説明

燃料油改質装置

【課題】ろ過/遠赤外線ゾーン、触媒ゾーン及び磁界ゾーンを備えた新規な構成の燃料油改質装置を提供すること。
【解決手段】改質処理ゾーン22を備えた油改質容器と、該改質容器12内の温度を設定温度に維持するジャケット14等の加熱手段とを備えた燃料油改質装置。改質処理ゾーン22は、被処理油入口18から処理済油出口20に向かって、ろ過/遠赤外線ゾーン24、触媒ゾーン26及び磁界ゾーン28を備えている。
触媒ゾーン26は、芳香族成分乃至重質成分の分解触媒(ゼオライト触媒)で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重油、軽油、灯油およびガソリン等の燃料油の燃焼装置への油供給路(給油ライン)に設ける燃料油改質装置に関する。ここで油燃料の燃焼装置としては、上記油燃料を燃料とするものなら、特に限定されない。例えば、ボイラー、乾燥炉、熱風炉、煮釜、ストーブ、さらには、各種エンジン、発電機等を挙げることができる(図5・6参照)。
【背景技術】
【0002】
昨今、環境問題およびエネルギー問題(石油枯渇)の見地から、上記ボイラー、暖房器等における燃焼効率の向上の要望が、従来にも増して強くなってきている。
【0003】
その対策として、燃焼装置の改善や燃料油の改質処理を行うことが考えられる。
【0004】
そして、通常、燃料油の改質を燃料組成に行い工場出荷しているが、工場出荷後、経時的に燃料油が劣化して、凝集物(燃焼阻害物質)が生成する。例えば、ガソリンは貯蔵中酸化重合して酸性物質を生じたり、不揮発性のガム状物質を析出したりする。(日本化学会編「化学便覧 応用編 改訂3版」(昭55-3-15)丸善、p.469参照)。
【0005】
また、灯油の燃焼性の評価基準である煙点は、「各種炭化水素の中では、ノルマルパラフィンが最も高いが、炭素数の増加、分岐の増加により煙点は低下する。ナフテンの煙点は高分岐のパラフィンと同程度であり、芳香族炭化水素、特に多環芳香族炭化水素の煙点は低い。」とされている。ここで、煙点とは、規定の標準ランプを用い、規定条件ですすを発生させることなく灯油を燃焼させることができる最大の炎の高さ [mm] を示す値である(同p.479参照)。
【0006】
さらに、昨今、産業廃棄物である廃プラスチックから油化技術により製造される燃料油は、不純物を含んでいることが多く、その改質技術の開発も要請されている。
【0007】
このため、磁場(磁界)を通過させて燃料油を改質させて燃焼させることにより燃焼効率を増大させる技術が特許文献1〜3等で提案されている。
【0008】
しかし、磁場通過させただけでは十分な燃焼効率の向上が期待できないため、特許文献4において、磁場を通過させた後、さらに、遠赤外線放射フィルターを通過させ、燃料油の改質度を向上させる技術が提案されている。
【0009】
他方、遠赤外線効果を長時間発揮し、維持することができ、かつ排ガスを燃焼させることができるために、遠赤外線ゾーンと磁界ゾーンとを備えた燃料フィルターが特許文献5において提案されている。
【特許文献1】特公昭49−39185号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】特公昭59−1760号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】特開昭63−108112号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献4】特開平5−157220号公報(特許請求の範囲)
【特許文献5】特開2005−256802号公報(特許請求の範囲)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記特許文献に記載されていない、ろ過/遠赤外線ゾーン、触媒ゾーン及び磁界ゾーンを備えた新規な構成の燃料油改質装置および燃料油改質方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の連続加熱処理装置は、上記課題を下記構成により解決するものである。
