説明

燃料添加剤及び組成物

【課題】燃料油、具体的には中間留分燃料、例えばディーゼル燃料、ケロセン及びジェット燃料の特性を改良するための添加剤であって、低硫黄含有燃料に加えるときに有効な潤滑増強剤となり低温で溶解するものを提供する。
【解決手段】カルボン酸とピリジンのヒドロカルビル誘導体との反応により形成される塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、添加剤、及び燃料油、具体的には中間留分燃料、例えばディーゼル燃料、ケロセン及びジェット燃料の特性を改良するためのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題により、低硫黄含量の燃料、具体的にはディーゼル燃料、暖房用油及びケロセンが必要性とされてきた。しかし、低硫黄含量の燃料を製造する精製方法は、低粘性であり、またその潤滑性をもたらす燃料中の他の成分、例えば多環式芳香族及び極性化合物の含有量が低い生成物をまた生じる。さらに、一般的に硫黄含有化合物は、いくらかの耐摩耗性を提供するとみなされ、また、潤滑性を提供する他の成分の比率が低減すると共に、それらの比率の低減の結果として、ディーゼルエンジン中の燃料ポンプの問題の報告数が増加してきた。その問題は、例えば、カムプレート、ローラー、スピンドル及びドライブシャフトの摩耗により生じ、それは、エンジン寿命に比較的早期の突然のポンプ不良を生じる可能性がある。
【0003】
その問題は将来的に悪化すると予測され、それは一般的に排出ガスに対するより厳しい要求に合わせるため、高圧燃料系、例えば、インライン、ロータリーポンプ、コモンレールポンプ及びユニットインジェクター系が導入されるためであり、これらには、現在の装置よりもより厳しい潤滑性が要求されると予期され、それと同時に燃料中の硫黄レベルの低下がより広く要求されるようになる。
歴史的に、ディーゼル燃料中の一般的な硫黄含量は、0.5質量%未満であった。ヨーロッパにおいて、最大硫黄レベルは、0.20%〜0.05%に引き下げられ、スウェーデンにおいては、0.005%(クラス2)及び0.001%(クラス1)未満のレベルの燃料グレードが使用される。硫黄レベル0.05質量%未満の燃料油組成物を、ここで低硫黄燃料と呼ぶ。
【0004】
そのような低硫黄燃料は、それらの潤滑性を増強するために添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤には幾つかのタイプがある。WO 94/17160には、潤滑性を増強するためのカルボン酸エステル、より具体的には酸成分が炭素数2〜50でありアルコール成分の炭素数が1以上のエステルを含有する低硫黄燃料が開示されている。米国特許第3273981号には、ダイマー酸、例えばリノール酸のダイマーの、部分的にエステル化された多価アルコールとの混合物が、同じ目的について記載されている。米国特許第3287273号において、所望により水素化されたダイマー酸グリコールエステルの使用が記載されている。潤滑性増強剤又はそれらがまた称される耐摩耗剤として使用される他の材料としては、硫黄化ジオレイルノルボルネンエステル(EP-A-99595)、ヒマシ油(米国特許第4375360号及びEP-A-605857)及び、メタノール含有燃料において、炭素数6〜30の多様なアルコール及び酸、酸及びアルコールエトキシレート、モノ-及びジ-エステル、ポリオールエステル、及びオレフィンカルボン酸コポリマー及びビニルアルコールポリマー(再び、米国特許第4375360号)が挙げられる。
【0005】
そのような添加剤は、活性な種が溶媒中に、所望により他の添加剤と一緒に溶解されている添加剤組成物の形態において一般的に提供される。潤滑性添加剤として大いに有効であるが、一定のカルボン酸及びカルボン酸エステル、並びに他の公知の潤滑性添加剤には低温で乏しい溶解性という不都合があることが見い出された。この乏しい溶解性は、添加剤組成物を提供するために使用される溶媒(通常炭化水素ベース)に関連して、また、添加剤が加えられる燃料に関連して見られる。これは、低い周囲温度での貯蔵及び一定の公知の潤滑性添加剤の使用を制限する。
【0006】
US 6,328,771は、低硫黄含有燃料油の潤滑性を改良するための、カルボン酸と複素環式芳香族アミンの反応生成物の使用を記載している。複素環式芳香族アミンの例としては、ピリジン、ピラジン、ピロール、ピラゾール及びイミダゾールが挙げられ、イミダゾールは特に好ましい。
EP 0 798 364 A1は、中でも、ディーゼル燃料の潤滑性を改良するための、カルボン酸と脂肪族アミンとの反応により形成される塩の使用を記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ピリジンのヒドロカルビル誘導体から誘導される新規塩の発見、及び燃料油に添加した時にそのような塩がそれらの潤滑性を改良するという観察に基づいている。本発明の塩は、より従来型の潤滑性増強剤と比較した場合、低温溶解性がより改良されているというさらなる利点がある。また、本発明の塩は、例えば、US 6,328,771に記載されている塩と比較して、比較的高い引火点を有するという利点もある。このことは、それらの取扱い及び輸送に関連する行い易さ及びそれらのハザードに利点をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0008】
従って、第一の態様において、本発明は、カルボン酸とピリジンのヒドロカルビル誘導体との反応により形成される塩を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書において、カルボン酸とピリジン誘導体の反応により形成される生成物を記載するための用語「塩」の使用は、反応が純粋な塩を必然的に形成することを意味すると理解されるべきではない。現在、その反応は、塩を形成し、従って反応生成物がそのような塩を含有すると信じられているが、反応の複雑さのために、他種も存在すると考えられる。従って、用語「塩」は、純粋な塩の種だけでなく、カルボン酸とピリジンのヒドロカルビル誘導体との反応の間に形成される種の混合物もまた含むと理解されるべきである。
【0010】
好ましくは、ピリジンのヒドロカルビル誘導体は、以下の一般式により表される:
【化1】

