説明

燃料集合体の衝撃吸収装置および燃料集合体収納容器

【課題】可燃性毒物棒組立体を挿入された燃料集合体に配置でき、燃料集合体に作用する衝撃荷重を抑制すること。
【解決手段】燃料集合体100を燃料集合体収納容器200に収納すると共に、燃料集合体100の上端部から挿入する可燃性毒物棒と燃料集合体100の上方に配置される保持部303とを有する可燃性毒物棒組立体300を燃料集合体収納容器200に配置した状態で、燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制するもので、保持部303の上方に配置されるカバー部2と、カバー部2から燃料集合体100の上端に向けて延在しつつ保持部303の側部に配置される緩衝体3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子炉で使用される燃料集合体の輸送などの際、燃料集合体への衝撃を吸収する燃料集合体の衝撃吸収装置および燃料集合体収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力発電所などで用いられる核燃料の集合体を燃料集合体という。原子炉に装荷されて所定の期間燃焼された後に原子炉から取り出された燃料集合体は、通常、原子力発電所などの冷却ピットで所定期間冷却される。その後、燃料集合体は、放射線の遮蔽機能を有する燃料集合体収納容器に収納され、車両または船舶で再処理施設に輸送され再処理される、もしくは中間貯蔵施設に輸送され、再処理を行うまで貯蔵される。
【0003】
通常、燃料集合体収納容器は、上部が開口した有底の容器本体と、この容器本体内に配置されるバスケットとを有している。燃料集合体は、バスケットに対して長手方向(軸方向)に挿入された形態で容器本体内に配置される。容器本体の上部開口は、容器の用途に応じた仕様において一重の蓋や、または一次蓋、二次蓋の二重の蓋など複数の蓋を有する蓋部材によって閉塞される。
【0004】
このような燃料集合体収納容器において、輸送時や地震時などに衝撃を受けた場合、燃料集合体とバスケットとの間の径方向での隙間、および燃料集合体と蓋部材との間の軸方向の隙間を有することにより、燃料集合体と、バスケットや蓋部材や容器本体とが衝突することで、燃料集合体に大きな衝撃荷重が作用するおそれがある。そこで、従来では、燃料集合体とバスケットとの間の径方向での隙間、および燃料集合体と蓋部材との間の軸方向の隙間に衝撃吸収装置を配置した燃料集合体収納容器(金属密閉容器)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3600551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、燃料集合体は、両端部に、複数の脚部(通常4本)を有するノズルを備えている。この燃料集合体には、燃料集合体収納容器に収納された状態で蓋部材側に向く上部ノズルから可燃性毒物棒とそれを接続固定する支持板と支持板に接合される保持部とを有する可燃性毒物棒組立体が挿入されることがある。前記可燃性毒物棒組立体を燃料集合体に挿入した場合、保持部が上部ノズルよりも上側に突出することになる。従って、可燃性毒物棒組立体が挿入された燃料集合体では、燃料集合体収納容器の蓋部材と上部ノズルとの間に保持部が存在することで、燃料集合体と蓋部材との間の軸方向の隙間が狭くなってしまい、従前の衝撃吸収装置を配置することが困難になり、また、十分な緩衝能力を付与することが困難になる。
【0007】
本発明は上述した課題を解決するものであり、可燃性毒物棒組立体を挿入された燃料集合体に配置することのできる燃料集合体の衝撃吸収装置、および可燃性毒物棒組立体を挿入された燃料集合体に衝撃吸収装置を配置することのできる燃料集合体収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために、本発明の燃料集合体の衝撃吸収装置では、燃料集合体を燃料集合体収納容器に収納すると共に、前記燃料集合体の上端部から挿入する可燃性毒物棒と前記燃料集合体の上方に配置される保持部とを有する可燃性毒物棒組立体を前記燃料集合体収納容器に配置した状態で、前記燃料集合体に対して与えられる衝撃を抑制する衝撃吸収装置であって、前記衝撃吸収装置は、前記保持部の上方に配置されるカバー部と、前記カバー部から前記燃料集合体の上端に向けて延在しつつ前記保持部の側部に配置される緩衝体と、を備えることを特徴とする。
【0009】
この燃料集合体の衝撃吸収装置によれば、可燃性毒物棒組立体を挿入された燃料集合体に配置することができ、燃料集合体に作用する衝撃荷重を抑制できる。
【0010】
また、本発明の燃料集合体の衝撃吸収装置では、前記可燃性毒物棒組立体は、通水孔が貫通して形成された支持板を有し、前記可燃性毒物棒を前記燃料集合体に挿入した場合に前記支持板の板面が前記燃料集合体の上端に対向して配置されるものであって、前記緩衝体は、前記支持板の通水孔に挿通されて前記燃料集合体の上端に当接する脚部材をさらに備えることを特徴とする。
【0011】
この燃料集合体の衝撃吸収装置によれば、脚部材が燃料集合体に当接することで、燃料集合体に作用する衝撃荷重を緩衝体に直接伝えるため、燃料集合体に作用する衝撃荷重を抑制する効果と、その衝撃荷重を抑制することにより、ノズルの変形を抑制する効果とを顕著に得ることができる。
【0012】
また、本発明の燃料集合体の衝撃吸収装置では、前記脚部材は、前記燃料集合体に向けて細径となるテーパ面を側部に有していることを特徴とする。
【0013】
この燃料集合体の衝撃吸収装置によれば、テーパ面が脚部材の通水孔への挿通を案内するので、脚部材を通水孔に確実に挿通させることが可能になり、衝撃吸収装置の燃料集合体への配置ミスを防ぐことができる。
【0014】
また、本発明の燃料集合体の衝撃吸収装置では、前記緩衝体は、前記燃料棒の延在方向に沿う前記燃料集合体における中心軸を基準とした水平方向の対象位置に配置されていることを特徴とする。
【0015】
この燃料集合体の衝撃吸収装置によれば、燃料集合体の中心軸に平行な荷重を受けた場合、中心軸を基準とした水平方向の対象位置で、燃料集合体の燃料棒に作用する荷重を均等に軽減する。この結果、燃料集合体一部に荷重が集中する事態を防ぐことができる。
【0016】
また、本発明の燃料集合体の衝撃吸収装置では、前記カバー部は、前記燃料集合体収納容器との間で上下方向に弾性を有する弾性部材が上方に突出して設けられていることを特徴とする。
【0017】
この燃料集合体の衝撃吸収装置によれば、弾性部材の弾性力により、燃料集合体収納容器との間で衝撃吸収装置全体が下方に押圧されて、衝撃吸収装置が燃料集合体の上端に向けて押し付けられる。この結果、衝撃吸収装置がガタついて微動する事態を防ぎ、燃料集合体に作用する衝撃荷重を抑制する効果を顕著に得ることができる。
【0018】
また、本発明の燃料集合体の衝撃吸収装置では、前記可燃性毒物棒組立体の前記保持部は、前記可燃性毒物棒組立体を前記燃料集合体に挿入する際に取扱工具により保持されるハンドル部材を上端に有したものであって、前記ハンドル部材に嵌合する嵌合部をさらに備えることを特徴とする。
【0019】
この燃料集合体の衝撃吸収装置によれば、ハンドル部材への嵌合部の嵌合により、衝撃吸収装置が位置決めされる。この結果、衝撃吸収装置の燃料集合体への配置ミスを防ぐことができる。
【0020】
また、本発明の燃料集合体の衝撃吸収装置では、前記緩衝体は、衝撃を吸収する際の変形の起点となる変形起点部をさらに備えることを特徴とする。
