの混合物が含まれる。このような充填剤は特徴的には熱伝導度が約25〜50W/m・Kである。経済的な理由から酸化アルミニウム、即ちアルミナ、または酸化亜鉛を使用することができるが、熱伝導度が改善されるという理由から窒化硼素がもっと好適であると考えられる。しかし1種またはそれ以上の酸化物と窒化硼素の組み合わせも妥協的なものとして使用することができる。熱伝導性充填剤を充填した場合、熱グリース自身はASTM
D5470による熱伝導度が約0.1〜5W/m・Kであり、やはりASTM D5470による熱インピーダンスは約1℃・平方インチ/W(6℃・cm/W)未満である。充填剤と混合した場合、シリコーンまたは他のオイル成分は一般に充填剤粒子を分散させる結合剤をつくる。
【0032】
ドメイン34をつくる分散した成分は通常の室温、即ち約25℃で形状安定性をもつように、固体、半固体、ガラス状、または結晶状の第1の相または状態にあるが、或る高温または高温範囲においては液状、半液状、またはそれ以外の粘稠な第2の相または状態になるように選ばれるという点において相変化または状態変化をする。分散相成分の相転移温度は、形状安定性をもった第1の相から流動性をもった第2の相への融点であることができ、好ましくは約40〜80℃であるが、この温度は大部分の電子部品の作動温度範囲に入るように調節することができる。
【0033】
ドメイン34をつくる分散相成分は樹脂または他の重合体をベースにしたPCMであることができるが、最適な熱的性能を得るためにはハンダおよび熱的結合材またはヒューズとして通常使用されているような熔融可能な、即ち低融点の金属または金属合金が用いられる。特に、分散相は1種またはそれ以上のこのような熔融可能な金属、1種またはそれ以上のこのような熔融可能な金属合金、または1種またはそれ以上のこのような熔融可能
な金属と1種またはそれ以上のこのような熔融可能な金属合金との混合物または他の組み合わせであることができる。このような金属および合金は典型的には融点、または固相線温度から液相線温度への融点範囲が約50〜260℃(124〜500°F)であり、通常は1種またはそれ以上のビスマス、鉛、錫、カドミウム、およびインジウムを含んでいるが、また1種またはそれ以上の他の金属、例えば銀、亜鉛、銅、およびアンチモンを含んでいることができる。しばしばこのような金属の混合物から共融合金がつくられ、このような共融合金は該混合物の各成分の融点よりも低い一定の融点をもっている。
【0034】
分散相成分に対する代表的な熔融可能な金属および金属合金には、ASTM Alloy 117および、特に融点が約141°F(61℃)の鉛およびカドミウムを含まないビスマス、錫、およびインジウムの合金が含まれる。融点が約141°F(61℃)の特に好適な合金は32.5%のビスマス、16.5%の錫、および50%のインジウムから成る共融混合物である。
【0035】
熔融可能な金属および金属合金は熱グリースまたは他の重合体成分の中に意図される用途に望ましい熱伝導性を与えるのに十分な割合で含まれ、一般に熱伝導性配合物、即ち熱グリース(任意の混合された熱伝導性充填剤および他の添加物を含む)並びに金属または金属合金の全重量に関して約5〜25重量%の量で充填されている。図3に示されているように、熱グリース32の連続相の内部において、熔融可能な金属および/または金属合金は不連続的なドメイン34を生じ、これは該グリースの充填剤成分40と一緒に分散している。典型的にはドメイン34は、図3で「d」として参照されている直径または他の方向の寸法が約0.4〜3ミル(10〜75μm)であり、マトリックス32の内部の分散度に依存してこのようなドメイン34は「D」で参照される広がりが約3ミル(75μm)以上の凝集体を形成し得る。本明細書において「不連続的なドメイン」という言葉はこのようなドメインが個別的に或いはその凝集体を意味するものと理解するべきである。
【0036】