【0012】
被処理油入口および処理済油出口を有し、該被処理油入口及び処理済油出口の間に改質処理ゾーンを備えた改質容器と、該改質容器内の温度を設定温度に維持する加熱手段とを備え、
改質処理ゾーンは、被処理油入口から処理済油出口に向かって、ろ過/遠赤外線ゾーン、触媒ゾーン及び磁界ゾーンを備え、
触媒ゾーンは、芳香族成分乃至重質成分の分解触媒で構成されている、ことを特徴とする。
【0013】
ろ過/遠赤外線ゾーンで被処理油は、固形不純物及び高粘性物質が除去されるとともに遠赤外線及び外部からの加熱により均一に高エネルギー化される。
【0014】
このろ過/遠赤外線ゾーンで固形不純物及び高粘性物質が除去された被処理油は、上記の如く、触媒ゾーンに移ることにより芳香族成分乃至重質成分が接触分解されて、被改質油の改質度が進む。
【0015】
さらに、被改質油は、磁界ゾーンで磁力によりクラスター(油分子凝集物)が分解されて、被改質油の粘度が低下して改質度がさらに進む。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る燃料油改質装置は、簡単な構造で、燃料油の高度の改質を少ないエネルギー消費で可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の望ましい一実施形態を、図1〜2に示す。
【0018】
装置本体は、改質容器12と、該改質容器12の外周を覆うジャケット(加熱手段)14とを備えている。なお、ジャケット14の外周は断熱材16で覆われている。
【0019】
改質容器12は、筒状体(管状体)12aの両端にフランジ12b、12bが結合されて、一端が被処理油入口(原料入口)18と処理済油出口(製品出口)20とを有している。ここで、筒状体は、通常、円筒とするが、断面多角形であってもよく、さらには、筒状体の軸線も普通は水平とするが、若干傾斜していてもよく、さらには、縦置きとしてもよい。なお、図例中、19は運転開始時のエア抜き管である。
【0020】
また、ジャケット14は、熱媒体入口14aと熱媒体出口14bを備えている。熱媒体は、通常、温水とするが、熱風や蒸気、さらには、他の液状熱媒体等であってもよい。
【0021】
なお、加熱手段としては、改質容器内の温度を設定温度に維持することができるものなら特に限定されない。例えば、電熱ヒータ14A(図4参照)や誘導加熱手段等であってもよい。
【0022】
さらに、内部にも後述の粒状ろ過材乃至粒状固体酸触媒の充填・排出性を阻害しない範囲で加熱手段を配することも考えられる。例えば、内部にも加熱配管を配したり、シーズドヒータを配したりしてもよい。
【0023】
また、フランジ部の接合は、図5・6の如く、燃料配管を接続フランジの中央に接続した形態としてもよいが、テーパ状拡径管を介したり、改質容器の被改質油入口側に拡散室18A、18B(図3・4参照)を設けたりしてもよい。燃料油の充填ろ過層のショートパスを抑制できる。
【0024】
改質容器12の内部には、該被処理油入口18及び処理済油出口20の間に改質処理ゾーン22を備えている。
【0025】
改質処理ゾーン22は、本実施形態では、被処理油入口18から処理済油出口20に向かって、ろ過/遠赤外線ゾーン24、触媒ゾーン26及び磁界ゾーン28で構成されている。
【0026】
具体的には、4枚の多孔隔壁板30で形成した各第1室A、第2室B、第3室Cを各ゾーン24、26、28に対応させている。
【0027】
ここで多孔隔壁板30は、普通、被処理油が通過可能で、後述の、粒状セラミックろ材、粒状ゼオライトが漏出しない大きさの開口(孔)(たとえば、10mm前後)を備えた多孔板で形成する。
【0028】
1)第1室Aには、遠赤外発生可能な粒状ろ過セラミックが充填されて、ろ過/遠赤外線ゾーンを形成するろ過材充填層とされている。
【0029】
上記粒状セラミックとしては、遠赤外発生可能で油中の不純物を除去するろ過機能を奏するものなら特に限定されない。
【0030】