【0021】
この燃料集合体の衝撃吸収装置によれば、変形起点部により変形の起点が定められていることで、変形初期の段階で燃料集合体に作用するピーク荷重を下げるため、燃料集合体に作用する衝撃荷重をさらに抑制することができる。
【0022】
また、上述の目的を達成するために、本発明の燃料集合体収納容器では、燃料集合体と可燃性毒物組立体とを収納し、かつ衝撃吸収装置を前記燃料集合体の上方に配置し、前記燃料集合体に対して与えられる衝撃を抑制するもので、上記のいずれか一つに記載の衝撃吸収装置を適用することを特徴とする。
【0023】
この燃料集合体収納容器によれば、可燃性毒物棒組立体を挿入された燃料集合体に衝撃吸収装置を配置して、燃料集合体に作用する衝撃荷重を抑制できる。
【0024】
また、上述の目的を達成するために、本発明の燃料集合体収納容器では、燃料集合体と可燃性毒物組立体とを収納し、かつ衝撃吸収装置を前記燃料集合体の上方に配置し、前記燃料集合体の下方にも衝撃吸収装置を同時に配置することで前記燃料集合体に対して与えられる衝撃を抑制するもので、上記のいずれか一つに記載の衝撃吸収装置を適用することを特徴とする。
【0025】
この燃料集合体収納容器によれば、可燃性毒物棒組立体を挿入された燃料集合体に衝撃吸収装置を配置して、燃料集合体に作用する衝撃荷重を抑制できる。しかも、この燃料集合体収納容器によれば、燃料集合体の下方にも同時に配置した衝撃吸収装置と共に、燃料集合体に対して与えられる衝撃を抑制できる点で望ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、可燃性毒物棒組立体を挿入された燃料集合体に配置でき、燃料集合体に作用する衝撃荷重を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、燃料集合体の斜視図である。
【図2】図2は、燃料集合体収納容器の斜視図である。
【図3】図3は、可燃性毒物棒組立体の斜視図である。
【図4】図4は、燃料集合体に可燃性毒物棒組立体を配置した平面図である。
【図5】図5は、燃料集合体に可燃性毒物棒組立体を配置した側面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1に係る衝撃吸収装置の斜視図である。
【図7】図7は、図6に示す衝撃吸収装置の設置状態の平面図である。
【図8】図8は、図6に示す衝撃吸収装置の設置状態の側面図である。
【図9】図9は、緩衝体の側面図である。
【図10】図10は、緩衝体の側面図である。
【図11】図11は、衝撃吸収装置を設置するための取扱工具を示す側面図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態2に係る衝撃吸収装置の斜視図である。
【図13】図13は、図12に示す衝撃吸収装置の設置状態の平面図である。
【図14】図14は、図12に示す衝撃吸収装置の設置状態の側面図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態3に係る衝撃吸収装置の斜視図である。
【図16】図16は、図15に示す衝撃吸収装置の設置状態の平面図である。
【図17】図17は、図15に示す衝撃吸収装置の設置状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明に係る実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0029】
なお、以下に説明する燃料集合体100は、加圧水型原子力プラント(PWR:Pressurized Water Reactor)に対して好適に用いられるが、沸騰水型原子力プラント(BWR:Boiling Water Reactor)などの原子力プラント全般への適用を除外するものではない。また、以下に説明する燃料集合体収納容器200は、特に燃料集合体100の輸送時において好適であるが、貯蔵時での適用が除外されるものではない。さらに、燃料集合体収納容器200は、原子炉から取り出された燃料集合体100の収納に限らず、新しく製造されて原子炉に装荷される燃料集合体100の収納に適用してもよい。
【0030】
図1に示す燃料集合体100は、長手状に形成された複数の燃料棒101を、複数の支持格子102で束ねて構成されている。燃料棒101の両方の端部には、それぞれノズル103が配置されている。このノズル103が燃料集合体100の端部となる。また、燃料集合体100は、燃料棒101と平行に配置され、上下のノズル103に連結されつつノズル103の外部に開口する管状の案内管104が設けられている(図5参照)。
【0031】
図2に示す燃料集合体収納容器200は、主に原子炉から取り出した燃料集合体100を複数収納し、この燃料集合体100の輸送および貯蔵に用いられるものである。燃料集合体収納容器200は、上部が開口された有底の容器本体201と、容器本体201の外側に取り付けられる中性子遮蔽体202と、容器本体201の開口を閉塞する蓋部材203とを備えている。
【0032】
容器本体201は、筒状の胴部と、胴部の下端に設けられる底部とで構成されており、胴部と底部とで形成される容器本体内空間(キャビティともいう)201aが、燃料集合体100を収納する領域となる。容器本体内空間201aには、バスケット204が配置される。バスケット204は、格子状に区画された複数のセル204aを有する。セル204aは、例えば、断面外形および断面内形が矩形状(略正方形状)の角パイプが、束に複数組み合わせて構成されたもので、角パイプの中空の内部がセル204aとなる。そして、バスケット204は、容器本体内空間201aに配置されると共に、各セル204aの内部に個々の燃料集合体100を格納する。
【0033】
容器本体201は、容器本体内空間201aへ収納した燃料集合体100からのγ線を遮蔽する機能を有する。また、中性子遮蔽体202は、中性子を遮蔽するための中性子遮蔽物が内部に設けられている。また、容器本体201の容器本体内空間201aには、容器本体201の内周壁とバスケット204との間に介在するスペーサ205が配置されている。スペーサ205は、バスケット204に格納された燃料集合体100からの崩壊熱を容器本体201へ伝える。この崩壊熱は、容器本体201および中性子遮蔽体202を介して大気中へ放出される。
【0034】
蓋部材203は、一次蓋203aと二次蓋203bとを有している。一次蓋203aは、容器本体201の容器本体内空間201aに配置されたバスケット204に燃料集合体100を格納した後、容器本体201の上部の開口部201bに取り付けられるものである。二次蓋203bは、一次蓋203aの外側を覆うように容器本体201の開口部201bに取り付けられるものである。そして、蓋部材203は、一次蓋203aおよび二次蓋203bにより、容器本体201の容器本体内空間201aを密封する。なお、図には明示しないが、蓋部材203は、仕様により、二次蓋203bの外側を覆う三次蓋を有することもある。
【0035】
なお、燃料集合体収納容器200に収納された燃料集合体100は、その上端をなす一方のノズル103が、蓋部材203である一次蓋203aの内壁面に向き、下端をなす他方のノズル103が、容器本体201の容器本体内空間201aにおける底面としての内底面に向く。
【0036】
図3に示す可燃性毒物棒組立体300は、燃料集合体100の案内管104(図5参照)に可燃性毒物棒301を挿入するためのものである。可燃性毒物棒組立体300は、複数の可燃性毒物棒301と、支持板302と、保持部303とを備えている。