層20を熔融可能な金属または合金の相転移温度より高い温度に加熱した後、ドメイン34はマトリックス相32と乳化液をつくることができる。しかし有利なことには、熱グリース・マトリックスのために、乳化した配合物の粘度(絶対粘度または固有粘度)は関連する電子部品の作動温度の範囲内において、或いは約40〜80℃の範囲内において該乳化液が結合線に留まるのに十分な粘稠性をもつような例えば約10,000〜300,000cps(10〜300Pa・s)の間に保たれることができる。さらに必ずしも必要なことではないが、アルミナ、窒化硼素、または他の熱伝導性充填剤の粒子をこの組成物に添加すれば、充填剤の粒子40が分散相のドメイン34の間の熱的な架橋として機能し、熱的経路またはネットワークに沿ってドメインを接触させる該ドメインの明らかな効果を生じ、最適な熱的性能を発揮することが見出だされた。このような充填剤の粒子はまた粘度を変化させ、従って配合物の流動を制御するのに使用することができる。
【0037】
図1および2に戻れば、パッド10を工業的な量で製造する場合、ロール・ミルまたは他の混合機の中で高剪断条件下において、熱伝導性の粒子状の充填剤を充填することができる熱グリースの混合物と分散層との混合物として層20の熱伝導性配合物を配合することができる。分散相成分を1種またはそれ以上の熔融可能な金属および/または金属合金として混入する場合には、金属または金属合金は棒、桿状体、インゴット、ペレット、粉末などの形で混入し、該金属および合金の相転移温度を少なくとも越える高温の条件下において熱グリースと混合することができる。粉末の場合には、どのような形で供給する場合でも、熔融可能な金属を先ず摩砕または粉砕或いは微粉化して所望の粒径または粒径分布をもつ粉末にし、次いでこの粉末を高温または周囲温度のいずれかにおいて熱グリース成分の中に混入することができる。
【0038】
配合を行った後、この混合物を溶媒または他の希釈剤を使用して薄めることができる。
次いで配合物の層20を剥離用ライニング材または他の担体の細片またはシート、例えば図1および2に42で示したライニング材の上に通常の方法、例えば噴霧法、ナイフによる被覆、ローラによる被覆、注型、ドラムによる被覆、浸漬、放出、押し出し、スクリーン印刷、または他の直接被覆法、或いは転写法または他の間接被覆法によって被覆することができる。被覆した後、得られた層20を乾燥して溶媒をフラッシュ蒸発させ、接着性のフィルム、被膜、または層20の他の残留物を剥離用ライニング材42の上に生成させる。熱グリースの固有の粘着性または流動性の結果として、層20とライニング材42との間に接着的なおよび/または機械的な結合が生じる。
【0039】
必要なことではないが、図2の43で参照されるような担体また補強部材を、図示のように層20の内部に中間層として、或いはまた表面12および14の片方または両方の上に随時組み込んで引裂き抵抗を増加させることができる。いずれの配置においても、部材43は内部に熱伝導性の配合物が含浸または担持された隙間または孔を有するようにつくられることができる。特に、このような部材43はポリイミドまたはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のような熱可塑性材料からつくられたフィルム、織ったまたは織られていない、例えばニードル加工されたガラス繊維の繊維布、布、ウエッブ、またはマット、或いはアルミニウムまたは他の金属の箔、スクリーンまたは広げられた網の層として提供されることができる。この補強部材は、配合物に対する担体としての作用をする他に、また層20およびパッド10の物理的強度を改善し、周囲温度が高い場合における取り扱いを容易にし、多様な幾何学的な形へのダイカット加工を容易にするのに使用することができる。この補強部材は典型的には厚さが約0.5〜5ミル(12.5〜125μm)であり、金属の箔に対しては約1〜2ミル(25〜50μm)の厚さが好適である。
【0040】
さらに上記図1および2の参照を続けると、層20は剥離用ライニング材42の上につくられ、該ライニング材は該層の表面14を覆っていることができる。取り扱いを容易にするためにおよび/または輸送の際の保護層として第2の剥離用ライニング材44を層20の他の表面12の上に重ねるかまたは取り付けることができる。ライニング材42および44の片方または両方の材料の例としては、該層が被覆される他のライニング材または基材から層20をあまり持ち上げることなく除去できる比較的低い表面エネルギーをもったポリオレフィン、可塑化されたポリ塩化ビニル、ポリエステル、セルロース、金属箔、複合体のフェイス・ストック(face stock)または他のフィルム、並びにワックス処理された、シリコーン処理された、或いは他の方法で被覆された紙またはプラスティックスが含まれる。意図された用途および放出方法、例えば取り上げて定位置に置く(pick−and−place)方法または他の自動化された他の放出法に依存して、キスカット加工されたパッド10または連続した長さをもつ層20は、ライニング材44で覆われまたは覆われずに、ライニング材42のシートまたはテープの上を運ばれ、シートまたはロールの形で供給されることができる。
