説明

熱誘起組織治療を監視し制御する方法および装置

電磁エネルギーで皮膚を照射する組織の熱治療の方法および装置において、電磁エネルギー源は、無線周波(RF)発生器、レーザ、および、フラッシュランプを含む。装置は、位置センサまたは投与量評価センサのいずれか、または、両方のタイプのセンサを含む。これらのセンサはコントローラへフィードバックを行う。コントローラは、電磁源パラメータ、電磁源活性化、および/または、センサ測定パラメータを制御できる。付加的な走査デリバリーユニットが、皮膚の標的部位への電磁エネルギーの配分を制御するために、コントローラまたはセンサに動作可能に接続される。位置測定センサおよび投与量評価センサの使用により、コントローラが、たとえば、パルスタイミングおよびパルス周波数を含む適切な電磁源パラメータを自動的に決定することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2005年8月29日に出願された、Leonard C. DeBenedictis、George Frangineas、Kin F. Chan、B.Wayne Stuart III、Robert Kehl Sink、Thomas R. Myers、および、Basil Hantashによる“Method and Apparatus for Monitoring and Controlling Thermally Induced Tissue Treatment”という米国仮特許出願第60/712,358号に、米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張する。前述の米国仮特許出願の全ての内容が参照によってそのまま本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、皮膚組織治療の方法および装置に係り、特に、ハンドピース運動および/または皮膚組織反応の測定に基づく電磁源からの投与量(または放射線量)の制御に関する技術である。
【背景技術】
【0003】
多くの電磁皮膚治療システムは、医師と看護師が、顔、首、胸、または、背中のような治療部位にエネルギーを均等に送達するために技量を高める前に多大な訓練を必要とする。殆どの場合、医師と看護師は均等に治療しないので、むらのある治療、過剰な治療、または、不十分な治療という結果になる。特に大きな領域のためのより均等な光熱治療および/または無線周波(RF)治療を開発する必要がある。
【0004】
さらに、かならずしも全ての患者は同じレベルの治療に同じように反応しない。そのため、正確に同じレーザエネルギー照射量が2人の異なる患者へ送達されるとしても、各患者の反応は実質的に異なることがある。1人の患者の中でも、皮膚反応は部位間で変化することがある。たとえば、額の治療は、首の治療とは異なる反応を示すことがある。均等な治療パラメータが全ての患者または全ての部位のために使用されるならば、治療パラメータは、望ましくない副作用を防ぐために、典型的に、最も敏感な患者、または、最も敏感な部位に合わせて設計される。最も敏感な部位または患者に合わせた設計は、多くの場合に、他の部位または患者に対しては治療不足を招くであろう。
【0005】
皮膚の表皮の治療のための多くの医療用レーザシステムは、治療エネルギーの単一パルスの送達を引き起こすために、フットペダルを押すことにより機能に条件を付ける。このタイプの治療装置は低速であり、操作者にとって骨の折れることがある多数の反復運動を有する。他のレーザ治療システムは、ユーザが組織の全域に亘ってハンドピースを動かすときに、一定のパルス繰り返しレートで同一のパルスを発射する。本システムは熟練を必要とし、未熟練の操作者の管理下では過剰な治療または不十分な治療の危険性を増大する。したがって、過剰な治療および/または不十分な治療を防ぐために、投与量(又は放射線量)を制御し、リアルタイムで投与量レベルを調節する電磁治療へのアプローチもまた必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
Weckwerthの特許第6,758,845号は、治療部位に、または、治療部位に隣接して設置された規則的に間隔が空いている印(indiaia)の光学測定の使用について記載しているが、概念はハンドピースが移動された距離を測定するために計数される規則的に間隔が空いている印の貼付によって制限されている。このことは、誤差を回避するために印の正確な位置決めを必要とする。その上、可視的な印は治療の後に取り除くことが困難であり、治療の後に皮膚に体裁が悪いパターンを残すことがある。
【0007】
Weckwerthの'845号特許およびTalpalriuの特許第6,171,302号は、ハンドピース移動を追跡する機械的ローラーシステムについて記載している。機械的ローラーシステムは、たとえば、ジェルと共に使用されるときには、機械的ローラーと皮膚表面との間に摩擦がないため、信頼できないことがある。このことは、位置パラメータの測定の際に抜けと誤差を生じさせる。さらに、機械的ローラーは、錆び付き、または、ゴム状化する可能性があり、その結果、容易に回転しなくなり、抜けと誤差を引き起こす可能性がさらに高くなる。機械部品の摩滅は同様の誤差を引き起こす。
【0008】
Weckwerthの'845号特許は、標的エリアを直接的に測定するのではなく、標的エリアの外側の基準平面または基準点との相互作用によって、ハンドピースの位置を間接的に測定する他のシステムについて記載している。このアプローチを用いると、基準表面と相対的な治療表面の場所が測定されるか、または、制御されなければならない。その上、これらのシステムは、ハンドピースに対して1個の座標しか測定せず、このことはハンドピースの姿勢の変化に起因する標的組織全体を通じたハンドピースの動きがセンサシステムによって捕捉されないかもしれないことを意味する。このことは誤りの原因となる。
【0009】
広い領域の治療に対しては、ハンドピースの位置、速度、および/または、加速度に応じて、または、レーザ治療自体に応じてリアルタイムでレーザ治療パラメータを調整するために、自動レーザ制御システムが必要とされる。したがって、治療速度、ハンドピース角度、ハンドピース加速度、患者間の変動、同じ患者の部位間の変動などのような治療変数に制御可能な形で応答することにより、治療の有効性を高めるフィードバックループのための装置および方法が必要である。好ましくは、より高速であり、かつ、より再現性のある治療を可能にさせ、操作者による訓練および技量をあまり必要とすることなく、および/または、治療変数に制御可能な形で応答する装置および方法もまた必要である。
【0010】
装置および方法は、さらに、好ましくは、副作用または侵襲性を増大させることなく有効性を高め、比較的少ない痛みと副作用で治療し、所定の治療投与量の正確な送達、または、ハンドピース位置パラメータの測定に主として頼るのではなく、単独で、または、他の入力と共にフィードバックループで用いられる治療の有効性および/または経過を直接的に測定し、生物学的予測可能性、有効性、および、安全性を高めるため生物学的反応および治療変数を監視し、および/または、たとえば、光線力学療法(PDT)治療、レーザ脱毛、または、フラクショナルレーザリサーフェシングのための投与量のより良好な制御を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一般に、本発明は、ハンドピース位置パラメータ、および/または、皮膚への電磁エネルギーの送達によって施される熱もしくは除去治療に対する皮膚反応を測定するために使用される1台以上のセンサからのフィードバックを用いる治療のための装置および方法を提供する。電磁エネルギーは、無線周波(RF)でもよいし、光でもよい。位置センサおよび投与量評価センサは別個に使用されてもよく、または、皮膚反応とハンドピース位置パラメータの組み合わせに応じて治療を変えることができるよう好適に組み合わせることができる。
【0012】
本発明の一実施形態では、相対的なハンドピース位置測定量と絶対的なハンドピース位置測定量が治療部位と関連するハンドピースの位置変化を決定するために測定される。
【0013】
本発明の一実施形態では、皮膚収縮が投与量評価センサを用いて測定される。本発明の別の実施形態では、皮膚の1つ以上の測定された反応は、皮膚複屈折性、皮膚含水量、皮膚弾力性、皮膚機械的減衰パラメータ、皮膚色、血管および色素性病変のような皮膚特徴、皮膚厚、皮膚テクスチャ、皺のうちの1つ以上の変化を含む。これらの皮膚変化およびその他の皮膚変化は、容量センサ、(ハイパー)スペクトルイメージング、テラヘルツイメージング、光コヒーレンストモグラフィ、共焦点顕微鏡法、超音波イメージング、コヒーレント検出、熱検出、熱イメージングシステムなどのような1種類以上のテクノロジーを用いて測定されることがある。また、他の皮膚反応および測定量を使用することもできる。
【0014】
本発明の一実施形態では、エルビウムドープファイバレーザの出力は、治療部位に図形の系列を作成するために、参照によって本書中に組み込まれている、係属中の米国出願第60/652,891号および対応する米国出願第11/158,907号に記載されているようなガルバノメータースキャナまたは星形スキャナのような走査デリバリーユニットによってコリメートされ、検出される。
【0015】
本発明の別の態様では、走査デリバリーユニットの走査レートは、ハンドピース速度が選択された範囲内で変化する場合であっても、所定のパターンまたは投与量を送達するためにコントローラによって制御される。
【0016】
本発明の一実施形態では、コントラスト強調剤が位置センサの信号対雑音比を強調するために使用される。たとえば、FD&C 青色1号が、好ましくは、少なくとも25個の素子を備えた光学マウスチップ、CCDアレイ、または、その他の検出器アレイを含む位置センサの信号を改善するために皮膚の表面に塗布され得る。少なくとも25個の素子を5×5型アレイとして使用するのが好ましいが、その理由は、これが位置パラメータおよび/または投与量反応の変化を観察するために十分な画像解像度を与えるからである。使用される検出器素子の個数がより少ないならば、より高度なアルゴリズムおよび/またはより高度なエレクトロニクスが、一般的に、ハンドピース位置パラメータおよび/または皮膚反応の変化を識別するために典型的に必要とされるであろう。その他のコントラスト強調剤は蛍光であるか、または、IR照射またはUV照射を用いて最大コントラスト強調を提供する。システムの光学素子上の波長選択性コーティングが、1つ以上の照射波長を除去するために蛍光コントラスト強調剤と併せて使用されることがある。たとえば、波長選択性コーティングは、異なる波長での蛍光放射信号の信号対雑音比を改善するために、光位置センサの応答を強調するために使用される光を除去するように設計され得る。
【0017】
コントラスト強調剤は、類似形状または非類似形状の均一パターンまたは不均一パターンとして塗布されることがある。このコントラスト強調剤のパターンは、たとえば、ローラー、スタンプ、スプレイ、および/または、ステンシルを使用して塗布されることもある。コントラスト強調剤は、一時的な入れ墨に使用されるような粘着性物質の上または中に塗布されることもある。
【0018】
本発明の選択された実施形態では、位置センサは、機械的マウスホイールまたはローラーボールと、非同軸コイルと、加速度計と、ジャイロスコープと、距離を測定するために使用され得る(複数台の)発信機および(複数台の)受信機と、ドップラーレーダーシステムと、超音波飛行時間測定量などのうちの1つ以上を備える。
【0019】