【0037】
可燃性毒物棒301は、燃料集合体収納容器200に収納された場合の燃料集合体100の上側のノズル103(以下、このノズルを上部ノズルと呼ぶ)を貫通するように、燃料集合体100の案内管104(図5参照)に挿通される棒状のものである。
【0038】
支持板302は、複数の可燃性毒物棒301を吊り下げた形態で固定するもので、各可燃性毒物棒301の上端に接合されている。この支持板302は、可燃性毒物棒301を燃料集合体100に挿通した状態で、上部ノズル103の上面に沿うように配置される。また、支持板302には、冷却水を流通させるための通水孔302aが上下方向に貫通して設けられている。
【0039】
保持部303は、支持板302の上面中央に取り付けられ、可燃性毒物棒301を燃料集合体100に挿通する際、支持板302と共に可燃性毒物棒301を保持するためのものである。保持部303は、支持板302に立設して固定されたパイプ303aの周囲に、コイル状のバネ部材303bが配置され、このバネ部材303bにより弾性支持する態様でパイプ303aの上端側にハンドル部材303cが設けられたものである。そして、可燃性毒物棒301を燃料集合体100に挿通する際には、図示しない取扱工具によりハンドル部材303cが掴まれることで、支持板302と共に可燃性毒物棒301が保持される。
【0040】
図4および図5に示すように、燃料集合体100が燃料集合体収納容器200に収納された状態で、燃料集合体100に可燃性毒物棒組立体300を配置した状態において、可燃性毒物棒組立体300は、可燃性毒物棒301が燃料集合体100の案内管104に挿入され、支持板302が燃料集合体100の上部ノズル103の上面に対向し、かつ保持部303が上部ノズル103の上方に突出して配置される。また、この状態において、保持部303のパイプ303aの下端が、支持板302の下面から突出しており、燃料集合体100の上部ノズル103の上面に当接することで、上部ノズル103の上面と支持板302の下面との間に隙間Hが生じている。
【0041】
このように、燃料集合体100に可燃性毒物棒組立体300を配置した状態では、可燃性毒物棒組立体300の保持部303が上部ノズル103の上方に突出して配置されていることから、燃料集合体収納容器200の蓋部材203と上部ノズル103との間に従前の衝撃吸収装置(図示せず)を配置することが困難である。
【0042】
そこで、本実施の形態では、燃料集合体収納容器200に収納された燃料集合体100に、可燃性毒物棒組立体300が配置された状態において、例えば燃料集合体収納容器200が落下した場合であっても、燃料集合体100に対して与えられる衝撃を吸収できる燃料集合体の衝撃吸収装置を提供する。
【0043】
[実施の形態1]
図6〜図8に示すように、実施の形態1の衝撃吸収装置1は、カバー部2と、緩衝体3とを備えている。カバー部2は、燃料集合体収納容器200に収納された燃料集合体100に、可燃性毒物棒組立体300が配置された状態で、燃料集合体収納容器200の蓋部材203と、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cとの間に介在される厚さを有して板状に形成されている。このカバー部2は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、蓋部材203と保持部303との間で、保持部303(ハンドル部材303c)の上方にてほぼ水平に配置される。さらに、カバー部2は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、保持部303の存在しない部位であって燃料集合体100の上部ノズル103の上方の部位に至り水平方向に延在するように短冊状に形成されている。なお、カバー部2は、排水などのために貫通孔が設けられていてもよい。
【0044】
また、カバー部2は、図8に示すように、上下方向に弾性を有する弾性部材4が上方に突出して設けられたバネ材として構成されている。この弾性部材4は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、燃料集合体収納容器200の蓋部材203に弾性力を伴って当接する。
【0045】
また、カバー部2は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cに嵌合する嵌合部5が設けられている。嵌合部5は、カバー部2の下面に設けられて下方に延在する突起であり、ハンドル部材303cの一部を両側部から挟むように対をなして設けられている。また、嵌合部5は、下方に向けて一式の突起の間隔が広がるように、ハンドル部材303cの側部に向く側部にテーパ面5aが設けられている。この嵌合部5は、ハンドル部材303cの複数箇所に対応して設けられていることが好ましく、実施の形態1では2箇所に設けられている。
【0046】
緩衝体3は、カバー部2に取り付けられている。緩衝体3のカバー部2への具体的な取り付け位置は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、カバー部2が保持部303の存在しない部位に延在した部位に取り付けられている。また、緩衝体3は、カバー部2から燃料集合体100の上端であって上部ノズル103の上面に向けて延在して設けられている。このため、緩衝体3は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、保持部303の側部に配置される。この緩衝体3は、樹脂,木材,金属のうちの少なくとも一つで構成されている。また、緩衝体3は、筒体,板体,ハニカム構造,積層構造,発泡体,ウール状などで形成されるものであって、これらの形態を複数組み合わせることも可能である。本実施の形態では、緩衝体3は、円筒形状に形成されている。
【0047】
この緩衝体3は、複数(本実施の形態では2つ)設けられ、燃料棒101の延在方向に沿う燃料集合体100における中心軸Sを基準とした水平方向の対象位置に配置されている。
【0048】
緩衝体3の下端側には、脚部材6が設けられている。緩衝体3の下端には、円筒状の穴を塞ぐ円板状のスペーサ7が設けられ、脚部材6は、このスペーサ7の下面に固定されている。なお、スペーサ7は、排水などのために貫通孔が設けられていてもよい。この脚部材6は、可燃性毒物棒組立体300の支持板302に設けられた通水孔302aに挿通される形状に形成されたブロックとして形成されている。このため、脚部材6は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、通水孔302aに挿通されることにより、燃料集合体100の上端(上部ノズル103の上面)に向きつつ、燃料集合体100の上端(上部ノズル103の上面)に当接する。また、脚部材6の側部には、燃料集合体100に向けて細径となるテーパ面6aが設けられている。
【0049】
また、緩衝体3は、図9および図10に示すように、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、燃料集合体100の中心軸Sに平行な荷重を受けた場合、変形の起点となる変形起点部3aが側部に設けられている。図9では、変形起点部3aが緩衝体3の下端側の側部で湾曲して設けられて、緩衝体3の下端が先細りに形成されている。また、図10では、変形起点部3aが緩衝体3の中程の側部で湾曲して設けられて、緩衝体3の中程がくびれて形成されている。なお、変形起点部3aは、湾曲に限らず屈曲により形成されていてもよい。