【0041】
別法として層20は、ライニング材以外の基板を被覆するかまたは他の放出方法により、例えば熱伝達面の一つの上に直接配置することによりつくることができる。この点については、使用される装置または処理工程が関連する用途に適合するように、例えば充填剤の充填量、熱グリースの選択、および/または溶媒または他の希釈剤の添加により配合物の粘度を制御または調節することができる。放出を行う場合、配合物を個々の管、カートリッジ、または容器に装入し、例えば手でもって操作する被覆用のガンまたは注射器、或いは別法として自動化された計量放出装置、例えばロボット型被覆機を使用して後で被覆を行うために貯蔵しておくことができる。
【0042】
次に図4を参照すれば、矢印「P」で示された圧力をかけ、下塗りがされたまたはされていない表面46の上に配合物の塊または「液塊(blob)、どろっとした塊」45が放出されている様子が示されている。表面46は例えば放熱器、冷却板、回路板、ハウジ
ングの一部、または電子部品のプラスティックス、金属、またはセラミックスの表面であることができる。この点に関して、参照番号47の配合物の供給器は一つの部分から成る材料システムとしてカートリッジ、管、または他の容器48に装入されるように示されており、これらの容器は図示のように直接に或いはノズル49に結合したホースまたは他の導管を介して流体的に連結されている。
【0043】
圧力Pは、ガンまたは注射器を用いて手でかけるか、或いは空気または空気を用いない計量装置、例えば比例シリンダーまたはポンプを用いてかけることができるが、圧力Pがかけられると計量された量の配合物がノズル49から表面46の上に押し出される。被覆された際、塊45は例えば表面張力、固有の粘着性、または他の接着力によって表面46に対し実質的に自己接着性もっていることができる。層20の場合と同様に、塊45は通常の室温においては形状安定性をもち、それが被覆された部分または部品を用いて組み立てまたは他の操作を行うことができることが有利である。別法として塊45は流動性をもつか或いは形状安定性をもたず、堰または他の障壁(図示せず)によって表面上に囲い込まれるようにすることができる。例えば表面の一つに備えられた孔(図6において参照番号50で示す)を介するような方法で表面46とそれに相対する表面(図6における表面80および82)の間に保持された間隙(例えば図6の間隙72)の中に塊45をつくる配合物を直接注入することができる。
【0044】
次に図5および6を参照すれば、図1および2のパッド10(または図4の塊45)の使用方法が、図5において一般的に51で示された熱管理アセンブリーと関連して例示されている。このアセンブリーは熱伝達面54をもつ熱放散部材52を含み、該面54は付属したプリント回路板(PCB)または他の基板59の上に支持された、熱を発生するアナログ、ディジタルまたは他の電子部品58の相対する熱伝達面56と伝導により熱を移動させるように隣接して配置されている。例示の目的のために、熱放散部材52は、一般的に平らな基台部分60をもつ板とフィンの形をした種類のものであり、基台から多数の冷却用のフィンが延び出し、その一つに参照番号62が付けられている放熱器として示されている。別法として、熱放散部材52はピン状のフィンまたは他の放熱器、熱交換機、冷却板、または熱拡散器の構造をもつものとして提供され、或いはプリント回路板、ハウジング、またはシャーシーの形としてでさえも提供されることができる。熱放散部材52は典型的には、伝導によりまたは他の方法で移送される熱エネルギーを放散させるのに効果的な、電子部品58に比べて大きな熱容量をもつアルミナのようなセラミックス材料、アルミニウムまたは銅のような金属材料からつくることができる。
【0045】