(式中、nは、整数の1〜5であり;それぞれのRは、炭素数1〜30のヒドロカルビル基を表す)。
好ましくは、nは、少なくとも2である。
好ましくは、それぞれのRは、独立して、炭素数1〜15、より好ましくは炭素数1〜8のヒドロカルビル基を表す。
【0011】
本明細書に使用する場合、用語「ヒドロカルビル」は、分子の残部に直接結合する炭素原子を有し、炭化水素又は主に炭化水素性を有する基をいう。これらのうち、脂肪族基、例えばアルキル及びアルケニル基が述べられてもよい。そのような基は、飽和又は不飽和、線状又は分岐であってもよい。また、基は、それらの存在が基の主に炭化水素特性を変化しないということを条件として、非炭化水素置換基を含んでいてもよい。例としては、ケト、ハロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、アルコキシ及びアシルが挙げられる。炭化水素基が置換されているならば、一(モノ)置換基が好ましい。炭素原子からなる以外に鎖に炭素以外の原子をさらに又は代わりに含んでいてもよい。好適なヘテロ原子としては、例えば窒素、酸素又は硫黄が挙げられる。
【0012】
好ましくは、少なくとも一つの基Rは、アルキル又はアルケニル基を表す。以下の構造は、ピリジンのヒドロカルビル誘導体として考えられる種のタイプの代表例である。これらは本発明を単に説明するために挙げられたものであり、いかなる場合においてもそれらを制限すると考えられるものではない。
【化2】