【0050】
上述した衝撃吸収装置1は、図11に示すように、把持機構をなす取扱工具8により把持されて燃料集合体100に配置される。この取扱工具8は、燃料集合体100を燃料集合体収納容器200に収納する取扱工具や、可燃性毒物棒組立体300を燃料集合体100に挿入する取扱工具と共通化されていることが好ましい。取扱工具を搬送する対象物で共通化すれば、対象物ごとに取扱工具を用意する必要がなく、また、取扱作業性も向上する。
【0051】
取扱工具8により燃料集合体100に配置される衝撃吸収装置1は、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cに嵌合部5が嵌合することで、緩衝体3や脚部材6が位置決めされる。また、嵌合部5のテーパ面5aにより、嵌合部5がハンドル部材303cに嵌合し易いように案内される。また、取扱工具8により燃料集合体100に配置される衝撃吸収装置1は、可燃性毒物棒組立体300における支持板302の通水孔302aに脚部材6が挿入されるが、この際、脚部材6のテーパ面6aにより、脚部材6が通水孔302aに挿入され易いように案内される。
【0052】
燃料集合体100に配置された衝撃吸収装置1は、カバー部2が可燃性毒物棒組立体300の保持部303の上方に配置され、緩衝体3がカバー部2から燃料集合体100の上端に向けて延在しつつ保持部303の側部に配置される。この状態では、カバー部2は、脚部材6が通水孔302aを挿通して燃料集合体100の上端(上部ノズル103の上面)に当接しているため、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cの上面に接触しない。また、図には明示しないが、燃料集合体100の下方である下端側の下部ノズル103にも衝撃吸収装置が配置される。この下部ノズル103に配置される衝撃吸収装置は、燃料集合体収納容器200に予め設置されているものであってもよい。
【0053】
その後、燃料集合体収納容器200に蓋部材203が設置された場合、蓋部材203とカバー部2との間に存在する弾性部材4の弾性力により、衝撃吸収装置1全体が下方に押圧されることで、衝撃吸収装置1が燃料集合体100の上端(上部ノズル103の上面)に押し付けられる。
【0054】
そして、燃料集合体100に配置された衝撃吸収装置1は、例えば燃料集合体収納容器200が落下し、燃料集合体100の中心軸Sに平行な荷重を受けた場合、緩衝体3が変形することで、燃料集合体100の燃料棒101に作用する荷重を軽減する。また、緩衝体3が変形することで、燃料集合体100の上部ノズル103の変形を抑制する。
【0055】
このように、実施の形態1の衝撃吸収装置1では、燃料集合体100を燃料集合体収納容器200に収納すると共に、可燃性毒物棒組立体300が、燃料集合体100の上端側から可燃性毒物棒301を挿入され保持部303を燃料集合体100の上方に配置された状態で、燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制するものであって、保持部303の上方に配置されるカバー部2と、カバー部2から燃料集合体100の上端に向けて延在しつつ保持部303の側部に配置される緩衝体3とを備える。
【0056】
この衝撃吸収装置1によれば、可燃性毒物棒301を挿入された燃料集合体100に配置することができ、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制することが可能になる。
【0057】
また、実施の形態1の衝撃吸収装置1では、緩衝体3は、可燃性毒物棒組立体300における支持板302の通水孔302aに挿通されて燃料集合体100の上端に当接する脚部材6をさらに備える。
【0058】
この衝撃吸収装置1によれば、脚部材6が燃料集合体100に当接することで、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を緩衝体3に直接伝えるため、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制する効果を顕著に得ることが可能になる。また、緩衝体3が変形することで、燃料集合体100の上部ノズル103の変形を抑制する効果を顕著に得ることが可能になる。
【0059】
また、実施の形態1の衝撃吸収装置1では、脚部材6は、燃料集合体100に向けて細径となるテーパ面6aを側部に有している。
【0060】
この衝撃吸収装置1によれば、テーパ面6aが脚部材6の通水孔302aへの挿通を案内するので、脚部材6を通水孔302aに確実に挿通させることが可能になり、衝撃吸収装置1の燃料集合体100への配置ミスを防ぐことが可能になる。
【0061】
また、実施の形態1の衝撃吸収装置1では、緩衝体3は、燃料棒101の延在方向に沿う燃料集合体100における中心軸Sを基準とした水平方向の対象位置に配置されている。
【0062】
この衝撃吸収装置1によれば、例えば燃料集合体収納容器200が落下し、燃料集合体100の中心軸Sに平行な荷重を受けた場合、中心軸Sを基準とした水平方向の対象位置で、燃料集合体100の燃料棒101に作用する荷重を均等に軽減する。この結果、燃料集合体100の一部に荷重が集中する事態を防ぐことが可能になる。
【0063】
また、実施の形態1の衝撃吸収装置1では、カバー部2は、燃料集合体収納容器200との間で上下方向に弾性を有する弾性部材4が上方に突出して設けられている。
【0064】
この衝撃吸収装置1によれば、弾性部材4の弾性力により、燃料集合体収納容器200(蓋部材203)との間で衝撃吸収装置1全体が下方に押圧されて、衝撃吸収装置1が燃料集合体100の上端(上部ノズル103の上面)に向けて押し付けられる。この結果、衝撃吸収装置1がガタついて微動する事態を防ぎ、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制する効果を顕著に得ることが可能になる。
【0065】
また、実施の形態1の衝撃吸収装置1では、カバー部2は、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cに嵌合する嵌合部5をさらに備える。
【0066】
この衝撃吸収装置1によれば、ハンドル部材303cへの嵌合部5の嵌合により、衝撃吸収装置1が位置決めされる。この結果、衝撃吸収装置1の燃料集合体100への配置ミスを防ぐことが可能になる。なお、嵌合部5のテーパ面5aにより、嵌合部5がハンドル部材303cに嵌合し易いように案内されるので、衝撃吸収装置1の燃料集合体100への配置ミスをさらに防ぐことが可能になる。
【0067】
また、実施の形態1の衝撃吸収装置1では、緩衝体3は、衝撃を吸収する際の変形の起点となる変形起点部3aをさらに備える。
【0068】
この衝撃吸収装置1によれば、燃料集合体100の中心軸Sに平行な荷重を受けた場合、変形起点部3aにより変形の起点が定められていることで、変形初期の段階で燃料集合体100に作用するピーク荷重を下げるため、燃料集合体100に作用する衝撃荷重をさらに抑制することが可能になる。
【0069】
なお、実施の形態1の衝撃吸収装置1は、緩衝体3に脚部材6を設けた構成であるが、脚部材6やスペーサ7を設けず、緩衝体3が支持板302の上面に接触するように構成されていてもよい。
【0070】