なお続けて図6を参照すると、電子部品58は集積されたマイクロチップ、マイクロプロセッサー、トランジスター、または他の半導体装置、電気抵抗により或いは他の方法で熱を発生する部分アセンブリー、例えばダイオード、リレー、抵抗器、変圧器、増幅器、ダイアック、または蓄電器、或いはそれに代わる他の熱発生源であることができる。典型的には電子部品58は約60〜100℃の作動温度範囲をもっているであろう。電子部品58を回路板59に電気的に接続するために、一つまたはそれ以上の対になったハンダ付けの点、導線、またはピンが備えられており、これらは電子部品58からハンダ付けまたは他の接続方法による回路板59との接続点へ延び出している。これらの対の一つには70a〜bの参照番号が付けられている。導線70はさらに回路板59の上方で電子部品58を支え、72で表される約3ミル(75μ)の間隙を規定している。或いはまた電子部品58は回路板59の上に直接載せられていることができる。
【0046】
一時的に図2および4に戻れば、ライニング材42から取り除かれて層20の表面14が露出した図2のパッド10では、結合またはその他の方法でパッド10を熱放散部材52の熱伝達面54に取り付けることができる。この点に関し、また上述のように、パッド10は大きなシートから、或いはロールまたは他の長さのテープ原料から打ち抜きまたは
キスカット加工或いは他の方法で適切な大きさにつくることができる。
【0047】
典型的には、層20が形状に合致する相にある時圧力がかけられて厚さが減少するにつれ、パッドの表面積の被覆面の増加に合わせるために被覆されたパッド10の縁を表面54またはパッドを取り付ける他の面の面積よりも小さくする。別法として、図4に関連して説明したように、配合物を塊45として表面の上に放出することができる。
【0048】
被覆されたパッド10を用い熱放散部材52を包装して輸送することができ、この際ライニング材44でパッド10の他の面12を覆い、一体化したユニットとして電子装置の製造業者、組立て業者、または他の使用者に届ける。次いで使用者は単にライニング材44を取り除き、層20の表面12を露出させ、露出した表面12を電子部品58の熱伝達面56の上に置き、最後にクリップ、クランプ、ネジ、または他の外部圧力による装置(図示せず)を取り付け、図6に示されているように、電子部品58に熱的に近接するように熱放散部材52を配置することができる。
【0049】
さらに続けて図6を参照すれば、アセンブリー51の内部においてパッド10は電子部品58から熱放散部材52へと熱を移動させるための低インピーダンスの電導経路を与えている。このような経路は、電子部品58の冷却を行うために対流による空気の循環を用いずに、或いはこのような循環と組み合わせて使用することができ、電子部品の作動温度を確実に規定された限度よりも低い値に維持する。熱放散部材52は別の放熱器として示されているが、回路板59の上部の表面80と電子部品58の相対する表面82との間の間隙72の内部にパッド10を交互に挿入することにより、回路板59自身をこのような目的に使用することができる。
【0050】
上記のように、層20の熱伝導性配合物は通常の室温、即ち約25℃において熔融可能な金属および/または金属合金成分の第1の相において形状安定性をもち、それは固体、半固体、ガラス状、または結晶であるが、第2の相においては使用の際に熱伝達面54と56との間において実質的に形状適合性をもち、この第2の相は液体、半液体、またはそれ以外の粘稠な乳化物であるように調合することができる。もっと特定的に述べれば、熔融可能な金属および/または金属合金の相転移温度は好ましくは約40〜80℃の範囲にあり、一般に電子部品58の作動温度の範囲内に入るようにつくられる。
【0051】
次に図7Aを参照すれば、これは図5の参照番号90を付けた区域の拡大図であり、電子部品58にエネルギーを送って加熱する前における組織形態が詳細に示されている。図から分かるように、加熱するまでは、熱移動面54と56との間の結合線がtで示される第1のMBLTを規定し、これは本発明のパッド10の熱伝導性配合物の層20によって実質的に充填されていることができる。熱グリース成分を使用することにより、約1ミル(25μm)以下の比較的薄い厚さ、およびそれに対応して低い熱インピーダンスを、室温で例えば約1psi(6kPa)以下の比較的低い与えられた圧力において実現することができることは有利である。
【0052】