本発明の別の実施形態では、先行の投与量評価センサおよび後続の投与量評価センサが熱治療に起因した異なる皮膚反応を測定するために使用される。
【0020】
本発明の別の実施形態では、走査デリバリーユニットの走査運動は変更されないが、電磁源のパルスレートまたはパルスタイミングは、少なくとも1台の位置センサおよび/または少なくとも1台の投与量評価センサによる測定量に応じてコントローラによって変更される。パルスタイミングおよびスキャナパターンは、治療強度を低減させ、および/または、各エネルギーパルスによって作成される各治療ゾーンのサイズを増加させるために、ビームが治療部位全体で意図的に引き回されるように選択されてもよい。
【0021】
発明の別の実施形態では、正常な皮膚は、フラクショナル治療を施すために個別の治療ゾーンの間の部位に残される。残された組織は、傷ついたエリアの急速な治癒を促進し、瘢痕化を防止し、別の方法で副作用なしに実現できるレベルより高い治療レベルを可能にするために役立つ。位置パラメータの測定は、治療投与量が適切に制御可能であるように、治療ゾーンを互いに正確に離間させるために使用され得る。
【0022】
別の実施形態では、フラクショナル治療の密度は位置センサおよび/または投与量センサからのフィードバックの使用によって制御される。
【0023】
本発明のその他の態様は、上述のアプローチに対応している方法、装置およびシステム、ならびに、方法、装置およびシステムのアプリケーションを含む。
【0024】
本発明は、添付図面と併せて解釈されるときに、以下の発明の詳細な説明、および、添付の特許請求の範囲から容易に明らかになるその他の利点および特徴を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明は、(光熱および/またはRF)治療パラメータおよび/または活性化の自動適応制御を備える電磁システムを開示するものである。名目上のパターンおよび治療レートは、システムが治療を開始するときに定義することも可能であり、この治療パターンは、治療に対する皮膚反応および/またはハンドピースの位置パラメータを記述するアルゴリズムに基づいて修正され得る。位置パラメータの測定または皮膚反応の測定のどれが行われるかは、特有の測定結果に依存する。たとえば、ハンドピースが皮膚を横切って非常に高速に移動し、治療電力が相対的なハンドピース速度に比例するならば、組織のバルク加熱が関心事となることがある。この場合、投与量評価センサは、過剰な治療に起因する水膨れと関連する皮膚パラメータを測定するようにコントローラによって指示される。運動が低速であるならば、バルク加熱および水膨れは、あまり関心事ではなく、コントローラのいっそう多くの処理能力が代わりに位置パラメータセンサを用いて速度のより正確な測定を行うために使用され得る。発明の詳細な実施形態は後述されている例として記載されている。
【0026】
いくらかの実施形態では、マイクロドジメトリ測定とマクロドジメトリ測定とが区別され得る。マイクロドジメトリ測定は、パルスまたは同時パルスの組によって治療されようとしている1つ以上のゾーンに実質的に制限されている。たとえば、治療されようとしている直径1mmのエリアと中心が共通である直径1.2mmのエリアの測定は、将来のパルスまたは将来の本質的に同時に起こるパルスの組で治療されようとしている部位に実質的に制限されているので、マイクロドジメトリである。その一方で、マクロドジメトリ測定は、治療されようとしている(または直前に治療された)エリアと、隣接部位であるエリアの両方のエリアを含む部位の平均測定量を生成するために、皮膚の比較的広いエリアを評価するために使用される。一部の実施形態では、投与量評価センサは、本発明のフィードバックループに従ってマイクロドジメトリ測定量またはマクロドジメトリ測定量を生成するために使用される。
【0027】
図1は、電磁治療エネルギーを治療部位の皮膚150へ送達するように構成されている手動可動式ハンドピース100を示す本発明の実施形態の図である。電磁源110は皮膚を治療する電磁エネルギー130を発生させる。コントローラ115は、治療に影響を与える目的で電磁源の1個以上のパラメータを活性化または調節する。ハンドピース100は、コンピュータ、無線周波発生器、および/またはレーザドライバエレクトロニクスを備えるコントローラ115を含む。他の構成では、コントローラ115は、ハンドピース100の外部にあり、治療パラメータを制御するためにハンドピース100に動作可能に接続される。システムは、皮膚150の治療部位の上で電磁エネルギー130を走査するスキャナ制御部125に動作可能に接続されている付加的な走査デリバリーユニット120をさらに含む。ハンドピース100に機械的に結合されている付加的な接触板139は、電磁エネルギー130の送達の制御を改善するために、皮膚150と良好な電気的または光学的接触を行うために使用されることがある。位置センサ180はハンドピースの位置パラメータを測定し、投与量評価センサ160は治療に対する皮膚反応を測定する。
【0028】
操作者が方向101へハンドピース100を手動で動かす間、または、操作者がハンドピース100を手動で動かした後に、位置センサ180はハンドピース100の1個以上の位置パラメータを測定し、投与量評価センサ160は治療パラメータに対する皮膚反応を測定する。位置センサ180および投与量評価センサ160は、コントローラ115と、および/または、スキャナ制御部125と通信する。コントローラ115および/またはスキャナ制御部125は、位置パラメータ測定値に応じて、および/または、投与量評価測定値に応じて、リアルタイムで治療を著しく変更する。
【0029】
ある実施形態では、位置センサ180および/または投与量評価センサ160と組み合わせてコントローラ115および/またはスキャナ制御部125を備えるフィードバックループは、治療場所、治療ゾーンの重なり合い、治療エネルギー、治療深さ、治療電力、治療ゾーンパターン、(事前冷却および事後冷却を含む)治療冷却などのような治療パラメータの自動制御を行うために使用され得る。これらの治療パラメータは、光学焦点またはスポットサイズ、パルス幅、パルスエネルギー、パルスタイミング、パルス周波数、レーザ電力、レーザ波長、スプレイ冷却体積、スプレイ冷却タイミングなどのような治療に影響を与える装置パラメータを調節することによって制御され得る。
【0030】
コントローラ115はスキャナ制御部125に動作可能に接続されることは任意であり、このことはセンサからの配線接続の数を減少させるために役立つ可能性がある。コントローラ115は、図2Aの実施形態に示されているように、コントローラ115とスキャナ制御部125の両方の機能に役立つことがある。たとえば、コントローラ115とスキャナ制御部125の両方の機能は、コンピュータプログラムを記憶するメモリに動作可能に接続されているコンピュータまたはCPUによって実行され得る。位置センサ180と投与量評価センサ160は単一の部品に動作可能に結合されるか、または、単一の部品に一体化されることもある。たとえば、CCDチップは運動および皮膚反応の両方の変化を測定するために使用され得る。
【0031】
図1中の複数の部品の詳細な実施形態は後述された例において説明される。一実施形態では、電磁源110はRFエネルギーを供給し、走査デリバリーユニット120は、成形されたプラスチックのような非導電性物質で作られている接触板139内の複数の電気接点パッドに接続されている電気制御式リレーを含む電気的スイッチングネットワークを備える。走査デリバリーシステム120は、順次に治療部位全体に亘ってエネルギーのパターンを送達可能であり、または、複数のリレーが複数の治療ゾーンを同時に活性化するために作動させることが可能である。
【0032】
一般に、電磁源110は無線周波(RF)源、光源、または、無線周波源と光源の組み合わせである。RF源は、0.1−20MHzの範囲、好ましくは、0.5−8MHzの範囲の周波数で電磁エネルギーを発生させる。光源は、このアプリケーションのため300から12000nmまでの範囲の波長を持つ電磁エネルギーとして規定されている光を発生させる。エネルギーがより正確かつより容易に皮膚上の所望の場所へ向けることを可能にするので、光エネルギーは無線周波エネルギーを超えることが好ましい。RFエネルギーは、特に、皮膚の特有の埋込層のより深い侵入または標的化が望ましいアプリケーションの場合に望ましい。RFエネルギーまたは光エネルギーの選択は、選択されたタイプの投与量評価センサおよび/または位置センサとの干渉を低減させるためにも行われる。
【0033】
好ましい実施形態では、電磁源110はレーザであり、電磁エネルギー130はレーザビームである。レーザの例には、Nd:YAGレーザ、ダイオードレーザ、エルビウムファイバレーザ、COレーザ、Er:YAGレーザ、Er:ガラスレーザ、フラッシュランプポンプレーザ、自由電子レーザ、ツリウムファイバレーザ、ラマンシフトファイバレーザ、ダイレーザ、ガスレーザ、アルゴンレーザ、および、イッテルビウムファイバレーザが含まれる。
【0034】
皮膚反応は、容量センサ、(ハイパー)スペクトルイメージング、テラヘルツイメージング、光コヒーレンストモグラフィ、共焦点顕微鏡法、超音波イメージング、コヒーレント検出、熱検出器、熱イメージングなどのような1種類以上のテクノロジーを利用する1台以上の投与量評価センサ160によって測定可能である。さらに、1台以上の投与量評価センサ160は、皮膚複屈折性、皮膚含水量、皮膚弾力性、皮膚機械的減衰パラメータ、皮膚色、血管および色素性病変のような皮膚特徴、皮膚厚、皮膚テクスチャ、皺などを測定することがある。その他の種類の測定テクノロジーと、測定可能であるその他の皮膚特徴および組織特性とが、当業者に明らかであろう。
【0035】
エンコーダ付きの機械的マウスまたはローラホイールもまた、位置センサ180として使用され得る。しかし、位置パラメータを測定するために移動部品に主として依存しない非機械的位置センサを使用する方が好ましい。非機械的位置センサは、機械的位置センサと比べて、滑りやすい表面上での測定信頼性を高め、機械的故障の可能性を低減する点で有利である。
【0036】
非機械的位置センサ180の一実施形態では、参照によって本書中に組み込まれている米国特許第6,788,967号にBen−Haimらによって記載されているように、コイルセンサが使用される。適切な姿勢でハンドピース100に機械的に結合されているこれらのセンサコイルは、たとえば、センサコイルが少なくとも2台の放射器によって発生させられた磁場に置かれているときに、ハンドピースの最大3次元、および/または最大3つの角度方向の位置情報を測定するために使用可能である。放射器およびセンサコイルのその他の幾何学的関係および台数がハンドピースの1次元から6次元までの位置パラメータの測定用に使用可能である。光位置センサのようなその他の非機械的位置センサは後述され、ハンドピースから取り外し可能でもよい。
【0037】
コイルセンサの用法の一例は図12により詳細に示されている。図12において、磁気位置センサ1280はハンドピース1200の外側にあり、磁気源1281はハンドピース1200に取り付けられている。磁気源1281は、3個の磁場源素子1285A−Cを備えることが可能である。磁場源素子は、磁場源素子の軸が3次元空間を張るように配置されている。軸は、たとえば、3つの相互に直交する方向へ向けられる。磁気位置センサは、基準点に位置し、3次元空間を張るように配置され得る3個の磁気センサ素子1284A−Cを備えることが可能である。
【0038】