また、実施の形態1の燃料集合体収納容器200では、複数の燃料棒101を組み合わせてなる燃料集合体100を収納し、かつ可燃性毒物棒301と可燃性毒物棒301が取り付けられた保持部303とを有する可燃性毒物棒組立体300の可燃性毒物棒301を、燃料集合体100の上端側から挿入し保持部303を燃料集合体100の上方に配置した状態で、燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制するもので、上記のいずれか一つに記載の衝撃吸収装置1を適用するものである。
【0071】
この燃料集合体収納容器200によれば、可燃性毒物棒301を挿入された燃料集合体100に衝撃吸収装置1を配置して、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制することが可能になる。
【0072】
また、実施の形態1の燃料集合体収納容器200では、複数の燃料棒101を組み合わせてなる燃料集合体100を収納し、かつ可燃性毒物棒301と可燃性毒物棒301が取り付けられた保持部303とを有する可燃性毒物棒組立体300の可燃性毒物棒301を、燃料集合体100の上端側から挿入し保持部303を燃料集合体100の上方に配置し、燃料集合体100の下方にも衝撃吸収装置を同時に配置することで燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制するもので、上記のいずれか一つに記載の衝撃吸収装置1を適用するものである。
【0073】
この燃料集合体収納容器200によれば、可燃性毒物棒301を挿入された燃料集合体100に衝撃吸収装置1を配置して、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制することが可能になる。しかも、燃料集合体100の下方にも同時に配置した衝撃吸収装置と共に、燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制できる。
【0074】
[実施の形態2]
実施の形態2の衝撃吸収装置1は、図12〜図14に示すように、上述した実施の形態1の衝撃吸収装置1に対し、カバー部2の形状と、緩衝体3の数(本実施の形態2では4つ)が異なる。従って、以下に説明する実施の形態2では、実施の形態1と同等部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0075】
カバー部2は、燃料集合体収納容器200に収納された燃料集合体100に、可燃性毒物棒組立体300が配置された状態で、燃料集合体収納容器200の蓋部材203と、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cとの間に介在される厚さを有して板状に形成されている。このカバー部2は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、蓋部材203と保持部303との間で、保持部303(ハンドル部材303c)の上方にてほぼ水平に配置される。さらに、カバー部2は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、保持部303の存在しない部位であって燃料集合体100の上部ノズル103の上方の部位に至り水平方向に延在するようにほぼ矩形状に形成されている。なお、カバー部2は、排水などのために貫通孔が設けられていてもよい。
【0076】
上述した衝撃吸収装置1は、把持機構をなす取扱工具8(図11参照)により把持されて燃料集合体100に配置される。この取扱工具8は、燃料集合体100を燃料集合体収納容器200に収納する取扱工具や、可燃性毒物棒組立体300を燃料集合体100に挿入する取扱工具と共通化されていることが好ましい。取扱工具を搬送する対象物で共通化すれば、対象物ごとに取扱工具を用意する必要がなく、また、取扱作業性も向上する。
【0077】
取扱工具8により燃料集合体100に配置される衝撃吸収装置1は、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cに嵌合部5が嵌合することで、緩衝体3や脚部材6が位置決めされる。また、嵌合部5のテーパ面5aにより、嵌合部5がハンドル部材303cに嵌合し易いように案内される。また、取扱工具8により燃料集合体100に配置される衝撃吸収装置1は、可燃性毒物棒組立体300における支持板302の通水孔302aに脚部材6が挿入されるが、この際、脚部材6のテーパ面6aにより、脚部材6が通水孔302aに挿入され易いように案内される。
【0078】
燃料集合体100に配置された衝撃吸収装置1は、カバー部2が可燃性毒物棒組立体300の保持部303の上方に配置され、緩衝体3がカバー部2から燃料集合体100の上端に向けて延在しつつ保持部303の側部に配置される。この状態では、カバー部2は、脚部材6が通水孔302aを挿通して燃料集合体100の上端(上部ノズル103の上面)に当接しているため、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cの上面に接触しない。また、図には明示しないが、燃料集合体100の下方である下端側の下部ノズル103にも衝撃吸収装置が配置される。この下部ノズル103に配置される衝撃吸収装置は、燃料集合体収納容器200に予め設置されているものであってもよい。
【0079】
その後、燃料集合体収納容器200に蓋部材203が設置された場合、蓋部材203とカバー部2との間に存在する弾性部材4の弾性力により、衝撃吸収装置1全体が下方に押圧されることで、衝撃吸収装置1が燃料集合体100の上端(上部ノズル103の上面)に押し付けられる。
【0080】
そして、燃料集合体100に配置された衝撃吸収装置1は、例えば燃料集合体収納容器200が落下し、燃料集合体100の中心軸Sに平行な荷重を受けた場合、緩衝体3が変形することで、燃料集合体100の燃料棒101に作用する荷重を軽減する。また、緩衝体3が変形することで、燃料集合体100の上部ノズル103の変形を抑制する。
【0081】
このように、実施の形態2の衝撃吸収装置1では、燃料集合体100を燃料集合体収納容器200に収納すると共に、可燃性毒物棒組立体300が、燃料集合体100の上端側から可燃性毒物棒301を挿入され保持部303を燃料集合体100の上方に配置された状態で、燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制するものであって、保持部303の上方に配置されるカバー部2と、カバー部2から燃料集合体100の上端に向けて延在しつつ保持部303の側部に配置される緩衝体3とを備える。
【0082】
この衝撃吸収装置1によれば、可燃性毒物棒301を挿入された燃料集合体100に配置することができ、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制することが可能になる。
【0083】
また、実施の形態2の衝撃吸収装置1では、緩衝体3は、可燃性毒物棒組立体300における支持板302の通水孔302aに挿通されて燃料集合体100の上端に当接する脚部材6をさらに備える。
【0084】
この衝撃吸収装置1によれば、脚部材6が燃料集合体100に当接することで、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を緩衝体3に直接伝えるため、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制する効果を顕著に得ることが可能になる。また、緩衝体3が変形することで、燃料集合体100の上部ノズル103の変形を抑制する効果を顕著に得ることが可能になる。