次に図7Bに示された90の区域の図を参照すれば、加熱して分散ドメイン34が相変化を起こして形状に合致する第2の相になった場合、この相はマトリックス相32の熱グリース成分と乳化液を生じることができ、ここでtの参照記号を付けた薄いMBLTさえ、表面54と56との間に生成することができる。厚さtは、バネのクリップ等から発現させることができる与えられた外部圧力をかけ続けた場合、厚さtに比べ約20〜50%またはそれ以上だけ減少することができ、それに対応してパッド10の表面積が増加し、これによって流動して表面54および56の間の結合線の間隙の縁を実質的に充填し、それに対応して熱インピーダンスを減少させることができる。
【0053】
下記実施例においては特記しない限りすべての割合および比率は重量によるが、これらの実施例はそれに関連して本発明の実施を例示するものであり、いかなる意味においても本発明を限定するものではない。
実施例
【実施例1】
【0054】
代表的な実施例においては熔融可能な金属ASTM合金117を、報告された熱伝導度が2.0×10−3cal/s・cm・℃のシリコーン油をベースにし窒化硼素(BN)および酸化亜鉛を充填した熱グリース(DC 340TM,Dow Corning Corp.,米国、ミシガン州、Midland)中に混合することにより本発明の熱伝導性配合物の組成物をつくった。このような117合金はASTM B774により融点が117°Fで44.2〜45.2%のビスマス、22.1〜23.2%の鉛、7.8〜8.8%の錫、18.6〜19.6%のインジウム、および4.8〜5.8%のカドミウムを含んで成る共融体として規定されている。実施例1に使用されたこの特定の低融点金属合金(「LMA」)は平均粒径が約0.04〜40ミル(1〜1000μm)で、44.7%のビスマス、22.6%の鉛、8.3%の錫、19.1% のインジウム、および5.3%のカドミウムを含んで成る粉末(AIM47TM,AIM,カナダ、ケベック(Quebec)州、Montreal)であった。この合金は見かけの熱伝導度が約20W/m・Kであると報告されている。
【0055】
熱グリース−合金混合物の試料は、合金充填剤の充填量を0、5、10、15および20%にして配合した。充填量0%のものは比較のための純粋なDC 340TM熱グリースである。混合した場合、約20,000〜30,000cp(20〜30Pa・s)の範囲にあると考えられる熱グリースの粘度は合金の粉末と容易に配合し、配合後粉末が懸濁物の状態に保たれるのに十分であった。
【0056】
試料の熱インピーダンスは、ASTM D5470に従い50psi(300kPa)の圧力をかけ、約1ミル(25μm)未満の最低の結合線の厚さにおいて決定した。得られた結果を下記表1に示す。
【0057】
表1
熱インピーダンス
試料(% LMA) ℃・平方インチ/W ℃・cm/W
0 0.36 9.0
5 0.019 0.48
10 0.010 0.25
15 0.010 0.25
20 0.008 0.20

本発明に従って調合された熱グリース−LMAは充填されていないグリースに比べ改善された熱的性能をもっていることが表1のデータによって示される。
【実施例2】
【0058】
70℃、50℃において、また65℃において馴らし(burn−in)を行った後50℃において圧力の関数としての熱インピーダンスを測定することにより、実施例1に関連して記載された方法で調合された15%LMA−熱グリースの熱的性能の特性を評価した。測定はASTM 5470に従って行い、図7に「T851」としてプロットした。また充填物を加えないDC340TMに対する70℃における結果を図7に「T850」としてプロットする。この結果は、充填物を加えなかった熱グリースに比べ、LMAを充填した試料の方に温度の関数として著しい熱インピーダンスの低下が見られることを示し
ている。
【0059】
本明細書に含まれる本発明の概念を逸脱することなく本発明においては或る程度の変更を行ない得ることが予測されるから、上記説明に含まれたすべての事項は例示的なものと解釈されるべきであり、本発明を限定するものではない。ここに引用した先行文献を含むすべての引用文献は明らかに引用により本発明に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明に従って調合された熱伝導性配合物の形状に合致し得る層を有する代表的な熱伝達境界面の透視図。