ピリジンのヒドロカルビル誘導体は、単一の種として又はいずれかの比率において二つ以上の異なる種の混合物として使用されてもよい。ピリジンのヒドロカルビル誘導体の好適な市販の供給源は、Lonza Ltdから入手可能な「Alkolidine」生成物である。
【0013】
カルボン酸として、一般式[R'(COOH)x]yに相当するもの(式中、各R'は、独立して、炭素数2〜30の炭化水素基であり、xは1〜4の整数である)が好適である。好ましくは、R'は、炭素数8〜24、より好ましくは炭素数12〜20の炭化水素基である。好ましくはxは、1又は2、より好ましくはxは1である。好ましくはyは1であり、この場合、酸は単一のR'基を有する。或いは、酸は、ダイマー、トリマー又は高級オリゴマー酸であってもよく、この場合、yは、1より大きく、例えば2、3又は4以上であると考えられる。R'は、好適にはアルキル基又はアルケニル基であり、線状又は分岐であってもよい。本発明に使用してもよいカルボン酸の例としては:ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ネオデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、カプロン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ココナツ油脂肪酸、大豆脂肪酸、トール油脂肪酸、魚油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、獣脂油脂肪酸及びパーム油脂肪酸が挙げられる。また、いずれかの比率の二つ以上の酸の混合物が好適である。また、好適なものはカルボン酸の無水物及びそれらの混合物である。好ましい態様において、カルボン酸は、トール油脂肪酸(TOFA)を含む。飽和物含量5質量%未満のTOFAが特に好ましいことが見い出された。好ましくは、アビエチン酸含量5質量%未満、例えば2質量%未満のTOFAを使用する。
【0014】
他の好ましい態様において、カルボン酸は、大豆脂肪酸(SOFA)を含む。
また、好適なものは、芳香族カルボン酸及びそれらのアルキル誘導体、並びに芳香族ヒドロキシ酸及びそれらのアルキル誘導体である。実例としては、安息香酸、サリチル酸及びそのような種由来の酸が挙げられる。
好ましくは、カルボン酸のヨウ素価は、少なくとも100g/100g、より好ましくは少なくとも130g/100g、例えば少なくとも150g/100gである。これは、本発明の塩の低温溶解性をさらに改良することが見い出された。
【0015】
好ましくは、塩の引火点は、少なくとも50℃、より好ましくは少なくとも60℃である。
好都合には、塩は、カルボン酸とピリジンのヒドロカルビル誘導体との混合により製造されてもよい。一方の成分を他方に加える順序は重要ではない。酸の量対、ピリジンのヒドロカルビル誘導体の量のモル比は、好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは10:1〜1:2、例えば約1:1である。反応は、室温で行ってもよいが、好ましくは穏やかに、例えば40℃に加熱する。
第二の態様により、本発明は、第一の態様による塩を含む添加剤組成物を提供する。
【0016】
本発明による添加剤組成物は、好都合には、油又は油と混和性の溶媒中、塩3〜85%、好ましくは10〜75%、より好ましくは10〜50%、例えば10〜40%を含む。
好適な溶媒との混合物において塩を含む組成物は、留出燃料のようなバルク油に塩を導入する手段として好都合であり、その導入は当技術分野に公知の方法により行ってもよい。また、組成物は必要に応じて他の添加剤を含んでいてもよい。溶媒の例は、有機溶媒、例えば炭化水素溶媒、例えば石油留分、例えば、ナフサ、ケロセン、ディーゼル及び暖房用油;芳香族炭化水素、例えば芳香族留分、例えば商標名「SOLVESSO」として市販されているもの;アルコール及び/又はエステル;及びパラフィン系炭化水素、例えばヘキサン及びペンタン及びイソパラフィンが挙げられる。溶媒は、当然、塩との、及び油及び/又は燃料とのその適合性に関連して選ばれなくてはならない。
【0017】
本発明の添加剤組成物は、低温で特に安定である。好ましくは、添加剤組成物は、炭化水素溶媒中、塩の75質量%溶液が、-30℃で28日間維持される場合に清澄かつ光明のままのものである。より好ましくは、炭化水素溶媒中、塩の75質量%溶液は、-40℃で28日間の維持で清澄かつ光明のままである。
第三の態様により、本発明は、多量の燃料油及び第一の態様による少量の塩又は第二の態様による添加剤組成物を含む燃料油組成物を提供する。
【0018】