好ましい実施形態では、磁場源素子1285A−Cの各々、および、磁場センサ素子1284A−Cの各々は、所望の周波数、たとえば、約10kHzの周波数に同調されているループアンテナを備える。磁場源素子1282のループアンテナ1285A−Cは、それぞれが電流源、たとえば、オペアンプ電流源によって駆動されることがある。或いは、単一の電流源1288が磁場源素子1285A−Cのそれぞれのループアンテナに順次に給電するため電子的に切り替えられることがある。好ましくは、システムは、各磁場源素子1285A−Cおよび各磁場センサ素子1284A−Cの近距離の磁場で運転されるが、遠距離での運転も可能である。磁場源素子1285A−Cは源信号を時分割多重化するために順次に給電され得る。コントローラ1215は、磁場センサによって検出された応答を測定する受信機エレクトロニクスを備える。コントローラの受信機エレクトロニクス部は磁場センサ素子1284A−Cと一緒に置かれてもよく、または、コントローラ1215の他のエレクトロニクスと一体化されてもよい。コントローラは、磁場源素子の1つずつに起因する測定された磁場強度を識別するために、受信された信号を逆多重化する適切なエレクトロニクスを備える。システムを同期させるため、特に、時分割多重化の場合、共通のクロックが発生源エレクトロニクスと受信機エレクトロニクスのために使用され得る。発生源、受信機、多重化/逆多重化、および、エレクトロニクスシステムのその他の構成は明らかであろう。たとえば、適切な磁場システムのさらなる実施形態および改良点は、参照によって本書中に組み込まれている米国特許第4,613,866号、同第4,737,794号、同第4,742,356号および同第5,307,072号に見出される。
【0039】
代替の実施形態では、磁場源素子1285A−Cはハンドピースの外側にある1つ以上の基準点に置かれ、磁場センサ素子1284A−Cはハンドピースに取り付けられている。ハンドピースから放射された(複数の)治療ビームの場所および方向は、基準座標系に関して、放射時に測定される。顔の上での治療では、ハンドピース1200は磁気源1281を含むことができ、患者の耳の内部に置かれた小型イヤバッドは磁気位置センサ1280を含むことができる。精度を高め、イヤバッドが外れたか、または、動いたことを決定するために、(図示されていない)第2の磁気位置センサが、たとえば、患者の反対側の耳に使用されることがある。冗長なセンサの間に矛盾が存在するならば、システムは、たとえば、警報音を使用して医師に警告する。
【0040】
磁気源1281および磁気位置センサ1280のうちのどれが(複数の)基準点に置かれるか、および、ハンドピース1200に置かれるかについての選択は、電磁干渉の発生源と、金属板のような電磁場の歪みの対象とに基づいて選ばれ得る。上記の例の場合、たとえば、図2において軸221の周りにスキャナホイール220を回転させるため使用され、かなりの磁場を発生させる走査モーター素子が存在することがわかる。走査モーター素子が測定システムに与える影響は、ハンドピースにセンサの代わりに発生源を置くことによって低減される。代替的な構成では、たとえば、ハンドピースに電磁素子が存在せず、この場合にセンサがハンドピースに適切に置かれ、発生源が基準点に位置している。その上、システムは、磁場を歪める固定素子を少なくとも部分的に補償するために経験的に校正可能である。
【0041】
図12に記載されているような磁場システムの一実施形態では、(バーモント州コルチェスターのPolhemusから入手可能である)Polhemus Patriotデジタルトラッカーシステムが基準点と相対的にハンドピースの位置を測定するために使用される。このシステムを使用して作成された測定値の例は、顔の半分についての3Dデータセットの2D投影1301を表す図13に示されている。
【0042】
本発明の一実施形態では、1個以上の測定されたハンドピース位置パラメータは、ハンドピース位置、または、ハンドピース角度(角度方向)、または、ハンドピース速度、ハンドピース加速度、ハンドピース角速度、および、ハンドピース角加速度を含めてこれらの2個のパラメータの時間変動を含む。ハンドピース位置パラメータは絶対的であってもよく、治療部位に対し相対的でもよい。
【0043】
装置の有用性を高め、ハンドピースが交換され、高価なコンポーネントを共有できるようにするために、ハンドピースは、電磁源110、コントローラ115、および、スキャナ制御部125のうちの1つ以上から取り外し可能である。ハンドピースの重量を軽減するため、これらのコンポーネントはハンドピースの外側に位置してもよい。代替的には、装置の携帯性を高めるため、これらのコンポーネントをハンドピースの内側に含めることも可能である。
【0044】
走査デリバリーユニットは、他のコンポーネントが収容されている場所とは無関係に、電磁エネルギー130を受けとり、電磁エネルギー130を皮膚150へ送達するように構成されている。たとえば、電子源110はレーザでもよい。電磁放射線は、ハンドピースへの送達のために光ファイバ、光導波管、または、関節アームの中に結合されている。ハンドピースは、ファイバカップリングまたはファイバコリメータを使用することによって光エネルギーを受け入れることが可能である。同様に、センサ160および180がコントローラ115へ動作可能に結合されるべきであり、かつ、ハンドピースの内側に位置していなくても構わないことは当業者に明らかであろう。
【0045】
コントローラ115およびスキャナ制御部125は、図1におけるように別個のコンポーネントでもよく、または、図2Aに示されているように単一のコントローラとして組み合わされてもよい。
【0046】
図2Aの実施形態では、レーザ源210は電磁源として使用される。本実施形態では、手動可動式ハンドピース200は、電磁エネルギーの光ビーム230を皮膚250の治療部位へ送達するように構成されている。ハンドピース200は、コンピュータおよび/またはレーザドライバエレクトロニクスを備えるコントローラ215を収容する。コントローラ215は、治療が実質的に影響されるように1個以上のパラメータに影響を与えるように、光源210および走査デリバリーユニット220を制御する。光源210は、付加的な走査デリバリーユニット220へ向けられる光ビーム230を発生させる。走査デリバリーユニット220は、詳しく後述されているように皮膚250の上または内部の様々な治療ゾーンにレーザビーム230を偏向させる。明瞭化のために、1個のビーム位置だけが図2Aに示されている。特有の実施形態において、レーザビーム230の波長で実質的に透過的であるダイクロイックミラー232および接触板239が含まれているならば、有利である。偏向レーザビーム230は、ダイクロイックミラー232および接触板239を介して皮膚250へ送達させられる。ビームデリバリーレンズ231は、表皮251、真皮252、または、皮膚250のその他の層内に偏向ビーム230を集光するために使用され得る。光ビーム230の焦点は皮膚表面より下でもよく、または、ビームは皮膚250に入るときに発散し、もしくは、コリメートされてもよい。投与量評価センサ260はハンドピース200に機械的に結合され、治療に対する皮膚反応を測定する。
【0047】
図2の実施形態では、位置センサ280は皮膚250の表面に対するハンドピースの相対位置を測定する。代替の実施形態では、位置センサ280は皮膚250の表面に対するハンドピースの相対位置、速度、および/または、加速度を測定する。照明源282は、皮膚250の表面への送達のため照明デリバリーレンズ284によってコリメートされる照明光283を放出する。照明光283のコリメート化は、アライメント公差を増加させ、皮膚表面上の照明の均一性を改善し、照明源282が治療部位からおそらく皮膚250の表面に照明光283の均一なプロファイルを生成するそれ以外の場合よりさらに離されて配置されることを可能にさせる。照明光283は、皮膚250の表面から、または、皮膚250の中または上に置かれているコントラスト強調剤290から散乱させられる。ダイクロイックミラー232および反射プリズム287のスペクトル反射率は散乱照明285の波長に実質的に影響を与えるように設計されている。検出器レンズ286は、光位置センサ280上に皮膚250の表面を映像化するため、皮膚から位置センサ280までの光路に置かれる。光位置センサ280の例としては、光マウスチップ(カリフォルニア州パルアルトのAgilent Technologies)、CCDカメラ、または少なくとも2つのセンサ素子を有する光センサアレイが挙げられる。好ましくは、光センサアレイは、速度分解能の範囲の正確な定量化が容易になる十分な分解能を保有するために5×5形アレイに配置されている少なくとも25個のセンサ素子を有する。好ましくは、この光位置センサは、電子産業のために開発された大量生産プロセスおよび安価な材料資源を使用して低価格で製造され得るように、シリコンベースである。その他の構成は当業者に明らかであろう。
【0048】
図2Aでは、ハンドピース運動の方向201(図示せず)は基本的に紙面に垂直である。図2Bはハンドピースの側面図で、ハンドピース200の運動の方向201を表している。簡単にするため、ハンドピース200の内部要素は図2Bに示されていない。ハンドピース200は、方向201に操作者によって手動で動かされるが、位置センサ280は、ハンドピースの1個以上の位置パラメータを測定し、投与量評価センサ260は治療に対する1つ以上の皮膚反応を測定する。位置センサ280および投与量評価センサ260はコントローラ215と通信する。測定量に応じて、コントローラ215は光熱治療に実質的に影響を与えるためにリアルタイムで光学的治療パラメータを調節する。たとえば、レーザ発射のレートは、所定の治療パターンまたは均一な治療を施すためにハンドピース200の速度に比例するように調節され得る。
【0049】
投与量評価センサ260の一例は図2A、2Bおよび2Cに示されているような容量センサである。容量センサ260は、治療に起因する皮膚の選択された層の乾燥のレベルを測定することができる。容量センサ260からの測定量は、コントローラ215を使用して、治療のための適切な投与量パラメータを計算し、治療パラメータの調節を行うために使用される。容量センサ260は皮膚の部位が膨れているかどうかを評価するためにも使用される。真皮と表皮との間の接合部を映像化することにより、容量センサは、真皮と表皮の分離が起こったかどうかを判定可能である。他の実施形態では、皮膚抵抗率を測定または映像化するセンサは、水膨れおよび皮膚含水量を評価するために投与量評価センサ260として使用される。指紋測定のため一般的に使用されている容量センサアレイは容量センサ260として使用されるセンサの一例である。
【0050】
図2Cは、ハンドピース200が方向201へ治療部位257を横切って動かされるときにこの技法を用いて作成され得る分離した微細治療ゾーン256を含む治療パターンを表している。本実施形態では、参照によって本書中に組み込まれている同時係属中の米国出願第10/367,582号、同第10/751,041号、同第10/888,356号および同第60/652,891号に記載されているように、分離した微細治療ゾーン256A、256Bおよび256Cは皮膚内に作成される。好ましくは、治療ゾーン256は、ハンドピース100の相対速度または相対加速度に関して変化しない所定のパターンで作成されている。他のパターンも当業者に明らかであろう。実質的に均一な治療範囲は、光学系、治療パラメータ、および、レーザパルスタイミングを適切に選択することによって作成される。さらに、容量センサ260はコントローラ215にフィードバックを行うことで、治療パラメータが微細治療ゾーン256の密度を低下させ、または、過剰な治療に応じて治療電力を低下させるために調節される。
【0051】