【0085】
また、実施の形態2の衝撃吸収装置1では、脚部材6は、燃料集合体100に向けて細径となるテーパ面6aを側部に有している。
【0086】
この衝撃吸収装置1によれば、テーパ面6aが脚部材6の通水孔302aへの挿通を案内するので、脚部材6を通水孔302aに確実に挿通させることが可能になり、衝撃吸収装置1の燃料集合体100への配置ミスを防ぐことが可能になる。
【0087】
また、実施の形態2の衝撃吸収装置1では、緩衝体3は、燃料棒101の延在方向に沿う燃料集合体100における中心軸Sを基準とした水平方向の対象位置に配置されている。
【0088】
この衝撃吸収装置1によれば、例えば燃料集合体収納容器200が落下し、燃料集合体100の中心軸Sに平行な荷重を受けた場合、中心軸Sを基準とした水平方向の対象位置で、燃料集合体100の燃料棒101に作用する荷重を均等に軽減する。この結果、燃料集合体100の一部に荷重が集中する事態を防ぐことが可能になる。
【0089】
また、実施の形態2の衝撃吸収装置1では、カバー部2は、燃料集合体収納容器200との間で上下方向に弾性を有する弾性部材4が上方に突出して設けられている。
【0090】
この衝撃吸収装置1によれば、弾性部材4の弾性力により、燃料集合体収納容器200(蓋部材203)との間で衝撃吸収装置1全体が下方に押圧されて、衝撃吸収装置1が燃料集合体100の上端(上部ノズル103の上面)に向けて押し付けられる。この結果、衝撃吸収装置1がガタついて微動する事態を防ぎ、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制する効果を顕著に得ることが可能になる。
【0091】
また、実施の形態2の衝撃吸収装置1では、カバー部2は、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cに嵌合する嵌合部5をさらに備える。
【0092】
この衝撃吸収装置1によれば、ハンドル部材303cへの嵌合部5の嵌合により、衝撃吸収装置1が位置決めされる。この結果、衝撃吸収装置1の燃料集合体100への配置ミスを防ぐことが可能になる。なお、嵌合部5のテーパ面5aにより、嵌合部5がハンドル部材303cに嵌合し易いように案内されるので、衝撃吸収装置1の燃料集合体100への配置ミスをさらに防ぐことが可能になる。
【0093】
また、実施の形態2の衝撃吸収装置1では、緩衝体3は、衝撃を吸収する際の変形の起点となる変形起点部3aをさらに備える(図9および図10参照)。
【0094】
この衝撃吸収装置1によれば、燃料集合体100の中心軸Sに平行な荷重を受けた場合、変形起点部3aにより変形の起点が定められていることで、変形初期の段階で燃料集合体100に作用するピーク荷重を下げるため、燃料集合体100に作用する衝撃荷重をさらに抑制することが可能になる。
【0095】
なお、実施の形態2の衝撃吸収装置1は、緩衝体3に脚部材6を設けた構成であるが、脚部材6やスペーサ7を設けず、緩衝体3が支持板302の上面に接触するように構成されていてもよい。
【0096】
また、実施の形態2の燃料集合体収納容器200では、複数の燃料棒101を組み合わせてなる燃料集合体100を収納し、かつ可燃性毒物棒301と可燃性毒物棒301が取り付けられた保持部303とを有する可燃性毒物棒組立体300の可燃性毒物棒301を、燃料集合体100の上端側から挿入し保持部303を燃料集合体100の上方に配置した状態で、燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制するもので、上記のいずれか一つに記載の衝撃吸収装置1を適用するものである。
【0097】
この燃料集合体収納容器200によれば、可燃性毒物棒301を挿入された燃料集合体100に衝撃吸収装置1を配置して、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制することが可能になる。
【0098】
また、実施の形態2の燃料集合体収納容器200では、複数の燃料棒101を組み合わせてなる燃料集合体100を収納し、かつ可燃性毒物棒301と可燃性毒物棒301が取り付けられた保持部303とを有する可燃性毒物棒組立体300の可燃性毒物棒301を、燃料集合体100の上端側から挿入し保持部303を燃料集合体100の上方に配置し、燃料集合体100の下方にも衝撃吸収装置を同時に配置することで燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制するもので、上記のいずれか一つに記載の衝撃吸収装置1を適用するものである。
【0099】
この燃料集合体収納容器200によれば、可燃性毒物棒301を挿入された燃料集合体100に衝撃吸収装置1を配置して、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制することが可能になる。しかも、燃料集合体100の下方にも同時に配置した衝撃吸収装置と共に、燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制できる。
【0100】
[実施の形態3]
実施の形態3の衝撃吸収装置1は、図15〜図17に示すように、上述した実施の形態1の衝撃吸収装置1に対し、主に、カバー部2および緩衝体3の形状が異なる。従って、以下に説明する実施の形態3では、実施の形態1と同等部分に同一の符号を付して説明を省略する。
【0101】
カバー部2は、燃料集合体収納容器200に収納された燃料集合体100に、可燃性毒物棒組立体300が配置された状態で、燃料集合体収納容器200の蓋部材203と、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cとの間に介在される厚さを有して板状に形成されている。このカバー部2は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、蓋部材203と保持部303との間で、保持部303(ハンドル部材303c)の上方にてほぼ水平に配置される。さらに、カバー部2は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、保持部303の存在しない部位であって燃料集合体100の上部ノズル103の上方の部位に至り水平方向に延在するように円板状に形成されている。なお、カバー部2は、排水などのために貫通孔が設けられていてもよい。
【0102】
緩衝体3は、カバー部2に取り付けられている。緩衝体3のカバー部2への具体的な取り付け位置は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、カバー部2が保持部303の存在しない部位に延在した部位に取り付けられている。また、緩衝体3は、カバー部2から燃料集合体100の上端であって上部ノズル103の上面に向けて延在して設けられている。このため、緩衝体3は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、保持部303の側部に配置される。この緩衝体3は、樹脂、木材、金属のうちの少なくとも一つで構成されている。また、緩衝体3は、筒体,板体,ハニカム構造,積層構造,発泡体,ウール状などで形成されるものであって、これらの形態を複数組み合わせることも可能である。本実施の形態では、緩衝体3は、カバー部2を上蓋とし、かつ保持部303の周囲を覆うように円筒形状に形成されている。