好ましくは、油は燃料油、例えば石油ベースの燃料油、具体的には中間留分燃料油である。そのような留分の燃料油の沸点は、一般的に110℃〜500℃、例えば150℃〜400℃である。その燃料油は、常圧蒸留留分又は減圧蒸留留分、分解ガス油、又はいずれかの比率の直留及び熱的及び/又は精製ストリーム、例えば接触分解及び水素化分解留分の混合物を含んでいてもよい。最も一般的な石油留分燃料は、ケロセン、ジェット燃料、ディーゼル燃料、暖房用油及び重油である。暖房用油は、直留常圧蒸留留分(straight atmospheric distillate)であってもよいか、又は少量、例えば35質量%以下の真空ガス油又は分解ガス油又はその両方を含んでいてもよい。
【0019】
燃料油の他の例としては、フィッシャートロプシュ燃料が挙げられる。FT燃料として公知のフィッシャートロプシュ燃料としては、ガストゥリキッド(GTL)燃料、バイオマストゥリキッド(BTL)燃料及び石炭転化燃料(coal conversion fuels)として記載されているものが挙げられる。そのような燃料を製造するために、合成ガス(CO+H2)を最初に生成し、その後、フィッシャートロプシュ方法により直鎖パラフィンに転化する。その後、直鎖パラフィンを、接触分解/改質又は異性化、水素化分解及び(水素化異性化)のような方法により修飾し、様々な炭化水素、例えばイソパラフィン、シクロ-パラフィン及び芳香族化合物を生成してもよい。得られるFT燃料をそれ自体又は他の燃料成分及び燃料タイプ、例えば本明細書に記載のものとの組み合わせにおいて使用することができる。
【0020】
好ましくは、燃料油の硫黄含量は、0.2質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下、具体的には0.035%以下、例えば0.015%以下である。更に低い硫黄レベルの燃料、例えば、質量にして硫黄50ppm未満、好ましくは20ppm未満、例えば10ppm以下の燃料が好適である。
好ましくは、塩は、質量にして5〜1000ppm、より好ましくは10〜500ppm、さらにより好ましくは10〜250ppm、具体的には10〜150ppm、例えば50〜150ppmの量で燃料油中に存在する。
【0021】
第四の態様において、本発明は、硫黄含量0.2質量%未満の燃料油の潤滑性を改良するための、第一の態様による塩又は第二の態様による添加剤の使用を提供する。
本発明の塩は、単一で、又は一つより多い塩の混合物として使用してもよい。また、例えば以下のような当技術分野に公知の一つ以上の添加剤補助剤をコンビネーションで使用してもよい:清浄剤、抗酸化剤(燃料の分解を避けるためのもの)、腐蝕防止剤、デヘイザー(dehazers)、解乳化剤、金属活性低下剤、消泡剤、セタン向上剤、溶媒補助剤、パッケージ適合剤(package compatibilisers)、消臭剤、粒子状物質捕集の再生を改良するための添加剤、中間留分コールドフロー改良剤及び他の潤滑性添加剤。
本発明を例により単に記載する。
【実施例】
【0022】
実施例1
本実施例において、使用するピリジンのヒドロカルビル誘導体は、Alkolidine 10であり、それはLonza Ltdの製品であり、幾つかのピリジンのヒドロカルビル誘導体の混合物である。
Alkolidine 10(17.0g、95 mmol)をビーカーに加え、攪拌しながら40℃に加熱した。飽和物含量約2%及びロジン酸含量約1%のトール油脂肪酸(TOFA)(25.4g、88 mmol)を、その後ビーカーに加えた。約12℃の発熱が測定され、二つの成分が反応することを示した。反応生成物のFTIR分析は、出発の酸と比較して1710cm-1の強力なカルボン酸ピークの低減、1560及び1458cm-1のカルボキシレートピークの対応する発現並びにピリジニウム種と考えられる1935cm-1の広いピークの発現を示した。これは、塩の形成の明らかな示唆であった。反応生成物の引火点は116℃であった。
【0023】
実施例2
Alkolidine 10(17.0g、95 mmol)及びトール油脂肪酸(飽和物含量約2%及びロジン酸含量約2%)(TOFA)(25.4g、88 mmol)を使用して、実施例1を繰り返した。約12℃の発熱を測定し、二つの成分が反応したことを示した。反応生成物のFTIR分析は、出発酸と比較して1710cm-1での強力なカルボン酸ピークの低減、1560及び1458cm-1でのカルボキシレートピークの対応する発現並びにピリジニウム種と考えられる1935cm-1での広いピークの発現を示した。これは、塩の形成の明らかな示唆であった。反応生成物の引火点は116℃であった。
【0024】
実施例3(比較例)
Alkolidine 10の代わりにピリジン(87.6g、1107mmol)及び同じTOFA(320g、1107 mmol)を使用して、実施例1を繰り返した。二つの成分の反応を示す発熱を再び検出した。反応生成物の引火点は46℃であった。
実施例4(比較例)
Alkolidine 10の代わりにピリジン(87.6g、1107 mmol)及び同じTOFA(320g、1107mmol)を使用して実施例2を繰り返した。二つの成分の反応を示す発熱を再び検出した。反応生成物の引火点は46℃であった。