代替の実施形態では、パターンは、治療レートがハンドピースの速度または加速度の変化に応じてリアルタイムで変えられ、治療パターンが予め定められていない所定のアルゴリズムに従って意図的に変えられることがある。たとえば、治療パターンは、ハンドピースの位置、速度または加速度を適切に調節することによってユーザによりリアルタイムで制御される。一部の治療では、操作者が速度を使用することによって治療のレベルを制御できることが望ましい。たとえば、ユーザが素早く治療するならば、システムは、投与量評価センサ260によって測定される治療反応がより高いレベルであることを許容するように構成される。ユーザがゆっくり治療するならば、最大許容可能治療反応は低減されてもよい。したがって、ユーザは、ハンドピースの位置パラメータを変えることによって簡単に治療設定条件を制御できる。よって、治療パターン、治療密度、治療強度、および、その他の治療パラメータは予め定められないことがあるが、測定された位置パラメータ、測定された治療反応、または、測定された位置パラメータと測定された治療反応の両方への自動応答によって定められても構わない。電子的またはコンピュータインターフェイス(図示せず)はユーザ制御機器の様々なモードのオンまたはオフを切り替えることを可能にするために設けられることがある。
【0052】
別の実施形態では、治療状態マップがユーザまたは患者が観察するためにモニター(図示せず)に表示される。位置センサ280は、投与量評価センサ260によって測定された組織反応の治療部位内での場所を測定するために使用される。このようにして、マップは、治療部位のうちで治療された部分、および、治療に対する治療部位の各部分の反応の仕方を表示できる。ユーザは、治療部位全体で治療を均一に行うために、または、皺の少ないエリアより皺の深いエリアを濃密に治療するように、治療を望ましい方法で変化させるために、このマップ上の情報を利用することができる。代替的に、システムは、ユーザが治療部位上でハンドピースを動かし続けているときに、既に適切に治療されている部位における治療を自動的に軽減するか、または、禁止するように構成される。顔の上の皺の治療のための顔の線画のような治療部位の像、または、概略的な表現が、治療反応測定量のマップのコンピュータ表示のための背景として使用される。
【0053】
マップを作成するための位置センサ280および/または投与量センサ260の使用は、特に、最小次元において1mm未満である小さいビームサイズと共に効果的に使用される。このようなマップを使用すると、治療は、治療がエリアを網羅したかどうかに基づいてオンとオフを切り替えられる。1mm未満のビームサイズを使用する利点は、治療後に視覚的に見える治療のビームサイズの粒度がこのような小さなビームサイズの場合にはあまり目立たないことである。したがって、位置センサ280または密度センサ260の使用は、フラクショナル治療、および/または、1mm未満の小さいビームサイズによる治療に特に適している。
【0054】
コントローラ215、光源210、および、その他のコンポーネントは、図2Aに示されているようにハンドピースの内側に含まれるのではなく、ハンドピース200の外部にあってもよい。光ビーム230は、自由空間を介して、関節アームを介して、または、光ファイバのような導波管を介して、ハンドピースへ伝播可能である。ハンドピース200は、外部コンポーネントから機械的に分離可能であるか、もしくは、機械的に分離していてもよく、または、ハンドピース200は、光ビーム230、および/または、コントローラ215からの信号を受信するように構成されることがある。
【0055】
好ましい実施形態では、電磁源210は、ピーク出力電力が5−50Wの範囲にあり、波長が1.52−1.62μmの範囲にあるシングルモードパルス状エルビウムドープファイバレーザである。このレーザ源は、皮膚の表面上で30−600μm、好ましくは、60−300μmの範囲の光スポットサイズに集光される。2−100mJの範囲、好ましくは、8−20mJの範囲に入るパルスエネルギーは、これらの範囲の光スポットサイズ、波長および電力のために使用される。この好ましい実施形態は、表面皮膚冷却を含まないが、このような冷却は、表皮および真皮・表皮接合部への損傷を削減するために必要に応じて組み込まれる。
【0056】
本実施形態で使用される走査デリバリーユニット220は、参照によって本書中に組み込まれている、米国出願第60/652,891号および対応している米国出願第11/158,907号に詳述されているように、軸221の周りで少なくとも360°回転するスキャナホイールである。その他のスキャナタイプは当業者に明らかであろう。たとえば、ガルバノメータースキャナ、参照によって本書中に同様に組み込まれている同時係属中の米国出願第10/750,790号に記載されているような準固定偏向(PSD)スキャナ、ポリゴンスキャナ、光バルブ、LCDスクリーン、MEMSに基づく反射型スキャナ、および、平行移動ステージが、光エネルギーの送達のために走査デリバリーユニットに使用される。複数の走査デリバリーユニットが複数の偏向軸を制御するためにこのようなシステムにおいて使用される。たとえば、2台のガルバノメータースキャナが皮膚250の表面上のエリアを網羅するように、2方向でレーザビームを走査するために直列で使用される。代替として、単一の走査ユニットは、米国出願第60/652,891号および同第11/158,907号に詳述されているように、2方向にビーム偏向を生じさせることが可能である。
【0057】
走査デリバリーユニット220の動作パラメータを制御するために使用される1つのアルゴリズムは、二重または単一のホイールPSDスキャナの回転速度、および、ハンドピースの速度に比例したレーザ発射レートを調節することである。これは、フラクショナルリサーフェシングの微細治療ゾーンが皮膚上の所定のパターン内に配置されることを可能にさせる。
【0058】
治療を制御する別のアルゴリズムは、治療ゾーンの所定の密度を作成するためにハンドピースの相対速度にほぼ比例したレーザの発射を調節することである。治療ゾーンを重ね合わせるか、または、隣接させることによる治療部位の全域に亘る治療ゾーンの均一な分布もまた実現される。たとえば、図2Aに示されているスキャナ220は、ハンドピース200が皮膚250の表面全体を移動しているときに一定角速度で回転するように制御されるならば、レーザ発射は、レーザが所望の治療の分布または密度を作るスキャナの特殊なファセットと揃えられたときに限りレーザを発射することにより、治療部位内に所望の治療ゾーンの密度を作るためにパルス状にすることが可能である。全てのファセットが使用されなくても構わない。特殊な速度に対し、あらゆるファセットが使用される。速度がこの特殊な速度から3の倍率で低減されるならば、3つごとに1つのファセットだけが同じ密度を保つために使用される。好ましくは、このアルゴリズムは、治療部位内に治療ゾーンの均一な分布を維持する。走査ホイール220を一定角速度で回転させることは、この構成は、走査ホイール220の角速度を正確に制御するために用いられる、駆動エレクトロニクスに関連付けられたモータ、および、エンコーダの複雑さを軽減するので、走査ホイール220の角速度がハンドピース200の速度に比例することを要求することが望ましい。
【0059】
別の実施形態では、スキャナホイール220は治療部位の全体に横切って光ビーム230を引っ張る速度で動かされる。このホイール速度は、ハンドピースの運動を補償したであろう方向と反対向きでもよい。皮膚250の表面を横切る光ビーム230のこの意図的な引っ張りは、可変速度スキャナシステムと固定速度スキャナシステムのどちらを用いても作り出される。固定速度システムを使うと、たとえば、レーザビームのパルス間隔は、光ビームが各パルスとほぼ同じ距離によって皮膚を横切って引っ張られるように、ハンドピース200の速度に応じて調節される。スキャナホイール220の角速度を変えるか、または、光ビーム230のパルス間隔を変えることにより、パルス毎に光学的治療が行われる距離が変化させられる。光ビームの制御された引っ張りは、たとえば、光学的治療が行われる距離を増加させることにより各微細治療ゾーンをより大きくすることによって、フラクショナルリサーフェシング治療の充填率を増加させるために使用される。ハンドピース200の速度が低下させられるとき、このアルゴリズムによって規定された増加したパルス間隔は、投与量評価センサ260によって測定されるような治療反応の低下を引き起こすことがある。したがって、組織反応を同じに保つためにパルスエネルギーを増加させることが望ましい。
【0060】
接触板239は、光ビーム230の焦点深度と相対的に皮膚を正確かつ再現可能に位置決めするために使用される滑らかな表面を作ることにより、治療ビームの皮膚表面からの光学的散乱を効果的に低減する。接触板239は、サーマルヒートスプレッドとしての機能を果たすことが可能であり、または、冷却源(図示せず)に接続されているときには、皮膚を能動的に冷却するために表面から離れた所へ熱を伝導させることが可能である。接触板239およびダイクロイックミラー232は、サファイア、溶融石英、ホウケイ酸ガラス、透明プラスチック、または、その他の透明材料を含むことがある。接触板239、ダイクロイックミラー232、および、その他の光学的コンポーネントは、皮膚へのエネルギー送達の効率を向上させるため、または、照明源282からの照明光283の反射または透過を高めるため、1つ以上の側面にオプティカルコーティングが塗布される。
【0061】
ある実施形態では、接触板239は望ましくない場合があり、かつ、省かれることがある。たとえば、アブレーティブレーザ治療では、治療のアブレーション反応を高めるために、皮膚の表面は機械的に自由にされていることが望ましいことがある。
【0062】
ハンドピース200の位置パラメータを読み取るため光位置センサ280の能力を高めるために、コントラスト強調剤290が皮膚250上または皮膚中に塗布される。たとえば、皮膚250の表面への色素の均一な塗布は、位置センサ280によって対象物として検出される形状を作り出すために、皮膚の皺または毛包のようなある種の容貌を優先的に化粧することが可能である。コントラスト強調剤290は、位置センサ280による測定量を適切に強調するのに適した量が患者の皮膚上または皮膚中に塗布されるときに無毒性でなければならない。好ましくは、コントラスト強調剤と、ハンドピース200および接触窓239用に材料および幾何学的性質を選択することにより、ハンドピース200が皮膚250の表面上で容易に滑ることが可能となる。
【0063】
コントラスト強調剤290の例は、炭素粒子、墨汁、および、FD&C 青色1号である。多数のその他の色素、インク、粒子などが、皮膚に塗布され、適切な位置センサ280と共に使用されるときに、コントラスト強調剤として使用される。波長照明源282は、ハンドピース200の位置パラメータの測定量の信号対雑音比を最大化するように選択される。たとえば、600から640nmの範囲のピーク波長を伴う赤色LEDは、FD&C 青色1号と共に使用される。
【0064】
多くの事例において、コントラスト強調剤は、治療エネルギー、または、光学的治療エネルギーの場合には治療波長の吸収が少ない。かくして、コントラスト強調剤は、治療部位における治療エネルギーの堆積と干渉しない。一部の事例では、コントラスト強調剤は、測定可能または観察可能なパラメータが治療エネルギーに反応して変化するように選択される。コントラスト強調剤の変化は、治療が行われたかどうかを判定するために使用可能であり、一様または均一ではないエリアで治療が修正されることを可能にさせる。
【0065】