普通、通称「天然発泡セラミックろ材」と称されるものを、さらに、1000〜1500℃で焼成させて、多孔質化を図った粒径1〜30mm(より普通には5〜15mm)ものを、好適に使用できる。更なる、多孔質化により、ろ過機能及び遠赤外線付与能が増大する。
【0031】
具体的には、「天然発泡セラミックろ材」としては、火山礫(軽石乃至岩滓:粒径4〜32mm)を好適に使用できる。火山礫は、第3期火山噴火岩の急激な冷却・凝固に際して、多孔質のガラス質岩片となったものである。該火山礫は、材料比重が2.4〜2.6と大であるが、嵩比重が0.65〜0.75であり、空隙率が高く、ろ過性能に優れていることが伺える。
【0032】
なお、特許文献5に記載の「麦飯石1〜50wt%とSiO2を主成分とするガラス組成物50〜99wt%とを含有する第1のガラスボール」を使用することもできる。
【0033】
2)第2室Bには、粒状固体酸触媒が充填されて、触媒ゾーン26を形成する触媒充填層とされている。そして、触媒ゾーン26は、芳香族成分乃至重質油成分の分解触媒で構成されている。
【0034】
上記分解触媒としては、通常、固体酸触媒を使用し、該固体酸触媒としては、ゼオライト触媒を好適に使用できる。
【0035】
なお、ゼオライト触媒は、「天然あるいは合成のゼオライトを基本にした触媒、結晶性アルミノケイ酸塩であるゼオライトに含まれるカチオンをプロトンあるいは多価カチオンで交換すると、強い固体酸触媒となる。軽油の接触分解は、シリカ・アルミナ触媒(追記:固体酸触媒)の100倍以上の活性がある。」とされている(志田正二編「化学辞典」(1981年3月9日)森北出版、p.666参照)。なお、カチオンとしては、Na等のアルカリ、Ca等のアルカリ土類、さらには、Al、Fe等の金属イオンを挙げることができる。市販品のうちから、被処理油の改質目的に応じて適宜選定する。
【0036】
特にゼオライト触媒のうち、メソボア体(孔径20〜50nm)で粒径1〜30mm(より普通には5〜15mm)ものを、好適に使用できる。
【0037】
触媒の粒径が小さいと、使用済み触媒の再生処理(焼成)が困難となる一方、比表面積が増大して被処理油に対する接触効率が向上する。粒径が大きいと、使用済み触媒の再生処理(焼成)が容易となる一方、比表面積が増大して被処理油に対する接触効率が低下する。
【0038】
ゼオライト触媒が、メソボア体であることにより、燃料油が重質油等の相対的な嵩高成分(高分子成分)を含むものであっても、該嵩高成分がメソボアを通過することにより、触媒と燃料油との接触効率が格段に増大して、ゼオライトの触媒作用を十分に利用することが可能となる。さらに、不純物が除去され遠赤外線により高エネルギー化された状態で被処理油が、触媒ゾーンに、流入するため、ボア内も加熱されて触媒活性が増大するとともに改質反応も促進される。
【0039】
なお、ゼオライト粒子の外表面面積は、マイクロボア内部表面積の1/10〜1/20とされている。
【0040】
そして、ゼオライト触媒を適宜選定することにより、重油(重質油)の軽油・灯油成分への変換も可能となる。
【0041】
3)第3室Cには、複数個の板状磁石32、32・・・を、被処理油の流れ方向に隙間を有し、かつ、同極側を対向するように配して磁界ゾーン28が形成されている。
【0042】
具体的には、図2に示す如く、板状磁石(図例では円形)32を、複数個(図例では3個)、導電性金属ロッド(例えば銅ロッド)34で串刺しして、スペーサ管36で所定隙を有し、かつ、同極側を対向するように連結したものを1組とした。該板状磁石連結体3組を平面矩形の保持フレーム38に並列保持したものである。
【0043】
ここで、板状磁石32の大きさは、油の処理容量により異なる。通常、径が数センチから数十センチで、厚さ数ミリから数センチの板状磁石(フェライト)を使用する。また、板状磁石32相互の対面隙間は、磁石の大きさ・強さにより、異なるが、例えば、15〜100 mmの範囲で適宜選定する。さらに、亜鉛や鉄等の薄金属板40より板状磁石38の両面に取り付ければ、磁石の磁力を増大させることができる。
【0044】