【図2】図1の線2−2を通る図1の熱伝達境界面の断面図。
【図3】図1の熱伝達境界面のパッドの形状に合致し得る層をつくる熱伝導性配合物の組織形態を示す図。
【図4】表面の上に放出する方法として本発明の熱伝導性配合物の代表的な被覆方法を示す幾分模式的に描いた透視図。
【図5】代表的な熱管理アセンブリーに使用するために板とフィンを備えた放熱器に結合したものとして図1の熱伝達境界面を示す透視図。
【図6】代表的な熱管理アセンブリーの断面図であって、この場合放熱器および図5の境界面は熱を発生する電子部品に対し熱を伝達するように近接して配置され、該境界面は放熱器および電子部品が伝導によって熱を伝えられるように接触して挿入され、その間に低い熱インピーダンスの経路をつくっている。
【図7A】相変化が起こる前の組織形態を詳細に示す図6の熱伝達境界面パッドの一部の拡大図。
【図7B】相変化が起こった後の図5の熱伝達境界面パッドの組織形態を示す図7Aと同様な拡大図。
【図8】本発明の熱伝導性配合物の代表的な調合物について圧力に対して熱インピーダンスをプロットしたグラフであり、標準的な熱グリースに対して比較が行われている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の熱伝達面と相対する第2の熱伝達面との間において形状に合致し得る相を生成しその間に熱の経路を与えるための熱伝導性配合物において、該配合物は
(a)熱グリース成分;および
(b)該熱グリース成分の内部に分離したドメインを生成する分散成分の混合物を含んで成り、該ドメインは第1の相においては通常の室温において形状安定性をもち、第2の相においては該第1の熱伝達面と第2の熱伝達面との間において形状合致性をもち、該ドメインの第1の相から第2の相への相転移温度は通常の室温よりも高いことを特徴とする熱伝導性配合物。
【請求項2】
該分散成分は1種またはそれ以上の熔融可能な金属、1種またはそれ以上の熔融可能な金属合金、またはそれらの組み合わせを含んで成ることを特徴とする請求項1記載の配合物。
【請求項3】
1種またはそれ以上の金属または合金は1種またはそれ以上のビスマス、錫、鉛、カドミウム、およびインジウムを含んで成ることを特徴とする請求項2記載の配合物。
【請求項4】
該分散成分は約32.5重量%のビスマス、16.5重量%の錫、および50重量%のインジウムの共融合金を含んで成ることを特徴とする請求項2記載の配合物。
【請求項5】
該配合物はその全重量の約5〜25重量%の1種またはそれ以上の金属または金属合金、或いはそれらの組み合わせを含んで成ることを特徴とする請求項2記載の配合物。
【請求項6】
該ドメインの遷移温度は約40〜80℃の間にあることを特徴とする請求項2記載の配合物。
【請求項7】
分散成分は1種またはそれ以上の熔融可能な金属、1種またはそれ以上の熔融可能な金属合金、またはそれらの組み合わせを含んで成ることを特徴とする請求項6記載の配合物。
【請求項8】
第1の熱伝達面は作動温度が通常の室温よりも高い熱発生源の上に位置し;
ドメインの遷移温度は該熱発生源の作動温度範囲内にあることを特徴とする請求項2記載の配合物。
【請求項9】
第2の相においてドメインは熱グリース成分と乳化物を形成することを特徴とする請求項1記載の配合物。
【請求項10】
該乳化物は粘度が約10,000〜300,000cp(10〜300Pa・s)であることを特徴とする請求項9記載の配合物。
【請求項11】
第1の熱伝達面は作動温度が通常の室温よりも高い熱発生源の上に位置し;
ドメインの遷移温度は該熱発生源の作動温度範囲内にあることを特徴とする請求項1記載の配合物。
【請求項12】
該熱発生源は電子部品であり;そして
第2の熱伝達面は熱放散部材の上に位置していることを特徴とする請求項11記載の配合物。
【請求項13】
該熱放散部材は吸熱器または回路板であることを特徴とする請求項12記載の配合物。
【請求項14】
熱発生源の作動温度は約40〜80℃の間にあることを特徴とする請求項12記載の配合物。
【請求項15】
ドメインは平均粒径が約0.4〜3ミル(10〜75μm)であることを特徴とする請求項1記載の配合物。
【請求項16】
熱グリース成分は鉱油、炭化水素油、合成油、およびシリコーン油、並びにそれらの組み合わせから成る群から選ばれる1種またはそれ以上のオイルを含んで成ることを特徴とする請求項1記載の配合物。