耳障りなまたは不快なスクラビングを行わずに除去されるコントラスト強調剤290を選ぶことが望ましい。代替的に、除去促進物質(図示せず)が、色素がより容易に除去され得るように、コントラスト強調剤290の塗布前に塗布されることがある。ジメチコーン、尿素、および、アルギニンは、除去促進物質の例である。これらの物質は、コントラスト強調剤290のその後の除去を促進するために、コントラスト強調剤290の前に塗布されることがある。これらの物質は、水、アルコール、または、油のような通例の溶媒を使用して塗布される。除去促進物質の濃度は、たとえば、0.001Mから0.1Mの範囲で使用される。
【0066】
典型的な室内光および/または太陽光で照明されるときにはっきりと目に見えないコントラスト強調剤290を選ぶことが望ましい。コントラスト強調剤290は、300−400nmから700−1100nmまでの照明波長を使用するときに検出器280の応答が有利にかつ実質的に強調されるようにコントラスト強調剤290が塗布されているとき、400−650nmの光で照明されているときにコントラスト強調剤が肉眼で裸の皮膚上で容易に見えない場合、かつ、この場合に限り、「低可視性」と言われる。低可視性コントラスト強調剤290の使用が望ましい理由は、コントラスト強調剤290の全部が治療部位から除去されているとは限らない場合でさえ、コントラスト強調剤290は治療後に可視性が低下するからである。
【0067】
多くの蛍光インク、色素、および、微粒子は、低可視性コントラスト強調剤290の例である。蛍光剤が望ましい理由は、照明光の波長は、ダイクロイックミラー232またはその他の光学コンポーネントもしくはコーティングによってフィルタ処理可能であり、一方、蛍光発光波長のスループットは位置センサ290の信号対雑音比を高めるために最大化されるからである。ポリマー(PMMA)カプセル化蛍光色素は、NewWest Technologies(カリフォルニア州サンタローザ)によって商業的に製造されている。その他の蛍光材料には、コラーゲン、エラスチン、FD&DC 橙色5号、フラビンアデニンジヌクレオチド、葉酸、ニコチン酸、ニコチンアミド、還元ニコチンアミドアデニン次ヌクレオチド(NADH)、ポルフィレン、ピラニン(FD&C 緑色7号)、ピリドシンハイドロクロライド、硫酸キニーネ、リボフラビン、リボフラビンフォスフェート、トリプトファン、ウラニン(フルオレセイン)、または、これらの組み合わせが含まれる。これらの物質の吸収スペクトルおよび発光スペクトルは技術的に広く公表されている。技術的に広く知られているその他の蛍光材料もまたコントラスト強調剤290、たとえば、Carbazine、Coumarin、Stilbene 3、Kiton Redとして使用される。
【0068】
ピラミンの蛍光発光の強度はpHに伴って変化する。したがって、ピラミンは障壁関数の変化を評価し、角質層の破壊または皮膚の断裂が治療中に起こっているならば、ユーザに警告するか、または、治療を自動的に停止するか、または、治療強度を低下させる。したがって、コントラスト強調剤290は、投与量評価センサ260の信号対雑音比を改善するためにも使用される。
【0069】
インドシアニングリーン(ICG)はコントラスト強調剤290の一例である。大部分のコントラスト強調剤165は、塗布を容易にするため、または、より安価に使用するため、水または他の溶媒で希釈され得る。ICGのピーク波長は、溶媒と、ICGの濃度とに依存して変化する。たとえば、水中で、ICGは、高濃度(たとえば、129−1290μM)の場合におよそ700nmにIR吸収ピークを有し、低濃度(たとえば、6.5−65μM)の場合におよそ780nmにIR吸収ピークを有する。血漿中のICGに関して、広範囲の濃度(6.5−1290μM)に亘っておよそ790−810nmの範囲に吸収ピークがある。一般に、ICGは、典型的に、殆どの溶媒に対して650−850nmの範囲に吸収ピークを有する。ICGは、UV範囲にも吸収ピークを有する。ICGは400から650nmの範囲に強い吸収ピークを保持せず、裸眼で見ることを困難にする。したがって、ICGは、人間の目に対する可視性が低いが、しかし、適切に照明されているときにシリコンベースの光検出器で容易に見分けられるコントラスト強調剤の例である。非蛍光コントラスト強調剤では、照明光の波長(または波長範囲)は、コントラスト剤のピーク吸収が、皮膚のピーク吸収より、少なくとも3倍、好ましくは、少なくとも10倍だけ強くなるか、または、弱くなる範囲に入るように選ぶことが可能である。選択された波長(または波長範囲)に入るコントラスト剤のピーク吸収を、400−650nmの波長範囲内のピーク吸収より、少なくとも3倍、好ましくは、少なくとも10倍だけ強くするか、または、弱くすることがさらに望ましい。
【0070】
コントラスト強調剤はパターンで塗布されてもよい。パターンは、図3Aに示されているように、治療部位357内に同一図形391の一様格子を含むことがある。パターンは、図3Bに示されているように、治療部位357内に同一図形392の非一様パターンを含むことがある。パターンは、図3Cに示されているように、治療部位357内に複数の様々な図形393の非一様パターンを含むことがある。コントラスト強調剤は、スタンプ、ローラー、スプレイ、ステンシルを使用して、または、強調剤を含浸させたガーゼパッドを用いて塗布することが可能である。
【0071】
コントラスト強調剤のパターンは、一時的な入れ墨に使用されるような接着剤を使用して皮膚に付着させることもある。一時的な入れ墨と同様に、パターンは、コントラスト強調剤を皮膚に付着する接着剤の上に印刷することによって、または、コントラスト強調剤を皮膚に付着する接着剤の中に埋め込むことによって作成される。接着剤は、接着剤の中または上に含まれる多くのコントラスト強調剤より容易に除去できるという利点がある。FD&C 青色1号(さらに、カリフォルニア州パルアルトのReliant Technologiesによってオプティガイドブルーとしてパッケージ化されている)のようなFDA承認カラーのレーキは、ポリマーベースの入れ墨接着剤に埋め込まれ、皮膚に塗布される。治療に続いて、これらの接着剤ベースのパターンはアルコールと光のスクラビングを用いて除去される。接着剤は皮膚とコントラスト強調剤との間に障壁を設けるように設計されるので、接着剤の使用することにより、皮膚に有毒であったであろう照射においてコントラスト強調剤を使用することも可能となる。
【0072】
代替的には、コントラスト強調剤は、パターニングを用いることなく、糖質ベースの溶剤またはジェルベースの溶媒中に懸濁させることがある。これらの溶媒は、治療エリアの外側に垂れないように粘性にすることが望ましい。
【0073】
コントラスト強調剤で図形のパターンを塗布する代わりに、レーザ治療ゾーンが、位置センサ280の応答を高めるために使用される図形のパターンを形成することがある。たとえば、COレーザは、非剥離エリアの内側に散在された剥離エリアのパターンを作成するために、皮膚の一部分を剥離することができる。このパターンは、位置センサ280として機能する光学マウスチップの信号対雑音比を高める可視的な形状を与えるためにLEDで照明される。
【0074】
位置センサ280の他の実施形態は図4−7に示されている。投与量評価センサ260の他の実施形態は図8−11に示されている。これらのセンサのうちの1台以上を使用することで、組織治療レベルを最適化するために様々な測定を行うことができる。治療密度および治療レベルは、電磁源210および走査デリバリーユニット220の治療パラメータを適切に調節するコントローラ215によって、一定に保たれるか、または、規定された範囲内に維持される。
【0075】
図4−11に示されている位置センサおよび投与量評価センサは、図1および2に示されている実施形態に付加されてもよく、または、代わりに用いられてもよい。当業者に明らかであるように、これらのシステムの多くは、投与量評価センサによって検知される部位が位置センサによって測定される部位および治療されている部位と一致するように、容易に設計され得る。2台のセンサを一致させることが望ましくない状況、または、これらの2種類のセンサが干渉する状況では、投与量評価センサは、位置センサに対してx方向、y方向またはz方向へ移動されることがある。
【0076】
図2に示されている実施形態は、治療部位への光エネルギーの送達を表しているが、接触板239を、RF発生器を備えるコントローラ215の制御下でRFエネルギーを所望の治療部位へ送達するように構成されている接触板、接触電極、または、針電極で置き換えることにより、光エネルギーの代わりに、モノポーラまたはバイポーラ無線周波(RF)エネルギーが、同様に使用される。
【0077】
図4は発明の実施形態を示している。本実施形態では、位置センサは、ハンドピース400に機械的に結合されている1組以上の加速度計480および481として実施されている。加速度計480および481の組は、ハンドピース400の内側に取り付けられても、外側に取り付けられてもよい。3台の加速度計480A、480Bおよび480Cの組が、3つの座標平面の1つずつにおける速度の変化を測定するために使用される。1組以上の加速度計480および481は、電磁源410の動作パラメータを制御するコントローラ415と通信可能である。電磁源410は電磁エネルギー430を放射し、接触板439を介して皮膚450へ送達する。図4に示されている構成は、図1および2に示されているように走査デリバリーユニット(図示せず)を含むこともできる。
【0078】
図4に示されているように、1対の加速度計が3つの回転方向のそれぞれにおいて角加速度を測定するために使用される。たとえば、加速度計480Aおよび481Aはz軸と平行な回転軸周りの角加速度を測定し、加速度計480Bおよび481Bはx軸と平行な回転軸周りの加速度を測定し、加速度計480Cおよび481Cはy軸と平行な回転軸周りの角加速度を測定する。加速度計480Bおよび481Bは、z軸方向へ互いにずらされ、図4においては重なり合っているように描かれている。代替的には、ジャイロスコープがハンドピースの角速度を測定するために使用される。MEMSベースの加速度計およびジャイロスコープは複数の供給業者(たとえば、ニューヨーク州イサカのKionix, Inc.)によって販売されている。
【0079】
加速度または角加速度の測定は、速度および位置、または、角速度および角位置の測定量を生成するために時間的に一体化される可能性がある。多くの構成において、初期校正および定期的な再校正が基準速度、角速度、位置、および/または、角位置をリセットするために必要とされることがある。
【0080】
加速度計は、皮膚450の治療部位に対して、ハンドピース400の相対位置パラメータではなく、ハンドピース400の絶対位置パラメータを測定する。相対位置パラメータが望ましいならば、加速度計は、治療部位が固定化されているとき、または、治療部位の絶対運動が小さいときに使用され得る。代替的には、皮膚450の治療部位の絶対運動およびハンドピース400の絶対運動の両方が測定され、ハンドピース400と皮膚450の治療部位との間の相対運動が計算される。
【0081】
システムにフィードバックを与え、ハンドピースの相対角が治療部位の表面から垂直な表面と相対的なある角度範囲内に入らない限り、レーザを使用禁止にするために、角位置の相対測定量は使用される。これは、たとえば、治療部位上で冷却スプレイおよび治療レーザビームを適切に合わせるために役立つ。角位置の絶対測定量は、ハンドピース400が上下逆に回転させられるならば、漏出する液体充填空洞のような重力に敏感なコンポーネントを有する場合に役立つ。位置の相対測定量は、電磁源410をパルス状にする場所の間の距離を測定するために使用される。
【0082】