磁石の強さ(保磁力・残留磁化)及び個数は、燃料油中の、クラスター(分子集団:凝集粒子)を分解するに十分な強さの磁界(磁場)を形成可能であれば、特に限定されない。
【0045】
この磁界ゾーンでは、油粒子凝集物が解砕されることにより、燃料油が燃焼する際、特に噴霧燃焼させるに際して、燃料ノズルからの吐出性(噴霧性)が改善される。
【0046】
なお、上記磁石の代わりに、特許文献5に記載の「マグネタイト1〜50wt%とSiO2を主成分とするガラス組成物50〜99wt%とを含有する第2のガラスボール」を使用することもでき、さらには、改質容器12の磁界ゾーン28の外側に電磁石を配してもよい。
【0047】
図3に示すものは、上記実施形態の燃料油改質装置において、筒状の改質容器12Aを縦型大径化して、燃料油改質の大量処理を可能としたものである。
【0048】
被処理油を底部側に形成された拡散室Dの被処理油入口18から流入させ、それぞれ、扁平なろ過ゾーン24、触媒ゾーン26及び磁界ゾーン28を順次通過させた後、天井側に形成された集合室Eを経て処理済油出口20から排出する。なお、改質容器12Aを反転させて、天井側から被処理油を流入させ、底部側から流出させてもよい。下方から流入させた方が各充填層における被処理油と粒状ろ過セラミック又は粒状ゼオライト触媒との接触効率の向上が期待できる。被処理油の流れが重力に反するため、上方から流下させる場合に比して、ショートパス的な現象が発生し難い。
【0049】
なお、前述例と同一部分については、同一図符号を付して、本実施形態の他の説明は省略する。
【0050】
図4に示すものは、図1〜2に示す実施形態の燃料油改質において、筒状の改質容器12Bを矩形断面とし、内部にろ過/遠赤外線ゾーン24用の第1円筒体42及び触媒ゾーン用の第2円筒体44を配し、第1・第2円筒体42,44の上下に被処理油導入孔46、48を設けるとともに、中央に被処理油導出孔50を、それぞれ設けたものである。そして、各導入孔46、48と中央導出孔50との間に多孔隔壁板30で区画されたろ過材充填層及び触媒充填層が上下に一組ずつ形成されている。なお、本実施形態の加熱手段は、電熱ヒータ14Aである。
【0051】
本実施形態は、図例の矢印で示すような蛇行油流れが発生し、各充填層における被処理油との接触効率の増大が期待できる。
【0052】
なお、前述例と同一部分については、同一図符号を付して、本実施形態の他の説明は省略する。
【0053】
上記各実施形態の燃料油改質装置の運転条件は、被処理油の種類、改質容器の仕様等により異なる。例えば、改質処理容器の内部温度50〜120℃(より普通には60〜90℃)、前記被処理油を設定流速0.5〜20m/h(より普通には1〜10m/h)、滞留時間3〜90分(より普通には6〜60分)の範囲から適宜設定する。
【0054】
上記各実施形態の燃焼改質装置で改質された処理済油(改質油)は、燃料油改質装置Mの処理済油出口20と、各種の燃焼装置のバーナー(図5)又はエンジンや発電機の噴射ポンプ(図6)と燃料供給配管52を介して接続されて使用される。
【実施例】
【0055】
次に、下記仕様の燃料油改質装置を用いて、下記各試験を行った。
【0056】
改質容器・・・外径:90mmφ(肉厚3mmt)、長さ:1000mm、
ろ過ゾーン・・・長さ:320mm、セラミックろ過材:火山礫原料ガラス質岩片を1000℃以上で焼成したもの(市販品)、特性(真比重約2.6、空隙を見込んだ見掛け比重約0.7、平均粒径約 15mm )、充填量:1050g
触媒ゾーン・・・長さ:320mm、ゼオライト触媒:天然ゼオライト(市販品)、特性(Na/Alイオン交換型、メソボア型、空隙を見込んだ見掛け比重:約0.98、平均粒径約15 mm )、充填量:1350g
磁界ゾーン・・・長さ:320mm、永久磁石:フェライト(外径50mmφ×内径10mmφ×厚み10mmt)(両面0.1mmt亜鉛板貼着)9個、磁石対面隙間:25mm
1)石油コンロ燃焼効果比較試験
石油コンロの上に1Lの水を入れたアルミ鍋を置いて、未改質灯油と改質灯油を用いて燃焼させた(燃料消費量:0.17L/h)。そして、燃料消費量・水蒸発量・設定温度到達時間を測定して燃焼効果を判定した。