【0103】
また、緩衝体3は、衝撃吸収装置1が燃料集合体100に配置された状態で、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cに嵌合する嵌合部5が設けられている。嵌合部5は、緩衝体3の側部に設けられ、緩衝体3の下端から開口して上方に延在する切欠であり、ハンドル部材303cの一部を両側部から挟むように設けられている。また、嵌合部5は、下方に向けて対向する切欠面の間隔が広がるように、ハンドル部材303cの側部に向く側部にテーパ面5aが設けられている。また、嵌合部5を形成するにあたり、スペーサ7には、ハンドル部材303cを挿通する挿通部7aが形成されている。この嵌合部5は、ハンドル部材303cの複数箇所に対応して設けられていることが好ましく、実施の形態3では2箇所に設けられている。
【0104】
上述した衝撃吸収装置1は、把持機構をなす取扱工具8(図11参照)により把持されて燃料集合体100に配置される。この取扱工具8は、燃料集合体100を燃料集合体収納容器200に収納する取扱工具や、可燃性毒物棒組立体300を燃料集合体100に挿入する取扱工具と共通化されていることが好ましい。取扱工具を搬送する対象物で共通化すれば、対象物ごとに取扱工具を用意する必要がなく、また、取扱作業性も向上する。
【0105】
取扱工具8により燃料集合体100に配置される衝撃吸収装置1は、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cに嵌合部5が嵌合することで、緩衝体3や脚部材6が位置決めされる。また、嵌合部5のテーパ面5aにより、嵌合部5がハンドル部材303cに嵌合し易いように案内される。また、取扱工具8により燃料集合体100に配置される衝撃吸収装置1は、可燃性毒物棒組立体300における支持板302の通水孔302aに脚部材6が挿入されるが、この際、脚部材6のテーパ面6aにより、脚部材6が通水孔302aに挿入され易いように案内される。
【0106】
燃料集合体100に配置された衝撃吸収装置1は、カバー部2が可燃性毒物棒組立体300の保持部303の上方に配置され、緩衝体3がカバー部2から燃料集合体100の上端に向けて延在しつつ保持部303の側部に配置される。この状態では、カバー部2は、脚部材6が通水孔302aを挿通して燃料集合体100の上端(上部ノズル103の上面)に当接しているため、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cの上面に接触しない。また、図には明示しないが、燃料集合体100の下方である下端側の下部ノズル103にも衝撃吸収装置が配置される。この下部ノズル103に配置される衝撃吸収装置は、燃料集合体収納容器200に予め設置されているものであってもよい。
【0107】
その後、燃料集合体収納容器200に蓋部材203が設置された場合、蓋部材203とカバー部2との間に存在する弾性部材4の弾性力により、衝撃吸収装置1全体が下方に押圧されることで、衝撃吸収装置1が燃料集合体100の上端(上部ノズル103の上面)に押し付けられる。
【0108】
そして、燃料集合体100に配置された衝撃吸収装置1は、例えば燃料集合体収納容器200が落下し、燃料集合体100の中心軸Sに平行な荷重を受けた場合、緩衝体3が変形することで、燃料集合体100の燃料棒101に作用する荷重を軽減する。また、緩衝体3が変形することで、燃料集合体100の上部ノズル103の変形を抑制する。
【0109】
このように、実施の形態3の衝撃吸収装置1では、燃料集合体100を燃料集合体収納容器200に収納すると共に、可燃性毒物棒組立体300が、燃料集合体100の上端側から可燃性毒物棒301を挿入され保持部303を燃料集合体100の上方に配置された状態で、燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制するものであって、保持部303の上方に配置されるカバー部2と、カバー部2から燃料集合体100の上端に向けて延在しつつ保持部303の側部に配置される緩衝体3とを備える。
【0110】
この衝撃吸収装置1によれば、可燃性毒物棒301を挿入された燃料集合体100に配置することができ、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制することが可能になる。
【0111】
また、実施の形態3の衝撃吸収装置1では、緩衝体3は、可燃性毒物棒組立体300における支持板302の通水孔302aに挿通されて燃料集合体100の上端に当接する脚部材6をさらに備える。
【0112】
この衝撃吸収装置1によれば、脚部材6が燃料集合体100に当接することで、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を緩衝体3に直接伝えるため、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制する効果を顕著に得ることが可能になる。また、緩衝体3が変形することで、燃料集合体100の上部ノズル103の変形を抑制する効果を顕著に得ることが可能になる。
【0113】
また、実施の形態3の衝撃吸収装置1では、脚部材6は、燃料集合体100に向けて細径となるテーパ面6aを側部に有している。
【0114】
この衝撃吸収装置1によれば、テーパ面6aが脚部材6の通水孔302aへの挿通を案内するので、脚部材6を通水孔302aに確実に挿通させることが可能になり、衝撃吸収装置1の燃料集合体100への配置ミスを防ぐことが可能になる。
【0115】
また、実施の形態3の衝撃吸収装置1では、緩衝体3は、燃料棒101の延在方向に沿う燃料集合体100における中心軸Sを基準とした水平方向の対象位置に配置されている。
【0116】
この衝撃吸収装置1によれば、例えば燃料集合体収納容器200が落下し、燃料集合体100の中心軸Sに平行な荷重を受けた場合、中心軸Sを基準とした水平方向の対象位置で、燃料集合体100の燃料棒101に作用する荷重を均等に軽減する。この結果、燃料集合体100の一部に荷重が集中する事態を防ぐことが可能になる。
【0117】
また、実施の形態3の衝撃吸収装置1では、カバー部2は、燃料集合体収納容器200との間で上下方向に弾性を有する弾性部材4が上方に突出して設けられている。
【0118】
この衝撃吸収装置1によれば、弾性部材4の弾性力により、燃料集合体収納容器200(蓋部材203)との間で衝撃吸収装置1全体が下方に押圧されて、衝撃吸収装置1が燃料集合体100の上端(上部ノズル103の上面)に向けて押し付けられる。この結果、衝撃吸収装置1がガタついて微動する事態を防ぎ、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制する効果を顕著に得ることが可能になる。
【0119】
また、実施の形態3の衝撃吸収装置1では、緩衝体3は、可燃性毒物棒組立体300における保持部303のハンドル部材303cに嵌合する嵌合部5をさらに備える。
【0120】
この衝撃吸収装置1によれば、ハンドル部材303cへの嵌合部5の嵌合により、衝撃吸収装置1が位置決めされる。この結果、衝撃吸収装置1の燃料集合体100への配置ミスを防ぐことが可能になる。なお、嵌合部5のテーパ面5aにより、嵌合部5がハンドル部材303cに嵌合し易いように案内されるので、衝撃吸収装置1の燃料集合体100への配置ミスをさらに防ぐことが可能になる。