速度、加速度、角速度および角加速度の絶対測定量または相対測定量は、所望の治療エリアの外側に望ましくない治療を招くかもしれないハンドピースの落下の有無、または、制御できない方法によるハンドピースの突然の滑りの有無、を評価するために役立つ。相対位置パラメータ測定量と絶対位置パラメータ測定量の組み合わせは、患者の動きを測定するために使用される。たとえば、患者が突然に動くならば、相対加速度測定量と絶対加速度測定量との間の差が顕著である可能性がある。本段落に記載されている状況のいずれであっても、コントローラ415は、ユーザによって望まれないエリアでの治療を防止するために電磁源410を一時的に使用禁止状態にする。
【0083】
図5は本発明の別の実施形態を示している。本実施形態では、位置センサは、単方向または双方向無線通信の何れかを実施する少なくとも2対の発信機および受信機を備える。発信機580A−Cは、ハンドピース500に機械的に結合されている1台以上の受信機581A−Bへ信号を伝送するために設置されている。受信機からの信号はコントローラ515によって受信され、コントローラは、各対の発信機と受信機との間の距離を計算するために飛行時間測定量または位相測定量を使用する。これらの距離は、コントローラ515によって行うことが可能であるハンドピースの選択された位置パラメータの計算に使用される。コントローラ515は、図1に示されているように、電磁源110、スキャナ制御部125、または、走査デリバリーユニット120のようなハンドピースの他のコンポーネントに動作可能に接続されていることがある。これらのコンポーネントは、ハンドピース500の内側に置かれても、外側に置かれてもよく、簡単のために図示されていない。
【0084】
発信機および受信機の台数および場所は、測定され得る位置パラメータを決定する。3次元でハンドピースの位置を測定するために、3台の発信機および1台の受信機が使用される。最大で3次元までのハンドピースの位置を測定し、さらに、最大で3つの独立した角度方向で角位置を測定するために、第2の受信機が使用されることがある。3次元の全てと3つのハンドピース角度の全てを測定するために、3台の発信機および3台の受信機が好ましくは冗長性を保持するために使用される。簡単な装置は2台の発信機および1台の受信機を備える。この装置は、所定の表面に沿って2次元でハンドピースの位置パラメータを測定するために1台の発信機と共に使用される。また別の構成では、上記と同様の測定を行うために、2台の受信機が1台の発信機と共に使用される。これらの発信機および受信機の特殊な幾何学的関係および位置は当業者によって一般化され得る。
【0085】
後述されている例では簡単のために、ハンドピースの測定された位置パラメータが治療部位と相対的であり、絶対測定量ではないように、受信機はハンドピースに置かれ、発信機は治療部位557の内側に置かれるか、または、治療部位557に機械的に連結されている。絶対測定量が望まれるならば、他の構成も使用される。光ベースの通信システムまたは他の電磁通信システムが、これらのタイプのシステムのために同様に使用される。
【0086】
一実施形態では、3台の無線周波発信機が、好ましくは、使用の簡単化と低コストのために布またはラテックスで作られたキャップに取り付けられている。たとえば、発信機はこの目的のためにEEGキャップに取り付けられる。このタイプのキャップは、発信機が治療部位に機械的に結合されているので、たとえば、額または顔の眼窩エリアの皺を治療しているときに、ハンドピースを測位するために役立つ。このタイプのキャップは、図1を参照した説明に記載されたコイル測定システムと共に使用することも可能である。一部の実施形態では、携帯電話機またはGPS追跡システムにおいて一般的に使用されている受信機に類似した単一チップ受信機がキャップに取り付けられている。代替的には、センサまたは受信機は、接着剤を使用して、治療エリア、または、歯、鼻、顎などの身体の他のエリアに直接的に取り付けられる。センサが治療の度に同じ場所に、たとえば、同じ歯に、正確に設置されるならば、オーバーレイマップが治療毎に連続的に治療された部位を図解するために作成される。
【0087】
加速度計、磁気、ジャイロスコープ、および、発信機・受信機ベースの測定システムの1つの利点は、非接触モードで簡単に使用でき、治療中の皮膚運動の可能性を削減し、皮膚表面に入射するビームサイズを手動で調節するためにハンドピースが皮膚から様々な距離で保持されることを可能にすることである。
【0088】
複数台の位置センサが、たとえば、各位置センサからの比較的低品質の信号を許容するためにも使用される。たとえば、光学マウスタイプのセンサは、磁気放射器コイル測定システムと共に使用可能である。複数台のセンサの組み合わせは、大きな矛盾がセンサ間で気付かれたときにシステムを停止するためにも使用される。様々なタイプのセンサが使用されるならば、矛盾は、たとえば、皮膚が伸ばされているかどうかに関する付加情報を提供するために使用される。この情報は、ハンドピースが適切に滑動していないときの状況を検出するために使用され、かつ、システムにフィードバックを提供し、局部的な過剰治療および不十分な治療を削減するために使用される。
【0089】
図6は、手動可動式ハンドピース600が光エネルギーを皮膚に送達するように構成されている本発明の別の実施形態を示している。超音波発信機680が接触板639の片側に設置され、超音波受信機682が接触窓の反対側に設置されている。飛行時間測定量または位相測定量が発信機680と受信機682との間の伝播の距離を測定するために記録される。このことは、皮膚650と相対的に方向601に沿ってハンドピース600の速度を測定するために使用される。
【0090】
図7は位置センサおよびハンドピース700の実施形態を示している。超音波発信機780のフェーズドアレイが接触板739の片側に設置され、超音波受信機782が接触窓の同じ側に設置されている。フェーズドアレイ780は、皮膚の表面または皮膚内の1つ以上の形態753から超音波受信機782へ散乱または反射される指向性超音波ビームを放射する。位相シフト、飛行時間、または、ドップラー周波数シフト測定量を使用して、コントローラ(図示せず)は、ハンドピース700が方向701へ移動するときに、ハンドピース700の位置パラメータを測定するために使用される。
【0091】
図6および7に示されている超音波発信機・受信機のペアは、周波数の適切な選択によって図1の投与量評価センサ160の実施形態としても使用され、好ましくは、速度に起因する測定値の変化を除去するために速度センサと併せて使用される。
【0092】
図8は図1の投与量評価センサ160の実施形態を示している。本実施形態では、偏光照明源862が照明レンズ864および光透過接触板839を介して皮膚850を照明するために使用されている。イメージングセンサ860、偏光子867、および、イメージングレンズ866を備える偏光イメージングシステムは、皮膚850の治療部位の複屈折性を映像化するために使用されている。イメージングセンサ860は、その結果、図1に示されているコントローラ115に動作可能に接続される。
【0093】
ある種の光熱治療の間に、皮膚コラーゲンが凝固し、コラーゲンの光複屈折性の損失を引き起こす。この複屈折性の変化はイメージングセンサ860によって測定され、たとえば、治療パルスの間隔を制御するために治療パルスの終点として使用される。
【0094】
偏光子867は、アライメントをより容易に、もしくは、より正確にするため、または、交差偏光像および平行偏光像の比較を可能にするために(自動的または手動的に)調節可能でもよい。
【0095】
図8に示されている実施形態は、好ましくは、治療の前後で皮膚上の2つの特徴間の分離距離を測定することにより、皮膚収縮を測定するために使用されることもある。1台以上のイメージングセンサ860が使用される。収縮は、既知の距離から始まる個々の治療ゾーン間の分離距離を測定することにより、1回の測定を使用して測定することも可能である。たとえば、アブレーティブCOレーザは、15mmの設定距離で2個のマークを配置可能であり、その後に、これらのマーク間の分離が皮膚収縮を判定するために測定される。偏光子867はこれらの測定のために必要とされないことがあり、照明源862は非偏光でもよい。
【0096】
図8に示されている投与量評価センサの別の実施では、照明光は、光照射量評価センサの信号レベルを高めるために使用される。白色光照明が使用される。代替的には、異なる色の照明源を伴う逐次照明が、組織成分の治療レベルをスペクトル的に判定するためにデジタル処理される画像を捕捉するために使用される。たとえば、メラニンおよび血液の吸収が異なる660nmの赤色LEDおよび555nmの緑色LEDからの照明が捕捉のために使用される。このことは、色素性損傷の治療光反応と血管の治療光反応とを区別するために役立つ。偏光子867はこれらの測定のため必要とされないことがあり、照明源862は非偏光でもよい。
【0097】
図9は、単一のセンサから入手できるより多くの情報を提供するために複数台の投与量評価センサ960および961を使用する本発明の実施形態を示している。たとえば、一方の投与量評価センサ961は治療前に投与量を測定し、第2の投与量評価センサ960は治療後に治療反応を測定可能である。本実施形態では、2台の投与量評価センサ960および961は、電磁源910の治療パラメータを制御するコントローラ915に動作可能に接続されている。電磁源910は電磁エネルギー930を発生し、ハンドピースが方向901へ動くときに、電磁エネルギー930は接触板939を介して皮膚950の治療部位へ送達される。
【0098】
治療前に投与量評価センサ961を使用し、治療後に別の投与量評価センサ960を使用することにより、コントローラ915が特定の治療設定条件に対して適用された治療の量を計算することが可能となる。コントローラ915は、このとき、電磁源910のパラメータを調節するために必要に応じて調節を行うことが可能である。この投与量フィードバックループにより治療パラメータのリアルタイム調節が可能となる。
【0099】
投与量フィードバックループの例は、第1の容量性投与量評価センサ961および第2の容量性投与量評価センサ960を使用する。各容量性投与量評価センサは、ノンアブレーティブフラクショナルリサーフェシング治療法で治療された皮膚の割合を測定する。第1および第2の容量性投与量評価センサ961、960は、第1の容量性投与量評価センサ961がハンドピースの電流通過の前に治療されていた皮膚の割合を測定し、第2の容量性投与量評価センサ960が治療部位上でのハンドピースの電流通過後に治療されていた皮膚の割合を測定するように、治療窓の前と後に設置されている。2台のセンサ960、961の測定量の間の差は、治療領域上でのハンドピースの電流通過中に治療された皮膚の割合を記述している。電流通過中に治療された皮膚の割合の計算は、たとえば、異常に高い割合が計算されたときにレーザ治療エネルギーを低下させることによって、組織のバルク加熱により施される過剰治療を防ぐために使用される。適切な投与量フィードバックセンサ960、961の他の例は、参照によって本書中に組み込まれている米国出願第10/868,134号に記載されている。
【0100】