【0057】
灯油の改質は、ジャケット温度:60℃、処理流速:1m/hの条件で行った。
【0058】
また、石油ストーブは、三洋電機株式会社製「OHR・20E」(商品名)を使用した(標準燃料消費量:0.17L/h)。
【0059】
試験結果を示す表1から、本実施例の改質油は、6%以上の改質効果が得られたことが分かる。
【0060】
【表1】

2)重油ボイラーにおけるダスト量比較試験
未改質重油と改質重油を用いてボイラーを焚いて排出ガス中の下記各成分分析を下記各方法に従って行った。
【0061】
ダスト量・・・JIS Z 8088 に準じてろ紙を用いて測定した。
【0062】
硫黄酸化物・・・JIS K 0103 に準じて測定した。
【0063】
窒素酸化物・・・JIS K 0104 に準じて測定した。
【0064】
重油の改質は、ジャケット温度:90℃、処理流速:5m/hの条件で行った。
【0065】
大気汚染物質(ダスト、硫黄酸化物、窒素酸化物)の発生量が、50%以上削減された。
【0066】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明における燃料油改質装置の一実施形態を示す概略断面図である。
【図2】同じく磁界ゾーンにおける磁石の保持構造の詳細平面図である。
【図3】本発明の燃料油改質装置の他の実施形態を示す概略断面図である。
【図4】同じくさらに他の実施形態を示す概略断面図である。
【図5】本発明の燃料油改質装置を燃焼装置のバーナーに接続する場合の流れ図である。
【図6】同じくエンジン・発電機等の噴射ポンプに接続する場合の流れ図である。
【符号の説明】
【0068】
12・・・改質容器
14・・・ジャケット(加熱手段)
18・・・被処理油入口
20・・・処理済油出口
22・・・改質処理ゾーン
23・・・ろ過/遠赤外線ゾーン
26・・・触媒ゾーン
28・・・磁界ゾーン



【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理油入口および処理済油出口を有し、該被処理油入口及び処理済油出口の間に改質処理ゾーンを備えた油改質容器と、該改質容器内の温度を設定温度に維持する加熱手段とを備え、
前記改質処理ゾーンは、前記被処理油入口から処理済油出口に向かって、ろ過/遠赤外線ゾーン、触媒ゾーン及び磁界ゾーンを備え、
前記触媒ゾーンは、芳香族成分乃至重質成分の分解触媒で構成されている、
ことを特徴とする燃料油改質装置。
【請求項2】
前記ろ過/遠赤外線ゾーンは、遠赤外発生可能な粒状ろ過セラミックのろ過材充填層で形成されていることを特徴とする請求項1記載の燃料油改質装置。
【請求項3】
前記粒状ろ過セラミックが、粒径1〜30mmの多孔質天然セラミックの焼成物であることを特徴とする請求項2記載の燃料油改質装置。
【請求項4】
前記触媒ゾーンが、粒径1〜30mmの粒状ゼオライト触媒の触媒充填層で形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の燃料油改質装置。
【請求項5】
前記磁界ゾーンが、複数個の板状磁石を、被処理油の流れ方向に隙間を有し、かつ、同極側を対向するように配して形成されていることを特徴とする1〜4のいずれか一記載の燃料油改質装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一記載の燃料油改質装置を用いて燃料油を改質処理する方法であって、
前記改質処理容器の内部を50〜100℃の設定温度に維持して、前記被処理油を2〜20 m/hの設定流速で通過させることを特徴とする燃料油の改質方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−189695(P2008−189695A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22185(P2007−22185)
【出願日】平成19年1月31日(2007.1.31)
【出願人】(000235314)
【Fターム(参考)】