【0025】
HFRR試験
前記実施例1及び2で製造した塩を、BS EN ISO 12156-1 (2000)により、High Frequency Reciprocating Rig (HFRR)試験を使用してMk 1ディーゼル(<10ppm S)において試験した。結果は、以下の表1に、比較例3及び4を使用した同様の試験結果と一緒に示した。
【表1】

【0026】
結果は、本発明の潤滑性能が、US 6,328,771に記載のような単純なピリジン塩に見い出されるものと比較可能であることを示している。
安定性試験
実施例1及び2の塩の添加剤濃縮物を、Solvesso 100中の10、33、50及び75%溶液として製造し、比較例3及び4の同様の溶液と一緒に-30℃及び-40℃での低温安定性について試験した。また、非希釈塩を試験した(100%濃度)。結果を以下の表2に示す。表において、データは、サンプルが清澄及び光明のままの日数である。全ての試験は、最大28日で行い、表中の「28」という結果は、28日での不可を示すものではない。
【表2】

【0027】
表2の結果から、本発明の塩の低温安定性は、US 6,328,771に記載される
ような単純なピリジン塩に見い出されるものをはるかに上回るということが明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルボン酸とピリジンのヒドロカルビル誘導体との反応により形成される塩。
【請求項2】
ピリジンのヒドロカルビル誘導体が以下の一般式により表される、請求項1に記載の塩:
【化1】

(式中、nは、1〜5の整数であり;それぞれのRは、独立して、炭素数1〜30のヒドロカルビル基を表す)。
【請求項3】
nが少なくとも2である、請求項2に記載の塩。
【請求項4】
少なくとも一つのR基が、アルキル基又はアルケニル基である、請求項2又は3に記載の塩。
【請求項5】
カルボン酸が脂肪酸又は脂肪酸の混合物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の塩。
【請求項6】
カルボン酸がトール油脂肪酸(TOFA)を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の塩。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の塩を含む添加剤組成物。
【請求項8】
多量の燃料油及び少量の、請求項1〜6のいずれか1項に記載の塩又は請求項7に記載の添加剤を含む、燃料油組成物。
【請求項9】
燃料油の硫黄含量が0.05質量%未満である、請求項8に記載の燃料油組成物。
【請求項10】
硫黄含量が0.05質量%未満の燃料油の潤滑性を改良するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の塩又は請求項7に記載の添加剤組成物の使用。

【公開番号】特開2006−316059(P2006−316059A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−132610(P2006−132610)
【出願日】平成18年5月11日(2006.5.11)
【出願人】(500010875)インフィニューム インターナショナル リミテッド (132)
【Fターム(参考)】