図10および11は、投与量評価センサからの測定量に応じて治療パラメータを変化させるコントローラ(図示せず)に動作可能に接続されている投与量評価センサ1060/1160の他の実施形態を示している。好ましい実施形態では、投与量評価センサ1060/1160はハンドピース1000/1100の内側に置かれている。代替的な実施形態では、投与量評価センサ1060/1160はハンドピース1000/1100の内側に置かれていない。図10では、プローブ放射源1062は、好ましくは、0.5から1000nsの間、または、5から100nsの間のパルス幅でプローブビーム1063を発生し、該プローブビームは皮膚1050によって吸収され、圧電材料1065と皮膚1050との間の境界面を通って伝播する応力波を発生する。プローブビーム1063は、プローブビーム1063を皮膚1050の上または中に集光するために、プローブビームデリバリーレンズ1064を通過してもよいことは任意である。応力波は、圧電材料1065に電気的に接続されている電気信号検出器1060によって測定される電気信号を発生させる。
【0101】
発生される応力波の特性は、皮膚の機械的特性および光学的特性に基づいて変化する。プローブ波長は、治療されていない皮膚と治療された皮膚との間で皮膚内の吸収に差が生じるように選択される。代替的には、パルス条件は、治療された皮膚と治療されていない皮膚とに関して機械的反応が異なるように選択される。したがって、作り出された応力波は、プローブ対象の皮膚に接近しているか、到達したか、または、所望の治療レベルを超えたかを判定するために測定される。応力波を使用して調べることができる皮膚の機械的特性の例は、皮膚の弾性、緊張、および、機械的減衰を含む。
【0102】
発生される応力波のシグネチャーは、複数の異なる技術を使用して測定可能である。1つの技術が図10に示され、上述されている。この技術では、ニオブ酸リチウムのような圧電材料から作られた透明接触板1065は、機械的応力波に応答して電気信号を発生する。この電気信号は電気信号検出器1060によって測定される。適切な電気信号検出器1060は技術的に広く記述されている。プローブ放射源1062はQスイッチレーザでも、モードロックレーザでもよい。レーザは、ダイオードレーザ、固体レーザ、Nd:YAGレーザ、ガスレーザなどでもよい。
【0103】
応力波を測定する第2の技術は、図11に示されているように、皮膚の表面に入射したビームからの反射パターンの変化を観察することである。この構成では、プローブ放射源1162は、皮膚1150の表面に沿って伝播する応力波を作り出すために皮膚1150によって吸収されるプローブビーム1163を、好ましくは、0.5から1000nsの間、または、5から100nsの間のパルス幅で発生させる。プローブビーム1163は、プローブビーム1163の集光、または、応力波の伝播の機械的な増強のような光学的目的または機械的目的のために、必要に応じて、任意のプローブビームデリバリーレンズ1164および任意の接触板1165を通過する。コヒーレント照明源1172は、任意のコヒーレント照明レンズ1174を使用して皮膚の表面に集光されるか、または、コリメートされるコヒーレント照明ビーム1173を発生させる。コヒーレント照明ビーム1173は、皮膚1150の表面に作り出された応力波によって皮膚の表面から回折され、回折ビーム1167を発生する。回折ビーム1167は、イメージングレンズ1166を使用して、CCDカメラのようなイメージング検出器1160に映像化される。
【0104】
コンポーネント1162、1163および1164は、図10における類似コンポーネント1062、1063および1064と同様であり、上述されているコンポーネントと同じコンポーネントから作ることができる。
【0105】
任意の接触窓1165は、好ましくは、プローブビーム1163が中を通過する溶融石英またはサファイアのような透明材料で構成されている。
【0106】
プローブビーム1163は皮膚1150によって吸収され、皮膚1150に応力波を生成する。図10に関して上述されているように、応力波の特徴は皮膚の光学的パラメータおよび機械的パラメータに依存している。応力波の周期および減衰のようなある種の特徴は、イメージング検出器1160の表面に映像化されている回折ビーム1167から回折パターンを測定することによって評価され得る。
【0107】
コヒーレント照明源1172は、コヒーレント源、たとえば、HeNeレーザであるべきである。皮膚1150の表面に対するコヒーレント照明ビーム1173の角度、および、皮膚の表面と相対し、かつ、コヒーレント照明ビーム1173と相対するイメージングシステムの角度は、好ましくは、測定信号を最大化するために揃えられる。一旦信号が測定されると、応力波の減衰定数および共振周波数が図10および11によって記述された装置を用いて測定可能である。DCフィルタリングもまた検出された信号の信号対雑音比を高めるために使用される。
【0108】
図10および11に記載された技術によると、好ましくは、第1の反射波だけが測定され、散乱からの後に続く信号は一時的にフィルタ処理される。これは多重に反射された波からの混同を低減する。これは、第1の反射信号だけが使用される光コヒーレンス・トモグラフィーシステムに類似している。装置の特有の幾何学的性質に依存して、この装置は、治療によって変化される皮膚の大部分または局部的な光学的特性および機械的特性を測定するために使用される。
【0109】
本明細書に記載されている例は全てが人の皮膚へのこれらの技術の使用を説明している。本発明は身体の他の組織の治療にも適用可能である。たとえば、爪菌の治療のための足の爪の表面の穿刺、睡眠時無呼吸および鼾のような疾患の治療のための軟口蓋、脱毛、医薬品または栄養補給食品の局所デリバリー、または、レーザベースのTMR治療法のための心臓組織の治療は、すべてが本発明の使用によって恩恵を受ける。
【0110】
詳細な説明は多数の細部を含んでいるが、これらの細部は発明の範囲を限定するものとしてではなく、単に発明の様々な例および態様を説明するものとして解釈されるべきである。発明の範囲には、詳細に上述されていないその他の実施形態が含まれることが理解されるべきである。たとえば、上記の多くの例において、レーザが実施形態として使用されているが、レーザは、RF、フラッシュランプ、または、その他の電磁エネルギーベースの治療法にも一般化することが可能である。当業者に明白である種々のその他の変更、変化、変形が、請求項に記載されているような発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に開示されている本発明の方法および装置の構成、動作および細部において可能である。
【0111】
明細書および請求項中、単数形の要素の参照は、特に断らない限り、「唯一無二」を意味することを意図するのではなく、むしろ、「1つ以上」を意味することを意図している。さらに、装置または方法が、請求項によって包含されるように、発明の様々な実施形態によって解決できるあらゆる問題を扱うことは必要ではない。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】位置センサおよび投与量評価センサを組み込む本発明の実施形態の概略図である。
【図2A】光源、星形スキャナホイール、および、光位置センサを組み込む本発明の実施形態の概略図である。
【図2B】光源、星形スキャナホイール、および、光位置センサを組み込む本発明の実施形態の概略図である。
【図2C】光源、星形スキャナホイール、および、光位置センサを組み込む発明の実施形態の概略図であり、本実施形態によって作成された1つの可能な治療パターンを示す図である。
【図3A】図1に示されている光位置センサの測定を向上させるために治療部位または治療部位に隣接した部位に適用され得るパターンの説明図である。
【図3B】図1に示されている光位置センサの測定を向上させるために治療部位または治療部位に隣接した部位に適用され得るパターンの説明図である。
【図3C】図1に示されている光位置センサの測定を向上させるために治療部位または治療部位に隣接した部位に適用され得るパターンの説明図である。
【図4】3次元および/または3つの角度方向までハンドピースの位置パラメータを測定するために1台以上の加速度計がハンドピースに取り付けられている本発明の実施形態の概略図である。
【図5】3次元および/または3つの角度方向まで位置パラメータを測定するために発信機および受信機がハンドピースの位置を三角測量するため使用される本発明の実施形態の概略図である。
【図6】少なくとも1台の超音波発信機および少なくとも1台の超音波がハンドピースに機械的に結合され、超音波飛行時間測定を利用する本発明の実施形態の概略図である。
【図7】少なくとも1台の超音波発信機および少なくとも1台の超音波受信機がハンドピースに機械的に結合され、超音波反射測定を利用する本発明の実施形態の概略図である。
【図8】偏光イメージングが皮膚の複屈折の変化を測定するために使用される本発明の実施形態の説明図である。
【図9】特定の治療パラメータに対する異なる皮膚反応の測定のための本発明による先行投与量評価センサおよび後続投与量評価センサの使用を示す概略図である。
【図10】皮膚に入射するエネルギーパルスにより作成された衝撃波の痕跡を測定することにより特定の治療パラメータに対する皮膚反応を測定する本発明の実施形態の説明図であり、圧電材料を用いて衝撃波痕跡を測定する装置が示されている。
【図11】皮膚に入射するエネルギーパルスにより作成された衝撃波の痕跡を測定することにより特定の治療パラメータに対する皮膚反応を測定する本発明の実施形態の説明図であり、反射プローブビームを用いて衝撃波痕跡を測定する装置が示されている。
【図12】1台以上のコイルセンサがハンドピースの位置パラメータを測定するために使用される本発明の実施形態の概略図である。
【図13】図12によるシステムによって作成された測定量の説明図である。
【符号の説明】
【0113】
100 ハンドピース
110 電磁源
115 コントローラ
120 走査デリバリーユニット
125 スキャナ制御部
130 電磁エネルギー
139 接触板
150 皮膚
160 投与量評価センサ
180 位置センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御されたフラクショナル組織治療の装置であって、
電磁エネルギーを発生する電磁源と、
前記電磁エネルギーを人の皮膚の標的部位に送達する手動可動式ハンドピースと、
人の皮膚の前記標的部位に前記電磁エネルギーによって施されるフラクショナル治療に対する皮膚反応を測定する投与量評価センサと、
前記投与量評価センサに動作可能に接続され、前記投与量評価センサの測定量に応じて前記装置の少なくとも1個の動作パラメータをリアルタイムで調節し、前記電磁エネルギーによって施される前記フラクショナル治療を制御するコントローラと、
を備える装置。
【請求項2】
前記投与量評価センサが前記フラクショナル治療に起因する皮膚複屈折性の変化を測定する請求項16に記載の装置。
【請求項3】
過剰な治療または不十分な治療が前記投与量評価センサによって検出される場合は、前記コントローラが治療ゾーンの間隔または密度を調節する請求項16に記載の装置。
【請求項4】
前記投与量評価センサは、
超音波衝撃波を発生する超音波信号発生器と、
前記皮膚反応の変化を定量化するために前記超音波衝撃波の特性パラメータを測定する超音波検出器と、を備える請求項16に記載の装置。
【請求項5】
前記投与量評価センサは、皮膚緊張の変化、または、皮膚内または皮膚上にある2つの特徴間の距離の変化を測定する請求項16に記載の装置。
【請求項6】
前記投与量評価センサはコヒーレント検出方法を使用する請求項16に記載の装置。
【請求項7】
前記投与量評価センサは、異なる複数の波長範囲で照明されるときに前記治療部位の画像を捕捉し、画像が前記センサまたは前記コントローラによって定量的に比較される請求項16に記載の装置。
【請求項8】
前記投与量評価センサは、前記フラクショナル治療または前記フラクショナル治療の一部の前の皮膚条件、および、前記フラクショナル治療または前記フラクショナル治療の一部の後の皮膚条件に対応するデータを発生する2台のセンサを備える請求項16に記載の装置。