【請求項17】
熱グリース成分は1種またはそれ以上のシリコーン油を含んで成ることを特徴とする請求項1記載の配合物。
【請求項18】
熱グリース成分は1種またはそれ以上の有機シロキサン油を含んで成ることを特徴とする請求項1記載の配合物。
【請求項19】
熱グリース成分はさらに熱伝導性の粒子状充填剤を含んで成ることを特徴とする請求項16記載の配合物。
【請求項20】
分散成分は1種またはそれ以上の熔融可能な金属、1種またはそれ以上の熔融可能な金属合金、またはそれらの組み合わせを含んで成ることを特徴とする請求項19記載の配合物。
【請求項21】
該充填剤は金属または非金属の酸化物、窒化物、炭化物、または二硼化物の粒子、グラファイトの粒子、金属の粒子、またはこれらの組み合わせから成る群から選ばれることを特徴とする請求項19記載の配合物。
【請求項22】
熱グリース成分は約20〜80重量%の充填剤を含んで成ることを特徴とする請求項19記載の配合物。
【請求項23】
粒子状の充填剤は粒径が約0.01〜10ミル(0.25〜250μm)であることを特徴とする請求項19記載の配合物。
【請求項24】
充填剤は少なくとも約20W/m・kの熱伝導度をもっていることを特徴とする請求項19記載の配合物。
【請求項25】
熱グリースはほぼ室温における粘度が約10,000〜300,000cp(10〜300Pa・s)の間であることを特徴とする請求項19記載の配合物。
【請求項26】
該層は約1℃・平方インチ/W(6℃・cm/W)未満の熱インピーダンスをもっていることを特徴とする請求項1記載の配合物。
【請求項27】
該配合物は少なくとも約0.5W/m・kの熱伝導度をもっていることを特徴とする請求項1記載の配合物。
【請求項28】
該層はほぼ室温において或る与えられた圧力をかけた場合厚さが約5ミル(125μm)であり、該与えられた圧力の下で熱発生源の作動温度範囲内においてその厚さが少なくとも約20%減少することを特徴とする請求項11記載の配合物。
【請求項29】
該配合物は第1の熱伝達面および第2の熱伝達面の片方または両方に対し実質的に自己接着性をもっていることを特徴とする請求項1記載の配合物。
【請求項30】
第1の熱伝達面;
該第1の熱伝達面に相対する第2の熱伝達面:および
該第1の熱伝達面と該第2の熱伝達面との中間に挿入されその間に熱伝導性の経路を与える熱伝達境界面を具備し、該熱伝達境界面は該第1の熱伝達面と該第2の熱伝達面との間で形状に合致し得る層になるようにつくられている熱伝導性配合物を含んで成り、該配合物は
(a)熱グリース成分;および
(b)該熱グリース成分の内部に分離したドメインを生成する分散成分の混合物を含んで成り、該ドメインは第1の相においては通常の室温において形状安定性をもち、第2の相においては該第1の熱伝達面と第2の熱伝達面との間において形状合致性をもち、該ドメインの第1の相から第2の相への相転移温度は通常の室温よりも高いことを特徴とする熱管理アセンブリー。
【請求項31】
該分散成分は1種またはそれ以上の熔融可能な金属、1種またはそれ以上の熔融可能な金属合金、またはそれらの組み合わせを含んで成ることを特徴とする請求項30記載のアセンブリー。
【請求項32】
1種またはそれ以上の熔融可能な金属または合金は1種またはそれ以上のビスマス、錫、鉛、カドミウム、およびインジウムを含んで成ることを特徴とする請求項31記載のアセンブリー。
【請求項33】
該分散成分は約32.5重量%のビスマス、16.5重量%の錫、および50重量%のインジウムの共融合金を含んで成ることを特徴とする請求項31記載のアセンブリー。
【請求項34】
該配合物はその全重量の約5〜25重量%の1種またはそれ以上の熔融可能な金属または金属合金、或いはそれらの組み合わせを含んで成ることを特徴とする請求項31記載のアセンブリー。
【請求項35】
該ドメインの遷移温度は約40〜80℃の間にあることを特徴とする請求項31記載のアセンブリー。
【請求項36】
該分散成分は1種またはそれ以上の熔融可能な金属、1種またはそれ以上の熔融可能な金属合金、或いはそれらの組み合わせを含んで成ることを特徴とする請求項35記載のアセンブリー。
【請求項37】
第1の熱伝達面は作動温度が通常の室温よりも高い熱発生源の上に位置し;そして
ドメインの遷移温度は該熱発生源の作動温度範囲内にあることを特徴とする請求項31記載のアセンブリー。