【0121】
また、実施の形態3の衝撃吸収装置1では、緩衝体3は、衝撃を吸収する際の変形の起点となる変形起点部3aをさらに備える(図9および図10参照)。
【0122】
この衝撃吸収装置1によれば、燃料集合体100の中心軸Sに平行な荷重を受けた場合、変形起点部3aにより変形の起点が定められていることで、変形初期の段階で燃料集合体100に作用するピーク荷重を下げるため、燃料集合体100に作用する衝撃荷重をさらに抑制することが可能になる。
【0123】
なお、実施の形態3の衝撃吸収装置1は、緩衝体3に脚部材6を設けた構成であるが、脚部材6やスペーサ7を設けず、緩衝体3が支持板302の上面に接触するように構成されていてもよい。
【0124】
また、実施の形態3の燃料集合体収納容器200では、複数の燃料棒101を組み合わせてなる燃料集合体100を収納し、かつ可燃性毒物棒301と可燃性毒物棒301が取り付けられた保持部303とを有する可燃性毒物棒組立体300の可燃性毒物棒301を、燃料集合体100の上端側から挿入し保持部303を燃料集合体100の上方に配置した状態で、燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制するもので、上記のいずれか一つに記載の衝撃吸収装置1を適用するものである。
【0125】
この燃料集合体収納容器200によれば、可燃性毒物棒301を挿入された燃料集合体100に衝撃吸収装置1を配置して、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制することが可能になる。
【0126】
また、実施の形態3の燃料集合体収納容器200では、複数の燃料棒101を組み合わせてなる燃料集合体100を収納し、かつ可燃性毒物棒301と可燃性毒物棒301が取り付けられた保持部303とを有する可燃性毒物棒組立体300の可燃性毒物棒301を、燃料集合体100の上端側から挿入し保持部303を燃料集合体100の上方に配置し、燃料集合体100の下方にも衝撃吸収装置を同時に配置することで燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制するもので、上記のいずれか一つに記載の衝撃吸収装置1を適用するものである。
【0127】
この燃料集合体収納容器200によれば、可燃性毒物棒301を挿入された燃料集合体100に衝撃吸収装置1を配置して、燃料集合体100に作用する衝撃荷重を抑制することが可能になる。しかも、燃料集合体100の下方にも同時に配置した衝撃吸収装置と共に、燃料集合体100に対して与えられる衝撃を抑制できる。
【産業上の利用可能性】
【0128】
以上のように、本発明に係る燃料集合体の衝撃吸収装置および燃料集合体収納容器は、可燃性毒物棒を挿入された燃料集合体に衝撃吸収装置を配置でき、燃料集合体に作用する衝撃荷重を抑制することに適している。
【符号の説明】
【0129】
1 衝撃吸収装置
2 カバー部
3 緩衝体
3a 変形起点部
4 弾性部材
5 嵌合部
5a テーパ面
6 脚部材
6a テーパ面
7 スペーサ
7a 挿通部
8 取扱工具
100 燃料集合体
101 燃料棒
102 支持格子
103 ノズル
200 燃料集合体収納容器
201 容器本体
201a 容器本体内空間
201b 開口部
202 中性子遮蔽体
203 蓋部材
203a 一次蓋
203b 二次蓋
204 バスケット
204a セル
205 スペーサ
300 可燃性毒物棒組立体
301 可燃性毒物棒
302 支持板
302a 通水孔
303 保持部
303a パイプ
303b バネ部材
303c ハンドル部材
H 隙間
S 中心軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料集合体を燃料集合体収納容器に収納すると共に、前記燃料集合体の上端部から挿入する可燃性毒物棒と前記燃料集合体の上方に配置される保持部とを有する可燃性毒物棒組立体を前記燃料集合体収納容器に配置した状態で、前記燃料集合体に対して与えられる衝撃を抑制する衝撃吸収装置であって、
前記衝撃吸収装置は、
前記保持部の上方に配置されるカバー部と、
前記カバー部から前記燃料集合体の上端に向けて延在しつつ前記保持部の側部に配置される緩衝体と、
を備えることを特徴とする燃料集合体の衝撃吸収装置。
【請求項2】
前記可燃性毒物棒組立体は、通水孔が貫通して形成された支持板を有し、前記可燃性毒物棒を前記燃料集合体に挿入した場合に前記支持板の板面が前記燃料集合体の上端に対向して配置されるものであって、
前記緩衝体は、前記支持板の通水孔に挿通されて前記燃料集合体の上端に当接する脚部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料集合体の衝撃吸収装置。
【請求項3】
前記脚部材は、前記燃料集合体に向けて細径となるテーパ面を側部に有していることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料集合体の衝撃吸収装置。
【請求項4】
前記緩衝体は、前記燃料棒の延在方向に沿う前記燃料集合体における中心軸を基準とした水平方向の対象位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の燃料集合体の衝撃吸収装置。
【請求項5】
前記カバー部は、前記燃料集合体収納容器との間で上下方向に弾性を有する弾性部材が上方に突出して設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の燃料集合体の衝撃吸収装置。
【請求項6】
前記可燃性毒物棒組立体の前記保持部は、前記可燃性毒物棒を前記燃料集合体に挿入する際に取扱工具により保持されるハンドル部材を上端に有したものであって、
前記ハンドル部材に嵌合する嵌合部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の燃料集合体の衝撃吸収装置。
【請求項7】
前記緩衝体は、衝撃を吸収する際の変形の起点となる変形起点部をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の燃料集合体の衝撃吸収装置。
【請求項8】
燃料集合体と可燃性毒物組立体とを収納し、かつ衝撃吸収装置を前記燃料集合体の上方に配置し、前記燃料集合体に対して与えられる衝撃を抑制するもので、
請求項1〜7のいずれか一つに記載の衝撃吸収装置を適用することを特徴とする燃料集合体収納容器。
【請求項9】
燃料集合体と可燃性毒物組立体とを収納し、かつ衝撃吸収装置を前記燃料集合体の上方に配置し、前記燃料集合体の下方にも衝撃吸収装置を同時に配置することで前記燃料集合体に対して与えられる衝撃を抑制するもので、
請求項1〜7のいずれか一つに記載の衝撃吸収装置を適用することを特徴とする燃料集合体収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−13035(P2011−13035A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156014(P2009−156014)
【出願日】平成21年6月30日(2009.6.30)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】