【請求項9】
治療ゾーン密度は、前記投与量評価センサの測定量に応じて調節される請求項16に記載の装置。
【請求項10】
前記投与量評価センサは、少なくとも1個の後続のパルスのための適切な治療レベルを評価するために、少なくとも1個の治療前パルスに対する反応を測定するように構成されている請求項16に記載の装置。
【請求項11】
前記投与量評価センサは、異なる複数の照明波長によって形成された2つ以上の画像を捕捉する請求項16に記載の装置。
【請求項12】
前記投与量評価センサは、異なる複数の偏光によって形成された2つ以上の画像を捕捉する請求項16に記載の装置。
【請求項13】
前記投与量評価センサは皮膚複屈折性を検出する請求項12に記載の装置。
【請求項14】
制御されたフラクショナル組織治療の方法であって、
電磁エネルギーをハンドピースによって人の皮膚の標的部位へ向けるステップと、
前記標的部位の全体に亘って前記ハンドピースを手動で動かすステップと、
人の皮膚の前記標的部位に前記電磁エネルギーによって施されるフラクショナル治療に対する皮膚反応を検知するステップと、
前記検知された皮膚反応に応じて前記電磁エネルギーの少なくとも1個の動作パラメータをリアルタイムで自動的に調節することで、前記電磁エネルギーによって施される前記フラクショナル治療を制御するステップと、を備える方法。
【請求項15】
制御されたフラクショナル組織治療の装置であって、
電磁エネルギーを発生する発生源手段と、
前記電磁エネルギーを人の皮膚の標的部位に送達する手動可動式ハンドピース手段と、
人の皮膚の前記標的部位に前記電磁エネルギーによって施されるフラクショナル治療に対する皮膚反応を測定するセンサ手段と、
前記センサ手段に動作可能に接続され、前記センサ手段の測定量に応じて前記装置の少なくとも1個の動作パラメータをリアルタイムで調節することで、前記電磁エネルギーによって施される前記フラクショナル治療を制御する制御手段と、を備える装置。
【請求項16】
制御されたフラクショナル組織治療の装置であって、
電磁エネルギーを発生する電磁源と、
前記電磁エネルギーを人の皮膚の標的部位に送達する手動可動式ハンドピースと、
前記ハンドピースの少なくとも1個の位置パラメータを測定する位置センサと、
前記位置センサに動作可能に接続され、前記位置センサによって測定された前記少なくとも1個の位置パラメータに応じて前記装置の少なくとも1個の動作パラメータをリアルタイムで調節することで、前記電磁エネルギーにより人の皮膚の前記標的部位に対してフラクショナル治療を施すように制御するコントローラと、を備える装置。
【請求項17】
人の皮膚の前記標的部位に前記電磁エネルギーによって施される前記フラクショナル治療に対する皮膚反応を測定する投与量評価センサをさらに備え、
前記コントローラは、前記投与量評価センサの測定量に応じて前記装置の少なくとも1個の動作パラメータをリアルタイムでさらに調節し、前記電磁エネルギーによって施される前記フラクショナル治療を制御する請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記位置センサは非機械的位置センサである請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記コントローラは、予め選択された範囲の速度を超えるハンドピース速度および/またはスピードに実質的に比例する走査速度を維持するように構成されないで、前記電磁源のレーザパルスレートがハンドピース速度および/またはスピードに比例して調節される請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記位置センサは磁気位置センサを備える請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記投与量評価センサは、前記フラクショナル治療または前記フラクショナル治療の一部の前の皮膚条件、および、前記フラクショナル治療または前記フラクショナル治療の一部の後の皮膚条件に対応するデータを発生する2台のセンサを備える請求項17に記載の装置。
【請求項22】
治療ゾーン密度は前記投与量評価センサの測定量に応じて調節される請求項17に記載の装置。
【請求項23】
前記投与量評価センサは、少なくとも1個の後続のパルスのための適切な治療レベルを評価するために、少なくとも1個の治療前パルスに対する反応を測定するように構成されている請求項17に記載の装置。
【請求項24】
前記位置センサは非機械的位置センサである請求項16に記載の装置。
【請求項25】
前記コントローラは、前記非機械的位置センサによる測定量に応じて、新しい治療レート、新しい治療密度、および、新しい治療パターンのうちの少なくとも1つを形成することにより前記フラクショナル治療に影響を与えるために、前記電磁源の少なくとも1個の動作パラメータをリアルタイムで調節する請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記電磁源が光ビームを発生する光源であり、前記装置は、前記光ビームを前記標的部位の複数の場所へ向ける光スキャナをさらに備える請求項16に記載の装置。
【請求項27】
前記コントローラは、予め選択された範囲の速度を超えるハンドピース速度および/またはスピードに実質的に比例する走査速度を維持する請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記コントローラが可変ハンドピース速度および/またはスピードに比例してレーザパルスレートを調節する、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記スキャナは、前記光スキャナの走査レートまたは前記光源のパルス間隔を調節することにより、所定の量ずつ前記治療ゾーンに沿って前記光ビームをぼかす請求項26に記載の装置。
【請求項30】
前記位置センサは、2次元空間および/または3次元空間を張る位置パラメータを測定するように構成されている複数台の位置センサを備える請求項16に記載の装置。
【請求項31】
前記位置センサは加速度計とジャイロスコープのうちの少なくとも一方を備える請求項16に記載の装置。
【請求項32】
前記位置センサは磁気位置センサを備える請求項16に記載の装置。
【請求項33】
前記磁気位置センサは少なくとも2個のループアンテナを備える請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記位置センサは少なくとも2対の発信機と受信機のペアを備えることによって、無線通信が前記発信機と前記受信機との間で行われ、位置パラメータが無線通信信号の飛行時間測定量と位相測定量のうちの少なくとも一方から計算される請求項16に記載の装置。
【請求項35】
前記位置センサは超音波発信機および超音波受信機を備える請求項16に記載の装置。
【請求項36】
前記皮膚を照明する複数台の光源をさらに備え、前記コントローラは別個の光源で照明された2つの画像を区別する請求項16に記載の装置。
【請求項37】
制御されたフラクショナル組織治療の方法であって、
電磁エネルギーをハンドピースによって人の皮膚の標的部位へ向けるステップと、
前記標的部位の全体に亘って前記ハンドピースを手動で動かすステップと、
前記ハンドピースの少なくとも1個の位置パラメータを検知するステップと、
前記少なくとも1個の位置パラメータに応じて前記電磁エネルギーの少なくとも1個の動作パラメータをリアルタイムで自動的に調節することで、前記電磁エネルギーによって施される前記フラクショナル治療を制御するステップと、を備える方法。
【請求項38】
位置パラメータを検知するステップは、前記ハンドピースに機械的に結合されている光位置センサを使用して位置パラメータを光学的に検知するステップを備える請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記位置パラメータを光学的に感知するステップがコントラスト強調剤を皮膚の中または皮膚の上に塗布するステップをさらに備え、前記コントラスト強調剤が前記光位置センサの信号対雑音比を高める請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記光位置センサの光コントラストが治療ゾーンを生成するステップによって強調される請求項38に記載の方法。
【請求項41】
治療ゾーンを生成するステップは組織を除去するステップを備える請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記光位置センサの光コントラストが光コントラスト強調剤を人の皮膚に塗布することによって強調される請求項38に記載の方法。
【請求項43】
300−400nmの波長範囲に入る前記光コントラスト強調剤の全光吸収量は、400−700nmの波長範囲に入る全光吸収量より多い請求項42に記載の方法。
【請求項44】
750−1000nmの波長範囲に入る前記光コントラスト強調剤の全光吸収量は、400−700nmの波長範囲に入る全光吸収量より多い請求項42に記載の方法。
【請求項45】
300−1000nmの範囲に入る波長で前記コントラスト強調剤を照明するステップと、実質的に350−1050nmの波長範囲に入る前記コントラスト強調剤からの蛍光信号を検出するステップと、をさらに備える請求項42に記載の方法。
【請求項46】
光コントラスト剤を塗布するステップが、1個以上のローラー、スタンプ、および、ステンシルを使用して前記光コントラスト剤を散布および/または塗布するステップを備える請求項42に記載の方法。
【請求項47】
前記光コントラスト強調剤が、隣接した図形間に不均一な間隔を伴うパターンで塗布される請求項42に記載の方法。
【請求項48】
前記光コントラスト剤を塗布するステップが、前記光コントラスト強調剤が埋め込まれている皮膚に接着剤を付着するステップを備える請求項42に記載の方法。
【請求項49】
制御されたフラクショナル組織治療の装置であって、
電磁エネルギーを発生する発生源手段と、
前記電磁エネルギーを人の皮膚の標的部位に送達する手動可動式ハンドピース手段と、
前記ハンドピース手段の少なくとも1個の位置パラメータを測定する第1の位置センサ手段と、
人の皮膚の前記標的部位において前記電磁エネルギーによって施された前記フラクショナル治療に対する皮膚反応を測定する第2のセンサ手段と、
前記第1のセンサ手段および前記第2のセンサ手段に動作可能に接続され、前記第1のセンサ手段および前記第2のセンサ手段からの測定量に応じて前記装置の少なくとも1個の動作パラメータをリアルタイムで調節することで、前記電磁エネルギーによって人の皮膚の前記標的部位に対してフラクショナル治療を施すように制御する制御手段と、を備える装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2009−506835(P2009−506835A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529293(P2008−529293)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/034132
【国際公開番号】WO2007/027962
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(504226009)リライアント・テクノロジーズ・インコーポレイテッド (11)
【氏名又は名称原語表記】RELIANT TECHNOLOGIES, INC.
【Fターム(参考)】