【請求項38】
第2の相においてドメインは熱グリース成分と乳化物をつくっていることを特徴とする請求項30記載のアセンブリー。
【請求項39】
該乳化物は粘度が約10,000〜300,000cp(10〜300Pa・s)であることを特徴とする請求項38記載のアセンブリー。
【請求項40】
第1の熱伝達面は作動温度が通常の室温よりも高い熱発生源の上に位置し;
ドメインの遷移温度は該熱発生源の作動温度範囲内にあることを特徴とする請求項30
記載のアセンブリー。
【請求項41】
該熱発生源は電子部品であり;そして
第2の熱伝達面は熱放散部材の上に位置していることを特徴とする請求項40記載のアセンブリー。
【請求項42】
該熱放散部材は放熱器または回路板であることを特徴とする請求項41記載のアセンブリー。
【請求項43】
熱発生源の作動温度は約40〜80℃の間にあることを特徴とする請求項41記載のアセンブリー。
【請求項44】
ドメインは平均粒径が約0.4〜3ミル(10〜75μm)であることを特徴とする請求項30記載のアセンブリー。
【請求項45】
熱グリース成分は鉱油、炭化水素油、合成油、およびシリコーン油、並びにそれらの組み合わせから成る群から選ばれる1種またはそれ以上のオイルを含んで成ることを特徴とする請求項30記載のアセンブリー。
【請求項46】
熱グリース成分は1種またはそれ以上のシリコーン油を含んで成ることを特徴とする請求項30記載のアセンブリー。
【請求項47】
熱グリース成分は1種またはそれ以上の有機シロキサン油を含んで成ることを特徴とする請求項30記載のアセンブリー。
【請求項48】
熱グリース成分はさらに熱伝導性の粒子状充填剤を含んで成ることを特徴とする請求項45記載のアセンブリー。
【請求項49】
分散成分は1種またはそれ以上の熔融可能な金属、1種またはそれ以上の熔融可能な金属合金、またはそれらの組み合わせを含んで成ることを特徴とする請求項48記載のアセンブリー。
【請求項50】
該充填剤は金属または非金属の酸化物、窒化物、炭化物、または二硼化物の粒子、グラファイトの粒子、金属の粒子、またはこれらの組み合わせから成る群から選ばれることを特徴とする請求項48記載のアセンブリー。
【請求項51】
熱グリース成分は約20〜80重量%の充填剤を含んで成ることを特徴とする請求項48記載のアセンブリー。
【請求項52】
粒子状の充填剤は粒径が約0.01〜10ミル(0.25〜250μm)であることを特徴とする請求項48記載のアセンブリー。
【請求項53】
充填剤は少なくとも約20W/m・kの熱伝導度をもっていることを特徴とする請求項48記載のアセンブリー。
【請求項54】
熱グリースはほぼ室温における粘度が約10,000〜300,000cp(10〜300Pa・s)の間であることを特徴とする請求項48記載のアセンブリー。
【請求項55】
該層は約1℃・平方インチ/W(6℃・cm/W)未満の熱インピーダンスをもっていることを特徴とする請求項30記載のアセンブリー。
【請求項56】
該配合物は少なくとも約0.5W/m・kの熱伝導度をもっていることを特徴とする請求項30記載のアセンブリー。
【請求項57】
該層はほぼ室温において或る与えられた圧力をかけた場合厚さが約5ミル(125μm)であり、該与えられた圧力の下で熱発生源の作動温度範囲内においてその厚さが少なくとも約20%減少することを特徴とする請求項40記載のアセンブリー。
【請求項58】
該配合物は第1の熱伝達面および第2の熱伝達面の片方または両方に対し実質的に自己接着性をもっていることを特徴とする請求項30記載のアセンブリー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【公表番号】特表2006−528434(P2006−528434A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532366(P2006−532366)
【出願日】平成16年4月2日(2004.4.2)
【国際出願番号】PCT/US2004/010087
【国際公開番号】WO2004/102660
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(500207958)パーカー−ハニフイン・コーポレーシヨン (10)
【Fターム(参考)】